令和2年度総務教育常任委員会議事録

令和2年12月15日会議録(確定版)

開催概要、資料はこちらです
出席者
(9名)
委員長
副委員長
委員
浜田 一哉
尾崎  薫
福浜 隆宏
語堂 正範
伊藤  保
内田 博長
浜崎 晋一
福田 俊史
澤  紀男
欠席者
(なし)


 説明のため出席した者
   亀井総務部長、神庭会計管理者、山本教育長ほか

 職務のため出席した事務局職員
   安養寺課長補佐、澤田係長、片山係長

 

 1 開  会   午前10時00分

 2 休  憩   午前10時31分

 3 再  開   午前10時40分

 4  閉  会      午前10時54分

 5 司  会   浜田一哉委員長

 6 会議録署名委員  伊藤委員  内田委員

 7 付議案件及びその結果
    別紙日程及び下記会議概要のとおり

会議の概要

午前10時00分 開会

◎浜田(一)委員長
 ただいまから総務教育常任委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序によって議事を進めさせていただきます。
 なお、今回の常任委員会は、執行部の入替えを行うこととし、最初に付議案及び請願・陳情の審査を行った後、報告事項について令和新時代創造本部、教育委員会の順に行うものといたします。
 なお、監査委員事務局、議会事務局につきましては、議案等がないため省略いたします。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。本日の会議録署名委員は、伊藤委員と内田委員にお願いします。
 それでは、本委員会に付託されました議案と諮問について、それぞれ審査を行います。
 まず、日程に記載の議案第1号から第21号までについて審査を行います。
 質疑に先立ち、議案第21号、鳥取県収入証紙条例を廃止する条例に関して、予備調査の際に指摘がありました事項について、亀井総務部長の補足説明を求めます。

●亀井総務部長
 予備調査の際に伊藤委員から御指摘をいただきました鳥取県収入証紙条例を廃止する条例につきまして、補足の説明をさせていただきます。
 このたびの条例の廃止、改正につきましては、メインになりますのは収入証紙廃止に伴います収入証紙条例の廃止、それと税条例、特別会計条例の改正という内容でございました。
 伊藤委員からは、特に税条例につきましては、その内容の重さから切り分けて別途の条例にする提案の仕方もあったのではないかということも含めて、御指摘をいただいたところでございます。
 主要事業説明会で説明させていただいた時点から、条例の題名、それから附則改正で行おうとしていた部分につきまして全体を本則で改正するという形の変更を加えております。これらにつきましては、それぞれ県民の皆様に分かりやすくという観点で修正、訂正等を行ったものではございますけれども、法制上のテクニック、技術的な面も含めまして、議会の皆様方への御説明が不十分であったと思います。これは、議案を総括いたします総務部長たる私のグリップが不十分であったことが原因だと思います。
 これまでも、議場も含めまして伊藤委員はじめ多くの皆様方から、条例につきましては執行部でしっかりと検討してちゃんとした形で提案するようにと厳しく指摘をいただいているところでございます。当然の話ではありますけれども、私、総務部長といたしまして、議案、特に条例につきましては、今後はその内容をしっかりと確認し、グリップ力をしっかりと発揮して、責任を持って議会に説明させていただきたいと思います。
 このたび提案しております条例につきましては、その内容自体には不十分な点はないと思っておりますので、これからの審議につきまして御高配賜りますよう、何とぞよろしくお願いいたします。

◎浜田(一)委員長
 それでは最初に、議案に対する質疑を行っていただきます。
 委員の皆様におかれましては、簡潔な質問とマイクのスイッチの切替えをお願いします。
 質疑のある方は挙手をお願いします。

○尾崎委員
 鳥取県性にかかわりなく誰もが共同参画できる社会づくりの計画について、質問させてください。
 この計画は本会議でも取り上げましたけれども、プロセスに非常に疑問があるなと思っています。まず表題が変えられたのがパブコメを取った後でしたね。パブコメのときには、表題を変えることに関しての女性団体とか県民の意見は出ていないはずです。それを基に審議会が審議していますので、この件は審議会では審議されていないということになると思います。これは本当に、後先になってよくなかったと思っていますが、その辺についてはどうでしょうかということ。あと、12月に答申予定だったと審議会の委員の方に聞いています。それがなぜ10月に早められたのか。12月であればもっともっと県民の意見を聞くチャンスがあったのではないかと思います。
 審議会の答申を読んでみますと、私には表題を変えろとは取れないのですけれども。男女共同参画という言葉の使い方についても検討しなさいというのであって、表題を変えてほしいとは書いてありません。審議会の方にもいろいろ聞いてみましたが、そこまで行くと思わなかったという方も何人かありましたし、そういう意識ではなかったという方もありました。その上で、メールでこうなりましたとお知らせが来て、それに関して審議会の御意見ありませんかの一言もなかったということで、非常にこれはプロセス的に問題があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

