会議の概要
午前9時58分 開会
◎内田(隆)委員長
ただいまから総務教育常任委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元の日程のとおりであります。この順序に従って議事を進めさせていただきます。
なお、付託議案の審査及び請願・陳情の審査終了後に行う報告事項については、最初に元気づくり総本部、総務部、会計管理者、監査委員、人事委員会、県議会、次に教育委員会と2つに分けて入れ替え制で進めたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
会議録署名議員は、稲田委員と木村委員にお願いいたします。
それでは、ただいまから本委員会に付託された議案につきまして審査を行います。
付託議案は、日程に記載の29議案であります。
これから付託議案に対する質疑を行っていただきますが、委員の皆様におかれましては、簡潔な質問とマイクのスイッチの切りかえをお願いいたします。
よろしいですか。(「なし」と呼ぶ者あり)
質疑がないようですので、付託議案に対する討論を行っていただきます。討論はありますか。 (「なし」と呼ぶ者あり)
討論がないようですので、これより採決に入ります。
採決については、一括して採決するのがよろしいかお諮りいたします。一括で構いませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、付託議案を一括して採決いたします。
原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成全員であります。従いまして、本委員会に付託されました全ての議案については、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
それでは、請願・陳情の審査を行います。
今回は、請願の新規分2件、陳情新規分1件と継続分1件の審査を行います。
初めに、請願の新規分2件の審査を行います。
請願総務28年6号、医療等に係る消費税問題の抜本的解決を求める意見書の提出についての審査を行います。
御意見を伺いたいと思います。
○西川副委員長
私は、医療等に係る消費税問題を放置したまま消費税率引き上げが行われると、医療機関等の負担はさらに大きくなり、地域医療提供体制の崩壊の懸念があることから、国に対して抜本的解決を求める必要があると思います。
以上のことから、採択が適当と考えております。
◎内田(隆)委員長
ほかにありますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
意見が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
確認いたします。御意見は採択のみであります。
それでは、採択することに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成全員であります。よって、請願総務28年6号については採択と決定いたしました。
従いまして、国に意見書を提出することとなりますので、意見書案を皆様にお配りします。
医療等に係る消費税問題の抜本的解決を求める意見書について、西川副委員長から提案があり、先ほど意見書案が提出されました。
意見書案は、お手元に配付のとおりであります。意見書案を議題といたします。
提出者の説明を求めます。
○西川副委員長
それでは、説明させていただきます。
増大を続ける社会保障費に対する財源を確保するとともに、我が国の財政規律を保つため、社会保障と税の一体改革により、平成29年4月から消費税率は10%に引き上げられる予定である。
消費税は、商品やサービスの最終消費者が税を負担し、事業者が仕入れに係る消費税額を控除して納付するものであり、本来、事業者に実質的に負担が生じるものではない。
しかし、社会保障診療は消費税非課税として位置づけられていることから、社会保障診療のために仕入れる医薬品や設備投資に係る消費税については仕入れに係る消費税額の控除ができず、医療機関等のコストとなっている。
このため、国は社会保障診療報酬等に仕入れに係る消費税額を反映させ、実質的な負担が生じない措置がとられているが、個々の医療機関等の仕入れ構成の違いがあり、その仕組みが不十分であるため医療機関等に負担が生じ、その経営を圧迫している。
このまま消費税率が引き上げられれば、医療機関等はこれまで以上に仕入れ税額控除の対象とならない税負担を強いられることになり、社会保障の充実という目的とは逆に、多くの医療機関等の経営をさらにひっ迫させ、地域医療の崩壊が強く危惧される事態が生じる。
よって国においては、医療機関等の仕入れ税額の負担及び患者等の負担に十分配慮するとともに、関係者の負担の公平性、透明性を確保し、医療等に係る消費税の問題の抜本的な解決に向けた適切な税制上の処置を速やかにとられるよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出したいと思います。
◎内田(隆)委員長
それでは、質疑を行っていただきます。質疑はありますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
質疑はないようです。
討論を行っていただきます。討論はありますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
討論がないようですので、これより採決に入ります。
医療等に係る消費税問題の抜本的解決を求める意見書を、本委員会で発議することに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成全員であります。よって、医療等に係る消費税問題の抜本的解決を求める意見書は、総務教育常任委員会で発議することで決定いたしました。
次に、請願総務28年9号、鳥取県個人番号利用事務を定める条例(案)に反対することについての審査を行います。
御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いいたします。
○西川副委員長
私は、不採択をお願いしたいと思います。
理由については、鳥取県特定個人情報の利用及び提供に関する条例案が、この本議会に提案されているところであるが、この中に規定されているマイナンバーの行政事務への利用は、法により定められた制約の範囲内で、県民の利便性が図られる業務について行われるものであり、その内容は妥当である。
また、執行部が実施した県政参画電子アンケート結果によると、マイナンバーを県の行政事務に独自に利用することには、肯定的な回答が約6割で、またパブリックコメントでは積極的な利用を求める意見も多く得られており、県民は一定の理解を示していると認められる。
以上のことから、条例案に反対する理由は認められないため、不採択が適当であると考えます。
◎内田(隆)委員長
ほかに意見がありますか。
意見が出尽くしたようです。
これより採決に入ります。
確認いたします。御意見は不採択のみであります。
それでは、不採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成全員であります。従いまして、請願総務28年9号については、不採択と決定いたしました。
続いて、新規分の陳情1件の審査を行います。
陳情会計管理28年4号、公契約条例の制定による適正賃金・労働条件の確保と地域経済の振興についての審査を行います。
御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いします。
○木村委員
ここに書かれている内容ですが、県の対応を見ますと、適正価格や賃金水準の確保に努めるように指導しているということが既に書かれております。ただ、末端の技術者組織からは、県政に対する要望として、同内容の趣旨の要望が出ていたと思います。
私としては、ここに書かれている趣旨全体については賛成の意を持つものですので、基本的にその趣旨を十分理解をして、趣旨採択が適当と思います。
◎内田(隆)委員長
ほかにありますか。
○西川副委員長
私は、不採択が妥当だと考えます。
理由としましては、公契約条例の制定について、最低賃金法等の労働法制との整合性などについての問題があり、国が法律によって制度化すべきものであり、国で制度設計を行うことが妥当であることから、不採択が妥当と考えます。
◎内田(隆)委員長
ほかに意見がありますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
確認いたします。御意見は趣旨採択と不採択であります。
初めに、趣旨採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成少数であります。
次に、不採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成多数であります。従いまして、陳情会計管理28年4号については、不採択と決定いたしました。
最後に、継続分の陳情1件の審査を行います。
陳情教育27年12号、県立高等学校の数の維持と学級定員の引下げを求めることについての審査を行います。
御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いいたします。
○木村委員
これも先ほどと同様に、県としても、それ相応の対応を進めるためにパブリックコメント等の準備を粛々と進めておりますけれども、陳情趣旨については、これは否定するものではないと思いますので、趣旨採択が適当だと思います。
◎内田(隆)委員長
ほかにありますか。
○西川副委員長
私は、研究留保が妥当だと考えております。
理由といたしましては、県立高等学校の学校数再編については、教育委員会が示す今後の県立学校のあり方に関する基本方針及び平成30年度に予定されている学級減の実施状況を踏まえ議論すべきものと考えております。
よって、今後も引き続き議論が必要であることから、研究留保が妥当と考えます。
◎内田(隆)委員長
ほかにありますか。
確認いたします。御意見は研究留保と趣旨採択であります。
研究留保という声がありましたので、まず研究留保とするか否か採決を行います。
なお、採決の結果、研究留保が少数である場合、改めて趣旨採択等の採決を行うこととなりますが、この採決には当初、研究留保という意見を出された方も、もう一度態度表明をしていただきますので、御承知ください。
なお、挙手されない方は、研究留保とすることに反対であるとみなします。
それでは、まず研究留保ということに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成多数であります。従いまして、陳情教育27年15号につきましては、研究留保と決定いたしました。
次に、報告事項に移ります。
まず初めに、元気づくり総本部、総務部、会計管理者、監査委員、人事委員会、県議会について行いますので、教育委員会の方は御退席ください。
(執行部入れかわり)
再開します。
執行部の皆様におかれましては、要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いいたします。
なお、質疑については説明終了後、一括して行っていただきます。
それでは、元気づくり総本部、報告1、「第66回関西広域連合委員会」及び「関西広域連合議会3月定例会」の開催結果について、森田広域連携課長の説明を求めます。
●森田広域連携課長
元気づくり総本部の資料1ページです。
去る3月5日に開催された関西広域連合委員会等について報告します。
関西広域連合におきましては、3の概要に示しますように、主に4つの項目について議論が行われております。
関西人口ビジョン及び関西創生戦略についてですが、まち・ひと・しごと創生法に基づき、関西広域連合においても人口ビジョン及び総合戦略を策定しようとしているものです。資料1に当日の資料を付けておりますけれども、議論のたたき台として事務局より案が示されたところです。これに基づいて議論が行われておりますが、まだ十分に議論が尽くされていないということで、さらに議論を深めて次期委員会に図るよう指示があったところです。
広域連合の活動の基本となる広域計画について、現広域計画が平成28年度までで終了することに伴い、29年度から31年度までの3年間の次期広域計画を平成28年度中に策定する必要があります。この策定の検討体制及びスケジュール等について、協議が行われたところです。
ヘルプマークの導入についてですが、京都府から提案があったものです。内部疾患等で、健常者と見ためでは変わらないが援助等を必要とされる方々がいらっしゃいます。そういった方々が周りに援助や配慮等を必要とすることを示すヘルプマークというものがあります。こちらを導入することが報告されました。
あわせて、当県の平井知事から、援助を必要とされる方ではなくて、本県が取り組んでいる「あいサポート」のように、援助をする側に対しても取り組むよう議論が行われまして、その方向で検討が進められることになりました。
当日、あわせて、関西広域連合議会の3月定例会が行われました。議題として、平成28年度一般会計予算、あるいは平成27年度補正予算等の議論が行われています。
2ページですが、一般質問も行われています。本県選出の興治議員より、国際観光及びエコツーリズム等についての質問がなされています。それに対して、京都府の山田委員及び当県の平井委員より答弁があったところです。
◎内田(隆)委員長
報告2、鳥取県と株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)との業務連携に関する覚書の締結及び業務連絡記念セミナーの開催について、片山広報課長の説明を求めます。
●片山広報課長
鳥取県と株式会社海外需要開拓支援機構との業務連携に関する覚書の締結及び業務連携記念セミナーの開催について報告します。
クールジャパンとして海外で高い評価を受けている我が国の文化的特色を生かした商品、サービスによる海外需要の開拓、あるいは観光誘客等に関して、県内の事業者による事業開拓等を支援することを目的として、クールジャパン推進の経験やノウハウを持っている官民ファンド、株式会社海外需要開拓支援機構との業務連携の覚書を締結しました。また、この業務連携の意義を広く県内に周知するための記念セミナーを開催することにしました。
概要は資料の1以降に書いておりますが、覚書の締結は3月25日、海外需要開拓支援機構の太田伸之社長と本県の平井知事が出席し、締結式を実施することにしています。
業務連携の内容には、2つの柱があります。1つは、クールジャパンに向けた機運の醸成と、県内の事業化可能案件の発掘、磨き上げということ。もう一つは、事業支援や、海外展開の促進ということ。この2つを柱に、現在内容の調整を進めているところです。
同じくこの25日には、業務連携を記念したセミナーを、この支援機構の太田伸之社長を講師にお招きして、「地方を世界とつなげる~クールジャパンと地方活性化~」と題しましたセミナーをとりぎん文化会館で開催します。県内企業、商工団体、あるいは市町村の職員等の方々に広くお声がけをして、研修会を行いたいと思っています。
機構の概要は、資料の最後に参考として付けております。
◎内田(隆)委員長
報告3、日本財団共同プロジェクト「中山間地域の生活支援」に係る移動販売車第1号の出発式について、片山とっとり暮らし支援課長の説明を求めます。
●片山とっとり暮らし支援課長
資料の10ページをお願いします。鳥取県と日本財団との共同プロジェクトのうち、中山間地域の生活支援事業の第1号として、移動販売車の出発式を行うことについて御報告します。
江府町では昨年の12月、「小さな拠点」推進振興協議会を設立して、江尾地区を中心として小さな拠点づくりを計画中です。
その第1弾として、中山間集落の高齢者の方々への買い物の機会を提供すると同時に、見守りや地域をつなぐ移動販売車の導入に対して、日本財団から支援が行われるものです。3月28日の午後2時から、江府町の貝田集落集会所前で行うことにしています。日本財団から理事長、県から知事、江府町長、あと地元の皆様方等により出発式を行おうというものです。
デザインは、資料の下のほうにあるようなデザインを考えており、今回導入される移動販売車は、日本財団との連携事業全体の中で、ハードの整備としては第1号となるものです。
御都合がつきましたら、委員の皆様にもお越しいただければと思っております。よろしくお願いします。
◎内田(隆)委員長
報告4、とっとりの元気づくり会議(第2回)の開催結果について、松岡参画協働課長の説明を求めます。
●松岡参画協働課長
11ページをご覧ください。公益財団法人とっとり県民活動活性化センターと共催で、第2回の、とっとりの元気づくり会議を開催しましたので、概要を報告します。
開催日と参加者は、1の(1)をご覧ください。会議の内容は、ウの分科会のところですが、鳥取県元気づくり総合戦略に掲げる3つのテーマ、豊かな自然、人々の絆、幸せを感じる時間、これらに沿って3つの分科会を開催しました。
参加者からは、この主な提案に記載しているような提案をいただいたところです。
(3)の参加者から出された主な意見として、有益なアドバイスがもらえた、元気づくりが鳥取県の生き残りのキーワードだと思っている、プロジェクトを立ち上げていくことに協力していきたい、という意見をいただいています。
今後の展開について、来年度に民間主体の具体的なプログラムを実施するようにしており、今回の提案をもとに、テーマを定めていくことにしています。
◎内田(隆)委員長
報告5、鳥取県女性活躍推進計画(案)について、鈴木男女共同参画推進課長の説明を求めます。
●鈴木男女共同参画推進課長
12ページをご覧ください。鳥取県女性活躍推進計画(案)について報告します。
最初に、誤植の訂正についてお断りします。
まず、14ページの2行目の「男性共同参画推進企業認定数」、こちらは「男女共同参画推進企業認定数」の誤りですので、訂正をお願います。
また、別冊で本計画(案)の本冊子を付けておりますが、こちらの20ページも同じく「男性共同参画推進企業認定数」となっておりますのは、「男女共同参画推進企業認定数」の誤りです。2カ所、訂正をお願いします。
説明に戻らせていただきます。
平成27年8月に成立した、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき、本県の女性活躍推進計画について、別添のとおり案を策定しています。
本計画は、昨年行った意識調査、また「男女共同参画キャラバン隊」や「とっとり女性活躍ネットワーク会議」において伺った意見等により、官民連携で設置した「輝く女性活躍加速化とっとり会議」とともに作成したものです。
今後は、本日から28日までパブリックコメント、また、経済団体、労働団体等関係団体、女性活動団体との意見交換等を行い、年度内の策定を目指しているものです。
来年度、4月1日から女性活躍推進課が設置されますので、この推進計画をもとに女性活躍に向けて迅速に取り組みたいと考えております。
計画の内容については、13ページをご覧ください。平成28年度から平成32年度まで、5年間の計画です。本計画では、女性がやりがいを持ち活躍できる環境整備、また、女性が安心して働き続けられる環境整備、この2つを大きな柱として計画をつくっています。
計画の中の基本目標として、女性の活躍の指標は、管理的地位に占める女性割合と、女性活躍のパワーアップ企業の登録数の2つ。また、安心して働き続けられる環境整備は、男女共同参画推進企業認定数、イクボス宣言企業率ほか4つの指標を上げております。
具体の取組内容は、14ページにあるように、やりがいを持って活躍できる環境整備のものと、働き続けられる環境整備ということで、それぞれに取組の方向性を示しています。
詳細は、本冊のほうをまたご覧いただけばと思っております。報告は、以上です。
◎内田(隆)委員長
報告6、「新因幡ライン~ふるさとに出会う幸福(29)ロード~」の日本風景街道登録について、国岡東部振興課長の説明を求めます。
●国岡東部振興課長
15ページをお願いします。先週3月10日、国道29号を中心とするルートが日本風景街道に登録されまして、その概要を報告します。
日本風景街道については、下の参考のところにありますように、道を舞台とした地域活動や道を活用した観光振興を通じて、地域の活性化を図ろうとする民間主体の取組です。申請に基づき、国土交通省各地方整備局に設置された風景街道地方協議会が登録を行うものです。
今回の登録は、全国で138ルート目、中国地方では9ルート目、県内では3ルート目、県東部では初の登録となります。
風景街道の名称は、「新因幡ライン~ふるさとに出会う幸福(29)ロード~」ということで、民間団体が沿線各地で行ったワークショップ等を通じて決定されたものです。
ルートは16ページです。地図の赤い線になりますが、メインルートは国道29号で、兵庫県宍粟市の山崎インターチェンジから北上し、県境の戸倉峠を越えて鳥取市までの約90キロです。ただし、若葉台からは新道を通らずに、旧29号を通って昔の因幡街道の起点でる鳥取城の前までとされています。
サブルートは、国道482号で氷ノ山から若桜町、八頭町を横切る約30キロです。
15ページに戻っていただきまして、風景街道の狙いは、国道29号沿線を舞台として、沿線の活動団体が県境を越えて一体となって地域ににぎわいを創出し、地域の活性化を図ろうとするものです。
この風景街道登録証の授与式が、中国地方風景街道協議会の主催で、3月20日に若桜の道の駅で行われます。内容は、そこに記載のとおりです。3月20日は若桜谷が非常ににぎやかになる日でありまして、若桜鉄道の隼ラッピング列車のお披露目パレードや、若桜町のジビエフェスタなどが開催され、その一画を借りて授与式が行われるものです。
授与式自体は短時間で終わりますが、にぎやかな中での授与式になるものと思っております。
◎内田(隆)委員長
報告7、みんなで地方創生事業の執行状況について、関係課長より順次説明を求めます。
国岡東部振興課長の説明を求めます。
●国岡東部振興課長
17ページをお願いします。みんなで地方創生事業につきましては、民間団体等が取り組む地方創生に資する取組を積極的に支援して、圏域の方に対して時期を失することなく、効果的に事業が実施できるよう、東部、中部、西部の各地域で実施するものです。民間補助と県の直営とがあります。
