平成28年度議事録

平成28年6月15日会議録

開催概要、資料はこちらです。
出席者
(35名)
議員 市谷 知子  木村 和 久
銀杏 泰利  坂野 経三郎
島谷 龍司  中島 規夫
浜崎 晋一  濵辺 義孝
福浜 隆宏      藤縄喜 和
前田 八壽彦 山口 享
稲田 寿久  内田 隆嗣
斉木 正一  澤紀 男
錦織 陽子  野坂 道明
浜田 妙子  松田   正
森 雅幹   
川部 洋   長谷川 稔
浜田 一哉  安田 優子
広谷 直樹  西川 憲雄
福田 俊史  伊藤 保
藤井 一博  横山 隆義
上村 忠史  福間 裕隆
内田 博長
欠席者
(1名)


興治 英夫
 

説明のため出席した者
中国電力株式会社
  古林常務取締役 芦谷執行役員鳥取支社長 桒谷電源事業本部島根原子力本部広報部長外
 平井知事 林副知事 各部長外

職務のため出席した事務局職員  尾坂事務局長 桐林次長 柳楽議事・法務政策課長

開  会     午後1時00分
閉  会     午後3時04分
会議録署名議員  稲田議員 福間議員
司  会     斉木議長
協議事項     別紙協議事項のとおり



会議の概要


午後1時00分 開会


◎斉木議長
 ただいまから議員全員協議会を開会いたします。
 まず、会議録署名議員に稲田寿久議員、伊藤保議員を指名いたします。
 本日の全員協議会の議題は、島根原子力発電所1号機の廃止措置及び同2号機の特定重大事故等対処施設等の設置について、及び、島根原子力発電所1号機の廃止措置及び同2号機の特定重大事故等対処施設等の設置に関する事前報告についてであります。
 平成25年7月施行の改正原子炉等規制法において、原子力発電所の運転期間が原則40年と規定されましたことを受け、昨年3月、中国電力株式会社では、島根原子力発電所1号機の廃止を決定、電気事業法に基づく届出を行い、同年4月、営業運転を終了されました。
 そして、去る4月28日、島根原子力発電所1号機の廃止措置計画及び同2号機における原子炉建屋への故意による大型航空機の衝突やその他のテロリズムにより、炉心の著しい損傷が発生する恐れがある場合などにおいて、原子炉格納容器の破損を防止し、放射性物質の放出を抑制するための施設等、特定重大事故等対処施設等の設置について、原子力規制委員会への申請を行うに当たり、島根原子力発電所に係る鳥取県民の安全確保等に関する協定に基づき、知事に事前報告が行われました。
 本日は、県議会として、これらの議題について十分議論するため、中国電力株式会社より、古林行雄常務取締役電源事業本部島根原子力本部長、芦谷茂執行役員鳥取支社長兼電源事業本部島根原子力本部副本部長、桒谷正雄電源事業本部島根原子力本部広報部長にお出でいただき、説明を受ける機会を設けました。お忙しいところ、ありがとうございました。
 そして、本日の予定ですが、この後おおむね14時までを中国電力株式会社の説明と質疑とし、その後に、知事に中国電力株式会社からの事前報告についての対応状況の説明を求め、意見交換することといたしております。
 なお、このたびの中国電力株式会社からの事前報告は、これらの議題についてのものであり、そのことを踏まえて質問等を行っていただきますようお願いいたします。
 それでは、中国電力株式会社から説明を受けますが、質問に際しては先日の幹事長会議で取り決めたルールにより行っていただきます。
 まず、古林常務取締役より概要説明をお願いをいたします。

●古林常務取締役(電源事業本部島根原子力本部長)
 皆さん、こんにちは。中国電力の島根原子力本部長をしております古林でございます。
 鳥取県議会の皆様方には、平素から当社事業に対しまして、御理解、御協力を賜っておりまして、厚くお礼申し上げます。また、本日は協議会の貴重な時間を賜りまして、重ねてお礼を申し上げます。
 昨年発生をいたしました島根原子力発電所の低レベル放射性廃棄物流量計の問題につきましては、皆様方に大変な御心配をおかけをしております。これまで再発防止対策に鋭意取り組んでまいったところでございます。今後ともこの再発防止対策を確実に実行し、定着化を図り、地域の皆様方の信頼回復に努めてまいる所存です。
 ちょうど先日、6月3日を原子力安全文化の日と定めておりまして、所内でも、本社と連携しながら、この思いを新たにしたところでございます。
 さて、1号機についてですが、先ほど議長から御紹介をいただいたとおり、昨年の4月30日、1号機の営業運転を停止いたしました。昭和49年3月の営業運転開始以来、長きにわたりまして地域の電源の安定供給に大きく貢献をした電源でございます。今回、その廃止措置ということで、法律に基づきまして廃止措置計画を策定をしたところです。
 また、2号機についてですが、現在、原子力規制委員会のほうで審査を継続実施していただいておるところです。これも法律に基づきまして新たに設置をしなければならない設備がございます。いわゆる特定重大事故等対処施設、それから所内常設直流電源設備です。このそれぞれの設備につきまして、今回計画をいたしたところです。
 これらの計画につきまして、4月28日に鳥取県境港市、米子市の皆様方に対しまして、安全協定に基づいて計画概要を報告させていただきました。これらの計画につきましては、国の許認可をいただく必要がございます。そうした意味で、これから説明をさせていただきたいと存じます。
 当社島根原子力発電所の運営に当たりましては、継続的に安全性向上を図り、廃止措置に関しましても安全最優先で計画を進めてまいりたいと考えております。
 それでは、計画の内容につきまして、桒谷広報部長から説明を申し上げます。よろしくお願いします。

◎斉木議長
 桒谷電源事業本部島根原子力本部広報部長に詳細説明を求めます。

●桒谷電源事業本部島根原子力本部広報部長
 桒谷でございます。きょうはよろしくお願いいたします。
 それでは、お手元の資料に基づきまして御説明させていただきたいと思います。

