鳥取県警察災害警備計画の制定について(例規通達)

鳥取県警察災害警備計画の制定について(例規通達)

平成24年6月28日
鳥備二例規第3号

改正 平成26年鳥備二例規第1号、27年鳥務例規第2号、29年鳥務例規第20号、30年鳥務例規第3号、30年鳥備二例規第1号、31年鳥務例規第4号、令和元年鳥務例規第7号、令和2年鳥務例規第3号、令和2年鳥務例規第5号、令和3年鳥備二例規第1号、令和4年鳥生企例規第1号、令和4年鳥務例規第3号、令和5年鳥備二例規第1号、令和5年鳥備二例規第4号

各所属長
    対号 平成13年11月1日付け鳥備二例規第4号外共発鳥取県警察災害警備計画の制定について(例規通達)
 鳥取県警察における災害警備計画については、対号例規通達により運用しているところであるが、昨年、東北地方を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災が発生し、今現在も全国警察を挙げて復興対策に取り組んでいるほか、近年は、大雨、暴風、竜巻等の異常気象による災害が多発している状況にあることから、東日本大震災における反省教訓、近年の気象状況の変化等を踏まえ、この度、別添「鳥取県警察災害警備計画」を新たに制定し、平成24年7月1日から施行することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。
 なお、対号例規通達は、平成24年6月30日限り廃止する。
別添
   鳥取県警察災害警備計画

目次
  第1 総則
   1 目的
   2 定義
   3 鳥取県地域防災計画との関係
   4 総合力の発揮
   5 警察活動の重点
 第2 警備体制
  1 職員の招集・参集体制
 (1) 非常参集
    (2) 応急救護措置
   (3) 連絡手段の確保
   (4) 参集手段の確保
  2 警備体制の種別及び発令基準
   (1) 第一次体制(準備体制)
    (2) 第二次体制(警戒体制1)
    (3) 第三次体制(警戒体制2)
    (4) 非常体制
   3 災害警備本部等、災害警備連絡室及び現地災害警 備本部の設置基準
    (1) 非常災害警備本部
  (2) 特別災害警備本部
  (3) 災害支援本部
    (4) 総合災害警備本部
   (5) 災害警備連絡室
   (6) 現地災害警備本部
  4 災害警備本部要員の指定等
 第3 警備部隊
   1 警察本部直轄部隊の編成
   2 被災地警察署部隊の編成
   3 部隊編成上の留意事項
  (1) 機動隊
  (2) 管区機動隊
   (3) 第二機動隊
   (4) 警察本部部隊
  (5) 警察署部隊
    (6) 警備部隊の配置運用
    (7) 応援要請等
    (8) 受援体制の確保
 第4 地震災害対策
  1 災害に備えての措置
  (1) 災害警備計画の策定及び活動マニュアルの整備
  (2) 管内の実態把握と基礎資料の整備等
  (3) 災害警備用装備資機材の整備充実
  (4) 災害警備用物資の備蓄等
  (5) 警察施設等の災害対策
  (6) 教養訓練
  (7) 情報通信の確保
  (8) 被留置者等の対応
  (9) 拾得物件の管理
  (10) 重要施設の警戒
  (11) 業務継続性の確保
  (12) 交通の確保に関する体制及び施設の整備
  (13) 避難誘導体制の整備
  (14) 被災者等への情報伝達活動
  (15) 住民等の防災活動の促進
 (16) 関係機関との相互連携
  (17) ボランティアの受入れのための環境の整備
  (18) 大規模災害警備対策に関する調査及び研究
  2 災害発生時の措置
  (1) 来庁者等に対する措置
  (2) 初動態勢の確立
  (3) 情報の収集・連絡
  (4) 救出救助活動等
  (5) 警戒区域の設定
  (6) 避難誘導等
  (7) 緊急交通路の確保
  (8) 検視及び死体調査
  (9) 二次災害の防止
  (10) 危険箇所等における避難誘導等の措置
  (11) 社会秩序の維持
(12) 報道対応
(13) 自発的支援の受入れ
(14) 業務継続
  3 災害復旧・復興
  (1) 警察施設の復旧
  (2) 暴力団排除活動の徹底
 第5 津波災害対策
  1 災害に備えての措置
   (1) 津波警報・注意報等の伝達体制等の整備
   (2) 津波からの避難誘導体制の整備
   (3) 警備体制の確立
   (4) 実践的な避難訓練の実施
   (5) 警察施設等の災害対策
   (6) 交通管制施設及び交通管理体制の整備
   (7) 災害用装備資機材の整備充実
   (8) 教養及び訓練の実施
  (9) 被留置者への対応
  2 災害発生時の措置
    (1) 津波予報発表時の措置
    (2) 津波警報発表時の措置
    (3) 津波注意報発表時の措置
    (4) 津波警報・注意報等の伝達
    (5) 被災者の避難誘導等
    (6) 被災者の救出救助活動
    (7) 検視、身元確認等
    (8) 行方不明者の相談活動等の実施
    (9) 社会秩序の維持
  (10) 大量拾得物の処理
 第6 風水害等災害対策
  1 発生に備えての措置
   (1) 避難路等の周知徹底
   (2) 土砂災害警戒区域等の周知徹底
   (3) 防災訓練等の実施
  2 災害発生時の措置
    (1) 気象警報等発表時の措置
    (2) 風水害に関する警報等の伝達
    (3) 住民等の避難誘動
  (4) 災害未然防止活動
  (5) 災害の拡大防止と二次災害の防止活動

第1 総則

1 目的

この計画は、県内において災害が発生し、又は発生するおそれがある場合(以下「災害時」という。)の警察活動及び災害の発生に備えて平素から実施すべき警察活動について必要な事項を定め、もって災害警備の適切な実施を図ることを目的とする。

2 定義

この計画において「災害」とは、地震、台風、大雨、大雪、強風、津波その他異常な自然現象をいい、「大規模災害」とは、地震の発生、津波の襲来、台風の直撃等により多数の死傷者や建造物の損壊又は浸水、広範囲な火災等の極めて重大な被害が発生し、鳥取県警察(以下「県警察」という。)の総力を挙げて災害警備実施活動を行う必要がある災害をいう。

3 鳥取県地域防災計画との関係

災害対策基本法(昭和36年法律第223号。以下「災対法」という。)に基づく鳥取県地域防災計画のうち、県警察が行う災害警備に関しては、この計画に定めるところによる。

4 総合力の発揮

この計画の実施に当たっては、各部門が相互に連絡を密にして一体的な活動を行うよう努めるとともに、他の防災関係機関との調整を図り、総合的かつ計画的な防災業務の推進に寄与するよう努めるものとする。

5 警察活動の重点

災害時における警察活動の重点は、次のとおりとする。

(1) 情報の収集及び伝達

(2) 被害実態の把握

(3) 被災者の救出、負傷者等の救護

(4) 危険箇所の警戒及び住民に対する避難誘導

(5) 警戒区域の設定

(6) 行方不明者の調査及び捜索

(7) 検視及び死体調査

(8) 遺体の身元調査、引渡し及び遺族対応

(9) 緊急交通路の確保

(10) 交通の混乱防止及び交通秩序の維持

(11) 広報活動

(12) 危険物等の保安措置

(13) 地域安全活動

(14) 関係機関・団体との協力、支援

第2 警備体制

1 職員の招集・参集体制

災害警備に必要な職員の招集等については、鳥取県警察非常招集規程(昭和63年鳥取県警察本部訓令第5号)によるものとする。ただし、地震発生時又は津波警報の発表を認知したときは、次のとおりとする。

(1) 非常参集

警察職員(会計年度任用職員及び臨時的任用職員は除く。以下「職員」という。)は、執務時間の内外を問わず、県内における震度5強以上の地震の発生又は大津波警報若しくは津波警報の発表を認知したときは、非常参集するものとする。ただし、交通の途絶その他の理由により自所属に参集できないときは、最寄りの警察署(交番、駐在所を含む。)に参集し、その旨を所属長に報告するとともに、自所属への参集が可能になるまでの間、当該警察署の署長の指揮下に入るものとする。

(2) 応急救護措置

地震、津波等により家族の被災又は近隣からの救助要請等切迫した状況に遭遇した職員は、速やかに救護等の応急措置を講じた後、非常参集するものとする。

(3) 連絡手段の確保

警察本部(警察学校を含む。)及び警察署(以下「警察本部等」という。)においては、災害時における通信網の途絶、混信等で職員と連絡を取ることが困難になる場合を想定し、複数の連絡手段の確保に努めるものとする。また、携帯電話の電子メールを利用した職員の安否確認・招集システムの活用方法について職員に周知し、当該システムに登録しない職員については、災害時における連絡手段を検討させておくものとする。また、職員は、平素から家族との間で、具体的な安否確認の方法について意思統一しておくものとする。

(4) 参集手段の確保

職員は、地震、津波その他大規模災害による交通機関の途絶を想定し、自転車、徒歩等の代替手段及び複数の参集経路を検討しておくものとする。

2 警備体制の種別及び発令基準

災害警備の体制は、次の段階に分けて発令するものとする。

(1) 第一次体制(準備体制)

県内に気象警報(大雨・大雪・暴風・暴風雪の各警報)、高潮警報、洪水警報(以下「気象警報等」という。)又は津波注意報が発表された場合、県内で震度4又は震度5弱の地震が発生した場合その他気象状況、地震の発生等から県内において被害の発生が予想される場合に、警備部警備第二課長(以下「警備第二課長」という。)が発令する。

(2) 第二次体制(警戒体制1)

気象警報等の発表、震度5強以上の地震の発生等から、県内において相当な被害の発生が予想される場合、又は相当な被害が発生した場合に、警備部長が発令する。

(3) 第三次体制(警戒体制2)

ア 台風の直撃、震度5強以上の地震の発生、津波警報の発表等により、県内において重大な被害の発生が予想され、又は重大な被害が発生したが、おおむね自県の警察力で対応が可能であると認める場合に、警察本部長(以下「本部長」という。)が発令する。

イ 本県における被害がない場合、又は僅少な場合であっても、他の都道府県において大規模災害が発生し、警察災害派遣隊の特別派遣による支援活動が必要な場合に、本部長が発令する。

(4) 非常体制

大規模災害の発生により、県内において極めて重大な被害の発生が予想される場合、又は極めて重大な被害が発生した場合で、自県の警察力では対応が困難であり、全国警察から長期にわたり警察災害派遣隊の援助が必要と認める場合に、本部長が発令する。

3 災害警備本部等、災害警備連絡室及び現地災害警備本部の設置基準

災害警備本部等((1)から(4)までに掲げるものをいう。以下同じ。)、災害警備連絡室及び現地災害警備本部の設置基準は、次のとおりとする。

なお、班員の数については、災害警備本部等、災害警備連絡室及び現地災害警備本部の運営上の必要性等に基づき、各幕僚の判断により適宜増員することができるものとする。

(1) 非常災害警備本部

非常災害警備本部は、非常体制が発令された場合に、警察本部庁舎の総合指揮室(以下「総合指揮室」という。)及び第5会議室に本部長を非常災害警備本部長として設置し、その編成(人員)及び事務分掌は非常災害警備本部編成表(別表第1)、配置は非常災害警備本部配置図(別表第2)のとおりとする。

(2) 特別災害警備本部

特別災害警備本部は、第三次体制(2(3)ア)が発令された場合に、総合指揮室及び第5会議室に本部長を特別災害警備本部長として設置し、その編成(人員)及び事務分掌は特別災害警備本部編成表(別表第3)、配置は特別災害警備本部配置図(別表第4)のとおりとする。

(3) 災害支援本部

災害支援本部は、第三次体制(2(3)イ)が発令された場合に、総合指揮室に本部長を災害支援本部長として設置し、その編成(人員)及び事務分掌は災害支援本部編成表(別表第5)、配置は災害支援本部配置図(別表第6)のとおりとする。

