平成28年度議事録

平成29年3月3日会議録

開催概要、資料はこちらです。
出席者
(35名)
議員 市谷 知子  
銀杏 泰利  坂野 経三郎
島谷 龍司  中島 規夫
浜崎 晋一  濵辺 義孝
福浜 隆宏      藤縄喜 和
前田 八壽彦 山口 享
稲田 寿久  内田 隆嗣
斉木 正一  澤紀 男
錦織 陽子  野坂 道明
浜田 妙子  松田   正
森 雅幹   興治 英夫
川部 洋   長谷川 稔
浜田 一哉  安田 優子
広谷 直樹  西川 憲雄
福田 俊史  伊藤 保
藤井 一博  横山 隆義
上村 忠史  福間 裕隆
内田 博長
欠席者
(1名)


木村 和久
 
説明のため出席した者
 防衛省中国四国防衛局 宮川企画部長 企画部地方協力確保室 新室長外
 航空自衛隊美保基地 納富副司令 管理部渉外室 須田室長外
 平井知事 林副知事 野川統括監 伊澤総務部長 岡﨑地域振興部長外
職務のため出席した事務局職員  尾坂事務局長 桐林次長 柳楽議事・法務政策課長

開  会     午前9時17分
休  憩   午前10時47分
再  開    午前10時57分
閉  会     午前11時46分
会議録署名議員  稲田議員 福間議員
司  会     斉木議長
協議事項     別紙協議事項のとおり


会議の概要


午前9時17分 開会


◎斉木議長
 ただいまから議員全員協議会を開会いたします。
 まず、会議録署名議員に稲田寿久議員、福間裕隆議員を指名いたします。
 本日の議員全員協議会の議題は、航空自衛隊美保基地における空中給油・輸送機(KC-46A)の配備についてであります。
 平成25年12月に閣議決定されました防衛大綱に基づき、防衛省において、平成32年度以降、新たな空中給油・輸送機としてKC-46Aを航空自衛隊美保基地に配備される予定であることから、昨年の9月8日、中国四国防衛局より知事に対して、同機の配備について協議の申し入れがなされました。
 この協議への回答に当たり、知事より、議会への説明及び意見を聞くために、全員協議会開催の依頼がありました。
 本日は、県議会として、これらの議題について理解を深めるため、知事との意見交換等に先立ち、まず防衛省中国四国防衛局より説明を受けたいと思います。
 中国四国防衛局より宮川均企画部長、また、航空自衛隊美保基地より納富宏紀副司令を初め、関係者の方々にはお忙しいところおいでいただきまして、ありがとうございます。
 なお、本日の予定でありますが、この後、おおむね10時40分までを中国四国防衛局の説明と質疑とし、その後に、知事に中国四国防衛局からの協議についての対応状況等の説明を求めることとしています。
 また、このたびの中国四国防衛局からの協議はこれらの議題についてのものであり、そのことを踏まえて質問等を行っていただきますようお願いをいたします。
 それでは、中国四国防衛局から説明を受けますが、質問に際しては、先日の幹事長会議で取り決めたルールにより行っていただきます。
 まず、宮川均企画部長より概要説明をお願いいたします。

●宮川企画部長
 皆様、おはようございます。私、中国四国防衛局企画部長の宮川均でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まず、防衛省側の出席者の紹介をさせていただきます。
 皆様から向かいまして右側ですが、中国四国防衛局企画部地方協力確保室の室長の新でございます。

