開催概要、資料はこちらです。 |
出席者
(35名) |
議員 |
市谷 知子
銀杏 泰利 坂野 経三郎
島谷 龍司 中島 規夫
浜崎 晋一 濵辺 義孝
福浜 隆宏 藤縄 喜和
前田 八壽彦 山口 享
稲田 寿久 内田 隆嗣
斉木 正一 澤 紀男
錦織 陽子 野坂 道明
浜田 妙子 松田 正
森 雅幹 興治 英夫
川部 洋 長谷川 稔
浜田 一哉 安田 優子
広谷 直樹 西川 憲雄
福田 俊史 伊藤 保
藤井 一博 横山 隆義
上村 忠史 福間 裕隆
内田 博長
|
欠席者
(1名) |
木村 和久
|
|
|
説明のため出席した者
平井知事 林副知事 野川統括監 各部長外
職務のため出席した事務局職員 細羽事務局長 中山次長 竹内調査課長
開 会 午後3時6分
閉 会 午後3時57分
会議録署名議員 内田(博)議員 上村議員
司 会 稲田議長
協議事項 別紙協議事項のとおり
|
会議の概要
午後3時6分 開会
◎稲田議長
それでは、ただいまから全員協議会を開会いたします。
まず、会議録署名議員に内田博長議員、上村忠史議員を指名いたします。
本日の議員全員協議会の議題は、島根原子力発電所1号機の廃止措置についてであります。
島根原子力発電所1号機の廃止措置計画の認可については、5月19日に開催しました全員協議会において原子力規制庁及び中国電力株式会社から説明を受けたところであります。この島根原子力発電所1号機廃止措置計画の認可に係る中国電力株式会社からの報告への対応状況について、知事に説明を求めます。
●平井知事
本日、急遽でございますが、こうして全員協議会にお集まりいただき本当にありがとうございました。また、代表質問、一般質問を通じまして県政に対するさまざまな御議論をいただいたこと、感謝を申し上げたいと思います。
さて、先月19日に皆様のほうでお聞き取りいただきました島根原子力発電所第1号機の廃炉につきまして、このたび中国電力から廃炉の計画が示されたところであります。これについては、私ども執行部も5月16日、3日前に境港市長、米子市長と一緒に聞き取らさせていただいたわけでありますし、その後、原子力安全対策の顧問の皆様の御意見をいただき、米子、境港両市の住民が入ります安全対策協議会の合同会議、こういうものも経ました。
実は、ここ最近で米子市、境港市、両市でそれぞれ私たちのように全員協議会を開催し、議員の意見も踏まえて市の考え方を検討されてこられました。土曜日に米子市、伊木市長、境港市、中村市長と米子市で面談させていただきました。その折に両市の考え方が示されたわけであります。結論からしますと、両市として今回のものは了としたいと。その上で、幾つか懸念といいますか問題意識を持っているというお話がございました。それは先般のJAEAの事故があったこと、そういうこともあるので安全にはしっかり取り組んでいただく必要があるということ。さらに、万々が一のときなど計画変更などもあり得るわけでありますし、それから第2段階以降で、今後六ヶ所村への搬入が取り沙汰されているような廃棄物の処理の課題などもより深めていかなければならないタイミングが来ます。ですから、改めて我々のほうで担保をとっておく。つまり協議をさせることなどが必要ではないか等々、御意見が出されたところでございました。
そのようなことを踏まえまして、きょうここに中国電力への回答の考え方、さらにはあわせて国などに対しましてこれから要求していく考え方を示させていただきたいと思います。これについて御意見をいただき、中国電力、国さらには覚書に基づき島根県に私たちの考え方をお示しいたしたいと思います。
結論的な部分として申し上げますと、今回廃炉の全体計画が示されました。これは一つの考え方かと思われますし、安全対策顧問の意見としても安全は確認できる内容ではあるということでありました。
あと廃炉に向かっての解体工事準備期間第1段階、この第1段階のものに限り了解とするということを申し上げたいと思います。つまり第2段階以降では、また改めて協議してもらう。この辺が私どもとしてかんぬきを刺しておく、入れておくという意味になろうかと思っております。
ただし、無条件ということではなくて、8点を先方に突きつけた上で中国電力に回答したいということであります。詳細は後ほど担当から御紹介、御説明申し上げたいと思いますが、大きく言えば1つ目は安全対策を図ることであります。安全が周辺地域としては第一義であります。したがいまして、この安全を徹底してもらうということ。それから特にJAEAの事故もございましたので、安全神話にとらわれることなく対策をきちんと徹底してもらう必要があるということなど、こうした安全対策を求めることがまず第1点目であります。