そのうち、東部地域分について執行状況を報告します。
因幡船岡駅については、坂町一の会という有志の組織が行う地域の交流拠点整備の取組を支援したもので、地域活動の活性化やにぎわいにつながってきたものです。
鉄道ジオラマは、隼駅を守る会が鉄道ジオラマ保管倉庫を改修して、新たな展示施設として整備しようとする取組を支援したもので、新たな鉄道ファンの集客が図られたものです。
交通事業者のシンポジウムは、若桜鉄道が開催した地域交通を軸とした観光振興や地域づくりを議論するシンポジウムを支援したもので、交通事業者の連携による広域観光の可能性について関係者が認識を深めることができたものです。
次のページをお願いします。県産食材のPRは、昨年12月に実施された有名料理人の鳥取グルメツアーで提供された食材や料理について、ビジュアルデータを作成してPRを行い、県外への鳥取県産食材の魅力発信や認知度向上につなげたものです。
トットリズムの推進講演会は、県の総合戦略の推進を図るため、地域づくり団体等を対象に、県外からの視点で鳥取の魅力や強みを再発見するという講演会を開催し、地方創生の機運醸成につなげたものです。
用瀬アルプスを生かした地域振興は、住民主体の身近な山を活用した地域振興を支援し、この先行例を他地域への波及につなげようとしたものです。
「瑞風」停車駅めぐりは、今度の土曜日である3月19日、元オリンピック選手でサイクリストとしても有名な山本隆弘氏と、「瑞風」の停車駅を結ぶサイクリングを行うとっとりサイクルツーリズムの会を支援するものです。「瑞風」に向けた歓迎ムードを盛り上げるとともに、ジオパークを舞台としたエコツーリズム推進につなげようというものです。
19ページをお願いします。森のようちえんの空き家対策は、森のようちえんまるたんぼうが行う移住者向けの一時的な入居施設整備の取組を支援し、県東部の空き家対策、人口減対策のリーディングケースの支援をするものです。
◎内田(隆)委員長
もうちょっとコンパクトにお願いできますか。
●国岡東部振興課長
はい、失礼しました。
ライダーハウスは、隼駅を訪れる隼ライダーに宿泊施設を提供しようとするものです。
古民家の利活用は、中山間地域の地域資源である古民家を活用して地域振興を図ろうというものです。
最後の「瑞風」受入れ準備事業は、「瑞風」のおもてなしとして、郷土芸能である東浜音頭を復活させて、地域の活性化につなげようとするものでます。
東部管内は以上の11事業、執行見込み額の計は715万円となっております。
◎内田(隆)委員長
続きまして、澤谷中部総合事務所地域振興局副局長の説明を求めます。
簡潔で構いませんので。
●澤谷中部総合事務所地域振興局副局長
中部総合事務所です。
最初に、日本版DMOの講演会の開催に対する支援です。こちらは、2回にわたって開催しました。
1回目は鳥取地方創生チーム中部会議と同一日に開催しました。その結果、日本版DMOの候補法人として登録を受けたところです。
2回目は、ATC、WTCの関係のおもてなし関係を中心に支援をしたところです。
あと、イノシシのブランド化、日本遺産関係、コナンの聖地に向けたミュージアムサミットの関係など、一部実施中のものもありますが、こういったものを支援しているところです。
◎内田(隆)委員長
関 西部総合事務所地域振興局副局長の説明を求めます。
●関西部総合事務所地域振興局副局長
西部総合事務所では、8事業、約500万円の支援を行いました。そのうち、民間事業の主なものについて報告します。
21ページ、下側のインバウンド研修会等実施委託事業では、地元の皆生温泉旅館等から構成される山陰にぎわい創出プロジェクトに対して支援を行いました。
西部地区はインバウンドの入込客が多い中、ジャパンインバウンドソリューションズという、ドン・キホーテを中心にインバウンドを推進している中村さんという方を講師に招きました。3回にわたって、地元の飲食、宿泊、土産物関係者、延べ約300名を集めて、インバウンドについての機運醸成を支援しました。
22ページの一番下、大山女子力アップPR支援事業、また23ページ、伯耆国大山開山1300年祭魅力づくり推進事業です。この2つについては、大山町の民間団体である商工会と観光局に対して、国立公園80周年と平成30年に迎える大山開山1300年を前に、戦略的に地元を挙げて取り組もうという機運醸成、PRのための首都圏での活動、PRグッズ作成、これらに対して支援を行いました。
◎内田(隆)委員長
続きまして、総務部に移ります。
報告8、鳥取県PPP/PFI手法導入の優先的検討方針(案)について、谷業務効率推進課長の説明を求めます。
●谷業務効率推進課長
総務部の資料1ページをお願いします。鳥取県PPP/PFI手法導入の優先的検討方針(案)について報告します。
本県では、既に指定管理者制度などを導入しておりますが、今後PFI手法を含めた民間活力をさらに活用する事業手法の積極的な検討、適切な導入を図っていくということで、従来型手法である県の直営実施に優先してPPP/PFI手法を検討することとして、本方針に基づいて進めていこうというものです。
概要の(1)が、対象事業です。一つ目は、建設費、製造、改修も含みますけれども、総事業費が10億円以上のもの。もう一つが運営費等で単年度が1億円以上のもの、これをまず対象とします。
検討方法ですが、1次検討と2次検討を考えています。2次検討においては、外部アドバイザーによる導入可能性調査等も想定しております。
体制は、仮称でありますが、副知事がトップの県有施設・資産等有効活用戦略会議を設置して検討を行っていこうと思っております。
検討結果は、導入しない場合であっても、その旨や内容は公開していくこととしています。
今後の予定は、今年度中に策定し、今後の公共施設整備事業に適用していきたいと考えております。
次のページはPPPの概念図、3ページ、4ページ、5ページに方針の案を付けております。
◎内田(隆)委員長
続きまして、報告9、鳥取県公共施設等総合管理計画(案)のパブリックコメントの実施結果について、河本財源確保推進課長の説明を求めます。
●河本財源確保推進課長
7ページをお願いします。公共施設等総合管理計画(案)のパブリックコメントの実施結果について報告します。
4件の意見をいただいております。主な意見は、公共施設について必要か不必要かを見きわめた上でそれぞれ適切に対応することが必要、県有資産の利活用については部局横断的に進めるべき、公共施設の廃止は住民の理解の上で行うべき、公共施設の管理は県民目線での検討が必要、といった内容のものでございました。
対応方針の主なものは、県庁内の連携について、今後県有資産の適正管理や官民連携の手法等について、より戦略的な検討を行うため、新たな組織を立ち上げることを予定しており、今回その旨を計画の中に記載しました。住民の理解や県民目線での検討にも十分に留意して取り組んでいきたいと考えております。
別冊でお届けしている公共施設等総合管理計画(案)の中に、今申したような修正を反映させておりまして、3月中に成案として取りまとめたいと考えています。
◎内田(隆)委員長
報告10、鳥取県人権施策基本方針第3次改定(案)について、川本人権・同和対策課長の説明を求めます。
●川本人権・同和対策課長
8ページをお願いします。鳥取県人権施策基本方針の第3次改定について、鳥取県人権尊重社会づくり協議会等において、有識者や当事者の委員等の意見を伺いながら検討を行ってきましたが、このたび改定案を作成しましたので、報告します。
1の概要ですが、この人権施策基本方針は、人権尊重の社会づくり条例に基づいて策定しています。県の計画の改定や計画策定の際には、この方針を踏まえて人権尊重の視点を盛り込む、あるいは施策についてもこの方針との整合性に留意するという形で、県として人権施策を総合的に推進しようとするものです。現在、平成22年11月に第2次改訂を行っておりますが、かなり年月がたっていますので、28年7月を目途に第3次改定をしようということです。
2の主な改訂内容です。3つ挙げていますが、ヘイトスピーチ、いじめ、子どもの貧困、あるいは職場における人権問題など、近年顕在化している人権課題について記載したところです。
イとして、26年5月に県民意識調査を行いましたので、その結果を踏まえた方向性の見直しや、よりわかりやすい表現となるような文章の修正等を行ったところです。
(2)として、個別分野について現在13項目を挙げていますが、今回14項目に改めたいと考えています。新しく、ユニバーサルデザインの推進と、様々な人権という形で拉致問題や災害に関する問題などを記述しようというもので、9ページに個別の人権分野ごとの主な改訂内容を挙げています。
少し説明しますと、例えば同和問題であれば、本人通知制度の課題、インターネット上の人権問題、差別事象への対応など。男女共同参画であれば、ワーク・ライフ・バランスや性暴力被害への支援など。外国人の人権では、いわゆるヘイトスピーチへの対応として国への要望など。また、近年、性的マイノリティーの人権が非常に課題となっていますので、身近にそういう当事者がおられることについて、記載等をしたところです。
9ページの上の3、人権施策の実施状況の確認です。基本方針ですので、なかなか厳密な計画の執行管理というわけになりませんが、基本方針に関連する事業や、さまざまな指標等を年度ごとに取りまとめて、人権尊重の社会づくり協議会に報告する等により公表することで、人権施策の実施状況を確認していきたいと考えております。
今後の予定ですが、来月からパブリックコメントを行い、その結果を踏まえた修正を行いまして、再度6月に、人権尊重の社会づくり協議会及び本常任委員会へ報告しまして、7月を目途に改訂、公表という形で進めたいと考えております。
別冊として、基本方針3次改定(案)の冊子と、啓発普及用のダイジェスト版を添付しております。後ほどご覧いただけたらと思います。
◎内田(隆)委員長
続きまして、首都圏における「カニフェア」の実施について、前田東京本部長の説明を求めます。
●前田東京本部長
10ページをお願いします。首都圏における「カニフェア」の実施ということで、鳥取県の特産品であるカニのフェアを行いましたので、その結果について報告します。
銀座・新橋エリアにおいて、2月22日から3月6日の2週間、21店舗で鳥取県のベニズワイガニと松葉ガニを使い、料理を出していただいてPRを行っていただきました。
それに先立ち、1月28日に、分けとく山の野﨑さんという総料理長に、ベニズワイガニの料理の仕方を教えていただいたところです。
参加者の反応は、ベニズワイガニは首都圏の消費者には余り知られていませんが、やはりとてもおいしかったという感想とか、店のほうでは今後とも使ってみたいという話がありました。
銀座や新橋とは別に、赤坂のWakiyaという有名な中華料理屋においても、昨日おとといとフェアを行ったところです。先日の常任委員会で福浜委員からネーミングの話がありました。知られていないのはその通りですが、境港の地元ともお話をしたところ、これまでは加工中心であり、カニの姿のままで売るのは最近取り組んだばかりなので、今後考えていこうということで話を進めています。
◎内田(隆)委員長
続きまして、関西国際空港におけるインバウンド事業について、伊藤総務部参事監の説明を求めます。
●伊藤総務部参事監
11ページをお願いします。関西国際空港におけるインバウンド事業について報告します。
訪日外国人旅行者を中心に、鳥取県の認知度向上や観光客誘致の促進のため、関西空港となんばOCATを結ぶリムジンバスにPRのラッピングを行うということになり、ラッピングバスの出発式とPRイベントを行います。
概要は、1に記載しています。ラッピングバスの出発式を3月24日に第1ターミナルで行います。バスは2台用意しており、デザインは裏面のとおりですが、1台は「鳥取の海号」と題して、砂丘と浦富海岸といったジオパークの魅力を発信するもの。もう1台は「鳥取の山号」と題して、三徳山、三朝温泉プラス1300年を迎える大山をPRするもの。この2台のラッピングを行ったところです。
運行者は日本交通で、なんばOCAT-関西空港間で1日約30往復しておりますが、そのうちの6往復がこのラッピングバスということです。
あわせて、同日にイベントを第2ターミナルで行います。到着ゲート付近で観光親善大使がお出迎えし、あわせて出入国者を対象にPRブースを設置して観光情報を発信していきたいと思っております。
◎内田(隆)委員長
続きまして、名古屋における情報発信等について、門脇名古屋代表部長の説明を求めます。
●門脇名古屋代表部長
13ページをお願いします。名古屋における情報発信等について報告します。
鳥取県の観光PRの取組状況についてですが、名古屋での春の大きな旅のイベントとして、「第28回旅まつり名古屋2016」が開催されます。鳥取県と、県内からも鳥取市、中部観光推進機構、大山山麓観光推進協議会にも参加いただき、今週末に、特産品の販売、観光PR、砂の美術館によるミニ砂像の制作など、さまざまなイベントを行いながら、鳥取県への春旅の誘客を図っていきたいと思っています。
あわせて、(2)に記載しておりますが、この春旅へのPRということで、3月12日に放映は終わりましたが、「昼まで待てない!」という、テレビ朝日系列である名古屋テレビ(メ~テレ)のテレビ番組の中で、鳥取県への旅をPRしました。県内全域、砂丘、三徳山三佛寺、水木しげるロード等を、小泉エリさんという地元のタレントさんが巡りながらレポートされたものです。
現状の取組状況は以上ですが、14ページです。1月の常任委員会で、稲田委員から名古屋での取組状況に関する御質問をいただきました。本年度の取組状況を、簡単ですが報告させていただきたいと思います。
初めに、観光誘客と鳥取県のPR状況ですが、マスコミ、テレビ、雑誌等との連携による
PRや、観光イベントに15回ほど観光連盟と一緒になって参加して、鳥取県のPR等を行ってきました。旅行ツアーや修学旅行の誘致も観光連盟と一緒に取り組み、鳥取方面への旅行商品の企画数が大体200件、また愛知県内の県立高校の修学旅行も今年度初めて実現しました。
四角の中で囲っておりますが、旅行会社の調査では、鳥取県に向けての修学旅行者の状況は、4年ほど前に比べてかなりの伸びを示しておりますし、実際の旅行商品の企画数自体もかなり伸びてきている状況だと考えております。
2番目、企業誘致の状況ですが、誘致担当の参与を中心としながら、継続的に中京圏の企業を訪問しています。本年度でも200社以上の企業を訪問しているのが現状です。フォーラム等も開催をしながら企業への働きかけを行っており、常任委員会でも報告させていただきましたが、四角で囲っているような中京圏3社が鳥取県にお越しいただくことが決まっています。
あわせて、県内企業への発注開拓の推進も産業振興機構と一緒に取り組んでおり、精密部品、自動車部品の製造関係など、いろいろな部品等の発注を鳥取県に向けていただいたところです。 そのほか、食のみやこのPR、移住定住の推進、東海鳥取県人会や鳥取県ゆかりの方々との連携、公立鳥取環境大学との連携も行いながら、さまざまな取組を進めているところです。
まだまだ不十分な面もたくさんあると思いますが、委員の皆様からも御指導をいただきながら、来年に向けてさまざまな取組を進めていきたいと思っております。
◎内田(隆)委員長
それでは、今までの説明について、質疑はありますか。大丈夫ですか。
○木村委員
3点ほど伺いたいと思うのですが、まず記憶の新しいところから。
東京本部でベニズワイガニをやっていただいて、すごくよかったと思います。関東の市場の中で、鳥取のベニズワイガニが占める割合というのですかね、近隣の港からも多分ベニズワイは揚がっているのだろうと思うのです。以前もお話ししたように、「日本のまつり」では私たちの横が福島県のいわき港で、ベニズワイガニが2,000円で出ていて私たちのものが売れなかったという話をしましたけれども。鳥取県のベニズワイの認知度というのは、今の段階では、ほぼないと考えたほうがいいのですかね。
●前田東京本部長
認知度ということですよね。
○木村委員
はい。
●前田東京本部長
認知度は余りないと思います。
○木村委員
カニとしては単価的にも比較的安い商品ではないですか。けれども、参加者の感想からすると、非常に高い評価をいただいているということもあります。この課題として挙げてある、厨房の中の調理過程の、どういう部分をカットしていけばもっと市場に流通するのかというようなことも含めて、なるべく今のパイプが太くなっていくように次の作業に入っていただきたいと思います。
いいですか、続けて。
◎内田(隆)委員長
はい。
○木村委員
幸福ロード、日本風景街道の登録がありましたね。このセレモニーに関しての質問ではないのですけれども、これは観光戦略課でもサイクリングのツアーをやっていこうという調査費が今回ついていますね。ああいう部分においても、必要なハードの整備というか、休憩をする場所などもあわせてやっていかなければならない。バイクと自転車のスピードの違いはあるにしても、シーニックバイウェイの考え方が基本だろうと思っているので、風景をどうきれいに見せるかについてのハード事業もお考えになっているのか、伺います。
●国岡東部振興課長
風景街道についてでございます。
まず、予算の話ですが、現在お願いしています来年度の当初予算で、風景街道に関連した予算を提案しております。キャラバン隊、案内パネルの整備、フォトイベントとかワークショップといった、どちらかといえば、ソフトあるいは若干のセミハード的なものです。
委員が言われた大きなハードについては、風景街道のパートナーシップの中には道路管理者も含まれていますので、国道なら国土交通省、県道なら県土整備部で、道路管理者とパートナーシップの枠組みの中で話をしながら、整備を進めて行きたいと考えております。
○木村委員
今の話で基本的にオーケーだと思いますが、そういうことを計画的に、ぜひ使う側の目線に立って整備していただきたいと思います。
最後に1つだけお願いします。
◎内田(隆)委員長
はい。
○木村委員
参画協働課に、今回、とっとりの元気づくり会議ということで開催結果が入れてあって、いろんな項目が主な提案として出されています。自分もずっと役所の内部でやっていて、一歩抜けたい、一歩抜けたいとずっと思っていたのですね。具体的な取組になって、それが変化していく姿を早く見たいと思いながら、そういう取組をしてきたのだけれども、大体似たようなことがずっと繰り返されているような雰囲気がするのです。ああ、こんなことも以前やったよね、こういうフォーラムも以前やったよね、という気がするのです。確かに難しさがあるのはわかるのですが、今回の報告の中で違いがあるとすれば、日本財団等のかかわりが具体的に入って違ってくるというところが大きな違いになるのでしょうか。その辺り、何か。
●松岡参画協働課長
今回の取組について、今後は来年度、プロジェクトを立ち上げてやっていくことになります。
これまでの取組との違いですが、確かに日本財団に参加いただくというところが一つ大きな違いだと思っております。助成プログラムとして、このプロジェクトについては特別に1テーマ500万円の助成をいただけるというお話をいただいております。それはお金の面です。
もう一つは、さっき説明すればよかったのですが、日本財団から来ていただいている木田さんなどにも、この会議に実際に参加していただき、分科会も聞いていただいています。日本財団さんという、県庁外、鳥取県外の視点の方に入っていただけるというのが2つ目の違いだと思っています。
とっとり県民活動活性化センターには、今までは伴走型と言っていたのですが、リーダーシップをとって牽引型でプロジェクトチームを動かしていただきます。
それからもう一つは、日本財団さんのおっしゃっるところで、助成期間が終わっても継続的に取り組める仕組みをつくっておくということがあります。このプロジェクトチームをつくるに当たりましても、今後継続して取組ができる仕組みをつくっていくというところが、今までとの違いかと考えております。
○木村委員
では、今までとの違いというのは、財団の資金支援の話と、これから先も持続していくために必要な人材をうまくステージに上げていくと、そういう具体的な取り組みに入るよと、そういう理解をしていいですね。
●松岡参画協働課長
はい。
○木村委員
はい、いいです。
○西川副委員長
総務部の1ページの鳥取県PPPとPFIについてですが、鳥取県は早くから指定管理に取り組んでおられますよね。それで多くの施設が指定管理制度で対応しておられるのですけれども、今回これを導入検討するというのは、それを踏まえてなのか、それを白紙に戻して、また一から考えられるのか。もう1点、副知事をトップということなのですが、ではその検討の構成メンバーにはどのような方を想定されておるのか。とりあえずその2点をお願いします。
●谷業務効率推進課長
まず、現在指定管理制度の入っている施設の扱いということだと思うのですが、今回この方針でまず検討したいのは、従来の手法、つまり直営でやっているものについて民間のノウハウなどが入らないかということです。そのため、まずベースとして上がってくるのは、今直営になっている、指定管理者制度も導入していない施設を先行してやりたいと思っています。
指定管理者制度についても、現状の公募か指名かという話というお話しかと思いますけれども、できればこの場でも議論したいと思っています。しかし、最初に申しましたように、まずは直営の公の施設のあり方を俎上に上げるということです。
体制ですが、副知事がトップで、あとは庁内の部長を今想定しています。必要に応じてアドバイザー的に外部の方から意見を伺うようなこともしようと、今考えています。
○西川副委員長
今お聞きした中で、指定管理を今指定しているのはとりあえず除外して、新規に指定管理をしていないものを検討するということですけれども、指定管理の公募かどうかということをお聞きしているのではありません。指定管理にするのがいいのか、以前もありましたよね、民間に全部出すのがいいのか。今、副知事や部長と言われましたが、例えば指定管理の金額も含めて、やはり行政サイドの視点で見るのと、民間で見るのと、やはりこれは視点を変えないと、今までの指定管理のやり方と同じになってくると思うのです。できれば、今回、指定管理とは違うやり方をやっていただけたら、より効果が出るのではないかという思いなのですけれども。
