会議の概要
午後2時30分 開会
◎内田(隆)委員長
ただいまから総務教育常任委員会を開会いたします。
日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
本日の会議録署名委員は、稲田委員と伊藤委員にお願いいたします。
それでは議題に入ります。
本日の議題は、鳥取県美術館整備基本構想についてであります。
この件については、昨年7月以降、5回にわたる鳥取県美術館整備基本構想検討委員会の検討状況について執行部から報告があったところですが、これまでの検討状況について改めて委員の皆様の御意見を伺いたくお集まりいただいたところです。
これより意見交換を行っていただきますが、委員の皆様におかれましては、マイクのスイッチの切りかえをお忘れのないようにお願いします。
それでは、意見のある方はお願いいたします。
せっかくですので、皆様に意見、発言を求めたいと思います。
○西川副委員長
博物館の現状を視察した中で、私は必要性は認められると思います。ただし、問題は、その中で、では新しいところに全て行くのがいいのかということ、跡地の博物館を共用する部分の問題がまだ十分に精査されていないということかなと。議会として、美術館のみで議論できるのではなく、財政の問題であり、それから将来展望であり、これらも十分加味した中で議論がまだ少し不十分なように思います。
それと、今、建設予定地の問題が新聞に出ていますけれども、やはり敷地の問題もですけれども、建物をもし建てるのであれば、私が聞いている範囲内では、どの程度の内容のものとするのかという問題もまだ精査が不十分な気持ちでおります。
○上村委員
私も、これから高齢化時代を迎えているわけですが、なかなか機運が盛り上がらないということがまず大変気になります。ただし、あちこちを見たりするわけですけれども、そんなに仰々しいものではなくても結構ですから、これは県民にとって必要最低限のものであり、今の美術館では雨漏りとか手狭とかいう問題があるので、なるべく早く結論を出したいと思っています。
○稲田委員
この第4回鳥取県美術館候補地評価等の専門委員会議というものが、また5月23日に開かれるということで自宅にも案内が来ているわけです。案内ではなくて、傍聴するということなのだろうと思うのですが、こういうものがどんどんどんどん配られていく。現実に地方のケーブルテレビでも、このいわゆる委員の人たちの活動が伝わっていく、流れていくということになると、ある程度、美術館建設をもう予感せざるを得ない。予見ではなくて、予感せざるを得ない状況がつくり出されておるという事実をまず認識する必要があるのだろうと私は思います。
それともう一つ、ここまで来てしまって果たしてバックができるのかどうかということも考えてみる必要があるのではないかと思っておるわけですね。非常に悩ましい部分だろうと思います。
そこで、何点か問題点を指摘すると、1点目がまず、当初のこの美術館をつくろうという話に至るまでのその前段階の話が、現在ある博物館が非常に手狭だ、保存物が非常に多くなってきた、現在収蔵されておるものを展示をするのに運搬が非常に困難になってきておる、大型化して困難になってきておるというようなもろもろのことがあって、その最初の動機、契機というものとは今かけ離れて、少し認識が発展的に流れてきておる感じを持つわけですね。やはりそこの一番の根本の部分に立ち返らねばならないのではないか。そのためにきょうこうやって委員が議論をするわけですから、そこの部分をしっかり議論する必要があるのではないかと思います。
もう1点が、要するに、美術館をつくることについての必要性の問題。これに幾つかの要素が絡み合っておるわけでして、1点が財政上の問題、2点目が美術・芸術の振興上の問題、もう1点が観光政策の問題、そして現実にもし美術館ができ上がったときには、その経営をどうしていくのかというこの4~5点、美術館をつくるについての必要性というところがあるわけでして、私自身は、一点一点、その財政上の問題とか、美術・芸術の振興上の問題だとか、でき上がったときの経営の問題だとか、そういう問題を一点一点考えていくと、果たしてその美術館の必要性はあるのかという疑問にぶち当たるということなのですね。
ですから、非常に悩ましい問題ですけれども、どちらかにやはり結論を見出さなければならないという点においては、私が結論を先に言ってしまうのはどうかと思うのですが、非常に消極的にならざるを得ないというのが私の結論です。
○松田委員
