平成29年度議事録

平成30年2月23日会議録

出席者
(8名)
委員長
副委員長
委員

銀杏 泰利
中島 規夫
福浜 隆宏
市谷 知子
浜田 一哉
川部 洋 
浜田 妙子 
内田 博長 
 

欠席者
(1名)
委員
稲田 寿久

説明のため出席した者
  藤井福祉保健部長兼健康医療局長、
  中林病院事業管理者、ほか各次長、局長、課長、関係職員

職務のため出席した事務局職員
  宇畑課長補佐、片山係長、池原係長

1 開  会   午前9時01分

2 休  憩   午前10時21分、午後0時33分、午後4時05分
         
3 再  開   午前10時28分、午後1時15分、午後4時11分
         
4  散  会   午後5時54分
 



会議の概要


午前9時01分 開会


◎銀杏委員長
 それでは、ただいまから福祉生活病院常任委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 なお、今回の予備調査の常任委員会は相当の分量がありますので、本日は、最初に病院局、次に福祉保健部、来週の26日月曜日は生活環境部と、2日間に分けて予定をしております。よろしくお願いします。
 なお、平成30年度当初予算においては、事業の所管の変更が予定されているものもありますが、旧所管の課長から説明することとしておりますので、御承知ください。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 本日の会議録署名委員は、福浜委員と市谷委員にお願いをいたします。
 それでは、病院局に係る付議案の予備調査を行います。
 執行部の説明は要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いいたします。
 質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきます。
 それでは初めに、当初予算及び予算関係以外の付議案の説明を求めます。
 まず、中林病院事業管理者に総括説明を求めます。

●中林病院事業管理者
 お手元の病院局の資料の1ページをお願いしたいと思います。
 上のほうに総括表をつけていますが、この表の右側が支出になっております。この支出の一番下の合計の欄をごらんいただけたらと思います。収益的支出につきましては約239億円余り、また、資本的な支出につきましては128億円余りをお願いしているところです。
 また、表の下に主な事業を掲載しております。まず、現在、新病院の建設工事を行っている中央病院の関係ですが、工事のほうはおおむね予定どおり進捗をしているところでありまして、夏には建物自体は完成しまして、その後、機器や設備の整備、引っ越し等を経て、12月にはオープンさせたいというふうに考えております。
 また、オープンが近づきましたら、内覧会等も開きたいと思います。また御案内しますので、委員の皆様にはぜひお運びをいただきますようにお願いします。
 また、新病院のオープン後に外来棟の改修や既存本館等の解体などを行うこととしておりまして、これらに要する経費をお願いしているものです。
 なお、厚生病院につきましては、老朽化した空調設備に対し、年次的に更新を行おうとするものです。
 また、本日は中央病院の池口院長と厚生病院の皆川院長も出席しております。池口院長は、鳥取大学から中央病院に来られて約2年半になりますし、皆川院長は昨年4月に中央病院の副院長から厚生病院の院長になられました。お二人とも医療に高い見識をお持ちで、それぞれ県立病院の経営に手腕を発揮していただいております。
 それでは、予算等の詳細につきましては細川局長のほうから説明しますので、よろしく御審議のほどお願いします。

◎銀杏委員長
 続いて、細川病院局長兼総務課長に説明を求めます。

●細川病院局長兼総務課長
 それでは、2ページをお願いします。先ほども話がございましたが、中央病院の建てかえ整備に関するものです。
 継続費の3年目ということで、最終年の進捗を図っているところですし、外来棟の改修、それから医療機器の整備等について、引き続き行うこととしています。
 なお、外来棟の改修工事等につきましては、別途継続費の設定をお願いしています。24ページに記載しておりますので、後ほどごらんいただけたらと思います。
 3ページをお願いします。ここからが両病院の来年度の運営に要する経費です。
 まず、3ページ、4ページが中央病院です。この表の見方ですけれども、29年度の予算額がA欄。29年度の決算見込額がB欄で、これは12月途中の状況ですので、まだこれからこの数字については動くということで御理解いただけたらと思います。30年度の予算額がC欄です。主にC欄の数字をごらんいただけたらと思います。
 中央病院につきましては、医業収益、上から2つ目ですけれども、順調に増を見込んでおりまして、運用に必要な経費を計上した後のいわゆる経常損益です。これは4ページの下から2段目です。30年度予算額C欄の下から2段目の経常損益で4,800万円余の黒字の予算ということにしております。
 なお、中央病院につきましては12月オープンということですので、それらも織り込んだ予算編成としております。
 ただ、増床の87ベッドですけれども、これは段階的に稼働率のアップを見込んでおりますので、実際には、30年度については6割程度の稼働ということで収益を見込んでいるところです。
 また、最終の純損益です。4ページの一番下ですが、特別損失に計上しています退職給付引当金、これが3億3,900万円余りありますけれども、これを計上しております。これについては29年度から引当てをしており、30年度で最終年ということで、終了するということです。
 また、中央病院につきましては、新病院建設に伴う医療機器の移設、引っ越しですね、そういった経費が5億1,500万円、これは臨時的な経費ですけれども、そういったものを計上することによりまして、7億1,600万円余の赤字となっています。
 ただ、先ほど申し上げました退職給付引当金でありますとか、新病院に係る臨時経費が終了することによって、純損益も大きく改善すると見込んでいるところです。
 5ページには、資本的収支ということで、中央病院の整備に係る費用等を計上しています。
 6ページからが厚生病院の運営に要する経費です。表の見方は同じです。
 厚生病院におきましては、医業収益で、対前年度予算比で4,600万円余の減を見込んでおりますけれども、入院診療単価のアップですとか、新たな施設基準の取得等に努めるとともに、経費の節減にも努めておりまして、7ページの下から2行目ですが、人件費等必要経費を計上した後の経常損益は3,600万円余りの黒字の予算編成としております。
 なお、純損益につきましては、中央病院と同じように特別損失に退職給付引当金3億1,000万円余りを積んでおりますので、最終的には2億8,100万円の赤字となっていますが、中央病院と同じく、この引当てが終了することによりまして、純損益ベースでも黒字が見込まれるというところです。
 8ページをお願いします。厚生病院の資本的収支です。これは冒頭も説明がありましたが、老朽化に伴う外調機や空調設備の更新に必要な経費をお願いしているものです。
 両病院とも収入の確保と経費の節減に努めて、引き続き安定的な経営について努力をしてまいりたいと思います。
 なお、今回、診療報酬の改定年度になっていますが、この改定につきましては、予算には盛り込んでおりません。現在、影響について精査中です。必要に応じて補正予算等で対応をお願いさせていただければと思っております。
 9ページ、病院統括管理費です。これにつきましては、病院局総務課職員の人件費等について、例年並みに計上しているものです。
 10ページから23ページまでは、対前年予算比や、一般会計同様、改定基準にのっとったキャッシュフロー計算書や給与明細書等を添付していますが、詳細な説明は省略したいと思います。
 25ページをお願いします。債務負担行為に関する調書です。いずれも中央病院における各種業務委託や、寝具等の賃借料についてお願いしているものです。
 大半が継続ですが、この表の一番下のデータベース利用料が新規でお願いするものです。医療に関する最新情報、外国雑誌や教科書を提供しているデータベースを利用するためのライセンスを取得するものです。
 26ページから32ページまでは予定貸借対照表等をつけていますが、これにつきましても詳細な説明は省略させていただけたらと思います。
 33ページをお願いします。議案第64号、条例関係です。県営病院事業の設置等に関する条例の一部改正です。
 これにつきましては、中央病院が新築移転することに伴い、個室料について使用料の額を定めるものです。新病院においては、3種類の有料個室を設けることとしておりまして、近隣病院の個室料などを参考にして、それぞれ1日当たりの使用料の額を定めるものです。
 35ページをお願いします。議案第65号、病院局企業職員定数条例の一部改正です。
 中央病院の新築移転に向けた計画的な体制整備、また、厚生病院の診療機能の強化に向けた、医師、看護師等の増員を行うもので、合計で29名の増員をお願いするものです。中央病院が25名、厚生病院が4名ということで、増員をお願いするものです。
 概略につきましては以上です。よろしくお願いします。

◎銀杏委員長
 続いて、本日は池口中央病院長と皆川厚生病院長においでいただいております。ここで順次、平成30年度におけるそれぞれの病院での特徴的な取組について、簡潔にお話をしていただきたいと思います。
 それでは、順次、お話をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

●池口中央病院長
 鳥取県立中央病院長の池口正英です。今日はお忙しい時間をいただきまして、ありがとうございます。
 先般、細川局長からお話しいただきましたように、平成30年度は病院の新築移転が一番大きな事業です。期日としては、一応12月の15日、16日、土曜、日曜にかけて、患者さんを移すという作業、その前に1週間かけて機器を段階的に移していこうということです。現在、病床数は431床ですが、結核と感染症の病床を除くと417床で、平均すると、入院患者は大体360~370名ぐらいの方が常時入院されておられます。
 患者さんを新しい病院に移すというときに一番問題になるのがやはりエレベーターで、使えるエレベーターが2基しかないということで、1人の患者さんが1つのベッドに乗って移動されたらということで試算しますと、大体2日間かけて移動するのに、患者さんの数は280名ぐらいに絞らないと、移動が難しいということになります。
 本年の12月ぐらいにかけて、少しずつ、段階的に入院患者さんの数を減らしながら、最終的に移動のときには280名ぐらいの方で2日間かけて移動しようと考えております。
 その前1週間ぐらいは、やはりちょっと手術なども少し抑制していかないといけないので、東部の医師会の先生方、また、近隣の鳥取赤十字病院や鳥取市立病院の先生方に、患者さんの受入、ないし手術のことに関して御理解いただかないといけないので、その説明には直接私がうかがって説明をしていこうと考えております。
 現在の経営状況ですが、医業収益を私どもが一番気にするところですが、年々医業収益が上がっておりまして、平成29年度の見込みでは、医業収益だけで125億円前後ぐらいを見込んでおります。問題は、やはり医業の支出のほうになります。現在、支出も右肩上がりとなっており、130数億円というところで、医業だけでいえば9億円ぐらい赤字になるというところです。この原因として捉えているのが、診療材料が年々上がっているということと、やはり人件費の問題です。今度、新しい病院になりますと病床数がふえますので、現在は病院規模よりも少し多目に看護師さんを雇用しているという状況で、そのために人件費はやはりかなり高いと。
 看護師さんを雇用しているのですけれども、夜勤ができる看護師さんが少ないということが、現在、一番頭を抱えている問題です。どうしても看護師さんのワーク・ライフ・バランスを考えると、産休や育休から明けた看護師さんが、月に7回、8回夜勤ができるかというと、なかなかそういうわけにはいきませんので、子どもさんも小さいので、そういう方はやはり夜勤の回数を月に1回とか2回にしないといけないと。ワーク・ライフ・バランスの観点からはいたし方ないところではありますが、病院の経営からするとちょっときついというところです。夜勤の看護師さんが十分おられますと、ハイケアセンターといいますか、加算がとれる病床数を確保できますが、現在はちょっとそれができていないと。4床ぐらいハイケアセンターが稼働していないという状況なので、その辺りが少し頭が痛い問題ではあります。
 どうやって解決するかというのは、今、看護局といろいろ相談しながら、去年の4月に入られた新人の看護師さんが今、もうひとり立ちしていく時期になりますので、できたらハイケアセンターもオープンして、いわゆる加算を少しとって病院収入を上げていきたいと考えているところです。

◎銀杏委員長
 ありがとうございました。

●皆川厚生病院長
 厚生病院長の皆川です。よろしくお願いします。
 先ほど病院局長のほうから御説明いたしましたが、厚生病院はなかなか経常収支が厳しい状況です。さりとて、中部の公立、公的病院は私どもだけですので、何とか踏ん張って、急性期医療を中心に地域に貢献したいと思っております。
 まず、経営面からですが、先ほど来、お話ししていますように、地域の基幹病院としての機能を維持するというのが最大の役割ですので、現在いただいております地域がん診療連携拠点病院の資格は何としても維持しないといけませんし、およそ10カ月かかりましたが、今までなかった中部の地域医療支援病院の申請要件を何とかクリアできましたので、来年度は手挙げできるものと思っております。
 外来患者数は少し減っているのですが、新入院患者数はむしろふえている状況で、稼働率もよくなってきておりますので、一昨年の震災の影響も少しずつ消えていっているのかなと思っています。
 今まで診療報酬上当然いただけるもの、施設要件、加算要件というものについて取りこぼしがあり、かなり抜本的に見直した結果、恐らく来年度は1億円規模の増収が見込まれます。
 節約という言葉がなかなか定着していない病院だという印象を持ちまして、光熱費も含めて、それから医療機器も必要なものは買わないといけませんが、大事に使っていただくということで、みんなの気持ちを今、盛り上げているところです。
 何といっても医師を中心に人材確保が大事なのですけれども、なかなか地域の皆さんにお応えできないでいると。常勤不在の診療科とか、不足感というのは否めないので、鳥大病院を中心にいろいろお願いは再三行っているところですが、一方で医療政策課と共同して、何とか自治医大の卒業生の研修先としての機能を果たしたいということで、今まではほぼなかったのですが、来年度は3名を予定しております。
 医師以外の職種でも不足感が否めないところはありますので、何とか少し外向けのアピールをということで、臨床研修教育センターというものを立ち上げて、近ごろはうれしいことに、医学生も含めて見学生がかなりふえてまいりました。地道に頑張って人材確保に努めたいと思っております。
 あと、患者サービスと地域貢献という立場から一言お話ししておきますと、患者相談窓口機能の拡充というのがかなり求められていて、それを今年度、新たに人員も増強して始めました。来年度は、入退院センターということで、患者さんが入院する前にできることをやっておけば、入院期間も短くなるし、退院される転院先、もしくは自宅への在宅復帰の推進になるのではないかなという思いがあります。それから、皆さんにはちょっと御理解いただきにくいかもしれませんが、病棟の看護師の仕事というのは、1人入院患者さんが来られたら、今、とても仕事が多いのですね。いろいろな書類から何から、とても多いのです。ですから、入退院センターという窓口をつくって、そこで入院前にいろいろなことを進めておけば、看護師の負担軽減にもなって、一挙両得かなという思いで、今、計画を進めているところです。
 厚生病院の自慢は、地域連携センターの機能が非常に高いと。私、一昨年まで中央病院にいましたので、比較にならないぐらい、チームとして頑張っています。そこをもう少し、もっと力を入れて頑張っていきたいということで、ソーシャルワーカーや非常勤看護師の増員を見込んでおります。
 災害拠点病院に指定いただいておりまして、震災の折には幾つか反省点がございました。実際に味わった職員が今たくさんいますので、その反省を踏まえた災害対策訓練ということで、日曜日でしたけれども、1日かけてみんなで訓練をした次第です。
 若干タイルが剥がれ落ちたりと、老朽化が否めないところがありまして、そういった補修に関しても、少し費用を計上していますので、よろしくお願いします。

◎銀杏委員長
 それでは、今までの説明について、委員の皆様、質疑等ございませんか。

○市谷委員
 今日は先生方、本当にありがとうございます。
 それぞれお伺いしたいことがあるのですが、中央病院のほうなのですけれども、急性期のところを集約といいますか、ふやしてくるということで、医師の確保ですね、医師体制を相当ふやさないといけないのかなと思っています。その辺りの現状や今後の対策などをお伺いできればと思います。

●池口中央病院長
 医師は、平成24年には82名おられましたが、段階的にドクターの数はふえてきて、現在は93名の常勤の先生がおられます。非常勤の先生や研修医も合わせると、110から120ぐらいの医師数なのですが、ただ、診療科によっては多いところと少ないところとあり、均一に多いというわけではありません。少ない診療科としては、脳神経外科、循環器内科、救命救急といった診療科の人数が少ないので、ここを重点的にどういうふうに確保していくかが非常に大きな問題です。一応、鳥大病院の関連病院としてあるわけですけれども、大学自体にもそんなに潤沢に出せる医師がいるというわけではありません。新研修医、専門医師制度が始まりまして、当院で研修をした研修医の人が鳥取大学に入局して専門医を目指していただいて、またそういう方が帰ってきていただくような循環を、鳥取大学の病院長とは常々そういう話をしております。しかし、なかなかすぐに、急に10人、20人ふえるという状態ではないので、その辺りのところはちょっと時間をかけていかないと難しいかなと思います。
 また、救急のところは、今度、新病院になりましたらヘリポートができます。この3月から、鳥取大学でドクターヘリの運用が開始されますので、その辺りのところを、豊岡病院と鳥取大学と当院と、いろいろ連携をしながら、また救急救命の医師の配置などを詰めていかないといけないと思います。具体的には、鳥取大学にも救急救命の医師が3名ぐらいしかおらず、ドクターヘリをその状態で飛ばすのはかなり難しいので、豊岡から応援の医師が鳥取大学のほうに少し派遣されると聞いておりますし、また、そこが落ちつけば、当院のほうにも豊岡から少し救急の先生を招聘できればと、今、交渉しているところです。

○市谷委員
 ありがとうございます。
 やはり救急のドクター体制というのがなかなか厳しいということでした。先日も、鳥取市立病院のほうが救急科について、特に中核市になるというので、災害時などでも対応が求められるというので特別に対応されたり、岡山大学の関係で救急講座を設けたりと、何とか医師の体制をつくろうということで努力されているとお話も伺っています。
 島根県のほうに聞きますと、島根大学と島根県が一緒になって、医師の確保のあり方について、一緒に何かセンターみたいなものをつくって、島根県では県内でこれだけの医師が必要ですと。大学のほうには、医師が何科は何人ぐらいで、というようなことで、きれいにマッチングができるわけではないのですけれども、そういう相談する体制をつくって、見通しを持ちながらやっていくというようなことをされていると聞いています。そういう体制をつくりながら調整するということについて、どのように思っていらっしゃいますでしょうか。

●池口中央病院長
 少しざっくばらんにお話すると、やはり鳥取大学は米子、西部にあって、実際、東部の医療のことには理解が少ないというのが現状であります。その中で、当院が救急でやっていくのは、トリアージ体制という体制です。救急には救急災害科が主体で行う体制と、トリアージ体制という、大きく2つに分かれます。救急災害科は、豊岡病院のように20人、30人ぐらい救急の先生がいて、そこで全部やってしまうという体制ですけれども、なかなかそういうわけにいきませんので、当院は救急の専門の先生が1人いて、そこで専門の診療科に振り分けて、救急の患者さんが来たら専門の診療科が対応するというやり方で行っているところです。
 あと鳥取大学の現状をお話ししますと、米子にあるので、鳥取大学の目としては松江のほうを向いているということです。松江市立病院や松江日赤病院にいかに人を送るかというのは、やはり島根大学との力関係があって、島根大学と鳥取大学の接点が大体松江ぐらいのところで、そこをどちらがとるかというので、非常にせめぎ合いみたいなところがあります。逆に鳥取大学からいくと、東部の医療というのは余り眼中にないというところが現実にはあります。
 臨床の教授の教授会というのがあって、その後に臨床の教授だけ集まっていろいろ派遣の話が出ます。医師の派遣の話が出て、どこの病院を重点的にするかという話を毎回するわけですが、やはり話として出るのは松江のほうしか出ないというのが現実です。
 だから、医師派遣においても、私がいろいろ病院長や学部長にお話しをしに行っても、残念ながら、なかなかいい解決案が出てこないというところです。ぜひ先生方のお力を借りて、やはり鳥取大学は鳥取県の大学であるということを強くアピールしていかないと、なかなか難しいところがあるというのが、私の実感としてありますので、よろしくお願いします。

○市谷委員
 ありがとうございました。
 1県に1大学があることの意味ですね。今は研修制度も変わって、卒業生を強制的にということはできないかもしれないですが、やはりそこの医療行政を担うという大学の役割を果たせるような仕組みをつくらないと。特に中央病院との関係では、地域の急性期の体制をどうつくるかというのは、県としても問われていることだと思いますので、また努力したいと思います。
 あと、厚生病院のほうもお願いしたいのですが、臨床研修教育センターという形で医師の養成や確保というお話だったかなと思いますけれども、もう少しその辺りをお話ししていただけるといいかなと思います。

●皆川厚生病院長
 臨床研修教育センターという大仰な名前なのですが、少しアドバルーンを上げてイメージ改革に努めたというのが第一ですけれども、実際に研修医のマッチングも非常に厳しいというか、ほぼ1かゼロかというようなことで続いていました。先ほどは少し間違えましたが、自治医大の3年目が今も1人いて、来年は3人になるのですけれども、自治医大へのアプローチも少し不足していたということで、うちでもきちっと研修ができるということをいろんな方面でアピールしていますし、鳥大や福祉保健部などにもお願いする中で、要するに見える化したかったというところです。
 どんな効果があったかはまだわかりませんけれども、先ほども御説明したように、少なくとも今までほとんどなかった見学生が来るようになったというだけでも大きいと思っています。結構、鳥取県出身でよその大学に出ている人に、割と見ていただいているようで、まだ確定はしませんが、福島あたりからも来られるとか、来年度は岐阜とか島根から来ていただくと。鳥大がないのが残念なのですけれども。ですから、いろいろなところで見ていただける機会をつくろうというのが一番で、今後を期待しているところです。

○市谷委員
 各大学から研修に来ていただくために、どういうふうなやり方でお知らせしていくかですね。

●皆川厚生病院長
 一つは、今どきは、こういう時代ですので、ホームページを見ていますね。それから、これは福祉保健部医療政策課のお力なのですけれども、病院ごとのプロモーションビデオをつくったりしていますので、そういったものを見てきましたなどと言っていただいています。

◎銀杏委員長
 先ほど池口院長のほうから、鳥大病院との関係についてのお話がありましたけれども、こうした関係強化について、病院事業管理者のほうから何かありましたら。
 ちょっと議会のほうに投げられましたので、執行部としてはどうかなと思いまして。

●中林病院事業管理者
 大学との関係であります。鳥取大学は鳥取県に所在する大学でありまして、県もさまざまな形で事業連携などをやっており、県庁所在地にある県立病院、中央病院ですので、ぜひお力をいただくように、働きかけなどを今後より一層していきたいと思っております。
 私もいろいろ、何でこんなことになっているのかなと、人に聞いたり調べたりしておりまして、どうも歴史的なものがあるのかなというふうに思っております。島根大学に医学部というか、昔は島根医科大だったのですが、できた歴史が新しく、米子医専のほうがはるかに古くて、そういった歴史もあって、山陰地区をカバーするようなところもあったのかなと。そういう歴史的な経緯を踏まえて、今日まで至っているような事情なのかなと、ちょっと最近感じるところがあります。
 ただ、そうはいいましても、やはりより一層連携を深めていって、県庁所在地の県立病院、厚生病院もそうですけれども、そういったことに対する御理解を得られるように、私も院長先生方と連携しながら全力を尽くしてまいりたいと考えております。

◎銀杏委員長
 ありがとうございました。
 ほかに質疑はございますか。

○福浜委員
 鳥大さんが歴史的経緯以外で松江に行く理由、島根大学医学部との覇権争いではないですけれども、何かメリットがあるのですかね。

●池口中央病院長
 単純に、やはり距離ですね。米子市から20分ぐらいで松江に行きますので、もう距離がはるかに近く、米子に住んでいて通えるのです。だから、ある程度大学で勤務した医師が、では次どこに行くかというときに、松江というのはすごく魅力があります。

○福浜委員
 了解しました。
 では、距離だけではないよというところを、何かアピールする。それがお金になるのか何になるのかわかりませんけれども、やはり何か必要だということでしょうね。
 それと、池口病院長は先ほど、看護師のことで、今、どうしようかと検討されているというような話があったのですけれども、今現在、中央病院は看護師を毎年募集をかけていらっしゃって、その数も結構少なくはないという状況で、どのぐらい全体の分母が必要で、毎年、そのうち何人ぐらい採用されているのかと。要するに中途退職している人もいるから採用されていると思うのですけれども、その辺りがどうなのかというのが1点目です。それから、看護師さんや医療従事者への、鳥大がされているような院内保育ですね。患者さん用ではなく、従業員の方々向けの院内保育についても、多分これまで検討されていると思うのですけれども、費用対効果の面などがネックになっているのか、場所的なものなのか。その辺り、今どういう状況にあるのかと。ニーズとか、看護師の確保という面でどういう見通しなのか教えてください。

●池口中央病院長
 看護師さんは毎年50名ぐらい確保していますが、やはり離職される方が20名ぐらいおられます。それは、離職の原因は結婚とか、あと急性期に向いていないという方が離職されるということです。全体でどのくらい必要なのかというと、518床でフル稼働するのに、803人ぐらいの看護師さんが必要ですが、現在が750数名で、50名ぐらい足りないと。そういう確保は、やはり一気にはできないので、何年か前から少しずつふやしていって、今、430床の割にはかなり余剰の看護師さんがおられます。でも518床にしては、ちょっと足りないのです。

○福浜委員
 足りないのですね。

●池口中央病院長
 最近の傾向でお話をしますと、看護学生などが病院での研修に来られるのですけれども、かなりの数、急性期の病院は私には向いていないという看護学生が最近ふえてきていて、ちょっとその辺りも悩みの種です。
 だから、看護学生の教育で、やはり急性期は経験しておかないと、慢性期とか訪問看護を最初からするにしても、急性期を全然知らないと看護師としてうまくステップアップできないのではないか。このように常々学生には話してはいるのですけれども、そこがこれからどのように理解されていくのか、ちょっと心配ではあります。しかし、4年制の倉吉の看護大学の方が今度卒業してこられるので、看護師の定員確保に向けては、ある程度希望的な観測は持っております。

◎銀杏委員長
 院内保育はどうですか。

●池口中央病院長
 院内保育は現在やっていて、24時間体制で保育しているのですけれども、看護師さんによっては逆にちょっと使いづらい、使いたくないという方も結構おられます。そこはいろいろ御家庭の事情などもある方が多いので、そういうアメニティーはしっかりはしているのではないかとは思っています。

○福浜委員
 ちなみに、今、その院内保育は何人ぐらい使われているのですか。

●池口中央病院長
 定員が40数名ぐらいになると思います。現在使っておられる方が30数名ぐらいではないかと思います。だから、キャパシティとしてはあるのです。

●細川病院局長兼総務課長
 人数だけ、補足してよろしいですか。
 院内保育の定員は50名、通常保育は50名で、病児・病後児保育は4名です。
 実際、ちょっと時点は古いですけれども、大体38名から40名程度が使っていただいているということです。
 院内保育につきましては、厚生病院も同じく設置しています。

○中島副委員長
 まず、3点、お聞きしたいのは、私が鳥取市にいたころも、ベッドが500床を超えると医者が集まりやすいとか、スタッフが集まりやすいと聞いていたのです。そういう効果は本当にあるのですか。

●池口中央病院長
 派遣元の大学にたくさん医師がいて、新しい病院ができたら、では派遣しましょうということになればということなのですが、なかなかそこの元のところが十分ではないというのが現実です。新しい病院ができたから、たくさん医師がふえるかというと、なかなかそこは難しく、多少はふえるだろうけれども、時間がかかると私は見ています。
 今、中央病院で研修した人が大学に戻って、専門医をとって、またうちに来てもらうというまで4~5年かかりますので、やはりそれぐらいのスパンで見ていかないと、なかなかちょっとすぐには。また、新しい病院が建ったから来年は20人ふえるかというと、なかなかそういうわけにはいかないのではないかと考えております。

○中島副委員長
 2点目。ベッド数と平均の稼働率というのは、大体どれぐらいが一番いいのか。100%でとは思うけれども、全部ベッドを埋めておくわけにはいかないでしょう。

●池口中央病院長
 全部ベッドを埋めると救急の患者さんが入れないので、できるだけ在日数は短くして、病床稼働としては80%から90%ぐらいを維持するのがベストだと思っています。
 救命センターも空けておかないといけませんし、一般病床もやはり空けておかないといけない。救急の患者さんを受け入れるためには、80%から90%ぐらいの稼働率がベストだと考えております。

○中島副委員長
 3点目。これは事務局のほうに聞きますが、新病棟の建設はゼネコン1社がして、これから中心部の外来棟の改修があって、その後に古いほうの解体があるでしょう。あれはやはりゼネコンクラスなのか、それとも県内の業者で賄えるのか。どんな考え方をしているのか。

●細川病院局長兼総務課長
 おっしゃいましたように、外構工事等があります。31年1月ぐらいからスタートします。総額で見ますと、継続費で合計が32億5,000万円余になりますので、WTO対象になると思います。でいけば、当然、対象になると。

○川部委員
 先ほど看護師のことが出ていたと思うのですが、これから看護大学の卒業生が出てきたりという話で。これは正しい情報なのか、私にはわからないのですけれども、医師会の会長が、逆に余るのではないかというふうなことを言われていたのです。公立病院のほうはまだまだみたいな感じですけれども、全体的に看護師が充足するという予測ですね。どんな感じで見られているのですか。実際に、足りないのが充足されて逆に余るみたいなところがあるのでしょうか。

●中林病院事業管理者
 確かに御指摘のようなことをおっしゃる医師会の役員の方もいらっしゃって、では、今どうかといいますと、やはり新病院などに向けて不足感があるのは事実です。
 ただ、毎年卒業生は出てくるわけですから、では今後ずっと、5年先、10年先、15年先になっていったときにどうかと言われると、確かにおっしゃるようなことも、もしかしたらあり得るのかなと思っております。
 ただ、どこに就職されるかということもありますので、県内だけに限ってみると、おっしゃるようなことももしかしたらあるのかなとは思っております。

○川部委員
 わかりました。
 実際には動いてみないとわからない部分もあるでしょうけれども、せっかく出たのに、逆に余ってしまったということがないように、しっかり考えていただきたいなということです。
 厚生病院なのですが、私は倉吉なので、やはり厚生病院がしっかり中部の拠点病院としてずっと維持していただきたいということで、ただ、経営的には厳しいという言葉があったのですが、それはやはり規模的なものなのでしょうか。今後、その状況を改善するというか、何をしていけば経営的に安定するのか。収益のところを見ると、平均患者数などは中央病院と比べられないのでしょうけれども、単価が少し低いのかなと思ったりもするのですが、その辺りについて、どういう原因があったりとか、根本的に厚生病院の今後の経営の安定について、どのように考えたらいいのでしょうか。

●皆川厚生病院長
 まず、平均診療単価について御説明しますと、一つは、地域包括ケア病棟を持っていますので、当然下がります。私は中央病院が長かったものですから、例えば心臓の手術とか救命救急センターはありませんが、そのほか、例えばがん診療を中心とした基本的な診療レベルというところでいうと遜色がないと思っております。
 経営の面は、やはり襟を正して、きちんと保険診療で診療報酬上認められたものをきちんと取得すると。患者さんの負担をふやさない範囲で、施設要件などを少し努力すると認められるものが実はたくさんありまして、それだけでかなり改善すると思っております。
 ただし、収益を上げるには、患者さんをふやして、密度の高い診療をしないといけませんので、今でも人件費率は高いのですけれども、やはり医師を中心にして少しずつでもふやしていこうと。後ろを向けば終わりだと思っていますので、その辺りは、申しわけないですけれども、何とかやろうと思っていますので、今後に期待していただければ。

○福浜委員
 もう1点。さっき池口院長のほうから救命救急の話があったのですけれども、ちょっと知らなかったのですが、お一人の専門医の方を中心に、あとは各科にと。まずそこで診て、それから患者さんを専門のほうに回していくという、センター機能みたいな形をとられていらっしゃいました。この前、鹿児島市立病院のほうに行かせてもらったのですが、あそこはドクターヘリも飛ばしていて、それも含めて13人から15人ぐらいの医師の方で回していらっしゃると。その中で、ある程度の医療行為もできるというような安心感がありました。そもそも中央病院が今後目指していかれる方向は、先ほどの医師確保も含めてなのですけれども、今の現状のような体制でいいのかどうなのかを、まず聞かせていただければと思います。

●池口中央病院長
 今の体制を発展させていくしかないと思います。自分のところで全てやるには、やはり救命医が最低15~16人必要になりますけれども、そこまでの数の救命医を集めるというのは、なかなか難しいと思います。だから、やはりトリアージ方式でいかざるを得ないと思います。現在、大学ですらトリアージです。
 これはいろいろ一長一短があって、トリアージをやっている病院では、救命のところで全部やってしまうと不十分な治療しかできないのではないかという意見が多いと。救命をやっているところは、自分のところで全部できるからいいのだという話があるし、これはもう考え方によると思います。
 救命のところで全部やると、例えば何か消化器のせん孔、胃や腸が破れてしまったというような人が来られたときに、救命だけでやると、もうおなかを開いてしまうような話になると。でも、トリアージで専門のところに行くと腹腔内手術でできるというような話ができるので、患者さんにとってどちらがいいですかという話になると、これはなかなか判断が難しいと思います。

○福浜委員
 もう1点、いいでしょうか。救命救急はトリアージを発展させていくということで理解はしたのですが、今現在は専門医の方がお一人ということで、あとは各医局のほうから何人かでチームを組んでと。1人でずっとやるわけにはいかないと思うので。その辺りが1点です。
 先ほどの鳥大との連携にもよるのですけれども、救命救急だけに限って言うと、トリアージを充足するためには、やはり何年先には何人ぐらい必要ということでしょうか。医師の数としてはどれぐらいが適正規模というか。

●池口中央病院長
 トリアージの実際は、救命医は1人おりますけれども、研修医も大体2人ぐらいついているので、合計3名ぐらいはいる体制ではあります。内科系は総合内科というのが当院にはありまして、日勤帯は、いわゆるアメリカのテレビでいうER的なものは全部、その総合内科が受け持つという感じでやっています。夜間や土日になると、各科から出た救急の当番医に、研修医がついてトリアージをするという格好になります。
 救命医はトリアージをするのと、CPAといいますか心肺停止の患者さんとか、あと多発外傷の患者さん、中毒、また自殺企図の縊死の方ですね、そういう方が来られたときの対応というのをメーンにやっているという状況です。

○福浜委員
 理想の数というのは。

●池口中央病院長
 理想の数は、多ければ多いのもいいわけですけれども、やはり4~5名ぐらいが理想でしょうか。1人で多発外傷や心肺停止の患者さんを担当しているというのは、やはり負担感は多いのが現実です。

○内田(博)委員
 病院会計、病院経営自体が大変難しいと私は理解しております。実は日南町の出身ですので、昔から病院経営は大変苦労してやってきて、ようやく今、順調とは言えませんけれども、小さい病院だけれども、黒字でずっとやってきています。
 特に今、中央病院にしても厚生病院にしても、私が知る範囲ではかなり改善されてきて、中央病院のほうは黒字になっていますけれども、厚生病院もかなりいい数字になりつつあるなというふうに思って、今、ずっと拝見させてもらっているのです。
 この間も、実は我々のメンバーの中で、町村が持っている地方の小さな自治体病院がかなり経営的に厳しい状況になっているもので、総務省のほうに行って、交付金制度などで何とかしてくださいという話もしているのですが、現実問題として、なかなか厳しいと。先ほどありましたように、看護師等の不足は間違いないし、ドクターにしても同じ流れの中で、そういう地方病院は余り手術などはしませんから、やはり厚生病院にしても中央病院にしても、皆さん方にお世話にならなければならないと。そういう連携的な流れですね、東部、中部、西部の医療圏の中で、今からそこが物すごく大切になってくるのかなという気がするのですね。そうすると、一番問題になるのは、やはり厚生病院ではないかという気がしているのですよ。中央病院の場合は、かなり充実してきておりますので。その辺り、厚生病院のほうはどうお考えなのか。

