会議の概要
午前10時10分 開会
◎森委員長
ただいまから農林水産商工常任委員会を開会いたします。
本日の日程はお手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
なお、付議案の予備調査を行った後、暫時休憩をとり、本会議における付議案に対する質疑、付議案の各常任委員会への付託の後、付託議案の審査を行うことといたしますので、委員及び執行部におかれましては御承知いただきますようお願いいたします。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
本日の会議録署名委員は、松田委員と濵辺委員にお願いいたします。
それでは、付議案の予備調査を行います。
質疑につきましては、説明終了後一括して行っていただきます。
また、報告第3号、長期継続契約の締結状況については、お手元に配付の資料のとおりであり、特に説明は要しないことといたします。
それでは、最初に商工労働部から説明を求めます。
まず、総括説明を求めます。
●吉村商工労働部長
商工労働部の議案説明資料をお開きくださいませ。
1ページをお願いいたします。商工労働部は予算関係1件、それからその他報告がございます。予算関係につきましては、このたびの燃油高騰の対策につきまして、トラック協会等への助成をさせていただくものでございます。よろしく御審議のほど、お願いをいたします。
◎森委員長
続いて、関係課長から順次説明を求めます。
●山本通商物流課長
それでは、商工労働部議案説明資料の2ページをお願いいたします。燃油高騰対策支援事業でございます。
既に主要事業の説明ということで行っておりますけれども、トラック運送事業者への省エネ対策、具体的には低燃費タイヤの導入経費の一部助成を鳥取県トラック協会を通じて貨物自動車運送事業者に対して行うものでございます。事業内容といたしましては低燃費タイヤ、通常のタイヤとの差額相当に当たります1本当たり2,000円を助成するものでございます。平成
29年度の当初予算で140万円を県トラック協会へ助成しておりますけれども、このたび追加で
270万円分をお願いするものでございます。本数にしまして1,350本分ということでございます。低燃費タイヤの効果については、低燃費タイヤは通常タイヤ、全天候タイヤとスタッドレスタイヤと両方ございまして、タイヤのゆがみ、特殊ゴムの素材の摩耗だとか空気抵抗、こういったものを低減して転がり抵抗を減らすということで燃費性能を向上させていくものでございます。メーカーによりますけれども、約2%の燃費向上があるとされておりまして、タイヤメーカーのお話によりますと、駆動輪など一部のタイヤ交換のみでも燃費低減効果は認められるということでございます。
また、他県の状況でございますけれども、中国4県では岡山県と広島県がトラック協会への助成を行っているということでございます。
下に参考として記載しておりますけれども、地域経済変動対策資金についても平成29年度燃油高騰対策枠を本日発動ということとしております。
●佐々木産業振興課長
6ページをお願いいたします。その他報告案件でございます。
鳥取県産業技術センターの常勤職員数について御報告を申し上げます。
本県につきましては、地方独立行政法人法の規定によりまして、毎年1月1日現在でセンターの常勤職員数を報告することが義務づけられてございます。ことしの1月1日現在でございますが、中ほどの表のとおりでございまして、予算定数52名中51名が今配置をされてございます。内訳といたしましては、常勤が49名、その他育児休業等で2名の状況になってございます。
◎森委員長
次に、農林水産部から説明を求めます。
総括説明を求めます。
●岸田農林水産部長
農林水産部の議案説明資料の1ページをお開きください。今回、29年度一般会計補正予算としまして総額76億7,000万円余の補正をお願いするものでございます。内容としては下の表の中に掲げておりますが、このたびの国の補正を活用しまして一般事業では低コストハウスの導入でありますとか畜産クラスター事業による牛舎等の施設整備、また林業・木材産業の強化策のほか公共事業では農業農村整備事業、造林事業、それから境港高度衛生管理型市場の整備等をお願いするものでございます。
また、地方創生交付金を活用しまして和牛改良の試験棟を新たに畜産試験場に整備する。また、燃油高騰対策としまして漁船の省エネエンジン、LED等の導入を支援するものでございます。
各事業の詳細は担当課長から説明をさせますので、審議のほどをよろしくお願いいたします。
◎森委員長
続いて、関係課長から順次説明を求めます。
●加藤経営支援課長
2ページをお願いいたします。担い手確保・経営強化支援事業でございます。これは担い手農家が経営発展を図るために農業用機械、施設を整備する場合に、融資残額に対して助成するものです。補助対象者は人・農地プランに位置づけられた中心経営体であって、なおかつ認定農業者、認定新規就農者、集落営農組織でありまして、42件で2億2,000万円を増額補正でお願いするものでございます。
●島﨑農地・水保全課長
3ページをお願いいたします。公共事業の農業農村整備事業で2億7,600万円と、債務負担行為としまして9,500万円の補正をお願いするものでございます。内容としましては、今回の国補正を活用しまして県営畑地帯総合整備事業2地区の畑地かんがい整備と、経営体育成基盤整備事業1地区の区画整理を促進するものでございます。
また、債務負担行為につきましては、経営体育成基盤整備事業の阿毘縁地区の区画整理工事や、天候のよい時期に施工できるよう債務負担行為をお願いするものでございます。
続きまして、4ページをお願いいたします。公共事業の農地防災事業でございます。3億1,200万円余と債務負担行為としまして4,800万円の補正をお願いするものでございます。内容としましては、国補正を活用しまして県営地域ため池総合整備事業1地区のため池整備や、県営特定農業用管水路等特別対策事業4地区の管水路の更新、また県営農業用河川工作物応急対策事業1地区の頭首工の整備を促進するものでございます。
