1 調査日時・調査箇所 平成19年8月1日(水) ・あいち臨空新エネルギー発電所 ・鳥取県名古屋事務所 平成19年8月2日(木) ・犬山市教育委員会 ・愛知県がんセンター中央病院 平成18年8月3日(金) ・愛知県美術館 |
2 調査委員 藤縄委員長、浜崎副委員長、市谷委員、澤委員、松田委員、廣江委員、村田委員、横山委員 |
3 随行者 鳥取県議会事務局議事調査課 野川主幹、田中副主幹 |
4 調査内容 ○あいち臨空新エネルギー発電所 ・新エネルギーシステムの普及に向けた取組み状況について ○鳥取県名古屋事務所 ・中京圏における鳥取県の現状と今後の取組みについて ・学生を含む鳥取県出身者との連携について ○犬山市教育委員会 ・犬山市のめざす教育「学びの学校づくり」について ○愛知がんセンター中央病院 ・愛知県におけるがん対策の取組み状況について ・がん診療連携拠点病院としての役割について ○愛知県美術館 ・県立美術館の在り方について |
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今回は、愛知県における環境、教育、医療分野に関して全国的に先駆的な取組みを行っている事例の調査を行った。 |
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(1)「環境分野」においては、新エネルギーシステムの普及に向けた取組み状況について「あいち臨空新エネルギー発電所」を調査した。 「あいち臨空新エネルギー発電所」は、新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の新エネルギー等地域集中実証研究プロジェクトとして、平成17年に開催された「愛・地球博」会場内に建設・運用していたものを移設したものであり、博覧会から継続して研究を行っている。 このプラントの中には、生ゴミやペットボトル・廃材を燃料とした発電システムもあり、新エネルギーの導入に向けた施策を検討するにあたって参考となったが、このプラントはNEDOからの助成を受けて運営が成り立っているとのことであり、費用対効果の面からいえば検討の余地ありと考える。 |
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(2)「教育分野」においては、犬山市のめざす教育「学びの学校づくり」について「犬山市教育委員会」、県立美術館の在り方について「愛知県美術館」の2か所を調査した。 まず、「犬山市教育委員会」は、平成14年度から学びの学校づくりを当面の最重要課題と位置づけ、「犬山プラン」を策定し、少人数指導授業の導入などのさまざまな教育改革を行っている。 瀬見井教育長は、「子どもの学力保障については、『一切、教育委員会に任せてください』というスタンスである」と言い切られ、また、「学校の自立性や教師のやる気を促すような施策を行うことで子どもたちの学ぶ力を育成している」と熱く語られた姿がとても印象的であった。 鳥取県も学校の自立や自ら学ぶ力の育成に取り組んでおり、今後の施策に向けて大いに参考となった。 |
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次に、「愛知県美術館」は、名古屋市の繁華街である栄地区にある愛知県芸術文化センターの中(8階~12階)にあり、利便性の良いところにあることや、館長をはじめ学芸員等スタッフの方々の日々の努力などもあり、美術館としての評価も高い。 また、小中学生に対しては、入場料収入(年間約400万円)以上の教育的効果があるという見解のもとに、常設展だけでなく、企画展も無料にしており、調査当日も、夏休み中ということもあり、多くの子ども達でにぎわっていた。 鳥取県では現在のところ建設が凍結しているが、今後県立美術館の在り方を考えていく上で非常に興味深い内容だった。 |
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(3)「医療分野」においては、がん診療拠点病院としての役割について及びがんに関する最新医療について「愛知県がんセンター中央病院」を調査した。 「愛知県がんセンター中央病院」は、昭和39年に開設されたがん専門の医療機関であり、平成16年12月に日本経済新聞社が行ったアンケート調査で「日本一のがん治療実績を持つ病院」として高い評価を受けている。 また、同一敷地内には、国立がんセンターに次ぐ規模の研究所があり、研究所と連携したがん対策が行われている。 今回の調査において、当病院での取組み状況はもとより、全ての患者やその家族が安心できるよう、今後10年間でがんによる死亡者の減少(20%減)や、全てのがん患者や家族の苦痛の軽減、療養生活の質の維持向上などを目的とした国のがん対策の考え方や、がんに関する最新の診断方法や治療方法についての説明を受けた。 「がんにかかっても治る」ということが大切であり、そのための早期発見、早期治療の取組みが今後更に必要であることを強く感じた。 また、PET-CT検査診療所については、敷地の一部分(約1100㎡)を民間へ貸し出し、現在建設中であるということで、効率よく官民連携した取り組みが行われており、大変興味深い内容だった。 |
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その他、今回の調査では、中京圏における本県の取組みについて名古屋事務所の調査も行った。観光プロモーターや企業誘致担当参与を配置し、積極的な取り組みが図られているが、中京圏における本県の認知度が今ひとつ低く、今後一層の取組みが必要であると感じた。
全ての調査事項にわたって、各委員から積極的な発言、質問が繰り返され、調査時間が足らないと感じるほど充実したものとなり、大変有意義であった。
今回調査したこれらの施策、取組みについては、今後の委員会活動の参考としていきたい。 |