●入江女性活躍推進課長
 御質問は3点いただいたかと思います。
 まず、パブコメですけれども、スケジュール、経過といたしましては、パブリックコメントを10月1日から21日まで行っております。その前の9月4日に開催した審議会において、この計画の名称も含め、性に関わりなくとか性の多様性に配慮した内容にしていくべきではないかというような御意見をいただいております。
 スケジュールが早まった点につきましては、当初、2月議会にこの議案を提案させていただく予定で、パブリックコメントは10月下旬に開始する予定でしたが、その前の各団体等とのキャラバンですね、意見交換の状況が、当初予定していたスケジュールよりも順調に進んだものですから、当初は10月上旬ぐらいまでかけてこのキャラバンを実施する予定で考えておりましたけれども、それが9月上旬には、おおむねこちらが予定していた団体との意見交換ができましたので、そうであれば策定のスケジュールも少し早めて11月議会に提案させていただくことにしてはどうかということで、そのようにさせていただいております。
 答申の中に表題を変えることについては附帯意見にもなかったのではないかという御質問をいただきました。確かに答申の中には表題を変えるというような文言はございませんが、先ほど申し上げました9月4日の審議会において、この審議会として計画名を変えませんかというような提言ができないだろうかという御意見ですとか、県が目指している男女共同参画社会である、誰もが、ということが、男女という言葉があることによってぼやけてしまうのであれば、性に関わらず誰もが活躍できる環境づくり、としたほうがいいのではないかというような、具体的な御意見が出ておりました。そういったことも含めて、答申では男女共同参画という言葉の使い方について検討をという内容になっております。審議会の中ではそういった計画の名称変更についても意見をいただいているところであります。

○尾崎委員
 その上で、パブリックコメントは男女共同参画で取っているわけですね。これは厳然たる事実です。私たち関わっている女性団体がこの間集まりましたけれども、本当に皆さん懸念を、尾崎さんどうなっているの、大丈夫かと全員が言いました。もし聞いていたら、パブリックコメントで必ず意見が出たはずです。そして、もっとほかの案も出たはずです。両方抱合したような案が出たはずです。それを踏まえての審議会の意見も出たはずです。それを踏まえた上での審議会の意見であれば、そしてそれを踏まえた上での決定であれば、皆さん納得はされると思いますけれども、それが繰り取られた段階でそっと決められてしまったということに対しては、非常に懸念と不満が渦巻いているということを申し上げておきたいと思います。こういうやり方は非常によろしくないと思いますし、今後気をつけていただきたいと思います。
 なぜならば、審議会の効果もそいでしまうのです。結局パブコメをしなかったことに対して審議会は答申しているのですね。審議会の議論も全部見ましたし、審議会のメンバーの方にいろいろ聞きました。先ほど言いましたけれども、そこまで行くとは思わなかったという方々もありますし、ずっと見ていますと、お一人、非常に強く活動しておられる方があるので、その方がずっと発言するとそれに反駁ということがなかなかできなかった。それから、男女を取ってしまったら薄まってしまう、もしくは女性団体がずっとやってきた活動というものは歴史があるのだから、その意見も聞いたらどうかと申し上げたという方もおられました。その上で、そのことがなかった、委員長、副委員長に一任となってしまったことに対して、私たちは非常に懸念を覚えますけれども、審議会に対してもっと丁寧な議論ができる機会をちゃんと提供するべきだったかなと、ちょっと苦言を呈しておきたいと思います。

◎浜田(一)委員長
 答弁はいいですか。(「はい」と呼ぶ者あり)

