会議の概要
午前10時20分 開会
◎斉木議長
ただいまから議員全員協議会を開会いたします。
まず、会議録署名議員に、稲田寿久議員、福間裕隆議員を指名いたします。
本日の議題は、平成29年度当初予算案及び平成29年度組織・定数改正案についてであります。
それでは、一括して知事に説明を求めます。
●平井知事
皆様、おはようございます。
いよいよ本日から2月の定例県議会が開会をされることとなりました。議員各位におかれましては、さきの鳥取県中部地震に引き続きまして、2回にわたる豪雪被害に対しましても温かい御配慮とさまざまな御支援、御協力を賜りましたこと、御礼を申し上げたいと思います。
先ほども申し上げましたように、今議会には、一般会計の予算といたしまして3,494億2,600万円を計上させていただきました。これには、私自身としても一つの思いを込めさせていただきました。恐らく長い県政ではいろんなことがあると思いますけれども、災害が続く年ということはそんなにはあるものではない。ただ、このまま座視しているわけにもならないわけでありまして、行動を起こさなければなりません。ですから、新年度には、鳥取県中部地震、今、屋根瓦がまだブルーシートの状態でありますし、お店が完全に復活したわけでもございませんし、そういうことの中で、また新しくシーズンを改めて農業者が農業を営まなければなりません。ですから、重点的にこの災害復興をしていかなければならないと思います。また、あわせまして、雪についても、雪のたびにさまざまな被害や障害が生じることは、私たちとしても決してこのままで置いておくわけにはならないのだと思います。ですから、新しい視点でこうした災害に強い地域をもう一度立て直していく必要があると思います。
そういう中、実は財源的には厳しさがございました。私どものほうでいろいろと計上させていただきましたけれども、交付税につきましては13億円ほど去年よりも下回る見込みになっておりますし、また、もう一つ言えば、臨時財政対策債といわれます交付税にらみの起債がございますが、これも3億円ほど抑制せざるを得ない状況でございまして、他方で、税収のほうも5億円ほど減らすということであります。ですから、かなりやりくりをしなければならない状況にございました。一般事業を29億円ほどいろいろと見直したり再検討したりしまして、財源を捻出するなどして、この予算編成に当たらさせていただきました。ただ、残念ながら、一定程度、将来への備えを崩す必要に迫られました。そういうことから、110億円余り基金を取り崩しまして、その結果、当初予算ベースでは270億円の基金残高ということになります。ただ、他方で、財政誘導目標に掲げております黒字のプライマリーバランスにつきましては、ずっと連続で達成することができ、11億円の黒字にさせていただいておりまして、財政の健全さが失われたわけではございません。また、借金の残高につきましては、実質的なものが3,077億円と、3,000億円の手前のところまでは来ているところでございます。したがいまして、引き続き行財政改革などを進めることにより、我々の任期の最終年度末にはいい形で次の任期へと引き渡すこと、これを目標としていきたいと思いますし、できない相談ではないというふうににらみながら、予算編成をさせていただいているところであります。
ただ、いずれにせよ、こういう厳しい中、意欲的にさまざまな事業も組まさせていただきました。今年度の補正予算も含めて、復興関係では総額103億円に上ります。また、当初予算におきまして、子育て支援関係41億円を計上させていただいております。他方で、例えば普通建設事業、それから災害復旧事業、それぞれに5億円ほど対前年を上回る形にさせていただいております。やはりこういうときだからこそ、しっかりと災害復旧を進めなければなりませんし、また、強い県土づくりというものにも重点を置くという必要もあろうかと思います。
いろいろと工夫を凝らして予算編成をさせていただきましたけれども、ぜひ意のあるところを県議の皆様にお酌み取りいただき、熱心な御審議を賜りまして、この当初予算を実行して、力強く復興をなし遂げ、幸せを形にしていく福興をつくり上げていかなければならないと考えております。「為せば成る為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」と上杉鷹山は言っていました。財政の厳しい中で、地域をおこし、名君とたたえられた、そういう政治のあり方だろうと思います。その上杉鷹山は、こういうふうにも言っています。「一村は、互いに助け合い、互いに救い合うの頼もしき事、朋友のごとくなるべし」。鳥取県の中部地震に際しても、また渋滞で困っている人たちに対して、貝がらもなかが配られたり、それぞれの避難所の臨時設営が住民の手で行われたりしてきました。互いに助け合うこと、それが私たちの村、鳥取県のよきところではないかと思います。これを生かしていけば、決してできないことではない課題が復興であり、幸せをつくることではないかと思っております。
皆様のお力を賜ること、心からお願いを申し上げ、県政の発展をお祈り申し上げまして、冒頭の説明とさせていただきますが、詳細につきましては、担当部局長のほうから御説明申し上げます。
◎斉木議長
続いて、詳細説明を求めます。
まず、平成29年度当初予算案について、伊澤総務部長、お願いいたします。
●伊澤総務部長
それでは、私のほうから平成29年度当初予算の全体像につきまして御説明をさせていただきます。
まず、お手元の資料1と書かれた資料をご覧いただきたいと思います。
