平成28年度議事録

平成28年6月16日会議録

 開催概要、資料はこちらです。
出席者
(8名)
委員長
副委員長
委員
広谷 直樹
坂野 経三郎
市谷 知子
島谷 龍司
浜田 一哉
川部 洋
浜田 妙子
内田 博長
斉木正一
欠席者
(なし)

 
 

傍聴議員(なし)

説明のため出席した者
  岡村商工労働部長、岸田農林水産部長、湊企業局長、安本労働委員会事務局長 
  ほか各局次長、課長、関係職員

職務のため出席した事務局職員
  田中課長補佐  中島課長補佐  石本主事

1 開会   午前10時14分

2 閉会   午前11時36分

3 司会     広谷委員長

4 会議録署名委員 浜田(一)委員  川部委員

5 付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり


会議の概要

午前10時14分 開会

◎広谷委員長
 おはようございます。
 ただいまから農林水産商工常任委員会を開催いたします。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 本日の会議録署名委員は、浜田一哉委員と川部委員にお願いします。
 それでは、ただいまから本委員会に付託されました議案について審査を行います。付託議案は日程に記載の2議案であります。
 まず、付託議案に対する質疑を行っていただきます。質疑のある方は。(「なし」と呼ぶ者あり)
 質疑はないようですので、続いて討論を行っていただきます。討論はありますでしょうか。

○市谷委員
 反対討論をしたいと思います。
 まず、議案第1号についてです。
 今、非常に経済政策が問われていると私は思っています。大企業がもうかればいずれ国民に回るとしたアベノミクスは失敗いたしました。アベノミクスの結果は、大企業の内部留保は過去最高の300兆円を超え、株価上昇で200人を超える大株主が資産を3年間で100億円ふやす一方で、金融資産ゼロ世帯が3年間で470万世帯にふえて、貯蓄ゼロの世帯が全世帯の35%、3分の1以上になっております。働く人の実質賃金は5年連続でマイナス、GDPも2年連続マイナス、大企業のもうけが国民に回るどころか格差を拡大し、経済を冷え込ませています。このアベノミクスの大企業支援のトップダウンから、国民生活を支えるボトムアップの経済政策に転換してこそ暮らしと経済を成長軌道に乗せることができると私は考えます。
 そうした目で今回の本委員会所管の事業を見てみるとどうでしょうかと。ネギの黒腐菌核病対策、死亡事故の発生が多い林業の安全対策、研修予算は評価できると思っています。しかし、農林水産部の担い手確保・経営強化支援事業、県中山間地域担い手収益力向上支援事業、畜産クラスター事業は、いずれも収益力アップを前提としているために、事業を使える対象が一定の体力があるものに限定され、畜産クラスター事業では国制度が使えないことで、小規模でもやれる県事業で対応せざるを得なくなっています。これらの事業を使う事業者を責めるものではありませんけれども、この制度のあり方、大規模農家を支えさえすればよいという効率性重視のやり方だけでは圧倒的な数の鳥取県の兼業農家、中山間地域の農家を制度の外に追いやって、鳥取県農業全体の底上げ、持続可能な農業にはならないと思います。
 また、商工労働部では、議場でも申し上げましたけれども、企業立地補助金受取予定企業の中に労働法制違反の事業所があること、また、増額された鳥取市の布袋工業団地整備支援は、鳥取市が合併特例債を発行し、借金をします。この負の財産を市民に負わせてまで企業誘致を進めるべきではないと思います。
 以上の理由から、議案第1号には反対です。
 次に、議案第4号です。県補助金と企業の寄附で行う奨学金返済助成制度、鳥取県未来人材育成基金は、これまで寄附を行う企業に対しては、寄附額の3割を損金扱いするにとどまっていましたが、今回の地域再生法の改正によって、新たに県外企業については法人税、法人事業税、法人住民税を3割税控除し、合計6割も減税できるようにしています。
 私は、今、若者の間で深刻になっている奨学金返済について、企業が応援することを否定するものではありません。しかし、今回の措置で法人三税の減税対象となるのは体力ある県外大手企業です。むしろ体力に合わせて税金を納めていただくことで、国が責任ある給付制奨学金制度をつくる財源にしていただきたい。それが企業の社会的責任の果たし方ではないかと私は思います。
 そして、こういう鳥取県以外の自治体に落ちる法人事業税を奪うようなやり方は、地方創生にはふさわしくないと思います。
 よって、議案第4号には反対であるということを述べ、私の討論を終わります。

◎広谷委員長
 ほかに討論はありますでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 ほかに討論はないようですので、これより採決に入ります。
 議案ごとに採決を行いたいと思いますが、よろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、まず、議案第1号、平成28年度鳥取県一般会計補正予算について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数であります。したがいまして、議案第1号は、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、議案第4号、鳥取県基金条例の一部改正について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数であります。したがいまして、議案第4号は、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、報告事項に移ります。
 質疑等につきましては、説明終了後に一括して行いたいと思います。
 それでは、報告1、鳥取県の経済雇用情勢について、島田商工政策課長の説明を求めます。

