令和5年度福祉生活病院常任委員会議事録

令和5年6月28日会議録(確定版)

開催概要、資料はこちらです
出席者
(9名)
委員長
副委員長
委員
西村 弥子
河上 定弘
市谷 知子
前田 伸一
興治 英夫
広谷 直樹
島谷 龍司
福田 俊史
内田 博長
欠席者
(なし)


職務のため出席した事務局職員
  藤田課長補佐、田中(慶)課長補佐、田中(秀)係長


1  開会  午前10時00分

2  休憩  午前10時11分 / 午前10時33分 / 午前10時54分 / 午前11時14分

3  再開  午前10時14分 / 午前10時35分 / 午前10時56分 / 午前11時15分

4  閉会  午前11時45分

5  司会  西村委員長

6  会議録署名委員  島谷委員、市谷委員

7  付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり

 

会議の概要

午前10時00分 開会

◎西村委員長
 ただいまから福祉生活病院常任委員会を開会します。
 本日の日程は、お手元のとおりですので、この順に従って議事を進めさせていただきます。
 初めに、会議録署名委員を指名します。
 本日の会議録署名委員は、島谷委員と市谷委員、お願いします。
 それでは、ただいまから本委員会に付託されました議案について審査を行います。
 付託議案は、日程に記載の8議案です。
 これから付託議案に対する質疑を行っていただきますが、委員の皆様におかれましては、簡潔な質問とマイクのスイッチの切替えをお願いします。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いします。(「なし」と呼ぶ者あり)
 質疑がないようですので、付託議案に対する討論を行っていただきます。市谷委員。

○市谷委員
 議案の討論を行います。
 まず、賛成討論です。議案第26号、18歳までの医療費完全無料化の条例です。先般、子育て世代の署名も届けさせていただき、私も何度も求め続け、2月議会では、実施に向け市町村と協議するとの答弁もいただきました。今回、知事や職員の皆さんの熱意ある努力で協議が調い、来年度から実施され、通院1回530円、入院1日1,200円の保護者負担の無料化は、子どもの病気の早期発見、早期治療で育ちを支えます。また、議案第9号、盛土条例も、これも、私も大規模風力発電計画を規制の対象にと求め、今、県条例に盛り込まれていて、このたびの国の法整備に伴う県条例の整理でも、法律にはなくても、引き続き条例で規制をします。これらいずれも県民の安心に応える対応であり、議案第9号、第26号に賛成です。
 次に、議案第5号 県営病院事業会計補正予算は、電子カルテのシステム更新、夜間看護助手の導入は必要であることから、議案第20号、元西部やまと園の周辺土地は地元住民が利用しており、地元南部町が管理できるよう譲渡するのは当然であることから、議案第5号、第20号に賛成です。
 次に、反対討論、議案第2号、鳥取県一般会計補正予算、議案第3号、天神川流域下水道事業会計補正予算、議案第8号、鳥取県都市公園条例の一部改正です。直近5月の鳥取市消費者物価指数は、前年同月比で、19か月連続で上昇です。この物価高騰の苦しみから県民を救う予算になっているのか、また、コロナは5類になりましたが、先週1週間の定点観測では134人の感染、その前1週間の124人から増加です。対策はどうかが問われます。そして、何より今回の補正予算は、事実上、平井県政5期目の基本姿勢を示すものとなります。住民の福祉増進という地方自治の本旨に立った県政となっているかが大きく問われています。
 そうした目で本委員会所管の補正予算を見ると、物価高騰対策では、生活困窮者、私立学校など、また、公衆浴場への支援、コロナ対策では、それを引き継ぐ医師を含めた鳥取県感染症センターの設置、これらは必要な事業だと思います。また、福祉では、孤独・孤立、ひきこもり、医療的ケアを要する重度障がい者、強度行動障がい者、精神障がい者、認知症の方への支援の充実、医療的ケア児の送迎支援、更年期障がいへの初めての支援、中山間地域の医療人材確保のための研究会の立ち上げ、子育てでは、シン・子育て王国を標榜し、産後ケア施設の整備、リトルベビーへの支援、生活環境では、県も関与する犯罪被害者支援の在り方の検討、自然再生サイト保全活動への支援、とっとりUDマップの普及等、こうしたきめ細やかな支援は大きく評価できます。
 同時に、物価高騰の下で負担感が増している医療保険や介護保険の負担軽減策がありません。また、保育人材確保策が組まれていますが、肝腎の保育士の処遇改善や配置基準の改善がありません。こうした福祉・子育て支援の基本となる制度のところで、対策が充実していないということは不十分だと考えます。
 また、カップル倍増プロジェクト事業ですが、結婚といった個人の人生観に関わることに、行政が倍増などといって、言わば数値目標を掲げて関与するのは、産めよ、増やせよといった戦前を思わせる異常さを私は感じます。また、縁ナビさんへの成果報酬制度は、よその自治体で事例があるらしい偽装カップル、そういうゆがみをもたらす危険性があり、この成果報酬制度はやめるべきだと思います。出会いの機会がないと言われますが、行政の仕事は、その原因である異常な長時間労働とか不安定な働き方を改善することです。このカップル倍増事業は賛成できません。
 また、県営住宅上粟島団地建設へのPFI導入は、手続の負担感があると同時に、経費削減も求められ、地元業者の参入を困難にする仕組みであることから、また、上下水道広域化関連の事業は、受益者であり、上下水道の料金の直接の影響を受ける住民にきちんと知らせないまま行政サイドでどんどん進めていることから、また、都市公園パークビジョンは、都市公園内で民間が飲食店やキャンプ場を設置、運営できるようにするPark-PFIが含まれていますが、近隣住民から、迷惑だとか静かにしておいてほしいという声が出ているのに、これを前に進めるというのは、地域住民の憩いの場としての都市公園の機能を阻害することが懸念されるため、反対です。以上の理由から、議案第2号、第3号、第8号に反対です。
 最後に、議案第19号ですが、委託業者が替わるとしても、本来、子ども優先であるべき鳥取砂丘こどもの国のキャンプ場を、もうけを目的に民間に運営を委ねるべきではないと考えています。よって、議案第19号に反対です。

◎西村委員長
 ほかにございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 討論が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
 採決については、反対討論のあった議案とそれ以外の議案とに分けて採決をすることとしてよろしいか、お諮りをします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、本委員会に付託されました議案のうち、議案第2号、議案第3号、議案第8号及び議案第19号について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数です。したがいまして、議案第2号、議案第3号、議案第8号及び議案第19号は、原案のとおり可決すべきものと決定しました。
 次に、本委員会に付託されました議案のうち、議案第5号、議案第9号、議案第20号及び議案第26号について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成全員です。したがいまして、議案第5号、議案第9号、議案第20号及び議案第26号は、原案のとおり可決すべきものと決定しました。
 続いて、請願・陳情の審査を行います。
 今回は新規分の陳情1件の審査を行います。
 それでは、陳情5年生活環境第13号、いわゆるトラベルルールに係る利用者保護について、この審査を行います。
 御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いします。

○市谷委員
 私は採択を主張したいと思います。
 政府も仮想通貨に関する規制を強化するということで、トラベルルールの適用を閣議決定しています。現状、鳥取県では、消費生活相談員が国民生活センター実施の専門研修を受け、相談を受けた場合は、専門相談窓口を紹介しているとのことでした。実際には、鳥取県ではまだそういう相談もないというお話もあったと思いますけれども、いずれにしましても、今後、こういう案件が増えてくることも考えられますので、研修を継続する、充実するということが必要だと思いますし、もっと積極的に、県民にルールや相談窓口をアナウンスすることが必要だと思いますので、陳情の採択を主張します。

