令和2年度議員全員協議会議事録

令和3年2月26日会議録(確定版)

開催概要、資料はこちらです
出席者
(35名)
委員

市 谷 知 子        尾 崎   薫
銀 杏 泰 利        坂 野 経三郎
島 谷 龍 司        常 田 賢 二
中 島 規 夫        浜 崎 晋 一
濵 辺 義 孝        福 浜 隆 宏
藤 縄 喜 和        山 口 雅 志
内 田 隆 嗣        斉 木 正 一
澤   紀 男        西 村 弥 子
野 坂 道 明        浜 田 妙 子
松 田   正        森   雅 幹
山 川 智 帆        興 治 英 夫
川 部   洋        由 田   隆
浜 田 一 哉        安 田 由 毅
広 谷 直 樹        西 川 憲 雄
福 田 俊 史        伊 藤   保
語 堂 正 範        藤 井 一 博
鹿 島   功        福 間 裕 隆
内 田 博 長

欠席者
(0名)
なし
  
欠 席 者    な し
説明のため出席した者  平井知事、野川副知事、小林統轄監、亀井総務部長、山本教育長、
            服部警察本部長、中林病院事業管理者外
職務のため出席した事務局職員  寺口事務局長外

開  会     午前10時20分
閉  会     午前11時08分
会議録署名議員  斉木議員  福間議員
司  会     藤縄議長
協議事項     別紙協議事項のとおり

会議の概要

午前10時20分 開会

◎藤縄議長
 ただいまから議員全員協議会を開会します。
 まず、会議録署名議員に斉木正一議員、福間裕隆議員を指名します。
 本日の議題は、令和3年度当初予算案及び令和3年度組織・定数改正案についてであります。
 なお、執行部の説明等に当たっては、自席で着座にて、マスク着用のまま御発言いただくようお願いします。
 それでは、一括して知事に説明を求めます。

