平成30年度福祉生活病院常任委員会議事録

平成30年9月19日会議録(確定版)

出席者
(9名)
委員長
副委員長
委員

銀杏 泰利
中島 規夫
福浜 隆宏
市谷 知子
浜田 一哉
川部 洋 
浜田 妙子
稲田 寿久
内田 博長 
 

欠席者
(なし)


説明のため出席した者
  藤井福祉保健部長兼健康医療局長、酒嶋生活環境部長、中林病院事業管理者、
  ほか各次長、局長、課長、関係職員

職務のため出席した事務局職員
  安養寺課長補佐、片山係長、池原係長 
 



1 開  会   午前9時59分

2 休  憩   午後0時09分、午後2時23分

3 再  開   午後1時11分、午後2時34分

4  閉  会   午後4時11分

5 司  会   銀杏委員長

6 会議録署名委員  川部委員、市谷委員

7 付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり

会議の概要

午前9時59分 開会

◎銀杏委員長
 それでは、ただいまから福祉生活病院常任委員会を開会いたします。
 なお、今回の常任委員会は、最初に福祉保健部及び病院局、次に生活環境部と2つに分けて入れかえ制で進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 本日の会議録署名委員は、川部委員と市谷委員にお願いいたします。
 それでは、ただいまから付議案の予備調査を行います。
 執行部の説明は、要領よく簡潔にマイクに向かってお願いをいたします。
 また、報告第6号、長期継続契約の締結状況については、お手元に配付の資料のとおりであり、特に説明は要しないこととします。
 質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきます。
 まず、藤井福祉保健部長に総括説明を求めます。

●藤井福祉保健部長
 それでは、福祉保健部関係ですが、平成30年7月12日専決分と今回、平成30年9月補正予算等関係について御説明いたします。
 まず、平成30年7月12日専決分のほうをごらんいただけたらと思います。予算の内容は2ページに上げておりますが、7月5日からの記録的な大雨にかかわる被災者の救助等を行うため、避難所の設置、運営など早急に対応する必要のある経費につきまして1,500万円余の予算をお願いしております。
 続きまして、平成30年度9月補正予算関係のほうの資料をごらんいただけたらと思います。
 今回、一般会計補正予算のほか、財産処分に伴います議案2件、公の施設の指定管理の指定に関する議案2件を提案しておりますほか、報告事項を上げております。
 1ページをごらんいただけたらと思いますが、予算関係についてですが、今回6億9,700万円余の補正をお願いしておりまして、補正後は547億1,000万円余ということになっております。
 補正をお願いしている主な事業を下段のほうに上げておりますが、鳥取県障がい者による文化芸術活動推進事業、福祉相談センター屋外遊戯場移転整備事業、受動喫煙防止対策推進事業等につきましては、新たに今回取り組む事業としております。そのほか、それぞれの事業につきましては関係担当課長から御説明いたしますので、よろしくお願い申し上げます。

◎銀杏委員長
 続いて、関係課長から順次説明を求めます。
 小林福祉保健課長の説明を求めます。

●小林福祉保健課長
 説明の前に、申しわけありません。訂正すべき箇所が2カ所ございまして、最初に訂正させていただきます。
 1点目ですけれども、平成30年7月12日の専決処分の資料の1ページです。左肩に議案第1号とありますが、議案第26号の誤りです。大変申しわけありません。
 続きまして、別冊子の平成30年度9月予算関係等です。こちらのほうも1ページです。左肩に議案第1号とありますが、議案第2号の誤りです。大変申しわけございませんでした。
 それでは、説明させていただきます。
 最初に、平成30年7月12日専決分をお願いいたします。
 この資料の2ページをお願いいたします。3の災害救助法の適用の状況を見ていただきたいのですが、7月5日からの豪雨によりまして、鳥取市を初めとして10市町につきましては豪雨により多数の者が生命または身体に危害を受けるおそれがある、それが継続するおそれがあるということで、災害救助法を7月6日に適用いたしました。この適用によりまして、2のところですけれども、避難所の設置に係る経費や炊き出し等の食品給与、それから対象の市町村の時間外勤務手当、人件費につきまして措置したものです。
 続きまして、平成30年度9月補正予算関係です。
 ページを飛びまして41ページをお願いいたします。公の施設の指定管理者の指定です。施設につきましては、鳥取県立福祉人材研修センターでありまして、平成31年4月1日から5年間、指名指定という形で鳥取県社会福祉協議会のほうに指定管理をお願いするものです。
 42ページと43ページをお願いいたします。鳥取県社会福祉協議会のほうに指定管理者ということでお願いするに当たりまして、福祉保健部で審査会を設けました。審査会につきましては、5の(1)のところですけれども、5名の審査員により、(3)の審査基準に基づいて審査していただきまして、適当であると判断していただいたものですので、あわせて申し上げます。
 続きまして、最後の50ページをお願いいたします。交通事故の損害賠償に係る和解及び損害賠償の額の決定について専決処分いたしましたので、報告させていただきます。
 事故の概要ですが、2の(3)をごらんください。平成29年8月28日に鳥取市の伏野地区におきまして、当時の東部の福祉保健事務所の職員がリースの公用車を運転しておりました。駐車場のほうからこの公用車を運転して、左側に道路に出ようとしたときに、右側から来る乗用車と衝突したといったところです。
 2の(2)、和解の要旨です。県側の過失割合を9割といたしまして、県は損害賠償金19万958円を相手方、甲に支払うということと、それから26万7,390円につきましては、車がリース契約車ということですが、これを修理した場合には約46万円以上かかるということで、リース契約を解約したほうが安いということで、この26万7,390円はリース解除の違約金です。こちらをリース会社に支払うといったところです。
 このたびは、県の職員が交通事故を起こした上に、県に損害を与えてしまって大変申しわけございませんでした。

◎銀杏委員長
 谷障がい福祉課長の説明を求めます。

●谷障がい福祉課長
 私のほうから3件御説明いたします。
 平成30年度9月補正予算等関係のほうの冊子をごらんください。まず、補正予算関係ですけれども、2ページ目をごらんください。鳥取県障がい者による文化芸術活動推進事業として、補正予算として約420万円という形で考えております。
 事業の内容です。下に記載がございますが、まず1、事業の目的・概要ということですけれども、本年の6月に障害者による文化芸術活動の推進に関する法律が公布、施行されております。この法律に基づきまして、本県におきましては、国に先がけて障がい者による文化芸術活動推進計画を策定することにしておりますけれども、その計画の取組を強力に推進することを目的といたしまして、障がい者の方々の文化芸術活動の拠点を整備するとともに、アート関係の補助金の拡充や芸術作品の評価、販売等の人材育成を図るという形で考えております。
 2の主な事業内容ですけれども、大きく2つの柱がございます。まず1つ目は、障がい者の文化芸術活動拠点の設置ということでありまして、今現在、情報発信拠点としてある、あいサポート・アートインフォメーションセンターを改組しまして、新たに障がい者の文化芸術活動の拠点として位置づけることを考えております。
 もう一つの柱、2つ目ですけれども、県の計画実行に係る取組ということでまた2つあります。1つ目、アですが、鳥取県障がい者アート活動支援事業補助金の拡充という形で考えております。この補助金は、既存メニューにありますけれども、こちらの補助団体を拡大するとともに、それにあわせまして補助メニューを追加するということです。
 具体的には、下の丸が2つありますけれども、1つ目、共生社会の実現に向けた交流促進事業というものと、2つ目ですが、鑑賞機会の拡大をするという2つの事業で考えております。また、イ、人材育成ということで、先進的な取組をされている社会福祉法人等に文化活動の拠点のスタッフを派遣するなどして人材育成を図りたいと考えております。
 冒頭に説明しました県の計画の概要を簡単に書いておりますけれども、後ほどまた報告事項のほうで詳しく御説明したいと思います。
 続きまして、34ページをごらんください。財産処分に関することですけれども、鹿野かちみ園及び鹿野第二かちみ園についてです。こちらは、県立の社会福祉施設の見直しに伴いまして、両施設を平成31年3月31日限りで廃止し、民営化をするという形でございまして、その土地及び建物の処分をするという内容です。
 概要、財産の内容については、土地、建物、下に記載しているとおりです。相手方につきましては、社会福祉法人鳥取県厚生事業団という形になっております。処分予定価格は、こちらにございますとおり、土地、建物合わせまして4億8,700万円という形です。
 次の35ページですけれども、こちらの譲渡に当たりまして県のほうで審査を実施いたしました。その内容を簡単に概要として記載しております。対象の法人ですけれども、先ほど申し上げましたとおり、社会福祉法人鳥取県厚生事業団です。
 県としての評価につきましては、2に書いておりますけれども、37ページにあります有識者からの御意見も聴取しまして、それも参考に県のほうで評価したということです。審査項目につきましては、35ページから表形式で書いておりますけれども、審査項目1から7までですが、管理運営方針や適切な利用者の処遇、36ページになりますが、適切な職員の確保及び人材の育成、また、財政基盤、監査指摘、社会的責任の遂行状況、購入希望金額という形です。法人から出された事業計画書の内容や、先ほど申し上げました有識者からの意見も参考にしまして、36ページの一番下に審査結果として書いておりますけれども、譲渡先としての適格性があると認められると、県として考えているという形です。
 最後、48ページの報告事項になりますけれども、鳥取県特別医療費助成条例の一部改正です。こちらの内容は、49ページに書いておりますが、もともと引用している健康保険法施行令が改正されたことに伴う、いわゆる条づれというものです。

◎銀杏委員長
 長岡長寿社会課長の説明を求めます。

●長岡長寿社会課長
 資料の3ページをごらんいただきたいと思います。鳥取県地域医療介護総合確保基金の施設整備補助金です。今回の施設整備に当たりまして、医療施設の介護療養病床を介護医療院に転換するものです。
 具体的な内容は2に書いておりますが、(1)のほうは、介護施設の開設準備経費等で、備品等の整備の経費です。また(2)のほうは、施設の改修経費です。介護医療院に見合った施設の改修を行う経費です。開設準備として2,900万円余、また、改修経費として1億4,000万円余ということで、合わせまして1億7,000万円弱ということで要求するものです。
 続きまして、4ページをごらんいただきたいと思います。介護の職員の資質・職場環境向上事業です。今回お願いしたいのが、介護ロボットの導入支援経費です。もともと予算を組んでいたのですけれども、当初予算の要求時には限度額10万円ということだったのですが、国の要綱が改正されて限度額が30万円になりましたので、その改正に見合った補正をお願いしたいということが1点。もう一つは、介護人材が非常に厳しい状況ですので、介護センサーや見守り介護ロボットの導入を支援したいということで、今回400万円の予算をお願いするものです。
 次に、38ページをごらんいただきたいと思います。財産の処分です。先ほどかちみ園の報告があったのと同じように、皆生尚寿苑につきましても、県立社会福祉施設の見直しに伴いまして31年3月31日をもって民営化するということです。財産の内容は、記載のとおりです。相手方は、社会福祉法人真誠会です。処分予定価格は1億9,800万円余となっております。
 具体的な審査ですけれども、39ページ以降に書いております。項目は、1の管理運営方針から6の社会的責任の遂行状況まで、それぞれに従って申請書に沿って審査いたしました。全ての項目について適格性ありという判断です。
 また、40ページのほうで、有識者からも御意見を頂戴しておりまして、全ての有識者の方が全ての項目について適格性があると判断いただいたところです。

◎銀杏委員長
 稲村子育て応援課長の説明を求めます。

●稲村子育て応援課長
 44ページをお願いいたします。鳥取県立鳥取砂丘こどもの国に係る指定管理者の指定についてです。
 当該議案は、鳥取砂丘こどもの国の指定管理者として、一般財団法人鳥取県観光事業団を平成31年4月から平成36年3月末までの5年間の指定管理者に指定する議案です。こどもの国の指定管理につきまして、45ページから47ページに審査会の審査概要をつけておりますが、6月18日から募集を開始しまして、締め切りまでに2社の応募があり、8月9日に応募者によるプレゼンテーションを含めた審査会を行いました。45ページにつけておりますが、審査会の5名の委員の審査によりまして両社の提案を審査した結果、鳥取県観光事業団の提案のほうが優秀ということで、指定管理候補者として一般財団法人鳥取県観光事業団に決定したところです。
 審査会の詳細は、45ページ以降につけておりますので、省略させていただきます。

◎銀杏委員長
 小谷青少年・家庭課長の説明を求めます。

●小谷青少年・家庭課長
 5ページをお願いいたします。新規事業で児童養護施設等におけるICT化推進事業です。児童養護施設等が業務の軽減のために、現場に対応したシステム導入を図る経費について助成することを考えているものです。ICT、インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジーの略ですが、情報処理や通信に関する技術を活用し、例えばシステムを導入して、紙ベースの入所者の情報を共有化することによってシステムの軽減を図るというようなことを想定しております。2の主な事業内容のところにありますが、児童養護施設、乳児院等の施設がこういった事業を行う場合に、補助率として国2分の1、県2分の1、ただし、上限額を100万円として助成するものです。今回5施設相当を予算として計上したいと思っております。
 もう一つ、33ページをお願いいたします。債務負担に関する調書です。米子児童相談所の給食業務委託ですが、31年度から33年度の3カ年にわたりまして2,600万円余の債務負担を予定しておりますので、調書として掲げております。

◎銀杏委員長
 高田子ども発達支援課長の説明を求めます。

●高田子ども発達支援課長
 6ページをお願いいたします。福祉相談センター屋外遊戯場移転整備事業です。新規事業として550万円余の補正をお願いするものです。
 屋外遊戯場につきましては、虐待等で一時保護された児童が思い切り体を動かしたり、心の安定を図るために必要な施設でありますが、現在、鳥取市の江津にあるこの屋外遊戯場につきましては、一応フェンスでは囲ってありますけれども、近隣住民や近隣施設の利用者など、第三者の目にさらされているような状態にあります。また、設置してある遊具の多くが老朽化しておりまして、現在、使用できない状況になっていることから、このたび周囲からの視界を遮断できる福祉相談センターの敷地内に移転させることとして、そのための測量設計委託に係る予算をお願いするものです。
 なお、移転整備後の跡地につきましては、現在、別途、日本財団との共同プロジェクトにおきまして、難病の子どもと家族の地域生活支援というテーマで取組を行っておりますけれども、この中で圏域ごとに地域生活を支える拠点施設を整備することにしておりまして、当該跡地は東部圏域の拠点施設を建設予定ということで、鳥取県看護協会に有償貸し付けを行うよう考えているところです。
 続きまして、33ページをお願いいたします。下のほうの段ですけれども、総合療育センターの院内保育所運営業務委託に係る債務負担です。総合療育センターにおきましては、平成21年10月から院内保育所を設置し、子育て中の職員の仕事と育児の両立を支援しているところですが、このたび平成31年度から33年度までの業務委託に係る債務負担をお願いするものです。

◎銀杏委員長
 植木健康政策課長の説明を求めます。

●植木健康政策課長
 それでは、資料の7ページをお願いいたします。受動喫煙防止対策推進事業です。
 事業の目的・概要ですが、7月25日に公布されました健康増進法の一部改正による望まない受動喫煙を防止する対策を強化するために、2020年4月の全面施行に向けまして多数の者が利用する施設の管理者は、その施設の種類ごとに一定の受動喫煙防止対策を義務づけられたところです。このことに伴いまして、施設管理者など関係者への周知や県民への普及啓発、また、施設の禁煙化に係る経費の一部助成を行うものです。
 主な事業内容は、2に上げておりますけれども、2つの柱がございまして、まず(1)は、施設管理者や県民への周知、普及啓発に係る経費です。こちらについては、施設管理者など関係者には受動喫煙に関する研修を含む制度説明会の開催を予定しておりますし、また、県民への周知につきましては、新聞、情報誌への掲載を予定しているところです。
 また、(2)ですが、既存の飲食店に対する受動喫煙防止対策の助成についてです。こちらの対象になるのは、イに上げている改正法における既存特定飲食提供施設、具体的には、資本金または出資の総額が5,000万円以下かつ客席面積が100平方メートル以下の飲食店です。該当する飲食店につきましては、法の全面施行後も経過措置によりまして一定期間は標識の掲示によって施設内での喫煙が可能とされているところです。経過措置の期間が現在のところ明らかではありませんので、この法の改正を契機としまして、望まない受動喫煙の防止を推進するために施設の全面禁煙化を行う場合、その取組の一助となるように施設の改装経費、具体的には、壁紙の張りかえやカーテンの交換、喫煙室の撤去などの費用の一部を助成したいと考えております。こちらは、補助率は事業費の3分の2、上限10万円としております。
 なお、参考に上げておりますけれども、これらの飲食店を含む中小企業が喫煙室を設置するための経費助成につきましては、既に国の助成金の制度がありますので、この既存の制度活用についてもあわせて周知していきたいと考えております。

◎銀杏委員長
 萬井医療政策課長の説明を求めます。

●萬井医療政策課長
 8ページをお願いいたします。医療分の鳥取県地域医療介護総合確保基金事業です。補正予算説明資料の作成時には、1に書いている事業の目的・概要の下の括弧書きの一番下になるのですが、※印のところに30年度の基金の内示はまだある旨を記載しておりましたが、先週の金曜日、9月14日ですが、国において要望していた本基金の内示がおりましたので、当該部分の修正をお願いするとともに、その状況については本日後ほど報告事項にて御報告したいと思っております。当該基金を活用しまして、効率的で質の高い医療提供体制の構築と地域包括ケアシステムの構築に向けて、本年度の医療計画に基づく事業を実施するための補正をお願いするものです。
 今回補正をお願いするのは、人件費を伴うソフト事業など年度当初からの事業実施が必要であった部分、これを除いた部分です。詳細は後ほど個別に説明いたしますけれども、主な事業概要としましては、2に書いてありますとおり、柱の1として、地域医療構想の達成に向けた事業として4億7,000万円余、2の居宅等の医療提供に関する事業として1,400万円余、医療従事者の確保に関する事業として1,000万円余、計4億9,600万円余をお願いするものです。
 事業の内容、概要につきましては、9ページ、10ページに総括的な概要表をつけております。これから個別に御説明したいと思います。
 まず、11ページの上の事業、医療情報ネットワーク整備事業です。現在、鳥取大学附属病院が運営する各医療機関の電子カルテの相互参照システム、おしどりネットと称していますが、これに対して、当初予算では保守管理経費を認めていただいておりますけれども、今後、新たに接続するための費用等の補正をお願いするものです。
 下の段の訪問看護等在宅医療推進ネットワーク基盤整備事業です。病院や訪問看護ステーションなどのモバイル端末等を活用して、訪問看護等の在宅医療を推進するために設備整備をする事業です。
 12ページ、上の精神科医療機関機能分化推進事業です。精神科医療機関の退院支援や外来機能等の整備・充実に対する補助事業でありまして、倉吉病院における高齢化に関する患者に対応する特殊浴槽を整備するものです。
 次に、下の事業の地域医療支援病院・がん診療連携拠点病院等の患者に対する歯科保健医療推進事業です。地域医療支援病院等で行う歯科保健診療に必要な設備整備に対する補助事業でありまして、厚生病院、岩美病院における診療チェアなどの設備整備を行う予定です。
 続きまして、13ページ、上の急性期医療充実施設設備整備事業です。急性期医療の提供が不足している地域における医療提供体制を充実させる目的でありまして、現在、急性期医療を担っている他の医療機関の負担軽減を図るための在宅医療の後方支援事業です。本年度は12救急医療機関に対しましてCTや人工呼吸器など、さまざまな医療機器を整備するものです。
 下の病床の機能分化・連携推進基盤整備事業です。急性期から回復期、在宅医療に至るまで一連のサービスを地域において総合的に確保するために、病床の機能分化に必要な設備整備の補助を行うものです。当初予算で事業要望のあった博愛病院など5病院の施設整備費を措置しまして、国からの内示額を踏まえて補正要求することとしておりました。国への要望額がこのたび内示されましたので、その他の部分につきまして補正をお願いするものです。この補正の部分につきましては、今後、各事業者に対して追加の事業の要望照会を行う予定です。
 14ページ、上のほうですが、訪問歯科衛生士養成支援事業です。県歯科医師会が実施する訪問歯科衛生士養成研修会の講師謝礼や人件費等の開催経費に関する補助です。
 次に、同じく14ページの県東部保健医療圏の病床機能分化促進事業です。28年度から3カ年計画で実施されていた中央病院の建てかえ事業に係るもので、本年度が最終年度となります。現在の431床から建てかえ後は518床となる予定で、24時間体制で急性心筋梗塞や脳卒中治療が可能となる脳卒中センター、心臓病センター等を新設しまして、東部圏域内の機能の集約化を進めることとしております。
 続きまして、15ページですが、県東部保健医療圏のがん医療に係る病床機能分化・連携促進事業です。本年6月に新築オープンしました鳥取赤十字病院につきまして、中央病院との間でがんの部位別、病態別に東部圏域内での役割分担を行います。そういったことに伴いまして、放射線治療等の増築等の整備費用を補助するものです。本年度から平成32年度までの3年間で整備を行う予定でありまして、本年度は設計費を計上する予定です。なお、国への要望につきましては、3年間分を要望しまして、全額の3.3億円の内示がおりたところです。
 16ページです。県中部保健医療圏のがん医療に係る病床機能分化・連携促進事業です。厚生病院にがん患者支援センターを設置いたしまして、中部圏域内のがん医療の治療体制強化をさらに推し進めるものです。本年度から2カ年計画で整備を行う予定で、本年度は設計費を計上するものです。国への要望は来年度分も合わせて要望しまして、全額8,200万円余の内示がおりたところです。
 続きまして、17ページです。上のほうが在宅医療、下のほうが在宅歯科診療の充実のための新規車両整備などの必要な設備整備に対する補助です。上の在宅医療推進事業については、20事業者の事前要望分のうち、当初予算で認めていただいた整備を急ぐ1,000万円を除いた141万円の補正をお願いするものです。
 18ページの上のほう、訪問看護ステーションのサテライト設置事業です。訪問看護ステーションのサテライト設置を支援することで、訪問看護サービスの給付を受けられる地域の増加を図ることを目的としたものです。具体的には、さとに田園クリニックが開設する鳥取市用瀬と八頭町郡家の訪問看護ステーションの出張所の設置費用、維持管理経費、訪問車両整備に係る費用を補助するものです。
 18ページの下のほうの歯科衛生士復職支援事業です。出産育児等で一定期間離職していることにより再就職に不安を感じておられる歯科衛生士の方々のために、その確保対策の一環として、相談会や、復職に必要な知識と実習研修等を行う費用に希望のあった西部歯科医師会に補助をするものです。
 19ページです。看護教育の充実、環境改善のための看護師等の養成所に対しまして、上が看護教育教材整備事業で、パソコンや図書等の教材等の備品整備を行うという事業ですし、下のほうが看護師等養成施設設備整備事業で、折り畳み式のテーブルや集会用テントなど、老朽化した設備を整備する費用を補助するものです。
 20ページ、女性医師就業環境整備事業です。20年ほど前に比べて女性医師が130名ほど、また、30年度の鳥取大学医学部の医学科への入学の女性割合が37%になるなど、県内の女性医師が増加傾向にあることに鑑みて、トイレや女性専用パウダールームの整備など、女性医師が働きやすい環境整備を促進することにより、就業の継続であったり、出産・育児等から復職を支援するためのハード面の補助を行うものです。なお、当初予算では別事業として、交流会の実施や情報発信などのソフト面での支援を鳥取大学へ委託事業として実施しているところです。
 次に、21ページの医療介護連携のための多職種連携等研修事業です。医師、看護師、ケアマネジャーなど在宅医療関係者の支援体制の構築を図るための合同研修会、在宅歯科医療を実施する歯科医師や歯科衛生士等の養成研修、通院が困難な在宅患者のための訪問薬剤管理指導研修などの開催経費を補助するものです。当初予算で2,400万円を措置いただきましたので、残り必要な経費の100万円を追加で要望するものです。
 以上、鳥取県地域介護総合確保基金事業として4億9,600万円余の補正をお願いいたします。 続きまして、22ページ、被ばく医療体制整備事業です。県が指定している被ばく医療機関に配備しております被ばく医療活動の実施に必要な放射線測定機器の更新です。保守管理については、順次計画的に実施しているところですが、このたび鳥取大学附属病院に整備された放射線測定機器について、3年に1回の空調設備にフィルター交換等の保守点検作業が必要となったものです。その経費の増額分と、中央病院に配備している放射線測定機器の新病院建てかえ後の移設に伴い、当初予算でも認めていただいておりますが、一部機器の重量が800キログラム超と特殊なものがあることが判明しましたので、その追加経費が必要となったものです。こちらで432万円の補正をお願いするものです。
 次に、23ページの鳥取看護専門学校管理運営費、続きまして、24ページ、倉吉総合看護専門学校管理運営費ですが、先ほど19ページのほうで御説明した看護教育教材整備事業の県地方機関計上予算分です。まず、鳥取看護専門学校では、高齢者の疑似体験装具など、学生が臨地実習で実施することが困難な看護技術を演習できる教材などで214万円余、倉吉総合看護専門学校では、実習に必要な分娩監視装置等の教材などで274万円余をお願いするものです。
 以上、3事業ですので、よろしく御審議をお願いいたします。