第2点目としては、立地と全く同じように今後協議などを進めてもらう必要があるということであります。第2段階以降の協議、あるいはもし万が一事故が起こった場合、計画変更ということがあります。この事故等があった場合は、安全協定に基づきまして当方に連絡が来ますし、我々のほうで立入調査をして意見を述べる。そういうことで対策をつくっていく。それが廃炉の変更計画へとつながっていきます。このような手続で、立地と全く同じに扱っていただきたいということ。もちろん安全、そういう手続は踏んでくれということを中国電力側に求めるものであります。
3点目としては、地元や住民への説明、連携等をしっかりしてもらいたいということであります。廃炉の実施状況、それから何か不測の事態が起こったとき等々含めて、説明責任を果たしてもらう必要がございます。そうしたことを随時していただく必要があります。
また、地元のほうといろいろな形で連携が必要でありまして、情報提供はもちろんのこと安全教育であるとか、あるいは避難対策の演習であるとかいろいろなことがあるわけでございまして、そうしたことへの連携を求めることなど、こうした地域との関係性をしっかりとっていただきたいということがポイントであります。
4点目のポイントとしましては、廃棄物などの処理を適正に行っていただくことであります。使用済みの核燃料、それからまだ使っていないけれどもこれを使わなくなりますので搬出することになります。こうしたものを適正に取り扱い、使用済みのものについてはそれを処理していくという手続になろうかと思いますが、その適正を求めることです。
また、放射性廃棄物等の処置につきましても、適正を期していただく必要があります。今回、系統除染といいまして、機械の中に入っている部分を中から洗浄するような除染をします。それで出てくる粉じん等が今後新しいものとして出てくる可能性があるものでありまして、そういうものなど付随してこれからの作業で出てくるものについても適正を求める必要があります。
以上に加えまして、5点目として今中国電力との約束事として中国電力側が私どもの関係の人件費など、立地であれば核燃料税がございますが、そういう財源がないものでありますから、これを県民の税金の負担に帰すわけにはならない。こんな観点で、今、寄附金を得てこれを充てています。この寄附金の額も今基金が枯渇しかけておるところでもございまして、今回のこの回答するタイミングでこうした財源につきまして、国の制度ができ国が支払う等々ができるまでの間は中国電力が負担すべきである。このことも5点目として申し上げておきたいと思います。
今回、廃炉ということでありますので、基本的な方向性としてはリスクは小さくなる方向に行く筋合いのものであろうかと思います。しかし、廃棄物の行方であるとかこれからの系統除染などで生じてくるものの対策、それからこうした時期でも我々のほうで安全を求めるために地元としての発言を確保する、資金を確保する。そうした多岐にわたる我々としての条件もございます。この辺も突きつけながら、回答とさせていただければと存じます。
議員の皆様の十分な御議論と御審議をこの機会に賜りまして、これを先方へ回答させていただきたくお願い申し上げる次第でございます。よろしくお願い申し上げます。
◎稲田議長
それでは、危機管理局長に詳細の説明を求めます。
●安田危機管理局長
では、お手元の資料1をごらんください。1の(3)、中ほどでございますけれども、先ほど知事が御説明申し上げましたようにいろいろな手順を踏んでおりまして、一昨日6月24日にプロジェクトチーム会議、3首長と書いておりますが、こちらで米子市、境港市、両市の市長さんから御回答、御意見を頂戴しました。それにつきましては、別紙の資料2をごらんください。そのときの御意見の要旨を記しております。
境港の中村市長さんからは、市議会等広く御意見を伺って、廃炉自体については異論はない。しかし、放射性廃棄物の処分場が決まっていないことに懸念が出された。規制庁から、保安検査等によって履行を確認するというような説明があったり、あるいは県の原子力安全顧問から廃止措置計画は適正であるという報告をいただいたので、こうしたことを総合的に勘案して今回の全体計画と第1段階の解体工事準備期間についてはこれを了としたい。ただし、JAEAの事故も踏まえてリスク管理の徹底、それから放射性廃棄物の処分先の早急な確保、これらについて中国電力等に強く要請していく必要があると考えているというような御発言をいただきました。
