令和5年度決算審査特別委員会議事録

令和5年10月12日会議録(確定版)

 
開催概要、資料はこちらです
出席者
(29名)
委員長
副委員長
委員
尾崎 薫
入江 誠
村上 泰二朗       西村 弥子
前住 孝行        山川 智帆
福浜 隆宏        市谷 知子
藤縄 喜和        語堂 正範
東田 義博        河上 定弘
鳥羽 喜一        前原 茂
坂野 経三郎       浜田 妙子
興治 英夫        伊藤 保
中島 規夫        広谷 直樹
島谷 龍司        斉木 正一
福田 俊史        内田 博長
内田 隆嗣        浜田 一哉
鹿島 功         安田 由毅
銀杏 泰利
 欠席者
(2名)
 委員  前田 伸一        松田 正

説明のため出席した者
 澤会計管理者 桐林代表監査委員 広瀬病院事業管理者 足羽教育長 
 櫻井政策戦略本部長 中西福祉保健部長 池田商工労働部長 小西企業局長外関係職員 

職務のため出席した事務局職員
  寺口事務局長 村中調査課長外関係職員

1 開会   午前10時00分

2 休憩   午前11時03分

3 再開   午前11時15分

4 閉会   午前11時25分

5 司会   尾崎委員長   

6 会議録署名委員   福浜委員  内田(隆)委員  

7  付議事件及びその結果
      別紙日程記載のとおり

 
会議の概要

午前10時00分 開会

◎尾崎委員長
 ただいまから決算審査特別委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでございます。この順序に従って進めます。
 なお、(1)執行部及び監査委員の決算状況等に関する概要説明について説明、質疑を行った後、休憩、執行部の入替えを行い、(2)前年度の指摘事項に対する対応状況について以降を行いたいと思います。
 まず、会議録署名委員を指名いたします。
 本日の会議録署名委員は、福浜委員と内田隆嗣委員にお願いしたいと思います。
 それでは、これより議事に入ります。
 まず、執行部及び監査委員より順次説明を行っていただきます。
 質疑等につきましては、全ての説明終了後、一括して行っていただきますので、よろしくお願いいたします。
 なお、執行部の説明は、着座にてお願いいたします。
 最初に、令和4年度の財政概要について、櫻井政策戦略本部長の説明を求めます。

●櫻井政策戦略本部長
 令和4年度の財政概要についてという冊子を御覧ください。1ページ目の資料1、令和4年度一般会計決算をお開きください。
 この令和4年度一般会計決算につきましては、前年度に引き続きまして新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた決算となっております。中ほどの総括表を御覧いただきますと、まず歳入面ですが、新型コロナ対策に係る国庫支出金が大きく増加したことに加えまして、地方消費税精算金や地方譲与税も増加したことにより、前年度を15億円余上回る4,144億円余の歳入決算となりました。
 また、歳出面では、コロナ禍の長期化に伴いまして引き続き医療・検査体制整備に万全を期すとともに、県内経済回復に向けた事業者支援や旅行支援などを積極的に行いました。一方で、臨時財政対策債償還基金などの令和3年度に臨時的に措置された国内の経済対策に伴う要因が剥落したことによりまして、前年度を76億円弱下回る3,935億円余の歳出決算となりました。
 これらの結果、総括表の一番下に記載しております純剰余金となる実質収支は141億円余となったところでございます。
 次に、その他の表の財政調整型基金の残高ですが、前年度と同水準の274億円弱を確保しております。一方で、防災・減災関連の起債が増加しているために、地方債の現在高は6,154億円弱と依然として高い水準にある状況でございます。
 2ページから5ページは歳入歳出の内訳の資料ですので、説明は省略いたします。
 次に、6ページを御覧ください。県債と基金の残高をグラフ化しております。県債残高につきましては、先ほども申し上げましたが、総額で6,154億円と近年減少傾向となっております。その要因としましては、縦線のグラフになっております臨時財政対策債や白抜きのグラフで表しておりますその他の県債が減少していることによります。一方で、網かけされているグラフの起債が近年増加しておりますが、これは防災・減災などの交付税措置率の高い起債となっておりまして、こういった事業には積極的に取り組んでいるところでございます。また、黒く塗ってある棒グラフは財政調整型基金でございまして、これにつきましては近年下げ止まっており、一定の水準を確保している状況となっております。
 以上のとおり、未来への積極的な投資と財政健全化を両立すべく、標財規模の1割を財政誘導目標に定めて、その範囲内で適切な財政運営を行っている状況となっております。
 続いて、7ページの資料2、財政健全化法に関する健全化判断比率等の算定状況を御覧ください。上の表は、一般会計等に係る基準に関する数値でございます。実質赤字比率は標準財政規模に対する一般会計などの実質赤字の比率、また連結実質赤字比率は公営企業会計も含めた比率でございますが、いずれも赤字はございません。実質公債費比率は標準財政規模に対する一般会計等が負担する元利償還金などの比率ですが、令和3年度決算の9.4%から0.5ポイント低下し、令和4年度決算では8.9%となっております。また、将来負担比率は、標財規模に対する一般会計等が将来負担する実質的負担の比率です。令和3年度決算は125.1%ですが、4.3%上昇し、令和4年度決算では129.4%となっております。実質公債費比率や将来負担比率ともに、イエローカードとなる早期健全化基準の数値と比べていただきますと分かりますけれども、本県の財政状況は一定の健全性が確保されている状況と考えております。
 その下の表は公営企業の営業収益に対する資金不足の比率でございますが、いずれにつきましても資金不足はございません。