●新室長
 新と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

●宮川企画部長
 同室の室長補佐の木村でございます。

●木村室長補佐
 木村です。よろしくお願いします。

●宮川企画部長
 同室企画調整係の鍵本でございます。

●鍵本事務官
 鍵本と申します。よろしくお願いいたします。

●宮川企画部長
 同じく中国四国防衛局の美保防衛事務所の所長の北崎でございます。

●北崎所長
 北崎です。よろしくお願いいたします。

●宮川企画部長
 業務係長の妹尾でございます。

●妹尾業務係長
 妹尾です。よろしくお願いいたします。

●宮川企画部長
 航空自衛隊美保基地の副司令で、納富でございます。

●納富副司令
 納富でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

●宮川企画部長
 同じく航空機自衛隊美保基地の管理部渉外室の室長の須田でございます。

●須田室長
 須田と申します。よろしくお願いいたします。

●宮川企画部長
 同じく管理部渉外室の基地対策専門官の田村でございます。

●田村基地対策専門官
 田村と申します。よろしくお願いします。

●宮川企画部長
 本日はこのメンバーで御説明をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、説明のほうに入らせていただきます。
 本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。鳥取県議会の皆様におかれましては、常日ごろから防衛省、自衛隊並びに航空自衛隊美保基地の活動に御理解と御協力を賜りまして、改めてお礼を申し上げます。
 本日は、美保基地への新たな空中給油・輸送機KC-46Aの配備及び類似機KC-767を使用いたしました展示飛行時の騒音測定結果、また、現在、美保基地に配備されております第41教育飛行隊、これはT-400という双発の小型のジェット機を使いました教育の部隊の移動について、御説明をさせていただくため、お伺いしたところでございます。
 本計画は国の重要な施策であります。配備等が円滑に実施できますよう、皆様の御理解と御協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、本日は3点の資料を使用し、説明をさせていただきますが、本日はこの後に質疑の時間をできるだけとらせていただきまして、皆様からの御質問、御意見を頂戴したいと考えておりますので、要点を絞って御説明をさせていただきます。
 それでは、まず、新たな空中給油・輸送機KC-46Aの美保基地への配備について、御説明をさせていただきます。
 それでは、お手元に配付させていただいております資料1、新たな空中給油・輸送機(KC-46A)の美保基地への配備について、という資料に沿って御説明をさせていただきます。
 それでは、まず1ページ目をご覧ください。新たな空中給油・輸送機KC-46Aの導入の経緯でございます。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増します中、南西地域の防衛体制の強化を始め、各種事態における実効的な抑止及び対処を実現し、我が国の防空を全うするためには、海上優勢及び航空優勢の確実な維持が前提となります。
 過去におきましては、我が国領空に接近するおそれのある航空機を発見した後、戦闘機を地上から発進させることで、これに対処することが基本的に可能でございました。しかしながら、レーダーによる探知が困難な航空機のステルス化。ステルスという言葉をお聞きになられたことはございますでしょうか。航空機を見えなくする技術、レーダーに映りにくくする、そういう技術をお考えいただけたらと思います。そういう航空機のステルス化ですとか、あるいは搭載ミサイルの長射程化が進んだ現在におきましては、戦闘機をあらかじめ空中で警戒のために継続的に待機させ、目標を発見した後、より遠方で直ちにこれに対処し得るよう空中警戒待機の体制を整えるということが、我が国の防空を全うする上で不可欠となっているところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、平成25年12月に閣議決定されました防衛大綱におきまして、空中給油・輸送部隊を現行の1個飛行隊から2個飛行隊に増勢するということを定めており、これを踏まえた現在の中期防衛力整備計画、平成26年度から平成30年度までのものですが、これにおきまして新たな空中給油・輸送機3機を整備することとし、平成27年10月に、新たな空中給油・輸送機として米ボーイング社のKC-46Aを選定したところでございます。
 2ページをご覧ください。このKC-46Aは、民間機でありますボーイング767を改修母機といたしまして開発中の航空機でございます。性能諸元は資料のとおりでございます。
 KC-46Aは現在米国で開発中の航空機であることから、左にありますように、イメージ図しかちょっと御用意できていないのですけれども、この胴体部分が全て燃料タンクというわけではございません。燃料は民間の航空機と同じく羽の部分と、民間機では手荷物を積んでいる胴体下部の一部に積載をいたします。胴体の上半分は輸送機としてのスペースになっておりまして、貨物や人員を乗せるようにできております。
 また、燃料の積載量ですけれども、右の性能諸元にございますように、約21万2,000lbs。lbsというのは、これはポンドという重さの単位でございます。1ポンドは約0.45キログラムになりますので、わかりやすくトンに換算いたしますと、約96トンということになります。空中給油機というと、皆様の中にはタンクローリーですとか、あるいはタンカーのようなものが空を飛んでいると想像される方もおられるかと思いますけれども、燃料積載量を他の航空機と比較いたしますと、例えば米子空港にも就航しておりますボーイング767-300ERという機種がございます。これですと約72トンの燃料が積載可能でございます。また、今年の夏に米子鬼太郎空港に就航を予定しておりますボーイング787という機種がございます。これですと約
100トンの燃料が積載可能でございます。また、国際線などで使用されておりますボーイング
777-300ですと、約136トンの燃料が積載可能であるというふうに承知しておりまして、空中給油機が特別大量の燃料を積載しているわけではありません。ただし、航空機は搭乗する人数ですとか積む燃料の重量、また目的地までの飛行距離等によって、搭載する燃料の量はその時々で変わりますので、必ずしも常に燃料を満載して飛行している状況ではございません。
 また、性能諸元を見ていただけるとおわかりになりますように、最大輸送人員で約104名、それから貨物で約30トン積むことができるという、そういう輸送機の機能も持っております航空機になっております。
 3ページ目をご覧ください。それでは、なぜ美保基地をKC-46Aの配備基地として選定したか、その理由でございます。
 機種の選定以降、航空自衛隊の全ての飛行場を対象といたしまして総合的に検討、評価を行いました。その結果、美保基地はKC-46Aの運用に必要な施設整備の地積、面積が確保できること。また、必要な空域全般への進出に有利であることに加えまして、南西地域への迅速な進出を可能とする位置にあるということから、KC-46Aの配備基地として最適であるとの結論を得たところでございます。
 4ページ目をご覧いただけますでしょうか。こちらの地図は、空中給油・輸送機の配備状況を示した図でございます。KC-46Aと同じくボーイング767を改修母機といたしました空中給油・輸送機、これはKC-767という機種ですけれども、これを既に愛知県の小牧基地に4機配備しているところでございます。
 美保基地におきましては、今般、新たな空中給油・輸送機KC-46Aを配備させていただきたいとお願い申し上げているところでございます。
 なお、KC-46Aは現行の中期防衛力整備計画、この期間中に3機整備することとされておりますが、美保基地におけます最終的な配備機数はまだ確定されておりません。今後、防衛上の所要と厳しい財政状況を踏まえまして、次期中期防衛力整備計画、平成31年度以降になろうかと思います。この次の中期防衛力整備計画に関する検討ですとか、あるいは各年度の予算プロセスで検討することとなります。
 また、配備後の美保基地におけますKC-46Aの飛行経路等の運用対応についてですけれども、運用試験の結果により細部を決定することになりますが、現在、美保基地で援用されているC-1など他の航空機と大きく変わることはないと考えております。
 5ページをご覧ください。それでは、このKC-46Aはどの程度の静粛性があるか、騒音が発生するのかという説明をさせていただきます。
 国際民間航空機関、これは英語の頭文字をとりましてICAO、イカオというふうに申しておりますけれども、この国際民間航空機関ICAOでは、民間ジェット機の騒音について基準を定めてございます。KC-46Aは当該基準を満たすように設計されております。余りうるさい航空機は飛んではいけないという基準を、この国際民間航空機関ICAOのほうで設定しているのですけれども、その基準を満たすように設計をされております。
 この国際民間航空機関では、航空機騒音の測定点として飛行場周辺に3点を定めまして、その測定点においてどのような騒音レベルになるのかということを測定するように指示されているのですけれども、その3点でどのような騒音が発生するかというのを下の表にまとめさせていただきました。
 C-1、C-2、それからボーイング767-200とKC-46Aの比較でございます。KC-46Aにつきましては現在開発中であるため、推算値ということで数字を記載させていただいております。単位は実効感覚騒音レベル、EPNLというものを使用しております。これは、音のやかましさを基本とした騒音レベルに、騒音の持続時間ですとかエンジン特有の不快感の補正を加えまして、航空機1機のより正確なやかましさをあらわしたものでございます。
 6ページ目をご覧ください。これは、前の表の騒音レベルをわかりやすく棒グラフで示させていただいたものでございます。KC-46Aは、現在美保基地で運用しておりますC-1よりは静かであろうと。今後配備予定しておりますC-2、それから、民間機のボーイング767-
200とほぼ同等の静粛性を有するのではないかと見込んでおります。
 なお、実際の騒音を美保基地周辺の皆様に体験していただく目的で、昨年の10月22日に、愛知県の小牧基地に既に配備されておりますKC-767を用いまして、美保基地周辺において展示飛行及び騒音測定を実施いたしました。その際の騒音測定結果をお手元に配付させていただいております。途中なのですが、資料2のほうをちょっとご覧いただけたらと思います。KC-767等展示飛行及び騒音測定について、という資料について、その騒音の関係を御説明させていただきます。
 1ページ目をご覧いただけますでしょうか。美保基地におけるKC-767を用いました展示飛行の概要でございます。昨年の10月22日に実施いたしまして、当日は2回の展示飛行を行いました。当日使用した航空機ですけれども、KC-46Aは開発中ということで、類似機で、ともにボーイング767を改修母機としておりますKC-767、1機と、航空機騒音の比較のために、美保基地に所属しておりますC-1輸送機1機を使用いたしました。飛行経路は後ほど詳しく説明させていただきますが、美保基地で通常使用しております進出帰投経路、美保基地から出発して訓練空域等に行き帰ってくる経路と、場周経路、美保基地周辺を回る経路でございます。これをC-1、それからKC-767の順番で、午前、午後ともに2周ずつ飛行しました。騒音測定は、美保基地周辺の8カ所において実施をいたしました。また、当日は御希望のありました関係自治体の市長様、それから議員の方、行政及び各地区の代表の方々に美保基地に御来場いただきまして、KC-767の任務等の概要説明及び機体見学を実施させていただきました。
 2ページ目をご覧いただけますでしょうか。写真を4枚ほど用意させていただいております。展示飛行の際の写真になります。左上の写真は概要説明の様子ですが、概要説明はC-2用の格納庫の中で、小牧基地に配備されておりますKC-767の任務等について御説明をさせていただきました。
 左下の写真はKC-767の機体見学の様子です。当日、KC-767は、人員輸送タイプですね。このKC-767も、人も貨物も運べますので、人を運ぶ場合は椅子を並べて、それで飛ぶのですけれども、この昨年の10月の展示飛行の際は、この人員輸送タイプで、椅子を配置したタイプで飛来しております。物資輸送の場合は、写真に写っております椅子を取り外した状態で行うことになります。
 右上の写真は滑走路を離陸した直後のKC-767になります。右下の写真は騒音測定を行っている状況でありまして、少し見にくくて申しわけないのですが、三脚にマイクロホンを取りつけまして、そこからケーブルが伸びて騒音測定器及びレベルレコーダーという記録装置につながっています。
 3ページをご覧いただけますでしょうか。展示飛行の飛行コースについて御説明をさせていただきます。まず、離陸ですけれども、オレンジの線で示しました飛行コースをC-1、それからKC-767の順番で離陸し、美保関の地蔵ポイントというところがあるのですが、そこを経由して日本海上空を通過して北浦というポイントを目指しました。
 4ページ目をご覧いただけますでしょうか。次に、先ほどの北浦ポイントを通過いたしまして、青い線で示しております帰投経路ですね、訓練空域などから美保基地へ帰ってくる経路でございます。これを通りまして、島根県松江市の大根島の上空を通過いたしまして、美保基地の滑走路上へ帰ってまいりました。このとき大根島上空の高度は約1,500フィート、約450メーターでございました。その後、同じ高度で滑走路上空を通過いたしまして、続いて赤い線で示しました北側ですね、境港市側になります。この場周経路を飛行いたしまして、再び大根島上空を通過いたしました。その後、滑走路上でタッチ・アンド・ゴーと呼ばれます、一度滑走路に設置し再び離陸する飛行を行いまして、次は緑色の線で示しました南側ですね、米子市側になります。この場周経路を飛行いたしまして、再度、滑走路上でタッチ・アンド・ゴーを行い、先ほどの進出経路を通って日本海側へ飛行いたしました。この一連の飛行コースをC-1がまず飛行いたしまして、日本海側に抜けるころにKC-767が北浦ポイントから進入し、両機の騒音が重ならないように同じ飛行コースを飛行いたしました。
 なお、飛行回数はC-1、それからKC-767ともに午前と午後、各2周ずつ飛行をしております。
 5ページ目をご覧いただけますでしょうか。こちらの図は着陸までの経路になりますが、C-1、それからKC-767ともに2周目の南側ですね、米子市側になりますけれども、この場周経路を飛行した後、そのままピンクの線で示しております方向に着陸をいたしました。
 なお、KC-767につきましては、午後の2周目の飛行を終了時は滑走路に着陸せずにタッチ・アンド・ゴーを行いまして、そのまま小牧基地に帰投しております。
 次に、6ページをご覧ください。これは騒音測定の結果でございます。騒音測定は、美保基地周辺の8カ所で実施いたしました。各測定点におけますC-1、KC-767、それぞれの騒音の最大値及び平均値は資料のとおりになります。
 全般的な傾向といたしまして、滑走路付近では騒音値が大きく、飛行経路からの距離が離れるほど低い値が計測されました。今回、騒音測定を行いました基地周辺地域におけますC-1の最大値は73.4デシベルから92.1デシベル、またKC-767の最大値は67.8デシベルから83.6デシベルを計測し、平均値ではC-1が70.7デシベルから87.2デシベル、KC-767が61.4デシベルから80.3デシベルという結果になりました。全体的にC-1に比べKC-767のほうが低い騒音値となりました。
 また、騒音測定器を設置した場所ですけれども、鳥取県内では、境港市域では常時騒音測定器を設置しております中浜公民館のほか、離陸時の騒音が測定できます大東工業前公園、場周経路下で上空通過時の騒音が測定できます渡小学校グラウンドの3カ所で測定を行いました。また、米子市域では常時騒音測定器を設置しております大篠津町の民家のほか、離陸時の騒音が測定できます大篠津公民館、上空通過時の騒音が測定できます和田地区福祉センターの3カ所で測定を行いました。
 なお、C-1とKC-767の目測による飛行経路を黄色の線と紫の線で示しておりますが、航空機の飛行経路はそのときの状況等によりまして同一の飛行経路をとらないことから、ある程度の幅の中で飛行していることを御理解いただきたいと思います。
 一つ補足をさせていただきますが、既に小牧に配備されております空中給油・輸送機のKC-767と、今回配備をお願いしておりますKC-46Aでございますが、機体の大きさはほぼ同じでございます。KC-46Aが2メーターほど長いのですけれども、これは給油をするパイプがちょっと長くなっていまして、機体自体はほぼ同じ大きさでございます。また、エンジンの推力もほぼ同じということで、類似機として今回、KC-767を使いまして展示飛行をさせていただいております。
 それでは、もとの資料1に戻りまして、7ページをご覧いただけますでしょうか。今後の計画といたしまして、KC-46Aの配備に伴う関連施設といたしまして、平成30年度以降に格納庫及び駐機場等の整備を行いまして、平成32年度以降のKC-46Aの配備を計画しております。また、施設整備に必要な調査設計費を平成28年度予算に計上しているところでございます。
 以上が空中給油・輸送機KC-46Aの美保基地への配備の概要になります。
 続きまして、現在美保基地に配備されております第41教育飛行隊の移動について御説明をさせていただきます。
 お手元に配付させていただいております資料3、第41教育飛行隊の移動について、という資料をご覧いただけますでしょうか。ちょっと駆け足で恐縮でございます。
 1ページ目をご覧いただけますでしょうか。第41教育飛行隊は、美保基地所在の航空支援集団第3輸送航空隊に所属しておりまして、T-400という練習機を約10機運用している部隊でございます。
 資料の中では部隊規模約30人となっていますが、胴体の移動に伴いまして移動する隊員の人数について、これは現在、詳細な人数につきましては検討中でございますが、関連する要員ですね。これは教育の部隊でございますので、教官ですとか、このT-400という航空機を整備する整備員等がおります。そういう関連要員を含めまして、約100名から百数十名を予定しております。
 2ページ目をご覧いただけますでしょうか。この第41教育飛行隊の移動の概要でございます。第41教育飛行隊は、輸送機及び救難機の操縦者、パイロットの養成の教育を行っております。しかしながら、航空自衛隊の中の所属は航空教育集団という組織ではなくて航空支援集団という隷下、所属になっておりまして、航空自衛隊として一貫した教育体制が整備されていない状況でございます。そのため、一貫した教育体制を整備するために、第41教育飛行隊を美保基地から移動させまして、航空支援集団から航空教育集団隷下、所属に移すことといたしました。第41教育飛行隊の移動は、KC-46Aの配備と同じ平成32年度を予定しております。
 3ページをご覧いただけますでしょうか。T-400の騒音値でございます。このT-400の騒音値ですけれども、先ほど御説明いたしました国際民間航空機関の評価基準では、いわゆる3点測定ですね、3点で測定するという国際民間航空機関ICAOの評価基準ですけれども、これでKC-46Aと比較した場合、若干小さいというところではございます。小型の双発のジェット機になりますので、KC-46Aと比較いたしますと騒音値は若干小さいというところでございます。
 ただ、KC-46Aの配備とT-400の移動をあわせました場合、小牧基地で運用しておりますKC-767は現在4機ありますけれども、離着陸の回数が1カ月当たりでおおむね100回でございます。それに対しまして、美保基地におけますT-400の離発着回数が1カ月当たりおおむね650回であります。このことから、美保基地周辺において航空機騒音が発生する頻度というのは相当少なくなるのではないかなと、そのように考えております。
 簡単ではございますが、以上が美保基地への新たな空中給油・輸送機KC-46Aの配備、また、類似機KC-767を使用いたしました展示飛行時の騒音測定結果、それから、現在美保基地に配備されております第41教育飛行隊、T-400という機種を使用しておりますけれども、この移動についての御説明になります。
 美保基地におきましては、新型輸送機のC-2の配備、それから陸上自衛隊の大型輸送ヘリコプターCH-47の配備を計画している中におきまして、新たに生じた対応の変更でありますが、本計画は国の重要な施策でありまして、防衛省といたしましては地元の御理解を得るための方策を尽くしていく所存でございます。どうぞ御理解と御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。

