会議の概要
午前10時20分 開会
◎稲田議長
ただいまから議員全員協議会を開会いたします。
まず、会議録署名議員に内田博長議員、浜田妙子議員を指名いたします。
本日の議員全員協議会の議題、平成31年度国の施策等に関する提案・要望の概要について、知事に説明を求めます。
●平井知事
本日は、恒例によりまして、国への要望事項をまとめさせていただいておりまして、この議会終了後に要望活動をすることを考えております。要望自体は市町村と一緒ということになりますので、こうした項目に市町村側の追加要望があるかもしれません。そうしたことも含め、六団体での要望活動を今、検討させていただいているところでございます。ぜひ皆様からも御意見をいただきまして、喫緊の課題あるいは構造的な課題、双方含めまして国に対する要望を行ってまいり、私たちが目指しておりますさまざまな住民、地域の課題解決、その実を上げていければと考えております。
「明らみて 一方暗し 梅雨の空」という高浜虚子の句がございますけれども、そんな梅雨空のような形でありまして、成果が出てきたもの、何か動きがありそうだと期待ができるものがある一方で、どうも不透明で、なかなか厳しいというものもある。それが現在の私たちを取り巻く状況かと思います。そういう中で要望を検討させていただいておりますので、ごらんいただければと思います。
例えば、トランプ大統領と金正恩委員長との歴史的とも言われる首脳会談がございました。そこで、非核化、そして平和、あるいはこれからの未来に向けて世界が変わっていくだろうというようなメッセージが出されましたけれども、片方で、確かに拉致問題は提起されましたが、合意文書に記述がないこと、あるいは非核化をめぐるスケジュールが不明確であり、早速きのうになりますと、北朝鮮側から段階的な非核化というふうなことで、トランプ大統領も了解したという、そういうメッセージが出てくるなど、不協和音も早速に始まっているように思います。
このようなことから、例えば拉致問題につきまして、やはりもう日本政府が動かなければならないときがやってきたのではないだろうか。決意を固めて、政府も行動を起こすべきではないだろうか。一日も早い拉致問題の解決に向けて、かじを切っていただきたいというようなことを言わなければならないのかなと思います。
また、トランプ大統領と安倍総理が、G7の前にワシントンで会いました。そのとき、日米の貿易問題が議論の俎上に上がりました。TPP11が発効するという中で、こうした問題も起こっています。農業者等への配慮を怠らずやっていただく必要がある。このような課題もあろうかと思います。
また、焦眉の急を告げつつあるのが優生保護問題でございまして、これにつきましても、国は責任を明らかにし、補償について考えるべきではないかと思います。こうした今、目の前の課題を提起する必要があると考えております。
また、長い目でやっていかなければならない地方分権や地方創生、あるいは産業振興、ハイウエーをつないでいくような基盤整備、そうした事柄につきましても、個々の課題やテーマについて申し上げていかなければなりません。
今、骨太の方針がまとまりつつあります。その原案が見えまして、平成30年度の地方財政計画のベースで、一般財源総額は確保していくという向こう3年間の考え方が示されたところであります。これは一見いいようでありますが、実はこの間に消費税の引き上げが予定されているわけであります。ですから、そこのところをしっかりと、引き上げなら引き上げに応じた一般財源を確保していただく必要がございますし、また、私どもの足元でいいますと、この当初予算編成でも50億円をはるかに上回る交付税減を見込まざるを得なかったところでございます。これは、平成17年の地財ショックのころと同レベルでございます。こういうことになったのは、実は確かに原資はふえるわけでありますけれども、片方で交付税等が抑制され、それで一般財源総額が確保されたということになりますが、大都市のほうに税収は集中します。私どものほうの交付税配分が十分になされないと、そういう結果になってしまうわけでありますが、年の初めに示されたのはそういう方向性でございました。それではいかんのではないだろうか。歳出特別枠が廃止されることを踏まえて、財源の乏しい団体に対する配慮を交付税の配分でも求める必要があるのではないか。こんなようなこともございます。こうしたさまざまな課題につきまして、要望を取りまとめさせていただいたところですので、ごらんをいただければと思います。
詳細につきましては、元気づくり総本部長から御説明を申し上げます。
◎稲田議長
続いて、元気づくり総本部長に詳細説明を求めます。
●加藤元気づくり総本部長
お手元にお配りしております平成31年度国の施策等に関する提案・要望項目一覧(案)をごらんいただけたらと思います。全部で13分野、100項目の要望を予定しております。
まず、北朝鮮をめぐる問題の対応についてでございますが、先ほど知事からも説明ございましたが、拉致被害者全員の帰国に向けて、政府みずからあらゆる手段を尽くして帰国実現のための行動を起こすこと。また、完全な非核化及び弾道ミサイルの完全廃棄に向けた取り組みを要望したいと考えております。
次に、地方創生の推進についてでございます。地方から東京圏への人口流出の是正に向けて、政府としてみずから大胆に取り組むこと。また、地方創生推進交付金につきまして、地方の意見を踏まえた大胆な制度改正を行うことなどの6項目でございます。
続きまして、地方分権の推進と地方税財源の拡充についてでございます。これは、合区の抜本的な解消、また、人口減少対策や地域経済活性化のために必要な地方一般財源総額及び地方交付税総額の確保をすること。また、地方法人課税における税源の遍在是正措置などの9項目でございます。
続きまして、働き方改革の推進でございますが、中小企業の職場改革や経営安定化に資する支援など2項目を予定しております。
続きまして、子育て支援・少子化対策でございます。幼児教育無償化の導入に伴い、地方に新たな負担が生じないよう十分な財政措置を講ずることや、保育士の処遇改善、配置基準改善といった総合的な保育士確保対策の推進など8項目を予定しております。
続きまして、社会基盤の整備でございます。高速道路ネットワークの整備促進や境港の貨客船ターミナルの早期供用、また、羽田空港発着枠の地方空港への割り当てなどの8項目でございます。
