知事定例記者会見(2020年1月30日)

令和2年1月30日(木)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約70分) ※MPEG4形式

  

1 令和元年度補正予算、令和2年度当初予算 

●知事

 おはようございます。現在、鳥取県としての[令和2年度]当初予算に向けまして編成作業を進めているところでありまして、この後、各方面と調整を図りながら最終的な案をまとめていきたいと思います。先立ちまして2月3日には臨時議会を招集いたしまして、そちらのほうにも[令和元年度補正予算の]議案を提案させていただくと、大体162億円、国関連の補正予算ということになります。国のほうの参議院予算委員会、そして、本会議が今日[1月30日]、行われて補正予算が成立する運びとなります。従いまして、それを踏まえてということになります。先般申し上げましたとおり、公共投資が中心になるわけでありますが、それと合わせてTPP関連で農林水産業、それを強化していく諸事業33億円などもございまして、こうしたものを含めて提案をし、できるだけ早く実効性ある対策とさせていただきたいと思っております。


 並行して作業を進めておりました[令和2年度]当初予算のほうでありますが、予算規模は先週も申しましたが、例年並みになるのではないかと、今、積み上げている状況ではありますが、3,430億[円]を超えてくるぐらいかなと思います。まだ、最終的には、今、調整を図っているところでありますが、例年3,400億円規模の予算が大体本県の当初予算でございますので、そういう意味では通常並みは確保できそうかなということでございます。これに至るまで一番注意を払っていましたのは、一般財源をどう確保していくかということであり、志を共にする[他の]県と一緒になりまして、この交付税の算定が最近、非常に地方に厳しくなってきている、消費税[率]が引き上げられても交付税が下がるものですから一般財源総額は逆に消費税[率]引上げても減っていると、こういう状況が続いておりました。


 ですから、その交付税の算定をもっと税源偏在を是正していくような、そういう対応をとるべきだということを主張しておりましたが、今、国ではその方向に沿って4,200億円の特別の調整枠を作るようになりました。これは本県のほうにも試算として入れてまいりますと、大体、実質的な交付税配分、実質的な交付[税]、即ち交付税とそれから臨時財政対策債、これを合計したベースでは26億円のプラスとなると。それで、交付税だけでは41億円のプラスとなると、昨年[2019年]よりも大分伸ばせる格好になります。


 また、地方税ですね、税収が消費税[率]の引上げなどで19億円伸びると見込まれます。そういう意味で全体でも45億円程度一般財源、伸ばすことができそうだと、これで消費税率引き上げの前の平成25年の段階よりも若干プラスにもなりそうな形でありまして、同士の県と一緒に行政活動したことが成果を結び、本県におきましても消費税[率]は引き上げられたわけでありますが、当然ながらそれと合わせて一般財源総額が増えてくると、そういう形が見込めそうな状況になりました。こういうことから、私どもとしても3,430億円を超える程度の予算を組むに当たりまして、黒字のプライマリーバランス[基礎的財政収支]、これを確保できる目途は立ちました。従いまして、財政誘導目標も、少なくとも1つはクリアできそうであるということでございます。





2 SDGsの推進 

●知事

 具体的な中身としてはSDGs[持続可能な開発目標]とかはじめとした、そうしたサステナビリティ、持続可能性ということ、また、安全・安心、災害防災対策やあるいは医療・健康対策など、そうしたセーフティ[安全性]ということ、また、スポーツなど今年[2020年]、喫緊の課題になると考えておりますことに重点的に予算配分も行いながら、対策を組ませていただくということになります。そのほかにも所要の経費、積極的に提示をしていこうというふうに考えているところでございます。サステナビリティ、持続可能性というテーマからしますと、SDGsを1つの県政としても調整すべき課題、目指すべきターゲットとしていきたいというふうに考えております。


 そこで新年度[令和2年度]にはSDGsを担当する「政策戦略監」を次長級で設けることと合わせまして、それから令和の新時代[創造本部という組織]がございますので、「新時代・SDGs推進課」というのをいずれも令和新時代創造本部の中に設けさせていただき、SDGsの推進を地方創生とか、令和新時代の新しいテーマへの挑戦と合わせて、全庁的な政策目標として遂行していくと、その体制を組織的にも整えてまいりたいと思います。


 特に環境問題がやはりSDGsの大きなテーマの1つ、特に我が国には突きつけられている課題ではないかと思います。そういう観点から、「低炭素社会推進課」という組織も生活環境部の中に設けさせていただいて、SDGsについての環境側面をさらに推進していければと考えております。こうしたSDGs関連の予算に限ってだけでも6,000万円ほどでございまして、このほかにも様々な持続可能性についてテーマとしたような予算を盛込んでまいりたいと思います。


 あわせまして、今、全国の自治体でも広がりを見せ始めたところでありますが、2050年CO2排出実質ゼロ宣言、これを行う、いわゆるゼロカーボンシティとして本県も宣言をさせていただきたいと思います。この2050年に実質的に炭素、二酸化炭素の排出ゼロにすると。こういう目標に向けては、政府含めて国全体で様々な技術革新に挑んでいかなければなりませんが、例えば再生可能エネルギーであるとか、あるいは住宅についての性能強化とか、いろんなテーマを追求することでこうした大きな中長期目標というのを掲げていきたい。同志の自治体もいろいろおられますので、そうした所と連携協調しながら、対策の強化を年々重ねていけばというふうに希望いたしております。こういうことを実効性持たせるために、令和新時代環境イニシアティブプランという本県の環境基本計画。現在これはパブリックコメント中でありますが、その中でも意欲的目標を掲げて、最終的には今年度中にこれを策定し、こうした2050年に向けての短期的取組みを示していきたいと考えております。


