会議の概要
午前10時21分 開会
◎浜崎議長
ただいまから議員全員協議会を開会いたします。
まず、会議録署名議員に内田博長議員、浜田妙子議員を指名いたします。
本日の議題は、令和5年度6月補正予算の概要、令和5年7月組織改正の概要及び令和6年度国の施策等に関する提案・要望の概要についてであります。
初めに、知事に総括説明を求めます。
●平井知事
皆様、こんにちは。改めまして、皆様のこのたびの晴れの議会活動開始を心よりお祝いを申し上げたいと思いますし、パートナーとして車の両輪の私たち執行部も皆様と共にこの鳥取県の発展、あるいは県民の皆様の福利厚生、幸せを実現してまいりたいと思いますので、各般にわたるお導きを賜ればありがたいと思います。
この議会、今回メンバーが一新されまして、また真ん中の大平原の議席が取り払われ、しばらく見慣れない馬蹄形の議席に戻って、やはりコロナがあったのだなというふうに思ったわけでありますが、我々の生活もだんだんと旧に復しつつあります。ただ、残念ながらまだコロナの感染はじわじわ広がってはいますけれども、それが生命に影響するかどうか、ここを阻止するのが最大の戦略と心得ております。そういう意味で今日は新しいスタイルでの議会の開始ということになり、我々執行部としても皆様と共に実りの多い議会活動、そして県政の推進を目指してまいりたいと思います。
今、私たちは悪い時期を過ごしている。これからよくなるまでもっと悪くなるだろう。しかし、こうしたことは我々が忍耐すれば、乗り越えていくことができる。必ずよくなると信じてやまない。
これは、ウィンストン・チャーチルの言葉であります。危機の宰相と言われ、クライシスを乗り切って世界をリードした方でいらっしゃいます。今、私たちは同じような状況にあるのかもしれません。時あたかもウクライナにおける戦闘が拡大するという報道もある中、ダムが決壊する。このダムの決壊は食料安全保障にも関わるものでありますし、また戦争の長期化を意味するものになるかもしれません。これによって物価高だとか、そうした悪い影響は我が国、そして本県にも引き続きやってくるのだろうと思います。
そういう中、私たちは希望を捨てることなく、かつてチャーチルが言ったように、行動を起こしていくことが大切なのだと思います。
「I never worry about action,but only inaction.」
「私は行動を憂慮することはない。ただ、憂慮するのは、行動を起こさないことだ。」
こういうように言いながらチャーチルは危機を乗り切っていったわけであります。
私たちは小さな自治体ではありますが、パワーは十分にあると思います。それはこれまでの議会活動、その提言の下に我々が他に先陣を切ってやってきたこと、それが実を結び始めていることからも分かります。このたびは、44人出生増ということが明らかになり、1.60という合計特殊出生率は、本県としては輝かしいことで、全国3位まで急上昇しました。このコロナで厳しい中でも、実際にそうやってお子様をもうけようという機運を子育て世代の皆様に持っていただけたのは、それを包み込むような社会のセーフティーネットが張られたからにほかならないと思います。そういう意味で鳥取型の新しい危機突破戦略、それから地域振興策、産業や雇用を創造していく、そういうことは決して夢物語でもないのかもしれません。ただ、行動を起こさなければ立ち止まったままでありまして、そういう意味で行動を起こす、そのきっかけづくりを今回の6月補正の中に、私ども執行部で十分議論して現場とも話し合い、このたび提案させていただいたものであります。350億円という総額は、かつてない肉づけの予算ということになります。ぜひ十分御審議いただきまして、いろいろとアドバイスをいただき、実りの多い鳥取県政のスタートが切れるように御指導いただきたい、まずもってお願いを申し上げたいと思います。
あわせまして、私たちの組織につきましても、この機動力ある執行をしていく必要から、改めさせていただきました。すなわち政策戦略の本部をつくる。また、輝く鳥取を創造する本部をつくる。さらには、河川港湾局であるとか道路局、あるいは人権尊重社会の推進局、それから自然社会と共生していく、そういう局、いろいろと新設をさせていただいております。その心はやはり機動力を生かしてやっていくためには、小さな鳥取県でも全面的に組織を改めてみようという私どもの志でございまして、この辺につきましても条例改正を提案させていただいておりますので、御審議いただければと思います。
また、あわせまして、財政誘導目標というのをこの鳥取県議会では私が就任して以来つくらせていただいております。今回、前期に引き続いた考え方といたしたいと思っております。すなわち、借金は増やさない。それから貯金は減らさない。そして黒字にするということであります。借金を増やさないために、これは県内GDPに連動させて2割程度ということでつくらせていただいておりましたが、動く数字だとちょっと使いづらいものですから、計算しまして3,800億円というキャップをかけさせていただいてはどうかと思っております。また、貯金は減らさない。その下限でありますが、これも標準財政規模の1割程度というふうに申し上げておりましたので、この際200億円というふうに割り切った数字で考えてはどうだろうか。黒字のプライマリーバランスは、計算は変わることはありません。基本的には前期と同じ考え方でやってみてはどうかということであります。これによりまして、今後私どもの財政運営がまた次の期に健全な形で引き継がれるように、その土台をつくらせていただきたいと思いますので、この制定につきまして御理解を賜ればありがたいと思います。