●平井知事
 皆様、おはようございます。
 このたび、私ども、1月に続き、また2月にも新たな県議会を開くこととなったわけでございます。1月の臨時県議会でも皆様に大変お世話になり、今、新型コロナの対策を進める、そういう力ができたと思いますが、私どもが昨年見通していたようなペースでは、新型コロナがなかなか収束していないというのが現実であります。そういう事情から、このたび1年間を見通して当初予算を編成するに当たりましても、当面はこの新型コロナを念頭に置いた対策を中心にせざるを得ない、そういうように考え、この予算を編成させていただきました。
 今もって新型コロナとの闘いは続いています。全国では、昨日、1,000人を超える感染者が発見されたところであります。今朝、鳥取市内において、お二人の方の陽性が判明しています。そのうちのお一人は鳥取市立病院の看護師でございます。こうして病院の中に入り込むことがないように、全力を挙げて鳥取市を支援し、保健所をバックアップして、これ以上の拡大をできる限りとどめていく必要があると考えております。
 事ほどさようでありまして、我が県は皆様の絶大な御協力をいただき、全国でも最も感染者数を抑え、また、亡くなられた数も極小にとどまっています。これは、この1年間、皆様のお力をいただき、関係職員や医療事業者、さらに県民の皆様、あるいは事業者の方々からもすべからく御協力をいただき、何とか感染を引き起こすまい、拡大させるまいという県を挙げた全県一丸の取組の成果だと思います。この力は大都市に比べてみますれば非常に大きな成果を上げたと思いますし、これをもって向こう1年間、さらに引き続き事業を継続し、対策を取って、みんなで予防に努めていけば、必ずやワクチンがある程度広がり、集団免疫を獲得するというときがやってくると思います。申し訳ございませんが、それまでの御辛抱でございます。県民の皆様、県議会の皆様にもいましばらくこうした対策に御協力をいただきたいと思います。
 それに向けまして、組織につきましても、このたび新型コロナ対策の事務局を本部並み、部長並みに引き上げさせていただき、全庁的な組織にするのみならず、専任の職員をしっかりと配置する体制を4月以降、取らせていただきたいと思います。そうした関係で、予算は大分膨らむことになり、3,567億5,929万円となりました。これは、私が県政を担当させていただいて以来、最大の規模となりました。それもコロナ対策の関係でございます。
 また、定数につきましても、このたびはやはり必要な職員を確保しなければいけないということがあり、私が県政を担当して初めてプラス1と、定数を1人増やすことをお認めいただきたいと思います。財政健全化努力を一生懸命やり、全体としてのやりくりをさせていただきますが、この1年につきましては、削減を目標とするということだけではなくて、一定程度の職員をしっかりと確保しながらやっていくという体制を取らせていただきたいと思います。
 これらの2つの意味におきまして、私自身のこれまでの県政運営を若干修正せざるを得なくなったことを御理解いただきたいと思いますが、これも命と健康を守るためであり、お金や手間を惜しむよりも命を惜しむときだと考えているからであります。ぜひ格別の御理解をいただきたいと思います。
 また、あわせて、私たちが忘れてはならない、正面から取り組まなければならないのは、経済社会、暮らしを取り戻すことであります。残念ながら新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言がまだ継続しており、今日、政府のほうで会議が持たれているところでございます。その状況からいきますと、1都3県は引き続き緊急事態宣言が適用される運びとなります。それ以外のところ、関西、中京、福岡につきましては今回解除の見通しでありますけれども、しかし、リバウンドをすることがないよう対策を取り続けるという方針が示されることになります。
