会議の概要
午前10時23分 開会
◎浜崎議長
ただいまから議員全員協議会を開会いたします。
まず、会議録署名議員に内田博長議員、浜田妙子議員を指名いたします。
本日の議題は、令和6年度当初予算案及び令和6年度組織・定数改正案についてであります。
なお、執行部の説明等に当たりましては、自席で着座にて御発言いただくようお願いをいたします。
それでは、一括して知事に説明を求めます。
●平井知事
皆様、おはようございます。
このたび、私どもが任期を共にする4年間で最初の予算編成、当初予算となりました。実り多い予算とさせていただき、また、組織改正も伴いますが、皆様にお聞き取りいただきまして、これから新年度、私たちが向かっていくその道筋を皆さんと一緒に方向づけることができればと願っております。本議会もよろしくお願いを申し上げたいと思います。
冒頭、議長の号令で皆で黙祷をささげましたが、今年は波乱含みのスタートということになりました。1月1日に大変な震災が能登でございまして、その翌日には日航機と海上保安庁の機体が衝突をするという痛ましい事故もございました。これからこの年はどうなるのかというふうに目をみはる中、今、ウクライナの戦争はさらに厳しさを増していると言わざるを得ない状況になっておりますし、中東における紛争もあり、これが燃油高など、我が国の産業や暮らしにも影響しているという実情がございます。
我々、足元の県内の経済や生活を取って見ましても、確かにデータ的には悪いものではないのかもしれませんが、物価高、あるいは賃金の問題、それからさらに飼料や肥料による農業への圧迫等々、これもまた大変な状況があります。そういうわけで、新型コロナのパンデミックは今終わろうとしておりますけれども、しかし、それに伴う活気が生まれるか、安心が生じてくるか、これは我々のこれからのかじ取り次第なのかもしれません。緊張感を持ってこの年を動かしていかなければならない、それが県議会の皆様と私どもとの共通のそうした土俵なのではないかというふうに考えております。
今回の予算は3,604億8,400万円の予算とさせていただき、昨年度よりも7%以上伸ばす形になっております。完全な状態ではないかもしれませんが、積極型の予算編成を工夫してさせていただきました。その背景には、国全体では一般財源が確保されていると言います。本県も地方交付税、それから特に臨財債はほぼなくなるぐらいの6億円ぐらいになりました。こういうことの影響でいわゆる実質的交付税が減少しております。確かに地方税のほうは、これは税収増を見込んでおりまして、一般財源総額としては増えたようにも見えますが、都会と比べていただきますと、大都市部の税収増は我々とは比べ物にならないほど伸びております。そういう中で、実質的には交付税を減らすということになっておりますので、私どものような、交付税等の依存財源によって財政を成り立たせている県では、厳しさは深まりつつあると。そういう意味で、これから不透明な財政状況になりかねないという中でございます。
ただ、そういう中で、いろいろと財源を充用したりして編成をし、最終的には基金を60億円崩して、また一般財源を補うために繰越金を20億円、言わば前借りするような形で予算に充当させていただきまして、何とか予算編成を切り抜けたというのが正直なところでございます。それでも財政状況は我々の4年間で悪化させるわけにはいきませんので、財政誘導目標に慎重に目を配らせていただきまして、基金はまだ213億円残しており、200億円を上回る目標水準内であります。また、起債のほうは3,800億円が私どもが設定した天井でありますが、現在のところ3,621億円とまだ余裕代は残しております。肝心の赤字、黒字という単年度のプライマリーバランスにつきましては、大分従前よりは減らした感もありますが、何とか6億円の黒字額を確保することができました。そういう意味で、私どもとして最大限財政状況にも配慮をさせていただきました。
災害に強いふるさと、また、安心して暮らせる支え愛のふるさと、そして一人一人が輝くふるさとをつくろう。私どものほうで産業と交流を活用することによりまして、活力をもたらすふるさとをつくっていく。このような目安を考えまして、積極的な予算計上をさせていただきました。ただ、なかなか小さい県でありますので、大盤振る舞いというわけにはならないかもしれませんが、そういう中で、芽出しをしていくことが今非常に重要なのだというふうに考えております。
