会議の概要
午前11時07分 開会
◎広谷委員長
御苦労さまです。それでは、ただいまから農林水産商工常任委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
本日の会議録署名委員は、島谷委員と市谷委員にお願いいたします。
それでは、ただいまから本委員会に付託されました議案について審査を行います。
まず、付議案に対する質疑を行っていただきます。質疑のある方。(「なし」と呼ぶ者あり)
質疑がないようですので、付議案に対する討論を行っていただきます。
○市谷委員
それでは、議案第21号、補正予算の反対討論を行いたいと思います。
この2月補正予算は、年間の最後の予算です。その多くは使い残した予算を減額するものですが、その減額の状況を見ればその事業が県民ニーズに合っていたのかどうか、また県内事業者や農家の経営が苦しい状況になっているかどうかを知る材料になると思います。そして予算の執行状況を見てその結果、ただ減額で終わらせるのか、それとも最後の予算を事業者や農家のために充てるかどうか、県の姿勢が問われている予算であるとも思います。
そこでこの2月補正予算ですが、商工労働部では、境港輸出入拠点化支援事業、これは予備調査のときにも聞きましたが、使っている業者がずっとヤマトパッキングしかありません。これは事業の必要性が問われていると思いますけれども、特段の判断もなく、相変わらず来年度も事業が継続されております。また、境港大量貨物誘致促進支援事業ですが、これは2割もお金を使い残して、来年度の予算にも目を移していけばさらに3割以上も減額になっており、現在事業を使っている事業所の利用が終われば事業終了するということで、結局この事業の必要性はどうだったのかなと問われているものだと私は思います。
また、農林水産部では、国の事業の共同利用集出荷施設等整備事業、これはこれまでの制度では施設の単なる更新だけでは国の補助金が出ないということで、石破大臣なども国に要望してできた事業ですが、しかし、聞きましたらポイント制で高い目標を設定しないと利用できないということで、不採択になったりとか事業縮小で使えなかったりして、5.6億円のうち3.7億円使い残しています。これは国に制度の改善を求めるべきだと思います。また、畜産関係で肉用牛肥育経営安定対策事業は、いわゆる所得補償の制度ですが、国や県の支援で生産者の掛金の負担を少なくしたのだけれども、結局肥育農家が廃業しているなどの理由で保険に入る牛が8,400頭から7,870頭へと530頭も減ってしまいました。同様に肉用子牛価格安定事業も廃業によって保険を掛ける牛が6,300頭が5,750頭へと550頭、約1割も減ってしまいました。農家がやめてしまわないように、生産者負担のない支援制度を検討すべきだったと私は思います。
また、農地中間管理機構支援事業です。これは手放された農地を引き受ける事業者に手渡すまでの間、農地中間管理機構が農地を一旦借り受けて手入れするものですが、約3億円のうち約2億円も減額となりました。当初1,000ヘクタール借り受ける予定がその半分の520ヘクタールだけだったとのことです。これは昨年も同様で、去年も1億円以上も減額が出ていて、農地を一旦預かるためにわざわざ農地中間管理機構をつくる必要があったのだろうかと思います。こうして担い手に農地を渡すためとして、農地中間管理機構には多額の予算を組んでは使い残しているのですが、その一方で、中山間地域の農地を守る農地・水保全活動交付金や農地を守る直接支払い事業は担い手すらなくて減額になっています。この中山間地域支援にもっとお金を回すべきだったと私は思います。
また、米価低下緊急融資利子助成事業は、いろいろ喜ばれたということも先ほど議場で答弁がありましたが、融資枠8億円を用意したけれども、1.9億円しか使われず、予定面積の14%、水田面積全体の6%しか結局この制度は使われておりません。圧倒的な農家は資金を借りることへの不安など、自分で何とかしたということで、この対策をほとんど農家は受けていません。結果、来年度、食用米の作付面積が、先ほど議場では419ヘクタール減ったと。前回聞きましたが、これで農家収入が2億円も減収になったということが出ております。
また、主食用米から飼料用米への転換が進められておりますが、飼料用米利用拡大推進事業、これは予算2,800万円が1,700万円も減額となっています。先ほど議場でも答弁がありましたけれども、飼料用米を使おうと思ったらいろいろな施設の整備も必要だということでちゅうちょされたり、それから私が聞いておりますのでは、牛がなかなかこの飼料用米を食べてくれなくて肥育に影響が大きいということで中止された農家もあるということで、これは非常に無理が生じているのではないかと。それからこの飼料用米の価格の補償制度もこれからどうなるかわからない。それからTPPで飼料用米を食べる牛の頭数の減少も非常に不安視されております。この飼料用米の転換によって農家の所得補償につながるのだろうかと、そういう不安を残しながらこの事業は執行されているという状況です。
こうして組まれた予算が農家の実態に合わないということで、非常に多くのお金が残っております。今回、農林水産部の予算は16億円減、これは内訳は国庫は約11億円、県費では約5億円の減額となっておりますが、私はこういうお金を残すのであれば、やはり米価下落で苦しめられた農家への直接補塡にきちんとお金を充てるべきだったと思っております。
以上の理由から、議案第21号、2月補正予算には反対です。
