会議の概要
午後1時00分 開会
◎福田委員長
ただいまから、人口減少社会問題調査特別委員会を開会いたします。
本日の日程はお手元に配付しております日程表のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきたいと思います。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
会議録署名委員は、鹿島委員と西村委員にお願いいたします。
それでは、議題に入ります。
前回に続きまして、本委員会に付託された調査事件に関する現状などについて、執行部から説明を受けたいと思います。
本日の委員会では、人口減少によって生じる県内経済や県内農林水産業への影響、そして、中山間地域における集落機能、集落活動といった個別課題について取り扱うこととし、部局入替え制で行いたいと思います。
それでは、最初に、商工労働部からの説明を求めます。
執行部の説明は要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いいたします。マイクのスイッチ操作は必要ありませんので、よろしくお願いします。
質疑等につきましては、説明終了後に一括して行いたいと思います。
●河野雇用・働き方政策課長
人口減少によって生じる県内経済への影響と課題という資料をお願いいたします。
初めに、1、雇用環境についてということで、3ページ、鳥取県の人口の将来推計という資料を御覧ください。
本県の人口の将来推計で、総人口が2020年の約56万人から2045年には約45万人ということで、25年間で2割程度減少すると。また、15歳から64歳の生産年齢人口は、同じ期間内で31万人から22万人ということで、27%ほど減る見込みでございます。こうした将来推計のとおりに進みますと、県内から労働者が4分の1以上いなくなり、県内市場も同じように2割ぐらい縮小するのではないかと推計されております。
続きまして、4ページの従業者数の推移という資料をお願いいたします。こちらは県内の事業所等で働く方の人数の推移を追った資料で、2009年から2021年までで約4%の減少、特に直近では横ばいで推移しております。先ほど御説明しました生産年齢人口の減少率は資料に書いておりませんが、2010年から2020年までの10年間で約13%減っておりますので、それと比べると従業者数の減り幅は小さくなっております。これは15歳以上の人口に占める就業者、割合が上昇している。特に女性が結婚ですとか出産とかで就業しないといった有業者の比率が下がっていたM字カーブが解消されたことですとか、65歳以上の高齢の方が仕事に就くといったことが上昇傾向にあることから、従業者数は生産年齢人口ほどには落ちてないという実態があります。
続きまして、5ページの非正規労働者の就業調整という資料をお願いいたします。この議会でも御質問いただきましたが、最低賃金の引上げや社会保険の適用拡大によって、就業時間や日数を税金とか社会保険料を払わなくてもよい年収に調整するという就業調整を行うということが着目されているのですけれども、県内で非正規就業者8万8,500人のうち、約18%の方が何らかの就業調整を行っているという統計データがあります。特に女性で見ますと、30代から50代まで幅広い層にわたって、大体2割を超える方が就業調整を行われているという実態があります。この割合は全国と比べると少ないのですけれども、それでも2割ぐらいの方が就業調整を行われているということです。こうした就業調整が行われなければ、もう少し就業者の方の労働時間が増えるとか、労働供給がもっと進むのではないかといったことが推計されております。
続きまして6ページ、有効求人倍率の推移をお願いいたします。企業からの求人に対して、どのぐらいの方が求職、仕事を求められているかという有効求人倍率の推移でございます。平成18年から見ますと、平成21年のリーマンショックの頃に一番底、0.5倍を切るような倍率だったのですけれども、直近は右肩上がりで、コロナ禍で一旦落ち込んだものの、令和4年では1.5倍ということで、求職者数に対して求人のほうが多いという状況が続いており、人手不足というのがデータでも顕著に見てとれる状況となっております。
続きまして、7ページの人手不足に関する業種別の試算という資料をお願いいたします。こちらは、リクルートワークス研究所という民間の研究所の公表データでございます。2040年の労働供給についてシミュレーションしたグラフで、全国で見ますと、例えば輸送・機械運転・運搬の職種ですとか、建設、介護サービス、保健医療専門職といった職種において、2040年にかけて大きく供給不足が生じる予測になっております。例えば輸送・機械運転・運搬ですと、2040年には全国で4,000人ぐらい、100万人近く不足が出るといったシミュレーションです。
全国のデータと比較した県内の雇用ミスマッチの状況です。毎月出している労働局のデータで見ますと、人材不足の職種というのは、左側にある全国の状況とほとんど重なっておりまして、介護サービスですとか接客・給仕、飲食物の調理、商品販売。業種でいいますと、福祉・医療ですとか卸小売、飲食、宿泊サービスとか建設業といった業種で、県内でもミスマッチが起きている、深刻な人手不足がデータで表されております。
続きまして、8ページをお願いいたします。外国人技能実習制度の見直し(イメージ)ということで、現在、有識者会議で外国人雇用の制度、技能実習制度の廃止と新制度の創設が検討されていまして、最終報告書が取りまとめられたところでございます。令和6年の通常国会で関連する法案が提出される見込みです。下に書いている図は10月現在の会議の資料で、最終的に国会に出されるときには少し内容が変わるところがあるかもしれませんけれども、3年間で特定技能1号レベルの技能ですとか、専門性が身につくように外国人の方を育成して、一定の条件付で転籍を認めるといった制度が検討されています。今後、人手不足については、制度改正によってますます外国人活用が進むことが考えられております。
9ページをお願いいたします。外国人の関係のデータをお示ししています。外国人住民数及び外国人労働者数の推移ということで、1年前のデータになりますが、県内の外国人の方は約5,000人でございます。県の人口に占める割合は1%を切っているような状況ですが、日本全体では大体2%、2.2~2.3%ぐらいが外国人住民の方だという統計データもあります。
外国人の労働者の方が県内で3,072人いらっしゃいまして、コロナ禍で一時的に減少したのですが、直近では2年ぶりに増加しております。技能実習生の方が大体1,500人ぐらい、専門技術を持った方が528人です。国別で見ますと、ベトナムの方が1,100人、それから中国の方、フィリピンの方となっております。
●河野商工政策課長
本県の経済・産業への影響、課題等について御説明申し上げます。
11ページをお願いします。最初に本県の主な経済指標の動向について御説明申し上げます。棒グラフと2つの折れ線グラフを重ねておりますけれども、青い棒グラフが実質のGDP、赤い折れ線グラフが製造品出荷額、オレンジの線が、先ほども説明いたしました有効求人倍率、重ね合わせて見ていただければ分かりやすいかなと思っております。
本県の経済につきましては、平成20年から平成23年頃にかけましてリーマンショック、また県内に立地する大手製造業の事業再編という影響を大きく受けたところでございまして、これらの指標が低迷いたしました。そのような中で、成長分野であります自動車であったり、医療機器であったり、航空機関連といった企業誘致、あわせまして、中小企業の新たな取組を応援する県版経営革新というような制度の創設、正規雇用の奨励金などのような事業者支援策を講じて、平成21年度、0.47倍まで落ち込んだ有効求人倍率がそこから上昇に転じております。
その後、平成30年、世界経済の減速がありまして、令和元年の消費税の税率改正とコロナといったところによって落ち込んだ県内経済でございますけれども、直近で言えば回復の傾向へと向かっていると思っているところ、円安、物価高に加えまして、人手不足の進行が経済成長の阻害の要因とならないか、大変懸念されるところでございます。
