平成28年度議事録

平成29年3月6日会議録

開催概要、資料はこちらです。
出席者
(9名)
委員長
副委員長
委員

内田 隆嗣
西川 憲雄
福浜 隆宏
松田 正
濵辺 義孝
伊藤 保
上村 忠史
稲田 寿久

 

欠席者
木村 和久
 

傍聴議員   な し

説明のため出席した者
  小倉元気づくり総本部長、伊澤総務部長、山本教育長、ほか局長、次長、課長
  
職務のため出席した事務局職員
  村中課長補佐、遠藤課長補佐、池原係長

1 開  会   午前11時31分

2 休  憩   午前11時34分

3 再  開   午前11時36分

4 終  了   午後0時37分

5 司  会   内田委員長

6 会議録署名委員 稲田委員、伊藤委員

7 付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり

 

会議の概要


午前11時31分 開会


◎内田(隆)委員長
 ただいまから総務教育常任委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 会議録署名委員は、稲田委員と伊藤委員にお願いいたします。
 それでは、ただいまから本委員会に付託されました議案について審査を行います。
 付託議案は、日程に記載の3議案であります。
 付託議案の審査に入る前に、議案説明資料の訂正について、執行部から説明を行っていただきます。
 足羽参事監兼高等学校課長の説明を求めます。

●足羽参事監兼高等学校課長
 先日、2月24日の総務教育常任委員会で説明させていただきました平成28年度2月補正予算の説明に誤りがございましたので、訂正をさせていただきます。
 該当箇所は、説明資料48ページ、繰越明許費に関する調書、倉吉農業高等学校演習林活用事業費でございます。繰越理由につきまして、入札が不調のためと説明しましたが、再度詳細を確認しましたところ、施工地の土壌が軟弱であったため、作業道の開設に不測の時間を要したことで、年度内の事業完成が困難になったことが理由でした。資料内容の確認が不十分であったことをおわびしますとともに、今後このようなことがないよう留意していきたいと考えています。申しわけございませんでした。審査のほどをよろしくお願いします。

◎内田(隆)委員長
 これから付託議案に対する質疑を行っていただきますが、委員の皆様におかれましては、簡潔な質問とマイクのスイッチの切りかえをお願いいたします。
 質疑がないようですので、付託議案に対する討論を行っていただきます。
 討論がないようですので、これより採決に入ります。
 採決については、一括して採決したほうがよろしいか、お諮りいたします。一括でよろしいですね。(「はい」と呼ぶ者あり)
 それでは、付託議案を一括して採決いたします。
 原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 挙手全員であります。したがいまして、本委員会に付託されました全ての議案につきましては、原案のとおり可決するべきものと決定いたしました。
 次は報告事項ですが、報告事項は教育委員会についてのみ行いますので、順番を入れかえて、先にその他を諮りたいと思います。
 執行部、委員の方で、その他について何かありますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 なお、委員長報告の作成・内容については、委員長に一任いただけますでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
 それでは御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
 次に、報告事項に移りますが、その前に、その他の執行部の皆様は御退席ください。
 暫時休憩いたします。


午前11時34分 休憩
午前11時36分 再開


◎内田(隆)委員長
 再開いたします。
 執行部の皆様におかれましては、説明は要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いいたします。なお、質疑については説明終了後、一括して行っていただきます。
 報告1、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告について、北村教育環境課長の説明を求めます。

●北村教育環境課長
 資料1ページをお願いいたします。一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告です。
 今回、県立米子東高等学校西校舎耐震改修工事(建築)でございます。屋上パラペット部、外周部に低い立ち上がり壁の部分なのですが、劣化が進行していたということで、補修の追加等を行って540万円余の増額をしておりますので、報告させていただきます。

◎内田(隆)委員長
 報告2、平成28年度第4回鳥取県立博物館協議会の概要について、及び報告3、鳥取県立美術館整備基本構想について、大場博物館長兼理事監の説明を求めます。

