会議の概要
午前10時16分 開会
◎坂野委員長
ただいまから福祉生活病院常任委員会を開会します。
日程は、お手元のとおりですので、この順序に従って議事を進めます。
なお、本日は、付議案の予備調査を行った後、暫時休憩を取り、本会議における付議案に対する質疑、付議案の各委員会への付託の後、付託議案の審査を行うこととします。
また、付議案の予備調査は、福祉保健部、病院局、子育て・人財局、生活環境部の順で、執行部の入替えを行いますので、御承知ください。
初めに、会議録署名委員を指名します。
本日の会議録署名委員は、川部委員と市谷委員にお願いします。
それでは、初めに、福祉保健部に係る付議案の予備調査を行います。(発言する者あり)
○川部委員
予備調査の仕方なのですけれども、福祉保健部議案第1号の条例に関しては、これまでいろいろな議論、意見が出ていることを鑑みまして、きちんと条例の順番、条文に沿って、逐条的に審査したらどうかと思います。立法事実だとか法との関係などもこれまでもいろいろ意見がありましたので、まず、総論的にその辺をやった上で、逐条的に審査を進めていったらどうかと思いますが、どうでしょうか。
◎坂野委員長
今の御意見に御異議はありますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
では、そのように進めさせていただきます。
まず、宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長に総括説明を求めます。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
それでは、福祉保健部の議案説明資料をお開きください。このたびは、いわゆるクラスター対策条例を提案していますほか、新型コロナウイルス感染予防と拡大防止に資する関係予算を3本提案しています。そのほか、専決処分として、手数料徴収条例の一部を改正していますので、その報告をします。
詳細は課長から申し上げます。よろしくお願いします。
◎坂野委員長
続いて、関係課長から順次説明を求めます。
●丸山福祉保健課長
予算関係は2本ありまして、まず、2ページをお願いします。生活福祉資金緊急貸付事業です。こちらは、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少した世帯に生活資金の貸付けを行うものです。4月、6月の臨時会におきまして9,500万円を認めてもらっていますけれども、このたび、貸付期間が9月末に延長されることに伴いまして、さらに4億1,600万円をお願いするものです。貸付状況等につきましては、3番のところを御覧いただければと思います。
3ページをお願いします。新規事業の社会福祉施設クラスター対策等事業です。こちらは、事業が3つありまして、まず1点目が社会福祉施設におけるクラスター対策事業で1,300万円をお願いするものです。社会福祉施設につきましては、これまでも4月、6月の臨時会におきまして、施設整備ですとか医療環境整備等で新型コロナウイルスの感染防止対策を講じているところですけれども、このたび、クラスターの未然防止、拡大防止のための予算をお願いするものです。こちらは、今後、関係団体等の意見も聞きまして、柔軟に対応していきたいと考えているところです。
2番目、3番目は、救護施設職員への慰労金給付事業及び救護施設の事業継続支援等事業です。介護や障がい福祉の事業所については、4月、6月の臨時会で認めていただいているのですけれども、この事業は、救護施設の職員に対して慰労金を給付するものと、救護施設の事業を継続できるようにするものです。県内には2施設ありまして、そちらに対して補助をするものです。
●萬井健康政策課長
4ページをお願いします。医療環境整備等事業です。新型コロナの検査体制の強化であったり、医療提供体制の整備につきましては、本年度に入りまして、4月と6月の補正で94億円弱の予算をお認めいただいているところです。このたび、医療提供体制のさらなる強化のために、主な事業のところにあります6つの事業の予算をお願いするものです。
一番上の新型コロナウイルス感染症重点医療機関等設備整備事業が新規事業で、その下の5つが既存の事業の拡充となっているところです。
まず、一番上の新型コロナウイルス感染症重点医療機関等設備整備事業ですが、国からの通知を受けまして、7月末に鳥取県におけます、病棟単位で専用病床を確保する重点医療機関と、緊急時に対応いただく救急、周産期、小児医療機関を決定させていただいたところです。これに基づきまして、当該医療機関から要望のありました設備整備についてお願いするものです。1つ目の感染症重点医療機関等設備整備事業と3つ目の医療機関の設備整備に対する補助がそれに当たっているものです。
2つ目の医療機関での検査機器整備は、新型コロナの行政検査について、従来のPCR検査に加えまして、抗原定量検査が追加されたことで、入院協力医療機関であったり、帰国者・接触者外来の医療機関などで抗原検査機4台、PCR検査機5台を新たに導入する経費に対する補助になります。これによりまして、行政検査は現在の1日当たり196検体から、700検体程度まで拡充されると思っています。
4つ目の新型コロナウイルス入院病床確保は、いわゆる空床補償で、4月補正で既にお認めいただいておりますが、重点医療機関が7月末に決定したことに伴いまして、今後の感染対応のために、このたび各病院と調整の上、増額補正をお願いするものです。
5つ目の医療従事者等感染拡大防止対策事業補助金は、政調政審時には項目として上げていませんでしたが、その後の調整によりまして盛り込ませていただくものです。病院内の感染者に対応した医師や看護師といった医療従事者の方々が自分の御家庭の中に感染のリスクを持ち込むことを避けるために、一定の期間待機できる宿泊施設等を確保する経費への補助となります。
最後に、一番下の新型コロナウイルス患者受入れに伴う施設整備ですが、こちらは、このたび重点医療機関に決定した感染症の中核的な医療機関から、病院内の動線確保等の施設改修に伴う要望が出てまいりましたので、その経費に対する補助を行うものです。
6つの事業を合わせまして46億円余をお願いするものです。
9ページをお願いします。鳥取県新型コロナウイルス感染拡大防止のためのクラスター対策等に関する条例についてです。
こちらの提案理由は1番に書いていますが、新型コロナの感染がクラスターの発生を契機として爆発的に拡大していくことが全国的な傾向から見えてきていることから、このクラスター発生という公衆衛生上緊急の対応を要する具体的な危機に早期の段階で機動的に対処し、封じ込めることにより蔓延防止を図るとともに、あわせて、県民、事業者が一丸となって、日夜コロナウイルスと闘っておられる患者、医療従事者などの応援をすることによって、県民の生活、健康を保護し、県民生活を守ることを目的としています。
逐条のところはまた別途お話をするとしまして、概要を御説明させていただきたいと思います。
まず、(1)です。県、市町村、事業者の一定の役割について、条例の第3条から第5条に規定をしているところです。5名以上と定義をしていますが、不特定多数が立ち寄る施設における集団感染、いわゆるクラスターについて、発生の予防、発生した場合の対策の実施、協力等について定めているものです。
(2)ですが、クラスター発生という具体的な危険に対応するための緊急措置を定めています。アとしまして、第6条第1項に該当しますが、施設使用者は、クラスターが発生した場合には、自ら店舗、施設等の使用を直ちに停止し、感染防止対策を講ずること。イとしまして、第7条1項ですが、クラスターが発生した場合において、蔓延防止のために必要があると知事が認めた場合には、店舗、施設等の名称の公表を行うこと。ただし、従業員や利用者など全員の把握ができ、直ちに連絡を行った場合については公表しないとしているところです。ウとしまして、第8条第1項ですが、クラスターが発生した場合に、施設使用者が自ら使用停止などの対策を講じない場合につきましては、施設の全部または一部を閉鎖し、対策を講ずることを指示することができるといった旨を規定しています。
(3)は、第6条第3項関係です。クラスターの発生が施設使用者以外の故意によるものである場合であったり、十分な対策を講じていたにもかかわらずやむを得ない事情によりクラスターが発生した場合については、協力金を給付できることを規定しています。
(4)は、第11条関係です。県民等は、患者や医療従事者等を応援することなど、一丸となって蔓延防止を図ること、何人も誹謗中傷してはならないこと、県は正しい知識の普及啓発、その他必要な措置を講ずること等を規定しています。
(5)ですが、施行期日は9月1日を考えています。ただし、第11条関係は、公布日施行としています。また、本条例は、新型コロナに対する限定的な措置ですので、新型コロナ対策が法的に終了する時点をもって失効することとしています。
●西尾医療・保険課長
13ページをお願いします。鳥取県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例及び鳥取県手数料徴収条例の一部を改正する条例につきまして、議会の委任による専決処分を行いましたので、御報告します。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の一部改正によりまして、この2つの条例で引用しています条文に条項ずれが生じましたので改正するものです。
事務そのものには影響はありません。
施行期日は、改正法の施行日であります令和2年9月1日としています。
14、15ページに条例案をつけていますので、また御覧ください。
◎坂野委員長
これから付議案に対する質疑を行っていただきますが、委員の皆様におかれましては、簡潔な質問と発言前後のマイクのスイッチの切替えをお願いします。
では、まず条例以外の付議案について、質疑等はありませんか。
○市谷委員
まず2ページの生活福祉資金の関係について、今回、4億1,000万円余を増額するということで、残金と合わせて大体7億円近い原資ができるのですけれども、先ほども少し紹介がありましたが、受付期限が9月末になるということで、せっかく予算ができてもあと1か月しか使えないことになっていると思うのです。それで、その受付期間の延長について国は言っているのだろうかと。もし言っていなければ、これは結構皆さんがよく利用されている制度ですので、延長を求めていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
この事業は2つあるのですけれども、総合支援資金は、1回目でまず3か月貸付けを受けられて、さらにもう一回更新して、最大6か月と今、国は言っているのですけれども、1回目の3か月分を9月末までに借りていないと、もう一回の更新ができないことになっているようで、そうすると、これから1回目の総合支援資金を借りる人は、もう来月ですから、3か月が終わることにならないわけで、もう更新ができないのです。ですから、この総合支援資金について、せめて9月に3か月の1回目を使ったら、もう一回更新できるように、これも同じ話なのですけれども、期間の延長をぜひ求めていただきたいなと思いますけれども、いかがでしょうか。
●丸山福祉保健課長
まず、9月末までということで、こちらにつきましては、7月に期間の延長ですとか金額の補正等について国に要望したところでして、現在、それをまたさらに延長する話までは聞いていませんけれども、こちらとしても注視していきたいと思っています。
今、貸付けがどんどん増えており、一月当たり大体2億円弱の貸付けをしている状況ですので、やはり需要は高いのかなという認識を持っています。
また、更新の話につきましても、この制度の延長に合わせた形になるのかなと思いますけれども、改めて国に確認はしたいと思います。
○市谷委員
これはぜひ延長を求めていただきたいと思います。
次に、3ページの社会福祉施設でのクラスター対策事業ですけれども、感染防止の取組と書いてあって、それ自体は必要なのですけれども、これは実際にクラスターが発生した場合の対策にも使えるのかどうかを教えていただきたい。
また、社会福祉施設でクラスターが発生した場合に、当然感染された方はまずは病院にということなのですけれども、施設で大量に発生した場合に、なかなか高齢者の方を移動するのが難しいので、福祉施設なども活用して、そこを療養する場所にする計画が検討されているのかなと思うのですけれども、その辺も少し御紹介いただけたらと思います。
同時に、救護施設の職員に慰労金を出すということで、本当に必要なことだと思います。さっき、県内2施設とおっしゃったのですけれども、どことどこになるのかを教えてください。
それで、ほかの医療従事者や福祉施設の慰労金も同じなのですけれども、期限が6月30日分までになっています。これは過去の分を出す感じで、それはそれで出したほうがいいと思うのですけれども、それ以降の分についてもぜひ慰労金を出していただくように延長を求めていただきたいと思いますけれども、その辺どう考えておられるでしょうか。
救護施設の事業継続支援等事業について、他施設で感染者が発生した場合、自分の施設から応援派遣した職員にかかる追加人件費に使えるということなのですけれども、これはどこからどこに派遣した場合に使えるということなのでしょうか。追加人件費とはどういうものなのでしょうか。職員さんにもともと給料が出ていると思うので、何のことなのかなと。例えば、他県の施設などに派遣する場合にもこれを使ってということになるのでしょうか。ただ、他県の施設に派遣する場合というのは、県がきちんとそのお金を見るべきではないかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
●丸山福祉保健課長
まずは、クラスター対策の件で、これが未然防止だけではなくて拡大防止も対象になるのかという御質問ですけれども、今回のこの事業につきましては、県の独自の事業ということもありますので、クラスターの防止に必要な取組を柔軟に対応していきたいと思っています。
あと、横の連携につきましては、福祉施設で協力してやっていくということで、現在、関係する事業者団体、老人保健施設の協会ですとか老人福祉施設の協議会ですとか、そういったところと調整をしていまして、高齢者関係、障がい者関係、あと児童関係、こういったところと県とで、万一施設内で感染症が発生した場合に協力していく協定を現在、9月中には結ぶ方向で進めているところです。
それと、救護施設につきましても何点か御質問がありました。まず、県内2施設はどこなのかということですけれども、湯梨浜町と米子市に大平園という施設がありまして、こちらの定員が80名、70名という形になっています。
慰労金の対象が6月末までなのですけれども、これは国の制度で、障がい者とか高齢者の施設の慰労金と同じ形で、この間に勤めていた方というふうになっています。それ以降、県内でも新型コロナウイルスの感染が発生していますけれども、これも全国的なものなのかなと思ってはいます。
あと、自施設から応援職員を派遣した際にかかる追加人件費ですけれども、こちらは、派遣したことによって追加で人が自施設に必要になってくるかと思いますので、その経費と認識しています。
もともと想定としましては、県内施設での応援というところではありますけれども、他県でそういった場合が生じたときにどうなるかを改めて確認しておきたいと思います。
○市谷委員
救護施設の慰労金について、6月末までの分ということなのですけれども、その後の分についても出してほしいとぜひ国にも言っていただきたいと思うのですけれども、その点、もう一回確認させてください。
次に、4ページの医療環境整備等事業について重点医療機関に施設整備するとあるのですけれども、この重点医療機関というのは、感染症指定病院と入院協力医療機関のことなのかを確認したいですし、この重点医療機関が県内に全部で何病院あるのか教えてください。
重点医療機関以外の病院も患者さんを受け入れる可能性があると思うのですけれども、こういう施設整備の予算はあるのかないのか、なければ措置すべきだと思うのですけれども、その辺を教えてください。
医療機関での検査機器の整備について、抗原検査機の初導入だとか、PCR検査機を増やすことで、一日の検体数が196検体から700検体に増えるということなのですけれども、今回の増設でPCR検査機と抗原検査機がそれぞれ何機になるのかを教えてください。
前回6月議会でもこの検査機器の増設について予算を組んでいるのですけれども、なかなかこのPCR検査機が取り合いになっていて、購入が難しい場合もあると聞いているのですけれども、見通しとして、いつ頃の整備、購入になるのかも教えてください。
それで、こういうふうに予算をつけてもなかなか手元に検査機が買えない場合ですが、鳥取大学には、病院以外にも医学部とか農学部とか工学部にもPCR検査機があって、それを活用する際に国が補助金を出すと言っているのですけれども、そういうことは視野に入っているのかどうかも教えてください。