続きまして、下のスライドをお願いします。労働生産性(1人当たりGDP)の推移でございます。左下のグラフを御覧いただければ、本県の労働生産性の推移を棒グラフで表してありますけれども、2012年以降に国内景気回復がありまして、それとともに右肩上がりとなっております。折れ線グラフで全国との比較を重ね合わせておりますけれども、全国との差も徐々に縮まりつつあるところでございました。直近のデータは2020年ということで、コロナ等もありまして少し低迷しているところでございます。
右側は、上のグラフが産業別の労働生産性、下のグラフが従業員の規模別の1人当たりの付加価値ということで付け足しております。業種と事業者の規模によって生産性にばらつきが出ているというところでございます。
業種別につきましては、情報通信といったところが高い生産性を示している一方で、宿泊・飲食、小売、介護施設など保健衛生の部門で生産性が少し低めに出ているところでございます。
事業者の規模別で、従業員数の大きい事業者ほど生産性が高くなるという傾向を示しております。その中で4人以下といった小規模な事業者の生産性が特に低くなっているというところがこの数値から読み取れるかなと思います。労働力が減少していく中で、生産性の引上げが大変重要な点だというところが出ております。
続きまして、次のページをお願いします。事業所数の推移でございます。左のグラフを御覧いただければ、こちらは全国的に同様な傾向を示しておりますけれども、県内の事業所数は減少を続けているところでございます。2009年に大体2万8,000弱ありました事業所は、令和3年に約2万4,200ということで、3,700余り減少しているところでございます。
右のグラフは業種ごとの推移を示しておりまして、一番右の医療・福祉はこの間に34%増加しているのですが、その他、卸小売、建設業、宿泊・飲食はともに2割以上の減少と、製造業につきましても17%減少を示しております。
続きまして、下のスライドをお願いいたします。経営者・後継者の現状でございます。左のグラフは民間調査会社の帝国データバンクが調べました社長の年齢の推移です。全国と鳥取県の情報を重ね合わせて、全国的に経営者の高齢化が進展しております。これは本県も同様で、直近の2022年のデータでは、全国の社長の平均年齢が60.4歳、鳥取県が61歳となっております。これは調査を開始されました1990年以降、上昇が続いているところでございます。
そして、事業継続の状況につきまして、右下に本県独自に実施した令和3年度の事業継続に関するアンケートの調査結果を円グラフでつけております。約4,300社余りに回答いただいた中で、後継者が決まっていない、後継者が必要といった後継者の不在率が57%に上っているところでございます。傾向といたしましては、法人より個人経営、市部より郡部といった事業所で後継者の不在率が高くなっているところでございます。
続いて、次のページをお願いします。物流の2024年問題、適用が後ろ倒しとなっておりましたトラックドライバーなど自動車運転業務についても、来年の春から時間外規制がいよいよ適用される運びとなります。
労働時間が短くなることによる輸送能力の不足が、昨今、非常に顕在化したところでございます。下の絵は、県政だよりの10月号に掲載して県民の皆様に状況をお伝えしたもので、左側に不足する輸送能力の推計をつけております。このまま有効な対策が講じられない場合、2030年度には34%もの輸送力の不足が生じるといった試算となっております。労働時間の縮小と人手不足によって、生活インフラである物流の輸送能力が懸念されるところでございます。
そういった中で、本県におきましては官民連携のプラットフォームを、この春に設けて検討を進めておりまして、実は本日もこの特別委員会と同時刻に関係者が集まって今意見交換を行っているところでございます。
最後に、下のスライドをお願いします。人口減少に対する国の課題認識と対策の方向性ということで、国の審議会の議論を抜粋しております。経済産業省の産業構造審議会のほうで、令和3年11月に新たな部会が設けられました。経済産業政策の新機軸といったものの検討を進められているところですけれども、本日つけている資料は、その部会の6月に公表された中間報告から一部を抜粋したものでございます。
最初に生産年齢人口の減少と説明がありましたけれども、そういった人手不足の中で持続的な賃上げが行われなければ、人材確保も困難となっているところでございます。こうした中で、危機感を持って取り組んでいくことが必要であるということで、付加価値の高い事業の創出、事業構造の転換、新陳代謝を通じた賃上げ原資の確保、変化を推進する企業経営の変革、個人に対するリスキリング、円滑な労働移動の実現などを掲げられております。現在は30年ぶりとなるような賃上げ水準になりまして、また、民間の設備投資の動きも活発化し始めているといった環境をてこにして、政府としても現状維持に甘んじることではなく、付加価値向上に向けた経営の変革に挑戦する企業に対して、より応援して、スタートアップ、足腰の強い企業を育成していくこととされています。
本県におきましても、これまでも意識してやってきているところですけれども、こういった付加価値向上に向けた県内企業の取組を応援するための施策を引き続き実施していこうと考えているところでございます。
◎福田委員長
ただいままでの説明について、これから質疑を受けたいと思うのですが、大体10分なので、今回、3名の方にお願いしたいと思います。
質疑のある方は手を挙げてお願いいたします。
○内田(博)委員
外国人技能実習制度、新制度のほうですが、これは次の国会で決まるわけだよね。そうすると、適用は新年度当初からか。
●河野雇用・働き方政策課長
通常国会で提出される見込みでございます。早ければ4月ですけれども、具体的な規則ですとかが決まり次第となりますので、ちょっと今、見込みということになっています。
○内田(博)委員
いや、実は、うちの町がちょっとこういうことを考えているものだから、決まってからでいいね、そうすれば。
●河野雇用・働き方政策課長
ある程度、どんな法案が提出されるとか見えてきた段階で、例えばセミナーですとかを通じて周知ということも考えているのですけれども、現時点では、ちょっとまだはっきりしてない部分もありまして。
○内田(博)委員
いや、この新制度で見ると、N5でもオーケーということになると、かなり楽なのですよね。言語のほう、日本語のほう。
●河野雇用・働き方政策課長
日本語ですね、はい。
○内田(博)委員
N5でオーケーであれば意外といけるのではないかなという気持ちを持っているものだから、N5だと何年間、3年間か。
●河野雇用・働き方政策課長
そうですね、はい。
○内田(博)委員
3年間だね。ということで、国のほうにできるだけ早く出してくださいといって。
◎福田委員長
そのほか。
○西村委員
5ページに関連して、女性の30代から50代まで、2割を超える就業調整があります。やはり子育てしながら働く方や介護などで就業調整をしている非正規が多いということ。あと、さっき私は会派の部屋で女性議員は子育てしている人が欲しいと言われまして、私は子育てしていなくてちょっとショック受けたのです。結局もうこれはしようがないことだと思いますが、12ページのところ、鳥取県は中小企業が9割で、大企業ほど労働生産性が高いというお話だと、はかってみないと分かりませんけれども本当に鳥取県の労働生産性というのが非常に低いということがあります。
さらに、女性だけではありませんが子育てをしながら働く方々が多いとなると、そこの調整といいますか、鳥取県として人口が減って、さらには女性がそういう形で非正規や生産性が低いとなると、どういうふうにして全体のGDPを上げていくのかというところがやはり肝なのかなと思うのですよね。それを考えて、県としての今後の施策とかを立てていく必要があると、すぐに結論が出る話ではないとは思うのですが御見解を伺えればというのが1点。
外国人の労働者数の推移はコロナ禍で一時減少したけれども、また増加しているということは、今後また増える可能性もあるのではないかというところと、介護サービスや接客・給仕、飲食物の調理などの人材不足を、例えば外国人労働者で賄っていくというような考え方は可能性があるのかという2点、お願いします。