また、新たに登壇される方々にはなじみないことかもしれませんが、鳥取県議会では、毎年この6月の議会で国への要望事項を議論させていただくことにいたしております。仕組みとしては、執行部のほうから原案を示させていただきまして、議会の皆さんから御意見をいただき、そして最終的には調整をした上で6月ないし7月に通常行われます、国要望の形とさせていただきたいと思います。このたびは子育て政策や少子化対策が待ったなしの課題だと国全体で言われるようになってきました。先陣を切っている鳥取県ではありますが、これについても例えば小児医療費の無償化、今回予算を出させていただきますが、本来国全体で一律にやるべきではないだろうか、そういう考え方を提案する必要がある。さらには物価も上昇が止まりません。OPECもこのたびまた減産を継続すると表明されました。なかなか出口は見当たりにくいものでありますが、そうした物価高騰対策、燃油高騰対策も国に対して重点的に要望していかなければなりません。また、地方の行財政も重要な課題であり、特に本県の場合は一般財源の確保、交付税が収入の大宗を占めているという特殊な財政事情にあります。こうした点も要求していく必要があります。そのほかにも防災とか、あるいは地域振興であるとか、様々な課題を国に対して要望していく必要がございまして、本日はその素案を示させていただきますので、お聞き取りいただければと思います。
詳細については担当の部局長のほうから御説明申し上げます。
◎浜崎議長
続いて、6月補正予算及び組織改正について詳細説明を求めます。
まず、令和5年度6月補正予算の概要についてお願いいたします。
●長岡令和新時代創造本部長
私から、資料1に沿いまして、令和5年度6月補正予算案の概要につきまして御説明を申し上げたいと思います。
先ほど知事からございましたが、現下の不透明な国際情勢、経済社会の混乱、人口減少、少子高齢化などなど、複合的な危機を突破し、新たな時代を創っていく、そういう行動を起こす、そういう観点でこの6月補正予算の編成をさせていただいてございます。
その観点から(2)でございますが、「物価高騰等緊急対策」、「ふるさとの元気」、「健康・安心」、「人・暮らし」の4つの項目に沿いまして編成いたしております。まず、一般事業の予算額につきましては、145億円を超えまして、肉づけ予算としては異例の規模、4年前の4倍ということになってございます。その中に政府のほうから地方創生臨時交付金43.5億円などの措置もいただきましたので、そういったものを財源といたしまして、こういう意欲的な予算編成を行ったところでございます。
また、(3)の公共事業でございます。地域高規格道路網の新規路線に係る調査費でありますとか、岩美町道の県代行事業の実施、それから公共事業に係る国からの重点配分などなど、所要額の確保を行いまして、公共事業全体、すなわち骨格予算であった今年度当初予算332億円、それに今回6月補正予算204億円余を合わせまして536億円となりまして、令和4年度当初予算比でプラス5.7%という積極的な予算編成とさせていただいたところでございます。
結果といたしまして、今回の補正予算の総額は349億円余となりまして、こちらも肉づけ予算として過去最大ということになったところでございます。
1枚おめくりいただきまして、主な事業でございます。まず、(1)物価高騰等緊急対策でございます。具体的にはLPガス、特別高圧電力の契約者への料金高騰分支援、医療・社会福祉・保育・クリーニングなどへの光熱費高騰支援などなどを積みまして、31億800万円ということでございます。この部分につきましては、緊急を要するということでございまして、先議に付していただきたく存じます。
次に、(2)ふるさとの元気でございます。観光、農林水産業、食パラダイス、産業振興、移住促進、まんが王国などなどの各種事業を盛り込ませていただいております。
(3)健康・安心につきましては、県版CDCなど感染症対策、医療・福祉、孤独・孤立、買物対策、犯罪被害者支援などの各種事業を盛り込ませていただいてございます。
(4)人・暮らしにつきましては、子どもの医療費無償化、保育人材の確保、結婚支援、若者活躍、学力向上、手話フェス、政治参画の推進など、各種事業を盛り込ませていただいているところでございます。
4番につきましては、計数でございますので、説明を割愛させていただきます。
5番の財政調整型基金の取崩しでございます。こうした全体的に意欲的な予算編成を行うに当たりまして、先ほど申し上げた国の臨時交付金43.5億円と合わせまして、今回、骨格予算では取崩しを行いませんでした財政調整型基金を50億円取崩して、全体に予算編成を進めさせていただいたところでございます。
10ページ以降に各種個別の事業の御説明を記載してございますので、こちらも御参照いただければと存じます。
次に、資料2に基づき、財政誘導目標につきまして少し御説明をさせていただきたく存じます。先ほど知事からもございましたように、現下の鳥取県政におきましては、4年ごとに4年間の財政上の目標を設定してございますけれども、今回の財政誘導目標の基本的な考え方といたしましては、前期の考え方を踏襲した上で明確化のために定額とさせていただいたところでございます。
まず、(1)でございます。これは先ほど知事から貯金を減らさないというふうに御説明させていただいた部分で、令和8年度の財政調整型基金の残高を200億円以上ということにしたいというものでございます。こちらにつきましては、地方公共団体の経常的一般財源の規模であります標準財政規模の1割相当、すなわち、毎年入ってくるであろう一般財源で地方税、交付税、臨時財政対策債などの1割相当を財政調整型基金として、将来の不確定な財政出動などに備えて貯金をさせていただくというものでございます。