また、債務負担行為につきましては、山上・水根地区のため池改修工事におきまして堤体の盛り土作業が天候のよい時期に施工できますよう、債務負担行為をお願いするものでございます。
公共工事の関係につきましては、15ページ以降に予算説明資料を記載しております。
18ページには今回お願いしております地区の概要を記載しております。また、28ページには先ほど御説明しました債務負担行為の調書を記載しておりますし、30ページには今回補正をお願いする事業につきまして年度内の事業完了が困難なことから、繰り越しをお願いするものでございます。当課の事業は、項の列の中ほどにあります3の農地費、この5事業が該当しますのでよろしくお願いいたします。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
5ページをお願いいたします。産地パワーアップ事業でございます。2億2,000万円の補正をお願いするものでございます。主な事業内容でございますが、いなば農協のあんぽ柿加工施設の整備に係るもの、それから生産支援事業といたしまして梨の網かけ資材、それから野菜、花などの施設栽培で被覆資材、それからブロッコリーの冷蔵庫等、これを助成するものでございます。
次のページをお願いいたします。鳥取型低コストハウスによる施設園芸等推進事業でございます。3億2,800万円の補正をお願いするものでございます。事業の内容ですが、スイカ、トマト、イチゴ、切り花などの産地強化を図るための鳥取型低コストハウスの整備に係る経費の一部助成をお願いするものでございます。
●岡垣農業振興戦略監畜産課長
7ページをごらんください。畜産クラスター施設整備事業(肉用牛)でございます。県内の肉用牛の生産基盤を強化するために、国補正事業を活用しまして県内、南部町と米子市の繁殖農家さんの牛舎を整備するものでございます。4,916万5,000円の予算をお願いするものでございます。
8ページをごらんください。畜産クラスター施設整備事業(酪農)でございます。県内の酪農の生産基盤の強化を図るために、これも国の補正事業を活用しまして県内、琴浦町の2戸の酪農家の牛舎を整備するものでございます。2億4,000万円の予算をお願いするものでございます。
9ページをごらんください。鳥取和牛改良試験研究施設整備事業でございます。この事業は、地方創生拠点整備交付金を活用するものでございます。今回、宮城全共でかなりいい成績をとりました。その次の平成34年の鹿児島全共でもさらにいい成績を獲得するために、今回成績を出すことができたその大きな根拠となったゲノム育種価の研究をさらに進めるために、ゲノム育種価を算出するための器械、アイスキャンという器械とその研究棟の整備、また築40年以上たっております直接検定牛舎あるいは種雄牛舎を新築整備する事業でございます。補正予算としましては4億9,079万4,000円をお願いするものでございます。
また30ページ、31ページをごらんください。今回、今説明させていただきました3事業の繰り越しをお願いするもので、年度内完成が難しいということで繰り越しをお願いするものでございます。
●上月森林・林業振興局県産材・林産振興課長
10ページをお願いいたします。林業・木材産業強化総合対策事業でございます。15億9,600万円余の補正をお願いするものでございます。内容といたしましては、国が実施するTPP及びEPA対策関連事業を活用いたしまして、合板、製材、集成材製品の生産力及び競争力強化、そして原木供給の安定化等を進めるため、木材加工流通施設、間伐材の生産、路網そして高性能林業機械の整備、航空レーザー測量を行うものでございます。
30ページ、31ページをごらんください。当該事業の年度内の事業完了が困難なことから、繰り越しをお願いしております。
●濱江森林・林業振興局森林づくり推進課長
11ページをごらんください。とっとり環境の森づくり事業でございます。5,400万円の補正でございます。森林環境保全税によります森林の保全整備を図るため保安林の間伐を支援、そして保安林内の森林作業道整備を支援、そして普通林の間伐を支援するためのものでございます。次ページにございます造林事業の国補正に伴う保全税上乗せの増額補正でございます。
12ページでございます。公共事業の造林事業でございます。5億円余の補正でございます。森林整備、植栽、間伐、森林作業道整備等に対して支援を行うものでございます。着工地区につきましては、19ページにつけております。
そして30ページ、31ページに繰り越しのお願いをさせていただいております。本事業並びに前のページのとっとり環境の森づくり事業につきましては、年度内の事業が困難なため繰り越しをお願いさせていただくものでございます。
●平野水産振興局水産課長
13ページをお願いします。がんばる漁業者支援事業(燃油高騰対策)として910万円の増額補正をお願いするものでございます。燃油価格が高水準で推移していることから、漁業者が省エネ型のエンジンの購入や漁船用のLED作業灯を購入する際に、3分の1の支援を行うものでございます。
続きまして、14ページをお願いします。特定漁港漁場整備事業、公共事業でございます。これは国の増額に基づきまして、33億7,400万円の増額補正をお願いするものでございます。30年度に予定しております境港高度衛生管理型市場の陸送上屋1号上屋、それから流動海水シャーベット氷製造装置等の工事を前倒しで行い、早期完成を目指すものでございます。
なお、この資料の中で全体計画、スケジュールのところに平成35年までの計画を載せておりますけれども、平成につきましては31年までしかございませんので、平成32年以降につきましてはどうやって書いていいかわからず、仮として平成のままでの記載ということで御理解をいただきたいと思います。
◎森委員長
次に、企業局から説明を求めます。
総括説明を求めます。
●湊企業局長