 これと連動して、生物多様性の保全についての計画や廃棄物の処理計画、これも同時期に改正をする運びとなっていまして、こうしたところでも、様々な具体的施策も盛込んでいければと思います。例えば廃棄物のほうであればプラ[スチック]ゴミゼロに向けた、そうした挑戦といいますか、促進活動を行うとか、あるいはまた、生物多様性のほうでいけば、地域と連携をした保全活動を推進をする組織、地域連携保全活動推進センターというのを設置をしようと。そうした所を1つベースにしながらいろんな団体と連携をして生物多様性の保全というのを本県としても図っていく、こんなことを計画の中でも盛込んでいこうと考えております。これは今パブリックコメントをしているところでございまして、こういう環境関連の施策も含めて持続可能性、サステナビリティについて追求していければと思います。





3 防災対策、がん対策 

●知事

 また、セーフティ、安全・安心ということでは、先週申し上げましたように、予算上も防災対策、水防対策の予算など意欲的に計上していくことに致したいと考えております。それと合わせて、例えばがん対策のような健康づくりにつきましても重要な課題となります。幸いこのたび75歳を指標として、がんの死亡率が公表されました。これ、昨シーズンは、全国ワースト2の46位でありましたが、30位に急上昇するということになりました。特に女性のほうは10番台であるということであります。ただ、例えば肺がんであるとか、大腸がんや子宮がん等々様々な課題はなお残しているところでありまして、特に私どもは人口の小さな県でありますので、標本数が少ないものですから、ブレも大きいわけであります。ですから、ここ最近ずっと全国最低ラインの所を行き来していたことでありますので、30位に急上昇したとしても多分気を緩めることはすべきでないのだと思います。従いまして、8,200万円のがん対策予算というものも、また今回計上してセーフティ、安全・安心の一助にしてまいりたいと考えております。





4 ワールドマスターズゲームズ関西2021に向けた対応など 

●知事

 また、スポーツにつきましては、オリンピック・パラリンピックの年であります。この関連でも2億5,000万円の予算を計上して、例えばキャンプ関連であるとか、選手強化であるとか、さらなる促進をスポーツ面でも図っていきたいと思います。合わせて、いよいよ2月1日から関西ワールドマスターズゲームズ[2021関西]のエントリーが開始をすることになりました。本県でもそのエントリー募集に向けてPRを強めていきたいと思います。これは令和3年5月に開催されるものでありますので、新年度[令和2年度]は実情その準備を進めていかなければいけません。こういう関西ワールドマスターズゲームズ関連、海外でのPR促進も含めまして1億6,000万[円]の予算を計上させていただき、そうしたスポーツリゾートに向けた重要なステップの年としていければと考えております。こうしたことなど予算を今、編成中でございまして、まだまだ細部にわたって今、詰めを急いでいるところでございます。





5 新型コロナウィルスによる肺炎対策 

●知事

 喫緊の課題として今、全国、世界の注目を集めているのが新型コロナウイルス対策であります。局面が日々変わっています。今日も[中国の]武漢[市]から第2陣の帰国便が到着しました。その中には体調不良を訴えている人もいらっしゃいます。第1陣の中には3名の方が感染していたという報告が出てきました。うち2人は症状がないということであります。症状がない武漢の観光客からうつったのではないかということも報道され始めているのが大阪[府]、奈良[県]のバスの乗務員の方々でいらっしゃいます。こうした国内での二次感染の罹患者も出てくるようになりました。専門家によりますと、これからまだ国内でも広がってくる可能性は否定できないということであります。また、中国の中でも現在7,711人の罹患が確認をされ、170名の死者が出たという報告であります。この報道は日々どんどん膨れ上がってきている状態で、まだ歯止めがかかる兆しがないわけであります。


 片方で、中国国内では経済産業活動にも影響が出始めているわけでありまして、本県関連の企業でも中国の工場の閉鎖について延長の要請が当局から来て操業中止ということになっていると、そういう声も寄せられるようになってきたわけでございます。従いまして、経済界などともいろいろとこれ協調していかなければならないと思います。本日をもって新型コロナウイルス影響対策資金を発動して1.43%の特別融資、10年以内2億8,000万円限度という融資制度を発動することといたしました。また、これの発動に当たりまして、商工団体と情報交換や今後の方向性についての話合いをさせていただくことにいたしております。この融資についての相談を受けるとか、様々な状況把握、商工団体のほうも今、進めておられますので、この融資のことも含めて、ちょっと今後どういう体制が必要になるのか、場合によってはさらに踏み込んだ商工対策も必要になってくるかもしれないわけでありまして、そうしたことなど状況分析や、あるいは企業の相談に応じる体制を商工団体のほうでも取っていただく、そうしたことの話合いをしていきたいと考えております。


 また、これが広がってきている状況で、国内感染が広がるかもしれません。そこで2月4日に、鳥取市保健所、これは県組織ではなく市の組織であります。鳥取市保健所と連携させていただいて、新型コロナウイルスの訓練を本県としてもやろうと。これは県立中央病院のほうに患者が搬送されると、そういう想定も含めて実働とあと図上とを組合わせたような、そういう訓練をやって、手順の確認をしておく必要があるのではないかと思います。と申しますのも、新型インフルエンザのときは、結構こういうことをいろいろと訓練もやって備えながら、本県にも波及したときに、それが効果を得て、医療関係者とスムーズな連携のもとに新型インフルエンザ対策を進めることができました。そういう意味で、まず、本県としては2月4日にそうした手順の確認等も含めた訓練をしていく必要があるのではないかと思います。


