会議の概要
午前10時00分 開会
◎森委員長
それでは、おそろいですので、ただいまから農林水産商工常任委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
なお、今回の常任委員会は2部に分け、入れかえで行います。最初に農林水産部、その後、商工労働部、企業局、労働委員会合同の部で順に行います。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
本日は、斉木委員と錦織委員にお願いいたします。よろしいですか。
それでは、農林水産部に係る付議案の予備調査を行います。
質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきます。
なお、既に政務調査会で説明を受けたものもありますので、執行部の説明は要領よく簡潔にお願いいたします。
また、報告第10号、長期継続契約の締結状況については、議案説明資料のとおりであり、説明は要しないこととします。
では、岸田農林水産部長に総括説明を求めます。
●岸田農林水産部長
おはようございます。農林水産部でございます。
それでは、農林水産部の議案説明資料をお開きください。
◎森委員長
座ってどうぞ。
●岸田農林水産部長
ありがとうございます。
今回、予算関係で一般会計補正予算、予算関係以外で28年度の繰り越し計算書並びに専決処分の報告等をお願いするものでございます。
1ページに予算の総括表を掲げております。総額2億2,900万円余をお願いするものでございます。下に内訳事項等を書いておりますが、今回、一般事業として主なものを掲げております。30年産米から国による米の生産調整、生産数量目標が廃止となります。そのため、JA等が行う県産米の販路確保のための事業を実施するほか、9月に宮城全共がございます。それ以降の和牛のPR対策としまして、首都圏の百貨店、レストラン等でのフェア、並びに県内宿泊客へのキャンペーン等の強化をするほか、陸上養殖に必要な海水井戸の試掘に係る支援をお願いするものでございます。また、公共事業としましては、農業の整備事業に係ります国の認証増に伴う増額補正をお願いするものでございます。
詳細については担当課長が説明いたしますので、御審議のほどよろしくお願いいたします。
◎森委員長
続いて、関係課長から順次説明を求めます。
●森本農林水産部次長兼農林水産総務課長
それでは、31ページをお願いいたします。議会の委任による専決処分の報告でございます。
損害賠償に係る和解及び損害賠償額の決定でございまして、このたび、申しわけございませんが、2件ほどございました。
まず、1件目は、昨年12月に倉吉市内での事故であります。中部総合事務所の職員が公務で公用車を運転中、右折の際に交差点を右側から出てきた軽自動車と衝突したものでありまして、双方の車両が破損して、あわせて相手方の眼鏡が破損したものであります。徐行状態でありましたので、人身事故には至っておりません。原因は、県の職員が一時停止を怠ったことによるものでありまして、県の過失を8割5分として、そこに記載しております損害賠償金を相手方と公用車のリース会社にそれぞれ支払うこととした和解でございます。
続きまして、32ページでございますが、これは、昨年8月の智頭町内での事故であります。東部農林の八頭事務所の職員が公務で公用車を運転中に、見通しの悪いカーブにおきまして、前方から来た相手方の普通乗用車と衝突し、双方の車両が破損したものであります。原因は、幅員が3メートルの急カーブの場所であったことから、対向車に気づくのがおくれて衝突したものでございまして、県の過失割合を9割といたしまして、記載しております損害賠償金を相手方に支払うことで和解したものであります。
このような事故を起こしてしまいまして、まことに申しわけございませんでした。今後とも法令を遵守し、安全運転に努めるため、注意喚起を行うなど、さらに徹底を図ってまいりたいと考えております。
●加藤経営支援課長
それでは、25ページをお願いいたします。25ページの下の表になるわけですけれども、公益財団法人鳥取県農業農村担い手育成機構の借入金損失補償の債務負担行為をお願いするものです。これは、中間管理している農地の条件整備を行ったり、あるいは、農地の売買事業を行う場合に必要となる資金を全国農地保有合理化協会から無利子で借り入れる場合に県が損失補償契約を締結するもので、当初見込んでいましたものよりも国の認証増などによりまして、大山町や境港市などで事業費が増額されることに伴う増額をお願いするものでございます。
●島﨑農地・水保全課長
2ページをお願いいたします。公共事業の農業農村整備事業でございます。事業ごとに国の認証にあわせて増額、減額の補正を行うものでございまして、トータルで5,808万5,000円の増額補正をお願いするものでございます。
次に、3ページをお願いいたします。公共事業の農地防災事業でございます。これにつきましても、事業ごとに国の認証にあわせて補正を行うものでございまして、トータルで1億
2,340万円の増額補正をお願いするものでございます。
債務負担行為についてでございますが、天神野地区のため池改修工事におきまして、堤体の盛り土作業が天候のよい時期に施工できるよう債務負担行為をお願いするものでございます。
公共事業関係につきまして、13ページ以降に予算説明資料を載せておりますし、16ページには、今回補正をお願いします地区の概要を載せております。
25ページの上の表でございます。先ほど説明をさせていただきました債務負担行為につきまして記載しております。
続きまして、27ページをお願いいたします。平成28年度繰越明許費についてでございますが、27、28ページの農地費に記載しております事業が当課の所管事業でございます。また、29ページの災害復旧費のうちの耕地災害復旧事業費につきましても当課が所管しておりまして、いずれも繰越額が確定しておりますので、ごらんいただきたいと思います。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
4ページをお願いいたします。平成30年産米販路確保緊急対策事業でございますが、政調政審で説明させていただいておりますので、簡単にさせていただきます。
事業につきましては、30年度以降、米の販売量を確保するため、JA及び担い手農家が実践する販路開拓や直接販売などについて緊急的に支援を行うものでございます。事業費980万円、補助額490万円で、補助率2分の1でございます。
もう一つ、30ページをお願いいたします。平成28年度鳥取県一般会計事故繰越計算書の一番上のところですけれども、産地パワーアップ事業で7,420万7,000円、JA西部のGABA米の施設を繰り越しさせていただくものでございます。
●岡垣農業振興戦略監畜産課長
5ページをごらんください。鳥取和牛ブランド強化緊急対策事業でございます。政務調査会等でも説明させていただきました。この事業につきましては、ことし9月の宮城全共で鳥取和牛が優秀な成績をとることで、鳥取和牛のトップブランド化を図ろうというものでございます。事業内容としましては、全国系列のテレビ番組で鳥取和牛のPR、あるいは、9月、全共前から全共前後で首都圏での切れ目のない首都圏の百貨店等での、レストラン等でのPRをしていくということ。さらに、全共終了後に鳥取県内の宿泊者に抽せんで鳥取和牛のプレゼントを行うキャンペーンを行うといったようなものでございます。経費としましては、メディア誘致経費、あるいは、県内宿泊キャンペーン広告経費として1,000万円をお願いするものでございます。
次に、27ページをごらんください。一般会計の繰越明許についてでございます。27ページの2番、畜産業費というところで繰り越しをお願いするものでございます。
また、30ページをごらんください。一般会計の事故繰越の計算書でございます。2番の畜産業費が当課の所管する事業の経費でございます。よろしくお願いします。
●田中畜産試験場長
6ページをごらんください。種雄牛牛舎バーンクリーナー改修委託でございます。白鵬85の3といった種雄牛の牛舎にバーンクリーナーというのがございます。これは、ふんや敷料を牛舎外に自動的に排出する装置でございますが、これが設置後20年以上経過しておって、腐食、破損が頻繁に起きておるということから、これを改善して作業の効率化を図るものでございまして、補正額として332万6,000円をお願いするものでございます。
●地原森林・林業振興局林政企画課長
7ページをごらんください。林業試験場の要求でございますが、事業といたしましては、保存処理CLTの製造技術の確立ということで、金額にしましては60万円でございます。CLT、クロス・ラミネーテッド・ティンバーでございます。直交集成板を用いた建築物の耐久性を向上させるための製造技術の確立ということでございます。引き板を繊維方向に直交で重ねて接着剤でひっつけるという集成板でございまして、鳥取県では南部町のレングスさんがJパネルとして製造しております。この事業は26年から国で取り組んでいまして、今度は実施、普及、コスト削減といった事業で、産官学が連携しましたコスト削減の事業でございます。代表研究機関としまして、2番にありますが、国立研究開発法人森林研究・整備機構が受けまして、その他共同研究としまして、北海道、鳥取県、それから、京大、農工大、広島の大学、その他さまざまな企業さんと連携するという事業であります。鳥取県の役割分担としましては、29年から31年の3カ年で60万円であります。内容につきましては、これまで保存処理CLTを屋外使用した場合に、建築基準法などで防腐、それからシロアリ対策の加圧注入を行う場合のいわゆる接着剤の効果、品質の効果を検証するという事業でございまして、29年に屋内、30年に屋外、それから、31年に製造の低コスト化を図る検証という、3年間にわたる事業でございます。いずれにしましても、今、レングスさんが一生懸命やっていますので、鳥取県も県産材の活用という面から、一緒になって研究し、支援していきたいと思っております。
●上月森林・林業振興局県産材・林産振興課長
8ページをごらんください。鳥取県緑の産業再生プロジェクト基金につきまして、2,290万
5,000円を国への返還金として補正をお願いするものでございます。この事業は、平成24年度の国の補正により基金を積み立てまして、木材加工流通施設等の整備を実施してまいりました。事業メニューの強い林業・木材産業構築緊急対策の事業が平成28年度で終了を迎えましたので、5年間の運用益を含む金額の総額9億2,092万7,000円に対しまして、5年間の事業実績であります8億9,802万2,000円との差額2,290万5,000円を国へ返還するものでございます。
続きまして、28ページをお願いいたします。繰越明許費でございます。林業費の一番上の鳥取県緑の産業活力創生プロジェクト事業費から平成28年度雪害木材加工・流通施設等復旧対策事業費、及び下から3つ目の県営林道開設事業費から県営道整備交付金事業、続きまして、29ページの山のみち地域づくり交付金事業費から県単林道維持補修費の事業費まで、それと、飛びますけれども、29ページの災害復旧費の県営林道施設災害復旧事業費からあわせて3事業、これの年度内完了が難しいということで、繰り越しをお願いするものでございます。
続きまして、30ページをお願いいたします。事故繰越でございます。これは平成27年度の経済対策補正予算でありまして、28年度に繰り越して事業を実施しておりましたが、現場状況等により、やむを得ず完了できなかったものにつきまして事故繰越をお願いするものでございます。
●濱江森林・林業振興局森林づくり推進課長
9ページをごらんください。苗木生産体制強化事業でございます。この事業でございますが、需給計画に基づいて生産されました造林用の苗木が造林地の事情によりまして出荷できなくなって廃棄するといった場合に対しまして、苗木の生産経費を補償するものでございます。今回、国庫補助メニューの中で、この残苗補償につきまして廃止ということになりまして、それに伴う減額補正で、単県事業への組み替えを行うものでございます。
続きまして、28ページの繰越明許費でございますけれども、下から数えまして、松くい虫等防除事業費、以下4つの事業について、森林づくり推進課の事業でございますので、繰り越しをお願いするものでございます。
●平野水産振興局水産課長
10ページをお願いします。陸上養殖適地調査支援事業でございます。これは、3の下のところにも書いてありますけれども、ちょうど先週の水曜日、6月7日に岩美町の網代漁港でJR西日本が建設しました陸上養殖センターの開所式を行ったところでございますが、そのように民間の企業進出に備えて、井戸海水を利用した陸上養殖の起業検討している民間企業の進出に備えての井戸調査の試掘を行うものでございます。岩美町が事業主体となりまして、大羽尾の東漁港で調査を行う予定としております。
続きまして、11ページをお願いします。密漁防止普及啓発事業でございます。鳥取県では、平成15年から県内の漁協支所、それから、警察、海保と連携いたしまして密漁防止対策協議会を設置して、効果的な密漁対策の情報交換ですとか、連絡体制の確認といったことをしております。これまでは全漁連を経由した補助事業というのがあったのですけれども、ことしから国の新規で浜の活力再生交付金の中にこれについての補助事業ができましたので、補正を組むものでございます。
続きまして、12ページをお願いします。水産試験場試験研究費でございます。試験船の第一鳥取丸では網を使った試験操業を行っておりますけれども、試験操業のときに水深の何メートルを引いたのかということが確認事項として必要になってきますが、そのための水中センサーが壊れましたので、新たに音響センサー、どこの水深帯で操業したのかというのがわかる音響センサーを購入するものでございます。
続きまして、29ページをお願いします。29ページの水産業費の5つの事業が水産課所管分でございまして、繰り越しをお願いするものでございます。
◎森委員長
ただいままでの説明について質疑を行います。
○山口委員
部長、県の財政からみて、なるべく国の補助事業にのって事業を展開すると、こういうことが財源上、必要だと思うのですけれども、やはりこれは地域間競争ですので、県の独自性を生かしたようなものをベースにしながら、それが補助事業に乗るような形をやることが必要ではなかろうかと、こう思っております。農林水産部の事業として、公共事業はこれは別ですよ。やはりそういう発想でないと、競争社会でなかなか勝てないのではなかろうかと私は思っておるのです。それには一般財源とか県費は必要なのですけれども、やはりそういうことをすることが県の独自なリーディング的な効果、国内においても、国際的にも対応する必要があるのではなかろうかと思っております。林業もそうですし、ほかの農産物もそうですし、やはりそういうことをやりながら、補助金がそれにのるような形でやると。私、補助金があるからついていくと、こういう形でなくして、やはり独自性のものを求めていくと。これがやはり地域農業を育てることになるのではなかろうかと、こう思います。
●岸田農林水産部長
山口委員からの県の独自性を生かして、それも、単県事業ということではなしに、国庫補助をうまく使って、足らざるところを単県事業でカバーしていくというお考えについては、そのとおりだと思っております。県も一昨年、27年に農業分野では農業のプランをつくっておりますし、林業でも緑の産業再生プラン、それから、水産でも浜の活力プランという、そういうプランの中で、農業であれば、県の農業の強みである園芸、野菜、それから、果実、果樹、それから、畜産を伸ばしていこうということで、これは今、国で、園芸ですと、産地パワーアップ事業、それから、畜産でありますと、畜産クラスター事業という、そういう競争力の高い農業を目指していく取り組みに関する支援事業がございますので、これを十分今、活用をしてやっているところでございます。牛舎、豚舎等、それから、酪農和牛もあわせて、今、酪農でありますと、600頭のメガファームが東部、それから、西部に2つ、新しい農場ができて、1万トンの生乳が新たに産出をされるという計画で動いておりますし、和牛についても、東部に400頭規模の牛舎建設を見ておりますし、産地パワーアップとしては、今、昨年までで400頭のハウス、低コストハウスが建設をされ、ことし、また、300を超える新規のハウス建設も国庫事業で予定しております。また、国庫事業で救えないような、そういう地区、農家の方については、単県事業でそこをカバーをしてやっていくという、そういうことを今、どんどんやっておりますし、林業では、緑プロという事業を使って、これまで間伐だとか木材加工、CLTという、そういう事業を展開してまいっておりますし、水産については、境港の高度衛生管理市場の建設とあわせて、陸上養殖、それから、沿岸漁業の強化ということで鋭意、今、努力しているところであります。
ただ、いずれにしても、県の財政というのは大変規模が小さいということで、これは国に十分、県の農林水産業の特色、それを生かした取り組みをするということで、事業の要望を年に数回、農水大臣に今、お願いしながら、整備を進めているところであります。こういう姿勢を今後とも継続しまして、国庫事業プラス単県事業で特色ある地域の農林水産業を強化、推進してまいりたいというふうに思っております。