◎斉木議長
 ただいま説明がありました。
 御意見、御質問等いただきたいと思います。こちらのほうで指名をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○浜田(一)議員
 県議会自由民主党の浜田一哉と申します。何点か質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 日ごろ、航空機自衛隊美保基地の皆様には、自衛隊と民間の共用の空港ということで、先般も2度にわたる大雪があったわけですけれども、大変迅速に対応していただきまして、安定した運行が行われるのも自衛隊の皆様方のおかげだというふうに思っております。この場をお借りしまして、感謝申し上げます。
 これまで美保基地さんのほうと、いろいろ事あるごとに協定を結ばせていただきまして、小学校におきましては防音サッシを取りつけ、また、あるいはエアコンを各教室に取りつけていただくなどの環境に配慮した整備をしていただいておりますし、民間の住宅におきましても、そうした防音サッシやエアコン、そして中の木製の建具に至るまで配慮をいただいております。
 このたび地元の境港、米子市より2月27日に回答があったと伺っておりますけれども、今後につきましても誠意を持って対応をお願いしたいというふうに考えますが、この辺りについてどうお考えになっているのか、1点目、伺います。
 2点目、現在開発中であるということで、KC-46Aですか。昨年、有志で小牧のほうに伺いまして、同型とされるKC-767を実際に見させていただき、説明を受けたわけですけれども、民間機がベースということで、実績のある信頼性の高い機体であるということでありましたが、このたび配備予定になっているKC-46Aとの相違点もあろうかと思うのです。エンジンも、今、騒音のデータは出していただいておりますけれども、騒音についても音だけではなくて周波数によっては実際の測定値よりもうるさいということも考えられるとは思いますので、この2つの相違点というものはどういうことなのかを2点目に伺いたいと思います。
 そして3点目、美保基地はこれまでも輸送隊として、そういった目的で位置づけられていますけれども、今後についてもこのことが変更されることはないのかどうなのか。
 この3点について伺いたいと思います。よろしくお願いします。

●宮川企画部長
 議員から、今、3点の御質問をいただきました。
 まず1点目でございます。地元の御要望にどう対応していくのかという御質問かと思います。
 先般、境港市さん、それから米子市さんから同意をする旨のお返事を県のほうに出していただいたということは我々も承知しております。ただ、これは平に同意というわけでは当然なくて、あくまでも条件つきだと。安心・安全対策ですとか、騒音ですとか、あるいは地域振興策ですとか、いろいろな条件のもとでの同意であるということは我々も承知しております。
 その地元の御要望、御要請に対して、我々は真摯に対応していくと。これは極めて当然のことだと思っております。今後とも地元といろいろ連絡をとり合いまして、説明に尽くさせていただきたいと、そのように考えております。
 2点目なのですけれども、KC-46Aと、それから小牧に既に4機配備されておりますKC-767、類似機との比較でございますが、機体の大きさはほぼ同じ、それからエンジンの推力もほぼ同じということなのですが、そのほかの相違点といたしまして、まず最大の燃料搭載量はKC-46Aのほうが約1.4倍になります。それから、航続性能も約1.3倍になります。それから、上部のメーンデッキ、胴体の上のほう半分ですけれども、こちらはKC-767は人と貨物を混載することが不可能なのですが、KC-46Aは貨物と人を混載する、ともに載せることが可能でございます。それから、給油方式なのですが、給油方式というのは大きく分けると2種類ございます。フライングブーム方式と、それからプローブ・アンド・ドローグ方式というのがあるのですけれども、KC-767はフライングブーム方式にのみ対応していますが、KC-
46Aのほうはプローブ・アンド・ドローグ方式、この空中給油の2方式に両方に対応できるという、そういうような性能を持っております。
 あと細かい点もあるのですけれども、主要な変更、相違点というのはそのような状況でございます。
 3点目の御質問で、美保基地は輸送基地という性格だろうが、今後もこの輸送基地という性格は変わらないのかと、位置づけが変わらないのかという御質問かと思います。
 今般のこのKC-46Aの空中給油・輸送機には、空中給油機能、それから輸送機能という2つの機能がございます。これはいずれも作戦を支援するための機能でございまして、既にC-1輸送機が配備されております美保基地にこの新たな空中給油・輸送機を配備しても、美保基地の位置づけを変化させるものではないと、そのように考えております。

○浜田(一)議員
 ありがとうございました。
 いろいろと今の段階で事細かなことというものは、なかなかまだ周知できていないというふうに思いますし、ぜひとも地域の住民の皆さんたちの意向に沿ったような形で御配慮いただければなというふうに思います。
 ありがとうございます。終わります。

○浜田(妙)議員
 今日はわざわざお越しいただきまして、ありがとうございます。お礼を申し上げます。
 女性の立場で、ちょっと確認させていただきたいと思います。
 最初に、確認からさせていただきたいのですが、まず、訓練なのですが、非常に高度な技術を要するお仕事をなさるということで、訓練が欠かせないかと思います。第41教育飛行隊が移動されるのが32年度というふうに伺いました。訓練はそこから始まるのでしょうか。それとも何らか違う飛行機を使って訓練をされるのかですね。
 少なからず生活者の上空を通っていきます。私も先般、展示飛行のほうに参加させていただきました。ありがとうございました。C-1より静かということをおっしゃってくださったのですけれども、音は音です。離着陸の回数が多ければ、それは耳ざわりになり、影響も起きてくるかというふうに思いますが、訓練は1日に何回ぐらい離着陸の訓練、その時間帯はいつごろなのか。私は米子に住んでおりますので、しょっちゅう今も訓練の音は耳にするわけですけれども、その時間帯はいつを予定されているのか。
 そして、私たちは沖縄のオスプレイの事故をどうしても不安に思ってしまいます。安心材料を手に入れるという意味でお尋ねいたしますけれども、空中給油というのは、相手がオスプレイであろうとなかろうと、同じような危険を伴うのではないかと思いますが、一体この給油対象機は、もし決まっておりましたら、どこの国のどのような航空機で、その機種はどんな機種なのか。その中にオスプレイが入るのかどうなのか。オスプレイという言葉だけに敏感に反応してしまうものですから。全体で対象機種は何機で、そして具体的に想定される行き先ですね。さっきちょっとお話がありましたけれども、遠くはどこまで行くのかということですね。
 生活者の上空もありますので、飛行が海上だけではないと思いますね。そしてまた、海上には船が、漁船の皆さんもいらっしゃいます。客船もたくさん入ってくるようになりましたので、安全対策がどの程度具体的に備えられているのか。もし仮に事故が起こった場合、これは起きてはならないのですけれども、そのための備えは十分されているかと思いますが、どんな事故が起きた場合でも国は全責任をとって原状復帰、損害賠償も100%補償が当然あるのではないかと思いますが、その根拠とするところはどういうところなのかというのを聞かせていただけますでしょうか。

●宮川企画部長
 大きく4点ほど御質問をいただいたかと思います。順次お答えさせていただきます。
 まず、訓練の回数、時間ですけれども、これはKC-46Aの飛行訓練ですけれども、時間としては、現在美保基地で運用しておりますC-1と同様となるということが見込まれております。ただ、任務については、全国に配備されております戦闘機等に空中給油を行うために、KC-767を運用しております小牧基地と同様に、最大で朝の7時から22時までとなることが見込まれております。
 なお、参考までに、美保基地におけます運用時間ですけれども、これは自主規制なのですが、昼間は7時から17時までです。それから、夜間が日没後から最大2時間半ということになっております。
 回数ですね、頻度なのですけれども、これは最終的には、KC-46Aを配備させていただいたとしまして、運用試験を行いまして、その運用試験を行った後に決定していくものなのですけれども、現在のKC-767を運用しております小牧基地と大体同様になるのではないか、小牧基地のKC-767の運用訓練と大体同様になるのではないかなというふうに考えております。
 ただ、最終的には運用試験を行いまして決定するものですので、ちょっと現時点では具体的に何回というふうにはちょっとお話しできないのですが、ただ、現在、愛知県の小牧で運用しておりますKC-767の離着陸の回数なのですが、これが大体1カ月当たりおおむね100回程度でございます。そういう状況でございます。
 2点目なのですが、空中給油を行える対象機種についての御質問がございました。まず、自衛隊機なのですけれども、このKC-46Aというのはフライングブーム方式とプローブ・アンド・ドローグ方式という2つの給油システムを有しております。まずフライングブーム方式、これは給油のパイプを出して、それを受油機と申しまして、給油を受ける航空機側に差し込む方式なのですけれども、これは現在、航空自衛隊が保有しておりますF-15戦闘機、同じく戦闘機のF-2、KC-130H、これは輸送機と給油機でございます。それから、今後導入を予定しておりますC-2、F-35A、KC-46Aに給油可能となる予定でございます。
 また、プローブ・アンド・ドローグ方式、これは空中給油機からホースを伸ばしまして、そのホースの先に給油口をつけて、その給油口に受油機、油を受ける飛行機のほうがパイプを伸ばしてその給油口に差し込んで、給油を受ける方式なのです。これですと性能上は、陸上自衛隊に今後導入を予定しておりますティルトローター機ですね。現在、佐賀県のほうにティルトローター機、これはV-22オスプレイですね、この配備を今、佐賀県のほうにお願いしているところでございますが、このティルトローター機にも給油可能となる予定でございます。
 他国の航空機、米軍ということでちょっとお話をさせていただければ、性能上は、まず米空軍機のF-35A、F-15、C-17、C-130、CV-22。このCV-22というのはいわゆるオスプレイでございます。米海軍機、全て例示で挙げさせていただきますが、FA-18、F-35C、P-8など。それから、米海兵隊機といたしましてFA-18、F-35B、それからMV-22等ですね。MV-22というのはいわゆるオスプレイでございます。これらの航空機に給油可能となる予定でございます。
 どのくらい遠くまで行けるのかという御質問をいただきました。これは、現在のKC-46Aの航続距離が大体9,400キロメートルというふうな性能になっております。大体この9,400キロメートルというのは、直線距離でいえば大体地中海ぐらいになると思います。ただ、空中給油するためにはある一定の場所を飛行しまして、それで給油を行うという作業が必要になりますので、やはり上空に長時間待機するという必要がございます。そのために、時間的にも長時間の滞空が必要になりますので、そういう観点からも足の長い航空機となっているところです。
 訓練の場所と安全対策についての御質問がございました。訓練の場所なのですが、これは通常の訓練なのですけれども、最終的には運用試験等の結果で定めることになるのですが、通常の訓練は本邦で設定されております訓練試験空域等で行われることになると考えております。
 今現在の空中給油機が配備されている部隊、これは小牧のKC-767の例でございますが、日々の飛行訓練などは基地の隣接する訓練空域で行っていまして、空中給油の訓練は逆にこの空中給油・輸送機が、戦闘機部隊の配置された、給油を行う航空機が所属している部隊のところの近くへ飛んでいきまして、基地の近隣の空域で行っております。当然なのですけれども、美保基地の上空ですとか市街地の上空で空中給油訓練を行うということは、原則として想定していない状況でございます。
 もちろん本当にあってはいけないことなのですけれども、万が一事故が発生した場合は、損害賠償については国家賠償法という法律がございますので、その法律に基づいて適切に対応させていただくことになります。