●谷業務効率推進課長
済みません、少し勘違いした回答になってしまいまして、申し訳ございません。
おっしゃるように、今、指定管理者制度でしている施設についても、指定管理制度がいいのか、それとも、仮に民間で受け手があれば民間に出すというような方法も当然ございます。そういったところも含めて、検討できるような形で考えていきたいと思います。
◎内田(隆)委員長
よろしいですか。
○西川副委員長
一つ提案は、民間ができるのであれば手を挙げるというのではなく、私は本来、民間に研究させて、民間に委託できる方向に持っていくという方法だと思うのです。今時点では、民間が受けるかといったら、もうかるものしか手を挙げませんので。これは、要望です。
もう1点、これは無理かもしれませんが、今予定されている美術館は検証対象になるのか。これからのことになり、所管も違うかもしれませんが、対象にはならないのか、その点だけ。
●谷業務効率推進課長
今回のこの案では、対象を建設費10億円以上ということにしております。美術館は、正確な金額ではないとは思いますが、70億円とか100億円と言われておりますので、当然この俎上に上がってくると考えております。
○西川副委員長
わかりました。
◎内田(隆)委員長
よろしいでしょうか。
○西川副委員長
はい。
○福浜委員
3点お聞きします。
1点目は、カニのことです。境港の関係者の方にもちょっとお話を聞いてみたのですが、ベニズワイガニはおっしゃるように加工が中心で、首都圏で高く売れると全体的に単価が上がってしまって、材料の購入費が高くなるというようなマイナス面もあるけれども、やはり売っていきたいという思いも半分あるようです。そこはやはり首都圏からの積極的な、高く売りましょうよ、という後押しが絶対に必要だと思いますので、ぜひ取組を強めていただきますようお願いします。ここは感想ですから、もし何かあれば意見をいただければと思います。
2点目は、名古屋のことです。いろいろと観光の企画商品なども増えていますし、企業誘致なども向こうから入ってきています。鳥取-名古屋便や米子-名古屋便と、過去飛行機が飛んでいた時代がありましたが、中長期的に見た場合に、もう一回そこに飛行機を飛ばすようなニーズをどう見ていらっしゃるか。まだまだ早いのか、例えば5年先を見た場合に、改めてもう一回動きを強めたほうがいいとか、その辺りどう踏まえていらっしゃるのかお聞かせください。
3点目は大山のことで、これは西部総合事務所になるのですかね。出雲大社の神門通りの方をお呼びになったり、いろいろとされているようです。事業内容の細かいところでちょっと申し訳ないですが、23ページです。1300年祭を迎え、首都圏でも今PRをされていますが、東京のキー局や大阪の準キー局で東京に局も構えているところもありますけれども、大山1300年祭についてキー局が飛びつくような何かキャッチーさというものが、僕は余りイメージができていないのです。
出雲大社のときは、縁結びということで女性に火がつきました。パワースポットめぐりとか、それを踏まえてキー局がかなり積極的に発信していったところがあると思うのです。1300年祭がせっかく来るのであれば、東京のキー局が飛びつくような、何かキャッチーな目玉という、ターゲットの設定が必要ではないかと思うのですけれども。ざっくりやるのではなくて、東京のキー局にどう売り込んでいくかという目玉商品のようなものがあるのでしょうか。
●門脇名古屋代表部長
福浜委員から、飛行機のニーズはどうなのだろうという御質問をいただきました。
今、私どもでは、例えば、車で鳥取まで4時間半ですとか、新幹線を使えば3時間半ですとか、そういったPRをしています。
現場に実際に行って、飛行機はないのかというお問い合わせをいただく機会も、かなりの数があります。島根県では、愛知県営空港から出雲空港まで、今FDAという便が飛んでいて、7月から2便まで増便をされるという動きがあります。ニーズがどうかということになれば、一定のニーズというのはもちろんあるのだろうと思っています。
そういった状況と、ビジネス面等を組み合わせながら、どういった格好で今できてくるのか、探りながらということにはなると思います。今すぐどうこうということを申し上げる段階ではないと思いますけれども、そういった動きも踏まえながら、さまざまな活動を進めていきたいと思っています。
○福浜委員
わかりました。特に鳥取は4時間で来られるというところで、陸路でもいいかもしれませんが、米子の場合は少し遠いというイメージがあると思うので。香港便も今度入ってきて、あそこがインバウンドの一つの日本海側の拠点になりつつあるところで、うまく中部国際空港とのジョイントもあると思うので、そこは考えになっているとは思うのですけれども、改めて積極的にその辺りも考えていただければと思います。
◎内田(隆)委員長
よろしいですか、大山。
●関 西部総合事務所地域振興局副局長
先ほど、みんなで地方創生事業の中で御紹介した大山1300年関係で、首都圏でのPRについてまだまだ内向きではないか、あるいはキー局などにアピールするような目玉的な打ち出し方が今のところないのではないか、というお話です。
現時点では、今のところありません。今回のみんなで地方創生というのは、大山の事業を盛り上げている中で、これは裾野がとても大事な話でございます。神仏のところの、一つ中核もあります。もちろん、地元の大山観光協会や大山町などの方々の盛り上がりも必要です。
今回のみんなで地方創生事業では、大山町、大山の周辺の関係者、観光業者、これらの方々の自主的な取組を支援しているという段階です。
あわせて、昨年の補正で伯耆国「大山1300年祭」準備委員会の予算を認めていただき、準備委員会を今立ち上げて、本式の実行委員会に向けて、中身を各層、各団体から御提案もいただきながら、立ち上げていこうとしている段階です。当然ながら、実行委員会で本祭である平成30年の前後3年間ぐらい、メインの事業を打っていく際には、東京のキー局に訴えるような打ち出し方も当然必要ですし、手法とともに中身は一体何なのだというコンセンサスも固まっていくところと思います。
大山1300年と申しましても、今のところ同床異夢といいましょうか、自然、歴史、あるいは山岳信仰など、皆さんいろんな思いがあるところです。そこはコンセンサスを得ながら、打ち出し方とともに固めていくことになろうかと思います。いましばらくお待ちいただきたいと思います。
◎内田(隆)委員長
ほかにありますか。
○福浜委員
わかりました。もう結構ですが、感想的に。出雲大社の場合は神門通りの整備を、遷宮に向けて、多分5、6年ほど前から、官民が一体となって積極的にやりながら、2年ぐらい前にはかなり女性が入ってきて、神門通りができ上がって、そこでお土産物も楽しみながらというように、うまく持っていってピークを迎えた形です。3年後といったら、もうほとんど時間がないと思ってもいいと思うので、裾野を広げるところでまず足固めが大事だと思うのですけれども、スピード感を速めていただければと思いますので、この場を借りてよろしくお願いします。
◎内田(隆)委員長
ほかにありますか。よろしいですか。上村委員、よろしいですか。
○上村委員
はい。
◎内田(隆)委員長
それでは次に、執行部、委員の方で何かありますか。
●松岡参画協働課長
お手元に、とっとり元気フェス2016のチラシを配付しております。年度末の3月21日、日曜日に、鳥取県西部の米子コンベンションセンターで開催します。これは昨年度まで、県直営で、鳥取力創造まつりという名前でやっていたものですが、今回は民間の方々との実行委員会を組みまして、名前もとっとり元気フェスと改名しまして、にぎやかに開催しようというものです。 年度末ではございますが、御都合がつきましたら、足をお運びいただきたく紹介させていただきます。
◎内田(隆)委員長
その他ございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、元気づくり総本部、総務部、会計管理者、監査委員、人事委員会、県議会の皆様は退席されて結構です。お疲れさまでした。
(執行部入れかわり)
◎内田(隆)委員長
暫時休憩します。5分。
午前11時12分 休憩
午前11時17分 再開
◎内田(隆)委員長
再開します。
引き続き、教育委員会につきまして行います。
執行部の皆様におかれましては、簡潔にお願いします。
なお、質疑については説明終了後、一括して行っていただきます。
報告14、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告について、前田教育環境課長の説明を求めます。
●前田教育環境課長
1ページをお願いします。工事請負契約の新規分の報告です。工事名が県立鳥取西高等学校整備事業(6工区)(建築)です。契約の相手方は、記載のとおりです。契約金額4億824万円でして、工期は28年12月15日までとしています。
この工事は、鳥取西高校の体育館、第1校舎等の耐震改修を行うものです。本工事を含めて全体計画に遅れが生じないよう、今後も引き続き進捗確保に努めていきたいと思います。
◎内田(隆)委員長
報告15、検定中教科書の閲覧に係る事実関係の確認結果について、小林小中学校課長の説明を求めます。
●小林小中学校課長
小中学校課です。2ページから4ページです。このことについては、委員の皆様には大変御心配をおかけしております。検定中教科書の閲覧に係る事実関係の確認結果につきまして、改めて御報告いたします。
去る3月11日に文部科学省に回答をしておりますが、同日、記者発表も行ったところです。
2ページの2、事実関係の調査結果ですが、調査実施人数延べ45人、実人数42人ということで調査してまいりました。対象者のうち1名は、既に死亡しているということです。
(2)には調査方法を記載しておりますが、具体的にはその下に4つ、「・」を打っています。市町村教育委員会による本人聞き取り調査、県教育委員会による本人の聞き取り調査、当該教科書会社への事実確認の調査、採択地区協議会の資料や発言等の確認と、こういうことをしてまいりました。
(3)の調査結果ですが、教科書会社との接触の事実は全員確認しました。その中で、(1)の採択に関与し得る立場の有無ということですが、表に記載しておりますとおり、採択地区協議会の採択権限を持っている選定委員はありませんでしたが、地区協議会の調査員、並びに県の選定審議会の調査員が、それぞれ6名、3名おりました。
4ページをご覧いただきたいのですが、教科書採択の制度概要を載せております。先ほど申した、例えば県の調査員3名というのは、その図の中で、中ほど左上の教科書図書選定審議会、ここの調査員が3名いたということです。採択地区協議会の調査員ですが、今度は下のほうに東部、中部、西部というところがありますけれども、その中に東部で3名、そして西部で3名の地区の調査員がいたということです。
戻りまして、3ページです。採択結果への影響のところですが、採択に影響を与えたという事実は確認されませんでした。選定委員の者が、この閲覧中、あるいは閲覧後もいなかったということ。それから、調査員はいたのだけれども、資料作成等において当該教科書を誘導したような事実は確認されなかった。こういうことをもって、影響を与えたという事実は確認されていないということです。
(3)の経費負担の有無の状況については、表にまとめているとおりでした。
その他ですが、この会合等において、発行会社から教科書採択に関しての働きかけということもありませんでした。
最後に、今後の予定ですが、対象者への処分の有無等の検討ということで、そこに記載しておりますけれども、今回明らかな違法行為と言えるものは確認されていないところですが、公正、公平な採択に対しての疑念、不信を抱かせたことは事実です。そういったことから、不適切な行為の有無も含めまして、事案全体を丁寧に再度点検した上で、年度内に対応してまいりたいと考えています。
さらに、学校現場への周知徹底ということで、この辺りも私どもの指導が十分でなかった面もあるのではないかということ。そういう認識に立ちまして、今後この教科書の採択制度の周知、公正、公平の重要性、この辺りの徹底を図るとともに、金銭、物品の授受、こういうものを含めて、職務上の利害関係等に対する行為の留意事項について、全教職員に再度周知していきたいと考えているところです。
◎内田(隆)委員長
続きまして、鳥取県いじめ問題対策連絡協議会(第3回)の概要について、音田いじめ・不登校総合対策センター長の説明を求めます。
●音田いじめ・不登校総合対策センター長
鳥取県いじめ問題対策連絡協議会(第3回)の概要について報告します。
5ページですが、本会3回目の内容は、児童生徒の問題行動等の生徒指導上の諸問題に関する調査結果について説明した後、第2回目の連絡協議会においてテーマを設けて協議しましたので、その内容についての報告、情報交換、協議を行いました。
第2回目のテーマは、ソーシャルネットサービスの対策、児童生徒の自治力の育成、子どもたちのサインを見逃さないという3つの部会に分かれて、具体的な協議をしたところです。
そこで出た主な意見を、5にまとめて載せております。例えば、上から5つ目になりますが、PTA協議会はメディア21という取組を実施しており、社会教育課と連携してチラシの全戸配布を行うであるとか、PTAの指導者研修会でメディアについての講習や、人権教育課が作成した人権プログラムの周知等を行うといったような意見が出ました。
また、児童生徒の自治力の育成というところでは、一番上の中学校校長会からの意見として、各学校で生徒の自治力を伸ばすための取組として、ネットに関するルールづくりや生徒会執行部から全校に向けた発信等を行っているというような意見が出ました。
また、サインを見逃さないためにということで、2段目ですが、高等学校長協会からは、個別のデータを把握して、校内委員会等組織的に取り組んでいる。各教育局に配置された教育相談員が学校のニーズに応じて柔軟に対応できている、というような現状も報告されました。
本年度は、この第3回をもって連絡協議会は終わりますが、来年度に向けて、「6 今後の対応」として、各機関、団体間で連携を図りながら、いじめ防止の取組を行っていく必要性と、その制度づくりについて確認しました。
年3回、メンバーが替わる中で行っているこの連絡協議会ですが、やはり個別のケース会議であるとか、本年度のようなテーマ別の会議をすることが、内容を深めるために必要ではないかというような協議をしたところです。
6ページには、出席者を載せております。
◎内田(隆)委員長
続きまして、今後の県立高等学校のあり方に関する基本方針(案)について、御舩参事監兼高等学校課長の説明を求めます。
●御舩参事監兼高等学校課長
今後の県立高等学校のあり方に関する基本方針、31年度から37年度までの案です。本県の県立高校における基本的な考え方や、施策展開の方向性を示した基本方針について、既に1月から2月にパブリックコメントを実施していますが、県民からいただいた意見を踏まえて最終案を作成しました。
基本方針(案)については、既に2月24日のこの常任委員会で報告した内容と同じです。その後、今回の県議会で御指導、御指摘、御意見をいただきましたが、それを検討して、この基本方針(案)に反映させました。
別冊の基本方針(案)では13ページです。13ページの四角囲みの中の、取組の方向性の最初の「・」、地域との連携等による学校の特色や魅力づくりという項目ですが、取組の方向性として、2月段階の案では地域と学校が目標を共有することを主としておりましたが、県教育委員会も地域と一緒になって一体的に取り組んでいく所存であることを示すために、県教育委員会も入れました。この三者で進めていくということです。
15ページです。全日制課程専門学科の、背景の中で、「また」という第2段落です。各地区の専門学科(小学科)の多くが、1学科1学級の規模となっており、同一の商学科が複数学級設置されている学校は少なくなっていると。このような専門学科において学級減を行うことは、地域からその小学科がなくなることに十分留意する必要がある、と背景を記載しております。その留意すべきということ自体が、今後の取組の方向性として示すべきだろうと思っておりまして、取組の方向性の2つ目の「・」に、県内あるいは各地区で1学級規模となっている小学科の在り方に十分留意するとともに、産業構造の変化等を見据えながら、学科の改編や複数学科をくくったコース制の導入などについても検討していく、というふうに、留意点を今後の方向性として入れました。
20ページ、小規模校の在り方に関する基準のところです。「入学者数が2年連続して募集定員の」という書き方にしており、この基準を適用するのが入学者数であるということにしておりましたが、この基準をいつから適用するのかが書いてありませんでした。そのため、「※」として下段の欄外に、平成31年度入学者選抜、ですから30年に実施する分ですが、それ以降の入学者数をもって、その基準を適用していくことを明記しました。
なお、28ページの資料4ですが、全ての高校の各学年の在籍生徒数を示した資料です。これは以前から付けておりましたが、これは各学年の現在の定員充足の状況を見ていただく資料であり、欄外に、これは5月1日現在の在籍者数であることを明記しまして、先ほどの基準に当たる入学者数の数字ではないことを明記しております。
この常任委員会資料の8ページに付けている資料が、いわゆる入学者数で、この入学者数に基づいて先ほどの基準を適用していくということで、参考として示させていただきました。25年から27年を示しておりますが、これが31年からということになり、この基準に基づいてということです。
7ページに戻りまして、今後は、この最終案を3月19日の定例教育委員会に諮ります。そして、基本方針を確定した後は、この基本方針の周知徹底と取組の具現化を進めていく所存です。
◎内田(隆)委員長
続きまして、報告18、とっとり学校図書館活用教育推進ビジョンの策定について、福本図書館長の説明を求めます。
●福本図書館長
とっとり学校図書館活用教育推進ビジョンを策定しましたので、報告します。
今年度、県立図書館内に学校図書館支援センターを設け、その取組の一つとして、このビジョンの策定作業を進めてきました。
資料の上の主な経緯を挙げていますが、4回のあり方検討委員会や調査、パブリックコメントなどを経て、いただいた意見や関係課や学校現場の意見なども踏まえて、このたび策定したものです。
ビジョンそのものは別冊で配付しておりますが、ページ数が多いものですから、9ページの下にビジョンのあらましとして、まとめております。全体を7項目として、学校図書館や学校司書の役割、本県の現状、目指す方向、さらに、その実現のための取組などで構成しております。このビジョンというのは、どうしても理念的な部分が多くなっていますので、あわせて実践例などを掲載したハンドブックの作成作業を今大詰めで進めております。このハンドブックができましたら、ビジョンとあわせて市町村や学校などに送付するとともに、ホームページに掲載して、今後の会議や研修などに活用し、ビジョンの普及や学校図書館の活用を積極的に進めていきたいと思っております。
◎内田(隆)委員長
続きまして、報告19、市町村から推薦のあった鳥取県立美術館の建設候補地について、及び、報告20、美術品の購入について、大場博物館長兼理事監の説明を求めます。
●大場博物館長兼理事監
10ページをご覧ください。県立美術館の建設候補地について、各市町村に推薦をお願いしておりました。ここに挙げておりますとおり、12カ所推薦がありましたので報告します。
上から1、2、3、4、5の5カ所が、鳥取市から推薦があったものです。鳥取市役所跡地。わらべ館の駐車場と緑地。鳥取市武道館の敷地、県庁北側緑地も含めてです。湖山池公園や湖山池オアシスパーク。鳥取砂丘西側。以上の5カ所です。倉吉市からは1カ所、倉吉市営ラグビー場に絞り込んで推薦がありました。三朝町のふるさと健康むら、湯梨浜町からは8、9、10の3カ所、羽合の野球場、長和田緑地、旧旅館団地がありました。北栄町からは旧運転免許試験場跡地、伯耆町からは植田正治写真美術館の隣のすこやか村の土地。これが推薦があったところです。
なお、鳥取市からは、県立少年自然の家の跡地、これは前回の美術館構想の計画地ですが、市からは推薦はしないけれども、凍結のままで中止が表明されていない以上、今後どうするのか、県として何らかの評価をされるべきだという附帯意見がありましたので、これについても評価、検討を専門委員にしていただこうと考えております。
下に書いておりますように、各専門委員には3月14日から現地調査に入っていただいておりまして、4月上旬ごろまでに全ての候補地について各専門委員に見ていただいた上で、4月の中旬から下旬にかけて、絞り込みのために皆さんで集まって協議いただくような格好で考えております。
続きまして、美術品の購入について報告します。
11ページをご覧ください。博物館では、収蔵すべき必要な美術品を毎年、美術品取得基金から購入しています。このたび、本年度購入すべきものについて、美術品資料収集評価委員会にお諮りし、大体収集するのが適当でしょうと、金額的にも大体こういう値段でいいのではないか、との答申をいただきましたので、それを踏まえて以下の7点を購入しようとするものです。
上から3点は、島田元旦及び沖一峨の近世絵画で、江戸時代の作品です。島田元旦は谷文晁の弟ということで、鳥取藩士の養子となり、江戸と鳥取を行き来しながら作品を制作したということです。特に一番上に掲げている蝦夷山水図巻は、幕府の調査隊の一員として蝦夷に赴いたときに、蝦夷地の風景を写生したものということで、非常に珍しいものということです。
また、沖一峨、これは藩絵師です。藩絵師の養子となっておりまして、亀図画賛という亀の絵を描いているわけですが、そこに滝沢馬琴の賛が書かれているということで、馬琴と一峨の交流を示す珍しい作品ということです。
さらに4番目は、菅楯彦。浪速の風俗画で有名な方です。鳥取市生まれで、鳥取県庁の石碑の題字も書いた方です。この方の作品で、浪速堀江市之側之図というものを購入するものです。 さらに、近代彫刻で辻晉堂の作品を3点。日野郡二部村、現在の伯耆町二部の出身で、木彫から始められて、陶器の彫刻である陶彫という独自の分野を確立されて、国際的にも高い評価を得ておられる方です。当館のコレクションの一方の雄という感があります。その方の作品を今回、大体抽象的な作品、樵夫と熊、ワシ、拱手自蔵という3点を今回購入するものです。