●大場博物館長兼理事監
 教育委員会資料の2ページをご覧ください。3月1日に、本年度4回目となります博物館協議会を開催いたしまして、美術分野が移転した後の博物館のあり方についての構想について審議を行いましたので、御報告いたします。
 この博物館のあり方は、博物館改修基本構想と呼んでおりますけれども、前回までにコンセプト、機能、さらにソフト面の事業想定などについて検討してまいりました。それを受けて、今回はハード面、改修後の施設をどういうふうに使うか、どういうような配置にするか、ということについて検討したところです。これにつきましては、資料1をご覧ください。後ろに、横長の表を付けていると思います。一番左の列に必要な機能というものを、これまで整理してきた内容を掲げております。その機能を実現するために、事業計画の欄、左から2段目の列ですが、ここにあるような事業を実施していこうということについて、前回議論いただいたところです。
 今回は、この事業計画について、前回の若干の意見を踏まえた修正についても議論しましたが、事業計画を実現するためにはどういう部屋が要るのかということを、真ん中の辺りに、現施設改修ではなく新設する前提といいますか、理想的にはどれぐらい必要かということを踏まえて、どういう部屋があって、どれぐらいの広さのものが必要かを、3列目のところに記載しております。
 しかし、今回はあくまでも改修でありまして、国指定史跡の中にあるために拡張は全くできません。したがいまして、現状という、その次に細い欄がありますが、その欄に収まるように当てはめていかなければいけないということで、最終的にこういうふうにしようと考えた案が、一番右側の列です。例えば収蔵庫につきましては、現在は1,500平米ほどしかありませんが、その右から2段目の列、主な施設・設備(必要面積)というところの欄を見ていただくと、収蔵庫について現状プラス不足分、さらに将来10年間程度を見通して必要になるであろう分を含めてどれぐらいの面積が必要なのかを算定すると、2,550平米ほど必要ということになります。この場合、収蔵庫には、先般の事業計画で、見せる収蔵というものを行いたい。要するに、収蔵庫なのだけれども、外からガラス窓を通じて見てもらえるような収蔵庫にして、いつでも収蔵しているものが見ていただける、県民の財産なのだから、県民がいつでも見れるようにしたいということも考えております。そういったことも考えますと、赤い字で書いているのは今はない施設ですが、30平米ほどの薫蒸室も設ける必要があるのではないかということで、2,580平米ほどのものが理想的には必要だということです。
 しかし、現状では、収蔵庫自体は現状のところに書いてありますように1,495平米しかない。これを、一番上は第3特別展示室で、これは今、美術の関係の企画展示をする部屋として使っておりますが、それを収蔵庫に転用しようと。さらには講堂も収蔵庫に転用しようと。講堂は段になっておりますので、見せる収蔵をするにはうってつけだろうと。一目で全体が見える、段々になっていますので並べていくと正面から全部見えると。そういうことで、見せる収蔵にはうってつけだということで、講堂も転用しようと。そういうことを考えますと、2,075平米で2,580平米には少し足りませんけれども、一部を二層化したりして、何とか2,550平米相当の収蔵力を確保しようという考え方をとっております。
 さらに、展示の関係です。その下ですが、常設展示については、融合展示というものを行いたいということを提案しております。これは、例えば砂丘は自然の造形であると同時に、そこで砂丘農業を培い、さらには開発がされ、自然保護と板挟みの状態もあるということで、鳥取県の歩みを自然と歴史の両面から見ていただくのには一番いい資料、対象物であるわけです。そういう、自然の面からも歴史の面からも語れるような資料を中心的に展示して、鳥取県の歩みを自然と歴史の両面から紹介するような展示を新たに行うようにしたいと。もちろん、そういうものばかりにするわけではなく、そういうコーナーも設けたいということを考えておりますけれども、これは従来の展示室の枠内で大体収まるだろうと。
 企画展示室につきましては、後ほど御説明しますけれども、先般来、美術のほうからも中部に立地する場合にはここで美術系の展覧会も開催できるようにしていく必要があるだろうという御意見もありました。そういうことにも使えるような企画展示室として考えるのであれば、やはり1,000平米程度は必要であろうと。従来から自然系、歴史系の展覧会でも規模の大きなものは2部屋使っておりましたので、1,000平米ぐらいあれば大体そういう自然・歴史系の大きな展覧会や、美術系の全国展にも大体対応できるということです。これについては、現在も企画展の会場として主に使っている会場ですが、現在の第1、第2特別展示室を使っていこうという考え方をとっております。
 研究室などは、その下のほうですが、今のスペースをいろいろリニューアルして組みかえて使っていこうと。ただし、写真の撮影室とか資料の点検室などは、現在の施設の中でやっていくということを考えると、現在と同様に荷解き場で対応していかざるを得ないと。あるいは薫蒸室も、荷解き場で対応していくことで考えていきたいと思っております。
 今回、これも特徴の一つになろうかと思いますが、教育普及活動をいろいろ充実させるために、多目的スペースを設置する必要があるだろうと考えております。最低でも100人程度が収容可能な、実際に使う部屋の大きさから考えますと200~300人収容可能ですが、いろんな用途に使えるような、大規模な講演会にも小規模なワークショップにも使えるし、ワークショップに必要な設備も備えているような多目的に使えるような、300平米の大きな部屋を設けたいということで、現在の美術展示室を転用する形で設けていきたい。300平米より少し小さいのですが、これぐらいだったらと考えております。さらに、体験実習室は多目的スペースの中に体験実習もできる設備を備えれば、そこを使えばいいだろうということで、これは別に設けることはしない。ボランティアに支えられる博物館にするためには、ボランティアの方にふだんいていただく部屋も必要だということで、これは資料保管庫を転用したりして設けたいと。
 管理共有スペースについては、これも今のあるスペースを基本に考えており、多少リノベーションは必要かと考えておりますが、そういうような形で何とか必要面積を確保したい。ただし、トラックヤードですね、トラックを横着けして、トラックを建物の中に入れて雨風を気にせずに荷おろしができるようにしたいということがありましたが、今の施設の構造を考えると、今の施設でやる限りは無理だろうということで、我慢せざるを得ないのかなと思っております。
 以上を考えますと、一番下のところ、理想的には1万2,000平米近い延べ床が必要だったのですが、そういうことで対応していけば、何とか今の施設に収まるということで、協議会のほうに提案をさせていただいたところです。具体的なイメージとしまして、配置図にあらわしたのが資料2で、先ほど申し上げたような内容を図面で見ていただく格好になります。美術展示室を転用して、美術の常設展示室は多目的スペースに転用する。休憩室、レストラン等がある区画は、今、ショップが中途半端な位置づけになっていますので、ここにきちんとミュージアムショップも設けておきたい。融合展示については、自然展示室に矢印を書いておりますが、その自然展示室と歴史展示室にまたがるような形で設けておきたいと思っております。
 めくっていただきまして、2階のほうですが、先ほど申し上げました見せる収蔵を、現在、美術の特別展示室になっている第3特別展示室、あるいは講堂を活用して行いたいということです。
 3階は、基本的には資料の収蔵庫で、ここは見せる収蔵は行いません。閉鎖型の収蔵、従来型の収蔵、空調の機能が高いところには従来美術品を展示していた部屋ですが、金属の考古資料など温度・湿度管理が重要なものを中心に収蔵していく、美術品の収蔵庫を自然・歴史系の収蔵庫に転用していく形です。地下のほうは、さまざまな一部研究室を設けたり、収蔵庫にしたりということはありますが、基本的にはさまざまな設備がおさまったり収蔵庫がおさまったりということで、おおむね現状どおりの使い方になろうかと思います。