◎西村委員長
 ほかにありますでしょうか。

○河上委員
 私は、いわゆるトラベルルールに関する利用保護に関しては、不採択が妥当であると考えています。
 現在、金融庁においては、トラベルルールの適用について、ホームページで周知するとともに、先ほどもありました金融サービス利用者相談室で相談を受け付けているということです。一方、鳥取県におきましては、消費生活相談員が国民生活センターが実施する金融サービスのデジタル化や法整備に関する専門講座などを受講するなど、暗号資産に関する対応能力の向上に努めるとともに、県の相談窓口でトラベルルールに関する相談を受けた場合は、この専門相談窓口等を紹介することとしています。現時点でトラベルルールに関する相談は、県市町村の相談窓口に寄せられておらず、現段階において、消費者トラブル防止のためのアナウンスを議会から執行部に求めることまでは不要と考えます。
 以上のことから、不採択が妥当であると考えます。

◎西村委員長
 ほかにありますでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)よろしいですか。
 それでは、意見が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
 確認します。御意見は、採択、不採択です。
 初めに、採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成少数です。
 次に、不採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数です。したがいまして、陳情5年生活環境第13号については、不採択と決定しました。
 以上で付託案件の審査は終了しました。
 なお、委員長報告の作成、内容については、委員長に一任いただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
 それでは、執行部の入替えを行いますので、暫時休憩をします。

午前10時11分 休憩
午前10時14分 再開

◎西村委員長
 再開します。
 報告事項は、福祉保健部、病院局、子育て・人財局、最後に生活環境部の順で執行部の入替えを行います。
 初めに、福祉保健部について行います。
 執行部の皆様におかれましては、説明は要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いします。
 質疑等については、説明終了後に一括して行います。
 報告1、令和5年度手話パフォーマンス甲子園実行委員会総会の開催結果の報告について、前田障がい福祉課社会参加推進室長の説明を求めます。

●前田障がい福祉課社会参加推進室長
 令和5年度手話パフォーマンス甲子園実行委員会総会の開催結果について御報告します。
 手話言語条例制定10周年及び手話パフォーマンス甲子園の第10回大会を記念する各種イベントをとっとり手話フェスとして実施することについて、甲子園の実行委員会の総会で協議しましたので、その概要を御報告するものです。なお、各種イベントに関する予算は、6月補正予算として議案を上程中でして、予算成立後に正式な準備を開始したいと考えています。総会の開催日は6月22日です。出席者は2に書いてあるとおりですが、会長である平井知事に議長になっていただきまして進めました。
 3番目、まず、とっとり手話フェスなるものについてなのですけれども、条例制定10周年と手話パフォーマンス甲子園10回大会を記念しまして、鳥取から全国に向けて手話言語への理解・普及等を図るとともに、2025年にデフリンピック東京大会が開催されますので、その成功に向けた機運醸成のための各種のイベントをとっとり手話フェスとして、9月16日から24日まで、とりぎん文化会館で実施するものです。
 そして、4、総会の概要ですけれども、これから御説明するイベントの実施について御承認いただいたというものです。
 1つ目ですけれども、鳥取県手話言語条例制定10周年記念のオープニングセレモニーです。条例が制定10周年を迎えることを記念しまして、まず、手話フェスのオープニングのセレモニーとして式典を開催するものです。開催日は、9月16日で、聴覚障がい者団体、そういった方々に御参加いただきたいと考えています。
 2つ目ですけれども、音のない世界の体験会(ダイアログ・イン・サイレンス)です。聞こえない・見えない世界を体験するイベントを実施するダイアログ・ジャパンという団体がありまして、そこを鳥取に招致して実施するイベントでして、ジェスチャーやボディランゲージなど、音声に頼らないコミュニケーション方法について楽しみながら、言葉の壁を越える表現方法の気づきとなる場の体験会を開催するものです。開催日は、一般向けと小学生向けを分けております。一般向けは、9月16日から18日、また、23日、24日をとりぎん文化会館で実施することを考えておりまして、小学生向けについては、9月19日から22日、これは実際に小学校に出向いて実施したいと考えています。3ページ目、その他の体験の催しです。エアカフェ、これは実際に飲食を伴わない、想像力で楽しむカフェなのですけれども、そういったコーナーもやりたいと考えています。
 3つ目ですけれども、とっとり手話フェスLIVE2023です。本物の手話パフォーマンスを体感できる場を提供しまして、お笑いとか音楽とか、そういうものに手話を掛け合わせた様々なパフォーマンスライブを実施するものです。一人でも多くの方々にパフォーマンスに触れていただくよう、入場料は無料としますが、チャリティーライブとして募金を受け付けたいと考えています。開催日は9月17日です。チャリティーライブの趣旨に賛同していただけるパフォーマーの方々に来ていただきたいと考えています。
 4つ目ですけれども、きこえない人・きこえる人が楽しめるアート体験会です。コーダは耳が聞こえないとか、聞こえない親の下で育った子どものことなのですけれども、その方をイラストレーターに招きまして、手話をモチーフにした作品等によるワークショップを実施するものです。開催日は9月16日から17日です。
 5つ目です。デフムービーシアターの上映会ですが、コーダとか聾者をテーマとした映画の上映会を開催するものです。上映作品については、全日本ろうあ連盟が創立70周年を記念して制作した「咲む(えむ)」だとか、あと、アカデミー受賞作品である「コーダ あいのうた」などを考えています。
 あと、参考までに、今年度の甲子園のことについて最後に書いておりますけれども、9月24日に開催したいと考えています。

◎西村委員長
 執行部の説明は以上です。
 これから報告事項に対する質疑を行っていただきますが、委員の皆様におかれましては、簡潔な質問と発言前後のマイクのスイッチの切替えをお願いします。
 それでは、ただいままでの説明について、質疑はありませんか。

○内田(博)委員
 質疑といいますか、実は、前回、障がい者団体の大会に行ったときに、私から少し申し上げたのですけれども、今から先、そういう人たちが手話、日本の手話は2つあるのは分かっているのですが、やはり若い人たちには国際手話を習得していただく方法を考えたほうがいいのではないかと思うのです。特に、小学生、中学生の間にそういうものを体験することによって、グローバルな世界に出ていくには必要ではないかなと思っています。
 国際手話も2通りあるとお聞きしているのですが、フランス系とイギリス系だったかな、その辺り、やはり英語圏がいいのかなとは思っているのですけれども、そういう流れも今後必要ではないかと思うので、一考していただければと私からお願いしておきたいと思います。

◎西村委員長
 何かありますか。

●前田障がい福祉課社会参加推進室長
 国際手話については、これから、2025年にデフリンピックが開催されまして、そこでいろんな海外の方々、聾の方々が来られますので、国際手話ができる方々の確保が急務だということで、全日本ろうあ連盟とかも、これから頑張って育成していきたいと考えておりまして、我々も協力できることがあればやっていきたいと。今、実際には研修とかをやったりされているのですけれども、そういったところに参加される方の支援といいましょうか、そういった取組は実際にあるところです。
 国際手話の需要性ということもありますので、全ろう連等とも話をしながら、どういったことを進めていくのか話し合っていきたいと思います。

○福田委員
 一つ聞かせてください。手話言語条例が10周年になるということなので、鳥取県は大先進地ですけれども、この10年間で、例えば県内の高校生とかが、10年前と比べて、10年たって、どれぐらい各高校で手話の取組が進んだのかとか、あと、県内各地で、他県に比べるとすごく手話教室が広がっているとか、そういう目に見えての普及とか発展とかみたいなものはあったのですか。

●前田障がい福祉課社会参加推進室長
 まず、高校生については、例えば、今でも岩美高校とかで、実際手話に関する授業とか取組を入れたりしてやったりしておりますし、あと、昨年度から小学校で始まった取組なのですけれども、手話チャレというちょっとした手話検定をやって、楽しく手話を学んでいこうということが、今、広がったりしておりますので、実際、学校現場で手話を学ぶ取組はいろいろと始まったりしているところです。
 あと、手話の講座についても毎年やっておりまして、すみません、今、この場では詳しい参加人数は把握はしてないのですけれども、学びたいとか、興味を持つ方々は着実に増えていると考えています。

◎西村委員長
 ほかにありますでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 では、次に、その他ですが、福祉保健部に関して、執行部、委員の方で、何かございませんか。