(4) 総合災害警備本部

総合災害警備本部は、第二次体制が発令された場合に、総合指揮室に警備部長を総合災害警備本部長として設置し、その編成(人員)及び事務分掌は総合災害警備本部編成表(別表第7)、配置は総合災害警備本部配置図(別表第8)のとおりとする。

(5) 災害警備連絡室

災害警備連絡室は、第一次体制が発令された場合に、警備部警備第二課(以下「警備第二課」という。)に警備第二課長を室長として設置し、その編成(人員)及び事務分掌は災害警備連絡室編成表(別表第9)のとおりとする。

警察署長は、警察本部に災害警備連絡室が設置されたときは、警察本部に準じて警察署に警察署災害警備連絡室を設置するものとする。

(6) 現地災害警備本部

現地災害警備本部は、第二次体制以上の体制が発令された場合に、警察署長を警備本部長として設置し、その編成、事務分掌及び配置は、特別災害警備本部に準ずるものとする。

4 災害警備本部要員の指定等

警察本部等においては、年度ごとに災害警備本部等及び現地災害警備本部の要員を指定しておくものとする。また、災害の発生を想定した要員の参集訓練、災害警備本部等設置・運営訓練を実施するなど、要員の危機管理意識の醸成、災害警備本部等及び現地災害警備本部における活動技能の向上等を図るものとする。

第3 警備部隊

1 警察本部直轄部隊の編成

災害警備本部等を設置したときは、非常災害警備本部にあっては非常災害警備本部長、特別災害警備本部にあっては特別災害警備本部長、災害支援本部にあっては災害支援本部長、総合災害警備本部にあっては総合災害警備本部長は、災害の規模に応じて各所属の動員数を決定し、警察本部直轄部隊を編成するものとする。

警察本部直轄部隊は、原則として警備部機動隊(以下「機動隊」という。)、鳥取県警察管区機動隊(以下「管区機動隊」という。)、鳥取県警察第二機動隊(以下「第二機動隊」という。)、警察本部部隊及び警察署部隊をもって編成し、その部隊名、編成基準及び任務は、警察本部直轄部隊(班)編成基準(別表第10)のとおりとする。

警察本部直轄部隊の配置運用等の指揮は本部長が行うが、大規模災害により管内に極めて重大な被害が発生し、又は発生するおそれがある警察署(以下「被災地警察署」という。)に派遣された警察本部直轄部隊は、具体的な任務等について被災地警察署の現地災害警備本部長の指揮を受けて活動するものとする。

2 被災地警察署部隊の編成

被災地警察署における警備部隊は、警察本部直轄部隊に準じて編成するものとする。

3 部隊編成上の留意事項

(1) 機動隊

機動隊においては、機動隊の隊舎警備等に必要な最小限の要員を除いた隊員で部隊を編成する。

(2) 管区機動隊

管区機動隊は、配置警察署管内で大規模災害が発生し、又は発生するおそれがあり、現地災害警備本部が設置されている場合には、現地災害警備本部長の指揮下で活動し、配置された所属の管内における被害が軽微であり、又は被害がない場合には、正規の部隊を編成して応援派遣に備える。

(3) 第二機動隊

第二機動隊は、被害が軽微である、又は被害がない警察署の第二機動隊をもって編成し、応援派遣に備える。

(4) 警察本部部隊

警察本部部隊は、非常(特別)災害警備本部長の命により所要の部隊を編成する。

(5) 警察署部隊

ア 被災地警察署

被災地警察署においては、一般事務の処理に必要な最小限度の要員を除いた全職員をもって部隊を編成し、警備に当たる。

イ 被災地警察署以外の警察署

被害が軽微である、又は被害がない警察署においては、別命により第二機動隊又は警察署部隊を編成して応援派遣に備える。

(6) 警備部隊の配置運用

ア 広域緊急援助隊等即応部隊の派遣

大規模災害発生時には、被害が最も深刻な地域に鳥取県警察広域緊急援助隊等を先行派遣するとともに、警察災害派遣隊等の応援部隊を重点的に投入し、現場体制を整える。

イ 予備隊の確保

重要現場への部隊の大量投入等、部隊の集中運用に配意する一方、新たな被害発生、被害の拡大等に備え、予備隊の確保にも配意する。

ウ 派遣ルートの選択

部隊派遣に当たっては、現場周辺の被災状況、道路障害、交通渋滞、二次災害の危険性、派遣する部隊規模等を総合的に勘案し、より迅速かつ安全な派遣ルートを選択する。

エ 他機関部隊との連携

警備部隊の配置運用に当たっては、消防、自衛隊等他機関部隊の配置及び活動状況も勘案し、効率的な配置運用を行う。

(7) 応援要請等

ア 県内部隊の応援要請

警察署長は、管内において大規模災害が発生し、又は発生するおそれがある場合で、自署の警察力だけでは警備が困難と認めるときは、必要な部隊の種別、人員、帯同装備・車両、服装等を明らかにして、速やかに本部長に対し県内部隊の応援要請を行う。

イ 県外部隊の応援要請

本部長は、災害の規模、態様等から判断して、県内の警察力だけでは警備が困難と認めるときは、警察法(昭和29年法律第162号)第60条の規定に基づき、警察災害派遣隊等の県外応援部隊(以下「県外部隊」という。)及び装備資機材の援助要請を行うものとする。

なお、援助要請に当たっては、早期に、被災地警察署、警察庁、中国四国管区警察局(以下「管区警察局」という。)及び派遣都道府県警察と必要な連絡調整を行い、次の事項を明らかにするものとする。

(ア) 援助を必要とする理由

(イ) 援助を必要とする人員、装備資機材、服装、携行品、帯同車両、航空機等

(ウ) 援助部隊の派遣期間、派遣先及び任務

(エ) その他必要と認められる事項

(8) 受援体制の確保

ア 受援隊の編成

災害警備本部等においては、警察災害派遣隊等の受入れを円滑に行うため、当該部隊の規模に応じて本部直轄の受援隊を編成する。

イ 受援隊の任務

受援隊は、あらかじめ警察災害派遣隊等の到着日時、場所、帯同車両、合流要領、配置先、任務、宿舎等を確認しておき、適切な誘導及び連絡を行って、県外部隊の指揮官を補佐する。

ウ 部隊集結及び宿泊場所の確保

警察災害派遣隊等の集結場所及び宿泊・野営場所の確保に当たっては、警察災害派遣隊等の種別・規模、入県経路、活動区域、二次災害の危険性、被災地の住民感情等に十分配意し、適切な場所を選定することとするが、部隊規模等から警察施設だけで対応できない場合には、公共施設の借上げ、民間宿泊施設の確保等により対応するものとする。

(9) 現地指揮所の設営

災害警備本部等は、被災地を管轄する警察署が事案対応に忙殺され、又は部隊活動を要する場所から遠距離に位置することなどにより、警察署が現地災害警備本部として機能しない可能性がある場合は、必要に応じて警察署以外の場所へ新たな現地指揮所を設営することを遅滞なく判断し、当該場所において所要の措置を講じるものとする。

(10) 指揮支援班の派遣

災害警備本部等は、効果的な部隊投入の決定等に資するため、必要に応じて現地指揮所ごとに指揮支援班を派遣し、次に掲げる任務を行わせるものとする。

ア 被災情報の収集・分析

被災地における救出・救助活動等に資するため、被災状況、道路状況等部隊活動に必要な情報を収集・分析するものとする。

イ 部隊の選定及び部隊活動計画の策定

アを踏まえ、部隊装備・技術等を勘案しながら部隊を選定し、部隊活動計画を策定するものとする。

ウ 部隊活動の報告・記録

災害警備本部等に対する迅速な報告を徹底するとともに、確実な記録化に努めるものとする。

エ 関係機関との連携・調整

被災現場の直近で活動するという特殊性を踏まえ、被災情報、部隊の配置場所等に関して、消防、自衛隊等と必要な連携・調整に努めるものとする。

(11) 現場広報班の派遣

ア 編成

災害警備本部等は、災害時において、被害状況、警備部隊等の規模、予想される警察措置等に照らし、災害現場における広報が必要と認められる場合は、現場広報班長及び現場広報班員を指名し、現場広報班を編成するものとする。

なお、現場広報班は、災害警備本部等の総括班、実施班、広報班等で協議の上、警備部各所属、警務部広報県民課、被災地を管轄する警察署、その他現場広報班を編成する上で必要と認める所属の職員をもって編成するものとする。

イ 任務

現場広報班は、災害現場において、災害警備本部等の指示を受け、警備部隊、被災地警察署、中国四国管区警察局鳥取県情報通信部機動警察通信隊等(以下「機動警察通信隊」という。)と連携し、次に掲げる任務を行うものとする。

(ア) 現地で取材する報道機関の要望の把握

(イ) 広報素材の収集

(ウ) 報道機関に対する広報素材の提供

(エ) 現地における取材、会見等への対応

(オ) その他災害警備活動の広報に関して必要な事項

第4 地震災害対策

1 災害に備えての措置

(1) 災害警備計画の策定及び活動マニュアルの整備

警察本部等においては、災害の規模等に応じた災害警備本部等の体制や指揮命令系統の確立及び機動力の確保並びに管内実態に即した被害情報の収集・連絡、避難誘導、救出救助、交通規制等の措置を的確に執れるよう災害警備計画を策定するものとする。また、災害警備計画は随時見直しを行い、現状に対応できるようにしておくものとする。

警察本部等においては、災害時、本計画に基づいた迅速な活動が実施できるよう活動マニュアル等を整備しておくものとする。また、活動マニュアル等についても、災害警備計画同様、随時見直しを行い、現状に対応できるようにしておくものとする。

(2) 管内の実態把握と基礎資料の整備等

警察署長は、災害時に的確な災害警備活動が実施できるよう、平素から次の各事項を調査し、管内実態等の把握に努めるものとする。

調査結果については、様式第1号から様式第14号までにより資料化するとともに、災害危険箇所等の管内マップを作成し、見やすい場所に掲示するなど、資料の有効活用に努めるものとする。

ア 災害危険箇所

(ア) 土石流危険渓流、急傾斜地崩壊危険箇所、山地災害危険地

(イ) ダム、貯水池

(ウ) 河川、橋梁(りょう)、水門、堤防

(エ) 危険物の製造・貯蔵施設

(オ) その他災害発生の危険性が高いと認められる箇所

イ 防災関係機関、施設等

(ア) 各市町村、消防、防災関係機関・団体の災害担当課・連絡窓口等

(イ) 指定避難場所

(ウ) 病院等医療救護施設

(エ) 高齢者、障がい者、日本語が理解できない外国人等(以下「避難行動要支援者」という。)関係施設

(オ) 避難行動要支援者の世帯

ウ 災害警備関係施設

(ア) 応援部隊の集結可能場所

(イ) 応援部隊の宿泊可能施設

(ウ) 臨時ヘリポート

(エ) 災害警備本部等が設置可能な代替施設

エ 災害警備用装備資機材等の保管状況

(ア) 災害警備用装備資機材の保管状況

(イ) 備蓄食糧(非常食)の保管状況

(ウ) 無線機、衛星携帯電話等通信機器の保管状況

オ 危険箇所の実査等

(ア) 警察本部等においては、定期的に災害危険箇所、防災関係施設等の実査を行い、その現状把握、資料修正等に努めるものとする。

(イ) 実査は、可能な限り関係機関・団体の担当者等と合同で実施し、問題点、必要な対策等について認識の共有化を図り、防災対策の推進等について積極的な働き掛けを行うものとする。

(3) 災害警備用装備資機材の整備充実

警察本部等及び交番・駐在所においては、次の災害警備用装備資機材の整備に努めるものとする。保管する災害警備用装備資機材については、定期的に点検を行い保守管理を徹底し災害発生に備えるものとする。また、未整備又は不足が見込まれる災害警備用装備資機材については、積極的に補充、整備に努めるものとする。

なお、小型重機、ショベルカー等臨時に借り受けて対応すべき災害警備用装備資機材については、災害時にスムーズに借受けが行われるよう、建設業協会等との間で借上げに関する協定等を結ぶものとし、その他警察が保有していても不足することが見込まれる装備資機材についても、同様の措置を講ずるものとする。