12ページ、13ページに、これらの作品の写真を付けておりますので、御確認ください。
◎内田(隆)委員長
それでは、今までの説明について、質疑はありませんか。
○伊藤委員
2ページ、この問題については調査されたのだが、私には今さらという思いがあるのだけれども。教育委員会は、調査はこのたび文部科学省からあってやったのだろうけれども、大体これまでもずっと、過去もあったと思うのですね、はっきり言って。今さら、というのが私の思い。教育長、それへの感想をお願いします。
●山本教育長
過去からあったかどうかということについては、教育委員会が調査をして確認をしたということがこれまでになかったわけですが、このたびこういうことが全国的に発覚して、改めて調査を行った結果、やはり教員の認識が、この教科書採択について薄いというか甘いというか、それが改めて判明いたしました。
この教科書採択、いわば税金で教科書無償制度というのが成り立っており、特定のどこか1社の教科書に最終的に決めないといけないという状況の中で、この教科書会社と教員との関係が適切であるべきところ、一部こうした教科書会社と教員との関係が明らかになったということです。そうしたことが教科書採択の制度に非常に不信感を持って受けとめられているということについては、改めて県の教育委員会としてもおわびを申し上げたいと思いますし、今後このようなことがないように、改めて徹底をしてまいりたいと考えております。
◎内田(隆)委員長
いいですか、個々については。
○伊藤委員
関連がありますか、どうぞ言ってください。
○西川副委員長
長いですが。
◎内田(隆)委員長
はい、やりましょう。
○西川副委員長
済みません、初めに。一つお聞きしたいのは、案内がないと誰もわからないわけで、これは個人に案内が来たのか、それとも団体に来られたのか。そこら辺は、結局どなたが関わったかということが関係してくるのです。どういう案内が、学校に来たのか、そこを教えていただきたい。
●小林小中学校課長
どういう形で声がかかったのかということでございますが、通常、教科書会社が学校現場に出入りしている、そういう状況がございます。例えば、今使っている教科書はどうですかとか、今度新しいこういう教材ができたのですけれども、というようなことで、通常、学校で出入りしている部分がありますし、例えば県内や中国ブロックなどで行われている授業の研究会などにも、教科書会社が顔を出しているという状況があります。そういった中で、例えば鳥取県のある先生が発表したというようなことも、出入りしている教科書会社の方が知っていて、そのときに名刺を渡して、先生との接点というのが通常の中であるということです。この先生が、例えば鳥取県の中で小学校の何科という教科で、実践発表されている先生というようなことを向こうが把握されて、今度こんな会があるのですけれどもどうでしょう、というような、個人的に声がかかるというケースがほとんどでした。
○西川副委員長
普通、学校に営業に来られるのはあるのですが、基本的に文書配付とか文書受付というのは一括ですよね。個人の先生のところに置いて回るということは、本来許可が必要なことだと思うのです。
例えば、その研修会等の名刺交換の中でこういう案内がありましたというのは個人なのですけれども。だから、そこがやはりはっきりしないと、ただ個人の先生の判断で行ったのですということにはならないと思うんですよ。そこをもう一度丁寧に説明していただかないと、ちょっと今の説明では納得しにくいですね。
●小林小中学校課長
今、委員がおっしゃったとおりだと思います。教育長のほうも申し上げましたが、そういう外部との接触の部分で、学校現場の先生方の甘さといいますか、そういう部分が一つ反省としてあると思っております。
ほとんどのケースが、先ほど申しましたように、個人の先生に対して案内があって、そして勤務時間の外で、例えば休日とか、今度会があるというような、そういう案内があったということです。そのことを教員も、例えば校長にこんな声がかかっているのですけれどもどうでしょうというような、そんな動きも本来すべきだったのかもしれませんが、その辺りができていないということが今回事実としてありました。
○稲田委員
熱が余計出るような質問になるかもしれませんけれども、まず何点かお聞きしたい。
1点目が、この採択地区協議会の選定委員、採択地区協議会の調査員、それから、県教科書用図書の選定審議会の調査員、これらはどういう人がこういう役についているのですか。
●小林小中学校課長
まず、選定委員につきましては、各地区で多少の違いはございますけれども、構成されるのは市町村の教育長とか……。
○稲田委員
市町村の教育長。
●小林小中学校課長
はい、各地区の選定審議会の場合。
○稲田委員
この選定委員ですよ。
●小林小中学校課長
そうです。教育長。それから当該学校市の校長の代表。それから保護者の代表。
○稲田委員
校長の代表、保護者。
●小林小中学校課長
はい。こういった方々で選定委員は構成されております。
○稲田委員
構成する。わかった。
●小林小中学校課長
調査員については、これは採択地区協議会のお話ですけれども、おおむね各教科3名から5名の調査員です。主に当該教科の教諭。
○稲田委員
教員か。
●小林小中学校課長
教員です。教科の人数とかバランス、その辺りを考慮して、採択地区協議会を構成している市町村のほうで割り当てをされて選出しているということです。
○稲田委員
調査員は。
●小林小中学校課長
済みません、後半に申し上げましたのが調査員でございまして。
○稲田委員
もう一回言うよ、私の認識が間違っているか間違っていないか。選定委員は市町村の教育長と校長の代表と保護者の代表。これで間違いないね。
●小林小中学校課長
そうでございます。
○稲田委員
それで、調査員は3ないし5名程度の教員ですか。
●小林小中学校課長
申し訳ございません、説明が下手でして。まず県の調査員につきましては、今日の資料の4ページにも記載しておりますけれども、1教科4名という構成になっています。4名中1名は県の事務局職員が入っております。
○稲田委員
県の事務局職員ですね。
●小林小中学校課長
あと、残り3名は現場の教員です。
○稲田委員
現場の教員。
その下の教科書用図書選定審議会の調査員というのは、どうなっている。
●小林小中学校課長
これは、地区によって人数に若干のばらつきはございますが、おおむね1教科3名から5名で構成。
○稲田委員
何、教員ですか。
●小林小中学校課長
教員です。
○稲田委員
やはり全員教員ですか、これは。
●小林小中学校課長
教員でございます。
○稲田委員
教育長、ちょっと聞きたい。今の選定委員、協議会の調査員、審議会の調査員、それぞれ教員が入っていますよね。保護者の代表というのはあるのだけれども、あとはいずれも公務員だね、それは間違いないでしょうか。
●山本教育長
公務員ということです。
○稲田委員
公務員ですね。保護者の代表は、この作業に携わるときに、みなし公務員という資格を持つのだろうか、持たないのだろうか、どっちだろうか。
●山本教育長
位置づけとしては、県の附属機関の委員という形ですので、みなし公務員になるかどうかというところは、ちょっと私のほうでは今即答は、はい。
○稲田委員
長くかかると言ったのはそこなのですね。今、やはり答弁ができないというのはだめだよ。だからこういうことが起こるのですね。みなし公務員かどうか、これは重要なことですよ。
例えば、我々が一番よくみなし公務員だと知っているのは、自動車学校の検定教習をやるときの職員。普段は公務員ではないけれども、検定をするときだけはみなし公務員になるのですね。例えばそういうのがあるわけですよ。だから、この調査員の中の保護者の代表が、みなし公務員になるのかどうかということは、きちんとそこのところの認識を教育委員会として把握をしておく必要があるし、どうだったかということも聞かせてほしい。
2点目は、対価性ということですよ、この種の問題についてね。対価性、賄賂性については、対価支払いの状況ということで、ずっとここのところに書いてあるし、教科書会社の経費の負担の有無の問題もひっくるめて、いわゆる交通費と合わせて支給されたり、弁当を支給されたり、コーヒーやジュースを飲んだりしたわけでしょう。だからそれに果たして対価性があるのかどうか、これは大きな大きな問題ですよ。どうかすると、刑事上の問題になりかねない問題です。賄賂性があるかどうかということですね。
一番問題なのは、贈収賄などという古い古い、かつて昔は横行したけれども、最近はなくなってきておるような話が、依然としてこういう形で起こっているということに、今さらながらに私は驚くのだけれども。この対価性の問題は、なかなか厄介な問題です。これを解説をし、分類をしていくということは難しい問題です。
ですけれども、そこのところはきちんと教育委員会として、法律の専門的な細かいことまでやる必要はないけれども、その対価性ということはこれから考えておかないと。さっき西川委員がちらっと言ったけれども、要するに業者からの働きかけが、あくまでも儀礼的な範囲で行われているのか、儀礼的な範囲を逸脱しているのかどうか。教員に対する公務員というものの見極めや節度などを、改めてきちんと認識する必要がある意味において、この対価性ということは絶対必要なことです。
これは教育委員会として、調査委員会でもつくって、1人、2人、参考意見を述べる弁護士を呼んでそこのところをやらないと。さっき西川委員がちょっと言ったけれども、これはまた同じような問題で同じようなことで、なれ合いになることだってあるわけで、重要な論点なのですよ。それは対価性ということです、この1の(2)の対価の支払いの状況というところなのですね。それについて聞きたい。
●山本教育長
今実際に行われた行為について、それが法的にどう整理をされるべきかということにつきましては、さき方、少し話が出ましたが、弁護士とも相談しつつ詰めておるところでございます。今わかっているといいますか、弁護士の見解もそうですけれども、本人の確認、あるいは教科書会社の確認が済んだ段階で、双方から教科書採択を有利に進めることを要請するような働きかけはなかったということで、教科書会社のほうも教員のほうもそうだということで、単純に収賄罪やあっせん収賄罪には該当しないだろうということが、今検討の途中ですが確認をしつつ進めているというところです。
あと、求められて意見を述べた、そこに対して謝礼を受け取ったということについて、どういう法令違反があるのかないのか、そうしたことについて今詰めの作業を行っているところです。おっしゃいました対価性でありますとか、そうしたことも含めて、さらなる検討を行ってまいりたいと思います。
○稲田委員
今、教育長が言ってしまったけれども、要するに請託の問題ですよね。請託があったかなかったか、これが受託になるのか単純なのかということになるわけで、受託の収賄になるのか単純の収賄になるのかというのは、請託があるかないかという話です。
それについては詳しく教育委員会のほうで調査をして、明らかにしていく必要があると思うのですけれども、やはり最近の贈収賄の問題について、請託を受けない単純の収賄というのは非常に判例が少ない。請託を受けたものは多い。しかし請託を受ける事件は多いのだけれども、請託を受けた事件についてはなかなか解明が難しい。それは何かというと、その対価性ということです。その賄賂が対価に当たるのかどうか、職務権限のこともちょっと聞くけれども、職務権限の範囲にあって、その人が職務権限を執行していく上で、それだけの事実上の権限を持っているかどうかという厄介な問題にまで踏み込んでいかないといけないことになっているわけですね。
だから、その請託を受けたか受けないかということは、刑法上の問題であって、そこのところは弁護士と相談をするのも結構だけれども、これは公務員、なかんずく教員のコンプライアンスの問題なのですね。請託を受けなかったから、それでいいのですよというわけにはいかない。だから、そのコンプライアンスを、この際きちんと徹底をさせるということが必要だろうと思っております。
3番目が、職務権限ですよ。皆さんが今、話を聞いた3つの選定委員や調査員や審議会の調査員というのは、ざっと聞いた限りでは、詳しく選定委員が一体いかなる者か、調査員がいかなる者か、審議会の調査員がいかなる者なのか、その人たちがどれだけの選定に影響を与えるのかというようなことを細かく考えてみないと、調査してみないとわからない。けれども、やはり採択に関する限り、職務権限ありとみなされても仕様がないだろう、と思われる節もなくはないわけですよね。
私も職務権限があると、これだけの資料では断定ができないけれども、そういうものがあるように思います。ですから、やはり教科書選定という、都道府県の教科書の採択から基礎的自治体の教科書の採択について、大きな影響を与える人間なのだから、それだけのやはり覚悟と自覚というものをちゃんと、この選定委員や調査員や審議会の調査員は持たないといけない。そういう者に対する教育も、ただお願いします、教科書を採択しますので頼みますよ、というだけではいけないと思う。多分きちんとした任命状か委託状か認証状か、そういうようなものを出すのだろうとは思うけれども、そのときにきちんとした、さっきから言っているコンプライアンスというようなものは植えつけていく必要があるわけですよ。
だから、さっき伊藤委員もちょっと言ったけれども、こういう古い話が、今さらながらにと私も思いましたよ、この話。本会議でも松田委員が質問をしたのだけれども、今さらこんなものが出てきたのか、というように思うわけですね。政治の世界ではあり得ることなのだけれども、教育界という、今それほどの聖職化をする人は現実にはいないだろうと思うけれども、でもやはり一つの教職、子どもを育てるという聖域の部分。その教科書を選択する部分において、やはりこういうようなことがあるというのは何となく、あの人がやったのだとかこの人がやったのだというのでなくて、そういうものを耳にしたら、我々、不愉快に思うわけですね。非常に不愉快きわまりないという感じなのですよ。だから、そこの部分を何とか払拭してもらいたいというように思います。それについて、教育長はどう思いますか。
●山本教育長
この際、コンプライアンスの徹底を、もちろん図ってまいりたいと思います。
今回の調査の中で出てきておりますのが、一番採択にかかわりの深い部分の審議会でありますとか、地区の協議会のメンバーはいなかったということでございますが、調査員がいるということでございます。この調査員は、実は、全て全員そうなのですが、教科書会社と接触した後に、我々あるいは採択地区協議会が調査員として、その者を任命しているということです。その職にあるときに教科書会社と接触したわけではないのですが、任命するときの調査といいますか、その辺りができていない部分があったという点が、この手続の中で出てきておりますので、そういった辺りもしっかりと今後改めてまいりたいと思います。
一縷の不信も抱かれないような、しっかりした制度運用に努めてまいりたいと考えております。
○稲田委員
終わりに近づきましたけれども、それぞれ協議会の調査員や審議会の調査員が調査をして、それを多分、この選定委員に上げて、それで選定委員がこれを教科書として選びましょうという段階を経ていると思うのですね。そうすると、やはり、文科省の報告ではゼロになっているけれども、選定委員という者には大いにその職務権限があるのではないかと推察されるのだよね。よく役職を調べてみないとわからないから、そこのところは何とも言えないけれども、そういう感じがいたします。
いずれにしても、その調査員については、ただ調査をするだけで報告を上げるのだけれども、自分たちもどういう教科書を使ったらいいのかという調査に関与していくわけだから、職務権限とは言わないが、それなりの職務行為であることは間違いないというふうに私は思うから、これも気をつけてもらいたいと思います。
それと、最後ですが、委員長、最後に。
◎内田(隆)委員長
はい。
○稲田委員
皆さんは教育委員会だけれども、文部科学省並びに鳥取県を取り巻く教育現場の人たちは、今回のこの事件を、どういうぐあいに受けとめているのだろう。まず文部科学省はどういう受けとめ方をして、それに対して何らかの通達なり、そういったようなものが来ているのかどうか、それが1点。
それともう1点は、皆さんを取り巻く教育現場をひっくるめた皆さん方がどういう反応を持っておられるのか、ということを聞きたい。
●小林小中学校課長
まず、文部科学省のほうですけれども、今回、各県が調査をした結果を取りまとめている状況で、今後その調査が取りまとまった段階で、最終的にどうだったのだということを文部科学省のほうから公表すると思います。そのときに、文部科学省のほうも見解として、今回のことについてというコメントがあるのではないかなというふうには思いますけれども、現段階においてはこうだという、そういうコメントは聞いていないところです。
○稲田委員
聞いていない、文部科学省はまだ何も言っていないわけですね、はい。
●小林小中学校課長
もう1点、教育現場の捉えでございますが、これは今回、聞き取りをした先生方は見てはいけないものを見てしまったわけですけれども、そういう認識はないまま、少しでもいい教科書、教材にしたいという現場の声を教科書会社のほうに伝える機会だという、そういう……。
何か、ちょっと現場を擁護するような発言になってしまいますけれども、少しでも本当に日々の教育実践にプラスになればという思いで、参加された方が多くございました。そういった意味で、そのことが今回こういう大きな問題になったことについて戸惑っているというのが大方の受け止めだと思っております。
○稲田委員
最後ね。最後にコメントがあったらいいのですが、この種の、贈収賄とは言わないけれども。あるいは贈収賄になるかもしれないよ、事件をいろいろ調査していく上でね。だけれども、贈賄罪、収賄罪というのは、2つの大きな根本的概念があるわけですよ。それは何かというと、1つは、不正な職務行為、要するに職務行為を不正に行うということなのか、それとも、いわゆる職務行為の買収性、要するに職務行為がお金で買えるのか買えないのか。そういうお金だけでなくて、物品で買えるのか買えないのか、その2つが一つ大きな贈収賄の法的な概念になっているわけですよね、これをどう裁くかという話になっているわけですよ。
何でそんな話をするかというと、いずれにしても、どっちが通説なのか私もわからないけれども、このいわゆる不正な職務行為なのか、いわゆる不可買収性なのかどうかという、この問題を考えてみたときに、そういう職務に当たる人間が金品の授受を得て、その職務に関する行為について何らかのに手加減をしていくというやり方は、今言うような2つの不正な職務行為なのか、それが不可買収性なのかという問題を通り越して、大きなやはりよくない行為、不正な行為なのだよということを言っておるわけですね。いや、不可買収性があるのですよというようなことを言う人も中にはおりますよ。いやいや、不可買収性というのはよくない、いや、それはいいのだという、それにも賛否両論があるのだけれども。けれども、そういったものの中のエッセンスというのは、そういうものに不正なかかわりを持ち込まないということだろうと思いますよ。
だから、そこのところをやはり皆さんで、教員の皆さん方の中で、教科書を選ぶ人たちの中で、よくよく考えて、教育委員会もよくよく指導したらいいと思いますよ。
●山本教育長
委員を初め、この委員会で出ました御意見、肝に銘じて取り組んでまいりたいと考えております。
1点、文部科学省の見解のところで補足をしておきますが、今まで文部科学大臣等含めて何も言っておられないわけではなくて、教科書検定制度に対する大きな不信感を抱かせたということは非常に遺憾だということで、特に文部科学省の中の規則にはっきりだめだと書いてあることを教科書会社はやっているということで、教科書会社に対しては非常に厳しい姿勢であります。
今回のことが非常に問題になったのは、あくまでも検定期間中にそういうやりとりをするということが問題になっておりまして、実はよりよい教科書をつくっていくために教科書会社が現場の意見を聞くということについては、文部科学省もそれはあることだろうと。ただ、この時期でありますとか、検定本そのものに対する意見をもらうということが、それはだめだということを言っておりまして、そのことについて、その時期に教科書会社と接触をしたということについては不適切ではないかというようなところをもとに、今検討を進めておるところでございます。
いずれにしましても、この教科書の採択制度、ここに疑念を抱かせるような行為は今後一切ないように、しっかりと現場にも指導をしてまいりたいと思っておりますし、我々もそこは肝に銘じて動いていきたいと思っております。
◎内田(隆)委員長
申し伝えます。12時を過ぎておりますが、20分までは続行します。その後、代表者会議を経た後に、代表者会議終了後に再度委員会を再開させていただく予定でおりますので、よろしくお願いいたします。
○伊藤委員
かなり議論も尽くされたのですけれども。私が今さらと言いましたのは、地区の選定委員、教科書の選定審議会の調査員4名の中にも、教育委員会事務局の職員が入っておったということです。やはり皆さん、いい教科書をつくろうという思いの中で、多分現場の先生方も、教育委員会の職員も調査員に入っているのだから、という安易な気持ちだと思うんですよ、もとは。ですから、本当に今、稲田委員が言われたのですけれども、保護者の皆さんとか、社会的に誤解されないような形をとっていただきたいなと思って。これはコメントは要りませんからいいです。
続いて、いいですか、質問。
◎内田(隆)委員長
済みません。先に僕も追加であります。僕も……。
●小林小中学校課長
済みません、今、委員がおっしゃったことに関しまして、県教育委員会の事務局の中で調査員がいたのは、県の審議会のほうの調査員だったということでございますので。済みません。
○伊藤委員
それは言っていない。
◎内田(隆)委員長
授受があったかどうか。
●山本教育長
今申し上げたのは、採択地区の協議会の調査員というふうに伊藤委員がおっしゃったので、それを訂正したのだと思いますけれども。
○伊藤委員
県の。
●山本教育長
県のほうの調査員です、事務局は。
○伊藤委員