◎銀杏委員長
 萬井課長、ちょっと抜けたのが、どこでしたか。(「20ページの下」と呼ぶ者あり)20ページの医師等環境改善事業ですかね、この説明がなかったように思いますが。

●萬井医療政策課長
 済みません、20ページ、下の部分、医師等環境改善事業です。各病院が医師等の勤務環境改善のため、事務補助的に専門業務以外の部分を代行する職種の方を確保する際に人件費を補助するものです。当初予算で認めていただいた部分に加えまして、このたび内示に伴い追加経費が計上されましたので、こちらを補助するものです。

◎銀杏委員長
 次に、病院局に説明を求めます。
 なお、議案第25号、平成29年度鳥取県営病院事業決算の認定については決算審査特別委員会で審査を行いますので、略します。
 松岡病院局長兼総務課長の説明を求めます。

●松岡病院局長兼病院局総務課長
 病院局の予算に関する説明書をお願いいたします。
 1ページの総括表は説明を省略いたしまして、2ページ目からお願いいたします。中央病院です。収益的収入及び支出ですが、病院事業費用、医業費用について6,000万円増額の補正をお願いしております。新病院建てかえに伴い購入する10万円未満の医療器具が当初の見込みよりも多くなりましたので、その分を増額いたします。なお、これに伴いまして、下の表の資本的収入及び支出、下の1款資本的支出、建設改良費は、固定資産分がその分が少なくて済むということで、6,000万円の減額をお願いしております。また、資本的収入及び支出の上段、資本的収入につきましては、先ほど医療政策課から説明がありました県地域医療介護総合確保基金事業補助金の内示をいただきましたので、中央病院建てかえ整備事業費につきまして財源を更正するものです。補助金を2億8,759万4,000円増額し、その分、企業債を減額いたします。
 3ページの厚生病院につきましては、次のページで説明いたします。
 4ページです。厚生病院がん患者支援センター整備事業です。1,232万5,000円をお願いしております。財源につきましては補助金等でありまして、この補助金は総合確保基金の内示をいただいておりますので、それを充当するものです。
 事業の目的・概要ですが、厚生病院においてがん患者の方が安心して診療及び相談を受けられる体制を充実させるため、狭くなっている化学療法室を拡張するとともに、院内のがん診療機能等を集約・強化するがん患者支援センターを整備するものです。
 整備内容は、2の事業内容のところですが、駐車場側のほうから見まして建物に向かって左側に、今、地域連携棟があります。そこを316平方メートル駐車場側に増築をいたします。これにより化学療法室を7床から10床、そして相談室を1室から2室に増設をいたします。また、現在の建物の中に分散している、がんに関連する部屋等を集約いたしまして、がん患者の方に安全・安心な診療及び相談支援体制を整備するものです。整備内容については、細かくは表に書いておりますが、説明は省略いたします。
 これに伴いまして、地域連携センターの移設を行います。現在、地域連携センターで患者の皆様に対する医療費等の各種相談を行っておりますが、これを外来・中央診療棟1階の医事部門横に移設しまして、会計や医事部門との連携体制を強化するものです。
 3、事業費ですが、継続費をお願いしております。基本・実施設計としまして平成30年度に1,232万5,000円、31年度に110万7,000円をお願いしております。スケジュールは、説明を省略させていただきますが、ごらんいただきますようお願いいたします。
 5ページ、予定キャッシュフロー計算書につきましては、説明を割愛いたします。
 6ページ、継続費に関する調書です。中央病院建設整備事業費の継続費でありまして、先ほどの財源更正を反映させるものです。
 7ページ、継続費に関する調書です。先ほど御説明を申し上げました厚生病院がん患者支援センターの整備事業に係る基本・実施設計について、継続費をお願いするものです。
 8ページ、債務負担行為に関する調書です。1行目と2行目は、中央病院、厚生病院における医薬品、診療材料等一括購入事業費です。それぞれ約171億円、約43億円をお願いしております。31年度から33年度までの債務負担行為です。一括購入することによりまして、医薬品、診療材料等の購入価格を引き下げるとともに、業務を効率化するものです。3段目、中央病院放射線被ばく線量検査測定委託です。労働安全衛生法により、放射線業務に従事される医療職の方々の被ばく線量を測定するものであり、5年間の契約としておりまして、2,080万5,000円を限度額としてお願いをしておるところです。
 9ページと10ページの予定貸借対照表、11ページの決算の認定、12ページの長期継続契約の締結状況につきましては、説明を省略いたします。

◎銀杏委員長
 執行部の説明は以上であります。
 これから付議案に対する質疑を行っていただきますが、委員の皆様におかれましては、簡潔な質問と発言前後のマイクのスイッチの切りかえをお願いいたします。
 それでは、今までの説明について質疑等はありませんでしょうか。

○市谷委員
 福祉保健部の9月補正の33ページです。債務負担行為で、米子児童相談所の給食業務委託ですけれども、これは多分初めて委託になるのではないかと思うのですが、なぜ委託をすることになったのかとか、体制をどのように考えておられるのかというのを教えてください。
 2つ目は、34ページ、35ページのかちみ園の譲渡の関係ですが、35ページの評価方法の表の2に適切な利用者の処遇というのがあり右側の計画書等のところに、障がい特性に応じた処遇の確保というものの・の上から2つ目に、強度行動障がい者支援は、「構造化」や「応用行動分析」などの専門的手法を用い医療と福祉が連携しチームで継続的に実施となっています。事業者がみずからやるということもあるのですが、専門的に対応していくということで、県の支援や、強度行動障がい者への支援というのはどういうことになるのかとを確認したいです。
 ここの表の・の下から3つ目に、町内の夏祭りや地区運動会など、地域とかかわっているということで引き続き実施をすると書いてあって、そうだろうなと思いますけれども、地元の町内関係の方から今回の売却について、行政機関と業者とでこういうふうに話を決めてきているが、もっと地元にも説明をしてもらいたいという声を聞いたのです。その辺り、今日的には説明されているのか、引き続きこういうふうにかかわっていくということをこれから説明されるのか、地域の方とのかかわりがどう説明されているのかを確認させてください。

●小谷青少年・家庭課長
 米子児童相談所の給食業務ですけれども、23年度に業務委託をすることにして業者を募っていたわけですが、手を挙げていただけずに委託できなかったという経緯がまずございます。
 そうはいっても一時保護の給食業務をしなくてはいけませんので、やっていただける調理員の方を別途非常勤という形で採用して、まず7名程度で始めようと思ったわけです。けれども、高齢化といいますか、この方々がちょっとできなくなったと。あるいはできなくなった分を、つてをたどっていろいろ頼ってお願いしていたのですけれども、これがなかなかできませんで、その結果、29年度当初では4名の方しか委託できない状況に陥っております。このために、朝食、昼食、夕食と一時保護された児童への食事を出す業務については、朝食に至っては100%、昼食は52%、夕食は37%の割合を職員が行っている状況でありまして、日ごろの業務の忙しい中、全ての職員がこの業務に携わっている実態がございます。
 この状態が続くようなことになりますと、本来業務に影響がありますので、このたび委託できるかどうかを調査して、委託できる業者がありましたので、31年度から3年間の債務負担でやらせていただくようお願いしているものです。説明を省略して申しわけありませんでした。

●谷障がい福祉課長
 かちみ園の関係ですけれども、2点ございました。
 まず1点目の強度行動障がい者支援の方について、今後、あり方はどう変わるのかというお話ですけれども、基本的には、これまで県立の施設で指定管理をしていただいていた。今回、これまで指定管理をいただいていた者と今回譲渡する者が同じということですので、基本的に中については継続してやっていただきます。
 それに対する県の支援ということですけれども、これまでは県立施設としてやっていただいていた部分がございますが、その他、我々も事業のほうで強度行動障がい者に対する支援を別途実施しておりますので、事業者任せにするということではもちろんありません。これまでと変わらず、少し予算の出しどころは変わるかもしれませんけれども、基本的には同じような形で県としては支援していきたいし、支援を続けていくことにしております。
 もう1点、地元の町内とのかかわりの点ですけれども、済みません、ちょっと今事実の確認はできないのですけれども、この譲渡に関しまして、地元の周辺住民の方々などには適切に説明をしていると思いますし、仮にそこが十分でないとすれば、当然地元の周りの皆様方の御理解を得るということも重要なことだと思いますので、これまでやっていてもまだ不十分ということであれば、引き続き努めていきたいと考えております。

○市谷委員
 かちみ園の関係なのですけれども、強度行動障がい者の方の行き先としてあまり選択肢がないものですから、民営化されたとしても、このかちみ園が引き続ききちんと受けて支援をできるということというのは、県の福祉行政としても大事なことだと思っているのです。事業団がみずからの努力でされる部分は当然だと思いますけれども、これは専門性が要るものですから、県として、この手法をかちみ園の実践を通じて研究して、それをまた広めるということもやってこられていたわけなのです。だから、そこについて、県もやはり一緒になってその研究についてかかわったり広げたりということが一つ要ると思います。
 また、先ほど別途、強度行動障がい者の支援はあるという話でしたけれども、今、多分制度を改善中だと思うのです。何か、3年間しか人の配置、加配ができなかったのですけれども、もう少し障がい者の方の実態に合わせて3年で切るのではなく4年とか5年とか、さらには5年でいいのかなどの点についても、県が別途持っている強度行動障がい者の加配の支援について、ありようをよく見ながら一層改善していただく方向でいっていただきたいと思っているのですが、それも確認させてください。
 地域とのかかわりということで、とてもこれは大事なことで、相模原で施設のいろいろ問題もありましたけれども、地域にこういう障がい者関係の施設があって、地域の皆さんと一緒になってこういうふうに行事にかかわったりする中で理解が広がってきたということが、このかちみ園での歴史であるようなのですよ。ですから、こういうことを変えるときに、厚生事業団が受けることにはかわりないのですが、あまり軽視すべきことではないと思っています。
 実際、どういうふうに今日的に説明されているのかわかりませんけれども、地域に施設があって地域とかかわって一緒に取り組んでいることの重要性をもうちょっと県は認識していただきたいと思います。また、もし説明がされていないようであれば、県の直営ではなくなりましたが、引き続き皆さんと一緒に取り組んでいくということを、やはり事業団と説明していかれるべきではないかなと。あとは事業団、ということではなくてです。その説明の件について、今後のことをもう一回確認させてください。
 33ページの米子児童相談所の給食のことは、そういう経緯だったのかとわかりましたが、児童相談所に来る子どもさんは、虐待や家庭的な事情があったりということでいろんなものを抱えていたり、情報、プライバシーについても非常に慎重に対応しなければいけないので、本当は県の非常勤職員で当たるほうが望ましいとは思うのです。ただ、今言ったように、なかなか見つからないということで、業務全体をどこかの業者にお願いするという話だと思います。いたし方ないのかなと思うのですけれども、子どもさんのプライバシーの問題だとか、そういう配慮もよく調理に当たる方々や業者の方にも徹底していただきたいと思いますけれども、そこをもう一回確認させてください。

●谷障がい福祉課長
 かちみ園の関係、重要な御指摘ありがとうございます。強度行動障がいの関係ですけれども、繰り返しにはなりますが、民間に譲渡したということであっても、我々としましては従来と変わらずしっかり支援していくということで、委員御指摘のとおり、強度行動障がいはまだまだかちみ園のほうでも、実践しながら支援の改善方法を模索されているということで、いろんな形で支援していただいております。我々としても、どういう形で支援できるかをしっかり考えて引き続き取り組んでいきたいと考えております。
 もう1点の地域への理解ということにつきましては、当然我々としても軽視をしているわけではなくて、不十分ということであれば、引き続きしっかり御理解を得るように我々としても努めていきたいと思いますし、この民間譲渡にかかわらず、障がいのある方、ない方、それぞれが共生していただくことが非常に重要だと思いますので、あわせて、しっかり地域の方々に、障がいのある方に対する理解などの普及に努めていきたいと考えております。

●小谷青少年・家庭課長
 米子児童相談所の調理業務委託に係る特殊性から、業務の慎重性ということだと思います。これにつきましては、今現在、福祉相談センターでは業務委託を行っておりまして、その経験をもとに、守秘義務や義務の特殊性、あるいは今、職員が行っているところでは調理師の資格のない者が調理をしているということで、例えばアレルギーの問題など子どもたちの成長に応じたものが適切でないということも十分踏まえまして、委員御指摘のあったところも今までの経験を十分加味した上で、適切に委託の業務を行っていくようにしていきたいと思います。

◎銀杏委員長
 そのほか質疑ありますか。

○浜田(妙)委員
 単純な質問をしたいのですけれども。単純な疑問です。かちみ園と尚寿苑ですね、評価の有識者には同じメンバーの方がいらっしゃるのですけれども、かちみ園のほうは数値化されていますね。管理運営方法は数値化されていないのですが。尚寿苑のほうは全部数値化されていないのですけれども、これは何か意味があるのでしょうか、単純に教えていただければ。

●宮本ささえあい福祉局長
 両課にまたがることなので私のほうからお答えしますが、皆生尚寿苑のほうは養護老人ホームでありまして、過去にも譲渡したことはあります。例えば母来寮などを譲渡したことはあります。過去に譲渡したときと同じスタイルをとりました。それはどういうやり方かといいますと、こういった項目によってまず審査して、適当と思われる社会福祉法人をピックアップするといいますか、不適当な社会福祉法人を除外していき、スクリーニングをした結果、これだけの方だったら大丈夫でしょうという方を複数ピックアップしておいて、最後は入札にかけるという方式を今までとっておりました。ということで、この1次スクリーニングとしては、皆生尚寿苑としては適なのか、不適なのかということで判断するということになりました。
 一方で、かちみ園のほうですけれども、こういった処遇が難しい施設ではありますから、公募の形として売却をするのは今回全く初めてでありました。かねてよりこの常任委員会でも、処遇が難しいからそこは配慮するようにといった複数の方のお考えもありました。ということで、尚寿苑のように、一定の資質があれば、財務力や、過去の経緯とか管理運営方式など、そういったもので一定のスクリーニング以上のものがあれば大丈夫だろう、それ以降は入札で決めてもいい、ということではないだろうと考えました。お金の面、つまり売却価格の面も、特に管理運営方針、処遇の状況や職員の引き継ぎの状況など、そういったものに重きを置いて判断する、その中の一項目に金額も入ってくるというやり方をとりました。
 この場合、あくまで公募ですので複数出てくるということが前提なので、そのように項目を全て網羅した上で複数の法人を競争においてそこを点数づけをしないといけない。最後にお金で決まるものではなく、評価で決まっていくものなので、ここは点数づけが必要だろうということで、点数をつけていった。結果としては厚生事業団しか手を挙げなかったので、点数をつけていったというように表面的には見えるのですけれども。そういうことで、片や適、不適ということですし、片や点数づけで決めていかなければならないということがあって、その決め方が変わるので、両者に違いが出ているということです。

○浜田(妙)委員
 おっしゃることはわかりますが、オープンにするときになかなかわかりにくいですね。今後もずっとそれを踏襲されていくのでしょうか。適というのがどれくらいの幅を持たせたものなのかとか、100点なのか、80点なのか、20点なのかは一体何なのかとか、そういうことの判断がなかなかできにくい。
 例えば、なぜそのことを言うかといいますと、かちみ園は過去に問題がありましたね。それは是正されたとなっていますが、特に身体拘束の問題がありましたから10点中10点でないと私は納得できないのですけれども、10点中6点になっていますよね。あと4点残されていますが、それは一体何なのか。特にこの問題は大きいので、そんなふうに思ってしまうわけですね。だから目安として、今後どこを強化していかなければいけないのか、充実していかなければいけないのかというのが点数だとわかりやすいのですね。というようなことがあります。今後の問題なのですけれども、たまたま評価委員の方が重複されていますよね。評価委員の皆さんも戸惑われるのではないかなと思ったりするのです。
 尚寿苑のほうは、もともと点数はつけないで、適か不適かだけでされたのか、その辺りの判断もわからないということがあって、もっと正確にしてほしいなと。数値化が絶対いいとは言いませんけれども、何ゆえにそうなっていて、足らないところはどこなのかということがわかりにくくて判断しにくいものですから、聞かせていただきました。あわせて、かちみ園の10点満点で4点足りない、それは一体何なのか、もしわかれば聞かせてください。

●宮本ささえあい福祉局長
 まず、尚寿苑のほうですけれども、適、不適というのは、過去からいいますと、これは丸とかバツとか、そういったやり方でやっておりました。それも同じことなのですけれども、どちらかというと、余りに不適切なものが企画書として出てきた場合には、それを排除していくという意味の適、不適とお考えいただければと思います。なので、あまりにもひどい状態でなければみんな適にして土俵に上がっていただいて、最後は入札で決まるという方式を過去からとってきているものですから、今回もそうしたところです。
 一方で、かちみ園の点数づけなのですけれども、委員の皆様にも点数はつけていただきましたが、あくまで県としてどう評価したかということでお答えさせていただきますと、委員がおっしゃるとおり、点数づけをしたところは原則みんな満点というところで我々も解釈しております。ただ、1点だけ、ちょうど御指摘されたような監査の指摘がありました。こういった監査の指摘が過去3年間にあったものですから、もちろん改善はされており、それをもってよしとしているのですけれども、過去に監査の指摘があったものですから満点というわけにもなかなかならないので、ワンランク下げたところで、上から2番目の評価で6点にしたといういきさつがあります。
 なお、財産基盤のところも20点満点ではなくて16点とワンランク下げているのですけれども、損益計算書を見る限り毎年黒字になっておりますので結果としてはいいのですが、建てかえがこれから先、10年、20年の間にめじろ押しなものですから、資本的収支を考えると若干心配な要素もあるところでマイナスになっている部分があって、これも全て満点というわけでもないだろうということでワンランク低くなっております。
 今後のことなのですが、両方とも指定管理に出しているものを、今回指定管理も切れるので、民間譲渡でもいいのではないかということでそうしているもので、同様の状態に置かれている福祉施設はありません。あとは直営ですので、今後はないとお考えいただければと思います。

○浜田(妙)委員
 わかります。ただ、譲渡してしまうと、そちらの責任できちっとやっていただくということになるわけですが、足らないところがいろいろありますね。そこはチェックしなければいけない。それは今後も県が責任を持って注視していくと理解してよろしいのでしょうか。

●宮本ささえあい福祉局長
 法人監査や施設監査がこれから続きますので、過去に指摘があったものが、また悪いところに戻っていないとか、そういったことは当然の着目点として留意していこうと思っています。

◎銀杏委員長
 そのほか質疑。

○川部委員
 42、43ページ、福祉人材研修センター指定管理候補者の選定についてです。指名指定ということで審査が行われているということなのですが、今、浜田妙子委員からあったような視点で、とりあえず適にはなっているのですけれども、100点満点で59.1点という結果で、6割とれていない。大学などでいくと不可になるのではないかと思うのですけれども、この評価をどのように判断して適としているのか。改善すべきところは改善するように指摘する必要があるのではないかと思います。特に公募ではなくて指名なので、これの審査結果についてどのような評価をされているのか、教えてください。

●小林福祉保健課長
 100点満点中59.1点ということでありまして、あらかじめ定めた審査基準要綱では51点以上を適と定めております。ですので、要綱上は合格ではあります。ただ、委員が言われますように、40点ほど100点に届かないという状況ですので、この審査結果につきまして県社協のほうにも示しておりますので、足らない部分について今後努力していただくよう、こちらからも改めてお願いしたいと思います。

○川部委員
 わかりました。
 この審査項目にネーミングライツのことがあるのですけれども、そもそもこのセンターにネーミングライツが合うのかというところがあって、これはなくてもいいのではないかと考えるのですけれども、どういうつもりでネーミングライツを出しているのでしょうか。

●小林福祉保健課長
 このたびネーミングライツを入れたのは、全庁的な基準でありまして、指定管理を今している施設についてはこのネーミングライツの項目を加えるということでしたので、ここだけやめるわけにはいかなかったため、こういったことにしております。

○川部委員
 ネーミングライツについてはいろんな議論がありますので、資産活用推進課のほうに聞いてみたのです。ここはその他の項目になっていて、ネーミングライツについては入れるほうが望ましいというような言い方、なくてもいいという感じも言われていたのですけれども、担当課としてはどうでしょうか、ネーミングライツはこの施設になじむと考えられますか。ここの4点は、例えば本当に公募になったときに、やりますよといって4点をつけて、でも実際はできませんでしたなどとなりはしないかとか、そういう議論もなされている中で、この人材研修センターにネーミングライツに手を挙げる事業者がいるのかと考えると、余りふさわしくないような気がするのですけれども。

●小林福祉保健課長
 事業者がいるかどうか、私も判断に困るところなのですけれども。ただ、このセンター自体が県民の社会福祉の関心を高めて社会福祉に参加していただくことを目的とした施設ですので、なじみやすいというか、そういったことを目的とするような名前がつけば、県民も社会福祉について関心を持っていただく一つの契機になり得るということもありますので、全くだめというわけではないと考えています。

○川部委員
 これは私が感じたことなので、さらに次回なりに検討していただければと思います。
 続けていいですか。

◎銀杏委員長
 はい。質疑の内容でお願いします。

○川部委員
 鳥取砂丘こどもの国の指定管理者の候補者の選定についてです。こちらは公募で2社あったということで、気になるのが、選定基準の4で、かなり点数に差がついています。評価のコメントの中に、選ばれなかった社のほうは、新規法人であり、安定性に不透明な部分もあると。選ばれたほうは、実際に営業した際の対応等の実績から安心感があると評価されたとあるのですが、どうしても既存の事業者のほうが安定性があると見られると思うのです。そうなると、新規の事業者はここがかなり不利になるのではないかと思うのですけれども、この部分での評価でどういうふうに新規事業者に対する配慮といいますか、事業をやっておられるわけではなく予定しか書けないと思うので、どういうふうに公平に評価されるのかという点について教えてください。