●河野商工政策課長
県内のGDPにつきましては、やはり食品製造業であったりとか、素形材といった製造業が非常に大きな市場を占めておりまして、そういったところをまずしっかり伸ばすことをやらせていただくとともに、少し政府の話もさせていただきましたけれども、4人以下とか人数の話ではなくて、そういった小規模な事業体でも将来に向けて地域になくてはならないというのが今回いろいろな問題で出てきましたので、そういった小規模の事業体の経営力の向上を一つの大きなテーマと考えております。
そういった中で、労働生産性の向上でいけば、例えば省人化の機械を入れる。実は今回、政府の経済対策で、なるべく簡易に取得できるようなカタログ型というようなやり方で省人化投資ができる仕組みをつくられているところでございます。私らとしても、今回11月補正でそういった賃上げの話と省力化を兼ね合わすような補助制度もつくらせてもらいました。事業者1人単位でも10万円ずつぐらい配るというような制度もありまして、しっかりと両面作戦でやっていくという認識です。
当然ながら、労働生産性につきましては改善の余地はあるわけですから、前向きに取り組むところにしっかり背中を押していきたいと思っているところでございます。
●河野雇用・働き方政策課長
初めに就業調整のお話がありまして、国のほうで税制とか社会保障の制度を2025年に見直すといったことが示されておりますので、我々としてもその議案をしっかり見守りたいというところと、やはり女性活躍みたいな就業調整を気にせず働くですとか、今後の企業の成長には大事なことかなと思っていますので、引き続き進めていきたいなと思っております。
外国人について、御指摘のとおり、確かにこのままの傾向でいけば日本全体で、そして鳥取県全体でも労働者数としては増えていくのかなと思っております。賄うという言い方が適切かどうかはありますけれども、今、国のほうで法案をつくるのに向けて外国人の方が働ける分野、業種をちょっといろいろ調整しているところで、例えばトラックとかタクシーとか、そういう運転の部門に外国人材を活用できるようにみたいな話とかも報道ではいろいろ出てきております。まずはどんな分野に外国人の方が就けるのか。外国人の方がすぐに就ける職種とそうではない職種ってやはりあると思うのです。我々の中でも議論している。例えばタクシーとかだと、ちょっとコミュニケーションがあるから難しいのかもしれないけれども、トラックとかだったら1対1でというのがないから参入しやすいのではないかとか、いろいろ議論しているところですので、制度を見守りつつ、外国人材の方に限らず、やはり鳥取県で働く方たちがその人らしい働き方をして、それによって企業が成長していけるというのが最終目的だと思っておりますので、そこに向かって人手不足対策とかに取り組んでいきたいという思いでございます。
◎福田委員長
もう一方。
○前田委員
4ページ、65歳以上の有業率が上昇傾向ということで、高齢者が働くことが書いてあるのですけれども、高齢者の活躍という一方で、もう一つ労働生産性という観点があって、これはお年寄りになるとやはり働き方も、十分に働けないような状況が出てきて、これは矛盾するものではないのか、関係性というか、その辺をちょっと教えてもらえますか。
●河野商工政策課長
今のお話の中で、日本の労働高齢化率が非常に高いという実態があります。60歳から64歳、そして65歳以上という方の労働参加率は、先進諸国の中でももうかなりトップの水準を行っていると。母集団が多いから必然的にということもあるのかもしれませんけれども、既にそういった一定の年齢を召された方でも活躍できるということが、実証されながら今ここに来ているところだと思います。
ただ、委員が御指摘のとおり、生産性という観点では、どうしてもそこは、課題かなと政府の中でも意見があるようです。ただその中で、役割の話であったりとか、省力化できるところは省力化、AIならAIというような便利な機器も導入しながら、組み合わせながらやっていくという格好になろうかなと思います。日本の高齢化率が高いというのは事実でございまして、その中でどうしていくのかということで、先ほど外国人の参加ということもありましたけれども、多様な労働者の参加も得ながら、それで役割分担もしながら、できることはやっていくと。その中で生産性を、機械とかそういったところも使いながらブレンドしてやっていく、これが一つのやり方ではないのかなとは思っているところでございます。
◎福田委員長
最後、では、簡潔に。
○東田委員
14ページの円グラフを見ますと、後継者の不在が57%ということで、事業承継の取組が大切ではないかと非常に思うわけでございまして、商工会連合会とかといろいろ議論しておられると思いますけれども、この辺りの今後の取組の方向性をちょっと聞かせていただけたらありがたいです。
●岩田企業支援課長
これまで支援機関、商工団体、事業承継・引継ぎ支援センターなどと連携しながら取り組んできております。
昨年度は商工会連合会と一緒に連携して、実際に商工会連合会の会員の方で、県も関わりながら事業承継に取り組んでいきたいという企業に対して、県も一緒に同行訪問などをしながら、具体的に個別に対応しているところでございます。また、今年度はそういった具体的なものではなくて、将来の事業承継を見据えて、現経営者、後継候補者、支援機関、それぞれが、10年とか長期的なスパンで事業承継の備えをしていただくということで、それぞれの立場に応じてカリキュラムを組んで、勉強しながら備えをしていただこうといったことで、今準備を進めているところです。今後も、そういったところも力を入れていきながら取り組んでいきたいと考えております。
◎福田委員長
大変ありがとうございました。
商工労働部につきましては以上で終わります。
執行部の皆さん、ありがとうございました。御退席ください。
では、これから農林水産部に入っていただきますので、そのままお残りください。
午後1時33分 休憩
午後1時34分 再開
◎福田委員長
再開します。
農林水産部からの説明を求めます。
執行部の説明は要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いいたします。マイクのスイッチ操作は必要ありません。
質疑等につきましては、説明終了後に一括して行います。
●中村農林水産政策課参事
資料の2ページをお願いいたします。人口減少により生じます県内農林水産業への影響と課題、担い手確保に向けた県の取組についてということで、最初に、現状と将来見通し並びに課題につきまして、農業、林業、水産業別に概略を御説明させていただきます。
最初に、農業についてです。かねてから新規就農者の確保といった対策としまして、就農に向けた研修ですとか、就農初期段階の経営を支える資金交付、あるいは施設、機械の整備といったハード支援を全国に先駆けて展開してきております。こうした施策によりまして、新規就農者はコンスタントに年間120人から150人程度を確保できている一方で、農業生産を支えます基幹的農業従事者全体数としましては減少を続けておりまして、年齢構成としましても60歳以上が8割といった形で、高齢化に歯止めがかからない状況となっています。
また、これまでですと、定年帰農者が順繰りで地域の農業を支える役割を果たしていくという構図があったのですけれども、定年延長によりまして、それがなかなか期待できない状況が生まれてきております。地域の担い手がおられる場合、その方への農地集積が進んで、経営も大規模化していくという発展があるのも事実ですけれども、農道ですとか水路の維持管理、あるいは鳥獣害対策といったところは、担い手がいれば問題解決ということにはならない事柄です。農村に人がいてこそ、総事で対応できてきたわけですけれども、こういった点も、人口減少によって作業の継続ができなくなる地域も出てくることが懸念されます。
畜産におきましても、後継者の不在、あるいは高齢化での廃業で、農家戸数が減少している状況は同様となっております。