私は、1点だけですけれども、今回の計画というのは、やはり博物館も含めて議論していかないと前に進んでいかないのではないかと思っております。今回、美術館を新たにということですが、あわせて博物館の改修、そして維持管理もまたかかってくるわけでして、やはりテーブルに2つを乗せて議論していかないと、なかなか最終的な局面には向かっていきづらいのではないかと思いますので、その辺をしっかりと、当局からも提出していただいた上で、議論する必要があるのではないかと思っております。
○福浜委員
自分も何点か疑問点があります。そもそも美術館をつくるということは、手狭になったとか、雨漏りがするとか、温度調整ができないというものは横の理論であって、そもそもこんな美術品があって、ふるさとにはこんなすばらしい作家が過去にいて、そういうものがあるからこそ、では新しく美術館をつくろうということが本流ではないかと。これは稲田委員がおっしゃった、原点に戻ろうということと多分合うと思うのですけれども、そうではないところからの議論のスタートということに非常に疑問を感じているところです。
実際、必要性について50人ぐらいに話を聞いてみたのですが、要るか要らないかと言われたら欲しいと。ただし、85億円プラス・マイナス15億円という経費がかかる、そして美術館を切り離すと2本立てで走ってしまうので、ランニングコストが今まで以上に、年間数億円が余分にかかってくるということを伝えると、ちょっと待てよと。本当にそれが必要なのかという逆の意見のほうが多くなっているというのが現状です。ということは、残念ながら今の鳥取県の民意として、美術に対する関心度というのはそれほど高くはないのではないかな。
そう考えていくと、今回の議論とは別に、ソフト面をもっともっと高めていくことが必要なのではないかなと自分としては思います。つまり、美術の見方というのは、美術に興味がない、関心がない人であっても、例えばピカソがわからなくてもそれなりに楽しむ方法というものはあると思うのですね。例えば芸術宅配便ではないですけれども、小学校、中学校に1つの作品を持っていって、これをどう思う、好き、嫌いといろんな意見が出てくる。それでいいのだよというように、美術の楽しみ方というものをもっともっと県民の皆さんにわかってもらえる努力、せっかく博物館には優秀な学芸員の方がいらっしゃるので、そういうソフト面を充実していきながら、美術館をつくろうという本流の機運のほうにぜひ持っていってほしいと。その部分を、おざなりにとは言いませんけれども、それを抜きにして建設ありきというのは、僕はどうしても納得がいかないというのが今の現状であり、民意も、ある面そういう部分をお持ちの方もいらっしゃるのではないかなと思います。
今現在、年間の入場者数が、常設展と企画展で1万5,000人ぐらいですが、これが新しくつくれば13万人という数字が出ていますけれども、果たして10倍に膨れ上がるほど人が引っ張ってこれるものがつくれるのだろうか、それが本当に85億円前後でできるのだろうか、また財政上の部分を考えていくと、これも機運の話になっていきますけれども、なかなかそこまでの機運は来ていないと思います。トータル的に20万人という数字が出ていますが、そこはやはりかなりきつい数字ではないかなと思わざるを得ません。初年度はいいかもしれませんが、10年後、20年後、果たしてどうでしょうか。
2本立てになってしまいます。つまり、手狭であり、雨漏りをする、温度調整が必要ということは、仮に美術部門を切り離しても、博物館の改修は必要なわけです。そこにお金はどうしても投下せざるを得ないのであれば、私は収蔵庫を別に設けて、今の博物館を改修する手だって選択肢の一つとしてやはり考えるべきではないかと思います。そこに幾らぐらいの経費がかかるのか、そういう数字を見比べた上で議論を進めていく必要があるのではないかと。この部分が見えてこないのが非常に残念だなと思います。
○木村委員
私は、全体として議論が不足していると思います。我々議会は、知事のマニフェストとは別なところで客観的に判断しなければいけないのだろうと思います。ですから、そういった意味で、議会としての客観性、合理性というものを明確に示す必要があると思いますので、まず財政の問題はやはりちゃんとすべきだと思います。仮に100億円使うとしたら、今回の説明では、全て一般財源、県債になると思います。各委員から出ていましたけれども、仮に100億円を20年で返済していくということになると、単年度で5億円。そこに運営費が今乗っているものをスライドさせたとしても、多分6億円、7億円近いものが毎年出ていくことになると思います。これに、先ほど御案内があった現在の博物館の整備費も当然乗ってくるわけですから、これから人口が減り、交付税がこうして毎年減っていく状況の中で、今の経常収支比率の89.3という状況を考えれば、ほかに急ぐ政策が仮に後年度出てきたとしても、これが90をどんどん超えてしまうようなことになれば、新たな投資が非常にしにくい環境が生まれてくると思います。であれば、あったほうがいい施設と、今必要なもの、そして後年度の状況を勘案して若干残しておく政策的な経費、そういうものを客観的、合理的に議会は判断すべきだと思いますので、私は、100億円の試算の中にオリンピックによる資材の高騰等が3~4割見てあるということでしたので、それであればあえて今のタイミングでこの整備をする必要はなくて、オリンピックが終わった後、公共工事がだんだん落ちつきを取り戻すポイントに合わせて、今、各委員がおっしゃっているそもそもの部分から、それから整備手法に関しても、再度十分なソフト整備をして、それからするのであればしたほうがいい。今のタイミングでは少し早いと私は思います。