●稲村子育て応援課長
 こちらの選定基準の4についても、基本的には資源活用推進課のほうが決められているものですけれども、逆に言いますと、この選定基準4については、従来から指定管理者として適正に施設の管理運営ができていた事業者に対するインセンティブの部分もあります。
 それと、今回の2社を比較した際、例えば、この選定基準の中に、男女共同参画推進協力企業としての登録や障がい者雇用といった社会的貢献の項目などの採点基準もあります。ワールドインテックの現地法人は、今現在、施設運営をされていない関係で、そちらのほうで加点がなかったために最終的には大きく点差がついてしまったということです。
 新規法人で安定性がないという意見もありますが、あくまでも実質的な点差が出た部分は、障がい者雇用や男女共同参画企業への登録などの項目が新規法人のために加点されなかった部分というのが実情です。

○川部委員
 先ほど言ったように、やはり既存の事業者のほうが有利になる選定基準ではないかと思うのですよ。新たな法人をつくって受けようというときに、経験がないということでマイナスになってしまうと、どうしても新たな事業者は手を挙げにくくなるのではないかなと思います。
 気になったのは、両社を比較してという発言があったのですけれども、これは相対評価ですか、絶対評価ではないのですか。

●稲村子育て応援課長
 済みません、説明が十分ではなかったかもしれませんけれども、基本的には絶対評価です。
 それと、先ほどの男女共同参画企業への登録や障がい者雇用の状況などは、鳥取県の制度もありますが、ワールドインテックのように他県で既に会社を運営されている場合、他県で同種の制度等に登録されていれば加点があるのですけれども、3社の合同法人という形になるのですが、他県でも男女共同参画企業への協力体制や障がい者雇用について、3社全てが満たしていなかったということで、社会貢献部分での加点がとれなかったということです。

○川部委員
 最後です。わかりました。資産活用推進課が大もとになる基準を定めているというのですけれども、やはり事業や施設によって、点の配分などが異なってくると思うのです。それは資産活用推進課が決めているのではなく、それぞれの担当課が決めているのですよね。だから、資産活用推進課が決めているのではなく、担当課、事業課がきちんと評価したという言い方をしないと、ここに基準がありますからという言いわけみたいな話にはならないと思います。そこはしっかり資産活用推進課と話をしてもらって、稲村課長のところがきちんと評価してここを選びましたという言い方にしてもらわないといけないと思います。

◎銀杏委員長
 この件に関しては、たしか前回も議論があったように思うのですが、この選定基準4について、詳細な点数が具体的に何が何点というのは出ると思いますから、その報告を一度、表なり文書なりで結構ですからしていただきたいと思うのですが、できますか。

●稲村子育て応援課長
 選定基準4に関しての両社の加点状況がわかる資料ということでよろしいでしょうか。

◎銀杏委員長
 点数の配分ですね、何が何点でということをよろしくお願いします。

●稲村子育て応援課長
 はい、わかりました。

○市谷委員
 砂丘こどもの国の指定管理についてなのですけれども、45ページの3で指定管理料の額というのがあります。今回、管理料の額が4億5,000万円余りに決まるということなのですけれども、その横に括弧して債務負担行為で4億6,400万円という額がありますよね。当初、債務負担で予定していた額よりも大分額が落ちてこの入札額ですることになっているのですけれども、そうなると、安い管理料でやるということで、サービスが低下したり入場料金が値上がりしたりなど、利用者のサービスが低下するようなことが懸念されるのです。この額が下がっているというのは、どういう算段で額を下げてできるということになっているのか、そこを説明していただきたいと思います。
 47ページで、先ほど川部委員からもありましたけれども、選定基準の5、ネーミングライツ提案ありとあるのですが、私もどこの会社と事前に電話で聞いたのですけれども、こういう子どもたちが使う施設に、特定の業者の名前がつくとか、例えばどこかのおもちゃ会社の名前がつくとか、施設の特性に合ったネーミングライツなのかとか、合っているからといってその名前がふさわしいかとか、適切なのか考えなければいけないと思ったのですよ。先ほど川部委員も言われたのですけれども、ここにネーミングライツの基準に当てていくというのは、正直に言ってふさわしくないと思いました。
 先ほど施設の特性がよく伝わるようにと言われましたが、では、それでいいのかということは考えたほうがいいと思いました。また、先ほどこれが選定基準として絶対に必要なものでもないと川部委員が言われたので、そういう裁量があるのだったらもう少し考えて、基準項目として入れるかどうか検討したほうがよかったのではないかと思います。その2つについてお願いします。

●稲村子育て応援課長
 まず、指定管理料につきまして、債務負担行為の額と指定管理料との開きがあるので、サービスの低下等につながるのではないかという御意見だと思います。例えば入園料等に関しましては、県の条例等に基づいて、基本的には指定管理者が定められるのですけれども、県として協議を受けて承認する手続を踏みますので、根拠のない値上げ等は通らないような形になっております。また、指定管理料については、県としては債務負担額を示した上で事業者からの指定管理料の提案をいただいております。事業者のほうから、この指定管理料で適正な管理運営ができるという提案だと理解しております。
 また、実際の管理運営につきましては、毎年担当課が施設の監査をが行っておりますし、利用者等の声については、不適切な対応等があれば、直ちに県としても指導を行って改善させるような体制をとっておりますので、そういった不適切な管理運営がされるということはないように努めてまいりたいと思います。
 もう1点、ネーミングライツの提案についてですが、ネーミングライツの是非については、施設の性質上、不適、適かと。適当ではないのではないかという気がしないわけではないですが、ただ、今、県の財政状況からしてネーミングライツ料も貴重な財源の一つですし、県民文化会館も、広く一般の方に使用される施設ですけれども既にネーミングライツを取り入れておりますので、こどもの国についても、特定の事業者のネーミングライツが入ったからといって、それで印象が左右されるものではないと。あくまでも指定管理事業者の適切な管理運営で施設の印象は決まると考えておりますので、引き続き指定管理者のほうに適切に運営していただくよう指導していきたいと思います。

○市谷委員
 お金のためにネーミングライツだとおっしゃいますし、ついたからといって変わらないのではないかとおっしゃいますけれども、どういう名前がつくかで変わると思いますし、よく考えていただきたいと思います。
 あと、指定管理料で、安くなってもできるのだとの根拠を説明いただきたいのですが、安い料金で受けていただくことになったのですけれども、今、根拠をおっしゃらなかったのですよ。どうして安い料金でできるのかと。県が債務負担行為で金額をはじいたということは、それなりの根拠があってはじいたと思うのですよね。安い管理料でできるという根拠を、今聞いた限りではおっしゃっておられなかったので、そういう確認もなく大丈夫ではないかというようなことで、いいですということにはらならないと思うのですよ。どういう収入を見込んで安くで管理できると。そうしないと、利用者の料金は上がらないかもしれないですが、入っている設備などのメンテナンスが悪くなるのではないかとか、そういう心配もするのですけれども、安くでできるという根拠をもう少し説明していただきたいと思います。

●稲村子育て応援課長
 債務負担行為額の決定につきましては、あくまでも県のほうで、この施設運営に必要な人員数、また、その人員に充てるべき職員の職位等を県が県内の事業者の平均給与額から導き出して、機械的に算定して人件費等を算出しております。実際、観光事業団がどういった職員を配置してどういった給料を払うのかは、指定管理者の募集の際にそういった内訳まで提案いただいているわけではないのです。県としては、あくまでも総額の指定管理料での比較しかしようがないので、この金額で大丈夫かと言われても、どこを削って債務負担行為額との相差が出ているのかわからないので、指定管理料の詳細の中身を全て把握した上で決定しているわけではないので、そこは判断がつきかねるところです。

○市谷委員
 事前に電話で聞いたのですけれども、何か事業をされてそれなりに入場者がふえるのではないかという想定でこうされたということだったのですが、きちんとやれるのかわからないということではいけないと思います。人件費は県職員のレベルで組んでいるということですが、では、人件費は安くなっていくのかなという不安も出てきますし、きちんとその辺りは確認して、管理料が安くてもできるのだと、どういう見込みであるのだということを確認していただきたいと思います。

◎銀杏委員長
 この件について以上でよろしいですか。

○市谷委員
 後で、その辺りもどこかで質問させていただきます。

◎銀杏委員長
 これまで、指定管理は同じ観光事業団でされていたと思うのですが、相差は結果として出たりしたのですかね。

●稲村子育て応援課長
 実際これまでも債務負担行為と全く同額といった指定管理料でなかったことも多々あります。これはこどもの国だけに限らず、多くの指定管理施設で債務負担行為額との相差は出ていると思います。

◎銀杏委員長
 だから、もうけ分が出て、半分を施設に戻し、半分は県に持っていきということをしたわけですね。

●稲村子育て応援課長
 はい、そういうふうにしております。

○市谷委員
 次に、39ページの皆生尚寿苑の関係です。先ほど浜田妙子委員が指摘したことに対して、県としても今後もきちんと見ていくというようなお話だったかと思いますけれども、3の職員配置について、今度受けられる法人が、29年度の新規事業の開設の際も50人の職員を確保した実績があるために大丈夫ではないかと書いてあるわけなのですが、これまでの厚生事業団とは違う新しい法人になるわけですね。ですから、本当に一から職員を確保していく、あるいは今これから受けようとする法人から職員を回していただくということで、職員確保を相当努力しないといけないということなのですが、もし必要とする職員が確保できなかった場合は、県としては、その辺りについてはきちんと見て確保に向けての努力を一緒に促していくということでよろしいのでしょうか。

●長岡長寿社会課長
 人材確保については一番気になるところでしたので、法人のほうとも十分話をしております。ここで50人の新規枠を募集した実績があるというのも当然評価の一つでしたが、例えば仮に全く人が来ないような状況になっても、真誠会は複数の施設を運営しています。そこは全然ぎりぎりで回している状態ではなく、当然余剰範囲もありますので、そういう場合には、その職員をここに配置して運営できるということもお聞きしております。ですので、人が来ないから運営できないというようなことはお聞きしておりません。
 また、前回の委員会でもありましたが、今、厚生事業団が運営しておりまして、厚生事業団のほうの職員でぜひここに残りたいという方については受け入れる意思を確認しておりますし、仮にそれがゼロであっても全部自分たちで調達するということも確認しております。

○市谷委員
 今おっしゃられたましたが、福祉人材というか、介護人材の確保は大変重要ですし、今これはなかなか困難なのですよね。今、今度受けられる法人に余剰の人がいるようなことを言われましたけれども、一般的に今のいろんな福祉関係の施設を見ていると、そんな単純な話ではないのではないかなと。そこからまた剥がしていくということになると、今度は今までやっていた施設が手薄になっていくということも生じてくると思うし、新たな確保ということも、介護人材というのは今なかなか大変な状況にあるわけで、どうなるかわかりませんけれども。要は言いたいのは、きちんと確保できるというところまで県が見届ける必要があると思うのです。そこは確認しておきたいと思います。

●長岡長寿社会課長
 今の状況でそういう意思の確認をしておりますし、まだ議会での最終的な承認をいただいておりませんので、今後、厚生事業団と真誠会との話し合いが始まると思います。当然、その後どういうような形で話し合いが決まったのか、もしくは今、人材確保の状況がどういう状況かというのは、適宜こちらで確認をしていきたいと思っています。

◎銀杏委員長
 そのほか質疑ございますか。
 ないようです。
 それでは、次に、請願・陳情の予備調査を行います。
 今回の予備調査は、新規分、陳情1件についてであります。
 現状と県の取組状況は、お手元に配付しております請願・陳情参考資料のとおりです。
 それでは、陳情30年福祉保健第21号、精神障がい者の交通運賃割引制度について他の障がい者と同様な適用を求めることについて、谷障がい福祉課長の説明を求めます。

●谷障がい福祉課長
 参考資料1ページをごらんください。陳情の要旨という形で四角囲いで書いておりますが、大きく2つあります。1つ目が、精神障がい者についてもほかの障がい者と同様に、県内におけるタクシーの運賃を1割引にすることと、もう一つが、精神障がい者についてもほかの障がい者と同様に、県内発着の高速路線バス及び定期観光バスの運賃を半額にすることです。
 それに対して、右側ですけれども、現状と県の取組状況という形でまとめております。
 障がい者の方の交通費の支援制度につきましては、JR等の旅客会社や航空会社、バス会社などの民間交通事業者が実施している運賃の割引制度と、別途、市町村が実施している交通費の助成制度があります。
 民間交通事業者の運賃割引制度については、こちらの表で一覧にしております主な県内事業者になりますが、こちらでおわかりになるとおり、精神障がいのある方、特に手帳をお持ちの方に対する支援は、民間事業者では、バス事業者では一部ありますが、鉄道事業者やタクシー事業者についてはないという状況です。また、市町村においても、県内の8市町村において、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方について一部タクシー運賃の助成を、身体、知的障がいをお持ちの方と同様の制度を独自に実施している形です。
 それに対しまして、県としての取組状況ですけれども、最後の段落に書いておりますとおり、障害者差別解消法の規定によりまして、民間事業者は、その実施に伴う負担が過重でないという場合には、当然いわゆる合理的な配慮をすることを努めるようにされております。県としましては、差別解消法もそうですが、県として設けているあいサポート条例の普及啓発活動の中で事業者の理解の促進をしておりますので、さまざまな場面で引き続き各事業者さんの理解が深まるように努めていきたいと考えております。

◎銀杏委員長
 説明につきまして質疑等ございませんか。

○市谷委員
 出していただいている表のバスの部分が、精神障がいのところの書きぶりが違っていて、もう一度説明してもらえないでしょうか。観光バスや高速バス路線のうち一部は割引があるというところを、もう少し説明していただけるとありがたいと思います。

●谷障がい福祉課長
 県内の日ノ丸自動車、日本交通ともにですけれども、路線バスにつきましては手帳所持者の方は身体、知的障がいの方と同じ割引がありますが、今回の陳情の要旨にもあるとおり、高速バス路線や定期観光バスについては、基本的には身体、知的障がいの方と違って割引制度はありません。しかし、高速バスでは、今、出発地と到着地でお互いの管轄というか、本拠にしているバス会社が共同で運行しているということがありますので、要は、その双方の合意がなければ高速バス路線の割引というのはなかなかできないということがあります。その共同路線のところについて、現状では県内発着のものについては割引がないのですが、単独で運行している部分もありますので、そこについては一部、身体、知的障がいの方と同様の割引があることを記載しております。

○市谷委員
 でも、そこはほかの障がいと違っているということはそうなのだと思いますので、やはり理解を図っていただくように働きかけをする必要があるのではないかと思います。
 それと、あいサポート条例に基づいて理解促進を図るということの中で、この陳情理由のところに、前は精神障害者福祉保健手帳には顔写真がなかったということで本人確認ができないようなことがあったから、なかなか割引しづらいというような経過があるようなのですけれども、そこが制度的には解消されているということも含めて言っていただくと、その差があることが今は意味がないというか、理由をつけていたことがもう今は改善しているということがもっときちんとわかっていただけるのではないかなと思います。ですので、この差ができてしまった経過についてきちんと説明していただいたらいいかなと思いますけれども、その辺りはどうなのでしょうか。

●谷障がい福祉課長
 この差がついた理由というのは、委員御指摘の手帳の問題もありますけれども、もともと法律の経緯としまして、まず、身体障がいの方、その後、知的障がいの方、その後に精神障がいの方の法整備がされてきて、現在では総合支援法がありますけれども、その前身の自立支援法で3障がい、また発達障がいの方も含めて一つになったという形で、障がいのある方の種類の認知といいますか、その理解に多少歴史的な経緯もあるということが、今の交通費の助成制度に、事業者や市町村での取組に差があるという一つの理由にもなっております。また、複数の事業者に聞き取りしましたが、経営面に与える影響もやはり否定できないというようなお話もされておられました。しかし、委員がおっしゃるとおり、手帳制度について以前は不十分な部分がありましたが、今は御指摘のとおり改善されておりますし、支援の体系につきましても障がい区別にかかわらず支援をしていくという体系になっておりますので、そういう意味では、精神障がいをお持ちの方だけ区別をするという理由はないと思います。差別解消ということでもそうですし、障がいの種別だけをもって区別するという理由は御指摘のとおりないと思いますので、我々としても、まずはそういうことの理解をいただいて自主的に取り組んでいただくということが最善かなと思っています。ですので、我々としても、必要な限り理解を深める御指摘のとおり取組をさらに深めていかなければいけないと思っておりますので、それに努めていきたいと考えております。

◎銀杏委員長
 よろしいですか。

○川部委員
 教えていただきたいのが、障がい者の交通費支援制度ということでまとめていただいていますが、県は特に支援はやっていなくて、事業者と市町村しか今のところないという状況ですよね。今回の陳情の要旨は、鳥取県内におけるタクシーの運賃を1割引にすること、それから高速路線バス及び定期観光バスの運賃を半額にすることという陳情になっていて、例えばこれを採択にした場合、県がするということになるのかなということを思うと、少しどうかなというところなのですけれども、その点について1つ。
 先ほど経営における影響みたいなことを言われたのですけれども、負担が過重でないときは必要かつ合理的な配慮ということで、事業者の理解について求めるということなのですが、これは例えば、本当に身体、知的障がいと同じように精神障がいもこういう支援をした場合、どれくらいの費用がかかるとかというような試算はされているのでしょうか。

●谷障がい福祉課長
 御指摘いただきました点につきまして、現状、県が交通費の支援をしていることはありませんので、こちらで上げているとおり、民間事業者、または市町村で独自にやっているということです。仮にこれを採択するという形になった場合に、陳情の理由について、県内のあらゆる場所においてこういう状況にしてほしいということですので、必ずしも県がやるということではないのかなと受けとめております。もともとの陳情理由の中には、新たに制度をつくってくれというようなお話なのですけれども、なぜ身体と知的と精神が違うのだというお話ですので、それぞれ事業者、市町村がやられているものに、なぜ区別をしているのか、その区別をなくしてもらいたいということが趣旨だと思いますので、まずはそれを拡充していくということが一つ手なのかなと思っています。
 もう一つ、経営に与える影響ということを精緻に試算はしてはいませんけれども、単純に申し上げて数の問題があります。県内に身体の方は約3万人、知的の方が5,000人、精神の方が約2万人おられますので、単純に申し上げて数が3万5,000人から全て対象にすると2万人が加わるという形になります。同じだけ利用されるわけではないですけれども、少し語弊がございますが、一般的に申し上げて精神障がいをお持ちの方は活動はやろうと思えばできるということもあります。そういうことを加味すれば、人数的なボリュームも加えると、それなりの影響があると考えておられるのかなと思います。

○市谷委員
 ちょっと今、精神の場合は活動できるとおっしゃったのですけれども、重たくなるとなかなか自分で運転したりもできないですし、年金の状況からいくと、自分で車を所有することについても維持管理のお金がかかって大変だということがあります。ですので、単純に行動できるから、精神障がいの場合は自分で何とかできるのだから、公共交通機関の割引をほかの障がいと同じようにする必要がないというような趣旨の発言というのは、ちょっと私は現実と違うのではないかと思いますし、それでは理解を促進できないと思うのです。精神障がいの場合、自分でどんどん行動できるとかというものではないので、そこはもう少し理解していただく必要があるかなと今聞いていて思いました。

●谷障がい福祉課長
 済みません、ちょっと誤解を与える表現で申しわけございません。私が申し上げたのは、活動できるというのは、あくまで試算をする場合にということで、数がこれだけありますという中でお話させていただきましたので、活動ができるから公共交通機関をよく利用するので、その割引をしなくてもいいというような趣旨ではございません。あくまでその試算をする場合にこれだけの数がありますという形を御紹介させていただきました。済みません、誤解を与える表現であれば、訂正させていただきます。

◎銀杏委員長
 それでは、委員の方で、陳情者からの願意の聞き取りあるいは現地調査の必要性について御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いいたします。

○市谷委員
 精神障がいの場合がこのように差別、格差があるということについて、どういう実態になっているのかということを、私は陳情の提出者から意見を聞いて、やはり一緒になって事業者への差別解消に向けて働きかけを行っていくということが要ると思います。議会としての理解がないと、執行部にだけしろということにもならないと思いますので、願意の聞き取りをぜひしていただきたいなと思います。

◎銀杏委員長
 ただいま必要ありという御意見ございましたけれども、そのほかございませんか。

○中島副委員長
 文書及び執行部の説明で十分だと思いますので、必要ないと私は考えます。

◎銀杏委員長
 意見が分かれているようですので、多数決で決定をしたいと思います。
 聞き取りを行うことに賛成の方は挙手をお願いいたします。(賛成者挙手)
 挙手が少数でありますので、今回につきましては、聞き取り及び現地調査は行わないことといたします。
 それでは、報告事項に入ります。
 執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いをいたします。
 質疑等につきましては、説明終了後に一括して行うことといたします。
 それでは、初めに、報告1、平成30年度第1回障がい者の暮らしやすい鳥取創造チーム会議の開催結果について、谷障がい福祉課長の説明を求めます。

●谷障がい福祉課長
 1ページ目をごらんください。平成30年度第1回障がい者の暮らしやすい鳥取創造チーム会議の開催結果です。
 今月10日に副知事をチーム長とする本会議を開催いたしました。この会議の趣旨は、昨年9月に本県であいサポート条例を施行して1年を経過したことを踏まえまして、障がいのある方、ない方にかかわらず誰もが暮らしやすい地域社会の創造に向けて、改めて県庁内の組織を挙げて関連施策を取り組んでいくことを目的としまして、庁内のチームという形で開催したということです。チーム長は、先ほど申し上げましたとおり、野川副知事をチーム長といたしまして、その他、関係各部局をチーム員とする形で会議を開催しました。
 会議の内容につきましては、3に書いておりますけれども、あいサポート条例には大きく5つの柱がございます。この表の左のほうに書いておりますが、それぞれについて各部局から現状と課題について意見交換し、部局横断的に取り組むべき事項の確認を行いました。今回は5本ありますが、この夏に台風や大雨など災害がありましたので、4つ目の災害時における障がい者支援に対して、情報アクセス、支援の強化とあわせて、特に重点的に議論を行いました。

◎銀杏委員長
 報告2、「あいサポート・アートとっとり祭」の開催について、報告3、鳥取県障がい者による文化芸術活動推進計画(案)について、及び報告4、第5回全国高校生手話パフォーマンス甲子園の開催について、明場障がい福祉課社会参加推進室長の説明を求めます。