特に安心して暮らすための第一条件、今、県民の皆様の共通認識は能登半島の地震、あれが身の回りで起こるのではないか。その際に、備えとしてどのようなことができるかというところに思いはあろうかと思います。そうした意味で、私どものほうで一歩先回りをしながら、今対策を立てさせていただこうとしております。これは恐らく6月県議会ぐらいまでかけながら市町村や専門家と協議をしてまいりますが、取り急ぎやれることは今回予算の中に前倒しても盛り込もうということで入れさせていただきました。とにかく初動で一人でも多くの命を助けられる、やはり我々はこれを考えていかなければいけないのだと思います。私も能登半島のほうへ参りましたが、地形的に非常によく似たところもあり、共感も覚えるところである一方、同じような災害で私どもの集落が寸断されることがあるかもしれない。そのときに、倒壊家屋が多数発生するような事態になった場合、どうやって早く救援部隊を送り込むことができるのか、この辺が今我々の大きな課題になると思います。これは県庁だけではできず、消防や警察、それから自衛隊などの協力を仰がなければなりません。このようなことをいろいろと考えさせられるそんな災害であったと思います。これから私どもも関係者と心を一つに乗り越えていく、そういう課題を取らせていただきたいと思っているところであります。
「春立や蜂のはひゐる土の割れ」という室生犀星さんの句があります。室生犀星は石川県がふるさとであります。そのふるさとにおきまして、こうした情景、これはちょうど冬眠から蜂が戻ってくるという情景を描いているのだと思います。私たちも失望することなく前を向いて未来へ向けてやっていくという力強さ、スタートを切ることが今我々には大切なんだと思います。コロナパンデミックが終わりかけている、だからこそ、今までやりたかったことをもう一度県民の皆様と一緒に始めたいと思っております。大分生き物も元気になっておりまして、さっきからカメムシが天井を飛んでいて、気になってしようがないのですけれども、ともかくそのようなわけで、命の目覚めというのがこの季節のところではないかと思っております。
そういう意味で、皆様と一緒にスタートを切る、そういうこととしたいと思っており、ふるさと鳥取県で暮らしていくとっとり暮らし推進局をつくったり、また、安心を担保するための犯罪被害者総合サポートセンターをつくったり、組織面でもスタートを切らせていただきたいと考えております。実は今回、予算は3,604億8,400万円、360484でございまして、魅力、推し、発信と読めます。そのようなわけで、魅力やそういう推しを我々大事にしてポジティブに攻め込んでいく、反転攻勢をかけていければと思っております。皆様の御審議を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
◎浜崎議長
続いて、令和6年度当初予算案等に係る詳細説明を求めます。
●櫻井政策戦略本部長
それでは、資料1、令和6年度当初予算案の概要を御覧ください。先ほど知事からも御説明がございましたが、1、予算編成の基本姿勢の(2)にございますとおり、臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税は減額となりながらも一般財源としては前年度を上回る額を確保してまいりました。しかしながら、予算編成に当たっては、物価高騰などに起因する人件費や光熱費等の経常的経費が増加するなど、厳しい予算編成となりました。そうした中にあっても、喫緊の課題に対応するため、財政調整型基金など様々な財源を駆使し、総額3,605億円の積極型予算としたところでございます。
その中でも(3)にございますとおり、能登半島地震や台風第7号災害を踏まえた「災害に強いふるさとづくり」、人口減少課題などに対応するための「安心して住める支え愛ふるさとづくり」、若者世代が活躍する地域社会の実現など「一人ひとりが輝くふるさとづくり」、大交流時代の観光の戦略的展開など「産業と交流で活力あるふるさとづくり」という4つを政策の柱としております。
また、(4)にございますとおり、財政誘導目標につきましては、3つの指標のいずれについても数値目標の範囲内とし、健全な財政運営を堅持しております。
次に、2ページでございますが、当初予算総額としては骨格編成だった前年度当初予算対比でプラスの255億円、7.6%増の3,605億円となっております。
主な増要因としましては、台風第7号災害からの復旧促進など、災害公共が65.1億円の増、ねんりんピックの開催事業が16.6億円の増などとなっております。また、主な減要因としましては、5類移行に伴う新型コロナ対策の剥落により101.5億円の減などとなっております。
その他、歳入の概要、3ページは歳出の概要となっております。
また、4ページは参考情報となっておりますので、後ほど御覧ください。
5ページ目に県債・基金残高の推移のグラフを載せております。県債のうち、白抜きのグラフ、こちらは県債から臨財債と防災減災等の交付税措置の高い起債を除いたものでございますが、近年、減少傾向で推移しております。
6ページ以降は、先ほど申し上げました4本の柱ごとの主な事業を記載しております。
特に9ページでございますが、こちらの星印につきましては、若者からの施策提案を踏まえた事業を示しているところでございます。
少し飛びますが、19ページを御覧ください。こちらは令和6年度の使用料・手数料の見直しでございます。国の標準令改正に伴う手数料の新設などでございます。