(2)の令和8年度の実質的な県債残高を3,800億円以内とするという部分でございます。こちらが借金を増やさないという部分で、県内総生産(名目)の2割相当ということでございます。国が出しております中期試算の成長率を勘案いたしまして、令和8年度の県内総生産を推計し、3,800億円という数値をはじかせていただいているところでございます。
(3)の当初予算編成時のプライマリーバランスの黒字化という部分につきましては、前期に引き続いて同じ考え方で設定をさせていただいているところでございます。
裏面に今後の財政推計を記載させていただいてございます。おととい、今年度の骨太の方針の原案が示されております。その中でも、国の財政、地方の財政ともに、コロナを経て平時に戻していくという方針、方向性がしっかり書き込まれているところでございまして、これから先の財政運営は、これまでの3年間とは違って、若干厳しい財政状況になるのではないかというふうに見込んでいるところでございます。
例えば、1の財政調整型基金残高の推移の囲みの中に推移の背景と記載させていただいておりますけれども、コロナ禍後の景気回復局面になっていくというのが国全体での観測でございまして、そういたしますと、地方交付税の特別な歳出枠などが平時モードに一定程度戻るのではないかというようなことを想定しているところでございます。
今のところ、令和8年度の基金残高の推計といたしましては、151億円ということになっておりまして、目標達成に向けてさらに行財政改革を推進していく必要があるというふうに我々としては認識しているということでございます。
◎浜崎議長
次に、令和5年7月組織改正の概要についてお願いします。
●山根総務部理事監
資料3をお願いいたします。主な組織案の概要について御説明させていただきます。
まず、1ページを御覧いただけますでしょうか。このたびの組織改正では、政策・施策推進のための体制といたしまして、政策戦略本部と輝く鳥取創造本部の2つの本部体制とするものでございます。政策戦略本部につきましては、政策推進のための新たな体制として政策戦略本部を設置いたしまして、県政推進に向けた総合調整を担うエンジン部局として、政策戦略の総合調整や情報発信を着実に行っていこうというものでございます。部内には政策戦略局を設け、企画課などの所属を配置するほか、デジタル局や財政課などを配置するというものでございます。また、子育てや移住・定住など、喫緊の課題を若い人の目線で検討、事業化する若手職員によるとっとり未来創造タスクフォースを設けるというものでございます。
2つ目でございます。地域の活力を再生し、輝くふるさと鳥取づくりを進めるため、輝く鳥取創造本部を設置いたしまして、本部内には中山間・地域振興局と観光交流局を置き、喫緊の課題である人口減少問題、移住・定住促進、インバウンド、2025年大阪・関西万博への対応の推進を図っていこうというものでございます。
3つ目、孤独・孤立防止に向けた体制整備でございます。福祉保健部に孤独・孤立対策課を新たに設けまして、生活保護、ヤングケアラー、老老介護など、各課に分かれていた業務を集約いたしまして一体的な施策を進めようとするものでございます。
4つ目でございます。地域づくり推進部を地域社会振興部に改組いたしまして、部内に人権尊重社会推進局を設け、人権・同和対策課と女性応援課を置き、一人一人の人権が尊重され、性別に関係なく、誰もが能力を発揮できる社会づくりを推進しようとするものでございます。
5つ目、自然共生社会の推進に向けた体制の整備でございます。生物多様性の保全が図られている自然共生サイトの認定促進や廃棄物削減の推進など、自然共生社会や環境保全に向けて生活環境部に自然共生社会局を設置するというものでございます。
6つ目、土木インフラの整備促進などの体制整備でございます。県土整備部に道路局と河川港湾局を設けまして、土木インフラの整備促進や適切な維持管理を推進しようとするもの、また、生活環境部にまちづくり課を設置しまして、緑豊かな自然課の都市公園事務、住まいまちづくり課の盛土規制、県土整備部の土地政策など、各部が所管するまちづくり機能を整理いたしまして、一体的に施策を進めようとするものでございます。
このほかに業務改善や職員人材育成、県庁改革を一体的に進めていく体制を整備するために、総務部に行政体制整備局を設置するもの、また、危機管理局、子育て・人財局、会計管理局をそれぞれ部として、本部と部の体制といたしまして、それぞれ一層責任を持って政策実行を行っていこうというものでございます。
2ページ目以降、組織図など詳細な資料でございますので、後ほど御覧いただければと思います。
◎浜崎議長
ただいま説明がございました、6月補正予算及び組織改正につきまして、御意見、質疑等があれば、お願いします。
○市谷議員
3つありまして、まず、資料1の3ページの減債基金の取崩しのことでちょっとお伺いしたいのですけれども、大規模な予算編成のために基金を取り崩すということですが、これから起債が増えていく中で、先ほど財政誘導目標の説明の中でもありました財政調整型基金のうち、この減債基金を取り崩すのはどうしてなのか教えてください。
2つ目に財政誘導目標です。(2)の県債残高、県内総生産(名目)の2割程度の額としたということですが、経済成長が前提の数字になっているのかなと思います。3,800億円ということは、県内総生産が1.9兆円になるという前提だと思われますが、この県内総生産ですね、知事は2兆円を目指すと言っておられるけれども、現在は幾らなのか。その成長を見越してのこの数値目標が果たして大丈夫なのか大変危惧するのですけれども、ちょっとその辺を御説明いただけたらと思います。