そして下のほうですけれども、米子市の伊木市長さんからの御発言です。今月19日の米子市の全員協議会において市の考え方を説明しました。保安検査等による適正な実施が担保されること、計画変更のとき及び第2段階前に改めて審査、説明が行われることなどから了としたいという説明をなさったということですけれども、それについて議会のほうから否定する意見はなかったということでございます。
ただし、細かい点の文言の追加という御意見もあったので、これについては反映していきたいと。それから、六ヶ所村の受け入れ体制などについて疑問も出されたと。ですので、この計画自体に何か変更が生じたときには速やかに同じような手続をしてもらうことを一つの前提として、このたびの廃止措置計画を了とするという御発言をいただきました。
その境港市議会の御意見の様子は別紙の資料3、そして米子市の全員協議会の資料につきましては別紙の資料4を添付しておりますので御確認いただきたいと思います。
資料1にお戻りください。2番の方針というところに記しておりますけれども、以上の両市の御意見を受けまして、このたび審査を受けた廃止措置の全体計画及び解体工事準備期間の廃止措置の実施に限って了解することとして、あわせて3番に要請事項を記載しております。これについて、中国電力に求めることとしたいと考えてございます。
まず、第1が安全対策でございまして、関係法令等に基づいて安全対策を講ずる。それからJAEAの事故を踏まえて、特に放射性物質の取り扱いを伴う廃止措置作業については起こり得る事故を十分に想定し常にそれを検討し、事故リスクを解消すること。それから、万が一の事故には迅速的確に対応すること。裏側でございますけれども、2つ目に今後も立地自治体と同等に対応すること。そして3つ目に今後も地域住民、関係自治体へわかりやすく丁寧な説明を行うこと。4つ目としまして、県民の安全を第一義として、地元に十分正確な情報提供、組織・人員体制、教育訓練など万全な安全対策を責任を持って行うこと。5つ目に、使用済み燃料あるいは新燃料の全ての搬出、譲り渡しについて責任を持って安全な管理及び実効性のある処分を適正に行うこと。6つ目に、放射性廃棄物を初めとしまして発生する全てのものについて適正な処分を行うこと。7つ目に、系統除染での薬液あるいは解体による粉じん等について、放射性物質の漏えい防止対策に万全を期すこと。最後、8つ目に原子力防災対策の費用について引き続き事業者等で必要な負担を行うこと。この要請を回答にあわせて行いたいと考えてございます。
また、4番でございますけれども、国に対して要望を行いたいと思います。厳正な保安検査、わかりやすい説明、それから必要な措置を命ずる。そういったことを要望したいと思いますし、島根県知事に対して覚書に基づきまして本県が中国電力に提出した意見と同様の意見を伝えたいと考えております。それからJAEAの事故を踏まえまして、放射性物質を取り扱う作業について、より厳格な指導も求めてまいりたいと考えてございます。
◎稲田議長
それでは、ただいままでの説明に対しまして御意見、質疑があればお願いいたします。
○野坂議員
何点かお尋ねしたいと思います。
まず初めに、境港の安田議員、浜田一哉議員、そして米子の私、3名がUPZの範囲内に居住する議員ということになるのだろうと思います。この問題につきましては、そのようなことからも強い関心を持つ一人だと、このように思っております。また、私の住む河崎校区におきましてはモニタリングポストなども設置されておりまして、住民避難等々も参加させていただきましたり、何かと日ごろから注目しているところでもあります。したがいまして、そのような観点から幾つか確認させていただきたいと思います。
先ほど、JAEAの大洗研究開発センターの事故の御報告がありまして、それを受けて放射性物質を取り扱う作業について、より厳格な指導を求めていくという御説明がありましたけれども、これは具体的にどのような指導を求められるのかお尋ねしたいと思います。