●島田商工政策課長
 鳥取県の経済雇用情勢についてでございます。お手元の資料をごらんください。
 鳥取県の経済概況でございます。これにつきましては、統計課が実施しております鳥取県の経済動向、あるいは企業経営者見通し調査をもとに記載しております。平成28年4月時点の鳥取県の経済基調判断は、消費に引き続き弱含みの動きが見られるものの、生産については引き続き持ち直しの動きが見られ、雇用については着実に改善していることを受けまして、引き続き持ち直しの動きにあると判断しております。
 ただし、先行きにつきましては、景気がいいと判断する企業の割合から悪いと判断する企業の割合を差し引いたもので、企業の景況感を示す景気判断指数が、前期から2期連続マイナスとなっております。これは、直近の円高、原油価格の上昇、あるいは中国等の海外経済の不確実性が高くなっているといったことで、今後の景況感については不安を感じているという声が多うございました。
 加えまして、昨今のイギリスのEU離脱だとか、あるいはアメリカの利上げの問題等ございまして、引き続き注視が必要な状況でございます。
 本県の具体の個別の指標を見ますと、1のところです。消費面につきましては、販売額等の推移でございますけれども、足元の消費動向は前年比でマイナス基調で推移しております。表のとおり、大型小売店の販売額につきましては百貨店、スーパーともに前年を下回って、前年比でマイナス2.7となってございます。
 その下の乗用車の新規登録台数でございますけれども、これも前年比マイナス0.4となってございます。普通車は小幅ながら前年比プラスとなっておりますけれども、軽自動車が、増税等の影響は一巡しておりますが、低調な状況ということで、マイナス0.4となっております。燃費不正問題、偽装問題の関係は、4月下旬に発覚したということで、具体のマイナス面の数値は、恐らく5月にあらわれてくるだろうと考えております。
 2の産業面でございます。生産指数の推移でございます。平成22年を100として、全国の生産指数は100を割り込んでいる中、鳥取県の直近6カ月の生産指数は、電子・デバイス工業部門の好調さを反映して100以上をキープしておりまして、3月は118.2で、前月比、前年比ともにプラスになっておる状況でございまして、着実に持ち直しの動きが続いているということでございます。この6月以降、誘致企業の操業が順次開始しますので、本指数のさらなる向上が見込まれるのではないかと考えておりますけれども、一方で、製造業関係でいいますと、先ほど申し上げましたような円高の動向等も注視が必要になっているという状況かと思います。
 裏面をごらんいただけますでしょうか。3の設備投資の動向でございます。これは県内企業258社を対象に調査を行った結果でございますけれども、28年4月から6月期において、1,000万円以上の設備投資を実施した、あるいは実施すると回答した企業は26%でございました。製造業は31%、非製造業は25%となっておりますけれども、7月から9月期の設備投資しようという事業所は25%でございまして、製造業が33%、非製造業は24%で、若干低下の見通しでございます。
 この動きは、先日発表されました国の法人企業景気予測調査、これは約1万社調査するわけでございますけれども、中小企業の前年同期比の設備投資の動向も4月から6月期はマイナス9.0、7月から9月期がマイナス0.8となっておりまして、やはり地震であるとか円高の影響が出ているものということで国のほうも推測しているところでございます。
 4、雇用面でございます。有効求人倍率の推移でございます。県内の4月の有効求人倍率は1.31ということで、平成9年1月より19年ぶりに高い数値を記録しております。有効求人数は17カ月連続で前年同月を上回っているということでございますし、有効求職者のほうは36カ月連続で前年同月を下回っているということでございます。
 正職員の求人倍率につきましては、前月同様0.7となってございます。
 人材不足の主な職業としましては、特に非製造業、接客だとか商品販売等といったところでございますし、雇用の場が不足の業種としては、一般事務職等が引き続きその上位となっておるところでございます。
 5の企業倒産状況の推移でございます。既に前回の議会で説明いたしましたけれども、1月から3月期につきましては、やよいデパートグループ4社で17億円といった大型の負債総額が記録されておりますが、4月は2件で、2億8,000万円の負債額が出ておるということでございます。製造業の日照プレスさんが2億1,000万の負債額を抱えたということでございますけれども、従業員21名中18名は再雇用されていると伺っております。
 6の各機関の景況判断は参考でございますので、ごらんいただけたらと思います。

◎広谷委員長
 続きまして、報告2、旧鳥取高等農業学校校舎の改修工事の完了について、池田立地戦略課長の説明を求めます。

●池田立地戦略課長
 3ページをお願いいたします。旧鳥取三洋電機の跡地にございます旧鳥取高等農業学校校舎につきましては、平成25年10月に県が鳥取市から取得いたしまして、鋭意改修工事を実施しておりましたけれども、このたび工事が完了いたしましたので、報告させていただきます。
 工事につきましては、まず、平成26年度に耐震の調査、検討を行っておりまして、平成27年度に実施設計、後半の平成27年11月から工事にかかっておりました。若干繰り越しさせていただきまして、このたび平成28年5月31日で完了したということで、あす引き渡し検査を予定いたしております。
 工事内容につきましては、耐震改修工事と老朽化に伴う機能回復工事を行っておりまして、特に既存基礎、木の部分がかなりやられておりましたが、そこを撤去いたしましてRCの基礎を新設いたしたり、床、壁の既存の下地を撤去いたして、構造合板を新設することなどを行っております。老朽化につきましては、雨漏りの屋根やトイレの改修、その他電気配線等々を行っておりまして、工事費につきましては9,000万円強でございました。施工業者は馬野建設さんにお願いしておりまして、工事前は薄青い感じの色だったのですけれども、同窓会の意見等をお伺いしながら、当時の写真等も参考に、写真にございますとおり建設した当時に近い白い色にさせていただいております。
 企業の入居につきましては、平成26年3月に調印させていただきました県内のIT企業で、現在は鳥取市の産業振興機構内にございます株式会社LASSICが入居され、同時に隣接するところに新しい社屋も建てられるということでございます。
 入居時期につきましては、ことし9月からLASSICが内装工事を実施されるということで、29年5月ごろ完成いたしまして、入居されます。同時に、自社ビルも建設予定でございまして、自社ビルも同様の時期に完成する予定になっております。
 参考で、下のほうに図をつけております。これは旧鳥取三洋電機跡地の全体図でございまして、源吉兆庵さん、共和薬品工業さんにつきましてもことしの夏から来年の夏ごろにかけて順次操業されるということでございまして、LASSICさんにつきましては、このピンクの約0.5ヘクタールのところで操業を開始されます。建物につきましては2階建てでございまして、全体424平米のうちの、横のこの赤い部分がいわゆる居室になっておりますので、こちらを賃貸させていただく予定にしております。