○山口委員
言われることはわかります。やはり財政上の問題が大きな課題でございますけれども、まず、競争社会でございますので、鳥取でなければならないものをつくっていくと。それが世界的にもそうですし、日本の中でリーディング的な事業を展開して、それがいつかは良い結果につながっていくと。財源的には、これは交付税とか、そういったものの増額を求めながらやっていくと。こういうことでやらなければ、鳥取県の独創的な農産物、畜産物を含めて競争社会に勝っていくことはできないのではないだろうかと、こう思っておるのです。
そこで、1つは、試験研究機関の充実なのですけれども、林業試験場とか水産試験場とか、あるいは畜産とか、木材加工とか、こういうものを、かなり他県の事業を見ても、これは独創的な、世界的な競争の中で、新しい製品をつくったりやっているわけですね。だから、そういうものに乗りおくれないように、さらに鳥取県でなければならないようなものをつくるようなやはり研究所であるとか、試験場であるとか、そういうものを私はこれから力を入れてやるべきではないかと、こう思っておりますけれども。後追いになって競争に立ち向かうようになったら、これは日本だけではなしに、もう世界的な一つの競争ですから。
●岸田農林水産部長
まさに鳥取県が日本、世界に誇れるような独創的なということで、今、梨では新甘泉、それから、柿では輝太郎という、そういう新品種、また、和牛では白鵬、百合白清という日本トップレベルの種雄牛による子牛、それから、肉牛の造成ということで参っております。試験研究も、試験研究の成果が即現場に生かされて、それで、農林水産業者がそれによって成果を上げて、所得が得られるような、そういうスピード感の強い試験研究から実践までの取り組みをこれからもやっていきたいと思います。試験研究の強化は、ますますやっていきたいというふうに思っております。
○山口委員
ですから、今に満足せずに、やはり試験研究所と技術をアップして、リーディング的な役割を果たすような形でやって、もうずっとこれは競争社会ですから、しかも、国際的な競争社会ですから、そうやっていかなければ、今に安住してしまったら、これはどうにもならないのではないかと、こう思っているわけですね。
それともう一つは、加計学園、獣医学部の件が問題になったけれども、今は獣医は非常に需要が伸びておりますけれども、これはだんだん減りつつあるわけですね。鳥大の獣医を山口県に持っていこうという大運動が始まったころですから、今から20年ほど前かな。それで、大反対運動をして、鳥大の獣医学部を残したのですね。今はどういう形になっているのですか。
●岸田農林水産部長
試験研究については、さらなる充実をこれからも図っていきたいと思いますし、加計学園に伴う鳥大獣医の今の状況ということでございますが、やはり鳥大の獣医から県の獣医師、県職員の獣医師を受ける方、また、就職してこられる方というのはやはり年に数名おりますが、募集しても、なかなか大動物については集まらない状況が近年ふえております。逆に、小動物、ペットを志望される学生さんというのはやはりふえて、こっちはちょっと余りぎみ、特に県内では余りぎみだと思います。山口委員からもこれまで指摘をいただいているような県職員獣医としての処遇の向上ということを受けて、実は昨年、新規採用の職員に係る優遇措置を総務部からやっていただいたところでありますけれども、さらなる充実について、これは県の獣医師会とも十分話をしまして、公務員獣医師なり、共済獣医師をいかにしたら確保できるかということを今現在検討を進めているところでありますので、そういう課題が見えてきましたら、また、議会にもお諮りして、獣医師の確保に御協力、御支援をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○山口委員
もう一つ、いいですか。
だから、私も、なかなか民間で新しいものを開発するということは余り容易でないと思うのですけれども、やはりそういうリーディング的な立場に立って研究しようと、人材確保というのは、鳥取県農業にとって欠くべからざる対応ではなかろうかと私は思っておるのです。
◎森委員長
ほかにございませんか。
○錦織委員
それでは、4ページの平成30年産米販売加工緊急対策ということで、これも必要であろうかというふうに思っていますが、この販路の促進に必要な経費はこれで足るのかなというのがちょっとよくわからないのですけれども、この30年産米から国が結局、需給調整から撤退すると。それから、直接支払制度もなくなるということで、本当に農家の方は農業を続けていけるのかというのが非常に不安なことでありまして、この販路確保というのは非常に大事なことだと思うのですけれども、結局、これは確保ができなくても、皆さんはつくられるわけですよね。結局、ちょっと見通しという、鳥取県が必死でやっているように、よその県も当然されるわけですので、見通しはどういうふうに考えておられるのかなというのが一つと、それから、隣の5ページで、鳥取和牛のオレイン55だとか、これは非常に期待されているのですけれども、結局、いいものができると、鳥取県民の口にはなかなか入りにくいということが反面あるのではないかと思って、それで、鳥取県民の牛肉の消費そのものはふえているのかどうなのかということですけれども、県産のものがふえているのかどうか。何かそんな調査があるのかどうかと。一部、安い肉でも、赤身の肉でも、熟成すれば、なかなか安くて供給できるのではないかというので、研究されている方もあったのですけれども、今、どういうふうになっているのかという、この2点についてお尋ねします。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
販路の確保でございます。見通しはどうかということでございますが、年々、需要量は減っております。全国的に減っておりますけれども、それにあわせて、県内の生産量も減っております。一番ポイントになっておりますのは、先ほど委員おっしゃいました農家の不安というところが一番ポイントだろうと思いまして、現在、7,500円が30年になくなって、売り先がどうなるだろうかという話を皆さんは心配しておられるというふうに伺っております。ですから、まず、各農協さん、全農さんを中心に販路を確保するというのが一番大事だろうと思っておりまして、その販路を収穫できる事前にしっかり特定しまして、そこで安定的に販売したいというところが一番のポイントで、今回の6月補正に出させていただいているというところでございます。
そこは一番のポイントでございますけれども、次に、どのような売り先を考えていくかということで、西部ではGABA米だとか、それから、東部では若桜のタニタを代表するような特別な売り先ですね、こういうようなものを中心に、高く売るものを中心に頑張って、全体としてしっかり契約できるような取り組みをさせていただきたいということでございます。
●岡垣農業振興戦略監畜産課長
先ほど、錦織委員から御質問のございました鳥取県の牛肉の消費についてなのですけれども、牛肉全体の消費ということになりますと、総務省がやっておられる家計調査というのがございまして、そこで牛肉全体の消費というのはわかっていくのですけれども、それによると、鳥取県というのは実は牛肉を余り食べない県ということになっております。ただ、鳥取和牛ということに関しましては、以前、例えば業者さん、はなふささん等がおっしゃっていましたけれども、鳥取和牛を扱う焼き肉屋さん、料理屋というのは非常に鳥取県内でふえてきたというところで、県内で鳥取和牛を、県産の和牛を食べるという風土というのがかなり出てきたということは言えるかと思います。
また、もう一つ質問にございましたが、熟成肉に関することでございます。これはたしか平成24年ぐらいだったと思うのですが、研究をするということで、やっていったところでございます。ただ、熟成自体、非常に歩どまりが悪いということがあって、実はコストが非常に高くつくということがあって、なかなか県内で熟成肉ということに関してはちょっと進んではいないところでございます。そういった状況というところでございます。
○錦織委員
米は事前に販路確定をしたいということですけれども、ちょっと聞き漏らしたのですけれども、東・中部がタニタとかという何か特定の売り先ということですけれども、西部は何でしたでしょうか、それは。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
GABA米です。GABA。
○錦織委員
GABA。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
GABA米。
○錦織委員
それの意味がわからない。(「発芽玄米」と呼ぶ者あり)ああ、発芽玄米。GABA米と言うのですか。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
済みません、GABA米ですので、よろしいですか。玄米の中に、米の中に胚芽のところがありまして、そこにγ-アミノ酪酸というのがありまして、それが非常に栄養価の高いものでして、これを1回、水分で蒸したような形にしまして、そうしますと、玄米の中に全体にGABAという成分が広がります。それをもう一回乾燥させます。そうしますと、それを無洗米という、玄米でなくて、無洗米という方法で出荷をしますと、食べやすくて栄養価の高いGABAライス、GABA米という、サタケという会社が特許を取っておりますけれども、その米を今回、先ほどありました産地パワーアップ事業で施設をことしの8月に建てられます。それを中心に、出荷をされようとしております。
○錦織委員
わかりましたけれども、これは全県で初めて、一部何かやられていたということがあるのですか。全国で初めて。すごい手間がかかりそうな感じですけれども。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
本格的にやっておりますのは、先ほど、サタケというところが技術の特許を取得しておりまして、全国的には大きな農協で取り組まれるのは初めてになります。西部の新たな取り組みでございます。
◎森委員長
よろしいですか。
ほかに、お願いします。
○興治委員
ちょっと今のところなのですけれども、各東・中・西のJAと全農で現状、今言ったマッチングが実需者とできている割合。ちょっと何かの資料で、西部はほぼ全部できていて、中部ができていないのが35%で、東部が25%とかという数字が書いてあったのを見たような記憶がするのですけれども、それで正しいかどうか。あと、全農はどうなのかというのを教えてください。
今の話で、西部はGABA米、東部はタニタという話だったのですけれども、35%ができていないということが正しければ、中部が一番できていないわけですよね。だから、中部でどういうような実需者とのマッチングを考えておられるのか。ちょっとそのあたりを教えてください。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
先ほど興治委員がおっしゃったJAいなばが75で、鳥取中央が65、それから、県西部が100というのは、各JAが事前契約をしている数字でございます。この数字につきまして、残りの部分は全農で販売していただいている現状がありますけれども、これについて、限りなく
100%に近づけるような、事前に契約してもらえるような取り組みを各JAがこれからしようとしておるところでございます。JA中央につきましては、今のところ、県内を中心に、いろんな直売所だとか、それから、県内の販売、米の卸だとか、そういうところを中心に出荷しておられまして、その後、県外に出すものにつきましては全農を中心に販売しておられて、ということで、JA中央がバランス的に県外に出すものは全農さん、県内に出す、自分のところで出すものは直売するという仕組みになっておりますけれども、皆さん、販路を確保するために、いろんなところを中心に、いろんな取り組みをされておりますので、それについての支援はさせていただきたいということでございます。
○興治委員
そうすると、全農を通す分については、これはあらかじめ実需者が決まった出荷ではないということなのですか。あるいは、そうでない部分はある。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
全農もきちっと売り先を持ったものもありますし、それから、量が確定しない場合には、例えば100で契約しても、50しか集まらない。120として、20が足りないということは当然ありますので、それにつきましては、事前に各農協から事前の情報を入手して、全農は事前契約に努めていこうということでございます。
◎森委員長
よろしいですか。
○興治委員
わかりました。
◎森委員長
ほかに。
○濵辺委員
31ページ、32ページ、ちょっと農林水産から外れますけれども、事故の和解ということでちょっとお聞きしたいのです。どこの常任委員会に行っても、こういう事故が続くのですけれども、事故を起こした場合に、これはもう9割、8割、要は職員の方のミスだということで、事故を起こした場合は、県庁の中ではどういうふうな対応というか、処置をされるのですかね。いや、民間でいけば、その事故の検討会をして、それで、奉仕活動というのはやはり職場でするのですよね。それぐらい厳しく、事故に対しては、みんな注意して取り組んでいると。車に乗る以上は、事故がゼロというのはあり得ないのですけれども、でも、例えば人身事故で人にけがをさせたりとか、本当に重大な事故になった場合に、これはもうどうにも責任のとりようがないので、日ごろからそういうふうにして交通事故への意識というのを民間では強めているのです。県庁の中でどういうふうに取り組んでいるのか。どう考えているのか、ちょっとお聞きしたいのですけれども。
●森本農林水産部次長兼農林水産総務課長
まずは、一つありました何割負担かという話なのですが、基本的に、今、保険会社が真ん中に入っていますので、そういうところとの相談なのですけれども、一応民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準というのが実はありまして、そういったものを参考にして、事例で照らしてみて、判定していくということになります。それで過失割合が決まるのですが、結局、全庁的な注意喚起というのは総務部でやってもらっているのですけれども、その辺で副知事をトップとした会議がたくさんございます。特に最近、交通事故もちょっとふえておりまして、その注意喚起ということを改めてやっているわけで、ただ、具体的には、何をやっているかというと、注意喚起と一言でいいますが、その頻度をふやすということは当然として、それに加えて、昨年の夏から、各部の所管課の課長補佐が講習会に1日程度、自動車学校に行ってもらって、改めて注意点などを学んで、それを職員に伝達していくということをちょっと新たな取り組みとしてやっています。それに加えて、ほかにどんな手があるだろうかというと、基本的には個人によるものですが、今、意見で出ているのは、例えば公用車をきれいに乗ると、車をきれいにすることによって、車への意識づけを高めるということも何かやっていこうという話も起きています。最近は、公用車の事故として多いのは、今回もそうなのですけれども、本当にちょっとしたミスですね、徐行状態でこつんとやる。だから、今回の中部総合事務所の職員の事故も、消防署を出たところの天神川の土手のところでぶつけているのです。あとは、駐車場地内での交通事故もちょこちょこあります。いわゆる出発のときとか、終わったときの気の緩みを、その辺がちょっと件数として非常に稼いでいるところですから、改めて徹底するような注意喚起もあわせてやっているという現状であります。
○濵辺委員
自分たちが常に気をつけていることは、余裕を持って出発すること。職員の方もそうでしょうけれども、やはり約束があって、時間に合わせて向こうに行かれると。余裕を持った時間で運転ができるようには常に心がけていることもありまして、ただ、時間がない場合もありますのでね。そういうときのやはり意識といいますか、しっかりと持っていただいて、本当に大きい事故にならないように、日ごろからそれぞれの意識づけをされて、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
○興治委員
ちょっとさっきの続きなのですけれども、課長が米について、販路の確保とあわせて、高く取引してもらうものを中心にやりたいという話だったのですけれども、これまで東部で75%とか、中部で65%とかという、実需者とマッチングについては、これは価格面で折り合って、できているのだろうと思うのですけれども、ことしの分とか、あるいは来年産米について、特に来年産米については価格が下がるのではないかということを想定して、マッチングするときに低価格を契約価格に提示されてくるのではないかなということを一応心配しますけれども、現状、どうですか、実需者との価格におけるマッチングの状況なり、見通しなりというのは。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