◎斉木議長
 座ってやってください。

●桒谷電源事業本部島根原子力本部広報部長
 ありがとうございます。では、座らせていただきます。
 まず、資料1、島根原子力発電所1号機廃止措置計画認可申請の概要について、御説明したいと思います。
 まず、資料1の3ページをごらんください。廃止措置ということで書いておりますが、こちら島根1号機につきましては、既に原子炉から400体の燃料を全てプールに取り出しております。この状態から廃止措置を開始いたしまして、まずプールから使用済み燃料の搬出、譲り渡しを行ってまいります。それと並行いたしまして、洗う、待つということでありまして、洗うというのは、配管の中に付着している放射性物質を化学薬品等を使って除染をしていく、汚れを取ってしまうということで、系統除染といいますが、この作業を行います。
 あわせまして、待つということでございますが、放射性物質は、その強さが時間とともに減少する性質がございます。これを利用しまして、放射性物質の放射能のレベルが下がることを待つというところで、このステップを安全貯蔵と言います。
 この洗う、待つというところが終わりますと、今度は解体という形に入っていきますので、まず建物の中の機器、配管等について撤去していきます。それが終わりますと、建物の撤去ということで、外側にある建物を撤去しまして、そうしますと更地という形になってまいります。
 島根1号機につきましては、昭和49年の運転開始以来40年余りにおきまして燃料棒が1本も壊れておりません。核分裂性の生成物というものは全て燃料棒の中に閉じ込められておりますので、廃止措置作業につきましても安全に進めることができると思っております。
 4ページは、廃止措置を行うに当たりましては、原子力規制委員会の認可を受ける必要がございますので、それの流れを示したものです。
 次のページから、具体的に1号機の廃止措置計画について御説明したいと思います。
 まず、6ページをごらんください。廃止措置の手順ですが、廃止措置につきましては、今後30年にわたる作業となりますので、この廃止措置期間を4段階に区分します。まず第1段階として解体工事準備期間というのが6年ございまして、それ以降、第2、第3、第4段階と各8年の作業期間を設けております。
 今回の申請におきましては、この解体工事準備期間につきましては、廃止措置全体の見通しと、第1段階である解体工事準備期間に行う具体的な事項について記載しております。今後、第2、第3、第4段階におきましては、各段階に入るまでに、今回の廃止措置の変更申請の手続を行わせていただくという形になります。
 では、7ページをごらんください。工程でございます。
 第1段階は、2021年までの約6年間を予定しておりますが、この間に行う作業としましては、この表に書いてありますように、まず、先ほど申しました使用済み燃料の搬出、譲り渡しという作業がありますが、こちらは次の第2段階までの計14年間で実施を予定しております。汚染状況の調査につきましては、この第1段階での実施を考えております。
 次の、放射性物質による汚染の除去ですが、こちらは全期間を通じまして作業を行う予定にしております。
 安全貯蔵においては、第1、第2段階は放射能のレベルが下がるのを待ちます。その後、第3段階で原子炉本体の解体撤去に入ってまいります。それが終わりますと、最後の第4段階で、建物の解体撤去という形になります。
 8ページに廃止措置の基本方針を記載しております。この廃止措置実施に当たりましては、安全確保を最優先に進めてまいります。また、使用済み燃料及び新燃料につきましては、設備の解体までに搬出を行います。それまでの間は、しっかりと貯蔵施設に貯蔵を行います。低レベル放射性廃棄物についても、適切に処置を行うとともに、廃止措置が終了するまでに廃棄施設に廃棄を行います。
 9ページに安全管理の体制を記載をしております。廃止措置に関して、この実施体制と品質保証計画につきましては、保安規定に定めて実施します。
 10ページをごらんください。参考として、放射線に対する安全対策ということを記載しております。解体工事準備期間中においては、既存の建物等設備によりまして、施設外への漏えいや拡散防止の機能を維持してまいります。解体作業を実施する際には、絵に描いておりますように、原子炉建物内の作業での対策例ですが、汚染状況の調査を踏まえて汚染の拡大防止の囲い、局所フィルタ、または排風機等を設置しまして、しっかりと安全対策を行ってまいります。
 11ページをごらんください。事故防止対策でございます。地震、台風等の自然現象に対しては、建物等の機能が損なわれないようにするとともに、災害、爆発等に対しても安全対策を徹底してまいります。
 なお、原子炉を停止して既に6年が経過しておりますので、使用済み燃料からの崩壊熱も非常に小さくなっております。このため、仮に燃料プールの冷却水が全量なくなった場合の燃料健全性の評価を行っております。12ページをごらんください。まず、通常時におきましては、使用済み燃料が722体ありますが、こちらは水に漬かっております。水深約12メートルの水中で冷却された状態になっています。この状態から、冷却水が一気になくなったということを仮定しまして、燃料被覆管の温度について評価しております。その結果、燃料被覆管の温度上昇につきましては、空気の自然循環により燃料が冷却されまして、摂氏260度程度の上昇にとどまるということですので、燃料の健全性が損なわれないことを確認しました。先ほども御説明しておりますが、既に6年停止しているということで、崩壊熱が停止直後の約5,000分の1以下にとどまっております。そういうことによりまして、被覆管温度の上昇が摂氏260度程度にとどまるということです。ちなみに、運転中の被覆管の温度は摂氏300度程度ですので、それ以下の温度にとどまるということです。
 13ページをごらんください。島根1号機においては、福島第一原子力発電所の事故を踏まえた安全対策を実施しております。絵に実線で描いている緑や青の線が3本ありますが、こちらはもともとからあった燃料プールを冷やす機能です。仮に電源等がなくなった場合に、福島の事故を踏まえて、可搬型の設備を備えたものでございます。送水車により外から直接プールに水を入れたり、本設のポンプを動かすために外から高圧発電機車をつなぎ込んだりということによりまして、プールの中に水を入れるような対策を講じております。
 14ページでは、解体の対象となる施設について記載しております。2号機または3号機において使用する固体廃棄物貯蔵所などの共用施設等がありますが、これらを除いた(1)から(7)が解体の対象となるものです。なお、(4)の制御室建物につきましては、2号機の中央制御室と共用していますので、その共用部分は対象から除くことになります。
 続きまして、15ページで、廃止措置に伴い発生する低レベル放射性廃棄物の管理について御説明いたします。
 表の左側に、解体工事準備期間中について記載しております。気体、液体、固体、これらの廃棄物につきましては、運転中と同様に、廃棄物の種類、性状等に応じて適切に処理等を行ってまいります。
 表の右側の第2段階以降に発生する放射性廃棄物につきましては、第1段階の解体工事準備期間中に汚染状況の調査を行いますので、その調査結果を踏まえて、各段階に入る前までに管理方法を定め、廃止措置の計画変更ということで申請することで考えております。
 16ページは、この第1段階である解体工事準備期間中に発生する廃棄物の管理を示したものでございます。
 それでは、17ページで、廃止措置に伴って発生する固体廃棄物について御説明したいと思います。
 廃止措置に伴い、第2段階以降で発生する固体廃棄物につきましては、低レベル放射性廃棄物、放射性物質として扱う必要のないもの、放射性廃棄物ではないもの、に区分できます。さらに低レベル放射性廃棄物につきましては、放射能のレベルに応じて、L1、L2、L3と区分できます。図に描いてありますが、L1というのは、赤枠で示した原子炉の中心部ということで、炉内の構造物等が該当しますので、比較的放射能のレベルが高いものです。L2というのは、赤枠の外側の黄色い線で示したところで、原子炉の圧力容器等が該当します。L3というのは、緑で示しており、原子炉の格納容器、また隣のタービンの建物にある復水器、これらが該当するというものです。
 18ページに発生する量を記載しております。低レベル放射性廃棄物は、L1、L2、L3とありますが、推定発生量は、3つ合わせまして約6,080トン、全体の廃棄物の量の約3.5%と推定しております。それ以外につきましては、放射性物質として扱う必要のないもの、これをクリアランス廃棄物といいますが、こちらが約11%。それと、汚染されておらず、放射性廃棄物ではない、一般の産業廃棄物と同様に扱うことができるものが約85%、という割合になります。ただし、いま御説明した発生量はあくまでも推定値です。当社が現状試算したものですので、より詳細な発生量につきましては、第1段階で行う汚染状況調査結果を踏まえて確定してまいります。
 19ページから、先ほど御説明したクリアランス制度というものを御説明したいと思います。
 絵がありますが、皆様も1年間に自然放射線を年間約2.4ミリシーベルト浴びていらっしゃいます。クリアランス制度というのは、この100分の1以下である年間0.01ミリシーベルトという基準値ですが、この以下であることを国が確認した廃棄物のことで、一般の方の健康への影響から設定されたものでございます。
 20ページに、この発生する固体廃棄物の廃棄について記載しております。
 低レベル放射性廃棄物の埋設方法に関しては、もう既に規制制度の枠組みが整備されておりまして、L3のレベルのものは、トレンチ処分といいまして、ごく浅い地中に埋めることができます。L2は、ピット処分と言いまして、現在運転中の低レベル放射性廃棄物として、青森県六ヶ所村の日本原燃の埋設センターというところに埋設しておりますが、これと同様の方法で埋設できるものです。L1は、やはり放射性レベルが若干高いため、余裕深度処分といいまして、地下50メートル以上の地中に埋設することが、制度の枠組みにおいて整備されています。このうちL2、L3につきましては、既に審査を行うための規定基準が策定されていますが、L1についてはまだ制度設計中という形です。したがいまして、この低レベル放射性廃棄物であるL1、L2、L3につきましては、廃止措置が終了するまでに、廃棄施設にしっかり廃棄してまいります。廃棄先についても、廃棄施設への搬出が必要となるまでに確定いたします。
 続きまして、21ページに、廃止措置に伴う費用について記載しております。
 1号機の解体に要する費用として、現在見積額として382億円を想定しております。
 次に、第1段階である解体工事準備期間中に行う具体的な事項について、御説明してまいります。
 23ページに、燃料の搬出、譲り渡しと記載しております。使用済み燃料については、平成30年度上期に竣工予定の青森県六ヶ所村にある日本原燃の再処理工場に全量搬出して、再処理事業者に譲り渡す計画をしております。
 使用済み燃料の搬出の流れとしては、写真で記載しておりますように、専用のキャスクに入れた後、海上輸送しまして、青森県六ヶ所村に運んでまいります。搬出につきましては、1号機の燃料プールから直接、または2号機の燃料プールを経由して行いますが、譲り渡しに関しましては、第3段階の開始までの14年間で完了させることとします。こちらで2号機を利用すると書いておりますが、1号機と2号機の天井クレーンの容量の違いにより、1号機から直接搬出しますと22体しか燃料が搬出できませんが、2号機を利用しますと1回当たり32体の燃料が搬出できるということで、場合によっては2号機を経由するということも考えております。
 新燃料につきましては、現在92体、まだ未使用の燃料がございます。プールのほうに76体、新燃料貯蔵庫というところに16体貯蔵していますが、第2段階の開始までの6年間で燃料の加工施設に全量搬出して、加工事業者に譲り渡す計画としております。
 24ページが汚染状況の調査ですが、第1段階におきましては、解体方法を計画をしたり、先ほど申しました廃棄物の発生量を確定するということが必要ですので、そのためにこの汚染状況調査を実施します。
 25ページが系統除染です。この系統除染は、これまで1、2号機の定期検査におきまして既に実施している実績がある工法であるため実施いたしますが、あくまでも安全確保を最優先にして除染を行うものでございます。
 除染範囲につきましては、絵で描いてありますように、原子炉の圧力容器の中で着色した部分が比較的多く汚染が残っていると想定されますので、こちらを中心に除染してまいります。除染に関しましては、化学薬品等を使って除染を行いますが、先ほど御説明しましたように、定期検査等で既に実績がある工法です。また、この化学除染に使用した廃液が施設に出るということはありません。これにつきましても、これまでもしっかり管理をしているということで、施設外に出ることはないと思っております。
 26ページで、管理区域外の汚染のない解体撤去ですが、写真に示すような主変圧器などにつきましては、管理区域の外にあり、汚染がありませんので、準備が整い次第、解体撤去に着手してまいります。
 27ページが放射線管理です。解体工事準備期間中は、汚染された区域の解体作業を行わず、必要な設備につきましては維持管理を行うということですので、この表に参考と書いている基準値及び原子炉運転中の年間線量に比べまして、解体工事準備期間中における想定の線量は低く抑えてあります。
 28ページには、この解体工事準備期間中に想定する事故の線量評価を行っております。第1段階の中でも、使用済み燃料の作業を行い、放射性物質を内包しているものを取り扱いますので、仮に放射性物質の放出を伴うような事故が起こった場合どうなるかということを想定したものです。
 評価の結果、敷地境界における被曝線量は0.00049ミリシーベルトという値になり、5ミリシーベルトという基準値に対して非常に小さいということで、放射線の被曝リスクを抑えることができます。
 30ページ以降が添付資料ですが、30ページは高レベル廃棄物の処分です。原子力発電所から使用済み燃料を再処理工場に運び出し、まだ使えるウランや新たにできたプルトニウムを取り出した残りの廃液をガラス固化したものですので、1号機の廃止措置の作業中に発生するものではありません。
 31ページに、我が国の廃止措置の状況を記載をしております。
 左側は島根1号機と同時期に廃止措置を表明しました日本原電の敦賀1号機、関西電力美浜1、2号機、それから九州電力の玄海1号機の様子です。また、四国電力の伊方1号機につきましても、この5月10日に廃止措置の表明がされております。
 右側は、現在進行中のものでございますが、日本原子力研究開発機構のJPDRにつきましては、既に廃止措置が完了しております。中部電力浜岡1、2号機及び日本原電東海発電所につきましては、現在第2段階までの廃止措置が進んでおります。また、ふげんにつきましても、現在廃止措置が進んでおります。
 東京電力福島第一原子力発電所につきましては、事故によって廃止措置となりましたので、溶融燃料等の冷却のために冷却水が汚染水となって、その取り扱いが課題になっているというところですので、現在行われている他の廃止措置とは大きく違っております。
 また、海外でも、3万キロワット以上で11基の廃止措置完了が行われているという実績がございます。
 32ページにつきましては、1号機の歩みを記載したものです。
 それでは続きまして、資料2で、島根原子力発電所2号機の特定重大事故等対処施設及び所内常設直流電源設備について、概要を御説明してまいります。
 2ページに、特定重大事故等対処施設ということで記載しております。
 こちらは、以下、特重施設と呼ばせていただきますが、故意による大型航空機の衝突やその他のテロリズムにより、炉心の損傷が発生するおそれがある場合などに対し、放射性物質の放出を抑制するための設備です。現在、発電所におきましては、重大事故に対応するために、送水車等の可搬の設備を用意しております。この特重施設は、この可搬設備のバックアップとして、格納容器の破損防止対策を実施するための信頼性を向上させるための設備です。
 3ページ目に、その施設の概要を記載しております。設置場所といたしましては、耐津波性能がしっかり確保できること、耐震性がしっかり確保できること、そしてテロ等により原子炉建物と同時に破損することを防ぐため、例えば原子炉建物から100メートル以上離れた場所に設置すること。そのような条件がございます。
 工程につきましては、記載のとおりですが、特重施設につきましては、現在審査を受けている本体施設の工事計画認可日から、5年以内という設置の猶予期間が設けられておりますが、大規模な工事となりますので、このような長期にわたる工程となっております。
 4ページにはイメージを記載しておりまして、5ページに特重施設の設備概要を記載しております。左側の黄色で示したものが特重施設ですが、真ん中の辺りに、減圧操作設備というのがございます。赤い実線で示しておりますが、原子炉の圧力が上昇した場合に、この減圧操作設備によりまして原子炉の圧力を下げるものです。その下の注水設備というのは、原子炉または格納容器に水を入れる青い線のところです。そして、少し右に、原子炉格納容器過圧破損防止設備というのがあります。現在、フィルタベント設備というものを設置しておりますが、もう1台追加してこの第2フィルタベントを設けます。機能としては、現在設置をしている第1フィルタベントと同様のものです。これらの減圧、注水、フィルタベントの電源となる電源設備、これらを動かすための緊急時制御室、これらが一体となって特重施設というものです。
 続きまして、8ページをごらんください。所内の常設直流電源設備というもので、新規制基準でのさらなる信頼性向上対策として、この常設の直流電源設備が設けられております。
 9ページをごらんください。充電器と蓄電池がセットになっておりまして、電源が喪失した場合、24時間にわたり蓄電池からの電源が供給できる仕様となっております。
 10ページがそのイメージを示したものです。緑の点線の枠で示したものが、従来からある電源設備です。左上にある外部電源、送電線がなくなった場合に備えた原子炉建物内に非常用の発電機、そして蓄電池を現在用意しております。新規制基準ではこれに追加して、青色で示す重大事故等対処設備というものを設けております。左上にあるガスタービン発電機、建物の右側にある高圧発電機車、そして建物の中にあります蓄電池、これらが現在審査を受けている設備です。この2つの設備が機能をなくして電源を失った場合のバックアップのため、原子炉建物に隣接した場所の地下に、充電器と蓄電池を設置します。1系統目、2系統目の電源がなくなった場合に電源を供給するというものが、今回設置する直流電源設備でございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