それでは、企業局の資料をお願いいたします。2月臨時会に提案をさせていただいております議案第2号、平成29年度鳥取県営電気事業会計の補正予算でございます。概要は運転開始から50年がたちます日野川第一発電所のリニューアルを行うに当たりまして、コンセッション等の導入が可能かどうかを検討するために必要な調査の予算を計上させていただいております。
詳細につきましては、担当課長から御説明させていただきますので、よろしく御審議をお願いいたします。
●入江企業局経営企画課長
それでは、続きまして資料1ページの御確認をお願いいたします。今回の企業局の補正予算は1件でございます。
事業としましては、先ほど御説明がありましたように日野川第一発電所リニューアル概略検討業務でございます。債務負担行為といたしまして、4,320万円をお願いするものでございます。
事業の内容でございますが、運転開始をしましてから約50年経過しました老朽化した水力発電所、具体的には舂米、小鹿第一・第二、日野川第一につきましては、これまでリニューアル計画を策定いたしまして順次着手しているところでございます。現在、舂米発電所のリニューアルにつきましては直営によりまして事業着手しておりますし、小鹿第一・第二発電所につきましては既に劣化度調査あるいは改修計画の概略検討を完了しているところでございます。また、この3施設につきましては改修、運営につきまして現在民間活力の活用を検討しているところでございます。今回の日野川第一発電所につきましては、リニューアル計画に沿って次の候補に計画しておりましたけれども、昨年11月議会での議論を踏まえまして現行のFIT制度の適用を前提としましたリニューアルの事業性を検討するため、今回施設劣化状況調査及び改修計画の概略検討を行おうとするものでございます。
発電所のリニューアルに当たりましては多額の建設コストが必要なことから、売電単価が有利なFIT単価を目指しましてFIT制度の活用を前提に検討しているところでございます。ただ、この現行のFIT制度につきましては平成32年度に抜本的な見直しが予定されておりまして、現行FIT制度の認定へのスケジュールを考慮しますと早急に劣化度調査及び改修計画の概略検討に着手する必要があることから、補正予算として提案させていただいているものでございます。
日野川第一発電所の概要については、以下の表にございますとおりでございますので御確認をお願いしたいと思います。
事業内容につきましては、水圧鉄管または建屋等の劣化状況調査、あるいは主要課題でございます選択取水設備あるいは護岸あるいは進入路等の解決に向けた資料作成、あるいはその関係者との協議、それから改修計画の概略検討でございます。
事業期間については31年3月までの1年間ということで、債務負担行為としまして平成30年度に全額設定するものでございます。
なお、この日野川第一発電所につきましては、今回の検討結果を踏まえましてリニューアルの事業性が確認できれば、現在検討中の県営発電施設PFI、これの対象施設の追加を検討したいと考えているところでございます。
◎森委員長
以上で説明が終わりました。
ただいままでの説明について、質疑等はありませんか。
○山口委員
商工労働部のタイヤの件ですけれども、トラック協会に入っておられる方からの要請があったのでしょう。今協会に加入している人と全然協会に入っておられない方とはどのくらいの率になっとるのかな。
●吉村商工労働部長
県内の事業者さんの全体のうち、大体85%ぐらいがトラック協会に入っておられるとお聞きをしております。
ただ、今回の補正分については会員以外の方にも御案内をして、一応御希望なり照会はされると聞いておりますので、基本的には今回の補正分は全部の事業者さんが対象になり得ると考えております。
○山口委員
だから運送業者が全部対象になると。協会外の方にも声をかけてあるということですね。協会に加入しておる者だけが対象ではないと。
●吉村商工労働部長
そうです。
○山口委員
ということで。
●吉村商工労働部長
はい、今回の補正分はそのように考えています。
◎森委員長
ほかにございませんか。
○島谷副委員長
今、そのトラック協会に入っていないところにもということなのですけれども、この文書を読むとトラック協会に対しとなっているのだけれども、その協会に入っていない業者に対してはどういうふうに補助をしていくのか。
●山本通商物流課長
基本的に補助金の受け口として協会を通じて助成を行うということにしておりまして、通知の方法については協会向けの案内と、あとホームページ等で御案内をするということで、協会外の方に直接郵送だとかそういうような案内はしないと聞いております。その辺もどういう形で周知を図っていくのかというところも、トラック協会さんにもう一度確認をしたいと思います。
○島谷副委員長
やはり協会に入っていないとなかなか、窓口が協会ということになると取っつきにくいというかね、会員外の方には情報がたどり着かない可能性があるので、そこはしっかりとやってもらわないと不公平というかバランスが悪くなるので、しっかりそれは考えておいてください。
○錦織委員
今の件なのですけれども、トラック協会を通じてということで、これまでも何回も、これは3回目ですかね、されているのだけれども、今までが逆にどうだったのかなと思いますけれども。もしかしたらうまく全体が対象になっていなかったのではないかなと考えますので、よくよくちょっとそこは全部に行き渡るということにしてもらいたいとこれは要望しておきます。
それとこの参考枠のところで、燃油高騰対策枠を資金として発動するということなのですけれども、これは取り扱い期間がきょうから3月31日までの申し込みということになっているのですけれども、これは期間延長ということはあるのでしょうか。
●谷本企業支援課長
今回はこちらに当初予算枠内で執行ということで今御説明させていただいておりまして、年度末の状況を勘案しまして新年度予算で引き続き必要があれば継続を考えたいと思っております。
◎森委員長
ほかに、皆さんございませんか。全てオーケーですので、部署を限らず全部通してお願いします。
○錦織委員