先ほど申しましたGABA米だとか、タニタの東洋ライスだとか、そういうものにつきましては、GABA米でしたら販売が2倍、それから、東洋ライスが1.2倍ぐらいだと言われております。これは全部それになることはあり得ませんので、ほかにいろんな取り組みを頑張っていきたいということで、一生懸命各農協ともやっておられますけれども、価格で例えば安くなるだろうとか、そういうようないろんな報道とかもいっぱいあり、当然安くなるというところもあります。正直言いまして、量的に拮抗していますので、俗に言う通例目標よりも深掘りといいますけれども、実際に生産してくださいというものにつきましては、鳥取県はそれ以下の生産しかしていませんで、量的な関係のバランスから考えると、大きく確実に下がるだろうということはまだ言えないだろうと思っています。ですけれども、30年に向けて、7,500円減って、非常に不安があるので、各農家の方が手を引かないように、要するに米づくりをやめるようになりましたら、農地も荒れてまいりますので、ぜひ高く売ってほしいということがありまして、売り先を確保することと高く売ることと両方を相乗効果で全体として価格を維持していただきたいというふうに思っておりますし、農協もそういうふうに付加価値の高いものを出荷しようというふうに考えておられると思っております。
○興治委員
30年産米の生産量を決めないといけないですよね。ことしじゅうなのか、いつまでに実需者とのマッチングについて完了させるというか、区切りをつける、そのスケジュール感というのはどうですか。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
基本的には収穫までにある程度の、収穫といいますのは、生産が始まる来秋、生産、米ができ上がる前にきちっとそういう相談を全農、農協、生産者等をあわせてやっていかなければならないと思っていますけれども、スケジュール的に、ことし……。
○興治委員
収穫というのは、いつのことを言っているの。いつの収穫。
●岸田農林水産部長
平成30年産米というのは、種の注文が大体正月明けで、これまで生産目標数量の配分、国から県、県から市町村というのが年内にあって、市町村から集落が年明けになります。ですから、12月までに全ての予約契約が可能かどうかというのを判断する必要があります。ですから、この秋、夏から秋を中心にそういう活動をして、何とか11月ぐらいまでには全部、来年の米の売り先が決まっているという状態を目指していきたいということです。
○興治委員
わかりました。そういうものですよね。それに向けて、もうあとそんなにはないので、4~5カ月ほどしかないので、この予算をしっかり使って、頑張ってください。
○錦織委員
先ほどの31、32ページで、ちょっと私も後で聞こうと思っていたのですけれども、この報告、警察のを見たら、県側が10割とか、本当にひどいのが何件もあって、指導すべき県警が何をやっているんだというふうに思って、ちょっと半ば怒りとあきれとがあったのですけれども、ここの場合、人身とかがないというふうにされましたし、場合によっては仕方がないなと、県土整備などを見ていると、木が倒れてきたとか、何かそういうのがあるのですけれども、これは、発生してから損害賠償の和解が成立する、額が決定するまでが非常にちょっと長いというふうに思うのです。これは通常の民間同士のものなら、もっと早くになると思うのですが、大体、何ていうか、公が関わったものというのは何かいろいろ場所を通るから、こんなに解決までに時間がかかるのかなというふうに、これは特別遅いわけではないと思うのですけれども、ちょっとその点がどうなっているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
●森本農林水産部次長兼農林水産総務課長
実際、事故が起こってから和解までというのは、真ん中に保険会社が入って、それが関係者に事情聴取してということになっていまして、大体期間は半年ぐらいはかかっているような傾向です。だから、正直言いまして、今回の中部のはちょっと長目かもしれません。
○斉木委員
3ページのため池ですけれどもね。来年度は125カ所を整備されるということで、今、非常に農家の方が高齢化、あるいは、ため池があるところは意外と中山間地域が多く、管理できないということで、こういうぐあいに県が今、一生懸命整備されておるのですけれども、基本的に災害にならないようにする程度のものなのか。または徹底的に直していくのか。
それと、もう一つは、受益者負担が伴うことがあるので、災害ということになると、受益者負担なしでこれをやっていくのか。どういう感じでこれから進めていかれるのですか。
●島﨑農地・水保全課長
まず、ため池の制度なのですけれども、改修するに当たって、今動いています制度は、ため池が老朽化、いわゆる底樋とか斜樋とか、水を取ったりするところが破損したりとかすることによって、水が取りにくくなっている。または、ため池自体が漏水がひどくなりまして、早急に整備が必要になってくる、こういった老朽化に対する工事をするものが一つあります。これにつきましては、中山間地ですと、地元負担が2%でできる事業が国でございますので、こういった事業を活用しながら、整備を進めているところでございます。
また、国は28年度から、県は本年度からですけれども、制度が拡充されて、地震対策の事業ができておりまして、こちらにつきましては、一般地域、中山間地域とも地元負担ゼロでできる制度が新たにできておりますので、こういった制度を活用しながら、ため池の整備を順次進めていきたいとは思いますが、どうしても国の予算とか県の予算もありまして、整備を要望されるところのハード工事をすぐすぐできるという状態ではありませんので、計画的に進める上で、まずはハザードマップの作成とか、そういったソフト面を活用しながら、まずは危険度の高いところを優先的に整備を進めていきたいと考えておるところでございます。
○斉木委員
わかりました。そういう地元負担がゼロということでは、これは進めやすいものですからね。今、地元の受益者なども、ごらんのとおり、そこに住んでいる人がおるかおらんかということもあるわけでして、地元負担ゼロで工事をやっていくこと、これは大事なことですので、ぜひこれは進めてもらいたいのだけれども、やはり予算とらないと、進まないわね。ですから、125カ所を30年度から全部やってしまわれるのですか。この予算は、ため池整備の箇所数の増で。ただ125カ所をふやしたという、そこを目標にやるということですか、箇所数の増、平成
30年度、125カ所というのは。
●島﨑農地・水保全課長
これは、これまで整備してきたもの等の累計でございます。
○斉木委員
非常に危険なところがあるし、実際に人的被害が出るようなところもございますしね。それと、今言ったように、整備がなかなか高齢化で進まないということですので、このため池もさることながら、その下流の用水路ですね、ため池から流れる水路。これの整備もやはり関連があるので、同じような考え方をしていかなければ、中山間地の下流というのは多分、耕作放棄地が物すごく多いのですよね。そういう面で、それを一体的にやっていくということが本当に必要です。これは進めていただきたいなという。負担ゼロでぜひ進めていただきたいなと思うので、しっかり予算をつけて、下流の危険がないようにしていただきたいなという、要望をしておきます。
◎森委員長
要望ですね。
ほかにございませんか。よろしいですか。
それでは、報告事項に移ります。
執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いいたします。
質疑については、説明終了後に一括して行うことといたします。
それでは、まず、報告1、農地中間管理事業の実施状況について。
●加藤経営支援課長
それでは、資料の1ページをお願いいたします。農地中間管理事業の実施状況としまして、平成28年度の事業実績が国で公表されましたので、その状況を報告いたします。
この実績は、5月23日に農林水産業・地域の活力創造本部で報告、公表されたものでございまして、本県の実績は、真ん中あたりにある表にまとめているとおりでございます。この表をちょっと見ていただきたいのですが、一番左側に年間集積目標面積(1)というのがございます。単位はヘクタールでございますが、鳥取県は1,090ヘクタール、これは平成35年、いわゆる10年間で担い手に農地をどれだけ集積していくかということで、国が現状、5割を8割にしますと。鳥取県の場合は2割を5割にするといった目標がございまして、それを10年間、1年間でどれくらいふやしていくかという数字、それが1,090でございます。ちょっと右側に行っていただきまして、(4)番、機構の転貸面積、貸し付けた面積ですね。これが28年は744ヘクタール、そのうち新規に担い手でない人が持っていた農地を担い手に集積した面積が388ヘクタールということでございました。これが目標に対する寄与度ということで、(5)割る(1)の割合であらわしていまして、36%ということです。これを国で全国的に何県が何位かということを出していまして、この全国順位が本県の場合は3位というところでございます。26年度が8位で、27年が9位ということで、上位をキープしてきているといったところです。全国的に見ますと、やはり北陸とか東北、それから、中国地方の順位が高くなっておりまして、近県でいうと、島根県は11位、広島は14位、岡山16位、山口18位といったような状況になっております。ちなみに、1位は福井県、2位は秋田県ということでございます。
この実績が伸びた要因としましては、担い手育成機構を中心に、市町村を初めとした関係機関で担当者が人・農地チームを設置して、農家への周知徹底、ケーブルテレビで放映したり、日本海新聞に広告を出したりといったこともやってきております。それから、地域における話し合いを一生懸命進めてきたという成果であるというふうに考えているところでございます。
今後の方針として、今年度、まず、引き続き平成28年に各市町村に設置した人・農地チームを一層機能させて、集落等における話し合いを進めてまいりたいと考えております。
新規就農者、あるいは担い手の法人化、集落営農といったことで、農地の受け手である担い手の育成支援を強化してまいりたいと考えております。
3つ目としまして、土地改良事業と連携した農地集積、昨年あたりから耕作条件を改善する遊休農地などの解消とか、耕作条件を改善する基盤整備ものが国でできておりまして、これらと連携して農地中間管理事業を活用して、担い手へ農地集積を進めたいというふうに考えているところでございます。
◎森委員長
それでは、報告第2、平成29年度第1回食のみやこ戦略チーム会議の開催結果について、前田とっとり農業戦略課長の説明を求めます。
●前田農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
それでは、2ページをお願いいたします。食のみやこ戦略チーム会議についてでございます。この会議につきましては、2年前に設置いたしまして、今年度の第1回ということで御報告を申し上げるものでございます。
(4)概要でございますが、今回は報告事項といたしまして、(ア)28年度の県産トップブランドの動き・成果。主なものが以下のとおりでございまして、例えば本県の子牛の競り価格が100万円を超えたとか、それから、松葉ガニの五輝星でございますが、こちらの初競り価格も130万円ということで、非常に話題性があったとか、こういった成果を振り返るとともに、(イ)でございますが、中部地震からの産地復興ということで、王秋、梨の生産振興であるとか、水産分野、そして、白バラブランドの振興、こういったものをまず冒頭で御報告を申し上げました。
その次に、イの検討議題でございますが、品目別のブランド戦略の方向性につきまして、当事務局からお示ししながら、御意見を承ったところでございます。中ほどの表が本年度の取り組みの方向性でございまして、鳥取和牛から一番下の原木シイタケまで、取り組みの方向性を記載しております。例えば鳥取和牛につきましては、今回の6月補正でも提案させていただいておりますが、宮城全共後の販売戦略の強化でありますとか、それから、県産鳥肉のPRでありますとか、こういったことを各品目ごとに本年度の方向性をまず記載しております。
これに対しまして、委員の皆様方からさまざまな貴重な御意見を頂戴しました。その主なものをウとして掲載しておりますが、例えば和牛につきましては、東京での販売も重要ですけれども、地元の旅館とか飲食店とか、やはり県ぐるみでの取り組みが非常に重要だという御意見を頂戴しました。それから、(3)番目、ジビエでございますけれども、ジビエの鳥取ブランド化を進めるには今がチャンスであるとか、こういったさまざまな意見を頂戴したところでございます。
今後、ブランド戦略をさまざま検討する際に、しっかりと反映していきたいというふうに思っておりますし、その方向性等につきましては、随時、本委員会にも御相談を申し上げたいというふうに考えておるところでございます。
◎森委員長
報告第3、主要農産物の生産販売状況について、永原生産振興課長。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
3ページをお願いいたします。6月6日現在の主要農産物の生産販売状況について御報告申し上げます。
ラッキョウにつきましては、182ヘクタールと前年比98%、生育につきましては、前年同様、他産地が不作傾向にありましたので、数量も少なく、単価が非常に前年を上回って、いい状況でございまして、平年産以上の出荷数量が見込まれておりまして、単価も非常に期待できる状況でございます。表を見ていただきますと、6日までの数字が出ておりますので、ごらんください。
2番のスイカですが、スイカにつきましては288ヘクタール、前年比が101%、特徴といたしまして、昨年、ことしと低コストハウスの導入が進んでおりまして、前進化が進んで、かつ、品目的にも安定しているという状況でございます。生育状況ですが、昨年の豪雪によりまして、圃場の準備等がおくれまして、非常に心配しておりましたが、その後の天候等がよかったこともありまして、順調に推移しておりまして、ハウス、トンネルとも着果は非常に良好でございます。3L中心の玉流れになっておりまして、数量、販売は前年を上回っておるところでございます。
3番の白ネギです。白ネギも豪雪の影響によりまして、春ネギが影響を受けておりますが、その後の夏ネギに関しては、安定した天候で順調に生育しております。販売状況のところで、現在が非常に順調な販売となっております。6月5日現在ですが、その後も高単価に推移しておりまして、前年がかなり高単価でございましたが、それを追うような非常に高単価で推移しておるところでございます。
初夏どりブロッコリーでございますが、定植、生育とも順調に進んでおりますが、5月の降水量が少ないということがありまして、若干出荷が鈍化してきております。ですけれども、品質的には非常によいものがあって、各産地、出荷がおくれるということがあるものですから、順調な販売で推移しております。これにつきましても、ブロッコリーも3年間、過去最高という状況でございましたので、ことしも同様に、非常にいい状況でございます。
◎森委員長
次に、報告第4、水辺の環境保全協議会の設置について及び報告第5、平成29年度第1回湖山池会議の開催概要について、平野水産課長。
●平野水産振興局水産課長
では、資料4ページをお願いします。水辺の環境保全協議会の設置について報告いたします。
県内の三大河川、千代川、天神川、日野川において、近年、魚類、特にアユの漁獲量が減少している背景などを踏まえまして、各水系全体の生態系を豊かにするため、関係機関が情報を共有し、水辺の環境保全の推進及び実施について協議することを目的として、先週6月5日に水辺の環境保全協議会を新たに設置しました。この水辺の環境保全協議会で協議する事項は、河川環境の保全に関すること、河川の連続性、魚類等の遡上阻害改善に関すること、具体的には、魚道の設置、改修に関することです。それから、魚類等の減少、不漁原因及び漁場改善に関することなどとなっています。
メンバーですけれども、3河川の漁業協同組合、それから、国として鳥取、倉吉、日野の河川国道事務所、県は河川課、農地・水保全課、緑豊かな自然課、水産課などとなっております。それから、専門家、学識経験者となっています。
この協議会での協議内容と結果ですけれども、まず、この協議会の設置について了解されまして、会長として水産振興局長が就任いたしました。環境保全のための具体的な方法等については、今後、専門家、学識経験者が現地調査を行い、3河川の部会を設置して、そこで検討していくということになりました。多自然川づくり、あるいは簡易魚道についての紹介、説明がございました。それから、魚道の整備改修方針としまして、これまで設置した魚道の検証を行うとともに、阻害等がある場合、原則、河川本流の下流側から整備を行うということが決定されました。
今後の予定ですけれども、今月末から9月にかけて水系ごとの部会、あるいは現地調査を行い、10月をめどに具体的な整備計画の案を決定することとしております。
続きまして、5ページをお願いします。平成29年度第1回湖山池会議の開催概要について報告いたします。水産に関係いたしますのが4のところでして、4から説明をさせていただきます。