○浜田(妙)議員
 今のところ情報としては、不安要素としてオスプレイというのが一番大きいわけですよね。
 それで、受け手と、それから給油する側と、両機がないといけないわけですよね。それで、沖縄の事故があのように起きてしまいました。帰ってくる、どこか不時着しなければいけない、あるいは爆発するなどというようなことがあって。もう一度確認させていただきたいのですが、そういう両機が空中での給油をするという訓練というのは、美保基地周辺では一切ないということを確認していいでしょうか。
 それと、配備された後、どこの国との協力関係か、わかっていればそれを教えてください。

●宮川企画部長
 2点御質問いただきました。
 まず、オスプレイの訓練空域なのですが、美保基地周辺でやることはないのかという御質問だと思います。ちょっと繰り返しになる部分もあるのですけれども、最終的には運用試験を行いまして決めることにはなりますが、今の小牧のKC-767の訓練を鑑みれば、通常の訓練は所属しております小牧の近くの訓練空域を使っているのですけれども、空中給油の訓練に関しては、戦闘機等の部隊がいるところまでこの空中給油・輸送機が飛んでいきまして、それでその近傍の空域を使って行っているところでございます。恐らく同様の運用になるというふうには考えております。
 配備後にどこの国との協力関係になるのかというお話かと思うのですけれども、基本的にこのKC-46Aですけれども、KC-767も含めてなのですけれども、我が国の防衛、防空のために配備する航空機でございます。ただ、実績といたしましては、現在小牧にありますKC-767の空中給油・輸送機も国際人道支援ですとか、あるいはPKOの関係とかで物資を輸送しているというような実績はございます。

○澤議員
 澤です。どうかよろしくお願いいたします。
 今まで多々出てまいりましたけれども、航空自衛隊に関して、毎年、航空祭のほうに私も参加させていただいておりまして、まず市民とのコミュニケーションといいますか、そういう部分が理解の大きなバロメーターになるのではないかなと、こういうふうに感じている次第です。
 そういう中で、先ほどもございましたけれども、一番大切なのはやはり安全面ということで、このことについて、もう一度取組について答弁をお願いしたいと思います。
 その中で、先ほど一番最初にありましたけれども、空中給油機が今、小牧のほうで4機。それで、今度は3機ですね、防衛大綱のほうで増設するという中で、配備計画のことなのですが、これはまだ32年度以降に配備するので具体的には配備の機数は決まっていないとおっしゃるのですけれども、大体いつぐらいを目途にこの計画の配備が確定していくのか。1機なのか、3機なのかと、こういうことを含めて、回答をもらいたいと思います。
 もう一つですけれども、機能のことについて、ちょっとお伺いしたいと思います。
 先ほどから、機能は今使っているKC-767よりも性能がいいということで、非常にすばらしい機種になるということなのですが、その中で一つ違った部分として、今までにない、自己防御装置があると、標準装備するということを聞いております。そういう標準装備について、どういうような装備、能力を持っているのかということもお聞きしたい。
 あわせて、何か米空軍のほうで、今、KC-46Aというのが179機発注されていて、量産体制だということですが、全く一緒なものなのかと。ということは、いわゆる給油についての汎用性というのは、双方で一緒なものになるのかということをお聞きしたいと思います。
 以上をお願いしたいと思います。


●宮川企画部長
 議員のほうから大きく3点御質問いただいたと思います。
 1点目の安全面と、このKC-46Aは何機配備になるのかという質問は私のほうからで、3点目の自己防御装置と、米空軍のほうで配備するKC-46Aは同一のものなのか、相互に汎用性があるのかということに関しましては、美保基地のほうから回答させていただきます。
 まず、安全面なのですけれども、KC-46Aはいまだ開発中の機種ではございますけれども、アメリカの連邦航空局の基準に基づいて製造されていまして、一般の民間の大型航空機と同等の安全性を有しているものと承知しております。
 当然なのですが、航空機が納入された後も、国土交通省が定めました安全性に関する基準と同等の防衛大臣が定めております安全性に関する基準というのがございます。この基準に基づきまして飛行試験を段階的に実施いたしまして、安全性について十分に検討することとさせていただいております。
 配備の機数についてなのですが、現在の中期防衛力整備計画では3機ということが一応うたわれております。平成32年度以降にこの3機を全て美保基地のほうに配備させていただきたいと考えております。
 まず初号機ですね、1号機を平成32年度からというふうに考えているのですけれども、その後の配備のスケジュールというのはまだこれからになるかなと思います。ただ、先ほども御説明させていただいたのですが、最終的に、では美保に何機配備になるのかというのは、平成31年度以降になる予定ですけれども、次期の中期防衛力整備計画の中で、あるいはその時々の所用ですとか予算面とかで決まっていくものかなと考えております。まずは3機、平成32年度以降に美保のほうに配備をさせていただきたいということをお願いしているところでございます。

●須田室長
 渉外室長の須田がお答えいたします。
 自己防御装置についてですけれども、先ほどありました資料1の2ページ目の性能諸元の下のところに記載しております。まず最初に、指向性赤外線妨害装置、DIRCM、私どもはダーカムと呼んでいます。こちらにつきましては、赤外線誘導の地対空誘導弾、いわゆるバズーカ砲のように肩で持って地上から発射をする赤外線誘導のミサイルがございます。エンジンの熱ですとか機体が発生する熱に誘導されるミサイルですので、そのエンジンの廃棄熱よりも高い、フレアと呼ばれる火の玉のようなものを出して、ミサイルの誘導をそちらにそらすための装置であります。
 その下、レーダー警報受信機(RWR)、これはレーダーウオーニングレシーバーですけれども、こちらは滞空レーダー等のレーダーの照射を受けたときに、自分がどちらの方向からレーダーの照射を受けているかがわかるセンサーであります。どちらの方向からどういう種類の航空機のレーダーを照射されている、という脅威を判断するためのものが装備されております。
 またその下、コックピット防弾板ですけれども、こちらはコックピット周辺に被弾等をした際に機内に破片が入ってこないようにということで、コックピット周辺の防弾がされているというところです。
 こちらの自己防御装置につきましては、昨今の大型機、大型の軍用機等については標準装備的についているものでありまして、現在小牧基地に配備されておりますC-130輸送機にも、標準的に装備されているものであります。
 それと、3点目、米空軍と同一の仕様なのかということですけれども、一部オプション装備等に米軍と違うところはありますが、機体の装備としてはほぼ同一の機体であります。

○澤議員
 ちょっと確認なのですが、先ほどの自己防衛装置で、具体的にこのレーダーとかの装置や、コックピットの防弾板というような自己防衛などのもので、直接輸送機のほうから何かを出すとか、そういうことではないということですね。

●須田室長
 こちらから積極的に相手側を威嚇してというようなものの自己防御ではございません。何かがされたときに対応するためのものであります。

○川部議員
 重複しますので、以上で結構です。

○錦織議員
 日本共産党の錦織です。よろしくお願いします。
 まず第1に、米子市、境港市から飛行、地上の安全について万全を期すように求められているということですけれども、現時点では物がないので確認のしようがないのではないかというふうに思います。
 先ほど澤議員の質問に答えて、米連邦航空局の基準で製造され、民間航空機と同等の安全性を有しているというふうにおっしゃっていますが、この母機の民間機とは行為そのものが違うということで、それで実際に、例えば沖縄の米軍機が12月13日に給油中の事故で墜落したのですけれども、これの原因究明もできておらず、全く私たちにはどこがどうなってということがわからないわけです。
 それで、空中給油という行為そのものが非常に危険な行為なのではないかと、まず第一にお聞きしたいというふうに思います。
 それと、県が防衛省にたくさんの質問をしている中で、KC-46Aが航空自衛隊の戦闘機にも給油するというのであれば、戦闘行為と一体化となる。また、教育輸送基地という位置づけがなくなるという指摘や、他国からの攻撃対象になるのではないかという指摘や懸念があることについて、どういうふうに考えるかということがあります。防衛省のほうからの回答では、KC-46Aは輸送、空中給油の2つの機能があると。既にC-1輸送機が配備されているから、新たに空中給油や輸送機を配備しても基地の位置づけは変わらない。また、配備を理由として基地が他国から攻撃される可能性が高まることはないと認識しているというふうに答えておられます。しかし、基地の位置づけは変わらないとか、他国からの攻撃される可能性が高まることはないという根拠は何か、お答えいただきたいと思います。
 3番目に、離発着訓練の時間なのですけれども、朝7時から夜間、最大午後10時ということですが、現在の美保基地は午後5時までの訓練時間ですよね。それで、夜間、日没後に2時間半ということなのでしょうかね。それで、C-1より騒音が小さくて、C-2は同じぐらいということですが、T-400は美保基地での夜間の離発着訓練が行われていなかったのではないかと思いますが、どうでしょうか。
 防衛省の説明では、小牧基地のKC-767ですね、これは1カ月おおむね100回に比べて、T-400の離着陸回数は今現在大体650回ぐらいだから、基地周辺の騒音の被害が発生する頻度は相当低くなるというふうに述べておられるのですけれども、昼間の騒音と、それから夜間での騒音では、感じる騒音というのは格段と違うわけなので、明らかに住民への負担が増すと考えられます。KC-46Aの夜間で最大の積載量、例えば燃料、人員、荷物などを積んだときのデモフライトというものは考えておられるのかどうか。また、離発着訓練の時間は朝7時から夜10時とのことですが、実際の給油訓練は、何時から何時まで行われるのか。また、深夜に給油訓練をして朝7時に帰ってくるというケースもあるのかどうかということをお尋ねします。

●宮川企画部長
 議員より幾つか御質問をいただきました。私のほうと、それから美保基地のほうで回答をさせていただきたいと思います。
 まず、空中給油訓練というのは危険な行為なのではないかという、最初に御質問をいただきました。これは美保基地のほうから御回答をお願いいたします。

●須田室長
 美保基地の渉外室長が回答いたします。
 空中給油の訓練ですけれども、これは資格が決まっておりまして、例えば燃料を受け取るほうの航空機、これも例えば昼間に何回、夜に何回と。何回か訓練を行った上で、検定官の検定を受けて空輸の資格が受けられるというふうになっています。また、一度受けた資格についても何カ月かに1回更新をしなければいけないということがあります。
 それと、フライングブーム方式につきましては、燃料をあげる側の機体に乗った空中給油操作員という者が、燃料を受け取る側の飛行機と無線等で通信をしながら、もっと上に行け、下に行けとか、位置決めをして、空中給油操作員が実際にフライングブームを操作して相手側の機体に差し込んで燃料をやるということになっておりまして、与えるほうについても教官同乗でまずシミュレーターをやります。空気が安定した状態、気流がちょっと乱れている状態、旋回中と、あらゆる状況、それから機体に不具合が発生した場合に緊急に離脱する訓練等、一連の訓練をシミュレーターでした後に、教官同乗によって、燃料をあげるほうについても訓練を行います。
 空中給油自体が危険な行為ではないかという御指摘がございましたけれども、基本的に航空自衛隊のパイロットにつきましては、小型の練習機のときから訓練を積みまして、空中での編隊飛行のスキルは十分持っているものと考えております。
 美保基地の航空祭等でも大型のC-1輸送機が編隊飛行をして皆様の上空を飛ばせていただいておりますけれども、大型機同士であっても基本的な空中給油に必要な編隊飛行のスキルというものは持ち合わせていると。当然、日々の訓練で受油機に対しても資格を検定官が与えるシステムをとっておりますので、安全性は確保できているのではないかというふうに考えております。