今回は農林水産部がかなりTPPの関連もあったり、それから境港の水産基盤ということでかなりの額が補正されているのですけれども、まず2ページ目の担い手確保・経営強化支援事業というのでは、補助要件が売上高の10%以上の拡大または経営コストの10%以上の縮減を経過目標とすることということになっています。ほかにも新規で産地パワーアップ事業だとか、それから低コストハウスだとかとありますけれども、ほかはどういう補助要件であるかということは全然書いていないので、書いていないものについてちょっと説明をしていただけたらと思いますがどうでしょうか。一つ一つ言ったほうがいいですかね。
では、産地パワーアップ事業が5ページにあります。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
5ページの産地パワーアップ事業でございますが、販売額とか生産額、販売額を10%アップするか、それからコストを10%下げるという要件が全部で4つありまして、今、鳥取県でやっていますのは販売額を10%アップするというのがほとんどでございます。要件的にはそれからもう一つ、面積要件というのがありまして、それは露地の場合には幾ら、それから施設の場合は幾ら、それから普通の白ネギとかそういうものと、それから例えば中山間地ではまた別に要件がありますし、いろいろ表がありまして、細かく全部されていますけれども、基本的に大きなもの、露地類、白ネギ等につきましては10ヘクタールとか、施設でありますと5ヘクタールだとか、それから都市でありますとこれの要件が緩和されたりとか、中山間地でそれの要件がまた緩和されて面積が少なくなるとか、面積要件と販売額アップとかコスト低減という要件が備わっております。それぐらいでよろしいでしょうか。
○錦織委員
それでは、次に6ページの鳥取型低コストハウスによるこの施設園芸等推進事業についても、その補助要件について伺います。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
この鳥取型低コストハウス事業につきましては、国の産地パワーアップ事業が原資になっていまして、これを3分の2にするために県が9分の2、それから市町村が9分の1相当で、最終的に3分の2の補助になるようにしておりますので、要件的には産地パワーアップと同じになります。
○錦織委員
それであわせてこの低コストハウスのところの事業の目的、概要を見ますと、本県の農業の活力増進のためにと書いてあって、緊急的に生産拡大するということはどういう意味があるのでしょうか。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
施設化を進めることによって、今だんだん全体に米とか単価が下がったりしているわけでして、今、鳥取県で一番強いのは畜産と園芸だと思っていまして、その園芸の大きな柱として施設園芸を緊急に進めていく。一番いい例としましてスイカですけれども、実際に今、中部とか県下の施設で入っていて、スイカだとかそういうものにつきましてはかなり、ハウスを入れたことによって前進化されて、販売単価がぐっと上がって、史上最高の単価がここ数年続いておるということで、施設化による高収益、付加価値のある園芸品目を伸ばしていきたいという思いで施設化を進めておるところです。
○錦織委員
次は7ページの畜産クラスター施設の肉用牛のところですけれども、これは今回南部町と米子市でこの施設を整備するということなのですが、これまでの取り組み状況、改善点を見ますと、国もいろいろこの事業を取り組んでいるのですが、国に採択されなかったというのがJA西部の畜産クラスター協議会、それから県版の肉用牛クラスター事業での牛舎整備というのがされなかったので県版でやったというのが書いてあるのですけれども、その採択をされなかったという理由は何ですか。
●岡垣農業振興戦略監畜産課長
これは平成27年の補正で要望があったものなのですが、ちょっとその増頭の割合が若干低いということで、ポイント制なものでちょっとそのポイントが足りなかったということで、国では認められなかったということがございました。ただ、国に認められなかったものに関しては県版で向かうということにしておりますので、要望があったものに対しては我々としては全て向かっていこうとしておるところでございます。
○錦織委員
国で採用されなかったものは県の事業で拾ったということがわかりました。
次、8ページですが、これも同じく畜産クラスターの施設整備事業ということで、今回琴浦町の2戸の畜産農家がされるということなのですけれども、これの要件というのがどういうものなのかということと、それからその取り組み状況だとか改善点ということで、これではそういう施設整備に取り組んでいるのですけれども、全体として頭数がふえているのでしょうか。農家だとか頭数がふえているのかということをお聞きしたいと思います。
●岡垣農業振興戦略監畜産課長
要件でございますが、畜産クラスター事業に関しましては生産額を10%ほどアップするというのもございます。
今回、平成27年補正からこの事業にずっと取り組んできまして、酪農に関しましてはことしの2月に東部で600頭規模の大きな牧場がまずできます。そういったこともありまして、大体約1,000頭以上乳牛がふえるという形になろうかと思っております。
農家数につきましては、実際に高齢化でやめられる方等もございますので、ややちょっと微減というところではございます。そういう状況で、この事業に取り組んだことによって逆に県の目標でもございます生乳生産量の6万トンをクリア、大きく超える6万5,000トンになるだろうということを予測しておりまして、この事業のおかげで十分に大山乳業さん等もやっていけると考えているところでございます。
○錦織委員
当初は生産量もふえるということでいいことだと思うんですけれども、今後TPPで酪農が一番影響を受けるのではないかと言われているのですが、そういう中で600頭の規模のそういう牛舎というのかそういうものをつくられるというのは非常に勇気も要ったと思うのですけれども、県としてもこれからもずっと支えないといけないのですが、TPPの影響とか何かはどういうふうに考えておられるのですか。