冒頭に、予算編成の基本姿勢を書かせていただいております。これにつきましては、先ほど知事のほうから本会議場での提案理由説明、あるいは本会での冒頭の御説明の中で申し上げた内容と重複いたしますので、省略させていただきますが、昨年10月の鳥取県中部地震、あるいは1月と2月の雪害などの難局から、県民一丸となってこれを乗り越えていくということが急務となっている中であります。一方で、世界経済、あるいは我が国経済の目まぐるしい情勢変化、あるいはそのような中で、財源の問題に目を転じますと、国全体の地方財政計画においては、一般財源総額について、前年度を上回る水準が確保されたとはいうものの、地方交付税の歳出特別枠が半減されるなど、臨時財政対策債を含めた実質的な交付税は減額されるというような状況になっておりまして、その影響は本県財政に非常に大きなものがある。これも先ほど、知事が申し上げたとおりであります。一方では、公債費や社会保障費などの義務的経費が引き続き増大する状況が続いております。このような中で、非常に厳しい状況の中での予算編成になったということでございます。
このような中ではございましたが、さまざまな財源のやりくりなどを行いながら、喫緊の課題に対応しつつ、中でも鳥取県中部地震からの復興に最優先で取り組む、そして、元気な鳥取県をつくり出していくための諸施策につきまして、積極的な予算計上を行ったところでございます。その結果といたしまして、総額3,494億円、対前年度当初比で0.1%増の予算を編成し、お諮りすることとなった次第でございます。
なお、これも提案理由説明等で知事のほうから御説明申し上げましたが、財政運営に関する財政誘導目標につきましては、プライマリーバランスの黒字の確保は達成できたものの、基金残高は、30年度末の目標の300億円を下回るという厳しい状況になってございます。引き続き
30年度末での目標達成に向けて、行財政改革の努力を重ねていく覚悟です。
2ページに参ります。予算案の概要でございますが、規模等につきましては、ご覧のとおりでございます。テーマも「復興、そして福興」ということでございます。主な増減要因につきましては、記載のとおりでございます。既に政調会等で御説明している内容がほとんどでございますので、説明は省略させていただきます。
歳入について、ページ中ほどから下の表で書かせていただいております。これも、先ほど要点は知事のほうから申し上げたとおりでございます。県税収入、そして、その下に地方法人特別譲与税、これは法人事業税の一部を削って、財源偏在是正のための譲与税として交付されているものですが、これは全国の景気回復の状況を踏まえて、増になっている。この県税と特別譲与税を合わせまして、両方で合わせて2億円の増という状況になっていることはご覧のとおりであります。地方交付税、そして、その下に臨時財政対策債とございまして、表の中に、再掲といたしまして「地方交付税+臨時財政対策債」という欄がございます。これがいわゆる実質的な交付税のことでございまして、前年度に比べて、合わせまして約17億円弱の減という状況になっています。繰越金につきましては、前年度からの繰越金を充当するもので、前年度と同規模で充当をお願いしているところです。その下、財政調整型の基金の取り崩し状況です。これも重ねてになりますが、29年度の欄を見ていただきますと、財調型基金113億円を取り崩しておりまして、その結果といたしまして、一番右側、右下でありますが、29年度当初予算編成時点での残高が270億1,000万円という状況になっているということでございます。
3ページは、歳出の状況をまとめております。中ほどに、一般事業と公共事業をそれぞれ分けて記載しております。一般事業は、2,989億円です。対前年当初比で30億円の減ですが、そこの(3)に書いておりますとおり、昨年度、鳥取元気づくり推進基金の造成が30億円ございました。この30億円の造成や、八橋警察署の移転や米子のコンベンションセンターの整備など、大規模な施設整備が終了したこと、これらの臨時的な経費が減少したことに伴うものです。そのほか、(1)に書いておりますとおり、社会保障費や公債費など義務的経費の増、そういった中ではございましたけれども、中部地震からの復興、子育て王国の推進、県立ハローワークの設置などの産業、雇用を創出するための事業、力強い農林水産業づくりを推進するための事業などの諸施策につきまして、積極的な計上を行ったところでございます。
イの公共事業ですが、505億円ということで、対前年当初比でプラス6.9%、33億円の増という予算になっています。山陰道鳥取西道路の30年度中の供用開始に向けた事業進捗の最大化などに対応した予算、これを補完する岩美道路などの地域高規格道路についての早期供用に向けた所要額の計上、さらには境港の高度衛生管理型市場の整備の本格化などに係る経費を計上した結果です。
その下に、3で予算規模の推移を経年で書いております。表のとおりでございます。
4ページです。地方消費税収と社会保障費の関係について示したものです。引上げ分と書いておりますのは、歳入のところですが、平成26年度の消費税5%から8%への引き上げ、うち地方消費税は1%から1.7%へ0.7%引き上げられたわけですが、この今年度当初予算における見込み額が41.7億円ということです。一方、本年度当初予算における社会保障関係費の総額が約500億円弱、うち一般財源が418億円ほどとなっておりまして、この表の一番下に書いておりますとおり、消費税引き上げに係る増収分を全て社会保障費に充てているということをご覧いただくためのものです。
続きまして、当初予算の概要の資料に移ります。5ページに参ります。以降は、予算の詳細な分析を示した資料です。要点は先ほど説明したとおりで重なりますので、詳細な説明は省略させていただきます。5ページが歳入の分析、6ページが歳出の目的別、7ページが性質別と、それぞれの区分別の内訳と主な増減状況を記載した資料です。
8ページは、一般会計の当初予算の推移ですが、昭和25年からずっと経年で書かせていただいております。
9ページ、10ページは公共事業の関係で、9ページが公共事業の内訳、10ページが公共事業の当初予算額の経年推移をお示しした資料です。