●宮川企画部長
 2点目でございます。美保基地の性格が変わるのではないかということ、それから性格が変わるのであれば他国からの攻撃の対象となるのではないかと。では、その変わらないという根拠という御質問がございました。
 これは前回の回答と重複いたしますけれども、空中給油・輸送機には空中給油機能、それから輸送機能の2つの機能がございます。これはどちらも支援するための機能であるというのは間違いないと思います。給油機能も、輸送機能も支援するという機能ですので、現在、C-1輸送機が美保に配備されておりまして、美保は既にこういう支援業務を行っているという観点で、新たに空中給油・輸送機を配備しても美保基地の位置づけは変化するものではないと。
 また、攻撃対象になるのではないかという御指摘なのですけれども、航空自衛隊の基地はいずれも航空防衛力の発揮に不可欠な機能を有しております。国防上の位置づけにおいては異なることはないというふうに考えていますので、今般の空中給油・輸送機を配備させていただいたとしても、それを理由として基地が他国から攻撃される可能性が高まるということはないというふうに認識しているところでございます。

●須田室長
 タッチ・アンド・ゴーの時間について御質問があったと思います。最大22時までということで、運用の時間が長くなるのではないかという御指摘だったと思いますが、現在、美保基地におきましては、先ほど部長から説明がありましたとおり、日中の訓練については7時から17時、夜間については日没後2時間ないし2時間半で、加えて週に2回程度で抑えるような訓練を計画しております。こちらは学生の訓練、もしくはパイロットで夜間の着陸というのもやる回数等が決まっておりますので、また夜間の任務等も鑑みて、夜間の着陸については御理解をいただいているところと考えております。
 また、小牧基地で最大22時までということがございましたけれども、こちらは22時まで飛行場周辺で連続離着陸のタッチ・アンド・ゴー訓練をしているというわけではございません。先ほど空中給油の訓練の説明の中で、燃料をもらうほうの飛行機についても夜間の燃料をもらう訓練をしなければいけません。例えば小牧基地を離陸したKC-767が、北海道千歳基地のF-15戦闘機の給油訓練をするということでありますと、当然、北海道で日没後に給油訓練をしなければなりません。北海道で日没後、給油訓練を終わって小牧に帰ってきますと、民間の航空機と速度はほとんど一緒ですので、1時間半程度かかります。なので、帰ってくるのが、それでも22時までには着陸しましょうということで、例えば21時ぐらいに帰ってきて、そこでタッチ・アンド・ゴーをするということはございません。民間機のように遠くからストレートインと言われる着陸方法で着陸をするので、訓練の時間として22時までを規制として持っておりますが、タッチ・アンド・ゴー等をするわけではなく、遠方の夜間での空中給油訓練を終わった機体が帰ってくる時間を22時までに制限しているとお考えいただければと思います。
 こちらについても、今まで美保基地は、夜間の訓練等は非常に住民の方に御迷惑をかけていると認識しておりますので、これまでの自主規制の範囲内で行っていけるものと考えております。(「T-400は夜間でもしているのではないか」と呼ぶ者あり)
 T-400につきましても、当然、学生も夜間の着陸の訓練もございます。
 それと、T-400の教官自体も夜間の着陸の訓練がございますので、こちらについても、先ほどありました日没後2時間ないし2時間半、週に2回程度で、資格を切らさないように訓練を計画しております。(「デモフライト時の最大の積載量は」と呼ぶ者あり)
 デモフライト時の最大積載量で実施するのかという御指摘がありました。(「夜間」と呼ぶ者あり)実は、航空機というのは離陸をする際の離陸推力というのは、軽かろうが重かろうが、基本的にフルパワーを使用します。昨年10月に行いましたKC-767のデモフライトにおきましても、さりながら機体が重いほうが音が大きくなるのではないかというイメージを持たれている方が多いので、最大着陸重量といいまして、航空機は離陸するときと着陸するときで許容する重量が変わってまいります。最大の離陸重量のほうが重く設定されておりますが、その状態ですと燃料を投棄して機体を軽くしなければ着陸ができないということになります。そうなりますと、洋上でまた燃料を投棄しなければいけないということが発生しますので、昨年の美保基地でのデモフライトについては、着陸できる最大の重さで性能試験をしております。
 では、そのときの燃料はどのくらい積んだのかということですけれども、KC-767につきましては性能諸元上15万ポンドから16万ポンド、これは先ほど説明がありました70トン強であります。それに対して、昨年のデモフライトにつきましては10万ポンド弱、これは45トン程度の燃料を積んで飛行をしております。
 ただし、燃料等軽い状態で、例えば滑走路が長い、冬場で向かい風が強い、燃焼効率のいい機体の状態だという状況によっては、パワーを絞って離陸をすることが可能です。その場合でも限られた滑走路で機体を短時間に離陸をさせなければ、飛行安全上障害がありますので、基本的に幾ら燃料を絞って、パワーを絞って離陸したとしても、8割程度の推力は維持して航空機は運航いたしますので、基本的に離陸時の騒音は変わらないものというふうに考えています。
 機体重量が多いと、離陸に必要な速度を得るための地上を走る時間が長くなります。また、機体が浮いてから高い高度に上昇するまでの上昇率が悪くなりますので、重い重量の飛行機ですと、発生する音は一緒ですけれども、結果的に低い高度にいる時間が長くなるので音が大きく感じられるということはあると思います。

○錦織議員
 空中給油機で、大型同士でも編隊飛行をやっており、あらゆる状況のシミュレーターをしているから大丈夫だというふうにおっしゃっていますけれども、超高速で給油をするわけです。
 やはり私たちは、沖縄でのあの生々しい映像が頭に焼きついているわけですけれども、やはりその原因究明ができていないということが一番問題だと思っています。
 それと、攻撃される可能性が高まることはないとおっしゃったのですけれども、可能性はあるということだな、と思ったわけです。昨年11月16日に、私たち日本共産党の議員団で、防衛省でレクチャーを受けました。そういうときに質問したわけですけれども、米国の軍事専門誌のディフェンスニュースには、このKC-46Aの装備について、ノースロップ・グラマンの大型機用赤外線対抗装置も搭載すると。ここに書いてあるのと同じかなと思ったのですけれども、これを何のために搭載するのかと聞きましたら、空中給油機は攻撃を受けやすいので、ミサイルの誘導されるのを妨害するために搭載するのだと、防衛省の担当者は言われました。その空中給油機が美保基地に配備されるというのに、基地の位置づけは変わらないというふうにさっきもおっしゃっていて、攻撃される可能性が高まることはないと言われるのは、私は余りにも無責任だと思うのです。
 それで、2015年9月の安保法制関連法、いわゆる戦争法が成立したことによって、米軍への後方支援の性格とか、海外派兵の危険性が高まっているのですね。私は配備そのものには反対なのですけれども、むしろ攻撃対象になるということを想定して、美保基地の特段の対応を考えるべきではないかと思うのですけれども、この点ではどうでしょうか。

●宮川企画部長
 まず、空中給油機の攻撃性が高まるのではないかというお話がございました。この空中給油機なのですけれども、空中給油を行っているときというのは、航空機は大変脆弱でございます。空中給油機と受油機、燃料を受ける航空機が速度を合わせて飛行しているという状況ですので、例えば何かあってすぐにそれを避けるというようなことがなかなかできにくいということはあります。そのため、空中給油を行う際は可能な限り、これを安全な場所で、相当後方に下がって空中給油を行うと。まず安全な場所で空中給油を行うという、これがもう大原則でございます。そういう中でこの空中給油機は運用されるということは、御理解いただけたらと思います。

○長谷川議員
 私の話に不正確な部分がありましたら、正していただきまして、お答えをいただきたいと思います。
 さき方までの御説明では、平成32年度に3機がそろうというふうにおっしゃいましたか、あるいは年度は別に1台ずつ配備をしていって、最終的に32年度には3機になっているというふうにおっしゃったのかというのが一つ。
 それで、その場合は、機種は恐らく当然だと思いますけれども、3機とも現在予定されているKC-46Aということになるのか。
 もう一つ、米子市とのやりとりの中で、小牧空港の場合は4機配備しているので、訓練が月100回ということになっており、1機当たり25回とすれば1日1回でしょうから、25日ということで、毎日のように訓練を兼ねた飛行が行われる状態が生まれてくるのでしょうか。
 それから、米軍機への給油を必ずしも否定されるものではないと、当初目的ではないけれども否定するものではないということが、さき方のお話にもあったように思います。そうした場合、どうしても航空法の中で米軍機に対しては地位協定に基づく特例法というものがありまして、飛行のコースなどもなかなか公表がされないというようなことも懸念として残るわけであります。これは大きく国の対処方針ということに係ってくるわけでありますが、その辺りはどのような感触でおられるのか、お答えをいただきたいと思います。

●宮川企画部長
 議員から何点か御質問をいただきましたので、私と美保基地のほうから回答をさせていただきます。
 まず、最初の質問で、このKC-46Aは32年度から3機一遍に入るのかという御質問がありました。これは、32年度にまず初号機、第1号機を配備させていただきたいということでございます。今の現在の中期防衛力整備計画は平成26年から平成30年度の計画でございますが、この中期防衛力整備計画の中で3機を整備するということがうたわれております。初号機を32年度にまず配備させていただいて、その後、では次の2号機、3号機はいつなのかというのは、まだ具体的にちょっと決まってはおりません。ただ、3機は美保基地にまず配備はさせていただきたいと、そういう計画をお願いしているところでございます。

●須田室長
 小牧基地のKC-767の訓練の状況ですけれども、先ほど月に100回程度とございましたが、機体が4機ありますと、1機は整備中で残りの3機が通常運用されているという状況が多くなります。
 繰り返しになりますけれども、訓練につきましてはパイロット自身の離着陸の訓練、もしくは上空における空中給油操作手順の訓練等がございますので、その場合は飛行場の周辺、小牧基地の場合ですと浜松沖の訓練空域ですとか日本海側の訓練空域に行って行うことがございますけれども、パイロット自身の訓練を行います。先ほどありましたが、それ以外に例えば北海道千歳基地周辺の訓練空域に行ったり、九州の西方の訓練空域に行ったりということで、戦闘機等に対する空中給油の訓練を行って帰ってくるということで月に100回程度となっています。
 それで、押しなべていくと1機当たり1日1回ぐらいではないかという回数になると思いますけれども、タッチ・アンド・ゴー訓練であれば1回の訓練で操縦士と副操縦士と2名乗っておりますので、それぞれが1回ずつやったりとか、それと空中給油訓練の場合は基本的にパイロット自身の訓練は行わずに、例えば朝9時に離陸をして遠方まで進出をして13時ぐらいに帰ってくるとかということで訓練を行っています。
 ですので、現在、美保基地周辺でT-400の学生訓練のように何回も連続離着陸訓練をするというような運用はKC-767はしておりません。ですので、今後運用試験で決定されますけれども、類似するKC-46Aも連続して離着陸訓練を毎日やるというような状況はちょっと考えにくいのかなと考えております。

