◎横山委員長 ただいまから経済産業常任委員会を開会いたします。 本日の日程は、お手元に配付しております日程表のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきたいと思います。 なお、今回の常任委員会は執行部の入れかえを行うこととし、最初に農林水産部、次いで商工労働部・労働委員会について行います。 まず、会議録署名委員を指名いたします。 本日の署名委員は、小谷委員と伊藤委員にお願いいたします。 それでは、本日の議題に入ります。 なお、質疑につきましては説明終了後に一括して行っていただきたいと思います。 まず、農林水産部から説明を求めます。 議題1、イノシシ肉の有効利用について、大西農林水産部参事の説明を求めます。
●大西農林水産部参事(鳥獣被害対策担当) イノシシ肉の有効利用の取り組み、具体的には県庁食堂におきますイノシシ料理の開発の取り組みについて御報告申し上げます。 今これからお配りしますのは、県庁食堂さんがこの2月1日から提供予定のイノシシカレーです。これを試食いただきながら聞いていただきたいと思います。 初めに、現状及び目的ですけれども、下の(参考)のところに書いておりますように、イノシシの被害額ですけれども、年間約1億円ございます。イノシシ捕獲数は年間約3,500頭ということで、非常に多くとれている状況でございます。この捕獲したイノシシですけれども、大部分が捕獲者が自家消費するとか、あるいは廃棄処分されておりまして、市場流通が非常に少ないというような状況にございます。特に狩猟期以外、有害捕獲された個体につきましてはほとんどが廃棄処分されているような状況にあります。捨てるのは非常にもったいないことですし、このイノシシの肉を地域の資源として有効利用することで、このふえ過ぎたイノシシの個体数を減らすという自然な流れをつくりまして、ひいては農作物被害の削減を図っていこうというような趣旨でございます。 こういう目的のもとに、昨年の12月の初めに県庁食堂の中澤社長さんのところに伺いまして、来年はいのしし年ですし、イノシシを使ったメニューを出してもらえないだろうかというお話をさせていただきました。本当にささやかな取り組みなのですけれども、中澤社長さんも、まあそれならやってみようということでおっしゃいまして、今回、第一弾として2月からこのイノシシカレーが、定期的にではありますけれども、提供されることになりました。 肉の入手先ですけれども、食品衛生法の関係がありまして、そこに括弧で書いておりますけれども、食肉処理業の許可を取った施設、鹿野とか三朝にございますけれども、その施設で加工処理された肉を使用しておられます。 今後の展開ですけれども、今回のカレーにつきましても地産地消室の方からも提案がありまして、カレーのまろやかさを出すために地元のナシジャム、これをちょっと加えましてそういう味にしておりますし、あと福部のラッキョウなども加えまして、実際にメニューとして出される予定になっております。このように他の地元産品とも組み合わせて順次新しいメニューをつくっていく予定としておられます。イノシシのメニューにつきまして、イノシシラーメンとか角煮とかハンバーグとか、そういったことも考えていらっしゃるようです。 本当に小さな取り組みなのですけれども、結構新聞、テレビ等で報道されまして、給食に出してみたらどうかというような意見もあるようです。それと、鹿野などではグリーンツーリズムのメニューとして出してみたらどうかというような意見も出ているようです。それと、耕作放棄地が拡大してイノシシがふえているわけですけれども、逆に耕作放棄地でとれた小さなウリ坊を飼ってみようとか、そういう声もあるように聞いています。それとか狩猟者、最近減少、高齢化しているわけですけれども、狩猟免許を集落で取ってみようというようなそういう声も上がっているように聞いております。 これからの方向ですけれども、課題といいますか、イノシシ肉の供給体制づくりの支援ということで、図を書いておりますけれども、解体処理施設におかれましてはその売り先がわからない、飲食店にとりましては入手先がわからないということで、このあたりのつなぎの情報提供も必要かなというぐあいに思われますし、それと解体施設自体が県内には限られておりまして、ここら辺の施設整備についても導入可能な事業について情報提供もした方がいいのかなというようなことも考えております。それと、先進事例地での取り組みなどの情報も市町村等に提供していきたいというぐあいに考えております。 需要の確保ですけれども、地産地消の分野に当たりますけれども、消費者あるいは飲食業、販売業者へのイノシシ肉の情報を提供していくと、あるいはイノシシ肉を用いた加工品とか料理メニューの開発研究の支援をしていく、このような取り組みを通じまして、利用する流れをつくりまして、農作物の被害の削減に結びつけていきたいというぐあいに考えているところであります。 ちなみに今、試食していただいているカレーの肉ですけれども、あえて今回は昨年の夏に三朝で有害捕獲でとれた肉を、最低限のラインがこの程度ということでわかっていただきたいと思いまして、あえてそれを出させていただいております。また、このカレーの味も含めて御意見をいただければと思います。今回食べられた方は必ず食堂の方で食べていただきたいと思います。(笑)ワンコイン、500円ですので、よろしくお願いします。
◎横山委員長 わざわざ出ておりますから、試食してください。 次に、議題2、鳥取中央農協と東伯町農協の合併について、及び、議題3、平成18年度鳥取県公共事業評価委員会の答申について、中山農政課長の説明を求めます。
●中山農政課長 資料の2ページをお願いいたします。鳥取中央農協とそれから東伯町農協の合併についての現状を御報告いたします。 せんだっての11月議会におきまして国庫補助金返還関係の議案を御議決いただいたところでございますが、現在、ことしの2月1日の合併に向けて準備が進められているところでございます。 合併の方法は、鳥取中央農協を存続組合といたしまして東伯町農協を消滅組合とする吸収合併で、合併期日は、現在のところ、19年2月1日を予定しておられます。 概要でございますが、現在の時点のスキーム、いわゆるチキン事業を民間会社、これは米久と申します精肉大手でございますが、そちらへ事業譲渡、それからミート事業の一部を全農孫会社の方へ運営とした上で、鳥取中央農協と合併するというような形が考えられております。 合併に必要な資金につきましては、現在、本年度の東伯町農協の決算ですとか納税額等を算定した上で3月に金額が確定しますが、県内のJAグループ、下に書いております信用農業組合連合会、それから全農、全国共済連、それから県内の3総合農協がそれぞれ負担して出捐をするというような枠組みが書かれているところでございます。 現在のところ見込まれております要支援額でございますが、当初、表の右の欄、それぞれ52億円程度が予測されておりましたが、現在のところはJA東伯の役員責任額の回収がうまくいくことを見込んだ上では50億円の支援を考えております。中身的には、上の固定資産関連損失額、これは減損会計とかの損失額でございますが、これが36億6,000万円余、それから補助金返還額、これは国庫補助金のほかJRA等の民間補助金の返還を含めたところが6億1,000万円、そのほか事業損失ですとか、あるいは退職金の補てん、あるいは労災の減価償却等を含めまして16億2,000万円で、58億9,000万円に対しましてJA東伯が8億9,000万円の自己負担を行って残り50億円をそれぞれの支援組合が支援するという形でございます。 5番目でございます、現在、私どもの方に合併認可書が出ておるところでございまして、私どもの方におきまして許可申請書を現在審査中でございます。審査の方は、手続等が間違いなければ認可に向けて手続を進めてまいりたいというふうに考えております。 補助金返還額でございますが、11月の議会におきましては約7億8,000万円の国庫補助金等の御議決をいただいたところでございますが、その後、引き続き国等との協議を進めまして、例えば東伯プラッツですとかミートセンターにおきまして合併後の利用計画を詳細に詰め、補助金返還なりをかなり圧縮を国の方でも御努力をいただきました。その結果、県関係、国関係の補助金は約5億7,000万円、これにJRAの補助金、民間補助金4,000万円を加えまして、全体の補助金返還額は今のところ約6億1,000万円というふうになろうかと思っております。この国庫補助金の返還の圧縮につきましては、また2月議会におきまして補正等をお願いしたいというふうに考えております。 めくっていただきまして、3ページ、4ページでございます。平成18年度の公共事業評価委員会の答申でございます。農林水産部におきましては5つの案件が対象になりまして、中身を申し上げますと、名和地区畑地帯総合整備事業、それから日野川左岸地区中山間地域総合整備事業、それから山守矢送地区森林基幹道整備事業が再評価対象事業ということで公共事業評価委員会の審査が行われました。この結果、審議の概要はそれぞれの各欄をごらんいただきたいと思いますが、この3事業につきましてはいずれも継続を適当ということで答申をいただいております。 また、事前評価対象事業でございます。これは翌年度新規に着手する事業のうち大規模事業あるいは用地補償件数が多い事業など、そういったものが対象になるわけでございますが、農林水産部におきましては、加勢蛇西2期地区の畑地帯総合整備事業、それから中山2期地区の畑総がそれぞれ対象になっておりまして、それぞれ意欲ある農業者を対象とした事業であるため妥当と認めるというような答申をそれぞれ再評価委員会からいただいているところでございます。
◎横山委員長 次に、議題4、農業大学校の教育体系の見直し等について、真山農業大学校長の説明を求めます。
●真山農業大学校校長 農業大学校から教育体系の見直し等につきまして報告いたしたいと思います。資料の6ページでございます。 まず、この見直しの経緯から説明いたします。現在の教育体系は平成9年に教育施設を全面的に改修しました折につくられたものでございまして、約10年を経過したところであります。現在の教育体系につきましては、資料の左下の部分を見ていただきたいわけでありますけれども、まず高卒新卒者を対象としまして2年制の養成課程、これは全寮制であります。さらにそれを卒業した者を受け入れる2年制の研究課程、それに高校卒業後1年制の専門技術課程の3つの課程で学生教育を実施してまいっておるところであります。現在の学生数を申し上げますと、養成課程が47名、研究課程が4名、専門技術課程が3名でございまして、合計54名であります。 この3課程の卒業後の進路状況を申し上げますと、森林課を除きまして、卒業後就農する者でございますが、昨年は全体の40%、過去5年間平均で見ますと約32%と低いわけでございまして、一昨年の決算審査特別委員会からも、その就農率の低さから、費用対効果の観点から憂慮すべき事態であるとの指摘を受けたところであります。 一方、この学生教育以外に、この下にありますように、県民、社会人を対象としてさまざまな農業に関する研修活動を実施しているところでありますけれども、その中で一定の社会経験を持った方が就農を目的に研修を受けるという就農研修を実施しておりまして、この修了生の就農率は昨年度で80%、過去5年間平均で81%は就農しておる状況であります。 こうした現状を踏まえまして、今年度当初から校内でワーキンググループを組織しまして、農大の教育あるいは研修全体の見直し作業を進めてきたところであります。また、外部の有識者の方から意見を聴取するための懇談会を開催しますとともに、これまで卒業生あるいは就農研修の修了者、それから農業法人の社長さん方、あるいは建設業で農業に参入している企業の方からも意見を聞きながら一定の見直し案の方向ができましたので、ここに報告する次第であります。 まず、教育体系の現状の問題点でありますけれども、次の4点になります。 まず、第1点として、教育内容でございますが、教育内容がどうしても生産技術に特化しておりまして、経営管理とか、あるいは販売手法など実践的な学習が不十分であります。これからの農業は生産するだけではなくて、それをいかに有利に販売していくか、また収益性をいかに確保していくかといった経営とか販売管理に関する時代に即応したカリキュラムがぜひとも必要なのでありますが、現状では十分になっていないということであります。 第2点目としまして、平成9年度に改良普及員資格試験の受験資格が得られるという趣旨で研究課程を設置したのでありますが、平成17年からこの農業改良助長法が改正施行されまして、一定の実務経験が受験資格で必要となりました。よって、その研究課程を設置したメリットが、あるいはその教育目標が不明確になってきたというところであります。 