○伊藤委員
 先ほど総務部長から説明があった収入印紙を廃止する条例。あまり横文字は好きではないけれども、これは本当に重大な一つのインシデントというか、政調政審にかけたものが、議運にも報告なくてこのたびの議案にかかっている。しかも、3本の条例を一つにして附則から本則に変わった。中身については了なのですよ。だけれども、1枚のペーパーでタイトルを訂正するとあったのだけれども、理由もなし。やはり「等」のある方が普通だと思うし、条例をつくる原則としてはそれが普通だと思う。その辺の説明はきちんとしないと。政調政審に出されたものが議運にも諮らずに差し替えられて本会議に出てくるなど、私もあまり経験したことがないものですから。私が何か言わなかったら、あのまますうっと流れて、議会は何にも反応しなかった。このたびの条例はリトマス試験紙のようだと思っているのですよ。議会全体が問われている。しかも、担当課も含めて、質問した議員に答弁もできない、要するに出している皆さんが条例ものみ込んでいない。つくるのは法制かもしれないけれども、担当課すらのみ込んでいない。こんな条例を議会に出すこと自体いかがなものかと、本当に重大な事案だと思っている。議会の議運という組織も軽視されてきているし、このたびは本当に大きな課題を残していると思うのだ。
 さっき総務部長が断られたけれども、何か最近、本当にそういう意味を含めて、県庁全体として審議が足りない、検討が足りない、時間的余裕がない。私は条例のことばかり言っているのだけれども。先回のクラスター条例のように時間的余裕がない場合は、我々も各会派が受けて一生懸命いろいろ検討して、本当に知恵を出しながら最後は通した。そういう条例もあるのだけれども、でき得るならばもう少し慎重に審議をしてほしいと思うのだ。
総務部長、今私が言ったような、なぜ議運を通さなかったのか、それから2文字削った理由がない、それからやはり時間的余裕がなぜないのか、そこのところもちょっと総括的に説明を。

●亀井総務部長
 御指摘いただいたことは全くそのとおりですので、大変申し訳なく思うわけですけれども、幾つか御質問いただいたところであります。
議会運営委員会を通さなかった点につきましては、名称の変更、それから附則の改正でやろうとしていたところを本則に持っていくということで、内容自体、やろうとしていること自体には変更がないという認識でございましたので、改めて議運を通すということを、はっきり言えば怠ってしまったということになってしまうと思います。こちらとしては、そこをすっ飛ばそうという気持ちではなかったのですけれども、結果から見ればそういったことになったかと思いますので、そこは非常に重大な点ということで反省しなければならないと認識しております。
 時間的な点、それから県庁全体としてそういった意識が、という点は、しっかりと御指摘を受け止めて、内容をしっかりと検討して、法制的な能力も県庁として上げていくことを、仕組みとしてつくっていかなければいけないと思います。
 条例につきましては、伊藤委員からは以前から議場でも厳しく御指摘をいただいております。そういったことがあるにもかかわらず今回こういった形で生じてしまったことは、私としても重大に受け止めて、県庁全体として能力を上げる、時間的な余裕を持って検討を進める、それから当然でありますけれども、議会に対して真摯にきっちりと説明をすることを改めて認識した上で、県庁全体で協議をするといったことを図ってまいりたいと思います。申し訳ありません。

○伊藤委員
 了とします。
 やはり条例というのは県政を運営する基本的指針だから、やはりもう少し各課が提案するということにしっかりと責任を持って向き合ってほしい。ですから、出す条例については、せめて議場においては議員の質問に対して十分答弁ができるぐらい条例をのみ込んで出してほしい。我々から聞かれて、あまりよく分からないですみたいな話では、そんな条例を出されても困るのです。部長、そこのところをしっかりとお願いして、終わります。

◎浜田(一)委員長
 そのほかございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 ないようですので、付託議案に対する討論を行っていただきます。

○尾崎委員
 鳥取県性にかかわりなく誰もが参画できる社会づくり計画に対して、賛成ではありますが、一部討論をいたしたいと思います。
 この計画は、鳥取県男女共同参画計画の第5次計画を策定する過程で、男女共同参画という表題が、本議案のとおり性にかかわりなく誰もが参画できるという言い方に変えられました。性的マイノリティーの方々を社会的に包摂していくことは大変に重要な視点で、歓迎すべきことです。その上で、このプロセスには大いに疑問を持ちました。
 まず、表題に関してはパブコメも取られておらず、男女共同参画を進めてきた関係団体にも聞き取りはありませんでした。もし表題に関して意見募集がされていたら、多くの懸念や表題の案が寄せられ、それらを基に審議会でさらに深く議論されたはずです。
 もう一点、男女共同参画という言葉が計画の名前から姿を消すことがボディーブローのように、女性差別の撤廃の流れを弱めてしまうのではないかとの危惧を、何十年も女性運動に関わった誰もが感じています。名前は大事です。だからこそ、メディアも全国初と大きく取り上げたのだと思います。この危惧も、計画を実行する中で払拭することを求めます。
 また、計画においては、性的マイノリティーの方々への対策がもっと多岐にわたり必要だということも提起したいと思います。
 これらの課題をクリアしていくことを考えつつ、今回の表題変更はそこに向かう一つのステップと捉え、賛成の討論といたします。