 こういったことを提案いたしましたところ、もう一度2ページに返っていただきまして、会議での主な意見と記載させていただいておりますが、収集保管の関係では、この見せる収蔵ということについていろいろと議論がありました。見せる収蔵というのはどういうようなものか、空調管理、つまり温度・湿度の管理に差しさわりが出るのではないか、二層化して詰め込んだら見せるどころではないのではないか、というような意見もいただきました。これにつきましては、壁に窓ガラスをつけて見ていただくだけで、人を頻繁に出入りさせるわけではないので、空調に影響はないということ。また、余り詰め込むと見えませんが、先ほど申し上げたように講堂の階段状のスペースを利用すること等により、見やすさとある程度の資料の収蔵力を両立させるつもりであることを御説明しました。見せる収蔵などをやっているよりも、ネットで収蔵資料のデータを登録して公開するほうが先ではないかという話がありましたが、これは別の話ですと。県民の皆さんのニーズとして、バックヤードツアーに対するニーズも高いことからもわかるように、やはりそういうものを見たいというニーズがありますので、ぜひ見ていただけるようにしたいと考えていることを説明しましたら、一番下のほうに書いてありますように、委員からもやはりそういうことは大事であり興味があるという意見もありますので、これはぜひ進めていきたいと考えております。
 展示につきましては、融合展示についての考え方についての御質問がありました。これについても、それほど大型のものは考えておりませんので、他の展示スペースを圧迫するようなことはありませんということ。また、美術館機能をこの博物館に残すことについて、3ページの上から2つ目の・ですが、東部地区では県博が美術部門を担っていたけれども、米子、倉吉、日南などは自前で美術館を持っておられると。極端に言えば、鳥取市が自分でやればいいではないかという御意見もありました。
 これについては、この委員会でも御指摘がありましたが、県博の美術部門が40年以上もあった重みを考えるなら、美術部門が中部に出ていくことになったからといって、急に鳥取市でといってもなかなか難しいだろうから、当面はやはり県で対応していく必要があるのではないだろうか、と申し上げたところです。
 そのほか、教育普及や駐車場対策についても、いろいろ御意見がありました。こういったことも踏まえて、次回、若干の修正を加えた上で、このハード面について改めて議論していただきたいと思っております。
 さらに、一番下に書いておりますように、次回はこの事業計画の変更等に伴い、運営費や利用見込みを修正する必要が出てくると思っております。東部で美術部門の機能を残すというような言葉もありますし、美術的価値のある歴史資料管理の専門学芸員が今はいないということもあって、きちっとそういう専門家を置かなければいけないということもありますので、人を増やさなければいけない。そうすると人件費が増えて運営費が増えてくる。あと、小学生にもたくさん来てもらえるようにするのであれば、利用見込みも若干増やしておく必要がある。そういった修正をしたいと思っておりますし、この改修にどの程度の費用がかかるか。従来、この常任委員会にも老朽化改修で12億円、耐震改修で14億円ぐらいかかりますと申し上げておりましたが、その後、老朽化改修については今年度外壁改修等実施して、一部実施済です。それで残りが2億円ほど減りますし、また、今回申し上げたような部屋割りのリニューアル改修に伴ってどれぐらいかかるのかも含めて、概算額を出せたら出して提示したいと思っていますが、これは前にもお話ししましたけれども、これは非常に難しゅうございます。現状程度の部屋割りの改修であればほとんど余り大きな費用がかからないかもしれず、むしろ大きいのは展示の改修費用ということになろうかと思いますが、この展示の改修費用は、具体的にどんな改修するのかを決めないと積算のしようがないものですので、非常に難しいですけれども、チャレンジしてみて、出せるものならお示ししたいなと思っております。
 運営体制は、恐らくこの改修もPFIの優先的検討の対象になりますので、それについての一次検討の試案として、試算ぐらいはしてみる必要があるだろうと思っております。できたら今月中か来月の頭か、それぐらいで実施できたらと思っているところです。
 博物館についての説明は、以上です。
 次に、美術館のほうですが、別ペーパーを付けていると思いますが、基本構想については、別冊で基本構想の本体と資料編を付けております。内容は非常に細部にわたりますし、余り長くなってもと思いますので、基本的には概要資料で概要をお示ししておりますので、この資料に沿って説明していきたいと思います。構想の詳細は、また随時見ていただけたらと思います。
 まず、簡単に経緯から御説明しますと、2月16日に検討委員会から最終報告をいただきました。これについては常任委員会でも報告させていただいたかと思います。その後、教育委員会のほうでもう少しじっくり検討する必要があるということで、議論の方向性のところに書いておりますように、基本構想検討委員会の報告を最大限尊重するが、教育委員会としても、今後の人口減少社会、高齢社会や共生社会の中で美術館を持続的に発展させていくためには、何か追加して考えなければならないことがあるのではないか。あるいは、未来を担う子どもたちの芸術への関心や創造性を高める視点での対応についても、盛り込んでいく必要があるのではないか。ということで、その辺りについてもう少し議論したいということで、2月21日、2月27日、3月3日の3回にわたって教育委員会で議論を行いまして、3月3日の臨時教育委員会で教育委員会としての基本構想を決定しましたので、今回報告させていただくものです。
 基本構想の概要は、資料の2以下に記載しておりますが、アンダーラインを施している箇所は、最終報告を受けてからの内容に加えて、教育委員会の議論によって盛り込んだ事項です。考え方としまして、美術の継承・発信、内外の美術の接触と交流、県民の創造性と鳥取県の魅力の向上といったことを図るために、美術館は早急に整備する必要があるということを、最終報告と同じように整理した上で、教育委員会としての独自の視点として、あわせて、学校教育・社会教育と連携して、美術を通じた学びの全国・世界に誇る拠点とすることを目指す施設とするよう留意していくことを明記しております。
 基本的なあり方としては、最終報告で報告されたとおりですが、とっとりのアートの魅力を知り、大切に守り、誇りを持って県内、県外そして世界へと発信することを基本とするということです。そういうことをすることによって、(2)の(2)に書いてありますが、次代を担う子どもたちがすぐれたアートと出会い、想像力や創造性を育む場所とならなければいけない。そういう場所になることによって、(3)に書いてありますように、地域に根差し県民のアイデアと愛情で運営される、「私たちの県民立美術館」となるのだと、そういうやり方を目指していくことを明記しております。
 施設規模は、(3)のところに書いてありますが、大体9,000平米から1万2,000平米の間ということで、先般来申し上げておりますように、最終的には基本計画でどの程度の規模にするのがいいか、立地場所等も踏まえながら最終的に詰めていくということです。概算額も、60億円から100億円の範囲内という格好にしています。
 建設場所ですが、いろいろ御意見もありましたけれども、それを総合的に勘案しまして、県民意識調査の結果や検討委員会の最終報告を尊重して、倉吉市営ラグビー場とすることで一致したということです。
 事業計画ですが、最終報告のときよりも、特に県立美術館を核として県下各地の文化施設を結びつけたネットワークを形成することを重視する格好にしております。収集保管は、本県にゆかりのある美術作品を中心にやる。常設展示やジャンル別展示を行う。企画展示では、従来余りやっていなかったポップカルチャー系の展覧会のほかに、子どもに配慮した、子ども向けの展覧会に力を入れるということで、教育委員会として独自にこういうこともということで追加しております。
 教育普及についても、ワークショップルームで多彩な講座や教室を開催するということは基本なのですが、その際には、障がいのある方も参加できるワークショップや子ども向けのイベントの充実を図っていくと記載しております。さらに、地域、県民との連携という言い方でしたが、今回は特に教育委員会らしく、学校連携ということを強調する意味で、学校連携をして学校の授業での美術館活用等について相談・支援を行うとともに、美術を通じた学びの方法の研究等を行う美術ラーニングセンターといった機能を美術館に持たせるということも明記しております。
 こういった事業を展開することによって、利用者は10万人から20万人、運営費は3.2億円から3.9億円を考えていくということで、整備運営の手法としてはPFIについてより精緻な評価を行って、さらに検討するというようなことを明記しております。
 今後の進め方のところで、二次交通の利便性向上対策に関する連携協力や文化施設とのネットワーク構築についても地元に協力をお願いしたいということ、また県東部について最終報告の段階では美術展の開催の話だけ記載されておりましたが、それにとどまらず、教育普及活動などの活動も行えるようにして、県博にそういう機能を残していくということを明記したところです。