●岸田農林水産部長
TPPの影響ですが、直接的な影響というよりもTPPでオーストラリアとかそれからカナダ、それからEPAでヨーロッパからチーズ、そういう製品が入ってくる。うちの県は飲用乳の生産がもう9割以上を占めていまして、ですから加工乳となるとやはり直撃というのは北海道なのですけれども、北海道の加工乳が飲用乳にかわって本州に来ると、そこで大乳の農家が圧迫されるという懸念を持っております。ですから定性的な話なのですけれども、そこについては要は影響額としては出てきませんけれども、大変危機感を持っております。そのためにやはり今大乳さんは規模拡大をして低コストの推進ということと、それから白バラ認証制度という独自の認証制度で高品質の牛乳を生産していますよというのを消費者の皆さんにアピールする。そういう事業も仕組まれていますので、高品質な牛乳をできるだけ低コストでやっていくということで対抗しようと思っております。
○錦織委員
規模拡大でそういう国内の加工乳が飲用にかわって安くなってしまうのではないかということは、コスト削減もいいのですけれども、どの程度できるかわからないのですけれども、価格そのものが国内の価格の全体はやはり下がりますよね。
●岸田農林水産部長
そうなってくると価格低下という懸念も出てきます。ですから高品質の牛乳生産ということで、価格低下というのは特に品質が悪いところからやはり打撃が出てきますので、高品質な牛乳生産に向かっていくということで対応していくということです。
◎森委員長
ほかにございませんか。
○興治委員
2ページです。さっき説明で対象が42件あると言われたように思ったのですけれども、それでいいのでしょうか。
それと、これまでも同様の事業があったと思うのですけれども、今回補正対応ということで新となっているのですけれども、これまでの補助事業と中身的には同じなのでしょうか。
●加藤経営支援課長
事業実施主体は市町村になっていますので、市町村数としては12市町村で、実際に実施される農家は今42件ということになっております。
27年の補正でこの事業は同様のものが出てきております。27年と28年の補正事業で国で同じ事業が出ておりまして、要件的には一緒のものになっております。
○興治委員
今回この事業を実施するに当たって、各市町村に多分問い合わせされたのかなと思うのですけれども、そこで上がってきた分について全てこの事業の中に取り込めたのでしょうか、それとも取り込めなかったものもあったのでしょうか。もしあったのであれば、それは来年度の当初予算で見るとか、何かどうなっているのでしょうか。
●加藤経営支援課長
今段階では、要望のあったものを全てこの42件ということで拾っております。
これから国に事業計画なりを申請していきますので、そこでどうしてもこの事業もポイント制になっていますので、全国との競争ということで採択されないものも出てこようかと思います。それについては、来年度の県事業でありますとか国のほかの事業ということでまた調整しながら、要望を受けてやっていけるような格好にしていきたいと思います。
○興治委員
もう一つだけ。10ページですけれども、これについて事業内容のところに木材加工流通施設等の整備、実施主体は木材加工業者等、事業量1式とあるのですけれども、これはどこの何を整備するということなのでしょうか。
●上月森林・林業振興局県産材・林産振興課長
こちらは、南部町にございますレングスさんでつくっておりますCLTの加工製造施設、これへの支援ということでございます。
○興治委員
CLTの施設ということは県内初ということなのかなと思うのですけれども、そうでしょうか。これによって、どれぐらいの量のCLTが年間生産されるということになるのでしょうか。
●上月森林・林業振興局県産材・林産振興課長
CLTの生産は現在もレングスさんでやっておられますので、県内でこの施設の導入が初ということではございません。今回の施設の導入は、現在レングスさんがつくっていらっしゃるこの製品をもう少し多様化といいますか、製品の幅を広げるという意味で新しく施設を導入されるものでございます。それでこの施設を導入することで現在の生産量の3倍から4倍の製品を生産することができるようになりますので、ざっとですけれども年間でいきますと8,000立米ぐらいの製品は製造できるようになる計画でございます。
○興治委員
わかりました。いいです。
○斉木委員
6ページですけれども低コストハウスについて、今回258棟が追加ということで、この下の低コストハウスの導入実績計画等を見ると、弓浜は低コストハウスを入れるような環境にないということかな。今、盛んにやっておられますけれども、合わないというか、あるいは低コストハウスと普通のハウスの関係に風の関係とかいろいろあるでしょうけれども、全くないからちょっとそのあたり。
それともう一つは12ページ、5億円の今度補正で森林の整備をされますけれども、植栽、間伐、林道整備等がそれぞれに5億円の中でやっていくということでしょうか。最近、木質バイオマス発電に非常にまだ間伐材が足らないということで、それにはやはり林道等の整備がおくれているから木出しができないという状況をちょこちょこ聞くのですけれども、このあたりをどのあたりで重点的にこの補正でやっていくのか。
それで年4,200ヘクタール間伐面積になっていますけれども、この中でやっていくという考え方なのですか。そのあたりを教えてください。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
弓浜半島で低コストハウスが入っていないではないかということでございますが、実はこの低コストハウスの事業ではなくて、低コストハウス自体はネギの育苗用として入っております。ですけれども、あの地帯にこういう中部の辺のようなトマトだとかスイカだとかそういう施設園芸がなかなか入っていないという事例があるものですから、それから白ネギとかブロッコリーという大きな品目があるので、そちらを中心に進めておられるので、施設化に向かっていっていないと理解しております。ですから、弓浜だから低コストハウスが合わないということはないと思っております。