●宮川企画部長
 米軍機の給油の関係で御質問をいただきました。
 この新たな空中給油・輸送機KC-46Aは、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増します中、防衛大綱及び中期防衛力整備計画を踏まえまして、あくまでも我が国の防空を全うするために必要不可欠な装備品として整備を進めさせていただけたらと考えているものです。したがって、米軍機への空中給油を具体的に念頭に置いて導入するものではございません。
 その上で、一般論として申し上げさせていただければ、我が国の防衛に当たりましては、日米共同対処ということも想定されております。航空自衛隊によります空中給油活動は、米軍の任務遂行にも資するものと考えておりまして、このため、米軍機への空中給油といった支援が排除されているわけではないというふうに考えております。
 ただ、あくまでも我が国の防衛に当たってという、その中での支援と、そのように御理解いただけたらと考えております。

◎斉木議長
 以上で中国四国防衛局からの説明は終わりたいと思います。
 中国四国防衛局の皆さん方には、大変お忙しいところ、御丁寧な御説明をいただきまして、ありがとうございました。以上で終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 では、暫時休憩いたします。10分後に再開いたします。


午前10時47分 休憩
午前10時57分 再開


◎斉木議長
 では、再開をいたします。
 航空自衛隊美保基地における空中給油・輸送機KC-46Aの配備について、知事に説明を求めます。

●平井知事
 皆様こんにちは。本日は急遽の全員協議会にこのように御足労をいただきまして、本当にありがとうございました。
 先ほどは防衛省並びに美保基地のお話をお聞きいただいたところでございます。詳細なお聞き取りをいただきましたこと、本当にお疲れさまでございました。
 お聞き及びのとおり、今こうして美保基地におきます新しい航空隊によります給油・輸送機の配備が予定をされることとなりました。この新機材KC-46Aにつきまして、私どものほうに協議をされておられまして、それに対する答えを出さなければなりません。先だって米子市議会並びに境港市議会の議論を経て、米子市・野坂市長、また境港市・中村市長から、私は直接、両市の考え方をお伺いいたしました。私ども自身でも、いろいろと防衛省側とやりとりをさせていただきました。その結果に基づきまして、これから御説明を申し上げますけれども、一つの回答案を作成させていただきました。これにつきまして、議会の皆様との協議をこの場でさせていただければ幸いに存じ上げる次第でございます。
 詳細は部長のほうからお話を申し上げたいと思いますが、お聞き取りいただきましたように、KC-46Aは今、試作機段階でございます。いろいろと悩みましたけれども、正直な話を申し上げれば、今このタイミングで、機材ができ上がっていない段階で完全な最終回答をするのは、私は時期尚早ではないかというふうに思います。したがいまして、現在のところは、少なくとも例えばそれに向けた準備をするということまでの了承を与えることにさせていただきまして、最終的な回答については、また平成32年度にこのKC-46Aの機材の配備があると、つい先ほど説明があったと伺いました。これに基づいて考えれば、それに相当するような早いタイミングで、これから中期防の改定作業もあると思います。そういう32年度配備の前のタイミングで改めて最終的な協議を向こうから求めていただきまして、その段階で改めて議会側にも御相談申し上げ、最終回答をするというのが適切ではないかなと、私のところでありますが、判断をいたしております。
 そうした中におきまして、地元両市の関心は、一つは安全でございます。これは当たり前のことだと思います。したがいまして、安全が徹底されるように、今回の回答の中で条件づけをさせていただきたいと思います。これから機材の開発がありますが、そのテストにつきましても私どもも入らせていただきながらチェックをしていく、そういうことが必要でございます。
 2番目には、基地と共存をしていかなければならない地元のいわば定めがあるわけでございまして、そういう中で地域振興につきましてもきちんとした対応をしていただく必要があるだろうと、こうしたことが2つ目のところであります。
 そして、今後、基地の性格が変わるようなことも含めまして、適時適切に協議を行い同意を求めることという、かんぬきをかけさせていただきたいと思います。
 そして、最初に申し上げましたとおり、機材の実配備の相当程度早い段階で当方に協議をすること、これを求めさせていただく、これが骨子でございます。
 詳細につきまして、またこれまでの経緯等につきまして、担当部長から御説明申し上げます。

◎斉木議長
 地域振興部長に詳細説明を求めます。

●岡﨑地域振興部長
 では、私のほうから詳細の説明をさせていただきます。
 お手元に冊子が2つあると思います。1つは、真ん中あたりに、航空自衛隊美保基地における空中給油・輸送機の配備に係る国への回答について、というものと、もう一つ別冊のほうは資料集になっています。今までのやりとりなどをまとめたものですので、また詳細はお目通しいただきたいと思います。この最初の薄いほうの冊子を中心に、説明をさせていただきます。
 まず、1ページです。全体の経緯を含めて簡潔にまとめました。
 1つ目の○ですが、去る9月8日に中国四国防衛局から県への協議がありました。空中給油・輸送機KC-46Aの配備についてです。そのこととあわせまして、9月15日になりますが、すぐ常任委員会に報告するとともに、この配備に関する事項につきまして、内容の意見照会、確認を行ってまいりました。その中で、約1カ月後ですが、10月22日に美保基地におきまして、先ほど説明がありましたようなことですが、デモフライト、騒音測定が行われました。その結果などにつきまして、11月28日ですが、常任委員会に報告させていただきました。
 それを受けまして、ある程度の内容につきまして我々も確認ができましたので、11月30日には県から米子市、境港市に対して意見照会をしました。去る2月27日になりますが、米子市、境港市両市から、条件を付して同意する旨の回答を直接受け取ったところです。その回答につきましては、別紙2の3ページ、別紙3の4ページがそれぞれの回答であります。
 まず、別紙2が、米子市からの回答です。先ほど知事が申し上げましたとおり、1番目の条件として安全を確保しましょう、万全を尽くしてくれということです。続いて騒音の軽減。3つ目が地域振興策について十分な措置をすること。そして機種の変更等を行う場合は事前に協議をするというふうな条件、意見を付して、同意するという内容であります。
 4ページをお願いします。別紙3ですが、これは境港市長からの回答であります。これにつきましても、4つの条件を付して、国に対して強く働きかけをしてほしいというようなことで同意がありました。同じように、1番目が安全性の話。ここは、まだ開発中のものであるということでありますので、情報提供を行うとともに、実機完成後は試験飛行の実施ということも入っております。2番目は、住民生活に支障を来さないように、騒音の軽減の話。3つ目が、基地周辺の整備、あるいは地域振興につきましてのお話。4つ目は、運用等に変更が生じる場合の速やかな情報提供と事前協議ということです。
 こういう4つの条件がそれぞれ出ていますので、それにつきまして、県としましても附帯条件を付して、附帯条件を満たすことを前提に、配備に向けた準備を行うことについて了承するとしますが、ただ、先ほどの米子市、境港市の意見も勘案しまして、実配備前に十分な時間的余裕を持って配備計画について協議を行っていただき、同意を得てください、ということにしたいと思います。
 その内容は、2ページ、別紙1で回答案として載せております。
 第1段落目が、先ほど私が申し上げたとおり、下記の事項を満たすことを前提として、配備に向けた準備を行うことについては了承すると。ただし、実機が開発中でありますので、完成後の実機による展示飛行や騒音測定、安全面での検証を十分に行う必要があることから、十分な時間的余裕を持って協議を行い、同意を得てくれという条件を付しています。
 下のほうの記ですが、これは米子市、境港市からの意見をまとめております。
 まず、1、2、3、4がこの両市からの意見をまとめた上で、改めて、1番目は協議を行い、当職の同意を得ること。2番目は安全性の話、3番目は騒音対策、4番目は地域振興などの関係での十分な措置。
 そして、5番、6番目は、これは県のほうでつけている条件でありますが、現在、定期便が飛んでおります。羽田便、ソウル便、香港便、これに加えまして、これは努力をしていく話なのですが、今後就航をするであろう定期便、そして今チャーター便も飛んでおりますので、これを含めて、民間航空機の運航及び拡充等に影響が生じないようにする。そして、民生利用も一層推進するという条件が1つ。
 2つ目が、6番目になりますが、航空輸送業務を行う美保基地の位置づけ、性格に変更を生じないものとするとともに、これからの美保基地に配備された飛行機の機種変更等を行う場合には速やかな情報提供と事前協議を行い、当職の同意を得るという形で条件を付しています。
 このように、今回はまだ開発中の機種だということで、安全性をきちっと検証する必要があるということと、騒音問題についてもしかりでありますので、こういう形で準備につきましては了承するけれども、実配備の前に再度協議を行い同意を得る、というような形での回答文にしていきたいというふうに考えております。

◎斉木議長
 ただいま説明がございました。皆さんの中から何か御質疑、御意見等があればお願いをいたします。

○伊藤議員
 回答書を見ましたけれども、地域振興の観点として、防音対策以外に格納庫などの整備が出てまいります。飛行機の格納庫。そういうときに、ぜひとも地域振興の観点として地元企業を。防衛機密があるかもしれませんけれども、ないところでは、ぜひとも県内の企業、地域の企業、やはりそういうところを使うということを私は要望してほしいというふうに思います。文書回答がいいと思います。

●平井知事
 先ほど申しましたように、今回は、最終的な回答はまた後日行いますということにさせていただき、その間、地域振興に対する防衛省側の貢献状況等もチェックしていく必要があると思っています。
 これからやりとりをさせていただきますが、今、伊藤議員がおっしゃったとおり、格納庫に限らず、さまざまな意味で、地域における企業活動等もございますので、そうしたところへの配慮も求めてまいりたいと思います。

○市谷議員
 改めて県の姿勢について確認をします。
 つまり、今回は配備の同意はしないということでよろしいかどうかということが1点。
 2つ目に、この準備というのはどこまでの範囲を指しているのかと。準備についてはよろしいということになっているので、準備の範囲について答えていただきたい。
 今日配られた資料にもありますけれども、既に美保基地の中では、さっき少しありました格納庫や駐機場の整備など、28年度予算に計上されているのです。30年度にはもう開始できるようにということで、こういうものも準備を許すということになるのかどうか。この準備の範囲ですね、お答えいただきたいです。