おめくりいただきまして、21ページは令和6年度の人件費の分析となっております。このうち表の中ほどの一般職につきましては、給与改定や定年退職者の増などの影響によりまして、約57億円の増となっております。
資料1につきましては以上です。
次に、資料2、財政誘導目標の達成状況を御覧ください。先ほども御説明いたしましたが、3つの指標のいずれについても数値目標の範囲内とすることができております。
資料の裏面には財政調整型基金残高と実質的な県債残高の推移を記載しております。令和8年度末の目標達成に向けてさらなる行財政改革を推進してまいります。
◎浜崎議長
引き続き令和6年度組織・定数改正案に係る詳細説明を求めます。
●山根総務部長
それでは、資料3をお願いいたします。資料3、令和6年度組織・定数改正案の概要でございます。
おめくりいただきまして2ページを御覧ください。主な組織編成案の概要でございます。
まず、1つ目でございますが、人口減少社会対策及び中山間における課題解決に向けた体制整備でございます。輝く鳥取創造本部に新しく設けるとっとり暮らし推進局とそれから中山間・地域振興局の2つの局を置きまして、この2つの局が両輪となって若者Uターン、定住施策や買物環境、交通、農業、医療、教育などの中山間地域の様々な課題の解決に対応していこうというものでございます。
2つ目でございます。美術館の知事部局への移管でございます。県立美術館はこの春に建物が竣工し、来年3月に開館する予定でございます。本格的な準備、活動の段階になってくるということから、美術館を教育委員会から知事部局の地域社会振興部に移管しまして、文化振興や観光振興とより一体的に運営等を行っていこうというものでございます。
3つ目でございます。犯罪被害者支援のための新たな体制整備でございます。生活環境部に犯罪被害者総合サポートセンターを新たに設置しまして、東部、中部、西部にそれぞれ事務所を設け、民間団体などと連携し、ワンストップで犯罪被害者支援を被害者に寄り添いきめ細かに行っていこうというものでございます。
4つ目でございます。今年10月のねんりんピック開催に向けた推進体制の整備を図るとともに、ねんりんピックはばたけ鳥取2024実施本部事務局を設置する。それから来年開催される大阪万博の本県誘客促進などに向け、関西本部に万博推進室を設置するとともに、県庁各部が一丸となって推進する体制を整備しようというものでございます。
その次、3ページからは、組織図等も含めて詳細な資料を入れてございます。
少しはぐっていただきまして、6ページ目を御覧ください。職員定数案の概要でございます。部局ごとに増減等ございますけれども、トータルをいたしまして、一番下の(1)、(2)の計のところでございますが、昨年と同じということで増減なしで考えているというところでございます。
7ページ以降には参考となる資料を入れておりますので、後ほど御覧いただければと思います。
◎浜崎議長
ただいままでの説明に対しまして、御意見、質疑等があればお願いいたします。
○市谷議員
すみません、まず、6年度の当初予算案の概要の2ページです。予算の主な増要因のところで災害公共というのがかなり大きいのです。去年の8月の台風7号の対応かなとは思いますけれども、これが何かうまく進捗ができていなくて、今年度にずれ込もうとしているのかなという印象があるのですが、そうではないのか、あるいは何かずれ込んでいるとすれば何か対応で必要なものがあるのかどうかちょっと確認をさせてください。
繰越金なのですけれども、相当大きく増額になっておりますが、何か内訳みたいなものでもし分かれば教えていただきたいなというふうに思います。
11ページのほうで歳入の財政分析の資料ですけれども、下のほうに繰入金があります。今業者の皆さんは物価高の中で経営がかなり大変な状況にありますが、産業未来共創基金を繰入金ということで32億円入れるのですけれども、基金の残高は幾らぐらいになるのかというのを教えてください。もっと投入する必要があるのではないかというふうに思います。
組織のほうなのですけれども、美術館の関係を知事部局のほうに移管をするということです。美術館は建物だけではなくて美術や教育振興ということがありますが、学芸員の方たちというのはどこに所属になるのでしょうか。やはり教育委員会にきちんと配属されて教育、美術振興ということを行うことが必要だと思いますが、それがどうなっているのかということ。それから7ページの学校の先生の定数減なのですけれども、子供が減っているから教員を減らすということなのですが、今教員不足ということが言われている中で、例えば年度当初に担任の先生が配置できないとかそういうことが起きないように、教員不足が起きない、教員を減らしても、ちゃんと対応できるのかどうかその辺を確認させてください。
●平井知事
