平成27年度議事録

平成27年9月11日会議録

開催概要、資料はこちらです。
出席者
(35名)
議員 市谷 知子  木村 和久
銀杏 泰利  坂野 経三郎
島谷 龍司  中島 規夫
浜崎 晋一  濵辺 義孝
福浜 隆宏  藤縄 喜和
前田 八壽彦 山口 享
稲田 寿久  内田 隆嗣
斉木 正一  澤 紀男
錦織 陽子  野坂 道明
浜田 妙子  松田   正
森 雅幹   興治 英夫
川部 洋   長谷川 稔
浜田 一哉  安田 優子
広谷 直樹  西川 憲雄
福田 俊史  伊藤 保
藤井 一博  横山 隆義
上村 忠史  福間 裕隆
内田 博長
欠席者
(なし)

 

説明のため出席した者
  平井知事 林副知事 各部長外

職務のため出席した事務局職員 尾坂事務局長 谷口次長 柳楽議事・法務政策課長

開会 午前10時21分
閉会 午前11時34分
会議録署名議員 稲田議員   福間議員
司会 斉木議長
協議事項 別紙協議事項のとおり

会議の概要

午前10時21分 開会

◎斉木議長
 おはようございます。
 ただいまから議員全員協議会を開会いたします。
 まず、会議録署名議員に稲田寿久議員、福間裕隆議員を指名をいたします。
 それでは、最初に鳥取県人口ビジョン(案)及び鳥取県元気づくり総合戦略(案)の概要について、知事に説明を求めます。

●平井知事
 皆様、おはようございます。
 このたび私どものほうで元気づくり戦略、いわゆる地方創生に当たる総合戦略を取りまとめることといたしたく、全員協議会をお願いをさせていただきました。今議会を通じましてさまざまな御議論もいただきながら、最終的に来月の取りまとめをしたいというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 このたびの戦略をつくるに当たりましては、議員の皆様お一人お一人のさまざまな御意見が出ました。さらに、私どもも市町村を回り、また、経済団体、農業団体、さまざまな団体とも協議をさせていただき、東部、中部、西部での意見の取りまとめを鳥取地方創生会議としてした結果でございます。
 現在進行中でございますのは市町村のほうでも総合戦略をつくっていることでございまして、既に4つの市町村が戦略をまとめました。あわせまして今月中にされ、来月6つの市町村が整えれば全ての市町村ができるということで、スケジュール的には全国でも最速の速度で進んでいるのではないかというふうに期待をいたしております。
 県もそうした市町村の動きと歩調を合わせながら進めていかなければなりません。したがいまして、今議会でこうした御議論を賜りたく、今日提案をさせていただいているものでございます。
 大きな目標は、消滅可能性都市と、いわゆる増田レポートで言われたものをなくそうということでございます。鳥取県の全ての市町村が持続可能な形で発展していける、それを究極の道筋とさせていただきたいと思います。また、それに向けます人口の試算も置かせていただきましたが、合計特殊出生率をまずは希望出生率と言われる県民の皆様の希望しておられる出生率に引き上げる、最終的には人口が置きかわる水準の出生率まで上げていく、これをベースにさせていただきたいと思いますし、また、移住定住につきましても、これも推進を図っていき、自然減はそういう意味で出生率を引き上げるという手法、社会減については移住等でそれをむしろふやしていく方向に持っていく、そういうようなことを究極には目指していきたいと思います。それによりまして、私どものふるさと鳥取県、ここを住んでよし、訪れてよしの誇れる鳥取県にさせていただきたいということであります。
 そのビジョンとして、これも議会の皆様と議論させてきていただいた結果でございますけれども、一つには自然豊かなところで生きていくことの喜び、これを日本中の皆様に御理解をいただき、そうしたいわゆる鳥取イズム、鳥取らしさというものを追求していきたいということであります。また、鳥取は人々のきずなに恵まれまして、そうした意味でセーフティーネットも張られ、豊かな人生を送れるという、そういう強みもあるはずです。そうした鳥取に住むということ、そうした鳥取イズムも追求していくと。あわせまして、鳥取県は例えば通勤時間が短いでありますとか、ゆったりとした人間らしい暮らしを営むリズムがある。そうした鳥取のリズム、これもモットーにしていけるのではないか。こんなことで観光客をふやしていくとか、農林水産業の振興を図るとか、移住定住を進める、子育てを進めるさまざまな目標を具体的に設定をし、これからの地域づくりにつなげてまいりたいと思います。
 ただ、こうしたことは裏打ちとなるものもあわせて必要であります。今日も宮城県の大崎市で堤防が決壊して、大変な事態になっております。また、昨日、茨城県の常総市を初めとした被害が深刻に発生をしております。国土強靱化などのそうした安全・安心の対策を進めていくことは当然ながらベースになります。また、あわせまして交通ネットワークを張っていく等々、地域の下支えとなることがございます。また、市町村と県との連携を図っていく、広域的な連携も島根県を初めとして図っていく。そうしたこともこうした3つのジャンルの前提となることであります。そうした前提となることも含めまして、今回、この取りまとめの中に入れさせていただきました。
 実は先月、皆様には各常任委員会で御説明をしております。ですから、そこで一通りは聞いていただいている内容でございますが、その後、県民の皆様からのパブリックコメントであるとか、若者たちの意見であるとか、市町村や経済界の御意見もございまして、そうした点も加えて、今日ここにお持ちをしているところでございます。この新しい戦略をつくり上げることで県民の皆様の共通の目標をつくって、緩やかな地域間競争が恐らく起こらざるを得ないことにこれからなってくるのだろうと思います。そこを勝ち抜いていかなければいけないと思います。鳥取県は持っている面もあるのだろうと思っています。その証左に、先週末、じゃんけんで優勝したという野球の快挙がございました。私たちの未来をぜひ信じてみたいと思っております。
 活発な御意見をいただき、今議会の間に取りまとめをさせていただきたくお願いを申し上げます。詳細は担当のほうから御説明申し上げます。

