鉄道警察隊活動要領の制定について(例規通達)
昭和62年3月23日
鳥勤例規第2号
改正 平成4年鳥務例規第8号、平成7年第11号、平成22年鳥地例規第3号、平成27年鳥務例規第2号、平成27年鳥地例規第3号
この度、鳥取県警察鉄道警察隊を設置することに伴い、鳥取県警察の外勤警察運営に関する訓令(昭和52年12月鳥取県警察本部訓令第16号)の一部について所要の改正を行うとともに、鳥取県警察鉄道警察隊の運営に関する訓令(昭和62年3月鳥取県警察本部訓令第8号)を制定し、運営の基本を定めたところであるが、具体的な活動の実施に関し必要な事項を定めるため、別添のとおり鉄道警察隊活動要領を制定し、昭和62年4月1日から実施することとしたので、その運用に誤りのないようにされたい。
別添
鉄道警察隊活動要領
第1章 総則
第1 目的
この要領は、鳥取県警察鉄道警察隊の運営に関する訓令(昭和62年3月鳥取県警察本部訓令第8号)第10条の規定に基づき、鉄道警察隊の活動の実施に関し、必要な事項を定めることを目的とする。
第2 活動区分
鉄道警察隊の活動区分は、次のとおりとする。
(1) 通常活動
毎日の業務において実施する基本的活動を通常活動とし、次の活動をいう。
ア 警ら活動
通常活動のうち、警戒警備活動及び列車警乗活動以外の鉄道警察隊施設外において行うすべての活動をいう。
イ 警戒警備活動
主要な鉄道施設に対する警戒警備及び立番をいう。
ウ 列車警乗活動
旅客列車に警乗し、犯罪の予防検挙、旅客の保護、その他列車内の公安の維持を図るための活動をいう。
(2) 特別活動
警衛、警護、列車による現金その他の物品の輸送警備、応援派遣等通常活動以外の活動をいう。
第3 活動上の心構え
鉄道警察隊員(以下「隊員」という。)は、活動に当たっては積極的に職務質問を行うとともに、犯罪の予防検挙、危険の防止、公衆に対する保護・助言及び指導、少年補導、交通の指導取締りに当たるほか、鉄道施設等の実態把握に努めなければならない。
第2章 警ら及び警戒警備活動
第4 警らの種別、方法
1 警らの種別及び方法は、次のとおりとする。
(1) 構内警ら
駅構内(駅前広場、同地下道及び駅に近接したバスターミナル、駐車場、駐輪場等駅と密接な関係にある施設及び区域を含む。)で実施する警らをいい、原則として単独で行う。
(2) 沿線警ら
鉄道沿線並びに駅構外の鉄道の主要施設を対象に、無線自動車を利用して実施する警らをいい、原則として2名1組により行う。
2 鉄道警察隊長(以下「隊長」という。)は、治安情勢、警らの時間帯、勤務員の実情に応じ、2名以上による警らを行わせることができる。
3 警らは、警ら要点を重点に実施し、警ら要点においては、状況に応じて駐留警戒、交通の指導取締り等を実施する。
第5 警ら区、警ら要点及び警らの実施基準
警らを効果的に実施するため、生活安全部地域課長(以下「地域課長」という。)は、警ら区、警ら要点及び警らの実施基準を定めなければならない。
第6 交番勤務員との連携
警らに当たっては、駅構内又は駅前に設置された交番に立ち寄り、情報の交換、勤務連絡等を行い、相互の連携に努めなければならない。
第7 関係事業所への立寄り実施
構内警らに際しては、駅施設内の事業所等に積極的に立ち寄り、良好な公衆関係の保持及び各種情報の収集に努めるものとする。
第8 立番の実施
旅客列車が運行されている時間帯にあっては、旅客等の状況に応じて集改札口付近、プラットホーム等において立番を実施するものとする。
第3章 列車警乗活動
第9 列車警乗の種別
列車警乗の種別は、次のとおりとする。
(1) 警察庁指定列車警乗