○濵辺委員
自分自身は、この美術館の建設に当たっては進めていただきたい、建設していただきたいという思いがあります。美術に対する振興、美術を通しての心の癒やしであったりとか、また県民の交流の場所であったりとか、教育の普及の場であったりという部分では必要だと感じているところです。
ただし、今、この美術館を建てるのか、建てないのかということになれば、例えばその規模にしても、財政にしても、また今後の運営、管理面にしても、もっと議論が必要ではないかということを感じているところであります。先ほどから委員の皆さんのお話もありましたけれども、今ここに示されているような美術館を建てて、本当にそれだけの集客ができるのかということになれば、すごく疑問があります。やはり鳥取県の今の現状に見合った、そういう建物が必要ではないか。そういうことを考えたときに、もっともっと議論し、将来に負担をかけないような美術館を建設する必要があると考えております。そういう意味で、もう少し議論した上で取り組むべきと考えております。
○伊藤委員
ほとんど皆さんから出ましたけれども、県民の皆さんも、ないよりはあったほうがいい。もしつくるなら私のところにつくってくれというのが、今の県民の皆さんの感じかなと私も思って見ています。この間ずっと見ていますと、博物館から始まって美術館議論に移行したわけですけれども、その美術館構想もいつまでにまとめ上げるという、要するにゴールありきの議論が少し進み過ぎているのかなと思っています。初めは3月いっぱい、これが6月ぐらいになって、少しずつ延びてきているのですけれども、きょうも多くの皆さん方が不安感を持った意見を出されていますように、もう少し、せめて県議会の議員の皆さん方も納得できるような形の議論、取り組みを進めるべきだなという思いを持っています。
◎内田(隆)委員長
ほかに加えて意見がある方はいらっしゃいますか。
それでは、各委員の皆様より貴重な意見を頂戴いたしました。この意見を当局に伝えさせていただいて、さらなる議論をしていきたいと思いますので、委員の皆様、よろしくお願いします。
それでは次に、その他ですが、委員の皆様、何かございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
意見が尽きたようですので、以上で終わります。
それでは、委員の皆様には御連絡がありますので、この場にお残りください。(発言する者あり)県外調査の件です……。(発言する者あり)
お書きしてあるとおりですので、各委員はよろしくお願いします。
何かありますでしょうか。
○上村委員
私はちょっと失礼しますから。
◎内田(隆)委員長
済みません、上村委員。監査委員ですね。
(上村委員退席)
○濵辺委員
行程表を見た限り、全体的な行程は変わっていないのですよね。
●村中議会事務局調査課課長補佐
変わっていないです。新幹線が間引き運転している関係で、多少早く出たり、鳥取組がなかなかいい列車がなかったので、姫路まではバスで行ったりという点が変わっていますけれども、訪問先は変わっていないです。
○西川副委員長
ちょっとよろしいですか。質問なのですが、今度美術館の説明を受けるということですが、議会のありようというのはどういう形になるのですかね。例えばきょうの委員の問題点を事前に向こうに出すのか、ただ受けるだけになるのか。
◎内田(隆)委員長
いや、先ほど僕がまとめましたけれども、この議論を聞いて、個々の委員さんからきちんと問題点の提示があったと思うのですね。こうしてほしい、こういう議論をしないといけないという。それについて、やはり当局は丁寧に答えていくべきだと思うのですよ。そうしないと議論になりませんから。すぐにつくれといってもつくれる資料ではないので、つくっていただかないといけないのですけれども、副委員長に相談させてもらいながら、資料提出を求めていこうと思うのですが、それでよろしいですかね。
○木村委員
資料提出だけれども、要するに、ここはもう少しよく考えろよと、いろいろな要素はあるけれどもと。それについての資料というのは、現時点で彼らから出てくるのだろうか。