続きまして、11ページです。当初予算における財政状況です。これも経年変化をお示ししておりますが、次の12ページにグラフ化したものをお示ししております。こちらの方がわかりやすいと思いますので、こちらをご覧ください。県債や基金残高の推移をグラフ化したものでございます。白抜きの部分がいわゆる臨財債を除いた純粋な意味での県債の状況です。そして、縦しまの部分、これが臨財債です。一番下の黒い棒グラフがいわゆる財調型の基金の残高の状況で、一番右側下、平成29年度のところをご覧いただきますと270億円という状況になったということです。
次の13ページ以降は、それぞれ主な状況を見やすく資料にまとめたものです。13ページは、歳入対策、歳出対策といったような、どんなやりくりをしたかといったことをまとめた資料、14ページは復興関連の予算で、先ほど知事が申し上げたとおりです。15ページは働き方改革や産業振興の関係、16ページは暮らしの安心関係、17ページは子育て王国関係、これらの関連予算の概要を1枚物にまとめたものですので、お目通しいただければと思います。
18ページに参ります。先ほども簡単な資料でお示ししましたが、やりくりの中の事務事業見直しの状況です。事務事業見直し、あるいは職員人件費の削減、これは定数削減によるものではありますが、こういったもので約104億円の効果を生み出しているということをご覧いただければと思います。
次に、19ページは、説明は省略いたしますが、使用料、手数料の見直しの関係、20ページは先ほども御説明した地方消費税の引上げと社会保障費の関係の詳細な内訳です。
このつづりでは最後になりますが、21ページでは、人件費の分析をまとめて書かせていただいております。右側のほうに矢印で引き出して主な増減理由を書かせていただいているとおりです。人件費全体としましては、この表の一番右下にあるとおり、全体で5億円ほどの減という状況になっています。主なものだけ申し上げますと、非常勤職員は280人ほど人数が減っておりますが、金額といたしましては7,000万円ほど増えていると。これは統計調査員など、数年に1回行われる調査員の減といったものが主な原因ですが、一方で、一般職員の給与費にも該当がありますが、人事委員会の勧告に基づきまして、28年度1.1%のベースアップの給与改定を行いましたので、これに伴う非常勤職員の報酬単価の改定の影響などが主なものです。一般職員の給与費につきましても、給与改定、定数削減も含む新陳代謝の影響、また共済費では厚生年金一元化の関係で標準報酬制へ平成27年10月に切り替えられた影響が収束した実績を踏まえた減額、こういったものが主な要因でございます。
続きまして、資料2をご覧いただきたいと思います。横長の財政誘導目標と書かれた資料でございます。
これは、平成30年度末までの健全財政の確保に向けた目標として、ご覧の3項目を設定させていただいて、平成27年6月議会で御報告したものです。一定以上の基金を確保しながら、借金残高を増やさないという財政運営を行うことを目標としたものです。
平成29年度当初予算での状況は、先ほど説明させていただきましたとおりですので、省略させていただきますが、2枚目に、今後の推移の見込みを付けさせていただいております。将来に向けた推計値です。あくまでも、平成29年度当初予算時点、つまり現時点での歳入歳出構造をそのまま継続した場合を推計したものです。社会保障費などの義務的経費の増、あるいは交付税も一定程度減額のトレンドが続くであろうといったことを見込んだものになっています。
3つの目標の(1)基金残高300億円以上の確保がありますが、これは平成29年度は270億円の基金ですが、このままであれば、さらに減り続ける可能性があると。あるいは、(2)実質的な借入金の残高、これを3,000億円以下にするといった目標がございます。さらには、(3)プライマリーバランスの黒字化といったような状況でございます。
これは、右側に書いておりますが、当然この目標を守りたいということでありまして、どの程度の努力が必要かということを見るためのものになっています。右側の端のほうに書いておりますけれども、目標達成のためには、基金残高を112億円増やす、あるいは実質的な借入金を83億円減少させるといったことが目標値になってくるということをご覧いただくためのものです。
◎斉木議長
続きまして、平成29年度組織・定数改正案について、森田行財政改革局長、お願いします。
●森田行財政改革局長
平成29年度組織・定数改正案について御説明をさせていただきます。
資料3をお願いします。平成29年度に向けた主な組織案の概要についてでございます。本日は7点について御説明させていただきたいと思っておりますけれども、詳しい概要につきましては、次ページ以降で説明させていただきたいと思います。
2ページをお願いします。まず、中部地震からの復興についてです。知事の直轄の組織として、中部地震復興本部事務局を設置します。場所に関しましては、中部総合事務所を考えています。あと、中部復興監を配置しまして、復興の取組を迅速かつ強力に展開する体制を整備したいと考えています。
3ページ、福祉保健部です。共生社会の実現、支え愛地域づくりの推進などの課題を、より一層迅速かつ的確に対応するために、福祉保健部にささえあい福祉局を設置します。
3点目ですが、県立ハローワークの開設に向けまして、雇用人材局就業支援課に県立ハローワーク開設準備室を設置します。
4ページをお願いします。会計審査体制ですが、新財務システムが稼働することで、遠隔地での会計審査が可能になります。それに伴いまして、会計管理者会計局に統括審査課を設置しまして、審査を開始することとさせていただきたいと思います。
5点目がモニタリング体制の整備です。環境放射能モニタリングの拠点施設が平成29年度内に完成しますので、生活環境部に原子力環境センターを設置するものです。