○市谷委員
 予算要望の際にも書かせていただいていたのですけれども、知的障がいのある方に出る療育手帳のことです。この療育手帳って、知能指数が一定の基準以下でないとこの手帳が出ないのですが、発達障がいがある方で、知能指数のところでは高いんだけれども、いろいろ社会的に適応が困難な場合というのは、療育手帳が出ないのかと。よその自治体では出しているところもあるように聞きまして、それで、鳥取県としては、要望の回答で、そういう社会的な適応にいろいろ困難がある場合には、それも加味して療育手帳を出しているというお話だったのですけれども、それはそういうことなのですか。少し確認したくてなのですけれども、いいでしょうか。

●中西福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
 基本的に、療育手帳というのは、知的に発達の遅れがある方が対象ということになっています。ほかにもいろいろな手帳があって、精神保健福祉手帳とか、あと身体障がい者の手帳とかあるのですけれども、そういったものは法律で規定されている。けれども、療育手帳は国の通知で決まっているものでして、ある程度のライフライン的な共通の基準みたいなものはあるのですが、細部については自治体が考えていいことになっています。かなり国のラインを取っているところというのが多いのですけれども、自治体によっては少し違うラインを取っているところがあります。基本的に鳥取県は国のラインにかなり近いところでやっています。
 知的に遅れがある方ということですので、基本的には知能指数が70というのが一つ基準になっていまして、70よりも低い方は療育手帳の対象となるということで、そこは一つ区切りとしてあるのですけれども、鳥取県の場合は、さらにプラス5、75までの方についても、総合的に判断して、必要のある方は療育手帳を出しています。75までの方で、発達障がいがあって、総合的に見て少し生活に困難があるという方には実際出している例がある。一定の基準よりも知能指数が高いのだけれども、発達障がいを加味して出している例があるということは事実です。

○市谷委員
 私は相談を受けて、こういう要望を出させていただいたのですけれども、なかなかそういう運用しているということを知らないということがあって、その方が対象になるかどうかは分からないのですが、よかったら何か知らせていただけるといいかなと。それで、精神の手帳がいろいろ支援策が薄いものですから、やはり療育手帳があると、いろんな支援策も受けられることで、社会的な困難を克服というか乗り越えていけるというのがあって、やはり療育手帳が欲しいという要望なのではないかなと思いますので、よかったらその運用のお知らせをしていただけないでしょうか。

●中西福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
 ありがとうございます。発達障がいの場合は、知的に遅れのある方もいらっしゃいますけれども、そうでない、本当に普通の知能指数の方、また、一般よりもいい方もいらっしゃったりして、そういった方は、先ほど75までは対象になる可能性もあると言いましたけれども、例えば100あったら、鳥取県では知的、療育手帳の対象にはしておりません。その方がどこまでの知能指数の方とかにもよると思うのですけれども、そういう実態はあります。ただ、発達障がいがあって、知能指数が高い方で、やはり生活の困難が一定のレベルの方は、精神保健福祉手帳は交付できるようになっておりますので、そちらで対応はできるのかなと思っています。
 あと、精神保健福祉手帳と療育手帳とで支援の差があるというのはありますが、これは、どちらかというと、交通事業者とか、そちらの話かなと思っていまして、それは県で今までもずっと要望してきますし、これからもしていきたいと思っています。

○市谷委員
 そういう運用をいろいろ緩和して対応しているということを個人にではなくて、皆さんにお知らせしていただくのはどうですかね。

●中西福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
 今でもホームページとかで出ているとは思いますけれども、分かりづらいところにあるかもしれませんので、それは考えてみたいと思います。

◎西村委員長
 ほかに。

○興治委員
 福祉保健部でいいかなと思うのですけれども、県民の方からの話で、今年の夏は暑いことが予想されると思うのです。電気代が上がっているので、高齢者世帯とか、あるいは高齢者の独り暮らしの方などで、なるべくエアコンの使用を控えるというような方が実際にいらっしゃるのですね。それで、屋内にいても熱中症にかかる可能性も高くなってきているのではないかということで、エアコンの適正な使用であるとか、その他、必要なことをより一層アナウンスをする必要があるのではないかということなのです。
 それで、ぜひその辺、検討していただいて、早くしないといけないと思うので、より一層アナウンスをやっていただいたらいいのではないかと思うのですけれども、どうでしょうか。

●中西福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
 熱中症の関係、福祉保健部も大きく関わっていますけれども、ほかの部にもまたがる課題ですので、統轄監がトップになって、熱中症の対策をやっています。たしか7月中にも、早ければ5月のゴールデンウイークの頃でも30度を超える日があるかなという予想がありましたので、7月の終わりぐらいにも対策会議を開いて、早めにアピールをしていこうと言っています。熱中症で重症になられたりする方というのは、よくあるのは高齢者が田んぼや畑を見に行って、暑いのに、そこであまり水分も取らずに農作業をされたりですとか、あと、ハウスの中で作業をされたりして熱中症になったりする例が多いのですけれども、そういったことは、やはり暑い時期は避けましょうとか、ちゃんと水分を取りましょうとか、そういった基本的なことはお知らせをしています。
 あと、外の気温が高いときに作業するというのもありますけれども、やはりおっしゃられたとおりで、意外と屋内で暑い中で暮らしておられて、気がついたら熱中症になられていたという方もおられます。そういった場合もありますので、適切なエアコンの使用というのは今までも呼びかけてはおりますけれども、結構、高齢者の方というのが、暑いというのをあまり感じられなかったりする場合もありまして、どうお知らせをしていくのか難しいところもありますが、考えていきたいと思います。今でもお知らせはさせていただきます。ちゃんときっちりと全部まで隅々行き届いているどうかというのはありますけれども、力を入れていかなきゃいけないと思っています。

○興治委員
 よろしくお願いします。

◎西村委員長
 ほかにありますでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 意見が尽きたようですので、福祉保健部については以上で終わります。
 執行部入替えのため、暫時休憩します。再開は入替え次第行います。

午前10時33分 休憩
午前10時35分 再開

◎西村委員長
 再開します。
 引き続き病院局について行います。
 執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いします。
 質疑等については、説明終了後に一括して行います。
 報告2、令和4年度県営病院事業の経営状況について、竹内病院局長兼総務課長の説明を求めます。