 本日は[公益社団法人鳥取県]医師会と協議をすることにいたしております。そこでいろいろと意見交換をしていくこととなるわけでありますが、当面、今、4つの発熱外来としての機能を持つ指定病院に協力をいただいているところであります。ただ、仮に今後感染が拡大をしていくということになるかもしれないわけでありまして、新型インフルエンザのときは、さらにこれ以外の病院にも発熱外来の設置について協力をしていただいたことがございました。そういう意味で、さらに11の病院にも御協力いただくということを将来的には考えていく、想定していく必要がそろそろ出できたのではないかと思います。そういう意味で、今後の展開も念頭におきながら、医療機関と意見調整を始めてまいりたいと考えております。


 また、これは全国的な課題でありまして、本県だけで解決できるものでも決してありません。今、政府のほうではその取組みを推進中でありますけども、全国知事会レベルでもこうしたことに向き合っていかなければならないのではないかと思います。私自身も社会保障常任委員長として、今後こうした全国の自治体で共同する取組みなども今後話合っていく必要があるかなというふうに考えておりますし、そうした問題意識を関係県とも、今、共有を始めているところであります。





6 米子児童相談所虐待事件と改善に向けた対応 

●知事

 本県として非常に残念なことがございましたのは、米子児童相談所の事件でございました。これについては真摯に反省をし、そして再発がないようにしていかなければならないわけであります。これについてこのたび公表をされて、現場のほうで、今後の改善方策というのを先般示したところでありますが、率直に申し上げて、私自身まだ腑に落ちないところがございます。もっと一段上げた強化対策、本当の抜本的な改善策をやはり謙虚に考える必要があるではないかというふうに思います。そこで担当部局ではなく、総務部のほうに検証チームを第三者、外部の人によって設けさせていただいたほうがよいのではないか、例えば法律の専門家とか、それから児童福祉の専門家とか、そうした有識者の方による検証チームを早急に設置をさせていただき、今回の事件の背景、原因について、改めてこれは組織の外のほうから検証していくことが今後に向けて大切ではないかと考えております。


 検証作業の中で出てきた課題に沿って、組織改革なども踏み込んでいったり、対策の強化をする必要があるだろうと思います。米子児[童]相[談所]をはじめ、本県の児童相談体制というのは他県よりも際立って児童福祉の専門家を投入している数少ない県であります。大都市部とは違って、24時間以内に対処していくというようなことも現在まで可能にしてきているわけでありまして、その組織の中でこうしたことが起きたということは、正直、遺憾の極みと言わざるを得ないところであります。改善策を担当部局のほうで出しましたけれども、若干ちょっと疑問点も感じたところであります。例えば非常勤職員で当直をするわけでありますけども、それを巡視、監視する警備員が回ることで、それを対処していきたいと。こういうようなことであるとか、それから夜間は子どもたちの相談は受けないことを徹底するという話がありました。


 私は県民から選ばれた身として、若干疑問も感じたところでありまして、夜間子どもの相談を受けないというのは組織のあり方としてどうかなと。夜間であってもやはり子どもの悩みに応じるべきであります。非常勤職員でそれができないのであれば、正職員がやはり当直に当たるべきであります。従いまして、非常勤職員の助力も得ながらということは問題はないと思いますが、正職員も当直する体制に切り替えるべきだというふうに思います。これについて、直ちにそうした対応をしていく必要があると考えており、現場での調整に入る必要があると思います。警備員が巡視するよりも、やはり正職員とそれ以外の人が共同で夜を見守るのが本来、児童相談所の一時保護のあり方としては適切ではないかと思います。


 ただ、こういうことを注文だけつけるわけにもならないと思います。従いまして、この際、組織強化を図ることも我々として考えていく必要があるのではないかと思います。具体的には今、判定・保護課というそういう組織でこういう一時保護の仕事をしていますが、判定課と一時保護課を分業しまして、それで専門の職員も強化をすると。それから警察の職員も相談課のほうに配置をする。こうやって米子児童相談所、新年度という対応にはなりますが、3名の増員を正規職員ベースで図っていきたいと思います。こういう形でやはり組織の強化も、人も投入して図りながら、それでやはり事態の解決を行うべきであって、現行の職員体制だけで無理だということになるのであれば、そういうことも私ども、県庁全体でもいろいろと融通を利かしてやる必要がある。そういうようなことでちょっと先般の改善策というベースからは少し強化した形の改善策を投入させていただきたい。それをもって、再発防止に備えていきたいと思います。


 新年度予算の中でも、所要の研修経費であるとか、様々な経費も計上させていただきながら、この児童相談所の事件の再発ということを図っていきたいと思います。それで当面、米子児相に検証チームが入っていただきまして、事件のあぶり出しということをさせていただき、本当に解決できる策はどういうところにあるのか、こうしたことを教訓として、もし必要であれば他の児童相談組織のほうにも広げていきたいと考えております。





7 大山入山料徴収実証事業 

●知事

 さらに様々課題があるわけでございますけれども、例えば大山の入山料、今、この大山登山の協力金を、募集をするという、そういう事業をさせていただきました。これ、一区切りつきましてほぼ方向性が見えてきたところでありますが、その成果を踏まえて、国主体で今年度[令和元年度]やりましたけども、来年度[令和2年度]は県のほうで主体性をもって、この大山入山料実証事業をさせていただこうと思います。今シーズンさせていただいた中で、60万[円]、70万[円]というレベルでの協力金が得られていますが、これ通年でやるということを目指して、可能かどうかをもう1回1年かけて実証して、もしうまくいけば定着させていくということを考えていきたいと思います。大山1300年祭という大きな事業が終了したわけでありますが、みんなで大山を守るというそういう運動を展開することが大切であります。その1つのシンボリック[象徴的]なこととして考えてはどうかということです。