◎斉木議長
 元気づくり総本部長に詳細説明を求めます。

●小倉元気づくり総本部長
 それでは、お手元の資料の2、概要版に基づきまして、詳細な説明をさせていただきたいと思います。座らせていただきまして、説明をさせていただきます。
 それでは、資料の2をごらんください。鳥取県の人口ビジョンの案でございますけれども、将来にわたって発展していくということで、市町村が活力を持ち続けて未来を変えていくのだということを基本として、消滅可能性都市をゼロにということを目標にしております。
 そのアプローチにつきましては先ほど知事が申し上げたとおりでございまして、結果として2040年、国推計よりも5万人増えているのだと、2060年には国推計に比べ10万人増えているということを目標にしているものでございます。
 次のページをお願いいたします。鳥取県の元気づくり総合戦略、響かせようトットリズムということで施策を立てていきたいと考えております。基本姿勢でございますが、右のほうに書いていますように、鳥取の強みを生かして、他県に先行した地方創生のモデルにしていくのだということ、基本方針は住んで、訪れてよかったと誇れる鳥取県にしていくということを基本としております。また、施策を立案にするに当たっては、RESAS等ビッグデータを用いた施策立案であるとか検証を行うということを基本にしております。その中で、3つの柱を立てているところでございます。1つ目が豊かな自然でのびのび鳥取らしく生きるということ、2つ目が人々の絆が結ばれた鳥取のまちに住むということ、3点目として幸せを感じながら鳥取の時を楽しむという3つの柱で施策を講じていきたいと考えています。
 右下のほうを見ていただきますと取り組みの推進ということで、現在設置しております鳥取創生チーム会議においてPDCAサイクルを回し、毎年度効果を検証していくとしております。また、その右のほうですけれども、地方創生の実現に向けてということで4つの項目をまず並行して進めるということで掲げているところです。
 次のページに具体的な基本目標でありますとか目指す5年後の姿というものを描いております。ちなみに、自然という柱に対しては、観光入り込み客数1,100万人とか、5年後の姿を国際リゾート鳥取にというようなイメージしやすいような形で打ち出しております。また、一番右ですけれども、この3つの柱をそれぞれセパレートで取り組むのではなくて、その横串もあわせて取り組んでいく必要があるだろうということで、地方創生の実現に向けてということで6つの項目を掲げているところでございます。
 具体的には、次1枚めくっていただきまして、次からが主な施策を列記したものとなります。1つ目の柱の自然でございますけれども、例えば観光交流ということであれば、上から3つ目のぽつですけれども、大山開山1,300年にあわせた大山ブランドのイメージの形成等々、施策として掲げているところでございます。右の下のほうのグリーンで囲っていますのはKPIでございます。そういうふうに見ていただければと思っております。農林水産業につきましては、とっとりアグリ人材育成システムの構築などを主な施策として掲げておりますし、エコスタイルということにつきましては水素社会の実現であるとかメタンハイドレートの人材育成の拠点化というようなことを上げております。
 1枚めくっていただきまして、絆という柱でございますけれども、出会い・子育ての分野では、とっとり出会いサポートセンターの設置でありますとか、子育て世代包括支援センターの整備等を上げております。また、人財とっとりでございますけれども、IJUターンの促進であるとか人材の確保、また、グローバルな分野としては成長3分野における技能労働者の育成というようなことをメインテーマとして上げております。支え愛については支え愛運動、多機能コミュニティ拠点、共生ホームなどの全県的な展開というのも上げているところです。
 最後に、1枚めくっていただきまして、時でございますけれども、移住定住ということで
CCRCの展開であるとかプロフェッショナル人材、また、働く場では何といっても正規雇用1万人チャレンジの断行ということを上げております。最後、まちづくりでございますが、小さな拠点であるとかまちのリノベーションなどによる新たな魅力の創出。また、文化の面では工芸アート村であるとか本県ゆかりの文化芸術分野の魅力発信とか、そういったことをメーンとして上げているところでございます。KPIにつきましては、右の囲っているところでございます。
 非常に簡単な説明ではございますけれども、以上がビジョン、また総合戦略の内容でございます。

◎斉木議長
 そういたしますと、ただいままでの説明に対して、御意見、御質疑等あればお願いをいたします。

○山口議員
 知事にちょっといいですか。先ほど本会議で提案がございましたけれども、創生というのと再生という文言との使い分けなのですけれども、なかなかこれは難しいのですけれども、今日は知事の提案でありましたけれども、第4号議案について、再生のビジョンのことですけれども、なかなか使い分けというのが難しいのですけれども、これをまず。

●平井知事
 先ほど条例の改正案で提案させていただいたときは、国のほうの経済の意味での地域再生法という法律のことでございまして、そういう名称が使われています。ただ、これは新しくクリエイティブに考えるということの意味合いを込めて、政府として地方創生という言葉を基本としては使っていると思いますが、個別の法律領域でそういう言葉が使われていたということだと思います。
 再生というと何か今だめになっているところをもう一度やり直すというニュアンスがありまして、ネガティブな意味合いもあるのではないかということも片方で言われるわけでありますが、経済のことでいいますとやはりそれぐらいのインパクトを持って地域の経済を立て直すのだということで、そうした法律構成もあるのではないかなと思います。
 基本は地方創生という言葉を政府が使っておりますのでそれを基本とさせていただきたいと思いますが、個別の法律の文言などは、それはそれで尊重させていただいておることを御理解いただきたいと思います。

○山口議員
 知事、よくわかりました。横文字でいきますとクリエイティブというお話がありますけれども、まさに新しい時代をつくり直すと、創造すると、その解釈はいいと思いますけれども、法律的な問題もありますけれども、ひとつ市町村が総合戦略を今つくっておるのでしょう、3町が。鳥取県もやられるということで、これとの整合性とか権限とか予算とかいろいろこれはあるわけですが、その調整をいかにされるかどうかです。総合戦略というのは自治体は、市町村というのは県を通して、予算もかかわることでございますが、どういうシステムで総合戦略を立てる際、後の裏打ちをどうするかと、こういうことが一つの大きなものだろうと。

●平井知事
 今回の総合戦略は、市町村にも、首長にも見てもらっております。そういう意味で、逆に言えば市町村のほうの御意見も、例えば畜産クラスターのことであるとかCCRCも現実に2つの町が明確に入れたいというお話があったり、そうしたことのキャッチボールの中で今回、全県を取りまとめるような包括地方自治体として作成をさせていただいております。
 では、その財源的裏打ちということでありますが、これは山口議員も以前からおっしゃっているように、やはり国として一定の後見役を果たさなければならないわけでございます。市町村と県とはそれぞれ別々に交付金が来ることになっておりますし、それぞれの地方交付税の中に今、地方創生の1兆円というまち・ひと・しごとづくりの1兆円が積算をされておりまして、こうしたことなどがその裏打ちになろうかと思います。
 問題は、それが市町村のやりたいことにフィットして財源が賄えるような状態ができるかどうかでありまして、これは別途、やはり制度要求なり予算要求を政府側にもしていかなければいけないと思っております。

