◎横山委員長 ただいまから経済産業常任委員会を開会いたします。 本日の日程は、お手元に配付しております日程表のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。 それでは、会議録署名委員を指名いたします。 本日の署名委員は、山根委員がおられませんので、鉄永委員と浜田委員にお願いします。 それでは、ただいまから付議案の予備調査を行います。 今回は農林水産部関係の議案が1件です。 それでは、庄司経営支援課長より説明を求めます。
●庄司経営支援課長 権利の放棄、具体的には農業改良資金貸付金に係ります違約金の減額につきまして議会の議決を求めるものであります。 まず、権利放棄の内容でございますが、有限会社伊藤ブロイラーに対しまして、県が昭和55年度に870万円の農業改良資金の貸し付けを行っておりますが、その元金残額とそれから違約金残額の合計額の2分の1に相当する額の違約金を放棄しまして、相手方と和解をするというものでございます。 権利放棄の金額でございますが、まずその貸付金の残額、一番左側の列をごらんいただきたいのですけれども、元金が175万2,500円でございます。違約金は、元金の支払いがおくれますと年12.25%の利息で計算をするということになっておりまして、違約金が794万2,714円でございまして、合計額が969万5,214円となっております。この2分の1に相当します484万7,607円、これの違約金を放棄をするというものでございます。 相手方は八頭町の有限会社伊藤ブロイラーとその連帯保証人等でございます。 権利放棄の理由でございますが、まず借り受け者であります伊藤ブロイラーは既に事実上、倒産状態であると、そういう事情がございます。それから連帯保証人はもともと2名おりますが、1名は既に死亡されていると、それからもう1名も高齢であると、そういう事情がございます。それから県が連帯保証人に対しまして長期にわたって債権回収を行ってこなかったと、そういう事情もございます。その間に違約金が先ほどの金額のとおり膨らんでおると、そういう事情もございます。こういう事情のもとで本年2月から相手方の弁護士を立てられましたので、弁護士と交渉を行ってまいりまして、先方はどうにか債権総額の2分の1までなら支払うと、そういうことを言っておられますので、和解に応ずることとしたというものでございます。
◎横山委員長 ただいまの説明に対し、質疑、御意見ありませんか。 ○小谷委員 意味はわかったけれども、何でこんなに遅くなったのか。県の怠慢ではないか。例えばその辺のところの責任はだれが負うか。ここまでなるのに、もっときちんとしておけばよかった。ある意味では税金的なことになるのか、5年間でやって、あれは払わなくてもよいのだな、税金、それと同じ条件になるのかと、なぜこういう状況が生じたかをもっと詳しく聞かないとよくない。
●庄司経営支援課長 この件は非常に特殊といいますか、長期化している案件でございまして、ずっと本人……。
○小谷委員 長期化された理由を聞きたいわけだ。
●庄司経営支援課長 本人の方からずっと返済が毎月毎月ございまして、そういう事情もありまして連帯保証人の方に当たるというところまで思いが至っていなかったというものだというふうに思っております。
○鉄永委員 そもそもいつ契約をされたものか、それで違約金が発生し出した、要するに契約不履行が始まった時期はいつなのか、まずそのものをきちっと出してください。
●庄司経営支援課長 契約は昭和55年度でありまして、延滞の発生は昭和57年度であります。
○鉄永委員 55年から2年間ですよね。これは何年で返済するのですか。
●庄司経営支援課長 昭和56年から62年までの7年間でございます。
○鉄永委員 そうすると、違約金が始まったのが57年。
●岡村農林水産部次長 7年間になります。借入額を7回に分けて年1回払う、年賦償還の償還期間7年です。
○鉄永委員 7年ですよね。57年度は。
●岡村農林水産部次長 年賦ですので、120万円程度ずつ毎年、年末にはずっと支払いがあって、借入額の全部の返済が終わるのが昭和の62年となります。
○鉄永委員 それで、57年から始まったということですから、一部は入っていたのですか。完全に払えなくなったのはいつなのですか。
●庄司経営支援課長 完全に払えなくなったのは、代表取締役の伊藤さんが亡くなられた平成13年、そのあたりまではずっと入っておったと思います。(発言する者あり) 済みません。昭和55年に870万円貸し付けまして、57年に延滞が発生しております。それで、その後、断続的に返済がございまして、その最終の返済は平成13年、代表取締役の方の亡くなられるところで途絶えているということでございます。
○伊藤委員 結局55年貸し付け契約して、1年間だけ120万程度返ってきて、57年度からは要するに元金の遅延が始まっているということで、ただし以後、本人が少しずつ元金のいわゆる返還を始めていたと。しかしながら、違約金だけはずっと積み重なってきていて今日を迎えたということですね。 まず1点は、そういう1年しか償還できないような経営状況というのはその当時、判断できたはずなのですよね。それを貸し付けする時点で県がどう判断したのかということと、それから債権を、このたび弁護士を相手が立ててきた。弁護士を立ててきたから半分折半にするということが、弁護士同士の話し合いという形になるのだけれども、その判断についてどうなのかということを、これからの例として債務がたまってきた、なら弁護士を私は立てる。弁護士を立てれば債務も半分になるということが一つの前例となりはしないのかという部分で危惧する部分があるのです。それについて見解を聞かせてください。