◎尾崎委員長
 次に令和4年度一般会計、特別会計(天神川流域下水道事業会計、企業会計、病院事業会計を除く)決算概要について、澤会計管理者の説明を求めます。

●澤会計管理者
 決算概要説明資料の会計管理部と書かれた資料をお願いいたします。
 1ページをお願いいたします。まず、1の一般会計でございます。先ほどの財政概要の説明でもございましたが、令和4年度の歳入決算額は4,143億円余、歳出の決算額は3,935億円余でございます。前年度、令和3年度と比較いたしまして、歳入では15億円余増加いたしましたが、歳出では75億円余減少しているところでございます。
 続きまして、2番の特別会計でございます。用品調達等集中管理事業特別会計などの15の特別会計に係る決算の概要でございます。歳入決算額1,501億円余に対しまして、歳出の決算額は1,468億円余でございます。前年度、令和3年度と比較いたしまして、歳入で20億円余、歳出では18億円余減少しているところでありますが、こちらは収入証紙特別会計において令和3年9月末をもって証紙を廃止したことに伴う歳入及び歳出の減などが主な要因でございます。
 続きまして、3番の歳計現金の状況でございます。歳計現金の1日平均残高は、預託や基金からの繰入れ運用も含む日々の残高の累計を365日で割った額でございます。令和4年度の平均残高は374億円でございまして、前年度と比較いたしますと94億円の減、また1日平均の預託残高は66億円で、前年度に比べますと9億円減少しております。利息収入につきましては、歳計現金平均残高が減少したこともありまして、前年度より16万円の減の44万円となってございます。
 2ページをお願いいたします。歳計現金の残高の推移を表したグラフでございます。赤色の線が令和4年度の実績でございます。歳計現金の残高は日々変動しておりますが、御覧のとおり、交付税の受入れ時期である4月、6月、9月、11月に山を示しております。これらの受入れの後、日々の支払いで残高が減少していくわけなのですが、こうした日々の収支を把握しながら、先の資金需要を見込みつつ、効率的な資金の運用に努めているところでございます。

◎尾崎委員長
 続きまして令和4年度の天神川流域下水道事業会計決算概要について、中村自然共生社会局長の説明を求めます。

●中村自然共生社会局長
 お手元の資料、鳥取県天神川流域下水道事業会計をお願いいたします。
 表紙をおはぐりいただきまして、まず概要についてであります。事業収益につきましては、市町からの汚水流入量に応じた管理事業費負担金等の収入など営業収益が6億500万円、長期前受金戻入などの営業外収益が6億1,900万円で、合計12億2,400万円となっております。これに対しまして事業費用は、営業費用が指定管理料、減価償却費等の支出に営業外費用を加えまして合計11億6,900万円となり、差引き純損益が5,500万円の黒字となっております。
 次に、2番の収益的収入及び支出であります。これは下水道施設の管理運営によります収入、支出であります。流域下水道事業収益で営業収益が前年度から減少しておりますのは、汚水量の流入量の減少に伴う市町の負担金の減によるものです。また、流域下水道事業費用で営業費用が前年度より増加しておりますのは処理場費の増加によるもので、これは主に電気料金の上昇を原因とする天神川下水道公社の指定管理料の増によるものです。
 続きまして、3ページの資本的収入及び支出でありますが、これは下水道施設の建設改良等に関する収支であります。令和4年度は幹線管渠の更生、また主ポンプ設備の改築など建設改良工事の実施により前年度に比べて工事費が1億5,300万円増加したため、収入、支出ともに前年度を大きく上回っております。

◎尾崎委員長
 続きまして、令和4年度の県営企業会計決算概要について、小西企業局長の説明を求めます。

●小西企業局長
 企業局の資料の2ページをお願いします。まず、電気事業ですけれども、(1)と(2)を併せて説明いたしますと、水力発電のコンセッション事業によりまして3つの発電所のリニューアル工事をやっておりまして、運転停止をしております。それから、昨年は全県的に降水量が2割ほど少なかったということがありまして、販売電力量が3割ほど落ちまして事業収益が13億2,800万円、事業費用は固定資産除却費の増などがありまして17億8,100万円、当年度純損失が4億5,300万円余あります。赤字決算となりましたので一般会計への繰出金はゼロで、当年度未処分利益剰余金は9,200万円です。
 資本的収入・支出ですけれども、企業債償還金の増ですとか工業用水道事業への貸付金などがありまして、収支はマイナスの6億4,200万円でした。
 借入金ですけれども、企業債残高は66億円ほどとなっております。
 続きまして、3ページをお願いします。工業用水道事業です。日野川工業用水でバイオマス発電などへの新規給水開始がありまして契約水量が大幅増となり、事業収益は5億500万円となりました。事業費用のほうは電気代高騰に伴いまして動力費が約1.5倍になったということなどがあり、6億4,100万円、当年度純損失が1億3,600万円、当年度未処理欠損金が38億7,700万円でありました。
 資本的収入・支出につきましては、前年とほぼ同じくマイナスの1億4,900万円であります。
 借入金の状況ですが、企業債残高が33億円余り、一般会計からの借入金が6.8億円余り、一般会計からの出資金が46億円余り、電気事業会計からの借入金が2億円ということになっております。
 続きまして、4ページをお願いします。埋立事業です。竹内団地におきまして新規の土地分譲と長期の貸付けがそれぞれ1件ありまして、事業収益は1億900万円。事業費用は土地売却原価の減などによりまして4,700万円、当年度純利益が6,200万円、当年度未処理欠損金が42億2,800万円でございます。
 資本的収入・支出ですけれども、一般会計からの借入金の償還金が1億円となっております。
 借入金の状況ですが、一般会計からの借入金残高が22億円余りとなりました。
 分譲の状況ですけれども、竹内団地が残り4.1ヘクタールで、分譲率が96%、旗ヶ崎団地は、今年度に入りまして残りの0.4ヘクタールが分譲できましたので、完売ということになりました。

◎尾崎委員長
 続きまして、令和4年度病院事業会計決算概要について、広瀬病院事業管理者の説明を求めます。

●広瀬病院事業管理者
 病院局の決算概要説明資料を御覧ください。2ページをお願いいたします。まず概要でございますが、病院事業全体では経常損益は14億円強の黒字、純損益につきましても約15億円の黒字を計上しております。病院別に申し上げますと、中央病院は2年連続でございますが純損益が6億円強の黒字、厚生病院は5年連続になりますけれども9億円弱の黒字ということでございます。
 内訳を申し上げますと、2番の収益的収入及び支出の表に記載しておりますが、まず収益の、本来事業であります医業収益につきましては、両病院の延べ入院患者数は減少しておりますが、入院の単価、あるいは外来の延べ患者数の増等に伴いまして、前年より4億円強の増となっております。医業外収益につきましては、こちらにいわゆるコロナの空床補助金というのが含まれております。この空床補助金は前年度よりも2億8,000万円ほど減っておりますけれども、この60億円の中に約24億円含まれておりまして、合計しまして令和4年度の収益は令和3年度よりも1億4,000万円弱増えておるところでございます。
 一方、費用でございますけれども、昨年度は医業費用が8億3,000万円ほど増加しております。これは、理由のほうにも記載しておりますが、退職者が多かったということと、看護職の臨時手当の支給を通年やっておりまして、この分で給与費が増えているというところ。あるいは経費の増、これは光熱水費であるとか、あるいは外注の委託等に伴う委託料ですね、外注の検査の委託料、こういったもので経費が増えておりまして、昨年度比8億円強増えておるところでございます。
 収益が費用上回っておりますけれども、その結果、昨年度に比べて純損益で7億円弱減っておりますが、15億円程度の黒字となっております。
 累積欠損金も15億円程度減少しまして、病院事業全体で39億円ほどに減少しておりますが、その上にも書いておりますが、現金、預金等は保有しておりますので、当面の経営には支障はないものと考えております。
 続いて、3ページを御覧ください。建物や機器設備等に係る資本的収入・支出でございます。昨年度は両病院とも医療機器等は整備をしております。中央病院でいきますと、これは例えば前立腺がんをより正確に診断するための機器でございますが、こういったものを整備したところでございまして、収支につきましては約20億円の赤字ということでございます。こちらも、先ほど申し上げましたが内部留保、現金等で対応する予定にしております。