今回、検体数を700検体まで高めていくことについて、どうも知事の記者会見を見ると、検査の検体数をもっと増やしていく目標だということですが、最終的にどれだけ検体数を増やそうと考えておられるのかを紹介していただきたいです。
それと、検査機は増えるのですけれども、自分の身近なところで検査を受けられるようにしたいというので、例えば、自治体立病院だとか近くの病院に検査機があれば、PCR検査を受けることができるという声もあるのですけれども、市町村ごとだとか、東部、中部、西部で検査機が満遍なくエリア的にきちんと配備されることになるのかどうかを教えてください。
●丸山福祉保健課長
まず、救護施設の慰労金の関係ですが、制度自体は緊急事態宣言時に高齢者の施設、障がい者の施設に対して出したものだと思いますので、この救護施設だけの問題ではないのかなと思います。現在は、国への要望までは考えていませんけれども、部内で検討したいと思います。
●萬井健康政策課長
まず1点目は、今回の重点医療機関が感染症医療機関であったり、入院協力医療機関であったりするかどうかです。こちらは、それらも含めて県内で10か所決定していますが、施設名等につきましては控えさせていただくことになっております。
2点目は、重点医療機関以外にもそういった施設整備等の補助金はあるかどうかです。こちらについては、4月、6月の補正でコロナの関係でかなりいろいろな設備整備等をお認めいただいているところでして、そういったものを活用しながら、要請があれば整備をしていくことになります。このたびの8月の補正予算については、重点医療機関について新たに要望をいただいたものです。
抗原検査、PCR検査等の機器の整備状況ですが、このたびの4月、6月、8月全て合わせまして、予定としましてはPCR検査で34台、抗原検査で今回新たに4台整備されるということです。
これは、身近なところで検査を受けられる体制になっているかという最後の質問にも関わるところですけれども、先ほど言いましたように、PCR検査機が配置される病院等の公表は控えているところもありますが、東・中・西と十分に体制が取れるように配備していこうと思っています。
PCR検査機の購入時期等の見通しにつきましては、各医療機関からメーカーに問合せをされているところで、確かに希望どおりの購入はなかなか難しいですが、年内もしくは年度内には、先ほど言った数の検査機器が導入される予定と聞いているところです。
あと、鳥大の中の他学部等にPCR検査ができる機器があるのではないかという点につきましては、鳥取大学と調整をさせていただきたいと思っています。
検査数の今後の見込みにつきましては、先ほど言いましたように、行政検査としては700検体程度までを見込んでいます。ただ、今後のいろいろな制度の拡充であったり、感染の状況等によってはかなり検査の数も増えてくるかもしれません。そういったところを踏まえまして、民間の検査機関等も含め、現在2,800検体程度を考えているところです。
○市谷委員
今回の検査機器の拡大に伴う検査の自己負担金は、今までどおり無料でいいのかを確認させてください。
あと、空床補償の制度について、重点医療機関の場合はかなり単価が上がってよかったなと思うのですけれども、重点医療機関以外の補償単価が低く設定されていることについて、なぜこのような差があるのかを教えてください。
それで、重点医療機関などについては、ベッドを空けることについての補償があるのですけれども、例えばそのために入院している患者さんを別の病院に移すことになる場合、その患者さんを受け入れるほうの病院について、何か支援制度はあるのでしょうか。受け入れる側にも支援が必要だと思うのですけれども、その辺がどうなっているかを教えてください。
医療従事者の宿泊施設の確保について、追加で予算が出てよかったなと思うのですけれども、病院からは、これでは単価が低くて持ち出しになってしまうという例も聞いています。そういう場合には、その差額は調整して出していただけるのかどうかを教えてください。
●萬井健康政策課長
まず、今後のPCR検査が無料かどうかですが、この行政検査については無料です。全て公費で負担します。
次に、空床補償の単価の差についてですが、重点医療機関に指定するためには、看護体制等を専用で1チーム置いていただくとか、専用病棟を1棟丸々空けていただくといった要件を定めていますので、この差が出ているところです。
また、ベッドを空けるために患者様を移動させたときの支援については、実際に受入先を調整させていただきながら、無理のないように移動していただくということですので、受け入れ病院に対する支援策は今のところ考えていないところです。
最後に、医療従事者の宿泊施設の関係で、単価と実際に契約をした金額とで差額が生じる場合に、その差額を調整するかどうかということについてです。今のところ、そういった制度については考えていませんが、また実態等をよく聞き取りながら検討はしてみたいと思います。
◎坂野委員長
そのほかありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、条例についての質疑に入りたいと思います。先ほど提案のありましたとおり、多岐にわたるため、総論的な質疑の後に条文ごとに質疑を行いたいと思います。
まず、この条例について総論的な質疑のある方は挙手をお願いします。
○野坂委員
今回、クラスターに関する条例が提案されたわけですけれども、幸いに鳥取県では現在までにクラスターが発生していない。このクラスターの発生状況でいけば、深刻な地域が東京、大阪、様々あるわけですね。そういう中で、我が県でこの条例制定が必要だと判断をされたわけですけれども、まずは感染症法、あるいは特措法等の現行法の対応も選択肢としてある中で、この条例制定の立法事実についてお尋ねしたいと思います。
●萬井健康政策課長
現在、確かに鳥取県の中ではクラスターは1例も起きていない状況です。ただ、今までの全国的な傾向を見たところ、このクラスターが発生したところから感染が爆発的に増えている実態もありました。そういった実態があったところが東京であったり大阪であったりするわけですが、そういったところを見るにつれて、このクラスターを早期に封じ込める必要があるということが認識されたため、このたび、この条例を提案させていただいたということです。
特措法については、その発令下でなければ、ある程度施設の制限ができないといった制約があったり、感染症法上、公表の基準が明確でないとか、そういった部分で、関係法令だけではクラスター対策までカバーができていないことが鑑みられますので、この本条例の措置を行って、スピーディーに対処したいという趣旨で提案をさせていただいたものです。
○野坂委員
クラスターを封じ込めていかないといけない、クラスター対策は重要だというのは同じ思いです。諸外国、特に欧米などのロックダウンとか大変厳しい対応をされたところと比べて、日本の対応は非常に緩いと、何にも強力なことをやらない、要請で止まっていることについてもいろいろ意見もあるわけですけれども、なぜ日本がこの感染爆発を抑え込めていっているのかというと、このクラスターを徹底的に追いかけると、この対策が功を奏しているのではないかという評価はあるのだろうと思っているのですね。
だから、クラスター対策は非常に重要であると、それは分かるわけですけれども、先ほど説明されましたけれども、関係法令ですね。要するに、これらの法令で対応できないということでなければ、今回の条例の制定は問題が出てくる。これらの法令との関係性をもう少し教えていただけませんか。なかなかはっきりと明確に規定していないということでしょうけれども、一方では、今の現行法で対応できるのではないかという理解もあるわけで、この点についてはいかがでしょうか。
●萬井健康政策課長
まず、感染症法でいきますと、第16条のところに情報の公表という項がありますが、その第2項に、公表に当たっては、個人情報の保護に十分留意をしなさいというようなことが定めてありまして、この辺りで、どのような場合に公表できるか不明瞭なままという実態があります。
あと、特措法の関係でいきますと、やはり先ほど申し上げましたように、緊急事態宣言下でなければ、そういった感染が広がっている施設等について公表ができない、使用施設の制限ができないというところがあります。
○野坂委員
そうすると、今回のこの条例はどういうことなのですか。感染症法の上乗せ、あるいは横出し、こういったような条例の性質だという理解でいいのでしょうか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
既存の法律ではっきり読み切れないものですから、今回、条例においてそれをはっきりして、それを根拠に公表なり指示なりを行おうというものです。
恐らく、おっしゃっておられるのは、何かベースになるものがあって、それの上乗せ、横出しなのかということですけれども、私どもが今考えている理論としては、法律ではっきりこのクラスターに関しての規定がないことから、ここは白地ではなかろうかと考えていますので、ゼロをベースにした場合にあまり上乗せ、横出しという言葉は我々としては使っていません。
○野坂委員
分かりました。
次に、今回、この条例が非常に短期間で成案されることになったわけですけれども、鳥取県民参画基本条例の第7条に、県民生活に与える影響が大きい条例の立案に当たっては、県民の意見等を求めないといけないという規定があるわけですね。このクラスター条例は、まさに県民に与える影響は非常に大きい条例になるわけでして、この記者会見があったときから、私の事務所にもかなりの件数の問合せ、御意見みたいなものがあったのです。要するに、唐突に記者会見がされて、何やらこのクラスターに対して大変強権的な条例ができるのではないかという不安の声が大きかったですね。期待の声というのはわざわざ電話連絡されないでしょうから、不安な方が連絡してくるということもありますが、そういう御意見が非常に多かった。もちろん、市町村議会議員からの声もありました。
そういう中で、先ほど言いましたように、鳥取県民参画基本条例では、県は丁寧な手続を取るように規定しているわけですけれども、この点はどういう整理がされたのでしょうか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
審議時間が大変短かったことについては、率直におわびを申し上げたいと思います。
知事がこの条例をつくる意向を表明して以降、言ってみればこの8月の上旬、盆よりも前にというお話もあったと思いますけれども、その頃から、一刻も早くこの条例を成立させたいというのが知事の思いでありました。ですので、鳥取県民参画基本条例においてできるだけ幅広く県民の御意見をお聞きしなければならないところも重々認識はしておったのですけれども、そのような、当初思っていました日程との関係におきまして、パブリックコメントを実施する暇がなかったことから、県民参画電子アンケートを行い、それから、8月3日にコロナに打ち克つ県民会議をしまして、旅館業組合ですとか食品衛生協ですとか生活協同組合ですとか、そういったところの代表の方に来ていただいて御意見を伺ったり、それから、生活環境部からですけれども、飲食生活衛生同業組合さんとか、食品衛生協会さんとか、できるだけ関係業界の皆様に御意見を聞いたつもりではありました。
ただ、これだけで全て足りると思っていません。議会で御審議をいただいて、この条例が仮に可決していただけるということでありましたら、今、業界には、恐らく100%に近い形でガイドラインといったものも配っています。そのルートなどを活用して、今回こういう条例ができたと、ガイドラインを守っていただいたら大抵の場合、患者の発生もないし、ましてやクラスターの発生もないであろうと思われるけれども、万一、不幸にもクラスターが発生してしまった場合には、こういう手続になりますよというところもそのガイドラインなどに載せて、きちんと1軒1軒お知らせしていかないといけないのかなと思っています。
○野坂委員
総論的な質疑はこれで最後にしたいと思いますけれども、冒頭言いましたとおり、我が県における新型コロナの感染症予防対策というのは、他県にも誇れる取組がたくさんあるわけですよね。本県では様々、先手先手を打っているということです。したがって、クラスターは1例も出ていない。その鳥取県からという、そういう唐突感が今回あるということだと思います。実際に事業されている方、店舗を営業されている方、そういった方々が様々な深刻な影響を受けていることは皆様御承知だと思いますが、有無も言わさず、クラスターが発生したら公表するぞという強権的な条例にも聞こえるわけですよね。
もう一つ、関係団体の長に聞かれているということですけれども、それが組織全体に下りていくのは一定の時間がかかるわけです。それは丁寧な説明を繰り返していかないとなかなか難しい。必要性を問われたら否定する人はいません。クラスターの対策は重要ですねと。ただ、この条例を成立させるのは議会であって、その責任は我々にありますので、この条例案について、この後同僚議員から詳細に確認をさせていただきたいと思います。
◎坂野委員長
そのほかありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
各条に入ってもよろしいですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
それでは、第1条について質問のある方は挙手をお願いします。
第1条についてはないようですので、第2条について質問のある方は挙手をお願いします。
第2条もないようですので、第3条について質問のある方は挙手をお願いします。
○市谷委員
第3条は、県の責務ということなのですけれども、この9ページの概要のところでは、県の責務として何をするのかというのがよく見えなくて、議会運営委員会のときでしたか、検査をきちんとするということを県の責務として位置づけるべきだと言ったのですけれども、条例にそのことが書いてあるかどうかを確認させてください。
●萬井健康政策課長
第3条第2項のところですが、新型コロナウイルス感染症の患者が発生した場合には、積極的疫学調査を行うとしていますので、こういった部分でしっかりとした調査を行っていく責務があると読んでいただければと思います。
◎坂野委員長
第3条についてはよろしいでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)
それでは、第4条について質疑のある方は挙手をお願いします。
ないようですので、第5条について質疑のある方は挙手をお願いします。
ないようですので、第6条について質疑のある方は挙手をお願いします。
○川部委員
第6条第1項に新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するための措置と書いていますが、これが具体的に何を指しているかをまずお聞きしたいと思います。
クラスターが発生した場合の施設の消毒は、感染症予防法で定められていることなのですけれども、この条例で消毒以外にどういう措置をさせようとしているのでしょうか。
●萬井健康政策課長
基本的には、先ほど部長からも説明がありました業種ごとにつくられるガイドラインの中で定められているものを遵守していただくことを考えています。
○川部委員
今、ガイドラインと言われましたが、この条例の中に何も位置づけられていないですよね。この間、業界の自主ルールだと聞いたのですけれども、その自主ルールをもって、この防止するための措置ということでいいのでしょうか。きちんと条例の中にもガイドラインが措置なのだと位置づける必要があるのではないかなと思うのですが、それについてどのように考えておられますか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
今、ガイドラインと申しましたが、ガイドラインも入っていますけれども、そもそもガイドラインというのは予防措置に大きく着目をしまして、ふだんからこういうことをやってくださいということをお知らせするものがほぼ9割方かなと思います。ですけれども、こちらの第6条第1項で想定していますのは、まず、止めてくださいと。それから、次にお客さん方に周知してくださいということがあります。それから、催物などにおける感染拡大を防止するための措置ですけれども、これは例えば当日のチケットをもうそれ以上売らないとか、あるいは予約のお客様たちにお知らせをするとか、あるいは現地での消毒も含めてですけれども、具体的にはそういったことをすることを想定して記載しています。
ガイドラインのとおりやっていなければ、今さらながらガイドラインどおりやっていただくということも大いにあろうかと思います。
○川部委員