 そういうように、今回いろいろと対策が変わる部分はございますけれども、基調としてこうした面が残っております。これが県内経済に非常に影響しています。観光はもちろんのことでありますが、飲食関係も結局、メディアの様々な報道などもあり、まちに人が出なくなるというアナウンス効果が広がり続けているところであります。私どもは、GoToEat事業をあえて継続するなど他県とは違った取組をしたり、1月の臨時県議会で10万円の応援金を認めていただきました。こういうことで飲食店や事業者の支援を追加しているところでありますけれども、片や大都会のほうでは緊急事態宣言発令地域に限り1日6万円の給付があるという非常にアンバランスな状態であります。事業者の皆様にすれば、我々は努力して、みんなで協力し合いながら感染を抑えているのに、感染が急拡大して、その感染が全国に広がった震源地のような地域において、むしろ若干小さなお店にはお釣りが来るぐらいの支援金が得られるというのはいかがかと、割り切れなさが残っているところであります。その気持ちは痛切に分かるわけでありますが、なかなか一自治体では解決できないところであります。仲間の知事たちと一緒に強力に呼びかけ、引き続き政府へ働きかけをしてまいりたいと思います。2月6日の知事会でもそういう決議をさせていただいたのですが、今後ともそうした支援を国に求めてまいりたいと思います。そうしたこと以外に、やはり我々でできることとして、ある程度地域の応援をしなければいけないだろうと思っております。
 また、暮らしを守るためにも、ひとり親対策をはじめとして一定の措置が必要だろうと。そういう意味で、経済、雇用、暮らしを守る対策を一つの主眼として今回盛り込ませていただいたところであります。
 また、後ろばかりを見ていても、下ばかりを見ていてもしようがないと思います。今、一つのトレンドとして、東京においては、5月から転出超過に変わってきています。本県におきましても、それとほぼ同じような時期に転入超過の月も生まれているという状況であります。非常に窮屈な思いをして、特に命や健康を脅かされる思いをしながら大都市に住むよりも、感染が広がりにくい地方において、自然の中で生きていく、そういう人生を選択される方はこれから増えるであろうし、増えていただきたい。それがこうした感染症対策、あるいは本当の意味の幸せの獲得にもつながると思います。そういう意味で、この鳥取から新しい時代の一つのモデルを示したいと、これによりまして、ポストコロナの挑戦を始めてみたいというふうに考えております。
 これら以外にも、安全・安心をつくる対策、例えば公共投資は、今回、15か月予算ですと11%増という高い伸びになっています。その中心は防災対策でございます。こうしたことなどをしっかりとやり遂げていく必要があると思いますし、障がい者施策、あるいは教育の問題など、安心をつくっていくコミュニティーを再生してまいりたいと思います。
 非常に厳しい状況の中ではありますが、プライマリーバランスは黒字を確保し続けることができましたものの、基金残高、それから借金につきましては、財政誘導目標を達成できるかどうか、私たちの4年の任期の中では若干微妙なことに、今、なり始めております。ただ、ぎりぎりのところで踏みとどまりながら、できれば次の任期の方々に財政健全というバトンを渡したいと思っており、この努力をやめることなく続けてまいります。非常に厳しい状況の中での予算編成でありましたので、そういう徳俵いっぱいのところまで来ているということはぜひ御理解をいただければありがたいと思います。
 詳細につきましては、担当部局長のほうから御説明申し上げます。