◎斉木議長
 ありがとうございました。
 ただいままでの説明に対して、御意見、御質問等ございましたらお願いをいたします。
 まず、自由民主党の浜田議員。

○浜田(一)議員
 御説明をいただきました。我が家は原子力発電所からおよそ18キロメートルと、恐らくこの中で一番近いところに住んでおりますので、質問させていただきます。
 鳥取県と交わされた安全協定を踏まえて、当県、境港市、米子市に対して立地自治体並みに廃止措置の段階に応じた事前報告を行っていただく必要がありますが、どのように認識しておられるのか、また対応に違いはないのかを伺います。
 2点目、稼働をやめた廃止措置中の原発とはいえ、周辺環境への影響には懸念があります。福島原発では多くの汚染水が発生して、その対応には苦慮されているようですし、建物や設備等を解体する際には多くの粉じんや廃材等も発生するのではないかと考えております。放射能を帯びたものなど、どのようなものが発生し、またどのような対策が図られるのかを伺います。
 3点目、六ヶ所再処理工場で処分するとされている廃棄物について、30年かけて処分をするとされていますが、2009年から試運転延長を余儀なくされているこの施設で、現段階において稼働のめどは立っているのか、仮に稼働ができない場合はどうなるのかを伺います。
 4点目、安全協定の条文中、損害の補償について、発電所の運転等に起因して県民に損害を与えた場合において、とありますけれども、どういった場合を想定されているのか。例えば想定されている範囲内での自然災害によって事故が発生したとき、不慮の事故が起きたときや廃止措置中の事故についてもこれに該当するのか、また補償の内容についてはどのように考えておられるのか。以上4点伺います。