●明場障がい福祉課社会参加推進室長
 資料2ページをごらんください。あいサポート・アートとっとり祭です。毎年、県では、障がい者の舞台芸術活動の発表の場ということで、あいサポート・アートとっとり祭を開催しております。例年行っておりますが、今年は10月13日、14日であり、例年はとりぎん文化会館で開いておりましたが、今年度は倉吉未来中心のほうで開催する運びとなっております。
 内容は、障がい者のグループが舞台に立たれて演技されるものがベースですが、そのほかゲストの方のパフォーマンス等を予定しているところです。障がいのある方にとっては年に1度の晴れ舞台ということもありますので、多くの人に見に来ていただきたいと考えております。
 続きまして、資料の3ページをごらんください。鳥取県障がい者による文化芸術活動推進計画(案)についてです。
 この計画案につきましては、障害者による文化芸術活動の推進に関する法律が本年6月に公布、施行されたということがありまして、その中で、県においても計画を策定する努力義務が課されたところです。それに基づいて計画を策定しようという動きの中ですが、パブリックコメントを実施しました。9月4日から14日までということで、意見が1件ありました。
 内容としては、障がい者の立場に立って文化芸術の鑑賞のスペースを確保したりということで、どちらかというと、計画の内容に関する意見というよりは、適切な実行を求める要望という観点で出されたものでした。言ってみれば、このいただいた意見については、既に案としては取り込んでいるところですので、修正までは行わずに、この案で策定に向けて手続を進めてまいりたいと考えております。
 計画案については、平成30年から35年度までと考えております。推進体制として、県、市町村、障がい者団体が新たに設置する文化芸術活動拠点を活用しながら、2の(3)に書いておりますが、推進計画に従って障がいのある方の文化芸術活動を推進するということです。
 推進方針を列挙しております。例えば、(1)の文化芸術の鑑賞の機会の拡大ということでありましたら、施設のバリアフリーを進めるとか、先ほども説明いたしましたが、あいサポート・アートとっとり祭などのような発表の場を設けるという形で、文化鑑賞の機会の拡大を図っていくようなことを考えております。
 3は、予算案で、障がい者の文化芸術活動拠点の設置ということで、現在、あいサポート・アートインフォメーションセンターを倉吉に設置して日々活動に取り組んでおりますが、これを改組して新たな拠点として進めていくところで考えております。そのほか、障がい者アート活動支援事業補助金を拡充したり、作品等の評価に係る人材育成をするなどについて予算を計上しているところです。
 続きまして、資料の4ページをごらんください。第5回全国高校生手話パフォーマンス甲子園の開催です。
 これまで何度も紹介いたしておりますが、10月7日、米子コンベンションセンターのほうで第5回目の大会を開催することになっております。全部で20チームが出場します。本県からは4校が出場します。入場無料となっております。そのほかにも、いろいろな催しなども開催いたします。手話に親しんでいくための大会ということであり、多くの方に見ていただきたいと考えております。

◎銀杏委員長
 報告5、平成30年度地域医療介護総合確保基金事業(介護分)の内示について、長岡長寿社会課長の説明を求めます。

●長岡長寿社会課長
 資料9ページをごらんいただきたいと思います。30年度地域医療介護総合確保基金事業(介護分)です。厚生労働省から配分額の内示がございましたので、御報告いたします。
 本県の30年度内示額は総額1.8億円です。内訳は、介護施設の整備1.5億円、介護従事者の確保0.3億円となっております。ただ、これはあくまでも30年度の基金の充当額ですので、実際には、その※印に書いてあるとおり、27年から29年に積み立てた基金3億円を活用して計4.8億円の介護事業を実施しております。
 内訳は、2のほうに書いておりますが、これにつきましては、5月の常任委員会でも事業量見込みの報告を行いましたので、簡単に説明いたします。
 まず、介護施設の整備に関する事業として3.3億円ということで、具体的には、特養の多床室のプライバシー保護のための改修経費であったり、また、地域密着サービスの整備の助成、それから開設準備等の経費等となっております。
 また、介護従事者の確保に関する事業として、参入促進、資質の向上、労働環境・処遇の改善、基盤整備として1.5億円の介護人材の確保のための事業を実施しているところです。この事業につきましては、介護分については例年、国の要望額が要望どおりつくものですから、既に当初予算で措置しております。今後も介護事業者と連携しまして、介護施設の整備や、人材確保に努めていきたいと思っております。

◎銀杏委員長
 報告6、平成30年度第2回子育て王国とっとり会議の開催概要について、報告7、えんトリー山陰連携記念ヤカミヒメ(八上姫)縁取(えんとり)キャンペーン(友達割引)の開始について、及び報告8、「とっとり妊娠SOS」相談窓口の業務開始について、稲村子育て応援課長の説明を求めます。

●稲村子育て応援課長
 資料12ページをごらんください。子育て王国とっとり条例に基づき設置している子育て王国とっとり会議の第2回会議を開催しましたので、会議概要について御説明いたします。
 議事の内容としましては、平成28年度及び29年度に事業実施した地域少子化対策重点推進事業の実績と中間評価、子育て王国とっとり会議に先立って実施したチーム会議で定めました今年度の子育て施策方針の報告、来年度事業に向けた意見交換などを行いました。
 主な議論ですが、2の(1)平成29年度の事業実績や主な目標指標に対する実績報告などを行いましたが、委員のほうからは、待機児童対策について、保育の受け皿整備が進んでいるけれども、年度中途に待機児童が発生するのは保育所の地域偏在などがあるためで、保育所の広域利用といった制度運用の検討が必要ではないかと。また、若年層に対するライフプランセミナーの開催実績について、委員のほうから、実業学校での実績が多いということだが、将来のUターン促進のためには、県外へ出ていく進学校等の学校でも開催してほしいといった御意見をいただきました。
 (2)の地域少子化対策重点推進事業について効果検証を行った際には、委員のほうから、学生の視点からすると、鳥取県を含めた地方では働く場がなく、暮らしていけないように思えると。もっと地方でも結婚や子育てについて、暮らし方や生活パターンのモデルを示してもらえると、若年層の自分としても地方での暮らしを考えやすいという御意見をいただきました。
 (3)の平成30年度の第1回子育て王国とっとり実現チーム会議の結果についても、未婚対策の取組に対して一番重要なのは、未婚者のコミュニケーション能力の養成や、そういったものの研修が重要だと考えるので、学校教育と連携してコミュニケーション能力向上のための取組を進めてほしい。また、子どもの貧困対策についても、早期発見の重要性のために、乳幼児の段階で貧困を把握するような取組を強化してほしいといった御意見をいただいたところです。
 いただいた御意見については、当然今年度の事業の実施に反映させるとともに、予算化の必要なものについては来年度の当初予算の中で検討していきたいと考えております。
 続きまして、資料14ページ、えんトリー山陰連携記念ヤカミヒメ(八上姫)縁取(えんとり)キャンペーン(友達割引)の開始についてです。
 とっとり出会いサポートセンター、えんトリーでは、この秋をめどに島根県が本県と同様のコンピューターマッチングシステムを導入することにあわせて、両県のシステムを連携させ、両県のシステムに登録を希望される方を対象として、相互の会員のお引き合わせ、マッチングを行うこととしております。このタイミングに合わせて会員登録の拡大を図るために、2人以上で来所され、新規に加入される方について、入会登録料を半額とする友達割引キャンペーンを実施することといたしました。キャンペーンの期間は10月から3月末を予定しております。また、島根県の登録会員とのマッチングについては、10月2日から希望受付を行いまして、12月からはプロフィールの閲覧、マッチング等をスタートさせることとしております。
 島根県とのシステムの連携は、両県の登録者全てについてデータを閲覧、マッチングするのではなく、あくまでも両県にまたがってマッチングを希望される方のみの登録となりますので、別の専用サイトで閲覧、マッチングを行うこととしております。また、えんトリーの加入登録料については、今年4月から既に20代の男女限定で若者割引のキャンペーンを行っておりましたが、PRの浸透が遅かったこともありまして、ようやく7月に入ってから加入者がふえてきたことから、こちらの若者割引につきましても期間を延長して来年度末まで延長し、この友達割引とあわせてキャンペーンを継続したいと思います。えんトリーの会員状況としては、下に掲げておりますが、やはり若い年齢層と女性会員が少ないということで、これらのキャンペーンを通じて会員の確保を充実させていきたいと考えております。
 続きまして、資料15ページ、「とっとり妊娠SOS」相談窓口の業務開始についてです。こちらについては、前回の常任委員会で事業者決定の報告を行いましたが、常任委員会資料を非常に簡単にまとめていたことから、銀杏委員長、稲田委員を初め各委員より相談体制に対する懸念や丁寧な説明が必要との御意見、御指摘をいただいたところです。改めて相談窓口の開設の経緯なども含めて、とっとり妊娠SOS相談窓口の業務開始について御報告いたします。
 これまで、本県において妊娠、出産の窓口がなかったのではなく、総合的な窓口として県保健所、福祉保健局や、当然、市町村の母子保健の窓口がありました。また、個別具体の相談内容に合わせて、母子の経済的困難やDV避難の婦人相談所、配偶者暴力相談支援センター、性犯罪被害などについては性暴力被害者支援センター、虐待や里親、特別養子縁組などに対応する児童相談所、このほかにも、妊娠や出産、授乳や育児の相談等に応じる県助産師会などの相談窓口があったところです。それでも、平成28年の嬰児虐待死亡事案、これは予期しない妊娠をして悩んでいるうちに中絶可能な月齢を過ぎてしまい、結果的に人知れず子どもを出産、死に至らしめたという事案です。その事案検証の過程で、既存の相談窓口では、予期しない妊娠に悩む当事者にとって悩みにマッチする相談窓口ではなかったのではないかといった御意見をいただいたところです。このため、県としては、今年度、予期しない妊娠などに悩む当事者の窓口として、とっとり妊娠SOSを開設することになったところです。
 相談窓口の位置づけですが、16ページに相談窓口の対応フローチャートを参考でつけており、そちらの2段目に書いておりますけれども、あくまでも妊娠SOSは、他の相談機関の上位に位置するのではなく、先ほど紹介した各種の相談機関と並列の相談機関という位置づけです。前回の常任委員会で、とっとり妊娠SOSという名称をつけていたことから、何となく妊娠に関する相談全てを総括するような相談機関というイメージを与えてしまったかと思いますけれども、当然とっとり妊娠SOSでは対応し切れない専門外の相談も予想されることから、そういった相談については適切に専門の相談窓口につなぐこととしております。
 また、相談内容によっては、当然法的な問題も絡むような重要案件も寄せられる可能性もあると思います。そういったケースについては、相談窓口業務を委託する県の責任においてきちんと対応、処理していく必要があります。そのため、速やかに委託事業者から子育て応援課などに連絡をとっていただき、子育て応援課のほうから、女性に係る事案で法律の体系につながるような相談内容であれば、婦人相談所とともに相談に対応していく。また、虐待等子どもに係る事案等であれば、児相等を通じて弁護士等の法律相談につなげていくという県としてのバックアップ体制もとっていくこととしております。
 とっとり妊娠SOSでは、予期しない妊娠、思いがけない妊娠などの専門の相談窓口として、今月4日の火曜日から業務を開始しました。現段階では週2回、火曜日、土曜日に、午前10時から午後8時まで、直通の携帯電話、ホームページの専用フォームからのメール相談、来所相談に対応いたします。相談体制としては、ともに助産師、看護師資格を有する専門相談員2名によるローテーションでの対応として県内全域の相談に対応することとしております。
 前回の御報告で丁寧に御説明ができなかったことをおわびいたします。

◎銀杏委員長
 説明途中ですけれども、お昼を過ぎましたので、ここで一旦休憩といたしまして、午後1時10分から再開いたしますので、よろしくお願いいたします。
 なお、木本局長におかれましては、職務の関係で午後は退席ということになりますので、御了承をお願いします。



午後0時09分 休憩
午後1時11分 再開


◎銀杏委員長
 引き続き、報告事項の説明に入りたいと思います。
 それでは、報告9、平成30年度鳥取県麻しん対策会議の開催結果について、荒金健康政策課感染症・新型インフルエンザ対策室長の説明を求めます。

●荒金健康政策課感染症・新型インフルエンザ対策室長
 17ページをごらんください。平成30年度鳥取県麻しん対策会議の開催結果についてです。
 麻しんにつきましては、本年3月から7月にかけまして、沖縄県を初め愛知、福岡などで流行があったところです。また、7月下旬から風しん患者が東京、千葉を中心として全国的に増加してきており、さらに、8月31日には本県においても風しん患者が1名報告されております。このような状況を受けまして、今月6日に市町村や保育園の関係者等、関係機関を参集して鳥取県麻しん対策会議を開催しましたので、その概要について御報告いたします。
 2の主な協議内容ですが、現在、厚生労働省は、麻しん・風しんに関する予防指針というものがありますが、これを9月末に改正する予定です。この改正のポイントに合わせて協議を行ったものです。
 まず1番目に、定期予防接種実施率の向上に向けた対策強化ということで、これまでも予防接種の実施主体である市町村や関係機関である保育園や学校が各家庭に予防接種の勧奨を行っておりますが、さらに、今後、医療機関のかかりつけ医においても予防接種を勧めていってはどうかという意見があったというものです。
 2番目の児童福祉施設、医療機関における対策強化です。0歳児未満のワクチンを接種していない子どもに接触する機会のある機関のスタッフに対しても、ワクチン接種を呼びかけてはどうかということが国の指針にありますが、現在、医療機関において、ワクチンの接種や抗体価検査を行っておりますけれども、児童福祉施設の一部の機関では抗体価検査等をしていないということもありました。そのため、新規採用の予防接種歴の確認や、ワクチン接種の呼びかけを行ってはどうかというような御意見があったものです。
 3番目の風しん抗体価検査から予防接種への結び付けです。現在、保健所や医療機関で風しんの抗体価検査を実施していますが、その結果で抗体価が低いという場合に予防接種の受診を勧めることを実施してはどうかという中で、現在は結果を保健所には郵送し、その際にチラシを配るということですけれども、採血時の検査の問診のときにも直接対面で呼びかけてはどうかという御意見があったものです。
 4番目の輸入症例への対策の強化です。出張等で海外から感染したような事例もあることから、海外出張等の前にワクチン接種等の確認が必要ではないかということで、その対策を国は考えておりますが、本県としましては、職域の団体である協会けんぽと連携して企業等への啓発を行っていってはどうかということで、実際に行おうと考えているところです。
 最後に、3の今後の方針としましては、予防指針を国が改正をするところですけれども、今回開いた会議の内容を踏まえて改めて対策強化を行うということと、今回、会議の中で機関によってはさまざまな新たな取組をしているということですので、その関係機関の取組を情報収集し、関係機関に情報提供して取組を広げていこうと考えているところです。

◎銀杏委員長
 報告10、平成30年度地域医療介護総合確保基金事業(医療分)の内示について、及び報告11、とっとりおとな救急ダイヤル(♯7119)の開設について、萬井医療政策課長の説明を求めます。

●萬井医療政策課長
 それでは、18ページのほうをお願いします。午前中、9月議会の補正予算説明資料でも御説明しましたが、平成30年度分の地域医療介護総合確保基金の医療分について、先週の金曜日、9月14日に国から配分額の内示がありましたので、その概要を御報告いたします。
 本年度、鳥取県として基金を14.6億円を要望しましたが、このたび国から内示が来ましたのは11.7億円ということでした。事業区分としては、下の表の中にありますように、地域医療構想の達成に向けた事業区分1に対して11.08億円、区分2の居宅等の医療提供に関する事業について0.03億円、3の医療従事者の確保に関する事業として3.44億円、計14.55億円の要望に対して11.71億円ということになっております。1と2の区分については満額配分でありました。3の区分については、従来から2と3の枠については国のほうも厳しい配分傾向であり、それに対して県としても春と夏に国要望を行ってまいりましたが、結果として0.6億円という内示になりました。これは、昨年度は5.4億円の要望に対して3億円というふうに年々厳しい配分内示となっている状況です。
 この理由についてですが、事業区分2、3に対しては、各都道府県からこの分野への要望額がかなり多くなっていることなどを踏まえて、今年度の国の配分方針が、平成26年度から29年度まで配分された基金の中から過年度基金の執行残を原則として活用しなさいという配分方針が出ているものです。鳥取県では、基金創設当時から本年度のように国からの配分額と要望額との間に乖離が生じた場合を想定しまして、将来に向けて必要な基金を確保してきたという状況があります。事業区分2、3については26年度からの基金執行残として現在4.8億円程度がありますが、本年度は、この要望額と配分額との相差2.9億円については、この基金の執行残を活用しながら今回の9月議会で事業実施のための補正予算を先ほどお願いをしたところです。
 事業区分2、3については、来年度以降も国からの配分は厳しい状況が想定されます。過年度基金の執行残も、先ほど申し上げたとおり限りがあることを踏まえまして、今後は、地域医療対策協議会や医療審議会等で、各事業者からの要望額や、その中から地域医療構想の達成に資するための必要な事業を十分審議いただきながら鳥取県の要望額を検討していきたいと考えております。また、今後、当該要望額につきましては、事業実施のために十分な財源を配分するよう引き続き国のほうにも要望してまいりたいと思っております。
 続きまして、20ページです。9月1日から、休日や夜間の急な病気やけがについて、御家庭での対処方法や医療機関の受診の必要性を相談できるような救急電話ダイヤル、♯7119を開設しましたので、御報告いたします。
 1の事業概要に書いておりますが、主に15歳以上の方を対象として、平日の夜間や休日に起こった急な病気やけがの対処方法、医療機関受診の必要性、すぐに救急車を呼ぶべきかどうかなどを、医師、看護師などの専門職が相談者の判断の参考とするためにアドバイスを行う救急電話相談事業を民間事業者に委託して実施するものです。
 なお、15歳未満の方を対象にしたとっとり子ども救急ダイヤル、これは♯8000番といいますが、こちらは平成21年度から既に設置して運用しているところです。
 利用時間は、平日の午後7時から翌日の午前8時まで、土日・祝日・年末年始につきましては午前8時から翌日の午前8時までということで、♯8000番と同様の時間帯で運用する予定です。回線数は1回線で、委託先は東京にあり、健康管理サービスの提供や健康相談事業を手がけている株式会社法研のほうに年間323万8,000円という金額で32年3月31日までの委託を行うものです。委託業者の選定方法につきましては、3社応札がありまして、一般競争入札でこの会社が請け負ったものです。
 2の期待される実施効果についてです。本事業は、消防庁が各都道府県に対して普及を進める共通の短縮ダイヤル♯7119を導入するということで、本県と県内各市町村が協力して実施するものです。他県の事業実施状況としては、本年3月時点ですが、都道府県全域では、宮城県、埼玉県、東京都等、7都府県で実施されているところです。
 こちらの♯7119を導入することで期待される主な効果としては、(1)から(3)に掲げておりますが、救急車の適正な利用であったり、救急医療機関の受診適正化、また急病、けが等の対応で不安な県民に安心を提供することを期待しているところです。
 9月1日からの導入後、一昨日までの2週間の相談実績については、23件相談があったところです。うち1件が救急搬送等の引き継ぎをされたものでありまして、そういう意味では、先ほど申し上げた期待される実施効果について一定の効果はあったものと考えられます。ただ、この23件という数字が若干少ないようですので、今後も引き続き市町村、消防局、医療機関等でのポスター配布や広報などを通じて積極的に周知に努めてまいりたいと考えております。

◎銀杏委員長
 報告12、薬剤師確保対策の実施状況について、壱岐医療・保険課参事の説明を求めます。

●壱岐医療・保険課参事
 それでは、21ページをお願いいたします。県内の薬剤師不足を背景に、平成24年度から一般社団法人鳥取県薬剤師会等と連携して薬剤師確保対策に取り組んでおりますが、平成30年度に特に新たに始めたことや拡充したことに関する取組状況について御報告いたします。
 1、大阪薬科大学のオープンキャンパスへの参加です。同大学とは、今年4月に薬科系の単科大学とでは初めて就職支援協定を結んでおりますが、これに基づき、同大学と共同して大学のオープンキャンパスの日程に合わせて、県内の高校生や保護者を対象として送迎バスを運行しました。実施日や参加者は、こちらに書いているとおりですけれども、当日は大学のほうが本県の出身学生による案内等を行い、参加者からは薬学部への理解、関心が深まり、薬学部への受験のモチベーションが上がったなどの感想をいただいております。なお、この大学は本県出身学生が32名在籍しておりまして、本県からの薬学部の進学者数が多い大学の上位4校の中に入っております。また、県内の2高校に対して指定校推薦枠を設けています。
 2、薬学生インターンシップの実施です。薬剤師を目指す全国の薬学生を対象に、県内の病院、薬局、行政機関においてさまざまな業務や就業環境を体験していただき、卒業後の進路検討の参考としていただくとともに、県内就業のきっかけづくりを進めるということを目的として、平成26年度から実施しております。実施日、参加者、受入施設は、こちらに書いているとおりですが、従来は夏の2日間に実施しておりましたけれども、今年度は3日間に拡充するとともに、冬から春にかけてもう一度実施する方向で予定しております。
 3、高校生・保護者等向けセミナーの開催です。薬学部の設置大学から講師を招き、薬学部のカリキュラムや授業の紹介、特色などを紹介いただくとともに、県内のさまざまな職域で活躍する若手薬剤師の体験談の発表などを通じて、高校生や保護者等の関心を高めていただき、薬学部の進学につなげることを目的として実施しております。従来は1カ所で開催しておりましたけれども、今年度は東部と西部の2カ所で拡充開催しました。開催状況はこちらに記載しているとおりです。
 こちらは従来から継続ですが、4、鳥取県未来人材育成奨学金支援助成制度の周知と利用促進についてです。こちらは、奨学金を借りている方で鳥取県内に就職をされた場合には返還の助成をする制度です。商工労働部が所管しておりますが、薬剤師も対象になっておりますので、さまざまな就職説明会などで積極的に周知を図り利用促進に努めています。平成30年度は、この制度を利用する薬剤師10名が新たに県内に就職されているということです。参考として記載しておりますが、薬剤師にかかわる本制度の認定者数は、平成27年度の制度開始当初から55名の方が認定を受けておられまして、うち既に県内に就職された方が33名いらっしゃいます。
 最後に、その他ですが、県内の薬剤師の不足状況については、2年前の調査で、おおむね5年間という将来的なことを考えたところで255名の不足という調査結果が出ておりますが、直近の状況を確認するため、現在、病院、薬局に対して調査を実施しております。その結果につきましては、改めて御報告いたします。