続きまして林業です。農業同様に、過去からかけまして従事者数の減という状況はありながらも、平成17年の593人を底として、その後は増加傾向に転じた経過があります。林業におきましても、OJT研修を中心に人材育成・確保の取組を地道に継続した成果の表れでもありまして、年齢構成の面でも、農業と違って、平成22年を境に35歳未満の若年層率が65歳以上の高齢者率を上回るという成果にもつながっています。直近、R2年におきましては、両率が横並びとなって林業従事者数も再び減少に転じておりますので、離職をいかに減らして確実な定着につなげていくかということが課題と捉えています。また、間伐施業地の奥地化、皆伐再造林の推進という課題、目標もあります。
担い手の育成確保をさらに進めていく必要があることは、農業と同様でございます。そして、人口減の影響は里山林の管理にも直結してまいります。災害防止、景観維持、あるいは生物多様性保護といった機能維持の面で、企業ですとかNPOを含めた県民一丸の保全体制づくりを進めることが必要と考えております。
最後に3ページ、水産業についてです。水産業につきましても同様に、かねてから新規就業者支援を継続してきた中で、漁業就業者全体に占めます新規就業者の割合が全国1位になるなど成果が出ているものの、就業者数の全体数は減少を続けて、高齢化も進行しているという状況です。
人口減少が漁村の活力低下を招くといった状況に対応するために、継続して漁協等と連携した新規就業者の受入れに取り組んでいくことが必要ですし、そのために、より効率的な操業、例えば無駄な出漁を回避するとか作業の効率化の実現、漁獲量を増やして経営を安定化させることを目指して、スマート技術を積極的に進める必要があると捉えております。
続きまして、こういった現状、将来見通しを踏まえた農業、林業、水産業の各分野での担い手確保対策について御説明いたします。
働きやすい職場づくり、人材採用・確保、人材育成・活用、そして生産性向上という4つの視点で取組を整理しておりますので、分野ごとに順を追って説明させていただきます。
まず、農業から説明させていただきます。
●丸田経営支援課長
引き続き担い手確保に向けた取組について、経営支援課所管の6事業について説明させていただきます。
農業者の高齢化が進む中、本県農業の維持発展のためには、機械化とか基盤整備等による合理化はもちろんなのですけれども、やはり耕作者の裾野を広げる新規就農者の育成が非常に大事になっております。県では、新規就農者等担い手の育成・確保、資質向上について、各種生産振興施策や新規就農者等の育成施策について、県、国の施策を一体的に運用しながら、産地における円滑な経営体制づくりと産地の維持発展に資する人材の育成を進めているところでございます。
まず、1番目、新規就農者等総合支援事業でございます。本事業は、新規就農者が円滑に就農を定着できるよう、就農相談、研修実施、営農開始に必要な機械、施設等の整備に対する支援を行うほか、就農初期の負担軽減を図るための就農応援交付金、就農準備資金、経営開始資金の支給、また、農家後継者の就農促進定着を図るため、経営開始資金の対象とならない農家後継者の親元での就農研修に対する支援を行っております。就農準備段階や就農初期に使途の定めのない資金の交付を行いまして生活の安定化を支援しまして、併せて就農に必要な技術習得や体制整備を支援しております。これについては人材採用・確保、人材育成・活用、あと生産性向上という項目で上げております。
次に、農の雇用ステップアップ事業でございます。これについては、農業経営体等が県内の求職者、あるいは県外からのIJUターン者を新たに雇用しまして、職場で実施する実践的な研修等に係る経費を助成することにより、県内の雇用就農の促進を図るとともに、各経営体における担い手の確保と早期育成を支援するものでございます。これにつきましても、国の雇用就農資金と県独自の施策を連携して支援しております。
定着促進を図るため、定期的に経営体を訪問するなど、研修生及び雇用形態のサポートを実施しております。また、研修生の中には将来独立就農志向の方もおられまして、地域内で同様に雇用就農、独立就農や親元就農をされた方と接する機会を設けるなど、人的マッチングも支援しております。また、農業だけでは通年雇用が難しい場合に、他事業と連携して雇用を行う経営体に対して、研修を行うための必要な経費を助成しております。
次に、鳥取発!アグリスタート研修支援事業でございます。この事業につきましては、鳥取県農業農村担い手育成機構が、県内で就農を希望するIJUターン者等の研修生を受け入れまして、先進的な農家を研修先として実施するアグリスタート研修に要する経費を助成しまして、新規就農者の育成確保を図るものでございます。
また、アグリスタート研修生及び市町村農業公社等が新規就農者育成のために受け入れた農業研修生のうち、国の就農準備資金等の支援を受けられない研修生や農業大学校で開催する公共職業訓練のアグリチャレンジ科受講生のうち、研修期間中に公共職業訓練による雇用保険や職業訓練受講給付金等の生活支援を受けられない方に対して、交付金を交付して支援をしております。
次に、産地主体型就農支援モデル確立事業でございます。産地の維持発展に必要な新規就農者の確保、定着をより円滑に進めるためには、地域ぐるみでの受入体制の構築が非常に重要であります。本事業は、産地が主体的に後継者を確保、育成する取組として、産地の将来ビジョンに基づき新規就農希望者に対する技術習得研修、継承すべき優良農地の維持管理、研修や営農開始に必要な機械、施設整備等を先行して進め、パッケージで支援する体制づくりをモデル的に支援するとともに、他産地への取組拡大を図ることを目的としております。
就農希望者が安心して就農できる産地の受入体制の整備は非常に重要ですが、初期段階から産地と希望者を強く結びつけるためにも、相談者の意向に合わせた具体的な提案であるとか、産地としてもその希望に沿った形での受入体制を強化するということが大事ですし、移住定住施策とも連携しまして、強力に進めているところでございます。
次に、とっとり農業経営支援ネットワーク事業でございます。これについては、令和4年度から、農業経営支援ネットワーク機能としての鳥取県農業経営・就農支援センターを立ち上げまして、経営支援課を総合窓口に、地域窓口を農業改良普及所として、就農相談から担い手の経営発展まで一元的にサポートする体制を構築しております。
就農サポート、経営サポートにそれぞれ2名ずつの就農相談員、コーディネーターを配置しまして、相談体制を強化しております。また、本年度より係長級の正職員を1名増員しまして、産地主体での新規就農者受入体制の強化、産地の機運醸成や経営相談等に係る重点対象の掘り起こしについて、さらに強化しているところでございます。また、担い手育成対策としては、本センター体制を軸に、認定農業者等を対象として法人化であるとか雇用労務管理、経営継承、経営改善などの経営サポートを推進しております。
最後に、果樹産地新規就農受入体制モデル事業でございます。これにつきましては、永年作物である果樹において、農地の流動性が非常に難しいということで、なかなか新規就農者の受入体制が進まないことと、地域差も非常に大きいということで、地域の現状に合わせた柔軟な対応が必要であることから、県主導で果樹をモデルにした受入体制の強化、推進を図る事業でございます。
本事業では、八頭町をモデルに、地域に特徴的な柿と梨の組合せに加えて、新品種、梨の新甘泉、王秋であるとか、柿の輝太郎と新技術、ジョイント栽培、スマート農業等を導入したトレーニングファーム、研修の場として整備し、あわせて生産組織や経営OB等の地域人材のスキルを生かした研修体制を強化しまして、新規就農者のフォローアップを推進してまいるものでございます。
また、果樹の新規就農者が新植のみで営農をスタートする場合に、新規就農者の経営安定を目的とした3か年の支援策である国の経営開始資金であるとか、就農応援交付金の対象者に対して、就農開始4年目、5年目についても県独自で一月10万円の支援を追加交付し、収入のない未収穫期間の営農継続安定を強化することを目的としております。
◎福田委員長
丁寧な御説明ありがとうございました。ちょっと時間の関係上、簡潔にお願い申し上げます。