◎藤縄議長
 続いて、詳細説明を求めます。
 まず、令和3年度当初予算案について、説明をお願いします。

●亀井総務部長
 資料1をお願いします。令和3年度当初予算案について、1ページ、1、予算編成の基本姿勢というところでございます。(1)、(2)で認識を記載しています。国、地方の総力を挙げて医療提供体制の強化、経済回復に最優先で取り組むとともに、ポストコロナを見据えた社会づくりを目指していく必要があること、こうした中で、本県としても、医療提供体制のさらなる充実や感染防止対策の強化、経済・雇用対策でありますとかポストコロナを見据えた政策、こういったことを機動的かつ効果的に展開していくことが求められているということであります。
 (3)に財政状況を記載しています。令和3年度の地財計画におきましては、一般財源総額の確保など明るい材料もございますけれども、令和3年度の県税収入は77億円の減が見込まれます。こういった状況で、国の新型コロナ対策の交付金だとか、そういった様々な財源を駆使して、非常に厳しい中でやりくりしながらの予算編成でございました。
 (4)では、提案理由説明で知事も述べた柱について記載しています。(1)から(4)までの4本の柱で予算編成を行っています。1つ目は、新型コロナと闘っていくということでして、医療・検査体制の充実などの予算を計上しています。2つ目の柱として、新型コロナから経済、雇用、さらには暮らしを守っていくという柱でございます。こちらでは経済・雇用対策、暮らしの再生、デジタル化の推進とか強い農林水産業の実現、こういったものを計上しています。3つ目の柱は、新型コロナを乗り越えて新しい時代を開いていくという柱でございます。こちらでは、新しい人の流れの創出、観光立県の復興ですとか、グリーン社会の実現、SDGsの実践、人財づくり、こういった取組予算を計上しています。4つ目の柱としては、安全で安心なふるさとをつくっていこうというものでございます。一人一人の生活に寄り添う予算、あるいは基盤強化、防災力の向上、こういった施策を計上しているところでございます。
 こういった課題につきまして、積極的に予算計上を行い、総額は、平成20年度以降最大となります3,568億円でございます。
 2、予算案の概要に予算規模を記載しておりますけれども、先ほど述べましたように、3,568億円で、プラス4.0%でございますが、この数字の上に括弧で記載している15か月予算という観点で見ますと3,858億円ということで、対前年7.3%の伸びでございます。一番下に囲っていますように、令和2年度1月補正予算とこのたびの当初予算とを併せて、15か月予算ということで、一体として切れ目のない財政運営を行い、取組を進めてまいりたいと考えております。
 2ページをお願いいたします。一番上、主な増減を記載しております。一般事業の増要因にありますように、医療環境の整備でありますとか、企業自立サポート事業ということで制度金融に係る経費でありますとか、こういったものが主な増要因でございます。
 次に、白丸の歳入という表がございます。主な一般財源を見ていただきますと、県税とか地方譲与税の一番右の変動率のところですけれども、昨年と比べまして△が立っているという厳しい状況でございます。この中で、地方交付税、それから臨時財政対策債でプラスが見込まれまして、再掲として、地方交付税プラス臨時財政対策債という欄がございます。その一番右を見ていただきますと、プラス5.2%、77億円の増でございます。ただ、その次の欄ですけれども、これに県税と地方譲与税を加えますと、△0.2%、△4億8,000万円ということで、非常に厳しい状況でございます。
 その下に、財政調整型基金の取崩しという表がございますけれども、こういった状況でございますので、このたびは55億円を取り崩させていただく予算案としています。
 3ページをお願いいたします。歳出の表がございまして、その下にア、一般事業、イ、公共事業を記載しています。アの一般事業のほうは、3,069億円でございまして、柱に沿ってそれぞれ予算を計上しているところでございます。イ、公共事業のほうでございますけれども、当初予算としては、499億円、プラス0.6%でございます。これもその上の欄の括弧、15か月予算という観点で見ますと701億円、プラス11.6%といったところでございます。
 4ページは、予算規模の変動率推移ですとか、地方消費税収と社会保障関係費について参考として添付しておりますので、後ほど御覧いただけたらと思います。
 5ページからは、パワーポイントの説明資料をつけてございます。5ページにつけておりますのは、15か月予算ということで予算案を整理したものでございます。この表の一番上を見ていただきますと、事業規模は、1月の臨時会とこのたびの当初予算とを併せまして、3,858億円で、15か月対比でいきますと107.3%。一番下の右に公共事業も再掲として記載しておりますけれども、括弧書きの15か月予算は701億円ということで、これも対比しますと111.6%でございます。
 6ページからは、4本の柱に沿いまして、それぞれパワーポイントの資料を添付しております。9ページまで、後ほど御覧いただけたらと思います。