◎内田(隆)委員長
 今までの説明について質疑はありますか。

○福浜委員
 ネットワークの構築がかなり大きくうたってあるので、その辺りは非常に評価したいと思っておりますし、ラグビー場に至った経緯も熟慮の結果ですので、この部分に関しては理解はしたいと思います。、その上で、検討委員会の最終報告の中、また報告資料の一番下のほうにも、県立博物館に美術部門の機能をある程度維持と書いてあるのです。博物館のこの前の検討委員会にお邪魔して2時間議論を聞かせていただき、それと美術館基本構想の報告資料の2ページの地域・学校との連携の中で、美術館との連携の核となる教員を指定・委嘱する、これは各学校に美術系の先生の中で1人はそういうものを持っていらっしゃる先生を育成、配置するというイメージだと思うのですが、そうなってくると余計に、ネットワーク等の連動性を考えると、西部は米子市美術館や日南町美術館が核になってもらえるのではないかと思うのですが、東部の博物館の中に美術部門をどの程度残すのかということ。また、今、自然系、人文系でいろいろ議論されていますが、箱はもう大きくできない、あとは中身をどういじくっていくかということなのですけれども、この博物館の新しいイメージでいくと、率直に言えば、美術を常設展示できるところが全くないように見えるのですよ。けれども、各学校で美術館を振興していこうというふうにこれからやっていくというのは、新たな一歩だと思うのですね。学校で習った子どもたちが、身近なところに行って、そこでワークショップをするために、東部の人間からするとですよ、やはり何か美術の常設展というものはあったほうが子どもたちにとってはよりよいのかなという気はするのです。
 企画展や、県展、市展、あるいはほかから持ってくる企画展だけという限定的な展示ももちろん必要なのですけれども、大きさはもうコンパクトでもよいのですが、美術専門の学芸員の方が常設展の絵なりをベースに、この絵の特徴を解説したりとか、この前、森議員がおっしゃったようなワークショップ的なことが子どもと土日でもできるような体制というものが、この博物館のモデルからすると、できる日とできない日が出てくるのではないかなというふうに思っています。その辺りは、どういうふうにお考えでしょうか。