それともう1点、放射性廃棄物等の管理、処分は安全を第一に進めていくということで安全条件がありますけれども、放射性廃棄物はわかるのですが、放射性廃棄物等とされておりまして、この「等」にはどのようなものが含まれるのか。そしてまた、なぜ広げたといいますか、この「等」ということがついてきたのか。ここの経緯も含めてお尋ねしたいと思います。
●平井知事
JAEAの事故につきましては、本会議のときも触れたことがございますが、今回はなれに基づくものでありプルトニウムが関連していますので、今回の島根原発第1号機と完全にリンクするものでは恐らくはないとは思います。
しかし、問題なのはいわゆる安全神話的な気の緩みというものだろうと思います。ですから、そういうことがないように徹底したリスク管理を行っていただく。想定もきちんとし、それからちゃんと手順も当たり前のようなものでもきちんと踏んでもらう。こういうことなども含めた、そういう従来にも増した指導を求めたいということでございます。これは中国電力にもその旨を徹底していただきたいということを条件にも入れさせていただくこととしております。
また、「等」については、放射性廃棄物とはいってもそんなにレベルの高いものは今回想定されるものではないと中国電力は説明していました。そうはいっても低レベルの放射性廃棄物がまずある。ただし、これ以外に実は放射性廃棄物として取り扱わなくてもよいとされている影響の薄いもの、そういうものもございますし、さらには全く放射性関係ない廃棄物もあろうかと思います。でも、これらは全て原発サイトから出るものでありますから、放射性廃棄物の処理手順さえよく踏んでいればいいということでなくて、そのほかのものにもやはり注意してもらう必要があるよと。そんな意味で「等」というふうにあえて膨らませて書かさせていただいております。この趣旨は、お認めいただければ中国電力にもよく伝えさせていただきたいと思います。
○野坂議員
もう1点、今回解体工事準備期間の廃止措置の実施に限り了解するとのことですけれども、段階的に幾つもハードルを設けていくというお考えはわかるわけですが、この点についてもう少し説明をいただきたいなと思います。
質問は以上ですけれども、やはり一番大切になってくるのは正しい情報を住民にきちんと伝えることだろうと、私は、この間ずっと東日本の震災以降そのように感じております。古くは震災瓦れきの広域処理のときもございました。いろいろな情報が錯綜して、どれが正しい話なのかが本当にわからなくなり、混乱を来すということになろうかと思います。ですから県としては国にきちんとした、十分な説明をさせるように強く要望していただきたいと思います。
●平井知事
まず、第1段階に限りとしております本意は、伊木市長もおっしゃっていましたが、六ヶ所村への搬出の計画が明らかになっているわけではありません。第2段階と言われる段階まで含めてこうした搬出がなされるということでありまして、第1段階では実は完結しない部分があります。今現在でそこまで認めたわけではない。全体像がまだ向こうも十分でないということをあえて向こうにも認識してもらう必要があり、第1段階に限りとさせていただき、第2段階に移るときにその六ヶ所村への搬出のことも含めた改めての協議が必ず来るようにかんぬきを入れておこう、こういう趣旨でございます。
2点目の御要望のほうでありますが、全くそのとおりだと思います。河崎のときは前の野坂市長が宣言されまして、廃棄物を焼く、受け入れますとこういうことで言ったわけでありますが、これは人体に影響のあるレベルではないということを言いながらも、そこに対して大変な議論が沸き起こってしまったわけであります。やはり国として、当時であれば災害廃棄物の処理についてきちんとした定見を持ち国民的な合意を得るべきなのに、そこのところを現場任せにした感があるのではないかなと思います。その辺がUPZの中に住まわれておられる野坂議員の悩まれるところではないかと深く理解させていただきました。
ぜひ国のほうには今回要請活動をするに当たりまして正確で丁寧な情報を住民の皆様、国民に流すように求めてまいりたいと思います。
◎稲田議長
ほかに。
○内田(隆)議員
失礼いたします。会派自民党の内田隆嗣であります。
先ほど来、知事そして危機管理局長よりも御提案というか鳥取県の課題についてお話をいただきました。島根原子力発電所1号機廃止措置計画については、改めて会派自民党としての意見を述べさせていただきます。