 続きまして、令和3年度当初予算案の概要でして、10ページから予算の分析を添付しています。10ページが歳入でして、一番上の表の下に再掲として、地方交付税プラス臨時財政対策債で、77億円の増と記載しています。
 11ページからが歳出でございます。まず、11ページは目的別に整理したものでございます。これも上の表を見ていただきますと、コロナ対策の関係で、民生費、衛生費、それから商工費、こういったところにつきまして、このたび予算としては伸びているといった状況でございます。12ページのほうは、同じ歳出につきまして、性質別で整理したものでございます。13ページが当初予算額のこれまでの推移、14ページが公共事業、15ページが公共事業の当初予算額の推移、16ページには財政状況をつけておりますので、後ほど御覧いただきたいと思います。
 17ページに県債・基金残高の推移についてグラフを添付しています。それぞれの年度で、2つのグラフが伸びていますけれども、下のほうにそれぞれの意味するところを記載しています。長いほうのグラフで縦線が入っているものが臨時財政対策債でございます。それから、その下になりますけれども、ドットのグラフが、防災の関係ですとか、減収補填債ですとか、そういった関係の交付税措置率の高い起債を表すものでございます。その他の県債については、白抜きのグラフで表しております。この長いグラフの右側に黒塗りでありますのが基金残高でございますので、御確認いただけたらと思います。
 18ページは事務事業見直し等の状況、19ページは、使用料、手数料の見直しの資料でございます。使用料、手数料につきましては、このたび条例改正案を提案しておりますので、御審議のほうをよろしくお願いしたいと思います。
 20ページには、地方消費税収と社会保障関係費について、資料を添付しておりますので、後ほど御確認ください。
 21ページに人件費の分析をつけております。このうち特別職の非常勤職員については、人数、金額とも伸びていますけれども、これは5年に一度の社会生活基本調査の調査員の増ですとか、コロナ対応の嘱託医師の増に伴うものでございます。一般職の会計年度任用職員以外の職員は、金額に△が立っておりますけれども、新陳代謝等によるものですとか、勤勉手当を改定しましたので、そういった影響によるものでございます。会計年度任用職員については、プラスになっておりますけれども、これは期末手当の支給率の増によるものですとか、コロナ対応で看護師、保健師を増やすことによるものでございます。退職手当も増えておりますが、定年退職者がピークを迎える時期になりますので、定年退職者数の増によるものでございます。
 続いて、資料2をお願いしたいと思います。資料2は財政誘導目標についての資料でございます。数値目標について、(1)、(2)、(3)で記載しております。確認のために少し説明させていただきますと、まず、財政調整型基金の残高の関係が、(1)であります。令和4年度の財政調整型基金残高が標準財政規模の1割を超えるようにすること、これがまず1つ目の数値目標でございます。2つ目は、(2)の、令和4年度の臨時財政対策債等を除く県債残高が県内総生産(名目)の2割以下となるようにすることという目標でございます。括弧書きの除くものについては、その下に米印で記載しておりますけれども、臨時財政対策債、新型コロナの影響による減収補填債に係る交付税の措置額、それから交付税措置率の高い防災関連の起債に係る交付税の措置額、こういったものを除いて、県債残高を県内総生産の2割より低く抑えようという目標でございます。3つ目の目標は、(3)で、当初予算編成時でのプライマリーバランスの黒字化でして、これも臨時財政対策債を除いての黒字化ということでございます。
 裏を御覧いただきますと、今後の財政推計ということで、令和3年当初予算編成時点の歳入、歳出の構造を継続した場合の推計を資料としてつけています。1が標準財政規模対比の財政調整型基金の残高の推移でして、一番右を見ていただきますと、令和3年度、標準財政規模の1割が214億円ですが、このたび当初予算の編成においても財政調整型基金を取り崩させていただき、残高は218億円ということで、辛うじて徳俵に足をかけてぎりぎり残っているといった状況でございます。これは目標達成に向けてさらなる行財政改革努力を進めていくということであります。
 2、県内総生産(名目)対比の県債残高の推移につきましては、県内総生産の2割を超えないようにするという目標でございます。こちらも表の右側を見ていただきますと、赤い点線と青い点線の2つがございます。青の点線は、国が推計したGDPの成長率と同等と考えたときの起債残高の割合でございます。令和3年度でいきますと、20.2%ということで、2割を少し超える。令和4年度の推計でいきますと、20.5%でございますが、国が示すこの成長率まで成長しないのではないかということで、仮に成長率が半分ということで試算したものが赤い点線でございます。こちらでいきますと、令和3年度が20.7%、令和4年度が21.2%と、いずれにしましても2割を超えていますので、これからさらに行財政改革努力を進めていって、これらを2割以内に収めていく努力を積み重ねていく必要があるという状況でございます。
 一番下、3、プライマリーバランスの関係ですけれども、こちらにつきましては、当初予算編成時、黒字を達成しました。