湖山池におけるヤマトシジミの漁獲量・資源増殖策についてということですけれども、湖山池ではシジミが平成26年から漁獲されておりまして、右に表が載っておりますけれども、平成26年で20トン、平成27年、33.67トン、それから、平成28年、9.6トンという漁獲でして、昨年、平成28年は大幅に減少しております。この理由ですけれども、池全体の推定資源量約55トンというふうに栽培漁業センターで推定しておりますが、それの半分以上を漁獲しているということで、要はとり過ぎであるということでございます。水産資源は、適切に管理すれば、持続的に利用が可能な資源でございまして、シジミを継続的に利用していくために、もっと厳しい資源増殖策をすべきではないかということで、県、水産課、栽培漁業センター、漁協と話をしまして、今年度から、まず、漁獲量につきましては、これまでの10キロから5キログラムにする。それから、新たに禁漁区域を設けて、漁場の約半分を禁漁区域にして、年ごとにそれを交代で使っていくという形にすること。それから、去年から始めたのですけれども、シジミの幼生を、採苗器を設置して、タマネギ袋の採苗器なのですけれども、そこに稚貝を付着させて、成長に適した場所に放流するもので、昨年やって、一定の効果が認められましたので、ことしは規模を拡大してやるということが紹介されたところでございます。
そのほかにつきましても、簡単に紹介いたしますと、まず、1番、ことしの水質管理ですけれども、これまで同様、DO、溶存酸素の確保に考慮しながら、将来ビジョンに定める塩分濃度の範囲、2,000から5,000の範囲で管理をすることとしております。ビジョンの進捗状況ですけれども、この塩分濃度につきましては、平成24年、25年はビジョンどおり管理できなかったのですけれども、この直近の3年間、26年、27年、28年については目標範囲内で管理されております。そのほかの水質指標ですけれども、CODにつきましては、昨年、目標値を達成しておりまして、それ以外の数値につきましても、おおむね改善傾向で推移しているというところでございます。
3番目、湖山水門の運用ということで、ことしの3月に新しい水門が完成いたしまして、5月26日から本格的に運用しております。この水門では、塩分濃度が薄くてDOが高い表層の水を入れるということで、より適切な水門操作をやっていくということになっております。
5番目、湖山池の利活用ということで、市から湖山池周辺で実施される各種イベントについての報告がございました。
◎森委員長
それでは、報告第6、とっとりジビエの全県展開に向けた意見交換会の開催について、塗師木食のみやこ推進課長。
●塗師木市場開拓局食のみやこ推進課長
6ページをごらんいただければと思います。とっとりジビエの全県展開に向けた意見交換会の開催について御説明させていただきます。
鳥取県内におけるジビエ活用の取り組みですが、これまで県の東部を中心に取り組みが進んでおりまして、平成24年にいなばのジビエ推進協議会が、当時では連絡協議会として発足いたしまして、また、東部の若桜町の鹿肉などが首都圏のシェフなどを中心に非常に評価が高くて、これまで県東部を中心に取り組みが進んでまいりました。一方、最近ですが、県中西部におきましても、ホテルの料理人などを中心にジビエ活用の機運が非常に高まっておりますので、こういったことを踏まえまして、とっとりジビエの全県展開を進めるため、県内のジビエ関係者が一堂に会する意見交換会を5月31日に開催いたしました。
主な出席者については、3番のところに記載してございますが、県内の処理施設ですとか、また、ジビエ関係組織、猟友会ですとか、いなばのジビエ推進協議会、また、料理人、飲食店ということで、全日本司厨士協会米子支部、これは、米子全日空ホテルの菅原料理長が県西部のホテルでジビエの取り組みを最近進めていただいておりますので、こういった方々ですとか、また、和食の分野におきましても、惣和会、これは、最近発足いたしました県内の若手の和食料理人の団体でございますが、こういった洋食、和食の料理人の方々にも御出席いただきました。このほかに、県内の市町村ですとか、先日、県とも協定を締結しました辻調理師専門学校、また、鳥取銀行、サンマート、あるいは県の関係部局にも出席いただきまして意見交換会を開催したところでございます。
この中で得た意見につきましては、4番のところに記載してございますけれども、まず1つ目は、捕獲、解体処理技術の向上、普及というのが重要であるという意見が出てきました。若手狩猟者を初めとして、幅広い範囲での猟師の育成が必要であるということで、猟友会ではハンターの育成スクールも開講しておりますので、こういったところで捕獲の面でのスキルアップを図っていただくということです。また、ジビエの安定供給、安全・安心を確保するためにも、人材育成が必要だといった意見もございました。こういったことを踏まえまして、いなばのジビエ推進協議会が東部でジビエの解体処理の研修を実施しておりますので、こういった研修に中西部の方にも参加していただくなどして、全県的に解体処理のノウハウを共有してまいりたいと思っております。
(2)でございますが、衛生管理の向上も課題でございまして、やはり首都圏など、販路拡大を進めていくためには、安全・安心の担保というところでHACCP認証などが重要になってくるというところでございます。こちらに記載してございますが、わかさ29工房が県版HACCP取得予定と記載しておりますが、これは先日の6月2日付で認証がおりまして、今月20日には認証の交付式も実施する予定でございます。こういった県版HACCP取得予定のわかさ29工房を視察するなどして、加工技術の向上を図るということも重要であると思います。
また、3番目でございますが、供給量、価格の安定化ということで、学校給食ですとか、一般家庭で普及を進めていくためには、やはり安定した価格と供給量の確保が必要でございますので、利用率の向上等により対応を検討してまいりたいと思っております。また、県中西部においても活用の機運が高まっているということで、ジビエ振興の体制を構築することも今後、検討してまいりたいと思っております。
そのほかに出た意見としましては、川上から川下までさらなる連携を深めていくことが重要であるですとか、ジビエとほかの県産食材やワインとの組み合わせ、あるいは和食での活用など、さまざまな食べ方の提案ということも意見として出てきました。そのほかに、高価な部位については、付加価値を高めてブランド化を進める一方で、安価な部位については、一般家庭の消費者にも使いやすくしていくことも重要であり、価格帯に応じた販売戦略も必要だという意見も出てまいりました。また、ブランド化に向けてジビエの価値観をつくっていき、ほかの地域ですとか、ほかの食材との差別化を図ることも重要であるという指摘もございました。また、ジビエについては、現在、国でも会議が立ち上がったりして、全国的な動きもあるので、その動向を注視しながら、農林水産省等とも連携しながら、とっとりジビエのブランド化を進めることが重要であるということでございます。
◎森委員長
報告第7、一定額以上の工事または製造の請負契約の報告について、島﨑農地・水保全課長。
●島﨑農地・水保全課長
7ページをごらんください。このたび、西部総合事務所農林局が新規の工事契約を1件、東部農林事務所が変更の工事契約を1件、それぞれ締結しましたので、その概要について報告いたします。
まず、新規の工事契約についてですが、工事名が平成28年災下蚊屋ダム施設災害復旧工事(201/50)でございます。この工事は、鳥取中部地震で下蚊屋ダム湖内に張り出しました、通称馬の背と呼ばれる箇所ののり枠及びのり面が被災しまして、長さ44メートル、のり長43メートルにわたって崩れたため、のり枠工及び吹きつけ工等によりまして復旧するものでございます。下蚊屋ダムは大山周辺の畑地かんがい用水の水源ですので、貯水した状態のままでダム水位を調整しながら工事を行う必要がありまして、工事内容としましては、まず、大山で崩れた土砂やのり枠等のコンクリート殻を撤去した後、水中及び陸上部ののり面の土質に応じたのり面方法を行うものでございます。
契約の相手側は記載の共同企業体でございますし、契約金額、工期については、記載のとおりでございます。
次に、変更の工事契約についてでございます。下の枠の中でございます。工事名は大口堰地区河川工作物応急対策事業(頭首工改修)工事でございます。変更の内容は、仮設用土を他工事に有効活用するため、近傍の造成工事現場内に仮置きすることとしておりましたが、当該造成工事の遅延によりまして仮置きできる時期が延期となったことに伴いまして、5月30日までの工期を6月15日まで延期したものでございます。
◎森委員長
今までの説明について質疑等はありませんか。
○山口委員
まず、1ページでございますけれども、この全耕地面積というのは、基盤整備をしないところも含めて、耕地面積というのか、まず、それが一つ。
借入面積は全国3位ということですけれども、この中山間地で全然手入れが入っておらんところがあるわけですね。このベースは。
●加藤経営支援課長
全耕地面積の3万4,700ヘクタールの中には、基盤整備がされていない農地も入ってございます。ですから、水田だけでなく、畑とか樹園地も入っております。
○山口委員
ですから、集積が可能な面積というのは、どこがある。
●加藤経営支援課長
ここで数字は出していないのですけれども、農業振興地域の整備に関する法律というのがございまして、市町村がこれからも優良農地として使っていく農振農用地という区域がございます。そこら辺が今後も活用していく農地になってこようかと思います。
○山口委員
それはわかった。
それと、このアユの水辺環境保全。去年もそうですけれども、ことしは、6月1日からアユが解禁になっていますが千代川でアユを釣る人は今は一人もいないでしょう。それほど天然遡上のやつもないし、それから、放流のアユもですね。いや、鳥取からずっと河原のあたりは本当に一人もいないですよ。やっぱり天神川とか日野川とか、同じようなこれは傾向なのですか。こういうことはめったにないですよ。それで、組合員もどんどんどんどん減ってしまっておる。ですから、運営もなかなか難しい。こういうのが実態ですね。だから、自然遡上をどうするか。放流だけではどうにもなりませんし、このあたりは私どもが要望してきたところですけれども、実態はどう見ておられるかな。
●平野水産振興局水産課長
山口委員からの御指摘につきましては、この水辺の環境保全協議会でも話は出まして、現状等について栽培漁業センターから報告がございました。まず、6月1日解禁になっての状況ということですけれども、日野川が少し釣りをしているほかは、千代、天神とも非常に少ないというふうに聞いております。このアユの減少なのですけれども、3年前から急激に落ちていまして、ことしが4年目という状況になります。アユの減少している理由としましては、大きく4つの理由が考えられると。1つは、カワウがふえて、カワウがたくさん飛ぶからということ。それから、もう何年にもなるのですが、アユの冷水病が蔓延していまして、この冷水病の影響によってアユが少なくなっていると。それから、川の環境という中で、昔あったふちがなくなったですとか、あるいは、産卵場に土砂がたまっているという、そういった川の環境によってアユが減っているということ。それから、最後に、海の環境ということで、アユは産卵すると、海に下って、そこで冬を越して、5月ごろになると、また遡上してくるということになるのですけれども、その遡上数量が非常に少ないということで、今言った4つのことが大きな理由として考えられています。そういったことを踏まえまして、県では、去年もやっているのですけれども、ことしからさらに人員的にも専用の職員も増員して、アユの不漁原因、資源の減少の原因について調査を行い、その対策について検討していこうということで考えているところでございまして、今現在も川、あるいは海での調査は行っているというところでございます。
○山口委員
実は私も漁協の組合員だったのですけれども、もうやめてしまったのですね。そこで、減少する過程の中において、今、4つほど言われたのですけれども、河川整備がどんどんどんどん進んだところは、確かに河川が汚染されて、遡上するアユが減ってきておるというのは事実です。今、ほとんどと言っていいほど河川改修というのはなくなってしまって、割合環境がよくなったのではないかなと思います。今、4つの条件を言われたのですけれども、カワウであるとか、それから、稚魚の放流も産地によって大分違うわけですね、それは。例えば琵琶湖産であるとか、四国産であるとか、それに適したものでないと、なかなかその川に合ったものでないですと育たないということがあって、もう本当に6月になってからあそこを通ってみましたら、一人も釣り糸を垂らしておる人はいないですよ。本当に寂しい状況でございまして、それで商売をしておった河原であるとか用瀬だとか、そういう例えば商売人も料理屋も、これは大変な状況なのです。島根県の川は割合いいということだからね。いけないのか。全国的なのかな。(「日本海側は総じて余りよくないです」と呼ぶ者あり)ちょっと抜本的にやらなければいけない。よく研究されて、対応してもらいたいと思います。
●平野水産振興局水産課長
まず、全国的な状況でいいますと、ただいま局長が申しましたとおり、西日本の日本海側については鳥取同様、隣の島根、兵庫、それから、山口も悪い状況でございます。ただ、太平洋側につきましては、昨年まで悪かったところも、ことしからはとれ始めたという話もありまして、それがどういうことなのかというのは、今後、研究者で検討されるというふうに聞いております。
種苗なのですけれども、確かに琵琶湖産の種苗というのは、仮に放流しても、再生産には一切寄与しませんし、それから、冷水病を持っている可能性もあるということで、できるだけ海で生まれた、そこで育てた稚魚を放流すべきというふうに考えていますけれども、漁協にもいろいろと経済的な事情もあって、琵琶湖産が安いからということで、やむを得ずそういった放流も続けられているという実態がございます。全体として、本当にこのアユの減少原因というのは非常に難しくて、これという決め手がない状況なのですけれども、地道に調査、研究を行いまして、何とかその対策についても考えていきたいというふうに思っています。
○山口委員
千代川をずっと上流から下流まで見ても一人もおりませんよ。
●小畑水産振興局長
私も実は千代川沿いに住んでいるものですから、毎日、通勤のときに見ていまして、山口委員のおっしゃるとおりで、もう本当に一人もいない状況だと思っています。今、平野課長が申しましたように、原因はさまざま考えられると思いますけれども、今回、こういった協議会も設置させていただきましたし、ことしから栽培漁業センターに川の専門に当たらせる職員も1人増員させていただきました。こういったこともやっておりますので、原因究明や他県の状況も含めながら、きっちりと研究していって、今後、対策を検討していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
◎森委員長
ほかに。
○興治委員
2ページに、ちょっと関連してみたいなことではあるのですけれども、ここにブランド戦略ということで、鶏肉というのが出ています。出席者からの意見も、地鶏は、とり年で追い風が吹いているとか、この流れに乗って、羽数をふやし、地域の活性にもって書いてあります。それで、東京の方に会うと、大山どりということを結構口にされるのですね。だから、東京では大山どりというのが相当浸透しているのかなと思います。それと、あと、先々月ぐらいだったか、東京大学だったかなと思うのですけれども、農学の先生の話を聞く機会があって、鳥、豚、牛の需要動向というのを見ると、鳥は需要がふえてきていると。牛は現状維持程度であるということだったと思うのです、国内で。世界的に見ても、ヨーロッパでは鳥肉の需要がふえていて、やはり同じような傾向。牛肉は横ばい、豚肉も若干ふえていたかなとは思いますけれども、アメリカでも似たような傾向だということだったと思うのです。それで、結局、鳥肉というのは高たんぱくで脂肪が少ないということで、今の健康志向に合って、需要が伸びてきていると。国際的にも需要が伸びてくると、国際価格が上がったりして、日本に入ってくる輸入肉の量も減ってくると。そうすると、鳥肉をつくることによって、国内需要が伸びてきているわけですから、さらに確保することができるのではないかという話だったのです。鳥取県の場合、鳥取地どりピヨという地鶏のブランド品を持っているわけですし、大山どりというのは地鶏ではないですけれども、そういうふうに名前が浸透しているというのを活用して、鶏肉の生産を県内でもさらにふやしていけるのではないかなという気がしたのですね。ですので、そういった市場の動向だとか、どういったものが好まれているのか。それを把握した上で、県内における鶏肉の生産をどうするのかというあたりをもう少し詰めて考えていけるのではないかなと思ったわけです。ちょっとそのあたりについて、どうでしょうか、何か御見解なりがあれば。
●岡垣農業振興戦略監畜産課長