第3点目でありますが、研修課程で就農を目指す方を就農研修を実施しておるわけでありますけれども、今後団塊世代の大量の退職者、それからIターン、Uターン、そういった方の増加が見込まれるわけであります。研修ニーズは大きく高まっていくと思われるわけでありますが、現状ではこの就農研修は正規のカリキュラムはございませんで、実習が中心でございまして、講義と実習をあわせました体系的な教育ができていないという現状であります。研修を修了した方からの意見からも専門的な知識や技術を学生と一緒に勉強したいというふうな意見も強く出されておりまして、ただ養成課程に入学するには家族を含めた生活がございますので、全寮制で長期間の就学は無理という実態がありまして、その対応が必要であるというところであります。 第4点目でございますが、現在の農業大学校は文部科学省の学校分類で申し上げますと、一切学校上の分類には当てはまらない学校になっております。農林水産省の改良助長法で定められました農業者教育研修施設という農林省の法律によって位置づけられた学校でございます。現状のままでありますと各種の奨学金制度、いわゆる日本学生育成支援法の奨学金とか、あるいは鳥取県の育英奨学資金、こういったものには一切対象外になっているわけであります。文部科学省が平成15年の2月にこういった農業大学校の専修学校化ということも可能であるというふうな判断が出ました。さらに平成16年1月に農林水産省からも現行の農業者研修教育施設の地位を変更せずに専修学校化が可能であるという見解が出たところであります。専修学校化にすれば今申し上げました各種奨学金制度を取り入れることができるという、そういった状況の変化が生まれてきたというところでありまして、現在、全国で41校、県立の農業大学校がございますが、既に10校ほどは専修学校に移行している、残り4校ほどは移行予定という状況にあるというところであります。 以上のような問題点を解決するために見直し作業を進めてきたわけでありますけれども、これからの農業を担う有為な人材を農村に送り出すという農大の基本的な使命に基づきまして、今後の教育目標というものを産業として自立するビジネス感覚にすぐれた人材育成ということを大きな柱立てとしまして、見直しの基本的な考え方を3点ほど求めたところであります。 まず、第1点は、今までの高卒者を対象としまして家族農業経営の後継者、いわゆる農家の跡取りの育成という方向から、それに加えまして集落営農のリーダー志向者とか、あるいは退職後の就農者、Iターン、Uターン就農予定者、さらには建設業など異業種で農業に参入する事業体の従業員の方など、そういった就農という進路に明確に根差す教育体系に重点化していきたいというところであります。 第2点目は、こうした就農を目指す人のニーズ、それに即しまして生産から販売までの体系的な学習する学科と、それから即就農に必要な知識、技術のみを学ぶという学科の2つの学科を配置いたしまして、多様な学習ニーズに対応できる課程の配置ということを考えたところであります。 3点目でありますが、教育の内容の問題でありますが、就農に即した専攻コース選択制ということにいたしまして、生産から販売まで体系的に学習する学科につきましては、流通、それから販売、経営に関する学習、これに重点化しまして、いわゆる農業ビジネス、企業教育、いわゆるベンチャーといいますか、そういった教育の内容に再編成していきたいということであります。 次に、具体的な見直しの内容でありますが、資料の右下の図をごらんいただきたいと思いますが、平成20年の入学生から教育体系を従来の高校新卒者を対象とした学生教育と、それと社会人を対象とした就農研修を整理・統合いたしまして、2年制で生産から販売までの専門的な知識・技術を体系的に学習する養成課程、アグリビジネス科、以上仮称ではございますが、アグリビジネス科と、それから就農に必要な知識と基本技術について実践的に学ぶ研修課程、短期研修科の2科に整理したいと考えております。なお、短期研修科につきましては3カ月、それから6カ月、12カ月というふうに3コースをつくりまして、さまざまな社会人、そういったニーズに合わせて受講していただくという形を考えております。この学科の整理・統合に伴いまして、研究課程及び専門技術課程については廃止したいと考えております。 次に、2年制の養成課程を専修学校化にしたいということであります。先ほど申し上げましたように、奨学金制度はどうしても必要でございまして、奨学金制度を導入することが目的でありますので、現在の在校生であります1年生、これにもやはりメリットが受けられるように、これにつきましては平成20年ではなくて来年度、19年4月から実施したいと考えているところであります。 次に、本校は昭和4年の開校以来、全寮制教育というものを大きな柱として位置づけ、教育を行ってきたところでありますが、平成20年からは養成課程にこういった形で社会人も受け入れるという形になるわけでございまして、家庭生活を持つ社会人まで入寮を強制することはできませんので、希望者のみの希望入寮制に移行したいと考えております。 あとは研修課程でございますが、研修課程の受講料でございます。現在の就農研修は受講料としては徴収しておりません。平成20年度から発足します短期研修科につきましては、受益と負担の公平の原則から一定の受講料を徴収したいと考えております。また、養成課程で行われております講義でございますが、特定の科目の講義だけを受講したいというふうな意向も今回の企業等の訪問によりまして意見も出てきたところでございまして、聴講生制度を設けたい、講義を受けるだけの聴講生制度を設けるということでありまして、聴講料も徴収していきたいというふうに考えているところであります。 以上が平成20年を目途とした教育内容の見直し等の概要であります。
◎横山委員長 次に、議題5、平成18年度農地を守る直接支払事業実施状況について、庄司経営支援課長の説明を求めます。
●庄司経営支援課長 お手元の資料の7ページをお願いいたします。18年度の農地を守る直接支払事業、中山間地域等直接支払事業の実施状況につきまして御報告申し上げます。 実施市町村でございますが、17市町村でございます。 協定の締結状況でございますが、締結数で申しますと651でございまして、昨年度より16ほど増加をしているということでございます。 交付面積でございますが、表の真ん中辺の一番右になりますけれども、7,156ヘクタールでございまして、昨年度よりも183ヘクタールほど増加をしているということでございます。参考までに申し上げますと、県内の農振農用地面積の約2割をカバーしているということでございます。 交付金額でございますが、約10億円となっておりまして、昨年度よりも1,300万円ほど増加をしているということです。大体1協定当たり150万円ほど支払いをしているというような計算になります。 今後の取り組みでございますが、協定の締結促進、それから体制整備単価へのステップアップ、8割協定から10割協定へのステップアップということを行ってまいりたいというふうに考えております。
◎横山委員長 次に、議題6、「とっとり共生の森」森林保全・管理協定の締結について、岡本林政課長の説明を求めます。
●岡本林政課長 資料の8ページをお願いします。「とっとり共生の森」森林保全・管理協定の締結について御報告いたします。 共生の森事業につきましては、今年度から企業の皆様の環境への意識の高まり、これを県内の森林保全活動につなげていくということで、地元とのコーディネートをしているわけであります。今般、鳥取ガス株式会社さんからこれに参加ということで、合銀さんに次いで2例目と、県内企業さんとしては初めての参画ということでございます。 協定の調印でございますけれども、1月23日に県庁におきまして鳥取ガスの児嶋社長、鳥取市の深澤副市長、それから知事、3者で調印ということでございます。 協定の目的としましては、鳥取ガスさんが育林活動、地域等の交流等を展開されることに対して県と市が誠意を持って協力するということを目的として締結を行うものでございます。 協定の内容でございますが、今般のフィールドでありますけれども、鳥取市の河内字大吹というところでございますが、これは安蔵森林公園の隣接地になります。そちらに5.45ヘクタール、これは県内30カ所、今候補地として企業さんに提供しておりまして、その中からチョイスされたということでありまして、土地は河内集落代表者3名の共有、実質上、集落の共有地ということでございます。森林の現況でございますが、ヒノキの22~23年生で間伐、枝打ちのボランティア活動を行うにはちょうどよいフィールドであるということから選定されたと、鳥取市の市行造林というふうになっております。年に数回、社員の方々、家族の方々と、それから市民の方々にも参画を募られて保全活動等を行うということでございます。 今後とも企業の皆様の環境意識の高まりを県内の森林保全活動に呼び込むということが広まっていくように我々もしっかり貢献していきたいというふうに考えているところでございます。
◎横山委員長 次に、議題7、東郷池産シジミの残留農薬の検出に係るその後の対応について、三木水産課水産振興室長の説明を求めます。
●三木水産課水産振興室長 資料の9ページと10ページをお願いいたします。 既に昨年の11月の28日にこの常任委員会で御報告させていただきましたけれども、東郷池産のシジミについて、島根県がチオベンカルブという農薬を検出したということを受けて、鳥取県でも検査したという結果を報告させていただきます。 チオベンカルブについては検出限界基準値以下でございましたけれども、その後、12月25日に食品衛生法上の基準値を超える農薬のクミルロンというものが検出されました。既に御存じのように基準値は0.01ppmで、今回検出された分は0.07ppmでありました。約7倍の濃度が検出されたということであります。この結果をもとに、漁協は翌日、12月26日から出荷自主規制に入るとともに農業団体に農薬の使用を自粛を要請したということでございます。 その後の対応でありますけれども、現在4点ほど掲げております。1つはモニタリング調査ということで、右側の方の10ページの方の地図を見ていただければわかりますけれども、当時1地点しか調査をしておりませんでしたけれども、今回シジミを9地点に分けて現在分析中であります。それと底質、これは四角で示してあるところでありますけれども、現在5カ所の底質を分析中であります。底質というのは底の泥の成分を調べるということであります。それと水質でありますが、これは三角印で示しております6カ所を現在調べておるということであります。現在、この状況を見て、農薬が検出されなかった区域を逐次採取を再開をしようというふうに考えているところであります。 また、2点目として農薬の残留状況の実験ですけれども、現在栽培漁業センターでシジミの生体内での残留性について飼育実験を実施しております。既に1月12日から始めておりまして、汽水と淡水とに分けて農薬の残留状況を今調べている状況であります。 3点目に、農業団体への要請であります。現在出荷の自主規制を要請しているところでありますけれども、農業団体等、19年度以降、本剤を使用しないことということで取り決めがされております。また、河川流出を最小限に食いとめるということで、除草剤散布後、一定の止水期間があるわけですけれども、通常3日から4日行われておるらしいですけれども、それを1週間程度に延長するということで対策を講じていくということで徹底するということであります。 4点目に、国に対する要請であります。昨日、河原農林水産部長以下、シジミの農薬に対する基準値の設定についてということで農林水産省、厚生労働省、環境省に要請をいたしました。現在、先ほど申し上げましたように一律基準ということで0.01ppm、要は魚介類のまだ個別の基準がないものについては0.01ppmということで決まっております。既に88品目の貝類については決まってるわけですけれども、シジミについてはございません。ということで、実は米が0.1ppmというような基準値もあるわけですけれども、ほかの貝類、シジミについてはないということで、これを早急に設定するようにということで国に要請しております。 最後に、湯梨浜町から風評被害ということもあるのでということで要請を受けまして、シジミ以外の漁獲物、具体的に申し上げますとフナでありますけれども、これについて検査することを現在役場と調整中ということになっております。
◎横山委員長 それでは、ただいままでの説明について質疑、御意見はございませんか。