◎尾崎委員長
 続きまして令和4年度決算審査意見の概要、令和4年度決算に係る健全化判断比率及び資金不足比率審査意見書について、桐林代表監査委員の説明を求めます。

●桐林代表監査委員
 最初に歳入歳出決算審査意見書・基金運用状況審査意見書、概要版を御覧いただきたいと思います。
 1ページでございますけれども、一般会計、特別会計ともに決算書並びに附属書類の計数は正確であると確認しましたが、収入未済等につきまして意見を申し述べておりまして、5ページのほうに進んでいただきたいと思います。新型コロナウイルス感染症が5類に移行しましたけれども、国際情勢などで諸物価が高騰すること、それから頻発します豪雨災害などに備える必要性など、県政には様々な課題が山積しているという状況を踏まえまして、財源確保と各事業の内容の精査に努めながら物価高騰対策、社会経済活動の持続、自然災害への備えを進めるなど、安全・安心な県民生活の確保に向け予算編成を行い、適切な財政運営に取り組まれますよう総括的に申し述べております。
 次いで、収入未済額の縮減についてでございます。5ページの中ほどのほうに掲げておりますけれども、対前年比で県税収入では3億9,000万円ほど増加、それから税外収入につきましては、ちょっとややこしいのですが、令和3年度におきます国庫補助金の未収を除いて比較しましても1,000万円余りの増というような状況がございました。このため、これまでにも取り組んでこられました市町村や関係機関と連携した滞納整理の取組等によりまして収入未済発生の事前防止や滞納初期の対応などに取り組まれますよう、総括的に申し述べております。
 そのほか、収入、支出の属すべき年度が適正でなかった事案が散見され、その原因がいわゆる定期異動や業務の所属間での受渡しの際の職員や組織間での引継ぎや連携が不十分であったことも原因として考えられるところでありますので、会計諸規程の認識不足や事務の進行管理の不徹底等の解消と併せまして、業務適正化の取組に努められますよう申し述べております。
 続いて、7ページでございます。特別会計でございます。決算そのものにつきましては特別に申し上げるような状況は見受けられなかったところでございますけれども、依然として収入未済額もありますことから、一般会計について申し上げましたのと同様に、縮減に努力していただくよう申し述べております。
 引き続きまして、9ページにお進みいただきたいと思います。定額運用の3基金につきましては、適正に運用されたものと認められたところでございます。
 資料は替わりまして、公営企業会計決算審査意見書、概要版を御覧いただきたいと存じます。
 まず、1ページでございます。こちらにつきましては、第2の審査の結果といたしまして、決算の計数が正確であり、決算諸表は事業の営業成績及び財政状態を適正に表示しているものと認めたと総括しております。
 2ページから審査の意見を述べておりますが、ちょっと飛ばしていただきまして4ページまで進んでいただきまして、下段のほうの課題及び意見のところまでお進みいただきたいと思います。最初は電気事業についてでございます。事業の総括は割愛いたしまして、4ページ下のほう、(3)としまして、小水力発電所の発電量の実績が目標の47.5%でありまして、かなり改善されてきたものの、落ち葉等による取水効率の低下も依然として大きいというようなこともございます。取水対策を継続し、発電量の向上を図られますよう申し述べております。
 また、今後コンセッション方式で運転が再開される予定の3発電所に関しましては、既発の同様の取扱いになっている発電所の経験を踏まえまして、モニタリングを適正に行わせることと危険を踏まえた助言を行われますよう申し述べております。
 続きまして、工業用水道事業についてでございます。日野川につきましては、漏水対策箇所の着実な改善の実施を図られますよう申し述べております。鳥取地区につきましては、実は私どもが決算審査を行っておりました最終盤になりまして、大口事業者の生産事業が令和6年度限りで終了されるとの報に接したところでございます。令和4年度決算ベースで概算しますと、料金収入が4割弱減少するというような予測になります。このため、経常収支のさらなる悪化に対する対応方針を早急に検討されますよう申し述べております。その一方で、実は地元の経済団体からは、供給地域であります鳥取市に対しまして新たな工業団地の整備要望も提出された、そういうこともございまして、中長期的な事業の在り方を具体的に検討されるよう申し述べております。
 加えまして、これら2つのセグメントにつきましては経営状況に大きな差異がございますことから、可能な限りセグメントごとの経営状況を広く県民に理解していただくよう、それぞれの情報を提供されますよう申し述べております。あわせまして、いずれの地区につきましても、経費削減と既配水エリアでの需要拡大、新規利用の働きを継続されることについても申し述べておりますほか、エネルギー価格の高騰によりまして動力費が増加しております。そこの観点からは、給水単価の引上げの検討を開始されますよう申し述べているところでございます。
 最後に、埋立事業でございますが、小西局長からも補足がございましたとおり、旗ヶ崎団地は一応売却等の処理が終わったという状況でございますが、残る竹内団地の4.1ヘクタールが残っているという状況でございまして、この土地の売却を進めますとともに、この未分譲の土地の状況を踏まえまして、幅広い視点から事業運営の在り方を検討されてはどうかということを申し述べております。
 8ページでございます。病院事業会計でございますが、下段のところ、中央病院につきまして、改革プランから見たところでございます。病床稼働率と外来診療単価を除きまして目標に達しておりますけれども、この内容を精査してみましたところ、病床稼働率は前年比で5.6ポイント下回っておりますが、新規入院患者が120人増加して外来患者数が9,500人余り増加している一方で、年間延べ入院患者数は1万人日以上減少していると。この状況を診療密度と病床の利用状況の相互の関係が医療面、あるいは経営面双方から適切なのか、大いに気になるところがございます。検討して調整を図っていくことが必要ではないかと考えております。
 なお、具体的な数字は記載しておりませんけれども、先ほど病院事業管理者からも説明がありましたとおり、経常損益が黒字となったのはいわゆる空床補償補助金、これが医業外収益として11億3,000万円余り収入に計上されたことも大きな要素であると考えております。課題、留意点及び意見といたしまして、令和4年度は保険点数が加算されるDPC特定病院群の再指定を受けられるなど、結果として前年比1.5ポイントの医業収益の増加となっていますが、医業費用については鳥取赤十字病院、厚生病院との薬品等の共同購入など様々な努力を進められているにもかかわらず、光熱水費の高騰など医業費用全体では2.7ポイント増加しておりますことから、医業収益の増を図ること、ICTのさらなる活用も含めて、これまでも実績を上げている医業費用の削減策と併せまして経営の健全化に努めていただきますよう、総括的に申し述べているところでございます。