●福田畜産振興課長
続いて、4ページの一番上、酪農第三者継承モデル事業について説明いたします。畜産は、新規就農者にとって施設等への初期負担が大きく、特に酪農は搾乳施設が必要で投資額はより大きくなります。後継者のいない酪農家と酪農を始めたい新規就農者をマッチングして、施設を有効活用するということでモデル事業として実施しております。具体的には、牛舎のリース料や機械の購入費、施設の修繕費を支援しているということです。
●中村農林水産政策課参事
県内で農林水産業を学ばれる高校に通う生徒に対しまして、高度な農林水産分野での実践的な知識、技術の習得といったところを支援して、一定の基準を満たした方をスーパー農林水産業士として認定することで、将来の人材を早期から育成していこうということを狙った制度でございます。平成29年度に制度を創設して、今年度までの7年間で61名の方を認定しております。その多くが農業大学校ですとか鳥大の農学部に進学されたり、県内の農林水産業を営む企業に就職されているといった実施状況を展開しております。
続いて、多様な人材確保に向けたささえあい事業で、慢性的な農業現場での労働力不足、特に季節的に生じます労働力不足を解消するために、現在各JAに農業人材紹介センターを設置しております。JAの選果場など共同利用施設ですとか農家への人材紹介、マッチングを支援するように機能しているところです。この事業の中では、この3JAに設置したセンターの運営経費を支援させていただいておりますほか、新たな外国人材を受け入れるために必要な住環境整備の支援などを行っているところでございます。
続いて、みんなで取り組む農山村保全活動支援事業です。集落だけで農業生産基盤の維持管理を含めた保全活動を行っていくことが困難になった地域が生じてくる中で、集落外から農山村ボランティアですとか、社会貢献活動に前向きな企業、あるいは市街地の自治会といった多様な外部サポーターとの連携によりまして行う保全取組を支援するものでございます。農山村ボランティアは、毎年おおむね40地区に派遣されておりますし、企業との連携協定は現在までに累計で13戸、市街地自治会等との協定は累計6という取組実績となっております。
続いて、スマート農業社会実装加速化総合支援事業でございます。生産性向上、あるいは省力化を担うものとして、普及性が高いことを確認しましたスマート農機の導入を支援しますとともに、そういったスマート農機を扱う人材の育成ですとか、メーカーや生産組織が連携した地域でのスマート農業のモデル実証といった取組を支援するものです。新たに農業を始めようとする方向けにも、こういったスマート農業の普及は有効なメッセージになりますし、技術の未熟なところを補う要素としても有効だと考えております。また、人手が不足する状況下で、効率的な作業につながるスマート農業は、人口減少下での農業維持にはもはや欠かせない、不可欠な技術と捉えておりますので、さらなる普及拡大を支援していきたいと考えております。
●濱江林政企画課長
まず、鳥取県版緑の雇用支援事業でございます。この事業は、新規就労者のOJT研修を実施される林業事業体に対して支援するもので、県といたしましては、新規就労者を毎年度50人確保することを目的としてやっているところでございます。
森林整備担い手育成総合対策事業につきましても、林業労働者の技術習得に要する研修等の経費支援、蜂対策、振動障害に対する労働安全衛生環境の整備、そして福利厚生の充実につながる取組を新規就労者の確保という面でやっているところでございます。
3番目、林業労働安全緊急対策事業でございます。これは昨年度から実施しているもので、林業というのはやはり労働災害の発生率が非常に高い、今年度も10件起きております。そういった意味で、林道事業体を対象に防護衣などの労働安全装備、器具の導入支援を行っているものでございます。
未来の林業を担う即戦力人材確保育成事業は、今年10月末に大山町で日本伐木チャンピオンシップを行わせていただきました。林業のイメージを一新するために、スタイリッシュな防護服を着て、正確性、スピード性といったものを競う大会で、このような大会を通じて林業の魅力を発信していこうというものでございます。また、にちなん中国山地林業アカデミーの研修生に対しても、就業までに必要な準備金や技能講習等の受講に対する支援を行っているところでございます。
続きまして、スマート林業実践事業のうち林業DXリスキリング講座でございます。現在、航空レーザ測量とかドローンを活用しているわけですけれども、そういったICTを活用した県内をリードする人材を育成するための講座を行っているところでございます。
●近藤県産材・林産振興課長
木材産業人材育成推進事業です。これは県内の高校生、具体的には智頭農林と倉吉農高の生徒、それから鳥取大学、環境大学の学生を対象にしまして、製材所や木材市場など木材産業の現場見学などをする機会を設けております。単に工場見学等だけではなしに、業務体験をしたりとか、あるいは若手職員との意見交換会の場を設けながら興味を持っていただく機会を設けております。
就業した後、人材育成あるいは就業定着のために外部の講師を招いて会社等が開催します研修会の開催経費などを支援したり、あるいは外部研修に参加するための費用の助成などを行っているところでございます。
●小林森林づくり推進課長
人材の育成、活用といった視点で、里山林整備等に関する事業を3つ上げております。
表の下から3番目、協働による里山再生事業です。集落等が林業事業体等と協働で行う里山林整備、あるいはそこで整備されたフィールドを使って行います森林体験学習等を支援するものです。本年度スタートした事業で、現在2つの集落が取り組んでいらっしゃいます。
次に、とっとり県民参加の森づくり推進事業です。NPO等が行います森林整備活動であるとか、広く県民に森づくりへの参加を促す森林体験企画等を支援するものです。本年度は14の団体が取り組んでいらっしゃいます。
3つ目です。とっとり共生の森支援事業、県と市町村が連携いたしまして、企業と森林所有者をマッチングし、企業等による森林保全活動を推進するというものです。これまで23の企業、団体様に活動いただいているところでございます。
以上、いずれも手入れが行き届かず荒廃した里山林等において、林業事業体や企業、NPO等の人材を活用いたしまして、森林整備を行うとともに、県民の森を守り育てる意識の醸成を図っているものでございます。
●寺田水産振興課長
5ページをお願いします。水産振興局所管の2事業について御説明させていただきます。
まず1つ目が、漁業就業者確保対策事業です。こちらは、新規就業希望者の方の受入れ、研修、指導体制の整備、支援をするとともに、新規就業者が着業する際に必要となります漁船ですとか機器等の取得に対しまして、必要な支援を行います。あわせて、新規就業者の方が研修中、もしくはこの研修が終わって着業された後も、漁業活動に関する幅広い相談に対応するための相談員を設置しております。
続きまして、スマート漁業推進事業です。こちらは、操業中の漁船が水温、塩分、潮流といった観測データを収集いたしまして、その収集したデータを使って沿岸漁業者の出漁判断ですとか漁場探索等に参考となります海況予測等の情報を提供しております。今、試験段階ではございますけれども、こういったことで労働時間の短縮であったり燃油使用量の削減といった漁業の効率化を図るべく取組を進めているところです。
◎福田委員長
ありがとうございました。
ただいままでの説明について、質疑等はありませんでしょうか。
ちょっと時間を延ばしてやりますので、また、3~4名お願いいたします。
○広谷委員
農業のほうで、就農者は、今以上に、今後5年後、10年後まだ激減してくると思うのですよね。そういう中で、現状のところにも書いてあるのですけれども、特に水田農業の場合、農地集積が進んでさらに大規模化がどんどん進んでくると思うのです。耕作に付随した農道とか畦畔の整備、水路の整備、草刈りとかそういうような、今までは総事でやっていたことが、大規模化になれば全くできなくなってくる可能性が大きいと思うのです。現実に、現在もそういう状況だと思うので、その辺の対応をどうしていくかということで今年度の取組を見ても、ちょっと当てはまらないなと思ったりするのです。