●大場博物館長兼理事監
 基本的に、美術系の学芸員を何人にするかというのはありますけれども、ある程度博物館のほうにも置かなければいけないとは考えております。先ほど申し上げましたように、美術品として価値ある歴史資料というのもございますので、そういうのを管理していくということになりますと、やはり美術のほうにも知識のある学芸員は必要という意味もあります。また、先般来議論になっている美術館的な機能を残すということになりますと、その機能は単に貸し館ではないと。貸し館で他者が開催する美術展を開催できるようにするというだけではないということを考えますと、やはり何がしか美術に知識のある学芸員は必要であろうと思っておりますので、何人になるかは今後の検討ですけれども、配置することになろうと思います。そういう学芸員を置いて教育普及活動をやっていく、ある程度の機能は残すわけでありますけれども、今と同じ機能をそのまま残すというのはやはり無理でありまして、基本的には自然・歴史の博物館ということがありますので、その中での限界は当然あろうかと思います。
 ただ、美術系の常設展示室は収蔵庫等に活用するようにしておりますけれども、企画展の会場をある程度、年間何日か、何カ月か、一月か、何月かというような格好かもしれませんけれども、恒例的に美術系の展示をする期間を設けて、準常設的な形での企画展をやっていくといった対応は可能かと思います。これは美術館と連携して、美術館にある資料を時々持ってきて実施するというような形でもできると思っておりますので、そういった対応を考えていきたいと思っております。ただ、具体的には、今後博物館協議会なり美術館の基本計画なり、そういったレベルで考えていくところかと思いますが、今のところ、我々としてはそのような展開を考えております。

◎内田(隆)委員長
 ほかにありますか。

○福浜委員
 おっしゃりたいことは非常によくわかるのですけれども、学校で美術で興味を持ちましたといって、身近に行くところといえば博物館なのかなと。市内にギャラリーはありますけれども。そうであるならば、願わくばやはり何点か常設的に置けるスペースは確保していただきたいなという声も少なからずありますし、それを重ねて御検討いただければと思います。
 それと、これは中長期になるかもしれませんけれども、見せる展示ということで、特に自然系の昆虫なり鳥類なり、点数としてはかなり多い自然系の標本ですね。この常任委員会でも視察に行きましたが、静岡に古い高等学校の施設を収蔵庫として活用しているようなところもありましたので、学芸員の人にとっては少し面倒くさいかもしれませんが、展示はここでやる。けれども、収蔵の点数の多い、特に自然系のもの。遺跡等で出てきたものは、ばっと見ればそのすごさが見えるかもしれませんが、自然系の昆虫などの標本が奥に向かってたくさん置いてあって、それを見たとしても。それよりは、貴重な収集資料として、別にリノベーションしたような形での収蔵をあわせて考えていただきながら、やはり自然と歴史と美術というものが3つ見えるというものも、すごく大切な要素だと思うのですね。
 もちろん県立美術館が中部にできたときには、中部に行けば美術専門に見るというメリットもあるかもしれませんが、これまでの博物館のメリットというのは、3つが同時に同じところで見られるというメリットもあったと思うのです。中身の使い方ですけれども、これはすぐにはできないかもしれませんが、でも7年間あるわけですから、どこかの施設がもしかして使えるかもしれないというところも少しやわらかく御検討いただきながら、展示を充実していくような形のもので博物館は御検討いただけないかと。今ある展示物を収蔵庫として活用するのではなく、やはり一つのものであっても、目の前で学芸員の方からいろいろ直接見聞きすることによって興味・関心を深めていくという場にしていただきたい。今すぐ決めろというわけではないのですけれども、ぜひこれからの検討の中にそういうことも選択肢の中に入れていただきたいと思いますが、いかがなものでしょうか。

●大場博物館長兼理事監
 見せる収蔵、これはあくまでも収蔵物を見せるだけで、展示室にあるものを収蔵庫に引っ込めてしまおうということではありません。

○福浜委員
 もちろんそうです。

●大場博物館長兼理事監
 ですから、あくまでも収蔵していたものを収蔵していた状態で見ていただくということで、恐らく確かに外から見てもわからない古文書とか、小さい標本などよりも、むしろ動物の剥製や民具など、大き目のものが中心になるのではないかと思っております。
 ただ、いずれにしても、常設展のほうも常設的な展示の充実も、融合展示等がありますように、いろいろ考えてまいりたいと思いますし、美術の展示も極力何点かはどこかへ出しておけるようなスペースも考えていいのかもしれません。今後のスペース割りや、今回の協議会でもいろいろ御意見が出ていますので、それを踏まえてまた考えなければいけませんし、さらに言えば、今回つくろうとしている改修構想はあくまでも現時点のもので、実際に改修をするのは随分先の話になりますので、その段階でもう一遍見直さなければいけないと思っております。今回つくった改修構想をそのままというわけにはきっといかないだろうと思っておりますので、その辺りは柔軟に、先ほどの御提案も含めて、また考えていけたらと思っております。

○濵辺委員
 今回、県立美術館について、教育委員会として一つの結論を出されたのですけれども、議会に議案として上がってきていなくて、結局まだ建設されるかどうかという結論は出ていないですよね。その辺りのところをちょっと。

●大場博物館長兼理事監
 議案としてどういうふうに提案するかというのは、教育委員会の一存では決められない部分があります。予算の提案権は知事専属の権限ですので。今日、知事にも教育委員長のほうから報告させていただきましたので、その結果を踏まえて知事がどのような形でこの予算を提案されるのか、改めて議会のほうに説明しないといけないだろうとおっしゃっていました。提案理由説明の中でその点について多少保留していた部分があるということで、また知事のほうからいろいろと説明される部分があると思いますので、どういう形での予算ということになるのかということを踏まえて、また議会のほうで御議論いただけたらありがたいと思いますが、基本的に我々としましては、こういう形で方針を決めてある以上、それを前提とした次のステップの予算というふうに理解して議決していただくとありがたいと思っております。