 引き続き、10ページをお願いいたします。医療従事者の確保について申し述べております。医師、薬剤師、看護師それぞれにつきまして、これまでも諸対策の継続的な努力によりまして人員の充足がされてきておりまして、その点はよかったなと評価しておりますけれども、医師につきましては救急科や麻酔科医の不足が続いております。その確保と併せまして、令和6年度からは時間外労働の上限規制が設けられることに対応するため、労務管理でありますとかメディカルアシスタントも含めたいわゆるパラメディカルの活用などを含めた働き方改革に取り組まれますよう述べております。また、薬剤師につきましては定員に対して2名が不足という状況でございまして、人材の確保によりまして現状不十分な病棟服薬指導を拡充されますよう述べております。看護師につきましては定員を充足しておりますものの、育児休暇等の取得状況を加味すると、いつ実勤務者の不足になってもおかしくないような状況ではないかと思っております。引き続き働きやすい環境の整備やワーク・ライフ・バランスを推進することなどによりまして、マンパワーの確保に努められますよう申し上げております。また、高度医療を担う人材の育成や近年採用されました比較的若い看護師の定着支援などにも取り組まれますよう、併せて申し述べております。
 なお、医療従事者全体を通じて働き方改革などを進めるためにも、可能な範囲でのアシスト人員の導入推進についても申し述べております。
 引き続き、12ページでございます。ここから厚生病院でございます。改革プランから見た経営の達成状況のところでございますけれども、目標を達成したのは平均在院日数と入院診療単価でありまして、その他の指標は残念ながら目標に達しておりません。また、経常収支比率、純損益が目標を上回ったのは中央病院と同様にいわゆる空床補償補助金が12億7,000万円弱、医業外収入として収入計上されたことによるものと考えておりまして、総括的に見ますと、中央病院と同様、病院に求められます役割、機能を十分に達成したことによって経営が必ずしも健全化されたということではないと見ております。
 これを踏まえまして、13ページになりますけれども、診療密度の向上、手術件数の増加、新たな施設基準の取得などで医業収益の一層の増加を図るとともに、中央病院と同様、医薬品や資材の共同購入などによる費用の圧縮に引き続き取り組まれますよう、ICTの導入の推進も含めまして総括的に申し上げております。
 続いて、医療従事者の確保についてでございます。これまでの努力によりましていずれの人材も充足されてきておりますけれども、いわゆる標榜診療科ということになるのでしょうか、皮膚科、眼科などでは常勤医師が確保できなかったところでありまして、不足が見られますので、中央病院と同様に医師の確保を図られますよう述べておりますし、医師の働き方改革についても同様の意見を述べております。薬剤師、看護師につきましては、定員は充足されておりますけれども、中央病院と同様の課題がございますことから、同様の意見を述べているところでございます。
 引き続き、15ページでございます。立地の問題でこれまで水害対策を進めてこられているところではございますけれども、御承知のとおり、本年も県内では集中降水帯の形成などにより大規模な災害が発生したところでもあります。改めて設備対策を進めるとともに、関係機関との訓練などを行うことによりまして対策の実効性を担保されますよう申し上げております。
 未収金でございます。対前年度比で両病院とも減収減額ではありますし、過去5か年度の状況は、報告書本体では76ページに記載しておりますので、また後ほど御確認いただければと存じますけれども、傾向としては低減しているものの、まだ高止まりといった状況ではないかなと思っております。両病院とも債権者の状況に応じて隣戸徴収という方法から弁護士法人への債権回収委託まで様々な手法で収入の確保を図っておりますし、新規未収金の発生防止に向けては、支援制度の紹介でありますとか医療費制度の説明などを丁寧に行っている状況は見えます。
 このような状況を踏まえまして、支払い能力を有する患者に対しましては引き続き効果的な方法により回収に努めていただくこと、支払い能力の不足が懸念される患者に対しては個々の患者に寄り添った対応をしながら未収金の発生防止、早期回収に努められますよう、総括的に述べております。
 病院事業の最後に、改革プランの策定と病院の役割・機能について申し述べております。本年度は次期改革プランを策定する年度に当たっているということでございますけれども、両病院に対して県民が期待する役割を果たせられるよう、また両病院は県立病院ということで連携協力もさらに深められますよう総括的に申し述べておりますとともに、特に厚生病院では対象の地域の人口減少が厳しいというような状況もありますことから、そういうことを踏まえた医療需要を把握した上で必要な医療サービスを提供しながら病院経営を維持されるよう検討されたい旨、申し述べております。
 最後に、天神川流域下水道事業会計、17ページから19ページの上段にかけましては事業の概要でございますので割愛をさせていただきまして、令和4年度の状況につきまして監査いたしましたところでは、特段の新たな想定外の課題等は発生しなかったと考えておりまして、1つには指定管理委託の観点、もう一つは経営戦略の観点から、国際情勢の変化や社会情勢等の変化に適応しながら柔軟に対応されますよう、総括的に申し述べているところでございます。
 説明の最後でございますけれども、資料は替わりまして、健全化判断比率及び資金不足比率審査意見書、これは意見書そのものを御覧いただきたいと思います。黒いテープが表紙についているほうでございます。
 ページの打ってあるところを御覧いただきたいと思います。第1に記載しております審査に付されました4つの健全化判断比率がございます。それと、5ページでは企業会計の関係の資金不足比率を判断いたします7つの企業会計が記載してございますけれども、いずれも適正に作成された算定の基礎となる事項を記載した書類に基づきまして正確に算定されているものと認められたところでありまして、いずれも早期健全化基準または経営健全化基準未満、あるいは数値としては計上されないという状況でございました。

