平成30年度議員全員協議会議事録

平成30年4月20日会議録(確定版)

出席者
(32名)
議員 市谷 知子  
銀杏 泰利  坂野 経三郎
島谷 龍司  中島 規夫
浜崎 晋一  濵辺 義孝
福浜 隆宏      藤縄 喜和
山口 享
稲田 寿久  内田 隆嗣
斉木 正一  澤紀 男
錦織 陽子  野坂 道明
浜田 妙子  松田   正
森 雅幹   興治 英夫
川部 洋   長谷川 稔
浜田 一哉  安田 優子
広谷 直樹  西川 憲雄
福田 俊史  
藤井 一博  横山 隆義
上村 忠史  福間 裕隆
内田 博長
欠席者
(2名)

前 田 八壽彦  伊 藤   保

 説明のため出席した者
 中国電力株式会社
  岩崎取締役常務執行委員 天野執行役員 長谷川執行役員外

 職務のため出席した事務局職員  細羽事務局長 中山次長 竹内調査課長外

開  会     午後2時00分
閉  会     午後3時52分
会議録署名議員  上村議員   浜田(妙)議員
司  会     稲田議長
協議事項      別紙協議事項のとおり

会議の概要

                                午後2時00分 開会

◎稲田議長
 ただいまから全員協議会を開会いたします。
 まず、会議録署名議員に上村忠史議員、浜田妙子議員を指名いたします。
 本日の議員全員協議会の議題は、島根原子力発電所3号機の概要についてであります。
 今月4日、中国電力から県議会に対して、島根原子力発電所3号機の概要説明の申し出がありました。
 島根原子力発電所3号機につきましては、ことし3月20日に開催いたしました全員協議会におきましても、先行する3号機の報道に対して立地自治体と同等の対応を求める意見もあり、県民の関心も高いことから、本日、中国電力株式会社の申し出を受け入れ、全員協議会を開催することといたしました。
 本日は、中国電力株式会社より岩崎昭正取締役常務執行役員電源事業本部島根原子力本部長、天野浩一執行役員鳥取支社長、長谷川千晃執行役員電源事業本部島根原子力本部副本部長ほかの皆様方にお越しをいただきました。どうも御苦労さまでございました。
 それでは、まず岩崎原子力本部長より、島根原子力発電所3号機の概要説明をお願いいたします。

●岩崎取締役常務執行役員電源事業本部島根原子力本部長
 中国電力の岩崎でございます。一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、大変皆様お忙しいお時間を頂戴いたしまして、まことにありがとうございます。
 先般、稲田議長様、福間副議長様に島根3号機について御説明をさせていただく機会をお願いいたしましたところ、早速このような場を設けていただき、重ねて感謝を申し上げる次第でございます。
 先日も少し触れさせていただきましたけれども、ことし2月に島根2号機の基準地震動が確定をいたしましたことを踏まえまして、現在、3号機の新規制基準に基づく審査に向けた準備を進めているところでございます。今後とも立地自治体と同様に丁寧に対応させていただくよう考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日は、鳥取県議会の皆様にこれまで御説明できておりませんでした3号機の概要につきまして御説明をさせていただきます。
 島根3号機は、日本で開発されました改良型の沸騰水型軽水炉、いわゆるABWRを採用しておりまして、従来のBWR型に比べまして信頼性や安全性がより一層向上しているものでございます。国内では既に3つの電力会社で計4つのプラントの稼働実績があるものでございます。
 それでは、その詳細につきまして、副本部長の長谷川から御説明をさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