○小谷委員 イノシシの肉の有効利用についてですけれども、わかりましたけれども、ごちそうになりましてすみませんでした。それと、その一環で狩猟者が一番困っているのは今の解体場、いろいろな条件の中で、例えば江府町では、当時の町長ですけれども、私が聞いた話では、やりたいと思ったけれども、当時財政難で、そういう状況の中でできないと、そういう中でまた狩猟者の仲間でもある意味では派閥競争、そういうものもあって非常にやりにくい面があるというようなこともあるけれども、そのことに関してやはり県として単県でも助成がある施設に多少でもできないか、こういうことを広げていくのは、3,500頭もとれているのに、実のところは破棄でなくして、あるいは物々交換なんかでほとんど処分されているのは間違いないので、破棄されているものはごく一部であって、法律的には破棄しておかないといけないことになっているのだけれども、そういう状況の中で、だからそういう施設をある意味ではもうちょっと西部の方もどこかでできるというところがあったら積極的に支援していく方向が有効利用につながるのではないかと思うが、どんな状況か報告願います。
●大西農林水産部参事(鳥獣被害対策担当) 実は西部総合事務所の相談窓口を通じまして何かいい支援事業がないかという相談を受けております。単県事業、よく調べればもっとあるかもしれませんけれども、現在のところ、調べて、元気な地域づくり交付金という2分の1の交付率だと思いますけれども、その事業などを紹介させていただいているところでございます。いずれにしても、さっき委員さんが言われたように、市町村、猟友会でも内部の方でなかなか、言葉は悪いですけれども、縄張り的なこととかいろんなことがあるようでして、実際のところ、まだ施設整備をしようというところまでは話はまとまっていないということで聞いております。県としても有害捕獲された個体を有効に処理していくということは大事なことと思いますので、他県の情報なりも含めて市町村等を通じて提供していきたいと考えております。
◎横山委員長 いいですか。
○小谷委員 内情がわかり過ぎていていけない。まあいい。(笑)
○山根委員 林政課長、このとっとり共生の森ですけれども、何かちょっとぴんとこないですけれども、なぜ協定して、協定の目的は保全に貢献することということで鳥ガスさんがされているということと、寄与することというのが分かれたということで、そこから義務が発生するのでしょうが、県と市は鳥ガスに対して誠意を持って協力するというようなことで、協力内容は一体何のことを言うのですか。それから、なぜこの協定というか、調印者にしても知事と鳥ガスさんは社長さんだし、鳥取市は副市長さんがやはり契約をする権限があるのかということです。その土地は河内集落の代表者3名の共有だったということです。何か見えにくいのですけれども、どういう意味ですか。
●岡本林政課長 まず、県、市の協力、協定の意味でございますけれども、これは基本的に地元は市町村、それから地元での土地所有者の方がおられるわけですけれども、企業にまず当たるときには県がこれを提供できる森林というのを募って、30カ所ありますが、それへのコーディネートを県がやろうということが一つあります。それから、市町村におかれましては地元との交流とか、そういったことを橋渡ししていただくということでのスキームで、いろんな企業の方の保全活動の意欲、これを県内に招いていくということをやっております。一つはまずそれを行政としても支援しようではないかということを協定の中で取り結んで、明確化していってアナウンス的な効果も同時にねらいながらこれを打ち出していくということで協定を締結するということであります。 具体的に、では何を協力するのかということでありますが、県としてはやはり橋渡しであります。地元との橋渡し。それから実際に森林についての知識、あるいはそういったことが非常に企業の方ではなかなか不案内なところもありますから、そこら辺は林業事業体の方であるとか専門的なところへの指導、そういったところを県が例えば普及員であるとか、そういった者と仲介しながら活動の中で協力していくということを明記しているということであります。市町村においては地元との橋渡しといったことが主になるというふうに思います。 今回の場合はフィールドが集落の共有地でありまして、鳥ガスさんはこの場所は非常に自分たちのフィールドとして近いということもあり、位置的な部分、それから安蔵森林公園も隣接地にあるのでいろんな機能を使えるということからぜひここをフィールドとして活用したいということで、これは市の市行造林ということになっておりますので、今回市も協力しながらやっていこうということであります。後日、実際に土地所有の方、それから地元市、市行造林でありますから市、そこの契約等の明確化をしていこうということで話を今されているということであります。(「調印者」と呼ぶ者あり) これは市の方から権限を副市長の方に委任をして、それで代表として出席をしてPRをしたいということで、副市長さんの出席を願って調印するということでございます。
○山根委員 橋渡しという話です。全体的に県行政の中にこういうことを決めようとするのですから非常にいいことですから、いいことをバックアップするのは当然であります。だけどなぜ県が、地元とは市のことを言うんですか、県が橋渡しするとかしないとか、橋渡しは済んだのでしょう、今までで。済んだから事業実施になっているということでしょうから。そうなってくると、県は、あなたは県行政に対して、県の支援に対してよく協力しましたというようなことで表彰するか感謝するかぐらいのことはわかるけれども、橋渡しするから協定を、協定しなければ橋渡ししないのか。一々判こを押さないといけないのかどうか。何だかちょっと、しかもまた片山知事が出てくるのに鳥取市長が出ずして副市長が今度やる、何かちょっと見えにくいのですけれども。当たり前のことは当たり前のことだけれども、まだ協定、協定と。これが、鳥ガスさんが10年間といってこの仕方が悪かったとかよかったとかいってすれば管理監督権とか指摘するような権限もあるのですか。そのあたりはどうなのですか。
●岡本林政課長 まず、協定の性格ですが、これは具体的な契約ではございませんので、道義的にお互いに協力しながらやっていこうということでございます。 なぜ協定なのか、参画すればもう県の役割は終わりではないかということがありますが、これは実際にまだこれからの話でございますから、これから10年間そういう保全活動をしっかりやっていただくということはやはり明記して、そこにサポートするということも明記することによって、ある意味道義的に担保されるというふうに思っております。したがいまして、それが一つの効果を持ちながら、10年間というものが企業の方々の保全活動がそこで展開されるということを期待しながら、我々もしっかりそれを見守っていくということができるのかなというふうに思っているところであります。
○山根委員 その副市長のところは違和感はないですか。
●岡本林政課長 我々がどうこうという話ではなく、市の方が当日市長の予定があってということを伺っておりまして、副市長を代表として出したいということでございますので、それはそれで我々は見ていくということでございます。
○山根委員 市長が契約者なのに何で副市長がと違和感を感じませんか。工事請負にしても、例えばすべての契約、県の契約にしても、では副知事がしますとかいうような違和感を感じないでしょうか。何かあるのではないですか。それはよそのことですから、市役所さんのことですから、市役所が市長代理として私がやるといえばそれ以上は干渉できないでしょうけれども、何かいま一つ違和感があるということと同時に、ではこの協定の目的の中に善良に管理しなければならないぐらいはうたってあるのでしょうけれども、管理しなくて怠ったときにはだれかが指摘するとか、県が、ぐらいなことがうたわれる協定なのですか。
●岡本林政課長 協定自体は罰則とかそういうことは特には掲載はしておりません。誠意を持ってということでありますから、あくまでもそれを道義的にやっていこうということで信義に沿って相互に協力していこうということを明記しておりますし、県もサポートするということを……。
○山根委員 サポートとは。
●岡本林政課長 助言をしていくということを、いろんな意味でですね。技術的に助言であるとかそういうこともありますので、それを明記しているところで、それから……。
○山根委員 これで第1号ですから、まだまだたくさんの方がおやりならないといけないしやってもらいたいと思うのですけれども、ただ第1号ですから、もっと何かわかりやすく県の位置、市の位置……(発言する者あり)いや、それは2つ目だけれども、これは県外の人ですからね、本社が。それを県内と結んだのですか、合銀さんはあっちのいわゆる島根の本社の社長さんと結んだのですか。だから県内で1号だとするなら、今後これがずっとたくさんになっていくのならもうちょっとわかりやすくきちんとしたことで参画しやすく、あるいは将来に地元に不安を与えないような、地主さんにも、そういうようなものをお考えになりませんと副市長さんがするとか何だかちょっとすかっとしないですな。部長にお聞きします。
●河原農林水産部長 2点残ったかと思います。1点は調印者が副市長になったということですけれども、できれば私どもも普通市長さんかなというふうに思っていたというのが正直なところですが、それはそれぞれの組織で業務を委任する、副市長に持っていくと、それはないことではないので、そこはでも受け入れざるを得ないのかなというふうに思っております。ただ、副市長さんになったからといって市の方が責任というか調整に責任を持たないということではないというふうに希望しております。 県の役割ですけれども、そこに森林保全活動ということを書いています、間伐とか企業がやる内容が。例えば企業がその1年間、ことしは現地でどういう活動をしたらいいのかといったときに、県の方も相談を受けるわけですから、こういった時期にこういったことをされたらどうか、もちろん林業事業体に頼まれる専門的なことだけではないものですから、企業の社員さんが現地に入って活動をされるとか、そういったときに相談を受けますので、これはこういうふうにされた方がいいよとかいう相談にも乗ってあげますし、いずれにしてもこういった活動が円滑に行われるようにサポートしていくと、これが今後の県の主なこの役割と、誠意を持って協力する中身だろうというふうに思っております。
○山根委員 ちょっとしつこいですけれども、県が林業行政の中でいろいろ技術的な支援だとか提供だとか、これは協定しようがしまいが当然おやりになることです。これはだれにもやっている。大して別に珍しいことではないということですが、本当に協定までしなければならないか。県はどんな位置におればいいかということだろうと思いますし、もうちょっとわかりやすく、企業ですから10年間、景気がずっといいというものではないし、あるいはそういう余力がない場合もあろうしというようなことになるわけですけれども、そのあたりもどう判断するか。大変失礼になるのですが、優秀な会社ですからいいと思うのですけれども、今後たくさん起きてくる中で景気によって途中やめするような場合もあるかもわからないし、というようなときに、どんな義務が課せられるか、何ができるかというのをやはり根本的にお考えにならないと、ただ目新しいからぱっと飛びついたでなしに、将来にわたってはやはり企業的責任、あるいは企業の方々が積極的にそれをおやりになるというようなものを何か構築されて、将来にわたってやはり県内に広く普及されて県民の皆さんの関心を求めるというようなもの、基本的なものをお考えになる必要があるというぐあいに思うのです。
●河原農林水産部長 今、具体的な御提言をいただきました。協定書には、これはあくまで誠意を持って協力するという内容になろうかと思いますが、その3者がよりこの協定の中で具体的にどんな責任といいますか、これは限度があります契約上は、それをもうちょっと走りながら考えて、もうちょっと共通認識を持てるような格好にはしたいというふうに思っています。何せまだまだ始まって2つ目でございますので、そのあたりは企業などの意見も聞きながら共通認識を煮詰めていきたいなと、文書にどこまで書けるという話はいきなりにはならないと思いますが、固めていきたいなというふうに思っております。
○小谷委員 2ページ、鳥取中央農業協同組合と東伯町農業協同組合の合併について、固定資産の関連損失額36億6,000万円、この内容、詳細、いろいろ問題があったけれども、すべてチェックがとれている間違いない数字なのかどうか。もう積算ができている数字なのですね。チェックはできている、内容的に。そのことをきちんと回答してもらいたい。議事録に残ることです。
●中山農政課長 補助金の関係ですか。固定資産関係、減価償却の関係でよろしいですか。
○小谷委員 だから、積み上げたこの金額36億6,000万円の内容がきちんとチェックできているかどうかだ。