 大山に入山する際、協力の入山料を払っていただくと。例えば自動販売機みたいな所で販売するような形を取って、入山協力バッジっていうそういうバッジを着用してもらう。私はこの大山の自然環境保護、また、登山道の整備、トイレの整備等に協力しますよという意思表示をしてもらいながら、登山をしていただくと。そういうのがまた、強制的な徴収でありませんけども、1つの山のあり方として定着をしていくということを目指すのもよいのではないか。そんなバッジ入山協力の志を示すバッジ着用などで、そこで協力金を絡めていくというような、そういう入山料のあり方、こんなことを実証実験として考えていければと思います。





8 ハンググライダー等の安全飛行 

●知事

 また、[2019年10月に]ハンググライダーの事故がありました。これを踏まえて[1月]28日に関係者が集まって、県のほうの試案も示して取りまとめを図ったところであります。これに基づいて霊石山(れいせきざん)の山頂の所に2台のカメラを設置をするなど、800万円の事業を当初予算で計上していきたいと思います。あわせて、この中でスカイスポーツの安全対策委員会、安全対策会議というのを、設置をして、関係者も入っていただき安全対策というのを今後、強化をしていくと。さらには自主的なルールもありますが、そういうルールの改正を促していくとか、そうしたことなど安全対策を図り、このスカイスポーツについて本県独自でそのバックアップをしていくことといたしたいと思います。





9 雪不足への対応 

●知事

 また、雪不足で非常に災害級の打撃になってきました。資金支援については、今、発動中でありますけども、新年度、400万円の予算を計上させていただき、例えばサマーゲレンデであるとか、それから体験型の旅行素材であるとか、そうしたことで雪がなくてもスキー場、またそのエリアがリゾート地として営業できる、活動できる、そんなあり方をみんなで考える予算を検討してみたいと考えております。こんなようなことなど様々な対策に乗り出していく所存でございます。





10 手話パフォーマンス甲子園に向けた動き、電話リレーサービス 

●知事

 このたび、1月31日に[第7回]手話パフォーマンス甲子園の実行委員会、開催をすることになります。今年は9月27日に倉吉未来中心で実施をすることになります。高校生の手話の聖地として定着をしてきたわけでありますが、また、若い人たちがこのコミュニケーションを図って、かけ橋となってくれる、そういう運動を展開をしていければと思います。手話問題の研究会のほうの記念行事も開催をされますが、そういう地元の気運を盛り上げてまいりたいと思います。


 そういう中、国のほうでは電話リレーサービスを制度化しようということになりまして、総務省のほうから発表がございました。歓迎したいと思います。本県では通訳サービス、電話リレーサービスを、ダブレットを活用しながらやってきましたが、こうしたことが国の施策として取上げられることになり、利用料金の中で国民全体が負担をしていくという考え方でありまして、持続可能性のあるものになってくるんではないかと期待もいたしております。ぜひ、こうした運動を呼び起こしてきた鳥取[県]のほうに、また、この秋、高校生の皆様に来ていただけるよう、[手話パフォーマンス甲子園に]応募していただくように働きかけてまいりたいと思います。私のほうからは以上であります。





11 新型コロナウィルスによる肺炎感染拡大に伴う対応 

○読売新聞 滝口憲洋 記者


 それでは各社質問ありましたらお願いします。


○中国新聞 小畑浩 記者


 すいません。よろしいでしょうか。この新型コロナウイルスの対策の件で、全国知事会レベルで向き合って取組んでいきたいっていう御意向でしたけれども、まだ具体的なものは今あるわけじゃないと思うんですが、現時点で、知事会レベルで対応することでどんなことができるとか、どんな効果が期待できるとかいうのがあればお願いしたいと思います。


●知事


 この辺は[全国知事会の]会長[飯泉嘉門徳島県知事]の御判断でこれから決められることでありましょうから、それに沿って私どもも行動をしていきたいと思いますが、やはり今、我々も現場動き始めたんですけども、実務レベルではいろいろと悩み事もあります。例えば[2009年の]新型インフルエンザ[発生]のときは、日本に入ってくる前に若干の時間がありまして、その間に様々な、言わばツールが開発されていたんですね。新型コロナウイルスも、もう既に[検査・判定を行う]薬剤も入りまして、本県の衛生環境研究所でテストをして、陽性か陰性かを判定できるようにはなりましたが、以前、新型インフルエンザのときは、やはり医療現場で簡易[検査の]キット[一式の道具]がありまして、それで簡易判定ができたわけですね、そこで一次スクリーニング[選別]をして、それで衛[生]環[境]研[究所]のほうで判定をし、さらに国のほうも関与すると、こんな形でやっていたわけです。


 今、まだわかりません。2次、3次、4次とこういうふうに感染がもし拡大して、国内でまん延してくるという事態になりましたら、こういう簡易判定キットみたいなのがないと対処することが現場では難しくなるわけであります。このような現場の声なども、政府のほうに[届けて導入を]働きかけていく必要があるんじゃないかな、例えばこういう政府とのパイプ役ということも[全国]知事会が果たす1つかなと思います。また、機動的にやはり国と協力しながら、この感染拡大というのを食い止めていかなければなりません。まだ初動段階、国内では初動段階だと思いますが、これから仮に広がる兆候が出てきたときに、国と連携もしながら、また、県同士でも連携をしながら協力体制を敷いて、それで、感染拡大に対する資源、人的資源だとか、物的資源だとか、そういうものを例えば協力体制の中で融通し合っていくとか、いろんなやり方が考えられるのではないかと思います。