●皆川厚生病院長
 御指摘のとおりで、いろいろなことが言えるのですけれども、まず一番は、看護師の確保ということでしょうか。看護師の確保については、地域性なのか、なかなかたくさんは集まってくれませんが、それもいろいろな努力で少しでも集めて、実習をたくさん受けてアピールするとか、今、そういうことで何とかやりくりをしています。
 ただ、私の思いとしては、産休、育休も多い職種ですし、でもキャリアアップをするには認定をとらせてあげたいとか、そういうお金ではないところで大事にして、定着率を上げようかなと思っているところです。
 さっきおっしゃったように、地域連携につきましては、本当に公立病院が私どもだけですので、近隣の民間の医療機関と、ウイン・ウインというわけにはいきませんが、今、地域包括ケアシステムということが話題ですので、いかに患者さんにとって良い形で、どうやって連携をしていくかというところで、病院だけではなく介護施設も含めて、個別に今、話し合いを少しずつ進めています。
 お答えにはなっていないかもしれませんが、そんな状況です。

○内田(博)委員
 本当に大変で、今からまたややこしくなるのかなと思うのですけれども。特に少子高齢化という形になれば、どうしても福祉のほうとも連携を強めないとどうにもならないのかなと、いつも思っています。本当に頑張っていただければありがたいと思います。
 それともう一つ、事務局のほうですが、退職給付引当金、これは今、会計制度が変わってということで出ているのだけれども、これはどういうことになるのですか。これは一般会計から出していたわけですか。

●細川病院局長兼総務課長
 退職給付引当金につきましては、一般会計からというわけでもありません。そもそもこの制度は、今いる職員が一斉に退職したら幾ら退職金が要りますかと。それを一括して、本当なら引当てするのですが、一度には無理なので、5年間に分けて引当てをしています。ただ、時点が変わって、さらに引当てが必要になる場合は、現年でさらに積み増すということです。

○内田(博)委員
 大体あり得ないよね。実際に全部一斉退職ということは。何でこんなことになっているのか、ちょっと意味がわからなくて。

●細川病院局長兼総務課長
 これは多分、民間企業並みの扱いということで、そういう経費についてやはり引当てておくべきだということです。実際には現金支出を伴わないもので、私どもにとっては計上は特に大きな問題にはならないものですから。一応引当てをしているということです。

○浜田(妙)委員
 病院長には、わざわざお越しいただきまして、ありがとうございます。
 もう随分以前から病院の管理、それから経営という問題について、医師不足、看護師不足の問題も抱えつつ、地域医療が大きく変化する中で御努力いただいていますことに、本当に感謝を申し上げたいと思います。
 ただ、どこも同じような問題を抱えていますね。そこで医師や看護師の取り合いになっていると。お金を積めば来るのかという話になってくると、そこもどうやら違う。医師や看護師の皆さんは、やりがい、働きがい、達成感というものを求めて、人の役に立ちたいということでその道を選んでいらっしゃるので、より質の高いもの、そして充実感をということです。
 そうすると、選んでいきますね。もちろん職場環境、それから医療の質ですね。そこでどれだけの高い、自分が医療に対する知識や技量を確保できるかということにかかわってくるのかなと思うわけです。それによって、今は自由に研修医の皆さん方が望むところを選んでいくときに、その医療の質の部分で魅力的なレベルを上げていくしかないかなと。どれだけ魅力的な先生方がそこにおられて、あの医師のもとで力をつけたいとか、あの地域だからこそ特徴的な医療が学べるとかという、差別化をどうつくっていくのか。もちろん総合病院ですから、あらゆる病気に対して地域の核になってもらわなければいけません。それにしても今、競争世界の中で選ばれることを考えたときに、ただ漫然と、もちろんそんなふうにしていらっしゃらないということはわかっているのですけれども、人こそ宝という思いがしているのですね。そのときに、そういう人たちとどうつながっていって、来てもらわないまでも、どことつながっているかとか、できれば確保していく。救急医療も同じだというふうに思っているわけです。
 そこの長期的な基本的な考え方ですね、職場環境の改善と、医療の質を高めるということについて。県立ですから、県のほうが相当協力しなければいけない。現場にだけ任せるというわけにはいかないので、政策としてどういう方向でと。地域医療の拠点でもありますので。必ずしも病院で全てを、命を全うするのではない時代に入ってきていますよね。そうした時代の流れに乗っていくという問題も含めて、かなり根本的なところで柱を立てないと、医療というのはできないのではないかと思っているのですけれども、管理者もいらっしゃいますので、行政としての取組と、病院経営としての取組と、それから地域医療。どう連携していくかという、大きな組織的な計画とか狙うところとか方向性について、柱を立てて、その方向で動いているのかどうかということを。目の前の困難はあるにしても。その根本的なところを教えていただきたいと思います。

●中林病院事業管理者
 大変本質的な御質問をいただきました。
 先ほど来、いろいろ御議論がありますけれども、やはり医師、看護師の不足というものが少なくとも今はございますし、そういった限られた医療資源をいかに地域で有効に利用していくかという問題意識がありまして、現在、病病連携、あるいは病診連携と。病院間でそれぞれの得意分野のようなものがやはりありますので、ある程度特化をしていって役割分担をしながらと。医療機器も大変高額になってきております。全ての病院でフルセットでそろえようとすると、大変な負担になりますので、うちがこういうことをある程度やっていこうということを決めて。専門医もそうですし、医業もどんどん専門化、高度化していっていますので、フルセットで全ての専門医や全ての装備をと、これは不可能ですので、病院間で役割分担して連携していくと。これが非常に必要と思っておりまして、今の国の流れもそういうふうになっておりまして、それを誘導するような基金なり、そういう施策がございます。これを踏まえて、特に今回、中央病院が新病院になるということで、病床などについても日赤さんからベッド数をいただいたりなどもして、役割分担しながらやっていくということです。
 また、単に病院同士だけではなくて、やはり病院と診療所の関係です。今まで、どちらかといいますと、大病院志向みたいなものがあって、いきなり病院に行ってしまおうと。なるべく多くのドクターがいらっしゃる病院に行けば安心だというところがあったのですが、まずは地域のかかりつけ医に行ってくださいと。そこで見きわめていただいて、では、どの病院のどの診療科のどの先生を紹介しましょうという形でやっていくと。こういうふうにすれば、病院側のドクターも看護師さんも、スタッフの疲弊感が今相当ございますけれども、そういったことも緩和しますし、診療所の有効活用にもなりますし、限られた医療資源を有効に使っていくと。そういうふうな流れです。欧米各国でも、かかりつけ医にまず行かないと、その後、病院にも紹介してもらえないという国がありますが、日本はそこまでとは言いませんけれども、そういった流れを国自体もつくろうとしております。
 こういったことを踏まえて、みんなで協力をしながら、限られた医療資源を有効に使って、皆さんによりいい医療を提供していくと。こういったことを考えながらやっているところです。

○浜田(妙)委員
 この話をしていると、多分済まないと思いますので。
 なぜこんなことを申し上げたかといいますと、当初予算を検討する時期ですので、1年間の計画なのですけれども、1年間だけでは足りませんので、長期的な計画ですよね。いろいろな意味で今、立ちどまる時期だと思っているのです。
 このかかりつけ医の問題も、私が議員になりましたころから、もう話が始まっていました。だから当然、医療連携の話もその時期から始まっていました。医師不足、看護師不足の話も始まっていました。その中で、長期的に根本的に、地域を巻き込んだ医療体制というものについて、どれだけ広く連携して話し込まれて計画がつくられているのかということに、ちょっと不安を感じているのです。それで言わせていただいたのですね。年数的には、もっと中身濃くレベルアップしていてもおかしくないと。問題が発生してから今に至るまでの期間を考えるときに、その間、何をしていたのかという思いが実はあるわけです。
 だから、そういう意味でいえば、県だけでもできないし、病院だけでもできない、地域を開業者も含めて巻き込んで、もっと突っ込んだ話が必要です。それぞれの役割分担を、それぞれの責任を果たしていくということについて。その文化そのものが、医師や看護師になろうとする力を生み、それから地域に役立とうとするということにもつながっていくのではないかと思っているのです。医大そのものを変えて、文化を変えていってもらわないと、何かいいとこどりして、距離的に便利だからといってあっちに行かれるというような、非常にレベルの低い感覚で物事を捉えられてやられると、いつまでもリスクを抱えなければいけないということになっていくので、その辺りを心配するわけです。それを今すごく実感しています。一体いつからこの問題をしゃべっているのだろうと思っています。
 そういう気持ちで、大きな視野でこの問題に取り組んでほしいということだけですので、それを言わせていただいて、よろしくどうぞお願いします。努力していらっしゃることはわかっています。誰かが柱になってやらないといけないという意味で言わせていただきました。

◎銀杏委員長
 考えておりました時間を大幅に超過をいたしました。せっかく今日は病院長が来られていますので、いろいろとお聞きしたいこともたくさんあるかと思いますが、当初予算につきましては以上で終わらせていただきたいと思います。(発言する者あり)
 議案ですか。

○市谷委員
 議案です。
 33ページの個室料なのですけれども、この甲乙丙で分割して、しかも値上がりしているのです。お金を払えば個室に入れると、お金によって部屋や命を差別するということで、この個室料というのは基本的には県立病院でやるべきではないと私は思っているのですけれども、この甲乙丙とは何かなと、何で値上げするのかなと。
 それと同時に、過去にあったのですけれども、治療上必要で個室に入る場合まで、料金をきちんと説明しないで徴収するようなことがありますので、せめてそこはきちんと徹底していただきたいと思います。ちょっとそのことをお聞きしたいです。

●細川病院局長兼総務課長
 個室料につきましては、値上げといいますか、新病院の部屋の面積等を勘案して、主に面積とアメニティー関係をほかの病院とも比較をしながら、適正な料金ということで定めているものです。
 個室については、今の時代といいますか、患者さんからのニーズも結構ありますので、そういったニーズに応えるためにも個室は必要だと考えておりますし、また、療養の必要上個室に入っていただく方についての料金徴収というのは、これは、いたしません。これは当然ですので、そこは今でも徹底はされているということです。(発言する者あり)はい、しております。御理解いただけたらと思います。

◎銀杏委員長
 それでは……。

●細川病院局長兼総務課長
 済みません、一つ訂正を、いいでしょうか。
 先ほど中島副委員長のほうから、外構工事の関係のJVについてということで、30数億円なのでWTO案件だと申し上げたのですが、工事を外来棟の改修、解体、外構工事、この3つに分割して発注します。それを考えますと、WTO案件が24億7,000万円ということですが、いずれもそれを下回りますので、当然、地元に配慮した発注ということになろうかと思います。訂正して、おわびします。

◎銀杏委員長
 それでは、次に、2月補正予算の説明を求めます。
 質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきます。
 細川病院局長兼総務課長に説明を求めます。

●細川病院局長兼総務課長
 それでは、2月補正の議案説明資料のほうをごらんいただきたいと思います。1ページが総括でありまして、このページで概要について御説明させていただけたらと思います。
 両病院とも収益的収支、資本的収支の補正をお願いしています。
 まず、中央病院ですが、収益的収支におきましては、診療単価の増に伴う医業収益の増が1億4,700万円余ございます。一方で、材料費、これは手術の高額材料等の増によるものですが、費用のほうも1億4,800万円余りの増額の補正をお願いをいたしています。
 また、厚生病院において、収益的収支は、児童手当等の確定に伴う一般会計からの繰入金の増額補正が800万円余りです。また、昨年度の償却資産の除却に係る一般会計からの繰入金を、過年度分の特別利益として3,800万円余りの増額補正をお願いしています。費用としましては、退職給付引当金の見込みの増ですとか、機器の除却費用の増に伴いまして、4,700万円余りの増額補正をお願いしています。
 また、資本的収支につきましては、両病院とも事業費の確定等に伴う企業債の償還額の確定などによって、減額補正をお願いしているものです。
 また、中央病院におきましては、埋蔵文化財の発掘調査が完了するわけですが、この事業費の減が発生しましたので100万円の減額補正、あわせまして、継続費についても減額の補正をお願いしてございます。
 2ページ以降に、詳細を病院ごとにつけておりますが、省略をいたしたいと思います。
 また、6ページですけれども、債務負担行為です。これは中央病院の債務負担行為に係るものでありまして、心電図解析業務委託や院内保育所の運営業務委託は引き続き継続で行いたいというものですし、院内保育所のほうにつきましては、利用見込みの増ということによって増額の債務負担行為をお願いしているものです。
 簡単ですが、説明は以上です。よろしくお願いします。

◎銀杏委員長
 説明につきまして、質疑等ございますか。
 ないようです。
 次に、その他ですが、病院局に関して、執行部、委員の方で何かございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 意見が尽きたようですので、病院局につきましては以上で終了します。
 執行部入れかえのため、暫時休憩とします。再開は、それでは10時半とします。
(執行部入れかわり)


午前10時21分 休憩
午前10時28分 再開


◎銀杏委員長
 再開します。
 引き続き、福祉保健部に係る付議案の予備調査を行います。
 なお、本日の福祉保健部の説明は、最初に健康医療局、次にささえあい福祉局、最後に子育て王国推進局と、局ごとに3つに分けて入れかえ制で行うこととしておりますので、御承知おきください。
 特に、最初の健康医療局は3課にまたがりますけれども、午前中に終わりたいと思います。昼休憩が多少遅くなっても、午後から会議があるようですので、健康医療局を全て行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、初めに、当初予算及び予算関係以外の付議案の説明を求めます。
 当初予算を終わった後、補正予算並びに報告事項という順番で行います。
 執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いします。
 質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきます。
 まず、藤井福祉保健部長に総括説明を求めます。

●藤井福祉保健部長
 それでは、福祉保健部の当初予算につきまして御説明を申し上げたいと思います。
 非常に厚い資料になっておりますが、今、委員長からもございましたが、簡潔、的確な説明に心がけたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、予算関係です。はぐっていただきますと、今回、当部のほうからは予算の関係で一般会計と特別会計2件、それから条例改正9件、損害賠償にかかわる和解等が1件をお願いしておるところです。
 特別会計の議案第6号のところでは、30年度から市町村とともに国民健康保険の保険者として県もかかわるということから、特別会計として鳥取県国民健康保険運営事業特別会計を設置することとしております。
 なお、医療指導課の組織体制を拡充いたしまして、医療・保険課と改組することとしたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
 それでは、1ページをごらんいただきたいと思います。福祉保健部全体の予算ですが、537億7,000万円余りでありまして、昨年度より27億8,000万円余の減額となっております。
 この内容としましては、主なものとして、平成30年度の地域医療介護総合確保基金事業の積み立てが12億9,000万円の減、ドクターヘリ事業の格納庫整備等が4億3,000万円余の減、そのほか4月から鳥取市が中核市にされることに伴う人件費、事業費の減などです。
 それでは、主な事業について簡単に御説明をいたしたいと思います。
 下のほうに上げておりますが、来年度の予算のテーマの一つであります安全・安心な地域社会の関係で、福祉保健部の予算を組み立てしております。
 1点目、安心して暮らせる社会の実現ということで、鳥取県再犯防止推進体制構築事業、元気なシニアパワーで地域を支える仕組みづくり事業等に取り組みたいと考えております。
 2点目といたしまして、あいサポート社会の醸成として、障がい者コミュニケーションに係るあいサポート条例推進事業、あるいは障がい者を地域で支える仕組みづくり事業などに取り組みたいと考えております。
 3点目、子育て王国推進に関しましては、とっとり妊娠SOS相談体制整備事業、中部療育園移転整備事業等に取り組みたいと考えております。
 最後に、健康を守り育てる社会づくりとしましては、鳥取県版健康マイレージ事業、脱・がん死亡率ワースト3事業などに取り組むとともに、既存の事業についてもそれぞれ見直しや拡充を図って進めてまいりたいと考えているところです。
 そのほか、条例改正のほか損害賠償関係1件をお願いしております。これは後ほど御説明しますが、東部福祉保健事務所におきまして採血を行った際、和解の相手方の左前腕部に予期せぬ神経損傷が起こったものでありまして、相手方に御迷惑をおかけしたことについて本当におわびを申し上げたいと思います。
 詳細は、予算を含めまして、それぞれ担当課長のほうから御説明いたしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

◎銀杏委員長
 続いて、健康医療局について、関係課長から順次説明を求めます。
 植木健康政策課長の説明を求めます。

●植木健康政策課長
 資料の229ページからが健康政策課の所管の事業となっておりまして、276ページまでの46事業にわたっております。時間の制約もございますので、新規要素があるもの、新規、拡充する事業を中心に御説明させていただけたらと考えております。よろしくお願いします。
 そうしましたら、232ページをお願いします。新型インフルエンザ等対策事業です。
 今後、発生が懸念されている新型インフルエンザ等の感染症につきまして、平時の備えの強化、また、発生した場合の関係機関との連携、住民への感染防止に関する啓発などを行う事業ですけれども、当初予算としましては5,100万円余を上げております。
 昨年度から大幅に増額している背景ですけれども、2の主な事業内容の表の下から2段目、抗インフルエンザウイルス薬の購入というところでありまして、こちらは国と県で被害想定を踏まえて備蓄計画、更新計画を立てております。そのために来年度はタミフル、イナビルといったインフルエンザ薬を購入するための経費として、4,300万円余を上げております。
 233ページをお願いします。新型インフルエンザ等入院病床確保事業です。
 こちらは、新型インフルエンザ等が発生した場合に入院病床を確保するため、主な事業内容のところにありますが、入院協力医療機関17病院に対して病床確保のための空床補償制度を実施するものでありまして、所要額のところを見ていただきますと、予算額が半減しております。背景としましては、所要額のところ、360床の確保日数が30日にしております。所要要請期間は、実際に発生したときには60日を想定しておりますけれども、このたびは30日間を計上しております。発生した場合には、また患者の発生数などによって補正対応をさせていただけたらと考えております。
 234ページをお願いします。感染症対策推進事業です。
 予算が減額となっている背景につきましては、主な事業内容のところの表の真ん中の感染症予防事業のところですけれども、こちらのほうで上げている中央病院の建てかえ工事に対する補助額の減です。県立中央病院の建てかえに伴いまして、第二種の感染症病床、エイズ拠点にかかわる施設、設備の改築費の一部について債務負担行為によって助成金を交付することとしておりますけれども、そちらの補助額の減による影響となります。また、鳥取市の中核市移行に伴う減もございます。
 237ページをお願いします。ハンセン病事業ですけれども、ハンセン病に対する偏見、差別の解消、また、ハンセン病の回復者の方々が安心して生活できるようにというような事業を実施しております。こちらの事業費につきましては、ハンセン病回復者の方の高齢者に伴いまして、鳥取県の出身者の方は現在も4つの療養所に8人の方が入所しておられますけれども、事業内容のところの里帰り支援事業と伝統芸能派遣事業につきましては、御希望があったときに対応するということにしまして、予算を減額しております。
 240ページをお願いします。難病等医療費助成事業です。
 平成27年1月から難病法に基づく医療費の助成が始まりました。予算事業化の際には56疾患が対象でしたが、その後、対象疾患が現在331までふえております。その分、受給者の数も右肩上がりとなっておりますが、予算の減額については、実績に見合った額としているところです。
 244ページにお進みいただきたいと思います。健康づくり鳥取モデル事業です。
 健康寿命の延伸を目指して、地区単位や企業で運動習慣の定着を目指して継続的に行う健康づくりを支援する環境整備を行う事業となっております。
 主な事業内容のところに上げておりますが、健康づくり鳥取モデル事業は2年目となりますけれども、こちらに上げているのは企業向けの予算でありまして、地域住民向けの予算につきましては、(1)の下の※印にありますように、医療指導課の保健事業費のほうで実施することとしておりますので、その分が減額となっております。
 また、みんなで取り組む「まちの保健室」事業、(2)のところですけれども、市町村に対する事業費の補助と、鳥取看護大学に対する委託費用を上げております。引き続き行ってまいりたいと思っております。
 246ページをお願いします。政策戦略事業の新規事業である鳥取県版健康マイレージ事業です。
 こちらの事業は、日本財団との共同プロジェクトの事業としておりまして、予算額に上げている100万円につきましては、企業版のふるさと納税を活用した寄附金を充てることとしておりまして、残す経費の1,800万円余は、日本財団の事業費として申請をしているところです。
 事業内容につきましては、18歳以上の県内に在住する全ての方を対象に、主には働き盛り層をターゲットにしたいと考えておりますが、県全体で健康意識の醸成、健康づくりに向けての行動変容を促すきっかけづくりといった点でマイレージ事業を実施したいと考えております。
 主な事業内容は、ポイントを付与しまして、ポイントに応じた景品を贈呈する事業とするところですが、ウオーキングだけではなくて、健診の受診、スポーツ大会への参加、生活習慣としての野菜の摂取量の増加、あるいは健康づくりだけではなく、自治会、地域交流、ボランティア活動といった地域行事への参加もポイントの対象にしていこうと考えております。
 3年間のモデル事業で5万人の参加を目標に掲げております。実施主体は、ウオーキング立県19のまちを歩こう事業の実行委員会のほうに委託を考えております。
 250ページをお願いします。みんなで支えあう地域づくり事業(地域自死対策強化事業)です。
 総合的な自死対策ということで、継続で取り組むこととしておりますが、主な事業内容の最初に上げておりますけれども、昨年11月の座間市での事案を受けまして、若年層対策を強化することとしておりますので、若年層に特化したメニューとして事業を上げているところです。
 また、相談窓口の整備の中で、鳥取いのちの電話支援事業の補助につきましては、定額、これは知事が認める額としておりますが、運営を補助する経費につきまして、人件費の部分を強化することを考えております。
 251ページをお願いします。先ほどの若年層の自死対策に関連した事業の新規事業です。若年者オンラインカウンセリング実証事業ということで、座間市での事案については、ツイッターに死にたいとつぶやいたことがきっかけとなって事件に巻き込まれたといった、悲惨な状況がございました。そういったことを受けて、また、鳥取県の自死の現状として、着実に自死の数は減っているのですけれども、20代から30代の若年層の自死は横ばいの状況が続いているということで、若年層の自死対策の強化が必要であるということで、改めて、この事業も立ち上げました。
 若者が相談しやすい体制として、どのような体制が必要なのかといった中では、若者にとっては、電話や面接の相談というよりはSNSを活用したコミュニケーションツールでの相談がやはり活用しやすいのではないかと言われております。そういった中でも、SNS上の文字の中で寄せられた相談は、なかなか深刻さが伝わりにくいですとか、相談に対する返し方について非常にデリケートな対応が必要ということも言われておりますが、このようなことを実証してみるということで、オンラインカウンセリング実証事業を上げております。
 具体的には主な事業内容のところに上げておりますけれども、SNSや電話など、相談者の方が希望される多様な相談手段が選べる状況にしまして、双方向の相談事業を考えております。
 具体的には県外にある民間企業への委託を想定しておりますけれども、臨床心理士などのカウンセラーの方の専門的な相談に応じられるといった取組をしていきたいと考えます。県内に在住する若年層、30歳未満を想定して、実施期間は2カ月間程度を考えております。また、その結果を踏まえて、その検証をいたしまして、今後の効果的な相談につなげていきたいと考えております。
 11月の補正予算で立ち上げました若年者の自死対策相談体制構築事業において、2月7日に意見交換会を開催いたしました。そういった御意見も踏まえまして、来年度も引き続き検討会を重ねて、効果的な相談体制を構築していきたいと考えております。
 255ページをお願いします。西部福祉保健局の地方機関要求の政策戦略事業です。新規事業で、IoTを活用した健康づくりプラスワンチャレンジの事業です。
 インターネット・オブ・シングスということで、ものをネットにつなぐといった環境を活用して、健康づくりに関心の深い若年層から働き盛り世代をターゲットに、ウェアラブル端末、身につける端末で収集した健康データ、血圧や脈拍や歩数、消費カロリーなどのデータを御本人に還元しまして、みずからの健康状態を把握していただきます。また、そのことに対して生活指導、助言を行うことによって、健康管理、健康づくりに興味を持っていただいて、実際に実践していただくきっかけづくりにしていきたいと考えております。
 主な事業内容のところに上げておりますように、対象団体は西部圏域の企業、また、地域団体を想定しております。
 実施体制につきましては、ノウハウのある、また独自の健康管理システムを持つ企業との連携、市町村との連携により実施をしていきたいと考えております。
 261ページをごらんいただきたいと思います。むし歯予防フッ化物洗口事業です。こちらは資料の訂正をお願いします。つよい歯をつくるセカンドステージとありますが、サードステージの誤りです。修正をお願いします。
 子どもの虫歯の予防法として効果の高いフッ化物洗口に鳥取県は先進的に取り組んでおりまして、県内の保育所、幼稚園での取組が進んでおります。さらにサードステージとしましては、学童期に向けての取組を強化してまいりたいと考えております。
 2の主な事業内容に上げておりますけれども、フッ化物洗口の推進検討会では、鳥取県歯科医師会に委託して、学童期の歯科保健対策の検討会も新たに設置したいと考えております。また、フッ化物洗口の実施につきましても、県内施設30カ所程度を目標と掲げておりますが、そのうちの5カ所程度につきましては、小・中学校での取組が難しい場合、児童養護施設からまず始めてみてはどうかということで、現在は考えているところです。
 264ページをお願いします。がん医療提供体制整備事業です。
 こちらも今までと同様に、がん医療の質の向上や、がん患者への支援が事業の柱ですけれども、新規要素としては、主な事業内容の真ん中から少し下にありますが、(新)がん診療連携拠点病院推薦検討部会です。平成31年度以降の新たな国の拠点病院の選考基準が今、検討されておりますが、その基準に合わせて選考、推薦を行うための部会を開催する経費を上げています。
 また、下から2段目、(新)がんカフェ運営支援事業です。今、院内のがんサロンは設置されているところなのですが、地域の中でのがんサロンということで、地域の中でがんに関する悩みや不安を語り合える場をモデルケースとして立ち上げる団体を対象に、開設や運営に係る経費についてを助成したいと考えております。
 266ページをお願いします。こちらも政策戦略事業に上げております、脱・がん死亡率ワースト3事業です。
 鳥取県のがん年齢調整死亡率につきましては、平成25年から27年までの3年連続でワーストスリー、また、平成28年はワースト4位となっているところですけれども、そのような状況の中で4本の柱を上げております。
 主な事業内容の(1)、鳥取のがん医療の“見える化”事業です。この事業では、県民の皆さんに対して、鳥取県のがんの医療に対する最新情報や、病院ごとの診療の状況などを定期的に新聞記事によって発信して、県民の方に適切な医療の受診行動を促す、そういった情報の一助となればということを考えております。
 2点目、がん薬物療法専門医、放射線治療専門医の育成支援です。鳥取県の薬物療法、放射線治療の専門医が不足している中、関係機関の先生方からの御意見もいただきまして、専門医の資格を取得するために必要な研修を受けられる受講料や旅費を補助したいと考えております。
 3点目、がん医療体制強化支援利子補給事業です。東部圏域のがんの放射線治療体制の整備を目的として、整備される施設、設備投資に必要な資金の借り入れをされる際、利子補給を一定期間行うということで、後ほどの債務負担行為のところでお願いするものですが、5年間に限って融資を行いたいと思っております。
 4点目、働き盛り世代への胃がん対策です。鳥取県は消化管のがんの罹患率が高く、死亡者は減ってきておりますが、全国に比べて高い状況が続いております。その中で、胃がんの発症のリスク源と言われているピロリ菌の検査の助成に関する事業については、協会けんぽ鳥取支部が行う生活習慣病予防健診の際に、40歳、45歳、50歳、55歳の特定年齢の方に対して、自己負担なしで、検査費用を協会けんぽ鳥取支部と鳥取県とで2分の1ずつの費用負担をして実施をしていきたいと。その後、適切な除菌治療でありますとか、定期的な胃の内視鏡検査などの実施によりまして、胃がんの早期発見、あるいはそれによって胃がんの患者さんの死亡率を減らしていきたいということを考えております。
 続きまして、361ページをお願いします。債務負担行為の当該年度提出に係る分です。
 一つは、平成30年度とっとりひきこもり生活支援センター運営委託に係る経費で、NPO法人鳥取青少年ピアサポートに委託をしている事業ですが、継続的な相談環境の整備、中期的な財政支援を希望されていることもありまして、3年間の債務負担をお願いするものです。
 次の平成30年度、脱・がん死亡率ワースト3事業利子補助につきましては、先ほど申し上げました利子の補助について、5年間の債務負担をお願いするものです。
 371ページをお願いします。同じく債務負担行為、過年度議決に係る分です。下の3つの事業費につきまして、健康政策課の所管の事業となっておりますので、こちらもよろしくお願いします。
 それでは、421ページをお願いします。鳥取県附属機関条例の一部改正についてです。
 全庁的な見直しに係るものですけれども、健康政策課の事業としては、鳥取県のがん対策の推進に係る会議ですが、改正前は、全県でがんの予防からトータルながん対策を協議する場として、鳥取県がん対策推進県民会議を設置しておりました。また、東・中・西の各保健医療圏において、地域に密着したがん対策を協議する場として、鳥取県がん対策推進会議がございました。こちらの会議を統合して、鳥取県がん対策推進県民会議に統合したいと考えております。
 続きまして、449ページをお願いします。先ほど部長が申し上げましたが、議案第73号、損害賠償に係る和解及び損害賠償の額の決定についてです。
 まずは、このような事案が起きましたことについて、深くおわびを申し上げたいと思います。
 提出理由ですけれども、県の義務に属する医療事故による損害賠償について和解し、及び損害賠償の額を定めることについて議決をお願いするものです。
 2の概要で、和解の相手方ですが、東京にお住まいの個人の方です。
 和解の要旨です。損害賠償金につきましては131万9,210円を支払うものとする。
 (3)に、医療事故の概要を載せています。医療事故が発生したのは平成25年6月3日で、東部福祉保健事務所、鳥取保健所において採血をした際に、このときの検査は風疹抗体価の検査でしたが、その採血の際に相手方の左の前腕部に予期せぬ神経損傷が生じたものです。
 損害賠償の請求訴訟が提起されましたのは、資料に記載はありませんが、この事故から日にちがかなり過ぎた平成28年11月に東京地方裁判所へ訴状が提出されました。その間、痛みやしびれがありまして、通院を不定期になさっていたり、その状況を東部福祉保健事務所が把握したりといった経過で過ぎておりましたけれども、その後、平成29年2月に裁判、口頭弁論が開廷となりました。そして、昨年11月、第5回の裁判所の弁論の準備手続の際に、裁判所、裁判官のほうから、和解を前提とした心証開示が行われて、被告側、県のほうから和解案の提示をしてはどうかというような御意見をいただいたところです。それを踏まえて、30年1月に和解の提案書を提出して、1月25日に合意の意向が得られたということがありまして、このたび提案することとなりました。

◎銀杏委員長
 次に、中川医療政策課長の説明を求めます。

●中川医療政策課長
 268ページ、鳥取県医療介護総合確保基金事業です。
 この事業は、基金を活用して、地域医療構想に掲げる、必要な医療を適切な場所で提供できる体制の整備等の取組を進めるものです。事業内容の区分は、地域医療構想の達成に向けた事業、居宅等の医療提供に関する事業、医療従事者の確保に関する事業に分かれておりまして、それぞれ右の予算額のとおりとなっております。
 30年度に実施する事業の考え方ですけれども、当初予算事業としては、年度当初から予算措置が必要なソフト事業、地域医療構想の推進のために特に必要なハード事業、旧国庫補助事業等について予算要求することとしており、それ以外の事業については、30年度の国からの基金の配分状況に応じて補正予算で対応したいと考えております。
 269ページから273ページまでが基金事業の一覧です。この中で特に平成29年度当初との増減の大きいもの等につきまして、説明していきたいと思っております。
 274ページをお願いします。医療情報ネットワーク整備事業です。
 この事業は、ITを活用した地域医療連携のネットワークシステムを構築するもので、いわゆるおしどりネットに関するものです。来年度は700万円弱の減となっておりますが、内容は、鳥取大学のサーバーと各病院のサーバーから構成されるシステムですけれども、従来、全サーバーの保守料を支援しておりましたが、平成30年度からは鳥大の基幹サーバーの保守料のみを補助対象とするというように改めたものです。
 277ページをお願いします。下の欄で、在宅医療推進事業です。
 訪問看護、在宅医療の充実に必要な施設・設備整備へ支援を行うもので、今回、1,000万円の新規事業となっております。ただし、従来、当該年度の基金配分を待って補正予算で対応していたものを、来年度からは過年度の基金を活用して当初予算で対応しようというものです。
 279ページです。下ですけれども、病院内保育所運営事業です。病院内の保育所の運営費に対して補助して、看護師等の離職防止に努めるものですが、400万円余りの前年度減となっております。補助対象の施設の減に伴うものです。
 280ページですが、上の段、医師等環境改善事業です。
 医師や看護師の事務作業負担を軽減することを目的に、医療事務作業補助者、いわゆる医療クラークを配置するものですが、来年度は300万円余りの増額となっております。補助対象の人数を42人から44人に改めているところです。
 284ページをお願いします。鳥取県地域医療支援センター運営事業です。
 今回、600万円余りの増となっております。医師確保対策を総合的に推進する、県と鳥取大学で設置している地域医療支援センターの運営経費ですが、来年度は事務局員1名を増やしまして、県内定着率の高い人材の傾向等を詳しく分析するとともに、県内の医療情報等を発信していきたいということで、増額となっているところです。
 次は、下ですけれども、地域医療連携研修会開催支援事業です。
 990万円余りの増となっておりますが、従来、当該年度の基金配分を待って補正対応していたものを、今年度からは過年度の基金を活用して年度当初から実施しようとするものです。中身としましては、4疾病6事業についての研修事業を開催するものです。
 289ページをお願いします。一番下ですが、病床機能分化・連携情報分析推進事業です。
 新規事業で、鳥取県の地域医療構想の実現に向けた取組を推進するために、患者の受療動向や医療機関の有する医療機能等の実態把握を委託事業により進めまして、分析結果を地域医療構想調整会議において提示し、そこでの議論を進めていただくというものでありまして、これによって地域医療構想を推進したいと考えております。
 290ページです。下の事業ですが、訪問看護支援センター事業です。
 訪問看護サービスの安定的な供給等を目指しまして、人材育成等を実施する訪問看護支援センターの運営を県看護協会に委託するものです。今年度は人材育成として、訪問看護師の専門別研修の実施や、経営支援機能として体制の整備による事務員の人件費の増、また、普及啓発活動として出前講座の実施回数の増などを検討しておりまして、300万円弱の増加となっているものです。
 292ページをお願いします。一番上の平成30年度鳥取県地域医療介護総合確保基金造成事業(医療分)です。
 部長から説明がありましたように、12億円余りの減額となっておりますが、平成29年度においては平成28年度の最終配分額相当を計上していたのですけれども、来年度については、国の配分が厳しい状況も見込まれるために、当初予算の執行に必要な予算額見合いのものについての計上ということにしているものです。
 続きまして、医療行政費ですが、200万円余りの減額になっております。表の真ん中あたりの地域保健医療推進費で、今年度は地域医療計画の策定を実施しましたが、終了することに伴う減額です。
 293ページをお願いします。地域医療対策費(医療施設等設備整備費)でありまして、3,000万円余りの減額となっております。医療機関等が行う医療機器の購入等についての助成ですが、各医療機関からの要望等をお聞きして予算を計上するものでありまして、関係機関からの要望が昨年に比べて少なかったというのが原因です。
 294ページの地域医療対策費の施設整備費です。
 2億6,000万円余りの減額となっています。医療機関が行う施設整備事業に対して助成するものですけれども、今回大きな減額となっているのは、表の一番上の医療施設近代化施設整備事業についてです。鳥取赤十字病院が実施主体となっておりましたが、改築事業がおおむね終わったということで、要望額に3億2,000万円余りの減額があったことに伴う減額となっているものです。
 298ページをお願いします。災害派遣医療チーム(DMAT)・医療救護班事業ですが、DMAT及び医療救護班の装備や研修等に要する経費ですけれども、370万円余りの減額となっております。今年度は中国地区のDMAT連絡協議会等を実施した関係で予算が必要でしたが、来年は実施されないことによる減額です。
 その下、おとなの救急電話相談事業です。成人が病気になった場合、救急車を呼ぶべきか医療機関を受診するべきかなどを悩まれたとき、専門的な経験を踏まえて助言をいただくための電話相談事業を実施しようとするものです。
 現在、子どもの場合は♯8000という事業がありますが、この大人版ということでありまして、事業負担としては、県と市町村で半分ずつの負担で実施したいと考えております。事業の期間は、関係機関との調整を進めまして、夏から秋にかけてなるべく早く実施したいと考えているところです。
 299ページをお願いします。被ばく医療体制整備事業です。800万円余りの前年比増ですが、緊急被ばく医療活動のために必要な資機材の維持管理等を行うものですけれども、来年度は、主な事業内容の(3)、放射線測定機器の移設ということで、県立中央病院に配備しているホールボディカウンタを建てかえ後の新病院へ移設するために必要な経費を計上するものです。
 301ページをお願いします。鳥取看護専門学校の内部改修工事費です。県立看護専門学校のトイレや更衣室の改修等を行うもので、250万円余りの新規事業です。
 その下が、鳥取県の新たな高度医療のすがた発信事業です。医療提供体制が、県立中央病院、鳥取赤十字病院の新築等によりまして、病病連携等どういうふうに変わっていくのかということ、また、鳥取県単独のドクターヘリの導入によりまして、高度救急医療はどのように変わっていくのかといったことを、県民の方々に御理解いただくためのフォーラム等を開催したいと考えているところです。
 306ページをお願いします。鳥取県ドクターヘリの運航事業です。平成30年3月末の運航開始を目標としておりまして、準備を進めておるところですけれども、その運航経費、また、格納庫の維持管理費等の経費を計上するものです。
 307ページをお願いします。公立豊岡病院ドクターヘリ・島根県ドクターヘリ等運航事業費です。この2つのドクターヘリに対する負担金につきましては、毎年当該年度の実績をもとに来年度分の負担金の額を算定しております。豊岡のドクターヘリにつきましては今年度、想定よりも多くの飛行回数があったこと、また島根県については若干件数が少なかったということがありまして、島根県のドクターヘリは若干負担金が減になっておりますが、豊岡病院についてはドクターヘリの負担金が増になっているということもあり、全体として300万円余りの増額となっているものです。
 310ページをお願いします。看護職員等充足対策費です。看護職員等の確保のための修学資金の貸付事業で、2,200万円余りの増額となっておりますが、昨今、4年制の大学への進学がふえている関係もあり、貸付金額の増ということになっております。
 312ページをお願いします。第8次看護職員需給見通しの作成事業です。厚生労働省から示された策定方針及び調査票に基づいて実施される一斉調査でありまして、31年から35年の見通しを、来年度、策定する予定にしております。
 314ページをお願いします。鳥取看護専門学校の管理運営費です。看護教育教材備品等の購入が必要でありまして、160万円余りの増額となっております。
 315ページをお願いします。倉吉総合看護専門学校ですが、こちらは逆に、教材費の購入が今年度ありましたけれども、来年度ない予定で、減額になっているものです。
 続きまして、361ページをお願いします。当該年度分の債務負担行為です。361ページの上から3つ目、医師海外留学資金貸付金から362ページの下から2つ目、おとなの救急電話相談事業までが医療政策課の所管事業です。
 372ページをお願いします。こちらは過年度分議決に係る分でありまして、372ページの一番上から375ページの下までが医療政策課の所管事業です。
 続きまして、408ページをお願いします。条例関係です。
 1つ目が鳥取県基金条例の一部改正でありまして、鳥取県地域医療再生基金の設置目的に定める事業が完了したことに伴い、再生基金を廃止するものです。
 428ページをお願いします。鳥取県介護保険施設に関する条例等の一部改正についてです。
 地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の公布、施行を受けまして改正するものです。今回の法律の制定により医療法が改正されまして、既存病床のカウント方法に変更がありました。転換後は介護医療院等、介護療養病床から転換した病床につきましても既存病床にカウントするというものです。
 もう一つが、療養病床の延長措置に伴い、療養病床の看護師等配置基準の経過措置を6年間延長するという分でありまして、442ページの一番下ですけれども、鳥取県医療法施行条例の改正ということです。第3条第2項の介護老人保健施設の入所定員数は、規則で定めるところにより、既存の療養病床の病床数とみなすという条項が廃止される一方で、443ページの附則の第3条で、介護医療院の入所定員数については、36年3月31日までの間、療養病床の病床数とするという規定が入ったところです。
 また、442ページの一番下の附則、ここが看護師の配置基準のところですけれども、延長期間が6年間延長されまして、443ページにありますように、平成30年3月31日までの間とあったのを平成36年3月31日までの間というふうに改められたものです。
 医療政策課につきましては、以上です。