○山口議員
 もちろん野坂議員、代表質問者が詳しいことはやると思いますけれども、ちょっと基本的なことだけを。

◎斉木議長
 ほかに。

○市谷議員
 済みません、ちょっと改めて総合戦略の位置づけについて確認したいのですけれども、人口ビジョンのほうで将来的、2040年とか2060年に人口をこうしていくということは書いてあるし、特殊出生率も上げるということを書いているのですけれども、総合戦略は5年間だけなのですよね。それで、5年間の取り組みだけで人口ビジョンが掲げているようなことが本当に実現できるのかなというのも非常に素朴な疑問として思うわけです。だから、ちょっとこの総合戦略が5年間しかなくて、どうこれで実現できるのだろうかと。
 例えば子育てのところでも、いろいろ目標指標というのが幾つか事業が上げられて書かれているのですけれども、実際に子育て世帯の切実な要求というのは財政的な負担が大変だと。だから、子どもを産んだり育てたりするのが大変だということが一番切実な要求で出ているのですけれども、直接そこに触れてあるような目標指標は一つもなくて事業も書かれていなくて、どうなっているのかなと。それから、人財とっとりで高齢者の方のこともいろいろ書かれていますけれども、介護保険料が上がって大変だとか、利用したいけれどもいろんな社会資源や施設が足りないということが恐らく今一番切実な要求なのですけれども、この中には入っていないのです。
 だから、そういう県民の皆さんが抱えている切実な要求というのは恐らく5年間だけではできないでしょうし、何か掲げている人口ビジョンでの目標と5年間の施策との整合性、それから、実際に一番県民が望んでいる、そこをついた要求をどのように、それは計画以外のところでされているというような回答ももらったのですけれども、ちょっとそこら辺のことももう一度説明もしていただきたいなというふうに思います。

●平井知事
 市谷議員からお尋ねがございましたけれども、これはまち・ひと・しごと創生法に基づいて作成するものであります。ですから、法律の念頭に置いておりますのは、いわゆる地方創生というものの戦略を定めるというものでありまして、別に行政全般の5カ年計画をつくるものではございません。また、これは5カ年でありますので、これは多分半世紀だとか、場合によっては1世紀かけて変わっていくような構造問題、それに対する最初の一歩ということにすぎないものなわけでございまして、これで最後の出口までここに全部入っているかというと、もともとの法律がそういうものではないという仕組みになっております。ですから、それはそういうものとして、私どものほうでも作成をさせていただきました。
 しかし、最初にこういうまち・ひと・しごと創生法に基づく戦略をつくることの意味はあると思います。これからどういう方向で人口が減ることを何とか食いとめていくのか、また、子育て環境も整えて、それで出生率を引き上げていくのか、あるいは移住対策とか、またそのための裏打ちとなるような地域経済活性化であるとか、そうしたことのアイデアを市町村や業界団体等とも相談をしながらまとめていくというのが今回のものでございます。
 ですから、おっしゃることはおっしゃることかもしれませんが、子育てにしても、あるいは高齢者の生きがいづくりなどの暮らしのことについても言及をしておりますし、ここに書いていないからといってそれで全てやらないというわけではない。行政の総合計画ではないということであります。
 詳細につきましては、担当のほうから御説明を申し上げます。

●小倉元気づくり総本部長
 2点御質問がございましたけれども、ビジョンにつきましては、先ほど知事が申しましたとおり、法に基づいて総合戦略を立てております。ですから、40年、60年を見据えた当面5カ年の施策を講じていくのだと、第一歩だということを御理解いただきたいというふうに思っております。
 また、子育て、高齢者につきましては、総合計画ではございませんので、人口ビジョンを達成するための施策を今回総合戦略として取りまとめておるところで、総合的なマクロな、物すごく県政全体の計画を取りまとめるものではございません。ですから、どちらかというとナショナルミニマム的なところは総合計画のほうの分野であって、今回は人口ビジョンを達成するための施策ということで御理解をお願いします。

○市谷議員
 済みません、法に基づいての第一歩ということなのですけれども、その他の事業については当然要求もしていくし、やっていくということなのですけれども、それはそうだろうと。これだけが全て切り札ではないと。ちょっとその辺をまず明らかにしないと、何かすごくわあわあわあわあにぎやかにやって、あたかもこれが地方創生なり再生なりの切り札だみたいなイメージというのは、これを見てはそうは思わないと思うのですけれども、何かイメージだけを振りまかれているという点については、ちょっとこれは注意しておく必要があるなというふうに私は思っています。
 それと、子育てについてなのですけれども、ちょっと第一歩にしても、余りにもこれでは薄過ぎるのではないかなというふうに思うのですよ。それで、せっかく第3子の保育料の無償化だとかということも県として取り組んだりしているのですけれども、さらにこれを進めていくようなことをここの中にも盛り込んでいくとかね。だから、何か総合戦略とは何なのかなと。別のところでまた県として頑張ってやっていることもあるわけで、もっとがっつりこの中に盛り込むべきではないかと、それで国にも要求すべきだと。前回もちょっとそのようなことを言わせていただいたのですけれども、ちょっと余りにも子育てが薄いなと。特に人口をふやしていこう、特殊出生率ふやしていこうというのであれば、もっと盛り込むべきではないかと思うのですけれども。

●小倉元気づくり総本部長
 今、概要版だけを見ておられるとは思いますけれども、本体を少しごらんいただきたいと思います。本体の36ページでありますとか38ページですね、いろいろと施策を講じるということを列記させていただいております。またそのためのKPIも、このページに掲げてあるようなKPIを達成していくということでございますので。(発言する者あり)37ページですね。37ページの上から4つ目に市町村と連携した保育料の軽減であるとか特別医療費の助成であるとか、そういったこともこの中にしっかりと書いております。ですから、この本体を見ていただければ、ある程度全部マクロ的に入れているということはわかっていただけるのかなと思います。よろしくお願いします。

○錦織議員
 私はまず初めに、鳥取県人口ビジョンというところの目標が消滅可能性都市をゼロにというのが、ちょっとこれは本当に何かネガティブな感じ、悲壮感あふれた目標だなということで、日本創成会議の推計というのは、これは的を射ていないということは知事もこれに反発しておられるわけなのに、その文言を掲げるというのは、ちょっとやはり今回出されておかしいなというふうに思います。
 それで、まち・ひと・しごと創生法に総合戦略を立てて、これに乗っかって、とれる予算はとってこようということはわかりますけれども、今これの説明をいろいろ、何というかな、パブコメとかいろいろ意見があって変えましたということなのですけれども、私は説明を受けて、一体ここの中でどの部分が変わったのかなということがちょっとわからないのですよね。それで、もしかしたらここは一緒で、こういう冊子はこの中身で変えているということなのかもしれないのですけれども、ちょっと本当ならば前回はこういうことで打ち出していたけれどもここではこうなりましたというふうに何か比較するものがないと、そうか、よくなったなとかというようなことはそういう提案の仕方ではちょっとわからないと思いますが、どうでしょう。