 また、情報の共有化をどのように図っていくかというのも、やはり地方[公共]団体同士の課題になってくるかなと思います。いろいろと地方レベルでも、この国家的、世界的課題に向き合っていくことはあるのではないかと思いますが、それぞれの都道府県が単独でやれることには限りがあるわけであります。前の新型インフルエンザのときも、例えば、京阪神では神戸[市]から始まりましたけれども、あっという間に広がりました。やはり通勤・通学の電車であるとか、いろんな場がございまして、県境はあっという間に越えてしまうわけであります。ですから、単独の都道府県レベルでできることはそれぞれが一生懸命やる必要があるわけでありますが、さらに連携をして、地域で連携をしてやっていく、そういうことを知事会なども関与をしながら、コーディネートしていくことは有効ではないかと考えております。


○山陰放送 日野彰紀 記者


 すいません。関連してですが、もちろん感染を広げないようにするということは必要なんですけども、一方では、中国からの旅行者が減って、周航したばかりの上海便にも影響が出ているところです。このあたりについては、どのように捉えていらっしゃるのでしょうか。


●知事


 これについては、私自身も上海吉祥航空の幹部の方、馮江濤(ユーチャンチー)さんという、副総裁と面談もさせていただき状況をお聞きしました。当時の状況ではありますけども、既に10万件のキャンセルが出て、日本便はもとより中国国内の航空路線でもキャンセルが出ていると。現に今、中国国内でも国内航空の2割程度は止まっているそうでありまして、そういうように事態は深刻化してきていますし、その副総裁のお話を聞いても、中国政府はかなりドラスティックに[思い切って]指導力を発揮しようとしている、例えば、キャンセルを無料で応じるというふうに言っていました。


 その後、報道が団体旅行は中止させるとか、そういうのが出てきまして、その航空会社の情報と平仄(ひょうそく)が合うのだなというふうに見ていました。[上海吉祥]航空会社側は、これは米子鬼太郎空港の問題ではないと、よく一生懸命こう地元で今、需要喚起をしようとしていただけに、航空会社としても非常に残念だと。ただ、過去の経験値からすれば、いずれ収まった後には、今度はまた旅行に行こうという圧力が高まるわけでありまして、そういうときにまたしっかりと復調させるように持っていきたいと、こういうお話がございました。


 現状を申し上げますと、先般[1月]28日に往復した上海吉祥航空、往復合わせて5割を切るという搭乗率となってしまいました。今の団体旅行客のキャンセルでございます。そういうようなことで、今後、事態はしばらくこうした状況が続くし、場合によっては航空便の運航自体にも影響が出てくることはあるかもしれませんが、会社側はこのことを米子鬼太郎空港の問題とは考えていないということを明確におっしゃっていまして、いずれ、また復調させていくときにぜひ全力を挙げて共同して取り組むということが必要だろうと思います。


 また、上海吉祥航空が中止になったことで、県内の旅館・ホテルでキャンセルが出たり、それから土産物屋さんでキャンセルが出る、そうしたことが報告されています。そういう意味で、このたび新型コロナウイルス影響対策資金というのを発動させていただき、私たちとしても資金支援でつなぎの会社経営等に対する影響を緩和していきたいと思います。また、あわせて、そういう観光関係も含めて商工団体のほうでもリサーチを強めていただき、相談に乗っていただくと。場合によってはさらなる追加の支援策が必要となれば、それも機動的に対処してまいりたいと思います。こういうことで、今日、発動させていただき、商工団体ともコミュニケーションをとらせていただくことにした次第でございます。


 また、当初予算の中でも、こうした意味で、中国の便、それから韓国の便、これを想定したプロモーション予算も組みますけれども、それ以外も含めて1億9,000万円レベルでインバウンド推進多角化対策事業というのをとらせていただこうと思います。東南アジア、それから欧米関係、いずれも今年度よりも増額をして、しっかりとプロモーションをしていきたいと思います。オリ[ンピック・]パラ[リンピック]の年ということもありまして、一気に[鳥取県の]知名度を世界中に広げていくチャンスとも言えます。そういう意味でのプロモーション活動、また、東南アジアも順調に旅客が伸びていますし、タイにつきましては、現在、数千人レベルでの春の旅行、団体旅行の交渉がまとまっていますし、また、それに追加して、広島方面からも今、団体旅行客を今、こちらに引き込もうという交渉も始めております。こんなようなことで多角化を図っていくことで、県内観光地への影響緩和を図っていきたいと思います。


○山陰放送 日野彰紀 記者


 すいません。お話の中にありました、航空便の運航自体に影響が出ることもとおっしゃいましたけども、吉祥航空側からそういう言葉が具体的に出ているんですか。


●知事


 私は直接、馮江濤(ユーチャンチー)さんからはそういうことは聞いていません。馮江濤(ユーチャンチー)さんはどちらかというと、これは地元[鳥取県]の問題でないので、やはりチケット[航空券]を売っているという責任もありますから、可能な限り飛ばしていくということの趣旨だと受け止めました。ただ、それは可能な限りという範囲でありまして、片方で[上海吉祥航空の]日本の支社長さんとか、そうしたところのお話も聞いてきておりますけれども、これから幹部会議等をやって、あちらも、それで場合によっては一部便の調整を図るということもあり得なくはないと、そういう可能性は今、内在しているというように我々は冷静に見ています。


 ただ、大事なのはそれが一時的なものなのか、あるいは一気にこの路線自体に影響するのかというところでありますが、今のところ、これは[中国]当局の指導もあってやっていることもいろいろあるというような趣旨だと思いますので、これについては、また回復時にまた一気呵成(いっきあせい)に応援をしていくというようなことを我々も準備しながら、[航空路線の]永続化に向けてやっていくのが戦略ではないかと思っています。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 すいません。それに関連してなんですけれども、現在得られている情報って、ちょっと繰り返しになるかもしれませんけれども、米子-上海便の仮に一時的な運休の可能性があるとすれば、いつ頃そういう判断が出そうだとかという情報をまず持っていらっしゃるのかということと、一時的な運休も仕方がないというような認識を示されたと思うんですけれども、改めて知事のお気持ちをお聞かせ願いますでしょうか。