◎銀杏委員長
 次に、金涌医療指導課長の説明を求めます。

●金涌医療指導課長
 316ページをお願いします。冒頭、部長からもありましたが、まず、課名です。平成30年度から県も国保の保険者となりますことから、課名を医療指導課から医療・保険課にすることにしております。
 では、予算についてですが、特に予算規模の大きなものについて説明したいと思います。
 316ページの上段です。後期高齢者医療制度財政支援事業です。78億8,600万円余です。後期高齢者の関係の医療制度につきまして、県として法定されている負担が多くなるものです。内容の大きなものとしては、負担金です。医療費の12分の1を県が負担することになっておりまして、この分が63億円。また基盤安定事業として、保険料を軽減した被保険者分について、保険料の一部を負担するということで、11億9,000万円余です。特に2億1,000万円の減額になっておりますが、これは医療費の減が主なものです。
 318ページをお願いします。新規で、国保の運営事業特別会計繰出事業です。33億4,300万円余です。国保制度改革に伴いまして、県に国保の特別会計を新たに設置をしますが、県として法定された負担分33億円をこの特別会計に繰り出すものです。県の繰出金として、法定の医療費の9%に相当するものについて、市町村に交付するとして、29億2,000万円余です。
 319ページをお願いします。国保の基盤安定等推進費で19億円です。市町村が現在行っている保険料の軽減に対して、市町村の財政支援のために助成するものです。保険料軽減分として、低所得者の保険料軽減として県分の負担4分の3について16億円、また保険者支援分として、低所得者に対する財政支援として県の4分の1負担につきまして2億9,000万円、これらを市町村へ交付するものです。
 324ページをお願いします。薬剤師確保対策促進事業です。従来から県薬剤師会と連携して、U・I・Jターンの促進ですとか、未就業の薬剤師の就業支援を行ってきております。本県の薬剤師は、年々増加をしていますけれども、まだニーズに対応できるほどの人数が確保できる状況ではないということで、新たな取組として、この事業を行うものです。
 中ほど、高校生、保護者向けのセミナーとして、薬剤師のさまざまな仕事について広く紹介するためのセミナーを例年1回開催していましたが、これを東部、西部で年2回を開催したいと思っています。
 (2)、薬学生インターンシップですが、全国の薬学生を対象に、県内の病院や調剤薬局の就業体験を行いまして、本県の薬剤師確保につなげるものです。例年夏に開催をしているものについて、就職に直接つながりやすい冬の時期にも1回拡充して実施したいというものです。
 (3)です。就職支援協定を締結している大学とより連携を図ることによって、薬剤師確保の取組を進めたいと思っています。連携している大学での就職カフェ、これは本県の出身の学生等と意見交換をしながら、課題ですとか、県内の就職に結びつくようなことを考えていただいて、意見交換を行うというようなものです。また、薬科大学の単科大学とも協定の締結を促進して、例えば本県出身の薬学生の奨学金の枠を設けていただくなどの形の効果を期待しているものです。こうして、学生とも顔の見える関係をつくりながら、一人でも多くの学生に本県に就職いただく取組を進めてまいりたいと思っております。
 327ページをお願いします。被ばく医療体制整備事業(安定ヨウ素剤関係)です。原子力事故が発生した場合に、30キロ圏内の住民に対して放射線ヨウ素の被曝を予防するために安定ヨウ素剤の備蓄と事前配布を行うものです。
 主な事業内容、(1)は幼児用のゼリー剤が開発されまして、これを備蓄するために順次、平成28年度から備蓄を進めているものです。
 (2)、このたび新規に安定ヨウ素剤の事前配布を行うため、配布に係る広報、事前説明会の経費、配布スタッフや医師等の研修会等を開催する経費について計上するものです。予算が認められましたら、7月ごろから配布したいと考えております。
 次に、特別会計です。
 384ページをお願いします。議案第6号、平成30年度鳥取県国保運営事業特別会計予算です。事業は388ページをお願いします。予算規模は534億1,400万円余です。平成30年4月から県も国保の保険者となり、県全体の国保運営管理を行うことになりまして、このため県に新たに特別会計を設置して、歳入歳出予算を計上して国保事業を行うものです。
 歳入につきましては、上段のほうです。財源の内訳を見ていただきたいと思いますが、国庫支出金として、国からは150億円程度の収入。また繰入金は県の繰入金ですけれども、34億円余。市町村からの納付金としまして148億円強。その他として、前期高齢者交付金等で支払い基金から200億円強が入る予定です。
 支出は、390ページからです。新規ですが、保険給付費等交付金(普通交付金)で、431億円です。医療費として、市町村に交付するものです。
 下の段。保険給付費等交付金(特別交付金)は、9億9,000万円になります。県内の市町村の財政状況、その他の事情に応じまして、市町村のほうに特別交付金として交付するものです。
 主な事業内容です。特別調整交付金の中の市町村分ということで、保健事業等の特別な事情に応じた額を市町村へ交付するものです。また、保険者努力支援制度としまして、市町村の医療費適正化、予防などの取組状況に応じて支援をするものです。
 391ページをお願いします。新規、後期高齢者支援金で67億9,000万円です。これは、国保の保険料の中で後期高齢者の支援分として市町村が徴収するものです。これは納付金の中に含まれておりまして、これを県として支払基金のほうに支払うものです。この金額は、共済組合や協会けんぽなど、全ての保険者から徴収したものを支払基金のほうで全国分をプールして、それを全国で後期高齢者の人数分に応じて各県のほうに配分するものです。
 下のほうで前期高齢者納付金ですけれども、2,300万円になります。同じように、医療分として国保の保険料の中で徴収をしますが、これも全国の保険者から支払基金のほうに納めて、全国でプールをして前期高齢者の人数分に応じて各県に配分されるというものです。県には約183億円が入ってくることになっております。
 392ページをお願いします。同様に、介護納付金の制度もあります。国保の加入者で介護保険の2号保険者の分について負担するものです。これも徴収をして、同じように支払基金に納めるものです。23億円です。
 その他のものにつきましては、事務的なものですので、また見ていただければと思います。
 最後になります。409ページをお願いします。条例関係です。
 議案第35号、鳥取県基金条例の一部改正です。広域化等支援基金につきまして、従前市町村が医療費を支払えない状況が生じた場合に、この基金から貸付を受けるために設置しておりましたけれども、このたび県のほうに国保改革により財政安定化基金を設置したことに伴って、役割を終了したということで廃止をするものです。

◎銀杏委員長
 それでは、今までの説明につきまして、質疑等ございませんか。

○市谷委員
 最初に医療指導課ですが、国保全体については、今日はやらないのですけれども、390ページの下のほうの保険給付費等交付金(特別交付金)なのですが、この保険者努力支援制度について、医療費の適正化などに応じて交付するということなのですけれども、その医療費適正化の基準となるものを若干列挙して御紹介いただきたいなと思います。
 324ページ、薬剤師の確保対策ですが、いろいろ確保のための努力がこの事業の中にあるのですけれども、なかなか薬剤師の給料が安いとか、あるいはドラッグストアとか、民間のところが高い給料でざっと囲ってしまうというような話があって、薬剤師の給料引き上げのための支援が欲しいという声も聞くのですけれども、その辺りについて検討されていないかどうかを教えてください。

●金涌医療指導課長
 保険者努力支援制度における医療費の適正化の関係です。
 まず、県としての評価ですが、県として取り組むに当たりましては、例えば糖尿病対策の重症化予防等につきまして、市町村、県の医師会などと連携をしているのかどうか。または糖尿病に関しての重症化についてのプログラムを策定するかどうかというようなことがあります。また、国保連合会の中に保険者協議会というものがありまして、そういうところに積極的に関与しているかどうかというような指標もあります。
 また、市町村のほうですが、例えば特定健診の実施率、保健事業の実施率などが勘案されます。それから、メタボの方の該当者の数、減少率などについてカウントをされます。
 また、薬剤師確保についてですが、今、民間との格差というようなお話がございました。民間については、確かにドラッグストアさんだとか、都会に比べると県内の給料が安いということは言われております。なおかつ県内の給料と比べると、確かにそういう格差がありますけれども、県として薬剤師を確保するために奨学金の助成制度等がありますので、そういうところを活用することにしておりますが、薬剤師の給料そのものを上げるような取組は、現在、考えていないというところです。

○市谷委員
 390ページの国保の保険者努力支援制度なのですけれども、今、紹介した中には保険料の徴収率とか、そういうものは入っていないということでいいですかね。

●金涌医療指導課長
 保険者努力支援制度ですので、全般的には保険者の制度の中には入っております。医療費の適正化ということの中では、先ほど紹介したものですけれども、この保険者努力支援制度の中にはそういう収納率の向上や、第三者求償というようなことについてもあります。

○市谷委員
 必要以上に医療費をかけることはないし、健康づくりも大事だと思うのですけれども、かといって保険料の上昇などもまだ懸念されておりますので、高い保険料がどんどん取り立てられていくようなことでの評価には懸念があるということは、ちょっと述べておきたいと思います。医療指導課は以上です。

○中島副委員長
 鳥取市は、こういう言い方をしていた。国保は終わったかと聞いたら、終わったような終わらないようなと。そのときに県はどうだったと言ったら、ゼロ回答だったと。そのゼロ回答だったという、細かな事柄はわからないけれども。何かをしてほしいなどと言われて、予算が伴うから全部は聞けないということはわかるのだけれども、恐らくほかの市町村も似たようなものだろうと思う。そういうことは、メモみたいにまとめてあるのか。

●金涌医療指導課長
 ゼロ回答の意味がわからないのですけれども、恐らくよく言われていますのは、保険料について統一をしてほしいなどの御意見もいただいております。今後検討をするという格好でしていますが、その他のゼロ回答の意味合いは、ちょっと浮かぶのはそういう話なのかなと思っています。

○中島副委員長
 それだけか。いや、一遍に統一するのは、我々が考えても無理だろうと思う。各市町村が、いろんなサービスというか、そういうのを出しているので。けれども、それだけを切っただけで、ゼロ回答などという言い方はするのかどうか。

●金涌医療指導課長
 あと、国保のペナルティーの関係につきましても、市のほうからは、要するに県の応分の負担という話が従前からありました。いろんな保険補填の関係等がありまして、今後検討するということで、現在と同じものについて、平成30年度についても同じにしたいということで、今までと変わらないベースで改正したということで、市町村長の集まる行政懇談会でも御理解いただいたところです。そこについても、市のほうが要望される分とはちょっと相入れなかったのかなと思っています。

○中島副委員長
 この場で全部を口頭で答えなくてもいいので、そういうメモ書きはきっとあるのだろうと思う。自分は鳥取市選出だから、鳥取市の担当課長などがそういうことを言ってくるのだが、ほかの市町村もそれぞれあるでしょう。それを後でいいから、メモ書きというか、箇条書きで出してほしい。切った様子がよくわかるでしょう。だからといって、むやみに復活しろとは言わないが、現状は知っておかないといけないでしょう。それを委員長、お願いします。

●金涌医療指導課長
 では、後でまた資料として出します。

◎銀杏委員長
 では、資料の提出を後ほどお願いします。

○市谷委員
 次、医療政策課で、284ページの地域医療支援センター運営事業ですけれども、この前に病院局のほうでお話もしたのですが、島根大学と島根県のほうで、同じようなセンターをつくって、県と大学とで医師養成についてもっと需給バランスも考えながら取り組むことがやられています。恐らく鳥取県の場合は、これが相当するのかなと思うのですが、余りこういう医者が欲しい、こういう医師が要る、どうしようかという相談になっていないと聞いたのです。しかし、今回、事務局員が1名増員されるということで、そういうことにもっと踏み込んで、鳥取大学に医師養成、派遣の役割を果たしていただくことが必要だと思いますが、ちょっと現状や今後の体制強化でどうなるのかということを教えていただきたいです。
 289ページの下の一番下、病床機能分化・連携情報分析推進事業ということで、地域医療構想の実現推進に向けてやるとさっきおっしゃったのですけれども、地域医療構想の中では、病床を大体2,000床ぐらい削減していくということになっていて、国のほうはあくまで参考値だということにとどめているのですけれども、これを推進すると言われたということは、すなわち病床削減ということを推進するということにどうしても聞こえてしまうのですけれども、その点についてはどう考えているのか。すべきではないというふうに思っていますけれども、いかがでしょうか。

●笠見医療政策課医療人材確保室長
 最初に地域医療支援センター運営事業についてお答えします。
 島根大学と島根県が、島根県のほうは地域医療センターを設置してというお話がありました。鳥取県においても、鳥取県と鳥取大学と共同で鳥取県地域医療支援センターを設置しているところです。そちらの業務の内容としましては、書いてありますとおり、医師のキャリア形成だとか、医師の不足状況の把握、あるいは学生へのキャリア形成の支援、そういったことに取り組んでいるところです。
 来年度以降の体制につきましては、事務員を1人増やすということで御説明しましたけれども、そちらについては、今まで、医学生や臨床研修医に対して、情報発信が余り行き届いていないという点がありましたので、その辺りを強化したいと。やり方としましては、まず医学生に対して、高校から医学生になるときに登録制度のようなものを設けまして、登録していただいた学生に対して県内の医療情報を積極的に提供していく。それから、県外に行ってしまった医学生に対して、県内に帰ってきていただきたいという思いから、県外であるいろんなフェアに出展して、そこで県内の魅力をアピールしていって、県内の医療機関に帰ってきていただきたいと。こういう取組をするために、人の確保だとか、あるいは情報発信の強化ということに来年度は取り組んでいきたいと思います。
 あと1点、派遣のことについてお尋ねがありました。この地域医療支援センターにおいて、派遣調整というものは行っていないところです。先ほど御質問があった件につきましては、島根大学がやっておられる派遣、協議の中に地域医療支援センターも参画してやっておられるということだと思っております。派遣については、鳥取大学やいろんな病院からも様々な御意見をいただいていますので、鳥取大学と連携しながら取り組んでいきたいと思っております。

●中川医療政策課長
 先ほどの病床機能分化・連携情報分析推進事業ですけれども、地域医療構想の目的といたしましては、継続した医療提供体制の確保ですとか、希望すれば在宅で療養できる地域づくり、こういった方向性については間違ってはいないと考えております。
 ただ、おっしゃられましたように、病床数はあくまでも参考値として捉えておりますので、先ほど申しました目的を達成するために各病院が今どういう状況にあるのかを独自に検討していただくための参考資料というような分析結果を導き出したいと思っているところです。これに基づいて病床数をこちらのほうから減らしてください、などという目的で使うものではないと考えております。

○市谷委員
 今、回答があったようにしていただきたいし、また別の機能の中で、知事が権限行使できるようなものもありますので、知事は権限行使してまで病床削減などということを医療機関に押しつけることはしないと従来から言っておられますので、そういう立場でやっていただきたいなと思います。
 284ページの医師確保の大学との関係ですけれども、今日、院長先生などからもお話を伺いましたが、歴史的な経緯や、鳥取大学医学部が島根に近いということはあるかもしれないですが、一応1県1医学部というか、大学ということでいくと、もっと鳥取大学と熱心に鳥取県全体についての医師派遣について要請して協力を求めるべきだと私は思います。医師研修の制度が変わり、医師が自分で研修場所を選ぶことになったので、なかなか大学の医局に残らないということはあるかもしれませんが、ただ、熱心さがちょっと島根県とは違うなというのを感じます。さっき、いろいろ話をしながら進めるとおっしゃったのですけれども、もっと強化していただきたいと思います。
 次に、292ページの医療介護総合確保基金について、先ほど30年度の配分が少なくなるのではないかということで、大幅減額ということです。少なくなるというその質的な中身で、29年度もそうだったのですが、病床機能の分化や、病床を削減については大きなお金がつくのだけれども、医療スタッフの養成とか、在宅医療のところは本当に要望してもお金がつかないと。来年度もそういう傾向なのかどうかを教えていただきたいし、そう聞いているのです。病床削減や、病床転換のほうは厚くなるが、と。でも、それでは県内の医療ニーズに応えられないと思いますので、もしそういう偏った医療配分であるならば、改善をしっかり求め、増額を求めるべきだと思いますけれども、その点について確認したいと思います。
 428ページの介護医療院の関係ですが、介護保険法が改正になって、これまでの療養病床はもう30年度に廃止すると。それに代わるものとして介護保険の制度で介護医療院ができますと。介護医療院に移行するので6年間という移行期間について、ここに書かれていると思いますけれども、要は療養病床は医療を必要とする病床で、介護型とか医療型とかありましたが、新しい介護医療院なるものが必要な医療提供もできるような体制や内容なのかと。そこが担保されないと、単に経費削減のために介護医療院ということになってしまうので、その辺り、従来どおりの医療も含めた支援が担保されているのかどうかを確認したいです。
 また、介護医療院というのは介護保険の制度なので、お金は介護保険のほうに移るのに、療養病床の病床数として残すというのは、国のほうは病床削減のための一つの手段としてこの介護医療院を出してきていると思うのですが、ちょっと矛盾するのではないかと思うのです。その点についての見解も教えていただきたいなと思います。

●中川医療政策課長
 傾向としては、やはり病床機能分化・連携の事業は大きな方向としては中心になってくると思います。従来から県としては、先ほどおっしゃられたように、在宅医療の事業が大切だということもありまして、なるべく在宅医療の事業についても病床機能分化・連携に絡めて国のほうに要求して、予算化しているところです。今後もその配分についてどうなのかということにつきましても、在宅医療や医療従事者確保について配分を厚くしていただくようなことについて、要望していきたいと考えております。

○市谷委員
 過去、今現在も。

●中川医療政策課長
 そうですね、はい。
 条例ですが、介護医療院が介護保険のほうに移るのに、それを既存病床として盛り込むのはどうなのかということですが、現在でも介護保険の施設についても、一部はそういう形で既存病床に組み込んであるということです。今後、政令等、省令等がどういうふうな形で盛り込んでいくのかを明らかにしていくと思いますけれども、基本的には現在と変わらないと考えておりまして、大きく今回のことで変わるということではないと考えています。
 あと、介護医療院の体制につきましてですけれども、こちらは担当が長寿社会課のほうになりまして、詳細についてよく存じておりませんので、また後日にしたいと思います。

○市谷委員
 介護医療院ですが、今までだったら医療の病床だったものが介護保険の制度に移ると。要するに、介護保険というのは自治体の負担と住民の保険料の値上がりに反映してしまうのです。だから、国にとっては医療費の抑制になって、その分は介護保険につけかえて、自治体の負担や住民の保険料の負担増になってくるので、非常に、こういうこそくなやり方をやるのかなと、私はちょっと思っているのです。
 ただ、今までの療養病床であったわけで、少なからず医療が必要な方たちが入院をしておられたわけですから、機能は後退させないようにする必要があると思いますけれども、ちょっとわからないということでしたので、また介護の担当のほうに確認したいと思います。医療政策課は以上です。

◎銀杏委員長
 そのほか質疑ございませんか。

○川部委員
 236ページ、エイズ予防対策事業です。国内でも数がふえているという話を聞いたし、エイズの危機管理ですけれども、現在、鳥取県での発症状況などは把握しているのでしょうか。
 245ページのココカラげんき鳥取県推進事業は、非常に興味があるので、もう少し詳しく教えてほしいと思います。
 266ページ、脱・がん死亡率ワースト3事業ということで、ここに入っていないのですが、子宮頸がんワクチンについて、国のほうもちょっと方向性が変わってきたと思うのです。以前、個別に聞いたのですが、国の様子を見ながらということだったのです。しかし、市町村事業ではありますが、県としてもホームページ等で、指導ではないですけれども、案内はしているので、あの辺りの料金などを変えていく必要があるのではないかと思うのですが、子宮頸がんワクチンについて、どういうふうに今後されるのか。
 以上、3点についてお願いします。

●植木健康政策課長
 まず、ココカラげんき鳥取県推進事業についての説明を追加したいと思います。
 この事業は、健康寿命の延伸のために歩かない県民である鳥取県において、平成21年度からウオーキング立県の取組を進めておりますので、引き続き取組を充実させていきたいと考えております。ウオーキング立県19のまちを歩こう事業や、ウオーキング立県推進事業の補助金につきましては継続事業ですし、また職域から始める健康づくり推進事業については、特に協会けんぽ鳥取支部と平成26年に締結した健康づくりの推進、健康経営の推進に係る協定に基づきまして、健康経営を進める企業を応援する事業として、健康経営マイレージ事業の実施、企業のトップの方に対して健康経営の必要性や取組を推進するための先進地取組を発信するようなセミナーなどの事業を開催しております。
 また、市町村の健康マイレージ支援事業補助金についても、今現在19市町村のうち10町村が取り組んでおられますけれども、新規で取り組まれるところ、あるいは取組を拡充されるところに対する経費について、2分の1の補助を行っているところであります。
 強化していく事業であるのに予算額が減っている背景としては、もう一つ実は柱がありまして、地域の健康寿命アップ促進事業補助金という柱があったのですが、こちらは3年間の事業としており、平成29年度で終了となりまして、その関係で予算が減額となっております。

●荒金健康政策課感染症・新型インフルエンザ対策室長
 エイズの県内の発生状況ですけれども、毎年新規の発生につきましては2~3名程度が発生の届出ということです。ずっと継続して同じぐらいの患者数ですけれども、引き続きキャンペーンなどを通じまして啓発させていただければと考えております。
 子宮頸がんワクチン、いわゆるヒトパピローマウイルスのワクチンの関係ですが、国の考え方は、引き続き副反応があるなどから積極的に勧奨することは控えるとしています。副反応についての因果関係は、あるのかないのかがまだわからないということがあります。国の方針をまず確認しながら、県としてその方針に従いながら進めていくというのが現在の考え方です。

○川部委員
 子宮頸がんなのですが、ニュースで見た限りは、厚労省はパンフレットを改訂する方向で考えているという話で、村中医師がジョン・マドックス賞を受賞されたりして、副反応との因果関係はない方向での改訂と記事で読んだのですけれども。その辺りを含めて、少し研究は要るとは思いますが、引き続き見ていく必要があるかなと思いますので、よろしくお願いします。
 255ページのIoTを活用した健康づくりプラスワンチャレンジ、さっきのと関連したような事業ではあるのですが、具体的にどこかの企業と連携することが決まっているのでしょうか。

●植木健康政策課長
 実はこの実際の民間企業ですけれども、ファミリーイナダ株式会社のほうからお声をいただきまして、ぜひ鳥取県西部で行政と一体となって健康づくりを推進していきたいという申し入れがありまして、この事業が立ち上がっております。

◎銀杏委員長
 そのほか質疑ございますか。

○福浜委員
 251ページと252ページなのですけれども、まず251ページのほうから。
 主な事業内容の(2)、いいことだなと思います。(1)が別にやってはいけないわけではないのですが、2カ月間の期間限定で300万円となっていて、本当に電話があるのだろうかと。ほかにもいのちの電話とか、いろいろあるので、ある程度データとしてほかでも上がってくるのだろうなと思うと、国が3分の2は持つからいいではないかという議論もあるかもしれませんが、本当に2カ月間で300万円かけるほどの成果がどうなのかなと。継続的にやっていこうということになると、2カ月間で300万円だったら年間通せば掛ける6となりかねないので、同じところに任せるという辺りがちょっと疑問なので、お答えいただきたいと思います。
 ひきこもり対策も、ずっとやってこられていて、必要な事業だとは思うのですが、効果のほうは実際どうなのかなと。まず、ひきこもり自体をどういうふうに把握するのか。その把握した中でどのぐらいかかわりがあって、1年か2年かわかりませんけれども、どのぐらい社会復帰ができているのか、という成果を見ないと。予算繰りというのも、これでは足りないということももしかしたらあるかもしれないし、なかなか成果が上がらないのだったら、別のやり方があるかもしれないし、その辺りがちょっと見えないので。これも、それほど小さくない金額が出ていますから。
 委託先のところ、実績が今どうなのかというのを教えていただきたいという、以上2点です。

●植木健康政策課長
 まず、若年者オンラインカウンセリング実証事業についてですが、本当に効果があるのかどうか、まずは実際にやってみることを考えています。実は2月7日に若年者の自死対策相談体制の効果的な体制をとるための意見交換会を開催したときに、詳細については次回の常任委員会で報告する予定としておりますが、さまざまな御意見をいただきました。やはり心が沈んでいるときにはなかなか電話の相談をするのもおっくうであったり、特に若者は電話をすること自体がハードルが高いといったような声もありました。また、やはり面接相談も予約をとるとかというようなことを手続を踏むということも、非常に煩雑なプロセスを踏むことについてはなかなか相談につながりにくいというような声もありました。相談をしやすいのは、やはり夜間であるとか、一人になったとき、休日であるとか、そのような時間にやはり相談ができるという体制は欲しいというような声も実際ありました。
 そういった御意見を踏まえまして、まず実施をしてみる、検証してみるといった目的ですので、取り組む前からいろいろな危惧の声もありました。実際ハイリスクの方を拾い上げることにはつながるのだろうが、それを遠隔のところで相談を受けているときに、身近なところの相談でしっかり支援につながらないと自死予防にはつながらないのではないか、といったような御意見もありました。そういった幅広い御意見もいただきながら、1つの手法として検証してみるのかなと考えております。
 もう一つはひきこもりの対策ですけれども、ひきこもりの生活支援センターでの相談件数は年々増加をしておりまして、年間1,400件を超えるような相談が寄せられているところです。東部に拠点はありますけれども、中部や西部でも開設されて、全県的な相談体制は整ってきていると考えております。かかわったことによってどれだけの成果があらわれているのかといったところの検証は、まだ十分にできていないところはありますが、いろいろな声を聞いてみますのに、ひきこもりの方を身近なところでキャッチして相談につなげる体制は充実してきていると思うのですが、実際その御本人が支援を積極的に希望されないときに、なかなか支援の手を差し伸べようがないというような声も聞いております。その辺りは、本当にお一人お一人への相談というのは非常にデリケートで大変な労力などがかかるのだろうと思います。
 実際、全県でのひきこもり者の把握はできていないのが現状で、今現在、市町村に対して、どのような形でひきこもりの方を把握されているのか、あるいは全体を把握するためにはどのような方法がとれるのか、といったような御意見も聞いておりますので、そういった御意見も踏まえて、今後の取組を考えていきたと思います。

◎銀杏委員長
 よろしいですか。そのほか質疑は。

○市谷委員
 さっき御紹介ありましたけれども、245ページのココカラげんきの健康マイレージ。市町村が実施する分なのですが、補正のことで話を聞いたときに、4市はやらないとか、この間、私たちも聞かせてもらった大山町などがやめるとか、何だかあれっと思って、どうしたものかなと。状況などをお話しいただいて、もっと何か使いやすいのにしたりなど改善が要るのかなと。来年度、またマイレージ事業を拡充されるということなのですけれども、その辺りとの兼ね合いを教えていただけたらと思います。それが1点。
 それから、264ページの主な事業内容の真ん中辺りに、新規でがん診療連携拠点病院推進検討部会ということで、拠点病院と連携拠点病院と、改めて御紹介いただきたい。この連携拠点病院については、新たな基準で審査するということですが、その新たな基準というのが何なのかなと。よくなるのはいいことなのですけれども、余り厳しいとせっかくつくってきた体制がどうなるのかという不安がありますので、その辺りの御紹介をいただけたらと思います。
 3つ目に、265ページのがん検診の受診促進なのですが、膵臓がんの検診というのは何かあるのだろうかなと。静かな臓器と言われて、結構わかったときには手遅れみたいなことが多いかなと。膵臓がんの検診、もし何かあれば教えていただけるとありがたいですし、何か対策をできるものがあれば盛り込んだほうがいいと思うのですけれども、その辺りを教えてください。
 最後に、421ページですが、附属機関の改定でということで、がん対策の2つの会議を1本にするというお話でしたけれども、1本にして今までの機能がきちんとやれるのだろうか、それからメンバー的にどうなのだろうかと。今までどおりのことがやれる一本化なのかどうかというのがよくわからなかったので、そこを説明していただきたいと思います。

●植木健康政策課長
 まず、ココカラげんきの健康マイレージの関係なのですけれども、県としましては全ての19市町村で取組をしていただけたらと考えておりまして、市町村との会議の中でも取組の推進などについていろいろ話をしているところです。しかし、ポイントであるとかインセンティブを与えることについて、何らかの無関心層の方が行動変容につながるのではないかなどについては、一定の見解は得られていると思うのですけれども、やはり管理をどうするのかであるとか、そこに対する予算確保ということになりますと、なかなか難しい面があると聞いております。
 そういったところをカバーするために、県版の健康マイレージ事業といった意味もありますし、市町村のほうですと、やはり働き盛り層との連携が十分にとりにくい部分もあるかと思いますので、県で実施をしてみたらどうかということで、新規事業で上げているところです。
 附属機関条例の関係ですが、条例上は統合するのですが、実態は変わりませんで、全県のものと、県域のものの会議は継続開催することとしておりますので、実態は影響ございません。
 膵臓がんの検診については、いまだ具体的なものが検討されているということは伝わってきておりません。

◎銀杏委員長
 要するに、検診でどの程度わかるものなのかというようなことも含めて、ということだったと思うのですが、違いましたか。

●藤井福祉保健部長
 今御指摘がありましたけれども、膵臓がんも全国的に見ても、がんの中で大きなウエートを占めつつあるということで、大きな課題だと医療者のほうも考えていますが、なかなか通常の検診では見つかりにくいということでありまして、膵臓がんをターゲットにした検診が広く行われているという現状にはないということです。
 ただ、今申し上げましたように、問題意識は持っていて、例えば糖尿病がベースにあるとそのリスクが高くなるというような要素もありますので、そういう方々には定期的にエコー検査等をしていただくように医療者のほうに情報提供して、そういうレベルでの早期の発見に努めるとか、先進的には積極的にエコーのついたような内視鏡を行うとか、そういう医療の中ではあります。しかし、広く検診として他のがんのように、ということには現段階では至っていないというのが現状ではないかなと思っております。

●高橋健康政策課がん・生活習慣病対策室長
 拠点病院の指定要件について御質問をいただきました。
 現在、厚生労働省のほうで新しい要件について検討のワーキンググループが開催されておりまして、6月、7月ごろが新要件でどういうことになるのかということなので、途中経過なのでまだわかりませんけれども、同一二次医療圏内に複数の医療機関を指定する際の基準を明確化する方向は検討されています。鳥取県の場合、東部に県立中央病院と鳥取市立病院と、2つ同一二次医療圏にありますので、そういったものが影響する可能性は出てくると思いますけれども、どういう形になるのかはまだわかりませんので、今後わかってきましたら検討していきたいと思っております。

○市谷委員
 わからないことを聞いてもあれなのですけれども、1個しか認めないとか、同一医療圏の中で複数認めないとか、そんな傾向なのでしょうか。

●高橋健康政策課がん・生活習慣病対策室長
 複数を指定する際の基準をより明確化する方向ということなので、おっしゃられるようなバツという話ではないと思います。

◎銀杏委員長
 ほかに質疑ございますか。

○浜田(妙)委員
 わからないので教えていただきたいのですが、がん対策なのですけれども、最新情報がどこまで届いているのかということで、がん検診をするのに血液検査でがんが素早くわかるというような情報もあったりするわけですが、これはどれくらいまで進んでいて、検診に活用できるのか。簡単な検診ができるようになれば、検診の受診率が上がるのではないかと思うものですから、聞いてみたかったのです。そこまで行っているのかどうかという情報を知らないので。
 がん検診のレベルを上げるためには、やはり働いている人たちがどれだけ検診を受けられるかということにかかっているとお医者様はおっしゃるものですから、そのためにはどうするかといったら、企業との連携です。実際にはやっていらっしゃるのですけれども、パートナー企業ですよね、県もやっているのですけれども、企業さんの協力の度合いというのは、全体の企業数からいったらどれくらい意識を持って従業員の健康管理ができるような状況があるのか、もっとそこを推し進めなければならない状況なのか。企業さんが、従業員に検診を受けなさいと強く指導する、その環境を高めていくことが一番がん検診の受診率を上げることだと先生はおっしゃるのですけれども、そういう取組は困難なものなのかどうかを聞かせてください。
 もう一つ、251ページの自死予防ですけれども、オンラインカウンセリングの実績がある民間企業への委託なのですが、これはどこなのか、教えていただけるようなら教えてください。