◎浜田(一)委員長
 そのほかはございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 討論が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
 採決につきましては、一括して採決するのがよろしいかお諮りいたします。(「一括」と呼ぶ者あり)
 一括という声があります。そういたしますと、議案第1号、第2号、第8号、第14号、第15号、第17号及び第21号について、一括して採決いたします。
 原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成全員であります。したがいまして、以上7議案につきましては原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、諮問第1号、退職手当不支給処分に対する審査請求の裁決について審査を行います。
 質疑のある方は挙手をお願いします。(「なし」と呼ぶ者あり)
 質疑はないようですので、付託諮問案件に対する討論を行っていただきます。
 御意見のある方は挙手をお願いします。

○福田委員
 知事の裁決案は適当と認める、ということで、その理由は、処分庁である鳥取県教育委員会が行った退職手当不支給処分の取消しを求める審査請求の裁決に係る諮問について、退職手当が勤続報償のほか、退職後の生活保障等の性格を持つ点、さらに、この裁決が審査請求人の勤続の功を全て帳消しとし、人生、生活に極めて重大な影響を及ぼす点を考慮し、慎重に審議された。
このたびの退職手当不支給処分の前提である懲戒免職処分の主な原因については、職場の懇親会から帰宅する際に酒気帯び運転を行い、車道の中央分離帯の街路樹等を破損する交通事故を起こし、かつ自ら警察に事故報告を行わなかったことによる酒気帯び運転及び交通事故報告義務違反といった非違行為であり、懲戒免職処分について令和元年6月に請求人から人事委員会に不服申立てがあり、令和2年11月に違法または不当ではないとして訴えが棄却されたところであります。
 本県においては、懲戒免職処分を受けて退職した者には、退職手当を全額不支給とする原則を適用することとしており、過去においてこの原則を適用しなかった事例がないこと、また、本事案には過失がある場合における参酌すべき情状もなかったことから、処分庁において退職手当全額不支給と決定したものであり、非違の態様、内容や、県民の公務に対する信頼及び公教育全体に対する信用失墜を招いた影響を考慮すると、裁量権の逸脱または濫用があるとは認められず、違法、不当とは言えないと思います。
 以上のことから、地方自治法第206条第3項に基づく諮問に対する議会の意見は、知事の裁決案を適当と認めるとすべきであります。

◎浜田(一)委員長
 そのほか御意見ありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 意見が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
 それでは、知事の裁決案は適当と認めるとすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成全員であります。したがいまして、諮問第1号に対する意見は、知事の裁決案は適当と認めることとするものと決定いたしました。
 続いて、請願・陳情の審査を行います。
 今回は、新規分の陳情1件、継続分の陳情1件の審査を行います。
 まず、新規分の陳情2年総務第29号、日本学術会議任命拒否問題に係る真相究明等を求める意見書の提出について、審査を行います。
 御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いします。

○福田委員
 これは不採択がよろしいかと思います。
 その理由につきましては、日本学術会議の会員任命に当たり、内閣総理大臣が一部会員の任命を拒否した事案については、日本学術会議から任命しなかった理由の開示と任命を求める要望書が内閣総理大臣に提出されたものと承知しています。この要望書を受け、現在政府と日本学術会議が今後の在り方について議論を続けている最中であること、また、現時点で本県議会において意見書を提出する必要性が認められないことから、不採択がよろしいかと思います。

◎浜田(一)委員長
 そのほかはございませんか。

○尾崎委員
 採択を求めます。
 日本学術会議任命拒否問題に関しては様々な議論がありますが、基本的には学問の自由、学問の独立ということを担保しなければなりません。行政が、国が学問の自由に関してこうすべき、ああすべきというのを、深く関わる人事に関して意見を言うことを、厳に差し控えねばならないと思っています。
 よって、この陳情は採択とすることを求めます。