それで、一つは、水田の区画を大規模にする、大区画の面積の水田にするというようなハード的な整備の事業を進めていかないといけないのではないかなと思うですけれども、その辺りについてどう考えておられるか。
●丸田経営支援課長
委員おっしゃるとおりで、今、非常に効率の悪い水田とかの管理に人手が取られるということで、やはりこれだけ高齢化になってくると、その辺がネックになっています。
基盤整備に関する事業については、今、経営支援課では農地の集積で中間管理事業を持っているのですけれども、中間管理事業に連動した基盤整備事業が農地・水保全課の機構関連事業ということで、2戸以上で200万円以上のものから、中山間地だと5ヘクタール以上というようなものまで幅広く事業があります。
ただ、その条件としては、やはり実際につくられる方がいて、その方が基盤整備された後にそこに入るというのがまず大前提になります。ですので、実際に事業で基盤整備したいということがあった場合に、まず、中間管理権の設定であるとか、実際には担い手の方がここに入られてどういう営農をするとかという姿をまずつくりまして、基盤整備後にもしっかり営農していただけるという計画になったときに、事業として基盤整備を行えると。機構関連農地整備事業については、中山間地でないところだと10ヘクタールなのですけれども、上手に使えば地元負担もかなり軽減できるということで、そういう部分で地元負担も圧縮しながら、しっかりと作業効率のいい圃場を担い手の方につくっていただくという制度でございます。経営支援課と農地・水保全課、各農林局も連携して、実際にどういう営農をするかというものも含めて、市町村農地チーム会議という形で協議して具体的に事業を進めているところでございます。
○広谷委員
現実に、担い手の方がもう1反、2反の田んぼを何十枚もやって、それで20町だ30町だとやっているのが現実なのです。だけれども、それを見ると効率が悪いのですよね。
さっきも言ったように、水路の整備なりあぜ草を刈ったりするのにもうなかなか手が回らないという状況でもあるので、その辺り、組織立ってフォローできるとか、何かやらないと。幾ら大規模化したって、なかなか営農が続かないのではないかなと思っているので、その辺りちょっと考えなきゃいけないのではないかなと思います。
◎福田委員長
そのほかありますか。
○川部委員
先ほどの商工業と違って、農地だとか森林だとかという話になると、その地域をどう守るかということも関わってくるのですけれども、結局、人口が減ってきて担い手の母数が少なくなってくる、減っていく中で、はっきり言って個人事業主ではないですか。幾ら大規模化したところで、省力化しても限界がある。それでもうける一次産業がつくれるのかどうかというところではないかなと思うのですけれども、先ほど説明していただいたいろんな事業で効果があるのですか。
それと、さっき広谷委員が言われた水利施設なのですが、特に田んぼ等の頭首工や、水路が老朽化して維持ができなくなってきていて、もう減っていく前提でどう組み立てるのかという話をしないといけない。ただ、これを誰がやるのか、その人がやるとしたら、かけたコストに見合う収入が上がるのかというところが大きな問題ではないかなと思うのです。前はそれなりに、一緒にやってくる中である程度回っていたのでしょうが、この方向で大丈夫なのかと全般的に思いますが、どうですか。
●丸田経営支援課長
まず、先ほどの基盤整備の話で、やはり委員のおっしゃるとおり、もう担い手の方も、面積も限界があるというお話も伺いますし、単純に基盤整備すれば収益性が上がるという部分も、ちょっと難しくなってきているというのはあると思います。
今、県が積極的に進めているのは、高収益作物への転換という部分です。水田転換で、今だったら、例えば中部で湯梨浜の辺りではこういう事業を使って遊休化した水田に梨の果樹園をしています。松崎の辺りだと1.6ヘクタールぐらいで、新たにもう1個の団地化も進んでいますけれども、収益性の高い品目を導入することはやはりもう不可欠だと思います。なので、高収益作物への転換という部分で、実際どういうものが導入できるのかとか、どういう試算になるのかというのも合わせて地域の話合いの中で進めていくというのが、今一番進んでいる事例だと思います。
農地・水保全課が今日おりませんので、水利施設については持ち帰って、また回答をするとことにしたいと思います。
◎福田委員長
そのほか。
○鹿島委員
今の話で、この間もちょっと質問させてもらったのは、結局このことだと思いますし、トップを走る方にはこういう支援をしていただくということだけれども、維持していくということが課題ですので、やはり国に要望するなり、あるいは県独自でもそういう支援策を手厚くして、何とか集落とかで守れるような体制もしないと無理ではないかなと思っております。これは将来にわたって云々という話ではなしに、今の本当に何年かをやっていかないといけないのではないかなというところなのです。
◎福田委員長
おられないから、持ち帰っていただくしかないかもしれません。(鹿島委員「はい」と呼ぶ)
では、私からちょっと最後に申し上げたいと思うのですが、今後急激に人口が減っていく中で、やはり特に僕の選挙区でいう八頭郡というのは、もう人口が減って、若い人もいませんので、当然昔みたいに縫製工場だとか、そういう昭和の時代の企業誘致というのはとても難しい時代になっていて、そういう中で、やはり山はあるわけですから、特に前住委員の若桜町などは95%が森林で、要は地域の大資源なわけで、これをやはり産業雇用にしていかないといけない。今、八頭町の森林組合は、かつて農林水産大臣だとか、何でしたっけ、天皇杯とかを取るほどにもなったぐらい勢いがあって、その当時の森林組合の連合会長などの話を聞くと、山というのはもう山単体で動く時代ではないと。日南町などは先進事例ですけれども、やはり加工とセットの時代だということで、八頭中央森林の木は境港の日新に運んで加工してもらっている。運搬賃だけで年間2億円かけているのだそうですね。そういう意味からいって、やはり東部にも千代川流域圏の中で、鳥取市内かどこでもいいのですけれども、東部にやはりそういう加工施設をセットで整備してもらって、新たな雇用の受け皿を、早急に対応してほしいなと思います。
もうあと1点は、果樹でトレーニングファームを八頭町で始めていただいたのですけれども、花御所とか輝太郎を作っている、特に若い生産者の方々はやはりもうけていますよ。もうけている人に限って、言っていいか悪いか分かりませんけれども、自分で独自の販売ルートを持って、農協一極依存ではなく自分の販売ルートを持って戦って利益を出していますよね。
あと、僕は思うのですけれども、特に花御所柿などいうのはGI制度に登録されていますけれども、あれはこおげの花御所柿というのですよね。これは中山間地の高校問題と全く同じで、例えば在地の市町がそれ以上のモチベーションで後継者をつくろうかという気にならない限り、県だけが一生懸命やっていても本当は駄目だなということを実感しているのです。
例えばこおげの花御所柿と言いながらも、JAの郡家支店には、一人として、剪定とか経営指導ができる人がいないのだそうですね。本当に県だけで後継者をつくり、山地を守り続けることができるのかどうなのか、もう一回、在地の町とか例えばJAとかが本当に今の平井県政と同じ気持ちになって向かっていかない限り、これは絵に描いた餅になるのではないかなと常に地元で思っているのですけれども、いかがですか。
●濱江林政企画課長
先ほどの加工施設の件で、やはり木材需要を拡大していくためには、西部にありますオロチですとか日新ですとか、処理していただけるような施設が近くにあるのが前提であると思います。ただ、東部の場合は、かなり零細な製材所ですとか事業体が多くありまして、委員の言われますように、加工施設をつくる、つくらないということは、まずは民間のほうからこういったものをつくっていきたいのだということから始まるのではないかなと思っております。というのが、行政主導でやりますと、やはり計画的に形はつくるのですけれども、なかなかついていけなくなって、しょぼくなってしまうというのがございます。現在、森林組合を中心に千代川の活性化センターでいろんなことをやっていこうという動きが出ております。そういった中で、この東部でどういったことができるかというのを、また考えていきたいと思います。