●藤井福祉保健部長
 がん検診について、血液検査の活用状況ですが、いろんな研究機関、国立がんセンターも含めて研究はなさっているという情報は私どももマスコミ等で拝見しております。しかし、検診の場合、今のやっている検診もそうですが、異常があると言われても必ずがんがあるわけではありませんので、決定的にこれだけで判断できるという割合、的確度がどの程度なのか、その辺りが非常に重要になってまいりますので、そういう意味ではまだ現段階で実用化になっているというものではないとは承知しております。ただ、受診率を高めるという意味でも重要なので、十分関心を持っていきたいと思っております。
 なお、今回事業でお願いをしておりますピロリ菌検査やペプシノゲン検査なども、血液の検査をすることをきっかけに1つやって、ある意味これもリスクファクターという意味合いになっていますので、胃がんを早く発見するというきっかけづくりにもなるかと思っています。そういうものはぜひ取り入れていきたいと思っております。
 あと、パートナー企業や健康経営のほうは、担当のほうから御説明したいと思います。

●高橋健康政策課がん・生活習慣病対策室長
 がんの検診の関係で、パートナー企業の関係をお問い合わせいただきました。
 現在、29年9月末現在、県全体で931社で、従業員数ベースでいきますと4万5,279人にパートナー企業へ賛同していただいております。一番、手持ちで直近の数字で9月30日ですが、27年9月30日時点では667社の3万4,899人ですので、着実に意識してパートナー企業に手を挙げていただいているところもふえてきていると思います。今後ともまた御協力いただくように働きかけたいと思っております。

●植木健康政策課長
 251ページのオンラインカウンセリング事業の実証事業の民間企業の御質問がありました。
 実際どのような企業に委託ができるものかをいろいろと検討していたときに、東京にあるコトリーという企業が、京都大学を対象にパイロット的にカウンセリング事業を実施しているということがわかりまして、今後、全国の専修学校ですとか大学などに広げていきたいというようなこともありましたものですから、まずは見積もりをとらせてもらったりということで予算化にもつなげたところです。

○浜田(妙)委員
 事業所名をもう一度教えてください。

●植木健康政策課長
 コトリー。

○浜田(妙)委員
 もう有名なのですか。

●植木健康政策課長
 いえ、私は初めて知りました。

○浜田(妙)委員
 調べてみます。ありがとうございました。

◎銀杏委員長
 ほかに質疑はないですか。
 1つ、最初のほうで出ました284ページなのですけれども、地域医療支援センター運営事業のことで質疑があったのですが、病院局の質疑の中で、現場の声なのですが、鳥取大学から県立病院への医師派遣が非常に弱いという話でした。鳥取大学医学部のほうは、どちらかというと島根、松江のほうに医師がたくさん流れているということで、もともと医療圏もあるし、学生さんもどうしても近いところ、通えるところに行きたがるということで、松江市等によく行かれるという話があったわけです。病院局のほうには、しっかり連携を深めていただくようにお願いしたのですが、福祉保健部としてその点について、今後のあり方というか、強化をお願いしたいと思うのですが。

●藤井福祉保健部長
 ここに上げております地域医療支援センターですけれども、先ほど室長のほうからも御説明いたしましたが、大学と県と共同で設置しているものでありまして、センター長は大学病院の附属病院長、原田院長がなっていただき、副センター長は私が務めているという形です。県全体の医師の需給状況、各病院からの不足数等の調査、これも地域医療支援センターのほうでやっております。毎年その不足数、必要数等を把握しまして、そういうデータをもとに医師確保を努めていきたいということで、初期臨床研修医、専門医、研修医の確保等、また奨学金制度を鳥取大学を中心に設置をしておりますので、そういう医師のキャリアパス、キャリアアップというようなことを協議しております。
 なお、奨学金制度については、基本的に鳥取県は、自治医大の人や、県職員にする医師について、中山間地での医師確保を目的の一つとしておりますが、そのほかの奨学金は基本的に県内での勤務を原則としておりますので、県内に勤務することによって免除要件を満たすと。その上で、どういうキャリアパスがあるのかなどを大学とも協議しながら進めているところです。
 島根大学のお話も、私どもも島根県の様子等も伺わせていただいておりますけれども、基本的には島根大学に対して各病院から要望されたものを島根大学が取りまとめられて、派遣計画を立てられる。そこに県もかかわらせていただいていると、ちょっとお聞きはしております。鳥取大学も、各病院からの要望は鳥取大学全体でまとめられていると聞いておりますが、先ほども委員長からもございましたが、鳥取大学の場合は、現実問題として島根県の病院からもかなり要望を受けていらっしゃると伺っておりますので、その中で派遣されていると。最終的に、実際は各診療科のそれぞれの事情があって、取りまとめはされておりますが、それぞれの状況を踏まえながら派遣等の人事案が決められているのが現実ではないかと思っております。先ほどの奨学金の制度等もありますので、その点も含めて、引き続き鳥取大学のほうには県内の医療が充実するように働きかけをしていきたいと考えております。

◎銀杏委員長
 先ほどの答弁の中で、県としては派遣調整は行っていないというお話があり、島根県のほうはそういう話もあるような答弁だったと思うのですが、鳥取県としてもこうしたセンターの中での作業を通じてプッシュをできないものかなと思ったものなのですが、いかがでしょうか。

●藤井福祉保健部長
 派遣調整ということですが、県が人事権を持っている医師というのが自治医大の卒業医師、それから鳥取大学に設置をしている特別養成枠と申しておりますが、これが今、卒業後4年目が1期生ですが、順次卒業してきております。この春から地域の病院に県として人事調整をしまして、派遣調整をして、それらの医師については各病院に派遣をするという仕組みになっております。その部分については、地域医療支援センターが直接ではありませんが、県として人事権を持って派遣調整をしているということです。
 大学全体の派遣調整というお話かと思いますが、やはり島根大学の場合も大学病院に要請があって、各診療科等の調整を経て派遣をされているというのが現実で、そこに地域医療支援センター、あるいは行政のほうがかかわって決定されるという仕組みにまではなっていないのではないかと伺っておりますが、またその辺りは島根県の状況もよく聞きたいと思っております。派遣についての要望という形では、これからも申し上げていきたいと思っております。

◎銀杏委員長
 よろしくお願いします。
 次に、2月補正予算の説明を求めます。
 質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきます。
 まず、藤井福祉保健部長に総括説明を求めます。

●藤井福祉保健部長
 続きまして、2月補正のほうをお願いします。2月補正の福祉保健部の予算書をお願いしたいと思います。
 はぐっていただきまして、1ページに全体をつけておりますが、今回は3億6,000万円余の増額の補正をお願いするものです。個々につきましては、基本的には執行実績に伴う減額補正がほとんどですが、全体で増額になっておりますのは、今回国民健康保険基金の積み増しを行う国民健康保険基盤安定等推進費で8億5,000万円の増額を行うほか、平成29年度鳥取県地域医療介護総合確保基金造成事業を今回の補正で対応する関係で6億2,000万円の増額となっておりまして、トータル合わせると3億6,000万円余の増額補正となっております。
 財源の内訳のほうで、その他が16億円余りの減で、一般財源が13億円余りの増になっております。これは、昨日の全員協議会でも少し話題になりましたが、後期高齢者医療制度財政支援事業等に充てている財政調整型基金である長寿社会対策推進基金というのがございまして、これを当初予算で充てておりましたが、今回一般財源に振りかえる財源更正を行わせていただく関係で、こういう数字になっております。
 詳細は担当課長のほうから御説明しますので、よろしくお願いします。

◎銀杏委員長
 続いて、関係課長から順次説明を求めます。
 植木健康政策課長の説明を求めます。

●植木健康政策課長
 健康政策課は35ページからとなりますが、主なものについて御説明いたしたいと思います。
 36ページをお願いします。新型インフルエンザに関する事業が2本ありますが、幸い発生がなかったことから減額となっております。また、37ページ、難病等医療費助成事業が2,300万円余の減額となっておりますが、こちらも実施見込みの減に伴う減額補正となっています。
 増額補正となっているものが1つありまして、38ページをお願いします。難病患者療養支援事業費です。在宅で療養されている難病患者の方の一時入院に係る事業ですが、実際には介護をされている方の冠婚葬祭や、レスパイトとして使われている事業です。こちらが実施見込み額の増によりまして170万円余の増額補正をしております。それ以外の事業につきましては、先ほど部長からありましたように、見込み額の減による減額補正としておりますので、省略いたしたいと思います。
 なお、市町村に対する補助事業で上げておりまして、実績を下回るといったような事業につきましては、せっかくの予算ですので、市町村のほうにもしっかりとタイアップができるように、あるいはニーズを把握してよりよい事業にしていけるように、今後努めてまいりたいと考えております。

◎銀杏委員長
 中川医療政策課長の説明を求めます。

●中川医療政策課長
 42ページをお願いします。鳥取県地域医療介護総合確保基金で、3億円余りの減額補正です。これにつきましては、実施見込み、実施予定の事業者等が事業を実施しなかったことによる減額がほとんどです。
 43ページをお願いします。平成29年度鳥取県医療介護総合確保基金造成事業(医療分)です。こちらは、国からの配分がありましたので、当初予算分から差額につきまして補正予算で対応するものです。
 44ページです。地域医療対策費(医療施設等施設整備費)ですが、国庫補助事業の内示減に伴う補正の減額です。
 続きまして、移植医療推進事業ですが、移植コーディネーター1名の欠員に伴い減額しているものです。
 その下の有床診療所等スプリンクラー等施設整備事業についても、申請事業者が当初予算を下回ったこと等による減額補正です。
 45ページをお願いします。地域医療対策費(医療施設等設備整備費)ですが、国庫補助事業の内示減に伴う減額補正です。
 その下、医療政策課管理運営費は、事業者から返還のあった消費税仕入控除額等を基金に積み戻すための予算が一部不執行となったことによる減額補正です。
 46ページをお願いします。公立豊岡病院ドクターヘリ・島根県ドクターヘリの運航事業です。公立豊岡病院のドクターヘリの出動見込みの件数の増、一方で、島根県ドクターヘリの出動見込みの減に伴い、トータルとしてプラスの増額の補正をお願いするものです。
 一番下の倉吉総合看護専門学校の体育館耐震補強工事は、入札減に伴う減額補正です。
 47ページの医師確保奨学金等貸付事業ですが、新規貸付者の減に伴う減額補正です。
 48ページ、看護職員等充足対策費は、2,000万円余りの減額ですけれども、貸付者の退学等による貸付金額の減によるものです。
 続きまして、73ページをお願いします。繰越明許に関する調書です。鳥取県地域医療介護総合確保基金事業ですが、完成時期を次年度に延長するために繰り越しを行うものです。鳥取県立中央病院の建てかえ関係の事業が該当します。
 あと、鳥取県保健医療計画の策定事業ですが、計画策定を今年度中に行いますけれども、冊子の印刷等が来年度になる関係で繰り越すものです。
 次に、医療政策課管理運営費は、地域医療再生基金が終了し、残余額を国庫返還する必要がありますが、年度内に返還することができなくなったために額を繰り越すものです。

◎銀杏委員長
 金涌医療指導課長の説明を求めます。

●金涌医療指導課長
 50ページをお願いします。後期高齢者医療制度財政支援事業です。後期高齢者に関する医療費の減のために法定された県の負担分を減額するものです。1億7,000万円余の減額です。
 51ページをお願いします。国民健康保険基盤安定等推進費で8億5,000万円余の増額をお願いするものです。1、国保の財政安定化基金の積み増しということで、国保改革に伴い、財政安定化のために平成27年度から積み増しを行っているもので、4億6,800万円余です。今回の結果、約7億円程度の基金規模となるものです。
 その他について、激変緩和のため、また平成30年以降の保険者努力支援制度分について積み増しを行うものです。2の基盤安定事業負担金、3の高額医療費共同事業負担金については、実績に伴う減額です。また、4、5は広域化等支援基金の積み立ての関係ですが、廃止に伴いまして国庫負担分につきまして返還を行うものです。

◎銀杏委員長
 それでは、今までの説明につきまして質疑等ございませんでしょうか。

●植木健康政策課長
 委員長、申しわけありません。報告漏れがございました。健康政策課です。
 72ページをお願いします。繰越明許費に関する調書ですけれども、下の感染症対策推進事業費です。県立中央病院の建てかえ工事におきまして、感染症病床、エイズ治療拠点病院に係る施設整備費ですが、工期の遅れによりまして、平成29年度分の工事が年度内に完了が困難で、平成30年5月末ぐらいになるということで、繰り越しいたします。申しわけありませんでした。

◎銀杏委員長
 それでは、質疑等ございませんか。

○市谷委員
 51ページの国保の基盤安定基金の関係なのですけれども、(2)で保険料の激変緩和と書いてありますけれども、最近報道されていますが、各市町村の保険料が急激に上がらないようにということで手当てされているのがこれだ、ということでよろしいでしょうか。

●金涌医療指導課長
 激変緩和の中の一部です。国から300億円、県としては1億円程度来ましたけれども、これは6年間をかけて使うということです。この基金に1億円積みまして、それから年次6年間の間に使うということで、今回約2,000万円程度を使おうとしております。

◎銀杏委員長
 それでは、報告事項に移ります。
 質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきます。
 報告5、次期「関西広域救急医療連携計画」の最終案について、報告6、鳥取県ドクターヘリの運航開始に向けた準備状況について、及び報告7、一定額以上の工事または製造の請負契約の報告について、中川医療政策課長の説明を求めます。

●中川医療政策課長
 5ページをお願いします。次期関西広域救急医療連携計画の最終案についてです。次期計画につきまして、最終案が取りまとめられましたので、御報告します。
 なお、3月3日に連合会議に議案として上程され、決定される予定でありまして、30年から32年までの3年間、本計画に基づいて取組を進めていくこととなります。
 計画策定の趣旨ですが、この計画は広域医療分野として実施する関西広域の府県を超えた広域救急医療連携に関する関西広域連合及び構成府県の取組を定める分野別計画です。今回、主な改正点としましては、2に書いてありますが、鳥取県ドクターヘリ導入に伴う7機体制への移行による広域救急医療提供体制のさらなる拡充、基地病院間の交流によるドクターヘリの連携強化、搭乗人材のスキルアップ、医療機関のBCPの策定促進、ICTを活用した次世代医療の導入促進などが改正点として盛り込まれています。
 内容につきましては、概要を6ページ以降に書いておりますし、また別冊にまとめておりますので、ごらんいただければと思っております。
 続きまして、9ページをお願いします。鳥取県ドクターヘリの運航開始に向けた準備状況です。平成30年3月末から運航開始を予定しているドクターヘリの運航開始に向けた準備状況につきましては、以下のとおりです。
 ハード関係で給油施設ですが、これは鳥取大学で整備をされておりまして、2月末には供用開始を予定しております。運航管理室につきましても鳥取大学内に整備されておりまして、30年1月から無線機器、OA機器等の整備を完了して運用しているところです。格納庫につきましては、平成30年5月末の工事完了となりまして、6月20日ごろに供用開始の予定です。その間は、夜間は鳥取大学病院のヘリポートへ駐機し、悪天候時は鳥取空港、神戸空港等の格納庫に避難することにしております。
 その他のソフト事業ですが、消防機関の説明会や医療機関訪問につきましても、昨年12月から今年2月にかけまして順次実施したところです。運航前訓練については、平成30年1月末から2月現在、フライトドクター、フライトナースを対象とした安全確保に関する研修を実施したほか、実際の機体を使った訓練についても、平成30年2月から3月にかけて実施しているところです。医療スタッフは、鳥取大学において確保される見通しとなっておりまして、平成30年4月ではフライトドクター10名、フライトナースは9名を確保する予定となっております。愛称は、現在、関西広域連合のほうで検討されておりまして、最終的には3月3日に広域連合の委員会で報告・決定される予定です。
 なお、就航式につきましては、平成30年3月26日に鳥取大学病院で運航開始式を開催する予定でありまして、出席者数は約70名を予定しているところです。
 続きまして、10ページです。一定額以上の工事または製造の請負契約の報告についてです。ドクターヘリの格納庫につきまして、工期が30年2月28日から30年5月31日に延びまして、変更契約を結んでおりますので、報告します。

◎銀杏委員長
 それでは、以上、説明に対しての質疑等ありませんでしょうか。
 ないようであります。
 次に、その他ですが、健康医療局に関しまして、執行部、委員の方で何かありませんか。
 意見がないようですので、健康医療局につきましては以上で終わります。
 執行部の入れかえ並びに昼休憩で暫時休憩します。午後1時15分再開とします。
(執行部入れかわり)


午後0時33分 休憩
午後1時15分 再開


◎銀杏委員長
 それでは再開します。
 引き続き、ささえあい福祉局に係る付議案の予備調査を行います。
 初めに、当初予算及び予算関係以外の付議案の説明を求めます。
 執行部の説明は要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いします。
 質疑につきましては、説明終了後一括して行っていただきます。
 関係課長から順次説明を求めます。
 小林福祉保健課長の説明を求めます。

●小林福祉保健課長
 それでは、午前中の健康医療局に引き続きまして、新規事業や、増減の大きいもの、政策的な事業を中心に説明してまいります。
 資料の2ページをお願いします。下のほうですけれども、社会福祉審議会費です。約150万円減額になっていますが、実績に鑑みて社会福祉審議会の開催回数を減にしたものと、全部の会に委員が出席できないということで、出席数の減少による減です。
 5ページをお願いします。鳥取県立福祉人材研修センターの管理委託費です。鳥取県社会福祉協議会に指定管理しているものでありまして、5年間ですが、来年度が最終の年度です。
 6ページをお願いします。鳥取県社会福祉協議会活動費交付金事業です。県社協の活動に対して交付金を交付することにより、安定的に事業を執行していただく目的で交付するものです。約100万円減になっていますが、この事業に係る人件費が毎年県の人事委員会が給与勧告に用いる算定資料をもとに人件費をはじく関係で、来年度は若干の減ということです。
 7ページをお願いします。鳥取県再犯防止推進体制構築事業です。現在、再犯防止推進計画を策定している途中ですけれども、県内の再犯防止を図るということで、2つございます。再犯防止推進協議会、これは関係機関の方にメンバーになっていただいて、計画の進捗管理ですとか、課題の情報共有等を行うものです。それから、仮称ですが、鳥取県再犯防止推進センターというのを設置しまして、支援等が必要な方を支援につなげていくものです。こちらは国のモデル事業を活用するといったところです。
 8ページをお願いします。新規で、災害時における福祉支援機能強化事業です。社会福祉士会、介護福祉士会、介護支援専門員連絡協議会のほうと昨年、防災に係る協定を締結しまして、災害時派遣福祉チームというのを編成するところです。現在、派遣チームについては募集中でありまして、派遣チームの研修に係る経費です。
 9ページをお願いします。こちらも新規です。鳥取県立福祉人材研修センター天井改修工事です。建築基準法施行令が改正になりまして、特定天井と申しますけれども、高さ6メートル、200平米以上の天井につきましては、脱落防止の措置を講じないといけないという規定になりました。ただ、このセンター自身は既存の建物ということでありまして、法令上は既存の建物は増改築等をする場合に対応すればいいのですが、中部地震において倉吉未来中心の天井が落下したのに鑑みまして、天井を改修するものです。
 12ページをお願いします。民生委員費です。3,500万円ばかり減になっていますが、鳥取市が来年度、中核市に移行されるということで、鳥取市に係る民生委員の費用は市が予算を組まれるということで、その分の減です。
 13ページをお願いします。県民総合福祉大会開催事業です。福祉関係者の表彰や記念講演等を行う大会に助成するものです。50万円ばかり減になっていますが、昨年が民生委員制度創設100周年記念ということで、著名な講師の方に来ていただいたということで、その分の減です。
 14ページをお願いします。日常生活自立支援事業です。鳥取県社会福祉協議会が行っている事業ですけれども、認知症の高齢者、知的障がい者、精神障がい者など判断能力が十分でない方に対しまして、サービスとして福祉サービスの利用手続や、日常的な金銭管理等を行うものです。300万円余り減になっていますが、こちらは実績見合いで減になっているものです。
 18ページをお願いします。生活困窮者自立支援事業です。平成27年4月に施行された生活困窮者自立支援法に基づいて行っている事業です。鳥取県としては、福祉事務所を所管しております三朝町と大山町について事業を行っているものです。若干減になっておりますけれども、2の主な事業内容の(2)、バックアップ事業ということで、県社協に補助金を出して、市町村の自立支援相談員等の研修を行っているものですが、先ほどありました県社協の人件費が人勧の見直しということで、若干減になっているのが原因です。
 19ページをお願いします。子どもの居場所づくり推進モデル事業です。子どもの居場所づくりにつきまして、市町村と共同で事業を行っているものです。140万円ばかり減になっておりますが、実際の来年度の想定の市町村と、実施箇所数をもとに算定しているものです。昨年の掲示の仕方が、補助基本額が200万円ということで、200万円に単純に想定の箇所数を掛けておりましたが、来年度は事業費についても実際に近い形で予算計上しているところです。
 20ページをお願いします。学習支援充実事業です。教育委員会が行っている地域未来塾がありますが、地域未来塾では国庫の対象とならない事業につきまして、県が補助しているものですとか、ひとり親世帯に該当しないような子どもも行っている場合に補助しているものです。放課後児童クラブも一緒です。こちらは300万円ばかり減になっていますけれども、今年度は8市町村を見込んで予算を計上しましたが、今年度も補正で説明しますけれども、4市町村の見込みでありまして、そういったことを踏まえて実績に見合った予算計上といったところです。
 22ページをお願いします。低所得者等に係る中間的就労支援推進事業です。いきなりハローワーク等に行っても就労できないような方に対しまして、中間的就労を行っていただく事業所を開拓するとともに、そういった事業所についてマッチングをするといったところで、コーディネーター2人を配置する事業です。
 23ページをお願いします。ファイナンシャルプランナーと連携した家計支援事業です。困窮家庭について、金銭管理等が苦手ということで、それが原因で困窮に陥っているといったことも踏まえて計上しているものです。250万円ばかり減になっておりますが、今年度予算では困窮危険度の診断ソフトを作成する経費がありましたが、それが減になります。それから、啓発の冊子につきましては、今年度作成する冊子を来年度も利用するといったところで減になっているところです。研修等につきましては変わっておりません。
 24ページをお願いします。とっとり子ども未来サポートネットワーク活動支援事業です。今年度の9月補正で計上している事業ですけれども、こども食堂等を行っている利用者の方々や、それを支援する方々でネットワークを組んでいるものです。そういったネットワークに対しまして、こども食堂が今後も安定的に運営できるように、食材の提供や人的支援などを行っていくことに対して助成するものです。それから、2の主な事業内容の(3)に書いていますが、こども食堂等に通っておられるお子さんにつきまして、文化芸術等の体験等も行っていただくことを予定しているものです。
 25ページをお願いします。こちらも新規です。鳥取県社会福祉事業包括支援事業です。こちらは現在、県が単独の補助金を各団体等に交付していますが、団体等のより身近な団体である県社会福祉協議会のほうに補助するという形で決定権を移していくということで、より身近なところで補助をしたいというものです。ちなみに、この事業については、職員の時間外削減のためのモデル的な取組といった意味合いも兼ねているところです。
 26ページをお願いします。こちらも新規で、指定管理候補者審査委員会等運営費です。来年度の指定管理の審査に当たり、指定管理候補者の審査委員会を設けるとともに、現在検討しておりますが、民間譲渡等を検討している施設の譲渡のための第三者委員会を開催するものです。
 27ページをお願いします。旧東部福祉保健事務所施設維持管理費です。東部福祉保健事務所の建物の中にホールボディカウンター、全身用放射能測定装置を置いております。中央病院が建てかえになり新しい建物ができた折には、そちらに移設することにしておりますが、移設するまでの建物の維持管理に関するもので、例えば消防設備の点検や、自家用電気工作物の保守点検等に係る経費です。
 31ページをお願いします。戦傷病者戦没者遺族等援護事業です。戦傷病者や戦没者遺族に対する援護に要する経費ですが、700万円ばかり減になっているのは、戦没者の遺族に対する特別弔慰金の緊急受付が平成30年4月2日でもって終了します。この大量の受付があった関係で非常勤職員を2名雇用しておりますが、その経費が減になるということで、700万円の減です。
 32ページをお願いします。こちらも新規です。沖縄「因伯の塔」修繕事業です。因伯の塔は、さきの大戦の際に沖縄県や南方諸島において戦没された本県出身者の慰霊のために建てた塔でありまして、この塔が老朽化しているということで、修繕を行うものです。
 35ページをお願いします。扶助費です。生活保護等に係る経費です。4,300万円ばかり減になっておりますが、2の(2)のところの現在地保護者県負担金、これは市や福祉事務所を設置する市町村が保護した、居住地がないまたは明らかでない者については、県が負担金という形で支給しています。鳥取市分については中核市移行に伴い鳥取市が予算措置をするということで、減になるものです。なお、生活保護につきましては三朝町、大山町分に係るものですけれども、生活保護世帯の見込みでは世帯数が減になるということで、その分が減になっているものも含んでおります。
 41ページです。職員人件費です。所要経費を計上しているものです。なお、定数で38減になっていますが、その原因は鳥取市の中核市移行に伴い、東部福祉保健事務所がなくなるといったところが大きなものです。

◎銀杏委員長
 次に、廣岡福祉監査指導課長の説明を求めます。

●廣岡福祉監査指導課長
 それでは、42ページをお願いします。社会福祉法人指導強化事業です。公認会計士や弁護士の先生等、高度な会計の知識を要するような案件については同行して監査をいただいております。その経費と、法人の役職員を対象として研修会を開催しております。700万円の減となっておりますが、先ほど申し上げました公認会計士の先生方の稼働日数の減に伴う実績見合いということで、700万円余の減となっております。
 43ページをお願いします。社会福祉法人育成事業です。2の主な事業内容をごらんいただきたいと思いますが、3つの事業、補助金で構成されております。1つ目が鳥取県民間社会福祉施設運営費補助金で、救護施設、児童養護施設等、措置施設を対象に運営費を補助しているものです。実績見合いで500万円余の減です。2番目の独立行政法人福祉医療機構資金借入金利子補助金です。それぞれ利子を補助しているところで、今年度、4法人で利子の借入の償還が終わるものですから、その減です。以上で800万円余の減となっております。
 44ページをお願いします。社会福祉施設職員等退職手当共済事業です。社会福祉施設職員等退職手当共済法に基づき、独立行政法人福祉医療機構と、社会福祉法人、社会福祉施設が契約を結びまして、職員の退職金を積むわけですが、施設のほうで3分の1、それから国、県がそれぞれ3分の1を負担して支給するものです。400万円減となっております。
 46ページをお願いします。新規事業で、鳥取県厚生事業団「境港通勤寮」解体撤去費補助金です。平成17年に、元の県立施設を社会福祉法人鳥取県厚生事業団へ移管しました。2の(2)に補助対象施設となっておりますが、そこに上がっております11施設を対象に、当時、債務負担をとりまして、解体費の撤去費を負担するものです。このたび平成29年度に境港通勤寮の解体撤去が完了したことから、その撤去費に係るものをお願いするものです。
 47ページをお願いします。下のほうですが、廃止事業で、社会福祉法人における経営労務管理改善支援事業です。社会福祉法人のほうで人事考課に関する研修や、人事考課制度の見直し、給与体系等の見直し、人材育成に関する研修の実施等をした場合に、それに関する経費を支給することになっておりましたが、国でこの制度が廃止されたことに伴い廃止するものです。
 債務負担は、364ページですが、先ほど申し上げました独立行政法人福祉医療機構資金借入金利子補助金、それから365ページで、先ほど境港通勤寮のところで御説明した鳥取県厚生事業団経営安定化事業施設解体費補助金が当課の分です。

●小林福祉保健課長
 委員長、済みません、説明漏れがございました。申しわけございません。
 360ページをお願いします。債務負担行為です。福祉保健課は、一番最初の平成30年度鳥取県立福祉人材研修センター指定管理料で、平成31年度から35年度までの分に係るものです。
 続きまして、363ページ、364ページをお願いします。過年度決議に係るもので、福祉保健課関係は最初の平成21年度生活福祉資金利子補給から平成26年度西部総合事務所福祉保健局庁舎機械警備委託です。申しわけございませんでした。

◎銀杏委員長
 それでは、小澤障がい福祉課長の説明を求めます。

●小澤障がい福祉課長
 資料は48ページにお戻りいただければと思います。主なもの、新規のもの等を御説明させていただければと思います。
 まず、48ページ、地域生活定着支援センター運営事業です。再犯防止の関係等がありますので、障がい福祉課から福祉保健課に移管するものです。
 51ページをお願いします。下のほうですが、知的障がい者団体広報啓発事業補助金です。来年度、手をつなぐ育成会中国・四国大会と、当事者が企画などを行う「すまいる大会」について、中国・四国大会が鳥取で行われるため、通常の県内大会の場合よりも増額するものです。
 52ページ、特別医療費助成事業費です。特に新規ではありませんが、平成28年度の実績などを踏まえて、3,700万円程度を減額したものです。
 55ページをお願いします。上のほうの自立支援給付費(介護給付費等)です。特にこちらも新規性はありませんが、サービス料の増加が見込まれるということで、4,000万円程度の増額としているものです。
 61ページをお願いします。鳥取県型強度行動障がい者入居等支援事業です。施設やグループホームにおきまして、新たに強度行動障がい者を受け入れた場合に、人員などを手厚く配置した場合に人件費と給付費の差額相当の額を補助をするというものです。助成期間を入所されてから3年間としておりましたが、対象となる入居者の障がい程度が3年後も継続して重いままであるなど、一定の要件がある場合にはさらに3年間を延長して補助を受けることができるように制度変更を加えまして、あわせて増額するものです。
 68ページをお願いします。UDタクシー×地域社会「つながる」事業です。新規事業です。日本財団との共同プロジェクトの中でUDタクシーの普及を進めておりますが、これをさらに生かして利用促進するということで、イベントの主催者などが障がいのある方などのためにUDタクシーを借り上げて参加しやすくするなどをされた場合に、借り上げたUDタクシーの費用などの一部を補助するというもので、新規で要求しているものです。
 78ページをお願いします。とっとりモデルの共同受注体制構築事業です。これまでに実施してきた共同作業場であるワークコーポとっとりの取組をさらに継続的に運営することとあわせて、中西部にも共同作業場の横展開を図っていくことに当たり、振興センターでの各事業所と共同作業場とのマッチングを強化をしていくため、コーディネーターとしてその業務に特化した人員を配置していくものと位置づけているところです。また、今回新規事業として、共同作業場での実習に新たに参加された事業所へ奨励金を支給する制度を設け、共同作業場への各事業所の参加を促進していきたいと考えているところです。
 80ページをお願いします。障がい者の働き・自立のための工賃向上事業です。県内の就労事業所の工賃向上を促していくということで、振興センターの事業を整理するのとあわせて、新規のものとして事業所の経営安定や拡大のために事業所へ中小企業診断士などの専門家を派遣する費用を計上しております。また、工賃向上には仕事の発注などを行っている協力的な企業の取組も大切だと思っておりますので、そのような企業と事業所との共同連携した取組について評価をする表彰制度を、新たに創設をしていきたいということで、新規で要求しております。
 84ページ、あいサポート推進事業です。これまでに行ってきた、あいサポート運動を促進するための事業です。2の主な事業内容の(2)の一番下のほうに、障がい者への理解促進公開講座というのを記載しておりますが、障がいのある当事者の方に出ていただいて、障がいのある方への理解をさらに深めていただく学習会のようなものを想定しておりまして、県身体障害者福祉協会への委託で行うことを予定しているものです。
 87ページをお願いします。手話でコミュニケーション事業です。手話の普及、手話を使いやすい環境整備を促すものですが、新規では、2の主な事業内容の(2)の表の最後のほう、手話通訳者等派遣費の補助を盛り込んでおります。障がい者団体でイベントなどを行う際に、手話通訳者、要約筆記者の方の派遣費用について、手話通訳者お一人の場合には、通常の手話通訳者派遣で無料となるわけですが、2人目以降は団体の負担となるということで、この負担が大きいという御要望もありましたので、2人目以降の分について一部補助をするということで、団体の負担軽減のために設けたものです。
 89ページをお願いします。視覚障がい者情報支援事業です。昨年制定したあいサポート条例と合わせて、6月補正で認めていただいた視覚障がい者センターの運営経費を盛り込んでおりまして、全体として要求額が1,600万円ほど増額となっているものです。
 91ページをお願いします。障がい者コミュニケーションに係るあいサポート推進事業です。こちらもあいサポート条例に基づいて新規で要求をするもので、特に障がい特性に応じたコミュニケーションの充実に関する取組について幾つかの事業をパッケージ化しております。
 主な事業の内容をごらんいただきますと、(1)では6月補正で計上された障がい者の方の居場所づくり、(2)では新たに難聴者向けのコミュニケーション学習会の開催費用の補助、(3)では失語症者の対策で、国でも失語症者の対策支援という流れがありますので、国への研修派遣や、県内での講習会などを想定しているものです。(4)では、重度心身障がい者の方の多様なコミュニケーションのあり方について事例集を作成して、周知を図っていくことも新規で考えております。(5)では盲ろう者の方の支援という形で、今後どういった形で盲ろう者の方を支援していくのかということについて、先進地の視察や意見交換を通じて検討していきたいということで、要求しているものです。
 このほか、92ページにはあいサポート条例関係ということで、6月補正で計上いただいたものを含めて、継続して計上しているものを、一覧表として主なものを載せているところです。
 93ページ、94ページをお願いします。鳥取県障がい者アート推進事業です。基本的には本年度と変わらないところではありますが、来年度は94ページの(6)、障がい者と健常者が共につくる劇団「じゆう劇場」の取組については、本年度はフランスのナントでの公演がありましたけれども、今回はこれがなく、これとは別に、来年度は新たに学校などで公演を行うことを企画しておりまして、新たな取組を進めたいと思っているところです。
 96ページ、97ページのほうには来年度の事業としては終了するもの、廃止、休止をするもの、ほかの事業へ移すことから廃止とする事業について掲載しております。
 98ページ、特別児童扶養手当支給事業です。例年と同様の要求ではありますが、本年度は新システムの構築のための費用を計上しておりましたところ、来年度はその点がなくなるため、860万円の減額になっております。
 108ページ、障がい者を地域で支える仕組みづくり事業です。新規事業ですが、特に精神障がいのある方を地域の中で受け入れることを進めていくということで、モデル圏域を設定して取り組んでいこうというものです。主な事業の内容の中にあるとおり、地域協働で各事業所が協力して行う家庭訪問などを強化することや、支援困難な方を抱える御家族の方のケアカウンセリング、そういった支援困難な方に対するOJTを通じた支援員を養成していく研修なども盛り込んでおります。
 (2)では、精神障がい者の方を特に支えていく仕組みづくりのために、国の事業も活用して、関係者による協議の場の位置づけや体制づくりに向けて議論しようということで、国のアドバイザーの招集や、都道府県のアドバイザーの指定などによって議論を深めていくこともモデル圏域の中で行いたいと考えているところです。
 予算案については以上です。続きまして、債務負担行為です。
 資料の365ページをお願いします。平成29年度農業参入企業による障がい者就労促進事業補助について、平成31年度から平成32年度までの支出予定額ということで記載しております。
 続きまして、条例案です。
 450ページ、鳥取県障害福祉サービス事業に関する条例の一部改正です。平成28年の障害者総合支援法の改正により、来年度から新たに施行されるサービスがあります。国から要件となる基準が示されていますので、必要な部分を条例に位置づけることが主な改正内容です。
 新たなサービスとしては、企業等での就労を行う障がい者の方に生活上の支援などを通じて就労を継続することを促していく就労定着支援があります。それから、地域の中でひとり暮らしを始める方などを対象に、定期的な訪問などをサービスの中で行う自立生活援助という新たなサービスについても基準が示されているところです。
 条例の中では共同生活援助という言葉で位置づけられている、いわゆるグループホームについて、重度の障がい者の方への対応を行うグループホームについても新たに位置づけがなされておりまして、条例上は日中サービス支援型と名づけられておりますが、これも新たな基準が定められており、国の基準の必要な部分を条例のほうに移しているというところです。
 条例案を含めまして、障がい福祉課の関係は以上です。