◎広谷委員長
 続いて、報告3、環日本海定期貨客船航路の運航状況等について、山本通商物流課長の説明を求めます。

●山本通商物流課長
 環日本海定期貨客船航路の運航状況等についてでございます。4ページをお願いいたします。直近の境港における利用状況を報告させていただきます。
 2016年1月から4月の境港-東海間の旅客数が、韓国人訪日客の増加により、17往復で延べ1万743名となり、対前年同期比20%増、1便当たり316人と好調に推移しております。貨物取扱量につきましては、韓国向け活魚車などバルク貨物が増加いたしましたが、コンテナ貨物では、ロシア向けの自動車部品や中古農機具等が減少したことにより、重量ベースで前年同期比0.7%減となりました。旅客、貨物の実績につきましては、中ほどの表をごらんいただきたいと思います。
 続きまして、平成27年度の環日本海圏航路における就航経費補助金について報告いたします。
 境港-東海間の運航経費のうち固定的経費の10分の1、上限100万円が補助対象経費でございますけれども、平成27年度の境港-東海間の運航回数は50往復で、1往復当たりの補助対象経費が100万円を超えたということで、補助額を100万円と確定いたしました。県、市長会との負担割合に基づきまして、県負担分3,370万円を助成しております。内訳につきましては表をごらんいただきたいと思います。
 なお、参考として記載しておりますけれども、2015年1月から12月のDBS航路全体の利用状況及び収支決算状況でございます。韓国-ロシア間については、ロシア経済低迷により旅客が前年と比べ約28%減、貨物については約61%の減でございました。一方、日本-韓国間の旅客は約61%増加、舞鶴を含む貨物では、韓国-日本、日本-ロシア間を合わせて12.9%の増加となっております。また、2015年のDBS社の営業損失は、減価償却前で約52億ウォンで、前期と比較いたしまして12億ウォン増加しております。船社におきましては、貨物確保のため、舞鶴寄港など、航路の安定に努めておられます。
 最後に、利用促進に向けた本県の取り組みでございますけれども、首都圏での物流展示会やことし大阪で開催されます境港利用促進懇談会など、さまざまな機会を活用して物流事業者や荷主に対して航路の周知を図ってまいります。また、ことし8月に予定しております沿海地方でのレストランフェアの活用や、モスクワや中露国境経由のトライアル輸送などの実施に取り組んでまいります。

◎広谷委員長
 続いて、報告4、若者の県内就職促進等に係る経済団体への要請について、小林就業支援課長の説明を求めます。

●小林雇用人材局就業支援課長
 資料の5ページをお願いいたします。県内就職を希望されます新規高等学校卒業者が県内企業に就職できるように、また、移住定住促進のための求人内容の充実や改善、マッチングの促進等につきまして、経済四団体に対しまして、去る5月27日に労働局、県、それから教育委員会が共同で要請を行いましたので、御報告を申し上げます。
 まず、要請先、要請者は、ごらんのとおりでございます。また、今回の要請の内容につきましては、3のところに記載していますが、特に下線の部分がその中心の部分でございまして、求人内容の充実、改善ですとか、県内での就業に結びつけるためのマッチングの促進、あるいは正社員の拡大といった点を中心に要請させていただいたところでございます。
 この要請時に各団体のほうからも御意見をいただいておりまして、主なものを御紹介させていただきますと、やはり途中で辞職されている方が多いですとか離職率が高いといった離職に関する御意見がございましたし、また、職業人としての教育を図っていく必要があるとか、あるいは魅力のある企業を知ってもらうといった企業の発信力が重要といった御意見をいただいたところでございます。
 今後の予定でございますが、7月に各企業に要請させていただきますとともに、事業所説明会の実施等も行いまして、9月16日から採用の選考が開始されるというところでございます。

◎広谷委員長
 続いて、農林水産部です。
 報告5、主要農産物の生産販売状況について、永原生産振興課長の説明を求めます。

●永原農業振興戦略監生産振興課長
 1ページをごらんください。主要農産物の生産販売状況でございます。6月12日現在の状況を報告させていただきます。
 ラッキョウでございますが、前年比で94%、186ヘクタールで栽培されておりまして、非常に単価がよくて、販売金額で前年比114%という経緯でございます。本県より前の九州、四国の産地の品薄状態、それから鳥取砂丘らっきょうのGI登録等によりまして、単価が好調に進んでいると考えております。
 2番目、スイカでございます。現在23%出荷されておりまして、前年比100%の285ヘクタールでございます。特徴的なのは、ハウスの面積がふえておりまして、早期出荷がなされております。表を見ていただきますと、ハウスによる早期化、それから天候による品質の向上、こういうことで、数量が前年比192%、販売金額は前年比217%と好調に進んでおります。
 3番、白ネギでございます。白ネギも好調に進んでおりまして、春ネギ、前年比104%、夏ネギも前年比105%と面積がふえております。秋冬ネギにつきましては、今、集計中でございます。前年は245ヘクタールでございます。これも非常に高単価で推移しておりまして、表の単価を見ていただきますと111%ということで、昨年よりも単価がよく進んでおります。
 4番の初夏どりブロッコリーでございます。これにつきましても164ヘクタール、前年比103%と好調に進んでおります。初夏どりブロッコリーにつきましては、昨年、一昨年と3年続けて過去最高という数字になっております。ことしも更新する状況でございます。ブロッコリーにつきましては、昨年、鳥取県全体で18億円で、これも過去最高という状況でございます。

◎広谷委員長
 続きまして、報告6、公益財団法人鳥取県造林公社の経営改善計画の進捗状況について、大北林政企画課長の説明を求めます。

●大北森林・林業振興局林政企画課長
 資料の2ページをお願いいたします。鳥取県造林公社の平成25年から34年の第1期経営改善計画の進捗状況について御報告いたします。
 まず、1の(1)でございます。27年度の収入間伐の状況でございますが、計画を大きく上回る2万3,900立米の収入間伐を実施し、販売収入も1億9,600万円の実績を上げております。
 また、2番目の経営改善の成果でございますが、収入間伐による収入増、経営の効率化により、前年度と比較して経営の改善が進んでおります。
 まず、財政上の県とのかかわりの指標としまして、県への財政的依存度は74.2%と、前年に比べマイナス3.1%の改善が図られています。また、財務基盤の健全性の指標といたしまして、借入金依存率につきましても、総借入金では27.4%と前年に比べ3.4%の減少、県借入金につきましても23.2%と前年に比べ3.1%減少しております。さらに、経営の効率性の指標といたしまして、経常費用に占めます管理比率は15.4%と0.3%ふえております。これは、収入間伐の事業量、人件費あるいは事務経費の増によるものでございます。
 次に、2番の今後の取り組みでございますが、県と造林公社で事業の検証や対応策を検討、実施し、経営改革プラン実現のために必要な制度改正等を森林県連合や県単独で国に要望活動を行ってまいりたいと思っております。
 また、別冊でお配りさせていただいております決算書でございます。1ページ目の中段でございますが、資産合計で471億円余であります。昨年より4億5,000万円程度増加しております。これは主に森林補助金資産の増によるものでございます。
 次に、2ページの負債合計でございます。312億円余で、これは県政策金融公庫からの資金借り入れにより、昨年より4,200万円増加しております。また、下から2行目でございます。正味財産の合計でございますが、補助金等の指定正味財産の増により、昨年より4億1,000万円程度増加し、158億円余となっております。よって、負債及び正味財産計は、資産合計と同じでございますが、昨年より4億5,000万円程度増加し、471億円となっております。
 次に、9ページをお願いいたします。9ページの最終行でございますが、次期繰越収支差額が2,700万円ほど増加しております。本年度を含め、翌年度以降も収入間伐等、事業の増加を見込んでおりますので、そのための費用として繰り越すものとしております。

