鳥取県警察通信指令技能検定実施要綱の制定について(例規通達)

鳥取県警察通信指令技能検定実施要綱の制定について(例規通達)

平成22年3月31日
鳥通例規第7号

改正 令和元年7月鳥通例規第2号、10月鳥通例規第3号

 本県警察においては、初動警察の刷新強化を図るため、その要である警察通信指令(以下「通信指令」という。)及び現場執行力の強化を推進中である。
 この度、通信指令を担う人材の育成強化の一環として、通信指令に従事する警察官の通信指令技能の向上を目的に、別添のとおり鳥取県警察通信指令技能検定実施要綱(以下「要綱」という。)を制定し、平成22年4月1日から施行することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。
                      記
1 趣旨(要綱第1関係)
  通信指令は、事案の擬律判断能力、迅速的確な受理・指令能力、無線通話技能、通信指令システムの的確な操作等が求められるなど、極めて専門性が高い分野であることから、これを担う人材の育成強化を目的として技能検定を実施するものである。
2 技能検定の目的(要綱第2関係)
  技能検定は、警察本部又は警察署において通信指令に従事する者を対象として通信指令に係る知識、無線通話技能について学科及び実技試験を行い、各級の合格基準に達した者に格付けをする制度であり、通信指令部門への適任者の配置、選抜、戦略的人材育成及び士気の高揚を図り、併せて、通信指令の知識及び技能の普及、向上に資することを目的とする。
3 技能検定の級位(要綱第5関係)
  技能検定における区分は、生活安全部通信指令課(以下「通信指令課」という。)担当者レベルの知識及び技能を「上級」、警察署通信室(以下「通信室」という。)担当者レベルの知識及び技能を「初級」とする2段階構成とする。
4 技能検定の実施等(要綱第6関係)
(1) 学科試験
   学科試験は、初級及び上級とも警察無線通信に関する基礎的知識、通話要領及び通信指令に関する関係規程等から出題する筆記試験(多枝選択式)により実施する。
(2) 実技試験
   受理技能及び指令技能は、その性質上役割が全く異なるものであるが、迅速的確な警察活動を行う上で的確な受理と指令は不可欠なものであり、通信指令担当者には、受理技能及び指令技能の双方を的確に行う能力が求められることから、実技試験は、初級及び上級とも想定した事案に対する受理技能及び指令技能の各科目に分けた採点方式による実技試験により実施する。
  ア 受理技能
    受理技能は、県民からの緊急通報の一元的な窓口として多種多様な通報を受理し、通報者の立場に立った適切な対応、優先順位を考慮した必要事項の聴取、事案の重要性や緊急性の判断を行う専門的かつ高度な能力を必要とする技能である。
  イ 指令技能
    指令技能は、受理した通報の概要を簡潔明瞭に伝達するとともに、現場からの手配に必要な情報の収集や集約、事案に応じた被害の拡大防止、受傷事故防止に関する注意喚起や避難誘導、交通規制等に関する具体的任務付与を行うなど、収集した情報に基づき擬律判断をし、順次措置を講ずる極めて専門的な能力を必要とする技能である。
(3) 知識及び技能に関する基準
  ア 初級の知識及び技能に関する基準は、通信室において管内の複数の移動局を通信統制し、各種現場情報を収集や集約するとともに、想定した事案に対する迅速的確な受理技能及び指令技能を有するものであり、さらに、通信指令の準指導員として必要な知識及び技能を有する者としており、通信室における通信指令に従事する者に必要な知識及び技能を示した。
  イ 上級の知識及び技能に関する基準は、通信指令課において複数の移動局、通信室を通信統制し、各種手配の要否に係る情報を収集や集約するとともに、想定した事案に対する迅速的確な受理技能及び指令技能を有する者であり、さらに、通信指令の指導員として必要な知識及び技能を有する者としており、通信指令課における通信指令に従事する者に必要な知識及び技能を示した。
(4) 合格基準
  ア 学科試験は、初級は100点満点中60点以上を取得した者、上級は100点満点中80点以上を取得した者を合格とし、学科試験に合格した者のみ実技試験を受検することができる。
  イ 実技試験は、複数の採点官が審査し、受理技能及び指令技能それぞれについて、初級は100点満点中60点以上、上級は100点満点中80点以上を取得した者を合格とする。
5 技能検定の受検資格(要綱第7関係)
(1) 初級の受検資格は、採用時教養を修了した警察官とした。
(2) 上級の受検資格は、技能検定初級を取得してから1年を経過した者とした。