◎銀杏委員長
 長岡長寿社会課長の説明を求めます。

●長岡長寿社会課長
 109ページをごらんいただきたいと思います。外国人受入事業所に対する学習強化事業です。新規事業です。29年9月1日に外国人在留資格に介護が追加されました。同年11月には、外国人の技能実習制度の対象職種に介護職種が追加されることになりました。今後、外国人の受入が進んでまいりますので、そのための予算を強化するものです。具体的には技能実習生は入国時にはN4レベル、2年目にはN3レベルの日本語が必要になるのですが、既定の時間数ではなかなか足りないというお話もございまして、県のほうで既定の時間数を超える日本語学習や介護講習を行う場合に支援を行うものです。
 その下の段の介護福祉士等修学資金貸付事業です。貸付事業はずっと行っているものですが、来年度、必要な部分についてのみ積み上げたものです。少し減額になっておりますが、これにつきましては、今、十分な財源を積んでおりますので、人数としては十分足りる数です。
 110ページです。「働く介護家族応援!」企業内研修開催支援事業、新規事業です。介護離職が非常に多いということで、職場を通じて介護のサービスや制度に関する情報提供を行うものです。具体的には企業を訪問して、介護サービスの情報提供を行うとともに、希望する企業等での研修を実施するものです。
 111ページをごらんいただきたいと思います。「介護で働きたい!」を増やす参入促進事業です。この事業についても介護人材の確保ということで、引き続き事業を行うものです。中心としては、中高生の夏休み介護体験や、社協のほうに就職支援コーディネーターを配置してマッチングを行っているところですが、今年度新たに行うものに、下から3つ目の欄に介護事業者による参入促進取組支援事業がございます。これは介護事業者が行う介護業界への参入促進であったり、人材確保に寄与する取組に対して、県が支援を行うものです。具体的には、インターンシップや魅力発信の広報活動を行う場合に、県が一部を支援するというものです。
 113ページをごらんいただきたいと思います。介護保険運営負担金事業です。これは介護保険制度の市町村の安定的な運営を支援するために、国と県が定められた割合の負担金を市町村に交付するものです。負担割合は、2の業務内容で書いてあるとおりです。
 114ページ、介護保険円滑推進事業です。400万円余りの減額になっておりますけれども、これは今年度、介護計画の策定委員の経費を積んでおりましたが、それが回数減になることと、鳥取市が中核市に移行になりますので、東部福祉保健事務所に配置していた非常勤職員が廃止になるということで減額になるものです。
 118ページをごらんいただきたいと思います。鳥取県地域医療介護総合確保基金(施設整備)補助金です。来年度計上するものは、認知症の高齢者のグループホーム、鳥取市です。それから、小規模多機能居宅介護事業所、これは米子市です。2つを計上しております。
 あわせて(2)のところで、施設の建設に当たって開設準備の経費等についても支援を行っております。さらに、特別養護老人ホームの多床室のプライバシー保護のための経費についても計上をしております。
 121ページをごらんいただきたいと思います。地域包括ケア推進支援事業ということで、今、市町村が地域包括ケアの推進に当たって、生活支援体制の整備を行っているところですが、県としてそれを全面的にバックアップをしているところです。
 新たなものとしては、2の(1)の上段のところ、新規として、市町村が介護予防の教室などを地域の中で開催する場合に、医師、歯科医師、理学療法士等のリハビリ専門職等の助言をいただきながら事業を行う場合に、県のほうが専門職の派遣調整を行うものです。
 (2)の地域包括支援センターの機能強化についてですが、自立支援型のケアマネジメントについて学ぶ機会が不足していると思われる保健師や社会福祉士等を対象に、介護予防のケアマネジメント研修を実施するものです。
 (4)、みんなでつくる地域の生活支援体制の中で、新たなものとしては、生活支援コーディネーターの資質向上のために、地域づくりの有識者等で構成する検討会を開催して、カリキュラム等の作成を行うものです。
 123ページをごらんいただきたいと思います。新規事業です。元気なシニアパワーで地域を支える仕組みづくり事業です。介護人材の確保ということで、元気なシニアの層がたくさんいらっしゃるということで、そういう方々のお力を拝借して、介護人材の確保を図っていこうというものです。
 1つ目は、介護助手の養成ということで、主に介護施設、介護事業所でシニアの方に周辺業務を担っていただいて、専門職は専門職たる業務についていただくという事業です。
 (2)のほうは、市町村が介護予防・生活支援サポーターの創出事業を行う場合には、県が支援を行いまして、全県に介護サポーターを増やしていくような事業です。
 127ページをごらんいただきたいと思います。鳥取県地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保)補助金です。特に変更はありませんが、基金事業を使って介護従事者を確保する補助金です。主に介護事業所や、介護関係団体が人材確保のための事業を行う場合に、県がバックアップを行うものです。
 130ページをごらんいただきたいと思います。認知症のサポートプロジェクト事業です。認知症の方の数が、どんどんふえておりますので、認知症に対する施策を網羅的に実施しているところです。今回、組み替えとして、131ページの(5)の下の段、認知症地域支え合い運動事業ということで、これは全国的にも珍しい取組なのですが、認知症の介護経験者を対象に、認知症の家族のサポート応援隊というものを結成して、実際に認知症の家族のところに入り込んでいただいて、心のケアや生活面のフォローを行うものです。
 132ページをごらんいただきたいと思います。とっとり方式認知症予防研究開発・普及事業です。これは日本財団の支援を受けました共同プロジェクト事業でありまして、介護予防のための認知症予防のためのプログラムを作成して、伯耆町にいらっしゃる軽度認知症の方々に、実際にそのプログラムを活用していただいて、プログラムの実効性を検証するものです。現在、伯耆町のほうに協力いただき、プログラムの検証実験を行っておりますので、また成果が出たら、そのプログラムを全県に普及していくというものです。
 135ページをごらんいただきたいと思います。人生充実応援事業で、内容は変わりありませんが、一部減額になっておりますのは、ことぶき起業支援といって、高齢者の方が新たに起業をするときの支援があったのですが、それが別の社協のほうの事業に組み込まれていますので、その分が減額になったものです。事業としましては以上です。
 次に、366ページの債務負担行為をごらんいただきたいと思います。過年度議決分に係るものでありまして、長寿社会課分については上段2つの部分です。平成13年度、14年度の介護老人保健施設の借入金の利子補助で、施設建設時に福祉医療機構から借り入れた資金の利息に対して、借入残高の1.5%を助成しているものの債務負担行為です。
 続きまして、条例です。
 417ページ、鳥取県附属機関条例の一部改正です。これは全県的な附属機関の見直しでありまして、そのうちの一つですが、鳥取県老人ホーム入所調整委員会というのがありまして、老人福祉法に基づく福祉措置の調整に関する事項です。
 具体的には、特養、養護老人施設の入所において、問題が起こって調整が必要な場合に開催をするものですが、通常は余り開催実績がないということと、社会福祉審議会の中にも高齢者福祉や地域福祉の専門家の方がいらっしゃいますので、以後は鳥取県社会福祉審議会の老人福祉専門分科会のほうで、この調整を行うということにするものです。
 次に、424ページで、鳥取県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部改正です。介護保険法の一部が改正され、同法に基づく県の権限に属する事務が市町村に移管されるということです。
 具体的には、居宅介護支援事業者の指定に関する事務が市町村に移管されますので、今現在、南部箕蚊屋広域連合に移譲している事務について、その項目を削除するというものです。
 428ページです。鳥取県介護保険施設に関する条例等の一部改正です。
 まず、条例改正の前に、午前中の常任委員会で市谷委員から介護医療院についての御質問がありましたので、簡単に介護医療院の説明を行ってから条例改正の説明に入りたいと思います。
 介護医療院なのですが、今年度、新たに設置されます。基本的には介護療養病床から、従来だと老健施設に移って、それから居宅のほうにという流れだったのですが、介護療養病床と老健との中間的な施設として、介護医療院が創設されたものです。介護医療院には類型がありまして、1つは療養機能強化型で、従来の介護療養病床と同じような機能を持ったものと、もう一つは転換老健相当というもので、どちらかというと老健寄りの機能を持った施設があります。 市谷委員のほうから、介護療養病床から介護医療院に移っても、きちんと適切な医療ケアが行われるのかというような御質問がございました。基本的には、療養機能強化型では、医師や介護職員の配置基準は療養病床と全く同じです。また、診察のための電気や放射線等の設備基準も同じですので、十分な医療的ケアが行われるということです。
 もう一つの老健相当に関しましては、医師、看護師については老健相当の配置、プラスアルファでレクリエーションルームなどの、機能改善や介護予防の取組が行われるような施設になっております。
 それでは、今回の鳥取県の介護保険施設の条例の一部改正の中身です。介護保険法の一部が改正され、新たな施設として介護医療院が創設されることに伴い、所定の改正を行うものです。
 まず、(1)ですが、鳥取県の介護保険施設に関する条例の一部改正ということで、介護医療院の診療室の定員や、入所者1人当たりの床面積などの個別の審査基準、いわゆる設置基準を定めたものです。基本的には、省令で定められたものを条例で改正するものです。
 (2)は、鳥取県居宅サービス事業及び介護予防サービス事業に関する条例の一部改正です。これは、例えば訪問リハビリテーション等を行うことができる施設に、今までは老健等がみなし規定で入っていたのですが、それに介護医療院を加えるというものです。
 (3)の鳥取県指定介護療養型医療施設に関する条例の一部改正ですが、これは介護療養病床は30年3月31日で廃止となっていたのですが、6年間の経過措置が設けられることになりましたので、6年間延長したものです。

◎銀杏委員長
 それでは、今までの説明につきまして、質疑等ございませんか。

○市谷委員
 428ページ、先ほど紹介があった介護医療院の関係なのですけれども、療養病床には以前、医療型と介護型があって、先ほどの説明だと、それに対応するような形で、医療型の分についてはドクターの体制などは以前の医療型の療養病床と大体同じような体制だと。介護型のほうは、老健相当という話で、介護予防もついてくるという話ですが、以前の介護型の療養病床との関係では、医療関係の体制はどういうことなのかを、もう一回確認したいです。それから、あとは報酬ですね、報酬が下がったりすると、なかなか経営的に苦しいかなと思いますが、その報酬がどうなっているのかを確認したいと思います。

●長岡長寿社会課長
 2類型ありまして、その1類型のほうは介護療養病床と一緒で、2類型のほうが介護老健施設と同じなのですが、医師、薬剤師等の配置が基本的には老健と同じ配置基準になっております。それから、医師が診療を行うのに適切な診療室や、床面積についても、逆に介護療養病床より充実した施設になっております。また、実際にそういう介護が必要になったときに、ケアマネジャーが割り振りを行いますので、長期療養で医療的ケアが必要だという方については、恐らく1類型のほうに実際に措置がされまして、どちらかというと元気でリハビリが中心という方には、2類型のほうにケアプランが立てられることになると思います。
 報酬については先日示されたところですが、基本的に介護療養型の医療施設よりも介護医療院が基本的に高い報酬となっております。恐らく転換を促進するために報酬面でメリットをつけたということです。2類型については、要介護1、2の低い方のほうについては、老健のほうが若干高いのですが、要介護3から5のほうについては介護医療院が高い報酬ということになっております。ただ、全体的に見ると、メリットのほうが大きいようですので、転換が進むような報酬体系にしているということです。

○市谷委員
 またちょっとよくわからなかったので、また後で聞こうと思いますけれども、介護型の療養病床の医療のほうの体制が前と変わらないということで、何かドクター、薬剤師と言われたのですけれども、老健と同じようにという意味が、従来のものがそのまま行くのかどうか、よくわからなかったのですけれども。

●長岡長寿社会課長
 2類型あって、1類型のほうの医師や看護師の配置基準は介護療養病床と同じです。今までの医療と同じケアが受けられる。
 2類型のほうは、介護老人保健施設と同じ医師や看護師の配置基準になっておりますので、若干、リハビリを中心とした介護のほうに重きを置いた類型になっております。

○市谷委員
 そうすると、医療機関のほうなのか、どちらを選ぶかと選択していくことになるということですね。だから、どちらかというと医療型のほう、1類型のほうをとりたいなと思えばそちらをとると。そちらのほうは転換を促進するために、以前よりも報酬も高くなっているということで、ただ、介護のほうは少し下がるのかなと。今、介護予防的な人たちは余り高くないということなので、下がるということですかね。はい、わかりました。
 続けて、長寿社会課ですが、417ページの老人ホーム入所調整委員会を、県の社会福祉審議会の専門部会のほうに委ねるということですが、今までの入所調整委員会と大体同じようなメンバーが専門部会におられて、専門的に判断できるということでよいのかを確認したいです。
 次に、121ページの地域包括ケアの推進で、(2)の地域包括支援センターの機能強化で、自立支援型のケアマネジメントについて学ぶ機会が不足しているので研修をしますと。この自立支援型のケアマネジメントというのがどういうものなのか、前から言っているのですけれども、懸念しているのが、自立ということが先行して、必要な支援が剥がされていくような学びをしてしまってはいけないと思うのですが、この自立支援型ケアマネジメントというのがどういうものなのか、確認したいと思います。
 111ページの「介護で働きたい!」ということで、介護職の人たちの育成などだと思います。この一番下のところ、ほかのところにも書いてあるのですが、今、県内の介護福祉士の専門学校が定員が140人あるのだけれども、41人しか来ていないということです。介護職の養成がすごく困難になっていて、養成されないので現場も困るということなのですが、実際に県内でどんな働き方になっているかなど、もう少し調査をされたほうがいいのではないかと思うのです。
 というのが、せっかく資格を取って出たのに、働いた県内の介護の職場が、正規採用と言いながら、研修期間みたいな感じで手当が出ないというので、非常に年間通じての給料が安く、これでは生活していけないということで、商工労働部が誘致した自動車のほうの会社に行ってしまって、そっちのほうが給料もいいし手当も出るしみたいなことで。せっかく資格を取ったのに、正規雇用と言いながら、給料も安いし手当も出ないと。だから、どんな給料になっているかとか、どんな採用になっているかとかをよく調査しないと、現場に出てこういうことになると、介護では食べていけないよねという話になって、学校に行かないということになってしまいます。そういうことをもっとよく調べて施策を組むということが必要だと思うのですが、実情をどのように把握しておられるかを聞かせてください。

●長岡長寿社会課長
 まず、調整委員会のメンバーが社会福祉審議会で、十分なメンバーがそろっているのかということです。社会福祉審議会の中にも、地域福祉、高齢者福祉、保健医療の専門家が入っておりまして、私どもが選ぼうとしている方々がおられますので、そこは問題ございません。
 121ページの自立支援型のケアマネジメントです。自立支援型とはどういうことかということですが、ケアマネジャーが要介護者の方のケアプランをつくる際に、より自立に向けた機能改善に向けた取組を行う、そこに留意しながらケアプランをつくるということが自立支援です。そのためには、ケアマネジャーの知識だけではなかなか適度なケアプランがつくれませんので、そこに医師、歯科衛生士、理学療法士や作業療法士に入ってもらい、それぞれ専門的な立場で意見を述べていただいて、一番適切なケアプランをつくっていく、それが自立支援型です。
 111ページですね、介護福祉士の資格を取っても、その後、やめていかれる方が多いということで、入ったばかりの方の給与までは確認はしていないのですが、介護事業所に入られて、離職される方は、大体3年から5年以内にやめられる方が非常に多いという実態を把握しております。そのために、若くして入られて、そのまま継続して努めていただくためには、いかに、介護事業所の管理者やマネジメントを行う方々が、その方々をうまく育てていただくかというのがすごく重要な視点になってくると思います。県のほうでは、そういう新人職員の研修に関するものについても専門家をお呼びして、介護事業者の管理者やマネジメントを行う方々に、そういう資質の向上を図っていただくという予算をつけているところです。
 引き続き、そういう介護離職がなくなるように、例えば若い人たちは、小さな介護事業所で働いているとなかなか逃げ場がなくて、相談する相手もいないという声も聞いています。そのため、例えば介護事業所同士の若手の集まりのネットワークをつくるなど、介護団体等と調整しながら進めようとしているところです。

○市谷委員
 今の介護職の働き方のことについて、3年から5年でやめられるし、1年目ということではないようなことで、やりがいや仕事のノウハウみたいな話だったかなと思います。それはそれでモチベーションを持ってやっていけるようにというのはあるのですけれども、処遇や給与面でやっていけない、生活できないということでやめるという人もあるので、そういう処遇面での実態がどうなっているのかというのをきちんと調べたほうがいいと。今言われたようなことも、当然していただくのは必要だと思いますけれども、どうでしょうか。

●長岡長寿社会課長
 介護職員の処遇面については、御承知のように国のほうで、加算措置、処遇改善の措置があるために、介護事業所に照会して、実際にその給与が上がっているかどうかの確認もとらせていただいております。ただ、実際に入られて1年目の方の給与が幾らというところまでは承知しておりませんけれども、そういう実態を介護事業所が集まる場等でも確認しながら、適切な加算が行えるように、国のほうにも働きかけていきたいと思っております。

○市谷委員
 その加算の分も、どれだけの事業所が使っているかということで、労働者にどれだけ行き渡っているのかとか、そういうことは調査しておられなくて。だから、ちゃんと労働者のほうの声を。事業所を通じて統計的に知るのは、まあ、それはそれですけれども、あくまでそれは国がどれだけの事業所で、処遇改善が使われたかということにとどまっていると思うのですよ。どんな働き方になって、どんな給料になっているかという中身をつかんで、行き渡っているかどうかもつかまないと、なかなか実態に合ったような改善策にならないと思います。そこら辺りをやるとはいつも言われないので、もっと踏み込んで調査して、実態に見合った施策を組むべきだと私は思います。要望ですけれども。
 121ページの自立型のケアマネジメントの話ですけれども、いろんな職種の方に加わっていただいて、その人に合ったものをと。必要以上にケアをする必要はないのかもしれませんけれども、ただ、支援があることによって何かができているということもあるので、支援を取ったら自分でできるのではないかというような単純な発想にならないよう、そこは留意していただきたいと思いますけれども、どうですか。

●長岡長寿社会課長
 言われることはもっともなことでありまして、切り捨てになってはいけませんので、あくまでその方の様態に応じて、その方が一番最適な形で居宅でも生活できるような支援に結びつけていきたいと思っております。

◎銀杏委員長
 ほかに質疑ありませんか。

○市谷委員
 そうしたら、障がい福祉課です。
 61ページですけれども、強度行動障がい者の入居支援で、今まで新規に入られた方への支援が3年間だったものが、6年に、3年さらに延長ということで、これは本当によかったなと思っています。この障がいの状態がよくなりにくいので、継続的に支援することで、強度行動障がい者の方が施設なりにおられて、適切な体制の中で支援が受けられるということでよかったと思いますし、本来であれば、以前、国であったような重度加算として、私はもっと発展させるべきだと思っていますけれども、ひとまずこれは延長されてよかったなと思います。
 68ページのUDタクシーですけれども、せっかくUDタクシーなのに、障がい者の方が使っていないということにならないように、料金の支援などもということで以前も申し上げたことがあるのですが、これはモデル事業的ですけれども、イベントの際にということで、こういう車があって、このような感じだよというので、これも一歩前進だなと思いました。
 ただ、車椅子の方にお話を聞くと、このUDタクシーで車椅子が乗るところのスロープというのですか、何かとても弱々しくて、壊れそうで怖いという話とか、あと電動車椅子が乗れないと。確かにあの大きさですからそうかもしれないのですが、実際には障がい者の方というか、車椅子の方などが、必ずしも使いやすいとは言いがたい構造になっているかなと思いました。これは日本財団のほうからの寄附で車をいただいているということがあるのですが、車を変えるのはできないのかもしれないのですけれども、そういう意見がありましたので、お伝えを願えたらと。いただいているものなので何なのですけれども、そういう意見もね。主人公は障がいのある方だと思いますので、言っていただいたり、もし改善できるものがあればしていただいたらと思いますが、御意見いただけたらと思います。
 84ページのあいサポートの推進事業ですが、これは身体障害者協会の方からも、条例をつくるだけではなくて、いろんな理解促進の手だてをとっていただきたいということでしたし、委託もしていろいろ事業もされるということで、これもよかったかなと思います。
 87ページの手話の分で、一番下の手話通訳者の派遣ですけれども、1名分の派遣助成はあったのですが、手話は交代してやるので、どんなに時間が短かったとしても複数必ずいるのですね。せめて福祉団体がイベントする際には、手話通訳について複数名の配置の支援をということで、全く複数名にはなっていないと聞いたのですけれども、1名分以上に出していただくことになって、これも前進だなと思いました。もっと広げていただけたらいいなと思います。
 108ページ、障がい者を地域で支える仕組みづくりというので、これも本当に切実なことで、どうやって地域で暮らしていくか、どうやって支えていくかというので、これも一歩前進だなと思いました。モデル的な地域を設定してやってみるということなのですが、どんなイメージなのかなと、どこでやるのかなということを、教えていただければありがたいと思います。
 450ページの条例改正の関係ですけれども、説明がありましたように、グループホームから自立生活をされる、地域に出ていかれる方に対して、自立生活援助ということで新しい支援がこれから始まるということや、グループホームで重度の方が過ごされるときの日中サービスの支援が強化されるということなのですけれども、なぜこういうことが法律の改正や条例改正になったのかというところを説明していただけないでしょうか。

●小澤障がい福祉課長
 幾つか市谷委員のほうからコメントをいただいております。いろんな事業の御意見をいただきまして、1つコメントを求められましたのが、68ページのUDタクシーの関係だと思います。日本財団さんの購入の部分ということもありますので、なかなか、まあ、お伝えはするというのはあろうかと思いますけれども、例えば運転手さんが気遣いなどで少し使い勝手がよくなるとか、そういうこともあるかもしれませんので、そういうことも含めて少しお話をしていけたらと思うところです。
 コメントをということで求められた、108ページの地域で支える仕組みづくりですが、これは今想定をしているのは、モデルケースとしては、現状では西部のほうを想定しておりまして、幾つかの基本的なところは事業所に統括する事業所として委託して、そこが中心になって家庭訪問をしていくという中で、支援が困難な方に対しては、いろんな関係機関に携わっていただくということが必要かと思います。各事業所や関係機関のほうでノウハウをお持ちの方に県のほうに登録をしていただいて、そういう方に一緒に入っていただくと。統括する事業所のほうから、こういう支援困難なケースがあるのだけれども、一緒に行ってくれないかという声に基づいて一緒に入っていただく。それを少し頻繁に繰り返していくことによって、支援困難な方の御家庭自体が安定していくような形に持っていけないかと、考えているということです。
 450ページの条例改正の背景ですが、国のほうの制度改正の中でお話が出ている部分では、特に障がい者の方でも、施設などで暮らしている方もいらっしゃいますが、国のほうのアンケートなどだと、ひとり暮らしをしたいといった御要望が多いということが統計として上がっていると聞いております。そういった声を受けて、ひとり暮らしで地域の中で障がい者の方、特に精神の方などが暮らしていくに当たって、どういうことが必要なのかというと、やはりそこを定期に訪問して、日常生活の気遣いみたいなところを少し頻繁に見る、そういったことで地域内の生活を支える、そういったことが必要なのではないかということです。そういった国のモデル事業を、横浜市かどこかでされて、それを今回の報酬改定で制度化したという位置づけにあると聞いております。重度のグループホームについても、地域の中でそういった方も受け入れていくという流れがあって、そういうお声をいただきながら、新しい制度として設けられていると承知しているところです。

○市谷委員
 今の自立生活援助とか日中サービスの支援なのですけれども、ただこういう意見もありまして、グループホームにいて地域に出ていく人については、さっき言ったような自立生活援助ということで少し訪問して見ていくというのはあるけれども、現在ひとり暮らしをしている人に対しては同じような訪問がないということがあって、地域移行というか、出していくためのものになっていないかと。あと、こういう出られる人がグループホームから出ていき、今度は重度の人が施設から多分グループホームっていうことで、今、国が施設や病院から地域へということで、地域に行くことが絶対悪いというわけではないのですけれども、そういうふうにだんだん、何か押し出していく作用をもたらしているのではないかと。なぜそう言えるかというと、ひとり暮らしをしている人に対しての訪問などがないのに、なぜ出ていくときにだけ支援するのかと。みんなに対して訪問するのならいいのだけれども、そうではないというところで、まあ、どうしても施設にいればお金がかかると、だから地域に移行すると。地域に移行したときにきちんと見るのならいいのですけれども、その辺りが非常に手薄なので、そういう声があるということは紹介をしておきたいと思います。

◎銀杏委員長
 今の障がい福祉課ですけれども、UDタクシーの件で、実態はつかまれていますか。一度、実際に使われている障がい者の皆さんに、ここが不便だというのをしっかり押さえた上で、日本財団のほうには申し上げていただきたいですね。

●小澤障がい福祉課長
 実際にお会いしている障がい者の方からも、ちょっと使い勝手がというお話を聞いたことはあります。特に市谷委員のほうからお話があったような、重度の方の重いバギーとかだと、やはり車の仕組み自体で乗れないというのは聞いております。
 ただ、そこは福祉車両みたいなものもございますので、そこを活用していただくということだと思っているところですし、今回せっかく日本財団さんがUDタクシーを入れていただいたので、できるだけ活用をする方向で、少し我々としても知恵を出していきたいと考えおります。 また、実態のほうも、団体の皆さんの御意見をいただきながら、日本財団さんのほうに伝えていきたいと考えております。

◎銀杏委員長
 ほかに質疑ございますか。

○浜田(一)委員
 1つだけ聞きたいのですが、46ページの境港通勤寮の話なのですけれども、我がまちにあるものですから、長年、大変重要な役割を担ってもらったと認識しています。この改築はされるのか、ここに入居されていた人はどういうふうになっているのか、この事業を引き続いてされるのか、その辺りを教えてください。

●廣岡福祉監査指導課長
 元の境港通勤寮ですけれども、平成23年度で通勤寮制度がそもそも廃止されておりまして、その時点でここを利用しておられた方々は、それぞれ地域のグループホームのほうに皆さんが移行されているというのが実情です。

○浜田(一)委員
 大変惜しいなと思って。ここは割と多くの方が入居されていて、もちろん給食というのか食事もあって、地域にとっては非常にありがたい施設だったのだろうと思うのです。でも、要はそういう種類のところは全国的に廃止になったということで理解すればいいのですか。

●廣岡福祉監査指導課長
 はい、そうです。

○浜田(一)委員
 跡地について、何かお考えというのはあるのでしょうか。

●宮本ささえあい福祉局長
 先ほど課長から申し上げたとおりでありまして、既に制度的なものというスキームがなくなっているということと、実際、平成27年11月1日で用途廃止になっているものを今壊すというものですので、ついこの間、廃止になったというようなものではありません。
 当時、定員15名がおられて、もともと通勤寮ですので、自立生活をできる方が多かったと、いわゆる軽い方が多かったということはあります。ですので、在宅へという流れの中で、一般のアパートやグループホームなどに、当時、境港市と厚生事業団とで話をして、それぞれのところに割り振っていったと。好きなところに住んでいただくということにして、あとは境港市の自立支援センターのほうで適宜訪問していて、面倒を見るということにしております。

◎銀杏委員長
 よろしいですか。
 ほかに質疑。

○川部委員
 さっきのUDタクシーですけれども、これは運転手さんから聞いたのですけれども、雪に弱いという話で、あれは困るなどという話を聞いたことがあるのですけれども、そのようなことも含めてちょっと調べてやってください。
 お聞きしたいのは、16ページ、生活福祉資金貸付事業、これは県社協が行っている事業に対する補助なので、細かいところまでは県はタッチしないのかもしれないですけれども、窓口がそれぞれの市社協だとかになっていると思うのですが、申し込んでから貸付が決まるまでが長いと。審査が何か月に1回とか、そんなレベルだという話を聞いたのですけれども、その辺りの手続と期間について把握されていますか。

●小林福祉保健課長
 済みません、具体的にどのようかというのは、今は承知していません。

○川部委員
 ああ、本当ですか。
 震災の関係でお金がいろいろ要るということで相談したのですが、市社協は窓口で、結局、県社協の事業だからということで、自分たちにはどうにもならないということだったのです。審査会がちょっと先になって、実際の貸付が2~3週間、決まったとしてその程度、決まらないかしれない、というような応え方でした。本当に困っている人のためには少しやりにくい仕組みになっているのではないかと思うので、少し調べていただきたい。貸付なので、きちんと返す意思もあり、やれる方だと思うので、うまく使えるような制度にしていただくように、指導なり助言をお願いしたいと思います。

●小林福祉保健課長
 実態を調べまして、必要な助言や注意等を行っていきたいと思います。
 本当に借りる人については、せっぱ詰まった話ですので、一刻も早く借りれるような制度にしたいと思います。

◎銀杏委員長
 ほかに質疑ございませんか。

○浜田(妙)委員
 87ページの聴覚障がい者相談員の設置事業なのですが、これはずっと継続されている事業なのでしょうか。3圏域それぞれ受けておられるところの事業所と、それから、そこでいつから始まっていてということ。そしてこの2,225万1,000円で、1圏域はこれを3分で割ったらいいのですよね、そうすると七百何十万ですよね。それが委託費になっているのでしょうか。その辺りもわからないのですけれども、相談員が専門家なのかどうなのか、どういう資格を持った方がどういう内容の相談を受けて、相談された内容のものが解決したのかどうなのか、そういうデータは出ているのでしょうか。こういうことを知りたいので、後からで結構ですので、まとめてください。

●小澤障がい福祉課長
 詳細はまたお知らせをいたしたいと思いますけれども、相談員の設置事業に関しては、それぞれ東・中・西の聴覚障がい者センターがありますので、そこに1人ずつ配置をしている形です。それぞれ相談のスキルと、手話ができる方ですので、人件費もそれなりです。それから、活動費は、旅費、役務費やいろんな研修費用なども含め、全体で今の費用ですので、必ずしも人件費だけではなく、もろもろ込みでの相談関係の経費とお考えいただければと思います。

○浜田(妙)委員
 1人ずつの生活の質を上げていくために、この相談事業はすごく大事なので、かなり高いスキルを持った人が、どのレベルの内容までに踏み込んで、きちっと解決するまで寄り添っているのかどうかも知りたいので、また教えてください。勉強したいと思います。よろしくどうぞ。

◎銀杏委員長
 そのほか質疑はいいですか。

○福浜委員
 いや、直接予算案に関係しないかもしれないのですけれども、それで申しわけないのですが、障がい福祉課の93ページのアート推進事業に絡むといえば絡むのかなと。
 この前、ある人からこんな話を聞きました。小・中学生対象のアートの絵画コンクールがありましたと。普通の1年生から6年生までは学年ごとに展示されています。あるお母さんが、お子さんが入選されたといって見に行ったら、2年生なのですけれども、2年生の下に特別支援学級という紙が張ってあって、それを見た一般の女性、3、4人の方々が、ああ、障がいがあるからこれぐらいのレベルでも賞がもらえるのね、みたいなことをぽろっと言われたわけですよ。それを聞いたお母さんは、もうとにかくそこの場にいられなくなって、喜んで行ったのに、そういう声と、そういう展示の仕方があったという話で。
 では、どうすればよかったのかとか、いろいろ問題をはらんでいると思うのですけれども、このアート推進事業自体は本当に必要だろうし、これを楽しみにして頑張っていらっしゃる方も当然いるというのはわかった上でなのですけれども、障がいあるなしにかかわらず、本当にその方がつくられた作品に対して、真っ当な評価というのですかね、レッテルを張らないというものもあっていいのではないかという気がしていて。例えばパブロ・ピカソの抽象画など、僕には全然理解がいまだにできないのです。デザイン的には物すごくすばらしいと言われながらも。そういう目というのか、正当に評価してくださる方々が県内にいるのかいないのかも含めて、障がいのある方がされるアートだから余計に、何かちょっと上から目線で、障がいがあってもこれだけできるのだよ、すごいね、みたいなのも大事かもしれませんが、そうではなく、平たく考えるようなものもあっていいのではないかと、その話を聞いたときに僕自身は思ったのです。どのようにお考えになるのか。いや、これは何がいいのか悪いのか、僕が言っていることが間違っているのかもしれないですけれども、年度当初なのでお話を聞いてみたいなと。

●小澤障がい福祉課長
 福浜委員からのコメントをアートの関係でいただきましたが、すごく根本的な話だと思っています。まず、こういう話になると、アートとは何かという話になるのだと思います。果たしてアートというものが社会的評価をするべきものなのか、それとも個人として、例えば、この作品自体はほかの人はよくないと思っても、誰かの心には響くということがあると思います。その響き方が深かったり、そういうこともあろうかと思いますし、そこを何の尺度で図るのかというのは、何とも言えない部分があるかと思います。それは、実際には本当に個々の方の感じ方でアートというのは決めていくものだという考え方もありますし、あるいは、社会的に多くの方の感動を誘うというものがアートとして評価が高いとされる場合もあると思っています。
 そういう中で、県内でもアートとっとり展という中で、これは障がいのある方も健常者の方も幾つか展示をされて、一緒にある中で評価していますけれども、一定の知見のある方が評価をして、それぞれ賞をつけている。ただ、アートとっとり展自体をやっていることは、個人個人の作品を見ていただいて、その方々の個性を味わっていただくということが根本にあるのだと思います。たとえ賞をとっていない作品であっても、心を打つものは幾らでもあると思いますし、個人個人でしか感じられない部分はあるかと。ただ、そういう展示会とか、そういう社会的なものにするに当たっては、やはりそれなりの、何らかのあり方みたいなものを考えていかなければいけない部分もあって、賞をつけたりとかもあります。ただ、根底にあるのは、福浜委員がおっしゃられたとおり、それぞれアートというものは自由で、そしてその方々の個性を生かして取り組むものだと思っています。
 そういった観点で、障がいのある方のアートも、障がいをお持ちの方の個性というのを生かしていただく中で生まれてくる作品を味わっていただくということもあると思います。展示のあり方とかそういう部分は、権利の関係とかそういう観点でも難しい部分はありますが、そういう点も我々としては気遣いながら、こういった取組をしていきたいと考えているところです。

◎銀杏委員長
 済みません、事例が学校でのお話だったもので、教育的な観点はこの場ではわからない部分ですから、もし機会がありましたら教育委員会等と話し合っていただけたらと思います。

○福浜委員
 いいです。いや、ちょっとほかの方の意見が聞きたかったので。

◎銀杏委員長
 はい、わかりました。
 ほかに質疑。

○市谷委員
 26ページの指定管理の関係ですけれども、(2)で民間譲渡を検討している施設ということで、3つ、かちみ園、第二かちみ園、尚寿苑と、第三者委員会を開催することになっています。民間譲渡をする前提ではないと前にお話を聞いたのですが、確認したいのは、関係者の意見を聞いたと、いろいろ出ていたというお話がありまして、その前に保護者の方に意見を聞いていただいた際、どんな声が出ていたのかということを確認したいです。それから今回、第三者委員会を設置するということですが、ここではどういうことを話をするのか、委員構成がそこに書いてあり、業界関係者や施設利用関係者と書いてありますが、具体的にどういうことなのか教えていただけないでしょうか。