●古林常務取締役(電源事業本部島根原子力本部長)
 ただいま4点について御質問をいただきました。
 まず、安全協定の今後の取り扱いといいますか、廃止措置期間中における扱いについて御説明を申し上げます。
 先ほどの資料で御説明をいたしましたとおり、30年間の廃止措置の期間を4つの期間に大きく分けて実施いたします。まず、今回は準備期間ということで、当初の6年間と、全体の工程の内容について御説明させていただいたところです。今後、6年後に第2回目の第2期を迎えることになりますけれども、その第2期、それから第3期、第4期ということで、今後節目の時期を迎えることになります。その都度、変更許可申請という手続を行うことになりますので、その都度、安全協定に基づく事前報告ということが必要になると考えております。したがいまして、その時期には改めて計画の内容について、御報告を申し上げるということになろうかと存じます。
 汚染水に関する御質問を承りました。今回、第1期の期間中におきまして汚染状況の詳細な調査を行うわけですが、原子力発電所で発生する放射性の物質といいますのは、主に水の中に溶けている不純物が放射化されて、コバルトや鉄ニッケルといった物質が主要な核種ということになります。燃料がこれまで壊れておらず、燃料棒の中に存在する核分裂生成物は燃料の外に出ていないということですので、東京電力の福島の廃止措置とは大きく事情が異なるということです。
 汚染水につきましては、今回規制基準の申請のときにも鳥取県の皆様からも汚染水対策ということで要請いただいておりまして、既に発電所の1号機、2号機を囲む地下の状況については、外部からの水が入らないよう一連の壁を構築したところです。もちろん施設の中での汚染物はろ過をして処理するため、発電所の中で管理ができると考えております。
 六ヶ所への使用済み燃料の搬出にかかわる件でございます。現在、六ヶ所におきましては、再処理工場の建設ということで、竣工をまだ見ておりません。これまで長期にわたり建設を実施をしてこられたわけですが、燃料を剪断し、出てくる廃棄物を処理するという、ガラス固化の廃棄物を作成する過程において非常に大きな課題があったと伺っております。これにつきましては、平成25年までに対策が講じられておりまして、既に課題の解決を見ている。さらに、六ヶ所の再処理工場におきましても、現在新しい規制基準に基づいて国の審査を継続して受けておられます。この一連の審査の中で、既にこの4月までには、いわゆる基準地震動といいまして、施設の耐震評価をするもとになる地震動というものが、大筋で国の了解を得ておられます。今後も審査が続きますので、その状況を注視をしていきたいと考えておりますが、平成30年の上期中には、竣工が可能であると日本原燃から発表されているところです。
 安全協定に基づく自然災害の場合の補償というお話がございました。今回の東京電力の福島の事故においても御承知のとおりですが、事故が発生した場合、一部の戦争状態などの状態でなければ、一義的に事業者の責任です。風評被害を含めまして、安全協定に基づいて当社の責任ということになっております。現在、廃止措置にかかわる内容につきましても、安全協定に盛り込まれていますので、これもその対象になると理解をしているところです。

○浜田(一)議員
 一部、答弁漏れがあります。事前報告が立地自治体と同等に対応されるのかということ。もう一点、今の六ヶ所の再処理工場が稼働ができなかった場合には工事が延長になるということなのでしょうか。その対応はどういうふうにされるのか。その2点、お願いします。

●古林常務取締役(電源事業本部島根原子力本部長)
 大変失礼いたしました。安全協定の運用にかかわる立地自治体との関係でございますけれども、これまで鳥取県、境港市、米子市の皆様方に対しまして、文書によって立地自治体の協定と同様で対応するということで文書をお出ししております。今後とも、そういった意味では立地自治体と同様の対応でございますので、御報告をいたします。
 六ヶ所の再処理工場が稼働できない場合ということについての御質問です。先ほど申し上げましたとおり、六ヶ所稼働の確実性は非常に高いというふうに考えておりますが、万一、この六ヶ所の再処理工場が稼働しなければ、現在3,000トンウランあります使用済み燃料プールの
98%、99%が、燃料で今いっぱいの状態でございますので、燃料プールが空きません。したがいまして、稼働しない場合は、燃料がすぐ出せないということになりますので、次の第2段階に入る段階で計画を見直さざるを得ないということはあり得るかと思いますが、現時点では、先ほど申し上げましたとおり、稼働の確実性は高いと考えているところです。

◎斉木議長
 続いて、民進党、森議員。

○森議員
 何点かにわたって質問させていただきたいと思います。
 先ほども質問がありましたが、やはり六ヶ所村の件が、かなり不透明だと。電気事業連合会のほうの情報としては、大丈夫ということだろうとは思うのですけれども、ものすごく大きな事故になり得るということで、非常に心配しています。ここから運び出して、青森に行けばもうそれでいいのだ、ということではないと思っています。きょうの話でも、燃料棒が壊れていないので放射性核種は全部中にあるのだと。その意味では安全な状態なのですけれども、それを壊して再処理するということで余計危なくなることをやっていくわけですから、その意味では、危ないものだと思っています。
 そこで、浜岡原発の廃止措置では、乾式キャスクも使って、外に出して乾式キャスクで保存をするというようなこともやりつつあるようなのですが、そういったことは考えていないのかどうか、全部燃料プールから直接運び出すということを考えていらっしゃるのかどうか、そのあたりをまずお伺いします。
 次に、低レベルの放射性廃棄物、L1、L2、L3で、具体的にどれぐらいあるという資料をいただきました。これは、具体的にどれぐらいの放射性があるものなのでしょうか。L1が原子炉容器ですね。先ほど、どういった施設に持っていくというお話がありましたけれども、具体的にそれはいつどこにできて、どういったものをどういったところに運んでいくのかということをお話しいただきたいです。
 あと、除染といいますか、中をまず放射性物質を薬液で洗って、その薬液をこれまでも処理しており安全に原子力発電所内で処分するというお話なのですけれども、具体的に薬液というのはどれぐらいの放射線量があるもので、どれぐらいの量が出て、また最終的にどんな処分になっていくのか。まずそのあたりをお願いいたします。

●古林常務取締役(電源事業本部島根原子力本部長)
 まず、浜岡の事例を踏まえて、島根の発電所で使用済み燃料の貯蔵、いわゆる中間貯蔵のことかと存じますが、これについての考え方についての御質問でございます。
 現在、使用済み燃料の保管の状況を見ますと、1号機は、先ほどから申し上げておりますように、722体の燃料を1,140体ある燃料プールの中に保管をしておるところで、それ以外にも新燃料も少し入っているわけですが、今後も引き続き搬出に向けて準備をしていく。それから、2号機につきましては、現在、燃料プールに保管をしている使用済み燃料が約2,000体弱ありますが、管理容量を考えて870体ぐらいの余裕があります。まだ稼働しておりませんので今後の見通しを申し上げる状況ではないのですけれども、1年間運転をいたしますと、2号機の場合120体から140体ぐらいの燃料の取りかえを行います。そういった意味では、2号機のプールについてはまだ余裕があると考えております。したがいまして、2号機についてのいわゆる中間貯蔵、燃料をキャスクに入れて敷地内に保管をするということについては、現時点考えておりません。
 薬液で洗っての放射線量の話をいただきました。廃棄物についての説明は、後ほど桒谷部長から申し上げます。
 薬液での洗浄につきましては、先ほどの説明の中でも、経験があると申し上げております。これまで原子炉に接続する比較的大きな配管で、原子力発電所で一次系の水を原子炉に送り込んで攪拌する設備の配管を、PLRというふうに呼んでおります。こういった配管の取りかえをするために人が近づいて作業しますので、その中の配管を、いわゆるシュウ酸系の酸を使って洗うのですけれども、酸を攪拌して配管の内面を除染をするという作業を実施した経験があります。十分、人が処理できるレベルの放射性物質の量で、被曝の安全上問題のあるようなレベルではないというふうに考えております。液体につきましても、循環で使用しまして、廃棄物処理系で処理をするということですので、発電所の中で処理をして管理をしている状況です。

●桒谷電源事業本部島根原子力本部広報部長
 放射能のレベルにつきましては、法令上決まっておりますけれども、上限値ということで一番高い値ということで一例を御説明させていただきます。まず、コバルト60につきましては、L3というレベルにつきましては、1トン当たり10掛ける10の9乗ベクレルという数字になりますが、L2になりますと、1掛ける10の15乗ベクレルという値になります。L1につきましては、コバルト60は該当いたしませんので違う物質で御紹介しますと、炭素14というのが1トン当たり10掛ける10の15乗ベクレル。これはあくまでも法令上の濃度の上限値という形です。 また、これらの低レベル廃棄物の搬出先につきましては、先ほど御説明いたしましたように、現在まだ未定です。これから30年かけて作業を行うわけですけれども、その中で事業者についても選定されて、その施設に搬出するということです。搬出が必要になる時期までには搬出先を確定しまして、責任を持って対応していくということです。よろしくお願いいたします。

○森議員
 L1、L2、L3の具体的な話を聞いてちょっと失敗したなと思いましたが、全くわけがわからないなと。これまで、福島の事故でも、1キロ当たり8,000ベクレルであれば、普通のものとして扱うのかについて、いろんな意見があります。今の話は1トン当たりでされましたので、私にはわからなくなってしまいましたけれども、しっかり管理しなければならないものということですね。かなり厳重な施設がつくられなければいけないのだろうと思うのですけれども、茨城県でしたか、現在既にもう終わったところがあるという話がありました。そういったところは、もうそのような施設があって、廃棄しているのかどうか。
 そして、あと、クリアランスの廃棄物が2万トン、放射性廃棄物ではないものが15万3,000トンあるということですが、これは一体どこに行くのか。どこに持っていかれようとしているのかということも伺いたいと思います。
 また、廃液というのは、その廃液の状態でずっと保管をされているのか、何らかの処理をされてどこかに処理をされていくのか、またそれがどれぐらいのレベルのものなのかということをお答えください。