◎銀杏委員長
 報告13、中央病院建替整備工事の進捗状況等について、及び報告14、県の障がい者雇用の状況について、松岡病院局長兼総務課長の説明を求めます。

●松岡病院局長兼病院局総務課長
 病院局の資料をお願いします。1ページ、中央病院建替整備工事の進捗状況等についてです。
 進捗状況ですが、新病院建物本体の工事が完成して、8月31日に引き渡しを受けたところです。今後は12月のオープンに向けて医療機器の搬入、設置工事等を順次実施してまいります。
 この機会を頂戴しまして、新病院のオープンが近づいてまいりましたので、その機能と役割につきまして改めて御説明いたします。
 まず、救命救急医療の強化です。救命救急センターの病床数を14床から20床に増床し、集中治療室を6床にいたします。そして高度治療室16床を手術室に隣接配置します。24時間体制で治療が可能となる心臓病センター及び脳卒中センターを各45床、リハビリテーション室を併設して整備します。また、ハイブリッド手術室を新設するなどにより三次救急に対応するとともに、また、早期リハビリ等を実施し、疾患からの早期回復を推進いたします。
 次に、周産期母子医療の強化です。新生児集中治療室、回復治療室を倍増します。また、母体・胎児集中治療室を増床いたします。これらで、24時間体制で新生児、胎児、母体の生命を守ってまいります。
 また、がん医療の強化として、PET-CT、手術用内視鏡システム、強度変調放射線治療機を導入します。また、無菌病室を増床します。化学療法室についても8床から20床に増床し、緩和ケア病床を20床新設しまして、がんの一貫した治療体制を整備します。
 2ページ目、災害時の安全・安心の確保です。建物につきましては、免震構造を採用します。また、洪水時には病院機能を確保できるように、医療機能は2階以上に配置します。9号線からアクセスを整備し、さらに、トリアージスペースを確保して大規模災害にも対応できるというところで、災害時の医療を担うということを機能として維持します。
 次に、東部保健医療圏における医療連携の強化です。鳥取赤十字病院や地域のかかりつけ医と連携しまして、外来は原則、紹介患者として医療の分担を進めてまいります。
 人材の育成による医療の質の向上としては、医師の研修派遣、県外医師を招聘した公開手術の実施。消化器外科においては、臓器別に担当医を分けることによる医師の専門性の向上。また、今、分散している医局を一部屋に集約し、総合医局形式をとります。そしてオープンスペースを確保し、カンファレンスが活発に行われるようにしてチーム医療を推進します。さらに、教育研修センターを拡充整備し、日本専門医機構へ研修施設として登録して、医療人材育成の医療の質の向上に努めてまいります。
 患者中心の医療の推進です。個室を113室、多床室も現在5床のところ4床にしまして、広さを確保してベッドサイドでのリハビリや処置などを行えるようにします。また、患者や御家族の皆様のプライバシーが確保できる快適な環境を整えます。さらに、スタッフステーションにつきましても、病棟の中央に配置することで、患者や御家族からのアクセスがしやすくなり、安心感を醸成いたします。トイレについては、患者用トイレを病室ごとに設置し、また、来院者の多い階には多目的トイレを配置するなど、ユニバーサルデザインにも努めております。
 今後のスケジュールですが、当面のスケジュールとしては、12月8日に開院式と内覧会、16日には病棟オープン、17日には外来診療開始となっております。開院式には、議長、副議長、常任委員長、副委員長を初めとして議員の皆様に御案内を差し上げますので、御臨席を賜りますようお願いいたします。
 全体のスケジュールについては、新病院の建設、外来等の先行改修、外来棟本格改修、本館解体・駐車場整備というところが、そこに記している日程で順次実施する予定です。
 3ページです。県の障がい者雇用の状況についてです。
 結論を申し上げますと、職員の方の同意を得た上で手帳等を確認しまして、病院局においても現在、報道等でされているような不適切な算定は行っておりません。
 2、障がい者雇用の状況です。病院局は今2.51%で、障がい者の数は実数で10名となっております。これまでの推移は表に掲げておりますので、ごらんいただきますようお願いします。
 今後も、ともに働いていける環境を整備し、障がい者の方の雇用に努めていきたいと考えております。

◎銀杏委員長
 今までの説明について質疑等はございませんか。

○稲田委員
 今日はあまりこれ以上話したくないと思ったのですが、ちょっと先ほどの説明で腑に落ちない点がありましたので、再度質問したいと思います。事項としては、とっとり妊娠SOSです。
 先般、受託された団体の川口さんと、福浜委員ともども執行部の方も一緒に出会って話をいたしまして、もうその後に丁重な手紙も頂戴したりしておりますので、私はこれ以上ごちゃごちゃ言わないほうがいいかなと思っていたのですけれども、ちょっとニュアンスが違うと思うような点があったので、重ねて簡単に申し上げたいと思います。
 とっとり妊娠SOSという名前に、私はそれほど深い意味を持っているのではないということは、前回から再三にわたって申し上げたとおりです。ただ、とっとり妊娠SOSという言葉が、非常にある種の危険性を持つ、危惧感を持つ言葉であるので、それならば、やはりその内容であるもろもろの立てつけについてきちんとすべきではないのか。いや、そうではなくて、とっとり妊娠SOSという名前は、大仰とは言いませんけれども、SOSという危険を認識させるような言葉を使ってはいるのだが、簡単に言えば困っている方々の相談窓口ですよという程度のものであるならば、少しばかり大仰な名前に過ぎるのではないかということは先般申し上げたとおりであります。だから、これをやめろとかやめないとかいうようなことを言っているのではなく、その名前にふさわしい内容にしましょうということを言っておるわけです。
 その中で、細かいことを言えば何点か問題があるかなと思うところはあるのですけれども、はっきり言って助産師さんには荷が重たいのではないかと思われる判断が迫られることがあると思うのですね。それはなぜかというと、予期しない妊娠をした場合にどうするのかということになると、これは非常に大きな問題です。「予期しない」という言葉が、多分今この言葉のニュアンスのやりとりに非常に神経質な状況になっていますから、こういう言葉になっているのですが、本当は私は「望まない」という言葉がいいと思う。でも「望まない」という言葉を使うと、後々、子どもが生まれたときにその子どもに対して、おまえは望まない子どもではないのかというような話が起こるから、その言葉をあえて忌避しているという感じなのですね。
 予期しない妊娠をしてどうしましょうと相談を受けたときに、助産師さんがどう対応していくかということになると、大きな問題があると思います。1つは、はっきり申し上げて、予期しない子どもだから、堕胎をしたほうがいいということになると、堕胎の問題が起こる。オール・オア・ナッシングなのですね。受胎、妊娠、出産というのは、やるかやらないか、出産をするかしないかの判断になるのですよ。この前も言いましたように、真ん中がないわけです。
 だから、その判断をするについて、刑法上の問題である堕胎罪というものに対する違法性を阻却する、これだけは違法ではないですよという単行法がもう一つ法律で定められているわけです。その単行法が母体保護法で、昔は優生保護法と言っていた。けれども、優生保護法では人権上問題があるというので廃止になって、今、母体保護法になっているわけです。それで、母体保護法の中に、私も詳しい条文はもう忘れたけれども、たしか3つぐらい違法性を阻却する事由が述べてあるわけですね。その母体保護法に沿うのか沿わないのかという判断を助産師さんにさせるというのは酷ではないかと思うわけです。それはやはり法的な知識を持った弁護士なりが相談をすべきだ。ほかの簡単なことならば、助産師さんに相談に応じてもらって結構なのですけれども、その判断は本当に法に触れる問題なのですから、大きな問題だということだけは認識する必要がある。これはもう前回もたびたび申し上げたけれども、今回も重ねて申し上げておきたいと思うわけです。
 ですから、もうこれは余り構いたくもないし、その名前についても、川口さんからの手紙の中にはもう看板もつくったということですので、それを取りやめろということも言いません。だから、せめて判断に困ったときにどうするのか、産むのか産まないのか、産むことが犯罪につながるのかつながらないのかという判断だけは、法的な知識を持った人でないとできない。そのことは強くこの前から申し上げてきて、「性犯罪被害、犯罪」となっているから、犯罪ということになると、それはもう堕胎罪に適合することになってしまうわけです。そうではなくて、その一歩手前で相談者は相談に来ているわけですから、相談に応じるには法的な判断がなされなければならない。だから、ここは「性犯罪被害、犯罪」となっているのですが、そうではなくて法的判断を法的な知識を持った人に判断を仰ぐということが必要だと思う。弁護士さんなら弁護士さんにその判断を仰ぐと、それから後の法的手続は専門家ですからその弁護士がとってくれるということになるわけで、全面的に助産師さんがそういう重たい問題を抱え込む必要はないのではないかという気持ちで、前回からずっとしつこく言ってきたわけです。
 ですから、重くとろうと思えば重たくとっていいし、軽く、ただ相談窓口で相談を受けて振り分けるぐらいのことは大体できますから、その振り分けをしていくというのであれば、それはそれでいい。だから、これは軽くも重たくもとれる問題なのですよね。それについて、何かさっきの説明では、疑問に思うようなこともあった。今、もうそれは重ねて言いませんけれども、その点だけここはやはり直しましょう。どうでしょうか。

●稲村子育て応援課長
 16ページのフローのほうに「性犯罪被害、犯罪」とあり、こちらの犯罪につきましては、妊娠や中絶などに関して犯罪のおそれのあるような、法律要件に抵触するような案件があるのではないかという幅広い意味で犯罪と書いたわけですが、内容がわかりづらいということでしたら、法的判断を要する事案についてに修正したいと思います。

○稲田委員
 それでは、そういうぐあいにお願いしたいと思います。
 20ページです。とっとりおとな救急ダイヤル。以前から15歳未満の子どもたちの小児救急電話相談事業があると書いてあるわけですが、何点か疑問点がありますのでお聞きしたい。今、こういうようなところや、もちろん救急の119番もあるわけですが、休日の場合にはそれぞれの医師会が医師会館の中に休日の診療部門をつくってやっておるわけですね。それとのかかわりはどうなるのだろうかということが1点。
 もう1点は、委託先の株式会社法研という会社ですが、この契約額は県が払うのですか。国がこういう事業を思いついているわけですから国が払うのなら何も問題はないけれども、県が払うならちょっと考える必要があるのではないのかという気持ちがします。
 3点目に、これもまた窓口になるわけですけれども、看護師さんがまず窓口でお医者さんにまた判断を仰ぐというようなことになるときに、この看護師さんやお医者さんはどこの方なのか。法研の方ですか。どこのお医者さんや看護師さんになるのかということをお聞きしたい。
 4点目に、全体として、今、医師会館のほうにもそういう施設があり、救急医療も非常に充実をしてきている。そして、この他県の実施状況からすると宮城、埼玉、東京、新潟というような大きな自治体なのですね。市町村でも札幌、横浜、神戸と、田辺市がちょっと小さいのですが、全体としては大きな自治体なのですけれども、鳥取県は人口も60万人を切っているような中にあって、これをあえてやる必要があるのか。今でも十分に足りるのか足らないのか、わざわざこれをやる必要があるのかどうかという、その理由を聞きたい。決して反対をしているわけではないのですが、その必要性があるのか。必要であればやればいいけれども、必要でないのにわざわざ、あそこもやっているから、では、うちもやろうかというようなものならばむしろやらないほうがいいという気がします。どうでしょうか。

●萬井医療政策課長
 まず、1点目の休日・夜間等の医師会の夜間診療所とのかかわりです。今回、この事業を開始した背景としましては、休日・夜間、急患を扱う診療所の数もかなりふえてきていると。もしくは軽症等で救急車を呼んだりといった事例もふえているということもあります。こういったときにまず、御本人や御家族の方が急なけがなどの病状が出たときに、本当に救急車を呼んで行くのがいいのか、救急の診療所に行くのがいいのか、こちらのほうのキャパシティーもありますので、こういった負担軽減も鑑みて、まず相談をしていただいて、こういった症状であれば翌日の通常の診療時間に来てくださいとか、まずそういった相談ができるような体制をとろうということでこのダイヤルを設けたというところです。
 そうしましたところ、今回、この法研さんですが、今、その法研自体に看護師や医師を配置しておられるかどうかは、済みません、少しちょっと資料の中では見えないのですが、基本的な県の仕様の中では、この救急ダイヤルの電話口に看護師と医師を配置していただいて、医師の判断のもとに看護師が相談窓口を受けると、そういった体制をとって……。

○稲田委員
 所属はどこのお医者さん、どこの看護師さん。法研に籍を置いていると……。

●萬井医療政策課長
 ちょっと済みません。法研に籍を置いているのが委託か、そこはちょっと確認をしないといけないと思います。

○稲田委員
 でも、委託先となっていますよ、委託ですよ。法研に委託するのだから、当然その委託先の職員ということなのか。委託会社の法研の職員がお医者さんと看護師さんですか。

●萬井医療政策課長
 いや、法研自体の中にお医者さんを雇っておられるのか、済みません、そこから再委託をして……。

○稲田委員
 それはまだわからない。

●萬井医療政策課長
 済みません、申しわけございません。

○稲田委員
 わからない。そうか。

●萬井医療政策課長
 はい。ということです。
 あと、3番目、4番目も窓口の患者の……。

◎銀杏委員長
 要するに、これは多分当初予算でとった金額なのだと思うのですが。

●萬井医療政策課長
 はい。

◎銀杏委員長
 9月1日から実施しているわけでしょう。

●萬井医療政策課長
 当初予算の中で認めていただいた部分です。

○稲田委員
 それはやっているわけか。それで、23件というのはそういう相談件数。

●萬井医療政策課長
 はい。9月1日から開設をして、それ以降の相談件数が23件ということです。

○稲田委員
 では、もうやっているわけだからしようがない。いい悪いはもう言えない。
 そうか、これからやるかと思ったら、これはもうやっているのであれば、もう予算組みがしてあるのだから、もうしようがないということだよね。

◎銀杏委員長
 この法研さんは、多分、鳥取県だけが法研さんに委託しているというわけではなくて、他の都道府県さんもこの東京都にある株式会社法研に委託されていると認識しているのですが、その辺りの確認をちょっと。

●萬井医療政策課長
 はい。そこに掲げております7つの都道府県のうち、宮城県についてはこの法研さんが委託を受けていると聞いております。

○稲田委員
 あとは。

●萬井医療政策課長
 あとはまた別の会社が受けておられるというふうに聞いています。

○稲田委員
 そうすると、もう一回重ねて聞きますが、この300万円ちょっとの契約額は、鳥取県が予算組みをしてあるというわけだから、鳥取県が法研さんに払うわけだね。

●萬井医療政策課長
 はい、そうです。(「市町村は」と呼ぶ者あり)
 済みません。委託自体は鳥取県がしておりますが、そのうちの2分の1につきましては市町村が負担をするというふうに決まっております。

○稲田委員
 では、県は2分の1だから、150万円ちょっとを市町村で、150万円ちょっとを県が支払うということか。

●萬井医療政策課長
 はい。

○稲田委員
 非常に抽象的な聞き方ですが、本当にこれは役に立っているのですか。

●萬井医療政策課長
 今回、まだ実例が23件ということで、その分析も細かにはできていない状況ですが、先ほども少し御説明しましたとおり、23件のうち1件が救急搬送された事例だったと聞いております。残りの22件につきましては、翌日なり、もしくは診療時間への救急、医療機関の伝達等相談で済んでいるというところでしたので、そういう意味では夜間の救急診療所であったり休日の診療所の負担緩和には効果があったのではなかろうかと思っております。

○稲田委員
 我々、県民の認識としては、ちょっとしたけがや病気でも救急車を呼んだりいろいろやるわけで、病院に行ってみたらそう大したことなかったよというようなことだから、救急車を呼んだり休日診療のところに駆け込んだりする手前でふるいにかけて、重要な症状を呈したものだけを救急搬送して、それ以外のものは翌日でも行きなさいとふるいにかける役がこの法研という株式会社か。そういう認識でいいのか。

●藤井福祉保健部長
 電話だけですので、なかなか今御指摘のあったようにきちんとふるいなどができるものではありませんが、どうしようかと迷われるケースはいろいろあろうかと思います。そういう場合に、軽症でも行かれるケースもありますし、他者からのアドバイスをもらって、では、もう少し見てみようかというようなことで、総体的には軽症で受診されるケースが一定程度減ることによって、救急現場の負担や救急車の利用の軽減につながることが期待されるのではないかと思っています。
 下のほう、先ほど課長が説明しましたが、♯8000番と、これはお子さんについて同様の形で御相談を受けるスタイルでしておりまして、これが去年は6,000件余りありました。電話でのやりとりにはなるのですが、御相談された方も納得をされ、一定の効果として、翌日に延ばされたりなどのケースも生じていると伺っております。これだけできちんとふるい分けができるものではないとは思いますが、一定の役割を果たすことは期待できるのではないかということで、今回、取り組ませていただこうと思っているところです。

◎銀杏委員長
 よろしいですか。
 ちなみに、この7119というのは、シャープの8000に比べたら覚えにくいのですけれども、何か語呂合わせとかあるのですか。

●萬井医療政策課長
 これも説明の中に書いておりますけれども、国が定めた共通の短縮ダイヤルであり、7プラス119というふうに聞いておりますが、ここの語呂合わせでいい言葉がないかというのは考えたのですけれども、なかなかないので、♯7119としております。

◎銀杏委員長
 わかりました。
 ほかに質問はございますか。

○市谷委員
 とっとり妊娠SOSの分の説明を聞いて、そんなことだったかなと思うことがあったので確認したいのですけれども。1つは、前回の説明が余りに簡単にまとめたものであったために、十分考えていることが伝えられませんでしたという趣旨の説明だったと思うのですが、そうではなくて、もともと専門的に振り分けしていくなどのこと自体が、当初、考えた時点や、この間説明を受けた時点では、余り考えられていなかったのではないかと思っているのですよ。ここでいろいろ意見が出たりして、きちんとこういうふうに振り分けもすると、ルートを確立していくということで、今回整理されて出てきたと思っているのですけれども。ちょっとそこをまず確認したいのですが。

●稲村子育て応援課長
 とっとり妊娠SOSの役割自体は、当初から県として整理はつけていたつもりなのですが、そこを前回はきちんと説明し切れなかったと。また、重大な案件についてのバックアップについては、当然、委託者として県がバックアップするということは想定していたのですけれども、きちんとフローとして体系立てて整理をし切れていなかった部分があったので、改めてフロー図という形でお示ししたということです。前回、きちんと整理できていなかったのではないかと言われると、多少そういった面があって、補足させていただいたということです。

○市谷委員
 今、言われたようなことできちんとされたということだと思うのですが、ただ、当初からこういうフローチャートで整理されていなかったわけですから、受託する方も、多分最初に県から話をもらった段階と、議論を踏まえてこういうものができた段階では、認識を発展していただかないといけないのではないかと。ここに書いてあるような認識で対応するということで、ちゃんと心づもりしていただかないと、はっきり言って相談する人は場所を選ばないと思うので、こっちはそんな犯罪につながるようなものにはと思っていても来られると思うし、その辺りの話がきちんと得心いくまでできているのかどうかという点はどうなのでしょうか。

●稲村子育て応援課長
 受託者のやわらかい風さんとも、こういったフローチャートをきちんとお互いに見て、こういうケースではこういう流れで対応していきましょうという話をきちんと行って、了解いただいております。そういったことも含めて、前回、稲田委員とやわらかい風さんが面談されたというような状況です。

○市谷委員
 あと、こういう公的機関ではない民間の相談窓口を置いたほうがいいという経過があって、今回に至っているのですけれども、その例として、岩美町での子どもさんを出産して死なせてしまい隠していたという事案があって、検証過程では、今の相談窓口では予期できない妊娠に悩む当事者の相談内容にはマッチしづらい場合があるとの意見が出たからということで、これになっているのです。けれども、本当にこれがちょっとマッチするのかと、一般的に行政機関ではない民間のほうが相談しやすいというのはそうかなと思うのですけれども、あの教訓がこれなのだろうかと、ちょっと疑問に感じるのです。
 ただ、妊娠してしまってどうしようかということはあるので、相談窓口はあったほうがいいと思いますけれども、性教育など、そこに至ってしまった経過、過程の中でもっと課題があったのではないかと思っていて、その辺りのことをあわせて、相談だけではなくそうならないような性教育などの手だてをきちんとやらないとマッチしないのではないかなと、改めてこうして説明いただいたら感じたのです。今それを回答を求めるのがいいのかどうかわからないのですが、あの教訓としてこれだけでいいのかなと思うのですけれども、その辺りの検討されたことでもう少し性教育的にこうしようとか何か紹介できるものは……。

●稲村子育て応援課長
 あくまでもこちらの妊娠SOSのほうは、もう中絶もできなくて、結局は虐待死亡事案に至ってしまう、それに至らないまでに相談という、セーフティーネットをかけるという意味合いでの相談窓口です。それ以前に、そういった状況に陥らないための教育等については、今現在も、もちろん子育て応援課でも母子保健の側面から性教育等の取組を助産師会等を通じて妊娠関係の青少年に対する講座をやっておりますけれども、教育委員会も含めて、そういったこともなおさら力は入れていく必要があろうかと考えております。

◎銀杏委員長
 ほかに。

○浜田(妙)委員
 ちょっと話したくなりました。私は女性で、子を産んだこともあるものですから、命とのかかわり合いですよね。妊娠SOSがどういう方向を向いて人に向き合おうとしておられるのかがちょっと知りたくなってしまったのです。
 妊娠して、みんな喜びなのですよ、命に向き合うという時間がそこからスタートをするわけですね。実際に出産すると大喜びになるのですけれども、そうではない、困ってしまう。もてあましてしまっている。その人にどういうふうに向き合うのか、姿勢が、あるべき姿というのを。公が、お金を出してやるところですから。私は、いいよと、産みなさいよと、みんなで育てるのだから、生活のことも保障してあげるから、子どもは世の中の宝、だから、どんな状況であっても責任を持って育ててあげるからというのが一番いいと思っているわけです。けれども、そうはならない。その保障が県にもできない。ましてや相談に乗られる方がそこまで保障はできないですよね。そうすると、本人の意思になるのか、置かれている状況になるのか。何をもって産んだほうがいいのか、本人がその意思を決めるとき、まだ未成年のこともあるでしょうし、自分で自分のことすらわからないというような人を相手にしなければならないようなときに、どういうふうに姿勢を方向づけていこうとしているのかちょっとわからなくなってしまったので。そこまで深い話だとか、突き詰めて物に向き合う、何が本物でどうすることが一番、私たちがこの地域をつくり、人の一生に向き合うかというところまで考えられているのかどうかというのを知りたくなってしまったのですけれども、どうなのですか。私たちはどういう方向に向かって、少子化で人口減少社会ですから、どんな命もと思うのですけれども……。

◎銀杏委員長
 ちょっと、質問の内容がわからないのですけれども。

○浜田(妙)委員
 この妊娠SOSというのはどういう方向を向いて仕事に取り組もうとしておられるのか、ちょっとだんだんわからなくなってしまったので、済みません。いや、それはまだ全然考えていないと言われればそれはそれで結構ですけれども。

●木本子育て王国推進局長
 浜田妙子委員がおっしゃるように、できることであれば妊娠をされたらそのまま健やかに出産をしてほしいというのが希望ではありますが、相談を受ける立場として、その思いを相談者の方に押しつけるということはあってはいけないことではないかと思います。当然、稲田委員も言われましたが、この月齢を過ぎたら中絶はできませんという時期もありますので、その後、過ぎたものについてはしっかり産んでいただいて、それを例えば特別養子縁組にきちんとつなげていくとか、生活の支援が必要であれば、何らかの福祉の支援ができるように整えるということはありますけれども。中絶ができる前の段階でいろいろな御事情の中で悩んでおられる方に対しては、やはりその方にしっかりと寄り添って、その周りの方、御家族などのフォロー体制ができるのか、御自身がどういう思いでいらっしゃるのかをしっかり聞いて、最終的には相談者のほうから考えをこうですよねということではなくて、やはり御本人が決断をするのをしっかり一緒に考えていくという姿勢ではないかと思います。少しステージによっても相談の仕方も変わってくると思いますし、それからその方を取り巻く環境ですね、支援体制などにもよるとは思いますけれども、基本的にそういった形かなと思っております。

◎銀杏委員長
 よろしいですか。
 今、これは事業が進んでいるのです。これをやる、やめないという議論はもう少し待ったほうがいいと思いますので、どれだけの相談があるのか、どんな内容の相談があるのか、もう少し経たないと私はわからないと思うのですね。それを想定しながら議論を進めること自体がどうかなというふうな気がいたしますね。(発言する者あり)

○浜田(一)委員
 もうこの間、上程されて、議案の質問だったらわかるけれども、今、報告事項ですので。
 であるならば……。

○市谷委員
 ちょっといいですか。
 最初、助産師会さんにお願いしようかなという程度の、民間の相談窓口というのは聞いていましたし、予算があるのも知っていますが、助産師会かなというようなことで、どこが受けるとか何かそんなことは全くない議案だと。そのときにもっと聞けばよかったというのはあるかもしれないけれども、こういう体制でやるというのはこの間の報告で初めてあった話なので、いろいろ議論していくと詰まっていない部分があるという気づきが出てきたと思うのです。
 あとさっき浜田妙子委員が言われたのは、すごく大事なことで、妊娠中絶をするかしないかではなくて、その人が今後どう生きていくか、子どもと一緒に生きていくことも含めて、そういう深いかかわり合いになるということを自覚して相談に乗るという心構えというか、自覚のことを多分言っておられるのだと。私は聞きながらああそうかと思ったので、何か、切り張りしてただ仕分けするという話ではない、これはそういう問題、テーマなのだということをね。
 全然わからずにやっておられるというわけではないのだけれども、ちょっと今、浜田委員が投げかけた話を聞いていると、受けとめようとしているこのテーマからいくと、何だか少し浅い感じではないかなというのは感想ですけれども。それはやりながら執行されていくのでしょうけれども、でも、どういう気持ちでこれに向き合っていくかということは大事なことだと思うので……。