●知事


 時期としては馮江濤(ユーチャンチー)さんが帰国されましたので、そうした幹部がそろって、今、向こうは今、春節というちょっと多分特殊事情があると思うんですけど、幹部の意思調整を図って、それで別に米子便だけでなくてほかにも飛んでいますので、そうした所の取扱いを決めていくと、こういうことを関係者はおっしゃっています。ですから、近々にそうしたことを意思決定される可能性はあるかなと見ておりまして、今、私どもも連絡を密にしているというのが実態であります。


 私自身もそうですし、観光関係者もおっしゃっていますけども、非常に残念な状況と言わざるを得ません。ただ、片方で今、中国政府が国を挙げて拡大阻止を図り、沈静化を図ろうとしていることは、それは理解できるところでもありますし、私ども鳥取県も公衆衛生という観点からは協力しなければいけないし、県民の皆様も健康のことを非常にデリケートに考えておられると思います。ですから、やみくもに旅客を引込めばいいというものでもないというふうに思っております。むしろ安全・安心を図りながら、可能な限り中国のお客様にも山陰のよさを知っていただくと、そういうのを粘り強くやっていくべき時期に差しかかったかなと思っております。


○朝日新聞 鈴木峻 記者


 すいません。関連してなんですが、民間企業中心に、武漢だけでなく中国への出張も控える動きというのが広がっていると思うんですが、県職員に対してそういうことを、そういう措置をとるお考えというのは何かあるんでしょうか。


●知事


 今は私ども[の鳥取県職員は武漢市の]近辺にいるわけではなく、そういう措置はとっていません。ただ、今、企業から事情を我々もローラー[をかけるようにしらみつぶし]で聞いているところでありますけど、そういう中にはやはり全員帰国させたと、そういう会社もございます。ですから、結構武漢に限らず、地域的には広がりを見せているということであります。そういう意味で商工団体とも連絡を密にする必要があると考えております。


○毎日新聞 野原寛史 記者


 すいません。今は空港、主に空港での水際対策っていうのを実施されておりますけれども、国内で患者が増えてくることで、それ以外のルートで鳥取に患者が入ってくる可能性というのは十分考えられるようになってきたと思うんですけども、空港以外の例えば陸路とかで入ってくるケースというのを想定した水際対策というのは何かお考えでしょうか。


●知事


 正直100%の対策というのは国内で蔓延し始めるときは難しくなってくると考えなければいけません。新型インフルエンザのときもそうでありますけども、最初、数例ポツポツと県内でも患者がクリニック[医療機関]で確認されたりし始めるわけでありますが、入り始めますと、もうどっから入ってきたということはわからず、疫学的調査すら難しくなるのが実態であります。恐らくそうした過去の経験を踏まえれば、例えば県境に検問を置いて停めて熱を測るというようなことは、多分あまり実行的でないことになってくるわけでございまして、初動ではその感染経路の確認等ですね、いろいろやる時期があるかもしれませんが、あとは国内で流行っている病気だと認識を改めていくタイミングがあります。

実は私どもマニュアル上はそういうやり方になっていまして、県外で発生しているとき、それから県内で発生しているとき、もし県内で発生し始めているということになれば、もう、先ほど申しましたように発熱外来というのを多くの病院にも協力していただいてやっていく体制をとっていく[こと]などが必要になってきますし、場合によっては大きなイベントなども中止を、お願いをすると。それから学校を閉鎖するとか、そういうことが現実には出てくるわけであります。ただ、今、中国の武漢で起こっているようなことが、もし国内発生で蔓延してきますと、我が国の中でも、そして本県でも起こり得る状況であるということは認識していく必要があります。


 従いまして、これからどういうふうに県内への流入を防ぐかということはありますけども、例えば鉄道を止めるとか、バスを止める、自動車を帰すという、そういう手段はなかなか我が国の場合、中国と違ってやりにくいところだと思います。従いまして、そこは新型インフルエンザのときに経験したような、ああいう対策を、これから関係者の間でも確認をしながら、県民の皆様の健康と安全の確保を図っていくことが、むしろ局面としては大事になってくると思います。


○毎日新聞 野原寛史 記者


 切換えのタイミングって、何か判断基準は。


●知事

 ございます。はい。はい。県内発生期とか、それから県外発生期というようなことで切換えていくタイミングっていうのもございます。はい。





12 県の令和2年度当初予算 

○山陰中央新報 原田准吏 記者


 すいません。話変わりますが、当初予算の関連で、知事の度重なる要望で一般財源の枠っていうのは確保されたと思うんですけども、一方で、全体の額3,430億というのは例年並みということで、その辺、予算編成に当たっての御苦労というか、難しかった点というのを教えていただければと。


●知事


 正直申し上げて、税収の伸びが今ひとつであります。結局、消費税[率引上げ]の分が確かに増えるんですど、法人課税[による税収]等々は細っていまして、逆に、だから従来の自主財源が目減りしているという状況があります。また、過去の借金の公債費ですね、借金の返しっていうことは今も残っていますし、それから人件費の面では私どもその職員構成がちょっと他県と違うところありまして、今、退職金のピークを迎えてきております。ですから、財政の歳出圧力っていうのは決して低くなったわけではない。また、社会保障関係、これも年々医療費も含めて増数しているのが現状でございますので、私どもとしてもそういうのをのみ込んでいかなきゃいけないと。ですから、財政の需要度は必ずしも高くはなっていないんですが、ただ、消費税が伸びるのを社会保障の増数分に充てるというふうなことなど、本来の制度設計に沿った形に今回の引上げはなりつつあるかなと、そこは評価させていただきたいと思います。