●中山農政課長 現在、この固定資産関連損失の中身はいわゆる減損会計が適用されることによります損失が約2億1,500万円程度。それから譲渡損失とか……(「21億円」と呼ぶ者あり)ごめんなさい。21億円です。21億4,500万円です。それから譲渡損失、いわゆる畜産事業ですとかいったものを分離売却いたしますので、そういったことに伴うものが約15億円というふうに聞いております。この減損会計につきましては、中央会なりを中心としたもの、あるいは不動産鑑定士さんとか私どもの農林部長、実際出席しましたのは岡村事務次長が出席いたしましたが、個別の委員会をつくりまして、その減損なり資産評価の最終のチェックとかは行ったところでございます。
○小谷委員 要は、だから累積して積み立ててきて、トータルはこの金額に、あるいは不信感はなしにあなた方の手でチェックした段階で間違いありませんねというのを聞きたいだけです。
●中山農政課長 中身の実際の減損のやり方で、例えばグルーピングなりそういったものをどうするかというのは中央会なり東伯なりがしておられます。ですので、実際の個別の資産のチェックというのは実際農協側がすることですので、県なりが個別にそれぞれの不動産なりをこれを幾らにという格好でチェックしたものではないというふうに考えております。
○小谷委員 ある意味ではここが一番肝心なところなんです、最終的には。だけど、信頼推進本部の中にあなた方が位置されている、入っておられるのは間違いない、部会だか何だかという、その中で、あなた方がすべて資料を見た中で、あるいはこれはこうですよと言われただけの話なのか、資料として出てきていてそれをチェックされたものか、そのところが不透明なところがあるのだったら、あなた方もここはなぜですかという質問あるいは理解を得る、そういう議論を生じてくるのではないかと私は思いますので、あえてここできちんと返事をしていただきたい。ただ、簡単に言うと、農協が出された資料でこのとおりですよ、こうですよと、それをうのみにしてあるか、これは正当性があるのかというだけのチェックはできているかできていないか。できていないならできていないと言ってもらわないといけないし、これは正当性が、すべてこの累積、積算してみれば36億6,000万円に相当する額ですよと言われるか言われないか。
●中山農政課長 実際の内訳ですとか中身の資料とかは説明、ああいった部分の実際の経理のチェックなり、それから足し算はできます。ただ、その資産が果たして不動産を評価する場合に県としてそれがどういう価格になるのか、あるいは譲渡した場合にその譲渡益の売却損がどうなるかというのはやはりこれは農協から出したものをいただいて、そこまで厳密に公認会計士あるいは税理士によるチェックができているかというのは、そこまでチェックはいたしておりません。ですので、その辺の実際の積算方法ですとか考え方なりが間違いない、ある程度おかしな形での積算をしていないかというようなお話はお伺いしますけれども、実際のそれぞれの財産ごとにチェックをしたというところまでは県はしていないという状況でございますし、またそこまでのチェックは県としてもやる必要まではないのではないかというふうに考えております。
○小谷委員 ちょっと長くなるけれども、実は大事なことだと思う。なぜなら、1億3,000万円、補助金返還なしにしてだけれども、これは補助金返還なしで、不正が行われていない、間違いない数字だということで県税が使われたと。返還なしだから、プラス・マイナスはないにしても出したものは戻してこいということをなしにしたということは、やはり前に出した税金というものは県税だから、あなた方はそういうところまで、例えばある意味では監査もやっておられる中で総体的に考えればチェックすべきだと私は思いますけれども、出された数字をうのみにして積算してみればこの数字になりますよと、しかも公認会計士が評価されましたとか、あるいはこのことについては間違いありませんかという、すべてそうだったら確認をとるような状況を全うされるのが私は筋だと思うけれども、その辺のところは。
●中山農政課長 どこまで財産評価なりそういったものを県がすべきかということに最後はなろうかと思います。経営部分にかかわる部分もございますし、そういった例えば農協なりが保有している資産が果たして現在の価格がどうなのかというところまで私はちょっと、私的な見解の部分も入るかもしれませんが、県の方が資産評価までやるべきだという理由もちょっと違うかなというふうに考えております。
○小谷委員 私が言っているのは、県が資産評価しろということではないですよ。公認会計士とか、あるいは監査部門とか農水省も入ってやっておった出た数字が、あなた方が見られて、これは間違いないですね、この金額に相当する分ですねというのが累積して36億6,000万円になったのかということを聞きたいだけだ。
●岡村農林水産部次長 県の方からは私が財産評価委員として、そのメンバーが不動産鑑定士、それから税理士さん、と私とその他4名の形で、委員会として3日間にわたって結構分厚い資料、その中には大きな建物については不動産鑑定士などの評価もついて、その評価の仕方の考え方について1件ずつ基本的にはその評価委員として説明もらって、考え方の是正を求めたりして、2回目、3回目、合計3日間にわたってなされたもので、県としての評価ではございませんけれども、評価委員会としての統一的な見解として、最後は私が署名押印して、4名の方の委員会としてこの考え方で適当であるという判断をしています。
◎横山委員長 いいですか。 そのほかありませんか。
○伊藤委員 2ページのJAの自己負担額のうち役員責任額1億4,000万円ですけれども、この責任額の回収状況は極めて大変だということを聞いているのですが、現状はどうなっているのかお伺いします。
●中山農政課長 若干時点は古いかもしれませんが、現時点、私ども1月の初めごろの状況では約1,500万円、実際この役員責任のうちには現在の理事さんが自分の報酬を免除といいますか、無報酬になっている部分も含まれておりますが、実際既にやめられた理事さんから回収をお約束なり現金で払うというふうなお話を聞いているのは1,500万円程度というふうに聞いております。
○伊藤委員 1,500万円ということですから、要するにそこで設定されている1億4,000万円には極めてほど遠い金額になるわけですね。そうしたときに、それが回収不能ということになったときには、例えばもし最終的に集まった金額が4,000万円とすると1億円のいわゆる責任額、欠損が出ますけれども、それについての対応をどうされる予定ですか。
●中山農政課長 実際集まった場合にどうするかという話し合いはまだお聞きはできていません。全体の損失の補てんフレームから考えますと、今50億円でのあれになっておりますので、仮にこれが1億2,000万円回収不能になった場合にも51億余円になりますので、見た目上は52億円の枠組みに入るというような格好にはなります。ただ、その後、役員責任を引き続き例えば中浜農協の事例のように継続してずっと集められるのか、あるいはどういった格好でやめるのかという話は今後ちょっと現在の回収を今、誠心誠意されて、その後でまた3月までに決めていきたいというふうに聞いておるところです。
○伊藤委員 3月末までにその方向が決められるということなのですけれども、例えば実質、中央農協と東伯農協の合併があるのだけれども、要するに役員さんへの責任額の負担は将来も延々として継続されるという可能性もあるのですね。
●中山農政課長 ありますね。ちょっと私がしゃべって決める話ではないのですが、正直それらも含めて検討されるものというふうに考えております。ただ、いずれにせよ御設定いただくのはこの信頼性推進本部を初めとしたJAグループでの委員会なり、それから新たに申請する中央農協ということになろうかと思いますので、その中でどういった議論がされるのかというのはちょっと私どもの方も情報をいただきながら見守っていきたいというふうに思っております。
○伊藤委員 わかりました。それと、もう1点、出資金ですけれども、7億5,000万円、最終的には中央農協に移管する東伯農協の皆さん方の出資金ですけれども、2割ですか。
●中山農政課長 2割です。 当初全額出資金取り崩しという話もございましたが、現時点では東伯町農協の方、今の出資金の2割、8割を減らしまして2割分をもって中央農協に移管するというふうに聞いております。
◎横山委員長 いいですか。
○伊藤委員 いいです。
○鉄永委員 農業大学校ですが、改革はいい方向だと私も思います。 まずその改革するんですが、教員体制、指導体制は、今までは生産が主力でしておられるのに今度は一貫性、管理も含めてやられる、そういう体制は整えられているのですかということと、それから2つ目は、改革というのは全国的にはあちこちでやっているだろうと思うのですよね、Iターン、Uターンを含めて、農業の新規参入というようなことは一生懸命やっておられる県もあるわけでしょう、お隣なんかね。それに対応してどうやってPRされるのでしょうか。
●真山農業大学校校長 教員の指導体制の問題でございますけれども、先ほど申し上げましたように生産技術に特化したものを経営管理、そういったものに重点化すると申し上げました。確かにそういった面での技術、知識、そういったものを有した者を、人員を充実していかなければならないというふうに考えております。ですから、現在のうちの職員の体制に含めてそこら辺についても考えていきたいと思いますが、一つの考え方としましては、鳥取大学の先生方、そういったものの協力はぜひいただきたいというふうに考えております。現在でも農業経営学に関する講義等につきましては外部講師等で鳥取大学に依頼しておりますので、一定の部分はそういう形で講師依頼をしていきたいというふうに思います。ただ問題は、経営の考え方のとらえ方の問題であります。鳥取大学の先生方にお願いしたい部分というのは、経済学あるいは経営学に関する原論的な部分に限定していきたいというふうに考えております。実際のところの経営のセンスを身につけるというのは実践的に経営をやっている実践者、そういう方をやはり教師とすべきだというふうな基本的な考え方を持っておりまして、現在でも先進地農家の留学研修とか、あるいは視察研修を続けているわけでございますけれども、カリキュラムの中に実際にそういう先進的な経営をやっている方を配置するようなカリキュラムを組んでいきたいというふうに考えております。そういった面で3点ほど。 それから、PRの問題でございますけれども、先ほど申し上げられましたように、確かによその県でも教育改革、よその県立の農業大学でも同種の教育改革をやっております。それで、当然都会に住んでおられる方に研修とかそういったものをいかに発信していくかということが重要なことになっていきます。今度の議会での提案事項になって先走ることになるわけでございますけれども、PRに関する特別の19年度の事業を組み立てまして、20年度の教育改革に向けてのPR事業という形で考えているところでございます。特にPR関係で申し上げますと、ケーブルテレビ等の番組編成、そういったものとか、あるいは都会の人たちはよく見られるのですけれども、全国の農業会議所が発行しております「iju」というグラビア雑誌がございます。これは都会の方が田舎に帰っていくためのというグラビア雑誌でございます。そういったところに広告宣伝、学生募集としての広告、宣伝、そういったものを載せるようにして都会の人たちにも発信していこうというふうに考えております。PR事業については20年度に向けて19年度に精力的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○鉄永委員 教員体制もわかりました。もう1点は、鳥取県内にベンチャー的な先進農家がたくさんありますか。要するに、最先端でいってるということになると、ベンチャー的な農家が本当で対応していただけるのですか。
●真山農業大学校校長 前回のこの会議で報告しましたけれども、農のスペシャリスト講座というものを設けまして、このたび開くわけでございますけれども、1月、2月に開くわけであります。販売面に非常に工夫をされてやっておられる方等、実は応募をかけましたときに非常に応募者がふえまして、50数名ほど応募者が出たのです。ざっと名簿を見ますと、やはりそれなりに自分で工夫しながら自分で販売先を確保しながら努力している方、そういったのは県下を見渡してもたくさんおられるなというふうな感じがしたところでございます。そこのところはやはり実際にずっと継続的に安定的にうまくいくかどうかというところがこれからの問題だと思いますが、このたびのこういう公開講座としての公募を通じて、そういった人たちのネットワーク、そういったものも農大としても考えていかなければならないだろうと思いますし、あわせてそういう農業者の人と学生との接点、そういうものをつながりを考えていきながら教育をつくっていくということを考えていきたいというふうに考えております。