◎浜田(一)委員長
 そのほかございませんか。
 意見が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
 確認いたします。御意見は採択、不採択であります。
 それでは、まず採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成少数であります。
 次に、不採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数であります。したがいまして、陳情2年総務第29号については、不採択と決定いたしました。
 次に、継続分の陳情2年新時代創造第27号、女性差別撤廃条約選択議定書の早期批准を求める意見書の提出について、審査を行います。
 御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いします。

○福田委員
 これは趣旨採択がよろしいかと思います。
 その理由は、女子差別撤廃条約選択議定書が発効されましてから本年で20年となり、10月現在、我が国も批准している女子差別撤廃条約の締約国189カ国のうち、6割となる114カ国が選択議定書を批准しているところであります。
本年11月に男女共同参画会議から内閣総理大臣へ答申されました第5次男女共同参画基本計画の策定に当たっての基本的な考え方では、女子差別撤廃条約の選択議定書については、諸課題の整理を含め、早期締結について真剣な検討を進めると記載されており、国会においても、第5次男女共同参画基本計画の策定に向けては、選択議定書に係る外務省での検討を踏まえ、議論を進めるとされているところであります。
 選択議定書に規定される個人通報制度の受入れに当たっては、我が国の司法制度や立法制度との関係について国で調査検討が進みつつありますが、同様に個人通報制度を規定している自由権規約、児童の権利条約、障害者権利条約、社会権規約の選択議定書も批准していないところといった状況であります。
 男女共同参画社会の確立に向けて国内外が変化していく中、女性活躍を推進している本県といたしましても、あらゆる女性差別を撤廃し、さらなる男女共同参画社会を求めていく必要があるのは言うまでもありませんが、国において女子差別撤廃条約選択議定書の早期締結について真剣に検討されておりまして、いましばらくその議論を見守ることが適当と考えるため、趣旨採択が妥当であると考えます。

◎浜田(一)委員長
 そのほかございませんか。

○尾崎委員
 女子差別撤廃条約選択議定書の早期批准を求める陳情について、採択を求めます。
 国連の女子差別撤廃条約選択議定書は、同条約を補完し、実効性を高める重要な役割を持っています。これは、国内で最終的な裁判などを経てもなお差別解消されず、救済の道が閉ざされた個人、団体が、直接国連に申し出ることができる制度でもあります。これを批准するのに新たな法改正は必要ありません。
 今年10月、初めて国会の本会議でも取り上げられ、菅首相もその重要性を認識し、早期締結について真剣に検討していくと答弁されています。日本の中で今なお差別に苦しむ女性たちを救うために、国の姿勢をさらに後押しするために、男女共同参画において全国でもトップクラスにある鳥取県として意地を見せて、さらに国を後押ししてはどうかと思います。
 この陳情の採択を求めます。

◎浜田(一)委員長
 そのほかございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 意見が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
 確認いたします。御意見は採択、趣旨採択であります。
 初めに、採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成少数であります。
 次に、趣旨採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数であります。したがいまして、陳情2年新時代創造第27号については、趣旨採択と決定いたしました。
 以上で付託案件の審査は終了いたしました。
 なお、委員長報告の作成、内容につきましては、委員長に一任いただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議ないようですので、そのようにさせていただきます。
 それでは、執行部の入替えを行いますので、暫時休憩いたします。再開は、10時40分といたします。
(執行部入れ替わり)

午前10時31分 休憩
午前10時40分 再開

◎浜田(一)委員長
 再開いたします。
 報告事項に移ります。
 執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いします。
 なお、質疑等につきましては、説明終了後、一括して行うことといたします。
 報告1、「第2次鳥取県女性活躍推進計画(素案)」に係るパブリックコメントの実施結果について、入江女性活躍推進課長の説明を求めます。