ア 警察本部

(ア) スコップ、つるはし、のこぎり等救助用機材、強力ライト等照明用機材、可搬式標識、標示板等交通対策用機材

(イ) チェーンソー、エンジンカッター等救助用機材、投光器等照明用機材

(ウ) 発動発電機等非常用電源設備

(エ) トランジスターメガホン、拡声機等広報用機材

(オ) 胴付水中長靴、とび口、ゴム長手袋、踏み抜き防止板等捜索用機材

(カ) 信号機電源付加装置、緊急通行車両確認標章等交通規制用機材

(キ) レスキュー車、投光車、交通規制用バン型車両、オフロード二輪車等災害警備活動用車両

(ク) 無人航空機

(ケ) ファイバースコープ、エアージャッキ等救助用機材

(コ) エアーテント、可搬式ろ過器等後方支援用機材

(サ) 寝袋、簡易トイレ等自活用機材

イ 警察署

ア(ア)から(カ)までに掲げる災害警備用装備資機材及び管内地図

ウ 交番、駐在所

ア(ア)に掲げる災害警備用装備資機材

(4) 災害警備用物資の備蓄等

警察本部等においては、物資の供給が相当困難な場合を想定した食料、飲料水、燃料、電池その他の災害警備用物資及び感染防護資機材について、適切な備蓄及び調達体制の整備により確保するための措置を講ずるものとする。特に、広域緊急援助隊等の即応部隊については、食料、飲料水等自活のための最小限度の物資を確保するとともに、車両用燃料の準備等機動力の確保に努めるものとする。

なお、県内の全ての給油業者において、災害警備活動用警察車両の給油が円滑に行われるよう、平素から石油業者組合等へ働き掛けを行うものとする。

(5) 警察施設等の災害対策

警察本部等においては、警察施設が浸水、倒壊その他の被害を受け、警察機能が著しく低下し、災害警備活動に支障が生じることがないよう、次の事項に配意するものとする。

ア 耐震性、耐火性及び耐浪性の強化

災害時に災害応急対策の拠点となる警察施設については、その重要度を考慮し、耐震性、耐火性及び耐浪性の強化に努めるものとする。

イ 代替施設の整備

警察施設が損壊した場合、特に指揮機能及び通信機能を確保するため、耐震性、耐火性及び耐浪性があり、かつ、液状化の起こりにくい地域に所在する建物を選定して、警察本部等の代替施設としての整備を図るものとする。

代替施設の選定に当たっては、あらゆる災害を想定して複数指定し、災害の発生状況、施設の損壊程度を検討し、代替施設への移行マニュアル、チャート等を作成しておくものとする。

ウ 非常用電源・物資・燃料・通信手段の整備

保有する施設、設備については、災害が発生した場合の電源確保のため、非常用電源設備の整備に努めるとともに、十分な期間の発電が可能となるような燃料の備蓄に努めるものとする。また、物資の供給が相当困難な場合を想定した食料、飲料水、燃料等の適切な備蓄・調達・輸送体制の整備、通信が途絶した時に備えた衛星携帯電話の整備等非常用通信手段の確保を図るものとする。

(6) 教養訓練

警察本部等においては、災害についての知識、装備資機材の保守管理と操作要領、具体的活動要領等について職員に対し周知するとともに、次の項目について計画的に反復して教養訓練を行い、災害時に自らの判断で行動できるようにするものとする。また、交通の途絶、職員自身あるいは職員の家族の被災等により職員の動員が困難な場合を想定し、限られた要員で災害警備活動が実施できるよう訓練に努めるものとする。

さらに、広域緊急援助隊員を中心に機動隊員等の高度な災害警備能力の育成に努めるとともに、広域緊急援助隊等の主要部隊に限らず第二機動隊等についても救助技能の向上を図るための教養訓練を計画的に行うなど、救助を必要とする現場が多数発生した場合に対応可能な体制作りに努めるものとする。また、隊員の招集体制等を随時見直すなどして、災害時に迅速に警備体制が確立できるよう配意するものとする。

ア 教養項目

(ア) 災害及び災害警備活動の基礎知識

(イ) 災害関係法令に基づく警察及び関係機関の責務

(ウ) 管内の災害危険箇所及び段階的災害予測

(エ) 災害時の初動措置要領

(オ) 災害警備用装備資機材の知識

(カ) 通信機器に関する知識

(キ) 災害情報の分析及び報告要領

イ 訓練項目

(ア) 要員の招集、部隊編成及び運用

(イ) 災害被害情報等の収集、連絡及び伝達

(ウ) 災害警備本部等の設置及び運営

(エ) 災害警備用装備資機材の操作

(オ) 車両、船艇、警察用航空機、無人航空機、通信機器等の配備と運用

(カ) 警備部隊の配置並びに県外部隊の要請及び派遣

(キ) 災害時の交通規制並びに放置車両及び道路上の障害物の除去並びに交通広報

(ク) 住民等の避難誘導及び情報伝達

(ケ) 被災者の救出救助及び捜索

(コ) 負傷者の応急救護措置

(サ) 被留置者の避難等

(シ) 複合災害(同時又は連続して2以上の災害が発生し、それらの影響が複合化することにより、被害が深刻化し、災害応急対応が困難になる事象をいう。2(2)イにおいて同じ。)を想定した図上訓練及び実動訓練の実施

(7) 情報通信の確保

ア 通信指令機能の強化

警察本部等においては、110番通報その他の緊急通報、無線通信の急増等により、生活安全部通信指令課(以下「通信指令課」という。)の業務量が一定期間著しく増加することが見込まれることから、通信指令支援要員等の指定等の措置を講ずるものとする。また、大規模災害発生時には、110番通報等の急増により多数の滞留が生じる可能性があることから、受理用電話の使用準備等の措置を講ずるものとする。

イ 通信の確保

警察本部等においては、災害時の通信の確保のため、中国四国管区警察局鳥取県情報通信部との連携を十分にとり、次の事項の推進に努めるものとする。

(ア) 警察通信施設の整備状況、性能等の十分な把握及び無線中継所の機能維持方策の検討

(イ) 機動警察通信隊との実践的な対応訓練の実施等による事案対処能力の強化

(ウ) 衛星携帯電話等警察通信施設以外の通信手段の災害時における使用の検討

(エ) 警察施設等の新築、改築時における通信機器等の設置スペースの確保並びに応急用通信機器等の設置方策及び搬送手段の確保

(オ) 耐震構造、免震構造の導入等による警察通信施設の耐震性の向上

(カ) 警察通信施設や非常用電源設備の定期点検の徹底

(キ) 災害が発生した時の電力復旧や燃料の安定供給に資する関係事業者との連携

(ク) 長期停電等の際、警察通信施設の機能維持のために協力すべき事項の十分な検討

(ケ) 情報通信システムの障害への具体的な対応要領の作成及び訓練の実施

ウ 情報システムの機能の確保

(ア) 耐震性の向上

警察本部等においては、災害時における情報システム(以下「システム」という。)の機能を確保するため、次の事項の推進に努めるものとする。

a 耐震構造、免震構造の導入等による電子計算組織の耐震性の向上

b 停電時における機能確保のための非常用電源の確保

(イ) 信頼性の向上

警察本部等においては、災害発生後、速やかに機能を回復させるため、次の事項の推進に努めるものとする。

a システム構成の二重化等による電子計算組織の信頼性の向上

b 重要データ、重要プログラム等のソフトウェアのバックアップ体制の強化

(8) 被留置者等の対応

ア 非常計画等の策定

警察署においては、大規模災害で留置施設が被災した場合を想定し、避難場所の設定、夜間や休日に被災した場合の護送体制の確保、通信手段が途絶した場合の警察本部や隣接警察署との連絡方法等、円滑な避難を確保するための非常計画を策定するものとする。また、当該計画に基づいた図上訓練、実動訓練等を実施し、災害時に的確に行動できるようにすること。

イ 装備資機材等の整備

(ア) 大規模災害によるライフラインの途絶を想定し、被留置者の処遇を確保するために必要な食料や飲料水、簡易トイレ、照明具、寝具、防寒衣等の整備を図るものとする。また、被災により、嘱託医による健康診断や診察ができなくなる事態も考慮し、災害時の医療体制及び護送体制の整備を図ること。

(イ) 大規模災害により、警察電話が使用困難となったり、損壊した道路上を車両で護送しなければならない状況を想定し、留置管理部門が使用することができる無線機の確保、オフロード対応車両の護送用途での使用などを検討しておくものとする。また、大規模災害における留置施設の機能を維持するため、大扉等の閉鎖や装備品等の転倒等を防止するための施設の耐震対策や非常ベル、監視カメラ等設備の動作不良など停電による障害防止策についても必要な措置を講ずるものとする。

(ウ) 大規模災害が発生し、又は発生するおそれがある場合の被留置者の移送手続等については、検察庁等との連携を密にする必要があり、通信が途絶した場合を想定した対応策や刑事施設(拘置所等)への移送等について、検察庁と事前に協議し、対応要領について整備するなど平素から連携を図るものとする。

(9) 拾得物件の管理

ア 保管・管理場所の確保

警察本部等においては、大規模災害発生時には、通常の想定をはるかに上回る拾得物件の提出を受けることが予想されることから、これに対応するため、通常業務を通じ、大量の拾得物件の保管・管理のために使用することが可能な場所の有無をあらかじめ確認し、保管・管理場所の確保に努めるものとする。

イ 所要の体制の整備

大規模災害発生時には、警察署において多数の拾得物件を適切に受理し、在中物等の確認のほか、拾得者への対応、返還に必要な調査、遺失者が判明した場合における速やかな連絡等、膨大な量の事務が発生することが予想される。

そのような場合であっても、拾得物件を可能な限り早期に遺失者へ返還するため、警察署長は、拾得物件の数量等に応じ、会計課員に加え、必要に応じて地域部門等各部門の警察官等をこれに従事させるなどにより警察署における必要な体制の整備を図るものとする。

警察本部においても、大規模災害発生時における各警察署の取扱状況や拾得物件、遺失者に関する必要な情報を速やかに把握・共有できるよう、関係警察署と適切に連携し、必要な支援態勢の整備に努める。

(10) 重要施設の警戒

警察本部等においては、大規模災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、警戒すべき重要施設をあらかじめ指定し、所要の警戒計画を立てるものとする。

(11) 業務継続性の確保

警察本部等においては、大規模災害発生時の災害応急対策等の実施や優先度の高い通常業務の継続(以下「業務継続」という。)のため、災害時に必要となる人員や資機材等を必要な場所に的確に投入するための事前の準備体制及び事後の対応力の強化を図る必要があることから、業務継続計画の策定等により、業務継続性の確保を図るものとする。

(12) 交通の確保に関する体制及び施設の整備

ア 災害時における交通規制計画

警察本部においては、災害による交通の混乱を防止し、住民等の避難路及び緊急交通路を確保するための交通規制計画及び交通部交通規制課管制センター(以下「交通管制センター」という。)の運用計画を策定するものとする。

イ 交通管理体制及び交通管制施設の整備

警察本部においては、災害時における広域的な交通管理体制の整備を図るとともに、信号機、交通情報板、交通管制センター等(以下「交通管制施設」という。)について耐震性の確保を図るものとする。また、道路交通機能の確保のため重要となる信号機電源付加装置の整備等の信号機滅灯対策を推進するものとする。

ウ 緊急通行車両に係る確認手続等

(ア) 警察本部等においては、災害時において、鳥取県公安委員会が行う緊急通行車両に係る確認の手続を定めるものとする。また、公的機関に対し、事前届出制度の周知及び民間事業者との輸送等に関する協定の締結を促進する。

(イ) 公的機関に対する事前届出制度の再周知

警察本部等においては、災害応急対策を実施する公的機関に対して、事前届出制度の趣旨、届出対象、届出要領、大規模災害発生時における確認手続等について反復かつ継続して周知を図るものとする。