ガイドラインは予防措置で、これはクラスターが起きた後の蔓延防止のための措置ですよね。それをやってもらうということが、何かその辺、まだ理解できていない。
あと、これは何度も言っているのですが、使用を止めると言われますけれども、施設の消毒は条例でなくても当然しますので、その間、そこは開かれないわけです。そして、それが終わればきれいになるわけですから、その場所は当然終わるわけです。催物もあるので、それだけでは済まないというところはあるのですけれども、当日のチケットというのがいまいちよく分からない。クラスターの発生が分かったときにはもうそのイベントは終わっているから、もうそれ以上そのイベントについてどうのこうのできないのではないかなと思うのですけれども、まあ、いいです。
ここで言いたいのは、ガイドラインというのをこの条例の中にきちんと関連づけしないと、自主ルールを基に条例上の措置をすることはできないのではないかなということですので、それについての考えをお聞きしたいと思います。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
前段のお話について少し補足させていただきたいのですけれども、やはりガイドラインというのは、ふだんからこういうことに気をつけてやってくださいと、そうすれば、クラスターどころか、感染者は出ないと思われますから、これを守ってくださいということで、大体その予防措置に重きを置いたものだろうと思っています。
ただ、この中で、防止するための措置の一つとして、今さらながらガイドラインをやってくださいと、アクリル板をするとか、人と人との距離をお客さん同士でも気をつけてくださいとか、そういうことはクラスターが発生した後でも通用することであろうと思って申し上げました。
当日チケットのことは少しマニアックな話だったかもしれません。私が少し想定していたのは、コンサートなどで昼の部、夜の部とか2日連続とか、そういったものもあった場合に、1日目の午前中で例えば出てという場合に、夜の部に間に合うこともあろうかと思いますし、2日目にも間に合うかと思いまして、そのようなことを申しました。
ガイドラインのこともこの中に入っているのであれば、ここに書いておくべきではないかという御指摘については、それはそうかもしれません。書いておくべきだったかもしれません。
○川部委員
取りあえず、ガイドラインの辺りは終わって、第6条第2項なのですけれども、県と協議の上ということがあったと思いますけれども、この特定施設の施設管理者が感染拡大しないように防止措置を取ることについて、県と協議する必要があるのでしょうか。そもそも感染拡大防止措置はある程度分かっているわけで、これは何を協議されるのですか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
第6条第2項は、いわゆる社会インフラとして止められない施設を想定しています。これは第2条のところで定義をしているとおりです。
それで、第1項と第2項の違いですが、「全部又は一部の使用を停止し」という文言を第2項では使っていません。なので、続行することを前提に、そうはいってもこの部分は止めましょうとか、これだけ拡大防止措置をしたならば、人員、あるいはお客様の数を減らして続行していいとか、そういったことがあるのではないかと思います。対策をした上でどこの部分を続行するのか県と協議していただくということで規定しています。
○川部委員
そのことについては分かりました。
続いて、協力金についてです。故意によるクラスターテロみたいな場合が支給要件とされているのですけれども、これはそもそもその行為自体が犯罪になりはしないかなと。威力業務妨害だったり、もしかしたら傷害罪みたいなことにもなりはしないかなと思うのですけれども、そのときの給付金とは、犯罪被害者に対する支援金や見舞金になりはしないかなと。協力金という言い方はどうかなと思うのですけれども、それについてどうでしょうか。
それともう一つ、この支給要件に該当するかどうかの判断なのですけれども、これは保健所が積極的疫学調査をした中で得られた限りの情報を基に判断するということかと思いますが、鳥取市保健所の管内で発生した事案について、この条例に基づいて、この協力金を出すことを目的に、鳥取市から情報提供を受けることができるのか。少しマニアックなのですけれども、特措法に基づいて鳥取市保健所から情報を入手したとしても、この条例に基づく協力金の支給のために情報を用いることは、法定外利用になりはしないかという視点について、どのように考えておられますか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
まず、前段の故意であれば、犯罪の要件を構成するのではないかというお話です。それはあり得る話だと思います。犯罪があると思料するときは、私たちは公務員ですので、告発しなければなりませんので、それはそれでやらせていただきます。それと並行して、この条例において行政目的を達成するために、このように故意であるということが言えるときには、言ってみれば被害者ですから、本来そのようなお店には第6条において自主的に消毒行為とかもやっていただきたいところですけれども、そこにはお金もかかるでしょうし、また、精神的な苦痛もあるでしょうしということで、協力金という形で金銭的なものをお支払いしようというのがその趣旨です。
それと協力金という言葉は別にこだわるものではありません。ここは非常に表現が難しくて、営業補償ではないという趣旨ははっきり申し上げてきましたけれども、では、何なのかと言われると、支援金といいますか、気持ち金といいますか、表現がしにくいものでして、ひとまず条文的には協力金ということでしているものです。
鳥取市との関係ですけれども、鳥取市はもともと御承知のとおり、感染症法において保健所設置市として、クラスターであろうとクラスターでなかろうと疫学調査をして、事業者なり県民なりを指導したり、お知らせをしたり、しかるべき措置を取ります。この条例において何か権限的なものとか事実行為ができるものを引っぺがすという趣旨はありません。
ですので、通常どおり鳥取市には疫学調査なりをしていただくことになりますし、今までも市と県が共同して、疫学調査的なものとしてどこが感染源だったのだろうかということも事実、調査しているところです。それはこれからも変わるものではありませんで、そういったことによってもろもろ見えてくる感染ルートによって、事業者において十分な手を尽くしていたということや、あるいはもらい事故のように第三者にやられてしまった結果だったということを、事実上、鳥取県としても把握しますので、これは鳥取県として得ている情報に基づいて協力金をお支払いするということで、法律的に目的外使用ということではないのではないかと思っています。
○市谷委員
第6条第3項の協力金の給付については、これ「できる」ではなく「する」としたほうがいいかなと私は思うのですが、施設使用者が発生防止のための十分な措置を講じている場合というのが、どういう場合なのかがちょっとこの条例ではよく分からない。
前に聞いたときに、いわゆる業種ごとのガイドラインが基準になると聞いたのですけれども、お金をかけないとなかなかできないものもあったりしますし、やはり施設の利用を停止することに協力してもらって検査をやってクラスターの拡大防止ということなので、その協力を得られるようにするためにも協力金を出すというのは大事だと思いますので、そのガイドラインを守っている、守っていないの辺を緩やかに扱って、対象にしていただく必要があると思います。
そこら辺のこの協力金を出す基準ですね、施設使用者が発生防止のための十分な措置を講じている場合とはどういう場合なのかということをもう少し詳しくお話ししていただきたい。
協力金を出すのは大賛成なのですけれども、施設の規模とかにもよりますし、調査にすごく時間がかかったりして、長い間施設などを停止することになると、非常に大きな負担になってくると思うので、協力金の額は、きちんと施設の規模とか期間に対応するように、幅をもたせる必要があると思うのですけれども、その辺どう考えておられるのか、教えていただけないでしょうか。
●萬井健康政策課長
第6条第3項の協力金を給付することができる場合ですが、前提として、本来であれば、クラスターが発生した場合、店側でそういった感染拡大防止等の措置をやっていただくというのがこれまでの感染症法上の考え方です。
ただ、店側が幾ら予防等しっかりしておられても、クラスターが発生した原因が、やってこられたお客様の責に資する場合には、そこはやはり店側の責任というのはなかなか難しいでしょうと。それに対して、先ほど言った消毒であったりとか、いろいろな措置をまた講じなければいけないという負担があるので、そういった場合に協力金をお支払いしましょうということです。
そういう意味で、基準となるのは、やはり先ほどから申し上げている業種ごとのガイドライン等になるのではないかと考えているところです。
○市谷委員
それで、感染している人が故意にやってきてというのは本当に事業者の責めによらないところだと思いますけれども、それだけではなくて、ここには発生防止のための十分な措置を事業者などがしていないといけないと書いてあります。そこら辺のところは、さっき説明があったガイドラインを大体守って努力していれば、協力金を出すということでいいのですか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
御承知のとおり、まだよく分かっていない感染症ですので、ガイドラインは、今の知見を集めて、大体これくらいのことをやっていれば予防できるであろうということで定めているものです。この条例において、はっきりガイドラインとうたっていないのもそういうことでして、ガイドライン自体、今後、知見が集まってきて、時点修正とかもしていかなければならないものだと思います。
ガイドライン以外にも、我々が想定していないようなお店の工夫があるだろうと思います。そのようなところで、ガイドラインをベースとして考えながらも、この程度やっておられたのにクラスターが発生してしまったのだというところが保健所が現地に入って見てとれるようであれば、協力金の対象にはなると考えています。
協力金の規模については、今申し上げたとおり、そもそも協力金の給付について現時点でこれさえ守っていればというような明確な基準をお示しすることができない中で、協力金の性格からいっても、今具体的にお示しすることはできませんが、例えば、消毒ひとつにしても、かかる経費は変わってくると思うのです。小さなお店でも、人手がないので、業者さんを呼んで消毒しないといけないという場合もあろうかと思いますが、同じ業者を呼ぶにしても、大きめの店で経営をやっておられるところに関しては、延べ床面積も物品の数もはるかに多いと思います。そういったことを考えますと、やはりその程度とか大きさとか、そういったことを勘案して協力金は定めていくものなのかなと思っています。
○市谷委員
今おっしゃったように、十分な対策が取れ得る協力金にして、規模によって柔軟に、大きい規模のものについては大きい規模で出していただくというふうにしないと。結局、クラスターを封じ込めるために、事業を停止したり、名前も公表されたりということで協力をするわけですよ、ですから、これなら名前を公表してもいいとか、これなら事業停止して協力しようではないかと思える協力金でないといけないのではないかなと思います。さっき言われたのはそういうことだと解釈させていただきます。
○浜田(妙)委員
今の「十分な」というのに引っかかっているのですけれども、今、部長のお話を聞いていますと、基準が常に変わっていくのだなと。クラスターが発生して、なぜ発生してしまったのかというときに、後からこういう方策もあった、こうしておけばよかったというのが出てくる可能性もあるのかなと聞かせていただきました。ガイドラインが取りあえず基準になるのであれば、「ガイドラインに沿って十分な」とか、そういう言葉でもあれば分かるのですが、「十分な」というだけでは基準が分かりにくいと思っています。
それで、十分な措置を講じていたけれども、故意にしろ出てしまったと。そうすると、今度は出ないように対策をしなければいけないですね。そのためにはお金を使うと。協力金はそれの費用になるのですよね。協力金を何のために出すのかというところについて、もう少し明確になると分かりやすいなと思いますけれども、いかがでしょうか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
協力金というのは、その名称からしましても、またその性格的なものにしましても、先ほど野坂委員、川部委員にお答えしたように、何と表現すればいいのかなかなか迷うところでして、たどり着いたのがこの協力金という言葉だったので、今これを使っていますが、これがあまりよろしくないということであれば、この文言にこだわるものではありません。
あと、協力金の性格なのですけれども、まず、クラスターが発生してしまった場合には、第6条第1項の規定により施設の全部または一部の使用を停止していただいたり、お客様に周知していただいたり、消毒をしたり、いろいろやっていただくことが発生すると思うのです。ただ、現地に入った保健所の職員が見て、実際にしっかりやっているのにと思える状態であったり、あるいは他県の例ですけれども、もう明らかにわざとやられるということもありましたので、そういう場合に、どうぞ自主的にやってくださいということだけでは、それはあまりではないだろうかということで、そういったことが現場で見てとれるのであれば、金銭的なことでしか表現できないのですけれども、第6条第3項において協力金を出しましょうということで、この規定を設けています。
ですので、先ほど私が具体例として消毒と申しましたけれども、そういった消毒代とか、何かの代金とか、そういった性格でもないのです。
◎坂野委員長
もう1点、「ガイドラインに沿って十分な」という記載をしてはどうかという質問についてはどうでしょうか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
これも野坂委員、川部委員からお話がありました。ガイドラインが念頭にあるのなら、それを入れてもよかったのではないかという御指摘については、それはそうだったかなと思います。
◎坂野委員長
第6条に関して、そのほかありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、第7条について質疑のある方は挙手をお願いします。
○広谷委員
第7条の公表についてですけれども、やはり今回のこの条例で、施設なり事業者の関心が一番大きいのはこの公表についてだと思っています。特に営業している施設において、大変大きな影響があると思いますので、そのことも踏まえて何点かお尋ねをしたいと思います。
まず、この公表の権限について、鳥取県東部においては鳥取市が保健所を設置しているわけですけれども、今、鳥取市保健所はあまり公表したくないというようなことを聞いている中で、クラスターが発生した施設の名称を公表するに当たっては、知事が鳥取市と総合的な調整をした上で公表を行うと理解してもよろしいのでしょうか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
鳥取市が公表したくないとおっしゃっているというのは存じないところですけれども、一般的には、同意を取って公表をすることを大原則にしておられますが、そうはいっても感染症法の趣旨に鑑みて、広く一般の方々に危険を知らしめねばならないときには、同意がなくてもやり得るぞというのが鳥取市さんのルールであろうと認識しています。
○広谷委員
それでは、鳥取市が公表したくないという先ほどの私の発言は訂正させていただきたいと思います。
そういう中で、公表の対象が、「クラスターが発生した施設又は催物」となっているわけですけれども、感染者が滞在した施設についても感染拡大を防止するために施設名なり、事業所名を公表する必要があると思いますけれども、その辺りも対象になるのか。
あわせて、この公表の要件として、新型コロナウイルス感染症の蔓延を防止するために必要があると認めるときとあるわけですけれども、その必要があると認めるときとはどのような基準で判断されるのか、お尋ねをしたいと思います。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
公表に関して、まず、必要があると認めるときは、ということがあります。あくまでも一律公表することではなくて、これをしないと感染拡大が防止できないと思えるときには、ということで、これをはじめとして、「特定するために必要な事項を」ですとか、あるいは、ただし書のところで、「全ての従業員などに連絡を行った場合はこの限りでない」とか、第3項において、「不当に害してはならない」とか、また第10条において、「必要な最小限度のものでなければならない」とか、そういった幾つもの歯止めをかけていまして、一律に間髪入れず全てを公表するといった条文にしないように、歯止めをかけています。