◎尾崎委員長
 続いて、鳥取県債権回収計画等に関する条例に基づく議会への報告の概要についてですが、既に各分科会で部局ごとに説明を受けていますので、県全体の概要について櫻井政策戦略本部長の説明を求めます。

●櫻井政策戦略本部長
 鳥取県債権回収計画等に関する条例に基づく報告の概要資料の2ページを御覧ください。未収債権額でございますが、令和3年度末は47億2,000万円余ありましたが、令和4年度末には21億9,000万円余となり、25億2,000万円余減少しております。このうち24億8,000万円余は、道路整備に係る国庫補助金についてでございました。
 また、令和4年度債権回収計画の達成状況ですが、計画的回収債権の目標回収額25億9,000万円余に対しまして実績回収額も25億8,000万円余でございまして、目標達成率が99.6%となっております。先ほど申し上げました道路整備に係る国庫補助金の未収額を除いた目標達成率、米注に書いてありますが91.1%となっておりまして、こちらでも前年を上回っているところでございます。
 続いて、令和5年度の債権回収計画についてですが、12億100万円余を計画的回収債権に分類しまして、1億円余の回収を目標としております。
 以上についての内訳は資料3ページ、4ページに記載しておりますが、説明は省略いたします。
 続いて、資料5ページ、個別の回収状況を報告する債権について御覧ください。1件7,000万円以上の債権は、例年同様4件となっております。今後の取組ですが、回収の履行監視をしっかりと行いながら、担保物件の処理や法人役員に対する増額交渉も含む弁済交渉の継続による回収を進めてまいりたいと考えております。

◎尾崎委員長
 以上で令和4年度の決算状況に関する執行部及び代表監査委員の説明が終了いたしました。
 これより質疑に入りますが、質疑、御意見等については、令和4年度決算に係る内容としていただきますようお願いいたします。
 それでは、ただいまの説明について、質疑、御意見ありますか。

○市谷委員
 まず令和4年度の財政概要についてで、資料1、2ページの地方交付税なのですけれども、普通交付税が大変減っているのですが、その理由だとか、これは回復されるのか、そこを一つお聞きしたい。あと国庫支出金なのですけれども、その多くはコロナ対策ということで国から来ている交付金なのです。これが膨らんでいたので財源的にも一定のコロナ対応などでの対応ができたということなのですけれども、これは令和5年度以降ということになってくると、減ってきていて大丈夫なのかなと思うのですが、その辺の見通しを教えてください。
 5ページ、特別会計の国民健康保険運営事業ですけれども、歳入歳出の差引きで18億円増です。これは、今これだけ物価高騰で生活が大変になっているのですけれども、国保料の減免などに使うという予定になっているのかどうかというのを教えてください。
 次に、企業局の決算概要説明資料です。2ページの冒頭の概要のところに水力発電所のコンセッション事業で、今リニューアル工事をやっているということで3つ発電所が運転停止で、発電ができなくて収入も減るということなのですけれども、その運転再開と収益の回復の見込みはいつ頃になるのでしょうか。
 3ページの工業用水道事業なのですけれども、(1)の概要のところに契約水量、既存ユーザーの工場火災による減収があったというのは、どこのことでしょうか。

◎尾崎委員長
 市谷委員、幾つありますか。

○市谷委員
 あと4つあります。

◎尾崎委員長
 では、ちょっと企業局で切りましょうか。
 では、それぞれにお願いいたします。

●櫻井政策戦略本部長
 市谷委員から3点御質問がございました。まず、交付税が減っていることについてのお尋ねでございますが、前の年は経済対策に伴いまして交付税の再算定が行われて増額がありましたが、今回はその要因が剥落しているということが要因の一つでございます。
 2つ目のこれまでのコロナ対応の経済対策があったけれども今後はということでございます。この決算の委員会の性質上、将来の話ということをどこまで言うかというのはありますけれども、素直にお答えすれば、先のことにつきましては、その状況は今のところまだ分からないものでございます。今後の国の経済対策なども今後まとまるように聞いておりますので、それを踏まえてしっかりと財政運営をしていくというのが我々のスタンスとなっております。
 3点目の国保の18億円増について、減免にということがあるのかということでございますが、これは主体が市町村になっており、私どもからその使途、やり方について判断するということはないので、それにつきましてはお答えするのは難しいと思います。

●小西企業局長
 コンセッションのリニューアルの再開の見込みですけれども、ここに書いてある3発電所のうち、小鹿第二につきましては今年の9月で運営開始しております。もう今動いております。小鹿第一は来年の2月に運営を開始する予定です。今最後の工事中です。日野川第一につきましては、来年の12月から運営を開始する予定です。
 通常で、予定では赤字は今年までということで、来年からは黒字に戻るという見込みでしたが、実は佐治発電所は台風第7号で水をかぶりまして、この復旧は令和8年の初頭までかかるということになりそうですので、赤字はあと2年続くのではないかというふうに見ております。
 すみません、もう一回お願いできますか。

◎尾崎委員長
 3ページの工業用水ですね。

○市谷委員
 この既存ユーザーの工場火災による減収と書いてあるのですけれども、これはどこの会社ですかということ。あわせて、電気代などの経費の高騰ということが書いてあるのですけれども、そうした高騰分についての手当ては一般会計から手当てしているということになっているのかということ。鳥取地区工業用水道事業について、さっき監査委員から令和7年度から大幅に利用の減があると。それはどこの会社のことかというのを確認させてください。

●小西企業局長
 既存ユーザーの工場火災による減量というのは、境港の日新です。火災がありまして、これはやむを得ないということで知事部局からも支援をされたということがありまして、私どものほうも一旦減量をさせてもらって、今は復旧しましたので、現在は契約は元どおりに戻っております。
 電気代の高騰ですけれども、これにつきましては一般会計からの支援というのは特になくて、資金が不足しているので電気事業会計からの借入れで賄っております。
 あと、令和6年度末に大口ユーザーがなくなるということは、言ってもいいのでしょうか。(市谷委員「さっき言ってしまったから言ってください。分からない」と呼ぶ)名前までは言われていないと思うのですけれども。