●平井知事
 先ほどいろいろとお聞き取りもいただいたと思います。私も先ほど、32年の配備だというふうに伺いました。
 原子力発電の場合、さまざまな協議を皆様とする際は、当面、例えば原子力安全対策でダクトを設置するとか、そういうことは進めながらも、ただ、最終的な回答はまだしませんよ、というようなことで送ってきているわけであります。
 今回も実はその考え方を準用していくのが適切かな、と思っております。すなわち今、格納庫をつくるとか、いろいろと準備作業があるでしょう。それについて準備作業としては同意をいたしますと、了承しますと。しかし、基地としては、実際機材が配備されて部隊が配備されなければ動かないことになります。そういう意味で、最終的な判断につきましては、また十分な時間的余裕を持って当職のほうに同意を求めるということを手続として考えてくれ、というふうに言っているわけであります。
 市谷議員が先ほど同意しないということでいいかというようにおっしゃりながら、その後で準備について了承するというようにおっしゃったわけでありますが、後段のほうが正しい正確な理解と思います。今、全体を同意しないと言っているのではなくて、準備作業に着手することについては了としましょうと。しかし、これで全て終わりということになりませんよと。実際飛ばしてみて、安全かどうかもわかりませんし、それから実際、先ほど伊藤議員がおっしゃったような地域振興、あるいは騒音対策、安全対策。地元の懸念が果たしてこれから払拭され得るような状況で平成32年度の実配備に向かっていくのかどうか、その辺は我々も今現在では確証が得られないところでありますので、改めて最終判断はいわば留保させていただきながら、また後刻回答するという形が適切ではないかなと思っております。

○市谷議員
 私が聞いたのは、現時点では配備に同意はしないということでよろしいですかと、そういうことだと思うのですけれども、その確認と、準備の範囲について、私は例えばということで格納庫の話を出させていただきましたけれども、そのほかの準備の範囲というのは何なのかというのをちょっと明らかにしていただかないと、了承というわけには単純にいかないというふうに思います。
 格納庫については、でもつくってしまったら、はっきり言って断れなくなると思うのですよね。こんなものを準備に入れるべきではないと、私は思いますけれども。
 その上で、多分もう時間がないからやめろと言われると思いますので、いろいろ確認していただきたいことについて、まとめて述べておきたいというふうに思います。
 それで、こういう危険性があったり、これから確認しないといけないことはいっぱいあると思うのですけれども、例えば配備をした後に危険性がわかりましたと。なかなかこれは実際に配備されてからでないとわからないですよね。配備後に危険性がわかった場合には、もう撤回してくださいと言う権限が県にあるのかどうか。そこを確認したいです。
 空中給油の訓練場所について、今日説明がありましたけれども、先行機の小牧のKC-
767が行っているように、戦闘機が配備されている近くの空域で行いますということを言われたのですけれども、それはどこなのかということが全然示されていないわけです。ただ、常任委員会の資料では大体この辺と示されておりました。そうすると、それは鳥取ではないですけれども、北海道では陸地の上空がエリアになっているのですよ。つまり地上、陸地上空ではやらないと言いながら、陸地上空の訓練が入っているのですね。矛盾すると思います。この空中給油の訓練空域について明らかにしていただかないと、これは同意できないなというふうに思いますので、この訓練空域の明確化。
 訓練空域はそこだけれども、美保基地から飛んでいくわけですね。別にワープしていくわけではないのですから。訓練空域にどこを飛んでいくのかと、それは全然明らかになっていないのですよ。それも明らかにしていただく必要があるということです。
 それから、狙われることはない。テロ対策。もう狙われないから心配ないのですと、今日もありましたけれども、全然その根拠は示されておりません。聞いていたら、空中給油しているところは非常に脆弱な危険な状態でやるので、戦っているところからは離れたところで空中給油やそういう訓練はするから、だから狙われないのだとおっしゃったのですけれども、私が狙う側だったら脆弱なところを狙いますよ。狙いますよ、そこを。空中給油しているところを狙いますよ。だから、狙われないという根拠が全く示されなかったのです。そこも明らかにしていただきたいと思います。
 米軍機への給油、これは念頭には置いていないけれども、否定はされませんでした。何でやらないと断言できないのか。こんな曖昧なことでは困るわけです。それはなぜかというと、オスプレイが墜落しました。それから、今度給油可能になるF-35B戦闘機、厚木基地に配備される予定ですけれども、これも事故を起こしています。それからFA-18戦闘機、この間、高知県沖で墜落しました。こういう既に墜落している米軍機に対して、念頭に置いていないとは言うけれども、給油をしないと言われないのですよ。ここら辺ははっきりさせてもらわないと困るわけなのですよ。これもはっきりさせていただきたいというふうに思います。
 オスプレイの墜落の原因究明はいまだにされていないのですよ。これは空中給油中の訓練だったと。今日も聞きましたけれども、言われないのですよね。不時着だなどということをいまだに言っておりますけれども、パイロットが途中でパラシュートで逃げているのですよ。不時着ではないですよ、事故ですよ。パイロットが最後まで、着陸するまで責任をとっていない。
 私、防衛省にも直接聞きましたけれども、この事態の経過説明を聞きましたが、本当は沖縄の基地に帰る予定だったけれども、思いどおりにならなくて、それで沿岸に不時着したと。事故が起きたら思いどおりにならないと言われたのですよ。事故とはそういうものだと思います。ですから、このオスプレイの給油中の事故の原因究明、解明、これなしに配備などということは認められないというふうに思いますけれども、これも明らかにしていただきたいと。
 安全なのだと言われるけれども、先行機のKC-767は発火事故を起こしているのですね。それで、米連邦航空局の基準で製造されている、それから国交省の安全基準で確認している、こう言われるのだけれども、そう言いながら先行機が事故を起こしているのですよ。どこが安全なのだと。その確認もしていただきたい。
 美保基地の機能は変わらないと言われますけれども、空中給油という新しい機能が加わって、今までよりも遠くに飛んでいけるのに、どうして機能が変わっていないなどということが言えるのですか。これも確認していただきたいというふうに思います。
 最後に、さっき知事もおっしゃったのですけれども、民間機との関係などなのですけれども、日本海側の海上というのは、山口県の岩国基地、あそことの関係。あそこは米軍があるということや、日本海側というのは民間機、米軍機、自衛隊機、ものすごく非常に込み合っているところなのだそうです。だから、日本海側でどれぐらいの自衛隊機や米軍機や民間機が飛んでいて、どれぐらい込み合っているのか、路線がどうなっているのか。そことの関係を確かめないと、私は知事が言われた。私は別にソウル便などにお金を出すことには賛成ではないですけれども、けれども、本当に危ないと思うのですよ。香港便とか。

◎斉木議長
 質問を絞って。

○市谷議員
 だから、その辺をちゃんと確認する必要があるということです。

◎斉木議長
 余分なことを言わずに、質問を絞って。

○山口議員
 ちょっと知事の答弁の前に。
 この回答は、知事宛てに要請があったと。それを境港市長と米子市長に送付されて検討されたと。その結果がここにまとめてあるわけでしょう。だから、今、通り越したようなことを言われるわけですね。そうでしょう。全然、この配備などに関係ないわけではないけれども、この回答でいいのではないか。後で具体的にやることですから。

●平井知事
 詳細にわたるところが若干ございましたので、岡﨑部長のほうから補足を申し上げたいと思いますが、基本線だけ、改めて申し上げたいと思います。
 山口議員の御発言もございましたが、私どもとして、今、最善の回答というのを考えたのが今日のものでございまして、基本的には米子市、境港市の御意見を踏まえて、特に基地の地元が、危険のこと、あるいは騒音のことを一番身近に感じておられるところの御意見が多分中心にならざるを得ないと思います。ですから、そういう意味で取りまとめをさせていただいておりますので、御了承いただければありがたいというのが一つです。
 そして、市谷議員のほうでお話がございましたけれども、多分意図的にちょっと答えをゆがめようとされているのかと思うのですが、ここに書いてあるとおりです。すなわち、いろいろな事項を前提条件として、そういうことが満たされることを前提に、準備については了承する。しかし、32年度配備というお話がございましたが、改めてその相当程度早いタイミングで再度協議をして同意をとること、これを最大の条件として返そうというのが今日段階で私どもが最善と考える案でございます。
 仮にこういう案にしていただけるのであれば、これで我々は防衛省と交渉したいということです。そうなりますと、最終段階、恐らく平成31年度ということになると思いますが、31年度段階でもう一度、今日いろいろな論点も出てきたところかもしれません。そういうやりとりもしたり、あるいは進行の状況、それから騒音の現実の状況等を踏まえて、再度、議会も交えた判断を下すというのが適切ではないかと思います。
 この協議や同意を改めて行うことを防衛省が飲めば、たとえ格納庫ができたところで飛行機が飛ばないわけでありますから、それで基地が変わるということにはならないわけであります。
 ただ、外交防衛の権限は最終的には国にあると我々も認めざるを得ないところがございますので、向こうで諸準備をされることについてまで、それを妨げるのは、いささか地方団体としては行き過ぎかなと思います。
 ただ、安全性の確認など県民の立場に立てば、最終判断のかんぬきはしっかりかけさせていただくのが至当ではないかと考えております。
 詳細は部長のほうからお話しします。

●岡﨑地域振興部長
 お答えします。
 今、上げられた質問事項と申しますか確認事項というのは、たしか9点か10点ぐらいあると思います。それにつきましては、実は別冊の中の資料6、17ページ以降に、我々も確認している部分でまだ明確に回答をもらっていない部分もあります。それが基本的に多く今、指摘されたと思います。その点も含めまして、実は我々が考えていますのは、今回、留保した形になっています。準備については了承しましょうというのは、その心は、1つは、安全性の検証に関するもの、騒音レベルに関するものにつきましては、まだ配備予定の空中給油・輸送機ができていませんので、これについてはやはり確認しなければいけないというのか1つ目。2つ目が、空中給油機の給油訓練、あるいはこの空中給油を実施している空域など、自衛隊の部隊運用に関するものについてもまだ明確にはお答えしていただいていないという状況があります。ただ、これは国の専権事項でもありますので、なかなか微妙かもしれませんが、この2点もありますので、今回の準備につきましては了承しましょうと。ただし、相当十分な時間的余裕を持って再度協議をいただき、同意を得るようにという話をしたわけです。ですので、その点につきましても、引き続き確認できるものにつきましては確認してまいりたいと思います。

○福浜議員
 1点、知事のお考えを確認させてください。
 そもそも、美保基地に空中輸送機が配備されるということなのですけれども、同僚の議員と先月、那覇基地のほうに行かせてもらって、基地司令からも今の状況のお話を伺ったのですけれども、やはり南西地域はスクランブルが今、ものすごく増えていて、多分史上最高の記録を更新するのではないかと。具体的に言うと、今、年間900回以上、全国でスクランブルをされていますが、そのうち700回が南西地域ということで、今かなり那覇基地に集中している現状にあります。そういうふうに単純に考えると、やはり那覇にこういう給油機が行くのが筋なのではないかなというふうに、単純には思うわけです。
 そこで、なぜ美保基地にそもそも配備するのかというところの条件なのですけれども、確かに書いてはあるのですけれども、それを県民が聞いたときに、ああ、そうですかというふうに果たして納得できるのかなというところを、知事はどのようにお考えになってここまで来ていらっしゃったのかを確認させてください。
 もちろんスクランブルではなくて、今後は空中で待機してステルス態勢に備えるということも非常によくわかりました。個人的にはおおむね今の知事の方針で同意はさせていただきたいと思うのですが、そもそも論として、なぜというところがもうちょっと腑に落ちないところがあるので、知事はどういうふうに解釈されているのか、この1点だけ確認させてください。