○斉木委員
今、弓浜で盛んに事業等、会社等をやっておられますけれども、その分の低コストハウスの導入予定などというのはないわけかな。
●永原農業振興戦略監生産振興課長
今回のは産地パワーアップ事業が原資でやっているものですから、産地として取り組みで先ほど申しましたように面積要件がありますので、1件だけということになってきますとなかなか難しいということがありますので、その場合には園芸産地とかいう別の単県事業がございまして、そちらで可能でございます。
●濱江森林・林業振興局森林づくり推進課長
造林事業でございます。今回5億円余の補正をさせていただくわけでございますけれども、この中で間伐、森林作業道等を整備させていただくわけでございますけれども、これだけで全てを賄うものでございませんでして、ほかにも今回補正で御説明させていただいております10ページにございました林業・木材産業強化総合対策事業、こういった事業でも路網の整備、間伐材の生産というのを今後TPP対策ということでやらせていただくことにしております。ということで、いろいろな事業を組み合わせながら木質バイオマス発電等にも対応できることをやっていきたいと考えております。
◎森委員長
ほかの方は。
○山口委員
2ページですけれども、この事業主体が市町村ということになっておるけれども、これはトンネルかな。
●加藤経営支援課長
市町村が一度補助金を受けて、実施者に出していく。トンネルというか、出していくという格好です。
○山口委員
3ページですけれども、これはトンネルかな。全然県をせずにすとんと行くのかな、これは事業費が。
●島﨑農地・水保全課長
これは県営事業ですので、トンネルではございません。県が事業主体となってやるものです。
○山口委員
事業主体ということですね。
●島﨑農地・水保全課長
はい。
○濵辺委員
13ページのがんばる漁業の支援事業で主要事業のこの内容の中で、補助対象者がここのイですかね、補助申請時の年齢が満65歳以下、その下に要件が、ただし3年間に平均90日以上の出漁実績がある者は満70歳以下とかと要件があるのですけれども、この要件の中で何か今漁業で働く人の高齢化が進んでいたりとかして漏れる人が、この申請ができない人が結構あるのではないかなと思うのですけれども、その点はどうでしょうか。
●平野水産振興局水産課長
この補助要件につきましては、次のウに財産処分制限期間内という言葉が出てきていますけれども、いわゆる耐用年数、補助して買ったものをやはり補助した以上は一定の期間使ってくださいということで、使っていただける方を補助対象としているということになります。
それで90日の根拠なのですけれども、水産業漁業協同組合法という中に漁協の正組合員というのは年間90日以上漁をする人ですよというのがあって、水産の中ではよくこの平均といいますかどうも90日以上という言葉はよく出てくるのですけれども、それはまさに漁業者として、正組合員として一生懸命やっている人たちということで、補助する以上は誰でもということではなくて、そういう頑張っている人に対して補助しようということでこういう制限を設けさせてもらっているということであります。
◎森委員長
ほかの方はいいですか。
○山口委員
9ページですけれども、本当に全国で冠たる地位をとった、地位を占めたわけですけれども、この間も言いましたように、この畜産試験場のスタッフに獣医さんをなかなか確保できないということです。将来とか現状を考えてもこのスタッフの確保というのが緊急ではないかと。今はいいかもしれませんけれども、これからというのは畜産試験場というのの充実を図られないとこれは大変な状況になるのではないかと思いますけれども、試験場のあり方をどう考えておられるか。
●岸田農林水産部長
今回、ゲノム育種価という新技術を用いて種雄牛造成等、また新しく大々的にやっていこうということですが、今、畜産試験場は獣医師、それから畜産の専門職、それと通常の農林技師という3つのジャンルと、それから畜産技手という職種で構成してやっているわけですけれども、獣医師は委員も指摘されたようになかなか確保が難しいということですが、処遇面も一昨年改善をしておりますし、そこら辺、鳥大と連携してなるべく確保していくという今努力をしておりますし、種雄牛造成で今回新たに技師の枠を1人新設をしまして採用しておりますし、獣医師で足らないところは畜産専門職で補いながら、全体の研究に事欠かないような人員を確保するようにしてまいりたいと思います。
○山口委員
鳥大の獣医学部があるのですけれども、卒業するまでには6年か7年か。
●岸田農林水産部長
6年です。
○山口委員
6年でしょ。ということですから、優秀なやはり人材を確保していかなければならないと思います。
もう一つ、11ページの保安林の間伐ですけれども、これは本当にいいぐあいにいくでしょうか。所有者と。
●濱江森林・林業振興局森林づくり推進課長
11ページの森林環境保全税を使って、現状といたしましてはやはり不在村だとか所有者のわからないというかいらっしゃらないような山もございますので、そういったところの山を森林整備していくのはなかなか困難な部分もございますけれども、やはりこの森林の保全を高めていくということのためにも、着実ではありますけれども、徐々にでも間伐を推進していきたいと思っております。
○山口委員
趣旨はよくわかりますけれども、田舎になりますともう本当に境界がどこだかわからんし、その所有者自身がわからんので、間伐を必要とするところはよくあるのですわ、多く。だから地籍調査をしても、まずこれも大事なことですけれども、もう所有者がわからんようなところがたくさん今あるのです。
●濱江森林・林業振興局森林づくり推進課長
山口委員のおっしゃるとおり、境界のわからないところとかいろいろと山にはございます。ということで、県としましても境界を確定させるというか、境界がわかるように台帳を整理したりとかいろいろな後世にもわかるような格好で今やっているところでございます。そこの部分について、これからも重点的にやっていきたいと思っております。