●長谷川執行役員電源事業本部島根原子力本部副本部長
 長谷川でございます。それでは、お手元の資料に基づきまして御説明をしたいと思います。
 めくっていただきまして、4ページ目をごらんください。島根原子力発電所の中には3基の発電所がございますけれども、3号機は、少し1・2号とは離れたところに設置してございます。5ページ目をごらんください。右端が3号機でございます。電気出力が137万キロでございます。当社、夏場に最大1,000万キロ程度電気をお使いいただいておりますので、その1割強の電気を発電するということになってまいります。また、先ほど岩崎が申しましたように、同じ沸騰水型ではございますけれども、改良型ということでアドバンスのAがついております。ABWRと申します。営業運転開始は、福島の事故当時、その年の12月を予定しておりましたけれども、現状は未定と。今後は国の手続も控えている状況でございます。
 7ページ目をごらんください。平成9年3月に関係自治体へ増設の申し入れをした以降の手続がこちらに記載してございます。国、あるいは自治体の手続が記載してございますけれども、8ページ目に主なものが記載してございますので、こちらをごらんください。平成9年3月当時の立地町でございました鹿島町と島根県に増設の申し入れを行っております。その後、国の手続、第一次公開ヒアリング、さらには平成12年には電源開発基本計画へ組み入れられております。当時の国の制度でいいますと、ここで正式に3号機の建設が認められたということになってまいります。その後は島根県と鹿島町に安全協定、当時の協定に基づきまして事前了解の手続をお願いし、そして御了解をいただいたところでございます。その後、国のほうへ原子炉設置変更許可申請書を提出してございます。さらに、手続としては関係漁協との漁業補償契約、さらには第二次公開ヒアリング、そして17年4月には、当時の原子力安全委員会でございますけれども、原子炉設置変更許可をいただいてございます。そして、平成17年に着工、23年5月には、先ほど申しましたけれども、福島の事故を受けまして営業運転開始時期を未定ということにさせていただいております。
 9ページ目は主な工程の進捗状況でございますけれども、続いて12ページ目をごらんください。先ほど少し俯瞰していただきましたプラントの状況でございますけれども、実は3号機の増設に必要な土地、約20万平米、こちらは基本的には陸上部の造成、さらにはかなりの部分は埋め立てで造成をしてございます。その際の状況が13ページ目、写真で掲載してございます。14ページ目は、その中でも大きな要素でございます耐震設計、非常に重要でございますけれども原子力発電所はごらんの岩盤に直置きをすると。これによって一般構造物より相当大きな地震耐力を出すわけでございます。こちらが岩盤の状況。そして、15ページ目からは工法の御紹介でございます。当時、工期の短縮、あるいは完成品度の向上ということで、大型のモジュール工法を採用しております。従前は現地で組み立てておりましたような各機器を可能な限り工場で組み立てまして現地のほうへ搬入。そして、16ページ目にございます、この工事を可能にしたのが大型クローラクレーンでございます。こういったクレーンを用いまして、先ほどのモジュールごとにスピードアップを図りながら建設を進めてございます。17ページ目も、その工事の状況でございます。
 特に20ページ目をごらんいただきたいと思います。原子炉圧力容器、上段の左の写真、こちらは後ほど御説明しますけれども、3号機の特徴でございます原子炉内蔵型の再循環ポンプが写ってございます。そして、21ページ目はタービンロータの据えつけ状況でございます。右端に1軸で奥行き64メーターございますけれども、高圧、低圧3段、さらには奥側に137万キロの発電機が写っております。
 22ページ目をごらんください。こちらは、非常用の炉心冷却装置の試験の状況でございます。緊急時、原子炉を冷やす重要な安全設備でございますけれども、このような主要な設備の試運転も、実はほとんどが終わった状態でございます。
 23ページ目は、新燃料の搬入の状況でございます。新品の燃料はほとんど放射線を出しませんので、ごらんのようにトラックで陸送してまいります。現在は、少し予備を含めまして886体が安全に燃料プールで保管がなされております。
 25ページ目以降から、3号機の主な特徴を御説明したいと思います。このページは沸騰水型の変遷でございまして、赤字のところを見ていただきますと、島根1号、2号、3号機というふうに改良が施されているのがおわかりいただけると思います。一番下にございます格納容器の形状などもかなり変更がなされております。
 それでは、26ページ目をごらんください。現状、国内には原子力発電所がまだまだ数多くございますけれども、そのうち計画中のものも含めまして、改良型ABWRが10基ございます。左の下のほうを見ていただけますでしょうか。現在、国内で福島以降、何とか4基の原子力発電所が運転をしてございます。そして、当社の2号機も同様でございますけれども、ほとんどは定期検査中という位置づけで、その中の一部は今、国の審査を受けているところでございます。その中の4基がABWRでございます。また、右のほうにございますけれども、建設中、こちらに3号機が含まれますけれども、3基いずれもがABWR、また今後計画中のプラントが8基のうち3基がABWRという状況でございます。
 27ページ目以降、ABWRの特徴を御説明したいと思います。27ページ目は4点の特徴が記載されてございます。それでは、1件ずつ、28ページ目から御説明をしたいと思います。
 まずは、原子炉内蔵型再循環ポンプの御説明でございます。原子炉再循環ポンプというのが、沸騰水型の心臓部とも言える重要なポンプでございます。沸騰水型の発電所は、この再循環ポンプの流量を変えることによりまして出力の変更を行うことができます。この図の右の上のほう、2つございますけれども、従来型のBWRをごらんください。この大型の2台の再循環ポンプを駆動させるために、配管を引き回してございます。2つの配管が出ておりますけれども、配管からポンプに水を引き出しまして、そして原子炉に水を送り込んで中の循環水量を確保すると、こういうタイプでございます。これに対してABWRは、内蔵型を採用してございます。RIPというふうに書いてございますけれども、直接原子炉のほうに内蔵する、差し込む形の10台の小型のポンプが設置されております。これによりまして、何より制御が非常に緻密になりますし、安全性も大幅に向上しております。当時の沸騰水型の大きな事故といいますと、再循環ポンプにつながっております配管の破断、大口径破断と申しますけれども、それを想定してございます。配管が破断しますと、中の炉水が放出するとかなり深刻な状況になりますけれども、右側のABWRでは配管そのものがございませんので、配管破断のリスクがなくなると、こういった大きな安全上の改良がなされるわけでございます。
 そして、次が29ページ目でございます。制御棒というのは、緊急時、瞬時に原子炉の中に挿入しまして原子炉の反応をとめる重要なブレーキの役割。また、運転中は微妙な制御棒の位置をコントロールいたしまして、出力を調整する役割もございます。従来型は緊急停止、あるいは微調整も水圧で行っておりましたけれども、改良型は通常の微調整についてはモーター駆動を採用しております。これに伴いまして、先ほどの再循環ポンプと同様に細かな制御が可能になりますので、燃料の出力分布が平準化され、結果、安全性の向上につながっております。
 続いて、30ページ目をごらんください。格納容器の改良でございます。格納容器というのは、万が一でも放射性物質を環境中へ出さない、非常に重要なとりでの役割でございます。一方、その機密性に加えて、耐震性も非常に求められるわけでございますけれども、ABWRにつきましてはごらんの形状、ほぼ円柱。横からごらんになっておりますから真四角に見えますけれども、実際は円筒型をしております。非常に安定感のある形状をしております。また、先ほど言いました再循環配管がございませんので、格納容器そのものが低重心小型になっております。さらに、機密性と耐震性を同じ構造材、内側の鋼板ライナーと外側のコンクリートで保持することによって、機密性並びに耐震性が大幅に向上してございます。
 31ページ目が、デジタル制御の中央制御室の採用でございます。左と右の写真を見比べていただきますと、相当さま変わりしていることがおわかりいただけると思います。左の1・2号機、従来型はアナログ方式でございます。計器、あるいは操作スイッチ等もアナログ方式でございますけれども、右の3号機、ABWRは全てがデジタル制御、あるいはデジタル操作でございます。写真のように手前の操作盤に必要なデータを呼び起こしまして、タッチパネルで操作をするということになってまいります。これによりまして効率化、さらには運転員の負担軽減など、安全性の向上が大幅に同じく図られてございます。
 33ページ目以降は、福島事故以降の安全対策を示したものでございます。これにつきましては、当時まだ廃炉が決まっておりませんでした1号機を含めて、1・2・3号機、一般的な安全対策として現在進めているものでございますので、34ページ目以降、その一例を御紹介したいと思います。耐震性の向上、35ページ目は津波の備え、また36ページ目は自然災害ということで火山、竜巻、火災、そういったものの対策でございます。38ページ目以降は、福島の事故を踏まえまして、電源系の強化、あるいは冷却、さらには除熱の機能、こういったものを御紹介するものでございます。
 45ページ目には、今回の特徴でございますフィルタつきベント装置も記載してございます。高性能のフィルターを設置することによって、万一福島の事故のようなことが起きたとしても、環境、あるいは周辺にお住まいの方の影響を大幅に低減する装置でございます。
 46ページ目は水素爆発の対策、また49ページ目は緊急時の指揮所ということで、現在2棟設置してございます。先行してつくりました免震重要棟に加えて、耐震性の緊急時対策所、この両方を併用することによって対応力を上げてまいります。
 52ページ目は訓練の様子ということになります。
 54ページ目以降は、従前からございます原子力発電所、特に沸騰水型の安全設備について御説明をするものでございます。
 55ページ目にございますのは冷却系の系統図、そして56ページ目は安全特化した装置でございます。また、57ページ目は先ほど申しました停止系、そして58ページ目は非常用炉心冷却系、緊急時に大きな事故が起きたときの特別な冷却装置の系統を示したものでございます。
 59ページ目以下、計測制御系、燃料取り扱い系、これは使用中、もしくは使用済みの燃料を燃料プールと原子炉と交換する手だてを書いたものでございます。61ページ目以降は、廃棄物の処理系統、気体、そして62ページ目が液体、63ページ目、固体。3号機の中で特に大きく変わるものはございませんけれども、いずれも最先端の処理技術を採用してございます。
 また、64ページ目には、放射線の防護及び放射線の管理、とりわけ原子力発電所の敷地周辺に6基のモニタリングポストを設置しておりまして、こちらについては私ども電力会社が常時監視してございます。また、敷地の外については、鳥取県含めて自治体の皆様のほうで常時監視をしていただいているという状況でございます。
 65ページ目以降は、試運転の最中に起こりました、先ほど御説明した新しい制御棒駆動装置のふぐあいについて御説明をしております。試運転中、一部の制御棒、全体が205本ございますけれども、そのうちの18本が動作に不良が見つかりました。この原因につきましては、以下記載してございますけれども、1つは駆動部への異物のかみ込み、そして結合部、いわゆる制御棒と駆動装置の結合部のはめ合いの不足、さらには、初期トラブルでございますけれども、回転をスムーズにさせるためにボールが使われておりますけれども、そこの走行面の初期の荒れ、こういったものによる抵抗の増大が推定されております。
 これについては、76ページ目に、今申し上げました原因と再発防止対策を記載してございます。実は既に、福島の事故前でございますけれども、ふぐあいが生じました制御棒駆動装置に対しまして適切な再発防止対策を行いまして、既にいずれも問題なく作動することを確認しておりまして、国の使用前検査にも合格した後、福島の事故が発生したと、こういう状況でございます。
 最後の79ページ目は、先般、島根県の大田市を中心とした地震がございました。これにつきましても、当社が先日御説明しました基準地震動に比べますとほぼ10分の1程度の揺れということでございますから、いかに原子力発電所の基準地震動が安全側に設計をされているかを御説明するものでございます。

◎稲田議長
 ただいままでの説明に対しまして、御意見や御質問があればお願いをいたしたいと思いますが、最初に何点かお願いがございます。というのは、1点目に、時間も限られておりますので、質問項目は4項目以内といたします。追加の質問は、その4つに関連するものの中で1つのみ可能であるというようにお願いをいたしたいと思います。
 2点目に、質問項目が重複しないように、各質問者が自重されますようにお願いをいたしたいと思います。
 もし重複をしている質問があるということになりますと、議長が判断をいたしまして答弁を省略できることといたします。よろしく御協力をお願いいたしたいと思います。
 以上3点につきまして、御了解をお願いいたします。
 では、質問をお願いいたします。
 まず、第1番目、鳥取県議会自由民主党、浜田議員。

○浜田(一)議員
 鳥取県議会自由民主党の浜田でございます。本日は、御説明いただきましてまことにありがとうございます。また、先般17日には直接現地に赴きまして3号機の御説明をいただきまして、本当にありがとうございました。大変短時間な説明なので、実際に御説明をいただいてもなかなか理解するのには大変難しいことが多いのですけれども、なるべくちょっとシンプルな気持ちで御質問させていただこうかなというふうに思います。
 先ほど岩崎本部長のほうから、3号機のABWRについては信頼性、安全性が高いというふうな御説明をいただいたわけですけれども、先ほども少し触れていただきましたけれども、国内の実績においては、今建設中のものはこの方式をとられているものが多いということですけれども、これまでの国内での運転実績が少ないということから、これまでの国内外を含めた運転実績について、ABWRの原発技術の実用度というもの、信頼度というものを改めてお伺いをしたいと思います。
 2点目、使用済みの燃料を貯蔵するプールの貯蔵能力というものはどれぐらいあるのか、それは運転後何年ぐらいで満杯になるのかということを伺います。
 次、3点目、3号機では福島原発事故直後に国から緊急安全対策工事の実施が指示をされているというふうに聞いておりますけれども、先ほどもありましたけれども、安全対策工事について、今後どのようなことを追加されて、またどういうような工事が残っているのか、今の現状についてお伺いをしたいと思います。以上3点です。