(ウ) 緊急通行車両の確認事務の再教養

緊急通行車両の確認事務が、当直体制である夜間・休日を含めて、警察署でも適切な対応を行うことができるよう、定期的な教養を実施するものとする。

(エ) 警察本部等における標章・証明書の備蓄

警察本部等においては、十分な枚数の標章・証明書の備蓄を確保しておくものとする。

エ 運転者の執るべき措置の周知徹底

警察本部等においては、災害時に運転者が執るべき措置について、次の事項を周知徹底するものとする。

(ア) 車両運転中の場合

a できる限り安全な方法により車両を道路の左側に停止させること。

b 停止後は、カーラジオ、SNS等により災害情報及び交通情報を収集し、その情報及び周囲の状況に応じて行動すること。

c 引き続き車両を運転するときは、道路の損壊、信号機の作動停止、道路上の障害物等に十分注意すること。

d 車両を置いて避難するときは、できるだけ道路外の場所に移動しておくこと。やむを得ず道路上に置いて避難するときは、道路の左側に寄せて駐車し、エンジンを切り、エンジンキーは付けたままとし、窓を閉め、ドアはロックしないこと。

e 駐車するときは、避難する人の通行や災害応急対策の実施の妨げとなるような場所には駐車しないこと。

(イ) 車両運転中以外の場合

a 津波から避難するためやむを得ない場合を除き、避難のために車両を使用しないこと。

b 津波から避難するためやむを得ず車両を使用するときは、道路の損壊、信号機の作動停止、道路上の障害物等に十分注意しながら運転すること。

c 災対法に基づく交通規制が行われたときには、通行禁止区域等(規制が行われている区域又は道路の区間をいう。以下同じ。)における一般車両の通行は禁止又は制限されることから、一般車両が当該区域等内に在る場合は次の措置を執ること。

(a) 道路の区間を指定して交通の規制が行われたときは、規制が行われている道路の区間以外の場所へ移動させること。区域を指定して交通の規制が行われたときは、道路外の場所へ移動させること。

(b) 速やかな移動が困難なときは、車両をできる限り道路の左端に沿って駐車するなど、緊急通行車両の通行の妨害とならない方法により駐車すること。

(c) 通行禁止区域等内において、警察官の指示を受けたときは、その指示に従って車両を移動又は駐車すること(その際、警察官の指示に従わなかったり、運転者が現場にいないために措置を執ることができないときは、警察官が自らその措置を執ることがあり、この場合、やむを得ない限度において、車両等を破損することがある。)。

(13) 避難誘導体制の整備

ア 避難場所等の周知徹底

警察本部等においては、平素の警察活動を通じて、住民等に対して災害時の避難場所、避難経路、避難時の留意事項等について周知徹底を図るものとする。

イ 避難行動要支援者等への対応

警察本部等においては、災害時の適切な避難誘導を行うため、自治体等関係機関と緊密に連携しながら、要配慮者(高齢者、障がい者、乳幼児その他の特に配慮を要する者をいう。)のうち避難行動要支援者(災害時に自ら避難することが困難な者であって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要する者をいう。イにおいて同じ。)その他の災害時に支援が必要な者(以下「避難行動要支援者等」という。)の実態把握等に努めるものとする。また、市町村から避難行動要支援者名簿(避難行動要支援者について避難の支援、安否の確認その他の避難行動要支援者の生命又は身体を災害から保護するために必要な措置を実施するための基礎とする名簿をいう。)及び個別避難計画(避難行動要支援者について避難支援等を実施するために避難行動要支援者ごとに作成される計画をいう。)に記載し、又は記録された情報(以下「名簿等情報」という。)の提供を受けた場合は、名簿等情報の漏えいの防止等必要な措置を講ずるものとする。

ウ 管理者対策

警察本部等においては、大型商業施設、劇場等多人数の集合する場所の管理者に対して、非常時の際の誘導要領、避難経路の明示、照明・予備電源の確保等について検討させるものとする。

エ 広域的な避難者の受入れに関する調整

警察本部においては、隣接県において災害が発生し、又は発生するおそれがある場合の広域的な避難者の受入れに関し、鳥取県防災会議において必要な調整を行うものとする。

オ 帰宅困難者対策

災害の発生に伴い公共交通機関が運行を停止し、帰宅困難者の発生が予想されることから、自治体と連携し「むやみに移動を開始しない」という帰宅困難者に対する対策の基本原則や安否の確認手段について、平素から積極的に広報するとともに、一時避難所の実態を把握し、帰宅困難者の誘導方法等について検討する。

(14) 被災者等への情報伝達活動

警察本部等においては、災害発生後の経過に応じて、又は発生のおそれがある場合、被災者等に伝達すべき情報についてあらかじめ整理するものとする。その際、インターネット上の流言飛語等による社会的混乱を防止するとともに、県民の適切な判断と行動を助けるため、正確かつ的確な情報の伝達に留意するものとする。また、住民等からの問合せ等に対応する体制を整備するとともに、交番等に拡声機を設置するなど情報伝達機能の整備を図るものとする。あわせて、自主防犯組織等を通じた地域安全情報等の伝達のための体制の整備を図るとともに、必要に応じて、ファクシミリ、パソコン、車両等資機材の整備を図るものとする。

(15) 住民等の防災活動の促進

ア 防災訓練の実施

警察本部等においては、自治体等の主催する総合防災訓練、自衛隊、海上保安庁等国の機関と連携した訓練、自主防災組織、民間企業、ボランティア団体、住民等と連携した訓練等を通じて、防災関係機関、住民等との一体的な災害警備活動の推進に努めるものとする。また、訓練の実施に当たっては、住民等の災害時の避難行動、基本的な防災用資機材の操作方法等の習熟等、災害時に住民等が執るべき措置について配意するものとする。

イ 各種講習会等を通じた防災知識の普及

警察本部等においては、平素から各種講習会、研修会の場等を通じて住民等に対し、災害時のシミュレーション結果等を示しながらその危険性を周知するとともに、家庭での安全対策、家族内の連絡体制の確保、災害時に執るべき行動、避難場所での行動等防災知識の普及を図るものとする。

ウ 避難行動要支援者等に対する配慮

警察本部等においては、防災訓練の実施及び防災知識の普及等に当たっては、避難行動要支援者等に十分配慮し、地域において避難行動要支援者等を支援する体制が整備されるよう努めるものとする。

エ 企業に対する防災思想の普及

警察本部等においては、企業を地域コミュニティの一員として捉え、地域の防災訓練への積極的参加の呼び掛け、防災に関するアドバイス等を行うものとする。

(16) 関係機関との相互連携

警察本部等においては、県、市町村等(以下「県等」という。)の関係機関と相互に連携、協力して災害対策に当たるものとする。また、災害の発生に備えた各種事前措置の実施に当たっては、早い段階から県等、気象台、河川管理者、消防局及び消防団等の関係機関・団体と情報連絡を密にし、相互の体制、警戒措置等の確認に努めるなど、十分な連携を図るものとする。

(17) ボランティアの受入れのための環境の整備

警察本部等においては、被災地における各種犯罪・事故の未然防止と被災した住民等の不安の除去等を行うボランティア関係組織・団体との連携を図るとともに、必要に応じて、これらの活動の中核となる自主防犯組織に対して、防じんマスク、スコップ、軍手、長靴、懐中電灯、ポリタンク、消火器、自転車、車両等資機材の整備を図るものとする。

(18) 大規模災害警備対策に関する調査及び研究

警察本部等においては、次の事項について調査研究し、大規模災害に係る災害警備活動が的確に行われるように努めるものとする。

ア 大規模災害に係る社会秩序の維持

イ 大規模災害に係る交通対策

ウ 大規模災害に係る避難誘導対策

エ 地震予知に関する情報が発表された場合の警察が執るべき措置

オ その他の大規模災害警備活動

2 災害時の措置

(1) 来庁者等に対する措置

ア 来庁者に対する措置

警察本部等においては、庁舎内において緊急地震速報あるいは全国瞬時警報システム(J-ALERT)の自動放送を認知したとき、又は大規模地震が発生し、又は発生するおそれがある場合は、直ちに各種窓口等の来庁者に対する注意喚起、避難誘導等を実施し、来庁者の保護対策、被災確認、応急救護措置等を行うものとする。

イ 被留置者に対する措置

(ア) 被留置者及び留置施設の被害確認

警察署長は、大規模地震により庁舎が被災した可能性があると認めるときは、鳥取県警察留置管理に関する訓令(令和5年鳥取県警察本部君れ第7号)第58条に規定する非常計画に基づき、直ちに被留置者及び留置担当官の安否及び留置施設の被害状況を確認し、必要により留置担当官を増強配置して、被留置者の応急救護、不安解消、留置施設の応急復旧等の措置を講じるとともに、その状況を速やかに本部長に報告するものとする。

(イ) 避難措置

警察署長は、被留置者等の被災がない場合であっても、施設の損傷、余震の発生等により被災又は二次災害発生の可能性がある場合、又は火災等の発生により被留置者の避難が必要な場合には、あらかじめ本部長に報告し、指揮を受けて所要の避難措置を講ずるものとする。ただし、緊急を要し、そのいとまがないときは、事後速やかに報告すること。

なお、避難措置に当たっては、必要により留置担当官の増員、護送隊の編成等により監視体制を強化するなど、被留置者の逃走防止等に万全を期すものとする。

(ウ) 一時解放措置

警察署長は、大規模災害の発生により、被留置者の身に危険が迫り、避難措置では安全確保が困難と認める場合には、あらかじめ本部長に報告し、指揮を受けて一時解放の措置を行うものとする。ただし、急速を要し、そのいとまがないときは、事後速やかに報告すること。

(2) 初動体制の確立

ア 地震発生直後の措置

震度5強以上の大規模地震の発生直後から災害警備本部等及び現地災害警備本部設置までの間に警察本部等において執るべき措置は次のとおりとする。

なお、第二次体制以上の体制発令時の措置はこれに準ずるものとする。

(ア) 警察本部の措置

a 通信指令長の措置

生活安全部通信指令課通信指令長(以下「通信指令長」という。)は、県内において震度5強以上の地震の発生その他大規模災害の発生を認知したときは、直ちに警察庁及び管区警察局(以下「警察庁等」という。)への第一報及び事案対策通信装置の接続を行うとともに、警備第二課長及び当直長に事案発生を速報する。

b 当直長の措置

当直長は、警察署又は通信指令長からの通報等により震度5強以上の地震の発生その他大規模災害の発生を認知したときは、警備第二課長に速報し、指揮を受けて関係所属への手配、非常招集命令の伝達、災害警備本部等の設置準備等必要な措置を講じる。また、大規模地震の発生等により、警察本部庁舎が被災した可能性があると認めるときには、速やかに庁舎内の点検を行い、庁舎内の職員、有線・無線通信、各課の施錠等について異常の有無を確認する。

c 警備第二課長の措置

警備第二課長は、警察署又は当直長からの通報等により震度5強以上の地震の発生その他大規模災害の発生を認知したときは、直ちに次の措置を講じるものとする。

(a) 本部長及び警備部長への報告

(b) 各所属への非常招集命令等の伝達及び要員の差し出し依頼

(c) 災害警備本部等の設置及び現地災害警備本部の設置手配

(d) 警察庁等に対する事案概要、措置事項等の第一報

(e) 機動隊の出動要請

(f) 被害概況把握等のための警備部警備第二課航空隊(以下「航空隊」という。)、白バイ等乗務員の出動要請

(g) 鳥取県危機管理部との連絡及び鳥取県災害対策本部(以下「県災害対策本部」という。)への連絡員の派遣

d 各所属長の措置

各所属長は、警備第二課長からの報告等により震度5強以上の地震の発生その他大規模災害の発生を認知したときは、積極的に警備第二課長と連絡を取り、速やかに所属職員の招集、安否確認、災害警備本部等への要員の差し出し等の措置を講ずる。