5ページをお願いします。教育委員会です。学校種の枠を超えて、教職員の人材育成や確保、あるいは業務改善、働き方改革を推進する体制として、教育人材開発課を設置します。
また、7点目ですが、博物館に美術館整備準備室を設置したいと考えているところです。
次のページをお願いします。平成29年度職員の定数改正案についてです。定数に関しては、中部地震からの復興のための体制などを初めとして、必要な体制強化を行っていますが、一方で、業務のスクラップ・ビルドを行い、定数の見直しもあわせて行っているところです。
具体的な数に関しては、網かけのところをご覧いただきたいと思いますけれども、真ん中の増減というところで整理しておりますが、知事部局ではマイナスの6、行政委員会等がマイナス6、合わせまして、一番下の欄ですが、マイナス12というところです。
7ページに関しては、教職員の定数、警察本部の定数、病院局の定数を掲げておりますので、ご覧いただきたいと思います。
8ページ以降に関しましては、各部局ごとの組織図を添付しておりますので、後ほどご覧いただきたいと思います。
◎斉木議長
ただ今までの説明に対して、御意見、御質疑等があればお願いをいたします。
○山口議員
今総括的な説明がございましたけれども、非常にやりくり予算で大変だったと思うのですが、交付税がかなり減っておるわけですね。それから、臨財債も含めて減っているのですけれども、地方財政計画の中でほとんどの自治体、交付団体がこういう形の財政運営を強いられているかどうかということで、特に鳥取県は災害復旧に対する特別な対応があり、今年ばかりではなく来年度にも後を引くような形なのですけれども、どういう形で今後これに対応するかと。
●平井知事
交付税につきまして、臨財債も交付税的な財源でありますけれども、今回、国は一般財源総額は確保したと言っています。地方財政計画は確かに全体で伸びてもいます。ただ、現実を見ますと、鳥取県は対前年でプラスになっていますが、中国地方各県みんな軒並み落ちています。対前年を割り込んでいます。どういうことかというと、消費税ですとか、法人税が好調なこと、こういうことが税収の増につながります。これが一般財源の総額をある意味押し上げるのですけれども、その分、地方交付税や臨財債が減っていくと。ですから、東京都を初めとして、富裕団体のほうに財源が集まっている格好に恐らくなっていると思います。私どものような、どちらかというと税収構造としては厳しいものがあって、逆に交付税などの依存財源に頼っているところでは、全体としての一般財源が抑制されがちであるということです。東京都のほうに集中的に入る地方法人税を再配分する、そうした特別譲与税のようなものなどは、ある程度確保できますけれども、肝心の本来の税収であるとか、交付税などは厳しいところになります。ですから、さらに消費税が引き上げられてくる局面では、なお一層拡大する必要がありまして、私は知事会全体でももう一度議論しなければいけないと思うのは、税収の豊かな団体にどんどん財源が集まってしまう。ですから、交付税も従来よりも踏み込んで財源調整をしなければならないのだろうと思います。そこのところがまだ不十分であるので、このように地方においては、一般的に、今回当初予算を抑制せざるを得ないような状況が来ているのに対して、富裕団体に集まっているということだと思います。
こういう際に、私どものように災害が起こったところでは、特別交付税など、別途の交付税上の手当てを望む必要がありまして、これは国会議員にも応援していただいていますが、今年度中の確保を強力に今お願いをしているところであります。また、新年度につきましても、私どもとして過年災として、災害復旧事業が、例えば文化財の復旧など、いろんなところで生じますので、当然ながら、財源の確保も来年度申し上げていかなければならないと思います。大きな流れの中で、構造的に、確かに景気がよくなってきて、法人税収が上がってきているという状況かもしれませんが、もうかっているのは東京や大阪の企業ということであって、なかなか地方の中小企業まで税収増につながるところまで行っていない。他方で、一般財源全体を対前年と大体同じぐらいにしているものですから、交付税などの依存財源が下がってきている。この辺りの構造打開を、本来、国政全体としても考えていただく必要があるところだと思っております。
○山口議員
交付税不交付団体は別にして、交付されている団体を見ますと、島根県もそうですが、やりくりして、基金を取り崩して予算を編成しているような状況です。このまま続くと大変ですから、組織を挙げて、知事会なりでこれをやらなければ、こういうトレンドはずっと続いてしまって、基金がどんどん減っていくような形になるのではないかと思います。
もう一つ、鳥取県版のハローワークということなのですけれども、実は地方創生の始まったときに、国のハローワークがあります。これを移管したらどうかと、こういう提案をしたのですけれども。なかなか国の職員を移動することができないなどという形で蹴られたのですけれども、やはりこれは一体的に、一緒にやらなければならないもので、地方に移管したほうがいいのではないかと思いますので、そういう運動を展開されたら、一層この効果が上がるのではなかろうかと思います。
●平井知事
先のほうの課題につきましては、これは議長会とも連動させながら、財源が富裕団体に集中せずに、それ以外の財政の乏しいところにもきちんと標準的な行政経費が執行できるように担保するよう、国に対して強く求めてまいりたいと思います。
ハローワークにつきましては、山口議員の御指摘のようなこともあり、これは地方団体で一致をしまして、地方へのハローワーク移管を求めようと運動してきました。これがようやく法改正もできまして、県立のハローワーク、市町村立のハローワークが可能なように職業安定法などの改正がなされました。それを受けて、本県が本格的な形としては全国でもリーディングケースになると思うのですが、できれば新年度中にこうした新しいハローワークの形をつくっていきたいと思っております。