◎藤縄議長
 次に、令和3年度組織・定数改正案について、説明をお願いします。

●松田行財政改革局長
 資料3をお願いいたします。令和3年度組織・定数改正案について、御説明させていただきます。
 1ページを御覧ください。令和3年度に向けた主な組織案の概要ですが、大きく6つの項目を記載しております。
 まず、1項目でございますが、新型コロナウイルス感染症に立ち向かうための全庁体制の構築でございます。ワクチン接種のプロジェクトを迅速に進めること、そしてまん延防止対策のさらなる推進、また県民生活及び県民経済の安定確保を図るため、新型コロナウイルス感染症対策本部事務局を部並びの組織として設置しまして、この新型コロナウイルス感染症対策業務を一元化して対応していこうというものでございます。あわせて、この事務局に新型コロナウイルス感染症対策総合調整課、新型コロナウイルス感染症対策推進課などを新設するというものでございます。
 2つ目の項目でございます。保健所の機能強化でございます。現在、保健所の機能といたしましては、総合事務所の福祉保健局、そして生活環境局にまたがる形となっておりますけれども、この総合事務所の福祉保健局、生活環境局、地域振興局を再編しまして、保健師や衛生技師等の専門人材を集約した保健所を総合事務所の中の組織として設置しまして、より機動性を高めていこうというものでございます。あわせまして、福祉と地域振興を一体的に展開いたします県民福祉局、そして環境衛生と建築住宅の観点から取組を推進いたします環境建築局を設置しようとするものでございます。
 3つ目の項目でございます。デジタル社会の実現に向けた体制の強化でございます。全庁を挙げてデジタル化を強力に推進していく体制を構築するため、新たにCIO、最高情報責任者を設けるとともに、専門知識を有する外部人材をCIO補佐官ですとかデジタル化推進員として登用するものでございます。その上で、総務部にデジタル戦略監を配置しまして、デジタル社会の実現に向けた部局横断的な施策の総合調整を行う鳥取県Society5.0推進本部事務局長にこのデジタル戦略監を任命するなど、庁内体制を整備するものでございます。あわせて、教育委員会において、ICT活用教育の推進、そして教員のICT活用能力向上を図るために、教育委員会教育センターにGIGAスクール推進課を設置するというものでございます。
 4番目の項目でございます。畜産振興局を設置し家畜防疫対策の強化と鳥取和牛の保護及びさらなる振興でございます。鳥インフルエンザや豚熱等の家畜伝染病に対する防疫対策を強化しますとともに、鳥取県産和牛の保護及び振興に関する条例の制定を契機とした取組をさらに推進していくために、農林水産部に畜産振興局を新設し、また、畜産課に家畜衛生・防疫対策室を設置するというものでございます。あわせて、農業生産1,000億円の達成に向け、農業の高収益化を進めるために、経営支援や農地整備、生産振興を一体で担当する農業振興監を農林水産部に設置しようとするものでございます。
 5番目でございます。脱炭素社会の実現に向けた体制の強化でございます。2050年の温室効果ガス排出実質ゼロの実現に向け、建築物のゼロエネルギー化や県内企業等の再生可能エネルギーの導入促進を図るために、生活環境部に脱炭素社会推進課を設置するというものでございます。
 6つ目の項目でございます。鳥取県産業振興未来ビジョンに基づく新産業創造に向けた推進体制の強化でございます。鳥取県産業振興未来ビジョンに基づき、脱炭素、医療などの分野で新たな産業を切り開いていく県内事業者を支援するために、商工労働部に産業未来創造課を設置しようとするものでございます。
 2ページから8ページに、詳細版を入れておりますので、後ほど御覧いただきたいと思います。
 次に、9ページを御覧いただきたいと思います。令和3年度職員定数改正案の概要でございます。表の一番上の項目でございますが、新型コロナウイルス感染対策の体制をしっかりと確保していくということで、新型コロナウイルス感染症対策本部事務局を18名体制とするということもございまして、業務体制の見直しによる減員等も行いますけれども、トータルとしては、一番下の(1)と(2)の計というところですが、プラス1ということで、1名の増員をさせていただきたいというものでございます。
 その次の10ページ以降に参考資料として、学校関係、警察本部、病院局の定数、それから、11ページからは組織改正の前後における比較等の資料も入れておりますので、後ほど御覧いただきたいと思います。

◎藤縄議長
 ただいままでの説明に対して、御意見、質疑等があればお願いいたします。
 なお、発言される議員は、中央のスタンドマイクまで移動の上、マスク着用のまま御発言いただきますようお願いいたします。