ただいまの興治委員からの御質問でございますが、実は鳥取県というのは鳥という名前がついているだけあって、ブロイラーが実はかなり生産量が多いと。今、全国でも10番目ぐらいの数になりました。というのは、先ほどおっしゃられた大山どりさんとか、あと、中部の琴浦に米久さんというのがございまして、そこがかなり飼っておられる。このたび、9月にまたさらに大きな養鶏場をつくられるということもあって、また、さらに数がふえるということとなっております。実際にブロイラーということに関しては、鳥取県は非常にたくさんの数を飼っておるということになります。
先ほどおっしゃられた地鶏の話なのですけれども、ピヨにつきましても、非常に大阪でも高級な、例えば二つ星、三つ星のミシュランのレストラン等のシェフからも評判がよくて、非常につくってくれ、つくってくれという声もあるのですが、なかなか生産体制が整わないというところもあって、そういった状況で、何とかふやしていこうと地鶏に関しても思っているところです。鳥全体からいえば、鳥取県というのは非常にふえていると、多く生産している県ということで、委員がおっしゃられたように、県としても応援している部分、これはちょっと商工がかなりバックアップはしているところなのですけれども、そういうことをしているというところでございます。
○興治委員
商工がバックアップするのもいいと思うのですけれども、もっと力を入れてもいいのではないかなという気がしたのですよね。地鶏の生産にしても、山陰食鶏だったかな、がやめてからもう何年もたつんだけれども、なかなか生産が広がっていかないというのがあるし、まだまだ力を入れて需要に見合った生産をできる余地があるのではないかなと思うのですね。ブロイラーの生産については全国10位ぐらいだということで、さらにふえるということで、これはこれでいいのだろうとは思うのですけれども、部長さん、もう少し力を入れたらどうですか。どうでしょうか。
●岸田農林水産部長
特に地鶏に関しては、これまで生産者、特に鹿野の生産者になります。それから、淀江の大山どりさん、これを中心に生産拡大を我々も働きかけているわけですが、ここに来て、鹿野地鶏さんはちょっと拡大してみようかという内部の方針決定がされたというふうに聞いております。そこをまずは起爆剤にして、また、東部の別の新しい農業者の参入も、ちょっと飼ってみたいという方も今、出てきておられますので、そういう方にちゃんと県も新規の飼養、もしくは拡大へのアドバイス、それから、ハード事業、鶏舎の整備等のそういう事業も十分活用していただいて、県全体で1羽でも多く地鶏の生産ができるように、ことし、また、もう一遍ねじをまき直していきたいと思います。
◎森委員長
ほかにありませんか。よろしいですか。
それでは、次に、その他ですが、農林水産部に対して執行部、委員の方で何かございますか。
●前田農業振興戦略監とっとり農業戦略課長
済みません、お時間を頂戴いたします。
お手元にカラーのチラシをお配りしているかと思いますが、ごらんいただけますでしょうか。食のみやこのイベントでございまして、例年、この時期に行うものでございます。JA鳥取中央さんを中心にした実行委員会を設置いたしまして、ことしも6月24日、25日に食のみやこフェスティバルを開催することになりましたので、委員の皆様に御案内を申し上げるものでございます。
なお、今回は中部の会場でございますが、東部、西部につきましては、例年、秋に開催しておりますので、また、時期が来ましたら、皆様に御案内をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
◎森委員長
それでは、皆さん、あとはよろしいですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
それでは、農林水産部につきましては以上で終わります。
暫時休憩いたします。再開は13時といたします。
(執行部入れかわり)
午前11時47分 休憩
午後1時00分 再開
◎森委員長
それでは、引き続き、商工労働部、企業局に係る付議案の予備調査を行います。
質疑については、説明終了後、一括して行っていただきます。
なお、政務調査会で説明を受けたものもありますので、執行部の説明は要領よく簡潔にお願いいたします。
また、報告第10号、長期継続契約の締結状況については、議案説明資料のとおりであり、特に説明は要しないことといたします。
では、岡村商工労働部長に総括説明を求めます。
●岡村商工労働部長
森委員長、島谷副委員長初め、各委員の皆様、よろしくお願いいたします。
では、座って説明させていただきます。
それでは、6月定例会に提案しております商工労働部所管の議案について説明いたします。
お手元にあります議案説明資料の1ページをごらんください。議案第1号は平成29年度一般会計補正予算に関するもので、当部関係で71億8,710万円余の増額をお願いしております。このたびの補正予算は、先端技術分野における起業を促進するため、中小企業基盤整備機構及び地元金融機関と共同で新たに総額50億円の運用型のファンドを造成するほか、企業立地事業、中部地震からの復興に向けた県版の経営革新の復旧・復興型補助、復興融資に係る利子及び保証料の軽減等について、工事見積もりのおくれや新規被害の判明により新たに生じた見込みに対応するための増額をお願いするものであります。予算関係以外では、中部地震からの復興を加速化するため、企業立地事業助成条例の一部を改正し、県中部における被災された地元の中小企業の設備投資に対する加算措置を新設することとしております。
なお、当初予算で既にお認めいただいた県立ハローワークにつきまして、7月に米子、境港、東京、関西の4カ所に開設することとし、平成27年度に開設したとっとりプロフェッショナル人材戦略拠点と一体となって県内の企業の人材確保に取り組んでまいります。
詳細につきましては担当課長が説明いたしますので、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
◎森委員長
それでは、続いて、関係課長から順次説明を求めます。
●池田立地戦略課長
それでは、2ページをお願いいたします。2ページ、3ページでございますが、企業立地事業補助金ということでございまして、主要事業でも説明させていただいておりますので、かいつまんで説明いたします。
まず、2つございまして、1つは、このたび中部地震の被災地域における投資促進のための制度拡充ということでございます。中部地震の被災企業におきましては、修繕費の助成であるとか、低利融資等々、おおむね対応できているところでございますけれども、復旧の負担等から、投資計画を延期したり、または、新たな事業拡大に踏み出してこれていないと、そのような状況が多く見られておるところでございますので、中部地震で被災した中部5市町村の中小企業で雇用増を伴う新たな投資を計画しておられる、こうした企業に対し、通常の10%、30%といった補助率がございますが、この補助率に5%を上乗せするといったような制度拡充を限定して行わせていただきたいということでございまして、投資額の10億円を超える部分については通常の補助率で対応すること。補助金は5,000万円を上限とすること。さらに、ことし、来年の2年間限定の制度とすると、このような形で取り組んでいきたいと考えております。
もう一つは増額補正でございまして、19億円余ということでございます。今年度の当初予算成立以降に事業を進捗しまして、上半期以降の支払い分が確定してきたものにつきまして、新たに補正をお願いするといったところでございまして、詳細につきましては3ページに記載しておりまして、Cにつきまして、特に具体的な企業で、このような企業にお支払いする補助金ということでございます。
引き続きまして、4ページでございますが、工業団地再整備事業補助金、360万円余ということでございます。こちらにつきましては、市町村の行う工業団地の整備等につきまして、上限10億円ということで、補助率2分の1で支援する事業でございますが、このたび鳥取市が行っております布袋工業団地の団地造成等におきまして、28年度完了予定していた事業につきまして、一部大雪等により29年度に実施がおくれたものがございますので、その分、事業費につきまして、起債を充当し、その交付税措置を充当した残りの一般財源に対して2分の1を補助するといったような制度となっております。
5ページでございますが、新規工業団地整備支援補助金ということでございまして、こちらは今の制度と連動いたしますが、工業団地の整備につきまして、起債を調達する、その際に生じた支払い利息の2分の1を助成する制度でございまして、鳥取市が行っております布袋工業団地及び山手工業団地の整備の借り入れにより調達した経費の利子の2分の1を補助させていただくということで、28年度の事業費が固まりましたので、このたび補正させていただいたところでございます。
6ページでございます。企業立地事業環境整備補助金ということでございまして、5,700万円余ということでございます。こちらにつきましては、排水処理施設の整備等につきまして、補助率を通常の企業立地補助金よりもちょっと高く、2分の1ということで補助させていただくような制度でございますが、境港市にございます株式会社錦海化成、こちらは養殖用の飼料製造の生産能力増強の設備投資を行っておりますが、その飼料の原料となる魚のあらから成分をとり、その排水処理に伴う設備投資につきまして、2分の1で補助させていただくものでございます。
引き続きまして、19ページをお願いいたします。19ページにつきましては、先ほどの新規工業団地整備支援事業補助金につきましての債務負担行為をお願いしておるものでございます。
さらに、20ページでございますけれども、こちらは企業立地事業助成条例の一部改正でございます。こちらにつきましては、先ほど2ページで説明いたしました立地事業補助金、こちらの制度改正に伴う条例の一部改正ということで、21ページに詳細を示させていただいております。
●佐々木産業振興課長
7ページをお願いいたします。とっとり発イノベーション!起業化促進事業でございます。この事業につきましては、先端技術分野におけます県内の起業、あるいは新事業展開、こういった取り組みを支援するために、ファンドを新たに造成して運用しようとするものでございます。
最初に、ファンドの成り立ちでございますが、2の(1)に帯グラフを掲載しております。現在、実は次世代・地域資源育成ファンドということで、これは平成19年に造成いたしまして、ことしの9月に満了を迎えます。その際に、中小機構から40億円、そして、県が10億円拠出いたしまして、50億円で現在、ファンドを運用しております。新規のファンドにつきましては、この中小機構の40億円を引き継ぎまして、県が5億円、そして、金融機関が新たに5億円出していただきまして、50億円、同額で運用してまいりたいと考えております。
ファンドの運営内容でございますが、2に記載のとおりでございます。産業振興機構が50億円で10年間運用いたします。運用益につきましては、2,000万円を予定しております。これは、社債の運用を行う予定でございますが、非常に低金利でございますので、現在、2,000万円で検討しています。この2,000万円を財源にいたしまして、支援の内容でございますが、(4)の表に記載のとおりでございます。先端技術分野ということで、バイオ創薬、あるいは医療機器、こういった県内でいいシーズが生まれつつあるもの、こういったものを重点的に支援してまいることといたしております。支援内容としては、定額の助成で1,000万円、そして、商品化に向けました資金需給のギャップが非常に大きいタイミング、それは技術の検証でありますとか、あるいは試作品の磨き上げ、こういった部分での支援を想定しております。
なお、下に書いてございますが、ファンドサポート会議というものを設置いたします。県、そして、金融機関だけではなくて、先端技術分野でございますので、外部の専門家、目ききの方にお入りいただいて、運営方針並びに採択先の決定に努めてまいりたいというふうに考えております。
あわせまして、この事業につきましては、債務負担行為もお願いしております。19ページでございます。上の表の下の段でございます。起業化促進に関するファンドに係る損失補償ということで、50億円を上限といたしまして債務負担行為をお願いしています。これにつきましては、今回の国のルールによりまして、ファンド総額、今回でしたら50億円ですが、その元本保証を県が行うということが事業の採択の要件になってございます。その要件、国のルールに基づきまして債務負担行為をお願いしているものでございます。
お戻りいただきまして、8ページをお願いいたします。とっとりバイオフロンティア基金造成補助事業でございます。現在、米子市内にとっとりバイオフロンティアを平成23年から設置して、運営しております。これは、鳥大の染色体工学技術を活用いたしまして、バイオ産業の集積ですとか、あるいは事業化、こういったものを支援する施設として運営しております。この施設につきましては、指名指定管理施設として、現在、県の産業振興機構に管理委託をしております。今回の予算につきましては、全庁一本化のルールといたしまして、こういった指名指定管理施設については、毎年の管理委託料で余剰が出た場合、一旦県に返納いただきます。その返納額のうち、経営努力によらない部分を差っ引いた残りの額の3分の2に相当する額について、改めて県から指定管理者に補助ができると、そういったルールをつくっております。そのルールに従いまして計算しますと、中ほどの表のとおりでございまして、812万円という額になります。今回の補正は、この額について補正をお願いするものでございます。
●谷本企業支援課長
引き続きまして、9ページをお願いいたします。がんばる企業を応援!特別金融支援事業でございます。
この事業は、中部地震からの復旧ですとか、中部地震により被害、影響を受けた企業の皆様に設備資金、運転資金なりを当初5年間、無利息、無保証料という形で融資するという制度でございまして、昨年の11月から実施しております。下の2番のところの融資枠、補正予算額という表をごらんいただきたいのですけれども、今年度予算として、昨年度から引き続きの50億円の枠で予算を確保しておりました。しかし、今現在の状況ですけれども、その上のところに平成29年度までの融資見込み件数で、全体としてなら150件余り、29年5月19日現在で570件余りの保証承諾と融資実行が行われております。現在のところで137億円の融資が行われておりまして、必要な予算、金融機関、保証協会等、金利の減免なり、保証料の減免の必要な予算を確保するために、今回、融資枠全体として190億円、予算として3億3,700万円余りの増額補正をお願いするものでございます。
続きまして、10ページをお願いいたします。鳥取県版経営革新総合支援事業のこのうち、これは復旧・復興型といいまして、これにつきましても、中部地震からの設備、施設なりの復旧のための補助金という形で、1社当たり200万円を上限に3分の2という形で支援をしておるものでございます。
3番目のこれまでの取り組み状況のところをごらんいただければと思うのですけれども、平成29年5月29日現在で件数として387件、金額としまして5億円余りのものを昨年度から通算で執行、交付決定なりをさせていただいております。今年度予算としまして1億円の当初予算で枠をとっておりましたけれども、既に今年度で9,700万円余り、その後、ふえておりまして、今、1億5,000万円余りの交付決定を今年度予算でさせていただいております。それにつきましては、生産性向上型なりの既存の予算を活用しておるところでございますが、今後もまだ今年度で3億円余りの必要額が見込まれているということで、増額補正をお願いするものでございます。
また、各企業の皆様におかれましては、施設の復旧のみでなく、復旧から、さらに企業の成長に取り組むということで、下に経営革新事業の活用事例ということで、自動車部品製造業ですとか、小売業さんなり、新たな取り組みをされているところもありますので、そういうところにつきましても引き続き既存の県版経営革新のスタート型なり、生産性向上型なりでの支援をしていきたいと考えております。
これにつきましては、債務負担行為が十二月の事業期間ということで、債務負担行為を19ページにお願いしております。
また、ちょっとめくっていただきまして、23ページでございますけれども、この復旧・復興型、昨年度は繰越明許費という形で予算を3億円お願いしております。そのうち、翌年度、今年度に繰り越すものといたしまして2億4,000万円余り、昨年度に終了しなかったもの、交付決定はしておるのですけれども、終了しなかったものについて、今年度へ2億4,000万円余りの繰り越しをしておりますので、御報告させていただきます。
●山本通商物流課長
11ページをお願いします。企業立地認定事業者貨物誘致支援事業の増額補正をお願いするものでございます。