◎広谷委員長
ほかに討論はありますでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
討論がほかにないようですので、これより採決に入りたいと思います。
それでは、まず、市谷委員より反対のあった議案を採決し、その後、反対のあった議案以外を一括して採決を行いますが、よろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、反対のありました議案第21号について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成多数であります。したがいまして、議案第21号は、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第21号を除く全ての議案について、原案に賛成の方の……。
○市谷委員
いいですか。いいのですけれども。その号数を、採決をとるときに以外という言い方ではなくて……。
◎広谷委員長
号数を具体的に。
○市谷委員
一応号数を言って採決をとったほうが議事録に残るので、以外という言い方すると号数が残らないので、済みませんけれども、言っていただいたほうがいいと思います。
◎広谷委員長
はい、わかりました。では、そういう格好で。
○市谷委員
ええ、済みません。
◎広谷委員長
それでは、再度諮らさせていただきます。議案第24号、議案第25号、第26号、第29号について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成全員であります。したがいまして、議案21号、24号、25号、26号及び29号は、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、報告事項に移ります。
質疑につきましては、説明終了後に行うことといたします。
報告1、「鳥取県産きぬむすめ」の3年連続特A取得について、村尾生産振興課長の説明を求めます。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
資料の1ページをお願いいたします。「鳥取県産きぬむすめ」の3年連続特A取得について御報告いたします。
2月25日に日本穀物検定協会が公表しました食味ランキングで、鳥取県産きぬむすめが3年連続特Aを取得いたしました。ちなみにこの食味ランキングといいますのは、昭和46年から開始されておりまして、日本で一番権威のあるランキングと言われております。鳥取県からはコシヒカリ、ひとめぼれ、きぬむすめの3品種を審査に出しまして、結果としてきぬむすめが特A、コシヒカリとひとめぼれは特Aに次ぐAランクということになっております。
特Aにつきまして、中段の括弧書きの中にあります全国の状況を御報告いたしますと、今回、全国から139銘柄が出品されまして、約3分の1の46銘柄が特A取得ということであります。ちなみに中四国からは、鳥取県のきぬむすめが3年連続、島根県のつや姫が2年連続、初取得が山口のきぬむすめと広島のヒノヒカリということで、昨年と同様に4銘柄が特Aを取得したのですけれども、愛媛のヒノヒカリと香川のおいでまいというのが昨年特AだったものがAランクということで、なかなか出入りの激しい年であったということであります。
きぬむすめにつきましては、中段にあります1等米比率も80%前後と高く、面積も27年産時点で2,811ヘクタールと、目標の3,000ヘクタールにかなり近づいておりまして、目標達成も近いかなということであります。
今後につきましては、3年連続特Aにふさわしい産地としての食味品質を確保しようということで、各JAに食味計等も導入いたしまして品質向上を目指すようにしておりますし、3月1日にハワイアロハホールでありました米づくり研修会では、300名の農家の方が参加されまして、産地としても非常に盛り上がっているという状況であります。生産面に加えまして販売面でも首都圏等の百貨店等でブランド化を図るということを計画しております。
添付しておりますチラシをごらんください。今月12日と13日にわったいなの隣のとりっこ広場というところで、きぬむすめと米そだち牛肉のフェアをするということで、その中で3年連続特Aの受賞記念のセレモニーを行うようにしております。裏面にイベントのカレンダーが載っているのですけれども、3月13日の11時から11時15分までの間で、おめでとうセレモニーということで平井知事、あと福山全農運営委員会長が出席されまして、くす玉を割ったりきぬむすめのプレゼント等を行うようにしております。委員の皆様も御都合がつけば参加いただければと思います。
◎広谷委員長
説明が終わりました。
ただいまの説明について質疑等はありますでしょうか。
○斉木委員
非常に権威のある審査だそうでございますけれども、このきぬむすめが特Aを3年連続でとったということですが、どこでもできるものではなく、農家の皆さん方に、どういうやり方なら必ずとれるものができるのだという栽培の技術を確立するのにどういう努力をされておるか、教えてほしいと思います。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