(イ) 警察署の措置

a 被災地警察署の措置

被災地警察署においては、直ちに次の措置を講じるものとする。

(a) 職員及び庁舎、車両、有線、無線等の被害確認及び防護措置

(b) パトカー等所外活動勤務員等の現場急行による事案概要の把握、救出救助、避難誘導、警戒区域の設定、交通規制等各種応急措置

(c) 警備第二課長への速報

(d) 職員の非常招集

(e) 現地災害警備本部の設置

(f) 応援要請の必要性の判断及び受援体制の準備

(g) 市町村への連絡員の派遣及び市町村等関係機関の初動活動の把握

b 被害が軽微である、又は被害のない地域を管轄する警察署の措置

管内における被害が軽微である、又は被害がない警察署においては、速やかに次の措置を講じるものとする。

(a) 職員の招集

(b) 第二機動隊等の警備部隊、装備資機材、車両等の被災地警察署への応援派遣に伴う準備

(c) 広域交通規制に関する警察本部、被災地警察署、道路管理者等との連絡調整

(d) 市町村との情報連絡による対応状況等の確認

イ 災害警備本部等の設置

地震災害の発生に伴う災害警備本部等の設置は、「第2警備体制」の定めに基づき、複合災害への対応も念頭に置いて、所要の規模の災害警備本部等を設置するものとする。

ウ 災害警備本部等の運営

災害警備本部等は、次により適正かつ円滑な運営を図るものとし、現地災害警備本部は、これに準じた運営を図るものとする。

(ア) 災害警備本部等の設置報告

災害警備本部等を設置した場合には、設置後速やかに警察庁等及び各警察署に対し、当該警備本部等の編成表及び配置図を送付するなどして設置報告及び手配を確実に行い、報告連絡に遺漏のないようにするとともに、県災害対策本部に対しても設置に伴う連絡を行うなど、相互の体制確認等に努める。

(イ) 任務分担の明確化

災害警備本部等の各班は、災害警備本部等の設置と同時に各班の所掌事務を確実に確認し、各班長は班員への任務付与を迅速かつ具体的に行って、災害警備本部等が素早く機能するように努める。

(ウ) 各班の連携

総括班の班長は、災害警備本部等の設置と同時に各班長に対して、被害及び初動措置等の現状、当面必要とされる各班の任務等について必要な指示手配に関係する資料の配布等を行い、早期に情報の共有化及び総括班に各種情報が集約される体制の確立を図る。また、各班においては、他班、現地災害警備本部、関係機関等との連携に配意しながら、班の責任において確実に定められた任務を遂行し、総括班に遅滞なく報告を行うなど、災害警備本部等が円滑に機能するよう努める。

(エ) 報告連絡

災害警備本部等の各班は、現地災害警備本部等からの報告事項について、特に初期段階においては災害警備本部等内の混乱を避けるため、報告の緩急、軽重等を的確に判断し、効果的な報告連絡の実施に努める。また、班員の交替等に際しては、班の事務及び報告連絡に遺漏がないよう、確実な引継ぎを行う。

エ 被災地警察署に対する支援幹部等の派遣

警察本部においては、必要に応じて被災地警察署の警察署長を補佐する所要の幹部(以下「支援幹部」という。)及び要員(以下「支援要員」という。)を派遣し、被災地警察署の災害警備活動を支援するものとする。

支援幹部及び支援要員については、警察本部の職員のうち、原則として、支援幹部は警部以上の職にある者、支援要員は警部補又は巡査部長の職にある者を派遣するものとし、派遣先の警察署の周辺に居住し、勤務経歴等から一定の災害業務をこなせる者を年度ごとに指定する等派遣効果及び迅速な派遣に十分配意するものとする。

オ 県等への連絡員の派遣

警察本部等においては、県等に災害対策本部が設置された場合には、県等の体制、方針等の確認、警察の活動状況説明等、以後の連携及び協力体制を整えるため、速やかに連絡員を派遣するものとする。

連絡員については、災害警備本部等の業務にも配意しつつ、警察本部等の職員のうち、原則として、県には警視以上の幹部を、市町村には警部以上の幹部を派遣するなど、臨機の判断を行い得る幹部の派遣について留意すること。

(3) 情報の収集・連絡

ア 被害状況の把握及び連絡

警察本部においては、次により、災害による人的、物的被害状況を迅速かつ的確に把握し、警察庁等に速やかに連絡するものとする。また、二次災害についても同様に把握し、連絡するものとする。

(ア) 多様な手段による情報収集等

大規模地震の発生を認知した通信指令課は、警察庁等に対し地震発生について速報するとともに、事案対策通信装置の接続を行うものとする。また、各警察署から逐次報告される死傷者、倒壊家屋等の数の集約とは別に、通信指令課、災害警備本部等において、被災地から報告される警察署員等の五感に基づく被害規模に関する情報((ア)において「生の声情報」という。)及び人的、物的被害に関する情報に基づいて直ちに概括的な被害状況を把握及び評価し、警察庁等に報告するよう努めるものとする。

警察本部等においては、被災者の安全確保等に資するべく、交番、駐在所、パトカー、白バイ等の勤務員を生の声情報、人的、物的被害等の被災状況、交通状況等の情報収集に当たらせることとする。その際、情報収集活動に専従するための私服部隊(災害の被害状況の情報収集を行うため、私服で活動する部隊をいう。)の投入等についても配意するものとする。

荒天時等格別の事情のある場合を除き、警察用航空機による上空からの被害情報の収集を行うとともに、警察庁等に対してヘリコプターテレビシステム(以下「ヘリテレ」という。)、交通監視カメラ等の画像情報を連絡するものとする。

(イ) 画像情報の有効活用

被害実態の把握に当たっては、活動当初からヘリテレ、高度警察情報通信基盤システム(P3.)、交通監視カメラその他の画像送信システムを可能な限り活用し、生の現場映像を災害警備本部等に送信するなどして的確な警備指揮の実現を図る。

(ウ) 被害の一斉調査

大規模災害発生時には、広範囲にわたる甚大な被害を迅速かつ正確に調査して把握する必要があることから、被災地警察署においては、早期に情報隊を編成し、調査範囲の区割り、被害認定基準及び記録様式の統一などを徹底した上で、各種被害の一斉調査を実施する。

なお、調査は、原則として私服着用によることとし、調査漏れ又は重複を避けるため、住宅地図等を有効に活用するとともに、調査対象地区の道路事情等に応じてバイク、自転車又は徒歩による調査活動を実施するなど、手段方法を十分検討すること。

(エ) 関係機関からの情報収集及び連携

被害実態の把握に当たっては、連絡員の派遣等による県等の災害対策本部からの情報収集、内容のすり合わせはもとより、必要に応じて消防、自衛隊、国土交通省、医療機関や交通機関、電気・ガス・水道・電話等のライフライン業者、自治会、消防団等の自主防災関係機関等からも積極的な情報収集に努め、多角的かつ正確な被害実態の把握を行う。

なお、県等との被害のすり合わせに当たっては、必ず事前に被害調査の手段方法、被害認定基準等について確認し、相違がある場合には早期に調整、統一を図り、より正確な被害実態の把握に努める。

イ 被害報告

各種被害関係報告は、次により行うものとする。

なお、報告に当たっては、指定の様式を確実に使用し、警察統合情報通信ネットワークシステム(PーWAN)の活用を図るなど、迅速かつ効率的な報告の実施に努めるものとする。

(ア) 被害認定基準

人的被害、建造物被害等各種被害の認定基準は、被害認定基準(別表第11)のとおりとし、これに基づいて被害集計を行うものとする。

(イ) 概括的被害の速報

警察署においては、大規模災害発生直後に認知した管内の被害概況及び初動措置状況について、発生からおおむね30分以内に被害発生速報(概況)(様式第15号)により警備第二課長に報告するものとする。また、警備第二課長は、警察署からの報告に基づき、県下の被害概況及び初動措置状況について発生からおおむね1時間以内に警察庁等に速報するものとする。

(ウ) 個別被害の発生報告

警察署においては、個別の被害のうち、多数の死傷者を伴う、又は社会的関心が高いなど、緊急又は特異重大な被害の発生を認知した場合には、電話又は無線により警備第二課長に速報した後、速やかに発生状況等を被害発生報告(速報)(様式第16号)により報告するものとする。

なお、報告が2報以上にわたるときは第1報から一連番号を付し、報告現在時を明らかにすることとする。

(エ) 被害集計報告

警察署から警備第二課への各種被害の集計報告は、警備第二課長が指定する時間に従い、次の様式により行うものとする。

なお、被害集計の元となる各被害の調査結果については、被害種別ごとの一覧表の作成、現場見取図の添付等により確実に記録しておくこと。

a 被害集計表(様式第17号)

b 死亡者名簿(様式第18号)

c 行方不明者名簿(様式第19号)

d 負傷者名簿(様式第20号)

e 避難状況一覧表(様式第21号)

(4) 救出救助活動等

ア 機動隊等の出動

災害警備本部等においては、把握した被害状況に基づき、迅速に機動隊等を被災地警察署等に出動させるものとする。その際、災害発生当初の72時間は、救出救助活動において極めて重要な時間帯であることを踏まえ、救出救助活動に人員、資機材等を重点的に配分するものとする。とりわけ、高層建築物、高速道路等において被害が発生した場合には、高度な救出救助能力を有する広域緊急援助隊員等を迅速に投入する。

イ 警察署における救出救助活動

被災地警察署の署長においては、自署員、支援機動隊員等により救出救助部隊を速やかに編成し、管轄区域内の被災状況等を踏まえながら当該救出救助部隊の担当区域を決定するものとする。また、消防等防災関係機関の現場責任者と随時、捜索区割り等現場活動に関する調整を行い、現場活動が円滑に行われるように配意する。

ウ 応援部隊の増強

災害警備本部等においては、実施隊の編成及び派遣、警察災害派遣隊等の県外部隊の援助要請等を早急に実施し、応援部隊の増強体制を確立するものとする。

なお、実施隊及び応援部隊の増強配備に当たっては、救助又は捜索要請の内容、規模、現場の状況、周辺交通の状況等から緊急度及び優先度を的確に判断し、迅速かつ効率的な増強を行う。

エ 二次災害の防止

救助現場又は捜索現場においては、警察のほか、消防、自衛隊、消防団、被災者の家族、住民等が混在し、これら関係者と合同で活動する機会もあることから、住民等の二次災害の防止に十分配意する。

オ 関係機関との協力・調整

災害警備本部等においては、必要に応じて、消防機関、海上保安庁、自衛隊等と合同調整所を設置し、警察庁から警察庁災害対応指揮支援チーム(カにおいて「D-SUT」という。)が派遣された場合にはその支援を受けつつ、活動エリア、内容、手順、情報通信手段等について、それぞれの部隊間の情報共有及び活動区域や任務の調整等を行うとともに、必要に応じて部隊間の相互協力を行うものとする。また、災害現場で活動する緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)や災害派遣医療チーム(D-MAT)等とも密接に情報共有を図りつつ、連携して活動するものとする。

カ 航空機の運用調整等

災害警備本部等においては、航空機を最も有効適切に活用するため、県の災害対策本部内に設置される航空運用調整班に参画し、警察庁からD-SUTが派遣された場合にはその支援を受けつつ、消防機関、海上保安庁、自衛隊等の各機関と航空機の活動区域、任務の調整等を行うものとする。

キ 感染症対策

災害警備本部等においては、救出救助活動等に際し、マスク着用等による感染症対策を徹底するものとする。

(5) 警戒区域の設定

ア 市町村長との協議

警察署長は、現場状況等から警戒区域の設定が必要と認める場合には、市町長からの要請を待つことなく、積極的に市町村長と協議、進言を行い、被害の拡大防止を図るものとする。

イ 現場警察官による措置

警戒区域の設定は、原則として市町村長又はその委任を受けた者が行うが、これらの者が現場におらず、危険が切迫していると認めるときは、現場警察官が警察署長に報告の上これを実施し、直ちにその旨を市町村長に通知する。

ウ 資機材の活用

警戒区域は、ロープ、規制標識、立看板等を活用して可能な限り広範囲に設定し、所要の警戒員を配置の上、関係者以外の立入制限、警戒区域内からの退去措置を確実に実施する。