平成24年度より企業立地認定事業者が境港を利用する場合の立地新増設、境港利用双方を促進するための補助事業を行っております。補助事業の内容としましては、2の(2)でございますけれども、認定事業者に対しまして、補助期間、事業認定日から5年間、または、貨物取扱量が1,000TEUに達するまでの間ということで、補助金額が2万5,000円、1TEU当たり、20フィートコンテナ換算でございますけれども、助成することにしております。このたび、平成27年度に認定しました当該補助事業者の境港利用貨物量が当初計画と比較して前倒しで増加しておりまして、2年目で上限であります合計1,000TEUを達することが予定されることから、増額分に対して増加補正462万5,000円をお願いするものでございます。本県における製造業の県内回帰や本社機能の一部移転等、増設も進んでおりまして、立地新増設の推進と連携しながら、地元境港の利用促進に向けて企業に対して引き続き働きかけを行ってまいります。
●小林雇用人材局就業支援課長
12ページをお願いいたします。とっとりプロフェッショナル人材確保事業でございます。これにつきましては、政調政審で御説明を申し上げておりますので、ポイントのみ御説明をさせていただきます。
とっとりプロフェッショナル人材戦略拠点につきましては、平成27年11月に開設いたしまして、県内企業の経営者から人材等に関する相談や民間人材ビジネス事業者への取り次ぎを行っているところでございますが、このたび国から10分の10で2,000万円の交付金が参りますので、それを活用いたしまして、より効果的にプロフェッショナル人材の獲得を図る取り組みを強化するものでございます。また、あわせまして、来月開設を予定しております県立ハローワーク、こちらにつきましては、後ほど準備状況は御報告をさせていただきますが、この県立ハローワークと連携いたしまして県内企業のプロフェッショナル人材の採用支援に取り組むものでございます。
具体的な内容につきましては、2の主な事業内容のところをごらんいただきたいと思いますが、県立ハローワークが行います人材の掘り起こしと、それから、プロフェッショナル人材確保戦略拠点が持ちますヘッドハンティングとの相乗効果によりまして、人材確保を県立ハローワークと共同で取り組むものでございます。また、このほかに転職フェアへの参加でございますとか、県内企業の見学ツアーの実施、それから、全国協議会の参加等も行うものでございます。
2の(6)に記載しておりますが、一般財源の760万円余の減額を入れさせていただいておりますが、これにつきましては、拠点のマネジャー等の人件費の一部につきまして国庫に財源更正をするものでございまして、補正額総額で1,200万円余をお願いしております。
◎森委員長
ただいままでの説明について質疑等はありますか。
○山口委員
企業立地の補助金ですけれども、今まで立地された企業がどのぐらいあるのですか。この補助金というのはどのぐらいあるのでしょうか。
それと、大体雇用はどのぐらいふえているのか。
●池田立地戦略課長
まず、企業立地補助金の補助金額でございますけれども、ここ数年、震災以降、大体30億円から40億円ぐらいで推移してきておりましたのですけれども、平成26、7、8年に大型の誘致等もございまして、平成27年が41億円、平成28年が65億といったような、今、推移で来ております。今年度も現時点が51億円ということでございますけれども、今後も支払いが確定するものがございまして、昨年並み、それ以上に増加するというふうに考えております。
雇用につきましては、ちょっと今、資料は持ち合わせておりませんですけれども、平成24、5、6年のあたりは特に大量雇用、いわゆるコールセンターであるとか、事務系企業、JCBさんとか、コールセンター等々の企業誘致、つまり、三洋電機さんの撤退に伴う雇用の受け皿を確保するということで、大量雇用ということを、正規雇用を問わず、ございました。その際に、大体800名から1,000名近い雇用が毎年発生しておりましたのですけれども、昨年度につきましては、大体500名から600名程度のほぼ正規雇用といったような形で推移してきておるところでございます。
○山口委員
12ページですけれども、鳥取県版のハローワークは地方創生として国のハローワークを県に全部移管したらどうだろうかと、地方に移管してやったほうが密に対応できるのではなかろうかという提案をしたのですけれども、組織の中で非常に女性が多く、なかなか異動が難しいという形で蹴られてしまったわけです。そういうこともありまして、私はこういうハローワークというのは県が一体的にやられたらいいではないかと、こういうことでずっと提案してきているが、なかなか地方に移管しないということですけれども、県と国との連携をどういう形でやるのかな。
●三王寺雇用人材局長
今、山口委員からお話がありましたとおり、ずっと地方からハローワークの移管ということを訴えておりまして、昨年の5月に地方分権一括法が成立して、その中で地方版のハローワーク、これを創設するということが認められるようになりました。国のハローワークはどちらかというといわゆるセーフティーネットとしての機能を有しておりまして、雇用保険ですとか、そういうものと一体となった形で進めておられます。県として今考えておりますのは、県の産業施策、移住定住施策、あるいは低所得者対策、そういうものと一体となった形で進めていこうというふうに考えております。
連携といたしましては、この6月2日に鳥取の労働局、本所からも来ていただいて、県と雇用対策協定を結びまして、県版ハローワークを進めるに当たって、さまざまないわゆる求人情報ですとか、あと職員の研修、そういうものに対しても国から、これまで県でやっていなかった部分をやることになるものですから、いろいろな御支援をいただきながら進めていくという形をとらさせていただきます。そのための協定を結んで、運営協議会を国と県、あと経済団体、労働団体も入ったところで振興計画というのを定めまして、協力してやっていくということを6月2日にやったところでございます。
○山口委員
わからないことはないのですが、特に労働関係と農林水産省関係というのが非常に県でも対応ができるところがあるわけですな。農林水産省の関係の出先。こういうのをやはり行政組織の一体化という意味においては、県でもやれるわけですから、前も県に雇用計画か何かがあったでしょう。ですからこういうことで行政改革が後戻りをしているような形ということで、二重行政みたいな形にならないように。やった以上はそれだけの効果があって、地元に貢献をするとか、何らかの目に見えるような形でないと、二重行政になってくる心配があって、後戻りする行政改革ということを今感じておるのですけれども、なかなか国は離さないですな。労働行政もそうですし、それから農林水産関係もそうですし、やはりこういうものは進めていって、地方に移管するものは移管しながら、地方で対応できるものは地方に回していくと、こういう基本的な形を貫いてもらいたいと、こう思うのですが。
●岡村商工労働部長
そういう認識でおります。例えば、前、中央事務官制度のときには、商工労働部長の下に職業安定課と雇用保険課があって、一体的にできていたという経緯があります。私もそのとき職員でいましたので、職業安定行政とか雇用保険との横のつながりとか、そういうのを意識した覚えはあります。まさにおっしゃるように権限移譲の問題もあるのですけれども、最初、今回県立という形でスタートしますけれども、国がまだ外部に出さないような労働基準監督の関係の情報とか、ああいうものも共有できるように、今、働きかけはしています。そういうものをまず共有できる環境をつくるということで、そうすると、従来と違うのは、我々も産業政策をいろいろやってきていますので、労働局からすると、産業政策に対しての情報がほとんどないです。例えば県外の誘致情報とか。これを組み合わせるということは、これは労働局にとっても非常にメリットがあるということをおっしゃっています。これは一体化して一元管理するというのが最終目標だと私も認識しておりますけれども、徐々にそういうことに向けて機構改革しながら向かっていけばいいと思っています。まずは県立のハローワークをしっかり整備して、開設して、国との相互補完の中で県民あるいは企業の方から活用しやすいと言われる環境をまずは整備していきたいと考えております。
○山口委員
地元に信頼される、本当に地元にそういうものが移譲されて、身近なものになったと、こういうやはり体制づくりをここでやっていかなければ、ここで統一される意味がないと思っておりますので、私も支援するものは支援していこうと思いますので、まず実績を上げてもらってと思います。
◎森委員長
要望として受け取ってください。
それでは、ほかに。
○錦織委員
ちょっと確認をしたいのですけれども、2ページの企業立地事業補助金で、中部地震に対応されるということで、この制度の拡充というのは大賛成なのですが、先ほどの1のウのところの補助率の説明のときに、プラス5%するということで、雇用増を伴うということをおっしゃったのですけれども、これはもう一般的な補助要件ですよねということで、隣のCを見るとみんな正規雇用ということになっているのですけれども、ちょっとそこの確認をしたいと思います。
5ページの新規工業団地整備支援事業、鳥取市が今回、布袋工業団地だとか山手工業団地を整備するということで、鳥取市の負担というか、起債というのは、幾らになるのかというのをお聞きします。
7ページのとっとり発イノベーション!起業化促進事業ということで、今回、19年度に造成したファンドが終了するので新しくつくり上げるということなのですが、今回は金融が5億円出すということで、元本保証は全部県がするということなのですけれども、なぜ金融が5億円出すということになったのかと、それぞれどういうメリットがあるのかというのをちょっと確認をしたいと思います。
●池田立地戦略課長
まず、企業立地事業補助金の件でございますが、こちらは御指摘のとおり通常の制度ということでございますので、投資3,000万円、雇用については常用雇用で3人以上というところをクリアした企業に加算するものでございます。
引き続きまして、5ページ、新規工業団地整備支援事業でございますが、これにつきましては、その前の4ページの制度と連動しておるのですけれども、基本的には工業団地の整備にかかった投資金額に市町村が起債をされると。今回、この布袋についても山手についても合併特例債を鳥取市は使われますので、95%充当で70%の交付率になります。交付税が出てくるということで、そこを差し引いたところが市のまず負担になります。その起債をするに伴って出てくる利息がこちらに出ております22789という数字ですので、ここのうち29年度に発生する経費の半分を県が出すということで、差し引いたところが市の負担になるというところでございます。29年度につきましては92万2,000円になりますし、多分全体でいけばその半分になるだろうと、2,200万円のうちの1,100万円程度だろうというふうに考えております。
●佐々木産業振興課長
このファンドの金融機関の参画でございますが、現在のファンドのルールが金融機関の参画までは実は求められておりませんでした。次のファンドのルールとして、国から金融機関が資金面だけではなくて運用面でもしっかりと参画をしてくれということが採択の要件になってございます。そういったこともありまして、地元金融機関を初めといたしましてお声かけをしたという経過がまずございます。
金融機関のメリットでございますが、今回御融資いただくときには非常に低利率ということになりますので、利子確保の面でのメリットはそんなに多くないと思います。ただ、地元の企業が元気になっていく、新しい成長の芽が出てくるということは、当然ながら金融機関にとってもメリットがあるというふうに考えておりますので、そういった面で御賛同をいただけたというふうに思っております。
また、県の立場といたしましても、事業化に向けた適切なアドバイス、人的な資源の投入、さらにはキャピタルを使った資金面でのサポート、いろいろな可能性が広がりますので、事業化に向けた近道になるのではないかというふうには考えております。
○錦織委員
企業立地の4ページ、5ページのところなのですけれども、結局、総事業費の70%は合併特例債で使うので、30%分を鳥取市が払わなければいけないというのがもとになるのですか。
●池田立地戦略課長
説明が不適正だったかもしれませんが、2つの制度をまとめて説明しておりましたけれども、結局、合併特例債で95%充当して、そのうちの7割の残りの部分というのは、事業費に係る本体の部分について負担をする部分でございます。それが4ページの部分で、委員がおっしゃっておられた利子に対する支援については、今の5ページの数字でございますけれども、29年度の補助金が今92万2,000円出ておりますけれども、これと同額を市が負担いたします。それで、トータルとしては、その下に債務負担行為というところがございます。これが1,051万1,000円ですので、1,051万1,000円と92万2,000円を合計した金額が県の負担であり、鳥取市の負担であるということでございます。
○錦織委員
7ページのファンドなのですけれども、これ、金融機関というのは1社というか、1行だけになるわけですか。
●佐々木産業振興課長
現在、各金融機関にお声かけをしておりまして、ちょっと金融機関名までは申し上げられませんが、現段階で2行に御協力いただくこととしております。
◎森委員長
よろしいですか。
○興治委員
まず、2ページですけれども、中部地震の関連で、設備投資促進のための制度拡充ということであります。これは現時点において申し込みの見込み、件数だとか事業規模、あるいは補助額といいますか、そのあたりはどのように把握しておられるのでしょうか。
7ページの今のファンドの関係ですけれども、これ、一番下のこれまでの取り組み状況のところを見ると、これまでのこのファンドについては、次世代・地域資源産業育成ファンドという名称で、県内事業者の地域資源等を活用した新商品開発、販路開拓に対して支援をしてきたということで、今回、先端技術分野というふうになっているのですけれども、この中身はこういうふうに変わったということでいいのでしょうか。どのように中身が変わっているのか、それを教えていただきたいと思います。
それと、従来の分は延べ134件に支援をしたということなのですが、この支援の総額、それから1件当たりの金額、それはどれぐらいだったのか。今回、運用益を使って上限1,000万円ということになっているのですけれども、ちょっとそれと比べてみたいなと思います。
運用益の総額2,000万を予定してあるのですけれども、運用益だけで支援するのか、あるいは希望が多い場合には元本部分を削って支援をすることになるのか、そのあたりを教えてください。
この先端技術分野ですけれども、起業ですので、起業といっても起業後10年以内とか新分野進出を5年以内というのがあるから、既存の企業も対象にはなっていると思うのですけれども、どういう見通しでこうなっているのか、そのあたりをわかる範囲で教えてください。
●池田立地戦略課長
現時点での見込みということでございます。
いろいろと聞き取り調査をいたしておりまして、大体5件から7件程度、このような可能性があるのではないかという企業をつかんでおりますけれども、5,000万円が上限ですので、仮に7件全部上限いっぱい使ったとしても3億5,000万円、ただ、そこまで全部が大きな、要は
10億円を超えるような投資にはならないと思いますので、その半分程度ではないかなというふうには見込んでおります。
●佐々木産業振興課長
まず、ファンドの組みかえを今回いたしますが、現行のファンドは支援メニューが3つございました。一つが、次世代産業分野ということで、県内の技術、研究資源、こういったものの磨き上げをするというのが一つであります。これは助成率が3分の2で、上限が2,000万円の支援です。もう一つが地域資源の活用型ということで、農林水産物ですとか観光資源、こういったものを活用して商品化に向けた支援をしましょうものが2つ目のタイプでございまして、助成額は600万円が上限、これも3分の2であります。もう一つは支援機関の支援ということで、これは商工団体とかの支援、販路開拓のメニューでございますので、ちょっと今回のとは色合いが違うと思いますが、この2つのメニューを今回は先端技術分野の起業化、新事業化に絞り込んだというのが変更点であります。
2点目といたしまして、支援の総額でございますが、現行のファンドにつきましては、10年前の債券の運用利率で行っております。10年前は1.8%か1.9%でございました。これは地方債で運用しております。ですので同じ額、50億でありますが、運用益は毎年8,000万円から9,000万円の総額がありました。単独の事業費は先ほど申し上げたとおりであります。
3点目の運用益だけで支援をするのか、元本を取り崩すのかということでございますけれども、これはちょっとルールがございまして、中小機構のルールとして元本の取り崩しというのは認められておりません。助成のみが支援で活用できるメニューでございますので、補助金のスタイルで実施をしていきたいというふうに思っております。
4点目でございますが、支援の対象でございます。現在、実は、先ほどちょっと説明が不十分だったかもしれませんが、県内で実際に創薬を目指したベンチャー企業が立ち上がったり、あるいは立ち上がろうという動きが西部で出てきております。また、2年ぐらい前から医工連携ということで、県内で、特に医療機器に携わっていない製造業の皆様と鳥取大学が一緒になって医療機器開発に取り組んでまいりました。昨年度末には6つの商品ができ上がった。ただ、なかなか実際に市場に出るまでに至っていないものも実は多くございますので、こういったものを支援をしていくということを当面は想定をしています。そういったことを考えますと、起業後10年以内、あるいは新事業に入って5年以内と、比較的若目の企業様、事業展開されている方を対象にするのが適当ではないかということで重点化をしたところであります。