○鉄永委員 もう1点、今度、養成課程でアグリビジネス科、仮称ですけれども、つくられるわけですね。今まで養成課程で、さっきの話ですと、就農率が50%以下ですよね。どれぐらいを目標にされるのですか。2つ目の研修課程は就農にということで、80%と言っておられたからそれぐらい当て込んでおられるのだろうなあと思いますが、どうなのでしょうか。実際に大学校は何のためにあるかというのが問われているような気がするのですが。
●真山農業大学校校長 20年度から発足する新しいアグリビジネス科についての就農率の目標を幾らにするかというのは現在まだ決めておりません。ただ、もくろみというふうに考えますと、数年前ですが、県として現在の認定農業者の数を勘案しまして、1年間に100名の新規就農者を確保しないと認定農業者数が確保できないというふうな試算も出ております。そうしますと毎年100名の新規就農者の中の半分近く、そういったものは、半分程度は農業大学校から送り出していくべきではないかなということが妥当なところではないかなというふうな感じをしておるところでございまして、現状の40%のままではこれはしようがない、これの上昇に向けて努力していきたいというふうに考えております。具体的な数字はまだ考えておりません。
○鉄永委員 もう1点だけ。20年度入学生というのは初年度ですから、相当頑張らなければいけないと思うのです。特に就農に必要な知識と基本を学ぶ研修課程、これについては全国展開なのですが、CATVとかグラビア雑誌に、それ向きの雑誌に載せてPRということなのですが、商工労働部長もいらっしゃいますし、観光はお手の物でしょうから、観光ではないプロでしょうから、ちょっと連携とられてされたらいいのではないかなと思います。いろんなことを連携された方が大学だけで頑張られても……。意見ですけれども。
◎横山委員長 ほかにありますか。
○興治委員 同じく農業大学校のことなのですが、10年間現行の教育体系でやってこられたということなのですけれども、20年度から見直しされるのですね。例えば、農業と工業等と違うと思うのですけれども、例の高等技術専門校などは毎年のようにカリキュラムの見直しをして、産業の変遷に迅速に対応できるというふうなあり方になっているのではないかなと思うのですよね。農業の場合はそこまで必要ないのかもしれないですけれども、やはり時代の変化に対して即応できるような内部的なカリキュラムの編成体制というか見直し体制というのをある意味常態化するというようなことも大事になるのではないかなと思うのですけれども、これを見ると、例えば1の2のところで17年4月から普及指導員制度が導入されたということなのですけれども、それは恐らく事前にわかっていたことだろうと思うのですね。もし民間でやるのだったら、こういう制度が導入されるという前にカリキュラムを変更しておくというようなことを多分するのだろうと思うのですよね。あるいは(3)の下の参考のところの専修学校化が可能というのは16年の1月ですよね。専修学校化が可能になるのだったら、それに合わせて専修学校を準備するというのが多分民間だったらやるのだろうと思うのですね。だから、そのことから考えると、やはり対応がおくれているのではないかなという気がするのですね。 今回改めるというのはいいと思うのですけれども、やはり内部的に迅速に対応をやっていくのだというようなあり方を今後とも考えておく必要があるのではないかなということで、その辺のところについての考え方といいますか、部長でもいいのですけれども、聞きたいということと、それとあと鳥大の外部講師の話も出ていたのですが、私も中身はよくわかりませんけれども、せっかく県内に鳥取大学という高度な知的機関というものがあるわけですから、もっとそことの連携というものを密にできないのかなと。商工業の場合だったら産官学金連携ということで、鳥大の工学部ないし大学院なりいろんな研究センターとの民間との連携という、あるいは県行政の連携みたいなものも考えられてきたのですが、農業分野においてもより一層の連携強化というものが考えられないだろうかなと。それが農業の実践に、大学の研究成果が農業の実践にどれだけ役立つものかというのが私もよくわからないですけれども、やはり何か鳥大も独立行政法人化されてより実践的に役立つ方向にシフトしつつあると思うので、そういう意味では可能性としては広がっているのではないかなと思うのですね。だから、そこでの連携をもっと模索してみたらいろんな可能性を見出せるのではないかなという気がするのですが、そのあたりはどうなのでしょうか。
●河原農林水産部長 2点あったかと思います。1点目は社会情勢等の変化に応じてカリキュラム等の変更の対応が遅いのではないかということでありますが、一つだけ言いわけを申し上げれば、今度提案したのが20年度からというふうになって、19年からでもいいではないかということですけれども、これは前年度に募集要項というのを新年度早々出すものですから1年ずれてくるというのが一つありますが、おっしゃったように専修学校化の情報が若干時間があった、それから普及指導員のわかっていたのにということについては、確かにそういった面があるので、今後はより弾力的、迅速に必要な見直しはしていきたいというふうに思っております。 2番目は多分外部講師のお話に関して鳥取大学との連携をということで、現在でもかなり鳥取大学からは先生に来ていただいて、外部講師で講義は行っております。今後ともそれは柔軟にやっていくわけですけれども、私がちょっと思っていますのは、先ほどの鉄永委員の御質問にも関係しますが、やはり流通側だとか消費側の実際やっている方を、半年定期的にずっとというわけにはならないかもしれませんけれども、適宜特別講師みたいな格好でより相手方の情報なども講習できるような、そういったことを考えていく必要がある。いずれにしても19年度かけてカリキュラム、講師あたりはよく、きょうの意見も参考にしながら決めたいと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。
○興治委員 いわゆる恒常的にカリキュラムの中身について検討していくというような、そういう場というか機関というか、そういうものはあるのですか。
●真山農業大学校校長 専修学校化を19年の4月を目途に進めていくということを申し上げましたが、実は専修学校化に伴いまして、教育に対する外部評価を受ける機関を設けなければならないということになります。よって、19年の4月から何らかの形で教育内容の外部評価、特にそういった先ほど先生が言われた教育カリキュラム、そういった内容そのもの、それの内容についての点検、そういったものもしていただかないといけないということになりますので、どういう組織になるかはちょっとこれから検討しなければなりませんが、外部の有識者を含めた上での評議員、そういったものを組織しまして、1年ごとに教育の成果、そういったものを評価していくというような形を外部評価の形できちっとやっていきたいというふうに考えております。
◎横山委員長 いいですか。
○興治委員 まあいいです。
○浜田委員 皆さんの話を聞きながら刺激されてしまいましたけれども、ずっと日本の農政を振り返って考えて思い出してしまったのですが、くるくるくるくる日本の農政が変わりましたね、猫の目行政で、それに翻弄された農家の姿があったわけですね。今は落ちついているのは安心と安全ということで、そこに付加価値をつけていって打っていこうと、そして海外まで進出すると、中国に向けても米の輸出が可能になりましたよね。そういう中で、鳥取県がどういう農業を目指していくのかというところが基本にまず柱がないと、これから本当に太刀打ちできないというふうに思っているわけですね。それで、一体鳥取県は何を売りにするのか。そこのところがきちっと共通認識を持たれているのかなと思ったときに、まだお粗末な状況だと私は思っています。 それで、日本の農業が変わった時点で今の農業、日本の農業はどうで、日本の農業はどうでないといけなくて鳥取県は、によってこういう方向でいくのだとか、によって鳥取の県の農業大学校のあり方も、ここのところに力をつけて学ばせていくのだというところがないと、競争に勝てない。何を売りにするのか、鳥取の農業大学校は。ただ都会へ向けて、Uターン、Iターンに向けて農業で生きていきましょうよ、そこにこそ自分らしさがありますよと打って、鳥取県へ帰ろうとか行こうとかといってここの大学校に生徒がわんさかと来るような、そういうところをもしねらうとするならば、他県も一生懸命やっているわけですから、個別にアタックまでしているのですよね、郵送したりメールを送って団塊世代の人たちがやめていく人たちに本当に個別にアタックしていっていますから、だから顔が見える環境をすごくつくっていっているのですね。そんな中でただPRを打っていきますよというふうにやって、どんどんじゃあ鳥取県やろうかというふうなところまで人を動かすだけの魅力が鳥取の農業大学校にあるのかなと思ったときに、教師陣もまだ決まってなければ柱も決まってない。ごめんなさいね。申しわけないのですけれども、そんなふうに今考えてしまったわけですね。 鉄永委員がおっしゃったのですけれども、教師陣の質によって全然違ってきます。以前鳥取大学の農学部に作物学会の会長さんがおられましたよね、津野先生という、マルチ農法を出されてマルチ紙をつくられたわけです。あのとき、あんな先生がおられれば、みんなが彼を頼ってばっと集まってくると思うのですけれども、そういう人材みたいなものが確保できるのかなとちょっと不安になってきたのですが、どういうふうにして教師陣を集められるのかとか、そのあたりもちょっと腰を据えて考えていかれないといけないのではないかなと。もう一つ農業大学校の存在価値というと目的、何を売りにするのか、そこをもう1回構築した方がいいのではないのかなとちょっと不安に感じたもので、蛇足ながらそんなふうに。
●河原農林水産部長 大きく言って2つあったと思います。1点目がちょっと大きな話なので私の方から答えさせていただきます。 農大のこういった見直しに当たっても、やはりもとには鳥取県がどんな農業をやっていくのかという大きな柱を示さないといけないというお話です。これについては従来どちらかというと、例えば鳥取県は二十世紀がいいから青梨を主でやっていくということを、県も団体と相談しながら県の方で旗を振ってやってきた。ところがやはり社会の情勢というのは、消費動向はまたそれではない方向で動いてしまって、いろんな品種、多品種を食べて、しかも甘いナシがいいのだとかなかなか当たらない。ですから、そこが一番今の鳥取県の農政と以前との違うところというのは、やはり県でどんな農業をしなさい、鳥取県に来てもらってこんな農業をやってくださいということではなくて、鳥取県の農業大学校で新規就農を学べばやはり個々の力、今の時代の農業者としてどういったノウハウを身につけるか、個々の力を引っ張り出せるような農業大学校にしたい。簡単に言うと、行政の方がやはりどんな農業をしなさいというのは今はしないという方向で臨んでおります。もちろん環境とか安全、安心な農作物をつくっていくなどというようなことはもう当たり前ですし、やっていかないといけないわけですが、やはり農業が存続するためには個々の農業者が自分の能力、やりたいことをそれぞれがやはり考えていかないといけない。産地もよその産地と同じことをやっているのではなくて、うちの産地はこれで売っていこうということを考え、しかも考えるのは行政が、役場がこうやれというのではなくて、いろんな情報は入れるが、やはり最後は当事者が判断してもらわなければいい結果は出ないということで、個々の産地の力を発揮できるような、フォローできるような農大でもですし、それから県の農政の支援、そういう格好に今変えていきたいなと思っておるところであります。 それから、教師陣のやつはもし……。ないですか。真山さん、何か言うことない。なかったら僕の方で。