○市谷議員
 御説明ありがとうございました。
 4点お伺いしたいと思います。
 まず1点目は、資料1の2ページの基金の関係です。令和3年度は減債基金を55億円取り崩すということです。令和2年度の40億円は当初に40億円取り崩されたということなのでしょうけれども、その後、出入りがあると思います。令和2年度は最終的に幾ら取り崩して幾ら戻してという辺を説明いただけたらと思います。
 10ページの予算の分析の歳入なのですけれども、御説明にもありましたように、税収が減るということで、特に地方消費税は、全国的にも調整されるものだとは思います。けれども、消費税をなかなか払えないという業者さんが増えていて、税収も減ってくるということで、令和2年度は、消費税については猶予ということで来ているかもしれませんけれども、今度はそれをもう払わなければいけなくなるということです。消費税の税収減に対して補?していかないと大変だなと思っているのです。ほかの税収が減収になったときには、先ほどもちょっとありましたけれども、減収補填債という後年度の交付税で有利な財政措置があるものの対象になっているのですけれども、この消費税は結局減収補填債の対象になるのかどうかというのを確認させてください。そういう財政的な支援は非常に必要だと思っていますので確認させてください。
 組織の関係なのですけれども、資料3、1ページの3のデジタル化社会のところです。これは議会運営委員会でも若干尋ねさせていただいたのですが、新たにCIO、最高情報責任者を置くというもので、これには知事がなられるということはお聞きしました。さらに、CIO補佐官、デジタル化推進員ということで、民間の方を入れられたり、新たに外部から登用するということが書かれています。デジタル化によって住民の皆さんの利便性がよくなるのはいいのですけれども、ただ、民間の専門的な詳しい方に入っていただいたりした際に、個人情報とか、自治体の大事な情報が外部に流出したりするようなことがあってはならないと思います。このデジタル化というのは情報が結構集積されていきますので、外部から人材を入れるということと情報保護の関係ではどのようにきちんとした体制を構築するのかということを確認させてください。
 最後に、2ページの新型コロナウイルスの新たな対策本部の事務局をつくられるということで、本当にいいなとは思います。統轄監がここの事務局長になると書いてあります。これは福祉保健部の所属になって、統轄監が事務局長ですから、福祉保健部のほうの常任委員会に来て御説明いただけるのか。統轄監というのは今まで常任委員会などには御出席しておられないと思います。これは大事な役職ですし、あと福祉だけではなくて、いろんな部署が関わっていますから、議会との関係、常任委員会との関係はどうなるかというのを確認させてください。

●平井知事
 市谷議員から4点お尋ねがございました。
 1点目の財政調整型基金につきましては、これは2月補正で若干戻すということはありますが、ただ、先ほど申しましたように最終的には214億円に対して218億円と、かなりぎりぎりのところでとどめていると、そういう意味での55億円の取崩しではありますが、詳細な数字につきまして、総務部長のほうからお話を申し上げたいと思います。
 また、税収につきまして、消費税につきましても、議会でのいろんな御意見もございましたし、知事会を通じまして、私も要請活動に上がったりしました。最終的にはこれは年末の制度改正の中で減収補填債の対象に加えられることが決定しております。私どもとしてもそれを見込んだ上で予算編成作業をさせていただきました。
 また、デジタル化についてでございますけれども、これは組織の中にこういうポストは設けますが、様々なシステム開発であるとか、Society5.0に向けて、住民の生活利便性向上や産業振興なども含めたグランドデザインを全体として統括していくスーパーバイザーのような形であります。恐らく政府も全地域でこういうCIO体制ということを今後求めてくるのではないかと思いますが、本県としてもそうした体制をつくっておこうということであります。今もアドバイザー等で民間の方がいらっしゃいますけれども、そういう方々になっていただくことを今、想定しているところでございまして、個々の情報に触れる立場ではありません。個人情報保護につきましては、個人情報保護条例もございますし、内部での情報保護に対する規程、また審議会等もございまして、この仕組みの中で運用するものであります。大枠のシステムのつくり方だとか、政策のアイデアをこうした補佐官の中から出していただこうということでございますので、個人情報にはタッチしないことになります。
 最後に、新型コロナでの統轄監の扱いについてでありますが、これは議会のほうの常任委員会の組み方なのだろうと思います。議会の考え方をよくお伺いしながら、遺漏なく御説明できる体制を整えてまいりたいと思います。

●亀井総務部長
 財政調整型基金の出入りにつきまして、補足説明をさせていただきます。
 今年度、令和2年度につきましては、当初予算で40億円の取崩しをさせていただいておりますけれども、その後の補正予算で10億円、10億円ということで、合計で60億円の取崩しの予算とさせていただきました。その後、今回提案しております2月補正予算のほうで30億円の取崩しを取りやめるという形での予算案を提案させていただいておりますので、60億円取り崩して30億円の取崩しをやめさせていただく、そういったことで年度を乗り切るという形の予算としております。