●桒谷電源事業本部島根原子力本部広報部長
 既に廃止措置を完了しておりますJPDRにつきましては、施設内で管理をされておりますし、現在実施中の東海発電所につきましては、L3のレベルにつきましては敷地内に貯蔵するということで現在申請されているところです。
 クリアランスと放射性廃棄物でないものについては、クリアランスは今後再利用するという方向で現在検討しておりますが、例えば資料1の19ページに書いてありますように、東海発電所では、クリアランスにつきましては、ベンチ、クレーンの試験用のおもり、遮蔽体などで再利用されています。放射性廃棄物でないものにつきましても、同様に再利用するということで検討していきたいと思っております。

●古林常務取締役(電源事業本部島根原子力本部長)
 化学除染をした廃液の処理について、御質問をいただきました。先ほど申し上げましたとおり、酸を使って洗浄します。その中に線量の高い放射性廃棄物が出てきますので、その物質については、ろ過をして樹脂に吸着させ、高いレベルの放射性物質を保管するタンクで貯蔵する。それから、ろ過をして出てくる水は、線量の状況に応じて再利用する。それから、タンクにためる。そういった管理をするということでございます。

○森議員
 最後、いいですか。

◎斉木議長
 いや、1回切りにしてください。
 公明党、澤議員。

○澤議員
 私のほうは、ちょっと森議員から言われてしまいまして、言おうと思ったことをもう少し角度を変えてお聞きしたいと思います。
 レベルのことですが、先ほど数値を上げておっしゃいました。これは、第1期、2期、3期目以降にこういうことが始まるのではないかと思うのですが、そのときに、いわゆるレベル1、レベル2、レベル3の数値になっているということなのか、ということが一つ。また、現状はどういう数値なのか全く見当がつかなかったものですから、そのことを教えていただきたい。
 それとあわせまして、その解体処理では、どういう処理の仕方で撤去作業をしていくのかということも伺いたい。
 それと、基本的なことになりますけれども、解体費用、つまり廃止措置の費用についてお聞きしておきたい。説明では382億円という数値が出ており、現在の積立額が347億円で平成35年までに費用の残りを積み立てていくということです。これはこれで理解できるのですが、今後の経済状況などで、将来的に増額部分が仮に残った場合、消費者に転嫁することについてどういう考えをお持ちなのか。

●古林常務取締役(電源事業本部島根原子力本部長)
 放射性廃棄物の廃炉作業について、L1、L2、L3ということで、原子炉の周りの線量の高さに基づいて色を分けて御説明をしたところです。基本的に、L1と呼ばれる地下50メートルから100メートルに収納する比較的線量の高い廃棄物につきましては、原子炉周りの燃料から中性子の放射線を受けるといった、近傍にある材料が中心になります。放射線が非常に高い物質で、通常保管する場合も水中に保管をしなければなりません。
 L1、L2、L3と、放射性物質のレベルに応じて必要な管理をしていかなければならないわけです。L2につきましては、現在も青森県の六ヶ所村において、ドラム缶の形で島根の原子力発電所からも搬出をしており、ピット処分といいまして、地中にコンクリートの部屋をつくり、その中にコンクリートを埋めて格納している。それから、L3という放射能レベルの非常に低い物質につきましては、トレンチ処分ということで地表近くに埋設するということです。
 作業のスケジュールにつきましては、今後、第2期からそういった廃棄物が出てきます。第1期の線量評価の中で、廃棄物がどれぐらい出てきて、どういう作業をしていくかということを決めていきたいと考えております。
 廃炉費用にかかわる御質問をいただきました。現在、平成20年に電気料金を改定した際、廃炉費用ということで、300キロワットアワー程度を使用いただいている平均的な家庭で、約12円の費用が含まれております。こういった費用が今後どう変化してくるかということについては、しっかり精査して見ていかなければならないと思っております。今後まだ35億円の積み立てが必要になっていきますが、こういった費用で実施していけるよう対応していきたいと考えています。

◎斉木議長
 次に、希望(のぞみ)、川部議員。

○川部議員
 使用済み燃料の搬出、譲り渡しについてお伺いします。
 現在、722体の使用済み燃料が燃料プールに貯蔵されており、水がなくなっても摂氏260度ぐらいで安定しているということですが、搬出の期間である2016年から2029年の間に、どういうふうに運び出すのか。一遍に運び出すのか、少しずつ運び出すのか。
 それから、輸送中、搬出中の責任ですね。事故の想定などはどうされているのか、誰が責任をとるのかを教えていただきたい。

●古林常務取締役(電源事業本部島根原子力本部長)
 使用済み燃料の搬出につきましての御質問です。これまでも、1号機、2号機から使用済み燃料の搬出をした実績があります。六ヶ所に搬出しておりますが、1号機におきましては、一度に5つのキャスク、つまり容器を使いまして搬出しております。特別のキャスクに22体の燃料が入りますので、船で輸送しますと、110体の燃料が搬出をできるということです。これまで何度か燃料輸送しておりますけれども、そういった輸送の形態をしております。
 輸送の安全性についての御質問です。発電所において、キャスクを外部から搬入しまして、燃料プールに沈めて使用済み燃料をキャスクに入れ、ふたをして水から上げて、外観検査をし、放射線の検査をするということで、容器の安全性を確認をして船に乗せて搬出することになります。
 発電所構内においては当社の管理責任で、船に乗せた時点で輸送業者の管理責任が生じてくるということになりますが、キャスクにつきましては、国の審査を受けている安全性の高い輸送容器で、さまざまな事故を想定した検査などをしております。例えば、輸送容器の健全性については、火災とか、外部で落下した場合にどういう問題があるかなどの検査。あるいは船にしましても、二重船殻構造といいまして、非常に沈みにくい船を使うなどの安全対策がとられている状況です。

○川部議員
 輸送中は搬送業者の責任だということですけれども、安全対策についても、単なる放射能の問題だけではなく、想定されていない事故や、テロ等も含めての安全対策が必要だと思うのです。それらについて、当然鳥取県以外の自治体も通るわけですけれども、何らかの説明なり、報告なり、途中何かあったらどうするということについての話というのは、中国電力の責任ではないからされないのでしょうか。

●古林常務取締役(電源事業本部島根原子力本部長)
 使用済み燃料につきましては、当社の品物です。輸送の経路に関連しまして、海上保安部や警察などの関係機関と連携をとって実施をするわけでございますが、この輸送に関しましても安全協定に基づく連絡の対象になっています。この関係につきましては、自治体の皆さんとも連携をとりながら実施をするということです。

◎斉木議長
 共産党、錦織議員。

○錦織議員
 それでは、私のほうからも少し質問したいと思います。
 私たち共産党は、廃炉を求めてきましたし、廃炉には大賛成です。3.11の福島原発事故を受けて、安全神話から抜け出すと。国民の運動が今回の廃炉に向かわせたと思います。島根原発1号機、沸騰水型の廃炉が決まったのは去年の3月。全国では5基目になるのでしょうか。使用済み核燃料は2029年までに搬出を完了するということですが、九州電力玄海原発1号機は去年12月に申請して、廃止措置の終了までに再処理施設へ搬出するということになっていますし、日本原電敦賀原発1号機は今年2月に申請して、これも同様に廃止措置の終了までに再処理施設に搬出するという計画です。関西電力美浜原発1、2号機は、同じように今年2月に申請されていますが、原子炉周辺設備解体までに廃止する施設から搬出するということで、時期については明記しておられないのですね。それで、他の原発よりも島根原発1号機は遅い申請となりますが、再処理施設への搬出完了予定が早いのはなぜなのか。工法が、具体的にほかのところと違っているのかどうか。
 先ほども質問があったのですけれども、使用済み核燃料の搬出ができなかった場合の計画を立てるべきではないかと思いますが、その点はどうでしょうか。
 先ほど民進党の森議員からも指摘がありましたが、再処理工場が動き出して六ヶ所村に行けばいいということではないと思います。核燃料サイクルの実効性について、どのように考えておられるか。六ヶ所村に搬出して、MOX燃料工場でウランとプルトニウムを精製してMOX燃料をつくり、プルトニウムを燃やす一番の要である、もんじゅですね。もんじゅが今どういう状況であるかを見ますと、1995年にナトリウム漏れ事故を起こし、ほとんど稼働せずにこれまで国費が1兆円を超えて使われてきて、維持管理でも毎年200億円を使っています。技術面やコスト面の課題が多くて、ほとんどの諸外国、先進国では撤退しているわけです。昨年11月に原子力規制委員会は、運営主体を日本原子力研究開発機構から別の組織に変えなさいと、文科省に勧告しているのですね。事実上破綻していると思うのですけれども、この核燃料サイクルの実効性について、中国電力の所見をお尋ねします。
 それと……(発言する者あり)いや、まとめていますから。
 特重施設について質問させてもらっていいでしょうか。原子炉の建物がアメリカのツインタワーのようなテロ攻撃があっても守れるということなのか、またこの2つの施設が襲われることは想定していないかということについて質問します。