●平井知事
 錦織議員にお答えを申し上げますが、まず悲壮感があふれると、共産党さんはそういう主張を全国的にされているので……

○錦織議員
 いや、別に私が主張しているのですけれども。

●平井知事
 増田レポートの批判をされているわけでありますが、私どももこれについてはやはりもっと冷静にいろんな指標を入れて再算定すべきだという市町村の意見もありましてやりました。ただ、それでもやはり、あちらの定義でいう消滅可能性自治体というものが皆無になるわけではございませんでした。市町村といろいろと詰めていく中で、やはりあれがいわば今回の地方創生の原点のような議論になっておりますので、それがなくなるということを究極の目標にしてそれぞれ頑張ろうということでまとまったのが今回の案でございまして、それはむしろ悲壮感というよりは未来を明るくするためのわかりやすい県民向けのメッセージとしてみんなでやろうということになったものでございまして、御理解をいただければと思います。
 また、今お話のありました改定部分でございますけれども、執行部資料の1に全て記載をいたしておりますので、御参照いただければと思います。

○錦織議員
 やはり消滅可能性都市、別に共産党が言っているわけではなくて私がこれの感想というか、やはりもっと積極的な感じが出ないのかなというふうに思うのですけれども、この人口ビジョンで何ページ、何ページとおっしゃったので、ここの中に、これはもちろんざっと見ましたよ、私はこれを見ましたのですけれども、ではここでは特段変わったところがあるのかということをちょっと聞いたのです。

●小倉元気づくり総本部長
 まず、資料の1でパブコメであるとかいろんな方々の意見はどう反映しているかというのはこれを見ていただければいいと思いますし、その中で2ページ目のパブリックコメントの一番下の全体というのがありますけれども、ここは前回片仮名が多くてわかりづらいということで、注釈を入れるなり日本語に直すなりという議員からの御指摘もありました。それはしっかりとそのようにさせていただいております。
 この概要版の大きく変わった点といたしましては、例えば農業分野で地産地消というのをしっかりと打ち出すべきではないか、そういったことの意見を伺っておりまして、そういったことは新たな取り組みとして主要施策として盛り込ませていただいているところでございますし、また、最後のまちづくりの文化の面が薄いのではないかということも言われておりました。そういったことで、本県ゆかりの文化人を前面に出したような取り組みをしろとか、そういった意見を総合戦略の中に反映させていただいているところでございます。大きくはそんなところでございます。

○伊藤議員
 概略を見させていただきましたけれども、私が言うと、はっきり言うと総花的ですね。2060年に人口を43万人にするということだけれども、2060年にどんな鳥取県にするのだよと、今から20万人も人口が減るのだ。そのときに鳥取県はどんな鳥取県にするのだよというのがちょっと私は絵が描けない。だから、あくまでも5年後の姿でしかない。20万人人口が減るというのは、いろんな部分で大変な想像を絶する鳥取県になると思うのです。5カ年で計画をつくってあるのだけれども、見ても総花的。だけれども、本当に2060年はかなりいろんな分で厳しい環境を迎えるだろうし、鳥取県もあるかないか知らないけれども、そんな状況になると思うのだ。本当に何かそこのところで、見たところこんな総花的なものだけでいいのかなという思いは私にはあります。非常にすばらしい。だから私が言うと過去の市町村がつくってきた総合計画と余り遜色ないなと思って見ています。私からすると違うだろうということが少しあるのですね。60年後というのを想像して、20万人減ったら鳥取県を想像してつくらないといけないのではないのと。当然人口は政府より10万人プラスのところでとめるようにするのだけれども、何かそこら辺が少し私自身イメージがいかないというか、ギャップがあるというか、思いを持っていますけれども、知事、もしあれば。

●平井知事
 この人口ビジョンにつきましては、40万人で何とかとどめようというのが実は一つの狙いどころでございまして、議員がおっしゃるようにいずれ、今から70年後ということになりますが、そこの段階では安定をさせるということを目標にしたいと。それはなくなってしまうのではないかということを今議員もおっしゃいましたけれども、そういうことの傾向を変えるためには、そういう一つの均衡点まで行かなければならないということです。
 ただ、先ほど申しましたように、どうしても5カ年しか書けない計画になっていますから最後のところまで見通せるものではございませんけれども、もちろん必要であればそうした2060年なり2080年、その辺を見据えて、5カ年でここまではやるけれども、最終的にはこういう姿が考えられましょうと、目指しましょうということはメッセージとして盛り込むことも可能かもしれません。
 例えば、恐らく2060年、2080年になっていますと、県内の高速道路網はできています。場合によっては鉄道の高速化などの次のステージもできているかもしれません。さらに言えば、日本が日本だけでなくて、東アジアとか世界とか、完全にボーダーレス化している可能性が高まってくると思います。それに向けて我々がやらなければならないのは、観光交流とかそういうものをふやしていくとか、産業の構造を変えていく、農業についてはそうしたボーダーレス化の時代にも耐え得るような付加価値の高いもの、そうしたいわば一つの強い鳥取県の姿というものを究極には目指していかなければいけないと思います。もちろん子育て等につきましても、その裏打ちとなるようなものがありましょう。そういうのを念頭に置きながら、この5カ年のものというものもここに含ませて書いてございます。では、そういうような目線をどれほど新たに追加して書くかということはあろうかと思いますが、基本的にはそういう将来の流れの中でこの5年間のものを抽出してつくっているということであります。
 若干事業がだんだんとふえてきているのは、市町村だとか業界団体、いろんな方々と話をして、その分をきちんと丁寧に受けとめて入れてきている関係でございまして、骨となるところでは鳥取イズムとでも言うべきような、そうした鳥取で住んでみたいという一つの運動方向をつくり上げていきたいと思っております。

○安田議員
 私はまずお尋ねをします。自然減に対する人口の目標として、2030年までに希望出生率1.95まで引き上げないと2040年の推計人口も出てこないし、さらに2060年の推計人口も可能ではない。まず出生率ですよね。これは産むのは女性ですよね。若い出産可能年齢の女性の数が土台に計算されてこういう数字を出しておられるのかどうか確認します。