○広谷委員
それで、第1項の中に「ただし」という部分がありますね。「施設利用者の協力によりクラスターが発生した施設又は催物の全ての従業者、利用者又は参加者に対して直ちに個別に連絡を行った場合は、この限りでない」とされていますけれども、先般の島根県の学生寮で発生したような大規模なクラスターの場合、個別に連絡が取れた場合であっても、社会的な影響を鑑みて公表する必要があると思われますが、このような場合はどうなのでしょうか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
このクラスター条例というのは、感染症法とか特別措置法において、なかなかクラスターに関しての条文が見当たらないものですから、これを補完するため、いわゆる白地のところをこの条例でつくって、これを根拠にして動きやすくするというのがその趣旨です。ですので、それ以外の部分に関しては、感染症法なり特別措置法なり、既存の法令が一般的に適用になるというのは、理の当然です。
それで、この全ての従業者とか利用者、参加者に対して直ちに個別の連絡を行った場合という規定は、先ほど御紹介しました8月3日のコロナに打ち克つ県民会議で、そこまでできているのだったら一般の皆さんに対して危険は及ばないのであるから、公表しなくてもいいのではないかという意見が業界の声として出てきたものですから、わざわざつけたいきさつがあります。
ですけれども、島根県の例をおっしゃったわけですが、50人単位、100人単位でどかんと出た場合に、これはもともと個別の名前を出すということではありませんが、感染症がこういうふうなことで流行っていますよと一般の皆様にお知らせするのは、感染症法第16条の趣旨であり、あるいは知る権利とかにも関わるもので、これが別に没却されるわけではありませんので、そこは一般原則に立ち戻って、大きなことがあったときにはお知らせをするところに変更はありません。
○広谷委員
ケースによっては既存の法律によって対応するということですね。
それと、第3項で、その公表に際して、従業者、利用者または参加者の氏名、住所その他の個人を特定するに足りる情報を公にしてはならないとなっているわけですけれども、これは、どのようなケースを想定されているのですか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
これはクラスター条例の第7条において公表はするのだけれども、個人情報保護法とかその下位にあります条例とか、そういった原則に立ち戻って、特定の個人が世の中に出てしまったり、県が発表したりということにならないようにという確認規定です。
○広谷委員
最後にもう1点。第3項に「公益」という文言があるわけですけれども、公益を不当に害するとはどのようなケースを想定されているのでしょうか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
先ほど申し上げましたように、この第7条の公表というのは、どんな場合であっても一律に公表されてしまうといったことがないように、各種の歯止めをかけているところです。先ほどお答えしたのは、施設の参加者とか従業員とかの個人情報、どこの誰さんだということを、この第7条1項による公表によって知らしめることのないようにということでありましたが、その対極にあるものだとは思いますが、公益性がこの第7条1項によって毀損されてはならないということで、これも確認的に規定しています。当然、公益を守らねばならないし、個人情報も守られねばならないと規定しているものです。
◎坂野委員長
それで、公益を不当に害するケースというのはどんな例になるのでしょうか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
これは、公益というものと、それと対極にありそうな氏名とか住所とか個人が識別される情報とか、そういったものを両方守られるように気をつけて公表しましょうということで、各種の歯止めの中の一つとして書かせていただいています。
例えば、この公表の範囲とか、それから公表のやり方、内容によって、誰々さんが働いているということが各種の組合せで分かってしまうとか、どこの従業員はどこにお住まいの方だとか、そういった個人識別情報といったものが交じってしまうかもしれないので、そのようなことがないようにという確認規定として置かせていただいています。
どういう場合に出るのかは、個々の場合として、今までも個人情報が出ないように気をつけて発表してきているところでして、その領域の話なのかなと思っています。
○川部委員
広谷委員が聞いた中で答えが漏れていたかなというところを再度聞くのですけれども、公表の対象について、「クラスターが発生した施設又は催物」となっています。先ほど、広谷委員は滞在した施設と言われたのですけれども、例えば、飲食店でクラスターが発生しました。5人のグループで行っていて、その人たちがまた次の店に行ってしまったというケースもあると思うのです。この場合、発生した施設としては最初のお店なので、この書き方では次のお店などは対象にならないのではないかなと思うのですが、これはどういうふうに考えたらいいのでしょうか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
これは、クラスターが発生した後のことについての条例ですので、条文上は、クラスターが発生したことに着目をして、クラスターが発生してしまった場合には、発生した場所とか時とか状況とか、そういったものを公表しましょうということで整理をしています。
ですけれども、確かに、川部委員の御指摘のとおり、現実的には時の流れというものがあって、ここでコアになる5~6人が居酒屋さんに行って、そこで騒いで大声を出してクラスターらしきものが発生して、それがまたはしご的に別の店に行って、また別の店に行ってということで、次々にいろいろなお店に寄った場合に、加わるメンバーとか出ていくメンバーとかいろいろあると思うのです。
ですので、一旦、オリジナルのところで発生して、それからまた別の滞在先で発生した場合、そこもまた別の方から見ると新たな発生源ではないかということもあろうかと思います。そういったところもいわゆる発生という言葉の中に含めて規定しているつもりではありますが、この文言にこだわるものではありませんので、発生または滞在と言ってもいいのかなと思います。
○川部委員
あと、第3項の個人情報のところで、例えば、全部の情報を出していないにしても、何個かの情報を組み合わせたら大体特定できてしまうということがあると思うのですよね。個人情報の取扱いは情報公開条例だとかにもあると思うのですけれども、そういった情報を組み合わせたら特定されてしまうことについて、この条例ではどのようになっているのか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
個人を特定するに足りる情報を公にしてはならないということですので、それも入っているとお考えください。情報公開条例にしましても個人情報保護条例にしましても、開示請求があった場合に、ずばりその氏名とかではなくても、これとこれを組み合わせれば出てしまうことがないように、そういったものも特定の個人が識別できる情報として定義していますので、こちらの今回の条例についてもその意味で使用しています。
○市谷委員
感染症法を没却するものではないので、施設名などを公表することがあるとさっき言われましたが、利用者など全員に連絡が取れた場合については、施設名等を公表しないことになるのだと思いますが、どうでしょうか。だとすれば、きちんと検査を受けてくださいとか連絡を取ったことを確認する必要があると思うのですけれども、それはどう確認するのでしょうか。
あと、施設名を公表することについては、やはり施設に大きな影響がありますので、いつまでの公表なのですよと、終わりをきちんと示しておく必要があると思うのです。この中に書いてないのですけれども、それはどういうふうに考えておられるのでしょうか。
●萬井健康政策課長
まず、この条例の適用は、クラスターが発生した場合ということでして、先ほど部長も説明したとおり、クラスターが発生した場合以外について、一般的に感染症法に基づき公表する場合がありますので、そこの違いがあるということです。
あと、確認をどうやって取るのかということでしたが、積極的な疫学調査等で施設側からの聞き取りだけではなく、相手方、そこにおられた方々についても各保健所でしっかりとした聞き取りをされます。その両者を併せながら、そこに誰がおられたかという確認や、PCR検査等への誘導といったことをしっかり行っていくので、そこに漏れはないと考えているところです。
あと、公表はいつまでやるのか、その基準をこの条例に定めるべきではないかというところでしたが、これについてはやはり個々のケースで、それぞれの対策をどこまで取るのかとか、そういったものにかなり差がありますので、そういった意味でこの条例の中で一律に書き込むことが少し難しかったということです。
○市谷委員
確かに一律に何日間というのは書けれないのかもしれないのですけれども、終わりが見えないのも公表される側にしたら少しつらいかなと思いますので、一定の対応が終わったらもう公表はやめるとか、そういうものがあったほうがいいのではないかなと思います。
それと、先ほど個人情報の話がありましたが、鳥取市である人とある人の行動履歴をリンクさせてみたら、何か特定されてきてしまったみたいな例があって、確かに意図的に個人の情報を公表したわけではないのですけれども、そういう場合もあるので、非常に悩ましいというか、行動履歴についても注意が必要な点はあるかなということは少し言っておきたいと思います。
○由田委員
基本的なところでまず何点かお伺いします。
先ほど部長が知る権利ということを言われていましたが、そうなってくると、今日も新聞記者がおられるのだけれども、例えばクラスターが発生して、県独自でここは大丈夫、公表に値しないという判断をされた場合でも、新聞社の倫理観に基づいて、それぞれの記事として出すという事態も想定できると思うのですね。例えば、社会的に影響があると思われるところは、クラスターでなくても施設名が公表されてきましたが、そことの整合はどうなっているのか。改めて条例を出したときに、感染者が1人でも施設名が公表される場合と、先ほど説明いただいたり、質問の中でもあったように、きちんと事後の処理ができたら公表しないという場合の違いについて、県民もなかなか理解しにくいのではないかなと思います。
それと、鳥取県内の半分近くを管轄する鳥取市保健所とのすり合わせはどうなるのかなという素朴な疑問があります。この条例の中身について、鳥取市保健所あるいは深澤市長等と十分すり合わせができているのでしょうか。県民であり、鳥取市民であるわけですから、当然、僕はそういうそごがあったらいけないと思うのですけれども、その辺はどうなのでしょうか。まずそれを教えてください。
●萬井健康政策課長
まず、報道の考え方と公表の在り方に差が生じるのではないかということですが、これは、今回の条例に限らず、感染症法上、感染の拡大防止に必要な情報を提供するという形にしています。そういう意味で、個人が特定されないように十分注意をするということについては、今回のこの条例ができたからといって、特に変わるものではないと認識しているところです。
あと、鳥取市保健所の関係です。今回のこのクラスターの発生事例についてのいろいろな定めについては、県で責任を持ってやらせていただくところがありますが、確かに感染症法上の一般的な規定では、この条例ができたとしても、東部管内につきましては、鳥取市保健所に権限がありますので、第3条のところにも書いているとおり、鳥取市と十分協力をしながらさせていただくということですが、連携をきちんと取っていく関係にあるということについては、これまでと変わらないと思います。
◎坂野委員長
公表する場合としない場合について、県民が理解するのが難しいのではないかという質問はどうでしょうか。
○由田委員
公共施設では、1人でも発生したときには、社会的な影響も含めて公表する場合があると思うのです。そことの違いはどんなふうに整理すればいいのでしょうか。
●萬井健康政策課長
感染症法上の公表につきましては、先ほど部長からも説明をさせていただいたとおり、施設の公益性であったり、各地域における感染拡大の防止に必要という趣旨で、人数に関係なく公表している部分が現行でもあります。
今回の条例につきましては、基本的にはクラスターの定義を5名以上としておりまして、その5名以上の感染者が同一の場所で発生した場合で、不特定多数が利用する施設で誰が使ったか分からず、さらなる拡大が懸念される場合に公表するということですので、その辺の公表の仕方についての周知等については、今後、丁寧な形で事あるごとにやっていきたいと考えています。
○由田委員
基本的なところは分かりました。
ただ、鳥取保健所との関係性ですが、この条例が、鳥取市当局に十分理解されているのかというところを危惧するのです。県民からすると約半分が東部圏域です。そういうこともあって、そごのないようにしていただきたい。公表だとかいろいろなことについて、鳥取市と県で違いがあるようなことではいけませんということ。
それと、報道のことですが、もちろん新聞社それぞれが理念や倫理を持って記事にされていると思いますけれども、知る権利、国民に知らしめる使命というところを考えたときに、この条例で想定していない事態も起きかねないのかなと思うのです。差別や誹謗中傷が今まであるから、今回の条例にもそれが加えられているわけで、性善説だけでは、政治やこういうものは通らないことは誰しも分かっていることですので、そこらのところもよく考えていただければなと思って質問をしました。
それと、感染者が1人でも公表するところがあるし、クラスターでも公表しないところがあるということですが、それでいったら、例えば、先ほど川部委員が言われたように、発生源が1番目のお店なのか2番目なのか3番目なのか、そんなどこでなったか分からない場合に、特定できるのはずっと先になる可能性がありますよね。そうすると、特定できるまで公表しないことになりますよね。そしたらすごいタイムラグが出てきて、1週間とか10日前の話が公表になる事態も出てくると思うのですけれども、そこら辺はどうなのでしょうか。もっと感染が拡大してしまう可能性があるように思うのだけれども。
◎坂野委員長
性善説だけでは駄目というのは意見でよろしいでしょうか。
○由田委員
はい。
◎坂野委員長
そうしましたら、クラスターの場合、全ての方に連絡が取れるまでタイムラグがあるのではないかという点について答弁をお願いします。
●植木福祉保健部理事監兼健康医療局長
確かにクラスターを覚知するには少し時間がかかるときがあるのですけれども、5人以上出ることが分かった時点では、既に保健所ではしっかりと疫学調査が進んでいまして、お一人の方の発生があった場合に、その方の濃厚接触者、接触者を特定することは、もうその当日からかかっていますので、そこの中で幅広くPCR検査をすることによって、クラスターが出たのだなということが分かるわけです。ですので、クラスターが発生したという時点で、連絡の取れる方にはほとんど連絡が行っていることが多いと考えていただいたらと思います。
ただ、そこから広がりがあったときに、またその次の接触調査、その次の接触調査というふうに日にちがかかりますけれども、最初の事案の調査については、かなり速やかに保健所が手分けをしていろいろなところに立入りをして、御本人や関係者の方から聞き取りを行います。御本人の方については、体調が悪かったり、精神的にショックを受けておられたりで、当日分からない情報ももちろんありますけれども、そこのところは丁寧に調査を進めていますので、特定ができる場合については、クラスターが探知されたときには、連絡は大体ついていることが多いと思っています。
○常田委員
店舗名の公表についてお聞きしたいのですけれども、本当に鳥取のような小さい都市ですと、公表されることによって、営業をやめなければいけないぐらいの影響も生じるおそれがあるので、その辺も考えていく必要があると思います。
あとですね、公表した後、お客さんが全く来なくなったとか、その辺のアフターケアについて何か考えておられないか、お聞かせください。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
事業者さんの営業補償的な話かなと思います。この条例は、公表することによって、広く一般の皆さんに、こういうことが起きたので関係の皆さんはどうぞ気をつけてください、保健所へ連絡してくださいと検査につなげていくところを主眼に置いているわけですけれども、こう言ってはなんですが、副作用的に事業者さんにとっては死活問題だということを議員から御指摘いただいているわけです。