●竹内病院局長兼総務課長
 病院局の資料の2ページ目をお願いします。令和4年度の県営病院事業の経営状況がまとまりましたので、御報告させていただくものです。
 資料の中、1、総括として、説明を書かせていただいておりますけれども、詳細については下の表を用いて説明をさせていただきたいと思います。
 まず、医業収益のところ、入院収益です。中央病院の患者数等ですけれども、中央病院については1万人の減、それから、厚生病院については同じく約4,000人弱の減です。中央病院については、平均在院日数が12日から11日台に減ったことによるものが大きいと思っています。それから、厚生病院については、平均在院日数は若干伸びてございますので、この4,000人弱の減については、ほぼ新規の入院の患者数が減ったのかなと考えています。この辺の要因については、まだ今の段階では分析ができておりません。また、両病院において、昨年度、コロナの第七波、八波ということがあり、新規入院の受入れの制限等もございました。若干その影響もあるのかもしれないとは考えているところです。
 外来収益についてです。患者数は、中央病院、厚生病院とも伸びが大きくなっています。単価については、ほぼ横並びです。
 先ほど、入院のところで単価の説明を忘れていました。失礼しました。中央病院については約6,000円ほど伸びています。こちらは、令和4年度に診療報酬の改定がございました。それに伴いまして、新規加算の取得、あるいは手術の件数が伸びていますので、それの影響が大きかったのかなと思っています。それから、厚生病院についても4,400円ほど伸びています。こちらも診療報酬の改定に伴う加算の取得、あるいは厚生病院については、単価の高い手術が多くなったのかなと考えているところです。
 その結果ですけれども、医業収益全体としまして、中央病院では約2億3,000万円余の増、厚生病院については1億9,000万円余の増となっています。
 続いて、医業費用です。給与費が、中央病院では約3億円弱、それから、厚生病院については2億円弱の伸びとなっています。こちらはコロナの対応に伴いまして、時間外の増、あるいは勤務手当の増といったところがかなり影響していると考えています。
 医業費用の下の経費その他の欄ですけれども、中央病院が2億3,000万円の増、厚生病院については1億1,000万円余の増です。こちらは光熱水費が主な要因でして、電気代の高騰がかなり影響しています。中央病院については約1億円の増、厚生病院については約5,000万円の増という状況です。
 その結果ですけれども、医業費用として、中央病院は4億8,000万円余、それから、厚生病院については3億4,000万円余という医業費用の増という結果になっています。
 医業収益、医業費用を足し引きした結果が、その下、医業損益ですけれども、中央病院については昨年度よりも約2億5,000万円余、厚生病院については1億5,000万円余の赤字が膨らんだという結果になっています。
 その下、医業外収益ですけれども、医業外収益の一番下、補助金その他の欄です。中央病院については1億3,000万円ほど増えていますし、厚生病院については4億8,000万円ほど減っているということですが、主な要因は、コロナの空床補償の影響です。中央病院についてはコロナの空床補償が約1億1,000万円、それから、厚生病院については約4億円ほど減っている影響が出ています。
 その結果、医業外収益と費用を加えました経常損益の欄ですけれども、中央病院については5億3,000万円、それから、厚生病院については9億円の黒字を計上させていただいたところです。
 最終的な特別利益、特別損失についての当該年度の純損益ですけれども、表の一番下、中央病院が6億1,000万円余、それから、厚生病院が8億9,000万円余の黒字という結果になりました。
 表の下に、累積欠損金、それから、現金・預金残高等を記載していますが、こちらは御覧いただければと思います。
 2の今後の経営の見通しです。令和4年度の決算状況を踏まえて、加算の取得、あるいは手術の件数、単価の増というところもありまして、診療単価は大きく伸びており、事業収益は増加している傾向にあります。一方で、費用については、電気代をはじめとする光熱水費の高止まり、それから、人件費の上昇圧力等もありますので、引き続き費用が増えてくると、そんな傾向が続くだろうと思います。
 結果として、病院の経営というのは、どうしても収益は国が定める単価ということで決まってきますので、それが変わらない限りは、独自で経営努力というところは難しい部分があったりして、なかなかはっきりとは言えませんけれども、赤字傾向といいますか、費用が伸びる傾向は引き続き続く状況になるかと思いますので、この辺は今後の動向を見ながら、引き続き経営について努力していく必要があると思っています。
 また、新型コロナの感染症が今年度5類に移行しました。この疾病を取り巻く状況が今後どう影響があるのか、どういう医療の提供が必要になるのか、あるいは必要なくなるのかといったところは全く見通しができませんけれども、県立病院としましては、感染症対策というのは必須の課題ですので、必要に応じた対応が取れるよう経営努力をしながら、引き続き県民の皆様に安心安全な医療を提供できるよう努力してまいりたいと考えているところです。

◎西村委員長
 執行部の説明は以上です。
 それでは、ただいままでの説明について、質疑等はありませんか。

○広谷委員
 経営状況の説明があった中で、医業損益は赤字が増えている中で、医業外収益で何とか黒字になったということですけれども、その中でも、この厚生病院の医業外収益の中の補助金その他の項で、空床補償の補助金が前年よりかなり減っている。中央病院は増えたけれども、厚生病院が減ったというのは、これは何らかの原因があるのですか、まず、そこの辺りから。

●竹内病院局長兼総務課長
 空床補償ですので、仮に患者さんがたくさん入れば、その分、補助金が減ることになっています。変な言い方ですけれども、患者さんが全く入らなければ、その分、補助金が増えてくるという、そういう理屈になってございます。
 厚生病院については、中部の感染症の患者さんのほとんどを引き受けてございます。そうすると、補助金がどうしても減ってくることになっています。その仕組みがあることを御理解いただければと思います。

○広谷委員
 もう1点。令和4年度までの収支決算だけれども、今年度、やはりその空床補償の関係も含めて、やはり経営的に厳しくなるのかなと思ったりするのですが、その辺り、医業外の収益についてもどう予測しておられるのですか。

●竹内病院局長兼総務課長
 このたびコロナの5類化に伴いまして、空床補償のいわゆる補償単価が約半減されました。例えば一般病床でいきますと7万1,000円が3万6,000円ぐらいに約半減にされたということです。
 昨年度、一昨年度は、コロナの空床補償の対象期間が年度1年間いっぱいでしたけれども、今年度、令和5年度については、9月末までの約半年間になります。なので、単純にいきますと、単価が半分になって、補償期間が半分になるということで、単純に算数でいきますと、4分の1の格好になっています。
 そうしますと、先ほど委員から御指摘がございましたが、空床補償の分で黒字を確保した部分がかなりなくなりますので、経営的にはかなり厳しい状況が続くだろうと見込んでいるところです。

○内田(博)委員
 病院経営、大変厳しいのは分かっています。ざっとこの数字を見て、医業費用で、人件費がこの程度なら、まあ、いいのではないかなという気がしているのです、人件費が費用のうちの半分ですよね。大体これが60になったらアウトかなというような気がしているのです、50パー前後であれば、大体いけるのではないか。それで、医業外で何とか出していって、安定経営をしてもらえばいいのかなという具合に。
 問題は、累積のところを、計画的に落としていかないと、ここは一番厄介になってくると思っています。中央病院の場合は、建物の償却を今からしなきゃならないから、40年でやるのか、25年では無理でしょ。だから、その辺りも検討しながら、健全経営に持っていっていただければありがたいなと思っています。

◎西村委員長
 ほかに。

○市谷委員
 入院の収益のところですけれども、私はいいとあまり思っていなかったのですが、病院の在院日数を県立病院は減らしていこうと。そうしないと、どんどん報酬が減っていくというので、何か減らして収益を、何というか、保つみたいなところがあったように思っていて、それはあまりいいことだと思っていないのですけれども。ただ、今回、在院日数が長くなったということではなくて、短くなった、そこら辺、もう少し教えてください。

●竹内病院局長兼総務課長
 在院日数については、中央病院が12日が11日に短くなってございます。厚生病院は、逆に12.2日が12.6日ということで伸びてございます。
 先ほど委員から御指摘のありました在院日数が短くなることによって、経営がよくなる、それはあまり好ましくないのではないかという発言がございましたけれども、今のDPC制度は、包括部分、それについては、そういう仕組みになっています。一定程度、濃密な医療を提供することによって、診療報酬は高く、濃密な医療を提供することによって、在院日数が短く、そのことによって、患者さんは早く退院ができるという効果があるものです。そのため、一概に短くなったからといって、患者様に不利益があるかということではなくて、患者さんによっては、早く退院して、早く現場に復帰できるという利点がありますので、その辺の評価は一定程度あるのかなとは思っています。

○市谷委員
 新規入院の加算というのは、収益がたくさん入る制度としてできていて、だから、それを継続させていくのが必要なのかなと思ったのですけれども、そのことについての御意見を伺いたいです。あと、包括報酬の制度でやっているので、どうしても在院日数を短くしてということで、早く復帰というお話もあったのですけれども、復帰できる状況であればいいのですが、今度は、では、中央病院から別の病院に転院をして受け入れてもらわないといけないというようなことになってくるので、そこら辺が、県立病院から早く出ていきなさいみたいなことで、非常に何ていうか、受けるほうも、そんなことを言われたって、受けられるのかとかいうことも出てくる。報酬上のことでいったら、在院日数が短いほうがいいし、包括報酬制度だとそうなっちゃうというお話もあったのですけれども、その方のやはり治療の実態に応じて、入退院というのは考えたり、後方病院がきちんと受けられるのかとかいうことの連携をきちんとしていかないと、報酬のお金のことで早く病院から出ていってくださいみたいな対応はしてはならないと思うのですが、その辺の対応について、もう1回、お話を聞かせてください。