●入江女性活躍推進課長
 令和新時代創造本部の資料の2ページをお願いいたします。「第2次鳥取県女性活躍推進計画(素案)」に係るパブリックコメントの実施結果について報告いたします。
 パブリックコメントは、11月20日から12月9日まで実施いたしまして、8名の方から23件の御意見をいただきました。
 主な意見と対応方針について御紹介いたします。まず、1つ目に記載しておりますのは、女性が産休等で長期休暇等に入る場合、外部の代替職員で補完することが非常に難しい状況があるため、人材確保システム構築などの必要性を計画に盛り込んでほしいというものでございます。これにつきましては、複業や企業間出向人材の活用の促進など、多様な人材確保の仕組みの導入に向けた取組を進めることを記載することといたします。
 2つ目の意見として、事業主の責務として、職場で旧姓使用を認めつつ、社会的な業績や経歴の継続性を確保する取組が必要との御意見をいただきました。これにつきましては、現在国において選択的夫婦別姓制度に関する議論がされていることも踏まえまして、旧姓使用の周知を図りつつ、婚姻前の姓を使用することができる具体的な制度の在り方に係る国での議論の動向を注視することを記載することといたします。
 そのほか、計画案に盛り込み済みの内容ですとか、計画の対象範囲を超える部分に関する御意見を複数いただいているところでございます。今後、これらの意見を踏まえまして計画の最終案を作成し、今議会終了後に計画策定する予定としております。
 なお、資料の3ページ及び4ページに計画案の概要を添付しておりますので、またご覧いただければと思います。

◎浜田(一)委員長
 報告2、鳥取県学校教育情報化推進計画(仮称)の策定及びパブリックコメントの実施について、横山教育環境課参事の説明を求めます。

●横山教育環境課参事(GIGAスクール構想担当)
 教育委員会資料2ページをお開きください。学校教育情報化推進計画の策定及びパブリックコメントの実施について御報告いたします。
 昨年6月に学校教育の情報化の推進に関する法律が施行されまして、県に計画の策定が義務づけられました。現在、国の計画自体は未策定でございますけれども、国より少し先行して作業を進めているところでございます。
 今回、計画案がまとまりつつありますので、このたび県民の皆様から意見をいただくために、パブリックコメントを実施しようとするものでございます。
 お手元の資料に沿って計画案の骨子を御説明いたします。
 計画は令和5年度までの4年間、国の動向や社会の変化を見据えて、適宜見直してまいります。これからの社会を主体的に生き、社会に対応する資質・能力を持った人材の育成を目指します。これは本県の教育振興基本計画の基本理念でもあります人づくりにつなげるものでございます。
 目指す人材の育成に向けましては、子どもたちの情報活用能力の向上、それから教員の指導力・活用力の向上、教育の情報基盤の構築、情報化に向けた体制整備、この4つの方針を掲げて取り組むこととしております。
 議会でもいろいろ話題になっておりますGIGAスクール構想の実現によりまして、端末をはじめとしたハード的な整備というものは、今まで以上に進んでいくこととなろうと思いますので、この計画期間では機器を利用しまして子どもたちの力をしっかり伸ばしていくといったことを中心に取組を進めてまいりたいと思います。併せて、そのために必要な先生方の指導力・活用力の向上とか、企業や地域の方々の協力も得ました体制づくりを進めてまいりたいと考えております。
 計画の達成に向けては、目標とする指標を設定しまして、毎年、点検、評価していくこととしております。
 この計画案に対するパブリックコメントは、来週から来年1月12日まで実施する予定で現在調整しているところでございます。次回の常任委員会で意見結果を御報告の後、計画案を調整して、2月をめどに策定したいと考えております。
 計画の概要につきましては次のページでまとめておりますけれども、今計画期間中の本県の特徴的な取組を一つだけ御紹介いたします。6ページをお開きください。小・中・高を見据えた情報活用能力の接続イメージという表でございます。これは、小学校から高校まで12年間を見据えて、各発達段階のつなぎを意識した取組を進めていきたいというものでございます。先月、出前県議会で倉吉東高においでいただいて、生徒から中学校での情報教育の内容と高校の教育がつながっていないというような御意見などもあったと思うのですけれども、こういった接続をイメージすることによって、そういったギャップがないような取組を進めてまいりたいと思っております。
 この期間中は、小学校から高校まで同じ学習用ツールを使うことにしております。子どもたちも教員も、全県で共通のものを使用して、学習の継続性や教員の働き方改革につなげてまいりたいと考えております。
 こうした学校教育の情報化の取組が進むことによって、学校での学びが大きく変わると思っております。また、障がいのある子どもたちを含めて、全ての子どもたちの可能性が大きく広がるものと考えております。そうした取組が一層広がっていくような計画にしていきたいと思っております。