これは、公表について既存の法律にははっきり書いていないものですから、いろいろな条件がついていますけれども、こういった条件がクリアできるときには、間髪入れずにきちんと公表するための根拠法令が欲しいということで提案しています。この公表は事実行為ですので、これによって不利益を被るといったことがあったことに関しては、少なくともこの条例において規定はありません。あと一つは何でしたか。
◎坂野委員長
アフターケアについては、しないということでよろしいですね。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
はい。この条例においては予定していません。
◎坂野委員長
そのほかありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、第8条について質疑のある方は挙手をお願いします。
○川部委員
この第8条の指示というところは、部長は白地だから大丈夫だと言われましたが、私は、やはり法の中で法を超える部分ではないかと認識していまして、この強い指示ということについては、やはり重いのではないかなと考えています。
そこで、以前、これについては、不利益処分なのだという言い方をされたので、行政処分であるという前提で質問させていただきます。県の行政手続条例では、知事は、行政処分を行うに当たっては、処分基準を定めて公表しないといけないとされていますが、この条例上には、記載されておらず、規則等、ほかの委任規定もないことについてどのように考えておられるのか、お聞きしたい。
それから、第3項の解除については、不利益処分の撤回なので、処分権者がやるべきではないかという考えがあるのではないかと思うのです。本来、自分の責任ではないかもしれないところで、こういう処分をされたところに対して、さらに自分から申し出て解除する手続をしないといけないようなことに読めるのですけれども、これについては、処分したほうがきちんと管理をして解除していく必要があるのではないかと思うので、それについてどのように考えておられるのか、お聞きしたい。そもそもこの行政処分という考え方はいかがなものかと思っていますが、行政処分としてするのであればどうかということです。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
行政処分ということで御説明しました。不利益処分ですが、そのほかの条例もそうですけれども、個々の条例において行政手続法に基づいてこれこれしなければならないといったことは規定していませんが、鳥取県行政手続条例の適用があるものですので、処分基準であったり、それからその期間であったりといったことは、どのような文言でできるかというところもありますけれども、条例に基づく手続として当然しなければならないものだと考えています。
第2項と第3項において、事業者が自ら申し立てた場合に解除できるとありますけれども、これは処分権者である知事が気づかないで、ここまでできているならもういいではないかという場合ももしかしたらあるのかもしれません。ですので、第1項に基づいて指示した以上は、解除する責任も当然あるものだと思っていますが、救済的に、事業者から申立てがあったときにも、それを勘案して解除する場合もあり得ますよということを書かせてもらったものです。
○市谷委員
この知事の指示もできる規定なのですけれども、これに対して、言うことを聞かなかったらペナルティーとか、あるのかないのかということと、先ほども質問がありましたが、要するに不利益処分ということになるので、それに対する救済措置が盛り込まれていないといけないと思うのですけれども、それはさっき言われた第8条第2項ということでいいのでしょうか。それとも第9条に及んでいるのでしょうか。
●萬井健康政策課長
このできる規定ですが、相手方がその指示に従わなかった場合、県は、行政代執行法による代執行とかも考えられるということで、そういった実効性も確保していると考えていただけたらと思います。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
救済措置については、行政不服審査法であったり、行政事件訴訟法であったり、そういったことは特に書いておりませんけれども、あくまでも行政処分ですので、当然になし得るものだと思います。
ただ、この条例においてどのような救済措置があるのかというお尋ねであるならば、それは本来、身分の剥奪とか許可の取消しとか、そういった何か利益を差し上げているものを引っぺがしたりするときには聴聞で、そうでない場合には弁明という手続が行政法とか行政手続法とか条例とかで規定があります。軽いほうが弁明で、重たいほうが聴聞です。本来、第8条による指示というのは不利益処分ではありますが、身分の剥奪とかではないので、軽いほうなのですね。ですので、法的には弁明で足りるのですけれども、あくまで重いほうだとみなして、この第9条を適用しようということですので、救済措置としては第9条で書かせていただいているところです。
○由田委員
行政上の指示ということであれば、僕は前段が必要だと思うのです。例えば、飲食店でも催物会場でも、ガイドラインを守ったり、行政からこういう感染防止対策をやってくださいという指示というかそういうものがまずあって、それに従っていなくてクラスターを出してしまったというときに、行政処分はあってしかるべきかと思うのです。前段が曖昧で、それぞれガイドラインに沿ってやってくださいという中で、実際出てきたときに、軽いものではなくて、指示ということが果たして妥当かどうか、疑問に思っています。
そこらの整理は、どうなのでしょうか。東京都で、知事がステッカーを貼っているお店に行きましょうと言っていたのに、そこからクラスターが発生したりとか、そういうことがあって、改めて飲食店だとかに立入検査をしているというニュースを見ましたけれども、やはりそういう立入検査を含めた行政の指導がまずあって、指示だとかそういうことになるべき。東京都は指導で、指示も出していませんからね。不利益が及ぶわけですから、そこらのところをどんなふうに考えたらいいのか教えてください。
●萬井健康政策課長
今回の場合は、書いてあるとおり、第8条第1項に基づいて指示をするということでして、要は、このクラスターが発生したときに、施設使用者が正当な理由なくこういった措置を取らなかった場合、即時に行動を起こさなければ、感染がますます広がってしまうことから、それに早期に対応したいということでこういう規定を設けているところです。
○由田委員
引き続いてですけれども、第8条第1項のところの正当な理由というのはどういうことを想定しておられますか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
まずは第6条第1項において自主的に措置を取っていただくべきところなのですけれども、何か理由があれば別ですが、理由もなく御協力をいただけない場合に第8条が出てきます。その意味で、正当な理由がなくということを記載しています。
○由田委員
もう少し具体的に正当な理由というのはどういうことを想定しているのか教えてください。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
今、考えられることとしては、例えば、従業員の方、あるいは管理者の方というのが、ほんの少し、2人とか3人とかでお店を経営しておられるような場合において、その全員が入院措置になってしまって誰も消毒できないとか、そういったことがあろうかと思います。
○由田委員
分かりました。そういうときだけだね。
◎坂野委員長
第8条についてはよろしいでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)
それでは、第9条について質疑のある方は挙手をお願いします。
ないようですので、第10条について質疑のある方は挙手をお願いします。
ないようですので、第11条について質疑のある方は挙手をお願いします。
○常田委員
第11条第2項には、匿名を希望する方の氏名、住所などを本人の意に反してむやみに公開したりする、いわゆる個人を特定する行為について規定されていないので、これを禁止する規定を設けるべきではないかと思うのですけれども。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
「著しく拒絶的な対応」というところの次、「不当な差別的言動」とか、「その他心理的外傷を与える言動をしてはならない」というところで網羅的に記載しています。
○常田委員
他県の犯罪被害者支援条例においては、被害者のプライバシー侵害を禁止する規定を設けることが常例となっていますので、この条例でも同様に規定しておくべきだと思いますが。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
プライバシーの侵害につきましても、その他心理的外傷を与える言動をしてはならないというところで読むつもりですが、特出しをすべきだということであれば、そうかもしれません。
○常田委員
第3項の最後の「その他の必要な措置」とは、具体的に何を想定しているのか。既に県が取り組んでいる患者等及びその勤務先に相次いでいる誹謗中傷や嫌がらせを対象とするネットパトロールや証拠保全は、ここで言う必要な措置に該当するのか。該当しないのであれば条文中にも明記すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
今、常田委員がおっしゃったように、鳥取県ではSNSに関しまして、どのような誹謗中傷がなされたかということも保存しています。これは、やがてその方が裁判を起こしたりとか、そういったことの一助にもなろうかということで、そのような行為をしています。
◎坂野委員長
そういうことを条例に書いたほうがいいというご意見でしたよね。今、SNS等の画像を保存されているということですから、そういうことも含めて記載してはどうかという御意見についての答弁を求めます。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
鳥取県で行っているその他の措置は、それだけでもありませんで、これからの話になりますけれども、県の弁護士会に協力いただき、人権相談窓口できちんと受け付けていただく中で、もしかしたら犯罪要件を構成するような案件もあるかもしれません。そういった場合には、警察本部に連絡していただいて、捜査の対象になるとか、そのようなこともあろうかと思います。
そういったもろもろのことを考えまして、その他ということでくくってしまいましたけれども、規定については柔軟に運用したいと思います。
◎坂野委員長
そのほかありませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
そうしますと、これで条例案についての質疑は終わりということでよろしいですね。
○市谷委員
すみません。条項にないことなので、最初に言わないと駄目だったのですけれども、新型インフルの特措法の第45条というのがあって、施設の使用停止要請とか指示とか公表とか知事の権限があるのですけれども、それはあくまで国の緊急事態宣言下でないと使えないということで、法律の白地部分として、県で条例をつくるということなのですけれども、特措法の第24条では、国の緊急事態宣言がなくても都道府県知事が必要な協力要請ができるようになっています。クラスターではないかもしれないのですけれども、他県がこの第24条を活用していろいろルールをつくったりしているのではないかと思いますので、もしよかったら事例を紹介してください。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
他県において第24条第9項を根拠としてやっておられるかどうかですが、広い意味で言えば、事実行為として、業界団体の方々にガイドラインとか、それからこういったことに気をつけてくださいとか、あるいは市中のパトロールとか、そういったことはしておられると思います。それはゴールデンウイークの間とかにも鳥取県もしているところでして、そのようなことかなと思います。
○市谷委員
西村大臣などが、第24条にはそんなに制約はないと言っているのですよ。だから、この条項を活用して地方自治体でいろいろなルールづくりをすることが可能ではないかなと思います。法律にクラスターのことが書いてないというのはそうかなと思いますけれども、確認で聞かせてください。
●宮本福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
特措法の第24条第9項というのは、知事による総合調整権ということになっています。
西村大臣のお話が今あったのですけれども、第24条第9項において、どれほどのことができるのかということについては常に疑義があるところでして、国は同時に、第45条第2項において施設の停止とか制限とかができる、その前段として、第24条第9項が使えるといったようなことを言っていまして、施設種別に関しては狭く取られているというところがあります。その一方で、第24条第9項において、広く業界に対しての指導とか個別のお店に対しての要請とか、そういったことができるということで、何というか、人によって使っていいとか使ってよろしくないとかというような疑義があるところではあります。
ましてや、クラスターに関して、今回の条例において一番大切な公表ですとか、あるいは第8条による指示の根拠になるのかといったところは、いま一つはっきりしません。また、感染症法においてもはっきりしません。ですので、この条例が必要だという整理です。
◎坂野委員長
それでは、質疑が尽きたようですので、福祉保健部につきましては以上で終わります。
暫時休憩します。再開は午後1時10分とします。
(執行部入れ替わり)
午後0時22分 休憩
午後1時03分 再開
◎坂野委員長
再開します。
引き続き病院局に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いします。
なお、報告第2号、長期継続契約の締結状況については、お手元に配付の資料のとおりであり、特に説明は要しないこととします。
それでは、竹内病院局長兼総務課長の説明を求めます。
●竹内病院局長兼総務課長
病院局の議案説明資料を1枚おめくりいただきたいと思います。病院局につきましては、予算関係が1件、それから予算関係以外として、報告が1件です。
1ページをお願いします。補正予算関係です。主な事業としましては、2事業ありますが、いずれも新型コロナウイルス感染症に対する事業でして、総額7億3,800万円余の予算をお願いしようというものです。
2ページ、3ページは、それぞれ補正予算の額の款項目別の内訳になっていますので、省略します。
4ページをお願いします。医療機器等整備事業です。こちらは、新型コロナウイルス感染症の検査あるいは診断等のために中央病院、厚生病院に超音波診断装置、CT撮影装置等を追加で整備しようというものです。
具体的な整備内容は2の(2)のとおりです。まず、超音波診断装置ですが、新型コロナウイルスの合併症として肺炎というのがあります。これはレントゲン等で診断するわけですが、それだと患者様に若干負担がかかることから、超音波診断装置を用いて患者様の負担がなく調べようというもので、中央病院と厚生病院にそれぞれ3台ずつ整備しようとしているところです。なお、予算的には3,000万円弱と1,600万円余ということで単価が違っていますが、これは、両病院の現場において必要な資機材が違うことに伴う単価の差ということで御理解いただければと思います。
CT撮影装置等ですけれども、中央病院の1台は、エックス線装置の追加整備です。厚生病院の2台につきましては、1台はCTの更新整備を予定しているもので、もう1台は、移動式のエックス線撮影装置を、据置型に比べれば若干簡便なものになりますけれども、1台整備しようというものです。
気管支鏡、それから血液浄化装置については、合併症の中に腎不全等がありますので、仮にコロナの感染者の方が重症化した場合、透析をする必要が出てくるということで、必要な資機材をあらかじめ準備していこうというものです。
そのほか、新生児のモニター等がありますけれども、これについては、重症化する可能性がありますので、患者様の生体情報を常に監視することによって職員の負担を減らす、あるいは安心な医療を行うという趣旨で整備しようというものです。
一番下の院内感染防止対策等は、救急、周産期、小児部門とかにコロナウイルス感染症の疑いがある患者さん等が来られた場合に備え、診療体制を強化しようということで、新たに追加整備しようというものです。
なお、この財源としましては補助金を3億円余予定していますが、これは全額国の包括支援交付金でして、県費の上乗せ等はありません。