県のほうですね。だからその中の、これまでは接触はなかったわけですね、事務局の分は。これは関係なしですか、4名の中の……。
●山本教育長
1名が接触していた。
○伊藤委員
だから、それは関係なかったわけですか。
●山本教育長
はい、直接その採択には影響を及ぼすようなことは。
○伊藤委員
過去は。だから、それがやはりずっときておるのだ、そういう本庁の中でね。まあ、いい。
◎内田(隆)委員長
済みません、最後に。今までのは、ずっと受託収賄についての議論だったと思うのですよ。買収性があるかとか、対価があるとか、影響力があるかとか。確かに稲田委員が言われたように、判例は少ないのですけれども、今度は単純収賄の議論をしないといけないと思うのです。それは、端的に言えば、もらった時点で公務性があったらだめということです。
それで、すごく気をつけないといけないのは、小林課長、公務性があるかないかですよ。学校でそういう案内を受けたとかと言われましたけれども、それが本当かどうかをちゃんと。もしそうでなかったら勘違いされることですから、逆に教員に迷惑がかかりますからね。発言には気をつけていただきたいし、確かなことを話していただかないと困ります。
なぜかというと、例えば学校の研究発表会でした。これに対して公務性があるかないかという、県が経費を持って派遣しているかどうか。出張旅費があるかどうか。ここまで見ないといけないですね。だから、どこでもらったか。宛名は誰だったのかというのも、これは公務性を見ます。その辺も含めて、きちんと調査はされていますか。授受の場所とか時間とか、全部正確にわかりますか。
●小林小中学校課長
個別に聞き取る中で、その辺りも聞き取っております。
◎内田(隆)委員長
では、授受の場所であるとか、案内とか、説明を受けた場所とかというのは全く公務性がなかったと言えるのですね。全部時間外であったし、各学校内ではなかった、ということでいいのですね。
●小林小中学校課長
はい、そこも個人的な中で、時間外に声がかかっている。
◎内田(隆)委員長
場所とかも。
●山本教育長
私が報告を受けている限りでは、全て公務といいますか、勤務時間外に公務地である以外のところで会が催されていて、そこで意見を述べて、その場で謝金を受け取った者と、あと、振り込みで振り込まれた者と両方あるということですが、その勤務地に持ってこられたものを受け取ったという事例はございませんでした。
◎内田(隆)委員長
案内とかも含めて。
●山本教育長
はい。
◎内田(隆)委員長
それであれば、そういうふうにちゃんと発言をしないといけないと思いますよ。
●小林小中学校課長
申し訳ありません。
○西川副委員長
私の説明のときは、教室で受けたとかいう事例もあったということなのでね。そこはちょっとはっきりしておかないと、後で困るので。
●小林小中学校課長
済みません、誤解をされるような言い方をしました。最初の接点といいますか、その会の声かけの前に接点ということで、その学校に通常出入りされているという、そういう下地といいますか、ベースがあったという、そういうことでございます。そのときに学校に来て、今度、会があるのですという、そういう声かけの仕方ではございません。
●山本教育長
非常に説明が難しいのですけれども、今、問題になっているのは、教科書採択に係る業者との、教科書会社との接触であります。先ほど文部科学省の見解もお示ししましたけれども、通常の時期において教科書をよりよくするために、教科書会社が現場の意見を聞きたいということで接触することについては、何ら文部科学省もそれはいけない行為だということは言っていないわけでございまして、そこの段階で教室で話をやりとりするということがこれまではあったということなのです。
◎内田(隆)委員長
いいですか。最後にしますが、そこにおいて、問題になっていることは贈収賄であるかどうかということなのだけれども、単純がつくと、もらった時点でいけないから、そういうことがあったこと自体、問題視されるべきだし、対価が影響があるかないかというのは議論は別でね。これだけもらったり、謝金があったりしたという事実が、公務員の中でよくないですよという話をしているのであって、そこにおいて明らかな法律違反というのは、公務性を帯びているか、帯びていないかということもあるので、ちゃんと発言には気をつけてくださいねということだったのですけれども。再度よろしいですか。
●小林小中学校課長
その辺りを踏まえて発言するように気をつけたいと思います。申し訳ありませんでした。
○稲田委員
要するに、法的な解釈としては、今、内田委員長が言ったことが、対価性の中に含まれるわけですよ。職務権限ではなくてね。今度は公務員という職務において一体どうなのだろう。
例えば、香典を公務員が受け取ったり、自分の父親が亡くなったら香典を受け取るということは、およそ誰が考えたって賄賂性などないよね。対価性もないですよ。
けれども、単純収賄罪の一番の大きな根本、なぜ単純収賄罪が立法として成り立ち、その立法理由は何なのだというと、およそ公務員たるもの、そういう公務員という地位において金品を収受する、あるいは、それを約束をすると、そういうようなことがよくないですよ、というのが単純収賄罪の立法事由なのですね。
だから、今、考えられるとすれば、確かに今、委員長が言うように、単純収賄罪というのだってあるいは成り立つかもしれない。私はもうちょっと調べてみないと、どうかわからないとは思っていますけれども、あるいは、あるかもしれない。それから、そこのところで明らかに、これこれのことをして、ああいうことをして、ということがはっきりあると、今度は請託、受託、収賄ということになる。請託を受けるということになるわけですよね。
そこのところはもう非常に精緻な法律論の中に入っていくわけでして、それをここで論ずるというのはどうかと思うから、法廷でも何でもないしね。けれども、そういった大きな枠組みというものはやはり皆さんは持っておかないと、コンプライアンスという非常に広い意味での遵法という中で捉えていくのは、そういうものがないとだめだと私は思っていますよ。
◎内田(隆)委員長
失礼します。代表者会議があるので暫時休憩しますが、再開は1時もしくは1時より遅い場合は代表者会議終了後でお願いします。
午後0時20分 休憩
午後0時59分 再開
◎内田(隆)委員長
それでは、再開します。
○伊藤委員
では、高校改革のあり方について。
これが基本方針であって、これから、具体的なものが決まるわけだ。大体いつごろ具体的なものを決めるのか。
●御舩参事監兼高等学校課長
31年度から37年度までの基本的な考え方、施策をどういうふうに展開していくかという方向性はこれで決めますということです。そこに盛られている項目を、具体的に毎年毎年検討しながら、進めていくという形になります。
○伊藤委員
例えば13ページを見てもらったらいいですが、ここを今さらながらなのだけれども、2行目、県外中学校の生徒の出願を可能とした。これまで可能でなかったわけだ。うそだろう。これは意味がわからない。
それと、特色とか魅力あるという言葉が随所に出てきて、何かそれぞれの学校ごとに求めるようなことなのだけれども、違うと思う。
とりあえず生徒の出願を可能としたということに対して、そこの答弁。
●御舩参事監兼高等学校課長
これにつきましては、推薦入試に関しましては、今まで県外からの受験は認めておりませんで、28年度入試から出願を認めたということでしたので、これは今後も継続していく……。
○伊藤委員
体育コースは認めただろう、体育コースは。
●御舩参事監兼高等学校課長
体育コース、推薦に関してはやはり認めておりませんでした。あくまでも住居地を変えて、鳥取県の籍にあった者が受けられるというふうにしておりました。
○伊藤委員
だから、推薦を可能としたということならわかるのです。出願を可能にしたなんて書いてあるから、これはうそだろうと。
●御舩参事監兼高等学校課長
推薦入試への出願を可能にした、というふうに表現をしておりまして。
○伊藤委員
以前の教育委員会の高等学校のあり方の議論として、県立高校で、県民の税金を使うのだから、県内の子どもたちを教育する場だと。だから、県外は基本的には考えていませんというのが基本路線だったのですね。このたび、それを大きくシフトして、県外からを可能にするということならば、それこそ私は高校改革のあり方に関する基本方針の一番大きな方向転換の柱になると思うのだが。ところが、それがこの行数なのかな、ということ。それがまず1点。
それから、特色ある学校、体育コースとか智頭農林もそうなのだが、余りにも漠然として、県教委の主体的な姿勢がないと思う。本当に体育コースで県外から集めるの、集めようとするの、今の学校で。もし集めるとすれば、学校の教育施設もそれ相応の充実をしないといけない。今や、普通の学校と一緒で、本当に県外から鳥取県に行って、私はあれをやろうというような、鳥取県しかないような学校設備も整っていない。本当に漠然とし過ぎて。それならどこの学校を、由良育英ならもう一遍、陸上としてやるとか、八頭では何でやるとか。例えば本当に埼玉栄とか、本当にああいうところは設備がすごいのだよ。そこまでやる気があってやるのと。
何か見えない。基本方針の中で、県教委として学校に任せるのではなくて、どういう魅力のある高校をつくるかというベクトルが、私からすると、本当に弱い感じがする。それについて。
●御舩参事監兼高等学校課長
まず、県外からの募集ということについては、確かに今まで県外生に関しては、住居を移して来ていただくような方はたくさんあったのですが、このたび推薦入試から広く来てもらう。1つには、さっきおっしゃいましたような、学校の体育コース等でやりたい方は、推薦入試の段階からでも向かって来られるように、というところがありました。推薦入試を実施したいという学校の特色の中では、やはり体育のスポーツを充実させたいと。それから、うちに来たら充実できるよ、というメッセージで募集しておるところがあります。今後、鳥取県のそれぞれの学校の特色化を進めるに当たりまして、県外からでも来たいと思えるような特色づくりをしていくことが必要だろうということで、県外からの募集といったものを広げたということです。
ただ、おっしゃいましたように、地域と学校に任せていては、なかなかわからないという話がございます。もちろん県立学校でありますので、県としてその学校がどのようなミッションを持っているのかとか、どのような特色をつくってもらうことが鳥取県の教育にいいのかという観点が必要だと思っております。そのこともございまして、取組の方向性の中に県教育委員会を明記をしたところでございます。特色化の中で、スポーツをもう充実して、県外からでも本当に魅力あるところで来てもらいたいという形になるならば、それに見合った施設の充実が必要になってくれば、それは対応していかなければいけないと思っております。
○伊藤委員
例えば3行目から6行目にかけても、県内にとどまらず県外から生徒が集まるような柔軟で創造的な発想を取り入れた本県独自の特色や魅力ある高等学校教育の在り方について検討することも必要である。これは漠然とした話。これが基本方針かな。本当にやるということになれば、もちろん施設整備も充実しないといけない。それから、教員。例えば体育コースなどだったら、中学校なんて、その指導者を求めてくるわけだ。本当にそれを投入する意欲があるのか、ないのか、全く見えない。
これ、計画倒れになる可能性が高いと思うよ。教育長、それについて覚悟と決意は。
●山本教育長
先ほどから伊藤委員から御質問があった部分は、背景のところで記載しておりまして、これからの方向性は取組の方向性というところで記載しております。ここも少し漠とした書きぶりになっていまして、具体的に書けていない部分があるのです。けれども、この方向性に沿って、これは31年度からですから、今は27年度ですけれども、もう今から31年度以降のあり方についてしっかりと検討して、また具体の御提案といいますか、予算、人員配置等について議会にもお諮りをしながら進めてまいりたいと思っております。決意はしっかりとあります。
○伊藤委員
大学改革、例えば進学校だったら、大学改革に伴ってのかなり改革、高校改革をやらないといけない。そこのところも何か弱いと思う。実業高校にしても、本当に有用な、現場に送って、社会に送り出して、本当に有用な社員や従業員。例えば今、鳥取工業などはある程度高い技術の資格など取らせているのだけれども、実業高校などは、県がもっとそういう資格をしっかりお金を出して取らせるとか。そういうところももっと前面に出しながら、本当に実業高校も変えていくのだと。当然進学校は進学校として、大学改革に向けてどんどん中身も変えていく。体育コースは体育コースなどで、変えていく。これをばっと見ていて、何か全般的にそういう部分が弱いなと思って、これが基本方針かなと思って。
私はもう少し、教育委員会の思いを、強いメッセージを出してほしいと思う。これで計画なら、これに基づいて計画をつくるのは、何かつくりにくいと思うよ、本当に。弱いと思う。
○稲田委員
私はまさに同感なのですよ。それで、これはやっぱり風評被害との絡みというのがあるのだよね。人数が少なくなっている高校や学校が、これがもしも先行きだめだよみたいなことになると、もう余計、人がやってこなくなる。だから、減少を加速するというようなことになるわけだから、できるだけそこの部分には触れないで、何とかやっていこう、持っていこうとするのだけれど。でも、この前の本会議で知事が言っていたけれども、現実にこの人口減少というのは、もう避けることができない現実を突きつけられていくわけでね。
そういうものの中で、どうやって今、鳥取県内にある高等学校の存立を確保していくかということになると、気を使う部分もあるかもしれないけれども、余りにも気を使い過ぎて、言葉や物事の考え方がぼんやりしたような、優柔不断のような感じになると、それでもってずっと流れていくような可能性があると思うのですよ。
だから私もこれを見ておって、今後の生徒減少期に対応した魅力と活力にあふれる高等学校づくりなんて、もうこんなどこにでもあるような言葉を書くなよ、と言いたいのだね。こんなものは誰も考えることなのだよ。ちょっと気のきいたものなら、これぐらいの文章はつくるよ。
そうではなくて、もっと本当に実業教育をするのであれば、普通科の専攻科はなくなったけれども、もう一回、実業高校の専攻科を復活しようとかね。それから、さっき伊藤委員が言っていたように、資格が取れるようにして、社会に出ていったときにちゃんとその人間が生活がしていけるような。総合学科という、普通科にも実業課程にも転用できるという、そういう時代はもう終わったような気がするのだよ。そういう我々は認識を持っていますよ。ですから、そういう意味で実業課程にも力を入れなきゃならないのなら、資格でも取れるようなことを考えて、その有資格者はそれで社会で生きていける、そういうものを教育として育て上げていく必要があると思うのだよね。それがその高校を残していくということではないかと思うのだ。
どこの地域も、どこの市町村だって、うちに学校がなくなる、それはまずいですから、学校を残しておいてください、とどこも言いますよ。けれども、どこにも残しますよと言っていたのでは、もうそれが嘘だよとわかる現実を突きつけられるのだから。
だから、どういう改革の仕方をして、市町村におられる方々が学校に対する期待を持っておるわけだから、その期待を裏切らないような形で教育改革を行っていくのか、やはりもう一回考えてほしいのだよね。これを一読していて、何のインパクトもないのだよね。これでは、私は説得力がないという気がします。細かい言葉というよりも、全体に目を通しただけで、そう受け取るのだけれども、皆さん、どう思う。もうできたぞという感じか。どうですか、教育長。
○木村委員
関連して、いいですか、答弁される前に。
自分もこれをざっと見て、本当に今言われたとおりなのですけれども、間違いなく児童数が減ってきている。児童数、学生数が減っていくというのは、現実問題としてもう見えていますよね。その中で、この前もお話しさせてもらったけれども、仮に学校を残すとすると、1クラスでも学校を成立させるという考え方の基本がまず必要なのかなと思うのです。
で、ここに書いてあることの何か足りなさというのは、例えばこの前、教育委員長と美術館のやりとりをしたときに、原稿を読み返してみると、彼はこう言ってました。文化芸術の必要性をまず言った上で、こういう価値観を持った方々、そういう人材が新しいものを生み出すエネルギーになるはずだと。だから、文化芸術はただ単に地方創生と無縁ではなくて、地方をもう一度つくり上げていく人材を育てるのに必要なのだ、という言いぶりをされていました。だから、この高等学校自体も、私はそういう発想のもとにあるべきなのだろうなと思うのです。
例えば北海道の音威子府が、ほとんど地元に定着しないのに、美術の高等学校を持っていますよね。あれぐらいの覚悟は要るのだろうと思うのです。知事も質問される中でおっしゃっていたけれども、例えば中島さんがやっているような鳥の劇場のような高校が、1クラスしかないとしても、仮に全国に対して手を挙げれば、1クラスぐらいは多分来るでしょう。そういう覚悟が何かやっぱり要るのだろうと思うのです。全国に向けて発信するというのであれば、発信された内容に、ここに来ようと思うスイッチを押す生徒、何かそういうイメージがここには出ていないと思うのです。全国に出すのであれば、全国に出すだけの覚悟と中身がやっぱり必要なのだろうと思うのですね。それがすごく欠けているように思います。
○西川副委員長
私はまた違う意見で、教育委員会には聞き苦しいかもわからないのですけれども。私が思うのは、伊藤委員が言われたように、なぜ高校があるかというと、県費を使う以上、県内の子どもを第一に考えるのが基本だと思います。私も感じるのは、社会情勢の変化と学校の中の授業のありようというのは、多少乖離してきたのではないかなと。
例えば今、大学に行く方もありますが、半数は地元の企業に残りたいのだけれども、企業に入ってもらうと、なかなか使える子どもが来ないと。来ても、3カ月もたないというような、ミスマッチの部分があるということをよくお聞きするのです。3年間の高校教育の中に、もう少し充実した部分、また社会性を身につける部分が少し足らないのかなと思います。
もう1点、県外からの話なのですが、私は基本的には、県外の子どもが鳥取県で伸びることに、県教委が力を入れる必要はないと思うのです。ただ、県内の子が伸びる要素として、そういうものが必要であれば、取り入れればいいし。例えば、先ほど言われた智頭農林の件でも、今、県内ではすごく人材の需要があります。特に、これから県が予定しているように、原木生産量を38万立方メートル、うまくいけば40数万立方メートルにしようと思えば、1人500立方メートルで400人ぐらい、これから需要が生まれるわけです。
ところが、農林高校を卒業してなる方が、残念ながら少ない。では、例えば移住と一緒に考えて、県外から本当にやりたいという方だったら、受け入れればいいし、雇用にもつながるし、定住にもつながる。そういう発想で僕は今、智頭で一生懸命やろうという話をしています。
高校というのは、これから社会にどう自立できる子どもを出すかということが主体になるわけで、それを根本に考えられたら。もうちょっと、県教委の主体性が欲しい。学校が主体で考えるのも大切でしょうけれども、やはり1高校だけでは、全体は見られませんよね。教育長以下、県教委で話された県の全体像をもう少し入れていただけたらな、と思ったのですけれども、その辺り、教育長はいかがお考えでしょうか。
●山本教育長
今、さまざまな意見を頂戴しまして、どうやってこの中に整理をしたらいいか、思案しつつ聞いていました。1つは、県の主体性の部分は、今も若干文言を入れさせていただきましたが、これではまだ十分でないということですので、もう少し文言的に県の姿勢をしっかり示すということが必要ではないか、と思いながら聞かせていただきました。
いろんな各方面の意見を聞きつつ、これをつくっていますので、とんがった部分が非常に薄い、あるいは具体性に非常に乏しいとの受け止め方をされるのではないかとは思います。例えば来年度からの計画ということになると、具体的に、これまでの検討を背景に書けるのですけれども。31年度からの計画の方針をお示ししているということで、方向性をみんなで共通認識をしながら、それに向かって具体的なものを一緒に考えていきましょう、という進め方をさせていただいたらと思います。このたびの基本方針は、多分少し早いのだと思うのです。他県では、31年度からの議論は、もう1年2年は後に出てくると思うのですが、早目に準備をする必要があるということで進めさせていただいています。
具体性に乏しく、魅力や、とんがった部分や、本当にこれでみんなでやっていこうというところが十分に書き切れていないかもしれません。しかし、これからの高校のあり方の方向性として、これで間違っていなければ、県教委が主体となって学校や地域と一緒になって、具体の姿や特定の学校について、どうしていきましょうかと、議論やお諮りをしながら、進めさせていただければと考えております。
○伊藤委員
そこはそれでいいのですけれども。
ただ、小・中学校では高校に行くことがあり、社会に出る子は少ないのですが、高校ではもう社会に出すのですね。本当に3年間で、社会で選手として戦えるプロフェッショナルをつくるぐらいの気持ちがないといけない。プロフェッショナルをつくる、またプロフェッショナルを究めるというか、そのくらいの思いの教育が高等学校にあってもいいと思う。それくらいの強い気持ちが、プロフェッショナルを育てたり、究めたりすることになる。それは普通科高校でも一緒。覚悟を究めるとか。
その辺が、ものすごく弱い。高校も学級減などは時代の流れの中で、人数の関係があり、私はあまり細かく言わないけれども。そんなことより、鳥取県としてどんな教育をやるかという強いメッセージをつくるほうが、私は大事だと思う。そうすると人も集まるし、どうやって教育やスタッフを充実するのか、この学校を卒業した生徒は間違いないので、うちの企業は絶対欲しい、と言われるような学校をつくるとか。でも、そういうものがない。
これからはそういうものを前面に出すような、そういう方針が欲しいという思いがあって言っています。それに対して、教育長、もしあれば。
●山本教育長