○山口委員
やはりこれは今の森林組合が抽出してやるのでしょうけれども、だけれども本当に今生存している人でもわからん、こういうのが現状ではないかなと。だからこれはなるべく早く地籍調査をしてもらって対応しないと、いい計画をされても最後はトラブルが起こる可能性もありますし、トラブルが起こるほどの状態になればいいですけれども。
◎森委員長
要望ですね。
○山口委員
要望として。
◎森委員長
それでは、ほかの皆さん。
○錦織委員
農林で10ページです。今回のTPPや日EU・EPAが発効になると、8年後には関税が撤廃されるということになるのです。この間も県の林業試験場の勉強会なども行かせてもらって、なるほどすごい技術であったり製品ができているのだなとちょっと感動も含めて思ったりしましたし、それからその後に私はちょっと行けなかったのですけれども、石破代議士も来られてフォーラムかシンポジウムもあったようなのですけれども、今現在海外から鳥取県内に入ってきているそういう林産物、集成材だとか合板だとか、そういうものはどのくらいあるのかなと。量的にはわからないかもしれないのですけれども、どこの国が今現在入ってきているのだろうかと。新聞によると、マレーシアだとかというのが入ってきているふうにちょっと読んだのですけれども、そこら辺のことがわかれば教えていただきたいのですが。
●上月森林・林業振興局県産材・林産振興課長
国内に輸入されておりますのは、今、委員おっしゃいましたとおりマレーシアとかの合板も入ってきておりますけれども、県内の業者さん、合板のメーカーでありますとかCLTでありますとかLVLをつくっていらっしゃるメーカーにもいろいろお聞きするのですけれども、特徴的に海外の製品が多く県内に入っているような状況ではないということでお聞きをしているところでございます。ですので海外の製品がこれから新たにまた入ってくることになるかもしれませんけれども、それに備えまして新たに競争力をつけるような対策を講じてまいりたいと思います。
○錦織委員
今の5%だとかそういう関税がなくなってしまうと、大変厳しいことが起きるのではないかなとちょっと思います。
それと、10ページと11ページとを見比べて私も今さらながらの質問なのですけれども、路網の整備というのと11ページの保安林の森林作業道整備というのとの違いをちょっと教えていただけませんか。
●上月森林・林業振興局県産材・林産振興課長
いろいろと規格があるのですけれども、10ページにございますのは林業専用道、こういったようなもの、より幅員が広いものですね。それとそこを通行できる林業用の車両につきましてもより大きなもの、こういったものが通れるようなものを林業専用道と言っておるのですけれども、それとあと森林作業道、これはもう少し幅が小さくてクローラータイプのようなものがより奥まで入っていくような道でございます。若干その機能によりまして呼び方は違いますけれども、林業専用道でありますとか森林作業道でありますとかいろいろ言い方はありますが、幹線、それとそこから出てくる支線という形で全体に路網の整備をしておるところでございます。
○錦織委員
わかりました。
もう一つ。企業局でお聞きしたいと思います。ちょっと聞いたのですけれどももう一つわからないというのが、これまでの経過でいうと舂米とそれからあと小鹿第一・第二はもう老朽化しているからどうしましょうかというのでいろいろ劣化の状況の調査だとか、どういう手法でやりましょうかというのが一定の方向性がついたのですよね。その3つを含めてコンセッション方式ですることも考えられているわけですけれども、今回日野川の第一発電所をその後にしようと思ったのは、やはりこのFIT制度を活用してやったほうがいいのではないかという、そこまではちょっとわかるのですけれども、それをさらに今回コンセッション方式にまで話が進んでいくというのが、ちょっと何かすごい時間的にタイトなのにそこまでぶっつけてくるというのが、何でそこまで考えなければいけないのかなと思うのですけれども、ちょっとなぜそうなのかということを企業局長にもう一回はっきり聞かせていただきたいのですけれども、済みません。
●湊企業局長
コンセッション方式がいいか悪いかという話ですけれども、私はコンセッション方式を導入することによりまして発電事業者であります県、それからそれを担おうとする民間事業者、それからもう一つは県民の方、このいずれもが満足できる仕組みというのがコンセッション方式の仕組みづくりをこれからやっていかなければいけませんけれども、それによって三者全てにメリットが及ぶやり方ではないのかなと思っております。その三者がいい方向に進むのであれば、当然コンセッション方式というのは視野に入れるべきだろうと考えておりますので、では三者が三方一両得になるようなのは今までこの常任委員会で委員の皆様方から御意見をいただいたことが全てクリアすれば、みんながいい事業のやり方だよねというのは確認できると思いますので、そういうよりよい事業のあり方に向かって進むというのはあるべき方向ではないのかなと思いますけれども、そこに進むにはやはり大きな山がございますので一概にどうだということは言えませんけれども、よりよい方向に進むにはやはりコンセッション方式というのは一つの大きな選択肢ではないかと思っております。
◎森委員長
意見が尽きたようですので、以上で付議案の予備調査を終了いたします。
暫時休憩をいたします。本会議で付託を受けた後に、審査をまた再開いたします。
午前11時14分 休憩
午後1時00分 再開
◎森委員長
それでは再開をいたします。
これより審査に入ります。
第1号議案、第2号議案について、質疑を行っていただきます。ないですか。(「なし」と呼ぶ者あり)
では意見がないようですので、それでは討論に入ります。
○錦織委員
それでは、議案第1号と2号について討論します。