◎尾崎委員長
 名前は言っていないですね。

●小西企業局長
 よろしいですか。(発言する者あり)

◎尾崎委員長
 やめておきましょうか。

●小西企業局長
 大口ユーザーが生産を6年度末で中止されるという発表がありました。

◎尾崎委員長
 以上ですね。市谷委員、簡潔にお願いします。

○市谷委員
 今の大口ユーザーのことは企業名は言いませんけれども、もともと大体殿ダムの関係で、県内というか誘致企業というのですか、使うということで、そこに穴が空くと工業用水道会計は本当に成り立たなくて、さっき監査委員からも指摘がありましたが、これは重大な事態だということは受け止める必要があるなというふうに思います。
 資料1、最初の冊子の分なのですけれども、さっきこれは国民健康保険の県の特別会計のことで言っているので、この残ったお金が……。

◎尾崎委員長
 どの資料ですか。

○市谷委員
 令和4年度の財政概要についての5ページですけれども、これは県の特別会計のことで尋ねているわけで市町村がどうこうということを聞いているのではないので、そういう減免に使うようなことに対応されているのかどうかというのを確認したいのです。
 次に病院局ですけれども……。

◎尾崎委員長
 これは新たな質問ですね、市谷委員。4点ですね。

○市谷委員
 あと3つです。病院局なのですけれども、医業外収益のところで空床補償のことで24億円がここでは当たっていたということです。そうすると空床補償がなくなると経営的に大丈夫なのかなということが非常に懸念されるのです。それで、診療報酬だとかそういうことできちんと手当てされるということになっていくのかどうかということですよね。それを聞きたいのと、それから電気代の高騰で経費も非常にかさんでいるということなのですけれども、これはやはり県のほうで一般会計から対応するというふうにならないものかなと。民間の企業は国の交付金を使ったりして対応しているのですけれども、県立病院については独立採算みたいなことでやっていて、それで大丈夫なのかなというのを心配しているので、一般会計からということにならないものかということです。
 厚生病院なのですけれども、さっき監査委員から、病床の稼働率を上げるふうにしないとなかなか収入も確保が難しいというお話がありました。そうなってくると、より高度なとか病床が多いということで、紹介状がないとかかれないというようなことにしていると、なかなか病院の利用につながらないというふうに思うので、もうちょっと医療アクセスをよくするというようなことを検討するのが必要ではないかと思うのですけれども、そういうことについて病院局としてどう考えておられるのかをお聞きしたいです。
 最後に、監査委員の意見書の9ページですけれども、美術品取得基金は今凍結ということになっているのですけれども、ずっと凍結にするのか、それともこれは基金としては機能させないということでなくしていくのか、その辺が、県立美術館の問題であった。これは監査委員からお答えいただくのがいいのか、それとも知事部局からお答えいただくのがいいかというのはあるのですけれども、今これは支出を停止しているのですが、基金として要らないのではないかなと思うのですよ。その辺の見通しについてお答え願えないでしょうか。

◎尾崎委員長
 最後の質問については監査委員では答えられないと思いますので。

○市谷委員
 それでは当局のほうでお願いします。

◎尾崎委員長
 まず病院局からお願いします。

●広瀬病院事業管理者
 市谷委員から3点御質問をいただきました。まず1点目、コロナ病床、空床補償です。こういったものがなくなった以降のことについての診療報酬との絡みで御意見をいただきましたが、現実的なところで、診療報酬について、例えば我々のほうで上げるとか上げないとかということは当然できるわけではないですし、委員も御案内のとおり、来年度いわゆるトリプル改定といいますか、診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等々の公定価格の見直しについて、今国で議論をされているところであります。それに当たっては、医師会等、あるいは病院関係団体等と光熱費の高騰等に対する要望等もされているところでありますので、我々としてはその状況の推移を見守っていきたいというふうに考えております。
 2点目につきまして、電気代等について一般会計から、これは私が答えるのがいいのかどうかよく分かりませんが、やはり一応公営企業法に基づく制度というものがございまして、直接的にそういう経費が総数増嵩したからその分をという制度に法的になっておりません。ですので、基本的に原則的にはそれを一般会計で繰り出すということは多分無理であろうと考えております。その分は先ほど申し上げた診療報酬等で対応するというのが原則なのかなと思っております。
 3点目、厚生病院の稼働率についてでございます。令和4年度につきましては、厚生病院は実際のところコロナの院内感染等もありまして、病床を使っていない期間というのがありました。そういう影響もあって下がっているというのはございますが、ただ、監査委員からもございました、中部の人口、あるいは高齢化等の事情というのもございますので、そこはいかに稼働率を上げるかというか、入院患者を確保していくのか。それは先ほど医療アクセスということもおっしゃいましたが、これもいえば法的、制度的に厚生病院の規模で急性期病院であるという観点では、いわゆるベッド負担が求められているものですから、そこを裁量で配置するということはできない、これが実態であります。そういう意味では、先ほど申し上げたとおり、地域のかかりつけ医といいますか、クリニック等々からの紹介をいただくというようなことを我々の診療内容であるとかその辺を地域を含めてPRをさせていただいて獲得していくと。少し地道な取組かもしれませんが、そのことを徹底して行ってまいりたいと思います。

◎尾崎委員長
 市谷委員、これは令和4年度決算のことですので、美術品取得基金に関してはまた今後個別にやっていただきたいと思います。
 それでよろしいでしょうか。ほかにありますか。

○山川委員
 企業局の工業用水についてお伺いしたいなと思うのです。契約量は前年度に比べて伸びているのですが、先ほどの意見で令和7年、大口に穴が空いてしまうという議論があったのですけれども、どういうふうに営業をやって成果を得ているかというのを聞きたいなというのと、あと、全体の稼働率、どういう稼働状況か、余っている水量がどれぐらいあるのかというのを伺いたいなと思います。
 監査の意見書でもあるのですけれども、契約水量が伸び悩んでいて、常に新しい産業動向に注目する必要があるというふうに言われるのですが、今の台湾の半導体産業というのがすごく伸びています。鳥取県も工業用水がきれいで余っているよというふうに言われるのですけれども、実際の流量はどうか。鳥取県でもシャープやジャパンディスプレイであったり場所はありますので、工業水量や流量がどういうふうになっているかというのが把握できたらなと思うのです。