警察庁から指定された列車及び区間を対象に実施するもの。
(2) 県本部計画列車警乗
列車警乗実施計画に基づき、月間活動計画で指定した列車及び区間を対象に実施するもの。
第10 列車警乗計画
列車警乗計画は、列車内の犯罪発生状況、列車運行状況及び治安情勢を勘案して対象列車及び区間を選定し、策定するものとする。
第11 警乗警察官
列車警乗は、原則として2名1組により実施するものとし、上級者又は先任者を責任者とする。
第12 乗務車掌との連絡
列車警乗に際しては、乗務車掌に警乗区間を通知するとともに、旅客に関する情報、乗務位置、事故等発生時の連絡方法等について打ち合せを行うなどして、緊密な連絡を保たなければならない。
第13 警乗列車内の巡回
列車警乗中は、適時列車内の巡回を行い、不審物件の発見及び乗客の動向等列車内の状況の把握に努めなければならない。
第14 警乗中断時等の報告
隊員は、列車警乗を中断したとき及び往路の列車警乗が終了したときは、その理由及び異常の有無等を速やかに隊長に報告しなければならない。
第15 関係府県警察に対する通報
隊長は、県外に及ぶ列車警乗が中断したとき若しくはこれを中止したときは、関係府県警察の鉄道警察隊長に通報するものとする。
第16 無線機等の携行
列車警乗に従事するときは、携帯用無線機のほか、照明具、各種用紙、警乗行路表等列車警乗活動に必要な物品等を携行するものとする。
第4章 活動計画及び活動状況の記録等
第17 月間活動計画等
隊長は、翌月の月間活動計画(別記様式1)及び毎日における勤務計画(別記様式2)を策定し、隊員に示すものとする。
第18 活動状況の記録等
1 活動状況及びその結果については、次により記録しなければならない。
(1) 毎日の活動状況 活動日誌(別記様式3)
(2) 毎日の活動実態 活動実態記録表(別記様式4)
(3) 毎日の活動実績 活動実績記録表(別記様式5)
(4) 月間中の活動別実績 活動別月間実績記録表(別記様式6)
2 隊員は、列車警乗を実施したときは列車警乗実施報告書(別記様式7)により、沿線警らを実施したときは沿線警ら実施報告書(別記様式8)により、隊長にその結果を報告しなければならない。
3 隊員は、特別活動に従事したときは、特に指示された場合を除き、活動状況等を書面により隊長に報告しなければならない。
第5章 雑則
第19 資料の収集整備
隊員は、諸活動を通じて鉄道施設、鉄道運輸等に関する資料、統計、その他鉄道警察隊の活動に必要な各種資料を収集し、常に活用が図られるよう整備しておかなければならない。
第20 受傷事故防止
隊員は、活動区域の特殊性を十分認識し、諸活動に当たっては、列車等による受傷事故の防止に努めなければならない。
第21 幹部会議
隊長は、毎月幹部会議を開き、鉄道警察隊の効率的な運用を図るため、月間の活動計画、隊員の指導監督、その他鉄道警察隊の活動に必要な事項について協議するものとする。
第22 月間活動結果の報告
地域課長は、鉄道警察隊の毎月の活動結果を警察本部長に報告しなければならない。
第23 教養訓練
1 隊長は、毎月日を定めて招集教養を実施するほか、随時、講習、研修会等を行い、教養訓練の徹底に努めなければならない。
2 教養訓練に当たっては、特に、鉄道施設・鉄道事業に関する知識、良好な公衆接遇及びその他鉄道警察隊の職務の遂行に必要な知識・技能の習得を重点に実施するものとする。
第24 備付け簿冊
鉄道警察隊の活動に必要な備付け簿冊については、別に定めるところによるものとする。
第25 実施期日
この要領は、昭和62年4月1日から実施する。
別記様式 省略