◎広谷委員長
 続きまして、報告7、第49回全農乾椎茸品評会の結果について、前田県産材・林産振興課参事の説明を求めます。

●前田森林・林業振興局県産材・林産振興課参事(林産物利用推進担当)
 第49回全農乾椎茸品評会の結果について御報告いたします。
 なお、本冊資料に訂正箇所がございましたので、差しかえ版を机上にお配りしております。机上配付の資料で御説明いたします。
 けさの新聞報道でもございました。全農乾椎茸品評会は、原木シイタケの生産技術の改善、品質の向上などを図るため、全国農業協同組合連合会が主催して毎年開催されており、きのう埼玉県久喜市において第49回の品評会表彰式が行われました。全国から364点が出品されて、その中で品質のよい45点が農林水産大臣賞などの賞を受賞されました。本県からは61点が出品されて、そのうち大葉厚肉の規格で最高位の農林水産大臣賞を受賞された鳥取市の森栄伸さんを筆頭に、9点が個人入賞を果たしました。その結果、全農鳥取県本部がこのたびで5回目となる団体優勝をいただくこととなりました。
 ことしは全国的には収量が多く、品質もよいと聞いておりますが、本県は前年比9割の収量であったにもかかわらず高い品質が維持されていることが評価されたものと思われます。
 干しシイタケの価格は近年持ち直してきており、生シイタケについても鳥取茸王のブランドで評価が高まってきているところでございます。今後も引き続き品質の高い県産原木シイタケのブランド化を進め、県内外への販売促進とキノコ生産の活性化につなげていきたいと考えております。
 当初、速報版をもとに本資料を作成しておりましたが、最終的な確認と認識不足により、急な差しかえをお願いすることになり、大変申しわけございませんでした。

◎広谷委員長
 続いて、報告8、「とっとり共生の森」及び「とっとり共生の里」の協定締結について、濱江森林づくり推進課長の説明を求めます。

●濱江森林・林業振興局森林づくり推進課長
 そうしますと、4ページ目、5ページ目をごらんください。サントリーホールディングス株式会社が県と江府町と今現在「とっとり共生の森」を締結しておりまして、このたびその活動をさらにふやしたいということで、森林保全活動を拡大して展開されることになりました。また、あわせまして、江府町御机集落の農地を対象にいたしまして「とっとり共生の里」にも取り組むこととなり、合同で協定を結ぶことになりましたので、御報告いたします。
 1の協定調印式でございます。7月2日、休暇村奥大山でさせていただきたいと思います。
 2のとっとり共生の森の概要でございます。調印者はサントリーホールディングス株式会社代表取締役社長と江府町長、鳥取県知事の3者で行います。
 協定内容でございますけれども、期間はこの調印式の7月2日から30年間、平成58年7月1日まででございます。森林の面積は約50ヘクタールで、今までの森林と合わせまして約176ヘクタールになります。活動内容といたしまして、除伐、ササ刈り、植栽等の森林整備、そして作業道、作業歩道開設等の環境整備を行うものでございます。
 続きまして、5ページ目でございます。とっとり共生の里の概要でございます。とっとり共生の里は農地・水保全課で所管しておりますけれども、私のほうから御説明させていただきます。
 調印者は、先ほどの共生の森の3者に加えまして、御机集落の区長のあわせて4者で調印させていただきます。
 協定目的でございますけれども、農村と企業の交流を通しまして、農業、農村の活性化につなげていくものでございまして、協定内容のところに案を掲載させていただいております。案としまして、遊休農地再生と保全管理ということで、耕うん、草刈り、土壌流出防止等を行ってまいります。そして菜種、ソバなどの再生農地での作付、収穫作業、そして再生農地で収穫した農産物等の奥大山ブランド化、そういうような活動をやってまいりたいということでございます。詳細についてはこれから詰めていくところでございます。
 参考といたしまして、共生の里の取り組み状況ということで、とっとり共生の里が今現在5地区、そして地元の集落だとか団体等の連携によります、むら・まち支え合い共生の里が4地区行われておるところでございます。

◎広谷委員長
 続きまして、報告9、鳥取県浜の活力再生広域プランの策定について、平野水産課長の説明を求めます。

●平野水産振興局水産課長
 資料の6ページをお願いいたします。鳥取県浜の活力再生広域プランの策定について御報告いたします。
 これは、国が平成27年度緊急経済対策で新たに創設した水産業競争力強化緊急事業の採択要件として策定したもので、6月10日付で国の承認が得られました。
 参考の(2)に書いておりますが、これまで県内の4地域で浜の活力再生プランを策定し、地域の漁業所得が5年間で1割以上アップすることを目標として、収入向上やコスト削減の取り組みを行っております。今回の広域プランは、それら地域の浜プランの中で広域に効果が及ぶものをピックアップするとともに、新たな取り組みを加えて策定したものです。
 その中でも特に新たな取り組みの目玉となっているのが、2の(1)に明記しております中核的漁業者への代船建造支援に関することであります。このたび水産業競争力強化緊急事業の中に新たにリース船の枠組みができました。これは、浜の担い手となる中核的漁業者が省エネ型の新船あるいは中古船を導入する際、国費で2分の1以内の補助を行うものです。
 3の(1)のところに上げておりますが、プランでは、県内の各漁協からの要望聞き取りを行い、今後4年間のリース方式による漁船の代船建造の目標を沿岸船11隻、沖底船5隻の計16隻としております。ただし、本件事業については、全国的にも非常に人気が高い上に、国の予算規模もまだ未確定な状況であります。
 それ以外の取り組みとしては、2の(2)に上げております境港での高度衛生管理型漁港・市場の整備は既に実施中であります。鳥取港での燃油供給施設の整備は今回の補正に上げており、今後取りかかる予定としております。(3)の栽培漁業センターの種苗生産の強化につきましては、マサバやキジハタの養殖、放流を進めるために、現在検討を進めているものであります。
 これらの取り組みとあわせ、ブランド化や各種の取り組みを推進することにより、キジハタや白イカ、松葉ガニなどの単価について、1から2割のアップを目標としております。