●平井知事
 詳細の算定につきましては担当からお話をさせていただきたいと思いますが、議員が今御指摘されるように、これはかなり背伸びをしないといけない。

○安田議員
 でしょう。

●平井知事
 ええ。その分はやはり政策的にこの辺で重点投入していかなければいけない部分がどうしてもある。それは我々もつくりながら意識をさせていただきましたし、市町村も同じ作業をされていますので、認識は深まってきているのではないかなというふうに思います。
 今、政府のほうでも少子化対策として子どもたちの幼児教育の支援をしようではないかと、概算要求段階でも厚生労働省がいよいよ出してきているところもございまして、そうした方向性を国も強めていただきたいと思いますので、その辺も働きかけないといけませんが、我々としてもこれだけの目標を達成していくためには地域を挙げて取り組まなければいけない。そういう決意も込めてこういう数字がつくられているということでございます。
 詳細の計算方法は担当から申し上げます。

●小倉元気づくり総本部長
 人口ビジョンの案の本体の8ページ、9ページをごらんいただきたいと思います。この中で、鳥取県における希望出生率、目指す方向ということで資料をつけさせていただいております。男女5歳刻みで今の人口から将来の人口を推計した上で、この出生率の目標を算出しているところでございます。
 ちなみに9ページの一番上では、希望出生率の算定方式に基づいて算定していますということで、1.95という根拠を記載させていただいているところでございます。また、9ページの下のほうは、これからどういうカーブといいますか、曲線を描いて自然増に向けて取り組んでいくのかというグラフも示させていただいております。現状の分析を行った上で将来設計を行い、また、今の女性たちの希望の数値をアンケート調査をした上で、より確実性の高いデータかなというふうなことでビジョンを取りまとめているところでございます。

○安田議員
 今の説明で、既婚者としての数を算定基準に据えていらっしゃる。私が言いたいのは、結婚する以前に若い女性が鳥取県に魅力を感じて鳥取県に、そこに存在していなければもともとの計算が成り立たないわけなのです。福井県などは高校を出てから県外に出た女性が、大学終わって4年後などに県内に帰ってくる率が2割しかいないと、そういうデータも既にとって、具体的に8割の方に県とか企業とか一緒になって個々に当たって帰ってきてもらうように既に働きかけを始めていると。そのぐらい女性にとってどれだけ県が、行政が力を入れているかということが私は人口を伸ばすためにも、それから地方創生を女性が支えるのだと、労働の意味でも社会を支えるのは女性にかかっているというふうに私は認識をしております。それに対して、総合戦略の女性施策が余りにもちょっと期待度が低いのではなかろうかというふうに思えてなりません。
 鳥取県版の総合戦略の48ページに、女性・高齢者・障がい者など多様な主体が輝く地域づくり。私はこういうレベルの認識では地方創生は鳥取県は果たせないのではないかと。もっと女性は前に出していただいて、重点的な女性を大事にする鳥取県ということを売りにしていただきたい。それで、鳥取県はそういう蓄積をこれまで鳥取県として努力をしてきているはずです、お金もつぎ込んできているはずです。それから、今の段階で平井県政になっていうならば、子育て王国とっとりというのはそういう女性施策をも内包した積極的な施策なのですよ。だから、そういう努力した鳥取県の姿というのをもっと前面に売り出してうたわないと、女性にとって住んでみようか帰ってみようか、そういう県にはなれない、したがって地方創生が果たせない、人口がふえない、そういうことにならないようにしていただきたい。そのことを言いたいと思います。知事、いかがですか。

●平井知事
 安田議員のおっしゃることに同感であります。逆に言えば、それは実は私たちの地域の強みとして最近育ててきた部分でもあります。議員御指摘いただいた48ページ以外でも、36ページで安心な出産、子育ての支援をしますよということも入れさせていただいたりしておりますが、そこら辺はまた書きぶりとして重点の置き方ということはあろうかと思いますので、また議会の御意見をいただければと思います。
 実は女性活躍推進法がこのたび制定をされました。それが施行されるに当たりまして、全国で一番早く輝く女性活躍推進会議を法律上の協議会、官民一体となった女性活躍を支える組織の指定をさせていただきまして、全国でも一番早いタイミングで今、女性活躍推進を押し出していこうという動きになってきております。また、子どもの子育てにつきましては、安田議員のたび重ねての議会の質問から、中山間地や、あるいは第3子の保育料無償化など、全国の先陣を切ってやってきておりまして、結果が出始めていると思っています。例えば先般も若桜の町長とお話をいたしましたところ、ゼロ歳児の子どもが7名、若桜町に入る。それで保育士の手当が大変なぐらいに今なってきているということでありまして、これは鳥取県のそういう子育てを応援をする体制がなければなかった話でございます。事ほどさようでございまして、やはり実効性のある政策を重点的に選択をしながら、女性の活躍や子育て環境を進めて子育て王国を前進させる必要がありまして、その辺は私どもの計画上も目玉になると考えております。

○安田議員
 何か部長がとても言いたそうな顔をしておられますが。

●小倉元気づくり総本部長
 済みません。先ほど推計のお話がございましたけれども、現状、本県におられる女性の方々だけをターゲットにしているのではなくて、入ってこられる方も推計した上でこの合計特殊出生率は出しておりますので、当然、社会増は流入の方も含めた推計になっております。そこを御理解をお願いしたいと思います。

○安田議員
 だから、小倉さん、そうなれば余計に、ますます鳥取県は女性を大事にするのだよということをキャッチフレーズにうたって呼び込まないといけない。鳥大の看護師さんを東京で募集したとき、シングルマザー来てくださいでやったでしょう。あれは非常に私はいいと思う。
 それで、もう一点言わせていただきます。これは何年か前に藤井省三、うちの会派の会長が代表質問でなさったときに、あれは何県ですか、九州でコウノトリ、親が育てられない子どもを、熊本県でした、わざわざ見に行かれて、そのぐらい思い切った手だてをしないと子どもの数はふえませんよとおっしゃった。そのことで私は誘発されて、子育て議連をつくったような次第です。
 それともう一点、そういう思い切った施策と、堕胎が非常に多い、この表に出てこない子どもたちの数を足すならば自然減もある程度減るというのは、私は調べてデータを持っています。ここのあたりも突っ込んだ目線を向けていただきたいと思います。