○興治委員
今のファンドのところですけれども、従来は地域資源活用だとか次世代育成だとかで、これも企業支援ですか。(「商品開発です」と呼ぶ者あり)商品開発。必ずしも企業支援ではないわけですよね。それで10年間やってみて、それなりに行き渡ったのかなとは思うのですけれども、今回、先端技術に絞って、医薬品であるとか医療機器、運転支援デバイス、だからあれですよね、自動車運転の自動化みたいなところなのでしょうけれども、それだけに絞るのが果たしていいのかなという気がしないでもないのですけれども、今までどおりの部分も残しながら新しい分野にということは、それは余りいい選択ではないのではないですか。
●岡村商工労働部長
この10年間やってきて、最近、県版経営革新で制度拡充したりとか、産業振興課で例えば
IoTの研究開発補助とかいうようなものを仕組んでいまして、そういうもので振りかえることができるだろうというのが一つあります。それから、これに関しては、先ほど課長が説明したように、バイオフロンティアをスタートして10年以上たって、創薬ベンチャーが本当に育ってきているという環境と、先ほど申しました医療機器も、県が鳥取大学と組んで県内の中小企業に委託をして製品開発をしているのですね。委託ですから、実は県が知的財産を持っていまして、これをこのままにしていては意味がないので、これを早く市場に出したいと。出したいのですけれども、なかなか商品化をするに当たって試作だとかが、創薬にしてもそうですけれども、医療機器もそうです。ユーザー側がこんなのやってみてくれ、あんなのやってみてくれということで、追加注文が来るのですね。それにちょっとたえれなくなってしまう。そういう局面を通して、このファンドで後押ししてあげるというのがまず最初の趣旨です。
先ほど申し上げた、最初、そういうものに重点を置いていきますけれども、それに絞るつもりはなくて、その中で新たなデバイスだとかが生まれてくれば、そういうものも対象にしていきたいと思っていますし、これからIoTの推進協議会なども立ち上げます。その中からいろんな需要がまた出てくると思いますので、そういうものも必要に応じて出していきたい。これ1,000万円が定額で限度にしていますので、例えば100万円のものがタイミング的にあるかもしれませんね。それから、キャピタルの出資と同時に抱き合わせて使われるようなケースもあるかもしれません。ですから、国が持っているようなファンドとかもありますし、REVICという地域活性化のファンドもありますので、そういうものを組み合わせて使っていただいてもいいです。その辺はここの運営の協議会、ファンドサポート会議というところで専門家を集めて議論しながら決めていこうという、今回初めての取り組みなのですけれども、そういう
IoTだとか、第4次産業革命をうまく取り込んでいきながら起業していくための一つの仕掛けというふうに考えております。
○興治委員
大体わかりました。
この定額補助1,000万円というのは、要するに10分の10、1,000万円でもいいですよという意味ですよね。さっきの部長のお話で、ユーザーからの追加注文に対応していかないといけないと、そこで資金が不足してしまうという話で、これは1つの事業当たり1,000万円が上限なのだと思うのだけれども、その事業というのはどういう範囲をいうのですか。例えば一つの何らかの創薬をするに当たって、新たに追加投資しないといけないというのも対象になるのですか。そういうわけではない。
●岡村商工労働部長
ここのファンドは、例えば試薬をつくってみるところの試作品の必要な経費を定額で助成しようというものでありまして、もともと創薬事業そのものに対しては、例えば融資を使ったりするケースもある。創業の融資制度というのがありますので、1億円の融資制度とかありますね。そういうものを使って例えば設備投資などはできます。ここはあくまで試作品をつくるとか、テスト品をつくるとか、その事業に対して定額で支援しましょうという役割です。早くユーザーに出して評価をしてもらってくださいというための起業を後押しする、スピードアップするための助成と考えていただければいいと思います。
○興治委員
というと、その試作品の中身が変わってくると、また1,000万円の助成対象になるというわけですか。
●岡村商工労働部長
そこは非常に難しくて、このファンドのサポート会議の中で専門家を入れて議論をして優先順位を決めていくという形になると思います。
○興治委員
わかりました。
◎森委員長
ほかにありませんか。よろしいですか。
○島谷副委員長
1点だけです。そのファンドの関係なのですけれども、前回といいますか、今までのファンドだと県と中小機構だけだったのですけれども、今回、金融機関を入れると。これの意義といいますか、本当の目的、組成を変える目的というのはそもそも何なのか、教えていただけますか。
●佐々木産業振興課長
先ほどお答えした分とかぶりますけれども、国のルール変更がありました。国のルールの変更の意図としては、今回、低金利であります。運用益が非常に出てこない、限られた中で、やはり精度を高めたいと、それは何かというと、事業化の比率を高めたいという意図があるのだと思います。そういったこともありまして、金融機関も入って、ちゃんと事業化まで地元の関係機関がサポートしていくと、そういった体制をつくりましょうということが根底にあるのだと思います。
これまで鳥取県では金融機関は入っておりませんでしたが、次世代ファンドの中でも実は審査委員会には金融機関が入っております。非常に高い事業化率となっておりますので、今回も同様な形で金融機関に入っていただいて、これからは審査だけではなくて、資金面でも入っていただいて、しっかりと事業化の精度を高めていきたいというふうに考えております。
○島谷副委員長
国の制度の関係でというのも前から聞いていたのですけれども、先ほど錦織委員の質問にもありましたように、2行に声をかけているということがありますよね。実際にこの2行、多分入ってくるのだろうなというふうに思いますけれども、もしかしたら金融機関自体がメリットがないという判断をした場合に、このファンドの成り立ち自体が、何ていうか、成立しなくなると思うのですけれども、そういうことは全く想定はしていないということですか。
●岡村商工労働部長
実はこの制度の仕組みをつくるときから、担当は中小企業庁になりますけれども、中小企業庁と半年ぐらいかけて議論をしていまして、やはり金融庁からも金融機関に対してこの低金利の中で地域貢献をしなさいというベクトルがあって、それとうまくつなごうということで、この形が整ったというところです。
我々、実は金融機関、2行と言いましたけれども、当然、それ以上にたくさんに声かけしていまして、これはメガバンクさんも含めて、こちらに支店のないところも含めて広く声かけした中で、賛同を確実に得ているのが2行だけということであります。今後も間口は広げていきたいなと思っていまして、これは金融機関がやはり新たな地域に対しての投資をしなさいと、新しいビジネスの種をつくりなさいという、何ていいますか、国の指針に基づいた枠組みと考えていただいてもいいのかもしれません。
○島谷副委員長
部長のおっしゃるとおりだと思いますし、名前を明かせない2行の上とも話はをして、積極的に地域貢献したいという話は聞いていますので、これがしっかりと目的を達成できるファンドになってほしいなという希望を持って今回お願いしたいなというふうに思います。
◎森委員長
ほかに、皆さん、よろしいですか。
それでは、商工労働部は以上とします。
次に、企業局から説明を求めます。
湊企業局長に総括説明を求めます。
●湊企業局長
企業局でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、座って説明をさせていただきます。
お手元の企業局の議案説明資料をごらんいただきたいと思います。企業局が所管しております平成29年度6月補正予算でございます。まず、予算の関係といたしまして、いずれも電気事業会計の補正予算で、小鹿第二発電所のメンテナンスに係る予算の関係を2件お願いをしております。補正額につきましては1,000万円の増額ということにしております。
また、予算の関係以外としまして、議案第14号としまして、設置等に関する条例の一部改正をお願いをしているところでございます。そのほか、報告案件といたしまして、繰り越しの計算、あるいは長期契約継続の締結状況についてということで、条例改正が1件と報告4件でございます。
詳細につきましては担当課長から説明をさせていただきますので、よろしく御審議をお願いいたします。
●入江企業局経営企画課長
それでは、議案説明資料の1ページをお願いいたします。議案第3号、平成29年度鳥取県営電気事業会計補正予算でございます。電気事業の補正予算といたしましては2件ございまして、補正額1,000万円と、債務負担行為としまして、来年度、8,500万円をお願いするものでございます。
続きまして、2ページをお願いいたします。小鹿第二発電所導水路補強工事でございます。補正額は1,000万円をお願いしています。
事業の目的、概要についてでございますが、昨年度の鳥取県中部地震の影響によりまして、小鹿第二発電所の一部導水路につきまして、コンクリートのひび割れ等が発生したことから、補強対策を実施するものでございます。
詳細につきましては、政務調査会で説明させていただいておりますので、省略させていただきたいと思います。
続きまして、3ページをお願いいたします。小鹿第二発電所細密分解点検業務でございます。債務負担行為としまして8,500万円をお願いするものでございます。
事業の目的、概要でございますが、小鹿第二発電所の水車発電機につきまして、12年に1度の細密分解点検を行うものでございます。
こちらも詳細につきましては政務調査会で説明させていただいておりますので、省略をさせていただきたいと思います。
次に、4ページ、5ページをお願いいたします。平成29年度電気事業の貸借対照表及びキャッシュフロー計算書でございます。今回の補正を反映したものでございますので、御確認いただければと思います。
続きまして、6ページをお願いいたします。債務負担行為でございます。先ほど3ページにて御説明した事業に係るものでございますので、御確認いただきたいと思います。
続きまして、7ページでございます。議案第14号、鳥取県営企業の設置等に関する条例の一部改正についてでございます。
現在、埋め立て事業といたしまして、昭和団地、旗ヶ崎団地、竹内団地がございますけれども、このうちことし3月に昭和地区の分譲が完了しましたことに伴いまして、同地区における埋め立て事業を廃止するものでございます。
8ページに改正前後の表が記載されております。こちらにつきましても詳細につきましては政務調査会で説明させていただいておりますので、省略させていただきたいと思います。
次に、9ページをお願いいたします。報告第5号、平成28年度鳥取県営電気事業会計継続費繰越計算書でございます。ごらんのとおり3件ございまして、まず1件目は、小鹿第一発電所に係ります送配電の撤去工事の繰り越しでございます。続きまして、2件目は、舂米水力発電所のリニューアル事業の繰り越しでございます。3件目は、新規の私都川水力発電所の建設工事の繰り越しでございます。それぞれ年度内の支払い義務発生額と当初見込んでおりました予算額の差を翌年度に繰り越すものでございます。
続きまして、10ページをお願いいたします。報告第6号、平成28年度鳥取県営電気事業会計予算繰越計算書でございます。10ページが繰り越し、11ページが事故繰越でございます。
まず、10ページ、繰り越しですが、2件ございまして、1件目は、若松川水力発電所の除じん設備設置工事の繰り越しでございます。2件目は、水素エネルギーの利活用方法の調査検討事業の繰り越しでございます。繰り越し理由としましては、表の右側、説明欄に記載させていただいておりますので、御確認いただきたいと思います。
次に、11ページ、事故繰越でございます。4件ございまして、1件目は、加地水力発電所に係ります水圧管路の補修工事、2件目は、茗荷谷ダムに係るしゅんせつ設計委託業務でございます。3件目は、横瀬川水力発電所の補修工事でございます。4件目は、舂米水力発電所のリニューアル事業に係る地下構造物等の設計業務でございます。いずれもことし冬の積雪、あるいは鳥取県中部地震の影響によりまして、設計、工事等に不測の日数を要したことから、翌年度に繰り越しを行おうとするものでございます。
次に、12ページをお願いいたします。報告第7号、平成28年度鳥取県営工業用水道事業会計予算繰越計算書でございます。日野川工業用水道の配水本管に係る漏水工事の繰り越しでございます。繰り越しの理由としましては、右の表の説明欄に記載させていただいておりますので、御確認いただきたいと思います。
説明は以上でございます。
◎森委員長
ただいままでの説明について、質疑等はありませんか。ないですか。(「なし」と呼ぶ者あり)
では、議案等の説明は以上といたします。
報告事項に移ります。
なお、質疑等については、説明終了後に一括で行うことといたします。
報告第8、株式会社メイワパックスの鳥取市への進出について、池田立地戦略課長の説明を求めます。
●池田立地戦略課長
1ページをお願いいたします。株式会社メイワパックスの鳥取市への進出につきまして御報告させていただきます。
6月1日の知事会見でも知事から発言がございましたが、このたび、まだ誘致交渉中ではございますけれども、メイワパックスが鳥取市に立地するという方向で土地を購入されるということとなりました。
誘致企業の概要につきましては、株式会社メイワパックス、所在地は大阪の柏原市にある企業でございまして、売り上げはグループで約500億円、従業員も約2,000人を誇る企業でございまして、事業といたしましては、食品、化粧品などの一般包装資材のほかに、点滴パック等の医療用であるとか、また、自動車部品の輸出用の防さびの包装であるとか、高機能のそうした包装なども手がける総合企業でございます。生産拠点は大阪、兵庫、千葉、熊本等ございますけれども、このたび、需要が年々増加いたしまして、新規立地場所を探しておられたところでございますが、鳥取市の晩稲にございます旧千代三洋工業の跡地、下に地図がございますが、千代三洋工業と社会福祉法人ウイズユーの間の土地でございますが、こちらの土地約1ヘクタールを鳥取市から、また、その上に建っております建物を三洋電機から購入するという形で、今、最終調整をされておられるということで、本日開会の鳥取市議会にも財産処分の議決の議案が出ておるというところでございます。
事業内容等や投資規模、雇用人数、操業予定時期等については現在検討中ということでございます。
◎森委員長
次に、報告第9、環日本海定期貨客船航路の運航状況等について、山本通商物流課長の説明を求めます。
●山本通商物流課長
2ページをお願いします。環日本海定期貨客船航路の運航状況等について報告させていただきます。
まず初めに、1月-4月の直近の境港の利用状況について御報告いたします。
まず、旅客でございますが、境港-東海間の旅客数は、引き続き韓国人の訪日客が好調なことから、1便当たりの平均乗客数は年間の乗客数の過去最高でありました前年を上回るペースで推移しております。
また、境港の貨物につきましては、韓国向けの建設機械、重機でございますとか、ロシア向けの建築材料、セメントボードのようなもの、また、輸入では、韓国からのパプリカ、これは通年で行われるようになるということ、また、水産加工品等が増加したことから、重量ベースで対前年同期比で12.1%増の1,683フレートトンとなっております。
続きまして、2でございますが、平成28年度の就航経費補助金について報告させていただきます。
境港-東海間の運航回数は51往復ということで、1往復当たりの補助対象経費、これは船舶の運航経費のうち固定的経費の10分の1、1往復当たり100万円が上限でございますが、100万円を超えているということでございまして、1往復当たりの補助金額を100万円と確定いたしました。このルールに従いまして、中海・宍道湖・大山圏域市長会との負担割合、県が7割、市長会が3割という負担割合に応じて環日本海経済活動促進協議会を通じて運航船社に助成をいたしました。
なお、参考で書いておりますけれども、2016年のDBSクルーズフェリー社の収支は2015年と比較しまして16億ウォン、約1.6億円でございますけれども、減少しておりまして、36億ウォン、約3.6億円の営業損失であったということでございます。
次に、3でございますが、利用促進に向けた今年度の取り組みといたしましては、旅客については、韓国では健康志向の増加と都市部の渋滞緩和の政策により、現在、空前のサイクリングブームが起こっているということで、スポーツサイクリングの人気が高まっているということでございます。現在、DBSを利用してサイクリングに来られておりますけれども、この好機を捉えてツアーの拡大を観光戦略課とDBS社とともに連携しながら韓国の旅行者等に働きかけを行ってまいりたいと思います。