●古林常務取締役(電源事業本部島根原子力本部長)
 大きく2点御質問をいただきました。
 まず、1点目、サイクルに対する考え方、所見はどうかということです。
 御案内のとおり、平成26年4月に閣議決定をしているエネルギー基本計画の中で、我が国はサイクル政策を堅持をするということで、エネルギーが少ない中で原子燃料を有効に使っていこうという基本的な方針が確認されております。中国電力におきましても、この大きな方針に基づいて、原子力の燃料を有効に活用してまいりたいと考えております。
 搬出できない場合に計画を考えなくていいかという御質問も承りましたが、先ほど申し上げましたとおり、サイクル施設の稼働の確実性は高いと考えております。現時点では、六ヶ所の再処理工場の竣工に向けて十分な対応をとっていただけると考えているところです。
 テロ攻撃に対する原子炉施設の強度についても御質問いただいております。今回の特定重大事故等対処施設は、法律に基づいて、原子炉の炉心の損傷があった場合でも、格納容器の中に放射性物質が閉じ込められるような対策が必要だという観点から、これまでの安全対策に加えてさらにもう一段安全対策をとろうということで、5年の猶予をいただいて設置するものです。原子炉建物というのは厚いコンクリートに覆われていて、一般の建物に比べますと格段に強度を有しており、安全性は非常に高いと考えておりますけれども、万一、原子炉が損傷するようなことになっても、さまざまな安全対策により外部に放射能を放出しないような対策がとれるように、我々としても最善の対応をしてまいりたいと考えております。

○錦織議員
 答弁漏れがあります。搬出完了予定がほかのところよりも早いというのを。

●芦谷執行役員鳥取支社長(兼電源事業本部島根原子力本部副本部長)
 搬出計画については、それぞれの電力会社が責任を持って立てるということで、それぞれの電力会社の考え方で、それぞれの電力会社の思いが入っていると思っております。
 我々としては、なるべく早く使用済み燃料を出してほしいという地元の要望等もありますので、そういうことも踏まえて、六ヶ所の稼働状況等も考えながら、14年間の中で搬出をしていきたいと考えているところであります。

◎斉木議長
 錦織議員、時間がかなりオーバーしているので、的確に。1回だけ追及は認めます。

○錦織議員
 核燃料サイクルについて、はっきりした答弁ではなかったと思うのですけれども、利用目的のないプルトニウムの保有についてはどのように考えられているでしょうか。たまってくるのですよね、実際には。もんじゅが稼働しないし、実際にはたまってくるのですよね。国際取り決めに抵触するのではないか、ということについての見解です。

●古林常務取締役(電源事業本部島根原子力本部長)
 議員御指摘のとおり、利用目的のないプルトニウムは保有しないという基本的な考え方を従来から堅持しております。六ヶ所で再処理を今後行いますと、さらに新たなプルトニウムが発生するわけです。もんじゅの稼働は、現状文科省の管轄で新たな受け皿を検討されているところですが、電力事業者の中で16基ないし18基の発電所でプルサーマルを実施しますと、約5.5トンから6.5トンのプルトニウムを消費できるということです。新たに発生する使用済み燃料から発生するプルトニウムを考慮しましても、従来から蓄積しているプルトニウムと合わせて消費が実施できると考えております。我々としては、プルサーマルについての重要性を認識しながら、実現できるように今後とも努力してまいりたいと考えております。

◎斉木議長
 続いて、無所属、長谷川議員。

○長谷川議員
 これから長期にわたって、また莫大な費用を要して廃炉計画に向かっていくわけですが、今、40数年前を振り返りまして、島根原発1号機の原子炉設置認可時に出された審査資料では、法定耐用年数は16年、残存率10%で減価償却するとされておりました。また、使用年数を約30年と考えられていたところですが、40年過ぎた今日、どのような現状認識をお持ちかということをまず1点。
 それから今後に向かって、廃止措置に当たっては大量に発生する低レベル放射性廃棄物の埋設管理が課題となります。資料1の18ページなどを見ますと、低レベル放射性廃棄物、放射性物質として扱う必要のないものなど、割と大きな区分になっております。しかし、大量の発生量なので、ここをもう少し明らかにしていくことが、住民の安心感につながるのではないかと思います。原子炉等規制法の中でも再生利用の基準値は100ベクレルとありますし、それ以上は厳格な管理体制が必要となるわけですから、ベクレルで表現していただきたい。特に住民説明などに際しては、資料としてきめ細かいものを求めたいと思います。
 住民説明ということになりますと、これから適時、随時という場面が想定されるわけですが、廃炉措置に当たっては、どの程度の段階のときに今後県民に向けた機会を持っていただけるのか。これが2点目であります。
 3点目は、1号機の使用済み核燃料の取り扱いをするときに、現在は1号機敷地内で十分可能であって、2号炉などの敷地を使うことはないとおっしゃったように思います。2号炉の計画は1号炉よりも2倍の規模を持ちます。3号炉になりますと、現在の1号炉の3倍ということになります。

◎斉木議長
 長谷川議員、質問してください。

○長谷川議員
 そういうことになりますので、あくまでもこの廃炉計画では、1号炉敷地内で全てを、搬出を含めて完了していくということを明言いただきたいと思います。
 以上3点、お願いいたします。

●古林常務取締役(電源事業本部島根原子力本部長)
 まず、1号機の管理や費用のお話をいただいております。機器の寿命評価、減価償却という意味では、御指摘のとおり、一般的に16年というものが適用されます。しかしながら、設備というのは年限がたちますと入れかえていきますので、新たな設備が加わることになります。したがいまして、こういった原子力発電所施設というのは、20年、30年と節目を迎えるときに、それぞれの健全性評価を国が実施するいうことで、それぞれの時期に次の10年間の運転が安全にできるのかということで管理をしております。新たに設備が置き換えされているという御理解をお願いしたいと思います。
 クリアランスにかかわる廃炉廃棄物の管理について御指摘いただきました。確かに大量に発生をするものですが、自然から受ける放射線の量から見ましても、100分の1以下ということで、管理が要らない廃棄物として区分をされているもので、可能な限り再利用する方向で利用したいと考えております。
 住民説明会についての今後の見通しを御質問いただきました。今回、この申請に当たりまして、鳥取県内でも境港市において説明会を実施しました。それ以外にも、ホームページや新聞へのチラシの折り込み等、さまざまな方法で住民の皆様にお知らせする努力をしてきたところです。今後については、今計画を持っておりませんけれども、御理解をいただけるよう、努力してまいりたいと考えております。
 使用済み燃料の敷地内での管理ということで、御質問もいただきました。現時点で、2号機から使用済み燃料を搬出をしなければならないケースが、どういうケースかということになろうかと思います。1号機から搬出しますと、5つのキャスクを使って搬出をした実績がありますし、2号機からですと、6つのキャスクを使って一度に192体搬出をした実績があります。そういった意味で、2号機を経由して運ぶケースもあり得るということを申し上げておりますが、可能な限りは1号機から搬出できるよう今後調整をしていきたいと考えています。

○長谷川議員
 どの会派議員もおっしゃったように、この廃炉計画の本当の即効性、それから実現の見通しを立てていかなければいけません。意気込みも大切でありますが、多角的な面から検討して、本当に実効が上がるように望んでおきたいと思います。

◎斉木議長
 要望ですね。
 以上で中国電力株式会社からの説明は終わります。
 中国電力株式会社の皆様には、大変お忙しいところおいでいただき、また、丁寧な御説明、御答弁をいただきましたことに対して、まことにありがとうございました。本当に感謝を申し上げます。

●古林常務取締役(電源事業本部島根原子力本部長)
 どうもありがとうございました。

◎斉木議長
 暫時休憩いたします。再開は10分後といたします。


午後2時27分 休憩
午後2時37分 再開


◎斉木議長
 再開します。
 島根原子力発電所1号機廃止措置及び同2号機の特定重大事故等対処施設等の設置についての、中国電力株式会社からの事前報告への対応状況について、知事に説明を求めます。