今の御質問で、この方針では8ページ、9ページ辺りに、地域や産業を支える人材の育成というところで記載しております。ここの書きぶりをもう一度検証しながら、もう少し強くメッセージ性を出すことができれば、盛り込んでいって、しっかりとそういう方向で県教委も向かうことがわかるような書き方にしたいと思います。
○木村委員
先ほど、まだ少し時間があるので、なかなか明確な書きぶりができないとおっしゃった。でも、高校のあり方の前提は、数年前からあると思うのですよ。今の中学生や小学生に対して、ここにつながっていく教育の連続性というものが非常に大事だと思うのですね。そう考えると、数年先の話ではあるけれども、もう今から始まっていないといけない話だと思うのですよ。
片方では明確にメッセージは持ちながら、周到に事前の準備が始まっている段階だという連続性を踏まえて、この方針にもそういうことも入れなければいけないし、その前提となる小・中の学校教育の中にもそういうものをしっかりにじませていくことが必要だと思うのです。その辺りはどう考えられますか。
●山本教育長
今、30年までの計画で進めていますが、学級減というところに焦点を当てて議論をすれば、それを来年度、決めさせていただこうと思っています。大体それぐらいのペースといいますか。今の中学生が、自分たちが入る高校が、例えば学級減や学科改編などのイメージが湧くような格好で周到に準備を進めつつ、スケジュールを考えて進めたいと思っています。
だから、早いとは言いましたけれども、早過ぎることはないと思っています。そこに向けて周到な準備は進めていきたいと思いますし、魅力づくりなども、先の話だということで送るのではなく、もう来年度、しっかり31年以降を見据えた検討を進めていきたいと考えております。
○木村委員
今の教育長の見解であれば、さっき西川委員のほうから言われたように、例えば地元の方々から、あの学校の先生はおもしろいとか、あそこでやっている授業を絶対受けたいというような、早い段階での刺激をちゃんと伝えていく必要があると思うのです。地元の子どもがなるべく活躍できるというのは当然の話なので、そのためには地元の小・中学生の意識をどう啓発していくのか。ここのところが非常に大事な肝だと思うのですね。それもあわせて、ぜひやっていただきたいと思います。
●山本教育長
やはり、志望してくださる中学生、先にはそういう対象になる小学生、あるいは保護者の方々、そういう方々に向けて、より強くメッセージを発することができるような取組をやっていきたいと考えております。
○濵辺委員
済みません。22ページを見ると、県立と私立高等学校の連携協力というところがあるのですね。私が考えるのは、もっと私学と県立学校のお互いの役割、といいましょうか。鳥取県では人口減で子どもが少なくなる中で、生徒がどこに行きたいか。少ない子どもに対して学校が募集をするわけですから、自分が進学する学校に対して、何か自分が目的があるところに偏ったりすることがあると思うのですね。魅力のある学校づくりとか、いろいろとあるのでしょうが、県全体を見たときに、もっと根本的に公立や私立の学校のあり方を、どういうふうにするか。ここの地域では何を生かして、たくさん人を集めるなど、何かしらの全体的な取組をした上で、もっと私学と県立の学校が話し合いというか、役割についてしっかり話をして、それぞれの役割を求めて、そういう上で魅力のある学校づくりをする、というようなことが考えられないでしょうか。
●御舩参事監兼高等学校課長
まさにおっしゃることを意図して、連携としております。要は、生徒が減少してきますと、私立高校と公立高校の全体で鳥取県の教育をしていくということが、本当に切実な話になってくると思います。ですから、それぞれが持っている機能分化を明確にしていく、確認をしていく、そういったところも必要になってくるかもしれません。
私学は私学で、学校の建学の精神に根差した特色のある教育を進めていらっしゃるのですけれども、今後、生徒が少なくなってきたときには、両者が連携をしながら、教員はお互いが切磋琢磨したり、生徒も今でも県立が行う同和授業等にも来てもらっておりますし。県全体で鳥取県の子どもたちを育てていくという共通認識からスタートして、それぞれの果たす役割というところで特色を出していく、ということを期待しており、ここに書いているところです。
○福浜委員
昨日、高校入試の合格発表があって、募集のところからすごく気になっていたのです。東部でいくと、いわゆる進学校というか普通科高校が、鳥取西、鳥取東、八頭などとあるのですが、鳥取西と鳥取東で落ちる子が2校だけで100人を超えているのですね。一方では、定員に達していないと。先ほどから出ている生徒や保護者のニーズとの乖離が、ものすごくあるなと感じています。
だからこそ、特色とか魅力あるなどの言葉が出ているのですけれども、すごく難しい。例えば、仮に自分が落ちた子の親だとすると、本当に何とも言いようがない。なぜそういう枠ができているのだろうかなど、改めて考えさせられます。少子化であるのに、100人の子がどうするのだろうな、と。私学に行くのだろうか、あるいは再募集のところに行くのだろうか。それが10人などの単位だったら何も言わないのですけれども、3桁に達しているわけですよ。この実態を実際どう思っていらっしゃるのか、という部分が1点。
それから、先日、3高校を回らせていただいたのですが、伊藤委員もおっしゃったように、私ももう少し、県教委が全体を俯瞰しながら、この高校はこういう特色が必要なのですよ、というアドバイスを、というか。どうしても校長先生に何か任せているイメージを受けざるを得なくて。では、校長先生にそれだけの力量があるかというと、一つの会社として考えた場合に、子どもは商品ではありませんけれども、その会社の商品をつくっていく、生徒がいかに来るかということで考えていくと、やはり校長先生というのは社長だと思うのですね。ということは、いろんな面で、経営能力やマネジメントが必要なわけですよ。その商品を買っていただくというか、生徒に来ていただくような高校を目指すという部分で、どうなのかなというところを感じざるを得ません。
であるからこそ、県教委が各高校の色づけにもう少しイニシアチブをとって、東部には産業界から照らして具体的にこういうものが必要だから、この高校はこうなのではないか、というものをもう少し色濃く出していく。それが中長期的に見た鳥取県の未来に必要な人材、こういう人材が要るからこそ、高校ではこうだよね、ということだと思うのです。
少し話が飛びますが、内田委員長が一般質問された専攻科について、僕もある地元の金属系の方にお話を聞いてみたのですが、やはり高校3年間で来た子たちの質が残念ながらよろしくないと。専攻科などがあって、インターンシップを2カ月や3カ月やるような形で入ってもらったら、もっといろんなことを教えられるし、人間形成もできるし、ミスマッチかどうかも十分わかるし、いいのだけれどもね、という話を聞きました。全国で見ると、専攻科で成功しているところもあると聞くので、実験的でもいいので、例えばそういうものを設けてみるとか。
ちょっと具体論になってしまっているとは思うのですが、先ほど冒頭に申し上げた現状の部分と、校長先生のマネジメント力の強化というところとあわせて、県教委のイニシアチブというところを、済みませんが、もう一回聞かせていただければと思います。
●御舩参事監兼高等学校課長
普通科高校へ志願が集中している現状のお話がありました。それも含めて、今後、生徒減の中で学校をどうしていくかと。まさにそこを考えていく必要があろうかと思います。
私どもは2年に1回、中学2年生を対象にアンケート調査を行っておりまして、将来、どういうふうに進みたいか、高校やどのプロセスを通って将来どう進むか、ということも聞いております。それを見ますと、普通科志望の傾向はやはり高まっておるということは事実です。専門高校と普通科の比率は、本県は全国でも5番以内に入るぐらい専門学科が多い県です。一方で、普通科志向が高まっているという現状もありまして、その辺も含んで、全体を考えていくことが本当に必要だろうと思います。なおかつ、大前提として、生徒は減っていくと。だとしたら、まさにそこをどうデザインしていくかということは、全県的に考えていく必要があると思っております。
年々の志願者数は、やはり少し出入りがありますし、まさに私学との関係もありますので、そこも分析をしていって、適正な人数を考えていく必要があろうかと思います。まさにそれもこの31年以降の中で考えていくべきテーマだと思っております。
おっしゃるように、本当に校長先生のマネジメント力は求められるのですが、一方には限界があるというお話だと思います。今、各学校が自分の学校をどうしていくかを、先生方が本当に考えていて、そこを支援するために学校裁量予算を付けていただいています。これを活用して、自分の学校の問題や、どのような学校にしていきたいかを常に考えて、そこに最も適した施策を打っています。そこを私たちが査定して、では、そういうふうな学校づくりをされるのだったら、こうだろうという支援を行っているところです。
今、校長先生方が一生懸命、自分の学校をどうしていくかを考えて取り組んでいますが、確かに、鳥取県全体の県立高校のあり方を、しかも生徒が減ってくる中で再編も必要ではないかという中で考えていく上では、やはり私ども県教育委員会が全体のデザインをしていく必要があるだろうと思っております。今日は項目にも入れましたが、今まで校長先生方の思いでやってきた地域と学校というものと、私たちがぐっと入って大きな観点でのデザインもしながら進めていく必要があるという思いで、そこを入れたところです。全体として教育委員会がイニシアチブをとっていく部分というのは、非常に必要だろうと思っております。
○稲田委員
今まで、こういう感じで皆さん、多分話をされると思うのだよね。とっぴなものでも何でもいいのだよね。こんなことをしたら、意外と学校が存続していけるのではないかという、そんな話。予算がついて、皆さんが話をしているのであれば、とっぴでもいいから、何かそういう話をする人はいませんか。あったら、聞かせてよ。
●御舩参事監兼高等学校課長
とっぴというレベルかどうかはわかりませんけれども……。
○稲田委員
とっぴというか、今までの常識を覆すような。
例えば、今、配置している高等学校は1クラスになっても残すのだと。3学級が2学級ぐらいになっても存続は考えましょう、ではなくて、1クラスであっても、とにかく残す。10人1クラスでも残す。残してみたら、昔の寺子屋ではないけれども、何かおもしろい学校教育ってできるのではないですか。
今、そうしろ、と言っているわけではないのだよ。例えばそのようなことを言ったりする人は、いませんか。事務局でも教育委員会でも、どこでもいいのだよ。
◎内田(隆)委員長
具体的な話を、例として。
●田中教育委員会次長
いろいろ議論する中で、教育委員の中で、例えば演劇人、また青谷であれば和紙の職人や酒の杜氏など、地域に根づいた職業があるところでは、地域人材を育成することにもっと特化してもいいのではないか、という話はあります。ただ、特化すればするほど、少し変な言い方ですが、うまくいかなかったときの切なさ感、というのも片やあります。
そこはやはり、地域の方々の思いとか、今これから高校に行こうとする児童生徒本人や保護者がその高校をどう見てくれるか、ということをよく考えないといけない。あまり突拍子もないことをして、いろんなことを表現し過ぎてしまうと、これからの鳥取県の県立高校はどこに向かっているかが逆にわかりにくくなるという部分もあります。
ここでは、大きな骨格の部分をある程度表現させていただいて、例えば智頭農林であれば、移住、森林、人材というようなこともありますので、そこは学校が具体的に地元と一緒に方向性を出しながらやっていくという部分で、姿を見せていきたいと思っています。だから、突拍子もないと言われたのですけれども、中ではいろんなチャレンジングな話はしております。
○稲田委員
中にはあるの。
●田中教育委員会次長
はい。
○木村委員
さっき福浜委員も言われた、校長先生のマネジメントの問題です。校長先生は、民間と違って、多分数年で替わられますよね。多分、長い時間軸の中で、学校の特色を出すというのは、非常にやりにくい環境だろうと思うのですね。私も営業をしていましたが、例えば営業マンでも、自信を持って営業できないケースもあるのです。自社の利益が多いような内容というのは、なかなか自信を持ってできない。けれども、本当に自信を持ってできる商品に関しては、相手にチャレンジというか、かなり強く出られるのですよね。校長先生がどれぐらいの熱意を持って学校経営に当たることができるのかということが、結構大きいのではないか。
そのためには、教育委員会サイドと直接学校経営をされる校長先生との、いわば100%以上のコミュニケーションがないと、自信を持って生徒に対応する、あるいは学校経営に当たっていくことが弱くなるのではないかと思うのですね。だから、校長先生の限界も当然知った上で、自分たちで独自に戦略を立てて生徒獲得をしていく組織とは違うので、その辺りもしっかり踏まえてやっていかないといけないのと思います。
○稲田委員
私は、そういうミクロ経済学みたいな話をしていても仕様がないと思っている。マクロ経済学だって、ケインジアンたちで失敗しているわけだから。それでも、今の経済があるわけで。ここは一番マクロ的に鳥取県の教育を考えて、我々は鳥取県人なのだから、全世界のことではなくて鳥取県の教育というものを、鳥取県のなかんずく高等教育を考えていかなければならない気がするのだよね。私も一時は、福浜委員が言ったように、校長先生の能力、やる気があるのかないのかということで、この前3つの高等学校を回ったときにも、校長先生の言葉に耳は傾けてみたのだけれども。あまりミクロのような話をしていても仕様がないのではないか。
現実に今、多くの女性の方々に子どもを生んでもらっても、1世代たたないと、人間は増える兆しは見えてこない。だから、どんなに頑張ってみても、もう減っていくことだけはもう目に見えているわけで、それに対してどういうぐあいに対処をするのか。どういうぐあいに対応するのかというと、私もミクロ経済学みたいなことを考えておったのだけれども、それではだめではないかと思う。どう思う。よくわからないよ、私は。正直言って。
○西川副委員長
実は僕は、高校ではないのですけれども、和歌山に家業の関係で1年間行って学校に行っていました。県外者は私1人だったのですが、木材の学校がありまして、そこに入れていただきました。やはり地域に必要だから、木材だけではなくいろんな学校を、和歌山県立でやっていました。だから、和歌山の公費をいっぱい使ったので、あなたはお返ししてくださいよと後から言われましたけれども。
地域に必要な人材を育てるのも、本当に伸びる子は伸ばしていくのだけれども、全てがそうならない以上、鳥取県を元気にするためには、そういう子どもを育てることが半分はあると思うのです。今、稲田委員が言われた、トータル的なバランスも必要ですけれども、現実を見据えたときには、半分はこの地域に残れるような、そして有能な子どもが育てられるような、やはり地域に必要のある子どもを考えて、再編や学校の方向性を考えていただきたいなと。私はそれが教育だと思いますので、31年以降のときには検討していただけたらと思います。
◎内田(隆)委員長
ほかに意見があれば、今言っていただいて、一括して答弁をしてもらいますので、ありますかね。ないですか。
そうしたら、私も1点だけ。28年1月、文部科学省が、一億総活躍社会の実現と地方創生について出しています。中央教育審議会の3つの答申を具体的に強力に進めるべく、「次世代の学校・地域」創生プランというのをつくっていて、学校と地域の一体改革による地域創生をしようというものです。地方創生と地域、これはどこに反映されるのですか。
●御舩参事監兼高等学校課長
いわゆるコミュニティースクールという概念だろうと思いますが、高校におきましては、例えば地域との連携という、13ページのところでその方向性を示しています。
◎内田(隆)委員長
最後にしますけれども、地方創生を核にしている市町村があるのですね。具体的に市町村のプランに落とし込んでいたりしますが、その影響というのがやっぱりあるのです。そのあるなしで、全く問題点が変わってきたりする。そこまで考えてつくっておられますか。
●御舩参事監兼高等学校課長
今後、地域との連携、地域の特色の中で、そういったところが何か確実に進めていくというプランがありましたら、やはりその影響は受けるだろうと思います。それも、31年度以降、連携をしながらということはあるだろうと思います。
◎内田(隆)委員長
何が言いたいかというと、元気づくり総本部から市町村の戦略プランをもらって、反映していかないといけないと思います。総合戦略は県が主導してやっているわけですよね。向こうにあるものに協力する立場にあるはずですよ。そのことは言っておきますので、ここにちゃんと反映させるようにしてください。
皆さんの意見をまとめて、答弁をお願いします。教育長から。
●山本教育長
マクロ、ミクロの話がありましたが、やはり両方の視点が要るのだろうと思います。今、委員長の話にもありましたけれども、大きくは地域をどうやって再生していくかというのが今の世の中の大勢であります。その中で、県立学校がどういう役割を果たしていくべきかという大きな視点の中での議論が一つあり、それはこの中でも本県の地域や産業を支える人材をしっかり育成していきましょうという、大きな柱の中に位置づけております。
そうした方向性をある程度踏まえながら、具体的に各学校のあり方をどうしていくのかという部分で、先ほどのマネジメントの話や、県教委のかかわり方が出てくると思います。そこについては、これまではどちらかというと、学校と地域との連携をバックにいて支えるという姿勢で来ていました。もう一歩踏み込んで、県教委がある程度俯瞰した考え方も示しつつ、現場にしっかり入っていって、一緒になって考えるという姿勢をこの方針の中では示させていただいているつもりですが、先ほどの伊藤委員等の御意見も踏まえまして、書きぶりについては、再度、検討させていただきたいと思います。
最後に委員長が言われた、今の一番大きな流れの地方創生の中での位置づけを考えますと、県の戦略はもちろんこの中に入れ込んでいるつもりですが、先ほど言われた市町村の戦略も、十分にこの中に盛り込めているかどうかというところです。読めない部分があれば、読めるようにすべきだと思いますので、そこは元気づくり総本部ともう一度調整をとらせていただきたいと思います。
◎内田(隆)委員長
ほかのところでありますか。
○伊藤委員
美術館の関係です。鳥取市桂見の県立少年自然の家跡地のところで、これは鳥取市が凍結のままということで見てくれ、ということだったが、そこをもう一度詳しく説明してください。
●大場博物館長兼理事監
鳥取市は今回、5カ所推薦をいただきました。この5カ所の推薦文書の下に、なお、平成11年に県財政の悪化などを理由に、本市桂見(県立少年自然の家跡地)での美術館建設計画が凍結となりましたが、まだ中止を表明されていないため、その土地についても候補地の一つとして評価、検討されるべきものと考えます、ということを付言されておりました。それを受けての対応です。
○伊藤委員
ちょっと後戻りする話になるかもしれないが、私もずっと心の中で解けないのは、凍結なのですよ。以前聞いたら、凍結だから、白紙だという話になった。凍結という当時の理解は、財政が厳しいから凍結ということだった。そして、何年かして、このたびの美術館議論になったときに、凍結だから、白紙です、白紙でいきますよ、ということになった。これは何でそうなったのか、私自身、内心としては理解できないところがある。多分、鳥取市も同じことかなと思って、今、聞いたのだけれども。
●大場博物館長兼理事監
今回の検討は、博物館がいろいろ厳しい状況にあると。これを一から考えないといけないと。一から考えるという意味は、今までいろんな美術館構想もあったが、そういうのは置いておいて、どういうふうにするのがいいか、一から白紙で考えようと。ゼロベースで考えようということから出発したのです。だから、凍結を単純に解除するという話ではなくて、出発した。そういう話の中から、美術分野を外に出して美術館を建設するのがいいという話になったので、その延長線でゼロベースで考えると。
最終的に今回、候補地の話になりましたので、候補地を考えるに当たって、単純に凍結を解除するという話ではないですが、桂見についてもう一遍、美術館の候補地として考えていくという可能性もあったわけです。そういうことで、今まで凍結を解除するということを別に明言はしておりませんけれども、白紙で検討していきたいと。そういう意味だと思います。
○伊藤委員
わかった。けれども、それなら、凍結はもう論外だと。凍結なら、凍結したままなのだな。凍結、その問題は私は片づけないといけないと思うよ。
●大場博物館長兼理事監
今回、改めて桂見の適性を確認して、その適性がないのであれば、今回、前の構想は、凍結するよりも廃止ですね。桂見に適性があって、そこでいくという方向が定まるのであれば、凍結を解除とは違うのでしょうけれども、そこを前提に話をしていくことになるのだと思います。
○伊藤委員
私が前に言ったときも、そうだった。それがずっと、私の心の中でわだかまっていた。今になって白紙で議論しますからと言って、途中から出してきて、凍結解除しましょうという話。本当は、初めに、真っさらの議論に入る前に、積み残されてきたものは片づけて、ゼロベースからの議論に入るべきだったのではないか。私、ずっとそれが残っているのだ。
●大場博物館長兼理事監
そこら辺の議論の進め方はいろいろありました。そういう進め方もあるだろうと思いますけれども。ただ、決算審査特別委員会等の御指摘は、ゼロベースから考えなさいということが前提だったので、ゼロベースから考えたということです。
○伊藤委員
それは決算審査特別委員会の指摘であって、県として凍結したわけだろう。議会が凍結したわけでない。だから、凍結した県が、きちんとその凍結をどうするかという話をしておいて、今の議論に入っていれば、私のこんなもやもやした気持ちはなかったわけだ。ずっと今まで引きずっているのだ、もやもやを。
●大場博物館長兼理事監
議論をゼロベースから考える中で、桂見という選択肢もないわけではなかったので、桂見という話になっていけば、ゼロベースからの話なので凍結を解除とは言わないのかもしれませんが、候補地とする可能性は残っておった。そういうことです。
○伊藤委員