○濵辺委員
 あと最後一つだけ、今回県立美術館に対しまして、当初予算案でPFIの検討とか、それから設計ですかね、予算が計上……。

●大場博物館長兼理事監
 基本計画。

○濵辺委員
 基本計画ですね、その予算が計上されているのですけれども、これは建設とは関係ないのですよね。その辺りを。

●大場博物館長兼理事監
 先ほど申し上げましたように、場所は全く関係ない基本計画なのか、この構想に基づいて進めるための基本計画なのか、それについては、我々としてはこういうふうに決めた以上は、この基本構想に基づく基本計画として御議論いただければいいと思っておりますけれども、ただこの辺りについては予算の提案を議会に対して行う知事の考えがあると思いますので、その意味で我々として申し上げるのはそこまでということになろうかと思います。

◎内田(隆)委員長
 ほかにありますか。

○西川副委員長
 今日、博物館のほうの報告もいただいたのですけれども、これは決定ですか、それともまた質問できる機会はありますか。

●大場博物館長兼理事監
 基本的に、これも美術館の基本構想と同じように、美術館の整備構想に対して改修構想ということで、協議会の委員に意見を聞きながら検討作業を進めております。どこかの時点で、改修構想として取りまとめるということは出てくると思いますので、もちろん議論の過程で美術館の整備構想がそうでありますように、いろいろ意見をいただいて反映するということは行いたいと思っておりますし、最終局面で取りまとめてからまたいろいろ言っていただければいいと思います。先ほど申し上げましたように、この改修構想に基づく改修を実施するのは、美術館ができてからの話になりますので、かなり先になります。これをそのまま適用できるようになるというのは、少し無理だろうと思うのですね。ですから、その時点で改めての検討も必要になると思いますので、その時点でもいいかもしれません。いろんな段階で意見は言っていただけたらと思います。

○西川副委員長
 わかりました。私は、美術もですけれども、歴史のほうにすごく関心があるので本来その辺りが聞きたいのですけれども、まだ時間的余裕があるのであれば、きょうは余り時間がないので、また次回に質問させていただきたいと思います。
 1点確認ですけれども、時系列で見たときに、博物館の委員会が3月1日に中部に決定して、鳥取の県博のありようを考えておられるのです。3ページの上の段、先ほどはそういう御説明でした。今度は、美術館の部門で説明を受けたときには、3月3日が決定というお話でしてね。3月1日に決めておられたのか、新聞のイメージで話されたのかはわかりませんけれども、本来であれば執行部は、この時点でまだ決定していないということを本来は言わなければならないのではないかと思うのですけれども、その辺りはいかがですか。

●大場博物館長兼理事監
 2月16日に、検討委員会の最終報告をいただいておるわけでございます。最終報告の段階で、中部に行った場合には東部の美術館機能が希薄になるので、その対策が必要ではないか、そういうことも検討してほしいという提言が既になされておりました。これを受けて、事務局としてはそういう意見もあるけれども、どうだろうかということで博物館の協議会で議論していただいたということです。ですから、この段階では決定されたという前提での議論ではありません。美術館の検討委員会ではそういう方向になったけれども、そういう方向で行った場合には、こういうことも考えないといけないのではないでしょうかということで、議論していただいたというのにとどまっております。

○西川副委員長
 わかりました。そういう状況ならば理解しますけれども、この文書でいくと、決定したような雰囲気で話されているのかなと読んでしまいましたので、内容はわかりました。
 これは教育長にお尋ねすればいいのでしょうけれども、本来、検討委員会は、場所選定までお願いして付託されたように私は聞いているのですが今回最終的にはきっちり検討をした中で決定できなかったというのがありますけれども、それを出せなかったことについて、教育長として検討委員会の結果についてはどうお考えでしょうか。

●山本教育長
 検討委員会の皆様方には、最終的に候補地を一本に絞り込んでいただくようにずっとお願いはしてまいりましたが、結果的には議論の中でさまざまな意見が出される中で、一本化までは至らなかったというわけです。しかし、基本的な方向性として14人中8名の委員の方が倉吉のラグビー場ということで、報告書の中では過半数を超える委員がこの倉吉のラグビー場を推されたという形で御報告をいただいたので、検討委員会として一定の方向性は出していただいて私どもにまた返していただいたということで、その点については大変ありがたく思っているところでございます。

○西川副委員長
 私も2月10日の日の検討委員会を傍聴させていただいたのですけれども、今、教育長が言われたように、半数の方が中部のアンケートを評価すべきというお話でした。私も見ていたのですけれども、やはりその後、16日ですか、もう一回検討委員会をやられて、結局結論が出せなかったのですよね。言われるような内容はあったとしても、最終的に1カ所にこうですよということができなかった。これはやはり大きな意味があって、半数の方が賛成しているのに結論が出せないというのは、何らか大きな問題を含んでいると見られる部分もあるのです。その辺りを、教育委員会は検討委員会のそのできなかった判断をどのように検討されたのか。
 言い方がわかりにくいかもわかりませんけれども、本来であれば半数はいいとされれば決定して出されるのが普通だと思うのですけれども、それが出せなかった何らかの要因や原因があったと思うのですよ。教育委員会のほうでは、そのことについてどう判断されたかなと。