3つ目に組織です。ちょっと今回の改編というよりも名前の変更で、食のみやこ推進課が食パラダイス推進課ということで、打って出るという色が非常に濃くなったような名称になっているのですけれども、これで地産地消が進むのだろうかということを非常に懸念するのです。食パラダイスからは地産地消ということが見えにくいのですけれども、ちょっと御説明いただけないでしょうか。
◎浜崎議長
3点ありました。
●平井知事
詳細についてはそれぞれ担当の部長や理事監のほうからお話を申し上げたいと思いますが、減債基金につきましては、そのほかは例えば長寿社会の基金だとか、あるいは公共施設をつくる、そういう整備の基金だとかというようなものでございまして、今回の予算の内容からすると、50億円程度崩すとして、減債基金が選択肢として適当ではないかというふうに考えたものであります。詳細はまた担当のほうからお話を申し上げたいと思います。
また、経済成長がどれほど見込めるかというのは非常に不確定なのですね。そういう意味で皆さんも、財政誘導目標に使いづらい点がやはりあります。それに連動して過去0.2掛けでやっていました。ところが、これは結局見込みによって変わってしまうわけでありまして、いっそその程度ということで一定の見積りをした上で、まずはこの任期の4年間はこの数字を目標にしましょうと。GDPの2割程度の意味は、返済能力の担保があるだろうということだと思っています。仮に100億円ぶれたとしても、返済能力の担保としてはGDPのほうはしっかり腰がありますので、その辺は一定の理由が立つのではないかと思います。
食パラダイスにつきましては、担当の理事監のほうからお答え申し上げたいと思いますが、また常任委員会等でも個別に担当課長のほうからも説明をさせていただきたいと思います。
◎浜崎議長
それでは、補足を。
●長岡令和新時代創造本部長
それでは、減債基金50億円取崩しの部分と県内GDPの直近の数字ということで、補足の御説明を申し上げたいと思います。
今回の減債基金50億円につきましては、資料1の3ページの5を御覧いただければと存じます。令和4年度当初にも50億円の取崩しがございますが、毎年、財政調整型基金の取崩しを活用させていただいて予算編成をさせていただいているところでございます。今回、令和5年度当初予算では、この50億円の取崩しをせずに骨格予算として編成させていただいておりまして、これを改めて今回肉づけ予算ということで、例年並びで取崩しをさせていただいているということでございます。
直近の県内GDPの金額は、令和2年の数字でございますけれども、1.8兆円という数字でございます。(発言する者あり)(浜崎議長「ちょっと待ってください」と呼ぶ)
●山根総務部理事監
それでは、食パラダイス推進課について補足の答弁をさせていただきます。
「食のみやこ鳥取県」をさらにワンランク上にステージアップをした「食パラダイス鳥取県」として、本県の食の魅力を磨き上げて強く発信しようということで、このたび名称変更をするものでございます。具体的には、全国に冠たる食の生産地として鳥取ブランドを内外に展開いたしまして、地元の店、宿でも味わえる「食パラダイス鳥取県」の実現を目指して、名称変更しようというものでございます。組織的には、県内の人も含めて県内外から積極的に人を呼び込むための体制といたしまして、食パラダイス推進課内に食パラダイス推進担当を新設し、課長補佐1名を増員して対応することを検討しているところでございます。
◎浜崎議長
ほかはございますか。
○市谷議員
財政誘導目標(2)の県債残高の額については、先ほど令和2年のGDPが1.8兆円ということでしたので、この3,800億円というのはGDP1.9兆円の2割ですから、ちょっと背伸びをしたような、決してすごく大きい数字ではないということは理解しました。
それで減債基金の取崩しなのですけれども、いろいろな基金がある中、なぜこれなのかというところがちょっとよく分からなかったので、借金返済に対応できるような基金の残高になっているのかという辺をもう少し御説明いただけないでしょうか。
●平井知事
ちょっと私からも細かいことを言って恐縮ですが、資料1の8ページの表を御覧いただきますと、下のほうに基金残高がございます。御覧いただけば分かりますが、先ほども申しましたけれども、例えば長寿社会だとか、あるいは県の公共施設だとか、そういうほかの基金が今どんと仕事をしているわけではありません。ですから、もし今やるとしたら、できるだけ将来的な借金の負担を減らしていくという意味で、この減債基金ぐらいしか崩す項目がないということですね。実はこれは過去数年ずっとそうなっています。数字を見ていただいたら分かりますが、減債基金から取り崩すことを最近の通例としているのは、そういう基金の性格によるものであります。
◎浜崎議長
よろしいですね。
続きまして、令和6年度国の施策等に関する提案・要望の概要について詳細説明をお願いいたします。
●長岡令和新時代創造本部長
それでは、資料4に基づきまして、令和6年度国の施策等に関する提案・要望項目につきまして御説明を申し上げたいと思います。これから各省庁に当たっていく各要望項目を一覧にしたものでございます。まず、重点項目といたしまして7本の柱、44項目をここに記載をさせていただいているところでございます。
まず、やはりいの一番はこども・子育て支援施策でございます。冒頭、知事からもございましたけれども、子どもの医療費の関係がございます。今現在、子どもの医療費の県内完全無償化を進めているわけでございますけれども、本来、国の責任におきまして全国一律の制度として実施していただけないかということが、まずは大事な要望だろうというふうに考えてございまして、いの一番に記載をさせていただいているところでございます。
以下、関連予算の拡大、地方財源の確保、それから幼児教育・保育の無償化、学校給食費の負担軽減など記載をさせていただいておりまして、ここに8項目の要望項目を盛り込ませていただいているところでございます。