●長谷川執行役員電源事業本部島根原子力本部副本部長
 3件御質問をいただきましたので、まずは1件目の先行ABWRの運転実績並びに信頼性でございます。
 先行して既に運転を開始しておりますABWRプラントは、4基ございます。順番で言いますと、まずは今いろいろ話題になっておりますけれども、新潟県にございます東京電力の柏崎の6号機、こちらが平成8年の運開でございます。相当前ということになり、もう既に20年以上がたっております。そして、その翌年、同じく柏崎の7号機が運開をしております。その後でございますけれども、平成17年に中部電力の静岡県御前崎市にございます浜岡の5号機、そしてその翌年の平成18年、北陸電力の志賀の2号機と、この4基が本社の3号機に先駆けて運転を開始してございます。
 しかしながら、いずれも福島の事故以降は停止状態が続いてございます。今御質問がございました運転中のその後の大きなトラブル、こういったものについては、ABWR固有のものは特段発生してございません。いずれも安定的に運転がなされておりまして、今後さらに私どもの3号機も含めて、運転実績を積んでいければと思っております。
 ただ、繰り返しになりますけれども、もともと長いBWR、沸騰水型の運転実績、こういったものを踏まえて、経験と知見を積み重ねまして、さらにより安全性、信頼性を高めたものが改良型ABWRの特徴でございますので、先ほど御説明したような安全性のアドバンテージ、こういったものをフルに活用することによって、より高い安全性、さらには稼働率の向上が期待できるのではないかと思っております。
 続きまして、使用済み燃料の容量の御質問でございます。実は3号機だけで申しますと、使用済み燃料プールの貯蔵容量は、全数が3,739体の貯蔵が可能でございます。そして、原子炉に装荷いたします燃料の総数が872体でございます。御承知のように、原子力発電所は法令で定められております約13カ月連続運転いたしますと、大体3カ月程度の定期検査に入るわけでございますけれども、そのうち、もちろん運転当初は全部が新品でございますけれども、おおむね定検ごとに大体4分の1程度の燃料をかえていくということになります。そうしますと、使用済み燃料として大体4分の1程度が発生してくるということになります。そういった計算からしますと、実は先ほどの容量ですけれども、大体12回分の定検がクリアできる容量ということになります。12回というと単純に11年ではございませんので、実質15年、あるいは20年近い容量が3号機単独でいえばあるというふうに御理解いただきたいと思います。
 次の御質問でございますけれども、安全対策工事の御質問でございます。福島の事故の当時は、当社の2号機も含めて数多くのプラントが運転を行っておりました。国の規制当局のほうから、福島の事故を踏まえまして、まずは放射性物質が環境中へ出ることがないように、緊急の対策の指示が出てまいりました。具体的に申しますと、やはり津波で、海水で電気系統が壊れないようにすること、さらには、もしそういった事態が起きても、電気系統のバックアップをとるようにということでございました。当初は直ちに、まずは電源のバックアップ設備を配備してございます。例えば高圧発電機車も緊急配備しておりますし、高圧発電機車があれば仮に本来の電源が喪失いたしましても、冷却等を行うことが可能でございます。そういったものを緊急的に配備。さらには、今はございませんけれども、高台に大型のガスタービン発電機なども配備いたしました。また、冷却を外から緊急的に行うということで、御視察の際にもごらんいただいたと思いますけれども、いわゆる給水車両、こういったものも数多くの台数を配備しております。とりわけ3号機は若干敷地の高さが一律8.5メーターと、1・2号機に比べて低いところがございましたので、防波壁を建設するまでは水密扉、あるいは重要な機器を壁で覆うと、こういった対策も進めてございます。その後、平成25年でございますけれども、今の新しい規制ができました。現状は、今後3号機といえどもその規制に対応する必要がございますけれども、現在その準備を進めているという状況でございます。

○浜田(一)議員
 ありがとうございます。
 もう少しだけ3号機のABWRについて伺いたいのですけれども、これまでの2号機、BWRに比べて、出力の大きさの割に原子炉格納容器が大きくなっているのではないかというふうに一部言われていますけれども、その理由について。また、新たなABWRは経済性を優先されて安全性を犠牲にされているのではないかというような一部意見もあるようですけれども、そういうことがあるのかどうなのかということを伺います。

●長谷川執行役員電源事業本部島根原子力本部副本部長
 まず、格納容器の大きさの御質問がございました。改めまして、この資料の30ページ目をごらんいただけますでしょうか。このページの左側にございますのは、これは2号機の格納容器を模擬した絵でございます。そして、右のこの真四角に写っておりますのが、3号機の新しい格納容器の絵でございます。これではなかなかサイズの比較ができませんので、実は格納容器の空間容量だけ申しますと、確かに2号機は約7,900立方メーターに対しまして3号機は7,400立方メーターということでございますので、むしろ出力の割には3号機の格納容器の容量は少し小さ目になっているということではございます。
 しかし、これは先ほど申しましたように、例えば非常に大きな構造物でございます再循環系配管が2号機にはございますけれども3号機にはないというような、そういう設備の変更からくるものもございます。また一方、格納容器の大きさですけれども、もともと安全をベースに考えてございまして、先ほど申しましたように、まず原子力発電所を設計、建設するときには事故を想定するわけです。2号機の場合は配管破断という大きな事故を想定しますけれども、3号機の場合は配管破断の危険性は大幅に低減してございます。もともと配管がございません。配管が破断しますと、やはり原子炉の冷却ができなくなりますので、最悪の場合は福島の事故のようなことになってしまいます。そのときに熱を格納容器の中でおさめると。もちろん格納容器そのものを冷やす手段はございますけれども、その熱をしっかりと冷やして、格納容器、さらには原子炉の中の燃料を壊さない、このために所定の格納容器の容量が決まっております。そういうことで、やみくもに大きくしたり小さくしたり、あるいは経済性を重視して少し容量を小さくするというようなものではございません。基本的には、必ず安全設計上の容量の決め方がございます。
 そしてもう一つは、やはりある程度格納容器が広いほうが実は作業性が大幅に向上いたします。原子力発電所は、やはり特有の問題として被曝がございますので、被曝を低減して効率的に作業をするということになりますと、ある程度の空間が必要になります。1号機は出力は小さいのですけれども、格納容器がやはり非常に狭いと。こういった当社経験を踏まえまして、そこに安全性プラスの余裕を持たすことによって作業性、被曝低減、こういったものも勘案しながら決定したサイズでございます。
 次が、そもそも改良型ABWRは経済性を重視したものではないかという御質問だったと思います。今御説明したように、安全設計がまず第一でございます。この安全を維持するために必要な計器、サイズ、そういったものを決めてまいりまして、さらにはそこに加味する裕度、こういったものから実際のプラントができ上がっているわけでございます。繰り返しになりますけれども、改良型は長年の運転実績を踏まえまして、それを踏まえた改良を施したものでございますので、より信頼性、安全性が高まっているというふうに御理解いただきたいと思います。

◎稲田議長
 それでは、続きまして会派自民党、内田議員。

○内田(隆)議員
 3月20日に続いて質問に立たせていただきます内田と申します。
 先ほど岩崎執行役員のほうから立地と同様に丁寧な説明をしていくのだという発言があったことに敬意を表します。そしてまた、20日の時点で3号機の説明を受けていないのだというような全協での意見を真摯に酌み取っていただきまして、きょうの場を設定していただいたのだと思います。それに対しても、県民を代表する県議会の場でありますので、全員協議会の場でこういうようなきちんとした対応を、1カ月以内ですよね、迅速にとっていただいたことに対しても、やはり信頼関係の醸成という意味において、非常に真摯な対応だったというふうに思います。
 そして、2号機からすぐに、3月29日でしょうか、第2回の鳥取県原子力安全対策合同会議でも、知事から3号機について何の説明もないのだけれどもというような発言があったやに聞いております。それを受けて4月4日ですかね、中国電力の清水社長と皆さんが3号機について概要の説明を申し入れられたという経緯であります。ここでも改めて平井知事より3号機についてまだ説明がないということであったということで、それについて、議長を含め、この場を設定していただいて、今回の全員協議会の説明会になったというところであります。
 繰り返しになりますが、安全協定においては島根原発という文言でくくっておりますので、1号機も2号機も3号機も含めたところの安全協定だというふうに理解しておりますし、中国電力さんにとってもそのような理解だったと思います。この後、これは知事も申しておりますけれども、3号機のあくまでも概要の説明ということで理解しておりますので、そのように取り計らせていただきたいと思いますが、引き続きの真摯な今後の対応も求めたいと思います。
 それで、2つ目の質問ですが、今回概要の説明ということだったので、浜田議員に続いてABWRというようなところのいわゆる3号機というのはどんなものだというような質問に入らせていただこうと思うのですが、耐震設計はどのように設計されているのでしょうか。また、宍道断層については、申請時が8キロであったものが2号機の審査で39キロに延長されています。耐震設計は見直されているのか、その際どのような耐震工事が必要になるのかということを伺いたいと思います。
 3点目です。3号機の制御棒は改良型を採用し、信頼性が向上しているということでしたが、3号機の建設中に制御棒の動作不良が発生したこと、これはある種業界でも非常に有名なことだというように聞いておりますが、現在制御棒は全て外された状態で保管されているということでした。再度制御棒を設置した場合に、また動作不良が起こるような心配がないかというようなところをしっかりと説明をしていただきたいと思います。
 そして最後、3号機の電気の出力について、先ほど来、説明がありました。137.3万キロワット。2号機は82万キロワットですから、1.7倍ほど大きいことになります。3号機と2号機では、出力に比してどのような種類の燃料を使うのか、そして燃料の数量や量に差があるのかというのをお聞かせいただければと思います。