●平井知事
 皆様こんにちは。本日はお忙しいところ、全員協議会によりまして、私どもの考え方を聞いていただく機会を設けていただきましたことに感謝を申し上げます。この部屋もまだ熱気がこもっていて、熱心に中国電力からも聞き取りいただいたことに感謝を申し上げます。
 今、古林常務取締役からもいろいろとお話があったことについて、実は我々執行部も同様の聞き取りをさせていただきました。この件につきましては、中島議員の代表質問で、私からも全協で御相談する機会をいただくことになるだろうと申し上げました。また、錦織議員も一般質問で触れられたところでございます。
 皆様もいろいろとお話を聞いていただき、それぞれに思うところもおありかと思いますが、今日この場で執行部として皆様とすり合わせた上で、このような回答を中国電力に寄せてはどうだろうか、さらには国に対して申し入れるべき事項もあるのではないか。こんな問題意識で、現在の案を取りまとめさせていただいております。もちろん今日の議論を踏まえて、最後は詳細な文言にまとめて、中国電力に返答を出すという形にさせていただきたいと思います。
 中国電力との関係等でございますが、4月28日に私どもで聞き取りをさせていただき、専門的な部分が大変多いものですから、5月16日に県政顧問の会議、原子力安全のアドバイザーですが、意見をいただきました。顧問からは、これについては申請させてもいいのではないだろうか、その上で内容は後ほど十分に聞き取ることを行うべきではないだろうか、というようなお話が主としてございました。
 その後、5月21日に当方より中国電力に申し入れたことに基づき、中国電力が境港市において住民向けの説明会を開催され、22日には境港、米子両市と合同で安全対策協議会を行いました。その後、両市においては全員協議会が開催をされました。これは錦織議員の一般質問のときにも申し上げましたが、本日の全員協議会で示された内容を、両市長とお話させていただき、聞き取りしたところです。
 そうしたさまざまな御意見を集約する中、議会での御議論も踏まえた中、結論として申し上げれば、最終的な回答は今回留保をすると。その上で要請すべきこと、通告すべきことは条件づけとして申し上げる。その上で、今後審査に付されることになります原子力規制委員会で十分安全性の確認の審査はしてもらわなければなりません。その後、その内容について原子力規制庁や中国電力から当方で状況を聞き取らさせていただき、また同じ手続になりますが、原子力安全顧問、両市の合同の安全対策協議会、住民説明会、また米子市、境港市の御意見、こういうものを踏まえた上で、最終的な回答はまた改めて行うという段階を踏んで、返答させていただいてはどうかと思います。
 その際に、幾つか通告や留保すべき条件もあろうかと思います。今の状況で皆様からも大分御質問がございましたのは、使用済みの核燃料などを今後どういうふうに処理をしていくかということでありまして、こういう処理体制というものはしっかりしてもらう。安全で、そして実効性のある管理、処分を行ってもらう。これを申し入れる必要が一つあるのではないかと思います。
 また、立地自治体と同じように、我々周辺地域も扱ってもらわなければならない。これは私も重ねて確認を中国電力に求めておりますが、この際、改めての協定改定の要望も含めて申し入れをする必要があるのではなかろうかと考えております。
 そのほかにも、例えば使用していない核燃料の運び出しのことであるとか、また核放射性の廃棄物の始末をつけて撤去をしていくということが出てきます。こういうところにも安全かつ実効性のある管理、処分というものを求めていかなければならないと思います。
 お聞き取りいただきましたように、今後段階を踏んで、中国電力は1号機の廃炉を進めていきます。まずはこれから当面の間は準備段階でございます。その後、第2段階として周辺建物の撤去、それから本体の撤去等に入っていくと。こういう段階を踏んでいくわけでありまして、その段階ごとに我々としては事前の協議を求める。こうしたことも条件づけとして行うことでセーフティーネットを張っていく、安全を確保していくということが望まれるのではないかと考えてございます。
 こうしたこと、それから両市の考え方、聞き取らさせていただいた考え方など、担当の城平局長から御報告を申し上げたいと思います。

●城平危機管理局長
 失礼いたします。それでは、6月12日に両市との意見交換をしておりまして、そのときにコメントが出ております。資料は3ページ目の資料1にございます。まとめて整理をさせていただきました。
 まず、6月8日に全員協議会を開かれた境港市の中村市長からコメントをいただきましたが、今回の報告につきましては反対という声はなかったので、市としては了解をするけれども、原子力規制委員会の審査結果、中国電力からの報告を受けて、その段階で最終的な是非の判断をしたいということでした。
 そして、次の○のところに書いておりますが、立地市並みの安全協定を結ぶように今後も強く要請していくということがございました。
 そして、3つ目の○のところですが、放射性廃棄物の処分についての懸念が非常に多く出ていたので、この点についてはしっかりと国にも求めていかないといけないということがありました。
 米子市は6月10日に市議会の全員協議会が開かれておりますが、野坂市長からは、中国電力には申請手続を進めてもらいたいけれども、安全対策、立地自治体と同等に一連の手続を扱うこと、審査結果はわかりやすく説明をすること、防災対策についての費用のこと、使用済み核燃料の管理、処分に関する問題などについて、附帯意見をつけて中国電力に申し入れていくべきということでございました。
 あわせまして、島根県知事、国などにも、同様の意見を提出していこうということでした。
 そして、一番下の○ですが、最終的な意見につきましては、国の原子力規制委員会の審査結果を受けた上で提出したいということでした。
 次の4ページに、米子市が6月10日の市の全員協議会を受けてまとめられた資料をつけさせていただいております。先ほど概要をお話ししましたが、下のほうに米子市の要請事項というところがございます。ここに掲げてありますように、安全第一であること、立地自治体と同等とすること、防災対策の費用のこと、廃止措置計画について使用済み核燃料、放射性物質の管理や処分の責任を持つこと、そして特定重大事故等対処施設については、前回事前報告のときに要請した事項について対応することなどがまとめて書かれてございます。
 このような両市の御意見や、今議会での議論を踏まえまして、1ページが現時点の案をまとめたものでございます。2番目の項目で、中国電力との安全協定上の取り扱いなどについてのことですが、今回は最終的な意見は留保して、条件を付して回答しようということ。今後、事前報告の可否に関する最終的な意見は、原子力規制委員会の詳細な審査を受けた上で、皆様と協議をした上で提出していこうということ。そして、安全協定についても、立地自治体と同内容への改定を再度強く求めていこうという方針です。
 3番目が要請事項でございます。安全対策につきましては、地域住民の安全を第一として万全な対策、それから放射性物質の漏えい防止対策に万全を期すこと。2番目が、立地自治体と同等に扱うこと。そして周辺地域の声を反映させること。3番目が、審査結果、審査状況や審査による変更、追加内容についても説明を行うこと。4番目が、原子力防災対策の費用負担を行うこと。5番目が、廃止措置計画についてですが、使用済み燃料、新燃料、放射性廃棄物について、責任を持って安全な管理及び実効性ある処分を行うこと。そして、廃止措置段階に応じた安全対策を講ずること。このようなことを言っていこうということです。6番目が特定重大事故等対処施設、これは2号機の関係ですけれども、平成25年12月の事前報告時に中国電力に回答しており、それにのっとって引き続き適切に対応してもらおうということです。
 なお、この回答につきましては、裏の2ページに掲げてございます。平成25年の12月17日にしたものですが、下のほうを見ていただければ、2番目の項目では、再稼働に向けての一連の手続に対して、立地自治体と同等に対応すること。4番目では、汚染水対策の適切な実施。5番目では、宍道断層などの活断層を含めて適切な対応を行うこと。6番目では、フィルタベントなどシビアアクシデント対策を適切に実施すること。7番目では、万全な原子力安全対策に責任を持って行うこと。これらのことは、今回の特定重大事故等対処施設は2号機での追加ですので、引き続いて対応をということで主張してはどうだろうかということです。
 4番目の項目が、国、島根県に対する回答でございます。
 国への要望につきましては、所管の省庁が3つに分かれておりますけれども、安全を第一とした厳正な審査、周辺地域の声が反映される法的な仕組み、防災対策に費用を負担する仕組み、避難についての調整というようなこと。そして、2つ目の項目では、今日も皆様から多く議論がありました使用済み核燃料、新燃料、放射性物質の処分等の体制の確立に向けて、国として取り組むことということを入れております。
 2番目が、覚書に基づく島根県知事への意見の提出でございます。この覚書に基づいても、中国電力に提出した意見と同様の意見を提出するということです。
 島根県のほうの現時点の考え方ですが、5ページをごらんいただければと思います。島根県総務委員会に6月13日に提出された、その時点での執行部の考え方というものでございます。
 今回の報告に対しまして、2段階の了解をしていこうということで、1番の(1)のところですが、廃止措置、それから特重施設については、申請のみ今回了解をすると。(2)ですが、最終的な了解は、周辺自治体などの意見を聞いた上で、原子力規制委員会の説明も受けて、総合的に判断していこうという方針を出されております。3番目が、諸条件を要請していこうということで、次ページ以降につけてございます。
 2番のところで、今後の取り扱いでございますが、立地自治体、周辺自治体の意向を聞く。それから、(2)では、覚書に基づいて提出された意見は中国電力や国のほうに伝えるということを出しておられます。
 この6月13日の総務委員会を受けまして、島根県のほうの最終日が6月17日でございます。その日に取りまとめをされて、そのような方向になりましたら、覚書に基づいた意見照会が鳥取県のほうに島根県から届くというふうになっております。
 次の6ページ、中国電力への要請事項が廃止措置の関係でございます。島根県も3番目で使用済み燃料についてのこと、4番目では放射性廃棄物の確実な処分のこと、それから6番目では放射性物質の漏えい防止対策などについて意見を出していこうということで考えていらっしゃいます。
 9ページが特重施設、第3系統についての中国電力への要請事項でございます。島根県のほうでも、平成25年12月の2号機に係る申請了解時に要請した事項について、引き続き適切に対応するということを総務委員会にかけられています。
 これらを受けまして、今後、今日の全員協議会の中でまとまった方向によりまして、国、あるいは島根県のほうにも要請していこうと考えてございます。