続いて、物価高騰対策、経済・産業・観光対策でございます。臨時交付金を含む物価高騰対策につきましては、現下の状況をしっかり見極めていただいて、国として機動的に所要の措置を確実に講じていただきたいということ。それから(2)の国際情勢の影響などもしっかり勘案しまして、燃油価格、肥料価格、飼料価格、資材価格などにつきまして配慮をいただきたい、そういった要望を記載させていただいております。また、(3)のところで中山間地域の買物環境の確保・維持に向けた国としての支援も求めてまいりたいと考えているところでございます。ここに9項目記載をさせていただいております。
次に、2ページ、3つ目の柱、デジタル社会・脱炭素社会の実現、地方創生・地域づくりの推進でございます。デジタル田園都市国家構想の実現に向け、デジタルだけではなく、従来型の地方創生も含めてしっかり取り組ませていただきたいということで、その裏づけとなる財源の確保につきまして、デジタル田園都市国家構想事業費などの経費を拡充・継続し、地方財政計画において必要な措置を行っていただきたいということ。それから、マイナンバーカードの信頼確保に向けましても、国と地方が一体となって取り組んでいきたいということなどでございまして、ここに5項目を記載させていただいているところでございます。
次に、4つ目の柱、地方行財政基盤と地方分権の確立、地方自治・民主主義の深化でございます。もう何よりも(1)のところ、一般財源総額及び地方交付税総額をしっかり確保していただきたいということが根っこでございます。先ほども少し御紹介申し上げましたが、今回の骨太の方針の原案におきましては、やはりコロナ後の平時へ戻すというトーンがしっかり書き込まれているということでございまして、そういう環境の中にありましても、感染症対策、物価高対策、それからコロナ禍から立ち上がる経済対策など、地方においては必要な財政需要が見込まれておりますので、その裏づけになります財源確保につきましてしっかり訴えてまいりたいと思ってございます。
次に、3ページ、5つ目の柱、防災・安心の地域づくりと社会基盤の整備に10項目。
それから6つ目の柱としまして感染症対策、社会保障の充実、生活者支援に4項目。
4ページ、7つ目の柱、人材育成・人権尊重のまちづくりとして4項目。
合わせまして計44項目でございます。こちらの要望項目につきましては、本議会で改めてお取りまとめいただく御意見なども踏まえて再調整いたしまして、県、六団体共同で国のほうに訴えてまいりたいというふうに考えてございます。
◎浜崎議長
ただいま長岡本部長より国への提案・要望の概要について説明をいただきました。
先ほど市谷議員から御質問をいただいたわけですが、せっかくの全協でありますので、ほかの方で何かございましたら、先ほどの補正予算、組織改正も含めまして、改めてお聞きしたいと思います。
◎内田(博)議員
前に一般質問でも話したことがあると思うのですが、実は今、中山間地域で財産放棄がかなりあるわけです。この間もマスコミ報道を見ますと、山林、それから耕地、宅地をばらばらに受けるようなシステムをどうも国のほうは考えているようで、それをやられると一番困るのは地域ですよね。だからもう一括してやっていただかないとどうにもならないと思っています。
もう一つは、かなりまた外国資本が狙っているようですので、その辺りも考えて法的な制度をやっていただく。要するにある程度、私権の制限もしていただかないとできないのではないかと思っているのです。
そういう辺りを国に上げていただきたいという具合に私は思うところです。
◎浜崎議長
今の件につきまして何か。
●平井知事
実はいろいろな問題が入っていますので、少し整理をさせていただいて、また改めて内田県議をはじめ、会派のほうとも御相談をさせていただきたいと思います。
今、国のほうでも土地利用につきまして、方針の変更なども出されてきておりますし、このたびは基地周辺での一定の私権制限とか、報告を義務づけるとか、補償も含めた制度が走り始めました。山林だとかをどうするかということでありますが、今、所有者不明土地については、相続絡みもございますので、政府のほうで一定の制度設計が動き始めたところであります。恐らくいろいろな問題がかみ合っていて、現在の段階ではそうした土地利用の在り方について、国としても一定の検討をすべきではないかということが最大公約数的なところかなというふうに思いますが、また詳細は今後、議会の最中に協議をさせていただきたいと思います。
◎浜崎議長
よろしいですか。(内田(博)議員「はい」と呼ぶ)
では、ほかに。
○川部議員
組織改正で、デジタル行財政改革局がデジタル局となっております。決して行財政改革をしないというわけではないと思うのですが、名は体を表すということもあると思うのですけれども、行革としてはどういう感じになるのでしょうか。
◎浜崎議長
行革ということで……(「山根です」と呼ぶ者あり)
●山根総務部理事監
現在、新たに県庁改革プランというのを若手職員の意見を聞きながら策定しようとしているところでございます。県庁改革プランでは、組織が力を発揮できるように、機能向上でありますとか、若い人も含めた人材育成、それから業務改善も一体的に進めていく体制として、総務部に行政体制整備局を設けようということでございますので、局長のマネジメントの下、より一層の県庁改革を推進する体制を整えさせていただいたというところでございます。デジタルにつきましては、国のデジタル田園都市国家構想等もございますので、そういうところと一体的に進めるということで、政策戦略本部のほうに置かせていただくということを考えているところでございます。
◎浜崎議長
ほかは。
○尾崎議員