先ほどの鳥取県の考え方と非常に近いところがございますけれども、まず回答に当たって鳥取県知事、米子市長、境港市長の三者による協議内容を最大限に重視することはしっかりと求めてまいりたいと思います。
そして、特に6項目について意見を申し上げます。
1、住民の安全確保及び環境の保全を図ることを最優先に、関係法令、安全協定を遵守すること。2、立地自治体と同等の扱いを求めること。特に廃止措置計画の変更や第2段階への移行に関しては、安全協定に基づきその都度協議を行うこと。3、廃止措置の実施状況について、適宜適切に地域住民及び関係自治体に丁寧な説明を行うこと。4、県民の安全を第一に考え、中国電力が自主的かつ主体的に周辺自治体の防災対策への協力など、万全な原子力安全対策を責任を持って行うこと。5、使用済み燃料及び新燃料の処分を、全量排出、譲り渡しについて責任を持って適切に行うこと。また、放射性廃棄物の処理及び放射性物質の漏えい防止対策について、同様に責任を持ち万全を期すこと。6、原子力防災対策に係る費用負担について、国による適切な財政措置が実現するまで事業者として必要なことを行うことということを意見として申し伝えたいと思います。これは本当に周辺自治体である米子市と境港市の要旨をまとめたものに非常に近くなっておりますし、きょう拝見しましたらおおむね県としての意見と重複することは自覚しておりますが、改めまして会派自民党としてしっかりと県民の声として伝えさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
●平井知事
内田隆嗣議員から、会派自民党のお考えを承りました。
議員も御高承のこととは思いますが、ちょうど今の6項目、この我々の提示している8項目の中に項目は変わりながらも全て入っていること、今お聞き取りさせていただきながら確認をいたしました。会派自民党でも、米子、境港両市の考え方を踏まえて御意見を取りまとめられたのだと思います。ぜひその会派自民党のお考えを入れて、この8項目で国も含め、あるいは島根県も含め中国電力への回答、要求とさせていただきたいと思います。
○錦織議員
最初に、きょう非常に小さい字で、私は読めることは読めるのですけれどもたくさんの資料を一度に出されましたが、やはりこれだけの大事な案件ですので、きちんと審査する上でもできるだけ事前に出していただきたかったということが私の意見です。きょうはもう出てしまいましたので、今後はできるだけ事前に、1枚物ぐらいだったらそのときにぱっと見れるかもしれないのですけれども、ここに米子市の意見とか境港市の意見などが網羅されていますので、それは強く要望しておきたいと思いますし、知事の回答もいただきたいと思います。
JAEAの事故のことがいろいろ言われていまして、私もこれは議会でも知事とも論戦させてもらったのですけれども、安全神話だし、私がこの中で恐ろしいと思ったのは、3・11を経験した後なのに日本原子力研究開発機構の関係施設でやはりこういうことが起こっている。全然点検がされなかったという、この厳然たる事実がすごくショックでした。こういうことがあったということがね。
そこから考えまして、きょうの資料2を見ますと、中村市長のコメントで2つ目の丸、先般、原子力規制庁から廃止措置に対して保安検査等を徹底して適正に履行を確認するなど説明があったということで、5月19日にこの全協で原子力規制庁から説明があったときにもそのようにおっしゃいました。それで徹底して適正に履行を確認するということを言われたのですけれども、それぞれの原発所在地には原子力保安検査官事務所を設置して原子力保安検査官及び原子力防災専門官を駐在させることになっていて、そういう方たちが3・11以前にもずっといらっしゃったと思うのです。配置されていたし、今も配置されていると思うのですけれども、その方たちがずっとおられながら、特に中国電力、島根原発はさまざまな事案、不適正事案などがずっと出てきているので、これがちゃんと本当に日常的にチェックができるのかなと。そこのところを私はすごく不安に思うわけです。だから県としてもここに何か入れていただきたいと思います。このチェック体制についてということが一つにはあります。
あと皆さんの大方の意見では了承ということになるのでしょうけれども、私は以前からもこの1号機の廃炉は賛成だけれども、廃炉計画自体には核燃料サイクルが前提となっているということで反対していますし、それから中央制御室の配管の問題、ダクトの問題でも一応報告書は出されているのですけれども、それに原子力規制庁のほうからオーケー、これでいいですよということはまだ言われていないわけです。それから、宍道断層の問題でもまだ25キロですということがはっきりしていないわけですね。だからやはり今はまだ回答するべきではないだろうと思います。