◎広谷委員長
 続いて、報告10、鳥取県と株式会社光洋との「食のみやこ鳥取県」に関する協定の締結について、木嶋販路拡大・輸出促進課長の説明を求めます。

●木嶋市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
 7ページをお願いいたします。平成24年3月に本県と「食のみやこ鳥取県」に関する協定を結びましたイオンマーケット株式会社関西地区ピーコックストア店舗の経営統合に伴いまして、業務を継承いたしました株式会社光洋と協定を締結するものでございます。
 この協定を結びます株式会社光洋でございますけれども、1973年に設立いたしまして、1978年からスーパーマーケットの展開を開始されております。2007年にイオン株式会社の子会社となり、本年3月にイオンマーケット株式会社から京阪神地区のピーコックストア23店舗を継承され、店舗数が6月現在で82店舗でございまして、関西地区のスーパーマーケットコーヨー、それからピーコックストア、マックスバリュ等を運営しておられます。
 協定でございますけれども、まず、ピーコックストア千里中央店で毎月3日間やっております鳥取県フェアの開催。やはりピーコックストア千里中央店内にございますインショップのトリピーショップの設置。鳥取県で育成しました新品種とか鳥取県の事業者の新商品のモニター販売。前のピーコックストアの時代の平成17年から、農業職1名の研修生を受け入れていただいておりますけれども、この鳥取県からの研修生の受け入れ。それから、「食のみやこ鳥取県」の情報発信。これらを協定の内容としておりますけれども、これはイオンマーケット株式会社との協定と同様の内容でございます。
 今回の協定の締結を記念いたしまして、6月25日、26日に光洋の約70店舗で鳥取県フェアを開催することにしております。主なイベントとしまして、6月26日にコーヨーの南森町店におきまして、知事のトップセールスを行います。それから、吹田市にございますコーヨーの基幹店舗の一つでございますコーヨー山田店で県内の事業者、それから全農とっとりによる試食販売等を実施することにしております。
 調印式は6月26日に大阪で行うことにしております。

●小林雇用人材局就業支援課長
 済みません。1点訂正を。
 先ほどの商工労働部の資料の5ページ目、若者の県内就職促進等に係る経済団体への要請についての資料でございます。この資料の中の2に記載しております要請者のところでございますけれども、平井知事、それから山本教育長の右側に鳥取県商工会連合会と記載しております。また、その右の写真の下にも鳥取県商工会連合会と記載しておりますが、こちらは鳥取県商工会議所連合会でございますので、御訂正をお願いいたします。申しわけございませんでした。

◎広谷委員長
 説明が終わりました。
 質疑を受けたいと思いますけれども、部局ごとに受けますので、まず、商工労働部に関しての質疑を受けたいと思います。

○市谷委員
 2ページです。県の経済雇用情勢についての雇用面の鳥取県の有効求人倍率、正職員求人倍率の推移という表のところで、4月が3月と比べて有効求人倍率が上がっているけれども正職員の求人倍率は変わっていないということは、非正規の求人が割合としてはふえたと見たらいいのでしょうか。それを教えていただきたいのと、今言った表は3月、4月で有効求人倍率がふえているのですけれども、その下の地区別のものを見ますと、3月から4月は有効求人倍率が減っているのです。下の各地区別は減っているのに、何で上の表、合計がふえることになるのか、意味がよくわからないので、説明してください。
 次に、4ページのDBSです。旅客数と貨物量が一体どれぐらいの量になれば赤字ではなくなるのかと、それと比べて今こうなのだということを説明していただきたいのと、結局、赤字がふえているわけですよね。39億から52億ウォンということで、赤字が12億ウォン増加ということなのですけれども、全体の説明を見ると、日韓間と日露間は貨物もふえておるとあります。そうすると、韓国とロシアの間がこの赤字の一番の原因だと思うのですけれども、そういう認識でいいのかどうか。もし日韓間、日露間が一番の赤字の原因でなくて、韓国-ロシア間が一番の赤字の原因だとすれば、赤字補塡ではないと言われるかもしれないけれども、鳥取県が運航支援しているということが非常に違和感があるのです。韓国とロシアの間のものを何とかしないと赤字の解消にはならないわけで、韓国とロシアの対応がどうなっているのかを教えていただきたい。鳥取県が一生懸命やっても黒字にならないのではないかと思うのですけれども、その辺を説明してください。

◎広谷委員長
 まず、雇用の関係で。

●小林雇用人材局就業支援課長
 私のほうから、有効求人倍率の件についてお答えをさせていただきたいと思います。
 委員御指摘のとおり、このたび全体の有効求人倍率が上がる中で、正職員の有効求人倍率は前月と同水準となっている。その内容につきましては、委員お見込みのとおり、非正規の求人がふえているということでございまして、特に卸・小売ですとか宿泊・飲食、そういったあたりでの非正規の求人がふえていることが要因でございます。
 また、もう1点、有効求人倍率の全県の分が1.31倍ということと各地区ごとの有効求人倍率の差でございますけれども、鳥取県全体の1.31倍というのは、そこに記載しましたように、季節調整済という数値でございます。この季節調整済と申しますのは、1年を周期として繰り返す季節的な要因による変動を除いた値でございまして、国のほうが補正して出している数値でございます。下のほうは記載のとおり原数値という、本当に生の数字でございますので、その関係で乖離が出ているということでございます。

◎広谷委員長
 もう1点、DBSクルーズの件。

●山本通商物流課長
 まず、DBSの収支の関係でお尋ねがございました。客、貨物の赤字の解消となる採算ベース、指針といいますか、そういったことはどう考えているのかということでございましたけれども、売り上げの原価、経費にかかるものと売り上げの差が赤字になっているということでございます。売り上げ自体が落ちていて、経費削減等、また燃料費等、若干ロシアのルーブルが下がっている状況もございまして、売上原価等も少し減っているということでございますけれども、そちらをあわせましてもやはり売り上げ等が上がっていかないと収益の改善につながらないと認識しております。以前も報告させていただきましたけれども、大体売上原価でいきますと12億円ほど、2015年につきましては約10億円かかっているということでございますので、それに近づくように売り上げを上げていかないといけないと考えております。
 先ほど委員からございましたけれども、日韓間の客、また貨物も若干増加してきているということでございます。日韓間の客につきましては、セウォル号事故からの回復ということで、大きくパーセンテージとしてはふえている状況でございますし、引き続き円安の部分がございますので、韓国からのお客様がふえているということでございます。
 一方、韓国-ロシア間でございますけれども、こちらのほうは旅客、貨物とも減っているということです。韓国からのロシア向けの例えば重機だとか、自動車の関係だとか、そういった部分というのが大きく減少しているということでございます。
 なお、運航経費につきましては、境港-東海間の経費に対する10分の1の助成ということでしておりますので、全体の赤字に対するというよりも、境港-東海間の運航に対する助成ということで御理解いただければと思います。