2点あります。まず、組織ですけれども、1点は質問ではありませんが、女性応援課というのが人権尊重社会推進局にできるということで、喜ばしいと思っているところです。しかも名前が「女性活躍」ではなく、「女性応援」になったということは、包括的に全ての方々を応援するという意味で非常によかったというふうに思っています。ありがとうございました。
あと、孤独・孤立対策課ですけれども、これは大変広範囲なところを対象にしているので、どれくらいの人数で対応するのかということをお聞かせください。
もう1点、珍しい、面白そうだなと思いましたのが、鳥取型幼稚園留学ですけれども、この目的と、ざくっとした仕組みの説明をお願いいたします。
◎浜崎議長
ただいま尾崎議員からありましたが。
●山根総務部理事監
孤独・孤立対策課の業務ということで御質問をいただきました。孤独対策ということで、今まで生活保護は福祉監査指導課、それから老老介護は長寿社会課、ひきこもり対策は健康政策課ということでばらばらになっていたところを、このたび条例をつくっていただきましたので、その下でいろいろなファクターが一緒になって対策を打っていこうということで、このたび孤独・孤立対策課を設けさせていただいたというところでございます。人数といたしましては、課長も含めて10人の体制ということで考えているところでございます。
●遠藤交流人口拡大本部長
幼稚園留学についてのお尋ねでございます。都市部のほうでワーケーションというような形で自然豊かなところで育てようというような人が増えてきております。そういった方々の受入れをしようということでございまして、今回の補正予算のほうでも新たなワークスタイルの推進による関係人口拡大事業ということで御提案させていただいているところでございます。
◎浜崎議長
よろしいですか。
ほかはございますか。
○興治議員
組織について4ページのところで、くらしの安心局の中にまちづくり課を改めて設置をするということですけれども、まちづくり課というのは何か市町村の課のようなイメージを持つのです。これまで県はまちなか支援とかいろいろな許可とか届出とかをやってきたのだろうと思うのですが、より主体的に県がまちづくりに乗り出していくということでこういう名称にしたのかどうなのか。どういう意味合いを持っているのかということについてお尋ねいたします。
●平井知事
これは、まちづくりはあくまでもおっしゃるように市町村が主体となってされるべきものであります。我々は後見的な仕組みだと思います。ただ、そういう中で規制行政も絡めて都市計画だとか、そうした手法がありますが、こういうところが実は県土整備系とそれから生活環境系に分かれていました。こういうものをある程度まとめて一体的にワンストップでできるようにというような趣旨を込めています。また、あわせまして、盛土関係も実は2つの部局に分かれて規制やパトロールをするということになっていましたが、この辺をまとめようということでありまして、そういう意味でネーミングとしてはまちづくりとさせていただきましたけれども、従来の仕事のやり方をより効率的で分かりやすくしようとする趣旨であります。
◎浜崎議長
よろしいですか。
ほかはございますか。
○村上議員
まず、資料4の要望についてお話をさせていただきたいと思います。こども・子育て支援について、大学などの高等教育機関が東京をはじめ都市に集中していることから、鳥取県から大学、専門学校へ行く際に県外へ出なければいけないことが親の負担になっていること、これは鳥取県だけではどうしようもないことですので、ぜひとも国要望に含めることを検討していただきたいというふうに思います。
●平井知事
高等教育につきましては、おっしゃるように一つの論点でありまして、実は地方団体全体としても東京に一極集中で学部が集まってしまう、定員が集まってしまうことについて、制限を加えるべきではないかと。これは実はそういう運用ができかけたのですけれども、今はまたデジタル科目につきまして一部緩める動きが中枢で出ています。そういうふうな懸念もございますので、文言を調整させていただきたいと思います。
◎浜崎議長
よろしいですか。
ほかはございますでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
いや、ずっと手を上げておられますので、絞ってくださいね。もう先ほど3つやっていただきましたので、できるだけこの機会に皆さんにという思いがありますので。どうぞ、市谷議員。
○市谷議員
1ページの2の(5)で、構造的賃上げが実現できるようにいろいろ支援をということなのですけれども、最賃の引上げそのものをやはり求めていただくと、その上でいろいろな支援策が出てくると思うのですが、その点はいかがかということ。
それから2つ目、2ページの3の(2)、マイナンバーカードを活用した健康保険証の問題で、ここには誤交付等の防止を担保する制度の構築に取り組むことというふうに書いてあります。法律が通りまして来年の秋からこのマイナンバー保険証というものが実施されるということですけれども、誤交付の防止の手だてが取れない限り、これは実施されるのは大変危険だというふうに思いますので、その点について記述をしていただく必要があるのではないかということ。
3ページの5の(5)、鉄道ネットワークですけれども、国のほうで法律が改正されまして、減線を前提とした協議会の設置ということが言われていて、これについて知事がどういう考えでどう対応するのか、国への意見を言うことはないのかという点を確認したいです。
あわせて、この項の(8)、先ほど知事も言われました重要土地等調査法の対応です。もう既に鳥取県のほうに意見照会があって、6月12日の回答期限を迎えるわけですけれども、ここに丁寧に説明するようにと書いてありますが、丁寧な説明が住民にされないまま区域指定されて、いろいろな個人情報などを国に報告せざるを得ないというのは、非常に憂慮すべきことだと思います。そこら辺の対応というのはどういうふうに国に言われるのかなということ。