●庄司経営支援課長 最初の貸し付けですけれども、貸し付けは適正にもちろん行われていたというふうに考えておりますが、間もなく病気が発生してたくさん鶏が死んだということで、経営が急速に悪化したということのようであります。 もう1点は、弁護士を立てれば半分になるのかということでございますけれども、もちろんケース・バイ・ケースでございまして、この件については相手方弁護士と折衝を行ってきまして、相手方が支払える最大限の金額であるということで、この金額で和解をしたいというものでございます。
○鉄永委員 説明を聞きましたけれども、伊藤ブロイラーさんが亡くなれるときまでずっと延々と払ってこられたのですよね。聞いてみますと、鶏が大量に死んでから非常に厳しくなったと。今回は、こういうことというのは、鳥インフルエンザではありませんけれども、鳥に限らず、今後こういうことはあり得るのですね。要は、20年もたってしたということに問題があるのではないですか。要するに利息は12.25%、今、話題になっている15に近いのですよ、高利貸しですよ。こんなものをぼちぼち払ったところで、払った以上についているから利息が800万円もついている、違約金が。元金は八百何十万円の中の670万円近く払っているのですよね、当時でも。ですから、非常に経営がぼんと厳しくなった時点で、向こうさんのミスも当然あるでしょう、経営責任ということが。ですけれども、その時点で再建をどうしていくのかということをきちんとやっていきませんと今後もこんなことがありますよ。まだ元金が残っているからいいけれども、これゼロになっていて違約金ばかり払い続けるということもあり得るのだ。もうちょっと2~3年払っておられたらそうなってしまっている。何かちょっと、我々は違約金をもらうためにお金を貸してあげているのではなくて、事業展開をいかにするかということだし、要するに何かのとっさの、大量死があったというのは、再建、また一からですよね。全く借りた金がちゃらになっているわけです。そういったところでやはり再建計画を立ててきちっと再生できる形に早く持っていってあげるというシステムを今後つくられるべきだと僕は思うのですけれども。
●河原農林水産部長 全くそのとおりでございます。ちょっと加えて説明させていただきますと、今、大体話のとおりなのですけれども、要は62年ごろに滞り出したというときにやはりきちっとそのときに判断をして、まず第一は保証人の方にもちゃんとこの延滞金の話を申し上げて、場合によっては法的な処理をすることも必要でしょうし、やらなければいけなかったというのが今、反省点でございます。ただ、どうしても制度資金でございますので、農業振興上ということがあって貸す側としてはお貸しをしてきた。それが先ほどの鳥が死んだというような事態でお気の毒ということがあって、加えてわずかずつでも入っていたものですから、そのときにいち早く保証人にきちっと説明をして請求するということをしなかったということで、結果こんな違約金が膨れたと。これがここで和解する一つの理由にもなっているわけでございまして、委員から今、御指摘いただきました、今後はそういったことがないように、まず貸すときにはきちっとそういう話をする、それから延滞が生じたときには速やかにそのときに処理できるようなことをやっていくということで、今、部内で検討しておりまして、これからこれまでのような対応でないきちっとした対応がとれるように努力していきたいと思っております。
○鉄永委員 これはこれですけれども、ほかにもありはしないですか。
●庄司経営支援課長 延滞の案件ですけれども、農業改良資金の延滞案件は本件以外にあと7件ございます。もちろん案件ごとにそれぞれ支払い状況等が違いますけれども、7件あるということでございます。
○小谷委員 総合的な話をすると、これでいいのだと思う。ある意味では金融機関だったら必ずこれをやる。だけど公的資金を使っている行政としてはこんなやり方はまずい。金融機関だったらいい。要は元金が戻ってしまっているから延滞金の利息を折半しようという話はよくある話だと思うし、取らないよりいいではないかという話になる。だけど7件もあるという。今後検討して、よくその辺のところを踏まえて問題解決に当たっていただきたいと、意見をつけるべきだと思う。
○伊藤委員 先ほど金融機関とおっしゃったけれども、金融機関の方は逆に言うと対応が早いのです。ここまで違約金が発生する金融機関はない。結果的には本人は480万円払うわけだ。本当に480万円で和解するのだったら、本当はとうに払えて処分ができているはずなのだ。もっと少なくて済んでいるはずなのだ。県が事務処理を引きずってきたために結果的に480万円になっているわけだと私は解釈する。その辺を、制度融資かもしれないけれども、この貸し付け目的は農業振興、だからその目的を本当に達成するということが大前提なわけで、もしその目的が達せられないというときにはやはりきちんと処理対策を、例えば借りかえでやるとか、何かきちんとしたアドバイスをしないと、逆に言うと今日のように本当にやけどをしてしまう。そのあるべき姿をもっとやはり根本的に見直ししていただきたいということをお願いしたいです。
○鉄永委員 意見として申し上げたいのですが、弁護士が合計の2分の1ですよね。これは早くやれば元金は大きくなるのですよ、利息は安くなるけれども、早くに処理すると。そのときの2分の1とわけが違うんですよ。そういうふうにもう元金が175万円、利息は300万円以上あるのです。そうすると2分の1いただいたとしても、840万円ほど借りて、20年はたっているけれども、利息は309万円払ったということなのです。それをちゃんと認識していただいておかないと、先例が2分の1だからと何でもかんでも2分の1ではないですよ。今回の場合はよく払われた方だと、誠意がある方だと思います。
◎横山委員長 そういうことですので、よろしくお願いします。高利貸しにならないように。(発言する者あり) では、意見をつけて。御苦労さまでした。 これをもちまして、経済産業常任委員会を閉会いたします。
午後0時40分 閉会 |