ちょっと前後するのですけれども、地元、住民への説明を十分してほしい、果たしてほしいということをこれまでもずっと要望しておられるのですけれども、この前の鳥取県内でのこの説明会といったら残念ながら大雨の日で暴風雨になったのですけれども、米子市で1回こっきりだったのですね。鳥取市のほうからも来られた方がおられますけれども、少なくとも30キロ圏内に含まれる米子市、境港市で最低でもやるべきだと、そこは県知事としても中国電力にも言うべきだと思います。ということで、今回は私はまだ承認するには早過ぎるということです。
最後に、それでは共産党は一体どうするのだという思いがおありになると思うので、そこのところはちょっと解明しておきたいのですけれども、済みません、あと数行ですので。
第1に、使用済み核燃料の処分の手段や方法については、やはり専門家の英知を結集して研究開発を進めることが重要だと。それから第2には、使用済み燃料の処分方法の結論が今出ていないのですよね。出るまでは政府の責任、国の責任で厳重なる管理を行うべきであります。第3には、原子力に関する基礎研究と廃炉事業の仕事を担う専門家の確保、育成を強力に進めるべきだと。それから第4には、原発の廃炉に至るプロセスの管理、使用済み燃料の管理などを目的として、従来の原発推進勢力から独立して強力な権限を持った規制機関を新たに確立すべきでありますということで、共産党の主張とあわせて質問もさせていただきたいと思います。
●平井知事
何点かございました。資料については水中原子力安全対策監のほうから申し上げたいと思いますし、安全神話の件につきましてはあえて文言上もきょう御提示した中に入れてございます。
保安検査の人員等も含めて、実は国のほうに検査体制をちゃんとしてくれと、これが一つのコアになりますので、求めていくことといたしております。
また、ダクトや地震のことが未解決であることは、また水中原子力安全対策監のほうから、前回議会でも御説明したかと思いますが重ねて申し上げたいと思います。
住民説明の持ち方についても水中原子力安全対策監のほうから御説明したいと思いますが、この中にも書いてありますが、住民に対して、そして自治体に対して説明責任を果たしていただきたい。これは本県としては当然ながら中国電力への回答の中で求めていきたいと思います。
共産党の党全体の御主張につきましては、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
◎稲田議長
それでは、補足の答弁を求めます。
●水中原子力安全対策監
それでは、説明資料の件について御説明させていただきますが、24日に米子市と境港市の意見をお聞きしまして、それから丁寧にそれぞれの意見をすり合わせた結果きょう資料ができ上がったということで、きょう急遽準備させて出させていただいたということですが、もう少し早くしろという御意見でしたので、これからはそのように十分注意して、できたときはすぐ出させていただくようにさせていただきたいと思います。
保安検査につきましては、この検査制度はJCOの事故を受けまして国のほうで常駐制度というものができまして、島根原発についてもその制度に基づいて保安検査官が常駐するようになったところでございます。この保安検査では、日々の保安調査それから四半期に1回の保安検査、それから13カ月に一遍の施設定期検査といって原子力規制庁本庁から来ての検査が日々行われているところでございます。本年4月に保安検査制度が改正になりまして、30年ごろ新しい制度になると思いますが、保安検査官がもう少しきちんと保安検査できる、もう少しと言ったら語弊がありますけれども、今以上にできるということ、またフリーでいつでも検査できるという制度になりまして、どちらかといいますと今まで書類偏重というような制度でございましたが、今後は島根原発、いわゆる中国電力にも大変な責任を持って自主的に検査していただく。それから保安検査官につきましてもその検査をきちんと見ていくというような、今までが真剣勝負ではないということではございませんけれども、さらに真剣勝負的な保安検査になるとお伺いしております。