続きまして、農林水産業の振興でございます。TPP11の発効に伴う国内農林水産業への継続した支援や、防災、減災対策にも資する農業農村整備事業などへの十分な予算確保など8項目を予定してございます。
次に、人材育成についてでございます。さらなる少人数学級の拡充のための教員定数の改善、また、学校現場における教職員の多忙解消、負担軽減のための財政支援の充実など9項目でございます。
次のページをお願いします。原子力発電所の安全確保でございます。原子力発電所の稼働に向けた一連の手続において立地自治体と同等に対応する仕組みの構築や、稼働の判断に当たっては、まずは安全性を厳格に審査した上で、慎重に判断すること。また、原子力防災対策に必要な経費につきまして、国や電力会社が適切な負担を受け持つ仕組みを早急に構築することなど6項目を予定しております。
続きまして、安全・安心のまちづくりでございます。これは、被災者生活再建支援制度の支援拡充でございますとか、局地激甚災害指定に係る算定基準の緩和、また、防災、減災のためのソフト、ハード事業への財政支援など14項目を予定しております。
続きまして、社会保障の充実についてでございます。消費税率引き上げに伴う増収分につきまして、社会保障の充実、安定化に向けた財源に確実に充当することですとか、手話言語法の制定、それから医療人材不足の解消に向けた取り組みの充実など13項目でございます。
続きまして、世界に開かれた活力ある地域づくりでございます。これは、消費税10%引き上げ時の万全な経済対策の実施でございますとか、外国人材の受け入れ拡大に当たりまして、制度の周知徹底や受け入れ環境整備への支援、また、国際観光旅客税の地方の観光振興策への重点配分など9項目を予定しております。
最後に、暮らし、人権尊重のまちづくりでございます。これは、旧優生保護法に基づき実施されました優生手術に関しまして、全国実態調査の速やかな執行など、国の責任において真摯に対応することや、風力等の発電事業の手続において、地元自治体の意見が適切に反映される仕組みの構築など6項目でございます。
以上、これらの要望につきまして、議会の御意見を踏まえまして、7月に地方六団体共同で国に要望していきたいと考えております。よろしくお願いします。
◎稲田議長
ただいままでの説明に対して、御意見や御質疑等があればお願いいたします。
○長谷川議員
1ページの項目3で、最初に参議院議員の選出のあり方について触れておられますけれども、状況としては、今、与野党の国会議員で協議が行われていて、そこに原案が示されております。そのことに対して、今、県の態度を明らかにすることが肝要かと思います。そういう意味でいえば、私は、今回の参議院選挙改革を憲法改正をもってというのは、正当ではないと思っておりました。なぜなら、憲法43条が参議院も含めて、両院の国会議員は国民の代表であるということを明確に規定しているからであります。憲法改正により参議院の選出のあり方を変えていこうとすれば、ここにどうしても変化が生まれてまいりますので、やはり憲法はこのままでよろしいのではないかと思っております。
今回、具体的な問題として、1票の投票価値の格差ということで埼玉選挙区で定数増が図られ、3分の1の解消ということに進みつつあるわけですけれども、それは、やむを得ないと思います。そういう中、続けて、比例区の定数を2増していくということであります。半期で改選しますから、最終的には4増ですけれども、選挙ごとには2増ですね。一番問題なのは、比例区の中に一部拘束名簿方式を用いるということです。かつては全部を拘束名簿にすることがありました。それはそれで理解できますけれども、いわゆる合区対象区から選出されるという意味合いを込めて、一部の枠だけをということが果たして条文に書き込めるものなのでしょうか。必要な場合は、全部を拘束名簿にすべきであって、参議院の比例区の議席の中で2議席だけをいわゆる特別枠として計上して、得票数とは関係ないという制度が、公職選挙法の趣旨からして、正当な議員を選ぶ、あるべき制度となるのでしょうか。ここには、強く異議を持ち込んでいただきたいと思っております。
●平井知事
慣例によりまして、要望自体は最終的に議長と取りまとめをして、文言なども調整をしてまいりたいと思いますが、今おっしゃった点につきましては、現在、国会において、与野党間、特に参議院の場で議論がされているところです。今おっしゃるような趣旨の案が与党側から示されまして、詳細はまだよくわからないところもありますが、今、野党側に対案を出すように求めている。会期が延長されましたが、これが7月のどこかで終わるはずであります。私どもの会期自体はまだ続いていくわけでございまして、終わるころにどうなっているかというのは不透明で、見通せないところかと思います。
今後、そのときの状況で議長と協議をしながら、事宜に即した表現にしていくことになるかもしれませんけれども、今は見通せないところです。あえてこの表現を使っておりますのは、何らか今国会で決着するとしても、鳥取県は合区対象県でありますので、合区が解消されていないことについては忘れていないし、最低限、合区解消について今後もしっかり検討してくださいというメッセージは送らなければならないということで、このような原案をつくらせていただいております。
今、長谷川委員がおっしゃったことは、国会でも党派間で考え方が分かれているわけでありますが、最終的には、我々と同時並行で国会の意思が会期中に固まっていくのかもしれません。その状況も横にらみしながら、議長と最終的な文言を調整させていただければと思います。
◎稲田議長
ほかに御意見はございますでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
本件につきましては、各会派において協議の上、御意見があれば、6月21日までに議長へ提出願います。その後、取りまとめて執行部にお返しすることとしたいと思いますが、御異議はございませんでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、そのように取り扱うことといたします。
以上をもちまして議員全員協議会を閉会いたします。
午前10時39分 閉会
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