また、貨物の面でございますけれども、県版のロシア中小企業・人的交流プラットフォームを活用した沿海地方の経済ミッション等を7月16日から19日までウラジオストクに派遣する予定としております。この中で日ロ相互間の企業間のマッチングを促進し、貨物の創出を行ってまいります。また、あわせて韓国江原道で開催されるGTI投資・貿易博覧会だとか、中国吉林省の北東アジア博覧会、ロシア・エカテリンブルグで開催されます日本がパートナー国として参加する産業見本市、イノプロム2017に参加をいたしまして、DBS航路を活用しました貨物の掘り起こし、PRを行ってまいります。
◎森委員長
次に、報告第10、働き方改革支援相談窓口の開設について及び報告第11、外国人技能実習対策会議の設置について、谷口労働政策課長の説明を求めます。
●谷口雇用人材局労働政策課長
資料の3ページをお願いいたします。働き方改革支援相談窓口の開設についてですが、県内の中小企業が働き方改革に取り組みやすくするために、写真のとおり、6月1日に相談窓口を鳥取県社会保険労務士会の事務所に設置いたしました。運営は、社会保険労務士会に委託しております。
相談窓口、受け付けですけれども、平日の午前9時から5時までということで受け付けをしております。この受け付けの中で内容をお聞きして、次に記載しておりますけれども、コンサルタントとして社労士を企業に派遣いたします。従来の労働問題の相談窓口ということではなく、働く方の不満の解消ですとか満足度の向上という観点で、何から始めたらよいのかという相談にも対応していきたいというふうに考えております。まず、社労士が事業主と従業員のよい関係づくりというところでいろんな意見をお聞きして、一緒になって働きがいや労働生産性向上に取り組めるように助言をしてまいります。社労士だけでは対応できないものもありますので、生産性向上ですとか、いろんな企業経営の問題もありますので、別途地域活性化雇用創造プロジェクト事業ですとか、経営支援メニューで中小企業診断士等と連携して取り組みを進めてまいりたいと思っております。
今後ですけれども、窓口の相談対応の中で、さまざまな好事例、あるいは問題点を把握していって、具体的な施策をさらに進めてまいりたいと思っております。
次に、4ページをお願いいたします。外国人技能実習対策会議の設置についてでございます。
このたび外国人技能実習生に関するさまざまな課題への取り組みを進めるために会議を設置し、連絡会議を開催いたしました。
今回の目的は、鳥取県内で外国人労働者の6割を占めておりますけれども、技能実習生というのがかなり入っていらっしゃいますので、そういう背景、それから、昨年11月に技能実習法が公布されまして、本年の11月から施行されます。技能実習生の受け入れの適正化ということに今後取り組んでまいりますので、その中で情報を共有して、関係機関の連携を促進して、支援の必要性について検討するということでございます。
構成委員といたしましては、県の関係部局と鳥取労働局や中小企業団体中央会等、関係の団体に入っていただいておりまして、県警本部にもオブザーバーとして参加をいただいております。
6月5日に第1回目の会議を開催いたしまして、現状と課題ということで、各関係機関が把握している情報の共有を行いました。主な意見といたしましては、具体的に問題等を把握しているというわけではないのですけれども、制度の改正に伴いまして、管理団体が許可制となることとか、受け入れ企業もいろんな整備をしなければならないということで、企業側もそこら辺を課題と見て、今取り組んでいるという状況を把握いたしました。それから、次に書いてありますけれども、ベトナムからの技能実習生がふえておりますので、通訳が足りないという具体的な話もお聞きしております。
今回はそういったことに対してどのような支援ができるかというのを関係の部局でそれぞれさらに情報を収集して、対策を考えていくということを確認いたしました。これまではそういう窓口といいますか、事務局がありませんでしたので、積極的な情報収集をしておりませんでしたけれども、今回はさらに各課が連携して具体的な施策等、必要があれば随時検討していくことにしております。
第2回目の会議は10月ごろに行う予定としております。
◎森委員長
次に、報告第12、平成29年度「地域活性化雇用創造プロジェクトキックオフセミナー」の実施について及び報告第13、鳥取県雇用対策協定締結式及び協定に基づく運営協議会の開催について、小林就業支援課長の説明を求めます。
●小林雇用人材局就業支援課長
資料5ページをお願いいたします。平成29年度「地域活性化雇用創造プロジェクトキックオフセミナー」の実施につきまして、御報告をさせていただきます。
この地域活性化雇用創造プロジェクトにつきましては、3月末に国から採択を受けまして、4月に協議会を設立しまして、観光、食、健康分野を対象にしまして、新たなサービス産業を創造して、良質な雇用の場を創出するという取り組みをしていくこととしております。そのキックオフセミナーを5月19日に倉吉未来中心で、サービス労働生産性の向上への取り組みをテーマといたしまして、サービス産業革新推進機構の内藤代表理事を講師に迎えて開催をさせていただきました。
講演の内容は、4の(3)のところに記載をさせていただいております。特に2つ目のぽつでございますが、労働生産性を革新するためには、品質をまず上げると同時に、無駄の排除を実現することが必要だということでございまして、投入労働を顧客の求めている方向に集中させていくことが重要であるというお話でございました。
その下のイメージ図をごらんをいただきたいと思います。左側の図でございますが、「企業等の労働」、ここが労働力が投入をされている部分でございます。そして真ん中の「サービス」と書いてございますが、ここが顧客の要求に対応できているサービスの部分でございます。その左の「ムダ」と書いておりますが、ここは労働投入はしておりますが、顧客の要求からは外れている無駄の部分でございます。これを右の図のように企業等の労働の楕円を右にスライドさせることによりまして、無駄の部分は減り、機会損失の部分も減るということで、品質が向上されるという、そういう理論のお話がございました。
今後の方向でございますが、固定費の削減と顧客満足、サービスの向上を図るということが重要でございまして、具体的な取り組みといたしましては、経営者啓発と課題解決型のセミナーの開催でございますとか、企業のグループに対しての個別相談、専門家派遣、専門家派遣につきましては中小企業診断士あるいは社会保険労務士のチーム支援というものを考えておりますが、これによる支援を行うとともに、成果の発表とか共有の場を設けていきたいというふうに考えております。
おめくりをいただきまして、6ページをお願いいたします。鳥取県雇用対策協定締結式及び協定に基づく運営協議会の開催についてでございます。
正規雇用1万人チャレンジの推進でございますとか県立ハローワークの運営などにつきまして、雇用対策に関する施策を効果的、一体的に実施するために、鳥取労働局との間で鳥取県雇用対策協定を締結いたしました。6月2日に県立図書館で行いました。
1の(4)のところをごらんいただきたいと思いますが、協定書につきましては、7ページ、8ページに詳細なものをおつけしておりますけれども、協定の主な内容といたしましては、1つ目は、まず連携して取り組む事業といたしまして、第2条にも掲げておりますが、県立ハローワークの開設及び運営の支援ですとか働き方改革の推進、あるいは若者、学生の県内就職の支援といったものを盛り込んでおります。それから、(4)のイでございますけれども、県立ハローワークの実効性を担保するために、県立ハローワークと国のハローワークの相互の連携というところで、求人に係る詳細な情報の提供でございますとか求人の不受理に関する迅速な情報の提供、こういったものを盛り込んでおります。
2番目の運営協議会の概要でございますが、2の(3)のところに記載をしておりますけれども、県から県立ハローワークの概要の説明、あるいは29年度のこの雇用対策協定に基づく事業計画の概要について御説明をさせていただいた後、出席者から御意見をいただきました。主なものを御紹介をさせていただきますと、特に求人手続などが企業の負担とならないように、県立ハローワークと国のハローワークで求人情報の共有化をしてほしいとか、あるいは企業の人材確保を進めるために県内企業がその魅力をアピールできるような、そういった支援、それから、県外学生のインターンシップの推進するための県立ハローワークとの連携の強化、こういったような御意見をいただいておりまして、今回の協定締結を踏まえまして、県立ハローワークの実効性を高めて、正規雇用、それから人材確保に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
◎森委員長
それでは、報告第14、鳥取県立ハローワーク開設準備会の開催結果について。
●福間雇用人材局就業支援課県立ハローワーク開設準備室長
資料をはぐっていただきまして、9ページをお願いいたします。鳥取県立ハローワーク開設準備会の開催結果についてでございます。
最初に、中ほどのところから下に向かって参考という形で鳥取県立ハローワークの開設概要というふうに記載しておりますので、そちらから御説明申し上げたいと思います。
まず、鳥取県立ハローワークでございますけれども、7月3日月曜日を開設日とするものでございます。開設場所につきましては、県内では米子と境港という形で県西部に開設するものでございます。これにつきましては、昨今の雇用状況につきまして、やはり企業の人材不足というのが切実な課題として中小企業の皆様にのしかかっているところでございます。その状況が有効求人倍率にあらわされるように西部に顕著なものとして出てきておりますので、まず県の西部である米子、境港に開設するものでございます。県立米子ハローワークでございますけれども、今現在、若者仕事ぷらざを県として運営しておりますイオン米子駅前店4階に開設いたします。そして境港につきましては、今現在、国のハローワークと一体的にふるさとハローワーク境港として開設している境港市役所に開設することとしております。この県内のハローワークに加えて、IJU、県外からの移住者の支援ということで、それを雇用面、就職面でサポートするということで、県外の拠点、県立東京ハローワーク及び県立関西ハローワークをそれぞれ県の東京本部、関西本部に設置することとしているものでございます。
この特色でございますけれども、そこに書いていますように、女性、若者、ミドルシニアといった幅広い求職者を対象といたしまして、多様なニーズ、多様な働き方、そういったものをしっかりと支援していくものでございます。それに加えて、先ほど申しましたとおり、都市部からの移住希望者、そういった方に県内就職先を支援するという形でIJUサポート、そしてやはり昨今の中小企業の皆様に大きくのしかかっています企業の人材確保という面をしっかりと支援するために、新たに専任スタッフを採用いたしまして、企業支援に取り組むこととしているところでございます。そして境港でございますけれども、水産・加工業、あと観光事業、そういったものの地域産業の需要を見据えた支援をしっかりとしていくところでございます。また、利便性の向上という観点から、米子、境港につきましては、土曜日開所いたしまして、多くの方に利用される施設としていきたいと考えておるところでございます。そしてこういった特色、利便をしっかりと広報した上で、幅広い利用につなげていけたらというふうに考えているところでございます。
ただ、こういった特色を持つ県立ハローワークでございますけれども、その成果、そういったものをしっかり出していくためには、県立ハローワークのみではできないものと考えておりまして、実績を出していくためにはやはり関係機関の皆様の協力、連携が非常に必要になってくるのではないかということで、先日でございますけれども、開設準備会という形で関係機関の皆様との意見交換の場を設けまして行いましたので、その状況につきまして、冒頭に返っていただきまして、御説明いたしたいと思います。
まず、日時でございますけれども、5月29日、米子コンベンションセンターで、そこに掲げます商工団体、あと関係機関、そして大学、行政、そういったところにお集まりいただきまして、意見交換を行ったところでございます。
4番に主な意見として掲載しておるところでございます。役割、業務に係りましては、やはり国のハローワークがある中で県立を立ち上げる、その違いを明確にしてほしい、または就職に関して難しい環境にある方、そういったことを重点に支援してはどうか、また、女性の求職者の方に例えばものづくりという職種にも目を向けてもらう取り組みをしてはどうか、また、西部商工会さんからは、西部商工会でも企業の伴奏支援という形で取り組んでいるので、一緒に連携して取り組んでいきましょうという御意見もいただいたところでございます。
次に、関係機関との連携につきましては、そこにありますように、中海・宍道湖・大山圏域との連携も考えていったらどうか、そして定期的なコミュニケーションも必要になってくるのではないかという意見、広報につきましては、ホームページが充実、そして全国に向けての発信方法についても提案いただいたところでございます。その他として、鳥取市にも開設されれば、鳥取キャンパスの学生にも利用しやすいという形でいただいたところでございまして、県立ハローワークとしましては、こういった意見を具体化していくために、引き続き協議、検討していきたいと考えているところでございます。
◎森委員長
報告事項は以上の説明をいただきました。これについて皆さんの御意見、質問等はございますか。ありませんか。(「はい」と呼ぶ者あり)
それでは、その他に入ります。
商工労働部、企業局及び労働委員会に関して、執行部、委員の方で何かございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
では、意見が尽きたようですので、商工労働部、企業局及び労働委員会につきましては、以上で終わります。
執行部の皆さんは御退席をいただいて結構でございます。ありがとうございました。
委員の皆様には御相談がございますので、その場にお残りください。
(執行部退席)
まず、平成29年度鳥取県・江原道交流事業についてであります。
御承知のように、鳥取県議会と江原道議会は相互交流を行っております。本来であれば昨年度、鳥取県議会が江原道議会を訪問する予定でしたが、鳥取県中部地震の影響によって中止となりました。したがいまして、本年度、改めて本県議会から訪問団を派遣することになっております。
先日の代表者会議で、議長または副議長を団長とし、各常任委員会から1名ずつ派遣することが決定されましたので、本委員会から派遣する委員を決めたいと思います。
まず、事務局から説明をお願いします。
●中島議会事務局調査課課長補佐
先ほどお配りしました2枚のうちの1枚ですけれども、平成29年度鳥取県・江原道交流事業(江原道訪問)についてという資料です。これは5月19日の代表者会議の資料でございまして、3番の派遣時期が候補2の10月31日から11月3日ということになっております。4番の派遣議員につきましては、議長または副議長と各常任委員会から1名ということでございます。各常任委員会から1名ということで、本常任委員会からも派遣委員を選ばなくてはいけません。それと、5番の相互交流テーマ、こちらも各常任委員会から1つずつ提案ということで、本日はこの派遣委員と意見交換のテーマ、こちらを御協議いただきたいと思います。よろしくお願いします。
◎森委員長
派遣議員と交流のテーマを決めるということですが、昨年、28年度に一応行くことになっていて、人も決まっていたと、だけれども地震でそれが中止になって現在に至っていて、ことしそれの再開をするということであります。
ちなみに、28年度決まっていたのは、島谷副委員長が行く予定だったということでございます。
委員を決めたいと思うのですが、御意見があれば伺います。(「委員長一任で」と呼ぶ者あり)
いいですか。
それでは、昨年行く予定だった島谷副委員長にお願いしようと思いますが、よろしいですか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、もう1枚のペーパーの意見交換のテーマなのですけれども、昨年は水産物の付加価値の向上についてということがテーマで予定されておりましたが、これについては皆さんいかがでしょうか。何かほかのことがありますか。託すものが。(「お互いに提案し合えば、話し合う」と呼ぶ者あり)
話だけ聞くよりは、お互いに、貿易関係がある水産物について、昨年の課題をそのままやってもらうということでよろしいですか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、島谷委員に決定し、テーマについては昨年のこのテーマを引き継いでいただくということでお願いします。
それでは、以上で農林水産商工常任委員会を閉会いたします。
午後2時34分 閉会
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