●岩崎取締役常務執行役員電源事業本部島根原子力本部長
 それでは、私のほうから、最初の御指摘について回答させていただきます。
 先ほど内田議員からもお話がございましたように、当初、私どもから3号機につきましての概要説明、これにつきまして若干の行き違いがございまして、皆様方にいろいろ御迷惑、あるいはお騒がせをいたしました。改めましておわびを申し上げます。今後でございますけれども、立地自治体と同様に鳥取県様に対しましても真摯に対応をさせていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

●長谷川執行役員電源事業本部島根原子力本部副本部長
 それでは、後の御質問について、私のほうから回答いたします。
 まずは、耐震設計についての御質問でございます。3号機の申請時は8キロ、御指摘のとおりでございまして、先ほど申しましたけれども、平成12年に3号機の安全審査、いわゆる原子炉設置変更許可申請と申しますけれども、それを行いました際は、宍道断層の長さは8キロ、そしていわゆる基準地震動は398ガルで申請をしております。その後、3号機の認可のときには、国のほうの御指導なども踏まえまして10キロ、456ガルに変更してございます。今般、2号機の審査の中では、申請当時は22キロの600ガル。このあたりは実は耐震バックチェックといいまして、当時の原子力安全・保安院から、いろいろ最新知見を踏まえて全国の原子力発電所の耐震性を再度見直すようにと、こういう指導がございました。それを踏まえて、当時の最新知見に基づくものを採用したものでございます。そして、今回最終的には、宍道断層が39キロ、820ガルということでございます。この変遷については、当社の調査のあり方、あるいは姿勢などについて厳しい御意見もあろうかと思いますが、繰り返しになりますが、その都度の最新の知見をさらに安全側、保守的に考えながら検討したものでございます。
 今後はこの3号機も同じく39キロ、820ガルに耐え得るプラントにしていく必要がございますけれども、このあたりは2号機同様、既に一部先行して十分な対応がなされているところもございますけれども、もちろん不足のところも出てくるかと思います。そのあたりをしっかりと検証いたしまして、適切な耐震設計、工事を進めていく所存でございます。
 次が、制御棒の問題でございます。先ほど少し簡単に御説明しましたけれども、再度資料をごらんいただけますでしょうか。66ページ目をごらんください。制御棒を動かす装置が制御棒駆動機構と申します。この機構は、基本的には沸騰水型の制御棒というのは原子炉の下から上に上げますから、いわゆる重力に逆らって挿入する必要がございます。先ほど申しましたように、緊急時は水圧で一気に、ピストンの水圧を利用しましてわずか2秒の間に、例えば3号機ですと205体の制御棒がございますけれども、これが本当に瞬時に挿入が可能となっております。一方、運転中は制御棒が入っていますと反応が進みませんので、抜く必要があります。あるいは、場合によっては一部挿入、こういった状態を維持する必要がございます。そのあたりの運転中微調整については、従来型は水圧で、今回はモーター駆動を採用しております。これが66ページ目の右の絵を見ていただくと見やすいのではないかと思います。
 燃料集合体4体の中に十字状の制御棒が1体入っていく構造になっておりますので、ポンチ絵の一番上にあるのが制御棒でございます。これを上げ下げするときは軸をぐるぐる回すと、こういう仕組みでございます。軸が回ることによって上がったり下がったりします。今回はモーター駆動ですから、一番下に電動機、つまりモーターがついておりまして、それを磁石をクラッチのかわりにしまして、これは結局底の部分が漏れやすい構造になっていますので、なるたけ穴をあけないという構造になっております。いわゆる貫通部がない仕組みを採用しております。そういう意味では安全性が向上しておりますけれども、回転部分で実は少し動作不良が、67ページ目にございますけれども、平成22年11月、試運転中に、全数205体のうち18体で若干動きの悪いところが確認されております。
 先ほど申しましたとおり、原因は3点ございました。68ページ目以降にございますけれども、まずは71ページ目、建設当時はやはり中に小さな、本当に小さなごみですけれども、そういったものが下のほうに滞ったりしてございます。こういったものがちょっと水の流れの管理がうまくいっておりませんで、混入した可能性があったということ。あるいは、73ページ目でございますけれども、制御棒そのものと駆動装置の接続部、このあたりに少しかみ合いの悪いものがあった。そして、75ページ目には、ベアリング機能ですから回転をスムーズにさせるために丸い鉄の玉が入っておりますけれども、そういったものがスムーズな回転、上下動を生じさせるわけですけれども、このすき間について、少し摩擦の多いところがあったと。これが原因でございます。それに対して適正な対策をとりまして、先ほども申しましたけれども、国の使用前検査、改良後に無事合格をしております。御指摘もございましたとおり、非常に精密機器でございますので、現在はメーカーの工場のほうで保管をしております。今後時期が来ますと、また現地へ持ってまいりまして現場で設置、そして再度作業状況を確認して使っていくということになろうかと思います。もちろん、新しい規制基準の中でまた使用前検査も再度行う必要があろうかと思っておりますので、しっかりと安全第一で対応してまいりたいと思っております。
 次は、燃料の違いでございます。基本的には沸騰水型の燃料は、構造そのものは同じでございます。現状使っておりますのは、燃料棒という1センチぐらいのさやですけれども、4メーターの。これを9本掛ける9本、四角に束ねまして箱に入れて使うと、こういう構造でございます。ただ、2号機と3号機では微妙にそのサイズとかが違っておりますので、2号機の燃料を3号機で使うとか、3号機の燃料を2号機で使うということはできません。1基1基仕様が違うということでございます。ただ、構造と中のいわゆるウラン235という核反応を起こす物質は大体2から3%程度、縦方向に微妙に濃度分布を変えて、無駄なく燃焼するような、そういう設計でつくってございますけれども、こんなものを使ってまいります。
 体数の違いでございますけれども、2号機の場合は原子炉のほうに560体、3号機の場合は、872体を、装荷といいますけれども燃料を入れまして、原子炉として構成してまいります。

○内田(隆)議員
 説明をいただきました。それでは、いわゆる説明の申し出を受けて、4月6日に平井知事、伊木米子市長、中村境港市長と以下合意しています。中国電力からの島根原子力発電所3号機の概要説明をしたいとの申し出について、新規制基準適合性審査申請に係る説明でないことを前提として、概要説明については住民、鳥取県、米子市、境港市並びにそれらの議会等に誠実かつ丁寧な説明を行うことを中国電力に求めていく。安全協定を立地自治体と同じ内容に改定することも含め、立地自治体と同等の対応を中国電力に求めていくということを合意して、4月9日付けで回答文書を出しています。概要説明の申し出については、以下の事項に中国電力としての対応することを強く求めた上で、新規制基準適合性審査申請に係る説明でないことを前提に受け入れる。島根原子力発電所3号機については、これまで周辺地域に対して誠意ある説明がなされてきたとは言いがたく、今次の申し出により、その概要について住民、鳥取県、米子市及び境港市並びにそれら議会、鳥取県原子力安全顧問等に誠実かつ丁寧に説明すること。安全協定を立地自治体と同じ内容に改定することも含め、立地自治体と同等の対応を求めるとしています。このことについてコメントを求め、質問といたします。

●岩崎取締役常務執行役員電源事業本部島根原子力本部長
 ただいま4月9日にいただきました回答文書の内容について御質問をいただいたところでございます。この文書に書かれておりますことにつきましては、私どもも真摯に受けとめているところでございます。また、内容の一つ一つにつきましては、今後関係箇所としっかりと誠意を持っていろいろ御相談をさせていただきたいと思っているところでございます。ぜひ今後とも御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。