●小林福祉保健課長
 まず最初に、何を審査するかということですが、譲渡に当たっては公募をしますので、そのときに、例えば複数利用者が出てきた場合に、どの事業者に譲渡すべきかというのを、この第三者機関で審査するといったところです。
 誰にするかという具体的なものですが、今現在想定はありませんで、予算が通った後に具体的に選定したいと考えているところです。
 保護者会等の意見ですが、私も聞いたところによりますと、保護者の方の中には、そもそも指定管理という制度自体をわかっておられない方がおられます。県立の施設ですが、実際の運営は、例えばかちみ園だと厚生事業団が運営されているということですけれども、厚生事業団の職員を、県職員みたいに勘違いされていることがあります。仮に、例えば厚生事業団が譲渡を受けた場合であっても、今と何ら変わりありませんよといったことについて、ちょっとわかっておられない方もおられたといったことは聞いております。

○市谷委員
 保護者の方から出たのは、制度がよくわからないという話があったということですが、自分の家族や子どもたちの処遇について何か要望などはなかったのでしょうか。

●小澤障がい福祉課長
 保護者さんとは、制度自体の話なども何回かお話しております。入所されている方の状況が変わったりするのかどうかということは、保護者の皆さん、気にされている部分もありまして、どこが変わるのかというお話等もございました。先ほど小林課長のほうからもありましたが、基本的に指定管理制度の中で県がやっているわけで、どこに譲渡されるかによって変わってくる部分はありますけれども、もし仮に厚生事業団さんが手を挙げられれば、そこは変わらないということです。また、今、指定管理が5年ごとの更新という形になっておりますので、もしかしたら指定管理者がかわるかもしれないという可能性があるわけです。ただ、譲渡を受けて民間のほうに変わることによって、その点は長期的な視点で経営等を考えることができるというメリットや柔軟性はあるということは申し上げています。
 ただ、一方で、柔軟性というのが、主体がどこかによって、いいほうに変わるか、悪いほうに変わるかというのはあろうか、ということも説明しているところです。

○市谷委員
 こちらの説明の話であって、どういう声がというのもよくわからなかったのですけれども、なるべく、恐らく今の状態が変わらないで、従来どおりと。普通考えると、職員さんがかわったりすると、施設にいる人も周りの環境が変化したり耐えられなくなったりみたいなことが起きがちなので、気が合わない人がいたらどうかわかりませんけれども、なるべく今までかかわってくださっていた職員さんに、という思いが多分あるのではないかと思います。ちょっと今の話ではわかりませんでしたけれども、そのことが聞きたいのと。あと、この第三者委員会というのは、民間譲渡をどこにするかというのを決めるための委員会ということですかね。どういう条件ならとかということを、ここが話をするというわけでもないのですね、判断する第三者委員会ということでしょうか。

●宮本ささえあい福祉局長
 2人の課長からお話しましたが、家族会の方々にお話をしたというのは、そもそも制度的な御理解をいただかないと、入り口がそこですので、それを御理解いただいたところからスタートしているところがあります。正直なところ、何がどう変わるのかというところを御理解をいただくために、別途書面などもこしらえて、わかりやすい形で御説明をしたというものです。
 中身は課長のほうから申し上げたとおりなのですが、今、指定管理は5年で更新時期を迎えますので、形式的には5年たてば、ほかの法人がとっていく可能性もあるけれども、譲渡ということになれば、仮に厚生事業団が買うことになれば、これからずっと、もっと長期的な視野に立って経営していただけるといったことも御説明しました。
 経費的な話ですけれども、これは本会議でも少しだけ申し上げましたが、民間施設であれば、当然に受けられるような加算措置が、公立であるがゆえに受けられないこともあって、その分、実質的なお金が入ってくるというメリットもお話しました。それから今は、県立ですので、大きな修繕は、県のほうの優先順位と予算によって決まっていくのですが、法人譲渡ということで、法人の所有になれば、法人の論理での優先順位でやっていただけるといったメリットがあることもお話しました。
 前にこの常任委員会でもお話をしたことがありますが、今の法人の職員と利用者さんとの間で、人間関係のようなものができています、信頼関係ができているのです。ですので、今度、譲渡するという方向になり、何か条件をつけるということになれば、幾つか条件は考えられると思いますが、その中の一つとして、現在の直接処遇に当たっている職員をそのまま雇ってくださいといった条件はつけるのかな、と今考えているところです。

○市谷委員
 入所している方の御家族などは、やはり職員との関係というのが一番気になるところだなと今のお話で思いました。
 ただ、譲渡というか、民営化したら、いろいろ財政面とか、ずっと同じところがやるからというのも確かにそうなのでしょうけれども、ただ、大きな修繕の話もありましたが、今、指定管理者制度だと、県のほうで大きな修繕にはなりませんけれども、何か500万円以上などは県のほうで支援するとか、当然県立ですから、そういうのもあったりすると思います。
 今、継続雇用などを条件でつけるのかなとおっしゃいましたのですが、先ほど、厚生事業団の境港の通勤寮のことが出ていましたけれども、制度が廃止されたということがあっての廃止だと思いますが、どこが受けるにしても、法人の経営状況とかいろんなことがないと7億いくらで買い取るということですから、それも単純なことではないと思うのです。事業団などでも、今持っている県立の施設などを、解体工事などいろいろ工事をやられているようですが、それは無償譲渡でもらったけれども、県立だったからということで、県のほうから解体費については何年間か補助が出ているのですよね。尚寿苑などはすごい古いですから、施設はなるべくなくさないように、維持するように、とおっしゃるのだけれども、受けたところがこれを維持していったり、古い施設を改修したり、以前の県立施設としての役割を本当に保ってもらおうと思ったら、それなりの支援がないと。以前は無償譲渡したものであっても、解体費などいろんなものを支援してきているわけですから、そういうものもつけていかないと維持できないと思うのです。雇用の継続だけではなく、財政的な維持のための支援。
 さっき強度行動障がいの話をしましたけれども、結局、強度行動障がいの方で皆成学園から出た後、どこに行くのだと。かちみ園で受けたりされていると思うのですが、あそこがあって、何とか加算があってやっていると。それでも今、さっき介護人材の話がありましたけれども、本当に人手不足で、もう県外に送らないといけなくなっていて、障がい者の権利や障がい者の差別解消とか言いながら、なかなか地元で体制がないから、今でも役割は果たしたいけれども、体制がないゆえに県外に行っていただく、自分の地元で障がい者の方が居続けることができないというね。だから、建物の維持や管理、それから体制面ですね。職員の継続だけではなく、体制を補強するぐらいをやってこそ、本当に今までどおりやってくださいという話になるのですけれども、そういう条件についてはどこでどういうふうに話し合われるのかなと。
 この第三者委員会の中でそういうことをお話しされるのかなと思ったのですが、ここは判定する委員会らしいですから、ちょっとその辺りが。私はやはり県立で維持して、きちんと役割を保持していくということが大事だとは思いますが、今みたいに何だかよくわからない状況で、本当に維持できるのかなと。条件をどこで話し合うのかなとか非常に心配しているのですけれども、どうなのでしょうか。

●宮本ささえあい福祉局長
 譲渡条件につきましては、こちらのほうで幾つか条件を上げられると思います。まず、市谷委員が先ほどおっしゃられたような御家族のお考えはどうだったかというところからスタートしたものですから、一番御心配なのは処遇面であろうという観点で、幾つか考えられる条件の中の一つとして、直接処遇職員の継続雇用がまず考えられるのではないかとお答えしたものであります。別途、予算措置ですとか、そういったものも含めて、どんな譲渡条件をつければ今の雇用が維持されて、今の経営状態を維持されるのかというところは、近々そうなると思いますけれども、この委員会で相談することになると思います。
 この第三者委員会の使い方なのですけれども、(1)のほうで、普通の指定管理においても、この業者、この法人ということでいいのか、県のほうで決めてもいいのですけれども、第三者的な目からも見ていただくという観点で審議していただきます。同じように、仮に民間譲渡をすることが決定された後でも、ここの法人で大丈夫だろうかということなどを、県が一方的に決めるだけではなく、第三者の目でも見ていただこうという観点で今は考えております。
 ただ、来年度以降、予算措置のことも譲渡条件の中にきっとあると思いますので、まずは常任委員会に相談した上で、この第三者委員会でも見ていただくというのはあるかもしれません。

○市谷委員
 繰り返しになりますが、民間譲渡がいいとは思っていないのですけれども、ベストとは思っていないのですけれども、ここに第三者委員会で判定するものが予算で出てきて、夏までに決めるということだったから、今こういう委員会も設置しなければいけないということなのかもしれませんが、民間譲渡が前提ではないと言いながら、なぜそれを判定する委員会を今のこの予算段階で出すのかと。条件などを話し合うところかなと最初思っていたのですが、判定するための委員会であるならば、民間譲渡が前提ではないのに、なぜ判定委員会みたいなものをこの段階で出すのだろうかな、というのが疑問なのですけれども。

●宮本ささえあい福祉局長
 民間譲渡が前提ではないといいますか、民間譲渡に決めつけてお話をしているわけではないということです。実際、民間譲渡を検討している施設に位置づけて、今回も議案として出しているものですが、ただ、時系列的に、来年度何が始まるかといいますと、県の財産を誰かに売るというときには、総務部のほうに財産評価審議会というものがあります。スケジュール的にいえば、恐らくそれが春先ぐらいに行われて、こちらのほうでも譲渡条件も含めて、委員がさっき言われたような県立施設としての役割がどうだったのか、これをどのように担保するのかというようなことも譲渡条件の中に入れて、こういう条件でどうでしょうかということを相談していく機会を設けようと思っています。
 その上で、財産評価審議会が終わってから、地域社会に対して、一般公募であるならば募集をかけていくという作業になります。その作業をしていく段階で、複数手を挙げるのか、1者が手を挙げるのか、今の段階ではわかりませんが、手を挙げられてきた業者さんについて、この法人でいいのかを県のほうでも判断しますし、この第三者委員会でも判断いただくとことも考えているわけです。(1)の指定管理と同じようなやり方で、民間譲渡においても第三者の目を入れたほうがいいのではないかと思っております。
 誤解のないように申し上げたいのですが、仮に譲渡先が決まらない場合には、指定管理を継続するということもあえて書いているところでして、民間譲渡で決定したことを前提にしているものではなく、一連の流れとして、委員会というのがもしいるならば、当初予算でないと間に合わないものですから、ここで提案しているというものです。

○市谷委員
 ここにも書いてあるし、今も言われたのですが、必ずしも民間譲渡となるわけではないですよね。この第三者委員会は、判断をすることが必要になった際には登場してくるということでしょうが、予算的に今設置しておかないといけないということで提案したというレベルの話だということですね。だから、何か必要以上に発動されても困るなとも思うのですが。

◎銀杏委員長
 ちょっと意味がよくわからない。必要以上に発動というのは……。

○市谷委員
 別に、今から委員会を発動させて、ずっと議論を積み重ねて、譲渡のための条件を話し合う場ではないのでしょう。それをこの委員会で……。

◎銀杏委員長
 要するに、6月議会に間に合うのですかという話で、間に合わないから当初予算で上げているのでしょう。

●宮本ささえあい福祉局長
 はい、そのとおりであります。春先に財産評価審議会をやって、大体これくらいの金額でと、前にも何億円という数字をお示ししたのですが、あの金額でよろしいかというようなことをまず決定します。恐らくそれが最低売却価格となって、一者随契でいくのか、それとも公募をかけていくのか、そういったことも含めて、県のほうで決定していくことになると思います。その際に、この委員会を使って、こういう条件でどうでしょうかとか、そういうことを考えてもらう場として使うこともあるのかもしれません。
 今のところ想定しているのは、実際に手を挙げられた法人について、人員規模がきちんとあるのかどうか、また、財政規模がきちんとあって、今後も運営が継続可能かどうかと、普通の指定管理と同じように、この法人に任せて大丈夫か判定することを想定して提案しているところです。けれども、何分、初めて設置する委員会ですので、これをどう使うかは、この常任委員会において、このように使うべしという御意見があれば、そのように使っていけばよいことだと思っております。法人を決定する前の段階で、譲渡条件もこの委員会にかけるべし、そういう使い方もすべしということであれば、そのように使っていこうとは思います。

○市谷委員
 そういう使い方をすると、譲渡が既成事実化されていくので、私はやめていただきたいと思います。あくまでそれは県の施策としてであって、これは判定するための委員会ですから、それとは別に、関係者の意見を聞く場で。判定の委員会に、条件がこれでいいのかなどと聞いたら、それは既成事実化していくので、ごっちゃにしないほうがいいと思います。意見として。

○川部委員
 今の件で、もう名前が出ているのでお聞きするのですが、厚生事業団がかちみ園を指定管理していて、大きな候補なのかな思うのですけれども、譲渡先が決まらない場合、指定管理を継続すると書いてあるのですが、厚生事業団として、譲渡を受けてもメリットがなければ、指定管理のままでいくというような判断がなされる可能性があるのですか。

●宮本ささえあい福祉局長
 これから譲渡条件をつけて、こういう条件でどうですかと公募をかけるか、あるいは、厚生事業団への一者随契で交渉するか、ということがこれから始まっていきます。厚生事業団さんが、これから決まる条件のもとに手を挙げてくださるかどうかは、まさにこれからのことです。
 しかし、これも先の常任委員会から何度も申し上げているとおりですが、譲渡先が決まらないということは、つまり誰も買わないと。この前の常任委員会でお示ししたとおり、何億という結構な金額ですから、あの金額で手を挙げて、きちんと買いますという法人があらわれるかどうかさえ、厚生事業団も含めて、今の段階ではわからないので。もし誰も手を挙げないということであれば、指定管理を継続することになります。

○川部委員
 指名指定ですか、公募指定ですか。

●宮本ささえあい福祉局長
 その辺りも、どういう条件で公募するかということになりますので、今後御相談ということになります。

○市谷委員
 25ページですが、県の社会福祉協議会に、これまで県が直接団体に出していた補助金を一括してお願いするということなのですけれども、使い方まで弾力的に変えることができるというようなことがあったと思うんですが、何か使い方に不都合があったりしているのでしょうか。
 というのが、県が直接やることによって、団体を支援したり育てたりという意味があると思うのですが、それをみんな県社協にお願いしたら、県の施策としての意味合いが、かかわりが非常に遠くなるような気がして、それでいいのだろうかと思います。何か使い勝手が悪くて、都合をよくしてほしいということがあってというのだったら、まだわからないでもないですが、これはどうなのだろうと思うのですけれども、何かそういう要望でもあったのでしょうか。
 あと、19ページの子どもの居場所づくり推進モデル事業ですが、今回、食糧費について上限を設定することになっていて、何か議場で、食べるもの全部をただというのはかえってよくないのではないかという議論があったと聞いたのですが、ただ、やっている方たちからは、こども食堂なのに食費の上限を設けるのかと。さっき、いろいろネットワークをつくって、安い食材が得られる仕組みをつくったということも聞いたのですけれども、こども食堂をやっているのに食材費の上限を設けるというのは、発想としてよくないと思うのですよ。
 実際にかかったのがこれぐらいだったということならいいのですが、この上限設定が余りにも切り縮めるようなことになってしまわないよう、せめてかかったものについては認めるという上限にしていただきたいと思うのですけれども、どうなのでしょうか。
 あと、これは3年間のモデル事業だと聞いているのですが、ずっと子どもが来ていて、せっかくこども食堂が居場所になっているのに、3年間で終わってしまうのかと。子どもたちは替わるかもしれないけれども、居場所として定着しているものが継続できるよう、何らかの形で残すことで考えていただきたいのですが、その辺りの考えも教えていただけたらと思います。

●小林福祉保健課長
 まず、25ページの補助金の分ですけれども、今羅列されている補助金について、使い方がいいとか悪いとか、特に批判めいたものはございません。

○市谷委員
 ないのですね。

●小林福祉保健課長
 ええ。特にどの補助金も政策的誘導というわけでもなくて、機械的に決定するものですので。当然ながら、補助金に対する要望や意見などは、当然、県のほうにも声をいただくようにしますので、社協と連絡をとりながらどういうふうにしていくべきかというのは協議しながら、補助金の改革などはやっていきたいと思っています。
 この補助金を県社協さんがやられても、具体的に、例えば育成会とかいろいろな団体に支障があるということはありませんし、このスキームを考えるに当たって、関係する団体に意見をお聞きしました。そうしたら、特に支障はございませんといったでしたので、こういった形で進めているものです。
 19ページの子どもの居場所づくりですが、食糧費の件については、本会議場で坂野議員が質問されて、趣旨としては、こども食堂の対象者が、いわゆる貧困家庭の子どもさんばかりではなく、そうではないお子さんもおられるので、一律に食糧費を全て公費で賄うのはどうかという御質問があったのに対して、知事のほうがちょっと見直すというか、検討するということで答弁したものですので、それに基づいて上限を設定するというものです。しかし、上限の設計のやり方は、今固まっているものはなく、実際にこども食堂を運営されている実態をお聞きした上で、どういった上限設定がいいのか検討したいと思っていますし、先ほど委員が言われましたように、ネットワークを通じて、食材の供給システムも積極的に取り入れたいと思いますので、それとあわせながらどういったものがいいのかを考えたいと思っています。
 3年間のモデル事業ですが、当初この事業は名前のとおりモデル事業でありまして、半永久的に行うことは考えておりませんが、かといって、では急にやめれるかということもあります。ですので、例えばモデル事業という形の中で、あくまでも例えばですが、こども食堂と学習支援をやっているようなところを支援するとか、中山間地は残すとか、いろいろな形態はあると思います。市町村との共同事業ですので、市町村の御意見を伺いながら県として検討していきたいと考えておりまして、現在、こういうスタイルというものはございません。現状を踏まえながら、どういった見直しをやっていけばいいか検討したいと思っています。

○市谷委員
 こども食堂の食糧費で、ネットワークなどで安いものとか業者にも協力してもらってということですが、こういう声もあるのですよ。賞味期限や消費期限ぎりぎりのもので、食品ロスをなくすからと、まあそれはそうかもしれないけれども、ではもらったらすぐ使うかといったら、そうではなかったりして。そういう残ったものをこども食堂に来る子どもたちに与えるのかなと。新鮮でいい野菜とかいうのもあるかもしれないのですけれども、そういうものが回ってくるかもしれないし、そういうものを提供しようみたいなこともあると思うので、そういう残ったものを回してということは、とても寂しいなと思ったのです。本当だったら、やはりおいしいものを子どもたちに食べさせてあげたいし、食材費については別に上限が決まったものはないということでしたので、やはり実際に見合ったものにしていただきたいと思います。
 あと、これは3年間で、その後どうするかについては、まだこれからだということですが、今までやってきた人たちがどんな気持ちで子どもたちの居場所をつくるかというと、簡単なことではないので、今までやってきたことが支援がなくなることで続けられないなどということにならないよう、ぜひしていただきたいと思います。
 社協の分では、ちょっと様子を見てということですが、先ほど県職員の人件費や時間外の削減のモデル事業でもあるとおっしゃったので、私はそういうことかなと思ったのです。でも、県とその団体との関係は、直接支援するということはお金だけかもしれませんけれども、やはりお金を出すということはそういうことでしょうから、ちょっとやってみて、また振り返っていただいたりして、何か気持ち的に通わなくなるようなことがあれば、もとに戻すということもぜひ考えていただきたいと思います。

◎銀杏委員長
 ほかに質疑ございますか。
 1点だけ。428ページの鳥取県介護保険施設に関する条例等の一部改正なのですが、概要で、鳥取県介護保険施設に関する条例の分で、療養室の定員は4名以下とし、入所者1人当たりの床面積は8平方メートル以上となっております。平成36年からの施行で新たな介護医療院になるということですが、既存の介護施設の部屋割り面積等と比較して、1人当たり4畳半ぐらいになるので、かなり広いと。多分、既存施設を使おうと思うと、改築などを行う必要があるのかなとも思いますが、どういうふうに考えておられるのかお聞きしたいと思います。

●長岡長寿社会課長
 今ある医療機関の施設からどう移るのかは、これから医療機関のほうで考えていくことになると思うのですが、施設の改修が必要になる部分についての県の支援というところでしょうか。

◎銀杏委員長
 これから新築になればいいと思うのですけれども、既存のものを活用するということになると手を加える必要があるのだろうなと。少し時間があるので、何か考えておられるのかなと。それとも何もしないで、施設の事業者の経営努力で対応するという格好になるのか、というのをお聞きしたかったのですけれども。

●長岡長寿社会課長
 基本的には、医療機関の創意工夫の中で、類型もありますので、どういう形に移行していくのかは医療機関が決めていただくということで、特別な支援ということは考えておりません。

◎銀杏委員長
 介護施設。

●長岡長寿社会課長
 改修が必要になったとき、ということです。

◎銀杏委員長
 介護施設も療養型が入りますよね。

●長岡長寿社会課長
 はい。

◎銀杏委員長
 だから、医療機関だけではなくて、介護施設についても同じことでよろしいのですか。

●長岡長寿社会課長
 そうですね、従来からそういう姿勢です。

◎銀杏委員長
 はい、わかりました。
 それでは、次に、2月補正予算の説明を求めます。
 質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきます。
 関係課長から順次説明を求めます。
 小林福祉保健課長の説明を求めます。

●小林福祉保健課長
 資料の2ページをお願いします。福祉保健部国庫返還金調整事業です。過年度の国庫負担事業について、返還金が生じた場合に対応する予算ですが、想定した予算額よりも返還金額が増額したことに伴う増額補正です。
 その下の社会福祉審議会費です。会議の開催回数や、出席者数の減少に伴う減額補正です。
 3ページです。福祉職員の専門性向上事業です。研修の回数等の減に伴う減額補正です。
 民生委員費です。民生委員の報酬の所要額見込みの減少に伴う減額補正です。
 日常生活自立支援事業ですが、想定の利用見込み数の減少に伴う減額補正です。
 4ページをお願いします。「子どもの居場所づくり」推進モデル事業です。実施数と事業費が想定のものよりも少なかったことに伴う減額補正です。
 学習支援充実事業です。実施する市町村数や事業費が想定よりも少ないことに伴う減額補正です。
 社会福祉施設地域貢献促進事業ですが、補助事業の申請がなかったことに伴う全額の減額補正です。
 5ページです。災害時における支え愛地域づくり推進事業ですが、支え愛マップの作成に取り組む地区数等が想定よりも少なかったことに伴う減額補正とともに、当初、地方創生の推進交付金を想定していましたが、交付金が受けられなかったことに伴う財源更正です。
 6ページです。人件費です。所要額の見込みに伴う減額補正です。

◎銀杏委員長
 次に、廣岡福祉監査指導課長の説明を求めます。

●廣岡福祉監査指導課長
 7ページをお願いします。社会福祉法人育成事業ですが、先ほど、当初予算でも御説明したとおり、主な減額の理由は、福祉医療機構の借入金の利子の補助金について、市中銀行への借り替えを行ったことにより、一部補助金の交付対象とならなかった施設があったものですから、それに伴う減額補正等です。
 社会福祉施設職員等の退職手当共済事業です。国が定める職員1人当たりの補助金額や、職員数に変更があったことによる減額補正です。
 3点目、社会福祉法人における経営労務管理改善支援事業です。今年度の中途に国の実施要領が改正され、所管する社会福祉法人の数に応じて、都道府県ごとに補助上限額が設定されたことに伴う減額補正です。
 最後は、鳥取県民間社会福祉施設整備等補助事業です。対象となる施設で入札等を行った結果、執行の残が生じたものです。

◎銀杏委員長
 小澤障がい福祉課長の説明を求めます。

●小澤障がい福祉課長
 8ページをお願いします。こちらも少し額の大きなものを主に御紹介させていただきます。
 まず、特別医療費助成事業費です。市町村における実績見込み額の増に伴う1,400万円程度の増額補正です。
 9ページです。自立支援給付費(介護給付費等)で、こちらも市町村における実績見込み額の増で、平成28年度の額の確定に伴う追加交付を合わせて、1億2,600万円程度の増額補正をお願いするものです。
 10ページです。重度訪問介護等の利用促進に係る市町村支援事業です。こちらも市町村における実績見込み額の増ということで、2,300万円ほどの増額補正をお願いするものです。
 11ページをお願いします。障害者総合支援法施行事務費(指定事業者管理事業)です。障害者総合支援法の改正による平成30年4月からの制度改正や、報酬改定に対応するためのシステム改修のための費用ということで増額をお願いするものです。
 その下の鳥取県社会福祉施設等施設整備事業ですが、平成29年度当初予算額で計上していた県予算について、国の補助制度の当初予算分に合わせて執行したことに伴い、残った部分を減額補正するものです。
 12ページの一番下、手話パフォーマンス甲子園開催事業をお願いします。主には今回、お成りがなかったということがありまして、減額補正をするものです。
 13ページの下から2つ目の精神衛生費です。措置入院の減少に伴い平成28年度の措置入院の支払い件数が減少したということ、また、災害派遣精神医療チーム(DPAT)の研修受講について、実績額に基づき減額補正をするというものです。
 続きまして、繰越明許費に関する調書のほうですが、資料の72ページをお願いします。上から2つ目、3つ目が障がい福祉課関係で、上から2つ目の指定管理施設利用者環境向上事業費ですが、こちらは障害者体育センターの耐震改修の実施設計に関するスケジュールの後ろ倒しに伴うもので、設計費用を来年度、53万円でやらせていただくということと、31年度以降に耐震改修するということで繰り越しとするものです。
 その下の農業参入企業による障がい者就労促進事業費ですが、事業者の計画変更によりまして補助の適用が来年度からになるため、繰り越すというものです。
 続きまして、債務負担行為ですが、資料74ページをお願いします。平成29年度農業参入企業による障がい者就労促進事業補助ですが、先ほども申し上げましたとおり、平成30年度から31年度までとしていた支出予定額を、事業者の計画変更等を踏まえて、平成31年度から平成32年度までの支出予定額として変更するというものです。

◎銀杏委員長
 長岡長寿社会課長の説明を求めます。

●長岡長寿社会課長
 14ページです。とっとり介護人材発進・介護技術発信事業、また、その下の鳥取県地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保)補助金です。いずれも補助金の執行見込み額の減額補正によるものです。
 15ページです。介護保険運営負担金事業です。介護給付費負担金の所要額、また、地域支援事業市町村交付金の所要額の増に伴う増額補正です。
 次が介護保険円滑推進事業です。介護保険システムについて30年度に報酬改定がありますので、システム改修による増額です。
 介護保険利用者負担軽減事業は、低所得者に対する介護保険サービスに係る利用者負担額の補助制度なのですが、補助金の額の確定による補正です。
 16ページ、介護老人保健施設整備費借入金利子補助事業です。福祉医療機構から借り入れた資金の利息に対して、県が利子の負担をするものですが、繰上償還等による減額補正です。
 軽費老人ホーム運営費補助事業につきましては、軽費老人ホームの入所者の増、また、サービスの提供に要する費用の本人徴収額の変更による増額補正です。
 介護職員等の喀たん吸引等研修事業は、研修においての入札契約額が想定より少なかったことによる減額補正です。
 鳥取県地域医療介護総合確保基金(施設整備)補助金につきましては、地域密着型サービス、また、介護施設等の開設準備等の執行見込み額の減による減額補正です。
 17ページ、みんなで支え合う地域包括ケア全県展開事業ですが、市町村の支え合い支援活動創出のためのコーディネーター派遣に係る経費の執行見込み額の減額による補正です。
 明るい長寿社会づくり推進事業です。ねんりんピックの出場選手の派遣人数の減による委託料の減額が主なものです。
 72ページです。繰越明許費です。鳥取県地域医療介護総合確保基金(施設整備)事業費です。米子市の小規模多機能施設がありますが、地域密着型のサービスの整備におきまして、設計等に時間を要したことによる事業着手の遅延による繰越です。

◎銀杏委員長
 今までの説明につきまして、質疑等ございませんか。

○市谷委員
 16ページの軽費老人ホームの予算ですが、ほかの事業など、結構専ら減額になっているのが多い中で増額なのですけれども、本人徴収額の変動というので、低所得の方がふえているというふうにも聞いたのですけれども、そうでしょうか。そうであるならば、やはり全体的に貧困が進んでいるので、軽費老人ホームの計画のあり方ですね、増設していくということもあわせて今後考えないといけないと思うのですけれども、その辺りについて聞かせてください。
 同じく長寿社会課で15ページなのですけれども、下のほうの介護保険円滑推進事業で、介護保険法改正、報酬改定があるのですが、主にはどういうことか御説明いただきたいと思います。

●長岡長寿社会課長
 まず、16ページの軽費老人ホームです。基本的に、市谷委員の言われた両方でありまして、入所者の増もございますし、先ほど言われた低所得者の方の割合が多かったということで、その分、収入が少なくなったことで、補助金額が割り増したものです。
 15ページの介護報酬改定ですが、サービス事業ごとに介護報酬が改定になっておりますので、介護報酬の金額など、システムを変えないといけないので、その辺りに伴うシステム改修です。

○市谷委員
 介護保険の報酬や法改正の主な中身、報酬の細かい額まではいいですが、介護保険法の改正がどのようにされたのかという、主立ったものを紹介いただくとありがたいのですけれども。

●長岡長寿社会課長
 主に今回論点になったのが、先ほども話に上がりましたが、自立支援です。要介護者がどんどんふえてまいりますので、要介護者の方を漫然と介護するのではなく、その方の機能改善や自立支援に向けた取組を行うことで、要介護度を維持したり、場合によっては要介護度を改善するような取組を行った事業所に対して、手厚く介護報酬を支援するということです。
 例えば職員に対するケアの部分ですね、管理者が介護職員に対して介護離職を減らすためにいろんな取組を行ったことに対しても、加算の対象となっております。もしくは地域包括ケアということで、医療から介護、介護から居宅へという流れの中で、居宅へ利用者の方を帰す努力をした事業所に対しては手厚い支援、いわゆる報酬加算が行われるというものです。

○市谷委員
 11ページですが、同じような質問で、障害者の総合支援法の制度改正、報酬改定がありますけれども、これも主な内容について御紹介いただきたいと思います。
 その下の鳥取県社会福祉施設整備事業ですが、全国でも応募が多く、結局認められずに減額になっているものもあると聞いているのですけれども、そうでしょうか。確認させてください。

●小澤障がい福祉課長
 先ほどの当初予算でも説明をいたしましたが、障害者総合支援法の施行に関しては、先ほどの自立支援や就労定着支援など、新しいサービスを設けていくと。それから、報酬改定が行われておりますので、その関係でシステム改修が必要ということで、今回要求すると。指定サービスが増えるということがありましたので、指定サービスが増えるに当たって指定後の台帳管理などに関するシステムですので、新しいサービスが増えると、システム自体も変えていかなければいけないということで、その部分のシステム改修の手当ということです。
 県の福祉施設整備事業のほうですが、今、相対的に他県と比べてどうかということはなかなか申し上げるのは難しいかもしれませんが、鳥取県の整備の数についても、各年で結構ばらつきがあるということで、国のほうでも各年ごとに、どういう施設整備を重点的に行うのかという観点で見ているということで、その観点に申請があった事業者の施設がひっかかってくるのかどうかにもよるのかなと思っているところです。

◎銀杏委員長
 よろしいですか。
 今の件と先ほどの件で、システム改修が2件ほど予算に上がっておりますが、3月23日に採決なのですが、間に合うのかということをお聞きしたいのですけれども。この障害者総合支援法施行事業費のシステム改修と、介護保険円滑推進事業のシステム改修なのですが、もしかしたらもうできているのですか。本当はもうちょっと早く上げてほしかったですよね。
 まあ、いいです、言いにくそうですから。
 ほか、ございますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、次に、報告事項に移ります。
 質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきます。
 報告1、鳥取県再犯防止推進計画(案)に係るパブリックコメントの実施結果について、小林福祉保健課長の説明を求めます。

●小林福祉保健課長
 資料の1ページをお願いします。パブリックコメントにつきましては、2月1日から15日まで行いました。受け付けた意見ですけれども、21人で、延べ25件でございました。(1)から(5)までにつきましては、計画の柱立てごとに意見を分類しております。
 まず、(1)国・民間団体等との連携強化ですが、主な意見といたしまして、最初の分ですけれども、コーディネーターを確保し、関係機関との連携、調整を図らせる体制が必要ということで、先ほど予算でも説明いたしましたが、再犯防止推進協議会を設けまして、そういった連携体制を整備することを計画案に盛り込んでいるところです。
 窃盗癖は病気であり治療が必要、医療体制の整備をしてほしいということがございました。福浜委員からも前回の常任委員会の場で御質問等をいただきましたけれども、国の再犯防止推進計画の中で、犯罪をした者等の特性に応じた措置ということで盛り込まれております。また、県としましても、再犯防止推進協議会の中で課題として取り上げるとともに、医療関係者の意見を聞いて、必要な施策を検討したいと考えているところです。
 実効性があるのか検証も必要ということですが、再犯防止推進協議会の中で検証することを計画案に盛り込んでいるところです。
 次の(2)就労・住居の確保ですけれども、更生できる施設を充実させ、その人に合った仕事を自立できるまで見守るべきという御意見でした。協力事業主との連携や定住先の確保につきまして、計画案に盛り込んでいるところです。
 (5)です。民間協力者の活動の推進等ですが、もっといろんな人に知らせたほうがよいと。一度犯罪を犯した人は犯罪者と見られるので、罪を償った人の人権について学ぶ場が必要といった御意見でした。広報、啓発の重要性につきまして計画案に盛り込んでおりますし、普及啓発において、偏見を解消するように行っていきたいと考えているところです。