◎斉木議長
 答弁はいいですね。

○安田議員
 いや、あったら下さい。

●平井知事
 思いは安田議員と同じでございますので、これからしっかりとフォローさせていただきたいと思います。
 熊本のケースについては、実は全国的にも賛否両論がありまして、あれがいいかどうかということはありますが、ただ、女性が住んでみたくなると、その意味の呼びかけができるぐらいの施策もつくり、呼びかけもしていく、そういうような体制で臨みたいと思います。

○横山議員
 一つ、知事が一生懸命やっておられるのはよくわかるのですが、具体的にここに書いてあって、具体性の中でもっとやはり詳細にわかりやすく、いろいろなことを、例えば琴浦町、どこかから琴浦町に子どもを連れて入ってきて、琴浦町の保育園に入れないのだそうです。これは外から入ったら困ると、具体的なこともあるので、もちろん話ししてからすぐ入れたのですけれども、最初に会う人がそういうぐあいな認識だったので、例えばそういう認識をやはり変えないといけない。これは鳥取県全体でやはり認識を変えていかないといけないというのと、それから、例えば海外交流をします、スポーツ交流をします、具体的にどこと誰と、そういうぐあいでないと、言うだけだったら誰でも言うのです。海外観光をしないといけないな。もちろんそういうところは知事は大丈夫だと思うのだけれども、そこに行ったら親善大使ですから。例えば国体の選手がいろいろ県を代表して国体に行く。そうすると、鳥取県の子はいい子だな、入ってきたらきちんと履物は並べるし挨拶はきちんとできるしということは大切だし、それは小学校、中学校、高等学校の教育からかかるものだ。鳥取県出身の例えば大学生などは、鳥取県出身の子どもたちがこれは親善大使です。何といういい子だ。反対は大変な子という。あそこの県は誰か意地悪されるというと、その県のやつはみんなそういうやつばかりだと、こうなるわけです。そういうことからいうと、教育も含めて、いろいろな具体策をもうちょっと詳細につくっていけると、このものは生きてくるのだろうと思います。
 最後に、やっぱりプラス思考です。プラス思考でやらないと、できるはずがない。うちに高校時代にいっぱい来てくれたのだけれども、関西から、県外から物すごく来たのです。それは、うちに来い、うちだったらきちんと面倒見てやる、これです。それをやはり強く思います。魅力がなかったら、何ぼうまいこと言ったってだめです。言うだけだったら誰でも言える。

●平井知事
 琴浦の件、琴浦町は今、町村の中で一番移住者がふえているところの一つでございまして、町当局も今そういう移住対策、子育て支援も頑張っておられると思います。ただ、いろいろな職員なり考え方の人はおられて、開放的に受け入れますよと、応援しますよというムードができ上がっているかということ、まだ十分でないというのがあるのかもしれません。
 また、教育面で人材育成を図っていく、これも今回、柱の中に入れておりますけれども、そういう重要なことも要素としてあると思います。こういうことをそれぞれ、これからは丁寧に、まずは戦略として方向性、同じ方向を見ましょうというベクトル合わせをした上で、では具体論、これを議員がおっしゃるようにプラス思考で一つ一つつくり上げていかなければいけないと思いますし、これは県だけでなくて市町村なり、市町村の中の担当者なり、あるいは村の中の皆さん、そうしたことをやっていかなければいけないと思います。そういう運動を起こしていくための一つのきっかけづくりとしてこういう総合戦略が生かされれば絵に描いた餅ではなくなる、具体論が出てくると思っておりますので、そのように心がけて運用してまいりたいと思います。

○福間議員
 ちょっとこれはピント外れか初歩的な質問か、ちょっと申しわけないですが、これは国へ出して国で、47都道府県も出るのでしょうから、考え方として、採用、ここはだめということは国が今度判定するのでしょう。例えばここに出てきた個別の対応というのは、これはいいプランですねと、いやいや、これはまあまあ鳥取県でもうちょっと考えてやりなさいよという内容になって、出したもの全部これはいいよと、これは全部財政措置の必要なものは裏づけしましょということになっていくのか、あるいはふるいにかけられるものがあるのか、ちょっとそこが僕はよくわからない。ちょっとそこを教えてくれますか。さっきからいろいろお話があるように、ここのことと日常的に鳥取県として総合戦略的なものをつくって、あるべき鳥取県、こうあるべきだな、いろんな施策をやっていますといって、そこのこととの兼ね合いとか、ちょっと私自身がそこをよくわからないのですけれども。

●平井知事
 詳細は担当から申し上げたいと思いますが、先ほど錦織議員もおっしゃいましたように実は2つ性格がありまして、当然ながら戦略は戦略としてまとめて県民の認識の共有を図り、これから何十年かにわたる鳥取のまちづくり、人づくり、仕事づくりの原点にしようということがあります。ただ、もう一つは大変に道具的なことがございまして、これを出して、この上で競争的資金というふうに言われていますが、地方創生のお金を現実に国が配るときの考慮要素になるということであります。したがいまして、ここに書いてあることとして、ここに書いてなければ国が応援することはまずないということになりますし、その戦略が評価できるということになれば、その戦略に対して国の応援の交付金の額がふえる可能性が出てくると。まず10月までに何とか県内でそろえようということにしておりますのは、これもあって実は交付金の配分上、有利に作用するということがわかってきておりますので、今、県内でも取りまとめをしていると。だから、一つのビジョンとしてまとめるということとあわせて、今、福間議員がおっしゃるように、そうした財源獲得競争の中の道具立てとして必要だということもあります。

●小倉元気づくり総本部長
 まず、総合戦略でございますけれども、47都道府県全てが今、出すような意向を示しております。この総合戦略に盛り込まれた内容に基づいて新型交付金が充当されるというふうに言われております。ちなみに、10月までにというのは先ほど知事も申しましたように、今300億円の先行型交付金の配分の対象にしますよという期限が10月までに策定したところということでございますので、各自治体が今頑張っているというところでございます。
 ですから、ここに盛り込まれたものが全て新型交付金で賄えるというものではなくて、地方の単独もあれば他の事業で充当していくものもあるということで、ただ地方創生に向かってベクトルを同じくして事業展開していくということでございます。