◎稲田議長
 続きまして、会派民進党、森委員。

○森議員
 会派民進党の森です。先ほど岩崎本部長、そしてまた長谷川執行役員から説明を受けたところですけれども、いかに安全なのかというところを説明していただくのだと思っていましたけれども、資料を読めという説明でしたので、ちょっと3号機の中身についてなかなかわかりかねますので、ちょっと一般的な問題についてお話をいただきたいと思います。
 今回3号機をもう一回申請をするということでの説明を受けているわけですけれども、2号機も再稼働申請のさなかにあるわけですけれども、原発の設置、運転者の責任ということをどう考えているのかということについてちょっと伺いたいのですけれども、福島原発の事故は、第一義的に東京電力の責任だと思っているのですけれども、現実は国が、国民がそれを負担するというような形で、そういうふうになっているのですけれども、今回こうやって中国電力さんがやられるこういった事業について、会社が全ての責任を負われていくのかどうか、そういったことについてどのように考えておられるのか。また、会社として規制基準を守ることだけやればそれでいいというふうにお考えなのかということについて、まず1点目お伺いしたいです。
 2点目ですけれども、福島原発事故の教訓をどのように受けとめられているのかということであります。福島原発の事故では、原発が東側の海に面してあったのですけれども、あそこで放出された放射性物質の8割は東側の海に出たというふうに言われています。それを島根原発で置きかえると、鳥取県は東側に位置していまして、なおかつ冬場は北西の風。また、私は米子ですけれども、米子は中海の影響を受けて東側の風、北東の風が吹いてまいります。したがって、東側に出た、また海側に出た放射性物質がぐるっと回って米子に戻ってくる、そういうような場所だと思っているのですけれども、国が定めた30キロ圏ということで、この東側に出た8割の放射性物質というものが本当に30キロ圏で大丈夫なのかどうか、それは会社としてどういうふうに考えているのかということが2点目です。
 3点目に、事故発生時についての会社の対応についてお伺いしたいのですが、福島事故並みの事故が起こったときに、会社はどういった対応をとられて、その役割は私たち自治体の側と会社の役割、会社は何をどういうふうにされるのかということです。
 4点目です。今回3号機というお話を受けているのですけれども、1号機は廃炉に入っていまして、そこには燃料プールもあります。1号機、2号機、3号機とすぐ近くにあるわけですね。どれか一つが事故あったときには、この3つに近づけないといったリスクが起こるわけです。これは福島原発のときもまさにそのとおりなのですけれども、この3つが非常にくっついているということのリスクをどのように捉えられているのか。また、本来事故が起こったとしても1つをとめればいいのだということであるはずなのですけれども、これは3つがくっついているということについてのリスクはどのように考えておられるのかということを伺います。

●岩崎取締役常務執行役員電源事業本部島根原子力本部長
 今4点ほど御質問をいただきました。まず、1番目の御質問でございますけれども、原子力発電所を運転する者として、どのようにその責任について考えているのかという御質問であったと思います。私どもは原子力発電所を運転しております、運営しております。これはまさに仮に何かがあったときの第一義的な責任は、私ども電力事業者にあるというふうに考えております。
 そして、先ほど御指摘のございました規制基準だけを守ればいいのかということでございますけれども、規制基準を守ることは最低限でございまして、これを守るだけではなくて、常にさらなる安全性を求めて改良、改善をしていくというのが、これも私ども原子力発電所を運営していく事業者の務めである、責務であるというふうに考えておりますので、そういう考えで今後とも進めてまいりたいというふうに思っております。
 2番目の御質問でございますけれども、福島第一原子力発電所の教訓をどのように受けとめているのかと。8割の放射性物質は東側のほうに流れていったと。これは鳥取県さん、あるいは米子市さんとの位置関係で御説明をされましたけれども、まず、私ども先ほど概要説明の中で一部御説明もいたしましたけれども、福島第一原子力発電所の事故を踏まえまして、安全性を高めるためのさまざまな対策をしております。これによりまして、従来の発電所に比べて安全性は格段に向上しているものと思っておりますけれども、福島のような事故を決して起こさないという、そういう強い思いで、今さまざまなことに全力で取り組んでいるわけでございますけれども、仮に事故が起こったという場合でございましても、福島の事故以降に新たに今設置しております例えばフィルターつきベント設備、これは格納容器が高圧になったときに、その圧力を逃して格納容器を壊さないようにするというものでございますけれども、福島では格納容器から直接、あるいは排気塔から格納容器の中の放射性物質を放出してしまったわけでございますけれども、私ども、今安全対策工事でつくっておりますフィルターつきベント設備、これを使いますと、放射性物質は1000分の1に低減することができるという装置を今設置しておるところでございまして、これらを使いまして、万一事故が起こったときには、その影響を最小限に食いとめるということでさまざまな対策を実施しているところでございます。
 3番目の御質問でございます。仮に事故が発生をしたときに、会社としてどういう対応をするのか、自治体様とのかかわりはどのようになるのかという御質問でございました。先ほどの答えと若干かぶりますけれども、仮に事故が発生しますと、事故の発災者として私どもはその責務を果たしてまいります。その場合には、関係する自治体様を初め、国も含めてさまざまな機関としっかりと連携をとりながら、情報を交換させていただきながら、最大限の対応をしてまいります。
 そのための一つの拠点として、国で設置をされておりますオフサイトセンターというのもございます。こういうところもしっかりと活用してまいりますし、また福島第一原子力発電所の事故でさまざまな課題の対応に関する課題も浮かび上がってきているところではございますので、そのあたりを踏まえながら数多くの訓練を実施しております。これはさまざまな規模の訓練を実施しております。社内だけでやるもの、発電所内だけでやるもの、あるいは本店も含めてやるもの、あるいは国に参加していただいてやるもの、あるいは自治体様にも参加していただいてやるものということで、この訓練を通して出てきた課題をその都度解決しながら、より確実な内容ができるように今対応を行っているというところでございます。
 最後に、4番目の御質問でございます。1号機は今廃炉状態、廃止措置をしていると。そして、2号機、3号機、これがあるわけでございますけれども、事故が一つではなくて複数のユニットで同時に発生した場合はどうかと、各号機が比較的接近をしている、大丈夫なのかという御質問であったと思いますけれども、これは今申請をしております審査の中で、こういう観点でも審査をされることになっております。今2号機の審査を受けておりますけれども、この2号機の審査では、当面は2号機についての審査でございますけれども、今後運転するユニットが追加されるということになりますと、それが同時に仮に事故が発生したときにちゃんと対応できるのか、それはハード的にちゃんと離隔をとってあって、影響がないようにできるのか、あるいはそこに駆けつけるためのアクセスルートと申しておりますけれども、そこに要員が駆けつけるためのルートがちゃんとお互いに悪影響を及ぼさないような仕組みになっているか、あるいはソフト的な運用についても大丈夫になっているかということで審査をされてまいります。それについても、我々はしっかりと対応してまいりたいと思っております。

○森議員
 ちょっと一般的な質問をしたのですけれども、結局原発の中身、それから新しい改良型の沸騰水型ということで、非常に専門的な中身がわからないもので、専門家は中電しかないみたいなことに、中電さんにかかっているのですよね。また、例えば断層の長さの調査にしても、中国電力さんしか調査をされていないところがそういった結果になっているわけですけれども、前回も同じようなことを言ってしまったのですけれども、断層の長さが最初は9キロから始まったと。8キロでしたか。8キロから9キロになり、現在は39キロというようなことなのですけれども、会社の対応として一定のバイアスがかかっているような気がするのですよね。要するに、これが長くなればこれは会社にとってはマイナスみたいなことのいろんなバイアスがかかって、例えば今回ちっちゃな事故が起こったときにも、これが外に出ればどうなるのかみたいなことが、例えば安全問題について一つ一つの問題を会社にとってのことを考えられるというようなバイアスがかかって、その情報が外に出ないようなことがあるのではないかというようなことが私は勘ぐってしまうのですけれども、そういった社内の文化といいますかね、そういったものがいろいろな訓練の中でどのようにされているのかということを最後に伺って終わります。