また詳細は各関係部局や教育委員会などでお話しすると思いますが、若干だけ申し上げて、災害につきまして65億円ですかね、かなり増やしているのは、これは全く自然体と考えていただいて結構です。実は今年度、既に計上しているものは繰り越してやりますので、それが新年度予算で計上されるものではありません。ただ、事業は進捗してこういうような事業もやはりやる必要があるというのは年度間でちょっと整理がされていまして、そういうようなことだというふうに御理解をいただければと思います。
また、美術館につきましては、これは総合的にやっておられる組織をそのまま丸ごと県庁の知事部局のほうに引き取らせていただきますが、当然学校とのラーニングセンターというような考え方だとか、それを外すものではありません。したがいまして、今後も連携してやっていくわけでありますが、観光だとか、それから例えば若い方々の活躍の場であるとか、それからまちづくりだとか、もういろいろと箱が出来上がって地域の拠点ということで、今後その力を発揮していく段階になりますので、単なる教育施設というよりもそうした公共施設一般の中でこの美術館というものをみんなで盛り立てていこうと、こういう趣旨でございます。
◎浜崎議長
それでは、それぞれ担当部局長から説明をお願いいたします。
●櫻井政策戦略本部長
市谷議員の御質問にお答えいたします。
先ほど知事がお答えした残りの、まず繰越金の内訳についてでございますけれども、こちらにつきましては、全額が前年度の繰越金を充当する形としております。
また、産業未来の基金の残額についてでございますが、こちらは約37億円となっております。
●山根総務部長
美術館について学芸員の配置ということでございますけれども、美術館は定数全部で15人ございます。そのうち学芸員という人も配置し、美術館に所属します。ただ、博物館との連携が必要でございますので、博物館との併任をかけ、籍としては美術館ということで考えておるというところでございます。
●足羽教育委員会教育長
学校の教職員についてお尋ねをいただきました。
資料7ページにございますが、小学校の統合が予定をされていることから減というのが一方で上がりますが、その一方では特別支援教室の増はこれは年々増えているところであり、そういう意味でトータルでは大きな減にはなっておりません。そこに指導いただく先生方の配置というのがこれは本県のみならず、全国的な教員不足の流れの中で、この確保に苦慮もしながら努力しているところでございます。子供たちの指導に当たる先生方が不足しないように今後も最大限の努力を重ねてまいりたいと思っております。
●小田原県土整備部長
災害公共事業の額についての御質問でございます。
今年度発生しました台風7号による災害復旧事業につきまして、現在鋭意発注を行っております。用地関係につきまして、支障のないものについては、今年度内の発注を行うものとして進めておりますけれども、改良復旧事業を含めまして用地の御提供をお願いしなければならないものも多々ございます。こちらにつきまして、例えば相続であるとかそういうような問題が発生しておりまして、まだ取得できていない箇所もございまして、現在それも取得に向けて鋭意手続を進めているところでございます。こういう箇所につきましては、これから新年度に入ってからの工事発注ということになりますので、令和6年度の予算として計上しているものでございます。
◎浜崎議長
よろしいですね。(「あっ、すみません、何かもう一人」と呼ぶ者あり)
●岡垣農林水産部長
私からは農地関係の災害復旧についてお答えさせていただきたいと思います。
実際のところ農地の復旧ということで、昨年末に災害の査定が終わりまして、それも含めまして来年度の令和6年度の予算で対応するという形で今回御提案させていただいたところでございます。ということで、決して進捗が遅くなっているというわけではなくて、計画どおりやっているというところで御理解いただければと思います。
◎浜崎議長
よろしいですね。
○市谷議員
分かりました。査定が遅れているのかなというふうにも思いましたけれども、今そうではなく農地の関係でおっしゃったのですが、迅速に行っていただきたいなということ。創造的復興だとかということで、公共のほうですけれども、それがゆえに何かすごく進捗が遅れるなどということがないようにぜひしていただきたいなというふうに思いました。
ちょっと教育委員会といいますか、美術館の学芸員の関係なのですけれども、結局、博物館の学芸員さんとも併任ということになると、それが美術館のほうに取られてしまうと、では、博物館のほうはどうなるのかなというふうに思ったりもしますし、きちんと美術の振興とか教育振興できるようにしていかないと、みんな持っていってしまっては困るというふうに思いますので、学芸員を例えば増員するとか、それぐらいはしていただきたいなというふうに思います。要望しておきます。
◎浜崎議長
要望ということでよろしいですね。
○市谷議員
はい。
◎浜崎議長
ほかございますでしょうか。
それでは、御意見も尽きたようであります。以上をもちまして本日の議員全員協議会を閉会いたします。
午前10時53分 閉会
|