きぬむすめは、今、一般的に指導していますのは、余り標高の高いところですとどうしても未熟がまじるという傾向がございまして、大体標高としては200メートルぐらいまでに合う品種ということがあります。それからつくり方で、これまでのコシヒカリやひとめぼれというのは9月の上・中旬に収穫するのですけれども、後半の10月上旬に収穫ということでその間の穂肥、肥のやり方でかなり食味が変わってくるということもありまして、農業試験場を中心にその地域地域で合った栽培方法というのを今組み立てております。前回の3月1日の研修会でもそのあたりをかなり農家の皆様に説明いたしまして、農家の皆さんもそれに応じて地域で工夫していくということで説明を終わっております。
○斉木委員
きぬむすめが特Aでどんどんできることは、いいことですけれども、でき過ぎて皆さん方がきぬむすめばっかりということになると作業がそこに集中するようなことになり、作業の分散化ができないということがありますので、やはりもう一つ早目のひとめぼれやコシヒカリもいかにおいしくつくれるかということを、ぜひ努力してもらえたらと思いますね。きぬむすめに全部集中すると完全に農作業が偏ってしまいますので、そのあたりはやはり全体のバランスを考えておられますか。
●村尾農業振興戦略監生産振興課長
お話のように、これまで鳥取県の米といいますとひとめぼれとコシヒカリで大体9割以上を占めておりました。そのときに一番問題になりましたのが収穫時期が一遍に重なって適期収穫ができないということもありますし、JAのカントリー、ライスセンターの受け入れもできなくなってきてパンクすると、そういうことが、今は大体3割ぐらいきぬむすめにかわりまして、かなり適期収穫やら収穫作業がスムーズになったということがございます。今後、各JAもコシヒカリ、ひとめぼれ、きぬむすめということでそれぞれ適正なバランスを目標値として定めておられますので、そのあたりをにらみながら、やはりきぬむすめについてはおいしいところができる地帯で推進していくというような工夫をされながら、座談会等でPRされています。
○斉木委員
このきぬむすめはどんどんやっていかないといけないですけれども、コシヒカリやひとめぼれは、水路の水を落とすのが今までは大分早かったのですよね。それが、きぬむすめをするためにはしばらく水を通さないといけない、10日か20日ぐらい延ばさないといけないということになると、今問題になっている水路の老朽化で、水が非常に漏れて、干さないといけないし、きぬむすめがあるために水を通さないといけないしというようなことで、地域も非常に困っておられるのです。きぬむすめに合わせて延ばすようにしておるのですけれども、そうするとやはり水路の修繕にしっかりと力を入れてもらわないといけません。いっとき3~4年前に余りコンクリートに力を入れないというのがありましたが、土地改良、水路の整備というのをしっかりと進めることが必要だろうと思うのですけれども、そのあたりはどう考えておられますか。
●森田農地・水保全課参事(水資源・防災担当)
今の話なのですけれども、地元の方々も恐らく多面的機能の長寿命化対策等で漏水対策をされております。また、国もいわゆる中間管理事業等も含めた農地の流動化というのを考えた中で、いろいろきめ細かい事業をつくっておられます。この中でそういった補修事業等も進められておりまして、現在、当課で実施しています水路改修等、小規模なものがかなりふえております。予算の面もありますけれども、この辺も国にかけ合ってそれらが進めるよう頑張っていきたいと思います。
◎広谷委員長
よろしいですか。
ほかにありますでしょうか。
それでは、ないようですので、次に入ります。
その他ですが、執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
ないようです。なお、委員長報告の作成、内容につきましては、委員長に一任いただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
それでは、委員の皆様には御相談がありますので、この場に残っていただきたいと思いますが、執行部の皆さんは御退席いただいて結構です。どうも御苦労さまでした。
(執行部退席)
残っていただきましたのは、委員と執行部との意見交換会です。といいますのが、この委員会の所管の方で労働委員会の局長と水産振興局の三木局長が今年度で退職ということで、その退職のお別れの会をしたらどうだろうという話がありました。それで事務局と相談させてもらう中で、日にちとしたら17日が次の常任委員会の日の予定になっておるのですが、その17日が両名とも御都合が悪いということで、主役がおられないのにしても意味がないしということがあるのですけれども、いかがいたしましょうかということです。
○内田(博)委員
前日にやれば、前日で。
●若松議会事務局調査課課長補佐
その日でもちょっと。割と立て込んでいるようで。
○斉木委員
本人さんも送別会ばっかりで忙しい。
●若松議会事務局調査課課長補佐
いろいろあっちこっちあるので、立て込んでいるようでして。
◎広谷委員長
ということで、本人、両名ともちょっと都合が悪いということで、このたびは見合わせていただきたいということで判断をさせていただいて……。
○斉木委員
委員会の気持ちのほどは伝えておいてくださいよ。
◎広谷委員長
したいと思っているけれども、残念ながらということで、そのように執行部に伝えておいてください。
では、そういうことで終わらせていただきます。
以上で農林水産商工常任委員会を終わらせていただきます。どうも御苦労さまでした。
午前11時29分 閉会
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