桂見などはどうでもいいが、凍結は当時、県が、知事がしてきたわけだ。行政は継続性の中できている。凍結というものが、いつ行政の中で解除されたということがないのだ。それなしに、議会から、常任委員会から言われたから、決算審査特別委員会から指摘を受けたから、ということでゼロベースでやりますと。どこでそうなったのか、ずっとこれは納得できない。
●大場博物館長兼理事監
これは決算審査特別委員委員会から指摘を受けたというよりも、そういう議論を踏まえて、執行部としてゼロベースで検討しましょうと判断したと。それは議会にもそういう方向で判断しますと御説明して、了解いただいたと思っておりますけれども。
◎内田(隆)委員長
かみ合っていないのですけれども。ゼロベースはいいのですよ。整理します。凍結したのをどうするかという判断は、どうされたのかも含めて。
●大場博物館長兼理事監
凍結したものをどうするかということになりますと、今回、候補地について桂見を検討する方向になったら、そこで検討する場合も、単純に前の構想を復活させることではないので、凍結を解除するという言い方が適当かどうかわからないですけれども。恐らく、一番最初の段階で、あの構想は凍結ではなくて、もうやめますと言うべきだったのかもしれませんが、まだあの段階ではまだどういう方向にいくかが決まっていませんでしたので。
○伊藤委員
私が聞いたときには、ゼロベースでやりますよ、と言っていた。私は、えっ、いつゼロベースになったの、凍結したのをどうしたの、と言った。執行部は凍結して、いつ執行部が凍結解除したのか、私にはわからなかった。だから、桂見はどうでもいいけれども、事の順序として、執行部として、凍結したものはもう数年になりますから、その凍結というものは全て帳消しにしますと。そして、新たにゼロベースで美術館議論に入らせてもらいます、ということで入ってくれれば、こんなことはなかったと思うのだ。
●大場博物館長兼理事監
まず、博物館のあり方について検討する段階では、あくまでも博物館の話ですので、前の美術館の構想を凍結だの何だのという話は、まだ言えないと思います。恐らく今も美術館をつくる前提で検討しているわけではないので、今回も御答弁申し上げましたけれども、今は美術館をつくる場合の基本構想をつくっています。美術館をつくる場合にはこれぐらいの事業費や運営費がかかりますとか、そういうことを踏まえた上でないと、県民の皆さんがゴーサインを出せないだろうと。そういうことで、今、基本構想をワンセットでつくって、それについて県民の皆さん、議会の皆さんに美術館をつくることを進めていいかどうか判断いただくため、基本構想をつくっているわけです。
○稲田委員
ちょっと関連なのです。大場館長、昨日、福間議員の質問を聞いて、あなたもちょうど真後ろのほうに座っておったのだけれどもね。どういう考えを持ったの。ちょっと聞かせて。
●大場博物館長兼理事監
今お答えしましたように、今、つくっているのは、とにかく3つの分野からどれかを出さないといけないではないかと。で、何かをつくらなければいけないわけですけれども、そのときに何をつくるのがいいのか。県民の皆さんに何を、どういうものに対応すればいいのか考えていただくために、もう少し具体的な情報を提供しないことには、県民の皆さんは判断できないだろう。建設するのに幾らかかるか。どこにつくるか。つくるといっても、どんな美術館をつくるのか。また逆に、美術館でないなら、どんな歴史博物館や自然博物館をつくるのか。いろんなことを具体的にお示ししないと、判断がつかないだろうと。
そのときには具体的な情報を示します。一遍に3つ分をつくることはできません。一番可能性が高いのは、アンケート調査をとってみたら、皆さんが美術館を一番に思っておられる。では、美術館をつくるにしても、どんな美術館をつくるのか。それをお示ししないことには、県民の皆さん、議員の皆さんも、ゴーサインを出せないだろうと思います。それを示すに当たって、基本構想としてワンセットでどういう美術館にするか。それをお示しして、皆さんに判断いただこうということで今、基本構想をつくっています。
だから……(「委員長」と呼ぶ者あり)
もうちょっと聞いてください。その基本構想ができた段階で、また改めて県民の皆さんに伺って、それで県民の皆さんがいいということになるなら、美術館をつくる前提での作業が始まる、ということだと思っています。
○伊藤委員
美術の分を外に出すという構想で声を聞くということになれば、前の積み残しになっているものを、きちんと整理をしておかないと。当時も、美術の分を出すことで美術館をつくろうということで、議論されてきたわけだ。本当は、これを片づけて、それなら、今、3部門のうち、どれを外に出しましょうかという中でスタートして、議論をしておればいいけれども。この問題を全く片づけずに、このままで置いておきながら、我々には白紙ですよ、ゼロからしています、とずっと言ってきたでしょう。
だから、美術館というものは凍結した状態であって。またここで、新たに皆さんに聞いたら、美術を外に出すほうがいいから、美術館構想をよそに構築していく。けれども、こっちをもう少し片づけてから、何で入らないのだろうという思いがあるのだ。
●大場博物館長兼理事監
確かにそういうやり方も一つのやり方だったかもしれません、まず、一遍、そちらについて結論を出してからというのも。ただ、さっき言ったように、まだ、例えば凍結や廃止を決める段階になかったと。今回、美術館をつくるということについて、県民の皆さんの合意が得られて、その基本構想は大体こういう方向にいくということが決まり、それが前の構想と完全に矛盾するものであれば、それは廃止ということになると思います。だから、今はまだ矛盾することになるかどうかわからない段階です。可能性が残っています……(発言する者あり)
◎内田(隆)委員長
私からも一言。では、この今回の包括外部監査人の指摘で、同土地について、現在の美術館建設計画は建設地については未定である。平成10年当時の建設計画とは状況も変わっている。計画凍結という決定のために、8万8,693平米もの広大な土地を約17年間もの長期間にわたって未利用な状態にしていることというのは、著しく経済性、有効性に欠けている、という指摘に対しては、どう答えられますか。
●大場博物館長兼理事監
私が答えるべきことかどうかわかりませんけれども。少なくとも凍結している間に、ずっとそういう格好になるというのは、もう一遍そこに美術館をつくる可能性はずっとあったわけですので。凍結で、それを解除した場合には。それはあると思います。
◎内田(隆)委員長
では、この指摘は合理性を欠いているという。
●大場博物館長兼理事監
いや、合理性を欠いておるのではなくて、そういうことになるのは……。
◎内田(隆)委員長
指摘はしようがない、いたし方ない。指摘事項には当てはまらないということですか。
●大場博物館長兼理事監
いや、その結果として、それが是か非かと言われれば……。
◎内田(隆)委員長
それが間違っているという指摘でしょう。
●大場博物館長兼理事監
結果としてそういうことになっているのは、余りいいことではないですが、凍結してある限りは、いかようにも仕方がなかったというのは、事務的には理解できるところだと思いますけれども。ただ、それが結果としていいのかと言われれば、そういう状況でずっとあったのは余り適当ではないだろうというのは、おっしゃるとおりだと思います。
◎内田(隆)委員長
そういう意味の指摘も含めて。
○伊藤委員
議会が指摘をしたときに、計画は凍結ですけれども、凍結を帳消しにしますよということで、本当は一旦その問題を片づけてから、今の博物館が狭あいで、それをどうしますかと。その中で美術館をということで、皆さんの声がありますから、新たに検討します、ということで行くなら、いいのだ。前の計画も、心の中で全然整理がついていないのだ。
◎内田(隆)委員長
包括外部監査人の指摘ともかぶるのです。
●大場博物館長兼理事監
桂見の土地をどうするかということについてだけ、構想凍結云々はちょっと置いておいて考えさせていただきますと、桂見の土地を美術館の用地とする可能性は、今でもあるわけです。
◎内田(隆)委員長
そうですね、そうですね。
●大場博物館長兼理事監
ですから、ほかの用途に使うことを検討できずにいたというのは、これはある意味、一定の合理性はあると思います。ただ、結果としてそれがいい状態かどうかを判断されて、その点の問題を指摘されるのは、それはそれで当然だと思います。
さっき言われるように、凍結や凍結解除というのをどういう意味に捉えるかですけれども、桂見の土地の場所に美術館をつくる可能性が全くなくなったということであるならば、それはまだ凍結を解除していません。
◎内田(隆)委員長
ないですね。
●大場博物館長兼理事監
中止を宣言しておりません。まだ、可能性はあるので。今回、桂見の可能性を検討して、これについて評価、検討した結果、余り適地ではないということになれば、そのときに凍結は解除され、中止を宣言するということになると思います、現在はまだ可能性があるので。
○稲田委員
非常にレトリックな議論になっていて、私は嫌いではないけれどもね。
結局、凍結をしたのだけれども、そのままその凍結の状態は生きている。それが生きている上に立って、今の現在ある博物館の状況が、収蔵庫がどうだとかという話が起こってきたので、部門の中の何か一つを出す。では、美術館を出したほうがいいのではないかという話になって、それを今のところ、審議会でそれを議論をしている状況であって。美術館をつくろうとか、例えば今ある博物館の中から美術部門を出すとか、そういうところまではまだいっていないという、そういう認識でいいのか。要するに凍結が解除されていないわけだから、そのままその凍結の状態が現在まで生きている。そういう認識でいいわけか。ちょっとそれを聞かせて。
●大場博物館長兼理事監
もちろん最終決定はされていない。要するに、県民の皆さんに了解していただいていない、議会の皆さんにも、まだ美術館をつくることにゴーサインを出していただいていないということは思っております。
ただ、我々としてはこういう検討を進めている以上、美術館は必要ないと思っては絶対にないわけでして、当然必要だと思って、できたら美術館をつくりたいということで、そのための構想を当然検討しているわけですし、そういう方向ではおりますけれども。
ただ、最終的に、先ほどの話に例えれば、桂見につくる可能性はまだあるという以上は、凍結は解除されていないと思います。
○稲田委員
そうすると、この脚注のところの桂見が生きているから、この話も死んでいないので、凍結は解除されていないのだという、そういう解釈の仕方だよね。今、そういうぐあいに大場館長は言ったよね。それはおかしいんではないかな。鳥取市からたくさんの候補地が出てきた中で、またその前に検討をしたこの桂見が出てきているわけでしょう。それは、凍結をされておるのだという状況を論証づける問題ではないように思うのだよ。ただ、それは、ただ候補地として前にあったから出てきたというだけで、桂見が出てきたからまだ凍結をされているのだという言い回しはおかしいと思うのだ。
むしろ桂見が出ようと、出まいと、今までの流れが、私も伊藤委員と一緒で、何となくこの問題については釈然としないものをずっと持ってきた。だから、博物館を見に行ったときに、こんなにたくさん収蔵があるのかといって、みんなが笑ったぐらいだったのだけれども。凍結がなんだ、ゼロベースがなんだ、白紙がなんだということになると、今のレトリックな問題になるからね。それを細かくは言わないけれども、私が確認だけしたいことは、凍結は解除になっていない。まだ、凍結をされたまま。けれども、凍結をされたままの上に、今、博物館が手狭になったなどのことがあって、3部門の中の美術部門を一つ引っ張り出して、これを建てるか、建てないかという検討に入っているということでしょう。それでいいのだ。それでいい。そうすると、今度は一つだけ問題なのは、凍結が解除にならないとこの話は進んでいかないということに、今度もなるのだよね。そこのところの論理の整合性はどうなるのだろうか。
●大場博物館長兼理事監
今回の基本構想については、恐らく何らかの場所も示すことになると思います。その場所で、この美術館をつくるという構想について……。
○稲田委員
建てるという前提があるではないの。
●大場博物館長兼理事監
いや、当然つくる場合の基本構想ですので、つくる場合です。
○稲田委員
つくる場合の。イフだね、あくまでもね。
●大場博物館長兼理事監
はい。つくる場合の基本構想ということで予算をお願いしていますし、知事の建設へ、ではないですけれども、つくる場合の基本構想でお願いしていますので。つくる場合の基本構想で皆さんの了解がとれたら、この方向で美術館をつくりなさいということについて皆さんがオーケーということで、それをもって県の方針は決まるわけですので、それと矛盾する内容のものは、凍結が解除されてというか、廃止になる。
○稲田委員
いや、違うのだ。凍結が後追いになるということなのだよ。それが決まれば、凍結を解除しないと、現時点には到達しないということになるのだね、論理の流れは。
●大場博物館長兼理事監
だから、凍結されたものが廃止になる。凍結されたままで廃止になるということになる。逆に桂見につくるという話になった場合には、それは単純に凍結を解除というのか、前の凍結はこういう美術館を桂見につくるという計画で、こういうという構想の中身が違ってきますので、それを新たに凍結の解除というのかどうかわかりません。
○稲田委員
あなたの方で、これと凍結とが結びついているのであって、私は結びついていると思っていないのだから。
◎内田(隆)委員長
よろしいですか。
○伊藤委員
申し訳ない。今日、俺は初めて桂見が凍結という言葉を聞いたよ。誰も聞いていないよ、これまで。桂見が凍結なんて、継続されているなんて。みんなが、もう桂見は置いておいて、ゼロベースで議論されていると。あなたも答弁した。俺が桂見はどうしたのと言ったら、ゼロベースでと言ったのだ。
◎内田(隆)委員長
整理します。今まで言ったか言わないかの話は、議事録を追ってみないといけないので、休憩します。県の方針や桂見については、後で配付しますが、今回、27年度の包括的外部監査において、指摘事項の後の県の今後の方針というので、平成11年度における県立美術館建設の凍結という決定は中止でないために、ほかの利用等はできなかったというのが県の立場だそうです。これも後で配付します。暫時休憩します。
午後2時15分 休憩
午後2時37分 再開
◎内田(隆)委員長
再開します。
○伊藤委員
72ページ、館長が今後のあり方について、基本的にゼロベースで議論して、ソフト、ハード両面にわたる検討が必要だということで、こういう委員会をつくって検討していたことを当時も説明しているわけだ。この中の答弁では、ゼロベースの前後に、何らのほかの説明もないわけだ。それで、ゼロベースで、ソフトとハードと、これを議論していただくということになるのだ。これまでの議論はどうなのか、絶対に説明がないのだ。だから、大きな混乱を起こしてきたわけだ。あなたはそういうつもりでおったかもしれないけれども、我々がこの答弁を聞いている限りでは、ゼロベースというのはゼロベースなのだ。だから、私もずっと、もやもやがとれなかったというのは、そういう意味だ。議会で、きょう初めて聞いたよ。桂見が凍結で、今もありますと。溶けていませんと。俺は溶けてしまっていると、凍みたのが溶けてもうなくなってしまったかと思った。
●大場博物館長兼理事監
ちょっと思い出しましたけれども、恐らく前に議論したのは、この委員会の中の質問ではなくて、委員会が終わってから、桂見はどうなったかと。凍結していたのを解凍したのではないのかと言われたのにお答えして、いや、凍結を解凍したわけではありません。ゼロベースでこれから議論していくことにしているだけですという、そういうお話のやりとりをしたのが、恐らく今回の話に最も近い話だったと思います。ただ、いずれにしてもゼロベースとは何ぞやということについて、詳しい説明はさせていただいたわけではないので、確かに言葉が足りなかったというのはお謝りしておきたいと思います。
○木村委員
済みません。美術館の今ちょうど目の前にある課題なのですけれども。結局、でき上がったものに対して、いいか悪いかを判断してもらうというのが、先ほどおっしゃった内容ですね。自分が今まで市議会におって、4年間も市庁舎問題に引きずられました。多分、あれもボタンをちゃんとかけていけば、間違いなくスムーズにいった部分があると思うのです。後出しで次から次へと新しい案件が出てきて、ああいう混乱を招いたのだと思うのですね。
知事と当時の市長とは全くスタンスが今違っていますので、同じとは言いません。けれども、非常に似たようなところが実はありまして、例えば事前に具体的な選択肢を出す。さっき大場館長が、具体的に提示したいとおっしゃった。そうすると、この前の福間議員の一般質問ではないけれども、例えば県政モニターのとり方で、3つの選択肢がありました。その中で1つだけを選びました。だから、でき上がったものをいい悪いを判断してください、というような流れになるのだろうと思うのです。
例えば、本当に収蔵品のストックヤードが足りないということであれば、ではこれが幾らかかりますということがまず提示されないと、なかなか客観的な合理的な説明にはならないと思うのですね。県民としても、議員としても。では、これにはこれぐらいかかって、こうなるのだというようなことが、やっぱりちゃんと理解できないと、客観的な判断はしづらいのです。
ですから、できたから、これでいいか悪いか判断してくれというのは、余りにも無茶な感じがするのですよ。大場さんはしないかもしれないけれども、私はするのです。同じ轍を踏まないでいただきたいと思うので、その辺り、知事が何回も客観性、合理性の話をしていますので、そういうものにちゃんと耐え得るような内容を出していただきたいと思います。
●大場博物館長兼理事監
まず、収蔵庫を別につくればというお話がちょっとありましたけれども、実はこれについては現状・課題検討委員会の段階で、それを別につくるというのはよろしくないという方向性がある程度出ております。これは……。
○木村委員
いや、言っている意味はわかりますよ、今までの経過の説明だから。
●大場博物館長兼理事監
そこで出ているので、今回、詳しくは御説明しておりませんが、住民の皆さんに説明するときには、その辺の話も含めて説明しております。いずれにしても、今回の基本構想は、住民の皆さんに具体的に判断していただくために、多少無理を承知で、今の段階で整備費を。本当だったら、まだ出せる段階ではないのです、整備費というものは、ある程度設計が固まってこないと、本当はきちんとした数字は出せない。今後、運営費も出しますけれども、従来であれば、それを初めてお示しするのは恐らくオープン後の運営費の当初予算計上、それが初めてになるぐらいの話だと思います。ただ、そういうことをしていると、さっき木村委員が言われたように、住民の皆さんにこの美術館をつくるのがいいのかどうか判断していただく具体的な情報が何もなく、わからないままで、つくってもいいですかと言われても、県民の皆さんも判断がつかないだろうということで、多少粗くても、数値をお示ししていく。しかも、最終的には基本構想というパッケージにまとめますけれども、それをできてから示すのではなくて、つくる過程である程度まとまったものを逐次出していって、皆さんに議論していただく。そういうふうにして、県民の合意形成を図っていこうということで、こういう進め方をしているわけです。
最後の段階で固まってから出すというやり方は、そういうやり方をすべきだということかもしれませんけれども、今の段階で、とにかく途中段階の情報もある程度積極的に開示して、皆さんに判断材料を提供していこうというのが今の進め方でございます。
○木村委員
逆なことを言っているのですよ。固まってにっちもさっちもいかなくて、これですという話を持ち出す前に、こういうケースはこういうリスクがあると。その中で、県民の皆さんにより明確な選択肢と、客観的な合理性というものをちゃんとお示しした中で、反応を見るというのが一番いいと思うのですよ。だから、鳥取市の場合は本当に住民投票まで動いてしまったわけですよ、ですから、同じ流れをくまないでいただきたい、ということをお願いしたのです。
●大場博物館長兼理事監
まさにそのために、こういうふうに前倒しで、いろいろ住民の皆さんに情報を提供して、議論を深めてもらっておるつもりなのですけれども。
○木村委員
多分それ、ピントが外れているのだと思います、私の価値観で言えばね。いいですよ、もう。
○稲田委員
そうすると、ここで最終確認をしておかないといけない。今までの議論をずっと聞いて、皆さんも質問をされる、大場館長も答えるという中で、私は主観をできるだけ交えないで、その話のやりとりの中でごくごく客観的に解釈をしたのは、ずっと今までいろんな計画案が出てきている。皆さん、審議会のメンバーの方も、いろいろ話をされてきた。しかし、やめることはある。中止という言葉を使うと、また中止の定義からしないといけないようになるので、誤解を避ける意味で、やめることがあるのかということが1点。
もう1点は、先ほどからゼロベースという言葉が出てきていて、これも非常に多価値的な概念なわけだから、どうにも捉えようがない部分があるのだけれども、あくまでもその心とするところは、最初に、やめることもありますかと言った。だから、あくまでもその議論をしていることは、ゼロベースで議論をしていくのだという、そういう捉え方でいいのかどうか。その2点を確認したい。そうしないと、この委員会の、最後の結論めいたとどめがつかない。
●大場博物館長兼理事監
やめることがあるか、というお尋ねで。現在つくっております基本構想では、つくる場合にはこういうような美術館をつくりたいと思いますけれども、いかがでしょうかと、県民の皆さんに判断材料を提供するためのものであります。それを見られて、県民の皆さんや議会の皆さんが、こんなのだったらつくらなくてもいい、という話になるのであれば、当然やめることになると思います。ただ、我々としては、できるだけそうならないように……。
○稲田委員
いや、だから、主観は言わない。あくまでも客観性。
●大場博物館長兼理事監