◎福田委員長
では、よろしく。
●丸田経営支援課長
八頭町の果樹振興というか、新規就農育成確保の部分、委員おっしゃるとおりこのたびの6月補正で予算をつけていただいて、トレーニングファームということで進めています。初めは具体的なイメージがなかなか湧かないということと、地域性というのがあるのでしょうけれども、もうけておられる方はあまり外に発信されない方が多くて、それと、若い者を育成しようとかという感じでもないと。この事業自体は行政主導の事業で、県4分の3、町4分の1ということで非常に高率な支援で、梨と柿のパッケージでの新しいモデルということで、県内のほかの地区への波及も含めてつくった事業でございます。
八頭局も頑張って、普及所なり局も頑張って、町と時間をかけて話をする中でようやく形になってきたということで、八頭の農業公社が主体となって梨のハウスのジョイント栽培と柿の平棚栽培ということで体制をつくって研修生を受け入れていこうかということで今やっております。また、就農準備資金の受給対象になるためには認定研修機関になる必要がありますので、八頭町で認定研修機関になるために、今後具体的な研修カリキュラムを組むようなことを計画しております。
今年、全部できませんので、来年もということでまたお願いすることになります。果樹は非常に腰が重いというか、永年性で梨の木を1回植えてしますと今度は抜いて植え直すのも大変ということで非常に機動性が悪かったのですけれども、ようやく形になってきまして、県と市町村、農協と、あと生産部が連携して、いいモデル事業になるよう頑張っている、期待しているところでございます。
◎福田委員長
ありがとうございました。
それでは、農林水産部についてはこれで終わりたいと思います。
執行部の皆さん、ありがとうございました。御退席ください。
続きまして、輝く鳥取創造本部の説明を求めたいと思いますので、執行部の入替えをさせていただきます。
(執行部入れ替わり)
それでは続いて輝く鳥取創造本部から説明を求めます。
●米山人口減少社会対策課長
資料の1ページをお願いいたします。集落機能の維持と担い手確保について御説明させていただきます。
まず、集落機能の維持について、こちらは小さな拠点づくりというのを主な取組として進めております。小さな拠点につきましては、小学校区ですとか地区公民館の区域といった複数の集落で構成される地域で、必要な生活の機能・サービスの維持を行うために、地域住民の皆さんが自主的、主体的に取り組むことを、行政としてもその仕組みづくりを支援するといった取組でございます。
真ん中のイメージ図は、総務省が小さな拠点のイメージ図としているもので、それぞれの地域ごとの実情に応じた仕組みづくりというので行っております。
小さな拠点づくりの取組の事例といたしましては、日常生活に必要な機能・サービスである移動手段の確保ですとか、買物、それから特産品の加工販売といった地域内の消費ですとか収入の確保を図るような取組、それから、都市住民との体験交流といった域外の交流が取組事例としてあります。
次の資料をお願いいたします。令和4年度に形成されました小さな拠点のうちの特徴的な拠点を2つほど上げさせていただいております。
倉吉市小鴨の小鴨コミュニティセンターにつきましては、高齢者の健康サロンですとかコミュニティ・カフェといった、地域住民が幅広に参画できる仕組みを構築されています。また、移動の支援、生活上の課題である生活交通の改善の確保ということで、コミュニティカーシェアリングの仕組みを構築、といったこともやっておられます。地域への効果といたしましては、カーシェアリングの取組等を通しまして、住民の交流ですとか高齢者の活動も活性化されて、地域自体の活性化につながっているというものでございます。
県の支援といたしましては、立ち上げのときの試験運行に必要な消耗品等、用品の支援を行っておりますし、立ち上げから仕組みを継続していくに当たっての課題の抽出ですとか、会員の意見を聞いたりといった取組のサポートをさせていただいています。
もう一つの取組、日野町菅福の高宮の郷でございます。こちらは、シンポジウムといったイベントを通して地域住民の合意形成を行い、地域住民が集えるムラづくりカフェというのを常設するなどといった取組をされています。あわせて、集落支援員を配置して、こういった地域活動のサポートを行っておられます。また、住民参加、協働による支え合いというのも、こういった交流を通して進んでおりまして、その一例としましては、高齢者等の冬の生活を支えるための除雪隊結成といった活動もしておられます。地域への効果といたしましては、こういった住民の主体的な参画によりまして、住民主体の地域づくりにつながっております。
県の支援といたしましては、住民の合意形成のための座談会ですとか先進地の視察、あとはカフェの整備等につきまして補助金で支援させていただいております。県は、こういった地域の取組に対しまして、本庁、東、中、西部、日野の総合事務所、それから市町村、とっとり県民活動活性化センターといった機関で構成されますサポートチームで寄り添った伴走支援を行っております。あわせまして、外部から専門家の方にお願いして支援に当たっていただくアドバイザー派遣等も実施しています。ちなみに、小さな拠点につきましては、令和4年度に新たに7拠点が形成されまして、現在46拠点が県内で形成されています。
続きまして、担い手確保につきまして、次の資料をお願いいたします。
まず、担い手確保の取組の一つとしまして、特定地域づくり事業協同組合といった制度を活用した取組があります。過疎地域等の地域内の複数の事業者が、この特定地域づくり事業協同組合を設立いたしまして、その組合員である各事業者の事業所等へ労働者の派遣を行うということで、組合員同士で労働力、労働者をシェアするという制度でございます。県はこれに対しまして、運営費の補助制度を設けて支援させていただいております。現在、県内でこの組合に取り組んでおられますのが3組合、日野町、智頭町、若桜町がこの事業の認定を受けておられます。
一例として智頭町の取組を上げております。現在、組合員は14者、それから、労働者、派遣される人員としては9名いらっしゃいます。今後、智頭町は、令和6年度はさらに15名程度に体制を拡充される予定でいらっしゃいます。県の支援といたしまして、市町村の組合設立に当たりましては、商工労働部、それから当本部が協力いたしまして、中小企業団体中央会ですとか鳥取労働局といった外部機関とも連携して支援体制を構築して、設立、運営に当たっての支援を行っているところでございます。
続きまして、次の資料をお願いいたします。担い手確保のほかの取組といたしまして、住民共助による地域づくりということで、地域が主体となって住民共助の仕組みづくりを県内各地で行っておられまして、県はそれに対して外部のアドバイザーの派遣ですとか、次の担い手となる方々の育成を行っております。
住民共助の地域づくりの事例といたしまして、2つ上げております。大山町の大山地区では、住民が主体となりまして、鳥取大学医学部と連携して活動しておられる事例です。大山地区の子育て環境の充実に向けた改善策の検討のための調査を鳥取大学医学部の学生と連携して調査を行っていたりですとか、自分たちの地域医療をどうしていくかということを医師と地域住民が一緒になって考えるといった活動をしておられます。外部アドバイザーにつきましては、こういった意見交換の場とかで調整役となったり、今後の方針等につきまして取りまとめ、アドバイス等を行っております。
こういった取組を通しまして、効果といたしましては、鳥大生がこの地区の小学生と宿題をやったり遊んだりといった課外実習が実現しまして、子どもの運動不足、交流の場が少ないといった地域課題の一つの解決策といった動きも出ております。こういった他世代交流の場といった活動を通しまして、地域に愛着を持ってこの地域で暮らしたいという子どもの増加にもつながっていくものと考えております。