○福間議員
 これで終わりますけれども、さっきから市谷議員も指摘があったですけれども、ほかの人も何人かおっしゃっていますけれども、鳥取県の総合的な戦略の中にこれを織り込ませて、ここはちょっと突出させて鳥取県らしさを強調するほうがいいねというようなことに本当は使ったほうがいいのですよね。そうすると、どうもこれがよくわからない。これだけ別につくって、この中に該当しないものは予算措置がつかないわけでしょう。この中でこれはおもしろいプランですねというものは、予算の配分というのはボリュームが上がらないわけでしょう。端的に言うと羅列しただけの話になってしまうわけでしょう。だから、そういう意味では、鳥取県の総合的に5年後にはこういう格好で人口をふやしたいと、あるいは鳥取県の特徴的な子育て王国ということで全国的にすばらしい政策としてやりたいということとこれと兼ね合わせたつくりということのほうが本当は理想的ではあるのではないでしょうかというのはさっき市谷議員からもあり、私もやはりそんな思いというのは持つのですけれども。結局この中で採用されないものもある。端的にわかりやすく言うと、絵に描いただけでしょう。これは今のところ餅でしょう。採用になる餅もあれば、いやいやこれはだめだと、ほかの県と一緒ではないかというものもあれば、それは採用にならないわけでしょう。そこがちょっとせつないところ。私がわかりづらいのです。私にはですよ。一生懸命これをつくったのはいいのだけれども、47都道府県も全部同じようなもので、大したことないですねと、だめとなったら、この餅は食えないわけではないですか。そんな気を持つのですが、そこら辺はどうなのでしょうかね。

●平井知事
 地方創生というのは、これは例えば新型交付金だけで全部賄えるものではないと思います。それは一般財源もつぎ込んで、例えば子育ての問題であれば新型交付金で果たして採用されたか否かでやめてしまっていいかというと、私はそうは思いません。やはりこれはなすべきことだということで、未来の人口増にもつながるし、減少の食いとめにもなる。まして女性の生きがいづくり、暮らしやすさにもつながるとか、やはりそうしたことで最終的には判断されるべきものであります。
 ただ、新型交付金は全体の額は限られたものでありますから、それで全て賄えるわけではありませんし、ましてこれは全部新型交付金だけで出せるということにもなりません。ただ、ではここに書いていないということは、それは財源充当の可能性がなくなるということになりまして、そういう意味ではやはりここに書いておかないと心配だというのは、今、戦略的にはあるわけですね。その辺は市町村のいろんな思いもありまして、とりあえずここにこうやって市町村の意見も、あるいは業界団体のいろんな今後の政策の方向性の思いも含めて書かせていただいたというのはその辺にございます。
 確かにちょっとわかりづらいところはありますけれども、そういう財源獲得競争の中の道具立てとして書いている側面もございまして、ちょっと我々は貧乏県でございますので、その辺の事情も御理解をいただければと思います。

○木村議員
 委員会でも少しちょっとお話しさせてもらったのですけれども、最終的に40万人で横ばいになっていくというのは、概要版にも書いてあるのでそうだろうなというふうに思うのですけれども、それで持続していく仕組みをとにかく鳥取県としてつくっていきましょうということなのだろうと思うのですね。ですから、40万人でやっていける鳥取県の仕組みというものはやはり明確にしていかなければいけないのだろうと思いますが、その横のほうに書いてある他県に先行した地域創生のモデルというふうにあえて書いてありますよね。ぜひこれをやってほしいのですね。先ほど安田議員さんもおっしゃっていたけれども、鳥大医学部の例などはやはりまさにそのとおりだと思うのですね。
 実際それを全県下でやっていくという際に、財源の問題が必ず出てくると思います。例えば子育ての問題などでも、例えば若桜町であれば財源の分母は小さいけれども、その分、数も小さいのでやれるということがあるかもしれない。でも、全県下全体で例えば出生数を上げていこうということになると、鳥取、米子が頑張ってくれないと多分数字は伸びないのだろうと。多分人口減少の一番大きなもとになっているのは東京都の問題、大都市圏の問題なのだろうと思うのですね。それと同じことが多分本県でも言えるのだろうと。そうすると、では今の鳥取市とか、あるいは米子市、そういうところに対しての財政、財源の状況をしっかり把握した上で、でもやらなければいけないのであればやはり手をつけなければいけないのだろうと思うのですね。そのあたりを県と基礎自治体としっかり事業や思いのすり合わせをしていただいて、結果が出る仕組みに必ず持っていっていただきたいなというふうに思います。
 これは多分子育てとか出生数だけの話ではなくて、観光行政であったり、あるいは農業の問題であっても、多分そういうところに県がしっかりコミットメントしていくということがこの部分に関してこれから求められるのだろうと思います。ぜひそのところをお願いします。

●平井知事
 木村議員のおっしゃることのとおりだと思います。先行的な大胆な施策を財源の獲得もしながら進めていく必要があると思います。今、当県としては、保育料の無償化事業など全国にも突出した事業を始めましたけれども、これも市町村とよほど協議をした上ででございますし、実は地方創生の資金の活用も団体としてもされているということもございまして、今回踏み込むことができたという面がありました。上手な使い方をして、地方創生の機運を持続可能な形につなげていかなければなりません。
 今40万人を目標として、そこで均衡するようにという絵を描いておりますが、国の試算からすると、単純に計算しますと20万人台までおっこちてしまうという。ですから、そういうことにならないようにするのはよほど努力が要ることでありまして、市町村とも共同戦線を張ってまいりたいと思います。

○福浜議員
 安田議員の御質問にもちょっと通ずるところがあると思うのですが、子育ての部分、34ページから39ページまでちょっと見てみたのですが、経済界との連携という言葉がちょっと余り見えてこない。34ページに職場という言葉があるのと、それから38ページにイクメンという言葉があるのですが、やはり民間では例えば子どもが病気になったときになかなか抜けにくいようなところというのはまだまだあるのではないかな。もちろん子育て応援企業ということで鳥取県もそういう指定をされておりまして、企業側の御協力というのももらってはいるのですけれども、ちょっとほかのページにそういう部分があったら御勘弁ください。
 そのあたりをちょっとお聞かせいただきたいとの、それから、ちょっとこんなことを言うと男女共同に反する部分があって御批判いただくかもしれませんが、子どもの視点から考えていくと、三つ子の魂百までという言葉があるように、やはりお父さんかお母さんがしっかり3歳までは育てるというのが、僕は今の子どもたちの発達を見ている状況からすると余りにちょっと経済界を重視したような視点のほうが色濃いのではないかなと。子育て王国と名乗る以上は、やはり子どもの視点というものもどこかに入れていただきたい。
 具体的に言えば病児・病後児保育というのをうたっていらっしゃいますが、これはお母さん、お父さん、働いていてくださいと、病気、けがをしても子どもたちはそこに持っていっていただくということなのですが、本来は病気だったりけがをしたときにはお父さん、お母さんがしっかり面倒を見るというのが人間らしい営みではないでしょうか。そういう部分を鳥取としては応援していくのだというような、そういう思いというものが感じられなくてちょっと残念なのですが、ここまで子育て王国をしっかりとやっている鳥取だからこそ、もう一歩踏み込んで、ほかの県からすごいわというふうに言われるような施策というものが果たしてできないものかというのをちょっとお聞かせいただきたい。