○市谷委員
 最初の非正規の求人がふえているという話ですけれども、決していい状況ではなく、景気もやはり回復していないのかなと思わざるを得ないのですが、そういうことに対して県としてはどういうことを考えているのかもあわせて教えていただけたらと思います。
 DBSですけれども、これは最初スタートしたときに、黒字にするのにお客だったら1便当たり300人とか500人とか、そういう目安があったのです。荷物についてはいろいろな経済状況などによって価値が変わったりということはあるかもしれないのですけれども、あれもおおよその目安があったので、そういうものを教えていただかないと見通しが持てないので、それがわかればもう一度答えていただきたいと思います。
 この船全体について、鳥取県が全て背負うわけではないと思いますので、鳥取県が赤字補塡しているのは境港-東海間の分だということですよね。それで、その部分については伸びてきているのだから、赤字補塡する必要がないのではないかと思うのです。全体に責任を負えというのでしたらその必要性というのはあるかもしれませんけれども、一生懸命頑張って伸ばしてきているということであれば、する必要がないと思うのです。その辺の考え方ももう一度整理して答えていただきたいと思います。

◎広谷委員長
 まず、雇用の関係。

●小林雇用人材局就業支援課長
 まず、非正規の対策ということでいただきましたけれども、先ほどの資料の正職員の求人倍率のところをごらんいただきたいと思いますが、前年同月と比べてみますと、全部前年同月を上回ってきているということで、全体の趨勢としては正規雇用は進んできているのかなと見ております。そういった中で、直近の3月、4月のあたりの一時期を見てみますと、そこは確かに減ってきているというところもございますが、そのあたりは、今、議会にもお示しさせていただいています正規雇用1万人チャレンジ計画ですとか、そういったことを着実に進めることで、正規雇用をふやしていきたいと考えております。

◎広谷委員長
 DBSクルーズの件。

●吉川通商物流戦略監
 まず、旅客とか貨物の目安でございますけれども、実は旅客につきましても、スタートした当時にはなかったLCCとかが日韓間で就航したりしまして、いろいろ単価の変化とかがあります。それで、数量というよりはやはり売り上げで管理しているということが実態でして、大まかには今の売り上げをあと6割ぐらいふやしていかないといけない。貨物であれ、旅客であれ、トータルで6割ぐらいふやしていかないといけないというのが今の現状です。ボリューム的にはそういう形です。
 韓露間が調子が悪いので、鳥取県が支援する必要はないのではないかということなのですが、実はこの航路は就航以来、ロシアの経済危機までの間、常に韓露間の収益が大体3としたら日本が1で、その区間が稼ぎ頭でずっと今まで運航してきました。その中で、ロシアの経済危機、また韓国のウォン高ということがあって、今、極端に韓露間が悪いと。ただし、ことしになってから少し韓国とロシアの貨物が動き始めてきているようでして、下がってはきたけれども、では日本だけで全体を賄えるかというと、そういう数字までにまだ至っていないということでございます。
 そこにつきましては、やはりこの航路をきちんと活性化していかないといけないということで知事ともお話しまして、ことしいろいろな方策を講じていって、江原道とともに、この航路の活性化を図っていくことをこれから進めていきましょうということで5月にも江原道に行って話をしてきたところでして、韓露間の貨物量、旅客の復帰と、それから全体的な航路の活性化に向けて、江原道とも一緒に取り組んでいこうという状況でございます。

○市谷委員
 DBSですけれども、いろいろな経済状況の組み合わせでいろいろな変動はずっとあるのですが、なかなか成長軌道に乗らないという根本的な問題、無理がある。さらに先ほど、飛行機などとの関係で、単価を下げないとお客さんに乗ってもらえないみたいなことで、収益を上げることが困難な状況も、逆にみずからつくり出しているということがあると思うのです。これ、永遠にいろいろなことを理由にして、難しいからといって財政支援を続けるということは、余りにもけじめがない感じがいつもするのです。もともと無理があるし、無理があるのに加えて経済状況がいろいろ作用して、また困難ももたらしているということなので、私はやはり潮どきを考えるべきではないかなと思います。

●吉川通商物流戦略監
 境港が韓国からちょうど一晩で来れる距離ということで、多分フェリーが就航できる限界の距離といいますか、それ以上遠いところはもう無理ということで、境港はそういう地の利もあって、実際に毎回300人以上のお客さんが来てくれていて、鳥取県にはそういう効果があると。確かに船会社は余り効果、売り上げが上がっていない面もありますけれども、地域にはそういう経済効果もあらわれているということがあります。
 委員御指摘のとおり、全然ストップなしにずっとこれを継続するということではなくて、やはり支援なしで運航していただくことが、一番望ましいことだと思っていますので、常に、どういう目標を持っていくか、その目標をどう達成していくのかということで船会社のほうとは調整して、なるべく早く自立してほしいということで協議を進めていますので、そのあたりは御理解いただきたいと思います。