●竹内病院局長兼総務課長
 診療報酬の新規の加算の部分ですけれども、こちらは、今年度に、来年度の診療報酬改定に向けていろんな協議が国においてなされると思います。恐らく方向性としては、高度急性期の病院の手厚い評価というのが最近の流れですので、そういったことも考えれば、中央病院なりに有利な加算にはなってくるのかなとは考えていますけれども、いかんせん、これは蓋を開けてみないと分からないということがありますので、国の検討状況を把握しつつ、新しい加算というか報酬の取得に向けて体制が取れるかどうかもよく考えていきながら、できるだけ経営強化に向けた取組は進めていきたいと考えています。
 報酬で、早く退院するのはいいのだけれども、どういうのでしょう、受入れ機関とか、患者さんの早く退院してくださいよという運用がなされるのはいかがかということですが、基本、入院された患者さんに対しては、入院時の治療の計画をお示しして、この疾病であれば、例えば1週間なら1週間の入院期間で、こういう治療をして、こういう状況になる、こうなれば退院ですというのをお示しすることになります。
 したがいまして、それは標準的なものですので、それよりも早く治る患者さんもいらっしゃれば、それ以上かかる患者さんもいらっしゃるので、その辺は患者さんの病態を見ながら判断していくことになろうかと思っています。
 加えて、退院される場合の転院先の確保とか、その受入れについてということでございましたけれども、こちらは、地域包括ケアの仕組みをまさに国がつくろうとされておりまして、今、中央病院が高度急性期で一番上にいるのですが、それを支えていただく後方病院、後方支援病院が必要ということは、中央病院なりも重々理解しております。その辺は、どういうのでしょう、県なり、それから病院長会議なり、それから病院等を訪問して、受入れに支障がないように病病連携を図っていく、必要に応じて取組を強化していく、そういった仕組みというか動きが必要になると考えています。
 あと、経営上、すぐ退院してもらうのはいかがという話もございましたけれども、こちらは、先ほど言いましたように、入院計画に沿って、治っていれば、当然退院していただくことになりますし、治っていなければ、若干長い入院は必要になるのだろうと思いますので、患者さんの病態に応じて考えていきます。

◎西村委員長
 ほかにありますでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 次に、その他ですが、病院局に関して、執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 では、意見が尽きたようですので、病院局については以上で終わります。
 執行部入替えのため暫時休憩をします。再開は入替え次第行います。

午前10時54分 休憩
午前10時56分 再開

◎西村委員長
 再開します。
 引き続き子育て・人財局について行います。
 執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いします。
 質疑等については、説明終了後に一括して行います。
 報告3、自立援助ホームの利用者に対する職員からの心理的虐待事案の発生について、西村家庭支援課児童養護・DV室長の説明を求めます。

●西村家庭支援課児童養護・DV室長
 鳥取市内の自立援助ホームの職員が、利用者に対し、指導の一環として行った対応の中で、心理的虐待に該当することが確認されましたので、その概要と対応状況について報告します。報告に当たり、調査に時間を要したことや、心理的虐待を受けた利用者の方への調査結果の説明等々の調整に時間を要しまして、報告が遅れてしまったことをおわび申し上げます。大変申し訳ございません。
 事案の説明をします。事案発生日は、令和3年7月から9月の間で、このホーム内で起こりました。具体の発生日までは特定できませんでした。発覚の経緯は、昨年10月に福祉相談センターに対し、関係者から、過去のことではあるが、職員が利用者に対して、ホームから出ていけといったような場面を見たという連絡があり、調査を開始して、今回の事実を確認しました。今回、心理的虐待を行ったのは、30代の男性職員です。
 内容については、資料でいえば、2のところにあるのですけれども、ルールを守れない状況にありました利用者への指導場面において、利用者がホームを出ていくといった、指導に従わない状況がありまして、そのやり取りの中で職員が感情的になってしまい、ほかの職員に、この利用者の布団を玄関先まで持ってこさせて、この布団を持ってホームを出ていきなさいといったような言動を行ってしまいました。この対応について、利用者にとってみればホームからの追い出しと捉えかねず、ここの場面については、指導の範疇を超えた心理的虐待に該当すると判断をしました。
 この職員もこの場面は覚えており、このような対応があったことは認めています。このときは、確かに感情的になってしまった結果、行き過ぎた言動を行ってしまったと、このときの場面を反省しています。
 3番です。今回、関係者からの連絡があった内容について、日頃から、この職員の利用者への対応が厳し過ぎるのではないかといった内容もありました。今回、心理的虐待と認定した言動以外にも不適切な対応がなかったか、過去から現在に至るまで調査しまして、今回、心理的虐待と認定した言動以外に不適切な対応はなかったとことを併せて確認しています。
 この職員は、ホーム内で利用者への指導の中心的役割を担っていたこともあり、利用者にとっては厳しい対応と感じられるような場面があることは伺いましたが、ほかには指導の範疇を超えた不適切な対応はなかったと、調査の結果、確認をしています。
 資料3ページ目の4番です。社会福祉審議会児童福祉専門分科会にもこの事案を報告しています。専門分科会からは何点か意見をいただいておりまして、やはり今回の対応は感情的になり、厳しい言動になり過ぎている。利用者の方々はいろんな背景がありますので、正しいことを真正面から突きつけるばかりの指導では、利用者にとっては合わないところもあるのではないか。指導的立場の職員ばかりが初めから指導せずに、担当職員の指導を優先させる対応を考えてみてはどうか。児童相談所と自立援助ホームとの間でも、利用者に関する課題の共有を深めていく必要があるのではないかといった意見をいただいています。
 今回、この事案がホームで発生した要因としましては、やはり利用者さんとのやり取りの中で感情的になってしまい、それが抑えられなかったこと。あと、この職員に、ホームでは指導役が集中し過ぎていたこと。その影響もあって、同僚の職員も、この職員がホームの中心であるがゆえに、頼り過ぎたり、意見しづらい状況があったのではないかと考えています。
 6番の再発防止についてです。この件を踏まえて、このホームの運営主体である社会福祉法人も、この事案を真摯に受け止め、ホームと一緒になり、再発防止策に既に取り組んでいます。この法人が運営する同種の施設等も含めて、虐待防止やコンプライアンスに関する月1回の研修実施を既に4月から開始しています。また、利用者支援に当たっては、特定の職員の力量に頼らないチーム支援の強化を図るために、外部からの助言者の活用等々を行っています。また、法人本部も、このホームとの定例会をこれまで月1回だったのを月2回に増やし、風通しのよい組織づくりにも努めています。
 この事案発生を受けて、このホームについては、これまで受けていなかった施設運営に関する第三者評価も今回初めて受審する予定としています。
 児童相談所におきましても、自立援助ホームと共同して再発防止に取り組みます。利用者との権利擁護面接の実施やこのホームと児童相談所との定期的な連絡会を実施して、施設の状況把握や運営上の課題を共有します。
 実は、これまで児童養護施設等のほかの施設種別等はこういった取組はしていたのですけれども、自立援助ホームは、児童養護施設等と少し利用形態が違うということもありまして、このような取組をしていなかったので、今回の事案発生を受けて、同種の施設と同じような対応をして、しっかりと再発防止に努めていきます。

◎西村委員長
 執行部の説明は以上です。
 それでは、ただいまの説明について、質疑等はありませんでしょうか。

○市谷委員
 報告の冒頭にもあったのですけれども、報告が遅いというのは、発覚したのが去年の10月で、議会にもなのですけれども、社会福祉審議会も今年の3月に初めて報告ということで、この社会福祉審議会が非常に形骸化させられてないかとすごく思っているのですが、何で報告が遅くなっているのですか。

●西村家庭支援課児童養護・DV室長
 連絡を受けたのが昨年の10月でした。調査結果がまとまったのが3月の頭ぐらいで、調査に時間を要したというのが一番の理由です。
 調査に時間を要した理由としましては、今回、過去の事案であったというようなことと、連絡をいただいた関係者からの連絡の内容がいろいろ多岐にわたっておりまして、今回、心理的虐待と認定した言動以外にも、説明をしたとおり、利用者への日々の対応が厳しいのではないかといったような、そういった総論的な連絡の仕方になっておりまして、1個1個の聞き取りだとか事実確認に時間を要したというのが大きな理由です。調査がまとまって、速やかに審議会には報告させてもらったという経過です。

