少年事件の適正捜査の徹底について(例規通達)

少年事件の適正捜査の徹底について(例規通達)

平成4年10月28日
鳥防少例規第13号・鳥捜一例規第17号
改正  平成7年鳥生企例規第8号、平成14年第19号、平成15年鳥務例規第3号、平成17年第5号、平成20年鳥少例規第3号、平成25年鳥少例規第4号、令和2年鳥務例規第3号

対号1 平成2年8月21日付け、鳥捜一例規第4号外共発「ち密な捜査の推進強化方策実施要領の制定について」(例規通達)
2 平成元年7月17日付け、鳥防少例規第16号外共発「少年事件選別主任者制度の運用について」(例規通達)
3 平成元年7月17日付け、鳥防少例規第17号外共発「少年事件等の報告要領について」(例規通達)
4 平成2年3月16日付け、鳥防少発第269号「少年審判における「非行なし」決定事案等の報告について」(一般通達)
先般、「少年の保護事件に係る補償に関する法律」が制定され、本年9月11日から施行されたが、今後、身体の自由の拘束を受けた少年の保護事件につき、非行事実が認められないことにより、不処分(非行なし)等の決定があった場合、刑事裁判における無罪と同様、補償が受けられることとなった。
このため、今後の少年事件捜査に当たっては、少年法、刑事訴訟法等に定める手続き及び非行事実の認定等をより一層厳正に行う必要がある。また、最近の少年非行は年長少年による悪質凶悪事件が目立ち、これに対する厳格な対応が要求される反面、年少少年の軽微な事件については、少年の特性に配慮した措置が望まれるなど、個々の少年に応じた適切な処遇を行う必要がある。
このような、少年事件捜査を取り巻く諸情勢を踏まえ、少年の非行防止と健全育成に資するため、次のとおり諸施策を推進することとしたので、適正捜査の徹底に努められたい。
なお、対号4については、廃止する。

1 指導体制
(1) 少年事件指導官の指定
犯罪少年に係る事件の捜査並びに触法少年及びぐ犯少年に係る事件の調査(以下「捜査・調査」という。)を少年の特性に特に配慮しつつ行うとともに、少年事件に対するち密な捜査・調査及び非行事実に対する立証措置等を確実に行う等、少年事件の一層の適正捜査を推進するため、生活安全部少年・人身安全対策課に少年事件指導官を置き、生活安全部少年・人身安全対策課の警視又は警部の階級にある者をもって充てる。
(2) 少年事件指導官の任務
少年事件指導官は、警察署の体制や実態等に応じて、少年事件捜査幹部による的確な指揮、指導が行われるよう巡回指導等の強化に努めること。この際、特に、捜査・調査を担当する幹部に対しては、次に掲げる事項を指導すること。
ア 捜査・調査の指揮、指導に当たっては、個々の事案ごとに捜査及び調査すべき事項を具体的に指示するとともに、少年の特性に配慮すべき事項については、確実に行うよう指導を徹底すること。
イ 16歳未満の少年又は高校生以下の少年の身柄拘束の要否については、犯罪の重大性、非行性の程度、保護者の監護能力等に応じ、実現しようとする捜査・調査の目的、少年に与える影響等を総合的に判断して決定すること。
ウ 身柄拘束に係る事案については、捜査・調査の進捗状況に応じ、立証すべき事項、補充すべき事項等に関し、的確な指揮、指導を行うこと。
2 少年事件選別主任者制度の効果的な運用
少年事件選別主任者制度は、対号2により運用しているところであるが、警察署長は、本制度を真に機能させるため、次のことを行うこと。
(1) 捜査・調査を担当する署員に対しては、定期招集日等の機会を捉え、少年事件選別主任者制度の趣旨を周知徹底すること。
(2) 少年事件を処理する者に対し、対号2別記様式第1号「少年事件検討票」及び別記様式第2号「少年事件選別審査票」を的確に運用するよう指導教養を徹底すること。
3 少年事件の不適正事案に対する措置
(1) 不適正事案に対する報告
少年事件等の報告については、対号3により実施しているところであるが、次に掲げる不適正事案を認知したときは、速やかに本部主管課長を経て報告すること。
ア 少年法、刑事訴訟法等に基づく手続きに反すると指摘、抗議又はそのおそれのある事案。
イ 少年警察活動規則(平成14年国家公安委員会規則第20号)第3条に規定する「少年警察活動の基本」に定める事項等に反すると指摘、抗議又はそのおそれのある事案。
ウ 「非行なし」決定事案及びそのおそれのある事案。「非行なし」決定事案とは、次の事案をいう。
(ア) 送致した非行少年(交通法令達反(犯罪統計細則(昭和46年警察庁訓令第16号)第2条第2号に規定する罪をいう。)並びに交通事故に係る刑法(明治40年法律第45号)第208条の2及び第211条の罪を除く。以下同じ。)に対し、家庭裁判所が「非行なし」を理由に不処分又は審判不開始の決定を下した事案。
(イ) 前記少年の抗告審において「非行なし」を理由として原判決を取り消した事案。
(ウ) 送致した犯罪少年が刑事処分相当として起訴され、裁判において無罪となった事件。
(2) 少年事件の不適正事案に対する措置
ア 本部主管課長は、前記(1)ア、イの事案発生の報告を受理したときは、事実関係及び関係者の動向等を総合的に判断し対応策を講じること。
イ 生活安全部少年・人身安全対策課長(以下「少年・人身安全対策課長」という。)は、不適正事案に対する反響が大きいことが予想される場合(マスコミや県、市町村議会に取り上げられるおそれがあるもの、又は損害賠償請求訴訟に発展する事案等)は、事前に少年事件指導官を関係する警察署に派遣する等の方法により、不適正事案の内容を的確に把握すること。
ウ 本部主管課長は、不適正事案が発生した場合には、その事実の概要及び原因等を徹底的に調査し、その結果を踏まえた業務の見直しを行うなどの是正措置を行うこと。
エ 少年・人身安全対策課長は、前記(1)ウの「非行なし」決定事案が発生した場合一手は当該少年事件処理関係者を交えた検討会を開催し、その原因、問題点を究明して、事後の再発防止のための対応策を講ずること。
(3) 「非行なし」決定事案報告要領
前記(1)ウ記載の「非行なし」決定事案報告は、別記様式によること。

別記様式 省略
  

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