宍道断層とダクトの件でございますが、これは前回説明させていただきましたとおりで、廃止措置には関係ないものでございます。関係ないといいますか影響のないものでございますので、引き続き廃止措置を進めてリスクを下げていくことを大前提にしていっていただくと。ちなみに、地震による影響につきましては、前回も説明しましたように宍道断層の影響は福島事故後安全対策が既にとられております。この対策がとられていること。それから1号機のダクトについては影響はありませんが、2号機のダクトにつきましては現在規制庁のほうで中国電力が出した報告書を審査されていて、その審査結果に基づいて、全国の原発につきましても同じような改修が行われるだろうと聞いております。
説明会の件でございますが、私も地元の説明会ということで米子に行かせていただきました。当日すごく雨が降ってきて大変だったところでございますが、今回は島根県内についても1カ所、鳥取県内でも1カ所ということで、米子市、境港市と御相談いたしまして今回は米子市でさせていただいたという状況でございます。
議員おっしゃいますように、重要な議論について、あるようでしたら今後また新たに検討して、多くの方々に理解いただけるように県としましてもそこら辺は丁寧にしていくつもりでございます。
○錦織議員
ダクトのことですけれども、報告を上げて、回答とか指示とか何かはこれには来ないのですか、その点を。
●水中原子力安全対策監
ダクトにつきましては2号機のほうで腐食が見つかって、2号機について、これは法令違反ではございませんが、機能を損ねるということで法令に基づく報告がされたところでございます。
1号機につきましては、2号機でそういう欠陥がありましたので、全国の原発についても調べてくださいということで規制庁から指示が出まして、その指示に基づいて1号機についても、いわゆる小さな穴ではございましたけれども、腐食があったということで報告されたもので、報告書を提出するものではなくて、あったということが報告されたものでございます。
○森議員
(5)の使用済み核燃料等の管理、処分についてですが、これは六ヶ所村が一応計画があるということで、私も再処理については賛成ではないのですけれども、第1段階ということでこれについては了とするということで、次の段階でまた話をしたいと思います。
(6)ですけれども、放射性廃棄物等の管理、処分についてで、これが関係する規制基準等に従い適切かつ確実な管理まではいいのですが、処分を適正に行うことということで、例えば規制よりも低い濃度の放射性物質が含まれている瓦れき、コンクリートとかそういったものを、今のリサイクル法に従ってどんどんばらまかれるようなことになっては私はいけないと思っていまして、原子力発電所から出てくるこういった低レベルのものについても、一つのところでずっと管理していくことが大事だと思うんですね。確かに処分場を減らしていくためにはそういったものをばらまいて、いろいろなところに使ってしまえばいいということがあるかもわかりませんが、全然放射線がないところにもそれをばらまいてしまうことになりかねませんので、その管理の徹底ということをぜひ入れていただきたいと思うのですけれどもいかがでしょうか。
●平井知事
今、森議員がおっしゃることも含めてこういう表現にさせていただいたつもりであります。
先ほど「等」の中身のお話がございましたが、全く放射性とは関係のないものも含めて適正にということでありますから、当然ながら普通のごみであれば普通に処分されるというものでありまして、いろいろ入っているわけでありますが、ポイントはここにある規定とかそういうものに従って適正にするということであります。この辺も(3)ですかね、情報提供等がございますけれども、随時私どものほうにも推進状況、廃止措置の実施状況について報告をもらうということで対処していけると思っております。
○福間議員
私は2番、廃止措置の実施に限り了解するという県の方針については了とするという思いをお伝えをしたいと思っています。立地自治体との扱いとか、あるいは住民に対する情報提供等、本来私は国がすべき課題だと思っています。3番の中国電力に対する要請事項以下8項目についても、原子力政策を国策として進めてきた国が本来責任を持つべき課題であるわけでして、これを地方自治体や地方の、しかも隣接自治体あたりが何でここまで悩まないといけないのかという非常に大きな激しい憤りを私は持っている。そういう意味で、廃炉に持っていく場合にでも4番の(1)の国への要望、もっと私は国に厳しく強くやはり要求すべきだという思いを申し上げて、内容的には非常に丁寧に今できる時点での政策としてまとめられた、米子市、境港市の地元の要望をしっかり踏まえた内容として、私は了とすべきだというぐあいに意見を申し上げて終わります。