◎銀杏委員長
 ただ、相談する場所がなくて、事件が起きたという事実はあるわけですよ。だから、このまま何もしないわけにはいかないという、そうしたことがあるわけですね。やはり、相談窓口はつくりましょうよという前提があったと思うのですね。だから、その相談窓口をつくることの是非ではなくて、では、精神科医が入ったらいいかとか、そういう話になってくるのですか。

○浜田(妙)委員
 済みません、締めるために。
 このままでいいということで、もともと私は提案した立場ですので、本当に困っておられる方がたくさんあって、悩んで迷っている。暗闇の中ではいつくばっている人がたくさんいらっしゃるので、そういう人たちへ手を差し伸べるという意味ではいいのです。ただ、やるとなると、そういうところに向き合わなければならなくなりますよということです。だから、やめなさいと言っているわけではなくて、向き合わなければならないレベルがね、生き方だとか人の哲学だとか倫理だとか、そういうこともひっくるめて向き合って、しっかり物を考えて向き合わないと、相手の一生に向き合うことになるので、責任が重たいですよという意味です。そういう意味で、そこまできちんと自覚をした上で向き合ってもらわないと無責任過ぎますよということが言いたいだけですから、よろしくどうぞお願いします。以上で終わりです。

◎銀杏委員長
 以上、この件についてはよろしいですか。
 ありませんね。

○市谷委員
 12ページの子育て王国会議の報告についてなのですが、委員の方からいろいろ意見が出たということで紹介してあるのですけれども、この出た意見に沿って次年度のいろんな事業について考えていくということで紹介してあるのでしょうか。ただの羅列でしょうか。もっといろんな意見があったと思うのですけれども、ここに書いてあるものはどういう前提で書いてあるのかをまずお尋ねしたいと思います。

●稲村子育て応援課長
 例示している意見については、特に出席委員から強く要望を出された意見の中で、県としても課題であると認識している部分をピックアップしております。もちろん、今年度の事業実施の中で対応できるものについては意見を反映して取り組んでいきますし、来年度の予算措置等が必要な意見については、今後、事業化を考えていくと。また、11月にこの王国会議の第3回を予定しておりますので、予算化するものについてはまたその際、王国会議に諮って委員の御意見を伺っていきたいと考えております。

○市谷委員
 そうしたら、幾つか意見を言っておきたいと思います。
 一つは12ページの2の(1)、委員からの意見の最初のところで、今後は受け皿整備の促進だけでなく、地域を越えて入所が可能となるような制度の改善が必要ではないかと、待機児童が解消されないのはそのためではないかと書いてあるのですけれども、絶対的に足りないという認識を持っておられるのだろうかと思ったのです。それで、保育所の地域偏在と言われるけれども、はっきり言って町部のほうが足りない。田舎のほうは余っているという状況があるのだが、仮に地域を越えて入所ができるようになったとしても、仕事の関係や住んでいるところとの関係でそんな単純なものではないのになと、これを見て思って。だから、絶対的に足りないという認識を持ってこれに臨む必要があるのではないかというのが一つです。
 次に、(3)の未婚化対策についてで、結婚に重要なのはコミュニケーション能力で、学校教育の中でこの能力向上を図ることができれば未婚化対策になると。私はこれはおかしいなと。出た意見だから書いてあるとは思うのですけれども、こんなことを書いていいのかなと思いました。そういう問題なのかと。しかも、それを教育の中でコミュニケーション能力を向上したら未婚化対策になると、この発想は何かおかしいなと思いました。
 その次に子どもの貧困についてということで、就学後は貧困が把握しにくくなるため、乳幼児の段階で貧困を把握し、その情報を小学校につなげることが大事と。さらっと読めばそうかもしれないけれども、言われた人があるからということなのでしょうが、何だかこの発言は、子どもや家庭のプライバシーのことをどこまで考えて言っておられるのかなと、これを見ただけでは思ったので。出た意見ということで書いておられますが、でもこれは重要だと選んで書いておられるということなので、少し認識を改善いただかなければいけなかったり、実際やるとすれば、もう少し注意していただかなければいけないことがあるのではないかと思いましたので、言っておきたいと思います。回答はいいです。

◎銀杏委員長
 ほかに質疑ありますか。

○市谷委員
 17ページの麻しん対策ですけれども、これは定期接種の場合は接種料金がただになったりするのでしょうか。もう大人になってしまってからの分というのは、自費でやらなければいけないのではないかと思うのですけれども。助成制度があるというのでチラシ配布と書いてあるのですが、実際にはどんな助成制度があって、家庭の中や、子どもは定期接種ということでいくのでしょうけれども、その料金が幾らかかって、そこに対する助成制度をしないと実際にはなかなか呼びかけだけでは接種してくれないのではないかなと。そうすると、大人がかかってまた子どもにとか、妊婦さんにといくのではないかと思うのですけれども。その辺りの制度がどうなっているのか、助成制度などどういうふうに考えておられるのか、確認させてください。

●荒金健康政策課感染症・新型インフルエンザ対策室長
 麻しん・風しんのワクチンについて、助成制度ということですけれども、定期の予防接種は1歳と就学1年前の方々は無料接種です。今の制度はそうなっております。
 ワクチンの接種についての制度は、国のほうはないわけなのですが、県として平成25年に大きく全国的にはやったときに、特に風しんについては妊婦さんがかかられますと先天性風しん症候群の子どもさんが生まれるようなことがありますので、それを防ぐために妊娠を希望される方に対して助成制度を行っていると。さらに、妊婦さんの配偶者の方に対して助成制度を行っているということで、できる範囲の中ではさせていただいているというところです。

○市谷委員
 麻しん……。

●荒金健康政策課感染症・新型インフルエンザ対策室長
 麻しんにつきましては、特に制度はないところですので、自費で引き続き接種についてお願いしたいということです。
 特に今、麻しんにつきましては、WHOからは日本は排除国ということで、海外で罹患した人を起因とするものということですので、例えば海外へみずからが行かれる場合に感染を防止するという、みずからの防御というようなことになるかと思いますので、そのときにはみずからで実施していただければと考えております。

○市谷委員
 そうしたら、風しんについては妊婦さんとお父さんというか、そういうところは多分いいですね。

●荒金健康政策課感染症・新型インフルエンザ対策室長
 はい。

○市谷委員
 その他の大人は、余り考えなくてもいいのかどうかよく分かりませんが……。

●荒金健康政策課感染症・新型インフルエンザ対策室長
 もう一つ、風しんにつきましては、抗体価についての検査に関して、妊婦さんの配偶者だけではなく、国の補助制度に基づいて御家族にもやっております。現在、全国的な再度の流行ということがありますので、国のほうで抗体価検査の助成制度を検討しているとお聞きしておりますので、その辺りも確認させていただこうと思っています。

◎銀杏委員長
 ほかに質問はございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、次に、その他ですが、執行部、委員の方で何かございませんか。
 それでは、福祉保健部及び病院局に関して、執行部、委員の方で報告等ございませんか。
 それでは、ないようですので、福祉保健部及び病院局につきまして、以上で終わります。
 執行部の入れかえのため、暫時休憩をいたします。再開は午後2時35分といたします。
(執行部入れかわり)


午後2時23分 休憩
午後2時34分 再開


◎銀杏委員長
 それでは、ただいまから、生活環境部の付議案の予備調査を行います。
 執行部の説明は要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いします。
 質疑につきましては、説明終了後、一括して行っていただきます。
 まず、酒嶋生活環境部長に総括説明を求めます。

●酒嶋生活環境部長
 生活環境部です。よろしくお願いいたします。
 生活環境部資料(平成30年度9月補正予算等関係)です。こちらの資料をお願いいたします。
 表紙をおめくりいただきまして、まず左のページです。一般会計補正予算関係で、住まいまちづくり課で1事業ございます。予算関係以外では、条例の一部改正が1件、それから議会の委任による専決処分の報告事項1件です。
 右、1ページをごらんいただきますと、補正予算が1事業ですが、ブロック塀の耐震対策事業として危険と判断される民間所有のブロック塀の撤去、改修に係る補助制度を設けようとするものです。
 次に、別冊になりますが、平成30年7月12日専決分をお願いいたします。これをめくっていただきますと、7月の豪雨での出水による農業集落排水施設被害の復旧に係る補正予算につきまして、専決処分の承認をお願いするものです。
 いずれも詳細につきましては各課長から説明しますので、御審議のほどよろしくお願いいたします。

◎銀杏委員長
 続いて、関係課長から順次説明を求めます。
 遠藤住まいまちづくり課長の説明を求めます。

●遠藤住まいまちづくり課長
 お手元の資料、議案説明資料、平成30年度9月補正予算関係をごらんください。
 2ページ目をお願いいたします。ブロック塀耐震対策(撤去・改修)事業です。これは6月18日に発生しました大阪府北部地震におけるブロック塀の倒壊事故を踏まえまして、危険と判断される民間所有のブロック塀の撤去に係る補助制度を創設するものです。
 主な事業内容としましては、補助対象者が民間ブロック塀の所有者で、市町村への間接補助としております。
 補助内容ですけれども、ブロック塀の撤去、これは不特定の者が通行する道路に面したものに限っておりますが、補助率3分の2で補助限度額15万円としております。また、フェンス、生垣への改修、これは撤去したブロック塀の範囲に新設するものに限りますが、補助率3分の1、補助限度額10万円としております。
 予算額ですが、見込み件数200件ということで、これは17市町から御要望いただいておりまして、それをまとめたものです。その200件に相当する県負担額ということで、このたび1,000万円の予算を上げているところです。
 その下、注で補助要件ですけれども、この制度に関して疑義が生じた案件につきまして記載しております。建築基準法では、幅員4メートル未満の道路の中心線から2メートル以内にある部分につきましては、道路とみなす範囲ということとして建築物や塀の建築というものが禁じられておりますので、この範囲内にあるブロック塀については道路面と同じ高さまで撤去すること。また、フェンス、生垣を新設する場合につきましては、この範囲内の新設を認めないということにしております。また、フェンスや生垣の基礎をブロック造としたいというようなこともありますので、60センチ以下であれば認めるということとしております。
 続きまして、7ページをお願いいたします。鳥取県建築基準法施行条例の一部を改正する条例についてです。このたびの改正は、この6月に建築基準法の一部改正がありまして、建築物の敷地に関する接道規制として、新たに認定手続が設けられましたので、この認定手続に伴う手数料の設定を行うものです。
 現行の建築基準法ですが、参考の部分になりますけれども、建築物を建てる際、その敷地は建築基準法に規定する道路2メートル以上接する必要がありまして、接していない場合は特定行政庁が建築審査会の同意を得て、許可をしたものでなければならないことになっておりました。このたびの法改正によりまして、国土交通省令で定める基準、これは具体的にその下に(1)、(2)とありますが、この基準に適合するもので特定行政庁が認定をしたものであれば、建築審査会の同意が不要という手続が新たに定められましたので、この認定手続の手数料を設定するというものです。
 具体的には、次のページに新旧対照表を載せております。従前の許可が左側の改正後の8の2のところです。これが許可1件につきまして3万3,000円です。その上の法43条第2項第1号の規定に基づく認定1件につき2万7,000円、この部分が新しく追加ということです。
 続きまして、9ページです。議会の委任による専決処分の報告です。このたび、県営住宅の明け渡し等の請求に係る訴訟の提起につきまして、8月27日に専決処分を行いましたので、報告するものです。
 概要ですが、この入居者が入居される前に、暴力団員でないという確認をしておりましたが、昨年11月に恐喝事件を起こされまして、この方が暴力団員であるということが判明いたしました。その後、再三にわたり明け渡しを求めてまいりましたが、一向に応じられませんでしたので、今回、訴訟に踏み切るものです。
 請求の趣旨としましては、県営住宅の未納家賃、駐車場使用料が、合わせまして5,739円です。及び、損害賠償の支払い並びに訴訟費用の負担を求めるというものです。あわせまして、仮執行の宣言を求めるということとしております。

◎銀杏委員長
 田中水環境保全課長の説明を求めます。

●田中水環境保全課長
 議案説明資料、30年7月12日専決分についてお願いいたします。
 1ページをお願いします。7月の豪雨災害によりまして、智頭町の農業集落排水施設が被災しましたので、その復旧に係るものをお願いするものです。額は、国費1億2,000万円ということであります。
 2ページをお願いいたします。内容につきましては、8月21日のこの常任委員会の場で細部につきまして御報告しておりますので、簡単に御説明したいと思います。
 2の主な事業内容ですが、智頭町にある3施設になっておりまして、山郷、南因、山形の浄化センターが被災しております。一番大きかった被害のものが真ん中の南因浄化センターで、既に仮復旧は済んでおりますが、本格復旧ということになっております。9月25日から、来週の火曜日ですけれども、国の災害査定が始まりまして、査定を受けることになっております。
 3の負担区分ですが、国と市町村との2分の1ずつの負担になっておりまして、市町村の2分の1部分につきましては、下水道事業債が100%充当できて、50%の交付税返しがあるという状況です。

◎銀杏委員長
 執行部の説明は以上であります。
 これから、付議案に対する質疑を行っていただきますが、委員の皆様におかれましては、簡潔な質問、発言前後のマイクのスイッチの切りかえをお願いをいたします。
 それでは、今までの説明について、質疑等はございませんか。

○市谷委員
 専決の2ページの下水道関係のことなのですけれども、さっき、費用負担のことについて国50%、市町村50%ということで県がないのです。これは額も大きくて、県も支援してほしいということも聞いたのですけれども、そういう制度設計は難しかったのだろうかと、そこを答えていただきたい。また、市町村の50%については全部起債できて、半分は交付税措置ということですけれども、それでも25%の負担があるということなので、やはりもっと特別交付税の枠を広げるだとか、財源保障を国に求めるべきだと思うのですけれども、その辺りの考え方について確認させてください。

●田中水環境保全課長
 まず、県の負担部分につきましては、やはり被災直後は同じような話がございまして、特別地方交付税の重点配分みたいなものが県レベルですができないかということで、地域振興課と協議しております。地域振興課も10月からヒアリング等を始めるということですので、災害にかかった費用について、その辺りについては考慮するということでお話を聞いております。
 また、国要望につきましては、中国知事会のほうで既に要望しておりまして、この辺りについての交付税の重点配分をお願いしているところと、あと激甚災害について、かさ上げがないものですから、その辺りのかさ上げもお願いできたらということで、これから秋の県の国要望の中でさせていただこうと思っております。

○市谷委員
 特別交付税なのですけれども、結局全体の交付税の中で何%と決まってしまっていて、全国でそれをとり合うみたいなことでは、なかなか実際の額として確保できないので、別枠の特別交付税という、今までの特別交付税にさらに特別なものを求めていくことが必要だと思うのですけれども、そういう要望になっているのでしょうか。

●田中水環境保全課長
 そういう要望にまではなっていないと思いますので、その辺りについては御意見を踏まえて地域振興課とも相談させてもらいたいと思います。

◎銀杏委員長
 ほかに質疑はございますか。

○市谷委員
 今度は9月補正のブロック塀なのですけれども、これは市町村と協調して国の社会資本整備交付金の計画を変更してその一部を活用してということで、国、県、市町村ということなのですけれども、市町村のほうが9月議会も早くて、鳥取市などはもう先議でやっているのですよ。ところが、県は先議ではなくて通常の補正予算なので、予算が決まるのが遅くなるという心配の声を聞いたのです。鳥取市がせっかくやったのに県がついてきていないから何だったのかなと。なので、なぜ県は先議にしなかったのかということを説明していただきたいですし、それから件数は交付金の一部を使うので、件数が全県で200件というのは、多分足りなくなるのではないかなと思うのですけれども、もしもっとという声が上がったときに多少はふやすことができるのかどうか。それから、来年度は新しい制度ができるのではないかと、そっちを使ってほしいというような話もあったのですけれども、その見通しがどうなのかも説明いただきたいと思います。
 あと、7ページの建築基準法の条例の改正です。住宅を建てる際に安全性の確保ということで一定の道路に面していることを基準にしているのですが、今回は一定基準を満たしていれば特定行政庁が審議会をしなくていいということなのですけれども、なぜそういう簡素化といいますか、規制緩和というか、安全性の確保ということからいくと審議会を開かないということがどうなのかなと思うのですけれども、国のほうはなぜこういう法改正をしても大丈夫ということで来ているのかと。今回、これは手数料なのですけれども、ただ、法改正に伴うものですので、法改正の趣旨というか安全性の確保ができるという前提なのか、その辺りを説明いただけないでしょうか。

●遠藤住まいまちづくり課長
 まず、ブロック塀の関係で、先議にしなかった理由はというお尋ねですが、これにつきましては緊急ということもありまして我々は準備してきているのですけれども、補助制度の要綱等、細部の調整等が必要だった分もございまして、補正対応にさせていただいたところです。
 200件で足りなくなるおそれはないかということですけれども、これも年度中途の補正ということもありまして、最終的には当然これでは足りないということにはなろうかと思いますが、年度内で執行する部分については、市町村のほうとしてはこれぐらいだと申しておりますので、これで年度内はもつのではないかと考えております。
 また、新しい制度の見通しはどうなのかということですが、現在、国交省のほうでブロック塀の補助制度について新たに補助制度を設けるような検討がされております。今の段階では社会資本整備交付金の効果促進枠という、ある程度自由裁量で各自治体が使用できる枠の中でやっておるわけですけれども、これは基幹事業といいまして、本体の補助制度を設けるような形で改正がされるふうに聞いております。ただ、まだ制度の詳細につきましては明らかになっておりませんので、来年度要求に向けてその辺りが明らかになれば、その辺りも踏まえた来年度予算の要求も考えていく必要があるのかなと考えております。
 続きまして、条例改正の件ですけれども、安全確保のほうは大丈夫なのだろうかというお尋ねかと思います。今回のそもそもの考え方というのは、従来、一律に許可を求めていたものを、ある程度定型的なものについて、行政庁として許可の裁量性の範囲が狭いものについては簡素化してもいいのではないかというところから始まっております。したがいまして、そこの国土交通省令に定める基準というところに書いてありますような、例えば農道の幅員4メートル以上で道路管理者が了解をしているもので住宅のような利用者が少ないものというような、かなり限定的に安全性に余り支障がないだろうというもので、かつ、特定行政庁側として判断の裁量性が少ないもの、そういったものに限って緩和をしようというものです。ですので、安全性の担保において余り問題はないのかなと考えております。

○市谷委員
 ブロック塀のほうですが、市町村から要望をとって200件程度ということだったのでそうしているということなのですけれども、多少足りないということが出たら200件から少しぐらいは大丈夫なのかということを聞きたいのと、それから先議にしなかったのは準備が間に合わないということですけれども、結局、いつごろに受付ができるようになるのか。これから冬に向かっていくわけですけれども、その辺りいつごろからできるのかという見通しについて確認させてください。

●遠藤住まいまちづくり課長
 まず予算の件ですけれども、もし200件で足らない場合は、状況を見ながらまた御相談したいと思います。
 補助制度の見通しですけれども、10月中には補助制度が利用できるような形に準備をしていくようにしております。

◎銀杏委員長
 ほかに質疑ございますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、次に請願・陳情の予備調査を行います。
 今回の予備調査は、新規分陳情2件についてであります。
 現状と県の取組状況は、お手元に配付しております請願・陳情参考資料のとおりです。
 それでは、陳情30年生活環境第19号、打吹公園動物舎のカイウサギの怪我と飼育方法について、坂口くらしの安心推進課長の説明を求めます。

●坂口くらしの安心推進課長
 それでは、陳情資料の1ページをお願いをいたします。
 この陳情につきましては、倉吉市の打吹公園動物園におけるウサギの飼育状況につきまして、県の立入調査と指導を求めるというものです。
 では、現状と県の取組状況について御説明をいたします。
 まず、ペットショップ、動物園などを営む場合につきましては、動物愛護管理法に基づきまして、動物取扱業として知事の登録を受けなければならないこととされております。また、動物取扱業者におきましては、法で定められました遵守基準に基づきまして、動物の飼育、管理を行うということとなっております。
 次に、県の取組状況です。本県におきましては、この動物取扱業者に対して計画的に立入調査を実施をすることとしておりまして、原則として1年に1回以上、総合事務所の職員が立ち入ることとしております。
 次に、この打吹公園動物園に対する立入調査の状況です。この動物園につきましては、昨年11月以降、陳情者からウサギの飼育方法等につきまして改善指導を求める通報が中部総合事務所のほうに寄せられておりますので、その都度、中部総合事務所の獣医師である動物愛護担当職員が立入調査を実施しております。
 内容につきましては、2ページ目にまとめておりますが、6月、7月にかけましては、足または目をけがしているウサギが治療を受けられていないことを確認しました。また、8月には、飼育小屋の床が水でぬれているという状況を確認しまして、指導を行い、その結果、改善措置がとられていることを確認したということです。

◎銀杏委員長
 今までの説明につきまして、質疑等ございませんか。

○川部委員
 一応、立入調査をしているのに陳情という形で出てきているということについて、県としてはどういうふうな理解でおられるのか。それから、倉吉市の多分公園管理課か何かだと思うのですけれども、市に対して何か話をされているのですか。そのやりとりがあれば教えていただけないでしょうか。

●坂口くらしの安心推進課長
 まず、この陳情に至った経緯という背景ですけれども、この陳情者の方は足しげくこの動物園のほうに通われて、細かく動物のほうを観察をしておられるということで、その都度気づいたことを県、あるいは市のほうに御連絡をされているという状況で、行くたびにいろいろ気づくことがあるのでこういった陳情をされたということかと思います。
 あと、倉吉市役所への指導ということですけれども、先ほど、資料の2ページのとおり、4回にわたり通報を受けて指導に入っておりますけれども、この際には動物園で実際飼育管理をされる飼育員の方、それから市役所の担当課が管理計画課というところになりますので、そこにも行きまして、同様の指導を行っているという状況です。

○川部委員
 その指導に対して、倉吉市は改善するという意向を示している、それから、立入調査についても一応対応しているというふうな、これは現状ではもう対応できていることなのでしょうか。

●坂口くらしの安心推進課長
 今回、資料にしてまとめておりますことについては、全て改善措置が完了しております。

○川部委員
 わかりました。

○市谷委員
 ここに紹介してある立入調査というのは、通報を受けた上の調査なのですが、それについては改善されているということですけれども、年1回の通常の立入調査では特に問題はなかったということで来ているのでしょうか。

●坂口くらしの安心推進課長
 計画では年1回ということですけれども、この動物園につきましてはたび重なる通報がありましたので、定期という概念も含めてこの苦情の調査の中で対応しているのが実態です。

○市谷委員
 これは平成29年11月からしか書いていないのですけれども、これまで年に1回立入調査に入って、そのときはどうだったのですか。その前からずっと通報が続いていて、ずっと入っていて、一つ一つこうして聞いたことを改善してきているという状況なのでしょうか。

