被疑者取調べの監督の実施要領の制定について(例規通達)

他被疑者取調べの監督の実施要領の制定について(例規通達)

平成21年3月26日
鳥総例規第1号
 改正  平成24年鳥総例規第1号、第4号 、27年鳥務例規第2号、28年鳥総例規第1号、30年鳥務例規第3号、鳥総例規第2号、令和元年鳥総例規第1号外、令和3年鳥総例規第1号

 被疑者取調べの監督については、被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則(平成20年国家公安委員会規則第4号。以下「適正化規則」という。)が平成21年4月1日から施行されることに伴い、別添のとおり「被疑者取調べの監督の実施要領」を制定し、同日から施行することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。

別添
   被疑者取調べの監督の実施要領
1 制度の趣旨
  被疑者取調べの監督は、捜査部門以外の部門に取調べの監督を行わせることにより、警察組織内部におけるチェック機能を発揮させ、不適正な取調べの未然防止を図ろうとするものである。
2 体制及び運用実施者等
(1) 取調べ監督官等の指名
   適正化規則第4条第1項に規定する取調べ監督官(以下「監督官」という。)及び同条第3項に規定する取調べ監督官の職務を補助する者(以下「監督補助者」という。)は、次に掲げる者の中から警察本部長(以下「本部長」という。)又は警察署長(以下「署長」という。)が指名した者とする。
 ア 警察本部(交通部交通機動隊及び同部高速道路交通警察隊(以下「本部執行隊」という。)を含む。)
 (ア) 監督官 警務部総務課取調べ監督室(以下「監督室」という。)の警視又は警部の階級にある警察官(複数の指名も可とする。)
 (イ) 監督補助者 監督室の警部補又は本部執行隊の警部の階級にある警察官(複数の指名も可とする。)。ただし、本部執行隊においてこれにより難い場合は、監督室と協議の上、警部補の階級にある警察官(直接担当する捜査に係る事件の場合を除く。)とすることができる。
 イ 警察署
 (ア) 監督官 警務課長
 (イ) 監督補助者 幹部派出所長、警務係長又は地域係長(警察官に限る。また、複数の指名も可とし、地域係長については、直接担当する捜査に係る事件の場合を除く。)
(2) 巡察官
   適正化規則第8条第1項に規定する巡察官は、監督室の警視又は警部の階級にある警察官をもって充てる。
   なお、巡察官は、警察本部の監督官を兼務させることができる。
(3) 取調べ調査官
   適正化規則第10条第1項に規定する取調べ調査官(以下「調査官」という。)は、監督室の警視の階級にある警察官をもって充てる。
(4) 留意事項
 ア 本部長の指名に係る監督官、巡察官及び調査官は本部長の指揮を、署長の指名に係る監督官は署長の指揮を受けて職務を行うものとする。
 イ 警察本文の取調べ室において被疑者取調べを行う場合における監督官は、警察本部の監督官とし、警察署の取調べ室において被疑者取調べを行う場合における監督官は、当該警察署の監督官とする。
 ウ 当直時間帯における監督官の職務については、警察本部の当直長又は警察署の当直長及び副当直長(副当直長を置いている警察署に限る。)をもって監督補助者とすることができるものとする。ただし、当直時間帯においても、被疑者取調べの監督の責任者は監督官であることに変わりはなく、当直時間帯の終了後は速やかに監督官に職務を引き継ぐものとする。
 エ 監督官及び監督補助者(以下「監督官等」という。)を指名し、又は解除した場合には、監督室を経由して本部長に報告するものとする。
 オ 捜査と被疑者取調べの監督の分離の観点から、監督官等は、その担当する被疑者取調べに係る被疑者に係る犯罪の捜査に従事してはならない。
3 実施要領
(1) 被疑者取調べ状況の確認等
 ア 取調べ官は、犯罪捜査に支障を生じない範囲で被疑者取調べの予定を監督官(当直時間帯は当直長)に連絡しておくものとする。   
 イ 監督官等は、事件指揮簿(犯罪捜査規範第19条第2項に規定する事件指揮簿をいう。)及び取調べ状況報告書(犯罪捜査規範第182条の2第1項に規定する取調べ状況報告書をいう。以下同じ。)等の閲覧その他の方法により被疑者取調べの状況を確認し、その結果を確認結果等記録簿(様式第1号)に記録するものとする。