5ページをお願いします。新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金です。こちらにつきましては、一般会計においては既に6月定例会において要求し、予算承認をいただいて計上されていますが、改めて病院現場において慰労金の予算をお願いしようというものです。
中央病院、厚生病院合わせて、人数については2,000人余り、単価については、いずれも20万円で、総額4億1,500万円余の予算をお願いしようというものです。
6ページ以降につきましては、補正予算を反映したキャッシュフロー、あるいは予定貸借対照表等ですので、説明は省略します。
◎坂野委員長
執行部の説明は以上です。
ただいままでの説明について、質疑等はありませんか。
○市谷委員
医療機器の整備ですけれども、最初にもらった説明資料では、PCR検査機についても中央病院が2台と厚生病院が1台ということで入っていたのですけれども、それはこのたびは導入しないことにしたのでしょうか。
あと、結局、今、中央病院と厚生病院にPCR検査機が何台ずつあるのか教えていただけたらと思います。
●竹内病院局長兼総務課長
PCR検査機器につきましては、一般会計では、6月補正予算で対応していますが、両病院の予算は、いわゆる内部留保金ということで、追加予算を計上せずに対応していくやり方を取らせていただいていますので、今回の資料からは落とさせていただきました。
PCR検査機器の現状につきましては、中央病院はゼロで、厚生病院は6月補正でつけていただいた予算を基に1台整備をしているところです。
◎坂野委員長
そのほかありませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、質疑が尽きたようですので、病院局につきましては以上で終わります。
執行部入替えのため、暫時休憩します。再開は集まり次第とします。
(執行部入れ替わり)
午後1時09分 休憩
午後1時10分 再開
◎坂野委員長
再開します。
引き続き子育て・人財局に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いします。
なお、質疑につきましては、説明終了後に一括して行っていただきます。
まず、木本子育て・人財局長に総括説明を求めます。
●木本子育て・人財局長
子育て・人財局の議案説明資料の1ページをお願いします。今回補正としまして、1,455万円をお願いしています。内容につきましては、主な事業のところに書いていますけれども、国の補正対象外となっています専修学校ですとか、県外でクラスターが発生しています学校の寮等での感染対策などに対する補助をお願いするものです。
詳細は担当課長から御説明します。
◎坂野委員長
続きまして、関係課長から説明を求めます。
●安養寺総合教育推進課長
2ページをお願いします。私立専修学校の感染症対策・学習保障等に係る支援事業としまして、725万円をお願いしています。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、私立専修学校が実施する感染症予防対策ですとか、学習保障に必要な経費を支援するものです。
一番下の3のところを御覧ください。私立中学校、それから高等学校におきましては、国の2次補正予算におきまして既に同じ内容の補助事業ができていますが、私立専修学校はこの補助事業の対象外となっていますので、このたび、県独自の支援を行おうとするものです。
2の主な事業内容を御覧ください。対象校は、県内の私立専修学校14校、対象経費は各学校が実施する感染予防対策等の取組に必要な経費でして、(4)のところに取組例を書いていますが、具体的にはこのようなものを想定しているところです。
補助率は県10分の10ですが、私立中学校に対する国の補助制度と同様に、生徒数に応じた補助上限を設定することを考えています。
財源は、地方創生臨時交付金を充当することとしています。
3ページをお願いします。私立中学校・高等学校の学校寮及び部活動における新型コロナウイルス対策強化事業としまして、730万円をお願いしています。全国的な学校寮等におけるクラスター発生状況等を踏まえまして、私立中学校・高等学校の学校寮及び部活動において学校が行う感染症対策の強化の取組に必要な経費を支援しようとするものです。
(2)の主な事業内容を御覧ください。対象経費は、学校寮における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン及び部活動における新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを踏まえて、各学校が実施する対策に必要な経費でして、例えば、そこに取組例として書いていますように、パーティションの設置ですとか、換気機器、消毒液等を購入する取組に対する支援を想定しています。
補助率は、県10分の10で、1校当たりの上限を学校寮が100万円、部活動は30万円としています。財源は、先ほどと同様、地方創生臨時交付金を充当することとしています。
◎坂野委員長
執行部の説明は以上です。
ただいままでの説明について質疑等はありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
質疑がないようですので、子育て・人財局につきましては以上で終わります。
執行部入替えのため、暫時休憩します。再開は入替え次第とします。
(執行部入れ替わり)
午後1時14分 休憩
午後1時15分 再開
◎坂野委員長
再開します。
引き続き生活環境部に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いします。
なお、質疑につきましては、説明終了後に一括して行っていただきます。
まず、池上生活環境部長に総括説明を求めます。
●池上生活環境部長
生活環境部の議案説明資料を御覧ください。一般会計補正予算で、くらしの安心推進課の2事業です。
1ページを御覧ください。くらしの安心推進課で3億1,300万円をお願いしています。主な事業としましては、6月から支給を開始した飲食店、宿泊施設などで感染拡大予防策を実施していただく際の補助金の増額補正などです。
詳細につきましては、課長から説明します。御審議のほどよろしくお願いします。
◎坂野委員長
続いて、関係課長から説明を求めます。
●朝倉くらしの安心推進課長
2ページをお願いします。新型コロナウイルス感染拡大予防対策推進事業です。本事業は、県版ガイドラインや各業界団体作成のガイドラインを基に、感染拡大予防対策に取り組む店舗や事業者に対し感染予防対策に要する経費を支援するとともに、クラスター対策や軽症者等宿泊療養施設の環境整備に取り組む事業です。
主な事業内容です。まず、新型コロナウイルス感染拡大予防対策推進事業補助金につきましては、飲食店、宿泊施設、売上げが急減した店舗等に対し、マスクやアルコール消毒液など衛生物品の購入費、パーティションの設置やキャッシュレス決済の導入費など感染予防対策に必要な経費を助成するものです。既に6月1日より事業を開始しています。
現在、調整費も活用しまして、2億7,000万円の予算を確保していますが、既に1,300件を超える申請を受け付けており、申請額も2億5,000万円を超えています。連日、多くの事業者の皆様からお問合せを受けておりまして、補助金の申請状況等を勘案しますと、今後も多くの申込みが見込まれることから、今回、3億円の追加補正をお願いするものです。
次に、新型コロナウイルスクラスター対策費です。こちらにつきましては、LINEのアプリを活用しまして、店舗やイベント会場で利用者にQRコードを読み込んでもらうことで、利用履歴を登録し、クラスターが発生した場合に連絡が必要な人を特定し、一斉にお知らせすることができるシステムの導入に要する経費や、クラスター条例に基づく協力金の給付など、クラスター対策に要する経費として500万円をお願いするものです。
最後に、軽症者等宿泊療養施設環境整備事業です。こちらにつきましては、新型コロナウイルス感染者のうち軽症者等が療養する宿泊療養施設において、感染者と支援職員等の動線を分離するために必要なパーティションの設置工事などに要する経費として500万円をお願いするものです。
3ページをお願いします。徹底した感染拡大予防対策による安心創出事業です。本事業は、より高度な感染拡大予防対策を実施する新型コロナ対策認証事業所の普及拡大や、エリア内の店舗で感染予防対策に取り組む安心観光・飲食エリアの普及推進を図ることで、安心して消費者が訪れる環境を創出し、需要喚起につなげることを目的としています。
主な事業内容です。まず、「新型コロナウイルス対策認証事業所認証制度」普及拡大事業につきましては、県版ガイドラインや各業界団体作成のガイドラインを基にマニュアルを作成し、取り得る全ての感染予防対策に自ら取り組む認証事業所の普及拡大を図るため、例えば協賛店として登録されている事業所の皆様へ認証事業所への取組を促すチラシを配布したり、事業者団体等への働きかけや、さらには、各事業所における感染対策マニュアル作成の支援を行うなどして認証事業所の普及拡大を図るものです。
次に、「安心観光・飲食エリア」創出支援事業につきましては、感染拡大予防対策を徹底する意向のある県内観光地等の団体と県が安心観光・飲食エリア協定を締結し、団体と県が協力して安心して観光や飲食を満喫できるエリアを創出する事業でして、8月31日には鳥取砂丘エリア、大山寺エリアの団体と協定を締結する予定となっています。本事業を推進するため、安心観光・飲食エリアに関する協定を行った団体等が行うホームページ作成、のぼり、ポスター等の作成など、情報発信の取組に対して、補助限度額20万円、補助率5分の4で支援を行うものです。
また、県民に向けた情報発信事業としまして、県ホームページ等を活用して、認証制度及び認証事業所の情報発信を行ったり、安心観光・飲食エリア内の店舗の位置情報やウェブサイトのリンクを掲載するなどして、感染予防対策と需要喚起の創出に係る情報発信を強化することとしています。これらの事業につきまして、合わせて300万円の補正をお願いするものです。
◎坂野委員長
執行部の説明は以上です。
ただいままでの説明について質疑等はありませんか。
○市谷委員
2ページの新型コロナウイルス感染拡大予防対策推進事業についてですけれども、まず、1つ目の感染拡大予防対策推進事業補助金は増額になるのですが、これは期限が1月29日となっていますので、引き続き感染が広がっている状況が続いているようであれば、期限を延長したほうがいいと思うのですけれども、その辺はどう考えておられるのか、教えてください。
その次の新型コロナウイルスクラスター対策費500万円は、先ほどの説明では、情報通信関係のシステムか何かと、それからクラスター条例の協力金ということなのですけれども、システム費がこの500万円のうち幾らで、協力金に使えるのがどれぐらい残るのかなと。先ほど午前中にクラスター条例の協力金のことについていろいろ話があったのですけれども、額が少し膨らむ可能性もありますので、その場合には当然予算を補充するのかを教えてください。
その次の安心観光・飲食エリア協定は、団体自らが感染防止の取組をやりましたということを宣言したら認めてもらえるということなのですけれども、自らがチェックするのは当然だと思いますけれども、やはり行政がきちんとチェックしないと看板倒れになってしまう可能性もあるので、感染拡大防止の取組が取られているかを行政がどういうふうに確認するのかを教えてください。
●朝倉くらしの安心推進課長
まず、補助金の期限ですけれども、やはり感染の状況ですとか、そういったものを見ながら期限は考えさせていただきたいと思っています。
あと、2番目の協力金とかアプリの話ですけれども、こちらは、直接的には健康政策課で今作成していまして、その細かい数字は分からないのですけれども、恐らくアプリにかなり額がかかるのではなかろうかと思っています。その辺どれぐらいかかるのか、今資料がないもので、後ほどということでお願いします。
あと、最後の安心観光・飲食エリアの関係ですけれども、団体自らが宣言された後に、その団体でも2週間に1回程度の頻度で各エリア内の店舗なりの点検はされると聞いていますし、行政側としても、県と市町村が協力して月に1回程度はエリア内の点検をして、きちんと感染対策ができているか、確認するように考えています。
○市谷委員
このクラスター対策費なのですけれども、健康政策課と生活環境部のどちらが責任を持ってこれを予算計上しているのかよく分かりませんが、ここで事業として予算計上しているのに内訳が言えないのはよくないのではないかなと。後でもちろんもらいたいですけれども、クラスター条例なのだから福祉保健部ということにしてもらったほうが。何だか最初からすっきりしないのですね。それで、もし足りなくなったらやはり増やしていかないといけないと思うのですけれども、その辺はどうなるのでしょうか。
●中西くらしの安心局長
ざっくりとですけれども、新型コロナ安心登録システム運用事業が300万円ぐらいで、クラスターの協力金が200万円かなと。委員言われるように、払わなければならないのに足らない状態になったら、もちろんこの事業間で何とかするとか、もっと予算を取るとかということが必要になってくると思います。先ほどの議論でもありましたけれども、協力金は、感染拡大予防対策というところが重要になってくるので、予算的には生活環境部についていますけれども、大本はその条例ですので、福祉でこれはこうだ、ああだという結果に基づいて払うことになると思っています。
○市谷委員
午前中に、条例の協力金の解釈について福祉保健部に聞いたところ、消毒ばかり強調するから消毒みたいに聞こえるけれども、そうではないですよと言われたりしていましたので、やはりその担当しているところに持っていったほうがいいのではないかと思います。何か非常に説明があやふやな感じがしていて。
◎坂野委員長
御意見でよろしいですか。
○市谷委員
はい。
○由田委員
同じようなことですが、この2ページの新型コロナウイルスクラスター対策費500万円と軽症者等宿泊療養施設環境整備事業500万円の積算というか、この予算の根拠はどうなのでしょうか。
僕の思いからすると、今回の条例で事業者がある意味不利益を被る状態も想定されますが、例えば、この予算を使って実際にどういう対策をしたかというような検証はこれまでどうされていて、これからどのようにするのか。それがないと、行政指導が不十分な上でクラスターが発生したときに、例えば施設名が公表され、あるいは指示も受けることになれば、入り口の対策として、この予算がどう実際に使われて、どういう効果があったかを行政が検証したかということも問われてくると思う。そこらのところはどうなのでしょうか。500万円の積算根拠として、それぞれどういう事業を想定しているのかを教えてください。
●朝倉くらしの安心推進課長
クラスター対策費につきましては、先ほど説明したとおり300万円ぐらいがアプリの設計をするのにかかる予算かと思います。それ以外のお金というのは、ある意味大枠的にクラスターが発生した施設での協力金という形で200万円を確保しておいて、その状況に応じて、また予算の増額が必要だったりという話にもなってくるかと思います。
あと、宿泊施設の環境整備事業につきましては、まだ入所者はゼロですけれども、現在1ホテルで宿泊療養の体制を整えておりまして、そのほか東・中・西で考えている中で、やはりエレベーターまでがオープン的なロビーとかということであれば、そこに壁を造ったりとかということで、例えばここに造るのには50万円ぐらいかかるとか、あと、場合によっては屋外に廃棄物を一旦保管して業者さんが取りに来るまで鍵がかかる倉庫を置くとか、そういったことをある程度想定して500万円という形でお願いしているところです。
○由田委員
今、500万円の積算根拠について説明を受けましたが、非常に曖昧で、これで足りるのか足りないのかということも分からない中での予算計上では、僕らが審査するに当たって、なかなか難しいのだよね。こういうことを求めたいからということで500万円だという説明を受けたら分かるのだけれども、説明する側も今後どうなるか分からずに、想定で答弁しているぐらいの話ですよね。本当にそれでいいのかなと正直思う。
最初の質問に戻るのだけれども、実際それを実施したときに、どこが現場に行って事業の実施状況を確認するのですか。
●中西くらしの安心局長
例えば、中部なり西部のホテル療養を東部のように開始することにとなったときには、先ほど課長が説明した対策を実際に取るというのを中部、西部の福祉保健局の職員がそれぞれ確認します。東部については我々の職員が確認しに行きます。
○由田委員
分かりました。言いたいのは、要は予算の妥当性などをどう検証するかということで、50万円でも100万円でも、これが妥当な金額なのか、その効果はというようなことを検証できる体制を整えるのですねということの確認です。