国と協定を結びまして、私どものほうで行う職業訓練等のバックアップをもらったり、雇用保険の窓口も県のハローワークと共同して行うような形にしたり、さらには、県が自分でマッチングをする、それによって女性の活躍を推進するとか、移住を進めるとか、さらに企業誘致や中小企業の人材不足に応えていけるような産業振興と連動したハローワーク事業を展開する。こんな意味で、国のハローワークとは一線を画すというか、それをさらに上回るような使い勝手のいいハローワークをつくってみよう、というチャレンジであります。これはまさに山口議員がおっしゃったことを受けて、地方分権改革推進有識者会議でも議論をされて、政府の決定にも至りまして、今、都道府県それぞれにこうしたハローワークをつくろうという動きになってきているところであります。
○稲田議員
知事が今日、本会議場でお話しになっておられた提案理由の説明ですね。この4文節目にも書いてありますし、それから当初予算案についてということで、資料1の1ページの(5)のところにも同じようなことが書いてあるわけですけれども、いわゆる財調型の基金の300億円の問題ですね。私が議員になったときにあったのかなかったのか、ちょっとその辺り記憶が定かでないのですけれども、これは確か議会の発議か意見書か何かで、キャップ制をかけたというような記憶があるわけです。それがもう、この財調型でなくても、基金残高全体に300億円をかけるのかどうなのか、ちょっと内容が頭の中に入っていないものですから、はっきりしたことがお話しできないのですけれども、そういうキャップ制がある。そういう中にあって、知事も多分気にしておられるのだろうと思っておるわけですが、300億円という数字がここに浮き出ていて、来年度は300億円を少し削ってしまうことになるのですが、行く行くはまた300億円をもとに戻しますよというお話なのです。しかし、どういう趣旨でキャップ制をかけたのか私もよくわかりませんが、多分当時のことを忖度するに、実質的な借入残高と基金残高とのお互いの伸び代をできるだけ狭めようということから、こういうキャップ制という制度が生まれたのではないかと。その当時は当事者でなかったですから、私が後に推測をするのですが、そういった前提の中で、知事にお気持ちをお聞きしたいわけですけれども、300億円というこの数字の意味を、どういうぐあいに知事は捉えておられるのか。
もう一つは、この300億円というもののキャップ制というものについて、どういう意味があるのだろうか。私自身としては、それほどこの300億円に意味があるとも思えないのですけれども、300億円について、どういう意味合いを持っておられるのかをお聞きしたいと思います。
●平井知事
このキャップ制につきましては、2つありまして、実は西尾県政から片山県政に移るときに、当時の大問題が財政の健全化を進めることと、あわせて、当時大規模プロジェクトといわれるさまざまな事業がございました。それをやるかどうか、今日また美術館問題などが起きていたりしますけれども、ああいうプロジェクトが幾つもございまして、それをするかどうかということで、財政の健全性の確保との議論がございました。当時、議会のほうで主導をされまして、年間の基金の崩す額が確か140億円か何かのキャップがかかったと思います。財政の健全さを保つために、当時は1,000億円ほど基金があった時代です。片山県政時代は平均100億円ぐらい毎年崩していったわけですね。ただ、それをどんどん崩していきますとなくなります。ですから、140億円のキャップをかけてあった、そういうのが実態です。しかし、その後、10年前に私のほうで片山県政からバトンを受けまして、財政健全化はもう抜本的にやり直そうと。当時、実は片山さんの最後の当初予算で、崩した後が300億円の基金でありました。この300億円の基金からは減らさないと。また、借金は増やさない。そういうわかりやすい形で県民の皆様に財政の健全さを約束しようということで、財政誘導目標を当時提示をさせていただいて、稲田県議も御記憶と思いますが、みんなで大分議論がございましたけれども、そうした新しい縛りをつくろうということで、以前のキャップ制はそのとき実は入れ替わっております。現在のキャップは、300億円の基金を守ることと、それから借金を増やさないこと。その目安として、今、3,000億円ということを言い、さらに黒字のプライマリーバランスも新たな約束事として加えさせていただき、この3つを柱にさせていただきました。この3つが守られれば、私たちは以前の県政から財政を悪化させるということにはならないわけでありまして、最低限のお約束としようということです。
そういう意味ですから、経過的な意味として300億円という数字が設定されましたが、他方で、私は実質的な意味があるとも思っています。本県の場合、地方税収の額だとか、それから、大体標準財政規模との関係でいいますと、300億円ぐらいあれば、今回のような災害、さらにはそれよりも大きな災害があったとしても、十分その年度を持ちこたえることができる額になります。ですから、今、3,000億円強の予算規模でございまして、そのうち、仮にもう10%ほど増やす必要があったとしても、それを一般財源を基金の取り崩しでつくることができる。ですから、最後の徳俵として300億円ぐらいというのはいい目安ではないかなと実質的には思っています。財政の講学上のこととして、大体1割とか1割5分だとか、そうしたものを抱えていることは、一つの健全性の目安とも言われることもございます。もちろん、これはなくなってもいいし、300億円を若干切り崩したとしても、それは直ちに、先ほど申しました徳俵の機能が失われるわけではありませんので、それはそれで可とできようかと思います。ただ、そうした経緯の中でお約束してきたことでもあり、300億円を守る形で次の任期に引き継いでいくというのがあるべき姿かなと考えております。