議案第1号、鳥取県一般会計補正予算は、TPPや日EU・EPA対応の農林水産関連予算約77億円を計上しています。体質強化対策では、経営感覚にすぐれた担い手の育成とか国際競争力をつくるために農家に規模拡大や自己責任を求めたり、重要5品目関連の経営安定供給対策では農家が求める所得補償や価格補償はせずに、対策の多くは実施が条約発効後でいつになるかわかりません。
鳥取県への影響試算は、国試算の手法に倣って県は対象品目を県の特産品の梨とかブロッコリー、ブドウなどは対象外として、税率10%以上かつ国内生産額10億円以上で現在相手国と貿易がある品目しか対象にしていません。こういったことで試算していますが、TPP11で生産減少額が11.5億円から15.8億円、日EU・EPAではこの生産減少額は7.9から15.7億円ですが、これでは過小評価であり、信頼できません。
また、その事業の中の担い手確保・経営強化支援事業、それから産地パワーアップ事業、畜産クラスター事業などは売上高の10%以上の拡大とか、また経営コスト10%以上の縮減とする成果目標の計画を立てるとか、規模拡大などの要件に合わなければ対象になりません。結局、力のある人しかこうした事業に乗れないような事業で、ハードルが高過ぎます。
12月に妥協された日EU・EPAでは、合板、製材、集成材製品等の10品目についても段階的に輸入関税費を引き下げ8年後には撤廃され、そのため県は林業や木材産業強化のための総合実施をしようとして約16億円という大きな予算をつけて対策を打ちますが、これらが発効されれば幾ら体質強化をしても影響は避けられません。
災害・防災対策だとか燃油高騰対策など評価できる事業もありますが、鳥取県の存亡のかかったTPP、日EU・EPAを無批判に受け入れ単発的な予算であったりハードルが高かったりと、これでは県の基幹産業は守ることができません。
次に議案第2号、鳥取県営電気事業会計補正予算は、老朽化した日野川第一発電所へのコンセッション方式導入に向けた補正予算です。概略検討といっても4,320万円もかかります。さきに舂米、小鹿第一・第二の発電所のリニューアル後は、当初は改修予定でしたが、FIT制度の見直しまでに間に合えばこのリニューアル費用が賄えると計画を前倒しして検討しようというものです。
しかし、複数の発電所の調査設計工事を同時期に進めるためには現在の企業局の人員体制では困難だという説明もありまして、最初からもうこの話は民間に委ねる話です。そもそも50年も60年ももつ発電所の供用開始後の20年で高い売電収入の得られるFIT制度は終了し、その後の運営はどうするのか。既に可能性調査がされている3施設とあわせて、この施設を一括してコンセッション方式にするという話も出ています。地元企業は参入できるのか。それから民間企業が倒産した場合はどうなるのか。政府が主導するこうした民間活力導入に乗って、長期に安全で安定した運営が果たして約束されるのか全く不明であります。
施設の適正管理による電力の安定供給は公的責任で実施すべきであり、以上の理由で議案第1号、第2号には反対します。
◎森委員長
ほかに討論はありませんか。
ないと認めますので、これより採決に入ります。
なお、採決については、議案ごとに採決をいたします。
それでは、議案第1号について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成多数であります。したがいまして、議案第1号は、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第2号について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成多数であります。したがいまして、第2号は、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
委員長報告の作成、内容については、委員長に一任をいただけますでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)
御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
それでは、その他に入ります。
皆さんで何かございますか。
○興治委員
さっき終わってからちょっと話はしたのですけれども、木材で集成材がLVLとかCLTとかが県内でもつくれるようになってきて、先日も林業試験場で構造材として使えるということで展示施設もオープンになるということを見てきたのですけれども、来年度の当初予算で交番の新設、改築という事業が出ていたのですけれども、木造ではないのですよね。だからその構造材が県内ではまだ十分でないということもあるのかもしれないのですけれども、そこが可能であれば交番等にもやはりその県内で使われているそういったものを使っていくということが必要だと思いますし、その他の県立施設などについてもやはりもっと使っていくという方向が出されてもいいのではないかなと思うのですけれども、農林サイドとそれから営繕課と、あるいはその事業をやる警察等々事業課との間での県内木材、集成材等の利用の話をもっと進めていっていただきたいなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
●尾崎森林・林業振興局長
公共施設の木造化につきましては、公共建築物の木造化の推進ということで進めております。営繕課とも、施設整備に当たっては調整をしながら取り組んでいるところであります。
値段でありますとか工期でありますとか施設の大きさでありますとか、そのあたりがさまざまございまして、極力木造化、木質化というところを営繕課と調整しながら進めている。引き続きまして積極的に木が使われるように努めてまいりたい、営繕課と調整してまいりたいと考えます。
○興治委員
よろしくお願いします。
●尾崎森林・林業振興局長
はい。
◎森委員長
皆さん、ほかによろしいですか。
それでは、以上をもちまして農林水産商工常任委員会を閉会いたします。
午後1時12分 閉会
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