(6) 避難誘導等

ア 避難の指示

(ア) 原則

避難の指示は、原則として市町村長が行うが、警察署長は、気象状況、地震の発生等により、住民等の避難措置が必要と認める場合には、積極的に避難指示について市町村長と協議、進言を行い、住民等の安全確保を図るものとする。

なお、避難のための立ち退きを行うことによりかえって危険を伴うおそれがあると認めたときは、必要と認める地域の必要と認める居住者等に対し、高所への移動、近傍の堅固な建物への退避、屋内の屋外に面する開口部から離れた場所での待避その他の緊急に安全を確保するための措置を執るよう指示するものとする。

(イ) 緊急時の措置

現場の状況から、危険が切迫し、市町村長による避難の指示を待ついとまがないと判断するときは、現場警察官が警察署長に報告の上これを実施し、直ちにその旨を市町村長に通知するものとする。

(ウ) 避難時期の判断

避難時期については、気象状況、地形・地質、避難規模、当該地区の過去の被災状況、昼夜の別、異常現象の有無等の諸条件を総合的に判断し、その時期を誤らないようにするものとする。

イ 避難広報

警察署長は、市町村長から避難の指示が出された場合には、市町村、消防等の関係機関と十分に連携し、各種広報手段を活用して、避難の理由、避難対象地域、避難先、避難路、避難方法等を明らかにした迅速かつ確実な避難広報を実施するものとする。

この場合、各種広報手段を有効に活用することとするが、むやみに住民等に不安を与え、事故や混乱を招くことのないよう沈着冷静かつ迅速な行動に配意すること。

ウ 避難路の選定、確保

避難路の選定に当たっては、安易に避難先までの最短コースを選択することなく、災害の規模、態様等に応じ、河川沿い、山沿いの道路を避けるなど、より安全な避難路の選定を行うものとする。また、交通障害の多発等により、避難路の確保が困難な場合には、関係機関と連携し、速やかに障害物の除去、交通規制要員の配置等を行って、避難路及び安全の確保に努めるものとする。

エ 避難行動要支援者等の避難誘導

住民等の避難誘導に当たっては、初期段階から市町村や自治会役員、消防団等に対して、当該地区における避難行動要支援者等を避難させるための体制が確保されているかを確認し、これら関係者との連携により優先的に避難誘導を行うなど、避難行動要支援者等の避難確保に万全を期するものとする。

オ 誘導要領

住民等の避難は徒歩で、かつ、町内会、自治会、職場単位等による集団避難を原則とし、町内会役員、地域のリーダー等を責任者に指定して、緊密に連携をとりながら統制ある避難誘導を実施するが、避難者に避難行動要支援者等がいる場合には、車両の活用についても検討するものとする。また、周辺状況等から避難誘導に危険が伴う場合には、警察用航空機による上空からの安全確認、誘導等についても検討を行うものとする。

カ 避難の完了確認

避難誘導に当たっては、地元の役員、住民、市町村関係者等と十分に連絡を取るとともに、避難区域内の点検確認を行って、避難行動要支援者、旅行者等の避難漏れを防止するものとする。

キ 避難に応じない住民等に対する措置

家財の監視目的等で避難に応じない住民等に対しては、危険性等の説得により極力自主避難を促すこととするが、あくまでこれに応じず、危険が切迫した場合には、現場警察官が警察署長に報告の上、警察官職務執行法(昭和23年法律第136号)第4条の規定に基づく避難等の措置を講ずるものとする。

ク 避難状況の把握

避難場所への到着時には、避難漏れ者、避難途中における脱落者、負傷者の有無等について再度確認を行い、実施状況を警察署長に報告するものとする。警察署長は、市町村長等と緊密な連絡を取り、市町村ごとに避難地区、避難地帯・人員、避難場所、自主避難と指示による避難、親戚・知人宅等避難所以外への避難者の有無及び市町村による仮設住宅の設置・入居状況等を調査し、総合的な避難実態の把握に努めるものとする。

(7) 緊急交通路の確保

ア 交通状況の把握

災害警備本部等においては、現場の警察官、関係機関等からの情報に加え、交通監視カメラ等を活用して、通行可能な道路や交通状況を迅速に把握するものとする。

イ 警察署員等による応急的な交通規制

災害発生直後に、道路損壊、信号機の滅灯、倒壊物等による交通障害等の現場に遭遇した所轄署員、交通部交通機動隊員等は、直ちに現場の状況を警察署に速報し、交通整理等必要な応急措置を講じるとともに、これらの状況を把握した警察署においては、当該現場の危険度及び重要度に応じて所要の人員を配置し、必要な応急措置を講ずるものとする。

ウ 交通規制要員等の確保

現地災害警備本部においては、管内における交通障害等の状況から、緊急交通路及びう回路確保のため、交通規制要員等の応援派遣が必要と認めるときは、速やかに災害警備本部等に交通対策隊の応援派遣を要請するものとする。

交通対策隊の応援派遣要請を受けた災害警備本部等においては、現地災害警備本部からの要請内容を基に必要な応援部隊の規模、装備資機材等を的確に判断し、必要により、管区警察局を通じた他県警察への応援要請等を行い、必要な要員を確保する。

エ 緊急交通路等の確保

警察本部等においては、道路管理者等と連絡の上、早急に緊急交通路及びう回路の選定を行い、通行禁止区域等の指定、標示の設置、交通規制要員の配置、規制広報等を確実に実施して緊急通行車両の通行を確保するものとする。

緊急交通路の確保に当たっては、人命の安全、被害の拡大防止、災害応急対策の的確かつ円滑な実施等に配意し、被災地への流入車両等を抑制するため必要があるときは、被災地域周辺の警察署とともに、周辺地域を含めた広域的な交通規制を実施するものとする。さらに、災害発生後の被災地の状況等に応じて、応急復旧のための人員及び資機材輸送の必要性に配慮するなど、被害の状況、緊急度、重要度等を考慮した交通規制の見直しを行うものとする。

オ 広域交通規制の実施

大規模災害の発生に伴う緊急交通路及びう回路の指定に当たっては、県下全域又は隣接県の被災状況等も勘案の上、交通規制が必要な範囲、内容及び時期を的確に判断し、警察庁等、隣接県警察、隣接警察署及び関係機関と必要な連絡、調整を行い、県内への流入車両の抑制を図るなど、広域的な交通規制を実施するものとする。

カ 道路障害物の除去

緊急交通路に車両が放置され、災害応急対策に著しい支障を及ぼすと認められる場合には、必要な限度で当該車両の撤去措置を講じた上、事後速やかに措置状況を当該車両が放置されている場所を管轄する警察署の署長に報告するものとする。また、緊急交通路その他の道路に倒壊物、崩落土砂がある等により、交通に支障が生じている場合には、必要な交通規制を行うとともに、道路管理者等と連携し、速やかに撤去作業を行い、交通の回復を図ること。

キ 緊急通行車両等の確認手続

災害応急対策等に従事する緊急通行車両の確認については、警察本部、警察署及び交通検問所において実施し、標章及び証明書の交付状況等を記録して明らかにしておくとともに、申請者に対し遵守事項等の必要な指示を行うものとする。

なお、事前に届出済証の交付を受けている事前届出車両については、優先して確認手続を行い、標章及び証明書を交付するが、事前届出車両以外の車両については、申請受理から審査、標章及び証明書の交付まで一連の手続を確実に行い、処理結果を明らかにしておくこと。

ク 輸送対象の想定

緊急通行車両により輸送する対象は、被災状況及び災害応急対策の進捗状況に応じて、おおむね次のとおりとする。

(ア) 第1段階

a 救助・医療活動の従事者及び医薬品等の物資

b 消防、水防活動等災害の拡大防止のための人員及び物資

c 政府災害対策要員、地方公共団体災害対策要員、情報通信、電力、ガス、水道施設保安要員等初動の災害応急対策に必要な人員、物資等

d 医療機関へ搬送する負傷者等

e 緊急輸送に必要な輸送施設、輸送拠点の応急復旧、交通規制等に必要な人員及び物資

(イ) 第2段階

a (ア)各号に掲げる物資等の輸送の続行

b 食料、水等生命の維持に必要な物資

c 傷病者及び被災者の被災地外への輸送

d 輸送施設の応急復旧等に必要な人員及び物資

(ウ) 第3段階

a (イ)各号に掲げる物資等の輸送の続行

b 災害復旧に必要な人員及び物資

c 生活必需品

ケ 交通規制の周知徹底

緊急交通路の指定及び広域的な交通規制を実施したときは、直ちに通行禁止区域等その他の必要な事項について、住民、運転者等に周知徹底を図るものとする。

交通広報に当たっては、警察庁等、道路交通情報センター、道路管理者等の関係機関と十分に調整を行い、交通情報板、テレビ、ラジオ、新聞広報等に至るまで、あらゆる広報手段を駆使して住民、運転者等に適時適切な交通情報を提供し、交通規制に対する理解と協力の確保に努めるものとする。

(8) 検視及び死体調査

ア 検視隊の編成

災害警備本部等においては、現地災害警備本部と連携し、死者数、行方不明者数等を迅速的確に把握し、検視実施の見込み対象数(以下「検視対象数」という。)に相応する規模の検視隊を編成するものとする。

検視隊の編成に当たり、検視要員の不足が見込まれるときは、他の都道府県警察への応援要請も検討し、検視体制の確保を図るものとする。

イ 資機材の調達

装備・補給班と連携し、検視対象数に相応した必要な資機材を隣接警察署等から調達するものとする。

ウ 検案医師等の確保

検視対象数、遺体の損傷状況等に応じ、早い段階から検案医師(検案を実施する医師をいう。)及び歯科医師(以下「検案医師等」という。)の必要数を判断し、鳥取県医師会、鳥取県歯科医師会、県災害対策本部等を通じて検案医師等を確保するものとする。

エ 多数遺体収容場所の確保

大規模災害発生時には、あらかじめ検視場所、遺体安置所として指定していた施設が損壊したり、被災者の避難所としての利用が優先されることもあるため、早い段階から県等に対し、体育館、寺院、自衛隊施設等の確保を依頼するものとする。

オ 検視活動

災害現場においては、救出救助活動を最優先し、病院等への収容措置を執るが、遺体を発見した場合には、発見状況の確認、記録、遺体の搬送、検視、身元確認作業、遺品管理等に至るまで一連の検視活動を適正に実施し、遺族に引き渡すものとする。

なお、検視活動に当たっては、死者に対する礼を失しないようにするとともに、遺族等の心境に配意し、身元不明遺体、引取人のない遺体については、確実に市町村に引き継ぐものとする。

カ 遺体の身元確認に資する資料の収集、確保

遺体の身元確認に当たっては、身元確認作業に有効な資料の一覧表等を活用して家族等から資料の提供を受け、提供を受けた資料については取り違え、紛失、混在等事案の絶無を図るものとする。

(9) 二次災害の防止

災害警備本部等においては、二次災害の危険場所等を把握するため、情報隊を編成し、住宅地域を中心に区域を定めて調査を実施するものとする。また、把握した二次災害の危険場所等については、市町村災害対策本部等に連絡し、避難指示等の発令を促すものとする。さらに、的確な避難の指示・誘導を行うため、災害警備本部等が各現場における避難の指示・誘導を一元的に統制できる体制の整備と通信手段を確立するものとする。

(10) 危険箇所等における避難誘導等の措置

災害警備本部等においては、大規模災害発生時に、危険物保管施設、火災原因となるおそれのある薬品を管理する施設、ボイラー施設等の危険箇所について、速やかに、大規模な火災、有害物質の漏えい、爆発等の発生の有無の調査を行うものとする。また、当該施設等の管理者等から二次災害の発生のおそれがある旨の通報を受けた場合は、施設内滞在者及び施設周辺住民の避難誘導や交通規制等災害の拡大を防止するための的確な措置を執るものとする。