●小西企業局長
 工業用水の営業活動につきましては、知事部局や鳥取市、あるいは境港市、米子市あたりと連携しまして、例えば米子バイオマスが和田浜に行きたいというような話があって、では水が要りますねということで一緒に話をしながら水を和田浜まで持っていったというような経緯があります。そうした関係部局と連携しながら営業活動しておりまして、あるいは企業局単体でも足でいろいろ回って企業訪問をして開拓をしていくというようなことをやっております。
 水量についてですけれども、稼働率ですね、どれぐらいの水量が使われているかということですけれども、日野川、あるいは鳥取地区とも同じような感じで、今は全体の水量の4割程度が使われております。昔はこの倍ぐらいは使っていたのですがだんだん下がってきて今の4割ぐらいになっているのですけれども、言ってみれば、水はまだ倍ぐらいは使えるというような状況です。
 半導体の話がありましたが、調べてみるに、半導体工場を造るにはとてつもない土地ととてつもない水が要るということのようです。熊本などにもできておりますけれども、なかなか鳥取にあるような旧鳥取三洋ぐらいの土地では足らないのではないかというふうに認識をしているところです。

◎尾崎委員長
 よろしいですか。

○山川委員
 今の結局4割稼働して6割が余っていると言ったのですけれども、どれぐらいの水量で余っているかという最新データをまたお出しいただけたらなと思うのですよ。
 台湾の半導体ですけれども、台湾自体にも9つあって、分野もいろいろな分野があるので、どれぐらいな適正規模かということだったりを今度台湾に行くので聞きたいなと思うのですね。そのときに、台湾に営業はまだかけていないということなのですけれども、交通体系の状況やアクセス、インターチェンジからの距離や工業用水の状況だったりを今のデータでいただいたやつを国ベースで動かないといけないのか、それともちなみに鳥取県としてこういうのがあるのですみたいなのをお渡しできたらなと思うのです。ちょっとそこら辺のところの……。

◎尾崎委員長
 山川委員、決算に関してだけをお願いいたします。よろしいですか。

○山川委員
 稼働状況と流量がどれぐらい余っているかというデータをお渡しいただきたいなと思います。

◎尾崎委員長
 資料提供でお願いします。

○山川委員
 よろしくお願いします。

◎尾崎委員長
 では、ほかにありますか。

○市谷委員
 令和4年度の財政概要の5ページの特別会計、国保の関係で、県の特別会計なので県として差引きの18億円については保険料軽減などに充てているのかどうかというのをもう一回確認させてください。

●櫻井政策戦略本部長
 市谷委員から重ねてお尋ねがありました。国保の関係でございますが、保険者であります市町村の側なのかと思いますけれども、必要に応じて確認をしてまいりたいと思います。

◎尾崎委員長
 それでは、意見が尽きたようですので、質疑はこれをもって終了いたします。
 換気及び執行部入替えのため、暫時休憩いたします。では、11時15分から再開といたします。

午前11時03分 休憩
午前11時15分 再開

◎尾崎委員長
 再開いたします。
 次に、前年度の指摘事項に対する対応状況についてです。
 口頭指摘については、お手元に配付した報告書をもって代えることとして聴取を省略し、文書指摘のみ対応状況を聴取することとしたいと思いますが、いかがでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、さよう決定いたします。
 それでは、まず文書指摘事項に対する対応状況について、執行部の説明を求めます。
 説明は簡潔にお願いいたします。
 まず最初に、1、ICT教育の加速化について、足羽教育長に説明を求めます。

●足羽教育委員会教育長
 文書指摘の1ページをお願いいたします。ICT教育の加速化という観点で、教員のICT活用指導力の向上に向けた取組、研修等も含めて充実を図るべきではないかという御指摘、さらには外部委託なども含めたICT支援員の増員等で各学校におけるICT指導力向上を図るべきではないかという御指摘をいただいておりました。
 3点簡潔にお答えしたいと思います。まず、コロナも含めてICTの活用の取組が県内どんどんと進んでおりますが、そうしたICTを活用した先進的な教育に取り組む学校をリーディングDX推進校として中学校区に指定して、効果的な教育実践を全県的に広めるような取組を進めているところでございます。さらには、先進的な教育に取り組む学びの創造先進地域もさらに指定しながら、探求的な学びの取組を充実させるよう取り組んでいるところでございます。
 2点目としましては、組織的な側面からでございますが、やはり管理職の意識は非常に大きいものがございます。校長をトップに据えた研修ですとか各校に配置しております情報化推進リーダーへの研修体制を推進することによって、教員の意識改革をより向上させていきたいと思っております。研修機会の確保に向けましては、オンライン研修を増やしまして、移動なくして各学校現場で研修が受講できるような形、そういう環境も構築をしているところでございます。
 3点目のICT活用支援につきましては、小中学校ではICT教育指導員、さらには教育DX推進員2名、これは6月の補正予算でお認めいただき、増員を図ることができました。市町村の全ての学校にアウトリーチ型、今年度末までに全校を訪問しながら現場の先生方の困り感に寄り添い、そして指導、助言が行えるような体制を構築できたところでございます。県立学校につきましても、ICT支援員の時間増、これも6月補正でお認めいただいたことで毎週全校を訪問することができるようになり、より効果的な支援が進んでいるところでございます。
 今後も子供たちの学び、ICTを活用した探求的な学びがより充実していくよう、体制整備を図ってまいりたいと思います。

◎尾崎委員長
 次に2、元健康増進センター等庁舎管理費について、中西福祉保健部長の説明を求めます。

●中西福祉保健部長
 平成11年に用途廃止されました旧東部健康増進センター利活用・処分についてでございます。現在、従前設備等の一部を共用しております隣接の施設、因幡路でございますけれども、この運営者と共用部分の分離等について協議をしているところで、分離について大体めどがついたという状況でございます。今後、解体撤去を含めた利活用、処分について、県有施設・資産有効活用戦略会議の場なども活用しながら検討を加速化していきたいと考えております。