最後に、4ページの7の人権ですけれども……。
◎浜崎議長
市谷議員、それが最後ですね。
○市谷議員
最後です。記述がないのですけれども、今いろいろな裁判の結果も出ていて、県でも多様な性への対応ということで、人権保障の仕組みを国に求める必要があると思います。追記すべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
◎浜崎議長
ただいま市谷議員から5件ほど質問がありましたが。
●平井知事
それぞれ各担当の部局長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、1点だけ私のほうに特に鉄道についてお話がありましたが、これは我々がずっと主張していることであります。単に乗降人員だけで廃線ありきということではないだろうと。そういう意味で我々も観光であるとか、あるいは通勤利用であるだとか、そういう利用促進などを地元も一緒になって頑張ると。こういうことで今JRのほうと協議の場を我々なりにもつくっております。今後どういうふうになるかは、正直国がどういう出方を新法でやってくるかを見なければいけませんが、今そうした協議のテーブルは本県の場合は全面的につくってあると、既にそういうふうになっていると思っております。
◎浜崎議長
それでは、あと4件ほどあったと思います。
●池田商工労働部長
最低賃金の引上げについてのお尋ねがございました。最低賃金につきましては、基本的に国の最低賃金の中央審議会のほうで民間の給与であったり物価であったり、そういった状況を含めて答申があって、それを各地域の最低賃金の審議会のほうで決定されるものというふうに考えております。もちろん政府のほうで1,000円といったようなところを目標にというようなお話がございます。それは例えば一定の価格転嫁による価格適正化を踏まえた引上げ、そういった全体的な取組の中で好循環を起こして、最低賃金の引上げにもつなげていくということだろうと思っていますので、構造的賃上げを実現できるようにという現在の要望項目の中で、そういった観点も含めて要望しているものというふうに理解しております。
◎浜崎議長
ほかに執行部のほうで何か特にありますか。
●盛田地域づくり推進部長
5の(8)の重要土地等調査法のことでございます。どういうふうに国のほうに説明していくのかということでございましたけれども、これについては、やはり米子市、境港市の双方から丁寧な住民説明をしていただきたいという声もありますので、しっかりとそこを国のほうにお伝えする、お伝えし続けるということが必要かと思っております。
◎浜崎議長
ほかは。
●山根総務部理事監
人権の記述、裁判の動向も含めてというところでございます。市谷議員がおっしゃったとおり、裁判が幾つか起こされていて、違憲状態等の判決も出ているところでございますが、いずれにしても、係争中、今控訴審になっているというようなところでございますので、そういった状況も見ながら、また今後検討していくということかなと思っております。
●長岡令和新時代創造本部長
それでは、残りの部分、マイナンバーカードの健康保険証の誤交付、誤ひもづけの関係でございます。今まさにマイナンバーカードがデジタル社会の基盤になるツールだということで、皆さん方に大分普及は進んできたという前提でございますけれども、我々としましても地方全体も含めて、マイナンバーカードの信頼確保に向けた早急な取組を政府のほうに求めているところでございます。政府のほうも一日も早いチェック体制の確保などについて取り組んでいくというようなお話を河野デジタル担当大臣や松本総務大臣などからもいただいているところでございまして、地方としても一体となって信頼確保に向けて取り組んでいくというのが今のステータスではないかというふうに考えているところでございます。
この件を含めまして記載ぶりにつきましては、この議会での御意見をお取りまとめいただき、調整をさせていただいた上で要望させていただくことにしておりますので、御理解いただければと思います。
◎浜崎議長
ほかに執行部のほうで何かありますか。
ないようでありますので、ほかは。
○安田議員
5ページの1の(9)、イワシ、アジ、サバのところなのです。実は昨日も水産関係の方々から、目の前に魚がいるのに捕れない、TACもありますし、やはり国に対して強く働きかけてほしいというお話をちょうど伺ったばかりでしたが、「水揚げの集中に柔軟に対応するため、基金の造成など十分な財政支援を講じるほか」という部分があるのですけれども、ここをもう少し詳しく教えていただけますか。
◎浜崎議長
イワシ、アジ、サバの話です。
●岡垣農林水産部長
ただいまの御質問の件でございますけれども、また後で回答させてもらってよろしいでしょうか。申し訳ございません。
◎浜崎議長
よろしいですか。(安田議員「はい」と呼ぶ)
ほかはございますか。
○興治議員
国要望の5ページの上から2つ目の(2)、水田活用直接支払交付金についての要望ですけれども、これは現場の実態を踏まえた継続した取組への支援を行うことということで、まさにそのとおりではあるのですが、何だかこれは抽象的で政府のほうに逃げ道を与えるような感じがするのですね。それで、より直接的に1つは5年水張りルールの導入について、飼料作物であるとかソバあるいは大豆、それから芝などについては非常に影響が大きいので、それは導入しないでくださいと、撤回してくださいというような趣旨の要望に変えることはできないでしょうかということが一つ。
