警察犬による臭気選別実施要領の制定について(例規通達)

警察犬による臭気選別実施要領の制定について(例規通達)

平成7年5月11日
鳥鑑例規第1号

讐察犬による臭気選別実施要領の制定について(例規通達)
対号1 昭和61年3月4日付鳥鑑例規第2号 鳥取県警察犬運用要綱の制定について(例規通達)
対号2 昭和62年3月13日付鳥鑑発第68号 警察犬による物品選別実施要領の制定について
警察犬による臭気選別については、対号により実施していたところであるが、より科学的、合理的に実施し、証拠価値を確固たるものとするため「警察犬による臭気選別実施要領」を別添のとおり制定し、平成7年5月15日から施行することとしたので適切な運用に努められたい。
なお、対号2は、平成7年5月14日限りで廃止する。
別添
警察犬による臭気選別実施要領
第1 日的
この要領は、嘱託警察犬(以下「警察犬」という。)による臭気選別の手法を統一し、一定水準の下に実施することを目的とする。
第2 定義
この要領における用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。
1 警察犬指導手等
当該警察犬の指導手及び同指導手の補助をする者をいう。
2 原臭
臭気選別の基となる臭いで、出発点において警察犬にかがせ記憶させる臭気をいう。
3 対照臭(布)
選別台に配列した5点の臭気(布)のうち、誘惑臭を除く1点で、原臭と共通する臭いか否か警察犬に選別させる臭気(布)をいう。
4 誘惑臭(布)
選別台に配列した5点の臭気(布)のうち、対照臭(布)を除く偽臭気(布)4点をいう。
5 移行臭
人の臭気が付着していると思われる物品等から、その臭いを無臭布に移行させた臭気をいう。
6 直付臭(じかずけしゅう)
無臭布を素手でもみ、又は顔をふくなどして人の身体から体臭を直接移行させた臭気をいう。
7 声符(せいふ)
音声による指示をいう。
8 視符(しふ)
動作による指示をいう。
9 ゼロ回答選別
警察犬に記憶させた臭気と共通する臭気布を選別台に配置しない場合、警察犬に選別台の臭気をかぎ分けさせたのち、何もくわえず、共通する臭気布がないことを表現させることをいう。
第3 実施方法
臭気選別は、予備選別と本選別を実施することとし、次の要領により行うこと。
1 実施場所
原則として訓練場とすること。
2 選別台までの距離
警察犬が原臭をかいで出発する地点から選別台までの距離は、10メートルとすること。
3 使用臭気
原臭、対照臭及び誘惑臭に使用する臭気は、移行臭又は直付臭を用い、次の点に留意すること。
(1)予備選別に使用する臭気は、当該事件関係の物品等の臭気は用いず、また、当該事件関係者及び警察犬指導手等の臭気は用いないこと。
(2)予備選別、本選別を問わず、対照臭及び誘惑臭は、おおむね同年代、同性者から採取した臭気を用いるとともに、次のとおり採取すること。
ア 移行臭の場合は、同種の物品から採取すること。
イ 直付臭の場合は、身体の同部位から採取すること。
4 配列臭気布
選別台に配列する臭気布は、対照臭布1点及び臭気の異なる誘惑臭布4点の計5点とし、臭気選別の都度、配列臭気及び配列位置を変えること。
5 立会人
臭気選別には、証言能力を有する第三者の立会いを得て行うこと。
6 位置及び姿勢
出発点における警察犬指導手と警察犬の位置は、選別台に対して背面姿勢で待機し、選別台に臭気布の配列が完了して補助者等の合図があった後に選別台に正対の上、臭気選別を開始すること。
7 声符及び視符
警察犬に対する声符及び視符は、原臭をかがせる時と出発させる時のみとすること。
8 実施回数
予備選別、本選別ともに3回とし、本選別にはゼロ回答選別を入れること。
9 選別に使役する警察犬
臭気選別は、ゼロ回答選別のできる警察犬により実施し、本選別は、予備選別においてすべて正解であった警察犬を使役して実施すること。
第4 報告書等の作成
臭気選別の実施結果を明らかにするため、図面及び写真を添付した臭気選別実施結果報告書を作成すること。
なお、臭気選別の客観性及び信ぴょう性を担保するため必要と認める場合は臭気選別の模様をビデオテープに収録すること。
第5 遺留品等の取扱い及び保管・管理
1 取扱い
警察犬による臭気選別が予想される遺留品等の取扱いに当たっては、清潔な手袋を着装し、かつ、ピンセット類を使用するなど、取扱者の臭気付着を防止すること。
2 保管・管理
遺留品等の保管・管理は、取扱責任者を指定した上、他の臭気が混入しないよう密封して専用保管庫に保管し、保管庫から出し入れした場合は、その経過を明らかにしておくこと。
  

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