●山本教育長
 私も、10日と16日の検討委員会には出席をさせていただいて議論の成り行きを聞いていましたが、14名委員がおられますけれども、10日は雪のために欠席が非常に多かったということと、16日の日は実際には14名中10人の委員の方が出ておられまして、実際の検討委員会の開催の場では、倉吉と、そうではない人と、5対5だったのですね、。そうではないほうは、鳥取市役所のところと、砂丘のところと、まだ決めるべきではないということで、5対5という言い方がよくないのですけれども、5人がラグビー場、そのほかの方が5名おられたということです。その場で立地場所の決をとれば倉吉ということだったのだと思いますけれども、いろいろな意見をたたかわせる中で、検討委員会の報告書としては、欠席された委員の皆さんの意見を合わせたところで多数だったというところでまとめたいということで、最後、会長の御提案に皆さんが了解をされたと理解をしておりますが、そうした形で教育委員会のほうに出てきたと。
 教育委員会では、検討委員会のこれは多数であったという検討結果、また県教育委員会のほうで実施した県民意識調査にあらわれている県民の皆様のお考え、そして教育委員会の中で、立地も当然含めたところで、どのような美術館として特色づけ、個性づけをしていくのかといったところの検討、以上をトータル合わせて議論させていただいて、倉吉のラグビー場が適当ではないかということで、委員の皆さんの意見が一致したという状況でございます。

○西川副委員長
 再度確認しますけれども、では、検討委員会が半数以上の方がありながら、1カ所に絞らずに提出されたことよりも、半数以上が倉吉でいいのだろうということで報告を受けたので、それを重きを置いたということで理解させていただいてよろしいですか。

●山本教育長
 1カ所に絞っていただけば、それにこしたことはないという思いではもちろんあったわけですけれども、結果的に1カ所に絞り切れない状況で報告書が出てきたということで、その基本的な方向性は示していただいたものですから、それを最大限尊重しながら判断をさせていただいたということです。

○西川副委員長
 ちょっとわかりにくいのは、方向性は示されたけれども、結局結論を出せれなかったわけでしょう。それを方向性が出せれたと教育委員会のほうでは判断されたということですか。

●山本教育長
 やはり過半数を超えたというのは重いと思っておりまして、結論的には1カ所という検討委員会の委員の総意という形ではないですけれども、検討委員会のメンバーの中の過半数が支持されたという結果は、一つの方向性として重いものがあると思っております。

○福浜委員
 西川委員がちょっと踏み込まれたので、私も踏み込みたいと思うのですけれども、どう思っていらっしゃるのかという教育長の思いがお聞きしたいのです。さかのぼり過ぎかもしれませんけれども、結局結果として、誘致合戦になってしまったわけですよ。3月2日でしたか、地元紙に一面広告で東部の美術館建設を願う会の皆さんが広告を打たれたのは、多分、拝見されたと思うのですが、あれが東部の皆さんの思いなのかなというところもあります。
 先ほどの西川委員の話と連動すると、一本化できなかった検討委員会、全会一致にならなかったというのは、やはりこれで本当にいいのだろうかという思いが過半数に満たないまでもあったからこそ、一つにまとまらなかったというところ、結局簡単に言えばしこりなのですよ。
 僕がすごく懸念しているのは、このまま仮に中部につくられるとします。そのときに東部の県民の皆さんが、特にこれだけ誘致合戦で最終的に加熱してしまった人たちが、新しくできる美術館という皆さんで盛り上げていくべき施設が、やはりとられたという感情、このしこりというものはすごく大きいものが、僕はあの一面広告で見てしまったのですね。これは逆に中部の人たちが東部に仮にできたとしてもそういうことになっていたかもしれません。何でこのタイミングで出すのだろうということをおっしゃった方もいましたけれども、あのぎりぎりのタイミングで出てくるということぐらい、やはり東部の皆さんにとっては重い思いがあるということを私は改めて思い知らされました。実はああいうことは本当は起きてほしくなかったのではないかと思うのです。でも、結果としてやらざるを得ないところまで、誘致合戦が加熱してしまった。この重みというかしこりというのを、これからプラスの方向に変えていかなくてはいけないと思うのですね。
 これは知事に一般質問で聞くつもりだったのですけれども、改めて教育長はどういうふうにお考えなのか、もしよろしければ教えてください。

●山本教育長
 教育委員会として、倉吉のラグビー場ということで判断を出させていただきましたが、1カ所にどうしても決めないと美術館はできないという状況の中で、本当に委員の皆さん方は真剣に議論をされました。その結果がこうなったわけですが、もともと検討委員会の中であったコンセプトの一つとして、私たちの県民立の美術館にぜひすべきだというお話もありましたので、そうしたことを踏まえれば、今しこりという表現をされましたけれども、本当にどの地域の、どの県民の方にも支持をしていただける、協力をしていただける、一緒に盛り上げていただける美術館にしたいという思いでいっぱいでございます。一方では、協力をいただく、御理解をいただくということを丁寧に誠実に説明しつつ、場所は倉吉なのですけれども、サービスも含めて、鳥取の人も倉吉と同じように美術館ができたことを享受できるような、ネットワークやアウトリーチの取組などをしっかりとやっていくということも一方で説明をしながら、御理解を得ていきたいと考えておるところです。

○福浜委員
 しっかりと受け答えを今していただきましたので理解はいたしましたが、1点、感想にとどめたいと思いますが、どのアンケートをとってもそうなのかもしれませんが、アンケート結果が、若年層、10代、20代の回答率が低かった、と言っていいのかどうかわかりませんけれども。やはり次の世代のための美術館であってほしいですし、次の子どもたちをどういうふうな大人にしていくかのためのネットワークであってほしいと本当に思っています。そういう意味で、僕は今、鳥取県の美術・芸術・舞台を含めてですが、文化レベルというのは決して高いと思っていません。けれども、今回のこの一連の騒動という言い方もできるかもしれませんが、これをプラスに変えていく一つのきっかけにしてほしいと思っています。何かコメントがあれば。