それとあと、県への配分額についてやはり若干減る傾向がある。ところが、転作田はどんどん増えているので、単価を減らさざるを得ないような状況になっていますよね。耕畜連携助成は1万3,000円だったのが8,400円になっているし、二毛作助成も多分同じ8,400円になっているのですよ。だから、県への配分額を実態に合わせて増加してほしいということを明確に言い切ったほうがいいと思うのですけれども、どうでしょうか。
●岡垣農林水産部長
水田直接支払交付金についてでございますが、おっしゃるとおり、5年水張りルールの件についてはいろいろと以前よりずっと要望させていただいているところでございます。ただ、国のほうともお互いに意見を言い出し合っているところではございますが、今のところなかなかきっちりとした形にはなっていない状況でございます。申し訳ございません。(「しっかり言ってください」と呼ぶ者あり)
●平井知事
文言については検討させていただきます。
◎浜崎議長
よろしいですか。(興治議員「はい」と呼ぶ)
ほかはございますか。
○山川議員
先ほど内田議員も言われたのですけれども、社会基盤と地方創生の2点の国要望で、そのほかのところにも関連するかもしれないのですが、鳥取県は交付税と国庫支出金に歳入の過半を依存している状況で、これは日本全国の地方が同じような状態だと思うのですね。なので、財源を確保するために外国資本の参入をどこまで許すかということは、すごく重要な問題だと思うのです。先ほど中山間地域の個人の土地をどうするかということで、外国資本の参入を見据えて私権の制約をとのことでしたけれども、ただ、何でもかんでも制約するというわけではなくて、第三セクターの再生に中国資本が参入している神戸のフルーツパークの成功事例などもありますので。要は、鳥取県も防衛の施設だったり水源だったり多々ありますので、そういう守るべきところは守っていく必要がある。注視という国の制度があるのですけれども、本当に何キロの範囲を区域指定したら有効なのか。結局、日本法人を入れたら外形上、分からなくなるとかあるので、注視だったり報告だったりが本当に効果的なのかということを要望で踏まえていただけたらと思うのですけれども、いかがでしょうか。
●平井知事
先ほども内田博長議員のほうに申し上げましたが、ここは実はいろいろな論点が分かれるところでありまして、今、山川議員と内田博長議員はちょっと若干違うところもありますね。それはやはりいろいろと政策的な議論が多分必要でありまして、国全体としてやはり議論されるべき中身が根本にあると思います。取りあえず防衛関係のものが今回出てきたということでありますが、水源の問題も従来から議論はあるものの、本県は実は過去に大分大きな議論をしまして、水源の規制をするというよりも、別の意味の水源の調整、適正化というようなことで水源保全の条例などをつくったりしてきている経緯もあります。ですから、例えば議会のほうでピンポイントに議論がまとまれば、それは我々も非常に要望しやすいのですけれども、今かなりまだちょっといろいろな議論が錯綜しているのかなというふうに私自身は思っています。先ほど申しましたように、今要請するとしたら一般的なお話で、一定の文言を考えてやるところが現段階かなというふうに思っておりますが、これは引き続き調整させていただきたいと思います。
◎浜崎議長
ほかはございますでしょうか。
○福浜議員
知事のお話でもあったように、これも議論が分かれるところではあるのですけれども、5ページの1の(2)、米価安定に向け一層の転作推進は分かるのですが、やはり日本というところは水田あっての日本ではないかなと僕は思っています。それが中山間地の疲弊も生んでいるのではないかと。冒頭で知事は危機突破と言われましたし、今日本は大きなターニングポイントに来ているのではないかと。そう考えた場合に、水田のありようというものを、もう少し国民全体が危機感を持って守っていくのだというような強い意思の下に、減反ではなくて、やはり直接支払いだけではなくて、なぜ水田が必要なのかということを、国を通して国民に訴えるような、そんな地方ならではの訴えをぜひ文言として加えていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
●平井知事
恐らく今後、今年度後半は食料安全保障が焦点になってくると思います。その中で現在、国においても、次の通常国会に食料安全保障についての農村・農地の基本法が提出されるのではないか、こういう報道も始まっています。そういうところに向けて福浜議員がおっしゃるような本来の瑞穂の国としての食料生産の在り方、そういう基本のこともしっかりと米作振興なども含めてやっていくべきではないか。こういう問題意識だと思いますので、ここは先ほどの興治議員の話と組み合わせて、ちょっと区分けを変えたり、項目を変えたりしなければいけないかと思いますが、重点的にまた要望させていただきたいと思います。
◎浜崎議長
ほかはございませんね。
時間もかなり経過しておりますので、もしございましたらまた別途御意見を提出いただければというふうに思います。
先ほどの国の施策等に関する提案・要望ということで長岡本部長のほうから説明がございましたけれども、国要望につきましては、各会派等において協議をされた上、御意見があれば6月16日までに私、議長のほうまで御提出をお願いしたいと思います。その後、意見を取りまとめて執行部にお返しすることといたしたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
御異議なしということでございますので、そのように取り扱うことといたします。
以上をもちまして本日の議員全員協議会を閉会いたします。
午前11時27分 閉会
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