◎浜田(一)委員長
 次に、報告3、県立夜間中学に関するアンケート調査及び今後の取組について、中田参事監兼小中学校課長兼学びの改革推進室長の説明を求めます。

●中田参事監兼小中学校課長兼学びの改革推進室長
 9ページをお開きください。県立夜間中学に関するアンケート調査及び今後の取組につきまして、御報告させていただきます。
 下にアンケートの概要をつけておりますが、今後夜間中学設置に向けて検討を行うための参考資料として、再度アンケート調査を行いたいと考えております。平成30年度に一度取りました中で出てきた結果もございますが、教育委員会の思いといたしましては、(3)の調査対象に挙げておりますが、義務教育未修了者あるいは外国籍の方、入学希望の既卒者といった部分が、アンケートを取る際の働きかけといいますか、集約の仕方といいますか、その辺りが少し弱かったと反省しておりまして、今回特に重点的にやっていけたらなと思っているところでございます。
 4番、調査の内容につきまして、対象者用と、支援者、保護者用、別の様式のアンケートを作成して実施しようと考えております。
 5、調査方法でございます。先日12月12日土曜日に新聞広告等も出させていただいて、皆さんにどんどん周知していこうかなと思っておりますが、QRコードで端末を使ったアンケートができるような方法等も考えております。また、関係する支援団体に参りましていろいろやり取りをいたしますと、この夜間中学の対象になるかもしれないなという方がいろんな機会で集まっておられる場所があるということもお聞きしておりますので、そちらで指導主事が夜間中学の趣旨を説明させていただいたり、その場でQRコードを使ったアンケートの仕方等を説明させていただいたりしながら、届けたい方にできるだけたくさんの回答をいただけるような工夫をしながら、今回実施していきたいなと思っております。
 最後に今後の取組でございますが、12月3日からスタートして1月29日までとしております。その後、さらに県民の皆様に周知を図るために、シンポジウムを開催しようと思っております。また、アンケート結果分析、検討を2月、3月と行いながら、第2回目の設置検討委員会で今回のアンケートの結果を基に再度検討するということで考えております。

◎浜田(一)委員長
 ただいままでの説明について、質問等はありませんか。

○尾崎委員
 女性活躍のパブリックコメントについて、ちょっとお聞かせください。
 意見として、旧姓使用を認めつつ社会的な業績や経歴の継続性を確保する取組が必要となっていることに関して、旧姓使用の周知を図りつつ婚姻前の、と書いてありますね、国の動向を注視することを記載するとなっています。
もう10数年前になりますけれども、旧姓使用に関しては本会議で質問したことがあります。県でも取組をされて、こういった範囲では旧姓使用オーケーですよ、例えば教員の異動ですかね、それから県庁の職員、ある程度の資格を持っていらっしゃる方。旧姓をそのまま使えるだとかいろいろあったと思いますが、現状はどうなっていますか。

●入江女性活躍推進課長
 現状ですね、県内でも旧姓使用というのは進んできていると思っております。県内で調査をしたということはないのですけれども、平成28年度に国のほうで調査した結果ですと、大体半数の企業において旧姓使用が認められているというような状況でございます。

○尾崎委員
 旧姓使用に関しては、別姓の法律がなかなか通らない時点で、やはり国も積極的にいろいろ対策を立てていこうとしています。県においても、県庁ではかなりやっていらっしゃると思いますが、どんなことをやっておられるか、後でいいですから教えてください。
 それと、県庁が率先することによって、やはり一般企業の中でもそういった方向を取っていくだろうと思います。ただし、多くの場合、上司次第というところが多いのですね。何かその辺もきっちりと周知していくような対策を立てていただきたいと思います。

●入江女性活躍推進課長
 資料につきまして、また後ほどお持ちしたいと思います。
 県内の企業におきましても、女性活躍推進課にも企業を訪問する専門の職員がおります。今後そういった職員が企業を訪問する際に、旧姓使用の拡大、周知について呼びかけていくようにしたいと考えております。

◎浜田(一)委員長
 よろしいですか。
 そのほかございますか。よろしいですか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 次に、閉会中の調査事項についてお諮りいたします。
 本委員会所管に係る本県の行財政運営、学校教育の諸課題、その他の主要事業については、閉会中もこれを継続調査することとし、その旨、議長に申し出ることについて、御異議はございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、その旨、議長に申し出ておきます。
 次にその他ですが、執行部、委員の方で何かございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 意見がないようですので、委員の皆様に御連絡いたします。
 次回の常任委員会は、1月21日木曜日、午前10時から開催の予定でありますので、よろしくお願いします。
 以上をもちまして総務教育常任委員会を閉会いたします。

午前10時54分 閉会

 



 

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