それと、このクラスター対策費の500万円は本当にざっくりで、具体的に何をどう積み上げて500万円になったかということではないわけで、必要に応じて増額もしないといけないということですけれども、今、申込みなどはあるのですか。この500万円の根拠というのをもう少し丁寧に説明してください。
●中西くらしの安心局長
すみません、申込みと言われたのは。
○由田委員
だから500万円をどういう事業所にどういう名目で使うのですかという説明が欲しいのだが。
●中西くらしの安心局長
先ほど言いましたけれども、500万円のうち、約300万円が登録システムを構築、運営する使用料とか、そういった金額になります。これはまだこれからになります。
○由田委員
あとの200万円は。
●中西くらしの安心局長
あとの200万円については、この予算要求の段階では協力金が幾らというのは決まっておらず、他県の状況を見ながら考えていくと聞いていましたので、積算はと言われると、枠予算のような感じで計上しています。
○川部委員
今、由田委員の質問を聞いていて分からないのですけれども、軽症者等宿泊療養施設環境整備事業というのは、補助金ではなく、県が施行するための予算ですよね。施設によっては幾らかかるか分からないから、ざっと枠として500万円取っているというイメージでいいですか。
●中西くらしの安心局長
宿泊療養ホテルについては、ある程度事前に下見してゾーン分けとかも実施してはいるのですけれども、いざやろうとすると、こういうことも必要だということもあり得るということで、これも枠になりますけれども、そういった緊急時に対応できるように。
○川部委員
県がやる事業で、補助金ではないですよね。
●中西くらしの安心局長
補助金とは違います。県がこうする、ああするというような事業になっています。
○川部委員
それと、クラスター対策費についてですが、アプリが300万円ぐらいかと思いますとか、そんな説明では審査しようがないですよ。500万円の根拠について健康政策課が積算しているのだったら、それをもってきちんと説明されないといけないです。委員長、これは注意してください。
●池上生活環境部長
クラスター対策のそのシステムの導入ですけれども、300万円の中には初期でアカウントを取得する経費、それからコロナを追跡するシステムの初期設定の費用、それと月額の運用というものが、8月がもう下旬になっていますけれども、日割りで入り、あと9月から3月までの分が月額で入っているということです。それを足し上げたもので300万円ということです。
システムとしましては、他県で先行している例もありまして、事業者さん、それからイベントをされる主催者さんなどが県に登録をされますと、QRコードが発行される仕組みになっていまして、それをお店やイベントの会場などに掲示をしていただき、それを来場された方、来県された方が読み込んで登録していただくものです。そして、後でそういうところで患者さんが発生し、保健所がこれは皆さんに知らせる必要があるというときに、その施設を利用されていた方にLINEで情報が流れるということが他県でも行われていまして、本県でもその制度を準用する形で取り入れたいということで、お願いしているものです。
○川部委員
システムについてはいいですが、残りが協力金だとすると、例えば何で200万円なのかが分からないのですか。根拠はなしで200万円ですか。
●池上生活環境部長
県によってそれぞれ金額はいろいろあるようですけれども、他県の例も参考にしながら今後判断をしていくことになると。
○川部委員
このクラスター対策条例は、他県にはないと言っていると思うのですけれども、他県の例とは、例えばどういうことを想定されているでしょうか。
●池上生活環境部長
確かにそういう見舞金のようなものはないと思いますが、意味合いが違いますけれども、他県の協力金とか、そういったものを参考にしながらと考えています。
○川部委員
先ほどもずっと福祉保健部にこの協力金は何だろうという話をしていて、見舞金ではない、支援金でもない、だけれども、補償とは言われなかったですが、何らかの支援をしないといけないから協力金という名称にしたということでした。事例がないことをしようとしているのだけれども、何かここにこの根拠がないと200万円という数字が出てこない気がするのですけれども、これ以上言ってもしようがないので、ここまでで収めておきます。
◎坂野委員長
そのほかありませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、質疑が尽きたようですので、以上で付議案の予備調査を終了します。
暫時休憩します。再開は、次の本会議が休憩に入り次第を予定をしています。
午後1時39分 休憩
午後4時25分 再開
◎坂野委員長
再開します。
ただいまから本委員会に付託された議案につきまして審査を行います。
付託議案は、日程に記載の3議案です。
まず、議案第1号、鳥取県新型コロナウイルス感染拡大防止のためのクラスター対策等に関する条例について審査を行います。
なお、お手元に配付しているとおり、議案第1号に対し、野坂委員から修正案の提出がありましたので、議案第1号及びこれに対する修正案を併せて審査します。
まず、修正案について、野坂委員の説明を求めます。
○野坂委員
先ほどの質疑で、何点か心配される点とかがありました。知事の答弁の中では、それらも当然含まれる、あるいは様々な指摘に対して、そこに対応する条例だという理解でいい等の説明もありましたけれども、であれば、それを条文にきちんと書き込んでいったほうがいいだろうという思いもあります。
修正の大きなポイントとしては、クラスターに特化して施設を公表するわけですから、先ほどの質疑でもありましたとおり、それは事業者にとっては非常に深刻な事態を招いていきます。
もう1点は、直接の事業者以外でも、これは実際に松江の飲食店のクラスターのケースであったらしいですけれども、同じ建物の中で真面目にこつこつされていたお店が廃業に追い込まれたという事例もあります。だから単にそのクラスターが発生したお店だけの問題ではないので、この公表ということに関しては十分に慎重に考えていかないといけない。さらには、公表後の施設に対して、闘うのはウイルスだということですので、きちんと業が成り立っていく観点から、様々な支援について、でき得ることはやっていく。
さらに、もう1点は、その後の誹謗中傷、これも重大な問題として様々な事例が発生していますので、そこは丁寧にということで、大きく言えば3つの点について、答弁の中で理解できたところもいっぱいありましたけれども、よりそこは丁寧に条例に落としていったほうがいいというのが修正の理由です。
個別に修正のポイントだけ簡単に説明をします。
まずは、第5条3項で、「クラスター対策を十分に実施している」というところの「十分」というのはどういうことなのかということで、このクラスター対策というのも様々な新たな知見で日々動いているものだとすれば、この「十分に実施している」というのは事業者に対してハードルが上がるのだろうという思いがありまして、「クラスター対策を適切に講じている」ということに修正したいと思います。クラスター対策について現在正解というものがない中で、完璧な措置を求めるというのは、やはり先ほど言いましたとおり事業者に対しては非常にハードルが上がるということですから、「適切」というように若干そこの表現を緩やかにしたほうがよいのではないのかということで、ガイドラインに沿った対策が実施されていればペナルティーを受けないというような趣旨に統一をさせていただきました。
次に、第6条ですけれども、ここでは、「感染症予防法第27条から第33条までの規定により実施される措置と相まって」ということを丁寧に書き入れています。また、その後、「停止するとともに、積極的疫学調査の的確かつ迅速な実施に協力」というところで、クラスターが発生した場合の施設使用者に課す義務につきまして、消毒の実施等、感染症予防法に基づく措置について、法令との関係性を明示しています。さらに、疫学調査への協力の義務づけについても、ここに明示させてもらっています。
あと、もう一つのポイントは、「利用者又は参加者に周知する」というところですけれども、お知らせや公表みたいなイメージがありますので、「利用者又は参加者に対する連絡」と修正しています。
次に、第3項の部分ですけれども、これは先ほども説明しましたとおり、「クラスターの発生を防止するための十分な措置」というところを、「クラスター対策を適切に講じていたにもかかわらず」というように、「適切」という表現に変えています。
あと、これも質疑で議論がありましたとおり「施設所有者に対し協力金を給付することができる」というできる規定になっていますけれども、これを「給付するものとする」というふうに修正しています。給付することができるということは、知事はそうはならないと答弁されていましたけれども、反対解釈でいけば、給付しないこともできるという解釈もあり得るということですので、解釈の余地を残さないように「給付するものとする」という確定的な表現に修正しています。
次に、第7条ですが、修正案中段にアンダーラインをしていますけれども、「発生した時期、施設又は催物の名称その他のクラスターが発生した施設又は催物を特定するために必要な事項」というところの後に「及び当該施設又は催物におけるクラスター対策の状況」と書き入れています。これは、公表する際は、施設名に加えて、当該施設のクラスター対策の状況がどうであったか、適切にやっていたかどうかといったことも併せて公表するということで、施設側が対策を講じていた場合は、その施設の名誉を守り、風評被害を少しでも減らすことに資するのではないかということで、修正しています。
次に、第2項ですが、この条例案による公表については、感染症予防法第16条第1項の規定による公表であることを明示して、条例以外の既存の関係法令との関係性を整理したということです。そして、感染症予防法の規定を適用することで、条例で公表の方法を規定する必要がなくなるというのが修正案のポイントです。
次に、第3項ですが、これは個人を特定するに足りる情報を公にしてはならないという規定を、鳥取県情報公開条例の規定に合わせて丁寧に規定したものです。さらに、公益を害してはならないという規定ではなかなか分かりづらいことから、ただし書として丁寧に書くことで、個人の氏名等が含まれる場合であっても公益上必要な場合は公表できることを明示しています。
次に、第4項ですが、公表された施設の消毒が完了してクラスター対策が適切に講じられたときには、県がそのことを公表して安全宣言を行うことで風評被害のダメージを低減するというのがこの修正のポイントです。
次に、第8条を御覧ください。「期間を定めて当該施設の全部又は一部の使用の停止その他の当該施設又は催物における新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するための措置及びクラスター対策を適切に講ずるよう勧告することができる」というところですけれども、施設の全部または一部を閉鎖するという「指示」は不利益処分でして、県民の営業の自由を制限することになる行政処分を伴う規定で、法律に照らしていかがなものかという疑念があります。したがいまして、不利益処分ではなく、行政指導である「勧告」に修正しています。
また、施設の「閉鎖」という表現について、これはかなり強い表現ですので、第6条第1項の表現と合わせて、「使用の停止」に統一したほうがいいのではないかという観点から修正しています。併せて、施設の使用の停止は、感染拡大を防止するための一つの手段にすぎないと整理しまして、施設の使用停止が必ずしも必須ではないというような表現に修正しています。
次に、第2項を御覧ください。「知事は、前項の規定による勧告に係る施設又は催物について」、以下アンダーラインがあります。これは、指示を受けた者からの申立てを待つのではなくて、勧告した知事が施設使用者のクラスター対策を指導して、その対策が措置されたときは、申立てがなくても知事が自ら勧告を中止することとするという修正です。この点については、質疑の際に、幅を広げるもので、施設側からの申出であってもそこは受けるということであるという説明が知事からもありましたが、そこをきちんと書き込むということです。
次の第3項は、新たに加えたものです。県内の関係団体が採用したガイドラインを知事が勧告等を行う際の目安とすることを明示して、施設使用者の取るべき措置を具体化しています。そして最後に、「知事が別に指定するものを参酌する」という表現がありますけれども、これらの指針を十分に参酌した上で判断しなければならないという意味です。十分参酌した結果としてであれば、その実情に応じて異なる判断をすることは許される、ただし、参酌したことについての説明はきちんとやってくれというのが修正のポイントです。
次に、原案では聴聞の特例ということがありますけれども、これは不利益処分である「指示」から行政指導である「勧告」に修正したので、不要となったことから削除しています。
次に、第9条を御覧ください。これは原案の第9条を削除したことに伴い、規定を整備するものです。
次に、第10条を御覧ください。ここに「患者であった者を含む。以下同じ」とありますのは、現在感染している患者だけではなくて、既に完治した元患者も含めるように拡大したものです。
次に、第2項を御覧ください。第1項と同様に、現在感染している者だけではなく、完治したものも含むと。さらに、質疑でもありましたが、奈良県の天理大学ラグビー部で発生したクラスターに関連して、教育実習の受入れを中止されたり、アルバイト先から出勤を拒まれたりという事態が生じていることから、不当な差別的取扱いも禁止対象に加えたということです。
次に、第3項ですが、いわゆる個人を特定する行為には第2項の規定が適用されないことから、これを禁止する規定を追加しています。
次の第4項では、第3項の追加に伴う規定の整備をしています。また、県が原案の普及啓発以外に行う措置としまして、誹謗中傷等を被った者に対する支援を明示するとともに、それらの措置は予算を伴うため、「予算の範囲内で」として、施行された際の予算措置がなくても条例上問題にならないようにしました。
次の附則のところは、第11条の条ずれに伴い、規定の整理をするものです。
以上が修正箇所についての簡単な説明です。まずは、クラスターを徹底的に封じ込めていく、そして差別につながることや誹謗中傷をなくすということで提案された条例案について、事業者が困らないように、より丁寧な内容に修正させていただいたつもりですが、この未知なるウイルスとの闘いで、いろいろな知見や対応策が出たり、あるいは修正されたり、日々動いている状況を鑑みれば、いずれにしてもこのクラスター対策条例を運用していく上では、十分な配慮が必要になってくると思いますので、可決された折には、附帯意見を発議させていただきたいと思っています。
◎坂野委員長
以上で説明が終わりましたが、ただいま野坂委員から発意のありました附帯意見につきましては、議案第1号が修正の上、可決すべきものと決定された後に、改めて諮らせていただきます。
それでは、これより議案第1号及びこれに対する修正案について質疑を行っていただきます。質疑のある方は挙手をお願いします。
○由田委員
すごく中身の濃い修正になっていると理解をしますが、少し気になったのが、第10条第4項です。ここに「予算の範囲内で」と書いてありますが、予算の範囲内でというのは、何か消極的な意味合いを持つ文言であると私は認識をしますので、この文言の意味を説明いただければと思いますが、いかがでしょうか。
○野坂委員
これは先ほどの説明でも少し触れていますけれども、消極的な意味というよりは、条例を先につくっていくわけですから、予算が措置されていない場合も条例に違反しないようにという観点で入れています。「予算の範囲内で」と書いているので、消極的だと受け止められたと思うのですけれども、ここはそういう意味合いだと理解していただければと思います。
○由田委員
続けて質問させていただきますが、その後段に「誹謗中傷等を被った者に対する支援その他必要な措置」とあります。これは初めて出てきた文言ですけれども、どういうことを想定されて今回提案されているのでしょうか。
◎野坂委員
今の質問は置いておいて、最初の質問ですけれども、先ほど言いましたが、条例が仮に可決することになると、第11条の規定により公布日から施行することになりますので、その点について、条例違反、問題にならないように書き込んでいるということです。
次の新しい質問は何でしたか。
○由田委員
「誹謗中傷等を被った者に対する支援その他必要な措置を講ずるものとする」とありますが、これも予算の範囲内ということなのでしょうか。ここの意味合いはどういうものを想定していますか。
○野坂委員
どこですか。
◎坂野委員長
第10条第4項の最後のところの「誹謗中傷等を被った者に対する支援」とは、どのような具体例を想定されておられますかという質問です。
○由田委員
大事なところです。