 ただ、非常にまだやりくりの苦労がありまして、例えば40億[円]程度は多分、財[政]調[整型基金]を崩さなきゃいけないんじゃないかと、それから繰越金も財源としてやはり20億[円]程度当てにしなきゃいけないんじゃないかとか、やはり従来と同じような、その予算の歳入歳出を調整する努力というのは必要になってしまったという面はあります。ただ、財調の取崩額は、従来よりは減らすことができたということかと思います。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 4期目になられて、また財政誘導目標の考え方を改められたと思うんですけども、先ほどプライマリーバランスの部分については達成できるかなということだったと思うんですけども、基金の部分については達成の見通しというのはどうなのか。


●知事


 これちょっと実は県内GDPとの関係があります。ですから、確定的な数字は言えないんですけども、200億[円]程度ぐらいが多分、現状その下限数値ということになると思うんですが、40億[円]程度崩したところで、そこには届かないとは思います。ただ、4年間の任期の中で、最後の出口で毎年順調に崩していくと突き抜けてしまいますので、ですから、そこはまだまだ警戒モードということであります。また公債費、実質的な借金返しのところですね。こういう意味で残高、借金残高というのも、これもやはり県内経済の大きさとの関連指標に今回変更させていただきまして、確定的なことは言えませんが、少しずつでも目標に向けて動かしていければと思っております。もうちょっと推計が、その県民経済計算と連動した部分などもありまして、それで、聞いていないところはありますが、ただ、一定の目安は議会の開会のときには示させていただきたいと思います。





13 米子児童相談所虐待事件への対応と県庁組織の機能 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 すいません。ちょっと話変わりますけれども、米子児童相談所の事件があったんですけれども、知事は先ほど担当課とか、児童相談所独自のその再発防止策は、はっきり言うと生温いということだと思います。それで、いろいろ対策を検討されるとか、それから結局総務部も関与していろいろ考えていこうというふうにおっしゃったんですけれども、最近、今年度の動きを見ると、例えばその米子の、淀江の産廃の問題にしても生活環境部から総務部とか、県土整備に業務を移管して今後対応していく。それで、今回もその担当部局がなかなか機能しないので、何か総務部が関与するみたいなことをちょっとおっしゃっているんですけれども、ちょっと言葉は悪いんですけれども、組織がちょっと何か円滑に機能してないんじゃないかっていうふうに知事御自身お感じになっているのかどうかという、そのあたりの御認識をちょっと伺いたいと思います。


●知事


 [米子市]淀江[町に建設が計画されている産業廃棄物最終処分場]の件につきましては、皆様もよく御案内のとおり、様々な論調が出てくるようになりまして、担当部局が結局[建設を計画している]事業者と一体じゃないかという、そういう論調が生まれました。これは、私は行政の信頼性という意味で、これから審査に入るわけでありまして、中立的な立場を確保する意味ではこの部局が審査をすると多分それは信頼感が得られないかもしれませんし、場合によってはやり方にも影響する、つまり審査のやり方ですね。要は結論先取りみたいになっては何の意味もありませんので、客観的にやるという、そういうことを担保するのであれば別部局でやるほうがいいかなということで、これ議会とも相談して決めさせていただきました。


 今回のケースは部局のほうで取りまとめて、部局なりの誠意をもって出したんだとは思うんですけども、ただ、県民の皆さんがあれで納得できる結果になるかなと、自分自身も県民代表としてちょっと疑問を持つところもありまして、そういう意味で、まずは、別にどこの部局でもいいんですけど、総務[部]でなくても。第三者がすなわち県庁の外の人たち、県庁の外の外部の人たちの専門家の目線でやはり役人、職員でない目線でこの事象をもう一度総括してもらう必要があるんじゃないだろうかと、そういう意味でその置き場所としてですけども、これ、別に総務部に置いても総務部長が何かするということではないんですが、置き場所としては行政監察・法人指導課というのがありまして、これが行政監察の部局であります。通常その職員自身が行政監察を行いますが、今回あえて、そういう検証チームを県庁外と言いますか、第三者機関としてそこに設置をして、それで検証していただこうと、こういうことにしようと考えております。


 やはり私は最近いろんな事件が各地でこうした児童相談、虐待保護等で起きているわけでありますが、本県は比較的そういう意味では専門家も入れて非常に深刻な事案というのは回避できているという実績はあると思います。ですから、組織自体を潰そうとか、それをどうだこうだという趣旨ではないんですけども、ただ、今回の事件が起こったことにはやはり仕事のやり方の問題はなしとはできないのではないかと、そういう意味でその組織の中で答えを出すのではなくて、組織の外からアドバイスをもらうほうがより解決の熟度を高めるのではないかと思います。


 そういう意味で、あえて別部局のほうにそういう審査機能というのを持たせたほうが[良い]というふうに考えました。ただ、もちろん予算自体、例えば研修とか、そういう自浄作用、それから例えば先ほど申しました組織強化の一次保護[の担当部門]とそれから判定[の担当部門]とを分離してやるとか、そうしたことも含めた組織強化等は当然当該部局のほうに事務権限というのは持ってもらう必要があるわけでありますが、この審査に限っては検証に限ってはあえて外からさせたほうがいいんのではないかと考えております 。





14 米子児童相談所等の夜間の体制 

○共同通信社 遠矢直樹 記者


 すいません。関連してなんですが、先ほど職員の増強をされるというお話もありましたが、一方で正規の職員の方も当直に入る体制を取ったほうがいいのではということもおっしゃっていまして、そうなると職員の方の負担というのも増えてくると思います。その際に対応のクオリティの低下みたいなものを懸念する声が挙がると思うんですが、そのあたりいかがお考えでしょうか。