◎内田(隆)委員長
答弁が要りますよね、答弁が。
○木村委員
直接的なやりとりは要るのだけれども、いただいている資料以外に何か彼らがしゃべれることがあるのだろうか。つくる一直線でここまで来ている彼らにとってどうなんだろうか。
◎内田(隆)委員長
いや、でもここで明らかにとまれと言われているわけですから。
○木村委員
そうですね。
◎内田(隆)委員長
考えられると思いますよ。
○木村委員
では、我々はこう思うけれども、どうなのだというやりとりか。
◎内田(隆)委員長
我々の議論を無視して突っ走ることはできないですから。ですよね。そんなことはないですか。
○濵辺委員
それで、今回のことを含めて、この常任委員会で話があるということですか。
◎内田(隆)委員長
では大場館長に、具体的に今の話に答弁ができるような準備ができたら……。
○伊藤委員
総括答弁させればいいのだ。(発言する者あり)常任委員会の中で。
○稲田委員
今度のか。この前、大場館長が来たときには、この6月議会は頓挫するということを言っておるわね。それでも常任委員会で報告事項か何かが入っていますか。
●村中議会事務局調査課課長補佐
31日に検討委員会があります。
○稲田委員
それならそれにひっかけてやるか、それとも頓挫すると言っている……。
○伊藤委員
だから、頓挫するというのは個別のことであって、常任委員会の中ではまだ正式に……。
◎内田(隆)委員長
ひたすら突き進んでいく説明があります。
○稲田委員
突き進んでいく説明になっている。
●村中議会事務局調査課課長補佐
頓挫というよりは、基本計画をつくるのが、6月定例会に向けてというのを、9月ぐらいにと……。
○稲田委員
ちょっとやめて、9月ぐらいにという言い方だったよね。
●村中議会事務局調査課課長補佐
今のところの情報では、出前説明会なり、フォーラムを開いて、その後で県民の意識調査というものを今後やっていこうというような話でした。
○稲田委員
それならまだ前を向いておるわけだな。
○西川副委員長
よろしいですか。今の話を聞くと、この議論なしに行かれたら、もうこれに入り込む余地がないですよ。それで、どこでこれをやるかというのが大事になってくるということです。
◎内田(隆)委員長
では、別日を指定して行ったほうがいいですか。
○木村委員
僕は、稲田委員が冒頭言われたが、県民には期待感がある。でも、その期待感を本当にそのままずっと膨らませるほうがいいのか、いやいや、議会はちょっと違うよと、ちょっと待てよと言っているよということをどこかでやらないと、片方ではどんどん走り続けるわ、いや、我々はそうはいかないわというと、今、西川副委員長が言われるような部分で……。
◎内田(隆)委員長
ではどうしましょう。御相談します。
○稲田委員
別にするか、今度の常任委員会にひっかけるかという話か。(「今度の常任委員会、いつあるの」と呼ぶ者あり)(「31日です」と呼ぶ者あり)
○西川委員
31日と、もう一日ありましたよね。
●村中議会事務局調査課課長補佐
予備調査か審査、閉会前の日に。
○稲田委員
31日でいいのではないか。
◎内田(隆)委員長
31日でいいですか。
○稲田委員
いいではないか。
●村中議会事務局調査課課長補佐
そうしたら、ほかの議題をずっとして、一番最後に博物館だけちょっと……。
◎内田(隆)委員長
別にやって……。
●村中議会事務局調査課課長補佐
ちょっと休憩を挟んで。
◎内田(隆)委員長
それとは別に、我々の意見を聞いた上での総括答弁をもらえますかいうこと。
○稲田委員
それで、大場がここに来るわけでしょう。一番最後にするわけでしょう。それで今までの我々が言った意見をまとめて委員長が一回聞くのだ。聞いてみて、それであと、それに対して皆さんに意見があればするという、そういうやり方だ。(発言する者あり)
だから、言ってみれば、執行部を呼んで問い合わせるようなことになるわけだけれどもね、形としては。ですから、総括的な話を、委員長がきょうの議論を踏まえて全部話をして、それに対する答弁によって我々がまた付随的な意見を言うと。
◎内田(隆)委員長
では、まとめさせていただくと、私が、こういう質問をするよということ、意見を言うよということは、あらかじめ大場館長に伝えさせてもらっておいたほうがいいですね。
○伊藤委員
もちろん、もちろん。
◎内田(隆)委員長
それで、向こうも答弁を準備してもらって、その答弁があった後の議論という形でよろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
それでは、閉会いたします。
午後2時57分 閉会
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