●岩崎取締役常務執行役員電源事業本部島根原子力本部長
 今御指摘をいただきました。確かに御指摘のように、原子力発電所の仕組みにつきましては専門的なことが多うございまして、なかなか短時間では十分な御理解をいただくということが難しいということはそうであろうというふうに考えております。その点につきましては、今後もさまざまな手段を用いて、あるいは機会を用いて、できるだけ皆様が御理解していただけるように、今後も私ども努力してまいりたいと思いますので、その点はぜひ御指導のほど、引き続きよろしくお願いを申し上げます。
 そして、例えば宍道断層について、長さが何回も変わってきたと。この長さを決めるに当たって、会社としてのバイアスがかかっているのではないかという御指摘でございましたけれども、私どもはこの断層さまざまな調査をしておりますし、また、私どもだけではなくて、例えば国のほうでされた調査、あるいは海上保安庁様でされた調査、これらも加味して評価をして、そのときそのときの最新の知見でもってこれが最も確からしいということで、さらにそれにより安全サイドへの見方も含めて、そういうことで評価をこれまでしてきております。今後も新しい知見等がありましたら常にそれにアンテナを伸ばして、必要なものには対応していくということで、決してバイアスをかけることなく前向きに対応してまいりたいと思っております。
 また、それ以外の発電所でのさまざまな情報につきましても、できるだけ皆様にわかりやすく、迅速に、そして小さなことでもお知らせするということで、ホームページ等も利用しまして今現在も皆様にお知らせしておりますし、発電所の中で起こりましたふぐあい、これを専門的な言葉でいいますと不適合といいまして、本来あるべき姿ではない別のことが起こってしまった。例えば機器が故障したらこれも不適合ですし、ヒューマンエラー、書類上のミスがあったとか仕事のやり方が間違っていたと、こういうのも不適合ですけれども、これは毎日そういうのを会社の中、社員も協力会社の皆様からも気づきがあれば毎日何十件も集めて、毎日不適合判定検討会というのをやっております。この結果につきましては、定期的にホームページにもアップして、どなたにも見ていただけるような状態にしております。
 こういうことで、私どもは決してバイアスをかけることなく、できるだけ皆様にわかりやすく今後ともお知らせしてまいりたいと思っております。今後ともぜひ御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。

◎稲田議長
 続きまして、公明党鳥取県議会議員団、澤議員。

○澤議員
 では、今までいろいろたくさん出ましたけれども、3号機につきましては、本当に能力的にも137.3万キロワットですか、2号機の82万キロワットに比べて相当大きいですし、燃料の集合体も560本から872本と、こういうような数字になっております。それで、安全性ということが一番大切だということで、その観点からちょっと初めにお聞きしたいのですけれども、今先ほども出ましたけれども、管理については、1点目は電子の制御といいますか、電気系統の制御が強化されているのはよくわかります。また、バックアップの電源についても、先ほどちょっと御説明がありましたようにしっかり取り組んでいるということはちょっとわかるのですが、これまでもありましたように、いざというときにそういう系統ではなくて機械的な操作といいますか、必要があると考えることもあると思うのですけれども、どういうふうに考えていらっしゃるのかなと。
 もう一つはそれに付随するようなのですけれども、今、万が一のとき、例えばよく言われますけれども、核ミサイルとか何か飛んできたときに、空中で爆発すると電磁障害で電気系統がやられる、そういうようなことも言われております。そういうことが起きたときに、やはり重ねてお聞きしたいのは、電気系統のそういう電子制御ではなくて機械的な制御についての考え方というのも必要だと思うのですけれども、どのように考えていらっしゃるのかなということと、それと廃棄物のことでちょっとお聞きしたいと思います。
 先ほどもちょっと出ましたけれども、原子力発電所は当然運転に伴いまして放射性物質ですね、気体、それから液体の廃棄物が発生するということなのですけれども、これはホームページにも出ておりますが、3号機が今度稼働した場合に、放射性の気体、液体の放出量、現状からどのような推移をしていくのかというのをちょっとお知らせ願いたいですし、それと今度は廃棄物、これも出ていましたが、ドラム缶というような格好で出ております。28年度は3,720本、27年度が4,050本、26年度が3,203本というような数字が出ています。3号機がどういったような、先ほどもちょっと言ったかもしれませんけれども、具体的に廃棄物としてどういう、本数としてちょっと実感が湧きませんので、そのことをお答え願えたらと思います。

●長谷川執行役員電源事業本部島根原子力本部副本部長
 今御質問は、制御系の御質問ということと理解しております。確かに私ども中央制御室は今回デジタル制御を採用してございますけれども、もちろん現場の機器には今御指摘がありましたように機械制御のもの、要は中央制御室からは操作の起点になる信号を出しますので、個々の機械についてはもちろん機械式、あるいは空気作動のものもございますので、とりわけ恐らく御関心はバックアップということ、つまり一つの制御系がもし喪失したときにしっかりバックアップができるのかと、そういう御心配だと思います。
 これについては、原子力発電所は、特に重要な機器は一つの系統では構成しておりません。必ずバックアップを持つようにしてございます。また最近は福島の事故を踏まえまして、そこにいわゆる多重というよりも多様化、こういった考え方も入れております。つまり、同じものを2つつけることもしかりでございますけれども、違う方法、一つの共通の原因ですと例えば2つつけていても同時に機能しなくなることがございますので、先ほどございましたけれども、電気系統に加えて機械式、あるいは現地での操作も行えるような、こういう幾重の制御系、さらには操作系を設置してございます。また、こういったものに対しては何より人間系が重要でございますので、それをしっかりと扱う運転員、あるいは保守員、協力会社の方を含めまして数々の訓練を行っているところでございます。
 2番目は、核ミサイルを中心としたテロ対策でございますけれども、現在発電所で進めております、先ほども資料で御説明しました23ページ目以降の対策でございますが、もともとはアメリカの同時多発テロ、2001年にございました。大型の旅客機が2機衝突いたしまして、そのとき以降、やはりテロの標的に原子力発電所はなり得るということがございまして、これらの対策は、アメリカではテロを意識した対策とほとんどリンクしてございます。ほぼこういった対策がテロにも有効だというふうな検証がなされております。そんな考え方から、今日本は福島事故を踏まえた安全対策を進めておりますが、一方、これらの対策がそういったテロ行為、こういったものにも有効であるというふうに御認識いただきたいと思います。
 中でございましたけれども、いわゆる核兵器をかなり上空で爆発させまして電磁波による制御系への衝撃、こういった攻撃も今言われてございますけれども、これにつきましては、我々電力業界もしっかりと検証しております。基本的には原子力発電所の堅牢な分厚いコンクリートが電磁波に対してもそれを遮断する上で非常に有効だということが確認されてございますので、一方ではそういったことに対してもしっかりと備えを進めております。
 何より最近はサイバーテロなどもございますので、制御系へのそういった外からのデジタルなアタック、こういったものも想定されますけれども、基本的には外部系と重要な安全設備については遮断をしてございますので安全だとは思っておりますけれども、最近はいろんな新しい方策、技術も進んでございますので、このあたりについても最新の知見を踏まえながら、しっかりと対応してまいりたいと思っております。
 次が廃棄物のお話でございます。3号機が仮に運転をしましたら、当然液体、固体、そして気体の放射性廃棄物が出てまいりますけれども、このうち実は液体と固体は、御存じでしょうか、トリチウムという物質、これはなかなか取る手段がございませんので、希釈して液体状のものとして海水にまぜまして放出しておりますけれども、こういった放出が恐らく3号機が運転を開始しますと発生すると思います。これは1号機運転中、2号機運転中含めて同じでございます。国内の原子力施設からは全て出ております。ただ、非常に量は少のうございますので、環境への影響はないというふうに考えてございます。
 そして、一方ドラム缶でございますけれども、これは運転すると何がしか必ず発生してまいります。しかしながら、最近は私ども極力放射性廃棄物を出さない。ドラム缶に詰めますのは、一つはいわゆる可燃性のもの、例えば紙ベースであったり中の作業服であったり、そういったもの、さらにはちょっとスラッジといいますけれども、液体の中に含まれる放射性廃棄物を濃縮して廃棄しますけれどもそんなもの。さらには、固体ですと工事を行いますと配管が出てきたり、そういった金属材料などが廃棄物として発生します。まず、可燃性のものについては焼却をして、必ずミニマムまで減容いたします。固体の金属のものにつきましても、溶融炉でしっかり溶かして減容しております。ですから、3号機が運開するから特に大幅にふえるというふうには考える必要はないかと思います。たしか今、後ほどちょっと数字をお答えしようと思いますけれども、ドラム缶にしますと年間どれぐらいでしたか、そんなにたくさんは出ておりません。一方、構内には4万本の貯蔵スペースがございますので、そこへ一時的に仮貯蔵しまして、最終的には青森県の六ヶ所村のほうへ、処分場がございますのでそこへ、これは低レベルの放射性廃棄物といいまして特に大きな問題なく今処分が進んでございますので、そのあたりは御安心いただけるのではないかと思っております。