●平井知事
 まず、職場という言葉遣いが確かに34ページと38ページでちょっとそごがございまして、趣旨としてはもちろん職場も子育てを応援するということでございます。その辺はまた後ほど議会のいろんな御意見をいただいて、最終的にはファイナライズしてまいりたいと思います。
 また、病児・病後児保育など、子どもたちへの親のかかわりについてであります。これは大切な視点でありまして、多分近々にはこの議論がクローズアップされてくるのではないかなと思います。実は県内の市町村長でも意見が分かれます。伯耆町は0歳児保育については、むしろ家庭で保育をする場合にそちらに給付金を出すという形で、保育園での受け入れでない方向性をあえて我々と共同してやっている地方創生の中でやっています。だからいろんな地域のアプローチがあってもいいのだと思います。まだちょっとこれは、結局そうはいってもやはり職場に行かないと今、貧困の連鎖等の問題もあって、なかなか休みにくいという事情があると。伯耆町の町長も言っていましたが、現実にも企業さんの中にはそういうなかなか子育てに理解がある人ばかりでもないという実情も町長さんもわかっておられて、ですからすごく難しい問題ではあるのですけれども、やはり社会全体で本当はアプローチをしていかなければいけないのだと思います。
 あえて私はそこをどちらかに決めるということにはせずに、その両方の方策で子育てにアプローチをしていくということを認めた上でこういう総合戦略にさせていただいております。具体論は今度はこの次の段階で出てくると思いますので、そこで地域の実践例、あと伯耆町の例がうまくいけば、ではむしろ施設保育をするよりはそちらのほうがいいではないかということになるかもしれませんし、この辺はやはり機動的に現場に即した対応を目指していく、フォローしていく必要があると思っています。

○福浜議員
 理解いたしました。今の言葉の中でも、やはり発達障害プラス愛着障害という言葉が今言われております。やはり生まれた後の親とのかかわりというところの不足が愛着障害の一つの大きな要因になっているのではないかなというところを感じているところで、そのあたりの葛藤をお持ちだということが非常によくわかりましたので、今後も注視して見ていきたいと思います。結構です。ありがとうございました。

○市谷議員
 時間がないのでちょっと要望なのですけれども、さっき子育て施策についていろいろ書いてあるということでページも指定していただいて、ちょっと改めて見たのですけれども、例えば36、37ページのところでありますね。そして、保育料とか子どもの医療費の助成ということは書いてあるのですけれども、これをどれぐらい引き上げていくのかと。今第3子だけれども2子までするとか、そういうもっと踏み込んだものにしていただきたいなというふうに思うのですけれども、今やっているものを書くだけではだめだし、これも何か今やっていることも書かれていなくてどうなのかなと。
 それと、具体的施策と、でもそれを評価するKPIというものがイコールではないのですよ。例えば保育料を第2子まで引き上げたいという目標を評価指標に書いてあるわけではないので、だからいろいろ施策は要るのだけれども、財政的にもカットされる、指標となるKPIのほうにはないのですよね。ちょっと施策とKPIとの関係というのを後でいいので説明していただきたいと。でも、この指標で多分交付金は左右されてしまうのですけれども、これだけで評価されてはたまらないなというふうにちょっと思うので、その辺を説明いただきたいと思います。

◎斉木議長
 要望で、後でいいでしょう。

○市谷議員
 後で、はい。済みません。

○山口議員
 地方創生という形で市町村も総合戦略をつくるわけでしょう。地方創生の当局の省に陳情するわけでしょう。そうした場合において、計画によって直に市町村に対して交付金が配分されるか、あるいは県がどのぐらいかかわりがあるかですね。どういう形で資金が総合戦略に対する財政措置がとられるのか、こういうシステムは。動きをちょっと。

●平井知事
 まだこれは詳細まではっきりしているわけではありませんが、例えば競争的資金のことはもう既に8月末で市町村の分も県の分も締め切っております。これに対してこれから国が審査をして、それに対する配分を決定するということでありまして、県が市町村の分を決めると、特別交付税のような形とはちょっと違うと思っております。
 ただ、いずれにいたしましてもまだ始まったばかりの制度で、これからどうなるかはきちんとフォローして議会の皆さんにも詳細を御報告してまいりたいと思います。

○山口議員
 といいますのは、地方創生に対する独自の財源というのは1,000億円としているという話がありますけれども、本当にこれではなかなか地方の創生計画についてわずかな部分になるわけですね。だから、かわりで交付税であるとか何らかの形の対応ということも必要になってくるのではないかと、こう思いますけれども、そういう形で財源の伴う計画は多いのですが、そのあたりをちょっと。

●平井知事
 今、山口議員がおっしゃったように、交付金だけが全てではないと思います。交付税と一般財源、その中で地方創生充てがどれほど確保されるか。今1兆円というようなお話も出てきておりまして、それがどうなるか。また、あわせて交付金以外の国のほうの助成措置、集計してみますと概算要求段階で7,700億円ぐらいあるというふうに言われております。それがどういうふうになっていくのか、その辺をトータルで見なければいけないと思いますが、大切なのは市町村を含めて、やるべきことがきちんとできるだけの国のほうの支援ができるかどうか、これは継続的なことと総額のことと、その両方において要望していきたいと思います。

◎斉木議長
 御意見がまだあるかもしれませんけれども、これは今定例議会中これから質問戦が始まりますので、委員会なり本会議でしっかりと御意見を提言していただきますようによろしくお願いを申し上げたいと思います。
 以上でこの項については終わりたいと思います。
 次に、鳥取県議会議員全員協議会傍聴要領の一部改正についてお諮りします。
 議会資料1をごらんください。本日開催された議会運営委員会において、乳幼児を伴って傍聴が可能となるよう、鳥取県議会傍聴規則を改正することとされました。つきましては、当全員協議会においてもその改正に合わせて、案のとおり傍聴要領の改正を行いたいと考えていますが、いかがでしょうか。何かございますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御意見がないようでございますので、案のとおり改正することといたします。
 以上をもちまして、本日の議員全員協議会を閉会いたします。御苦労さまでございました。

午前11時34分 閉会 
 



 

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