◎銀杏委員長
 この2ページに書いてある通報日と立ち入り日はずっと載っておるのですが、これと、それから定期検査の……。

○市谷委員
 この前が毎年1回という……。

◎銀杏委員長
 ああ。

●坂口くらしの安心推進課長
 29年以前の定期検査におきましては、特に指導事項等はないという記録になっております。

○市谷委員
 この問題があるという認識が、調査に入っているほうと、このずっと観察されている方がちょっとずれているのかなと思ったのですけれども。ただ、この通報があった内容については、県が調査に入ったときに本当だったら気がついているはずなのではないかなとも思えるし、通報されている内容についてはやはり改善されるべき内容だということで改善されているのですけれども、何だかちょっとちぐはぐしているような感じがするのですが、この通報内容については言われてごもっともということと認識しておられるということなのですね。

●坂口くらしの安心推進課長
 動物の状況は日々変化しているものだと思いますので、年に1回というタイミングを外した場合、そのときに動物がけがをしていたりとかいうところについては、職員のほうは把握をできませんので、今回、こういった陳情者の観察によって通報を得られたということで対応をしたということです。

◎銀杏委員長
 通常の飼育状況、飼育態度といいますか、そういうものがきっちりされているのかどうかという点は見ないのか、見ておられて指導等をされておるのか、お聞きしたいのですけれども。多分そういう内容の質問だと思うのですが。

●坂口くらしの安心推進課長
 調査に行った場合、園内の動物の管理状況、飼育状況を外見で把握するとともに、いろいろ記録がとられておりますので、その中でどういった措置がとられているのかを総合的に判断しまして、指導すべきことがあるかないかを判断をすると。その結果、問題があれば指導、改善、確認を行うという形になります。

◎銀杏委員長
 では、なぜこうやって頻繁にこういう事例が起きてくるのかがよくわからない。だから、普段の管理が十分でないからでないかという心配が出てくるわけですけれども、いかがなのでしょうか。そこまでは県としては見られないのでしょうか。

●坂口くらしの安心推進課長
 この公園につきましては飼育員の方と、市役所の管理課がそれぞれ分担して把握しておりますけれども、やはり聞いてみますと、飼育員さんの判断に大部分が委ねられているというところがありますので、飼育員の方の判断が少し緩いといいますか、そういったところがあったということは否定できないかなと思っています。

○浜田(妙)委員
 県としての判断は、今後、このような状況は生まれなくて、これから任せておいて大丈夫だという判断ですか。

●坂口くらしの安心推進課長
 昨年11月以降の立ち入りを踏まえまして、確認できる範囲の改善事項は確認して指導したと思っておりますので、今現在については特に指導するべき事項はないと判断しております。

○浜田(妙)委員
 このような陳情を受けるいわれはないという状況だということでしょうか。

●坂口くらしの安心推進課長
 いわれがないということではなくて、陳情者の言われた内容については事実として確認をしたということですけれども、それが今後も同様のことは発生しないだろうと総合事務所のほうとしても判断しているということです。

◎銀杏委員長
 では、もう発生は多分しないだろうということですね。安心して……。

●坂口くらしの安心推進課長
 はい。そういう体制をとっていただくようにもお願いしております。

◎銀杏委員長
 では、県としてはとりあえず今後こうしたことが起きないように指導をしていると受けとめますので、よろしくお願いいたします。
 よろしいですか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、この件につきましては執行部の説明は以上です。
 委員の方で、陳情者から願意の聞き取り、あるいは現地調査の必要性について御意見を伺いたいと思いますけれども、意見のある方は挙手をお願いいたします。(「なし」と呼ぶ者あり)
 ないようですので、今回につきましては聞き取り及び現地調査は行わないことといたします。
 次に、陳情30年生活環境第22号、消費者行政の拡充を求める意見書の提出等について、堀田消費生活センター所長の説明を求めます。

●堀田消費生活センター所長
 資料3ページをお願いいたします。消費者行政の拡充を求める意見書の提出等についてということで、県において消費者相談窓口及び消費者行政の機能拡充・強化と学校教育の現場における消費者教育を推進すること、また、政府及び国会に対し、地方消費生活行政の体制・人員・予算を拡充・強化するための予算措置を拡充させ、消費者問題に対処できる体制を構築する意見書を提出することが陳情の趣旨です。
 まず、現状です。相談体制は、県消費生活相談窓口が東部、中部、西部の3カ所でNPO法人コンシューマーズサポート鳥取に委託実施しております。市町村での相談窓口ですが、鳥取市、米子市及び境港市は単独で消費生活センターを設置されています。中部管内は中部消費生活センターを設置され、県と同様、NPO法人に委託実施されています。また、伯耆町は単独で消費生活相談窓口を設置されています。そのほかの町村は、相談窓口を設置され、相談業務をNPO法人に委託実施されています。
 相談件数ですが、平成27年度から29年度までの間、国、県、市町村とも同様に平成27年度に比べ28年度が減少、平成29年度に増加という推移をとっております。
 予算ですが、県は平成29年度までおおむね1億700から800万円だったものが今年度、国の予算と連動し、3,600万円ほど減額となりました。
 次のページをお願いいたします。取組状況です。県民の皆様が消費に関する被害等に遭うことなく、主体的な消費行動を行っていただけるよう、幼児期から高齢期まで切れ目なく消費に関する啓発等を行っております。まず、教育現場において活用していただけるよう、幼児向け、小・中学校向け、また特別支援学校向けの教材を作成し、学校への出前講座を行っております。まず、教育現場において活用していただけるようお願いをしているところですが、要望に応じて企業や地域の団体等の研修会等でも講座を実施しております。
 大人用の啓発資料としましては、消費生活トラブル事例等や対処法をコンパクトにまとめたパンフレットや、特殊詐欺被害防止のためのテキスト等も作成しております。また、賢い消費者育成を目的としたとっとり消費者大学では、広域的団体等が主催する講座等へ講師を派遣、一般の方々を対象にし時宜に応じたテーマで公開講座を開催、県内の高等教育機関4校と連携したくらしの経済・法律講座を開催しております。
 そのほか、毎年5月の消費者月間には、大型商業施設や大学等において消費生活相談窓口の周知や利用の呼びかけ等、啓発活動を行っております。
 最後になりますが、消費者庁作成の高校生向け教材「社会への扉」について、県内全高等学校に授業での活用について働きかけております。

◎銀杏委員長
 今までの説明につきまして、質疑等はございませんか。

○市谷委員
 3ページの相談件数のところで、28年度から29年度の市町村の相談件数が900件ちょっとふえているのですけれども、市町村の相談窓口はNPO法人のほうに頼んでいて、相談員が14名ということなのですが、この辺りの相談はきちんと回っているのでしょうか。相談がすごくふえているのですけれども、市町村はどんな感じでしょうか。

●堀田消費生活センター所長
 市町村においての相談受付の対応ということです。こちらのほうは、まず市については、委託はしておりません。町村について、伯耆町以外はコンシューマーサポート鳥取に委託して実施しておりますけれども、地域によって巡回で相談受付などをしている中で、伯耆町以外ですけれども全ての町村で対応は十分に行えていると聞いております。

○市谷委員
 対応はしているのですけれども、件数がふえて大変だなとか、相談をいっぱい受けることになって体制が足りないなとか、その辺りはどうですか。

●堀田消費生活センター所長
 この28年度に比べて29年度はふえたというところですね。こちらは相談概要の説明を春に行ったときにも少しお伝えしましたが、はがき、メール、特殊詐欺に関する架空請求の相談がふえたということで件数が増加しておりますが、まず、相談にいらっしゃる方について窓口で町の職員さんが聞いてくださったりとかいうこともあわせて対応というか、まずお聞きして、それについて回答という形をとっているのですけれども、そういうことによって物すごく昨年に比べて手が足りないとか、そういうことは聞いてはおりません。

◎銀杏委員長
 ほかに。

○川部委員
 では、相談窓口については、ある程度対応ができているというふうな認識で、学校現場におけることなのですけれども、教材開発や講座も準備して、パンフレット等はできているのだが、実際の学校現場でどのような形で消費者教育が行われているかということについて状況を教えていただけないかと。それから、2番目の陳情の要旨で、国のほうの予算措置というのが、現状、どのような状況にあるのか教えてください。

●堀田消費生活センター所長
 2ついただきまして、1件目、学校現場でどのように消費者教育が実施されているかということですが、センターとしてまず教材を準備させていただいた理由が、学校のほうでどういったものを使って授業していいかわからないというようなことを今の消費者教育推進計画を作成する際に学校現場のほうからお聞きしていましたので、まず教材を作成しました。それについて利用をしていただくように、資料ができた際に家庭科だったり、いろいろな校長会等でPRさせていただいて、このように使っていただきたいということをお伝えしております。
 実際、どのようにされているかを一つ一つお聞きはしていないところはありますが、今年3月にアンケートをとりまして、活用状況はお聞きしています。その結果については細かく分析はしておりませんが、全ての学校で全部使っていただいたというところではなく、もう少し働きかけが必要かなと感じております。
 2つ目の国の予算のほうですけれども、こちらが今、国の来年度の概算要求につきましては、昨年度並みの要求をされていると聞いております。私どもとしましては、交付金等なかなか使い勝手がよくないのではないかということで、要望はしております。

◎銀杏委員長
 ほかにございませんか。
 それでは、委員の方で、陳情者から願意の聞き取りあるいは現地調査の必要性について御意見を伺いたいと思います。意見のある方は挙手をお願いいたします。(「なし」と呼ぶ者あり)
 ないようであります。それでは、今回につきましては、聞き取り及び現地調査は行わないことといたします。
 次に、報告事項に入ります。
 執行部の説明は要領よく簡潔にお願いいたします。
 質疑等については、説明終了後に一括して行うことといたします。
 それでは、報告15、平成30年度版鳥取県環境白書の公表について、及び報告16、人形峠環境技術センターの今後の方針等に係る県・三朝町の合同ヒアリングについて、若松環境立県推進課長兼星空環境推進幹の説明を求めます。

●若松環境立県推進課長兼星空環境推進幹
 生活環境部報告資料の1ページをごらんいただきたいと思います。県では、鳥取県環境保全及び創造に関する基本条例に基づきまして、環境白書を毎年作成し、公表しているところです。当該年度に講じようとする施策につきましては、4月20日に開催しました常任委員会でその概要について報告しております。あわせて、条例の規定に基づき、前年度に行った取組状況について、今回報告いたします。
 表の中、目標の達成状況・成果ということで、それぞれの分野につきまして特徴的な取組、成果等を記載しております。エネルギーシフトの取組につきましては、環境イニシアティブプランに掲げる目標92万キロワットを上回る95.5万キロワットまで達し、この水準は県内の一般住宅の使用量をカバーできる水準まで達しております。
 県内全体のエネルギー使用量につきましては、昨年の夏季の猛暑、冬季の低温の影響により、28年度、29年度と連続して、エネルギー使用量が家庭、企業、運輸、全ての部門で増加となってしまったところです。
 環境負荷低減としまして、廃棄物の減量、リサイクルの促進ですが、一般廃棄物につきましては、排出量は横ばいでしたが、リサイクル率が27%から30.6%へと上昇し、全国平均を上回る全国3位の水準まで達したこと。また、産廃等は、28年度の実績ですが、中部地震の影響により瓦れき等の排出量が前年に比べ増加しましたが、全体としてはこの環境イニシアティブプランを策定した当時より総排出量は減少して、目標数値を達成しているところです。
 また、自然がもたらす恩恵の享受ということでは、自然体験プログラムの利用者数が大きく増加したこと、また県内の三大湖沼による水質改善については、全体としては3湖沼とも大きく改善傾向にあります。そのうち、中海、湖山池については湖沼の水質目標を達成していること、東郷池については改善傾向にあるのですが、定めた目標にはまだ至っていない状況です。 また、この表には記載しておりませんが、昨年度におきましては、星空保全条例の制定や、鳥取すいそ学びうむの開館など特徴的な状況を踏まえまして、一番下になりますが、県のホームページで各事業の取組成果も含めまして、細かなものを掲載しているところです。
 参考までに、2ページ、3ページに環境イニシアティブプランに掲げた目標の主な指標について、昨年度末、一部28年度の実績もありますが、そういった数値を掲載しております。
 今後の対応としましては、10月に開催予定の鳥取県環境審議会にこういった取組状況を報告し、次年度以降の予算など、委員の意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。 続きまして、資料4ページをごらんいただきたいと思います。8月18日に新聞報道で報じられたところですが、人形峠環境技術センターにおける今後の取組につきまして、県にもこれまで説明に来られたことがありますが、地元である三朝町との合同ヒアリングを9月12日に行いましたので、その概要について御報告申し上げます。
 報告いただいた内容につきましては、4の(2)今後の取組というところに大きく2点あります。1つは「ウランと環境研究プラットフォーム構想」研究という形で、この試験研究内容につきましては、一昨年、平成29年2月の本常任委員会に報告したところですが、鉱山の閉山措置に係る研究、ウランの長期保管に係る研究、ウラン廃棄物の処理・処分に関する研究という形で、この処理・処分に係る部分で8月18日の共同通信配信による記事によりますと、これが将来的な最終処分につながるのではないかという臆測記事が出たところです。この辺りが一番心配するところですので、人形峠環境技術センターから説明を伺ったところ、まず、地表や浅い地中でどのようにウランが移動しているか、これは廃棄物を用いずに研究するといった環境研究。また、ウラン廃棄物を合理的に処理するため、ウランの付着をいかに減らしていくかといった技術を行う工学研究。まずこれを行った後に、将来的には埋設試験研究を予定していると。ただし、この試験研究に際しては、地元住民の理解と、現在、このウラン廃棄物につきましては埋設の規制基準が国のほうで定まっておりません。ですので、現状、埋設を行うことができませんので、あくまでも規制基準が整ってから段階的に実施したいというお話でした。
 また、この説明の中で、新聞報道でもありました次の大きな丸ですが、人形峠環境技術センターに最終処分を決めているものではないこと、また試験研究に当たっては他地域からの放射性物質を持ち込むことがないこと、以上2点について確認したところです。
 報告いただいたもう一つの大きな2点目がイですが、ウラン加工事業の廃止となっております。これは、ウラン濃縮原型プラントの解体を行うものです。5ページの下のほうに人形峠センターの写真を添付しておりますが、その中央上段のほうにウラン濃縮原型プラントというものがありまして、人形峠環境技術センターでは、自然界にあるウランは燃料として使えませんので、これを濃縮して発電に使えるような燃えるウランにする実験のプラントを建設しておりました。こういった事業につきましては、次ページにも参考でつけておりますが、平成13年に全ての研究を終わり、平成14年以降、人形峠環境技術センターにおいては、施設の廃止に向けた研究のみを行っている状況です。この中で、加工事業、これはもう平成14年以降行っていないのですが、国の原子力規制庁から平成30年4月に進め方が示されたことから、実際に施設解体に取りかかっていきたい、そのために事業の廃止申請を行いたいということでした。
 こういった説明を受けて、5ページの上のほうですが、県、三朝町からそれぞれ申し入れを行ったところです。三朝町からは、今後も信頼関係に基づいて進めていただくよう、丁寧な説明の機会を設けていただきたいということ。また、県側からは、このプラットフォーム構想や廃止措置を進める際には、周辺地域の理解も必要で、説明するとともに理解を得る努力をしていただきたいこと。2つ目の・ですが、環境を適切に保全していることを確認することが必要であり、より県、三朝町とセンターとの信頼関係を確かにするために、ルールのもとで進めていただきたい。これは以前、平成29年にも御報告申し上げましたが、環境保全協定のようなものの締結をお願いしたいという形で申し入れているところです。
 主な質疑内容は以下に掲げておりますし、6ページ、7ページに人形峠のウラン研究と環境プラットフォーム構想等の参考資料を添付しているところです。

◎銀杏委員長
 報告17、岐阜県における豚コレラの発生について、及び報告18、鳥取砂丘ビジターセンター開館に向けた運営体制の整備について、池内緑豊かな自然課長の説明を求めます。

●池内緑豊かな自然課長
 それでは、別冊になっております2枚物の岐阜県における豚コレラの発生についてというものがございます。そちらをごらんください。
 この9月9日に、新聞やテレビ等でも報道しておりますが、岐阜市の養豚場で豚コレラが発生しております。この豚コレラと申しますのは、豚やイノシシに感染する伝染病でありまして、高い感染力と高い致死率を持つことを特徴としております。感染につきましては、直接的な接触により感染が拡大するというものでありまして、人には感染しませんので御安心ください。また、今、中国で猛威を振るっているアフリカ豚コレラとは、ウイルスが違うものです。
 これまで平成4年の熊本以来、豚コレラは国内で発生しておりませんでしたが、これがこのたび発生したという、ちょっとショッキングなことでございまして、岐阜県の対応状況を1に書いております。発生農場としては、岐阜市の養豚農家で、610頭飼っておりますが、全て殺処分しております。9日に確定検査で豚コレラが確定しましてから、10日にはもう殺処分が終了し、かつ汚染処理も行いまして、11日には農場の防疫処置が終了というものです。ただ、鳥インフルなどもそうですけれども、半径10キロ以内につきましては搬出制限区域ということで、当然この農場はもちろんですがその区域内にある養豚場につきましては搬出が禁止というものでありまして、この後、何事もなければ防疫処置終了から28日間はこの搬出禁止という措置が行われるものです。
 また、これはイノシシにも感染するということがありまして、野生のイノシシについても半径10キロ以内を調査対象区域ということで、異常死が見つかった個体につきましては検査を行うものとされております。13日に1頭、15日に1頭ということで、現在、2頭のイノシシの死骸から豚コレラのウイルスが見つかっているところです。
 こういった状況を踏まえまして、本県のほうですが、まず、9月10日に県関係機関を招集しての庁内連絡会議を開催いたしました。また、先週中には、県としてのマニュアルをつくりまして、昨日9月18日に、県の畜産関係課と野生鳥獣関係課、これは地方機関も含めまして連絡調整会議を実施したところです。
 また、本県の対応状況の(1)に書いている養豚関係につきましては、県内の全養豚農場27農場に対しまして、巡回指導等を行い、異常がないことを確認しております。各農場にも消毒薬の配布や、また農協、飼料会社等への連絡、また県内学校で唯一倉吉農業高校に養豚場がありますので、そこには高等学校課を経由して、情報提供と注意喚起を実施しているところです。
 野生のイノシシ関係につきましては、例えば集団死とか、そういった異常な状況は速やかに情報が流れるように、鳥取県猟友会、また県の鳥獣対策センターのほうにこういった連絡体制について、核としましては畜産課へ集中する形にしておりますが、そちらへの連絡をお願いしたところです。万が一そういった異常死等があった場合には、山の中で野生イノシシからウイルス検査のための検体をとれる体制を整えたところです。
 マニュアルにつきましては、先ほど申しましたように、先週つくったところです。これも鳥インフルと同じような形で、海外、国内、隣県、県内という形の各段階での対応の仕方をまとめたものでありまして、これについて、先ほど申したように県の連絡調整会議は完了し、大体県としての体制は整えつつあるところです。
 県民の皆様へは、この豚コレラの情報、詳細をお伝えし、特に風評被害、また人にうつるのではないかという間違った情報が流れることがありますので、今回の資料の下にもありますけれども、大丈夫ですということもあわせて、今、PRをしているところです。
 今後ですが、今週中には全市町村を対象に、東・中・西部でマニュアルの説明会を行うところです。また、養豚場の事業者の方へ衛生指導を継続することとあわせて、県外から導入される豚に対する健康状態の確認強化を図っているところです。こういう形で、県内で発生することのないよう未然に防止していきたいと考えております。
 続きまして、今度は元の常任委員会資料に戻っていただきたいと思います。8ページをお願いします。鳥取砂丘ビジターセンターの開館に向けた運営体制の整備状況について御報告したいと思います。
 ビジターセンターは10月26日の開館を目指して、今、体制をつくり出し、強化しているところです。
 まず、1、ビジターセンターの運営体制及び東館の概要です。概要につきましては、これまで御案内しているところですが、このたび9月1日付けで現地事務所に鳥取市からは館長、これは専任です。それから、また県からは副館長、これは私の隣にいる高務砂丘事務所長が兼務ということで、副館長に位置づけて派遣しているところです。また、そのほかに、県と市と環境省の三者でつくる運営協議会で事務主任を採用して、これも9月1日から。また、準備期間のみということで、県から係長を1人派遣しておりまして、この4名で鋭意進めております。また、今後は、10月には3名のガイド担当職員、そして11月1日になる予定ですが、外国語担当職員も順次雇用していきまして、全部で実働7名体制でこの鳥取砂丘の玄関口を進めていきたいというところです。概要につきましては、省略いたします。
 2の開館式典をごらんいただきたいと思います。これまで御案内のとおり、10月26日金曜日午後1時から、開館式典を開きたいと思っております。内容は、アトラクションやビジターセンターの内容説明などを予定しております。また、これが終わりましてから、一般の方の入館も可能ということです。少し申し遅れましたが、このビジターセンターの中で今の事務の準備を進めておりますが、並行して中の展示工事のほうを10月中旬までやっているものですから、オープニングまでは一般の方にはまだごらんいただけない状況です。
 3、オープニングに係るにぎわいイベントということで、インスタグラムを活用したインスタ映えキャンペーンというものですが、9月13日からスタートしまして、今年度いっぱいすてきな写真を投稿いただき、中から優秀な方にはプレゼントをお届けしたいと考えております。開館直後の27日、28日にも集客イベントを考えておりまして、「とっとりの美味しい肉」を楽しんでいただくコーナー、地元の鳥取大砂丘観光協会による食のブース、砂丘ヨガ等も同時に開催して、華やかに盛り上げたいと考えております。また、ツインポートとの連携というのも考えておりまして、それにつきましては、今、空港港湾課のほうと詳細を詰めているところです。また、砂丘ならではの星取県の魅力の発信もあわせてやりたいと考えております。
 4として、スケジュールを書いておりますが、この2つ目の鳥取砂丘駐車場公衆便所は、3月から着工済みで9月末に完了予定と書いておりますが、早々とこの19日、ちょうど本日ですが、いよいよ供用開始ができまして、きれいなトイレへ入っていただける状況になっておりますので、皆様ぜひ御利用いただきましたらと思います。
 あわせまして、木製階段やスロープ工事も並行して進めておりまして、これはちょっと開館のタイミングとは合いませんが、来年のグリーンシーズンまでには何とかきれいにしたいと考えているところです。
 また、これは東館ですが、これに対比して砂丘西側につくる西館につきましては、今年度基本設計ということで、工事実施は31年度以降という計画です。
 こういった形で砂丘の盛り上げを図っていきたいと思いますので、また皆様のほうに御案内したいと思います。その節はよろしくお願いいたします。