◎広谷委員長
 いいですね。
 ほかに。

○浜田(妙)委員
 DBSクルーズですけれども、なかなか大変だなと現実の問題としては思います。営業損失がまたふえてしまったということもあって。結局グローバルな社会になって、他国頼りとか、よその経済状況に頼らなければいけない。この影響をもろに受けてしまう。そのときに鳥取県としてどこまでやれるのかということは、許容量を超えてしまう場面もありますよね。そのときの判断が先の見通しを含めてどんなふうに立てられるかということはすごく大きいと思います。予測を立てる。売り上げを上げればいいことはもう間違いないのですけれども、他国頼りということになってくる。それから、これは貨客船なので、お客様だけではなくて荷物の問題があって、国内から外へ向かって輸出する貨物も、ルートがこちらへとどんどんシフトしていけばいいのですけれども、そこの部分もなかなかうまくいかないということになってくると、もともと貨客船だから、ここにも限界がありますよね。もともとそれは言われていたことなのですけれども。そこら辺のプラスになる見込みをどう立てておられて、その期間はどれくらいと思って見ておられるのか。ではいつまでなのかという話も今あって、その見通しをどこかで立ちどまってきちっと考えなければいけないのではないか。それはやはり説明責任につながってくると思うので、大体どんなスパンで見通しを立てて、それをきちっと県民の皆さんにお伝えして、続けるのだということがあったほうがいいことはもう間違いないのですけれどもね。税金を使うということになると、その辺があるなというのが一つ。
 もう一つ、同じテーマですが、若者の県内就職の促進を一生懸命頑張っておられる。これは当然のことなのですけれども、中身がどうなのかなと。要請は当然しなければいけないのだけれども、要請を受けるだけの体力が県内の企業にあるのかどうなのか。それは労働環境の問題、ワーク・ライフ・バランスもそうだし、正規・非正規の問題もありますから、若者が継続して働き続けたいというような環境を整える、その体力が各事業所さん、企業さんにあるのかどうなのかを心配します。負のスパイラルに陥ってしまっているのではないかと、そんな感じがこの経済状況を見ても思います。
 非正規の求人がふえていて、数値が上がるということが表に出始めると、逆にそこでは働きたくないと。正規できちっと将来の設計ができて、子供も育てられて、安定的にここで暮らしていけるのだという保障がないと、どこかで見切りをつけてしまって離れていくことにもつながっていくので、そうした全体の取り組みというか、ありようを探らないといけないのではないかなと思うのですが、その辺をどう考えていらっしゃるのか。その2つを聞かせてください。

◎広谷委員長
 まず、DBSクルーズの件。ダブったような質問かもわからないけれども、答弁を。

●吉川通商物流戦略監
 韓国江原道とも話をしましたけれども、2018年に御存じのとおり平昌オリンピックが開催されるということで、2017年には東海岸とソウルを結ぶ高速道路とか鉄道とかの整備も格段に進むということがあります。江原道からもDBSも非常に厳しい状況の中で、早く活性化しないといけないという話がこの間もありまして、2年ぐらいのうちには、2018年のうちには何とかしたいというような話もございました。
 そういう中で、どういうことを考えていくかというのは、ロシアが今少し調子が悪いので、実際にはロシアの情勢が変わってくれば一番いいのですけれども、それが何年かということは私はお答えができないのですが、中国、韓国というのはかなり貿易量がありますので、中国の東北部のほうとの接続とかをいかにこれからしていくかということも含めて、トータルとして航路が活性化するような方策を考えていこうということでお話を伺っております。

◎広谷委員長
 若者雇用。

●高橋商工労働部理事監兼雇用人材局長
 御指摘をいただきました。今回、若者の県内就職の要請をするに当たって、高校生、大学生の就職率が、99%いくらという100%に近いところの中で、どういう形で要請するのか、あるいは経済団体と話し合っていくのか、あと離職も多いということで、事前に高等学校課ともいろいろと話をいたしました。
 まず、学校側の問題としましては、離職が多いという中で、やはりもっと在学中に、面接まで行ったら1社しか選べませんので、その前段の段階でいろんな企業を見させるようにするとか、就職後も高校の先生がどうだという形でフォローすることをもっとふやすとか、そういうことを高等学校のほうでも取り組んでいきたいというような話がございました。
 委員から御質問のあった企業側の問題でございますけれども、企業側も人が確保できないことについて、非常に問題意識を持っておりますし、離職を防止することにつきましても非常に問題意識を持っておられるという印象でございました。実際に正規雇用転換も進んでおりますし、正規雇用としての求人もしていかなければならないということを、お声としてはかなり聞いております。
 中小企業は採用するのが1人とか、数がごく限られておりますので、離職を防止するという意味合いでも、例えば合同で入社式をするとか、合同でボランティア活動に参加するとか、そういうところで社員さんも孤立化しないようにという取り組みも進んでおります。
 さらに、例えば先輩が若い社員をもう少しリードするという取り組みとか、もちろん、一朝一夕ではならないのですけれども、ワーク・ライフ・バランスの問題、職場環境を整える、そういうことも取り組んでいかなければ人を確保する、定着することもできないということは、商工団体さんにもかなり課題意識はあります。それをいかに県内企業の皆様一つ一つにおろしていくのかということは、かなり地道な努力も必要なのですけれども、一緒に取り組んでまいりたいというお話もさせていただいたところでございます。

○浜田(妙)委員
 余りにも難しい問題で、ここで議論していても答えが出るものでもなく、片方で人材不足の職業の名前も上がっていますし、雇用の場が不足しているという職業の名前も上がっています。片方でそれがあり、一方では、ではそこで自分が請け負って、会社を立て直してみるぞと、それだけの情熱と技量を持って入っていく人がどれだけいるのかという話になると、多分高校までにはそのようには育っていないでしょう。そうすると、どちらを先にするのか、どちらもなかなかできないということで、非常にジレンマに陥ってしまうという鳥取県の経済界の様子が見て取れるわけですよね。ではどうするかという話になってくる問題なので、ここで議論するような話ではなかなかないのですが、そのことを認識しておいたほうがいいのではないかなと。感想になってしまいますけれども、ここで数値を上げて、問題だ、問題だと言ってみても、もっと深いところを考えてつくり直すことを考えない限りは、今の時代、難しいなと。

●岡村商工労働部長
 御指摘のとおりでありまして、特に卸、小売、サービスで非正規がふえていく現状というのは、将来的に需要が見込めて、売り上げがコンスタントに確保できる環境ができれば、雇用環境も変わってきて、正規雇用に転換していくと思います。今、国のほうで経営強化法という生産性向上の新法が成立しまして、7月上旬あたりに施行ということになっています。この中で、中小企業庁が、業種を幾つかの分野に分けて生産性向上の指針を出します。それに沿った形での設備投資に対しての減税措置とか、いろいろな優遇措置が適用されるようです。この減税措置は小規模な企業を対象とした法律になっていまして、それと県版の経営革新とをうまくつなぎたいなと思っています。本当は常任委員会でも御説明したかったのですけれども、今、中小企業庁と調整をしているところです。県内の経営革新計画は、全業種で小規模な企業さんにたくさん取得していただいていますので、できるだけ生産性向上に向けて、国の指針もうまく取り込みながら、例えば体質改善、体質強化していく。業種ごとに細かく、それも規模ごとに見ていく、そのような法律体系になっていますので、そこにチャレンジしようと思っています。またまとまり次第、委員会にも報告させていただこうと思っていますけれども、そのような取り組みの中で、少しきめ細かく深掘りして、今回の卸・小売・サービス業も含めた生産性向上に向けた取り組みをしっかりサポートしていきたいと思っております。