●真山農業大学校校長 これから何を売りにしていくかという基本線のことでございますけれども、その中でいわゆる人材、教師陣としての人材をどうつくっていくかということであったわけです。御指摘のとおり、教師陣の人材のいかんによって教育の内容そのものが大きく左右される、これは私も当然考えておるところでありますが、先ほども申し上げましたが、本校の場合の従来までの売りといいますか柱というのは、三本柱があったわけでございます。一般の大学の農学部等と違うということでございますけれども、いわゆる実践教育であるということ、学生がみずからが実際に生産をしながら学んでいくという実践教育であるということが第1点。それから第2点目が、それが師弟同業の形をとる。教師も同じ実習をしながら一緒に物をつくりながら学んでいく師弟同業。3番目が先ほど申し上げましたが、全寮制という、24時間の全寮制の共同生活の中で学んでいくと。昭和4年の開校以来、農業大学校の大きな教育の柱というと、実践教育と師弟同業と全寮制という大きな柱があったわけです。それがある意味では売りであったというふうになるわけです。それが果たして現在の時代に合っているかどうかというところの検証から始めたわけでございまして、先ほど申し上げましたように全寮制を含めて一部、それは時代に合った形に変えていくというふうに変えたところでございます。 先ほど申し上げましたように、これからの売りというのはやはり農業、農村の自立ということが叫ばれています。自立の基盤になるのはそれを支えていく人材そのものだと、農村に人材が育たないことには自立というのはあり得ないというふうに考えるわけであります。その人材を送り出す機関としては、やはり農業大学校がその使命を果たさなければならないだろう。基本的なこの改革の中で、思いの中ではそういう思いの中で作業を進めてきたところでございます。 教師陣の問題でございますけれども、現在は県職員で農業改良普及員資格を持った者が担当指導職員として担当しております。教員資格を持っておる者は約7割ぐらいでございますが、高校の教員資格、そういったものを合わせて大体7割ぐらいあると思います。そういう形で指導をしています。先ほど申し上げましたように、それぞれ鳥取大学との連携も含めて、鳥取大学の先生方も含めて、実は先ほど申し上げましたが、鳥取大学の先生については原論的な部分に限定したいというふうに申し上げましたのは、いわゆる実践教育としての看板、柱というものは今後とも続けていきたい、残していきたいという気持ちがあるわけでございまして、実際に実践をしている農業者の方、そういった人たちをやはり、これは特別講義みたいな形になりますけれども、そういったものを学生にやはり見せていく、先生がやっているところの実践力を身につけていくというところだけは、これはやはり伝統として残していきたい。理論だけの農業にならないように、そのことだけはやっていきたいというふうに考えております。ちょっと答えになりませんが。
●河原農林水産部長 ちょっと補足をさせていただいて。要は、講師陣の選び方によって大学の性格といいますか、望まれ方が随分変わってくると思います。以前と大きく変わったのはやはり流通と消費が目まぐるしく変わっています、ニーズがですね。だから、ここの最先端の事情がちゃんと研修生に入るような、入れてもらえるような講師を選ばなければいけない。それから、これはもうだんだん安全、安心な農作物を提供するということはこれはもう常識になってきますから、そのあたりに非常に強い方、こういったものを入れるというのが従前の教育プラスアルファで、そこをいかにやるかというのが非常に大事だという認識は持っております。ただ、具体的にどうやっていくかというのは、きょうの意見もいただきましたので、19年度の講師陣の張りつけといいますか、検討はいろいろしていきたいというふうに思います。
◎横山委員長 ほかにありますか。
○興治委員 鳥大との連携の関係なのですよね、さっきも言おうかなと思ったけれども、結局、鳥大についてはいわゆる理論部分だけをやってもらうのだと。鳥大の中のことは私はよく知りません、推測ですけれども、でも独立行政法人化したことによってより実践的な部分にシフトしていくのではないか、行きつつあるのではないかという気がするのですね。だから、そこのところで鳥大に対しては理論部分だけでいいのですよというふうに固定化する必要があるのかなという気がするのですよ。(「理論は知っていても、技術は知っていないのだから、大学の先生方は」と呼ぶ者あり) よくわからないですけれども、推測ですから。だから、実践的な部分で鳥大に投げかけることによって鳥大自体もよりその方向にシフトしていくのではないかとか、そこが県と鳥大との連携のお互いにとってのメリットではないかなと思うのですよ。だからもう少しそこのところは先のことも考えて、理論に限定するという形はどうなのかなというちょっとクエスチョンがあるので、どうなのでしょうかという、もう少し何か連携の仕方があるのではないですか。どうですか。
●真山農業大学校校長 ちょっと私の言い方が決めつけたような言い方になったのかと思いますが、鳥大の先生を原論的な部分に限定すると申し上げたわけですけれども、きちっとそれを、これはもう鳥大に任せ、これはしませんというはっきりとしたそういう分け方ではなくて、それぞれの科目ごとに応じて原論的な部分はできるだけ鳥大の先生にお願いするというふうな意味で申し上げたわけです。鳥取大学の先生方においても興治委員が言われたように当然実践的な技術をお持ちの方もおられますので、現実に今もそういった形でお願いしている部分もございますので、そこはそれぞれの科目と、それから先生方の内容を含めてこれから決めていきたいというふうに考えております。
◎横山委員長 そのほかありませんか。 ないようですから、以上でその他の事項に入ります。(「ちょっと1点」と呼ぶ者あり)
○鉄永委員 関連しますけれども、今、地域へ入ってみると留守の家というのが目立つのですよね。さっきのと関係するのですけれども、就農しようと思ったら住むところと農地が要りますから、ある方に聞いたらうちの近所には何ぼでもある、住んでもらえればただでもいいというような話もありましたが、また鳥取ではちょこちょこ廃屋、廃屋って住めないようなところはいけませんけれども、まだこれは住めるのにもったいないなというようなところがあるのですが、調査はどの程度やってあるのですかね。農大を出ても、あるいはUターンで直接帰ってくる方でも、そういう情報提供というのは。
●安田農林水産部次長 空き家の活用というのは、おっしゃるとおり、新規就農とか、それからふるさと定住みたいな形でこちらに帰ってこられる方にとっては貴重な情報です。私どもも市町村を通じてできるだけ空き家情報を集めようということでは取り組んでおります。今、漏れ聞くところではございますけれども、生活環境部の方で空き家情報を整理していきたいということを聞いております。ただ、私どもが今までの経験から申し上げますと、仏さんがあってなかなか難しい。いつでも貸してあげるよと言いながら、いざ向かうと盆ぐらいは帰ってきて墓を見ないといけないとかいう形でなかなか貸していただけないというのが実情のようでございます。
●河原農林水産部長 もめている例もあります。県の中部でいまだにもめて訴訟にもなりそうな例もあります。
○浜田委員 済みません。ちょっと気になって、鳥インフルエンザが出ましたが、実は焼却処理が最大の処理方法であるということを聞いて、各市町村の廃棄物処理で焼却場を使うということの、あれはもう万全の体制が整えられるようになったかどうかちょっと気になりまして。
●山根畜産課長 ずばり言うと万全ではないです、焼くことに関しましては。鳥取市が焼くという方向で、もうじきだと思いますけれども、環境審査か何かで議題に出されて話をされるという段階です。ほかの市町村につきましては、焼くというところまでの話はまだできていない状態です。焼けない場合は埋却という、実際出た場合、埋却という格好で対応せざるを得ないかなという状況にあります。その状況なのですけれども、衛生環境部の方とごみの焼却場、そちらの方に話は当然進めてまいろうと思っております。そういうことをやっている最中でございます。
○浜田委員 起きてしまったらもう即対応しなければいけないではないですか。それから検討してもらっても仕方がない話で、だから前もってちゃんとある程度の予測を立てた形でどう処理できるかということをしておかないといけないということで、もっと早目に対応しておかないといけないのではないでしょうか。
●山根畜産課長 実は昨年の4月からずっと各市町村に鳥インフルエンザはこういう病気です、焼くのが一番です、焼く場合はこうですということを市町村に説明をしまして、焼く方法について検討してもらっております。一番ネックになっていますのは、普通ごみ焼却場はそういうものを焼かないということで住民の方々に説明がされているのです。そこを住民説明した上で理解を求めなければいけないという、そこの住民感情といいますか、その辺のところがちょっとネックになっていて埋却の候補地も探し、ごみの方の焼くという方法も検討してもらっているという状況です。対応としては一応しているのですけれども、現実としてはそこまで煮詰まっていない。いざ出てしまうと、ではお願いできませんかということで当然話はしていきます。住民の方にも理解を得た上で焼くという方法を話をしていくわけです。そういう状況です。
○浜田委員 ごめんなさいね。出た方が早いのかなと、もうこうなったら出ればもう緊急事態としてやってしまったらもう既成事実となってしまって、その方がいいのかな。まだ出ていない、ゆとりがある状況ではああだこうだと、いっぱいいろんな約束事もあったし一般廃棄物ではないしとかいろんな話になってしまって難しいのかなというのが現状だなと思うのですけれども、でも科学的なきちっとした説明をどれだけ熱心にやるか。最終的には自分の命の問題になってきますから、住民の皆さんも納得できないことではないと思いますね。だから、そこまで相手を動かすほどの熱意と、それからきちっとしたデータをもって、そしてこれまでの先進地のこともあるわけですから、そういうこともきちっと説明されれば、もう絶対に嫌だといっててこでも動かないということはないと思うのですね。それだけの熱心さが市町村にあるかどうかというところをすごく私は疑問に思っていて、それで市町村を動かすのは県かなと思っていて、県の熱心さというのはどのレベルかなとかいろんなことを考えてしまうものですから、ちょっとそこの辺をもう少し力を込めてやっていただきたいというふうに思っています。
◎横山委員長 そのほかありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり) 意見が尽きましたようです。農林水産部につきましては以上で終わりたいと思います。 執行部を入れかえたいと思います。休憩を5分間とります。
午前11時42分 休憩 午前11時49分 再開
◎横山委員長 続きまして、商工労働部・労働委員会について行います。 それでは、本日の議題に入ります。 なお、質疑につきましては、説明終了後に一括して行っていただきたいと思います。 それでは、議題8、「移動商工労働部in智頭」の開催について、網濱経済政策課企画推進室長の説明を求めます。
●網濱経済政策課企画推進室長 資料1ページをお願いいたします。「移動商工労働部in智頭」の開催についてでございます。 来月5日から6日、2日間にわたりまして智頭町で今年度3回目の移動商工労働部を開催いたします。5月の境港、11月の琴浦町に続きまして3回目ということでございます。 内容でございますけれども、1日目が企業訪問を皮切りに若手経営者の方との意見交換、それと2日目が智頭町さんなり経済団体の皆さんとの意見交換という三部作で予定をしております。 現在、内容については詳細は調整中でございますが、智頭町さんはまちづくりについて大変熱心な地域というふうにお聞きしておりますので、いろんな分野の皆さんに御参加いただけるのではないかということを期待しております。
◎横山委員長 次に、議題9、経営革新計画の取り組み結果について、中山産業開発課長の説明を求めます。
●中山産業開発課長 2ページをお願いいたします。経営革新計画の取り組み結果でございます。 先回の常任委員会で経営革新大賞の結果について御報告させていただいたところでございますが、その際、興治委員の方からその実績調査についても報告するようにということがございましたので、今回御報告させていただくものでございます。 まず、調査結果の概要でございますが、そちらに記載しておりますとおりでございます。2番の計画実績でございますが、まず数値目標を達成した企業が17社、これは付加価値増加額で言いますと約30億円の増ということでございます。増加率は44%、雇用者数につきましても233名の増ということでございます。あと残念ながら数値目標未達成の企業が25社とありますが、それにつきましては付加価値額の増がマイナスの約9億円、増加率につきましてもマイナスの10%、それと雇用者数につきましてもマイナス95人ということになっております。合計で42社で付加価値額は20億円ふえて増加率が13%の増、雇用者数も138名の増ということでございます。 目標未達成企業につきまして、さらにアンケート調査を行いました。25社の方に照会し、10社から回答を得ております。主な未達成の原因でございますが、やはり営業活動ですとか販路開拓、こういったものが十分できなかったですとか、あと人材育成、こういったものが十分できなかったということで、やはり県内中小企業は総じて営業力だとか販売力、こういったものに課題を抱えているという状況が見受けられるということでございます。まず、その他といたしまして、研究開発の不成功だとか業界環境の変化、これは業界のパイそのものが縮小したことによるもの、そういったものが主な原因でございました。 経営革新計画に対する評価でございますが、この評価につきましては将来像だとか経営理念、こういったものが明確になった、それと経営管理に当たって非常に役立ったですとか、あるいは経営者だとか従業員の方々の意識高揚につながったということで、取り組みに対しては非常に高い評価を得ているところでございます。 補助金の利用状況でございますが、回答企業42社のうち12社、これが県の研究開発の補助金を使って研究しておられます。主な成果につきましてはそちらに載せておりますが、12社のうち販路開拓だとか製品を販売中のものが5社ございます。それと現在その製品化中のものが1社、それと研究中のものが1社、休止とか中止されたところも5社ございました。ただし、その中止の中には技術を転用してほかに活用したような例もあるところでございます。 今後の方針でございますが、経営革新計画に取り組んでいただくよう一層PRに努めたいというふうに考えております。上で説明させていただきましたように、非常に経営革新計画に取り組んでいただくと付加価値の増だとか雇用ニーズの増ということにつながりますので、今後とも企業さんを訪問して企業ニーズをとらまえながら、より経営革新計画の実現性を少しでも高めていくための取り組みをしていきたいというふうに考えているところでございます。