あと、凍結の話ですが、凍結は凍結のままで並行して置いておいて、その上でのゼロベースということですので、どういう美術館がいいか、どういう場所につくるのがいいか、一から考えて、その結果、この凍結してある内容と違う内容が決まった場合には、この凍結を解除というか、中止されることになると。ただし、それとある程度同じような内容のものになったら、この凍結は解除されるということもあり得ると。ということで、最終的に基本構想の内容が固まるまでは、もうしばらく凍結したままの状態が続くことになるだろうと思います。
○稲田委員
今、大場館長の話の中で、凍結と中止が混同しているように思う。包括外部監査の言葉は非常に正確に使ってあって、今後の方針の中で、計画の凍結という決定は中止ではないとなっているからね。だから、中止をしておるのであれば、再開もあり得るわけだよね。凍結は、よりそれを解除する、溶かすわけだから、溶ければ、その本体はあらわれてくる可能性もあるわけだよ。だから、中止よりは固く凍結をされているわけだよね。そういう意味に捉えていいのだろうかな
●大場博物館長兼理事監
私はむしろ逆に捉えておりますけれども。
○稲田委員
逆にというと、何。
●大場博物館長兼理事監
中止というのは、要するにその計画をやめてしまうこと。凍結を解除するというのは、その計画を再び動き出させること。
◎内田(隆)委員長
整理します。中止と廃止は同意義であるということですか、大場館長。
●大場博物館長兼理事監
基本的にほぼ同義だと思っています。あえて言えば、確かに使い方によっては一旦中止というのもありますので、一時的な中止もありますけれども、基本的には廃止と一緒だという、ここでいう中止も廃止と同じだと思います。
○稲田委員
これ、重要なことだよ。ここからのスタートになるよ。停止、中止、廃止、これは全然概念が違うよ。中止というのは、犯罪で中止犯というのがあって、途中で犯罪をやめることなのだよ。完全に犯罪をやめ切ってしまったわけではないですよ、中止というのは。だから、中止と廃止、停止、それにさらに非常に曖昧な概念だけれども、凍結という概念が今、出てきて、それでもめているわけでしょう。だから、そこのところはきちんとしないといけないので、大場館長は、中止という概念は凍結よりは固いということなのだね。
●大場博物館長兼理事監
はい。確かに中止、いろんな意味で使いますけれども、一番狭い意味では、今、稲田委員が言われたものだと思いますけれども、ここの文章の中で言っている、こういうふうに使うときの中止には、廃止的な意味も含めて中止と言うことも多いのではないかと思います。ここは恐らく廃止の意味だと思いますけれどもね。
○稲田委員
今日、多くの時間を割いたけれどもね。一体そのスタートがどこなのか、土台がどこにあったのかということが今日、明確になった。だから私は、逆に議論としては非常に有意義なものだったように思っているわけですね。その中で、1点だけわかったことは、いろんな皆さんの議論がある。そして、その審議会でもいろいろ議論される。最後はパブリックコメントでもとられるかどうかわからないけれども、県民の皆さんにも意思を聞かれてみる。そういう中にあって、この美術館構想というのは中止、中止という言葉はまたよくないから、やめる可能性もあるということなのだよね。そのことがわかったと、そのことだけ私は念押ししたかったのだ。
○伊藤委員
凍結という言葉にこだわったのは、要するに、当時凍結されたものは何なのか。美術館構想なのだ。桂見につくる美術館構想なのだ。桂見だけが凍結されたわけでないのだ。美術館構想も凍結されたわけだ。美術館構想が凍結されたまま、そのまま置いておいて、美術館構想をゼロベースから議論しようとしてきたから、問題があるのだ。本当なら、これを一旦溶かして、桂見というものは、また新たなゼロベースの中の議論で上げてくればよかったのだけれども。美術館構想、これは構想も、桂見という土地も、凍結されたままだったのだ。美術館構想も凍結されて、そこに置いておいて、また新たに美術館構想をゼロベースで進めようとしたから、無理もあったのだ。
そして、今になって出てきたのが、まだ凍結されているけれども、桂見だけは生きていますと。この凍結されたのは、構想と桂見だろう。これが溶けていないのに、なぜ桂見だけ議論に出てくるのか。そこに矛盾を感じるのだ。だから、順序が違うのではないのか、というのがずっとあったのだ。
●大場博物館長兼理事監
ここら辺も、先般来、説明が足りなかった部分はありますので、お詫びします。構想の凍結の意味についても、あのときは基本計画までできていて、設計まで入っていて中止になっていまして、その計画が中止……(「中止ではないですよ」と呼ぶ者あり)
ごめんなさい、凍結ですね。計画自体が凍結されたものと思っておりますので、特定の場所に特定の内容の美術館をつくるという構想が凍結されたと思っています。だから、美術館自体の凍結はまた別の話だというふうにも思っております。そこら辺はいろんなとり方がありますので、人間には。
○伊藤委員
とり方といったら、全然議論にならないよ。
●大場博物館長兼理事監
ただ、そこら辺を詰めていくのは、こういうやりとりなわけですけれども。あんまり十分にそこら辺の違いを十分に整理しないまま、あるいは説明しないまま、今日まで来ておることについては、お詫びしますけれども。
○伊藤委員
解釈の仕方によって違いますなんて言ったら、全然議論にならない。美術館構想は凍結したままなのだ。美術館構想も凍結されておったのだ、桂見ということで。凍結したままで、また新たにゼロベースで議論しようとするから、無理が出てきたのだ。だから、凍結されたまま、美術館構想を凍結したままで新たに議論をするのですか、と言うのだ。だから、矛盾が起きているのではないか。そして今日になってみたら、この桂見の土地だけが出てきたのだ。でも、構想というのは凍みたままだよ、溶けてはいないよ。だから、おかしいと言うのだ。
それを、解釈の仕方によって違うなんて言われるのだから、これは議論できない。考えてください。一生懸命、これに時間を費やしてやっているのだよ。物事をきちんと整理して事を進めてくれないと、我々も説明できないし、解釈もできない、理解もできないのだ。それを解釈の仕方の違いですなんて言われたら、もう議論できない。そんな回答をされて、常任委員会で議論することが大儀になった。もう一生懸命、皆さんも議論しているよ。解釈の違いなんて言えば、もう皆さん、何のために議論したのか、訳がわからない。
それは、もう侮辱だと思うよ。本当に腹が立ってきたよ。最後になって、そんな話をされると。解釈の違いなんて言われたら困る。特に答弁は要らない、答弁しなくていい。
○上村委員
今の博物館が決まって、手狭になっていると。あるいは雨漏りもするというので、改修しないといけないと。それをはっきりおっしゃるべきだと。(発言する者あり)
現状では、もう使い切らないと。管理もしにくいと。耐震性の問題があるかどうかわかりませんけれども、たくさん問題が出てきたので、もう改修、改築をしないといけないということではないでしょうか。そのこと、どういうぐあいなのでしょうか。
●大場博物館長兼理事監
今、上村委員がおっしゃったところから、今回の美術館の話が出てきておるというのは御指摘のとおりです。それはそういうことです。
○福浜委員
確認です。10ページの候補地一覧で、12カ所になっています。そして、鳥取市から、今、議論になっていた県立少年自然の家の跡地についても評価検討を行ってほしいということなのですが、県教委の立場としては、市町村から候補地を出していただく、そこから優先的に専門委員の方に選んでいただくという基本方針だったと思います。
で、この県立少年自然の家については、鳥取市として積極的に提案しているのか。それとも、これは県が凍結されているものなので、県として候補に入れてくれというお願いなのか。そのあたりがちょっと微妙で、よくわからない。
県教委としては、市町村から協力、推薦があるということは、そこに県として建てるのであれば、市町村としても協力します、というお墨つきのようなものだと思うのです。ただ、仮に県立少年自然の家で専門委員会がオーケーを出した場合に、鳥取市としては積極的にそこでもいいです、というふうになるのでしょうか。これを13番目の候補として、県教委としては同列で考えていかれるのかどうなのか、ということです。
●大場博物館長兼理事監
非常に悩ましいところでもあるのですけれども。鳥取市の意向としては、まず、県としてそういうことを評価、検討してほしい、すべきだ、というお考えで、そこも一応してほしいということなのだろうと思います。もしなった場合には、当時もシャトルバスを走らせるなどの話はありましたので、そういう協力をされる用意はあるのだろうという推測のもとに、その前提で検討することになると思っています。
従いまして、候補地の一つとして考えていく。正式に推薦されていないので、ほかの候補地と全く同じ並びでいいかと言われると、ちょっと忸怩たるものがありますが、あくまでも参考地の一つとして評価してみて、それなりにいい土地であるならば、やはり対象候補地の一つとして検討していく。ただ、正式な候補地ではないので、似たような評価のところがあったら、そのときには落ちるというような話はあるかもしれませんが、今の段階で候補地ではないというつもりはないと。参考地の一つとして、準候補地のようなことで考えていくというような。確かに言いにくいのですけれども。
○福浜委員
館長の説明の凍結というのは、計画全体での凍結で、それは置いておきます。これはあくまで場所ですから、別の議論ですという話でよくわかるのですが、その土俵に、凍結されている土地が入ってくることになると、一般的な感覚からすると、何だかすごくわかりにくいですよね。だから、伊藤委員の言うように、一回整理をしてという思いも、僕はそうなのだろうなというふうに思うのですけれども。
タイミングの問題かもしれませんが、片やこれは構想、計画ですと。こっちは場所ですと。でも、場所の中でそれが出てきた以上、準候補地と言いながらも、一般感覚としてはここにも入ってくる話に思ってしまうのではないですか。細かく説明を聞けば、館長の理論はもうそれでいいのかなとは思うのですけれども、でも同じ場所でしょう、という話だと思うのですよ。
●大場博物館長兼理事監
確かにおっしゃるように、正式に推薦された場所ではないということからいうと、同列に扱うのは、と。鳥取市は、まず県としてここを検討すべきだということなので、ここの土地の適格性について専門委員にも議論していただき、その意見も踏まえて、まず県としてここをどうするかを決めた上で、それから残りの12の候補地に入ると。その決めた段階では、この12の候補地にもう一つ加えようかというようなことも含めて、あるいは、もう全く候補地からは外そうかということを判断して、先ほど伊藤委員からも何度もありましたが、凍結をどうするのかについて方針を決めた上で、次の評価に入っていくという順番を踏むのがいいのかなとも、今、思った次第です。
●山本教育長
教育委員会サイドの意見を整理して申し上げますと、伊藤委員のおっしゃるように、凍結の部分を初めにきっちりと片をつけて今回の議論に入っていれば、このような問題は起こらなかったということについて、私ども大いに反省をすべき点であろうと思っております。
次に、そのことについて、きちんと議会などで十分な説明ができないまま、今日まで来ているということについても、改めてお詫びを申し上げたいと思いますが、経緯はそういうことで、私どもの気持ちは、凍結したものはそのままにしながら、ゼロベースで、ということで来ていました。そのことが、鳥取市に対しても十分に説明できていないということがあって、私、この文章をいただいてから、深澤市長ともお会いして、この文章の意味合いについて確認させていただきました。鳥取市としても、県から十分経緯の説明がないままに今回推薦してくださいというお話があって、この桂見の土地をどう扱ったらいいだろうかということを、随分悩んだと。ただ、もともと凍結なので、候補地の一つであることは間違いないだろうという思いもあるし、県のほうでそこは斟酌をして取扱いを決めていただいたらいいです、というお話でした。
今回、市町村から候補地を挙げていただいている中には入っていないのですが、これまでの経緯も含めて、県として改めて評価、検証をすべきということで、いわば参考地的ではありますが、県として、ここについては改めて検証、評価をさせていただくということにさせていただきたいと考えております。
◎内田(隆)委員長
済みません、口を挟むようですけれども、やはり国があって、法律があって、制度があるわけですよね。で、行政財産として持っておるわけですよ。これが普通財産で持っておられたら、今の答弁で僕は納得しますよ。では、行政財産は、何の目的を持っておられたのですか。候補地として持っておられるわけでしょう。では、候補地に入れないというのはないのではないですか。これ、行政財産なのですよ。行政財産とは何ですか。普通財産ではないのですよ。準っておかしくないですか。
●大場博物館長兼理事監
確かにそういう意味では、それは候補地の一つだと思います。
◎内田(隆)委員長
ですよね。
●大場博物館長兼理事監
ただ、今回の手続で正式に推薦をいただいた候補地ではないという。
◎内田(隆)委員長
どういうことですか。
●大場博物館長兼理事監
今回は、推薦していただいた土地をある程度前提に考えましょうということにしていましたけれども、ただ、先ほどの凍結されていたというような経緯を踏まえると、準候補地として考えるべきだろうと。
◎内田(隆)委員長
準ですか。そこ、改めて。行政財産なのですよ。では、普通財産に戻してくださいよ、すぐ。それで準候補地とするなら、わかります。了とします。
●大場博物館長兼理事監
準ということにどこまでするか、ですけれども。
◎内田(隆)委員長
同列ではなかったらおかしいでしょう。戻さないのであれば、同列で扱わないといけないはずですよ。だって、その理由が書いてあるでしょう、ずっと。
●大場博物館長兼理事監
わかりました。候補地は候補地ということにはなると思います。
◎内田(隆)委員長
ですよね。それでいいと思います。
ほかにありますか。
○西川副委員長
図書館のことをお聞きしたいのですけれども。今回、推進ビジョンが策定されるということなのですが、私はこの前も教育長にお聞きして、いろいろ教育の面で、スマートフォン等で読んだり聞いたりして、考えるということに大変将来的に危惧するものです。特に図書館の利用が、本を読まれる方はたくさん読むのですけれども、総体的な人数は減ってきております。
特にその中で一番大きく影響するのが、図書館をきれいにすることも大切なのですけれども、図書館司書の充実というのが本当に大きくて、特に小学校段階でいかに本と接する機会を持たせるか。読むことはどういうことかを教えるというのは、やはり学校の教員でなく、この司書の役割というのはものすごく大きい。基本的には市町村が配置しておられるのですが、県下の状況を私は知らないのですけれども、どんな状況かというのと、もし足らない場合に、補助をつけてでも充実するのか、それから、この辺りをどのようにビジョンに入れておられるのか。ちょっとお聞きしたいと思います。
●福本図書館長
11月にパブリックコメントをやりますということで、この常任委員会に一回報告させていただいて、その後、1月にその結果を報告させていただいたときに、現場の司書の方と思われる声もたくさん来ていました。今、西川委員がおっしゃったような、特に小・中学校の学校図書館では正規の職員がほとんどおられない。非常勤の、しかも司書資格を持っておられる方ばかりではない、というような状況があります。
委員がおっしゃったように、学校というのは、部屋だけ、本だけあってもだめです。学校司書が、学校の司書教諭や一般教諭の方と、授業でどういうぐあいに活用するかとか、例えば調べ学習で図書館をどう利用するかといったようなことを、両輪になってやって初めて学校図書館の活用が図られるということに、たくさんの声をいただきました。
今回、別冊でお配りしているビジョンの12ページに、ビジョン実現に向けた取組ということで、このビジョンで示す方向性を具体的にしていくために、例えばこんなことに取り組むべきということを、6項目ほど整理しています。この中の(4)が、今のパブリックコメントなどで出てきた、学校司書の重要性を訴える声を受けたものです。学校図書館法が改正されまして、今年度から学校図書館に司書を置くことや、研修を実施することということが、努力義務ですけれども、法律の中で位置づけられました。ただ、そのことが市町村にはまだ十分伝わっていませんでして、今回、学校図書館法の改正やこのビジョンの制定を契機に、もう一回学校司書の重要性や、例えば雇用環境の改善などへの後押しにこのビジョンがなったらいいなと思います。この(4)の項目は、市町村に関してのことですので、表現が微妙に難しいところはありますが、雇用環境の改善等に努めるということで、配置について市町村も取り組んでほしいということを盛り込んだところです。
今、委員がおっしゃった、スマートフォンとか子どもたちの本離れが進んでいるというのは、鳥取県の現状調査をやってみましたら、おっしゃるとおり、非常に二極化していまして、図書の貸し出しが増えている学校は、やはり学校司書さんが非常に頑張っておられます。現状では、複数校を兼務しているような、中学校区で1人しかいなくて、小学校は人がいないまま鍵がかかっているような図書室もあり、そういうところは本の貸出しもほとんどされないという状況も浮き彫りになってきました。ICTの活用教育の中にも、情報センターとしての図書館の活用をうたっていますし、逆にこの図書館の活用教育の中でもICTとの連携をやっています。そういったことを実行するためにも、学校司書の充実というのは非常に重要だということを、このビジョンの中にも入れ込み、これから各市町村の中で図書館の充実を図るときに、このビジョンを後ろ盾というか、方向性の一つに活用していただけたらと思っております。
○西川副委員長
小学校段階でそういうチャンスを逃すと、なかなか中学、高校ではチャンスがなくなると思うのです。自分の子どもの経験も踏まえて。私は智頭なのですけれども、県と町はわりと連携がよくて、県の対応に感謝していますが。
先ほど言いましたように、小規模校などは本当に置きにくいのですけれどもね。その辺りをもう少し、大きな項目などに入れていただいて。司書の役割というのが本当に一番大きいと思うので、もう少し大きな項目に入れていただき、それで、結果を出していただきたいという思いがあります。その辺りをもう一度。
●福本図書館長
先ほどの説明の中でも申しましたけれども、このビジョンをつくりっ放しにするのではなく、今このほかにもハンドブックというものもつくっています。この2つは、県と市町村の会議を4月に開きますし、その後も教育センターや図書館で研修をします。その中で、管理職や市町村の教育長の方々にもお話しする機会がありますので、このビジョンの趣旨と、今言いました司書の重要性について特に強調しながら、お願いしたり、学校の理解を促進するようなお話をしたいと思っております。
◎内田(隆)委員長
よろしいですか。ほかにありますか。
それでは、次に、閉会中の調査事項についてお諮りいたします。
陳情の研究のために留保と決定したもの並びに本委員会所管にかかわる本県の行財政運営、学校教育の諸問題、その他の主要事業については、閉会中もこれを継続審査及び調査することとし、その旨議長に申し出ることに御異議はございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
異議がないようです。その旨、議長に申し出ておきます。
なお、委員長報告及び、医療等に係る消費税問題の抜本的解決を求める意見書に係る提案理由説明の作成内容については、委員長に一任いただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、ただいまの御意見を踏まえ、作成し、報告することといたします。御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
次に、その他ですが、執行部、委員の方で何かございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
意見も尽きたようです。委員の皆様に御連絡いたします。次回常任委員会は4月21日木曜日午前10時からの開催の予定でありますので、よろしくお願いします。
それでは、委員の皆様には御連絡がありますので、この場にお残りください。執行部の皆様には御退席いただいて結構です。お疲れさまでした。
(執行部退席)
よろしいですか。お残りいただきましたのは、調査活動報告についてであります。本会議におきまして、各委員会の1年間の活動状況について報告することになっております。本委員会の平成27年度活動状況について、配付してもらっていますか。それでは、案のとおり報告することといたしますが、よろしいですか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
そのようにさせていただきます。
次に、県外調査についてです。まず、日程についてですが、お手元に平成28年4月以降の議会日程という資料をお配りしておりますが、第1候補日は、5月16日から5月18日までの2泊3日で訪問したいと思いますが、都合はどうでしょうか。
18日。(「翌日が政調・政審」と呼ぶ者あり)
はい、そのようになっております。次の週ですと、議会まで余り間がありませんし、その前ですと、会派要望があったりしますので、4月で連休があって……。(発言する者あり)
はい、ですね。ぜひここでさせていただきますようお願いを申し上げます。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、そのようにさせていただきます。
次に、調査先ですが、御希望の調査先がありましたら、22日火曜日までに、私か西川副委員長、もしくは事務局へお知らせください。急ぎもあって、大体打診もしておるのですが、鹿児島、福岡など九州方面に行こうと思いますので、できればその辺りで探していただくと非常にありがたいです。(「個別に項目」と呼ぶ者あり)
個別の項目を挙げてください。
それでは、そのようにさせていただきます。結果については、追って報告をさせていただきます。
それでは、以上をもちまして総務教育常任委員会を閉会いたします。
午後3時19分 閉会
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