●平井知事
 今、福浜議員がおっしゃるようなことは、我々も当初から問題と考えて、先方のほうに内容を質しているところでございます。回答は、この給油の空域等についてはまだ運用の詳細がわからないので答えかねる、ということが返ってくるばかりでございます。想像として我々が考えているのは、多分尖閣近辺も含めた防衛体制の維持のためにずっと空中で飛び続ける、そのための空中給油ということがなされるのかなという感触は得ておりますけれども、それが那覇基地でなくて美保基地ということの意義づけだとか、その辺について、詳細を我々としても十分聞けている状況ではないのが正直なところです。
 こうしたことも含めまして、今すぐに全て回答がもらえる状況ではないかもしれませんが、準備行為自体は進めるにしても、最終段階ではさまざまな情報も総合した上で当県としても判断させていただくのが筋道かなと考えていることで、御了解いただければと思います。

○福間議員
 私は、我が国の防衛のあり方というところを含めて、非常につらい選択をせざるを得ないだろうと思うのですよね。さっきの福浜議員の御意見と私は若干違うと思うのは、我が国の防衛のありようというのを、例えば沖縄に全部凝縮してしまっているという部分があって、全てのことを沖縄県民の皆さんに犠牲を強いているという一面もあるということをしっかり見なければならないと思っているのです。
 そんなつらい、いろいろなことがある中で、今、鳥取県に、あるいはとりわけ地元である境港市や米子市を軸にした美保基地との共存のあり方ということを、どこかで私どもは模索をしなければならない。そういう選択を実は残念ながら迫られているわけですから、その中で、今日お話があったように、基本的には地元中の地元である米子市、境港市民の皆さんの意向をきちっと踏まえた回答。それを踏まえて、鳥取県知事として準備を認めますよという回答。そして、本番実施の際にはさらに時間を持って事前に説明をしていこう、そのことを求めていくというこの回答は、私は了としたい。このことを申し上げて、終わります。(発言する者あり)

○稲田議員
 私は、この回答文書について非常に形式的なことを言うわけですが、どこまで私が話をしていいかもありますけれども。この文章を読んでみますと、例えば米子市と境港市につきましては、これは確かに、この行政行為について停止条件つきの文章になっておるわけですね。しかしながら、鳥取県知事のこの文章は、行政行為が上段に書いてありまして、この記のところが一つの停止条件になるわけですが、その行政行為の中の結論の部分も条件の部分も2度、同じ文章になっておるわけですね。条件の中に結論めいたものを入れるというのは、文章としては非常に矛盾している、ちぐはぐな文章だと私は思っております。したがって、どちらか一方にすべきではないのかと思います。
 ただし、この2文節目の、ただしのところの文章をとるならば、当然、記の1のところは残すべき。この1を残さないのであれば、このただしのところは残していかないといけないというように、文書全体の体裁からして、初めてこれを読む人が、どうするのだろうというような。条件の中にも結論が、要するに行政行為が書いてある、行政行為の中にも条件が含まれるというような、内部矛盾を起こすような文章になっておりますが、これはまだ回答文案になっていますので、訂正をすべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

●平井知事
 稲田議員のおっしゃった点は、実はちょっと意識的に書いてあるところがございます。と申しますのも、記の1のところですね。この条件のところで書いていたもともとの趣旨は、引き続き地元への情報提供、説明を行うと。それから完成後の検証ということ、これがございます。これがただし書きのほうですと、そこは、こういう必要もあることからということの理由づけとして書いたわけですね。完全に重なっているところは、実はちゃんと協議をしなさい、同意を求めなさいというところなのですけれども、これはあえて先方に、こちらのほうでちゃんとかんぬきをかけていますよと、くどいようですけれども、二重にただし書きのところで併記をしている部分をつけたという趣旨でございます。
 もちろんどうしてもこれが気に入らないのでということであれば、これは訂正することも全然やぶさかではございませんけれども、ただ、先ほど来いろいろなやりとりもございますが、先方に、まだ最終判断はもう一度という趣旨をきちんと本文のほうでも書いてみたかったというのが趣旨でございます。

○稲田議員
 いや、わかります。お気持ちはよくわかりますし、この文章についても、これは言っていいのかどうかわかりませんが、岡﨑部長にも話をいたしました。それで、そういうように重ねて念を押すためにということで書いてあるのですが、こういう形の文章というのは、やはり文書の形式というのも非常に重要ですし、一つの論理的な思考の中から、ここにまた一つの行政行為のような内容のものが出てくる、そして記のところで一つの条件が出てくるというのは、文書としての体裁もおかしいのではないかという気持ちがするのです。ですから、そこのところは、いま一つ研究をすべき文章ではないかというように思います。

○福浜議員
 質問ではありません。先ほど福間議員がちょっと違う考えというふうにおっしゃったので、あえてつけ加えさせていただきたいと思いますが、思いは自分も福間議員と同じです。要するに、沖縄ばかりに負担を強いている現状というのは紛れもない事実であります。その上で、美保基地で受け入れるという中にあって、そこの部分も実は理由の中に入ってきてもいいと私は思っています。そこの部分も含めて、ここに給油機が来るというありようについて知事がどういうふうにお考えということがお聞きしたかったわけでありまして、その部分は福間議員と思いは同じということだけつけ加えさせてください。

○市谷議員
 この文章についての見解を述べさせていただきたいというふうに思います。
 先ほど知事が話をされましたけれども、準備を行うことについては県の権限ではないと。であるならば、了承するという文章はおかしいというふうに思います。これは書く必要がありません。
 それで、県としては、今言えることは、このままでは同意はできませんと。配備計画について協議を行ってくださいというのが県の立場として書かれるべきことではないかというふうに思います。ですから、この文章は直していただきたいというふうに思います。県の態度をはっきり書いていただきたいです。(発言する者あり)

●平井知事
 まず、稲田県議のお話につきましては、では、ちょっと見直しさせていただきたいと思いますが、趣旨は御理解いただけたと思います。
 福浜県議がおっしゃったことにつきましては、沖縄に1カ所に集中していることについて、国全体ではこのリバランスといいますか、もう一度考え直すべきことは多分にあるのかもしれません。そして、そういう意味で負担を分かち合うということも考え得る部分ではあります。
 今回、それに当たるかどうかというのは、まだちょっと、私も正直、中身が十分には。例えば沖縄の基地の配備した分がこちらに来るとか、多分そういうことではないのではないかとは思っておりますが、ただ、いずれにせよ、それについて問題意識は全国知事会として持っております。全国知事会では、このたび特別委員会を持ちまして、沖縄県の考え方も伺いながら、そうした基地のあり方について議論はしていこうというようにさせていただいていることを御報告申し上げます。
 市谷議員は、なかなか小職の趣旨が御理解いただけないようでございますが、国の権限と申し上げたのは外交、防衛というところでございまして、外交や防衛は基本的には政府の権限に当たるものであり、内政にかかわること、住民サービス、そして住民の安全確保等は地方の領分でしょうと。したがいまして、外交や防衛について私どものほうでいささかものを言い過ぎるということには、なかなかなりにくいところがあると。ただ、我々としては住民の安全ということを考え、地域の振興ということを考えて、今回、最終的な回答は恐らく31年度ごろになると思いますが、実配備の前の十分時間的余裕がある段階で改めて協議をしろと、これを防衛省に何とかねじ込みたいということです。そういうことをして、それで防衛省側が了とするのであれば、こういうことで回答するということにしてもよいのではないかというのが、私が先ほど申し上げたことであります。準備をするのが国の権限だとか地方の権限だと言ったつもりはさらさらございません。

○錦織議員
 先ほどの防衛省の説明の中でも、基地の運用とか性格は変わらないのだというふうに主張しておられたのですけれども、知事がどういうふうに、今現在の防衛省の説明で変わらないというふうに思っておられるのかどうかという点。
 米子市、境港市さんがいろいろ市民の声を聞いたと、その結果、持ってこられたというふうにお考えのようなのですけれども、中身といえば、本当に境港市、米子市で18万人ぐらいになりますかね。その中で説明を聞いたのも200人余りだし、それから自治会の代表が出て、自治連などがこれを賛成されたということなのですけれども、それぞれの組織している自治会などが開かれたと、住民の意見を聞いたということはないので、本当に多くの、その中に参加していなかった住民の声というものはやはりつかんでいただきたいなと思います。
 私は、この今回の回答の文章上でやはりすごく曖昧なところが残されていると思っています。私も準備ということは何なのかということが、鳥取県として、準備とはこういうものですということも何かはっきりわからないままに、何かそのことだけが先走りしてもいけないのではないかなと思っていますが、どうでしょうか。

●平井知事
 基地の性格については、我々もたび重ねて照会をしていますが、性格は変わるものでないというように向こうは言っておりますので、それでわざわざ私どもの回答案の6の部分で、基地の位置づけについて性格に変更を生じないものとするとともにというように、あえてこちらも書かせていただいております。
 私は、C-1からC-2というような、そういう単純な機種変更と、今回はちょっと違いがあるだろうと。KC-46Aは従来基地に配備されていなかった空中給油・輸送機というタイプの機材でありまして、当然ながらそれに伴う基地としての役割というものは修正はなされているというようにも思います。ですから、向こうとやりとりもして、基地の性格に変更を生じないようにしてくれということをここに条件づけとして念を押させていただいているというものであります。
 説明会等については、私は一通りの手続はされたと思いますし、また、大切なのは境港市、米子市両市が、住民の皆様の自治会等の意見、また議会の意見も踏まえた上で御回答を寄せたということでございまして、これはやはり我々としては最大限尊重すべき道筋に基づく意見だろうと思います。
 したがいまして、説明はいろいろな機会を確保されたわけでありますけれども、あえて私としては、最終的な回答はまた平成32年度の配備前にということで、もう一度また住民の皆様を交えて手続をしてもらうのがいいのではないかな、と思っております。
 また、準備行為の範囲ということでありますが、先ほども御説明申し上げましたとおり、実機材の配備の前の段階、ここのところでかんぬきをかけようと。事の性格上、飛行機が来ない限りは、これは基地が動かないということになります。ですから、このタイミングでかんぬきをかけるのが一番我々としては担保をとれるところではないかなと考えた次第でございます。
 それに至る前の段階は、いわば準備行為だというふうに考えられるわけでありますが、その準備を進めるということについては、これは当方としては了承しますけれども、本当に基地を動かそうと思えば、やはりいろいろと地域対策を考えなければいけないなというふうに防衛省にも腹に入れてもらう必要があるだろうと。これが、そういう意味でかんぬきをかけた趣旨でございます。

◎斉木議長
 御意見も出尽くしたと思われますので、以上で質疑を打ち切りたいと思います。
 知事から示されました回答案に了とする意見が多かったように思います。知事におかれましては、ただいまの意見を十分にしんしゃくしていただきますようにお願いをいたします。
 以上で議員全員協議会を終了いたします。


午前11時46分 閉会
 
 



 

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