◎尾崎委員長
 次に債権回収の在り方について、櫻井政策戦略本部長お願いします。

●櫻井政策戦略本部長
 債権回収の在り方について、県営住宅の債権回収について、また税外債権管理プロジェクトチームにおける全庁的な債権管理についての御指摘をいただいておりました。
 まず、県営住宅の過年度分の債権回収につきまして、事務処理要領を令和5年7月に改正し、時効完成に至らないよう、滞納者から定期的に債務の承認を得ることや、公示送達により支払い督促等の法的手続を行うことを定め、時効更新の措置を適切に講じていくこととしております。
 また、鳥取県の税外債権管理プロジェクトチームにおきまして、法的手続を含めた債権管理の在り方について検討を行い、令和5年2月に督促から強制執行に至るまでの手続を債権管理マニュアルに追加改定をしております。実際の債権回収に当たって、担当課と税務課が定期的に対応方針を会議で行いまして、合同で訪問催告、法的手続を行うなど、これからも適切な債権管理に取り組んでまいります。

◎尾崎委員長
 次に高度技能・技術人材育成プログラム開発について、池田商工労働部長、お願いいたします。

●池田商工労働部長
 高度技能・技術人材育成プログラム開発についてでございますが、現在、30年に県内に機能が移転された職業能力開発総合大学校と連携して、職業能力開発体系の整備や人材開発作成プランを進めております。この実績が芳しくないということで、数値目標を設定して、意識啓発等々を改善すべきということでございました。
 現在、その作成に関し、令和5年度の目標を10社という形で定めまして、プラン作成、プランに基づく研修実施企業の数の実績を重ねるべく動いているところでございまして、7月にも人材育成プラン作成支援セミナーを東部、西部で実施させていただきました。これらに参加いただいた企業をしっかりフォローするということが大切だと考えておりますし、このセミナーを動画収録いたしまして配信を始めたところでございます。
 また、その伴走支援に当たりましては、これまでの反省として担当課中心の周知活動というのが中心だったものですから、ポリテクセンター、産業技術センターとしっかりと連携していくということ、また勘どころの分かる中小企業診断士協会などとも連携して周知を図るということや、特に企業の特性を踏まえた重点ポイントを提示しながらプラン作成を支援できるような改善を図っていこうと考えております。
 それと、作成促進につきましては経営者の理解や意識改革ということが非常に重要なものですから、この3月にプラン作成の動機づけとなる動画も作成させていただきました。こうしたものを配信するとともに、現在、リスキリング施策等、当初、補正等でお認めいただいたところでございます。これらの普及啓発と併せましてしっかりとサポートしてまいりたいと考えております。

◎尾崎委員長
 5、令和3年度国土交通省所管補助金の受入れ手続の不備について、澤会計管理者、お願いいたします。

●澤会計管理者
 5、令和3年度国土交通省所管補助金の受入れ手続の不備について御指摘をいただいておりました。これに関しましては、部局間の連携などにより防ぐことができたものであり、また既に再発防止は取られているのであるが、改めて職員の意識改革を図り、国費事務に係る改善策の運用を徹底するとともに、組織体制を整えるなどさらなる業務適正化を推進されるべきとの御指摘でございました。
 御指摘につきましては、県土整備部内では予算・決算管理体制を従前より強化し、また国費事務に組織として取り組むなど、部内を挙げて再発防止に向けた取組を進めているところでございます。また、会計管理部ではこの事案を契機に作成した新たなデータベースによる担当部局との相互チェックのほか、進捗の確認機能の強化を図り、支払いや事務の遅延を防ぐ取組を進めております。また、担当者の国費の支払い事務への理解を促進するために、手引の改正、事務マニュアルのデータベース化、VOD配信による研修なども行い、国費事務に当たる職員の意識改革はもとより、業務の適正執行に取り組んでおります。
 このほか、県の会計事務におけるリスクの分析を行い、未然防止策を全所属に周知したほか、リスクの具体例に基づく研修を今後も提供していき、会計事務全般にわたる職員のスキルアップ、意識改革、そして一層の業務適正化につなげていきたいと考えております。

◎尾崎委員長
 以上で前年度の指摘事項の対応に係る執行部の説明は終わりました。
 ただいまの説明に対し、質疑、御意見等はありますでしょうか。

○山川委員
 ICT教育についてお聞かせください。ICT教育の加速化ということで、ICTの指導力向上を図るためにということで指導員さん1名、推進員さん2名やっていただいて、ありがとうございます。ただ、伺いたいのが、全県下の全体として、これは足りたという認識なのでしょうか、不足だったという認識なのでしょうか。そして、全県下においてやはりどうしても配置場所が東部だったら東部に偏るよとかになりがちだと思うのですけれども、東・中・西でバランスよく配置して、全県下で訪問できたのでしょうか。訪問できなかったら、逆にオンラインの相談受付をしましたよという状況だったら、そのことを教えていただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。

●足羽教育委員会教育長
 まず、不足感でございますが、増員をさせていただいたことによって東部、中部、西部それぞれ担当を持って、全校を訪問するということで今動いており、訪問回数もこの半期で急増しているところでございまして、現時点でまだまだ足りないという大きな声は届いていないところでございます。
 一方でヘルプデスク的な部分も設置はしておりまして、県でGIGAスクール運営支援センターというものを教育センターに設置して、ここでもオンラインであったり、あるいは電話相談を受け付けるような形になっております。令和4年度と比較しますと倍の相談件数がここにも届いているところであり、こちらでも、GIGAスクール推進課、DX推進課のほうで丁寧な対応をしているところでございます。

◎尾崎委員長
 よろしいでしょうか。
 ほかにありますか。
 意見が尽きたようですので、質疑はこれをもって終了します。
 継続審査についてでございます。本委員会は、閉会中も引き続き審査を継続することとし、今定例会において本会議から本委員会に付託された議案第32号、令和4年度鳥取県天神川流域下水道事業会計決算の認定について、議案第33号、令和4年度鳥取県営企業決算の認定について及び議案第34号、令和4年度鳥取県営病院事業決算の認定については、これを継続審査することに御異議はございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようでありますから、そのように決定させていただきます。この旨、議長に申し出ておきます。
 次に、所属される分科会以外の分科会に対して、この点はよく審査してほしいというようなことがございましたら、この場で御指摘いただきたいと思います。ありますでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 ないようですので、特になしということでよろしいですね。
 以上で本日の議事は全て終了いたしました。皆さんのほうでその他何かありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 発言がございませんので、これをもちまして本日の決算審査特別委員会を閉会いたします。

午前11時25分 閉会

 
 

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