○市谷委員
 現場では正そうということで対応されているのかもしれないのですけれども、調査がまとまってからということになると、やはりこう時間が経過していって、物によっては命に関わることになったりがあるので、調査が終わってから報告という在り方は改善されるべきではないかなと。まずは事案の発生について共有をする、その上で、いろいろどうしてこうなったかということの当然振り返りとか調査とか要るのだと思うのですけれども、そうしないと、時間が過ぎていくことのリスクを非常に危惧するのです。そういう改善を図っていただけないかなと思うのですけれども。

●西村家庭支援課児童養護・DV室長
 今の委員の意見も踏まえながら、今後の対応は考えさせてもらいたいと思います。

○市谷委員
 私も認識不足な点があるのですけれども、自立援助ホームといったら、児相などの、措置に基づく対応になるのですか。

●西村家庭支援課児童養護・DV室長
 自立援助ホームは、措置制度ではなくて、利用決定といいますか、利用契約的な位置づけの施設になっています。児童養護施設等の措置制度に基づく施設は、児童相談所の行政処分として入所の決定をしますという扱いなのですが、自立援助ホームは、児童相談所が利用の決定を出すのは変わらないのですけれども、利用の決定が行政処分ではなくて、利用を許可しますといった形態の制度になっていまして、そこが少し違うところですし、自立援助ホームは、おおむね18歳から20歳ぐらいの年齢層の利用者さんが利用をされる施設になっています。多くは、児童養護施設等を退所されて、地域に出ていくのだけれども、経済的な面であるだとか、自立度等々のことで、もう少しまだ支援が必要だという方々が利用されるパターンが今多くて、そういった措置制度とは異なる形で運営されている施設です。

○市谷委員
 措置、そういう行政処分の対象外になっていることになると、なかなか手が行き届きにくくなってしまったりするかなと思うのですけれども。ただ、今、本当にこの児童養護の世界で、いろんな困難を抱えていたり、様々な障がいを持ってくる子どもさんがあったりして、対応が非常に難しくなっていて、それは年齢が18歳、20歳になったからといって、そう単純にスムーズにいくものでもなく、より社会と近づけば近づくほど、またいろんな困難が出てくるということもある。措置とか行政処分の対象外なんだけれども、自立援助ホームも含めて、やはりこの児童養護に関わるところの施設とか職員さんの対応についてはもっと研修をしたりとか、自覚を持って改善を図っていくことをもっと行政サイドから強く進めていかないと、また繰り返されて出てきてしまうのではないかと危惧するのですが、その辺はどうですかね。

●西村家庭支援課児童養護・DV室長
 御指摘のとおり、措置制度であれ、利用形態の施設であれ、利用者さんは、いろんな背景を抱えていて、いろんな課題がある利用者さんがやはり多いです。今は、措置制度であれ、そういう制度でなくても、基本的に児童相談所は関与しますので、現在も自立援助ホームに利用している子どもさんに対して、一旦、利用決定したら児童相談所は全く関与しないではなくて、児童養護施設等に入所している子どもたちと基本的には同じような対応をしています。ただ、施設と児童相談所みたいな、組織同士で一緒に課題を検討するというようなところが、措置制度で利用されている施設と比べて、やや弱かったというのが今回感じるところがございましたので、そういった利用形態云々にかかわらず、こういった社会的擁護が必要な子どもさんたちが生活する場所でのバックアップ体制と同等のレベルでやっていこうということで、児童相談所と援助ホームで共同する再発防止策としては、そういったところを今回始めさせてもらおうと、今予定しているところです。

◎西村委員長
 ほかにありますでしょうか。
 私から1点よろしいでしょうか。この件に関連してです。こうした児童養護施設やホームで働く職員さんの研修というのは、これからどんどん強化していくというお話だったのですが、やはりこうしたところで働く方々のメンタル的なストレスたるや、非常に、なかなかこう、その場で同じように物を言ったりすることができないということで、かなりたまってしまうと思うのですけれども、そういったメンタルケア、セラピーといいますか、どのようになっているのでしょうか。

●西村家庭支援課児童養護・DV室長
 御指摘のとおり、施設現場の職員とか、児童相談所の職員もそうですけれども、相当メンタルケアについてはやはり重要な要素であると思っています。
 今現在でいうと、各施設において、そういった職員に対するメンタルケアは、これは児童相談所も含めてですけれども、各施設ごとで取り組まれているところではあります。ただ、メンタルヘルスに特化した、例えば県が主催する研修とかで、職員のメンタルヘルスに特化した研修というのは、今までやってございません。今回の件があったからというわけではないのですが、施設向けの県が主催する研修が年に何回かありますので、そういった要素の研修内容というのも、少し入れていかなきゃいけないのかなと実は感じているところではあります。
 そういったことはやはり施設現場もよく実感されておりまして、ここ2~3年は、コロナの関係もあったりして、施設同士の交流というのがなかなかできづらい状況でございましたが、そういったこともだんだんとできる環境になってきています。かつてはそういったことも結構活発にやられていたところもありましたので、今年度は、そこを年間計画で、具体的に言うと、児童養護施設協議会が音頭を取って、こういった同種の施設との、特に若い職員さんたちとの交流とかも交えながら、その中で、先ほど私が申したような研修などもやっていくことも予定しています。

◎西村委員長
 この児童養護以外の、例えば障がい者であるとか、いろんな福祉関係で働く方々に共通することかもしれませんけれども、やはりいろんなストレスを抱えて、人手不足の中、特に若い方というのは、今、離職が多いと思いますし、体系的にそうした取組というのをまた進めていっていただければと思いましたものですから、また、今後ともよろしくお願いします。
 ほかにございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 意見が尽きたようですので、子育て・人財局については以上で終わります。
 執行部入替えのため、暫時休憩します。再開は入替え次第行います。

午前11時14分 休憩
午前11時15分 再開

◎西村委員長
 再開します。
 引き続き生活環境部について行います。
 執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いします。
 質疑等については、説明終了後に一括して行います。
 報告4、鳥取県環境影響評価審査会の開催状況について、朝倉生活環境部次長兼環境立県推進課長の説明を求めます。

●朝倉生活環境部次長兼環境立県推進課長
 生活環境部資料の2ページをお願いします。鳥取県環境影響評価審査会の開催状況です。
 JR東日本エネルギー開発株式会社が計画する風力発電事業に係る方法書手続及び鳥取県東部広域行政管理組合、可燃物処理施設の工事完了後の事後調査報告に関して審査会を開催しましたので、その概要を報告します。
 1に示しております風力発電事業については、5月19日の常任委員会で事業の概要と第1回の審査会結果について報告しています。今回、第2回の審査会を6月19日に開催し、第1回審査会で出された意見及び事業者に提出された住民意見等に対して、事業者見解の説明が行われました。
 2ページの枠内に主な内容を記載していますが、現在、建設中の山陰自動車道に対する影響を考慮して設置位置の選定を行うこととの意見に対して、道路管理者と協議しながら設置位置を検討していく。町が設置している既存風車におけるバードストライク等の現状を把握することとの意見に対して、鳥類の行動を考慮して調査地点を選定するとともに、バードストライク発生状況の確認について、町と協議しながら検討する。風車からの落雪、落氷対策はどうなっているかとの意見に対して、既存の風車での発生状況を確認の上、必要な措置を講じていくといった見解が示されました。
 これら報告に対して、委員の皆様からは、風車騒音の評価においては、既存風車及び山陰道建設工事の影響を考慮して調査を行うとともに、適切な手法を用いて予測・評価を行うこと。海岸部近くに風車が建設された場合は基礎等の工作物により海浜に影響が生じるため、風車の設置位置は沿岸漂砂、砂浜の変形に関しても考慮することといった御意見がございました。
 今回の審査会で出された意見及び委員の皆様から会議後に出された意見等を取りまとめの上、次回審査会で事業者から回答をいただき、追加の審査を行うこととしています。
 続きまして、3ページ、東部広域可燃物処理施設整備事業に係る事後調査報告です。
 可燃物処理施設、リンピアいなばは、鳥取県東部1市4町の可燃ごみを処理する焼却施設として、鳥取市河原町山手に建設されたものであり、平成29年12月に工事が始まり、本年3月に竣工、4月から本格稼働しています。本事業については、予測・評価に係る審査、手続は既に終了しており、このたび、工事期間中の環境影響に係る事後調査報告書が提出されたものです。6月26日の審査会では、事業者から、土地造成、建設工事、工事車両の走行等に係る環境保全措置の実施状況と効果について報告がございました。
 3ページ、枠内に示しておりますとおり、大気質、騒音、水質等に対する影響については、評価書の予測結果を下回るもので、環境保全措置による回避・低減が図られている。動植物に対する保全措置の効果は、一部で移植後活着していない植物種などはあるが、植樹等を行う計画であり、現在もモニタリング中である。事業区域周辺で行った調査で新たにミズマツバ群落が発見されるなど、実行可能な範囲で影響の回避・低減が図られていると評価するとの報告がございました。
 これらの報告に対して、委員の皆様からは、工事後の植樹を行う場合は、他地域から苗木を持ってくるのではなく、同地域の苗木の植樹を検討すること。ミズマツバについては、事業区域外で発見されたミズマツバと、事業区域内のミズマツバの関係について確認することといった御意見がございました。
 本件については、今後、当日欠席の委員の皆様からも御意見をいただいた上で、追加の環境保全措置の要否について検討することとしています。なお、今回は工事期間中の環境影響に関する報告であり、焼却施設稼働による影響については、今後3年間、調査を実施することから、令和8年度以降に調査報告書が提出される予定となっています。