○稲田議員
いや、知事の所見を伺って、少し私も共通したところがあるので安心をしましたけれども、多分議員発議だったのではないかと思いますが、キャップ制を決めたということについて、これに余り縛られる、あるいは過大な意味を含めていくということはどうかな、という気持ちが以前からしておりました。以前に、本会議での質問もしてみようかなと思った時期もあったのですが、今日、一旦崩されたような形になりましたから質問をしたようなことなのです。結局、積極財政、消極財政というのは、財政学の永遠の課題でありまして、今のようなこういう時代にあって、実質的な借入残高との関わりがキャップ制に影響しているのかなという気持ちもしていて、それなりのキャップ制の意味を認めておる部分もあるわけで、そういった意味合いも込めて聞いてみたわけです。知事の思いとして、これをまた平成30年には戻すというようなお話もなさっておるわけですけれども、一旦ここで崩れたわけですから、大体崩れるとずっと崩れていくというのが常道でもあるのですけれども、ここに余り縛られるという意味合いというのが、それほど県財政、財政学上、意味があるのかなという気持ちがするのです。再度、もう一回、その辺りの知事の所見をお聞かせください。
●平井知事
稲田議員がおっしゃっていることは、非常に正確なことだと思います。すなわち300億円は絶対的な意味があるわけではなくて、どちらかというと道義的、政治的な意味合いのことだと思います。つまり、私たちが共通して財政を守るという目標を持っておりますが、県民の皆様には貯金は減らしませんでしたよと、借金は増やしませんでしたよとわかりやすい形で説明できる、そういう数字だと思っていますが、それが仮に30億円崩れたところでどうということはないのかもしれません。ただ、できれば実現した形で、私どもも仕上げをしていくべきだと思いますので、努力させていただきたいと思います。ただ、その際に無理をすることまでは考えるべきではないというのもおっしゃるとおりだと思いますので、できるだけ努力をして、それで無理に達成するのではなくて、達成できれば、ぜひ達成させていただきたいということで御理解いただければと思います。
現実には、どういうことかといいますと、今年の一般財源を食っていく、そして来年の一般財源を食っていく、それの特殊な財政事情がございまして、これが災害関係です。先ほど申しましたように、103億円の災害関係の予算が今年度と来年度を通じてありまして、このことが今年度の基金残高を縮小させたり、来年度の取り崩しの圧力になります。このような災害がまたあれば、同じような財政構造になりますので、なかなか戻すのは難しいことになるかもしれません。ただ、その100億円の重しが取れれば、これだけでも一般財源ベースで30億円ほどは持ち上がることになります。また、かつての我々の前の県政の借金返済がまだ残っていまして、その借金返済のピークが平成29年度の今議論している予算ベースです。平成30年度の当初予算ベースになりますと、借金の返済費が下がります。そういう意味で、ピークが終わってくることになりまして、これはまた貯金を戻し得る材料にもなろうかと思います。ただ、そのほかには、ややこしい話として、社会保障では、大体年間平均して20億円ぐらい伸びていくことになりまして、さらなる財政需要が20億円ずつ積み上がっていく。特に一般財源ベースでは10億円ずつ要請が高まってくることになります。ですから、いろんな差し引き勘定がありまして、簡単ではないですけれども、また平成30年度の当初予算編成段階でもう一度この点については議論させていただきたいと思っております。
○興治議員
2点お伺いします。
先ほど、知事の御説明で、災害関連で国のほうに特別交付税の要望をしてあると、国会議員の皆さんにも御協力いただいておるというようなお話でした。この額について、2月補正予算の中に何らかの形で計上され、反映されているのか。それから、その影響額が来年度の当初予算にあるのか。かつ、特別交付税ですから、幾らになるかまだわからないのかもしれませんけれども、仮にそこに計上されていないとしても、どれぐらい想定されているのか、そのことをお知らせください。
それと、今回、今基金の議論があったのですけれども、財政調整型の基金取り崩しが来年度の当初で113億円ということです。今年度は当初で121億円、基金を取り崩すという予算になっておりました。来年度、基金残高270億円に減少するということなのですけれども、今年度の当初時点で、この基金残高が幾らに減少するというふうに見込まれていたのか、2月補正段階では383億円ですか、見込んでおられるのですけれども、当初予算段階ではどれぐらいに減ると見込んでおられたのか、それをお聞きします。
●平井知事
詳細については、また関係部局のほうから御説明を申し上げたいと思いますが、特別交付税につきましては、今年度30億円、新年度は33億円見込まさせていただいております。災害分もあるし、ある程度はという期待も入れて、若干増にさせていただいておりますが、我々は予算編成の鉄則として、収入については確実に見込み得るもののところを計上することにいたしております。したがいまして、2月の補正予算でまた特別交付税を追加計上するということは、あえていたしておりません。正直申し上げて、幾ら来るかというのは約束をしていただけない状況でありますので、今日段階では、それを議会のほうに収入としてカウントさせていただくことは控えております。
また、基金につきましても、できる限り基金を取り崩すことは抑制したいというような考え方もございまして、新年度に向けましては行財政改革の推進債を充てるなど、別途の財源措置も入れながら、基金のほうの取り崩しは113億円で留めさせていただいておりますが、いずれにいたしましても、かなりやりくりの厳しい当初予算になったことは間違いないと思います。