(11) 社会秩序の維持

ア 避難による無人化地域の警戒活動

避難により無人化した地域においては、窃盗等の犯罪発生が予想されるため、災害警備本部等においては、特別警ら隊を編成し、夜間を重点とした機動警ら又は集団による徒歩警ら、検問等を実施するなど、無人化した地域の犯罪予防措置を図るものとする。

なお、自警団等の地域ボランティアと合同警らを実施するなど、地域と一体となった警戒活動に配意すること。

イ 避難所等における紛争事案の防止

避難所、救援物資の集積場所等においては、不慣れな集団生活や救援物資の配給、処遇への不満等から、住民同士又は住民と市町村関係者等との間で紛争事案が発生する可能性があることから、災害警備本部等においては、生活安全隊を編成し、状況により市町村職員、ボランティアとの合同による避難所等の巡回や警戒員の配置を行うなど、紛争事案の未然防止措置を図るものとする。

ウ 総合相談活動の推進

被災者の安否確認、警察安全相談等に的確に対処するため、災害警備本部等においては、被災者支援隊を編成するとともに、警察本部及び被災地警察署に専用の相談窓口・相談電話の設置を行うほか、必要により避難所に移動交番車等の臨時相談窓口を設置するなど、総合相談活動を積極的に推進するものとする。

総合相談活動に当たっては、相談内容等を確実に記録し、処理状況を明らかにしておくとともに、関係機関との緊密な連携により、相談者の立場に立った適切かつ慎重な対応を行い、事後、非難等を受けることのないよう配意するものとする。

エ 各種不法事案の予防取締り

大規模災害発生時には、被災地の災害復旧や被災地の住民への救援活動等に便乗する形で、県内外から悪質業者等が流入し、被災家屋の修復等に絡む悪質商法事犯、義援金受付名目の詐欺事犯、生活関連物資の買い占め・売り惜しみ等暴利事犯、産業廃棄物等の不法投棄事犯等、各種不法事案の発生が予想される。このため、被災者等からの相談・苦情の受け付け、被災地区のパトロール、防犯指導・広報等の各種活動を積極的に行うとともに、関係行政機関との情報交換などにより、これら不法事案の未然防止及び発見検挙に努めるものとする。

オ 女性警察官等による被災者支援活動

被災地の住民は、被災で家族を失った悲しみや、慣れない避難所生活、二次災害に対する不安等の中で、心身ともに不安定な状況にあることから、災害警備本部等においては、被災後の早い段階から女性機動隊員で編成されるおしどり隊等による避難所、仮設住宅、保育所等への巡回活動を実施し、避難行動要支援者を重点に、声掛け、相談等による心のケアや防犯指導等を行い、被災者の支援活動を推進するものとする。

カ 地域安全情報の提供

被災地における各種犯罪や二次災害の予防、各種相談への対応、復興支援等のため、各種警察活動により把握した災害関連情報、生活関連情報等を、地域安全ニュース、交番速報等の各種広報紙、鳥取県警察ホームページやマスコミ等を通じて広く住民に提供し、地域安全の確保に努めるものとする。

(12) 報道対応

報道対応窓口を災害警備本部等の広報班等に一本化し、警察活動に支障がない限り努めて便宜を図るなど、責任ある報道対応を行うものとする。

報道発表に当たっては、警察庁及び県等関係機関と密接に連絡を取り、必要に応じ調整を図るものとする。

なお、報道機関への資料提供に当たっては、提供資料(様式第22号)により行うものとする。

(13) 自発的支援の受入れ

ア 災害ボランティアの受入れ

大規模災害発生時には、県の内外、民間・公共を問わず全国各地から各種の災害ボランティアが被災地に集まり、被災家屋等の修復、避難所の運営、救援物資の配給、被災者の介護等各方面で災害ボランティア活動を展開するなど、災害ボランティアは災害応急対策には欠くことのできない存在であることから、その意義及び重要性を十分認識の上、県等と連携し、活動実態の早期把握に努めるとともに、被災地における各種犯罪・事故の未然防止、被災住民の不安の除去等を目的として行われる災害ボランティア活動が円滑に行われるよう、必要な支援を行うものとする。

イ 海外からの支援の受入れ

災害警備本部等においては、警察庁から海外からの支援の受入れの連絡を受けた場合には、当該支援活動が円滑に行われるよう、警察庁等、県等その他の関係機関と連絡を取り、必要な措置を講ずるものとする。

(14) 業務継続

大規模災害発生時には、別に定める業務継続計画に基づき、警察機能の維持を図るものとする。

3 災害復旧・復興

(1) 警察施設の復旧

災害警備本部等においては、警察施設の重要性に鑑み、可能な限り迅速かつ円滑な復旧を図ることとする。

(2) 暴力団排除活動の徹底

災害警備本部等においては、復旧・復興事業への暴力団等の介入を阻止するため、暴力団等の動向把握と取締りに努めるとともに、関係行政機関、被災地の地方公共団体、業界団体等に必要な働き掛けを行うなど、復旧・復興事業からの暴力団排除活動の徹底に努めるものとする。

第5 津波災害対策

1 災害に備えての措置

(1) 津波警報・注意報等の伝達体制等の整備

警察本部等においては、迅速かつ正確な津波警報・注意報等の伝達のため、伝達手段の多重化及び多様化を含めた連絡・伝達体制及び設備の充実を図るものとする。

(2) 津波からの避難誘導体制の整備

警察本部等においては、津波被害の特性を踏まえ、津波によって浸水が予想される地域の住民を安全に避難誘導するため、次の措置を講ずるものとする。

ア 避難場所・避難経路等に関する実態把握

県等と連携して、津波によって浸水が予想される地域の避難場所、避難経路、避難に要する時間、その区域内に所在する避難行動要支援者等の実態等、最大津波発生時の避難誘導を的確に行うために必要となる資料の整備を図るものとする。また、市町村から名簿等情報の提供を受けた場合は、実態把握に効果的に活用するとともに、名簿等情報の漏えいの防止等必要な措置を講ずるものとする。

イ 避難場所の選定、避難路の複数指定

県等と協力して浸水予測地図等によりあらかじめ予想した被害状況に応じて、避難場所の選定及び個々の避難場所に至る避難経路の複数指定に努める。

ウ 津波災害に対する住民の危機意識の醸成

県等と連携して防災講習会を開催するなど自治会や自主防災組織などを核とした地域一体となった避難行動等の広報啓発活動を推進し、住民一人一人の津波に対する危機意識の向上を図る。その際、災害に関するエリアメールの活用等住民への情報伝達方法についても県等と一体となって推進すること。また、県等と連携して、防災訓練等を通じて、住民等に対し、津波に対する地勢的特性に関する知識、避難経路、避難場所、避難方法等について周知徹底を図ること。

この際、避難のための車両の使用については、次の点に留意することを周知徹底すること。

(ア) 津波の発生時に車両を運転中である場合、又はそれ以外の場合であって津波から避難するためやむを得ない場合を除き、避難のために車両を使用しないこと。

(イ) 津波から避難するため車両を使用するときは、道路の損壊、信号機の作動停止、道路上の障害物等に十分注意しながら運転すること。

エ 避難行動要支援者等に係る避難誘導体制の整備

県等と連携し、避難行動要支援者等を適切に避難誘導するため、住民、自主防災組織等の協力を得ながら、平素から名簿等情報の活用等により、避難行動要支援者等に係る避難誘導体制の整備を図るものとする。

オ 避難手段の検討

津波発生時の避難については、徒歩によることを原則とするが、津波到達時間、避難場所までの距離、避難行動要支援者等の存在、避難経路の状況等を踏まえて、やむを得ず車両で避難せざるを得ない場合における安全かつ確実な避難方策について、市町村から協議があった際には、警備部門と交通部門が連携して対応するものとする。

カ 避難誘導等に従事する警察官の安全確保

(ア) 津波到達予想時刻等のリアルタイムでの情報共有

既に配備されている無線機、受令機等情報伝達に必要な資機材について現場で避難誘導を行う警察官に確実に携行させることができるよう配分数をあらかじめ調整し、不足が想定される場合には必要な資機材の整備に努めるものとする。

(イ) 避難誘導活動が可能な時点(タイムリミット)の算出

津波災害が予想される沿岸部を管轄する警察署(以下「沿岸警察署」という。)においては、自治体、消防等と連携し、地域ごとに活動のタイムリミットを算出し、整理しておくこと。

キ 活動要領の策定

県等と連携しつつ、津波に対する地勢的特性を踏まえ、職員の運用や装備資機材の活用等の具体的な活動要領を策定するものとする。その際、防災対応や避難誘導に当たる職員の安全を確保するため、市町村等との意思疎通を緊密に図りながら、津波到達時間内での防災対応や避難誘導に係る行動ルール及び退避の判断基準(キにおいて「行動ルール等」という。)を定め、住民等に周知するものとする。また、避難誘導の訓練を実施することにより、避難誘導活動における問題点を検証し、行動ルール等を必要に応じて見直すものとする。

(3) 警備体制の確立

警察本部等においては、津波災害に伴い、警察災害派遣隊の派遣要請が予想されることから、平素から招集・派遣体制の整備等を図るものとする。特に、即応部隊については、平素から隊員に対する救出救助技能、自活能力の向上に向けた教養訓練を徹底するものとする。

(4) 実践的な避難訓練の実施

警察本部等においては、住民の危機意識の醸成を図り、避難行動を住民自らがとれるよう、基礎資料で得られた内容を踏まえ、避難行動要支援者等の参加を得た訓練など、自治体や住民と合同での実践的な避難訓練を計画的に実施すること。その際、津波到達時間が短い特定の地域では、おおむね5分程度で避難しなければならないという意識を醸成するものとする。

(5) 警察施設等の災害対策

警察本部等においては、津波による被害のおそれのある地域の警察施設等については、津波に対する安全性に配慮するとともに、建築物の耐浪性の向上、非常用電源の設置場所や物資の備蓄方法の工夫等、津波に対する対応力を強化するものとする。

(6) 交通管制施設及び交通管理体制の整備

警察本部においては、交通管制施設について津波被害に対する安全性の確保を図るとともに、災害時における交通管理体制の整備を図るものとする。また、災害時における信号機の機能停止を防止するため、信号機電源付加装置の整備等を推進するものとする。

(7) 災害用装備資機材の整備充実

警察本部等においては、津波災害について、胴付水中長靴、とび口、ゴム長手袋、踏み抜き防止板等捜索用機材等の災害警備用装備資機材の整備の充実化を図るものとする。また、沿岸警察署においては、救命胴衣、ヘルメット等警察官の安全を確保するための装備資機材が現場活動を行う警察官に確実に配分できるよう整備する。

(8) 教養及び訓練の実施

津波警報の発表時には、津波の到達状況を伝達するための無線機、受令機等を確実に携行すること及び無線等の聴取を徹底することについて教養を実施するとともに、津波警報の発表時において、これらの措置を迅速・確実に実施することができるよう、平素から県等と連携した図上・実動訓練を反復かつ継続して実施するものとする。

(9) 被留置者への対応

警察本部等においては、津波浸水予測等を踏まえ、被留置者の避難や移送を的確に行うため、非常計画の見直し及び訓練を実施するものとする。また、被留置者の処遇を確保するための装備資機材等の整備及び被留置者の移送に関し、検察庁と必要な連携を図るものとする。

2 災害時の措置

(1) 津波予報発表時の措置

ア 津波警報・注意報の種別及び津波予報区

津波警報・注意報の種別及び津波予報区(別表第12)のとおり

イ 津波予報の伝達系統

津波予報の伝達系統(別表第13)のとおり

(2) 津波警報発表時の措置

津波予報のうち、津波警報発表時の措置は次のとおりとする。

ア 警察本部の措置

(ア) 通信指令長の措置

通信指令長は、執務時間外において管区警察局から津波警報発表の通報を受理したときは、直ちに次の措置を講ずる。

a 警察庁等への無線モニターの接続

b 沿岸警察署に対する管内市町村への速報、沿岸線付近の住民等の避難誘導及び避難広報、警戒区域の設定等の無線による一斉手配

c 当直長への速報

(イ) 当直長の措置

当直長は、通信指令長から津波警報発表の通報を受理したときは、警備第二課長に速報し、指揮を受けて非常招集命令の伝達、災害警備本部等の設置準備等の必要な措置を講ずるとともに、登庁した警備第二課員に関係記録、措置内容等を引き継ぐ。