○市谷委員
 今の雇用の件ですけれども、今の県内の職場で起きている状況は、若い人たちにきちんとした研修とかを保障しないで即戦力として使おうとして、思いどおりにならないので、使えないから使い捨てるとか、労働法制を企業主自体がよく理解していなくて、むちゃくちゃなことが現場で行われていて、もうこれでは耐えられないということで若い人がやめるとか、若者側の問題というよりも、働き方、働かせ方の問題がすごく多いし、一旦非正規で雇っておいて、ちょっとお試しして、使えないなということで解雇みたいなことがどちらかというと多くて、生産性向上により正規雇用をふやすことも大事ですけれども、そういう働かせ方の問題を私はきちんと県行政として企業に直接啓発していくことが要ると思うのです。こういう商工団体などにするのもいいですけれども、やはり間接的だと思うのですよ。各企業への徹底と言われるけれども、本当に徹底されているだろうかなと。もし徹底されていれば、労働者からのいろいろな訴えがこんなに出てくるはずがないと思うのです。すごくギャップが……。

◎広谷委員長
 市谷委員、毎回この話になってきますので、部長にその件について答弁いただいて。毎回で切りがないので。

●岡村商工労働部長
 今考えている生産性向上も、雇用環境だとか、人材育成だとか、そういうものも見ていく必要があるかなと思っています。正規雇用ということは、当然人材育成のプログラムもセットで必要になってきます。生産性を向上しようと思うと、やはりある程度長い年月かけて、その企業を支える人材にならなければいけない、それをもって初めて生産性が向上するのであって、正直言いまして、設備投資をしたから生産性が向上するわけではありません。指針の中でもそういうこともうたわれるのではないかなと思っていて、やはり人づくりをどうするかというところも評価のポイントになるのかなと思っています。正規雇用転換奨励金等もありますけれども、県独自の制度もセットにして、そういうようなメニュー、あるいは計画みたいなものを出していただく、そんなフレームにしたいなと思っています。今はまだ調整中ですので、御指摘の点は今までとってきた我々の施策にうまく融合させて、生産性向上計画の中で経営者がしっかり意識してもらうような体系にしていきたいと思っています。

◎広谷委員長
 ほかに質疑はありますか。
 ないようですので、商工労働部の質疑は以上で終わらせていただきます。
 続いて、農林水産部の質疑を受けたいと思います。どなたか質疑ありますか。よろしいですか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 次に、閉会中の調査事項についてお諮りいたします。
 本委員会所管に係る商工業及び農林水産業振興対策並びにその他の主要事業につきましては、閉会中もこれを継続調査することとし、その旨、議長に申し出ることに御異議ございませんでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議ないようですので、その旨、議長に申し出ておきます。
 なお、委員長報告の作成、内容につきましては、委員長に一任いただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
 次に、その他ですが、執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 意見がないようですので、委員の皆様に御連絡いたします。
 次回の常任委員会ですが、7月19日午前10時から開催の予定であります。実は本年度はブラジル第二アリアンサ鳥取村入植90周年の節目の年であり、現地で式典が開催されます。本議会も当該式典に参加するため訪問団を派遣いたします。その派遣団の行程が7月20日に日本を出発するため、常任委員会の開催を19日に前倒しするものであります。よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、委員の皆様には御相談がありますので、この場にお残りください。
 執行部の皆様は御退席いただいて結構です。どうも御苦労さまでした。
(執行部退席)
 残っていただきましたのは、まず、鳥取県・江原道交流事業についてであります。御承知のとおり、鳥取県議会と江原道議会とは相互交流を行っており、今年度は鳥取県議会が江原道議会を訪問する年となっております。先日の代表者会議で、議長を団長として、10月25日から10月28日の4日間で実施することとし、各常任委員会から1名ずつ派遣することが決定されましたので、本常任委員会から派遣する委員を決めたいと思います。また、江原道議会議員との意見交換テーマについても各常任委員会から1つずつ選定する必要があります。
 まず、派遣委員についてですが、近年の海外派遣の状況等を勘案して決めたいと思います。皆さんに配らせていただいた過去の派遣議員の状況を見た上で、私のほうでは島谷委員にお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 異議がないようですので、それでは、島谷委員にお願いしたいと思います。
 次に、江原道議会議員との意見交換テーマについてですけれども、派遣委員である島谷委員から希望のテーマがあればお願いしたいと思います。

○島谷委員
 打診を受けたときにどうしようかなと思いましたが、今度、境港が高度衛生管理化などで付加価値の向上を図るということをこれからしていきますし、鳥取県も、ちょうど旬のイワガキの夏輝とか、とろはたとか、松葉ガニの五輝星とか、そういうブランド化など、いろいろな付加価値向上に取り組んでいますので、向こうのそういう取り組みの意見交換等をしてきたいなと考えました。それをテーマにしたいなと思ったのですけれども、いかがでしょうか。

◎広谷委員長
 そのようなテーマでということですけれども、よろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 では、そういうことで、今話がありましたようなテーマに沿って交流していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 次に、平成28年度の第1回県外調査についてであります。
 以前に日程について話をさせていただきましたけれども、現時点での調整状況について、事務局から説明していただきたいと思います。

●石本議会事務局調査課主事
 行き先ですけれども、8月3日から5日までで、新潟県、富山県と、これは前回お示ししたところと基本的には変わってございません。ただし、テーマをそれぞれ絞らせていただいて、新潟県庁におきましては、稲作の振興施策についてと地域農業の振興についてという2点と、富山県庁につきましては、製薬産業の現状と支援施策についてと、とやま型冬期林業チャレンジ支援事業というものもされておられますので、こちらの2点についてお聞きするという予定になっております。新潟県庁と富山県庁、並びに富山県の附属機関であります5日の薬事研究所と薬用植物指導センターは受け入れオーケーということで相手先から御回答いただいております。8月4日の1件目のところはまだ不確かなところがございますけれども、いずれにせよ8月3日から5日までの間で実施するということは確定になりますので、御予定しておいていただければと思います。最終確定しましたら、また御連絡いたします。

◎広谷委員長
 ただいま説明がありましたように、日程が確定しておりますので、ぜひ参加いただきますよう、よろしくお願いしたいと思います。
 この件につきまして、皆さんのほうで何かありますか。
 ないようですので、以上をもちまして農林水産商工常任委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでした。

午前11時36分 閉会 

 

 

 

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