◎稲田議長
 希望(のぞみ)さんは質問をされませんので、次に移ります。
 日本共産党鳥取県議会議員団、錦織議員。

○錦織議員
 日本共産党の錦織です。きょうもたくさん質問が出ておりますけれども、やはり非常に難しい、専門的なことが非常に多くて、それを私ちょっと事前にはメールで事務局のほうから送ってもらったりするのですが、でも本当に1日ぐらいしか日にちがなくて、その中でもいろんなことをしながらなので、とてもわかりづらいし、理解できない中での質問なのです。
 それで、先ほども岩崎さんのほうから、これだけでなくて何回か機会を持って質問だとかそういったことに答えたいというふうにおっしゃっていたのですけれども、私は県議会に対してでも、例えばきょうだけで概要説明が終わるということはあってはならないというふうに思っています。それで、何回かやはり私たちも、幾ら専門的なものだとしても、県民に対して私たちは責任がありますので、わからないなりにも一生懸命勉強していかないといけないと思います。
 きょうは渡されたばかりですので、きょう話されたことをまた勉強したり、自分でいろんな資料などをもとに考えていきたいと思いますが、今後何回かこういう機会を持っていただきたいですし、それから地域住民に対しても、これまでは本当に境港市で1回とか、そういうことでしたけれども、やはりこれは広く概要説明ということはしていただかないといけないですし、同じように1回ではわからないと思います。ですから、今後は会場の数もふやして、何回か住民が納得する、そういう少なくとも理解ができるというぐらいまではしていただかないといけない、すべきだと思うのですが、今後の説明会、そういったことについてどういうふうに中国電力さんとしてはお考えなのかをまずお聞きしたいと思います。
 安全協定の問題も先ほど来言っておられるのですけれども、私からもちょっとお願いしたいと思……。

◎稲田議長
 内容を重複しないように言ってください。

○錦織議員
 はい。日本原子力発電が再稼働を目指す東海第二原発について、同社と茨城県東海村と水戸市、日立市、常陸太田市、ひたちなか市、那珂市、周辺5市といわゆる安全協定ですね、原発再稼働や運転延長等に関して実質的な事前了解を必要とする安全協定を締結することで合意したという報道がされていまして、とても画期的なことだというふうに思うのです。それで、周辺自治体に対して事前了解を得ると定めたのは全国でも初めてで、それでやはり横並びを電力業者さんは意識をされるわけですけれども、ここで2号機再稼働や3号機の説明の前に、やはり鳥取県も従来から何回も強く要望していますが、周辺自治体の事前了解を得るということだとか立入調査などを立地自治体と同じ安全協定にまず改定すべきだと思いますが、そのことについてのお考えを2つ目には聞きたいと思います。
 3号機の改良型沸騰水型軽水炉ですね、今回の。この機能で先ほど来説明があるのですけれども、内蔵型再循環ポンプと。これは外回りの配管がない分、炉心に直接影響する危険が高くなるのではないかということだとか、新たな制御棒、出力調整だとか、それから原子炉格納容器、これは鋼鉄製から鉄筋コンクリート製にして原子炉と一体構造にするという機能について、これらの機能について一つ一つはちょっと言いませんけれども、一方では非常に危険であるという研究者からも指摘されていますけれども、このことについてどうお考えになるのでしょうか。
 それと、2号機は82万キロ、3号機は137.3万キロという、仮に2号機、3号機を稼働させるようなことがあれば、私たちは反対はしていますけれども、そういうことになった場合に、2号機停止から既に5年はたっていると。専門職員の退職だとか、それから職員がやる気が喪失しているということをちょっと新聞報道にもされたこともあるのですけれども、事業者としてこれをすると相当な人員体制も必要になってくるのですけれども、そういう体制がとれるのだろうかということを思いますし、それから報道によりますと、清水社長が社員約1,000人を前にして、抜本的な経営基盤の回復、経営の安定化には原発の稼働が不可欠だとして、早期の2号機再稼働、3号機の新規稼働の決意を表明しておられるわけなのです。でも、電気は今足りています。重大事故が起これば環境と住民にはかり知れないリスクを負わせる原発から撤退して、再生エネルギーへ切りかえるのがエネルギー事業者の責務ではないかと思いますが、この点についてはどうお考えになるのかお尋ねします。

●岩崎取締役常務執行役員電源事業本部島根原子力本部長
 今、大きく分けますと4点御指摘をいただきました。1つずつ御回答させていただきたいと思います。
 まず1点目、原子力は非常に専門的で難しい、なかなかわかりづらいということで、今後さらにいろいろ説明をということでございました。今後どのように皆様方に御説明をさせていただくかということにつきましては現時点で決めたものはございませんけれども、今後いろいろ関係の皆様と御相談もさせていただきながら対応させていただきたいとは考えておりますけれども、私どもは現在もいろいろな広報誌、あるいはホームページ、こういうところで皆様方にできるだけお知らせしたいということでやっておりますけれども、今後もそういうさまざまなものを使いまして、住民の皆様にもしっかりと御説明を、できるだけ地域の皆様にわかりやすく御説明をしてまいりたいというふうに考えております。
 あと、2番目に安全協定について御質問をいただきました。日本原電株式会社と東海村とその周辺自治体に係る安全協定でございます。この安全協定の内容につきましては私どもも承知をしておりますけれども、安全協定と申しますのは、その地域その地域、立地地域の情勢、あるいは状況、こういうものに応じてそれぞれ検討され、対応されていくものであろうというふうに考えております。私どもは現在鳥取県様とも安全協定を結ばせていただいておりますけれども、今後とも安全協定は真摯に対応してまいりますし、また立地自治体と同様に誠実に対応してまいりたいと思います。
 安全協定の改定ということについて御要請をいただいているということも当然承知をしておるところでございますけれども、この件につきましても、今後とも私ども誠実に御相談をさせていただきながらやってまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 3番目のABWR、いろいろ改良されているということであるけれども、一方ではそれについての疑問点も指摘をする声もあるということでございました。私どもABWRは、国、メーカー、そして電力会社がかなりの時間をかけまして、標準型として改良したものでございます。その中で代表的な制御棒駆動機構の改良であるとか格納容器の改良とかというのがございますけれども、先ほど長谷川からも御説明を申し上げましたとおり、従来に比べて安全性等が向上している、こういうプラントになっているというふうに考えているところでございます。どうぞ御理解のほどをお願い申し上げます。
 最後、4番目の御質問でございますけれども、2号機が停止をしてからもう大分時間がたったと。この間、発電所の所員、退職をしていく者もある。そして、とまっていることに対していわゆるモチベーションの問題はどうかという御指摘でございました。これにつきましては、私どもは、技術力の維持向上、そしてモチベーションの維持向上、これは非常に重要な問題であると、課題であるというふうに考えております。技術力の維持向上といいますのは、例えば運転員はシミュレーターを使って中央制御室の操作は日々訓練をしております。実際の中央制御室と全く同様な模擬ができるシミュレーター装置がございますので、これで日々訓練をしておりますし、また運転をしております火力発電所、こういうところに派遣をして、あるいは今後は運転をしております他社の原子力発電所にも派遣をしたり、いろいろ工夫をしながら技術力の維持向上を図ってまいりたいと思っております。
 また、保守員につきましても、発電所はとまっておりますけれども、やはりとまっているからといって何も点検をしないというものではございませんので、計画を立てながらしっかりと日常的な保守、定期的な保守をしております、こういうこと。あるいは、今安全対策工事をいろいろ実施しておりますけれども、こういう工事を設計、立案、施工することによって技術力の向上を図っております。また、そういうことをもちまして、モチベーションにつきましてもしっかりと維持できているものというふうに考えております。
 最後に、今電気は足りているのではないかという御指摘がございました。確かに電気は今現在足りておりますけれども、例えば私どもが現在、先ほど長谷川も少し御説明いたしましたけれども、中国電力でお客様にお使いをいただいております電気は、夏場の一番多いときに大体1,000万キロワットという電気を使っていただいております。今、原子力発電所が動かない分、かなりの部分を火力発電所で賄っておりますけれども、火力発電所は平成30年代の半ばになりますと、40年を超えるものの出力が500万キロワットを超えてまいります。皆様御承知のように、発電所をつくりますのは、火力発電所にしても原子力発電所にしましても、あるいはほかの発電所にしましても、かなり多くの年数が必要となってまいります。したがいまして、これはしっかりと先を見据えて計画をしてつくっていかないと、今後の地域の皆様に安定的に電気をお届けするということはできないということでございます。その中でも、やはり同じ電源に頼るのではなくて、再生エネルギー、それから化石燃料を使った火力発電所、あるいは原子力発電所、それぞれの特質がございます。これを一つだけに頼りますと何かあったときに大変困難な状況にも陥る可能性があるということで、バランスのとれた電源構成にしておく必要がございます。そういうことで、今後も原子力発電所は一定のものを維持していくということが必要であると私どもは考えておりますので、ぜひ御理解のほどをよろしくお願い申し上げます。