◎銀杏委員長
 報告19、鳥取砂丘再生会議の見直しについて、高務砂丘事務所長兼緑豊かな自然課参事の説明を求めます。

●高務砂丘事務所長兼緑豊かな自然課参事
 資料の10ページ目をごらんください。鳥取砂丘再生会議の見直しについて御報告したいと思います。
 鳥取砂丘再生会議では、地元の関係者と大学、環境省、県、市が集まって、砂丘の利活用や保全についていろいろな協議や取組を行ってまいりました。今年、設立10年目になるという節目を迎えております。それから、ビジターセンターが開館するという大きな節目の年です。その記念すべき年に当たりまして、10年目という節目で、まず自分たちの再生会議の取組について皆さんで課題を相談しようということになりまして、委員の皆さんとこの再生会議をこれからどうしたらいいかと話し合いました。
 まず、今、鳥取砂丘再生会議は全体会議、それから保全再生部会、利活用部会と、大きく3つの会議に分かれておりますが、委員の中からは保全と利活用がそれぞれ別々の動きをしていて、なかなか情報共有がうまくできていないと。事務局を通じて情報共有はあるのですけれども、そういった場ではなく、人の又聞きではなくて、直接意見交換をするような機会がぜひ欲しいと、もっと機動的にしたらいいという意見が非常に多くありました。また、この10年間で砂丘の中でファットバイクやサンドボードというアクティビティーがかなり盛んになってきております。その事業者さんの皆さんが鳥取砂丘アクティビティ協会を設立されております。そういった新しい動きの団体もありますので、会議自体をしっかり見直して、新しく取組ができる体制を考えたらどうかということで、8月下旬に再生会議を開いたのですけれども、新しい会議で今度見直しましょうということで合意したところです。
 具体的には、新しくアクティビティ協会や、麒麟のまち観光局、これは広域観光を鳥取東部、兵庫北部エリアで取り組んでおられますが、そういった団体にも入っていただくと。それから3つの会議を統合して、その中にさらに、鳥大の先生方に、昆虫や植生などいろいろな専門の先生がおられますが、そういった先生にも直接入っていただいて、テーマに応じて一緒に議論するような体制にしてはどうかとなっております。新しい会議は、再生会議ではなく、未来に向けたことを考えていきたいという思いを込めまして、鳥取砂丘未来会議として、来月中旬から下旬に新しい会議に改組したいということで、皆様の意見が一致しております。
 具体的な取組としましては、現在、再生会議で取り組んでいるボランティア除草、エリザハンミョウなどの希少昆虫の保護、イベントや体験の支援、そういったものは引き続き行わせていただきます。それに加えて、例えばビジターセンター東館の整備が終わりましたら、今度は西側になりますので、西側をどうやって利活用したらいいかとか、あとは砂の移動をもう少し効率的にボランティアの力を借りたらどうかとか、いろいろな御意見が出ていますので、新しいメンバーにも加わっていただきながら砂丘をどうやって守りながら盛り上げていくのか、両立させていくにはどうしたらいいかという会議を開催していきたいと思っております。

◎銀杏委員長
 次に、報告20、上下水道の持続的経営に向けた鳥取県広域化・共同化等検討会(第2回)の概要について、田中水環境保全課長の説明を求めます。

●田中水環境保全課長
 11ページをお願いいたします。各流域別に第2回の検討会を開催しましたので、概要について御報告いたします。
 検討会の経過ですが、今年度から流域ごとに開催をしておりまして、第1回は5月下旬に副町長、水道局長、下水道部長等の参加を受けまして、まず方向性を確認いただいております。第2回以降については、課長レベルの実務者での検討を開始したということです。
 1の検討会の概要につきましては、ごらんのとおりになっております。
 2の主な意見で、水道と下水道の共通の課題ということですが、1つ目の・は、各自治体の経営、指標などを整理、比較しないと議論が始まりませんよということですが、これは第1回の報告をしたときにも川部委員から御意見をいただいておりまして、必要性は感じております。けれども、いきなり財布事情を皆さんでお話しするよりは、全般的な課題を持ち合わせて議論したほうがいいのではないかということで、次回の第3回で議論しようと思っております。
 2つ目の・ですが、下水道についても水道についても、水質検査や薬品の購入など、共同的に処理できるものがあるということで、小さな課題を拾い上げて共同処理のようなことで検討をしようということですけれども、やはり水質については配水池や浄水場まで採水委託をしているところとか、委託をしていないところとか、市町村で大きくばらつきがあります。薬品購入につきましても、富山の薬屋方式で必要量を補充してもらうような提案もしたのですけれども、時期的なものであったり、濃度的なものであったり、市町村のほうでばらつきがありますので、解決すべき課題が多いために、引き続き検討ということにしております。
 水道につきまして、メリット・成功事例と書いておりますが、市町村合併での広域化のメリットということで御発言いただきました。これは小さな町ですが、簡易水道が複数ありまして、その電気代が、下流部から上流部に水をくむ加圧ポンプの電気代が非常に多いのと、修繕代が高いということで、特別会計がパンクするたびに議会にお願いをして議決いただいてやっていたということです。けれども、簡易水道を統合したことによりまして財布が大きくなって、一つ一つの特別会計の議会への提案や議決をお願いする必要がなくなったということで、お客様的にはメリットはないのですが、行政的なメリットでいえば、一般会計から特別会計への繰入金が少なくなって財政的なメリットもありましたというような御紹介もいただいております。
 また、2つ目の・ですが、統合の一番大変な事項については、古い施設ですので、固定資産の評価や把握であったり、あるいは料金の統一を住民の皆さんにどう理解していただくかということですが、それらも克服したという事例が何件かありました。
 一方で、課題につきまして、1つ目の・はよく言われることですが、地理的に離れているのでハード統合は難しいですけれども、経営統合は必要だと考えていると。2つ目の・は、簡易水道を上水道に統合したのだが、実際、旧簡易水道施設で今まで活用できていた補助制度が活用できなくなったり、過疎債などが利用できなくなって財源的な確保に非常に苦労しているということ。3つ目の・は、簡易水道施設なのですが、全て住民のほうに維持管理を負担金形式でお願いしていて、なかなか地元の調整がつかなくて簡易水道統合もできない実情があるという町がある一方で、やはり地元に管理をお願いしているのだけれども、地元の高齢化が進んで、いよいよ維持管理が困難になったので町に返したいという施設も多くなってきているということで、統合の必要性は認識しているという御意見がありました。それから、一番最後の・ですけれども、経営は安定しているのですが、直近5年ぐらいで500万円から700万円ぐらい収入が減っていて、一般会計からの繰り入れは今現在はないのですけれども、なかなか耐震化が進まないというような課題を抱えておられるということです。
 下水道につきましては、1つ目の・ですが、下水処理した後の汚泥の焼却について、それぞれ市町がいろんな処理を行っておられるのですが、大きな市で他町の処理を行うことは技術的には可能だし、余裕はあるということですけれども、それぞれの市町がやっておられるコストとの対比が受入との対比との兼ね合いでどうかというような意見があります。2つ目の・は、中部ですが、天神川流域下水道への接続ですね。旧東伯町等になると思いますけれども、管が伸びておりませんので、接続が可能になるように具体的な検討をお願いしたいという御意見もありました。この天神川流域下水道ですけれども、昭和59年の供用開始前後で地元の方の反対運動等がありましたので、その辺りについてはきめ細やかな事前調整が必要であると認識しております。
 4つ目の・で、同じく中部ですが、鳥取中部ふるさと広域連合がやっているし尿処理との天神川流域下水道への接続のようなことも検討していただけたらというような御意見もあります。一番最後の・は、大山周辺ですけれども、人家が点在しており集合処理がなかなか難しいということで、市町村が各家庭に合併浄化槽を設置しているタイプがありまして、やればやるだけ赤字になるのですが、移住、定住の施策ということではどうしても必要なので、それらの施策と絡めてやっているという意見があったところです。
 これから3回検討していきますけれども、課題がやはり大きいということは感じております。
 3の今後の進め方ですけれども、次回は先ほど申し上げたように、財務諸表を持ち寄りまして、流域ごとの各自治体の経営状況等について認識を深めた上で、小さな課題は小さな課題として拾い上げて共同処理ができてコスト削減できるようなものがあればやっていきますし、その小さな課題の中でも大きな課題が今出てきているわけですので、それらの課題についても意見交換をしながら進めていこうと考えております。

◎銀杏委員長
 今までの説明につきまして、質疑等ございませんか。

○市谷委員
 1ページの環境白書の関連でお聞きしたいのですけれども、この計画は計画だということもあるのですが、北海道で全電源喪失みたいなことがあって、1つの大きな火力発電に相当頼っていて、しかも泊原発が再稼働するのを待って、ほかのエネルギーに分散型で転換することをやってきていないことが原因ではないかと言われているのですけれども、鳥取県の場合、ああいう全体が一極集中になっていて電源喪失のようなことは回避できるような仕組みになっているのかというのも、ちょっと関連で申しわけないのですが教えてください。
 2ページですが、電力自給率が30%台になっていて、家庭の電気については自給できるだけの電力は発電できていると。それは県内の場合は再生エネルギーなのだという説明なのですが、そうすると、あとの企業関係の分というか、その分だけが60%台なりが自給できていないという計算になるのですけれども、その辺りをどういうふうに克服するということをこれから考えていくのかなと。その辺りについて何か考えがあれば教えていただけたらと思います。
 4ページの人形峠の関係なのですけれども、私も余り詳しくないのですが、ウランを掘って濃縮して活用してきたということですけれども、このウラン廃棄物を埋めてどうなるのかという処理の技術を確立するということで今問題になっているのですが、濃縮ウラン廃棄物と言っても多分濃縮ですよね。これそのものの安全性といいますか何かさっき基準がないというようなことも言っておられましたが、この危険度というのはどういうことなのかなと。でもそれを埋めてみて処理できるのかという試験ということは、つまり埋設処理を今後していくということで、この研究は研究だけで終わるのだろうかと。できるという話になったら、そこに埋めて最終処分みたいなことにつながるのではないかと思っていて、あくまで研究なのだと言われてもちょっとなかなか信用しがたいなと思ったのですけれども、その辺りがどうなのかと。
 あと、廃止措置をするのですよね。ウラン加工事業の廃止ということがあって、封じ込めをしていくということなのですが、封じ込めをしてどうするのかなというのが気になるのですけれども、どういうプランで行くかというのはこれからということなのでしょうが、その辺りどういうふうに説明があったのかを教えていただけたらと思います。

●若松環境立県推進課長兼星空環境推進幹
 最初に電力の関係です。私もちょっと手元に資料等を持ち合わせていないのでわかりづらいところがあるのですが、まず、委員おっしゃいましたように、北海道で、今回ブラックアウトしたところでありますが、その状況を見てみますと、一部今回復旧しましたけれども、苫東厚真の火力発電所が北海道全体で、実は30%の発電量を持っていまして、ここがまず停止したと。一番震源に近いところだったのですが、そのせいで例えば泊原発もそうなのですけれども、ほかの外部電力を供給できるところが逆にシャットダウンして、連鎖的にブラックアウトが起きたと思っています。これは北海道の特殊な事情だと考えておりまして、1カ所の火力発電所が30%のシェアを持っているというのは、実は中国電力で比べてみると一番高くても8%ぐらいという形で、比較的中国電力は地域内に分散して発電所が立地している状況があります。さらに、関西広域連合のときにも伺っていたところですが、関西等の電力不足に応じて関西電力等に電力を融通するだけ、中国電力は余力があると伺っております。そういう面で、全くブラックアウトが起きないかと言われると、私も専門外の部分もありますので自信はありませんが、北海道とは少し状況が異なるのかなと思っているところです。
 2点目のエネルギー自給率36.5%は、あくまでも一般家庭の電気使用量に相当する割合という形で、逆に言うと企業分が65%弱あって、ここの部分は賄えていないというところです。再生可能エネルギーの導入が国トータルで15%という状況の中で、本県は割と進んでいるところではないかと思うのですが、ただ、他県におきましてもこれ以上の再生可能エネルギーの導入をしている地域もあります。
 全体として緩やかなエネルギーシフトを進めていくということには変わりはないものではありますが、第2期のこの環境イニシアティブプランは、平成30年度末と今年度末までになっております。次の目標数値をどのように設定していくのか、その一方で委員から御指摘の風力発電等は、太陽光でも、鳥取県では大きなトラブルはないのですが、実は最近、都市部では田んぼの中に太陽光が点在しているとか、非常に景観的にも周辺への反射の光など光害的な要素もありまして、国のほうでは太陽光も環境アセスメントに入れようかという形で、今、動きもあったりしています。
 そういった状況の中で、鳥取県でどれだけ再生可能エネルギーの導入が可能なのか、そういったことも検討してみて、次期の環境イニシアティブプランの中で、専門家や民間の皆さんの御意見もいろいろ伺いながら、目標数値を定めていきたいと考えているところです。
 続きまして、人形峠関係です。1つ、委員の質問の中でちょっと訂正しておかないといけないのが、ウラン廃棄物と核燃料といいますか、放射性燃料で、廃棄物というのはあくまでもウランそのものではなく、ウラン濃縮等の際に用いた容器や機器といったウランが付着しているものです。これをウラン廃棄物と言います。ですので、ウランそのものを埋設しようということは考えておられません。もともと付着しているものなので、一部金属においては国のほうがクリアランス制度を設けているのですが、硫酸等の化合物を浸して一定レベル以下の基準になると再利用できますよ、普通の廃棄物として処分できますよ、という基準を設けているものもあります。ただ、どうしても除去し切れないものなどもありますので、そういったものを最終的にどういうふうに処分していくかということは、今後、国も規制を含めて検討していく必要があるのですが、現時点ではそういった埋設試験をあくまでも試験体という形で、人形峠の中にそういった廃棄物がドラム缶のようなものに入れて保管されている状況になっております。こういったものを活用して、逆にどうやったら外にウランが漏れないのか、地中に漏れないのか、あくまでもそういった研究を行っていきたいという形です。ウラン廃棄物の処分方法につきましては、人形峠環境技術センターのみならず、機構全体でも方針が定まっていないところですので、逆に定まっていない現段階であるからこそ、先ほど申し上げたようにルールづくりを今のうちにしておいて、今後、その処分について、基準が決まったりなどした場合にきちんと意見が言えるような関係を構築していきたいと考えているところです。
 もう1点、ウラン加工事業の廃止、濃縮原型プラントの解体ですが、これは法律の細かな区分の関係で、今回、センターは国に申請が必要になってくるのですけれども、実は人形峠のセンターの中でもう施設の解体が始まっております。人形峠で行っているのがウラン加工事業とウラン使用事業という、細かく言うと2つの事業がありまして、一部変更の申請だけで対応ができるものがあります。
 5ページの下に写真をつけており、幾つか大きな施設があるところですけれども、今回、廃止で設備を解体しようとしているものがウラン濃縮原型プラントですが、その右側にある製錬転換施設はウラン鉱石からウランの純度の高い部分だけを取り出し、さらにそれを気化していくという製錬転換の濃縮の前段階の作業になるのですけれども、ここについては機器を全て解体して、先ほど言いましたドラム缶のようなものに保存している状態になっております。
 また、左下のほうに濃縮工学施設という形で、ここもウラン濃縮の同じような研究をやっていたところであり、ここは先ほど申し上げましたように一部遠心分離機という巨大な筒があるのですが、そういったものの解体を始めて除染して、花壇やテーブルなどセンター内の物で再利用しているところまで進んでいるところがあります。
 人形峠環境技術センターとしては、既にこういった遠心分離機の解体技術を保有されていて、同様の内容を今回行うのですが、加工施設、加工事業に関してこれまで国が手続について何も基準を設けていなかったものが今回定まったので、加工事業を廃止すると。ですので、この中でセンターではより安全な方向に向けて取り組んでいきたいという説明があったところです。

◎銀杏委員長
 よろしいですか。

○川部委員
 3ページをお願いします。美しい景観の保全ととっとりらしさを活かした街なみづくりの推進について、この指標なのですが、多分以前からあったのではないかと思いますけれども、指標と目標が何か合っていないというか、若干ずれがあるように思うのです。この団体数や市町村数がふえても美しい景観ができるわけではないと感じるのですけれども、この辺りについて見直し等は考えられていないのですか。

●若松環境立県推進課長兼星空環境推進幹
 御指摘はごもっともと、私も感じるところです。これは4年更新で今、第2期の環境イニシアティブプランです。来年「みどりの愛護」のつどいも誘致し、その中でいろいろ活動団体や美しい景観等を表彰、奨励していく鳥取県ですので、次期プランに向けては実際の団体数ということではなく、どういう状態がよい指標になるのかちょっとわからないのですけれども、ほかに参考になるような指標はないかという形で検討してまいりたいと思います。

◎銀杏委員長
 環境白書について、ほかにございませんか。
 1点、2ページの目標指標一覧なのですが、メタンハイドレート高度技術者の育成というところで、実績が3名できているということなのですね。目標は今年度末で10名ということですけれども、こうして育成された人はどういうふうにされているのですか。

●松本環境立県推進課次世代エネルギー推進室長
 メタンハイドレートの高度技術者育成につきましては、鳥取大学の大学院にメタンハイドレート科学コースを設けて、そこで大学院生、いわゆるマスターなのですけれども、最初に3名修了したということです。修了した3名の就職先につきましては、県内ではなかなかメタンハイドレート関係や海洋関係の会社がありませんで、県外になりますけれども、海洋の調査会社に学生が就職しており、またそこで鳥取のほうにも来ていただきたいというような期待を持っておりますが、これから学生がまたどんどん出てくるという状況です。

◎銀杏委員長
 それでは、実際、メタンハイドレートの採掘等が始まるようになったときに、そうした育成された技術者というのは何かしら貢献されることになるわけですか。

●松本環境立県推進課次世代エネルギー推進室長
 鳥取大学のほうで学ばれましたので……。

◎銀杏委員長
 県外に出られているわけですけれども。

●松本環境立県推進課次世代エネルギー推進室長
 はい、ぜひそういうふうにしたいと思っております。

◎銀杏委員長
 では、そのほか。

○市谷委員
 豚コレラの関係ですけれども、発生した岐阜県では殺処分して埋設すると、埋めるという対応なのですけれども、発生しないのが一番いいのはいいのですが、牛などの場合の病気が発生したときにやはり殺して埋めてということをするのですが、この埋める場所や、発生したときの対応マニュアルみたいなものはあるのでしょうか。ごめんなさい、マニュアルはあるのですね。埋める場所について、済みません。

●池内緑豊かな自然課長
 基本的には畜舎の敷地内で適切な場所ということになっておりまして、今現在、具体的にそれぞれの畜舎のどこにされるかというのは、今回は豚コレラについて今いろいろ問題になっておりますけれども、ほかの法定伝染病等もありますので、大体ほかの病気も想定して万が一そういう大量死が起きたときにはここでやるというのは事業体の方でそれぞれ決めていらっしゃると理解しております。

○市谷委員
 上下水道の効率化の関係なのですけれども、県の検討会というのは国のほうがこういうものをつくれということでつくられたと聞いたのですが、広域化などをしないと、財政的な問題でも優遇というか補助金が出ないとか、何かそういう話があると聞いたのですけれども、いろいろな事情があって小さい財布では管理や経営が大変というのはわからなくもないのですが、そういうふうにニンジンをぶら下げて誘導していくやり方というのはちょっといかがなものかなと思っているのです。そういう国の方針というのが今言ったようなことなのか、確認させていただきたいですし、その中で、いずれ簡易水道の補助金をなくするからということで広域化を誘導しているという話も聞いたのですけれども、それも確認させてください。
 もう一つ、国のほうが今、法律を新しくつくって、今は市町村から上げてきたものを県がまとめて国にという流れなのですが、県が主導的にそういうことをやるように、今、国で法律の議論がされていると聞いているのですけれども、ちょっとそれは問題だと思います。それから、広域化だけではなく、民営化もセットで議論しなさいということも言われていると聞いているのですが、広域化というのは全部いいとか悪いということはちょっとどうかと、それぞれ案件ごとにあるかなと思いますけれども、鳥取みたいな田舎で民営化というのは、非効率でなかなかもうからないものを現実に民営化ということは鳥取県に合うのだろうかと思うのですが、その辺りの考えについても教えていただけたらと思います。

●田中水環境保全課長
 4点あったと思います。
 まず1点ですが、国の方針でやっているのかどうかということですが、下水道については30年4月に国が通知を出しまして、この検討に着手しないと31年度以降の交付金を交付しませんというような条件がついております。水道については、そういう条件はついていませんので、これは下水道だと理解をしてください。
 ニンジンをぶら下げてやることに対してどうなのかということですが、やはり皆さんと話してみると、皆さんもそれなりに危機感は持っておられて、今すぐにはならないかもしれないけれども、将来に向けて何か検討しないといけないというところは持っておられます。地道にこういう意見交換をしながら、せめて流域ごとの市町村と情報共有して、隣の町はどういう状態かも余り御存じでないところもありますので、そういった情報交換をしながら、できるところから始めてみようというところです。
 2つ目の簡易水道の補助金をなくすという国の方針があるということですが、私も非常に危惧をしておりますけれども、国は正式にそういった表明はしておりません。けれども、この検討会の中で、常に国の動向は見ていく必要があるということは皆さんで共有しておりまして、例えば簡易水道の補助金がなくなったら、広域化、共同化などとあれだけ言われていたときに何もしていない市町村はまずいのではないかというようなことで切り捨てられたらまずいので、やはり情報共有しながらできるところから始めましょうと意見交換をしているところです。
 3点目の法律をつくってというのは、これはどちらのお話だったでしょうか。すいません。

◎銀杏委員長
 下水道、水道事業、どちらですか。

○市谷委員
 水道。

●田中水環境保全課長
 水道法の改正の話ですね。失礼しました。
 水道法の改正については、去年の通常国会で1回提案されておりまして、それが継続審議になって衆議院が解散されて、1回廃案になっており、今年の通常国会にもう一回提案されておりますけれども、審議未了ということで、今継続審議になっている状態だと思います。
 その中には、いわゆる下水道でいうコンセッションで、民間の事業者の方に運営権を売却して水道を維持していただこうという発想が入っているのですが、それについて県内のほうでは今すぐそういう状態を考えておられるところもありませんし、水道については先ほど言われましたけれども、今のところ、鳥取県内ではそういったところになじむような自治体があるということにはなっていないと思っております。
 4点目の民営化もセットでやるとかということで、下水道では既に法律の中で出てきておりますし、水道についても今申し上げたようなところですが、やはり全国の状況を調べますと、下水道でいいますと静岡県の浜松市などを例に出しますと、天神川流域公社の10倍ぐらいの処理量を持っておられるのです。なので、天神川は鳥取県内では大きいのですけれども、全国的に見て小さい処理量を見ているところに、例えば売却権をコンセッションで出して本当にそれが公募されるような団体があるのかどうかという辺りについても、事業者側のメリットが本当にあるかどうかという辺りは研究していく必要があるかなと思っているところです。

○市谷委員
 水というのはやはりライフラインであるわけで、きちんと安全な水が提供できる環境を整えるというのは、非常に国も自治体も大事な役割だと思うのですが、簡易水道の補助金をなくすとは言っていないけれども、そういうことが話として出てきて、なくなったら困るから今のうちに合併しておかなければいけないというような。それは本当に本末転倒というか、簡易水道の補助金がきちんと出て、その地域でやれるようにするというのが本当は行政の役割だと思うのですけれども、はっきり言って今の国の広域への誘導はちょっと問題だと思いますし、ましてや民営化というお話が今ありましたけれども、こんな田舎のところでなかなかもうからないし、事業者が出てくるかどうかわからないし、仮に受けたとしても不採算なので撤退されてしまったりすると、それこそ水の確保とか水の処理の……。

◎銀杏委員長
 端的に。

○市谷委員
 そういうことができなくなるなどの危険性があるということで、非常に国の法改正については注意して見ておくことが必要だと思います。

◎銀杏委員長
 ほかに質疑ございませんか。
 ないようですので、以上で終わります。
 次に、その他ですが、執行部、委員の方で何かございますか。
 ないようです。
 それでは、生活環境部につきまして、以上で終わります。
 以上をもちまして福祉生活病院常任委員会を閉会といたします。


午後4時11分 閉会 
 
 

 
 

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