◎横山委員長 次に、議題10、ハイビジョン映像伝送実験に係わる「利用促進賞」受賞について、足森産業技術センター長の説明を求めます。
●足森産業技術センター長 3ページをお願いいたします。ハイビジョン映像伝送実験に係わる「利用促進賞」受賞について説明させていただきます。 このたび産業技術センターの研究グループが、独立行政法人情報通信研究機構というのがありますけれども、こちらの方から利用促進賞というものを受賞しました。この賞は、超高速光ファイバー通信網の利活用に大きく貢献したことによりまして受賞したものでございます。今回は全国から328件というたくさんの申請があったのですが、その中から20件選ばれまして、そのうちの1つでございます。 今回は、ほかの受賞グループ、20件あるのですけれども、ほとんどが大企業とか都会の大学が中心のグループでありましたが、そういった中で私どものグループは中小企業が中心のグループで受賞したこと、これに意義があるのではないかと思っております。 研究グループでございますが、米子にありますテレビジョンテック、米子高専、それから私ども産業技術センターでございます。研究目的とか研究内容、そこに掲げてあります、ごらんのとおりでございますけれども、今回は特に超高速の光ファイバーの通信網であります鳥取情報ハイウェイ、これを利用しましてハイビジョンの映像を伝送するシステムを開発したものでございます。 2番のハイビジョンの映像伝送実験でありますけれども、過去、平成16年4月には産業技術センターの機械素材研究所の開所式があったのですけれども、そのときの模様を鳥取大学に伝送しております。それから昨年の4月にはシャープのハイビジョンのテレビ贈呈式というのがあったのですけれども、こちらの方で知事室と私どもの機械素材研究所との間で伝送実験を行っております。非常に高精細な映像が伝送できました。 今後でございますけれども、今後はこの産業技術センターの独法化を機会に鳥取、米子、境港に各研究所があるのですけれども、こちらの方を結んでテレビ会議システムでありますとか、人材育成、こういったようなことに利用することを現在検討しておるところでございます。
◎横山委員長 次に、議題11、平成18年取扱事件等の概要について、足田労働委員会事務局長の説明を求めます。
●足田労働委員会事務局長 労働委員会の資料をごらんいただきたいと思います。 平成18年度ではなくて平成18年、暦年ではありますけれども、暦年で取り扱いました事件の状況について取りまとめましたので御報告申し上げたいと思います。 1ページが不当労働行為の救済事件、2ページが集団の労働争議調整、3ページが個別労働関係紛争のあっせん事件、4ページが労働相談の対応状況であります。 これらの個々の事件につきましては、おおむね四半期の常任委員会でも事件の概要等について御説明をしておりますのでここに改めて御説明をすることはいたしませんが、1ページの不当労働行為事件におきましては、審査期間の目標の達成状況を報告をすることに、公表することになっておりまして、農協中央事件については審査期間の目標10カ月、約300日というのを設定しておりますけれども、関与和解まで約170日ということで目標を達成しております。 それと、労働委員会が取り扱います事件の傾向でありますけれども、これは全国の傾向と同様でありますけれども、不当労働行為の救済事件でありますとか集団の労働争議の状況というのは全国的にもやや減少傾向にありまして、3番の個別労働関係紛争のあっせん事件を取り扱う件数が増加をしてまいっております。今後もこの方向が続くものと思いますけれども、裁判以外での紛争処理機関としての労働委員会のミッションというものを今後とも制度のPRに努める等、処理期間の短縮等に努めて、そういったミッションを果たしていきたいと思っております。
◎横山委員長 それでは、ただいままでの説明について質疑、御意見はございませんか。
○鉄永委員 まず、第1点目は1ページ目の「商工労働部in智頭」について。おやりになることはいいのですが、これまでやられた中でちょっと参考までにどんな意見が出て、どんな成果、実際に成果が出てきたのかお伺いしたいです。 それから、2点目は、3ページ、ハイビジョン映像伝送実験で成果が上がったということなのですが、促進賞を受けたということはそれなりによかったと思いますが、どう生かすのですか。ちょっとよくわからないので、教えてください。
●網濱経済政策課企画推進室長 移動商工労働部のこれまでの成果ということでございますけれども、大きく申し上げまして3つぐらいあるかなと思いますが、要はその地域の経済界の皆さんというのは結構業種業種で分断されている事例が多いというようなことから、移動商工労働部をきっかけに町内への経済界の方の連携が高まったと。具体例で言いますと、去年、ちょうど1年前に岩美でやったわけですけれども、海側と山側との連携が全くないというような話がございまして、この移動商工労働部をきっかけにいわみまるごと振興協議会というのをつくられまして、食を核、食べ物を核にした観光振興を検討されているというような取り組みが始まっていったり、これは倉吉や琴浦でも同じような意見をちょうだいしております。 政策ニーズのキャッチという面では、ことし5月に境港で開催したわけでございますけれども、なかなか水産物などの販路開拓が難しいというようなお話がございました。それで、昨年の11月にフードサービス協会の産地見学会というのを境港で設定させていただいたり、あるいは産業開発課の方から御説明がありましたけれども、来年度の予算要求に向けて今、やる気補助金、これは経営革新のこの中にサービス業に対応するような新たなタイプの創設を盛り込んでいるというようなこともございます。それから、倉吉に参りましたときに、やはり担保力のないソフト開発会社、新たな学校の学事システムというのですけれども、これの開発、販売に取り組んでいらっしゃる、そういう企業さんがございまして、やはり開発資金の調達がなかなか難しいと、事業が軌道に乗るまで、資金回収までの資金調達が難しいというようなことがございまして、そういう意味で事業性に着目したチャレンジ応援資金というのを今年度創設させていただいたりというようなことがございます。個々の例で言いますと、岩美町特産に新雪梨というナシがあるようでございます。これの食品利用を境港にございます大手食品加工会社の方に紹介させていただいたというような事例も出ておりますし、あるいは琴浦町におきましては地域商品の県外販売を模索していらっしゃるというようなお話をお伺いしまして、これをアンテナショップ意見交換会というのがございますので、そちらの方に紹介したりというようなこともございました。代表的なものは今申し上げたようなことでございます。
●足森産業技術センター長 伝送実験のこの賞をどのように今後生かすかという御質問なのですけれども、今後は受賞のメリットを最大限に生かしまして、いろんな大きな展示会にできるだけこれを出品して、たくさんの方に受賞したことに対してのPRを行っていきます。まだこれも完全に製品化されたわけではないので、同時にもう少し産業技術センターと企業と一緒になって共同研究をしていく必要があろうかと思いますけれども、何とかそういった事業メリットを最大限に生かして、そういったPR効果を含めながら販売にできるだけ結びつけていきたいと思っております。
◎横山委員長 ほかに。
○鉄永委員 まだ研究中なのですか。
●足森産業技術センター長 完全にまだ、ある程度の研究はできたのですけれども、まだ今、試作研究という段階で、やはり実用化、商品化になりますとやはり使い勝手とか、それからコストをいかに下げるかとか、もう少し研究すべき余地がありますけれども、大体方向性はある程度いい方向に向かっているのではないかなという感じがしております。
◎横山委員長 そのほかありますか。
○興治委員 経営革新計画のことですけれども、素人っぽい質問ですけれども、これは補助金を利用したのが12社ということなのですが、それ以外にも経営革新計画によるメリットというのはどういうことなのですか。貸し付けなんかでメリットがあるとか、そういうことなのか、どういうことなのですか。
●中山産業開発課長 経営革新計画の承認を受けていただきますと、まず税の優遇ということで、例えば設備投資に対します特別償却、こういったことが可能になりますし、あとは融資の関係で政府系金融機関による低利融資、こういったものもお使いいただけますし、信用保証の特例ということで保証の枠がふえたりいたします。それ以外に、先ほどちょっと説明させていただきましたけれども、補助金関係、こういったものが使える。それ以外に例えば中小企業の総合展、展示会でございますが、そういったところにも御出展いただけるというふうな直接的なメリットがございます。
○興治委員 数値目標を達成したのが17社で雇用者増加数が233人ということで、233人の企業誘致をしたに等しい雇用増加があったということだと思うのですね。ただ、69社のうち17社という今の目標達成ですね。これは約4分の1ぐらいですよね。4分の3が回答がないとか目標に達していないということなのですけれども、そのことをトータルにどう評価すればいいのか。これは国の法律にのっとっているわけでしょうから、法律の枠組みというのがあると思うのですが、県の補助金というのは法律の枠組み外でやっているものなのでしょうかね。そこのところで今の仕組みというか制度内容でいいのか、あるいはどうなのか、もう少し改善する余地があるのかどうか。一番下のところには、未達成企業についてはさらに課題解決に向けた取り組みを支援すると、これは県独自でやられるわけですね。それと継続的、効果的な経営支援策について、その辺の評価を踏まえた上での今後の施策として出てくるのだと思うのですが、どうですか、この制度の仕組みがこれでいいのかどうなのか。
●中山産業開発課長 先日からこの未達成企業の方ですとか回答のない企業の方々を企業訪問して、実際どうなのでしょうねということをお聞きしているところでございます。まだ数社ぐらいしか回れていないのですけれども、その中で言いますと、現在、支援策につきましては、もう少しやはり販路といいますか、そういったものに目を向けたような支援をしてほしいということで、先ほど網濱室長がちょっと御回答申し上げたのですが、もう少し来年度の予算要求に向けて販路開拓に向けての支援みたいなことができないかというふうに考えているところでございます。それ以外に、この中で実は未達成企業ではあったのですが、ただしそのときに経営革新計画に取り組んだ結果が期間中はなかなか目標を達することができませんでしたが、今になって取り組んだ内容が花開いて忙しいような状況が生まれているというふうな企業の方もございました。これはヨーロッパの方で何かローズ規制といいまして、何か六価クロムだとか鉛とか、こういったものを電気製品に使われないというような規制が去年の7月からかかったようでございまして、そういった取り組みに対して数年前から取り組んで、なかなかそれが付加価値の増とかにつながらなかったのですけれども、最近になってそういった規制があったもので急激に伸びているというふうな企業もございました。
◎横山委員長 いいですか。 ほかにありませんか。
○興治委員 ちょっとあれですけれども、例えば企業誘致と地元企業の支援との費用対効果というのはどっちが優位性があるのかなというようなことを検討されたことはありますか。特にありませんか。過去の実績。
◎横山委員長 部長の出番です。