◎斉木議長
 ただいままでの説明に対して御意見、御質疑等ございましたらお願いいたします。

○山口議員
 島根県に要請するといったら、どの項目だろうか。

●平井知事
 1ページの4の(2)に書いてございますけれども、覚書で、私どもの意見も踏まえて島根が回答すると言っています。ですから、おおむね中国電力に申し入れる内容に沿って島根県側に回答したいと思います。

○市谷議員
 ちょっと幾つかあります。先ほど中国電力からの説明を聞きまして、改めて原発というものは一度つくると廃炉にするのも大変困難だということを思いました。ですから、再稼働につながるような廃炉の計画であってはならないというふうに改めて思ったのですが、その使用済み核燃料の扱いについて、六ヶ所村で再処理すると。つまり、危険で保有量が制限されてくるようなプルトニウムを製造するということを前提にして、それ以外の処理の選択肢は考えないという態度でありました。さらに、このたまったプルトニウムどうするのかと聞いていくと、プルサーマル計画で処理するから大丈夫だと。保有量を減らせるのだということまでおっしゃったわけなのです。
 こういう、原発の再稼働ですよね、プルサーマル計画。それを危険な形で強化していくことを前提にした廃炉計画になっているということについては、私は知事のほうからも、本当に安全にとおっしゃるのであれば、こういう原発再稼働に道を開くようなやり方はだめだということを、きちんと意見として言っていただく必要があると思いました。その点について知事の御意見を伺いたいと思います。
 この解体処理の費用ですが、澤議員がいろいろ聞かれたのですけれども、今回示されている費用もこれまで電気代に含まれて徴収されていて、今後さらに費用がかかって、差額が示されておりますけれども、今までと同様に利用者の電気代に転嫁していくと。そういうやり方でいいのかなと。きちんと電力事業者の責任で費用は出すべきだということを求めていただく必要があるのではないかと思います。
 3点目に、その使用済み核燃料を海上輸送するという話で、鳥取県の安全協定との関係で、事前にそのことについては鳥取県には御報告いただくと。当然だと思いますけれども、海を渡っていくわけですから、どんどん情報を出せばいいという問題ではないかもしれないですが、漁業関係者とか、その経路にかかわる自治体関係者とか、その輸送経路にかかわる関係者や自治体にきちんと情報を伝えておくということは欠かせないと思うのですけれども、それについても要望していただきたいと思います。
 あと、安全協定については同様に、同等な扱いではなくて、同等になるように協定の改定を求めていただく必要があると思います。
 最後ですが、処理していく過程の中で、今日いろいろ聞いてもわからないこといっぱいあるのです。ですから、私たちに処理過程の中でどうなってどう動いているのかと、随時情報公開していただく必要があるなと。そうしないと、私たちも安全性の確認ができないのです。次の段階に行く際に、計画の変更については事前に説明するというのは当然だと思いますけれども、それに行くまでの間にいろいろ動くわけですから、途中経過についても、住民、私たち議会、自治体にも情報をきちんと提供していただくということが必要だと思いました。
 以上、知事の御意見を聞きたいと思います。

●平井知事
 詳細については城平局長からお答えを申し上げたいと思いますが、今回はこの廃炉をする、そのための技術的な基準等安全基準を満たすかどうか、これについて申請を行うことのみをとりあえず我々としては了とし、その際に、幾つか今後安全対策等を徹底することを申し上げるというスタンスなのかな、と考えております。
 六ヶ所村云々のことなどは、いずれ第3段階で原子炉本体を壊すときまでに、使用済み核燃料を出すということになります。仮にその段階で、平成30年ごろとも言われていますが、六ヶ所村のほうが動かないということになると、持ち出し先がないことになるわけでして、その段階で我々はまた改めてきちんとした適正な処理ができるかどうか、そのことのかんぬきを差すタイミングはまた来るだろうと思っています。
 今は、現在の社会情勢の中で、中国電力は多分、今日回答されたのだと思いますが、我々として言うべきことは、安全かつ効果的な実効性のある管理、処分を行う。このことを強く求めるのが、現在のスタンスではないかと思います。
 その他いろいろと御質問がございましたが、局長からお答えを申し上げます。

●城平危機管理局長
 それでは、私のほうから説明をさせていただきたいと思います。安全協定の関係は、1ページの2番の3つ目の○のところに書いてある内容で、立地自治体と同内容への改定を再度強く求めることにしておりますが、これはそれでよろしいでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)
 先ほどの海上輸送のこと、あるいは処理過程のことなどにつきまして、現在、3番の(3)のところで書いておりますのは、審査が終わった段階でまた改めてきちんと報告を受けて、それについての意見を言っていこうと考えているところです。まずは今回申請されたものが途中で変更されたりしていくときに、きちんと細かく説明をしてくださいということを、今はくぎを刺したらどうだろうかと。そのようなことで要請していければと考えております。
 そのほかのことにつきましては、知事のほうがお答えになられたかと思いますが、よろしいでしょうか。

○市谷議員
 費用、費用。

●城平危機管理局長
 電気代のことでございましたけれども、先ほど一月当たり一般の家庭で12円程度というようなお話がございましたが、電力会社では廃炉措置をされるために、もともと積み立てをされるという仕組みの中でしておられるところですので、その辺については、今回中国電力の申し出に対して要請をするという項目ではないのではないかと考えております。

◎斉木議長
 市谷議員。あと1回。

○市谷議員
 済みません。そうしたら意見で言わせていただきますけれども、今回の廃炉計画ですね、申請するということは容認されるという知事の判断ですけれども、私はこういう計画のまま申請するということはいけないと思うのです。さっき使用済み核燃料の最終的な処理はまたその段階になってから言えばいいとおっしゃったのですけれども、中国電力の説明は、プルトニウムを製造するということ、プルサーマルを前提に考えておられるのですよ。それ以外の選択肢は考えないという、先々そういうことで考えておられるのです。ですから、それ以外の道は考えないと言われるそういう計画をこのまま認めるわけにはならないと……。

◎斉木議長
 市谷議員。討論の場ではないですから、質疑をしてください。

○市谷議員
 ですから、知事のほうからも、安全にとか効果的にですか、その言葉は美しいですけれども、その中身が今問われていると思うのです。ですから、原発再稼働になるようなやり方は、安全かつ効果的ではないですから、そのことをきちんと言っていただきたいと思いますし、このままではこの計画の申請はオーケーですと私たちは言うことはできないと思っております。


◎斉木議長
 ほかにありませんね。

○福浜議員
 おおむね県の方向性で了解させていただいたのですが、一つちょっと不安というか、昨今の報道で元原子力規制委員会の島崎邦彦元委員が、これまでの基準地震動の予測式では過小評価に当たるのではないかと。これは断層の種類によるらしいのですけれども、例えば宍道断層に当てはまるのかどうか。これは原子力規制委員会のほうで聞き取りを明日にでもされるということなのですが、やはり鳥取県としても詳しく注視していきながら、ここの中にも今後の最新の知見を取り入れると入っていますので、ぜひこれは要望としてお願いしたいと思います。

◎斉木議長
 要望ですね。
 以上で質疑を打ち切りたいと思います。
 知事におかれましては、本日の議論を踏まえて、鳥取県の方針を決定していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で議員全員協議会を終了いたします。


午後3時04分 閉会 
 
 



 

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