○山口議員
 1年前に引き続き、財政誘導目標についてと、あともう1点、組織。これら2点について質問させていただきます。
 要は、財政誘導目標というのは財政健全化のためのすごく大事な手法ではあるものの、この国難、県難においては、思い切った財政出動、予算化も必要だと思います。そこで大事なのがバランス感覚です。知事がお考えになっているいわゆるバランス感覚についてお尋ねしたいと思います。それいかんでは、予算編成において、また今後の補正予算編成においてもバイアス、足かせにならないとも限りません。その上で知事のお考えを聞いておきたいと思います。
 2点目は、資料3、組織・定数改正案の8ページの鳥取県産業振興未来ビジョンについて。知事が御当選されたときに、10年、20年後の鳥取県の礎をつくるという公約をおっしゃられたと思います。そこで、この組織は物すごく有効だと思うのですが、県庁内の組織、人員だけではなく、外部組織との連携強化の必要性もあると思います。その辺のお考えについて。以上2点について、お考えをお聞きしたいと思います。

●平井知事
 山口議員から2点のお尋ねがございました。後段につきましては、総務部長のほうからも詳細を御説明申し上げたいと思います。
 この財政誘導目標は、実は私の前の県政時代にはなかった考え方でありまして、財政健全化というものは、私自身はやはり県民との約束として、一定の指標、具体的指標を示して、それを達成することを目指すことで制御していこうというふうに考えたところでございます。それをこれまで守ってきておりましたけれども、前の任期と今回の皆さんと共有している任期との間では若干考え方を変えております。前の任期のときには災害が大分増えてきました。例えば中部地震などもございました。ですから県議会からも、財政出動等が可能な範囲ということもあり、硬直的ではないやり方ができないか。それで標準財政規模の一定割合とかGDPに対する割合というような指標を導入しまして、言わば身の丈、経済の規模に応じたという形を取らせていただくようにしております。本来この中に一定の調整弁は入ってくるはずであろうかと思いますが、今回も予算編成してみまして、非常にぎりぎりのところで頑張らざるを得なかった状況がありました。ただ、私ども4年間の任期で財政を壊してはいけないとも思っていますので、両方をてんびんに上手にかけながら、バランスを取っていくことが大事だというふうに思っております。単年度で若干はみ出てしまうとか、難しくなりそうであっても、できれば最終年度には帳尻を合わせて、それで次の期へ引き継ぐのが我々のエチケットだと考えておりますので、できる限りそうした方向に持っていきたいと思います。
 ここから先は職人芸でありますけれども、いろいろと事業もやりくりをしたり、財源を調達したりしまして、プライマリーバランスをはじめとした主要指標を何とか維持していきたいと思います。その中で十分達成可能ではないかと今のところは見ておりますが、今後、このコロナ禍の先行きによりましては、財政誘導目標を途中、修正するかもしれません。その場合には、やはり県議会と十分な議論をした上で、新たな節度ある財政運営というものの指標を考える可能性はあろうかと思いますが、県民との間では財政健全化というのは一つの大きな約束事だと思いますので、御理解いただきたいと思います。
 また、民間組織との関係等につきましても、例えば産業振興であるとか環境関係、SDGsなど、やはりそうした一緒になってやるパートナーでございますので、そこの組織的な体制づくりということは意識してまいりたいと考えております。

●亀井総務部長
 では、私のほうから、産業未来創造課の関係につきまして、補足説明をさせていただきます。
 本県はこれまで成長分野ということで、自動車ですとか、医療機器でありますとか、そういった取組を進めてきたわけでありますけれども、こちらのほうでは、事業参入とか産業集積、そういった取組も進んできている状況であります。ただ、政府のほうで2050年のカーボンニ
ュートラルの宣言ですとか、そういった新たな動きがございます。脱炭素ですとか、DXでありますとか、医療の分野でありますとか、そういった新しい産業につきまして、今、新しい産業振興未来ビジョンということで、最初の取りまとめにかかろうとしているところであります。今後、そういった新しい経済成長戦略を着実に目標達成に向けて動かしていく推進役、エンジン、そういったことのために、この新しい産業未来創造課を設置しまして、県庁全体、それから県全体を引っ張っていく役割を果たしていくため、組織改正を行いたいというものであります。

◎藤縄議長
 よろしいですね。
 御意見は尽きたようであります。
 以上で議員全員協議会を閉会いたします。

午前11時08分 閉会


 

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