○野坂委員
これも、予算を伴うものは前段の予算の範囲内ででき得ることはやると。
○由田委員
そのように言われますけれども、私の解釈では、「予算の範囲内で、新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識の普及啓発及び誹謗中傷等を被った者に対する支援その他必要な措置を講ずるものとする」とありますが、それ以外に、誹謗中傷を受けた者に対して支援、これは金銭的な支援ですか、それとも寄り添う形で名誉回復等、これから日常生活を営んでいく上で支障のないように支援をするということなのか、どういう意味か説明を求めたいと思っているのです。
◎坂野委員長
すみません、何か口を挟むようですが、例えば、今日知事が答弁されていた内容に、何か県の弁護士会と警察関係……。
○由田委員
委員長、それは知事の原案に対しての答弁ですから、今回の場合を。
◎坂野委員長
いや、例えば、そういうのを想定されておられるのかなと。
○由田委員
だからそれを聞いているのです。
○野坂委員
条例ですから、確認をしてもう一回答弁しますので……(「では、休憩」と呼ぶ者あり)休憩を。
◎坂野委員長
それでは、暫時休憩します。
午後4時56分 休憩
午後4時59分 再開
◎坂野委員長
再開します。
○野坂委員
誹謗中傷、嫌がらせ、こういったようなところに対する支援とは具体的に何か、どうするのかということだと思います。午前中の委員会の中でもあったと思いますけれども、第4項の「その他の必要な措置」とは、具体的には、既に県が取り組んでいる患者や、その勤務先に相次いでいる誹謗中傷や嫌がらせを対象とするネットパトロール、あるいは証拠保全措置などが該当するということでしたので、該当するのであれば、条文中にも明示したほうがいいのではないかということで、このように修正しているということです。
○由田委員
この「予算の範囲内」というところですが、公布からタイムラグがあるにしても、例えば原案にはそういう書き方はしていないのに、あえてこれがどうして必要なのかな。もちろん何かあれば対応する、それをあえて「予算の範囲内」という文言が必要なのだろうか。では、このことに関してどこから流用できる予算が幾らあってというようなところが分かりますか。
○野坂委員
ここは手続的な話になってきますので、少し確認をして答弁をさせてもらいます。休憩を。
◎坂野委員長
それでは、暫時休憩します。
午後5時02分 休憩
午後5時03分 再開
◎坂野委員長
再開します。
○野坂委員
この「予算の範囲内」というのを入れさせてもらっているのは、今出している修正案で様々書いてある内容の中で、予算を伴うようなものがあった場合、予算の提案権は知事部局にありますが、言えば議会が勝手にというか、議会の提案でそこを修正していくわけで、予算措置は今の修正の段階ではないわけですので、予算措置がなくても条例上問題が起きないようにということで、あえてここに「予算の範囲内」と書かせていただいています。
○由田委員
よく分かりました。
◎坂野委員長
それでは、そのほか質問はありませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、質疑が出尽くしたようですので、議案第1号及びこれに対する修正案について討論を行っていただきます。
討論のある方は挙手をお願いします。
○市谷委員
議案第1号について討論を行います。
全国的に感染が拡大し、県内感染確認22人のうち、19人が7月以降に立て続けに確認され、今は収まっているようですが、感染由来が分かっていない方もあります。全国の累計感染者数は6万3,281人、死亡者1,202人と、重症化すれば死に至る新型コロナです。今後さらなる全国的な人の移動や経済活動の本格的な再開、秋以降に予想されているいわゆる第二波、第三波に備えクラスター発生を予防しつつ、発生した場合に早期に終息を図るための手だてを構築しておくことは必要だと考えています。そしてクラスターの早期終息のためには、発生した施設の使用を直ちに停止し、早急に利用者への連絡とPCR検査を行い、感染者を隔離、保護することが必要で、この実効性を高めるため、補償と一体で取り組むことが大切です。
こうした手だては、新型インフルエンザ特措法第24条に知事権限が定められていて、西村担当大臣は権限に制限を設けていないと国会で答弁していますから、この条項を援用し、県条例で一定の対策のルールをつくることは可能だと考えています。ただ、その際、安倍政権が新型インフルエンザ特措法の改定でやろうとしているような発動基準が曖昧なまま私権を制限し、従わなければ罰則を科し、補償はしないやり方は最悪です。
そこで、まず、知事が提案したクラスター対策条例を私は高く評価したいと思います。今回の県条例の場合、クラスターが発生した場合に限定し、知事提出の原案も修正案も施設使用者に施設の使用停止を求めており、これはいずれも評価できます。同時に、修正案では、さらに踏み込んで、全利用者などに連絡を取り、積極的疫学調査に協力するよう明記していること、また、こうした蔓延防止の取組に対する施設使用者への協力金について、原案では給付できるという、できる規定にとどまっていますが、修正案では、給付するものとすると、つまり補償を義務づけており大きく評価したいと思います。
さらに、原案も修正案も施設名などを公表することは同じですが、修正案で法的な位置づけ、対策の終了時期も明らかにしている点は前進だと思います。ただ、施設使用者が施設の使用停止や利用者への連絡、積極的疫学調査への協力などの必要な措置を取らなかった場合、原案では、知事が指示することができると、さらに踏み込んで対応を求めることができますが、修正案は勧告にとどまっており、施設使用者からの協力が得られなかった場合の強制力がないことは、封じ込めの対策に一定の隙間があることを自覚しておく必要があると思います。ただ、必要な対策への協力に対しては、悪意がない限り必ず協力金を給付し、最大限協力への自覚を促している点は、修正案の一番評価できる点だと考えています。
最後に、修正案で、情報の公表によって発生が懸念される誹謗中傷、差別的な言動のみならず、差別的な取扱いやプライバシーの侵害も厳しく戒め、誹謗中傷の被害者支援も明記したことは、人権を大切にし、分断ではなくて、みんなで力を合わせて感染拡大防止に取り組もうという県民への力強いメッセージになると思います。よって、修正案に賛成します。
◎坂野委員長
そのほかありませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、討論が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
まず、議案第1号に対する修正案について採決します。
修正案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成全員です。したがいまして、修正案は、可決すべきものと決定しました。
次に、議案第1号でただいま修正された部分を除く原案について採決します。
議案第1号でただいま修正された部分を除く部分について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成全員です。よって、議案第1号で修正された部分を除く部分は、原案のとおり可決すべきものと決定しました。
それでは、附帯意見についてお諮りをします。先ほど野坂委員から発意がありました議案第1号に係る附帯意見案を皆様にお配りいただきたいと思います。
それでは、野坂委員、附帯意見案を読み上げてください。
○野坂委員
5項目ほど附帯の意見を書かせていただいています。
まず1番目として、今回の条例をつくる理由ともなったわけですけれども、部長も感染症法に白地部分があると表現していましたが、つまりクラスターの公表に対して、なかなか実際にやりにくいと、その証拠に、全国でもそこで手をこまねいている状態がずっとある。今回4月に国からの事務連絡が来たのですが、本来であれば、事務連絡で対応するような話ではないと、それを理解しました。ならば、国に対して法制化の働きかけを強力に進めることということです。
さらに、2番目として、この条例の迅速な施行のためには、改めて言うまでもありませんけれども、県民をはじめ事業者、関係団体あるいは市町村の理解、協力がなくしてこれはできません。したがって、議会の中でも法令が関係してくるところでなかなか理解しにくい部分もありますので、あらゆる機会を捉えて丁寧に周知を図るということです。このクラスター条例が、知事も再三言われましたが、罰していく条例ではないと、コロナに一緒になって打ちかつための条例であり、事業者へも支援をしていくということ、あとは徹底的に感染者等を守っていくということ、こういった条例だと分かりやすく丁寧に説明するということです。
3番目は、そもそも保健所が果たす機能、重要性に鑑み、保健所の管轄区域においては「同市とあらかじめ総合調整の上、統一的な運用を図る」としています。これは質疑の中でも知事から再三答弁がありましたが、くれぐれも権限を有する鳥取市とのそごが生まれないように、きちんと総合調整を図っていただきたいということです。
4番目は、やはり公表していくことは様々な点で深刻な影響が出てまいりますので、公表の場合は慎重な姿勢で臨むということ。さらに、当該事業者がその後も事業活動が継続できるように支援を図っていくということです。
最後は、プライバシーについてです。公表は、積極的な疫学調査を的確かつ迅速に実施するために必要な最小限度のものとするように努め、プライバシーの保護に十分留意するということ。これはクラスターが発生した施設の従業者、利用者、参加者にとどまらず、今回の新型コロナウイルス感染症の患者情報の公表に当たっては、そういう姿勢で臨んでいただきたいということです。
◎坂野委員長
説明は承りました。それでは、附帯意見案を読み上げてください。
○野坂委員
それでは、しばらくお付き合いいただきます。
「本条例の施行に当たり、知事は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。
1、新型コロナウイルス感染症から国民の生命と健康を保護することは国全体の課題であり、本来、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するために必要となるクラスターが発生した施設または催物(以下単に「施設」という。)の公表や使用停止等に関する法体系は国において完備すべきであることから、国に対して法制化の働きかけを強力に進めること。
2、本条例の的確かつ迅速な施行のためには、県民や事業者、関係団体、市町村の理解と協力が不可欠であることから、県として、直ちに、あらゆる機会を捉え、丁寧にかつ分かりやすく周知の徹底を図ること。
3、保健所が果たす機能の重要性に鑑み、鳥取市保健所を設置する鳥取市と緊密な連携と協力を図ること。特に、感染者が発生した施設の公表については、鳥取市保健所の管轄区域においては、一義的には同保健所を設置する鳥取市に感染症予防法第16条の規定に基づく権限があることを踏まえ、クラスターが発生した施設に関する公表についても、同市とあらかじめ総合調整の上、統一的な運用を図ること。
4、クラスターが発生した施設の公表及び当該施設におけるクラスター対策等が適切に講じられたと認める旨の公表については、積極的疫学調査を的確かつ迅速に実施するためのものであるとともに、当該施設におけるクラスター対策等の状況に対する県民の公正・的確な理解を促進するためのものでもあり、過度な不安や風評被害を引き起こすことがないように十分留意すること。なお、クラスターが発生した事業者や近接する事業者にとって、施設の名称等を公表されることは営業の継続に甚大な影響を与えることから、本条例の適用に当たっては慎重な姿勢で臨むとともに、当該事業者が事業活動を継続できるよう必要な支援を図ること。
5、クラスターが発生した施設の従業者、利用者または参加者にとどまらず、新型コロナウイルス感染症の患者情報の公表に当たっては、感染症予防法第16条第2項の規定の趣旨及び病歴の公開が本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益を生じさせるおそれがあることに鑑み、積極的疫学調査を的確かつ迅速に実施するために必要な最小限度のものとするよう努め、プライバシーの保護に十分留意すること。」
◎坂野委員長
ただいまの附帯意見案について御意見はありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
意見がないようですので、野坂委員から発議のありました附帯意見について採決を行います。
議案第1号、鳥取県新型コロナウイルス感染拡大防止のためのクラスター対策等に関する条例については、野坂委員から発議のありました案のとおり、附帯意見を付することに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成全員です。よって、議案第1号については、野坂委員から発議のありました案のとおり、附帯意見を付することに決定しました。
次に、議案第2号及び第3号について一括して審査を行います。
まず、議案第2号及び第3号に対する質疑を一括して行っていただきます。質疑はありませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
質疑がないようですので、これより議案第2号及び第3号に対する討論を一括して行っていただきます。
○市谷委員
議案第2号及び第3号に賛成の討論を行います。
先ほども述べたように、鳥取県も含め全国で感染が広がり、感染拡大の第二波、第三波が懸念されている秋、冬に向けて、医療、検査、暮らし、事業所、雇用、教育への抜本的な対策強化が求められています。
そうした目で本予算を見ると、まず医療体制では、コロナ患者受入れの重点医療機関に必要な設備の整備、病院のベッドの空床補償の単価の大幅引上げで病床の確保や患者の受入れがしやすくなります。また、感染の不安を感じる医療従事者が待機する宿泊施設の数を増やし、その単価は医療機関の要望に応え、相談に乗っていただけるという御答弁もありました。また、救護施設や県立病院の医療従事者への慰労金など、医療・福祉職員への支援が盛り込まれています。
検査体制では、PCR検査機は34機に、初めて導入される抗原検査機は5機に増設されます。1日当たりの検査能力は196検体から700検体へと飛躍的に強化され、検査費は行政検査なので無料です。今後増設された検査機器を生かし、世田谷区のような、いつでもどこでも誰でも何度でも検査できる、また、感染しやすい医療・介護や保育所の職員への定期検査など、厚労省の事務連絡でも無料の行政検査として実施可能となってきたこうした戦略的な検査の拡大に取り組むことを希望します。
また、社会福祉施設のクラスター対策のための設備整備や、移動が難しい高齢の感染者を施設で受け入れるための体制も検討されていることは評価できます。
生活支援では、給料が減ったり、職を失った人に当面の生活資金を貸し出す生活福祉資金緊急貸付事業の予算が増額されることは評価できますが、予算を積み増しても期限が9月末と、あと1か月です。同様に、20万円の感染拡大予防補助金も積み増しされますが、期限が1月29日までです。期限の延長を希望します。
最後に、教育では、松江市における学校寮でのクラスターの発生を受けて、早速、県内の学校の寮や部活動での感染拡大防止のガイドラインが策定され、取組支援の予算が計上されたことは評価できます。
以上、新型コロナの感染から県民を守るため、先を見通し、また、現状に応じた素早い対応が行われていることを評価し、議案第2号及び第3号に賛成であることを述べ、私の討論を終わります。
◎坂野委員長
そのほかありませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、討論が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
採決につきましては、一括して採決するのがよろしいか、お諮りをします。(「一括で」と呼ぶ者あり)
それでは、議案第2号及び第3号を一括して採決します。
原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
賛成全員です。したがいまして、議案第2号及び第3号は、原案のとおり可決すべきものと決定しました。
なお、委員長報告の作成、内容につきましては、委員長に一任いただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
御異議がないようですので、そのようにします。
以上をもちまして福祉生活病院常任委員会を閉会します。
午後5時24分 閉会
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