●知事


 ですから、職員の増員ということも合わせて取っていこうということであります。皆さんどう思っておられるかわからないですが、私は県庁職員のモラルとか、それから意識というのは信頼を置いているところもあります。ですから、今回の事件は多分当該組織にとっても非常に残念なことですし、改善しなきゃいけないことだということは理解しているはずです。そういう意味でそうした当直への正規職員投入ということは方策としては理解していただけるんではないかと思いますし、その定数上もそこを増員しながら持っていこうというふうに考えております。


 これについてはいろんな見方は確かにあるかとは思うんですけども、実は、以前は正職員が当直していたんです。それがいろいろと今おっしゃるような一時期児童相談所が忙し過ぎるのではないかというそういう議論が結構幅広く起きまして、県議会でも議論したと思います。そういうようなことで、そういう当直の外部化ということをやったという経緯がありますが、実は職員の思い入れの中には自分も当直したというのは当然あるんですよね。それから、現在でも例えば喜多原学園という同じような児童収容組織と言いますか、児童保護のというか、そういう組織[児童の自立支援のための施設]がございます。


 その喜多原学園では正職員とそれからそうしたサポート職員、臨時の職員ですね、これが一緒に泊まるということを現在でもやっています。ですから、その児童福祉の世界では決してそれはやり過ぎということでなくて、正直申し上げればそれが標準形なんではないかなというふうに思いますので、原点に立ち返ろうということであります。先般の当該部局のほうで提示させていただいた改善案は、そこをあえて回避しようとしているんですけども、そこには若干の違和感があったというふうに思います。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 すいません。その件で3人増員をされるというのは、米子児相だけの話ということでよろしいんですか。


●知事


 中央児[童]相[談所]、東部のほうの児[童]相[談所]についてもそうした措置は取らせていただきたいと思います。いずれにいたしましても、ちょっと検証作業もさせていただいて、それで検証チームで例えば弁護士さんだとか、民間の児童福祉組織の方とかそうした方に見ていただいて、やはりここはちょっと無理がかかっているんじゃないかとかね、いろいろあるんであればそれは謙虚に受止めて、組織の改革を前進させていきたいと思います。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 まずは、当分増員をしておいて、その後に検証結果が出てきた後に、もう1回見直しをするみたいな、


●知事


 それはあり得ます。ええ、それはあり得ます。ですから、組織機能の強化のために増員だとか、あるいは組織編成替えだとかもやりながら、今回の再発防止を進めていくと。同時に、今、全国的にやはり児童相談所の機能強化ということを図る必要がありますので、そういうことにも対処していきたいということであります。これで終わりということではありませんが、ただ、やはりまずはそうした組織上の手も打っていくという必要があると思います。





15 男性県職員の育児休業取得促進 

○時事通信社 今泉悠 記者


 すいません。ちょっと話題が全く変わるんですけれども、先日、総務省のほうから各知事、あと、市町村長に向けて男性地方公務員の育休取得を進めるようにという通知がありました。鳥取県の場合、全国で男性の育休取得率、地方公務員ですね、全国で4位なんですけれども、ただパーセントで見ると7.3ということで非常に低いと。それで1位の三重県でも8.1%で、そもそも男性っていうのが育休取得されてないっていう状況があるかなと思います。それで、この通知を受けて、県組織として、これは警察とかそういう所も含まれてくいるんですけれども、育休取得に向けて何か取組まれる御予定ってあるかということと、あと、県全体で見ても、例えば女性取得率が69.8%に対して男性が5.6%、すごい乖離があるんですが、その男性の育休をより取得できるようにするための何かお考えというのはありますでしょうか。


●知事


 今も[時事通信社の]今泉[記者]さんのおっしゃったわけですけど、実は本県この分野はちょっと模範生的なとこがあります。取得の日数[と申しましたが「率」が正解でした。]も全国では上位にありますし、あと、顕著なのは取得日数ですね。ですから、それ[男性の育児休業取得率]が全国のその平均とか、国の国家公務員の状況よりも遥かに上回っていまして、何年もこれ続けてきたものですから定着の方向にあるかなと思いますが、それを前提とした上で、なお一層ですね、まだこれゴールではないということを自覚をして、国の通知もこれありでありすけども、私ども自身も重点テーマにおいているところでありますので、職員団体であるとか、それから職場とも協調しながら、こういう育休取得を特に男性についても促進をしていきたいと思います。


 そういう意味で、例えばリモートワーク[在宅勤務]のような形であるとか、それからフレキシブル[柔軟]な出勤等の自由度の高い勤務体制ということも含めて、子育て[しやすい]環境というのを広げていく必要があるだろうと思います。それで、この辺も年々前進させてきているところであり、数字も上がってきておりますけども、さらなる拡大を図っていきたいと思います。警察のお話がございましたが、警察はちょっとこれ私びっくりしましたが、確か100%か90%か、ほぼ全員取得みたいな、そういうデータになっていまして、[実際には、鳥取県警察女性職員の取得率が100%で、男性は60%です。]非常に顕著に一気に進んだという状況がございました[男性職員の取得率は前年度の6%から今年度60%に大幅上昇しています。]。そのちょっと要因なんかも知事部局のほうでも参考にさせていただく必要があるかなというふうに考えております。これについてはぜひ庁内組織もしっかりと活用して、推進を図っていきたいと思います。


○読売新聞 滝口憲洋 記者


 皆さん、よろしいでしょうか。はい、それでは知事ありがとうございました。


●知事


 どうもありがとうございました。




  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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