○錦織議員
 安全協定ですけれども、その地域に応じて検討されて対応されるものだと思うというふうにおっしゃっていました。それで、立地自治体と同様ということを繰り返しおっしゃっているのですけれども、私たちはやはりとてもそのことがひっかかるし不安だし、現実的に格差が非常にあるということからすればやはり改定をすべきだと。
 中国電力さんはこれまでも、岡山県のダムの測定データの改ざんだとか山口県での公害防止協定の違反、原発内での相次ぐ火災の発生だとか、その場その場の知見でとおっしゃっていましたけれども活断層の見落としがあったと。511カ所の点検漏れ、流量計データの偽造、そしてこの前の中央制御室のダクトの腐食、こういったものなど、総合的に見れば原子力発電の事業者として不適格ではないかと考えるものです。
 この繰り返される不適正事案に対して、やはり中国電力への監視を強化する、それからチェック体制を強化するということが私は必要だと思いますし、そういうことから見れば、立地自治体同様の安全協定を結ぶということ、これは中国電力さんにとってもむしろ必要なことではないかというふうに考えて、再度安全協定の改定について、この面からどう考えられるのかということで答弁をお願いします。

●岩崎取締役常務執行役員電源事業本部島根原子力本部長
 今御指摘をいただきました、過去の私どもの会社、あるいは島根原子力発電所の不適合事例、あるいは不適切な事例、確かに皆様方に御心配、あるいは御迷惑をおかけいたしました。改めまして深くおわびを申し上げます。
 私どもはこれらの不適切な事例、あるいはトラブル、こういうものを起こさないように、その都度原因を追及し、対策を策定して、そしてその対策を継続的に実施していくということで懸命に努力をしているところでございます。今後ともこれを継続してまいりますので、ぜひ御理解と、また引き続きの御指導をお願いしたいと思います。
 安全協定でございますけれども、先ほどの私どもの回答と重複をいたしますけれども、安全協定の件につきましては、今後とも誠実に関係の皆様方と御相談をさせていただきながら対応してまいりたいと思いますので、ぜひ御理解のほどをよろしくお願い申し上げます。

◎稲田議長
 次に、無所属、長谷川議員。

○長谷川議員
 まず、立地自治体と周辺自治体とは同様の対応を行うのだということで、本当にきょうも繰り返し述べていただくのですけれども、そのためにもやはりかかって皆様方のほうでそれこそ同等の内容にすると、そういう腹を内部のほうで固めていただくということだけなのです。これはぜひ、きょうは本当にこれまで以上に強く受けとめていただいて、御検討いただきたいと思います。
 その根拠としては、やはり東日本大震災以後、避難計画がそれまでは5キロ範囲であったものから30キロ地内は策定が義務づけられるようになったのですね。そういうことがやはり裏づけとしてあるわけですから、これは従来以上に皆様方が踏み込んでいただくということを強く求めておきたいと思います。
 きょうの議題は3号機、それも申請につながる手順においてということではないという限定つきはよく理解しているわけでありますけれども、せっかくの機会ですので3号機に向き合うということでお尋ねをいたしますが、時々2号機の審査などの過程の中で、今度できる3号機は同じ敷地内の地盤の上につくられるものだから、2号機の審査が全てなのだという表現を時々見かけることがあります。ただ、この点につきましては、2号機のほうがむしろ新規制基準の申請を受けて、かなりの補強、追加工事をしてきていると思うのです。新しいと言われる3号機のほうが既に東日本大震災時点では97%完成していたわけでありますから、仮にこれが申請という運びになって新規制基準の審査を受けるというようなことになれば、3号機においては追加工事とか安全対策というのは今の時点よりも本当に生まれてくると。そのことを腹構えとして持っていただかないと、私は申請には向かえないと思います。そういうことで見解をお聞きしたいと思います。
 地震の取り扱いなのですけれども、新たな知見というのを取り入れるのだとおっしゃって、さき方島根西部地震の例も言われましたけれども、そのときでも予想される想定している耐振動の10分の1だからということで片づけられてしまいますけれども、そうではなくて、地震というのは今本当に想定されない地層、断層からも起き得ること、それから熊本地震のように何度も何度も同じ強度のものが繰り返されるというような、種類によって物すごく影響度が違うということが教訓ではないでしょうか。そういうことをしっかり踏まえていただいて、これまでの、そしてまたこれからも予想される地震の対応というものに備えた考え方というものを行っていただきたいと思います。
 4点目ですね、1号機からの使用済み核燃料の搬出が進んでいないのではないでしょうか。計画は3月ぐらいまでだということであったのですけれども、今は仮置き場に本当に滞っている状態だと思います。こういう状況がある中で、さらにこれから2号機、3号機となっていくわけですけれども、やはり使用済み核燃料の処理が本当にきちっとなされる見通し、見立て、いやもう現実スケジュールでは来ているわけですから、そういうことが本当に見通せない段階でまた新たな2号機の再稼働、3号機の新設というようなことにはなりにくい状況というものが現実的に、物質的に、物理的に生まれているのではないでしょうか。その辺はどのように受けとめられておりますか。
 もう1点、最後に……。

◎稲田議長
 ちょっと待ってください。
 今、長谷川議員、4点目ということでおっしゃっており、それ4点というのは一番最初のいわゆる安全協定も……。

○長谷川議員
 時間がもったいないですから続けて言おうとは思ったのですけれども、関連していますからもう少しいいでしょう。
 最後ですね、電力需要で、いわゆるバランスよくということをおっしゃいました。バランスよくという上でも、今の需要見込み、電力の供給量というのが、皆さんのほうが発表されている10年間の長期計画の中でも余力があるのだと。そして、その中の電源構成には原発はゼロとなっているのです。そういう状況の中にあるという、皆さんどういう見立てをしておられるのかというのをお伺いしたいと思います。

●長谷川執行役員電源事業本部島根原子力本部副本部長
 安全協定の立地並みのお話は、再三先ほど来、各議員からお話を頂戴しております。私どもしっかりと受けとめて、今後も対応させていただきたいと思います。
 次に、3号機の今後仮に申請、さらには運開ということを見据えれば、追加工事や安全対策も必要という御指摘でございますけれども、これにつきましても必要な対応が多分出てくるかと思います。今後の進捗によってしっかりと検討、対応してまいる所存でございます。
 それと、地震の件でございます。議員がおっしゃるとおりでございまして、私どもも国内で今も各地で新たな地震が発生しておりますので、確かにいろんな状況、繰り返し起きるケースもございますし、震源がはっきりわかっていないケースもございます。そういったものを常にしっかりと把握しながら、原子力発電所の耐震設計、あるいは設備の増強に反映してまいります。
 ただ、きょうはあくまでも、先般の地震がこの程度であったという評価結果をお伝えしたものでございます。先般もお話ししましたけれども、直下に国内で起きました非常に強い地震を置くというような方策も今審査の中では進んでございますので、繰り返しになりますけれども、地震に対する御不安は非常に強いのは承知しておりますので、引き続きしっかり適切に対応してまいります。
 次は、使用済み燃料の恐らく六ヶ所村の完成3年延期のことを踏まえての御指摘だと思います。確かに私ども1号機の廃止措置も含めて、前提は六ヶ所村の再処理工場への搬出でございます。ただ、繰り返しになりますけれども、1号機の燃料も貯蔵容量的には十分ございますし、引き続き冷却安全貯蔵を続けてございます。3年のおくれは確かに生じておりますけれども、廃炉の全体工程の影響は何とか吸収できる程度というふうに考えてございます。
 そして、電力需給のバランスの件、先ほども岩崎が御説明したとおりでございます。確かに、現状、数字上はかなり当社の場合は余力があるかに見えますけれども、平成30年度の中ほどにはほぼ半分の火力が高経年を迎えると。こういうことに対して、やはり長期的なスタンスで、なおかつ適切なバランスをとりながら対応していくということを御理解いただきたいと思います。
 あわせて、先ほどの澤議員からの御質問にお答えしようと思います。放射性固体廃棄物、いわゆる黄色いドラム缶の発生本数でございますけれども、現状、発電所で年間1,500本程度が発生しております。今後3号機が運開すると、何がしらプラスということになろうかと思いますけれども、先ほども申しました、既に1万8,000本が当社のほうから六ヶ所村の処分場に搬出されておりますし、敷地の中の貯蔵量、あるいは六ヶ所のキャパシティーなども考えると、この件については比較的余裕のある運営が今後も続けられるのではないかというふうに考えてございます。

◎稲田議長
 予定されておりました質疑は終了をいたしました。
 時間の関係もございますので、以上で打ち切りたいと思います。
 それでは、中国電力株式会社からの説明は以上で終了をいたします。
 中国電力株式会社の皆様には、長時間にわたって丁寧な御説明や御答弁をしていただきまして、まことにありがとうございました。御苦労さまでございました。
 以上で議員全員協議会を終了いたします。

                                午後3時52分 閉会

 
 




 

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