●山口商工労働部長 過去のことはわかりませんけれども、意味がないことだと思います。というのは、やはり今の鳥取県の経済の現状を考える上に企業誘致というのは必ず必要だと思います。今のままの産業構造ではいけないので、やはり大きな刺激を与えて新たないろんな契約だとか新たなマッチングというのは必要なので、これは絶対やらなければいけないことだし、またそれにすべて依存することなく県内企業の皆さん方に支援をするということが逆にいつも知事が産業構造の展開と言っていますけれども、それをやっていくということは必要で、特に先ほど移動商工労働部のところでも出ましたけれども、今、鳥取県の企業の皆さん方は自立という言葉に非常に困っていて、それを解釈して説明して納得してもらうというのはすごく大事なことだと思うのです。我々、別に自立といって全く見放しているわけではなくて、意欲があって、ただやり方がわからなくて、県がどういうことをしてくれるのかわからなくて何か放置されているというような不満もあって、我々が移動商工労働部などで行って個別の企業と話をしたりして、そういう意欲があるのであればそれを計画の形にまとめてみませんかと、そうしたら我々はこんな応援もできますよとか県の産業センターも産業振興もこんなにサポートできるのですよというところ、その気づきが重要だと思っておりまして、この経営革新計画、今いろんな優遇措置を説明しましたけれども、とにかく一番大事なのは、今時代が変わっていて、今のままではいけなくて、本当にすべてを点検して計画を見詰め直そうよということなのですよね。後でついてくるものなどは余り意識してもらわなくてもよくて、そこは皆さんの計画に応じてこっちでアドバイスするので、ただいずれは自分でやっていくのですよというところさえ、自立という観念をわかってさえいただければ、我々はすごくそこまでの過程は手助けをするので、放置しているのではないですよという部分だと思っています。そういうような手法も、先ほど小谷委員とか鉄永委員からもお話がありましたように、最近、河原部長とも話すのですけれども、農林分野ですべてそれを援用する必要はないけれども、そういう手法というのも農林の中に生かしていくという時代だし、昔みたいにすべてが補助金でやって、それで農協に納めればいいというのではないので、いう部分は今非常に発展をしつつありますから、そういうところを生かしていきたいなと思います。ということなので、両方を大事にしてやっていきたいと思います。
◎横山委員長 1ページと2ページで、移動で商工労働部が行かれるというと、いろいろなことを勉強されると思うのですよ。それが現場主義というのだろうけれども、そのことで先ほど出てきたように成果はどうでしたかとか、いろいろな話を聞いておられるので、後でいいですから教えてください。ちょっと聞くと、使い勝手が悪いという話があちこちから出てきておりますので、使い勝手が悪くならないように、それこそ親切に、わからない人が多いのですから。そういうのは商工労働部だけではなくて、農林の方もやはり使い勝手が悪いというのでいろいろなところで御意見をいただいておりますので、できるだけ使い勝手がよくなるように努力をしていただければうれしいなと思います。
●山口商工労働部長 まさにそれも非常に重要な要素で、意外と多いのですよね。企業を回っていると、我々の補助金のこういうところがネックになって使えないのだとか、そういった話もあって、今回の予算要求はそういうのが3本か4本ぐらい、我々はこうやって補助金を使っていたけれども、実際うまく生かされてなくて実際使ってもらいたい人に使われていないということなので、ちょっと修正させてくれというのが幾つかあるのですね。というのもありますし、意外と逆にそれこそ横山委員長、東伯でやったときも、意外と知らないこともあるのです、向こうが、我々の。今回のってうまくいっているものも御案内のとおり幾つかあるわけで、ですから本当はもうちょっと頻繁にやった方がいいのでしょうけれども、できるだけ実は、これは市町村にも主体的になってもらっているので市町村の方に徐々にそういうノウハウを移していって、そういう話がこっちに来るようになるのが理想だなというように思っています。 我々、これを今6カ所やりましたけれども、別にそれ以外のところをやっていないというわけではなくて、例えば青谷でも我々は企業訪問はほとんど行っていますし、そのエリアをやっていないというわけではないので、ただそういうことが鳥取県の場合は小さな県で企業数も少ないのでできるので、多分よその県では絶対こういう手法はとれないと思うので、これはこれからも拡充していけばいいのかなと思っています。
◎横山委員長 どうですか、河原部長。
●河原農林水産部長 おっしゃっていることはそのとおり、多いと思います。今、商工労働部長が言ったように、県の思いつきだけでつくっているけれども、実際は実需者からすると使いにくい、このようなのがあったらいいなというのはあると思います。ただ、ちょっと一つ申し上げたいのは、今、農林水産部の単県補助金は、農業関係はチャレンジプランというのでやっています。確かに使い勝手が悪いというお話は出てきます。その意味がちょっと違うのです。従前のようにこういうものだったら補助が出るとかいうのが合わないというのが使い勝手が悪い。チャレンジプランは基本的に何に使ったらいいかというのはうちでは余り決めない、必要なものだったら認めようと、ただ昔のように何も市町村に言っておけば、計画書を書いて出してくれたら補助金が出ていたのが面倒くさい計画みたいなプランをつくらなければいけないということがあるのではないか。それについてはやはりきちんと説明したいと思います。やはり設備投資をするのだから、自分なりの営農をよく考えてみてくださいということを説明して、補助金よりもやはりそれがないと、補助金出して設備投資してもだめですからということを丁寧に説明していかなければいけないと思います。ちょっとニュアンスが違う面がチャレンジプランの場合ありますので、そこは御承知おきください。
◎横山委員長 よろしくお願いします。 そのほかございませんか。
○鉄永委員 部長、今、青谷もほとんど回ってもらってありがとうございます。それでですが、以前に私は議場で言ったことがあるのですが、ユーシー産業というホースをつくっている、実際県は使っていますか。(「県がね」と呼ぶ者あり)私、使えと言ったのです。これは一つの例ですが、本当で設計段階で技術屋が組まなければ使えません。どうも建設工事というと、建設業者のことばかり皆さん思っているのですけれども、県というのは大消費者なのですよ、鳥取県においては、消費者なのですよ。ところがその消費が本当で企業活動にプラスになって雇用がふえるかどうかというところまで本気で考えておられるのかなということを私は疑問に思っています。技術屋はとにかく今まで質が悪いのだったらこういうタイプをやりますと、県外からみんな製品を入れて、あんなものをですよ、地元の製品を使えばいいのに、あんなのは空気を運んでいるようなものですから、地元の方が安いはずなのですが、製品を指定してしまうとそれしか使いようがない。そういうことをせっかく商工労働部が一生懸命足しげく企業訪問していらっしゃるのですから、企業企業でできた製品をどこに使えるか、さっきおっしゃったでしょう、販路確保、販路先がなかなか難しいとおっしゃるのですが、実際に鳥取県が使って示してあげれば県外にも売り込みやすいのですよ。鳥取県が、公共団体が使っているのですね。これはそれぞれの企業が宣伝パンフにも使えるのですよね。やはり信頼があるのですよ、公共団体というのは。そういう意味で、年間3,800億円の中の人件費2,800億円、何かの形で出ているのですが、金が。そういうのをやはり利用して、別に補助金出すのも一つだけれども、使ってあげるというのはもっと効果があると思うのです。それらの検討を全県的に県庁内で協議されたらいかがですかね。以前も言ったことがあるのだけれども、何ら浸透していないような気がしてならないのですが。
●山口商工労働部長 全くそうだと思います。県庁が例えば表彰するとかいろんなところの、うちの部長室にもいっぱい並んでいますが、展示するとか、いろんなところで使ってあげるとか、そういうことは、我々はその県庁マンとしてそれがどれだけ意味があるのかなというような意識もあるわけですけれども、実際すごく皆さん方に喜んでいただいて、こうやって県庁も使ってもらっているのだよというところをPRして、それをまた信頼していただけるという土壌があるみたいで、ということはすごくそれというのは販路拡大に非常に有効なセンスなので、我々もそれは大分やっているつもりですけれども、まだまだ足りないところがあったら言っていただきたいなと思います。ただ、ユーシー産業さんはそうではなくても十分調子がいいと思うので、それについてはいいですね。
○鉄永委員 それを一つ、例を出した。
●山口商工労働部長 今、調子がいいはずです。
○鉄永委員 調子がよくても。
●山口商工労働部長 鳥取までちょっと遠くて、士気を高めるための飲み会の帰りのタクシー代が高いのが問題だとこの前、工場長が大分言われていまして、そこが青谷の問題だと言ってましたけれども、(笑)実はそうやって最近は企業誘致も進んできて県外から来るのですね、研究者とか。どうやって鳥取で楽しんでもらうのかというところになかなか悩みがあると、これは倉吉でもたしか話がありましたけれども、そういう方々のためにも結構我々はそういうプランをつくったりとか、そういうところまでフォローしたりとかしていますけれども、まさに今おっしゃっているように、県もどうせ使うのだったら本当にいろいろなところで企業の部分を使ってあげられるというのは大事なことだと思いますし、ぜひそういった情報も言っていただいて、こういうところに使えるよという話はすべて取り入れてやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
◎横山委員長 よろしくお願いします。 それでは、次のその他の事項に入ります。 商工労働部・労働委員会について、執行部、委員の方で何かありませんか。
●山本労働雇用課長 労働雇用課でございます。1点報告させていただきます。 米子ハイツの再公募につきまして、前回の常任委員会で報告させていただいたところでございますが、この15日に締め切りましたところ、県外の3社から応募がございました。現在これらの企業につきまして調査を行っておりまして、できるだけ近いうちに審査会を開きまして、今月末を目途に売却先を決定したいというふうに考えております。
◎横山委員長 そのほか。
○鉄永委員 商工労働部長さんにお聞きしたいのですが、鳥取県東部の経済界を考えたら鳥取三洋というのは大きいですよね。この間、新聞等を見ますと、炊飯器を中心にといいますか、三洋全体があれもこれもつくるのではなくて工場を特化させて集約して、研究部門も集約していくというような話かあるのですが、三洋などは炊飯器みたいなので、みたいなのと言ったら失礼ですが、これから将来性はどうなのですか。以前は携帯の液晶みたいなものとかを専門にやっておられたような形かなと思っていたのですが、今の状態はどうなのですか。
●山口商工労働部長 余り細かくは、すべてはちょっとなかなかその問題について説明することはどうかなと思いますけれども、簡単に申しますと、やはり三洋の本体が非常にああいう状況にあって、簡単に言うと鳥取三洋は今、十分目標を達成していい状況だと思います。そのときに、炊飯器もさることながらカーナビですとか幅広く鳥取三洋は持っているわけですね。特にカーナビなどは調子がいいわけですけれども、そういったところで炊飯器だけということになるとそれは間違いなくよろしくないということになります。 鳥取三洋は実は例えば佐賀だとかいろんなところに三洋電機とあるわけですけれども、三洋本体の関与が比較的弱いのですね、比較的ですよ。ただ、そうはいっても株にしても66%持っているわけですから、そこが今、一つの焦点になろうかと思います。ですから、三洋電機が鳥取三洋の今の業態、ある程度調子がいいわけですけれども、そこをどう介入してくるのか、また三洋電機本体は今、ゴールドマン・サックスですとか住友銀行とか実質いろいろ金融団が入っているわけですけれども、その金融団がどういう意向を持つのかというところでどういう方向性が出てくるのかという、今まさに大きなポイントに差しかかっているのかなというところまでが私の今ここで申し上げられるところなのですけれども、そこが今、御懸念のように、そうはいっても3,000人を抱える企業ですから、そこが打撃を受けると鳥取県、特に鳥取県東部は大激震、大変なことになると思いますので、そういうことがないように我々商工労働部もここのところずっと頑張ってきている、まだ過程ではありますけれども、引き続きそこはよく最大限注視して、そういうことがないようにやっていきたい、三洋電機とも連携してやっていきたいというふうに思っています。
◎横山委員長 頼みますよ。 ほかにありますか。 意見が尽きたようですので、商工労働部・労働委員会につきましては以上で終わります。 それでは、以上をもちまして経済産業常任委員会を閉会いたします。 |