◎銀杏委員長
 報告2、鳥取県障がい者プランの改定について、及び報告3、第3期鳥取県工賃3倍計画の策定について、小澤障がい福祉課長の説明を求めます。

●小澤障がい福祉課長
 資料の2ページをお願いします。鳥取県障がい者プランについては、これまでも常任委員会で御説明してきましたが、大体まとまってきましたので、改めて御報告するところです。
 こちらのプランは、前にも申し上げましたが、障害者基本法に基づく障害者計画、さまざまにわたる障がい者の方の施策に関して定める計画と、障害者総合支援法に基づく障害福祉計画、県内の障がい者の福祉サービスの見込み量とか目標値などを定める計画、これらを一体化して策定しているものです。障害福祉計画は3年ごとに見直すことになっており、平成30年度から平成32年度の期間の新たな計画を定める必要があるということで、改定するということです。
 児童福祉法の改正により、今回、障がい児の福祉サービスの見込み量などを定める障害児福祉計画も新たに策定を義務づけられました。障害児福祉計画についても、このプランの中に新たに盛り込むことにしているものです。
 昨年、あいサポート条例を制定しましたので、この条例の趣旨や内容につきましても、障害者計画に反映をさせるという形で、プランの見直しもしているところです。
 資料の2ページの2、プランの改定の主な内容というところで、(1)現在の動向を踏まえた施策の方向性の改定等とありますが、これがさまざまな分野にわたる障がい者計画の分野でありまして、下線が引いてある項目について、今回改定内容を追記や修正するというものです。先ほども申し上げました、あいサポート条例などの趣旨や内容を踏まえたり、現状の動向などを踏まえて改正しているところです。
 (2)プラン改定における成果目標等ですが、先ほど申し上げた事業所の福祉サービスの関係の見込み量や目標値を国の指針に基づいて定めたり、あるいは市町村で定めた計画などを踏まえて目標値を定めているところです。
 今回、国の指針の中でも幾つかポイントが打ち出されておりまして、施設入所者の地域生活への移行、精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築、地域生活支援拠点等の整備、福祉施設から一般就労への移行の促進、そして障がい児支援の提供体制の整備等があります。これに基づく目標値などを定めており、主なものを2ページの(2)に出しております。
 今後の予定ですが、現在、2月15日からパブリックコメントを行っておりまして、今後、今まで議論をいただいてまいりました県の自立協や施策協で、最後にパブコメを踏まえて報告しながら、来年度からプランを施行する予定としているところです。
 先ほどのプランにつきましては、別冊でお配りしておりますので、そちらのほうに細かく記載しています。修正部分について、大きなところは下線を付しておりますので、その点が改正部分ということで見ていただくのと、数値目標などに関しては、先ほどの福祉サービスの見込み量などを踏まえて、改定しているものを掲載しているところです。
 続きまして、資料の3ページです。第3期鳥取県工賃3倍計画の概要について御報告します。
 平成19年度に工賃3倍計画を県のほうで定めておりまして、平成24年度から平成29年度までを第2期として計画を推進してまいりました。今年度、第2期計画の終期ということですので、次期の計画を第3期として策定するものです。
 計画期間は、そちらに記載しておりますが、平成30年度から35年度の6年間で考えています。目標工賃については、就労継続B型事業所の全事業所の工賃の平均額、月額3万3,000円はこれまでと同様に考えているところです。対象事業所のほうも、これまでと同様の考え方ということです。基本的にはB型の事業所を工賃向上の対象にしていますが、関係する施策はA型の事業所に対しても適用していくという形で考えているものです。
 主な施策ですが、今回の第3期計画では、事業所の特性に応じた目標工賃額を設定して、それに応じた支援を行うこととしております。事業所の類型は、大きく3つに分けておりまして、1つ目が自主的な事業展開により工賃向上に向かっている事業所です。これは自主的な事業ということで、例えばその事業所で独自にパンを製造しているような事業所で、意識の高いところとお考えいただければと思いますが、こちらは目標工賃を4万2,000円と少し高く出しているということです。
 2つ目は、共同作業場等で行う高単価作業等により、工賃向上を目指す事業所です。共同作業場で受注することは変わりないわけですが、その中で高単価の作業もありますので、目標は、今回の計画の目標額である3万3,000円で設定しています。
 3つ目は、その他の事業所です。事業所それぞれの工賃向上の取組を推し進めていくということで、自立支援の趣旨の理解を求めていき、それぞれに合った支援をしていくということで考えているところです。
 その下に、県による支援策の方向性について記載しておりますが、これも類型ごとに定めることとしております。本概要では、主なところを御紹介していますが、それぞれ類型ごとに自主的な事業展開により工賃向上に向かっている事業所については、経営ノウハウの導入や、専門家のノウハウの習得などを主な支援策として考えております。
 共同作業場等で行う高単価作業により工賃向上を目指す事業所については、これも2つの類型があり、施設外就労等により高工賃の作業を目指す事業所と、受託作業の変更によって高工賃を目指すということがありますが、それぞれの支援策を講じると。その他の事業所についても、それぞれの計画的な事業所運営を支援をしていくと記載しております。
 別冊に、計画案本体をお配りしています。計画本体の中では、第2期の計画の取組や評価についても記載しておりまして、その後に第3期の取組について具体的に記載しているところです。こちらの計画も、現在、2月15日からパブリックコメントを開始しておりまして、年度内の策定を目指して進めているところです。

◎銀杏委員長
 報告4、指定居宅介護支援事業者の指定取消処分等について、長岡長寿社会課長の説明を求めます。

●長岡長寿社会課長
 介護保険法の規定に基づいて、指定居宅介護支援事業者の指定取消処分を、あわせて当該事業所の介護支援専門員の登録消除の処分を行いましたので、報告します。
 まず、指定取り消しの事業者及び事業者の概要については、(1)のところ、愛真ケア株式会社、また、事業所については、愛真ケアプラン事業所です。
 具体的には、平成27年11月に福祉保健局が実地指導を行い、27年、28年には、鳥取市のほうでケアプランの点検等を通じて指導を行ってきたところですが、最終的に29年5月25日、居宅介護支援事業者に対して監査を実施した結果、これまで再三の指導にもかかわらず、減算処理を行わないで居宅介護計画の不正請求をしていた事実が判明したものです。
 あわせて、利用者の居宅訪問、面接やサービスの担当者会議の開催を行わない場合は、減算して居宅介護サービス計画費を請求しなければなりませんが、このことを知りながら減算せずに不正請求し、受領したということで、悪質性が高いということから、法第84条第1項第6号、指定取消に該当するということで、今回、指定取消を行うものです。
 決定日は30年2月20日ですが、利用者の引き継ぎのために1カ月間遅らせまして、効力は3月20日となっております。
 不正請求額は、57万6,920円ということです。各保険者、今回でいえば鳥取、岩美、八頭の利用者の方がおられますので、各保険者が不正請求額を精査して返還を求めることになります。
 また、今回、介護支援専門員が介護居宅支援事業者の指定取消処分を受けて、その指定取消の理由が介護支援専門員の義務違反、また、信用失墜行為の禁止違反に該当するということで、あわせて専門員の登録の消除の手続を行うものです。

◎銀杏委員長
 それでは、今までの説明につきまして、質疑等はございませんか。

○浜田(妙)委員
 工賃3倍計画のことを伺ってみたいと思いますけれども、この工賃を3倍に上げるという上げ方ですよね。いろいろ工夫はされているとは思うのですけれども、主役である対象者の皆様方が、ぎゅうぎゅうむちを振るわれて、厳しい状況の中でやれないことをやらねばならない。やれないことはやれないわけですけれども、ゆとりを持って過ごしたいと思っているのに精神的に追い詰められるとか、そのようなことがあってはらないと思っています。だから、工賃3倍ありきで、人権無視だとか、個人の許容以上のことを押しつけることはないとは思っています。けれども、たまたまお話を伺っていく上で、それに近い状況があるように伺いました。
 人情的に、起きてくる可能性がないことはないので、3倍だ、3倍だ、頑張れ、頑張れと言って、知らず知らずのうちに熱心な余り、そうなってしまうことが可能性として起きるということを大前提に置いて、当事者の皆さんには向き合わねばならないと思っています。そうした配慮やチェックがきくような仕組みになっているのかどうか。そして、そのチェックをされる方がきちっと配置されているかどうか、高いレベルで人権意識がきちっと身についている人が、その場所にいらっしゃるかどうかについて伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

●小澤障がい福祉課長
 浜田委員から、工賃3倍計画についてお尋ねいただきました。おっしゃられるとおり、工賃3倍計画というのは、障がいのある方の自立を促していくという趣旨として、そういった生活できることをみずから稼いで実現していくということは、その方の社会的な自立につながっていくのではないかということで推し進めていくということで、あくまで我々は、利用者に資する形でということで考えているところです。
 基本的には、これは障がい福祉のサービスですので、前にも一度申し上げたかもしれませんが、お一人お一人の方に計画が立てられて、それに合った支援がされている形にはなっております。ただ、前にも申し上げましたとおり、少しその部分が画一的になっているのではないかという御指摘もありますので、その点はまた再度、その部分がしっかり趣旨が伝わるようにと考えております。また、今回、工賃3倍計画を出していますが、これとは別の形で、もう少し利用者目線の就労も考えていくこともあるのかなというところで、別の場になろうかと思いますが、そういうことも少し考えさせていただいたところです。
 ただ、今回の工賃3倍計画においても、一応類型化をして、いろんな自主的な事業をしているであるとか、あるいは高工賃の事業であれば、そんなに難しい作業でなくても高い工賃が得られるという場合もあろうかと思っております。そういった仕事をあっせんするであるとか、そういうことが事業所の全体の工賃の向上につながって、全体の利用者の方の少しでもお役に立てればという形で考えているところです。また、今回の3類型の中で、その他の事業所というのも設けておりますが、全体の工賃を上げていくという流れだけではない部分もあろうかと思いますので、その点も含めて、類型化して、それぞれに合った支援をしたいと考えています。

○浜田(妙)委員
 ありがとうございました。全国平均よりも鳥取県が非常に伸びていっていますので、伸びるということは逆に余り喜ばしいことではないと、その部分の要素が入ってくるのではないかという不安も、片方では見ながらではないとやってはならないと思っています。非常に健常な皆さんでむち打てば、オリンピックの選手みたいに物すごい力が発揮できるのとはまた違うので、それが大きな負担になったり、心の病みになったりすることが起きてくる問題があるものですから、そこへの配慮や準備ができているのかということを、片方で監査していただきたいのです。だから、事業監査がきちっとされているかどうかということが問題になってくると思いますので、その体制を整えていただけたらなと思いますが、今はありますか。

●小澤障がい福祉課長
 今もございます。監査については今も行っておりますし、個別の計画を定めていないような事業所に関しては、きちんと勧告、指導しているという状況です。ただ、計画自体がつくってあっても、本当にその方に合った計画なのかというところはなかなか難しい部分もありますので、その点はまた事業所の皆さんにも周知しながらと思っておりますけれども、計画を定めていないというところに関しては、県としてはしっかりと指導しているというところです。

○浜田(妙)委員
 1人ずつみんな違うので、隣の人にとっては負担ではないことが、ある人にとってはすごく負担になる、そこまでの配慮が福祉の分野では絶対必要だと思います。そこを忘れてしまわないように、ぜひ。そういう情報も入ってきておりますので、よろしくどうぞお願いします。

○市谷委員
 私も同じく工賃3倍計画のことなのですが、今、浜田委員が言われたように、本当に工賃を上げるということになると、本当は来れない人ほど支援が必要なのに、事業所にしてみたら、毎日出てこれる人がよくて、なかなか出てこれない人というのは単価が上がらないというか、稼ぎにならないような感じで。それが気持ちの点でも、この人はよく働いて稼ぐ人、この人はそうではない人みたいに、事業所の中ではなっていて、それは監査ではわからないと私は思うのです。事業所としての計画は立ててやっているのだけれども、その中で障がい者の方たちがどんなことになっているのかということは、当事者の人たちからよく聞かないと監査ではわからないと思うので、そういう意見を聞く場を設けていただきたいなと思います。
 それと、何か類型化するではないですか。これは誰が類型化するのですか。4万2,000円と3万3,000円とそうではないところと、誰がするのだろうと思います。工賃が上がるのは悪いことではないというのはあるのですけれども、さらに上を目指すところとそうではないという、この分類は何なのかなと思って。これ、誰が決めるのですかね。

●小澤障がい福祉課長
 この類型は、県のほうでこれまでの状況などを参考にしながら、少し支援の形をそれぞれに合った形で変えていこうということで考えたものです。かなり自主的な事業をされているところ、例えば先ほど申し上げたパンづくりをされていて、それをレストランで出しているところなど、もう自分たちの事業としてやっていこうというところは、かなり意識が高く、工賃も高いという傾向がありまして、そういったところには自主事業を運営していくように支援することが必要なのではないかと考えています。それ以外の基本的な事業所においては、企業などから仕事をもらって、その仕事を請け負うという形をとっていらっしゃいます。ただ、その部分は、請け負う仕事自体が高い単価であれば、利用者の方も高い工賃が得られますので、高い単価をいただけるような仕事の御紹介などは、県も尽力したいと思っています。少し毛色が違うところは毛色の違う形で支援をしていく形が、今後、工賃を伸ばしていく上で望ましいのではないか考えて、こういった類型化を試みて、それぞれに合った支援をしたいと思っています。
 その他の事業所については、なかなか工賃を上げるということだけではない部分もあることも承知している部分があります。ただ、工賃自体を上げていくこと自体が悪いことではないですし、自立につながる部分もありますので、そういったことを一緒に考えていきながら、そこに合った支援をしていくということで、少し類型化して考えたところです。
 ですので、固定的なものというよりは、あくまで概念として、今、現状でそういったことをしている事業所が大体これぐらいあって、そこに対して、こういう形でそれぞれに合った支援をしたいということで、計画しているものです。

○市谷委員
 自分たちでこうしたいと決めていくならまだわかるのですが、あなたのところはここだよ、みたいな。それで、何か事業所を差別してしまうというか。かといって、今までも3倍だということで、みんなこんなに頑張っているのだよと、あなたのとこは何なんだみたいな。今までお触れがあったりして、苦しかったりする事業所もあるのですが、かといって、こういうふうに一方的に分類の枠にはめられるというのも何だかなと。やはり各事業所が、自分たちでこうしたいという目標のもとに、それができるように支援するというのでないと。分類したからやりやすくなって、それを援助する、一見、何かよさそうに聞こえるけれども、そうではないというか、勝手に決めつけて。ここは高単価でいけるから、工賃がたくさん稼げているからといって、障がい者の方たちにとって本当に自分たちが成長、発達することになっているかどうかわかりませんよ。類型化したらいいという問題ではないような気がするし、それを行政のほうが当てはめてはいけないと思うのです。自分たちの目標として、事業所みんなでこうしようという話し合いのもとで、選んで、それをやれるようにしていくというやり方でないと、上からかぶせてはいけないと思いますけれども。やるに当たって、これがいいと思わないけれども。

●小澤障がい福祉課長
 御懸念は非常によく理解しているつもりです。個々のB型の事業所において、3万3,000円を達成するために労働を強化するというような観点での計画ではないということを、この3倍計画もできますし、新たな報酬体系の説明会もありますので、この3倍計画の何たるものかというところは、改めて各市町村にも事業所さんにも周知していこうと思います。
 今、市谷委員が御指摘になった類型化のことですが、この3倍計画は、県としてどうしていくのかということであって、事業所を何かの類型に当てはめて、あなたは必ずこれを達成しなさいという計画ではありません。計画の性格として、県が類型に分けた上で、今でもたくさん稼いでおられるようなところ、付加価値の高いものを、商品を生み出しておられるようなところには、こういう支援をします。そうでもなく、まだ、ワークコーポにも参加しておられないような事業所もありますから、そういうところにはワークコーポに入ったらどうでしょうかとお勧めする。類型化といっても固定化や強制化していくのではなく、我々の支援の形として、今までの計画は漠然と何をやりますとは書いてあったのですが、どこの事業所にどういう支援をすれば効果的なのかという観点が今までなかったように思ったものですから、類型ごとに、我々はこういう支援をしたらどうだろうかということで、計画を掲げているという趣旨です。

○市谷委員
 やられるに当たって、できるだけ重度の、おられる方の中でも重たい方の意見を直接聞いてみてください。事業所ではなくて。
 工賃を上げることはいいかもしれないですが、その過程の中で、障がい者の方が働きがいが持てたなとか、こうして自分たちでやってよかったなというところが一番の目標です。額がどれだけ増えたか、その目標に達したかということだけで見ると、浜田委員も言われましたが、誤ると思うのですよ。だから、ここの高単価というところではなく、その経過の中でどれだけみんなが生き生きと働けているかとか、居場所として本当にいいなと、通ってきたいなという、そこを評価するようにしないといけないと思います。ぜひ、当事者の方たちの声を聞きながら、この進め方というのは考えていただきたいし、評価をするのが額だけではだめだと思いますが。

●宮本ささえあい福祉局長
 計画において、報酬が決まるとか、そういったことにつながるような評価をするというものではありません。これは先ほども申し上げたとおり、我々が各B型の事業所で、工賃アップで頑張っておられる、あるいはまだワークコーポには来ていないといった、ノウハウを御存じでない、浸透していないようなところに、こういうものがありますよと支援をする計画という趣旨ですので、それぞれの事業所に、嫌だけれども、やるのだというようなことではありません。
 浜田委員と市谷委員がおっしゃったとおり、それぞれの利用者の障がいの程度や種別に着目して支援していかないといけません。課長が先ほど申し上げたとおり、お一人お一人に障がい福祉のケアプランをつくって、その上で、この事業所に行ったらどうだろうかということで、御本人や保護者の方が納得した上で、事業所に通っていただいているという制度で。更新時期は必ず来ますし、そこで、いろいろ聞こえてくるものはあるだろうと思います。その辺りで、さっきもおっしゃいましたけれども、施設監査のほうでは設備とか人員の基準を見ますので、必ずしもわからないと思うのですね。人間関係がうまくいっているかとか、心が通いたくないと思っているのにとか、そういうことになると、次のケアプラン、あるいは前倒しして適宜変えるということもありますし、その辺りもよく酌み取ってケアプランをつくっていくようにということで、市町村のほうにもよく言っておきたいと思います。

◎銀杏委員長
 ほかにございますか。
 この件につきまして、A型作業所について、対象事業所に書いてあるのですが、県による支援策について、A型作業所でも支援が受けられると考えてよろしいのでしょうか。

●小澤障がい福祉課長
 実は、これまでの第2期の計画まででも、そういった表現がされておりましたので、その位置づけを変えていないということでありまして、委員長のおっしゃられたとおりです。

◎銀杏委員長
 わかりました。
 それでは、その他に移りますが、ささえあい福祉局に関して、執行部、委員の方で何かございますでしょうか。
 ないようですので、ささえあい福祉局につきまして、以上で終わります。
 執行部の入れかえのため、暫時休憩します。再開は午後4時10分。(執行部入れかわり)


午後4時05分 休憩
午後4時11分 再開


◎銀杏委員長
 予算関係の議案の説明を求めます。
 執行部の説明は要領よく簡潔にマイクに向かってお願いします。
 質疑は、説明終了後一括して行っていただきます。関係課長から順次説明を求めます。

●木本子育て王国推進局長兼子育て応援課長
 資料の139ページからが子育て応援課です。主なもの、金額が多いもの、主要なものについて御説明します。
 140ページをお願いします。私立幼稚園運営費補助金です。
 2の主な事業内容に、幾つかメニューを上げておりますけれども、このうち、一般分は基本的な運営に係る経費ですが、こちらの単価改正を行いたいと思います。下に欄を設けていますが、満3歳児、3歳児、4・5歳児です。3歳児以上の子ども1人当たりに対して8,000円の改善、満3歳児は4,000円の改善です。
 あわせて、一般分の下に処遇改善加算分ということで、平成29年度から制度化した処遇改善に取り組む園への支援も引き続き行ってまいりたいと思います。なお、幼稚園は、現在16園が私立幼稚園ですが、平成30年度にこのうち6園が認定こども園等への移行を予定しているために、この後に出てきます保育料軽減を含めて予算額は減ってきているところです。内容は充実しているということで御理解ください。
 142ページをお願いします。(新)私立幼保連携型認定こども園大規模修繕事業補助金です。
 私立の幼保連携型認定こども園を設置する学校法人等が実施をする建物修繕のうち、おおむね20年以上を経過した建物改修で、国庫の補助の対象とならないもの、100万円以上500万円未満の事業に支援するものです。(新)となっておりますが、平成29年度に該当事業がなかったということで、制度としては従来からあるものです。
 143ページをお願いします。子育て王国とっとり推進事業です。
 子育て王国とっとりの実現に向けて、地域みんなで子育てを支える機運を醸成するため、情報発信等を行うものです。
 2の主な事業内容の各種事業にある子育て応援パスポート事業ですが、少し制度を改正したいと思います。パスポートは、現在、3年に1回ずつ一斉更新ということで、一斉にパスポートを皆様のお手元に送付しております。このたび、この更新という作業をなくしまして、発行時に満18歳まで利用できるカードの発行を開始したいと思います。
 また、一番下、乳幼児期の睡眠の大切さ啓発事業で、乳幼児期にしっかりと睡眠をとる習慣をつける、その大切さを啓発するために、教育委員会等とも連携して、新聞等を活用した情報発信など、しっかり普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
 145ページをお願いします。こどもの国の管理運営費です。
 指定管理者である鳥取県観光事業団への管理運営費委託は、平成30年度で5年目となります。運営費の委託とあわせて、備品の更新として、バッテリーカーの更新などを予定しております。また、平成31年度から、新たな指定管理機関となりますので、ここに記載がなく大変恐縮ですが、平成31年度から35年度の指定管理者の公募のための債務負担行為を設定することとしております。債務負担行為の調書は360ページに載せておりますので、また、ごらんください。
 146ページをお願いします。企業のファミリーサポート休暇等取得促進事業です。
 男性の育児や介護等に係る休暇制度を取得させた事業主に対し、奨励金を支給する事業です。
 今回、主な事業内容の中の(5)に上げている不妊治療を、新たにメニューに加えたいと思います。現在、不妊治療については、企業側の理解が十分でなく、治療に専念をするため退職される方もございます。仕事と不妊治療の両立をできるような環境づくりを進めるため、今回、このメニューに加えて奨励金を支給したいと考えております。
 (1)から(4)は、男性を対象とした休暇制度ですが、新たに設けるこの(5)は、男性も女性も対象にしたいと思います。また、不妊治療の特性からして、継続的に休むということではありませんので、1日単位、半日単位で奨励金を設定しております。
 147ページをお願いします。とっとり婚活応援プロジェクト事業です。
 えんトリーの運営や、民間、市町村が行う出会いの場の創出への助成の事業です。
 主な事業内容の(1)、えんトリーについては、このたび、包括外部監査で指摘をいただいておりまして、制度周知をもう少ししっかりするようにということや、会員の増加、成婚数の増加が必要というような御指摘をいただいております。
 (1)の内容の※のところに書いておりますが、若年層の新規会員獲得を強化するために、会費の軽減策なども検討したいと思っております。
 機能強化として、(2)ですが、中部拠点を設置したいと思いますし、また、(3)ですが、ビッグデータシステム導入ということで、お相手を勧めるようなシステムを導入して、引き合わせの率を引き上げたいと考えております。
 (2)山陰両県連携事業で、今年度に続いて島根県との連携を進めていきたいと思います。(1)は、平成30年度から、島根県がえんトリーと同様なマッチングシステムを導入されますので、こちらを連携して、希望される方になりますが、島根県のシステムの会員ともマッチングできるようにしていきたいと考えております。
 152ページをお願いします。鳥取県保育士等修学資金貸付事業です。
 保育専門学院の廃止に当たり、現在、鳥取短期大学の定員を25名増やしていただいておりますが、これに対応した学生のための貸付事業です。鳥取短期大学さんとの協定は、平成30年度までという協定内容になっております。現計予算は通常どおりですが、平成31年度以降も同様の内容での協定を引き続き行いたいと考えておりまして、(4)の(2)に書いておりますが、債務負担行為の設定をお願いをしたいと思います。調書は、同じく360ページですので、また、後ほどごらんください。
 153ページの鳥取短期大学の教育充実支援事業も同様の内容で、定員増分に伴い保育実習を充実するということで、教員の経費を支援しております。こちらも、当該年度の予算とあわせて、31年度以降の債務負担行為をお願いしたいと思います。
 155ページをお願いします。保育士確保対策強化事業です。
 保育士の確保の推進を、しっかり進めてまいりたいと思います。
主な事業内容の(1)、保育士・保育所支援センターの運営事業です。現在コーディネーター1名で支援しておりますが、このコーディネーターを1名増員します。あわせて、主な事業内容の欄の一番下に、新規と書いておりますが、現職保育士さんが気軽に相談できる相談窓口も、このセンターの中に設けたいと思っております。あわせて、弁護士等の専門相談の体制も充実しまして、困ったことがあればセンターへ行けばよいというような仕組みにも取り組んでまいりたいと思っております。
 (4)県外学生に対する県内実習等支援です。県外学生は、実習先が大学、養成校に近いところで実施されますと、そのまま、そちらに定着されてしまうということもあります。ぜひ鳥取県内の保育施設の状況等を知っていただきたいということで、実習や就業体験を県内で実施される場合には、旅費等を支援したいと考えているところです。
 156ページです。保育士等キャリアアップ研修実施事業です。
 事業名に(新)とついておりますが、今年度9月補正で予算計上しておりましたので、前年度の予算がないということでの新規事業です。
 国が設けた処遇改善の前提条件となっているキャリアアップ研修の実施に必要な経費です。処遇改善は、リーダーとしての発令と研修受講が条件となっていますが、平成29年度、30年度については、研修のほうは必須条件ではございません。ですので、4分野などをとっていただくためには少し時間が必要で、一気にとっていただくと無理が来ますので、何年かをかけてとっていただくということで、まだ条件にはなっておりませんが、研修は実施したいと思います。
 研修の分野は、1の一番下に※で書いていますが、研修8分野ということで、乳児保育、幼児教育、障がい児保育、食育・アレルギー、保健衛生・安全対策、保護者支援・子育て支援、マネジメント、保育実践と、この8分野について実施をしたいと思います。
 157ページ、子どものための教育・保育給付費県負担金です。
 子ども・子育て支援新制度による民間の保育所等への運営費の県負担金です。前年度から、金額が2億円超とかなりふえておりますが、平成29年度の人事院勧告に伴う公定価格の改定、1.1%アップのほか、児童入所数の増、処遇改善加算、平成29年度の申請実態などに合わせて金額を算入したことから、前年度から大きく上回ってきているところです。
 158ページです。低年齢児受入施設保育士等特別配置事業です。
 1歳児の保育士配置を6対1から4.5対1にするための経費です。今回、正職員単価を設けて補助しておりますが、この単価の適用条件を少し緩和したいと思っております。
 2の補助要件のところに書いておりますが、右側の枠の中、現行制度とあります。現在は1歳児を担当する全ての保育士等が正職員であることという条件をつけております。保育士の場合は、保育園が長い時間開設しておりますので、非常勤さんで時間が短い方が入られる場合も多々あります。この条件があるとなかなか使いにくいということがありましたので、左側の要件に拡充としております。配置している保育士等のうち、正職員が施設全体における県配置基準上必要な保育士数以上であることということで、この低年齢児の補助金を使って、保育園全体の正職員の率を引き上げていきたいということで、こういう条件にしたところです。
 159ページ、保育サービス多様化促進事業です。
 特別な支援が必要と認める障がい児に対する加配、障がい児を受け入れるための施設整備、また育休明けで年度中途に乳児の数が増えるということがあり、あらかじめ保育士を年度当初から配置をするための経費の事業です。
 新しい部分は、(2)の(イ)です。医療的ケア児保育、0千円ということで、制度創設をお願いします。医療的ケア児を受け入れるためには、看護師の配置が望ましいので、看護師を確保したいのだけれども、保育士単価ではなかなか看護師が確保できないという声も聞いているところです。そうした中、保育士の単価よりも少し高い加配の単価を設定をしたいということで、制度創設したいと思います。現状は、その上に(ア)ということで、医療的ケア児保育支援モデル事業とありますが、こちらは国の制度で、来年度は対象となる児童を受け入れる園が、現在は米子市さんしかありません。米子市さんは、(ア)の国の制度を受けたいと言っておられますので、まずは(ア)を使っていただくと。ただ、年度中途になって、医療的ケアが必要な子どもを受け入れたい場合は、国のモデル事業は使えませんので、(イ)のほうの単県制度の単価アップ分を活用して受入を進めていただきたいと考えております。現在、想定される子どもさんがおられませんので、一応、制度創設という形にしております。
 162ページをお願いします。鳥取県自然保育促進事業です。
 森のようちえんの運営費、保育料の軽減、一般園における自然保育認証園の活動に関する経費支援等の事業です。
 2の主な事業内容の(5)、森のようちえん全国フォーラムの開催です。平成30年度は森のようちえんの全国大会である全国交流フォーラムが大山町で開催される予定です。地元鳥取県としても、実行委員会に参加して、開催を支援したいと考えているところです。
 165ページをお願いします。放課後児童クラブの設置促進事業です。
 放課後児童クラブへの、国の制度に乗れない部分の単県での助成です。
 国庫補助対象外のクラブの助成、長期休暇期間への加算、障がい児の受入加算などがメニューとなっています。平成29年度から国の交付金の中で、長期休暇加算に新たなメニューが設けられたため、単県で支援していたものが国庫を活用できるようになっております。補正のほうでも出てきますが、この関係で前年度予算比で△5,400万円と、大きく減額になっております。ただ、内容としては前年どおりのものをお願いしているところです。
 169ページをお願いします。とっとり妊娠SOS相談体制整備事業です。
 平成28年度に県内で発生した乳児死亡事案を踏まえて、思いがけない妊娠、望まない妊娠で悩む方の相談窓口を新たに設定をしたいと思っております。妊娠に関して、専門的に相談を応じられる助産師等が相談を受け付けていただけるような民間団体の委託を想定をしております。こちらは、公募で受託団体を決定してまいりたいと考えております。
 170ページをお願いします。おうちで子育てサポート事業です。
 在宅でゼロ歳児を保育する世帯への現金給付、現物給付、サービス利用料の軽減により、子育て世帯の経済的な負担の軽減を図ろうとする市町村を応援するものです。
 現在15の町村で現金給付やサービス利用料の軽減を実施をしておられますが、予算としては、今は取り組んでいない4市全てが9月ごろからでも予算化されれば対応ができるよう、予算計上しているところです。動きとしては、現在、境港市さんのほうで予算化の検討をされているとのお話を伺っているところです。
 171ページをお願いします。不妊治療費等支援事業です。
 不妊治療の経済的な負担を軽減するために助成を行うものです。
 鳥取市の中核市移行に伴い、市にお住まいの方の不妊治療は、実施主体が市になるということで、金額が下がっております。あわせて、単県制度と4町分の事業を、鳥取市さんに事務をお願いしたいと考えております。
 175ページをお願いします。とっとり版ネウボラ推進事業です。
 妊娠期から子育て期にわたるワンストップ支援拠点である子育て世代包括支援センターを推進するための事業です。
 事業内容は、今年度と大きく変更はございません。現在は、17市町村でネウボラを設置済みです。あと2市町ですが、平成30年度中にできるということで、全市町村に整う予定です。
 続きまして、360ページが債務負担行為の調書となっております。
 先ほど御説明をいたしました、鳥取砂丘こどもの国、保育士等修学資金、それから鳥取短期大学教育充実支援事業をお願いしているところです。
 404ページをお願いします。条例関係です。
 学校教育法等の一部改正に伴う条例改正です。
 404ページは、子育て王国とっとり条例。それから、同様の内容ですが、405ページは青少年・家庭課で、災害遺児手当助成条例です。
 このたび、小学校から中学校までを一貫して教育を行う義務教育学校が新たな学校の種類として、学校教育法に規定されました。これに伴う規定の整備です。
 404ページの子育て王国とっとり条例は、施設区分に義務教育学校という学校種を加えます。
 405ページの災害遺児手当助成条例は、中学校、特別支援学校の中学部という並びですので、義務教育学校の後期課程という言葉を添えるものです。
 418ページをお願いします。鳥取県附属機関条例の一部改正です。
 鳥取型の保育のあり方研究会を廃止するものです。この研究会は、在宅育児支援と自然保育の認証の検討のために、平成28年度に設置したものですが、検討を終了しておりますので、このたび廃止をするものです。
 419ページをお願いします。こちらは、鳥取県母子保健対策協議会です。
 現在、鳥取県母子保健対策協議会は、鳥取県、鳥取大学、県医師会で設置する健康対策協議会の母子保健対策専門委員会と内容が重複するため、この2つの会議を同時開催という形で審議を行っているところです。このたび、運営の効率化を図るために、県の審議会である母子保健対策協議会を廃止をして、健康対策協議会の事業として委託をし、健康対策協議会母子保健対策専門委員会と一体で議論をしていただくように整理するものです。

●小谷青少年・家庭課長
 青少年・家庭課です。177ページから205ページまでが一般会計の当初予算の説明です。
 まず、177ページです。青少年育成対策推進費です。
 青少年育成鳥取県民会議の助成を行うものですが、鳥取県青少年育成の中核となるこの会議に助成を行い、青少年の育成を進めるものです。それから、鳥取県青少年問題協議会等の開催等を、この中で行うこととしております。
 179ページをお願いします。少年補導センター等運営事業です。
 鳥取と米子と倉吉地区にある、少年補導センターを運営しているところに助成するものです。主に街頭補導活動に対する助成です。来年度は鳥取市で全国青少年補導センター運営連絡協議会定期大会が行われると聞いておりますので、補助金30万円を助成するものです。
 183ページをお願いします。福祉相談センターの事業ですが、下の婦人相談所一時保護所費で、770万円余の大きな減額となっております。29年度の実績に基づき、一時保護の実績が下回っており、29年度に比べて大きな減額ですが、実績に合わせているものです。
 185ページをお願いします。新規事業で、社会的養護等自立支援事業です。
 これは、6月補正でお願いしました。自立援助ホームや、児童養護施設に入っている者につきましては、原則18歳までなのですが、措置延長で20歳まで伸ばすことができます。ただ、大学などに行かれたり、もう少し自立のための支援を行うということが必要な入所者が出てまいりますので、そういった者について、必要な援助を行うものです。
 表の上の就学者自立生活援助事業は、自立援助ホームの入所者に対して、大学に通う場合に支援を行うもので、1名を想定しております。措置解除後継続居住支援事業は、里親や施設など、大学に通わなくても自立援助ホームでもう少し自立のために頑張る者について援助を行うもので、この2本立てで行うものです。
 187ページです。児童養護施設等処遇向上対策事業です。
 児童養護施設等において、障がい児などの入所がかなり多くなっている現実を踏まえて、処遇強化のため、国の配置基準を超えて職員を配置した場合に、加算のための経費を支援するものです。対象は児童養護施設5施設と児童心理治療施設1施設です。国の基準に基づき、1職員当たり月額22万3,000円を補助しており、このたび5施設で7名の配置と聞いておりますので、必要な経費を計上しております。
 190ページの下です。主任児童委員費です。
 鳥取市が中核市に移行する関係で、主任児童委員の定数が130名になったことに伴い減額しております。全体の数字は212名ですけれども、鳥取市分が減額となっております。
 192ページをお願いします。児童家庭支援センター運営事業です。
 地域児童や母子、父子等からの相談に応じたり、必要に応じて心理療法やカウンセリングを行う、児童家庭支援センターの運営費を助成するものです。県内には、鳥取こども学園の希望館、倉吉のくわの実、米子のみそのと3施設があり、助成するものです。少し減額が出ておりますのは、1施設当たりの年間の運営費、相談件数、あるいは事業実施に応じて補助基準が変わってくるものですから、実績に応じて精査して、今回、計上するものです。
 193ページの真ん中の一時保護所費です。
 減額が1,800万円余と少し多くありますが、児童相談所の一時保護所に措置する場合と、児童福祉施設等で措置する場合があり、その分について実績に応じて計上しているものです。
 196ページです。新規事業で、母子生活支援施設のぞみ老朽化改築補助事業です。
 母子生活支援施設といいますのは、下のほうに参考で書いてありますが、配偶者のいない女子またはこれに準ずる女子と、その看護する児童等が自立のために住んでいただく施設です。県内に5施設ありまして、八頭にあるのぞみが、昭和45年から48年に竣工したもので、50年近く経過しているものですから、改築の希望が出ております。これを30年から31年にかけて2カ年にわたって改築するに当たって、必要な補助を行うものです。
 198ページをお願いします。児童措置費です。
 児童措置費は、児童養護施設や、里親に要保護児童等を措置する費用に係るものです。今回、予算が7,600万円余増加しておりますが、真ん中の2のところにありますように、委託料、負担金、扶助費と、それぞれ分けて計上する際に、29年度に処遇改善や単価の改正がありまして、その分を適正に見込んで7,600万円余の金額で、今回、計上しているものです。
 199ページをお願いします。ひとり親家庭学習支援事業です。
 ひとり親の児童等の学習を支援するために、市町村が実施する事業について助成しているものです。今回、大幅に減額が生じておりますが、鳥取市が中核市になる関係で、鳥取市は単独でやられるということで、大きな減額となっております。ただ、下に送迎のほうがありますが、送迎については単県事業で、こちらは鳥取市も行っておりまして、5市町が行っていますが、これもまだ全部には届かない数字です。上の国庫事業につきましても、現在、鳥取市が抜けた関係で7市町ということで、これについても、もう少し市町村にお願いをしなければいけないと思っております。
 203ページです。児童扶養手当支給事業です。
 児童扶養手当は、ひとり親である方、つまり子どもと一緒に住んでおられる家庭等について、月額4万2,290円の手当を支給する制度ですが、現在、福祉事務所を設置していない三朝町と大山町については、県のほうで直接支給するものです。2の主な事業内容に委託料がありますが、システム保守につきましては、通常の保守に加えて平成31年5月に元号が変わると聞いており、元号改正に伴う保守も生じますので、この分が少し増加しております。
 204ページ、新規事業が2本あります。1つは、鳥取県ひとり親家庭等実態調査です。
 5年に1回、ひとり親等の実態調査しているものです。県内ひとり親、母子、父子、寡婦に関して、母子と父子については児童扶養手当受給者世帯全数、寡婦については一般社団法人母子連合会の会員について全数、それらについて、それぞれ市町村と母子連合会に調査票を送付して、9月から調査を行います。今後、平成31年度に鳥取県ひとり親家庭自立促進計画を改定する時期に当たっておりますので、参考にしたいと思っております。前回の世帯数ですと、約6,600世帯ぐらいで、前回はおおむね20%の回収率で、1,300強ぐらいの回収率でした。市町村等にも説明会等を開催して、少しでも回収率を上げて、正確な数値に基づいた計画を進めていきたいと思っております。
 その下、母子父子寡婦福祉資金貸付償還システムの改修です。
 先ほども児童扶養手当のところでありましたが、現在のシステムについて、平成31年5月に元号改正が予定されているため、これを踏まえて、結構169万8,000円と少し多い額ですが、この改修を行うものです。
 債務負担関係です。360ページが当該年度の債務負担です。
 下から2つ目です。事業の説明は申し上げませんでしたけれども、施設入所児童等保証人支援事業の補助ということで、310万円から30年度に交付した額を差し引いて債務負担します。この事業は、施設に入所している児童が、進学、就労や賃貸住宅の入所の際に、身元保証人や連帯保証人にどうしてもなっていただけないという現実があり、たいてい施設長がなっていただくということがあります。ところが、施設長になってもらうのはいいのですけれども、何かあったときに損害賠償などが来ることがあります。それについて、例えば就職などの身元保証は3年間に限って最大30万円、アパートの入所は3年間で20万円、借入金の場合は長期にわたって20年間と。社協が行っている生活軍資金の貸付が最大20年ですので、この20年間に限って、最大30万円の保証を行うもので、これについての債務負担をお願いするものです。
 367ページです。過年度の議決分で、平成25年の先ほどの施設入所児童等保証人支援事業補助から、368ページの喜多原学園給食業務委託についての債務負担です。
 続きまして、376ページです。鳥取県母子父子寡婦福祉資金貸付事業の特別会計です。
 詳細は、1枚めくっていただきまして、説明資料のほうです。今年度の大きな変更は、鳥取市が中核市に移行する関係で、今、鳥取市分は鳥取市のほうでやるということで協議しておりますので、それが主な減額です。それと、この取り決め等については、支出のところで国への償還金がありますが、今の貸付状況や剰余金がありますので、剰余金から計算で導き出される4,175万円を国に償還します。それから、それに見合った額として、一般会計への繰り出しということで、2,068万2,000円を一般会計に繰り出すものです。
 条例関係です。420ページをお願いします。
 現在、有害図書の指定は、鳥取県有害図書類指定審査会が行っておりますが、これについて鳥取県青少年問題協議会のほうに統合したいと考えております。今の青少年問題協議会が担当する業務は、大きく分けまして、青少年全般の施策について県に意見を述べたり、調査、審議するところ。もう一つは、青少年健全育成条例に基づいて、有害図書の指定の基準を定めたり、変更することについて、知事に意見を提出したり、あるいは図書類の陳列に対する販売店への助言や、指導等に対する異議申し立てを受ける場所となっております。業務的には、大きなところを協議会がやっておりまして、その中の有害図書の指定審査を審査会が行っている形になっておりますので、ここを統合したいと思っております。
 444ページです。鳥取県青少年健全育成条例の一部改正です。
 青少年が安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律、インターネット環境整備法と申しますが、これが昨年6月に制定されました。施行が、政令で定める1年以内とされておりまして、6月ぐらいかなと想定して準備をしておったのですが、座間市の事件を受けて、急遽前倒しという形で、2月1日に公布された経緯があります。ちょっと遅れるような形になってしまいましたけれども、青少年健全育成条例の当該部分の改正をお願いしたいと思っているところです。  
 保護者は、正当な理由がある場合に、青少年が働いた場合など、どうしても有害サイトを含めてフィルタリングを使用しないということが出てきます。フィルタリングサービスとは、いわゆる今の3大キャリア、ドコモ、au、ソフトバンクが、そのサービスの中で行うフィルタリングのサービスです。このフィルタリングの有効化措置というのがありまして、例えば代理店が端末のアプリ上で制限を行うサービス、いわゆるスマホのほうで操作するものです。これを利用しない旨の申出を、書面と、もしくは代理店などで販売される際に、タブレットでボタンを押す形になりますが、電磁的記録により行うことができるということを定めました。
 この書面と電磁的な記録を一定期間保存することが必要とされておりますので、端末の終了、契約の終了、または未成年であれば18歳になるまでという形で決めました。さらに、もしも違反した場合には必要な勧告をすることができるという形で、必要な部分を改正したいと考えており、施行日は公布と同時に施行したいと思っております。
 必要な条例の改正後、改正前につきましては、445ページ、446ページに掲げておりますので、見ていただければと思います。