別添
   鳥取県警察通信指令技能検定実施要綱
第1 趣旨
 この要綱は、警察通信指令(以下「通信指令」という。)に関する技能を向上させることにより初動警察活動の強化を図るため実施する鳥取県警察通信指令技能検定(以下「技能検定」という。)に関し、必要な事項を定めるものとする。
第2 技能検定の目的
 技能検定は、検定の取得を通じて通信指令技能の向上及び士気高揚を図るとともに、通信指令に関する知識及び技能に優れた人材を組織的に把握し、適任者の登用、人材育成に向けた戦略的な人事配置等に資することを目的とする。
第3 委員会の設置等
 1 技能検定を実施するために鳥取県警察本部に鳥取県警察通信指令技能検定委員会(以下「委員会」という。)を置く。
 2 委員会は、委員長及び委員をもって構成する。
 3 委員長には生活安全部長を、委員には警務部警務課長(以下「警務課長」という。)、生活安全部地域課長及び生活安全部通信指令課長(以下「通信指令課長」という。)をもって充てる。
 4 委員会は、技能検定の実施について必要があるときは、技能検定上級取得者又は鳥取県警察技能指導官等(「鳥取県技能指導官等に関する要綱の制定について(例規通達)」(平成7年4月18日付け鳥教例規第3号外共発)の規定に基づき、通信指令の種別で技能指導官又は準技能指導官に指名された者をいう。)に補佐させることができるものとする。
 5 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
 6 委員会の事務は、生活安全部通信指令課(以下「通信指令課」という。)において行う。
第4 委員会の任務
 委員会は、次に掲げる事項について審議するものとする。
 (1) 技能検定の実施に関すること。
 (2) 技能検定の合格者の決定に関すること。
 (3) (1)及び(2)に掲げるもののほか、技能検定に関して審議を必要と認めること。
第5 技能検定の級位
 技能検定は、初級及び上級に区分して行う。
第6 技能検定の実施等
 1 委員会は、初級及び上級の技能検定を1年に1回以上実施するものとし、その実施の時期、場所その他必要な事項は、委員会が定める。
 2 初級及び上級の技能検定は学科試験及び実技試験により実施するものとするが、実技試験は学科試験に合格した者のみ実施するものとする。
 3 初級及び上級の実技試験は、受理技能及び指令技能の2科目を実施する。
 4 技能検定の基準及び細目は、別表のとおりとする。
第7 技能検定の受検資格
 1 初級の受検資格は、採用時教養を修了した警察官とする。
 2 上級の受検資格は、技能検定の初級を取得後1年を経過した者とする。
第8 技能検定の受検手続
 1 技能検定の受検該当者は、委員長が関係所属長に通知し、警察署通信指令担当者は全員、その他当直勤務に就く通信指令担当者及び将来この職に就く可能性のある者のうち受検を希望する者並びにその他の受検希望者は、所属長に申し出るものとする。
 2 所属長は、所属の警察官に技能検定を受検させるときは、通信指令技能検定(初級・上級)受検申請書(様式第1号)により、鳥取県警察通信指令技能検定委員会委員長に申請するものとする。
第9 技能検定の実施結果報告
 委員長は、技能検定を実施したときは、通信指令技能検定(初級・上級)実施結果報告書(様式第2号)により、その結果を鳥取県警察本部長(以下「本部長」という。)に報告するものとする。
第10 合格者の通知及び人事的措置
 1 本部長は、技能検定の合格者に対し、通信指令技能検定合格証書(様式第3号)を交付するものとする。
 2 委員長は、技能検定合格者について、通信指令技能検定(初級・上級)合格者名簿(様式第4号)により、警務課長及び当該合格者の所属長に通知するものとする。
 3 通知を受けた警務課長又は所属長は、当該合格者の検定合格の級位及び取得年月日を把握するとともに、技能検定合格者が通信指令課又警察署通信室への優先的人事配置がなされるよう人事的措置を講ずるものとする。
第11 合格者台帳の備付け
委員長は、通信指令技能検定(初級・上級)合格者台帳(様式第5号)を備え付け、必要な事項を記入して、常に内容を整理しておかなければならない。

別表及び様式 略

  

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