   なお、「その他の方法」には、取調べ室の外部からの視認も含まれるが、視認を行うに当たっては、不定期な実施に努めるものとする。
 ウ 捜査主任官は、監督官に対し、当該取調べ状況報告書の写しを交付し、又は当該記載内容のデータを送信(以下「データ送信等」という。)するものとする。
 エ データ送信等を受けた監督官は、これを閲覧することにより被疑者取調べの状況を確認するとともに、取調べ状況報告書一覧表(様式第2号)を作成し、監督室の室長(以下「監督室長」という。)に報告するものとする。
(2) 監督対象行為を確認した場合等の措置
 ア 監督官等は、(1)イの確認を行った場合において、監督対象行為に該当するか否かが判然とせず、捜査主任官に所要の業務上の指導等を促すことが適当であると判断した場合は、捜査主任官に当該確認の結果を通知するとともに、その旨を確認結果等記録簿に記録しておくものとする。
   なお、(1)イの確認により監督対象行為が認められなかった場合においても、その旨を確認結果等記録簿に記録しておくものとする。
 イ 監督官は、(1)イの確認を行った場合において、現に監督対象行為を認めたときは、適正化規則第6条第3項又は第4項に規定する措置を講じ、その状況について、監督対象行為発生報告書(様式第3号)により、速やかに、所属長(本部長の指名に係る監督官にあっては、監督室長)に報告するとともに、監督室長を経由して本部長に報告するものとする。
(3) 巡察
   巡察官は、適正化規則第8条の規定による職務を行い、その結果を巡察結果等記録簿(様式第4号)に記録し、監督室長に報告するものとする。
4 苦情の通知等
(1) 苦情の処理等
   適正化規則第7条の規定は、あくまでも被疑者取調べに係る苦情が被疑者取調べの監督に資するものであることを前提としたものであり、警察法(昭和29年法律第162号)第79条第1項の規定による苦情の処理その他同項に規定する苦情以外の苦情の処理の在り方に変更を及ぼすものではない。したがって、警察職員は、被疑者取調べについて苦情の申出を受けたときは、被疑者取調べ監督に関する所定の手続と併行して、鳥取県公安委員会に申し出られた苦情の取扱いに関する規則(平成18年鳥取県公安委員会規則第6号)及び「鳥取県警察苦情取扱要綱の制定について(例規通達)」(平成17年12月22日付け鳥県民例規第3号)に基づき、他の職務執行に関する苦情の申出を受けた場合と同様、苦情の処理に係る所定の手続に従って適切に処理するものとする。
(2) 苦情の通知等
   被疑者取調べに係る苦情の申出について、これを捜査員が受けたときは捜査主任官に、留置担当官が受けたときは留置主任官に、その他の職員が受けたときはその上位の職にある警察職員(警部又は警部相当職以上)を経由して速やかに、自所属に置かれる監督官にその内容を通知するものとする。
   なお、通知を受けた監督官は、当該通知が他所属の取調べ室における被疑者取調べに係るものであるときは、当該他所属に置かれる監督官にその苦情内容を通知するものとする。
(3) 監督室長への報告
   (2)の苦情の報告を受けた監督官は、その苦情が自所属の取調べ室における被疑者取調べに係るものであるときは、速やかに、その内容を監督室長に報告するものとする。
   なお、被疑者取調べの監督は、被疑者取調べについての苦情の処理にも資するものであることから、監督室長は、警務部総務課公安委員会補佐室長又は警務部広報県民課長と緊密な連携を図るものとする。
5 調査
  調査官は、適正化規則第10条に規定する調査を実施する場合において当該調査が監察課が行う調査と競合した場合は、本部長の指揮監督の下、監察課と緊密な連携を図るものとする。
6 都道府県警察間の連絡
  対象となる被疑者取調べが他の都道府県警察で行われる場合には、捜査を担当する都道府県警察が被疑者取調べの監督についても責任を負うこととなるが、警察法第59条の規定に基づき、当該監督の実施及びその結果について相互に緊密に連絡するものとする。
  なお、被疑者取調べの実施連絡、視認結果の通知を始めとする都道府県警察間の連絡については、犯罪捜査共助規則(昭和32年国家公安委員会規則第3号)の規定による共助の依頼を実施するに当たり、各捜査担当部門が共助の連絡を行う場合又は受けた場合に、監督室長にその旨を連絡することにより行うものとする。


様式 略
  

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