●高田子ども発達支援課長
 206ページをお願いします。医療的ケア児者受入環境整備事業です。
 もともとありました既存事業に2つの事業をくっつけまして、3つの事業で構成しています。
 (3)の1の在宅生活支援事業ですが、継続事業ですけれども、障害者総合支援法等による支給対象とならないサービスにつきまして、市町村と共同で在宅生活を支援するための事業です。このたび、一部拡充を予定をしております。
 4と5で拡充と書いてありますが、4については、重症心身障がい児の方を受け入れる場合に看護師を配置した場合、その人件費相当を補助するものです。5については、同じく重症心身障がい児者の方を受け入れる場合に、必要な医療機器を購入される場合に助成しています。これまで、対象を、医療的ケアが必要な重症心身障がい児者としておりましたけれども、このたび拡充ということで、重症心身障がいに限らず全ての医療的ケアが必要な障がい児者という形に拡充したいと思っております。
 あわせて、今まで、放課後等デイサービス事業所に対象事業所を限定していましたが、市町村などの要望がありまして、就労継続支援B型事業所についても対象に追加を考えております。看護師配置についても、人材不足ということもありまして、なかなか難しい面もありますので、訪問看護を利用した場合も補助対象に付け加えたいと思っております。
 207ページです。2の医療的ケア児等コーディネーター養成事業で、新規になります。
 先ほど報告事項で、障がい者プランの報告がありました。その中にも出てきますが、各市町村に1人以上、こういうコーディネーターを配置しなさいとされておりますので、コーディネーターの養成を県で行おうというものです。今時点で考えておりますのは、相談支援事業者の専門員や、市町村の保健師などが、実際に対象になってくるのかなと考えております。
 3が医療的ケア児等と家族のための大山リゾートキャンプ事業で、こちらも新規です。来年度が大山開山1300年ということで、それにあわせて、医療が必要な子どもさんや、その兄弟姉妹の方を対象にして、療育キャンプという形で開催したいと思っております。こういうキャンプを通して、実際にそういう子どもさんの社会参加や自立を実感していただきたいと。また、保護者の方については、レスパイトといいますか、身体的負担軽減を図っていただくとともに、やはりこういうお子さんがいらっしゃるというところについて、まだまだ周知が少ないかなと思いますので、県民の方への理解、啓発の場にもなるのかなと思っております。時期等は、やはり夏休みということで8月ぐらいを予定しており、内容は少し書いていますが、具体的なところはこれから少し詰めていきたいと思っております。
 209ページをお願いします。障がい児者事業所職員等研修事業です。
 こちらも、もともと3つ別々に行っていたものを1つの事業ということで計上しております。
 1つは事業所職員研修で、実際に障がい児・者の方の支援を行っていただいているサービス事業所の職員の方を対象に、(1)の研修では、特に重症心身の方、発達障がいの方、医療的ケア児の方の支援について、それぞれの圏域ごとに研修会を行うというものです。
 (2)の放課後等デイサービス支援充実研修では、放課後等デイサービス事業所の支援の質の向上をさせることを目的として、主に設置者、管理者もしくは管理責任者の方を対象に研修を行うものです。今年度、初めて開催しまして、来年度も引き続き実施したいと考えております。
 (3)の発達障がい診療協力医研修では、発達障がいの専門医の先生方が、地域の小児科の先生に対して、OJT方式で研修を実施することにより、地域での発達障がいの診療ができる体制を構築していきたいというものです。こちらは、28年度から事業を行っておりまして、28年度は、地域の小児科の先生が4名受けていただきまして、29年度は6人の小児科の先生に研修を受けていただいているところです。
 215ページをお願いします。上のほうにあります、発達障がい情報発信強化事業です。
 県民の方への発達障がいに関する正しい理解を深めてもらうための普及啓発を行う事業です。
 具体的には、2の主な事業内容に書いておりますが、発達障がいにかかわる啓発イベントの実施ということで、1つは国連が定めている世界自閉症啓発デーで、4月2日になりますが、ブルーライトアップをするということで予定しております。あわせて、厚生労働省のほうが、4月2日から4月8日までを同じく発達障がい啓発週間に定めておりますので、この間に同じく県民へPRするためのイベントを実施したいと思っております。
 216ページです。上段の、重度障がい児者医療型ショートステイ整備等事業です。
 26年度から継続して実施していますが、医療的ケアの必要な重度障がい児者の地域生活を支援するため、医療型ショートステイを行っている医療機関へ助成を行うとともに、ヘルパー派遣に係る助成を行っているものです。来年度の想定ですが、補助対象として、各圏域から1から2の医療機関ということで、一応5つの医療機関を想定しております。同じくヘルパー事業所のほうについては、11事業所を想定しているところです。
 217ページをお願いします。新規事業で、小児・医療的ケア児等に係る人材確保事業です。
 障がい福祉のサービスを行っている事業所について、特に重度心身障がい児や医療的ケアが必要な子どもさんを抱えている保護者の方からは、やはりもっと事業所を増やしてほしいという要望もよく聞いているところです。一方で、現場の事業所の方からは、職員が不足しているとか、職員がかなり高齢化してきて、支援がしたくてもなかなかできないという声も聞いているところです。まずは、事業所にかかわっていただける職員を確保するということで、事業費を計上しているものです。
 具体的な内容は、2の主な事業内容に書いておりますが、1つは、事業所等PRということで、インターネット、ウエブサイト、情報誌などを通して、事業所の魅力などを発信するとともに、あわせて体験ツアーなどを企画しまして、実際に鳥取県内の事業所に来ていただいて、就職といいますか、移住につなげていきたいと思っているものです。
 2番目のヘルパー等スキルアップ研修につきましては、実際に医療が必要な方の支援を行うヘルパーさんの事業所がかなり少なくなっておりますので、実際に対応できるヘルパーさんを養成し、確保していこうということです。現在、そういう方を受け入れている事業所等を使いまして、実際にそういうケア手法を学んだり体験していただいて、スキルアップを図っていただき、そういう人材を確保していこうと考えております。
 3番目は医療的ケア児等に係る理解・啓発です。県内の看護学校ということで、看護大などになるかと思うのですけれども、医療的ケア児に係る講義等を実施していただくとともに、実際に現場の事業所等に出かけて体験していただいて、医療的ケア児等の理解・啓発を進めていただき、最終的にはこういう事業所への就業につながっていかないかなということで企画しているものです。
 220ページをお願いします。こちらも新規事業で、中部療育園の移転整備事業です。
 3のこれまでの取組状況等に書いてありますが、昨年3月に検討会を設け、これまで6回検討会を開催して、中部療育園の役割や課題等について、いろいろ議論をしてきたところでありますし、内容等については、こちらの常任委員会にも報告させていただいたところです。
 この検討会の意見等を踏まえて、来年度、県の既存施設である、元の倉吉市立河北中学校の管理教室棟を改修して、新たに中部療育園という形で再整備したいと思っております。来年度は、まず、実施設計費委託費等を含んで2,288万6,000円を計上しております。
 今後のスケジュールですが、予算を認めていただけましたら、来年度、設計に入らせていただき、31年度に実際に工事にかかって、新しい施設の供用開始は32年度からの予定です。
 222ページからは、地方機関に係る管理運営費ということで計上しております。
 225ページは、総合療育センター等の研修医等受入事業です。
 総合療育センターのほうで専門医師を養成するため、研修医の受入等を行っております。来年度は、今年度に比べて900万円弱減額になっておりますが、今年度まで研修医の受入を2名で予定しておりましたけれども、来年度は実績見合いということで、1名に減っておりますので、その分、予算額が減少となっております。
 226ページです。こちらも総合療育センターの関係ですけれども、電子カルテ等医療情報システム更新事業です。
 総合療育センターでは、平成25年度に電子カルテのシステムを導入していますが、平成31年3月末で、今の電子カルテのシステムのメーカーサポートが終了するということで、このたびシステムの更新をお願いするものです。
 センターは病院でもあるのですが、福祉分野もあるということで、かなり混在した業務になっております。その辺りも使いやすいシステムということで、業務改善につながるような新しいシステムを導入したいと考えております。
 予算のほうは以上です。あと債務負担ですけれども、360ページをお願いします。
 当該年度に係る分は、360ページの一番最後のところで、先ほど説明しました、発達障がい啓発イベント開催委託で、178万8,000円の債務負担をお願いしているものです。
 362ページの4段目、一番最後の行ですが、総合療育センターの電子カルテのシステムの更新に係る保守委託で、こちらも31年度から35年度までの債務負担をお願いするものです。
 あとは過年度の議決にかかわる分で、368ページの4行目、平成27年度療育園電子カルテ整備委託から、371ページの5行目の29年度総合療育センター経皮ガスモニタ保守業務委託までが、当課の関係ですので、よろしくお願いします。
 条例関係、447ページをお願いします。鳥取県児童福祉施設に関する条例の一部改正です。
 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準について、国の省令が改正されたことに伴い、県の条例を改正しようとするものです。
 改正の具体的な内容は、2の(1)に書いておりますが、福祉型の入所施設や児童発達センターについて、全てではなく看護師配置が必須の事業もあるのですけれども、これまで看護師となっていましたが、保健師、助産師、看護師または准看護師に拡大するということで、国の基準に合わせて県の条例も改正を行おうというものです。
 458ページ、鳥取県障害児通所支援事業及び障害児入所施設に関する条例の一部改正です。
 児童福祉法が一部改正されまして、新たに障害児通所支援事業として、居宅訪問型児童発達支援という新しい事業が創設されたこととあわせて、省令のほうが幾らか改正されておりますので、それに伴い県の条例も改正するものです。
 具体的な内容は、居宅訪問型児童発達支援という新しいサービスができましたので、これにかかわる人員、設備、運営等の基準を条例のほうで定めております。
 この居宅訪問型児童発達支援というのは、今まで障がい児のサービスは、基本的に通所や通園という形だったのですが、やはり通園できないお子さん、重度の障がいがあるお子さんもいらっしゃるということで、通園していただくのではなく、事業所の訪問支援員が直接自宅に訪問して、そちらで支援を行うということで、今回、新しく創設されたものです。
 あわせて、概要の(2)として、児童発達支援の事業において指導員を配置することになっていたのですけれども、これを指導員ではなくて児童指導員に改めるとともに、障害福祉サービス経験者を加えるということです。こちらのほうには、29の4月に条例を改正して、放課後等デイサービス事業については、今、職員の配置についてはこういう形に変えているのですけれども、児童発達支援事業についても、同じ職員配置に改正を行うものです。
 (3)については、先ほどの看護師の分を拡充するということで、こちらの条例のほうも改正を行う予定です。
 施行期日は、いずれも30年4月1日を予定をしております。

◎銀杏委員長
 これまでの説明につきまして、質疑等ございませんでしょうか。

○市谷委員
 子ども発達支援課で、216ページの重度障がい児者医療型ショートステイですが、29年度の分から空床保障がなくなったということで、肢体不自由児の親の会の方からもなくなったのですということを言われたのですけれども、その影響はどう見ておられるのかなと。
 あと、ヘルパーさんなどがなかなか得られないということで、利用がすごく減っているということですが、減りぐあいがどういう数字になっているかというのを、ちょっと紹介いただきたい。また、平成30年度からは一応5つの医療機関が受けてくださるということですが、どこになるのかを教えてください。
 222ページの皆成学園なのですけれども、ちょっと前にかちみ園のことで言ったのですが、ここは児童の施設なのですけれども、その後の行き場所がなかなかないということです。かちみ園が受入の場所になっていたりして、今でも年齢を18歳で終わりではなく、拡大しているかもしれないのですけれども、よその県に行かないといけないということがないように、皆成学園での受入の年齢をもう少し拡大するということもあるのではないかと思います。ここの退所後の対応がどうなっているのか、教えていただけたらと思います。

●高田子ども発達支援課長
 まず空床の影響のほうですが、実際に、西部のほうでこれまでずっと事業を受けていただいていた山陰労災病院さんが、今年はいろいろ事情があって事業が継続できないということがありましたので、確かに全体的には利用者の数は減ってはいるのですが、空床の利用だったのかどうかというところは、まだ詳しく分析はできておりません。しかし、確かに利用者の数が減ってきているのは事実ですし、やはり、今の制度がいいのかどうかもひっくるめて、少し考えていきたいと思っております。
 5つの医療機関ですが、1つはまだ想定中のところがあるので、それ以外のところでは、東部は県立中央病院で、もうずっと継続でしていただいています。中部は三朝温泉病院で、これもずっと継続でしていただいております。中部はもう一つ、藤井政雄記念病院が、今年度指定をとられています。西部は博愛病院で、今、実際動いているのは4つの医療機関になります。
 皆成学園のほうですが、一応、法律上は障害児の入所施設になっておりますので、入所できるのは18歳までとなっております。ただ、例外的に行く場所がないなどで、最大20歳までは継続して利用することができますが、そこから先はさすがに法律上ないので、そこまでに次の移行先を、という形になると思います。今、皆成学園のほうも、確かに非常に重度のお子さんがふえてきていまして、なかなか移行先が見つからないというケースも確かに出てきてはいるのですが、一応、その辺りを見込んで、かなり高等部の早い段階などから、移行先をにらんだような支援にも取り組んでおります。また、いろいろ関係先の相談支援事業者ですとか、該当の市町村とか学校も含めて、移行支援会議なども行っておりますので、今後、なるべくスムーズに移行ができるような支援に取り組んでいきたいと思っております。

○市谷委員
 早目に移行先の検討をということですが、県外に行かないといけないことにならないように、ぜひしていただきたいし、国のお金が出ないかもしれないですけれども、引き続きいられるようなことも考える必要があるのではないかと、私は思っているということです。
 次に、青少年・家庭課です。201ページのひとり親家庭の自立支援で、就業関係の支援ですが、結婚していなくてシングルマザーという方も、みなし寡婦の関係で、支援の対象にできると聞いたのですけれども、その辺りを確認をさせてください。今回、国の関係でいくと、今まで受けれなかった人たちも対象になると聞いているので、その確認をさせてください。
 185ページの社会的養護等自立支援事業と、186ページの児童養護施設の退所者支援と、189ページの児童養護施設の入所者の自立支援ということで、この3つの兼ね合いです。児童養護施設に入っているときに、大学などに進学するときに支度金が189ページの事業で出て、186ページの事業で実際に出たときの家賃や生活費が出て、さらに185ページの事業では、施設から出られなかった場合に引き続き大学進学や生活費を見てもらえると。入所しているときの支度金、施設から出た場合の家賃とか生活費、さらに出られなかった場合も、185ページのところで相当の支援をするという考え方でいいのかどうか、その確認をさせてください。

●小谷青少年・家庭課長
 今、御質問のありました、189ページ、186ページ、185ページとの関係ですけれども、まず、189ページです。就職するためには自動車の運転免許も必要だろうとか、進学するためには支度金が必要だろうということで、児童養護施設に入所している児童が、それぞれ必要なときに支援するもので、委員がおっしゃるように、まず出発点はこれかなと思います。
 186ページは、支援資金の貸付であるものですから、基本的には県社協の各種貸し付けと同じように、それぞれ要件に当たるときに、例えば(1)の就職等の貸付で、お金が必要だということで、一県内だと大体月額3万4,000円から3万6,000円ぐらいの家賃を2年間貸し付けるとか、あるいは(3)の資格取得で、それぞれ25万円を上限に貸し付けるなどです。先ほどの189ページのは助成ですので、そのまま施設に渡し切りで、例えば自動車学校に行けば、そのままその分で免許を取得するという形になろうかと思います。
 185ページのものは、それぞれ要件があります。まずは措置延長に係る使途ですので、先ほどのものは18歳までの年限までが対象になりますが、こちらは措置延長されている者で、自立援助ホームに入っている者については、大学の入学だけが対象となっておりまして、それを22まで生活費を措置する、つまり支給するものです。措置解除後につきましては、本来であれば20歳に延長しても解除するのですが、例えば自立するためにアパートを借りたりなど生活費が必要だと、それが自立につながっていくのだというものについて、最大で22歳まで、これもその費用を措置といいますか、支給するものです。これは貸し付けではなくて、そのまま渡し切りでやるものです。それぞれ使う場面が少し違うのではないか、というのは、年齢的な面と、貸付なのか支給なのかによって、ちょっと違うのではないかと思います。
 ひとり親の関係ですけれども、ひとり親というのは、ひとり親という事実でありますから、先ほどおっしゃられたような未婚の方であっても、結婚後、離婚されたり死別された形であっても、ひとり親には変わりありませんので、この各種ひとり親の事業は関係なく使えると思っております。また、そういう運用がなされていると思っています。

○市谷委員
 ひとり親の分はわかりました。社会的養護の関係ですが、退所してしまった場合は、あくまで貸付で、そのまま就職したら返さなくていいということです。一方で、渡し切りというのがあって、これはこれでいいのですが、こっちは返さなくてはいけないというふうにはせず、同じように助成というか、支援にしたら、横並びにそろっていいのにな、と思ったのです。ただ、こちらの自立援助ホームは居場所があるのですけれども、同じようにしたらいいのになと思いました。ぜひ検討していただきたいと思います。
 169ページの妊娠のSOSの相談体制なのですけれども、公的なところよりは民間のほうが相談しやすいという声もあるので、これはこれなのですが、なかなか民間さんがやるのに体制が大変なのかなと思いますので、よく検証する必要があるかなと。専門職の人も置いたりして、運営が大変かなと思いますが、その辺り、何か声が出ていないかなと心配しております。
 170ページのおうちで子育てサポート事業ですが、境港市はやるということですが、他の3市がなぜやらないのかなということと、給付金の場合はネウボラ事業など、支援に取り組むことと一体にということなのですが、どんな支援がされているか把握していないと聞いているのですけれども、そうなのかどうか教えてください。
 144ページ、子育て応援市町村交付金ですが、説明がなかったのですけれども、昨年度から、県が指定する継続事業を廃止ということなのですけれども、なぜそういうふうにしたのか、変更した点について説明をしていただけたらと思います。

●木本子育て王国推進局長兼子育て応援課長
 妊娠SOSの関係です。169ページです。
 基本的には電話相談やメール相談を想定しているのですが、場合によっては面談や同行支援なども想定しておりまして、事務的経費のところに書いておりますけれども、相談窓口の開設場所の使用料なども含めております。ただ、金額的に見ていただくとさほどではない金額と見られるかなと思います。
 委員御指摘のとおり、一から新しい場所を開設して、一から相談員さんを置いてというような体制だと、多分難しいかなとは思います。ただ、既に事務所機能を持っておられるような、例えばお名前を出して申しわけないですが、看護協会さんなど、既に拠点を持っていて、スタッフもある程度配置されている中で対応していただく分には可能かなと思っております。ですので、この場所代などもフルで設置ということではなく、通常業務をやられる傍らのような形を想定して割落としをかけております。どの程度の相談が入ってくるかということにもよろうかと思います。例えば、必ず、毎日毎日、妊娠SOSを求める相談が入ってくるというのは、少なくとも当初は余りないかなと思いますので、数がふえてきて、周知がしっかりできて数がふえてくれば、この辺りの金額についても見直しをかけるというようなことかなと思います。
 170ページで、おうちで子育てサポート事業につきまして、3市がなぜやらないかというところです。鳥取市と倉吉市につきましては、市長選挙を目前に控えており、今年度当初予算は骨格予算ということで、そもそも、そういう政策的なものは取り組めないということです。それから、米子市さんにつきましては、現在、待機児童が発生をしている中で、例えば現金給付については、子どもさんの数が多いものですから、なかなか難しいかなということはお伺いしています。可能であれば一時預かりやファミリーサポートセンターなどの利用料軽減というようなところや、おむつなどの物を想定しておられるのですけれども、例えば一時預かりなどは、そもそもサービス量が足りていない状況があります。おうちで子育てサポートの取組をする前に、まずは一時保育の充実を優先をしたいとお話を聞いているところです。
 144ページの市町村交付金にですが、県が指定する継続事業を廃止したということです。県から、この事業については県のほうもぜひ推奨したいので、この事業は継続して対象にするという事業を幾つか指定しておりました。そういう制限を撤廃をしまして、新規や拡充など、前向きに市町村が工夫をして取り組んでいただく事業については対象にしましょうということで、見直しをかけさせていただいたところです。
 この県の指定する継続事業を対象とするということは、もともと今年度までの臨時的な措置と想定しておりました。そのこともありまして、今回、見直しをかけて、対象事業を原則新規、または拡充事業にさせていただいたところです。

○浜田(妙)委員
 保育士養成なのですが、倉吉の保育専門学校がなくなって、鳥取短期大学さんが枠を広げる形で支援するように強化されたと私は見ています。このスキルアップ事業は、どのように位置づけられているのかわからないのですが、保育士さんやそれに準ずる人たちを対象に、鳥短で補講みたいな講義があるようですね。さっき科目がずっと並んでいましたけれども、それを受けられて、すばらしくよかったようです。すごく力をつけられて、ああいう形で単位制にして行けるときに授業を受けて、最終的には資格試験を受けられるような形にならないだろうかと。学生でそれを目指していらっしゃる方は、もちろんそれでいいのですけれども、そうではない方々で改めて保育士資格を取りたいと。それから、補助のような形で保育園に入っておられる方で、一念発起して、働きながらでもよりスキルアップして単位を取っていって勉強して、保育士の資格を取りたいという方がいらっしゃるのだそうです。保育士が足りない状況の中で、そういう人たちへの道を開くという道があるのならば、現場にいらっしゃる方なのでモチベーションは非常に高いですから、身につまされて自分が取ろうという意欲をお持ちです。けれども、どういう道を選んだらいいのか見つからなくて、鳥取県で考えてもらえないだろうかという話がありましたので、また御検討ください。鳥短と連携する形でもし道が開けるようであれば、社会人入学ではないのですけれども、私の経験から言えば、やる気のレベルはもう全然違いますので。社会経験をして現場を見ていて、何が必要かという上で自分が資格を取りたいと思われる、その皆さん方の力というのは物すごく大きいのですが、そんなふうにわざわざ言ってこられました。ぜひ御検討いただきたいなと思いますので、関連して言わせていただきます。鳥短のいろんな活用の仕方がここに書いてありますので、それを総合的にまとめるような形で、何か道が探れるかなと思ったものですから、お願いしておきます。

●木本子育て王国推進局長兼子育て応援課長
 鳥取短期大学との協定の関係では、平成31年度に向けて、新しい協定を結び直すと、期間を延長したいと考えております。今回、修学資金と教員の充実への支援を出しており、今の協定の中にも保育士の研修の部分は軽く書いてあるのですが、協定の内容を見直すのに当たって、鳥取短期大学さんのほうもリカレント教育や、委員が今御指摘をいただきましたように、保育現場に、資格はないが研修をしっかり受けて現場で働かれる方への研修もお願いをしております。さらに、ブランクがあるのでスキルアップということもあると思いますし、保育士試験に向けての動きや、単位を少しずつ積み上げるというようなこともあろうかと思います。鳥取短期大学さんと、その辺りを話して、可能であれば、新しい協定の中で、そういう点の充実も入れていけたらいいのかなと思っているところです。

○川部委員
 先ほど市谷委員が質問されたSOS相談対策について、人件費の算定がちょっと気になっていたので教えてください。
 開設日数が週5日以上で1日10時間程度窓口を開設することとあり、大変な業務と思います。常にあるわけではないとはいえ、これだけ開けておかなくてはならないということで、想定されている委託先はあるようなことは言われたのですけれども、例えば県が直営でやったときに、この金額で人件費は出ないでしょう。民間に出すと安く見るのでしょうか。その辺りの人件費の算定の方法を教えていただけないでしょうか。

●木本子育て王国推進局長兼子育て応援課長
 少し細かい話になって大変恐縮ですけれども、予算の算定上、人件費単価は月額33万円で算定しております。それを2人で10時間見ていただくということで、33万円掛ける8分の5を掛けております。それに、先ほどの話で、ずっと電話の前に座っていただくことは想定しておりませんので、通常業務の傍らしていただくということを考えて、3分の1を掛けているというところです。

○川部委員
 一応基準があるということですよね。わかりました。
 220ページの中部療育園です。直接の質問になるかどうかわからないのですが、あそこは保育専門学校がなくなって、看護学校だけが残っていて、療育園が裏のほうにあるような感じですが、あそこの施設を使うことは検討されなかったのでしょうか。
 それと、なくなった後は、どういう利用になっているのですか。看護学校も今、そんなに生徒がいるのかなと。ちょっと教えてほしいのですが。

●高田子ども発達支援課長
 倉吉看護学校が隣にあって、保専がなくなったのですが、確認した限りでは、保専の部分は倉吉看護学校のほうで使われているということで、療育園が入るような空きスペースはないと聞いております。
 実際、今の中部療育園が河北中のほうに移転した後の利用については、まだ具体的にどういう形と決めておりません。また今後、県の中で何か有効活用ができるようにということで、これから考えていきたいと思います。

◎銀杏委員長
 よろしいですか。そのほかございますか。
 ないようですので、次に、2月補正予算の説明を求めます。質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきます。
 関係課長から順次説明を求めます。

●木本子育て王国推進局長兼子育て応援課長
 2月補正資料の18ページからが子育て応援課の事業になります。
 子育て応援課の事業につきましては、基本的には市町村等からの申請の増減が変更理由ですが、主なものを御説明したいと思います。
 18ページの上から3つ目、幼児教育の質の向上のための緊急環境整備事業です。国の認証減に伴い、一部事業実施自体をやめられたところもあって、かなり大きな減額になっております。 18ページの下、私立幼稚園運営費補助金(処遇改善加算)については、平成29年度から処遇改善のため、園が直接人件費の改善を行われた場合に支援をする制度を導入したのですが、制度初年度でもあり、見込みよりも処遇改善に取り組まれた園が少なかったことに伴う減です。
 20ページです。施設型給付費県負担金、下のほうが地域型保育給付費県負担金です。
 この2つは、保育所等の運営費に係るものですが、公定価格の改定ということで29年度人勧分1.1%の給与アップ、入所児童数の増、それから前年度の不足分を精算するための追加交付がありましたので、増額補正をお願いをするものです。
 21ページの一番上、低年齢時受入施設保育士等特別配置事業については、対象事業の増に伴うものと、正職員単価を設けておりますが、この活用園が当初想定よりも多かったこともありまして、増額しております。
 その下、保育サービス多様化促進事業ですが、先ほども少し御説明しましたが、米子市さんが来年度も活用しようとしている国の医療的ケア児の保育支援事業がありますが、こちらの申請をされなかったことによる減が大きなところです。
 22ページをお願いします。子ども・子育て支援交付金事業です。
 この中にはいろいろなメニューが入っておりますが、放課後児童クラブの関係が大きく伸びております。クラブ数の増、児童数の増、それから平成29年度に放課後児童クラブに関しても、処遇改善加算が用意されておりますが、こちらの活用園の増などによりまして、事業費が増加したものです。
 23ページです。一番上の放課後児童クラブ設置促進事業ですが、こちらは単県の放課後児童クラブです。ハード整備に係るものが減少したのと、運営費については、国のほうの制度に新たに長期休暇加算の中で使えるメニューが増えたことで、国の制度を活用されたことに伴い、単県分が減額になったというところです。
 23ページの一番下の保育士等キャリアアップ研修実施事業ですが、補正で予算化をしておりますけれども、先ほど御説明したキャリアアップ研修はフルセットで8科目あるのですが、補正予算としては8科目全てできる予算をいただきました。ただ、公募をかけた結果、年度内に8科目全てを実施できる講師さんが確保できないと、そういう事業者がなかったということで、科目数を4科目に減らして公募をかけ直しております。この関係で減額になっているものです。
 25ページのおうちで子育てサポート事業については、先ほどと同様、4市が実施できる予算を確保しておりましたが、実際には取り組まれなかったことに伴う減額です。
 25ページの一番下の小児慢性特定疾病児童等自立支援事業については、鳥取大学さんに相談員を置いての相談業務の委託をお願いしておりましたが、実際に相談員の確保ができたのが少しずれたということに伴い、減額となったものです。

●小谷青少年・家庭課長
 26ページから青少年・家庭課の補正の事業です。
 減額の大きなもの、それから増額のものに絞って御説明したいと思います。
 27ページの真ん中です。福祉相談センター空調設備更新事業については、完了に伴う執行減、契約の執行減に基づく減額補正です。
 その下のステップハウス運営事業については、運営費の所要額が利用者の減に伴って下回ったことによる減額です。
 28ページです。下の2つの婦人相談所費と婦人相談所一時保護所費ですが、それぞれの相談等の利用実績が下回ったものです。また、当初のほうで御説明しましたけれども、婦人相談所が行う一時保護委託等の件数と、婦人相談所には一時保護所が1階に3部屋ありますが、そこの利用が当初の見込みよりも少なかったことにより、大幅な減額となっております。
 29ページは児童措置費です。これも当初のほうで御説明しましたが、毎年の増の要素が、基本的には(3)の単価改定に伴うものと、職員の処遇改善や待遇加算の分があります。このたび、(1)で社会的養護処遇改善加算の新設に伴うものと、民間施設給与等改善費に伴うものと、単価改正に伴うものが、それぞれありました。これを適切に計算して、1億200万円余の増額補正をお願いするものです。
 30ページです。下の喜多原学園管理運営費は、当初の見込みよりも入所児童が少なかった関係で減額となって、570万円余の減額となっているものです。

●高田子ども発達支援課長
 31ページからになりますけれども、主なものについて説明します。
 32ページをお願いします。障がい児福祉事務費です。今現在、入所児童の受給者データ等の管理を行うため、この管理システムを導入しております。30年4月からの児童福祉法の改正等に伴い、審査事務の見直しや、30年度の報酬改定に対応するためにシステム改修を行うもので、増額補正をお願いするものです。
 その下の重度障がい児者医療型ショートステイ整備等事業です。先ほど少し説明しましたが、西部の山陰労災病院さんが事業から撤退されたこともありまして、利用件数が当初の見込みを下回った関係で、減額補正をお願いするものです。
 33ページの下のほう、障がい児入所給付費です。障がい児の通所支援事業や、入所の給付部分にかかわる県の負担金です。特に障がい児の通所給付のほうがかなりふえておりますが、放課後等デイサービスの事業が利用者がかなりふえているということで、特に市部と聞いておりますが、その関係で給付費がふえております。反対に、入所給付費については、入所児童が減少傾向にありますので、その分負担のほうは減ってきている状況です。
 34ページ、総合療育センター費です。管理運営費ですが、委託料の実績減や、予定していた診療援助の医師や歯科医師の実績が減少したことに伴い、大幅な減額補正をお願いします。
 一つ下の、同じく総合療育センターの研修医等受入事業です。
 先ほど、当初予算でも説明しましたが、研修医の受入に係る人件費等ですけれども、29年度予算では2人を予定しておりましたが、実績として1人の受入になりましたので、その分、報酬や共済費の減額になっております。

◎銀杏委員長
 今までの説明につきまして、質疑等ございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 ないようです。
 次に、その他でありますけれども、子育て王国推進局に関して、執行部、委員の方で何かございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 意見がないようですので、子育て王国推進局につきましては、以上で終わります。
 以上で福祉保健部の予備調査は全て終了いたしました。来週26日、月曜日、生活環境部の予備調査は午前10時に再開します。
 委員の皆様におかれましては、1点相談がありますので、この後お残りください。
 本日はこれをもって散会します。


午後5時54分 散会


 
 

 

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