鳥取県手話施策推進計画

1 計画の位置付け

この計画は、鳥取県手話言語条例(以下「条例」といいます。)第8条第1項に基づき、「手話が使いやすい環境を整備するために必要な施策」について定めるものです。

2 計画期間

平成27年度から令和5年度まで

3 計画の理念

手話が言語であるとの認識の下、手話の普及を通じて、ろう者と聞こえる人が互いの個性・人格を尊重して、共生する社会を目指します。

4 施策の基本的な考え方

施策の立案・推進にあたっては、以下の考え方を基本とします。

(1) 手話の普及、ろう者に対する理解促進

人と人が対面し、互いの目を合わせて意思等を伝え合う手話には、ICT全盛の現代社会だからこそ学ぶべき大切な要素が含まれています。
手話の普及は、手話表現を覚えるだけではなく、ろう者の生活・文化等を知り、ろう者と聞こえる人が交流し、コミュニケーションの重要性を実感しつつ、互いの理解を深め、学びあうことを大切にして推進します。

(2) 手話を使いやすい環境整備

ろう者の文化を尊重し、ろう者の生活・ニーズを踏まえ、手話通訳者の養成など、ろう者と聞こえる人がコミュニケーションしやすい環境づくりを推進します。

5 手話施策推進方針

次のとおり、手話施策推進方針を定め、総合的に施策を推進していきます。

(1) 手話の普及、ろう者に対する理解促進

ア 地域、職場等における手話の普及

ろう者と日常的に関わりのある地域、職場等ではろう者と聞こえる人が簡単な手話で日常会話ができ、ろう者と聞こえる人が支え合う環境づくりを、それ以外の地域等ではろう者への理解等を中心とした手話の普及を進めます。こうした取組の継続により、災害時等に助け合える環境づくりに繋げます。
また、多くの人が手話に関心を持ち、身近に感じてもらうため、手話パフォーマンス甲子園等を通じた普及啓発にも力を入れます。
さらに、難聴者・中途失聴者も手話が学べる場づくりの検討、手話カフェ等の取組の広がりを通じて、誰もが手話に触れ、学べる環境づくりを進めます。

イ 教育における手話の普及

小中学校・高等学校・特別支援学校において、ろう児、地域のろう者等との交流を通じて、教職員、児童・生徒一緒に楽しみながら手話の普及を進めます。手話学習教材の活用状況等を把握し、手話普及支援員派遣制度の充実を図りながら、各学校における手話の取組を着実に進め、将来的には全学校で手話を学ぶ機会をつくります。

ウ 行政、公共交通機関等における手話の普及・情報発信

ろう者への理解、手話学習を進め、手話を中心とした意思疎通方法により、必要なサービスの提供を行います。また、手話による情報発信を進めるとともに、行政窓口では、手話対応可能な職員増を進めます。

(2) 手話を使いやすい環境整備

ア 手話通訳者の養成、派遣事業等の充実

正確な手話通訳技術に加え、ろう者の歴史・文化を深く理解し、通訳場面での多様な通訳ニーズに応えられる手話通訳者の養成・派遣事業を進めます。併せて、ろう者の社会活動範囲の拡大に伴う手話の多様化・専門化に対応するため、現任研修等の充実により手話通訳者の通訳技術向上を推進します。
また、手話通訳者の増加を目指し、手話奉仕員の増加を促しつつ、手話通訳業務の意義・魅力を広く発信します。
一方で手話通訳者の健康管理、手話通訳者の指導者養成方法等を検討します。

イ 聴覚障がい者相談事業の充実

手話通訳者派遣事業とも十分連携し、通訳現場での課題発見等により、積極的に相談ニーズを把握し、課題解決を目指す相談事業を推進します。
また、福祉施設等に入所中のろう者、独居高齢ろう者への見守り活動、ろう者同士又はろう者と聞こえる人との交流機会創出も検討します。

ウ 鳥取聾学校・難聴学級における「手話による教育」の推進

教職員の手話技術向上等を通じて、ろう児が授業内容をより理解しやすくするとともに、ろう教諭等とのかかわりにより、自らがろうであることに誇りを持てる環境をつくります。また、同年代の仲間との交流や共同学習等を通じて、ろう児の社会性や豊かな人間性を育みます。
また、ろう児の保護者に対して新生児聴覚検査の理解の促進を図るとともに、医療機関、保健所、市町村保健師、聾学校、療育機関等が早期から連携して支援を行います。教育の分野においても、聾学校が早期から関与し、聴覚障がいに対する理解の促進や手話の学習機会を提供します。

エ 新しい手話コミュニケーション環境の創出

ICTは視覚的に情報を入手するろう者にとって、日常生活、社会生活又は防災等においても大変有効なツールです。遠隔手話通訳サービスの定着化等を通じて、ろう者とICTをつなぎ、新しい手話コミュニケーション環境の創出を目指します。
また、地域で孤立しがちな高齢ろう者、福祉施設等に入所中のろう者等に対しても手話コミュニケーション環境づくりを検討します。

オ ろう者が働きやすい環境づくり

聴覚障がい者就労支援事業その他の制度の普及・活用により、ろう者が働きやすい環境づくりを推進します。

カ とっとりの手話の文化的発展

地域における新しい手話表現の創出、古い地域手話の保存・伝承を通じて、鳥取県内の手話表現の豊かさ、多様性を育み、文化的発展を促進します。

6 鳥取県手話施策推進計画(全文)

7 問合せ先

障がい福祉課社会参加推進室
電話 0857-26-7201
ファックス 0857-26-8136
  

最後に本ページの担当課    鳥取県福祉保健部ささえあい福祉局障がい福祉課
    住所  〒680-8570
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