◎西村委員長
 報告5、七夕の全庁一斉ライトダウン及び関連イベントの実施について、中村生活環境部参事監兼脱炭素社会推進課長の説明を求めます。

●中村生活環境部参事監兼脱炭素社会推進課長
 同じ資料の4ページをお願いします。県民の皆様に、地球温暖化について考えていただくきっかけにしていただこうと、七夕の夜、午後7時30分から35分までの5分間のライトダウンを呼びかけています。今日までの結果ですが、全市町村、それから企業や団体など、182の職場から参加すると御報告をいただいています。
 また、あわせまして、午後5時から8時30分まで、とりぎん文化会館の中庭で、星空の下、夏の夜を楽しむキャンドルナイトイベントや星空観察会を実施します。委員の皆様も、御都合を許せば、御参加くださいますようにお願いします。

◎西村委員長
 報告6、令和5年度鳥取砂丘ボランティア除草について、中尾緑豊かな自然課長の説明を求めます。

●中尾緑豊かな自然課長
 5ページをお願いします。令和5年度鳥取砂丘ボランティア除草について、実施に当たり、概要を御報告します。
 まず、早朝除草については、7月8日から9月3日までの各土日に行います。時間は午前6時から7時30分まで。お盆時期の土日を除きますので、計16回となります。夕方除草については、5月26日から6月30日まで、毎週金曜日の午後6時から実施中です。1回、雨天で中止をしましたので、計5回、約250人の参加を見込んでいます。そのほかの除草としまして、4月から11月まで、教育旅行や課外授業による除草、企業・団体除草やアダプト除草を随時受け付け、実施しています。
 これまでの実績ですけれども、平成16年から始めたこのボランティア除草は、その当時、参加者は371名からスタートしました。毎年、右肩上がりで推移しまして、平成28年度は8,200人でしたけれども、30年度、元年度は4,000人前後と減っています。これについては、台風等悪天候による中止、また、夏場の気温が非常に高い日が続きましたので、そういった場合の昼間の観光客除草を一部取りやめたのが主な要因です。令和2年度から4年度については、コロナの影響を多く受けまして、募集は例年どおり行っていましたが、参加人数が減ったものです。
 今後は、アフターコロナで参加しやすい環境が整ってきましたことから、教育旅行プラスアルファの除草体験とか、QRコードによる手軽な申込方法を普及させるなど、PRを行い、参加者の回復、拡大を図ってまいります。また、熱中症対策を万全に取りながら実施をします。

◎西村委員長
 執行部の説明は以上です。
 ただいままでの説明について、質疑等はありませんか。

○市谷委員
 環境影響アセスの、まず北栄町の分のことです。私もこの2回目の審査会を傍聴させていただいたのですけれども、参加して一番驚いたのは、こういう審査会は公開でやっているのに、傍聴に来ている人に対して資料が全然配られていなくて、もう本当に驚きました。今まで審査会などに参加したら、大抵はあるのですけれども。だから、まず、こういう傍聴している方にきちんと資料を配ることを改善していただきたいと思います。それが1点と。
 こういう方法書などについて、住民の方に縦覧して、意見もいただいてということなのですけれども、この会社、その後、期限が来ましたみたいなことでホームページから削除しちゃって、そういう姿勢というのが、そもそもいかがなものかなと思いまして。この審査会に出たときにも、住民の方が、もう資料が見られないというそういう批判や不満もありました。大体、住民に理解を得ないといけないのに、会社自身がそういう資料をきちんと住民に出さないというのも正していただきたいなと思います。まず、その点について、どうでしょうか。

●朝倉生活環境部次長兼環境立県推進課長
 資料については、大変申し訳ないと思っています。準備はやはりすべきと思っておりますので、次回からはきちっと準備させていただきたいと思っています。
 それと、JR東日本エネルギー開発のホームページから削除されているということ。会社の方針等でそういう対応をされているとは聞いたのですけれども、そうであっても、後で資料が見えないという御意見もあったということは、事業者にお伝えしたいと思っています。

○市谷委員
 資料を示すのはまず当然のこととして、あと、驚いたのが、設置場所がはっきりしていないので、環境アセスの、何ていうのですかね、評価のしようがないって。ここに設置するから、こういう対策が必要ですよと、それがどうなのでしょうかという話なんだと思うのですけれども、こんな設置場所も示さないでおいて、では、評価の環境アセスの仕方がどうのこうのと、もう何ていうか、論外だなと思って。しかも、県の各部局、例えば農林関係の保安林の担当の方が来られていたり、それから、海浜、砂浜にも影響を与えるということで県土整備部の方も来られていたりしていましたけれども、それを聞いていて、この事業者は、この場所がどういう場所で、そういう保安林とか海浜とかにも影響を与えるなんていうことが全く無自覚、その手続についても自覚がないという、これは本当に、こんなことでどうして環境に対して配慮したり、環境を守る対策が取れるだろうかなと。手続をこんな状況でこのまま進めるのは本当によろしくないと思ったのですけれども、出ておられて、どう思われましたか。

●朝倉生活環境部次長兼環境立県推進課長
 今回、方法書の手続ということで、こういった形で環境影響評価の調査をやっていくということを示されたと。その上で、実際の調査に入ってからでないと、設置場所は決まってこないことになります。ですから、次の準備書の段階になれば、恐らくこういう設置場所、いろんな法令の規制がかかっておりますので、そういったことも踏まえて決まっていくのだろうと。
 確かに、今の時点ではあまりにぼやっとした内容ですので、実際、どこに建てるのかが分からないと、いろんな予測評価もできないということですので、それをやるのは、今回、方法書の次の段階で、現地調査でそこを決めていくことになります。

○市谷委員
 いずれにしても、これでは評価のしようがないなと思って、本当に改善をしていかないといけないと思いました。
 それと、普通、配慮書段階でもうちょっといろいろ見えてくることもあるのですけれども、配慮書についての審査会は、飛ばしているように資料を見たのですが、そういうことが、今、法的にできるようになっていることが問題だと思うのです。これはどうしてなのでしょうか。

●朝倉生活環境部次長兼環境立県推進課長
 これは国の法改正によりまして、対象規模が、今回の規模の風力発電ですと、改正後の法律では、国の環境影響評価の対象外となってしまうのですけれども、既にこういう事業をしますよということを経済産業省に報告がございましたので、以前の基準で環境影響評価、国の法アセスの手続が進んでいるのですが、その場合は配慮書は削除して、方法書から始めることができると国で決まっておりまして、配慮書がないことになっています。