●中西財政課長
興治議員の御質問でございますけれども、まず、特別交付税につきましては、先ほど知事がお答え申し上げたとおりでございます。ちょっと読みがたい部分がございまして、国のほうに強烈に要望はしておりますけれども、2月補正では組んでいないところでございます。また、来年度の特別交付税につきましても、今年度の災害が来年引きずる部分につきましては、一定程度は期待できる部分もありますが、こちらのほうもまだちょっと見込みが立たないということで、当初予算では、今年の30億円から33億円に3億円、これは別の要因でふやした部分がございますけれども、今のところは災害としては見込んでいないというところでございます。
また、基金の関係がございました。29年度末見込みで270億円ということです。昨年度時点での29年度末の見込みは、財政誘導目標上は39億円の残高と見込んでおりましたけれども、財政改革の進展を見まして、現在では270億円を見込んでいるということでございます。
○興治議員
そうではなくて、来年度当初予算時点で基金残高を270億円見込んでいるわけですよね。平成28年度の当初予算時点で、基金残高は幾らに見込んでおられたのですかということです。
●伊澤総務部長
私のほうからお答えします。
28年度の当初予算編成時点では、財調型の基金残高はちょうど300億円というところで見込み、この場で1年前に御説明したという状況でございます。ただ、その後の財政努力等、あるいは2月補正の段階で、当初段階では121億円崩して、残りが300億円ということでございましたけれども、そのうち82億円の基金の取り崩しを取りやめまして、結果的に取り崩しが39億円というベースになりました。今これが2月補正段階の状況でございます。82億円が戻りまして、それに金利分1億円を含めました383億円というのが当初予算編成前の発射台になるわけであります。そこから、今回お諮りしております113億円を取り崩した結果が270億円ということでございますので、よろしくお願いいたします。
○興治議員
わかりました。
災害関連の特別交付税ですけれども、これは大体いつごろ金額的に見込まれて、それはいつの時点で予算計上されることになるのか、そこを教えてください。
●平井知事
これにつきましては、例年ですと3月の半ばくらいまでにははっきりすると思います。これは国のほうの閣議決定が必要でありまして、それを経て、見込みが出ます。したがいまして、議員の皆様には特別交付税の額について、会期中には御説明は可能かと思います。ただ、以前は3月補正というような、そういう特殊な補正を専決でやっていた時期もありましたけれども、これは余り決算の整理上の意味しかないものですから、あとは決算の中で御報告申し上げたらどうかというふうに考えております。決算として、今計上しております30億円を上回る特別交付税になれば、その分は今回の一般財源の取り崩しを今年度ないし来年度、その辺は緩和する材料になるということであります。ただ、その分は、当然ながら、災害対策で需要が膨らんできておりますので、当然もうかるわけではないのですが、厳しかった財政圧縮の要因が少し戻せるということで、決算で処理させていただきたいと思います。
○市谷議員
私のほうから4点、お尋ねしたいというふうに思います。
まず、この全体の予算分析の5ページで、税収関係なのですけれども、先ほどからの議論でもしかしたら説明されたのかもしれませんけれども、確認で質問します。地方財政計画には、地方税の税収を見込んで、地方交付税が減っているということなのですけれども、ただ、実際にこの5ページの県税の収入は減っていると。この関係をどう見たらいいのかというのを説明していただけたらと思います。
2つ目に、6ページ、民生費なのですけれども、構成比率は大きく変わってはいないのですけれども、額が減っているのです。しかし、ここの増減の主なものの民生費のところでは拾えなくて、消費税収分は社会保障に大体充てているというお話もありましたし、消費税収は増えているのだけれども、民生費が額が減っているというのはどういうことなのか、主な要因を説明していただけたらと思います。
3点目は、財政誘導目標の2枚目ですけれども、30年度の借入金の残高が減るというふうにおっしゃっていたのですけれども、ここでは額がふえているのです。このままの歳入歳出構造を継続した場合の推計ということなのですけれども、このまま推移したらという、その構造上の問題点というか、そこを御説明いただきたいというふうに思います。
最後に、組織のほうですけれども、5ページで、美術館整備準備室というのが新たに設けられるということですが、教育委員会のほうで人が増えているような表になっていなくて、これは人を増やさずに準備室を置くということなのか、どういう体制なのかを教えてください。
●平井知事
いずれも詳細な分析にわたることで、担当部局長のほうから御説明を申し上げたいと思いますが、県税については、厳密な見込みをとります。例えば企業、銀行などの決算が出てくれば、その分が税収につながったり、最近は有価証券等の取引に伴う個人関係の税収の動向が大きくなってきております。それを実際に積み上げてみると、やはり前年ほどは見込めないという結果でございます。これに加えて、地方消費税の精算金といわれる実質地方消費税の分、逆に地方法人課税が東京に集中しているのを戻してもらう特別法人譲与税の分、この辺りを調整しますと、大体、それだけでも5億円ほど、去年から下がっている格好になりますが、これは経済の実勢を映すものであります。非常に不思議に見えるとは思うのですけれども、これが現実でありまして、積み上げの結果であります。他方で、多分大都市部のほうはもっと税収は増えているのですね。その税収が増えているところで、交付税の伸びが抑制されてしまう。そのしわ寄せが結局こちらに来たというように御理解いただければと思います。