○長谷川議員
曲がりなりにも、40年廃炉ルールが一歩踏み出せるということで了といたします。
ただし、あくまでもこれは第1段階のステージでありまして、第2段階の日本原燃での受け入れ体制が整わないということであれば、計画全体が変わってくるわけであります。
それから、今、福間議員がおっしゃいましたけれども、私はもう一つ別の観点で、進めたのは国ではあるけれども、これを認める認めない、そうした同意権は地方自治体がしっかり持つことがこれも極めて大事なことであります。説明責任の一方で、同意権というものを自治体が持つことが今求められているわけでありまして、今回鳥取県を初め2市がこのような形で意見を上げていくということは極めて大事なことだろうと思っております。
○山口議員
この内容はいいと思いますけれども、ここに書いてありますように中国電力に要望するものと、それから国に要望するものと書いてありましょう。だからこれは書類は別個にして対応される、こういうことでしょう。それで今いろいろ意見が出ましたけれども、やはりこれを出されるときに中電なら中電にこういう意見もあったということを述べていただく。こういう形でこれは了とするという形で対応したほうがいいのではないかと思いますけれども、どうでしょうか。
●平井知事
本日の議論の状況はお伝えさせていただき、丁寧に申し伝えたいと思います。
○市谷議員
質問ですけれども、うちの立場は先ほど錦織議員が言いましたのでそういうことですけれども、私、以前にもらった資料を持ってきたのですが、第1段階に燃料搬出、譲り渡し、それから放射性廃棄物の処理処分というものが入っているのですけれども、これは今回はしない。持っていき場がないからしないということでいいのかどうか。その際には、では島根原発の敷地内に保管するということなのか。その保管については誰が監視するのか。先ほどから出ていますけれども、中国電力任せではだめだと思いますので、私は国がきちんと管理する、監視することが要ると思うのですけれども、その辺の体制はどうなっているのだろうかと。先ほど保安員の話がありましたけれども、国の対応も不十分だったわけで、だから現地にとどまるのであれば誰がどのようにするのか。国が責任を持つべきだと思いますけれども、そこら辺がどうなっているのかを確認しておきたいのです。
●平井知事
これは多分全協を開かれて前回皆さんも聞かれたのだとは思うのですけれども、要は六ヶ所村に運ぶ前は核燃料プールに保管されているわけですね。その後で使用済み核燃料を持っていくことになります。また、今までも廃棄物につきまして、そんなに高いレベルものはないですけれども、それも保管場所がありまして、そういうところで保管している。その状況は、当然ながら保安員もその執行状況は適正かということで見ていくわけです。
ただし、第1段階でも六ヶ所村なりなんなりに運ぶことが当然始まると思われるのですが、そういうときも保安員のほうで確認しながらしていくということでありまして、計画の中に今行き先が六ヶ所村と明記していないだけで、中身としては実は書いてあります。それが第2段階に入るときには、さすがにどこで中間処理を行うということもはっきりしているでしょうから、そのときはかなり明細がついたような計画案が我々のところに協議が来るはずだと。そこでまたしっかりチェックしようということでありますし、向こうのやり方が変わってくることに合わせて廃炉状況についての説明を受け、我々も意見を述べるという機会をこの意見書の中で担保したいということでありまして、議員がおっしゃるようなことは今この中に実は含まれてきていると御理解いただければと思います。
◎稲田議長
それでは、基本問題に関する御意見も出尽くしたようでございますし、時間の関係もあります。以上で質疑を打ち切りたいと思います。
よくよく思いをいたしてみますと、知事からの回答方針に賛成の意見が多かったように思います。知事におかれましては、ただいまの意見を十分にしんしゃくしていただきたいと思います。
以上で議員全員協議会を終了いたします。
午後3時57分 閉会
|
|
|