○市谷委員
 再エネを普及していこうということでそういうことになっているのだと思うのですけれども、ただ、同時に、住民が非常に不安を持ったりするので、だから、きちんと、配慮書の段階でもっといろいろ議論したり審査されたりしていれば、こんなにも業者が傲慢な感じで対応するということはなかったのではないかなと思ったりもするのですよ。
 それで、この配慮書段階の審査をやらないということですが、その代わり、再エネ法の中で、知事も何か議場で言ってたのですけれども、もっと住民だとか地方自治体の意見とかをきちんと聞きなさいということで、逆に強化された点があるのでしょうか。

●朝倉生活環境部次長兼環境立県推進課長
 知事が議場で答弁された内容は、GX法関連の規制でして、それについては、来年度から施行されるということで、この事業は対象外になります。新たに、来年度4月から施行される再エネ特措法の関係では住民に説明しなさいということが規制されているのですけれども、今回の事業はそれより前にスタートしておりますので、それの対象にはならないといいますか。

○市谷委員
 FIT認定はまだ受けてないと思うのですけれども、受けているのですか、これは。

●朝倉生活環境部次長兼環境立県推進課長
 ええ、受けています。

○市谷委員
 ああ、分かりました。引き続き、点検、チェックしていきたいと思います。住民の方から、本当に説明のことも含めて批判的な声が結構出ているし、対応の仕方にも批判が出ていますので、やはり県としてきちんと言うべきことを言っていただく必要があると思います。

◎西村委員長
 ほかにありますでしょうか。

○前田委員
 リンピアの分です。これは、単純な質問なのですけれども、この建設工事中の環境保全措置の実施結果について事業者から説明後、審査が行われたと書いてあるのですけれども、リンピアいなばはもう建設が終わっていますよね。何で今頃審査を行うのか教えていただけますか。

●朝倉生活環境部次長兼環境立県推進課長
 これは審査ということではなくて、報告ということで、建設工事に伴うアセス手続の中でこういう配慮をしていきますよということを事業者さんが出されて、県で意見を述べたりという手続があったのですけれども、そういう配慮によって、その結果はどうでした、こうなりましたという報告があったというものです。今回は工事期間中の、例えば切土、盛土をして、濁水が出なかったかとか、そういった結果についての報告です。また、施設稼働については、現在も調査を継続しておりますので、3年間調査して、焼却炉そのものの稼働による影響に対しての調査結果は、3年後に示されると、そういう流れになっています。あくまで報告ということです。

○前田委員
 報告ということであれば分かるのですけれども、ここに、内容の中に、審査が行われたと書いてあるものですから、あれ、審査でいけなかったら、対応といいますか、その事業者に適切な対応を求めるようなものなのかなと思ったものですから、お話ししました。

●朝倉生活環境部次長兼環境立県推進課長
 申し訳ない。条例上は、事後調査報告に対して、環境保全上の見地から必要があると認められるときは、事業者に対して追加の措置を講じるよう求めることができることになっておりますので、今回の報告で、これはできない、これはしたほうがいいというようなことがあれば、それを事業者さんに伝えるという流れになります。

○前田委員
 だから、この今の時期では、遅いのではないですかと単純に思うのですけれども、その辺はいかがなのでしょうか。

●朝倉生活環境部次長兼環境立県推進課長
 工事中にいろんな、例えば濁水が発生したとか、そういったことになれば、それぞれアセス手続は、あくまで事前にこういうことをやりますよということに対して意見をする手続でして、許認可ではございませんので、例えば濁水が出れば、水質汚濁防止法を所管している部署が、工事中であっても指導をするという形になります。

○前田委員
 まだ、よく理解できませんけれども、また勉強してみます。

○興治委員
 5ページのボランティア除草です。四角囲みの下のところに、ボランティア除草で対応できなかった範囲については業務委託による除草作業で補塡をしたと書いてあるのですけれども、除草剤の使用とかは、どうしてあるのでしょうか。

●中尾緑豊かな自然課長
 除草剤は一切使っておりません。ボランティア除草の人数が減った分については、機械除草という形で、重機で根を掘り上げて除草するという形を取っています。完全には重機では取り切れないものもありますので、それについては、後日、ボランティア除草の範囲に加えて、そこをやっていただいているというやり方をしています。

○興治委員
 それは、自然の保全をしないといけない、かつ国立公園であるというようなことが背景にあるかと思うのですけれども、一般的な都市公園の場合、除草剤の活用はどうやっていますか。分からなかったら後でもいいですけれども。

●中尾緑豊かな自然課長
 実際に都市公園がどうやっているかは……。

○興治委員
 除草剤の使用をしているのかしてないのか、あるいはどういった考え方でそうしてあるというようなことについて。

●中尾緑豊かな自然課長
 通常は人力でやって、芝については芝刈りをしますし、植栽部分については人力で草は取っているというやり方をしているはずです。
 特に自然公園の場合は、除草剤の影響が将来的にどう出てくるのかというのが見えないところがありますので、可能な限り、人力または重機でやるという方法を取っています。

○興治委員
 自然公園はそうだということで、いわゆる都市公園です。都市公園の管理までは、この緑豊かな自然課はしていないのですか。

●中尾緑豊かな自然課長
 今、燕趙園とか、それから臨海公園……。

○興治委員
 東郷湖の周辺だとか。していますか。

●中尾緑豊かな自然課長
 実際、除草する場合は、植栽部分の下生えのところが多いと思います。そういったところは人力で抜いていると思います。

○興治委員
 ということで、除草剤は、都市公園の管理においても一切使用してないということなのですか。

●中尾緑豊かな自然課長
 そこまでははっきりと、今、ここでは分かりませんので、改めて確認をします。

○興治委員
 はい、分かりました。

◎西村委員長
 では、また確認後にお願いします。

●中尾緑豊かな自然課長
 はい、分かりました。

○前田委員
 除草の件ですけれども、何ていうのですか、砂地のところと大山の火山灰が積もっている赤土のところがあると思うのですが、私が見たところ、その赤土のところに、かなりの草といいますか、生えているのではないかなと思っていまして。毎年、この除草ボランティアで除草してくださっているのですけれども、一般的な認識ですよ、やはり、そうした赤土のところまで十分取れていないのではないかなとは思っていまして、こういったところの機械除草というのはどうなのでしょうか。もう少し、雑草のない鳥取砂丘を目指したらどうかなと思うのですけれども。

●中尾緑豊かな自然課長
 ボランティア除草を始めたのが平成16年からですけれども、それよりずっと前の平成3年ぐらいまでの記録でいくと、砂丘の見渡せる範囲の中で、大体そのうち4割ぐらいは植生していたと言われています。それが、現在は半減の20%に収めているという状況です。
 除草は、多くは外来植物を主に抜くというやり方を取ってきました。ただ、近年、在来植物であっても、量が増えたり、区域が拡大したりということで、かなり植生の広がりが在来植物で見えているという状況がありましたので、それについても、鳥取砂丘未来会議の調査研究会に諮って、その都度、ここのところは、要は動植物の影響が少ないから、機械除草を入れましょうというようなことを、随時協議を行って対応をしています。
 特に、委員がおっしゃったように、火山灰層が出ているところの周辺に草が生えている場合は、草が、要は砂が動かなくなって、さらに浸食が激しくなったりしますので、そういうところは、随時、今年はこの部分をやりましょうとかという形で、そういった赤土の周りの除草を優先的にやっていくというやり方を併せて取っています。

◎西村委員長
 ほかにありますでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 次に、閉会中の調査事項についてお諮りします。
 本委員会所管に係る社会福祉の向上、子育て支援、生活環境の保全、病院事業その他の主要事業については、閉会中もこれを継続調査することとし、その旨、議長に申し出ることに御異議はございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、その旨、議長に申し出ておきます。
 次に、その他ですが、執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 意見が尽きたようですので、委員の皆様に御連絡します。
 次回の常任委員会は、令和5年7月21日金曜日午前10時から開催の予定ですので、よろしくお願いします。
 以上をもちまして福祉生活病院常任委員会を閉会します。

午前11時45分 閉会



 

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