そのほかの細かい内訳等につきまして、担当のほうから御説明申し上げます。
●伊澤総務部長
それでは、私のほうから県税収入の見込みにつきまして御説明をいたします。
県税収入でございますが、今知事のほうからお答えしたとおりでありまして、さまざまな経済関係の統計数値や、主要企業に対するアンケート調査、これは納税見込み額の状況などをお尋ねするものでありますが、こういったものを積み上げまして、できる限り精緻にということで、毎年作業をしております。大きな傾向を申し上げますと、法人関係税につきましては、昨今の景気回復の影響を受けて回復基調でありますが、正直言いまして、一時期の力強さは少し鈍ってきているというような状況ですが、引き続き伸びているということであります。これだけを見ますと伸びるはずなのですが、一方で、消費税が弱含みになっているということ。これは全般的な傾向を申し上げますと、全国的には円高、原油安といったようなことから、輸入される原油に消費税がかかりますが、これに対する税収が落ちているといったようなことがありまして、消費税全体が落ちているといったようなこと。あるいは県税の中でもいわゆる利子課税ですね、利子とか株式の譲渡益に対する課税がありますが、超低金利の影響などで銀行の利子が非常に低迷しているといったようなことから、引き続き大きく落ち込んでいるといったようなことの減などがありまして、法人関係税の伸びを相殺してしまっているということ。こういうことで、わずかではありますが、減を見込んでいるということです。
もう一つ、財政推計の借金の見込みであります。この構造上の問題はいかがかということにつきましても、私のほうからお答えいたします。
これは、本来であれば、先ほど知事も申し上げましたが、いわゆる社会保障費を初めとする義務的経費が伸びていくトレンドの中で、これに財源措置が追いついていかなければならないわけですが、残念ながら、これに対する十分な財源措置がないということです。要は、歳出に対して十分な財源措置が得られないために、基金の取り崩しでこれを賄わざるを得ないという状況がこのまま続くとすれば、こういうことになるということで、それをお示ししたものです。 民生費の関係は財政課長のほうからお答えいたします。
●中西財政課長
民生費の関係ですけれども、社会保障費が増えているのに民生費のほうが若干の減ということはどういうことなのだということですが、社会保障費をどう捉えるかというところで、非常に臨時的な部分については、社会保障費のカウントから外している部分がございまして、例えば介護保険の運営負担金等は1.3億円増えたりしておりますけれども、逆に、この6ページでありますと、地域医療介護確保基金は6億円減っております。これは臨時的な施設整備の補助金で、こういったものは外しておりますので、合計すると社会保障費は伸びていますが、民生費のほうは若干の減となっているということです。また、社会保障費の関係では、民生費だけではなく、衛生費にも一部含まれているものがあります。その関係で、増えているものもありますので、トータルしますと社会保障費は増えているということです。
●森田行財政改革局長
美術館の関係で、体制についてですが、現在、博物館の中で2名の担当が検討を進めているというところです。このたび、室に格上げをすることにあわせて、職員につきましては、その担当が2人移行することと、室長を設けることで考えているところです。また、中の体制につきましては、いろいろ兼務、兼職等も考えているというところで、体制を強化をしていきたいと思っています。
○市谷議員
最後に確認ですけれども、美術館の体制ですが、室長も入れて3名になる、2名体制のままで、そのまま室長を置くのでしょうか。
それと、もう一つ、財政誘導目標のことで説明いただいたのですけれども、基金残高のほうではなくて、借入金のほうが増える、借入金の残高が増えるというのはどういう構造上の問題でしょうかということで、そこを教えていただきたいのですけれども。
●森田行財政改革局長
美術館に関しましては、室長兼務、兼職を含めて3名ということになります。
●中村業務効率推進課長
業務効率推進課長です。
室長の人数につきましては、総務課のほうから1名、室のほうに移管しまして、3名ということになっております。
●伊澤総務部長
表をご覧いただきたいのですが、借入金の長期推計の借入金の残高について、中ほどにあります県債の借入金残高は黄色い棒グラフでありまして、借入金の残高そのものは平成30年度に向けて減るということを推計しているところであります。しかし、実質的な借入残高というのは、基金が減りますと、基金との差し引きになりますので、基金が減った分で増えるということを申し上げたわけであります。
◎斉木議長
ほかにございませんか。
○前田議員
私は提案をしたいと思うのです。資料1の2ページなのですが、今日、財政調整基金の話はたくさん出たのですけれども、上のほうの歳入の項目に、繰越金しかないのですよ。県民にわかりやすくするためには、この歳入のほうに、主な一般財源の中に財政調整基金を入れたほうがわかりやすいではないかと思うのです。間違ったら、ごめんなさい。
●平井知事
わかりにくさは是正していかなければならないと思いますので、どう書くかは検討させていただきたいと思いますが、2ページでいいますと、一番下のほうに財調基金の取り崩し額として、平成28年度121億円、平成29年度113億円と書いてあります。ただ、これは歳入の中では取り崩しとして計上されているものでございまして、再掲になりますが、この上のほうにも書いておくというのがわかりやすければ、検討させていただきたいと思います。
◎斉木議長
御意見は尽きたようでございますので、以上で議員全員協議会を閉会いたします。
午前11時28分 閉会
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