(ウ) 警備第二課長の措置

a 執務時間中の場合

警備第二課長は、執務時間中に管区警察局から津波警報発表の通報を受理したときは、直ちに次の措置を講ずる。

(a) 沿岸警察署に対する管内市町村への速報、沿岸線付近の住民等に対する避難誘導及び避難広報の実施、警戒区域の設定、現地災害警備本部の設置等の無線による一斉手配

(b) 本部長及び警備部長への速報

(c) 本部内各所属への非常招集命令の伝達

(d) 機動隊の出動待機指示

(e) 航空隊の出動要請

(f) 災害警備本部等の設置準備

(g) 警察庁等に対する速報(第一報)

(h) 鳥取県危機管理部との情報連絡

b 執務時間外の場合

警備第二課長は、執務時間外に当直長から津波警報発表の通報を受理したときは、直ちに当該当直長に対し、aに掲げる措置を実施するよう指示する。

(エ) 各所属長の措置

各所属長は、警備第二課長又は当直長から津波警報発表の通報を受理したときは、直ちに所属職員の招集及び災害警備本部等への要員差し出し準備等所要の準備措置を講じる。

イ 警察署の措置

警備第二課長又は通信指令長から津波警報発表の通報を受理した警察署においては、直ちに次の措置を講じる。

(ア) 沿岸警察署の措置

a 管内市町村への警報伝達及び情報連絡

b 沿岸付近の住民、滞留者等に対する避難誘導及び避難広報

c 警戒区域の設定及び交通規制

d 職員の非常招集

e 職員及び庁舎、車両等の防護措置

f 現地災害警備本部の設置準備

(イ) その他の警察署の措置

a 職員の非常招集

b 第二機動隊等の警備部隊、装備資機材、車両等の応援派遣準備

c 広域交通規制に関する警察本部、沿岸警察署、道路管理者等との連絡調整

d 市町村との情報連絡による対応状況等の確認

(3) 津波注意報発表時の措置

津波注意報発表時の措置は、(2)の措置によるものとする。

(4) 津波警報・注意報等の伝達

警察本部等においては、津波警報・注意報等が発表された場合、又は津波による浸水が発生すると判断した場合は、津波警報・注意報等を迅速かつ正確に沿岸線付近の住民、船舶等に伝達する。その際、対象者に漏れなく、かつ、分かりやすい伝達に努めるとともに、避難行動要支援者等に配慮するものとする。

(5) 被災者の避難誘導等

警察本部等においては、避難誘導や防災対応に当たる警察官の安全を確保しつつ、予想される津波到達時間も考慮し、必要に応じ警察官が避難指示を行うなどして、安全かつ迅速な避難誘導を行うものとする。また、市町村から名簿等情報の提供を受けた場合は、避難誘導に効果的に活用すること。

(6) 被災者の救出救助活動

災害警備本部等においては、津波災害現場における被災者の救出救助に当たっては、警察用航空機、災害救助犬及び各種装備資機材を活用するものとする。

(7) 検視、身元確認等

災害警備本部等においては、津波災害においては遺体の身元確認が困難となる場合が多いことを考慮し、県等と連携し、また、必要に応じて他の都道府県警察に支援を要請するなどして、検視の要員・場所等を確保するとともに、遺体の身元確認に資する資料の収集・確保、医師等との連携に配意し、迅速かつ的確な死体見分、身元確認、遺族等への遺体の引渡し等に努めるものとする。

(8) 行方不明者の相談活動等の実施

災害警備本部等においては、津波災害においては被災地が広範囲にわたることから、被災に関する教養を実施するとともに、県等と連携した訓練の実施に努め、行方不明者の安否を気遣う肉親等の相談に応じるため、行方不明者対策隊を編成するとともに、行方不明者相談所、消息確認電話、相談窓口等の設置に努めるものとする。その際、災対法において行方不明者数については市町村が把握することとされていること及び安否確認のため市町村において把握している避難者情報等を活用する必要があることから、行方不明者に係る相談について、市町村との情報共有を図るものとする。

さらに、避難所等に避難している被災者の不安を和らげるため、移動交番車の派遣や避難所への警察官の立ち寄り等による相談活動を推進するなど避難所等における親身な活動を推進するものとする。

(9) 社会秩序の維持

災害警備本部等においては、津波災害においては被災地が広範囲にわたることを考慮し、窃盗等の犯罪の発生や救援物資の搬送路及び集積地における混乱、避難所内等での女性、子供等に対する性暴力・DV、トラブル等を防止するため、生活安全隊及び特別警ら隊を編成し、被災地及びその周辺におけるパトロールの強化、避難所等の定期的な巡回等を行うものとする。また、特別捜査隊を編成し、被災地において発生することが予想される悪質商法等の生活経済事犯、知能犯、窃盗犯、粗暴犯、暴力団による民事介入暴力等の取締りを重点的に行い、被災地の社会秩序の維持に努めるものとする。加えて、被災地に限らず、災害に便乗した犯罪の取締りや被害防止に努めるとともに、災害に乗じたサイバー攻撃に関する情報収集及び県民に対する適切な情報提供を行うなど社会的混乱の抑制に努めるものとする。

(10) 大量拾得物の処理

災害警備本部等においては、津波災害により広範囲が被災し、大量の拾得物件を取り扱う場合における保管場所の確保、必要な処理体制の整備等早期返還に向けた対応に努めるものとする。

第6 風水害等災害対策

1 災害に備えての措置

(1) 避難路等の周知徹底

平素から各種講習会、研修会の場等を通じて、風水害被害の防止や軽減の観点から早期避難に対する住民等の理解と協力を得るとともに、風水害のおそれのない適切な避難場所、避難路等について周知徹底するものとする。

(2) 土砂災害警戒区域等の周知徹底

ミニ広報紙等を通じ、住民等に対して土砂災害警戒区域や風水害が発生し、又は発生するおそれがある場合の行動マニュアル等について分かりやすく示すものとする。

(3) 防災訓練等の実施と防災知識の普及

防災週間、水防月間、土砂災害防止月間等を通じ、積極的に防災訓練等を実施するものとする。防災訓練等の実施に当たっては、被害の防止・軽減の観点から、地域住民に対して、「自らの命は自らが守る」という意識を持ち、自らの判断で避難行動をとること及び早期避難の重要性を住民に周知し、地域住民の理解と協力を得るものとする。

(4) 警察施設等の災害対策

水害のおそれのある地域の警察施設等については、非常用電源設備の整備に努めるほか、その設置場所や物資の備蓄方法の工夫等、水害に対する対応力を強化するものとする。

2 災害時の措置

(1) 気象警報等発表時の措置

ア 気象警報等の種別及び発表基準

気象警報等の種別及び発表基準(別表第14)のとおり

イ 気象警報等の伝達系統

気象警報等の伝達系統(別表第15)のとおり

ウ 気象警報等受理時の措置

(ア) 警察本部の措置

a 当直長の措置

当直長は、鳥取地方気象台から気象警報等の発表の通報を受理したときは、警備第二課長に速報するとともに、各警察署に対して警報の内容、被害情報収集等の手配を行い、登庁した警備第二課員に関係記録、措置内容等を引き継ぐものとする。

b 警備第二課長の措置

警備第二課長は、鳥取地方気象台又は当直長から気象警報等の発表の通報を受理し、具体的な被害の発生が予想されるときは、直ちに次の措置を講ずるものとする。

(a) 本部長及び警備部長への報告

(b) 部内関係所属への手配

(c) 災害警備連絡室の設置

(d) 各警察署に対する、警察署災害警備連絡室の設置、管内警戒、被害情報収集、市町村との情報連絡等の手配

(e) 管区警察局に対する警報の発表及び体制報告

c 関係所属長の措置

警備第二課長又は当直長から、気象警報等発表に伴う災害警備連絡室設置等の手配を受けた関係所属長は、所属職員を警備第二課、警察署及び関係機関との情報連絡に当たらせるなど、所要の事前警戒措置を講ずるものとする。

(イ) 警察署の措置

警察署においては、警備第二課長又は警察本部一般当直からの通報等により気象警報等の発表を認知したときは、直ちに次の措置を講ずるものとする。

a 警察署災害警備連絡室の設置

b 管内市町村との情報連絡

c 管内の災害危険箇所等の警戒及び被害情報収集

d 警備第二課長への体制報告

(2) 風水害に関する警報等の伝達

被害を及ぼす可能性のある洪水等の状況を把握した場合は、交番、駐在所、パトカー等の勤務員を活用して住民等に対し速やかに伝達するものとする。その際、対象者に漏れなく、かつ、分かりやすい伝達に努めるとともに、避難行動要支援者等にも配慮するものとする。

(3) 住民等の避難誘導

警察本部等においては、風水害の発生のおそれがある場合には、河川管理者、水防団等と連携を図りながら、浸水想定区域及び土砂災害警戒区域の警戒活動を行うものとする。その結果、危険と認められる場合には、住民等に対する避難指示等を行うとともに、適切な避難誘導を実施するものとする。その際、次の点に配意するものとする。

ア 住民等への避難指示等の伝達に当たっては、交番、駐在所、パトカー等の勤務員を活用して迅速かつ的確な伝達に努める。

イ 避難誘導に当たっては、災害の概要、避難場所・避難路、浸水想定区域・土砂災害警戒区域に指定されている事実その他の避難に資する情報の伝達に努める。

ウ 警察用航空機、警察用船舶等による避難についても検討し、必要に応じ実施する。

エ 情報の伝達及び避難誘導の実施に当たっては、避難行動要支援者等に十分配慮するよう努める。

(4) 災害未然防止活動

河川管理者等が洪水及び高潮による被害の発生を未然に防止するため、ダム、せき、水門等の操作を行うに当たり、危害を防止するため必要があると認めるときは、交番、駐在所、パトカー等の勤務員を通じて住民等に対して当該操作に関し必要な事項を周知徹底するものとする。

(5) 災害の拡大防止と二次災害の防止活動

警察本部等においては、浸水被害が発生した地域又は土砂災害の発生の危険性が高いと判断された箇所について、適切な警戒避難措置を講じるとともに、現場警察官による交通規制を実施するなどして、二次災害の防止に努めるものとする。

第7 雪害対策

1 災害に備えての措置

(1) 雪害に備えた交通管制施設の整備

地域の特殊性を考慮しつつ、雪害に備えた交通管制施設の整備に配意するとともに、雪害時の交通管理体制の整備を図るものとする。

(2) 気象状況の伝達体制の整備

積雪量等の気象状況等の情報を迅速かつ正確に収集・伝達するための体制の充実を図るものとする。

(3) 雪崩危険箇所等の周知徹底

県等の関係機関と連携して雪崩危険箇所を把握し、住民等への周知徹底に努めるとともに、冬山登山に関する注意喚起の情報を発信するものとする。

(4) 住民等への広報

各種研修等を通じて、大雪時も含め冬季に運転する際の必要な準備や事故防止に係る広報を行うものとする。

2 災害時の措置

(1) 運転者への周知活動

立ち往生車両が生じた場合、通行止め規制が解除されるまで車内で待機しようとする運転者に対し、排気ガス(一酸化炭素)による中毒の防止に関する呼び掛けを確実に行うものとする。

(2) 緊急交通路の確保

緊急交通路の確保に備え、緊急度、重要度等を考慮して、交通規制等を行うものとする。

(3) 道路管理者との連携

大規模な車両滞留や長時間の通行止めを引き起こすおそれのある大雪時において、道路管理者による広範囲での計画的・予防的な通行規制等が円滑に実施されるよう、必要に応じて道路管理者と連携協力するものとする。


別表及び様式 略
  

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