●山本教育長
 教育委員会のほうで最後にプラスオンをした、学校教育、社会教育を通じて、子どもたちが美術を学ぶのではなく、美術を通じて学んでいくという、そうした新たなところにチャレンジしていくという大きな要素を加えることになったわけです。ちょうど図書館が、従前のイメージが本を借りに行くところというところにありながら、鳥取県立図書館がそうではなく、例えばビジネス支援などの新たなサービスを展開する。そこに光が当たる中で、日本全国に誇る県立図書館だと評価されるように、この新しくできる美術館も、絵を見に行く場所ということではなくて、本当に美術を通じていろんな学びができる、あるいは心の癒やしになる、そうしたサービスができるようになる、これは新しい美術館だなと皆さんに思っていただけるような、全国にも評価されるような、そんな美術館を目指していければと思っているところです。

○上村委員
 場所のことですが、基本構想の資料編の114ページにいろいろ書いてあることを見ていまして、余りラグビー場、運転免許場、市役所も差異がないと。砂丘だけはちょっと低いようですけれども、余り差がないような感じがしているのです。その中で、交通アクセスが便利だということから言えば、鳥取もそうでしょうが、西部から行くにしても、北栄町の運転免許試験場が割といいような気がするのですよ。倉吉市の中に入るのは大変で、特に年をとってからは市街地より、そういう広いところがいいような気がするのですけれども。その辺りは、どなたに回答してもらえるのか。

●大場博物館長兼理事監
 基本的に御指摘のとおり、倉吉市営ラグビー場も北栄町の運転免許試験場跡地も、両方とも交通アクセスがいいという評価は、県民アンケートの結果を見ても高かったです。市役所跡地も同様に高かったわけですが、恐らく市役所跡地と中部の2つの候補地とは、恐らく意味合いが若干違うのかなと思っております。市役所跡地は、恐らく駅から近いとか、そういう意味での交通アクセスのよさ。一方で中部については、東部からも西部からも行きやすいという意味でのアクセスのよさ。これで評価が高くて、西部の方の評価はたしか北栄町のほうが高いぐらいではなかったかと思います。そういうことはありますけれども、総合的に見た場合には、やはり倉吉市がいいという評価が多かったということで、委員御指摘の点は、アンケートを見ても県民の皆さんもそのように評価されていますし、また、専門委員の評価を見ましてもそういう指摘はあっておりまして、やはり皆さんが同じように考えられるのです。けれども、そういう評価はそれぞれのところについてあるのですが、それを踏まえて総合的に見たときに一番いいと考えられて、倉吉市営ラグビー場をよしとする人が多かったというふうに御理解いただけたらと。それを我々なり、教育委員なり、検討委員も、それは総合的に見てそうなのだろうということで、そういう決定に至ったというふうに御理解いただいたらと思います。

○上村委員
 おっしゃっていることはよくわかります。ただ、基本構想の16ページの建設場所の選定の(1)のところにいろいろ書いてあるわけですけれども、3カ所とも、砂丘はちょっとあれですけれども、差がなかったわけですよね。それぞれの人口が多いか少ないかという人口特性もあるわけで、ここをどこにするというのは非常に難しい判断だろうとは思いますけれども、将来の拡張などの面も考えた場合に、私は免許試験場がいいような気もするのですが。

●大場博物館長兼理事監
 恐らくそれは、いろいろ皆さん、人によっていろいろな考え方があると思います。確かに敷地の広さ、敷地の使いやすさ、この点でも倉吉市営ラグビー場と運転免許試験場は評価が高かったポイントです。両方とも面積的には広々しておりますし、平たんですし、非常に使いやすい、建てやすい土地ということはあろうかと思います。倉吉市営ラグビー場もそれなりに広い土地ですので、その上にゆったりと施設はつくれます。運転免許試験場ほどではないかもしれませんけれども、一、二を争う広さです、この4つの候補地の中でも。そういう意味で、そんなに極端な違いではないということではないかと思います。
 先ほど差がわずかという話がございましたが、これについては資料の130ページに、伊藤議員から指摘いただいてお配りした資料がありますけれども、それを付けております。これを見ていただきますとわかりますように、結論として、全数調査をした場合の結果が大体95%の確率で、プラス・マイナス2%の範囲に収まると。そういうことになると、倉吉ラグビー場がマイナス2%で、市役所敷地がプラス2%だったら逆転する可能性は確かにあるように見えるのですけれども、4のところに書いてありますように、1位と2位との差、1位と3位との差を見ると、常にここが正の値になっております。要するに差がマイナスになることはない。ということは、逆転しないということなのです。同じ95%の確率で逆転はないと。ただし、2位と3位はあるということが論証されておりますので、僅差という言い方は、この場合適当ではないのではないかと思っております。そういう意味での僅差という言い方はですね。

◎内田(隆)委員長
 ほかにありますか。

○西川副委員長
 何回も言うようですが、私はできれば検討委員会が方向性をきちんと出していただければよかったと思うのですけれども、私のイメージとしては、なぜ出せれなかったのかというのがあって、そちらのほうが印象が残りました。今、教育長のほうからのお話では、検討委員会はある程度の方向性を出してもらった、それが倉吉であろうという判断ということで、教育長、よろしいですかね。

●山本教育長
 はい、結構でございます。

◎内田(隆)委員長
 ほかにありますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 以上をもちまして総務教育常任委員会を閉会いたします。


午後0時37分 閉会 
 
 

 

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