また、もう一つ、米子市の県地区の取組でございます。こちらも外部アドバイザーが伴走支援している取組で、地域課題を地域全体で共有して、地区の福祉のまちづくりプランを策定しておられます。取組を通しまして、住民主体の送迎サービスを、それぞれ自分たちが主体となって行っておられます。地域のボランティアドライバーの方が送迎サービスを実施されているといったまちづくりプランの策定という活動を通して、こういった動きにもつながっているような事例でございます。
それ以外の県の担い手育成の支援といたしましては、地域に入って意見交換ですとか課題の整理、それから、解決策を検討する上でアドバイザー的役割を担う人材の育成といたしまして、令和4年度から地域づくりファシリテーターの養成研修を行っております。
地域おこし協力隊も地域の大事な担い手ですけれども、協力隊のサポートを行うため、平成27年度から相談窓口を設置しております。併せて研修会等も行っておりまして、隊員の活動の支援ですとか、任期終了後、県内に定着していただくための支援を行っているところでございます。
◎福田委員長
ありがとうございました。
3人ほど質疑をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○川部委員
小鴨地区は若い人が多いのと団塊の世代が元気なのでこういうことができるのですけれども、明倫地区になると本当に高齢化率が上がって、全然機能できなくなっているのが、多分これからのこの地域の課題だと思うのです。それに対してどうするのかという方向性はありますか。
●米山人口減少社会対策課長
高齢化しているところでも、やはり課題意識というのは皆さん持っていらっしゃると思うのですね。その課題を地域でどう解決していくかというところの整理から、その解決のためにはどういうことが必要なのかという解決策を考えていく。先ほど申し上げた外部アドバイザーですとかサポートチームが入っていって、県の支援、国の支援、市町村の支援を使ってどういったことができるのか一緒に考えて、どういった支援が今後必要になるのかというのを検討させていただけたらと思っています。
◎福田委員長
まだ発言されていない方。
○福浜委員
関連で、複業協同組合、ようやく手が挙がってよかったなと思っています。これは実際、派遣されている人たちは、ここの組合が雇用しているというスタイルで、いろんな何でも屋みたいに動き回るということですが、しっかり食っていけるほど金をもらえているのでしょうか。というのが、田舎暮らしがしたいというニーズって、都会の若者たちは少なからずあると思うのですよ。だけれども、働き口がないというところで、まさに何でもできるみたいなところに魅力を感じている若者たちもいるのではないかなと、そこのマッチングが、これまではふるさとの協力、国の制度でやってくれる3年で帰るというパターンでしたけれども、これだと定住にもつながっていくいい仕組みだなと思うのです。ただ、持続可能性について、きちんと自立ができる協同組合になっていくのか。その辺は、今、いろんなお金がここに入っているからこそ賄えるのであって、実際ここに入っている組合員14者で、9人なら9人、来年15人になりますけれども、国とか行政補助がなくても正直賄うことが可能なのでしょうか。
●米山人口減少社会対策課長
正直、そこは課題だと思っております。今のところ、国なり県市町村の支援は何年間というのはないのですけれども、おっしゃるようにいずれは、例えばこの組合員のどこかの事業所に雇用されるなり、自分でやりたいことをこの間に見つけて自活できる道を探っていただく、県内に定着していただくという方向に持っていかないといけないなと思っていて、それは今後の課題かなと考えております。
○福浜委員
分かりました。
もう1点、川部委員も言われたのですが、中山間地域ばかりではなくて、うちが住んでいる地域でも、町内会から脱会する人が結構出ているのですよ。つまり、役員になりたくないと。だから、地域の共通の課題から目を背ける人たちが今物すごく増えていて、鳥取市内でも町内会加入率が63%ぐらいですかね、米子はもっと低い、3軒に1軒以上入っていない状況の中で、ボランティアで何とかしろというのも、何かね。では、どこが金を出すのという話になるのですけれども、地域の存続というのが中山間地だけではないよねという話になってきている。特に若い世代はPTAすらやめようかというような声が上がってきて、ではPTAの役割ですべきことを何とか簡素化しようと頑張っているのですけれども、地域としてはPTAの力は大きいではないですか。だから、いい融合をしたいなとは思いつつも、負担感も増えるし難しいよねというところが現状。ここに書いてあるのは非常にいいのですけれども、さあ、5年後、10年後本当に持続可能になるのだろうかと、すごい危機感があって、その辺どう見ておられるのかなと。
●米山人口減少社会対策課長
非常に難しい課題だとは思います。ただ、恐らく自分がいなくても今できているから自治会とかから抜けられる、そういうお考えなのかもしれないと……(「困ってないのでしょうね」と呼ぶ者あり)はい。今後、今の生活の維持が難しくなっていく状況になったときに、もしかしたらそのときに初めて我が身のこととして考えられるのかもしれないですけれども、行政としてはそこまで手をこまねいているわけにはいかないので、その辺りの意識づけというか啓発的なところも市町村と一緒に考えていかないといけないのかなと。
◎福田委員長
では、時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。本当に御丁寧な御説明ありがとうございました。
委員の皆さん、すみません、あと5分しかありませんが、今日の取りまとめをさせていただきたいと思います。
今日で何らかの決を採るとか意見をまとめるみたいなことはしませんけれども、今後、県政に対する提言ですとか、国、政府に対する働きかけ、要望活動みたいなことをやっていくのかどうなのかとか、特別委員会なので県外調査も考えたいなと思っているのです。そんなことで、ちょっと5分間、御自由に意見を言ってください、この委員会に対しての思いとか……。2人ぐらい、どなたかないですか。
○伊藤委員
やはりきちんとしていかないと、今度の新しい農村プランにしても、いいとこ取りだから地方は切っていくのだ。だからそういうところは、もう田んぼも木を植えるしかないのだ。この前の鹿島委員の質問などは、やはり丁寧に検証していくことは大事な話だと僕は思います。
○川部委員
今日のもまだまだ掘り下げが全然足りないような感じで、答えが本当に見えてくるのかと心配になるぐらいなのですけれども、問題は深くて広いので、もうちょっと分けて深く掘り下げながら、がっちゃんこするようなことをしないといけないかなと思います。
◎福田委員長
これは定例会ごとにやる計画になっているのですけれども、川部委員もおっしゃいましたがいろんなテーマもあるし、全員参加できなくても定例会がないときも開くことを考えていきたいなと思っています。
○川部委員
分科会とまでは言わないにしても、ちょっとテーマごとに分けて勉強会を。(発言する者あり)
◎福田委員長
では、今いただいた意見を参考にさせてもらって、私のほうで取りまとめていきたいと思います。
もう1点、前回と次回の委員会を踏まえて、今年度のまとめに入っていきたいと思います。
なお、前回の委員会では、2月は移住推進、子育て環境の整備など、人口減少対策に関する件を議題とする申合せとなっていますので、よろしくお願いします。
異議ないですか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
次に、閉会中の継続調査についてですが、本委員会は、閉会中も引き続き付託された調査事件について継続調査することとしてはどうかと思いますが、いいですか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
よろしくお願いします。以上で委員会を終わります。ありがとうございました。
午後2時39分 閉会
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