令和5年度地域県土警察常任委員会議事録

令和5年9月19日会議録(確定版)

開催概要、資料はこちらです。
出席者
(8名)
委員長
副委員長
委員
安田 由毅
東田 義博
前住 孝行
伊藤  保
川部  洋
中島 規夫
斉木 正一
銀杏 泰利


委員外議員
山川 智帆
市谷 知子
語堂 正範
入江  誠
河上 定弘
鳥羽 喜一
前田 伸一
浜田 妙子
内田 隆嗣
島谷 龍司
内田 博長
鹿島  功
野坂 道明
招致した参考人等
   中国電力株式会社
    電源事業本部 本部長  北野 立夫(代表取締役副社長執行役員)
    電源事業本部 副本部長
    島根原子力本部 本部長  長谷川 千晃(常務執行役員)
   鳥取支社長
    電源事業本部 島根原子力本部 副本部長 籔根  剛(常務執行役員)
    電源事業本部 島根原子力本部 副本部長 三村 秀行(執行役員)
    電源事業本部 島根原子力本部 副本部長 井田 裕一

職務のため出席した事務局職員
   澤田課長補佐、田中(慶)課長補佐、前田係長
 

 1 開会  午後1時03分

 2  閉会  午後2時15分

 3 司会  安田委員長

 4 会議録署名委員  斉木委員  銀杏委員

 5 付議案件及びその結果
    別紙日程及び下記会議概要のとおり

会議の概要

午後1時03分 開会

◎安田委員長
 ただいまから地域県土警察常任委員会を開会いたします。
 本日の日程はお手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 なお、本日は執行機関である県の危機管理部から傍聴の申出があり、委員長としてこれを許可しておりますので御承知おきください。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 会議録署名委員は、斉木委員と銀杏委員にお願いします。
 それでは、ただいまから所管事項に係る参考人の方からの意見聴取を行います。
 お手元の日程にもありますように、本日は中国電力株式会社から島根原子力本部長、長谷川千晃様、鳥取支社長兼島根原子力本部副本部長、籔根剛様、島根原子力本部副本部長、三村秀行様、同じく井田裕一様、以上の皆様に参考人としてお越しいただいております。あわせて、副社長であり電源事業本部長の北野立夫様にも御出席賜りました。皆様、お忙しいところ御出席いただき誠にありがとうございます。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。
 本日は、島根原子力発電所1号機の廃止措置計画に関する内容について、参考人の皆様から意見を求めることにしております。中国電力とのいわゆる安全協定に定める重要な変更に該当する事項でもあることから、本委員会以外の議員の皆様にも幅広くお声がけをしたところであります。
 つきましては、委員の皆様にお諮りいたします。本件について、委員外議員の発言を許可することにしたいと思いますが、御異議はございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
御異議はないものと認めますので、本日は委員外議員の皆様の発言を許可することとしたいと思います。
 それでは、議事の順序等について申し上げます。
 参考人の皆様には、事前に意見を求める事項を通知しています。まず、参考人の方からこの点について簡潔に御説明いただき、その後、各委員から、また委員外議員の皆様から質疑にお答えいただくようお願いいたします。参考人におかれましては意見を求められた事項について発言していただくとともに、発言に当たりましては、私、委員長の指示に従っていただきますようお願いいたします。
 なお、委員及び委員外議員の皆様に改めてお願い申し上げます。
 参考人に対する質疑は、島根原子力発電所1号機の廃止措置計画に関する、述べられた意見についての疑問点を解明することにありますので、この件とは関係ない発言をしないこと、自らの意見と異なっても追及調の質疑をしないことをお守りくださいますようお願いいたします。
また、委員会が出席を要請したものですので、参考人の皆様の意見に同調できない部分があっても聞く義務があるとともに、参考人の方に対して礼儀を失した質疑をしたり不規則発言をすることのないようにしていただきたいと思います。
 マスコミの皆様にもお願いしておきます。
 取材エリアについては特に指定しておりませんが、参考人の方が発言しやすい環境の確保に御配慮くださいますようお願いいたします。
 最後に、傍聴の方々を含め会場の皆様に申し上げます。
 もし不規則発言などで委員会の進行に支障を来すと委員長が判断した場合は、委員会条例や委員会傍聴規程にのっとり発言の禁止や退出を命じる場合もありますので御留意ください。
 それでは、参考人の皆様におかれましては、事前にお伝えしている事項について簡潔に御説明をお願いします。
 質疑については、説明終了後一括して行います。
 なお、説明に先立って北野副社長から発言を求められておりますので、御発言ください。

●北野代表取締役副社長執行役員(電源事業本部長)
 中国電力副社長の北野でございます。初めに、一言御挨拶を申し上げます。
 鳥取県議会の議員の皆様におかれましては、平素から当社の事業運営に御理解と御高配を賜っております。厚く御礼を申し上げます。
 また、本日は当社のためにこのような説明の場を設けていただきまして、重ねて御礼を申し上げます。
 まずは、当社におきましてカルテルの問題や顧客情報の閲覧など、公正取引委員会、経済産業省からの勧告など様々な不適切事案を起こしてしまったことにつきましては、この場を借りて改めておわび申し上げます。再発防止、そして信頼回復にしっかりと努めてまいる所存でございます。
 また、福島事故以降、当社は2号機について原子炉設置変更許可、工事計画認可と審査手続を行ってまいりました。先月30日には工事計画認可をいただき、工事の詳細設計も固まったところでございます。本年6月に新しい体制を発足し、今回は会社の体制が変わって1号機の廃止措置について定例議会にお諮りいただけるということで、今回こうして御挨拶に伺った次第でございます。
 島根1号機の廃止措置につきましては計4段階のプロセスを踏む必要がありますが、今回第2段階の計画を取りまとめさせていただきました。その関係上、鳥取県様と締結する安全協定の計画の事前報告につきまして、本日御説明させていただきたいと思います。
 また、2号機については、来年、2024年8月に再稼働を予定しておりまして、引き続き全社一丸となって安全を最優先に取り組んでまいりたいと考えておりますので、議員の皆様におかれましては今後も変わらぬ御支援、御指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 それでは、措置経過につきまして、島根原子力本部副本部長の井田から御説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。

●井田参考人
 島根1号機廃止措置第2段階の概要について説明させていただきます。
 1ページは目次となっておりますのでスキップさせていただきまして、2ページをお願いいたします。ここでは「はじめに」として、これまでの経緯を示しております。島根1号機の廃止措置は2017年4月に国の認可を受けまして、同年7月に全ての関係自治体から御了解等をいただきまして、現在既に第1段階の作業を開始しているという状況でございます。
 今回、来年度より第2段階を開始するため、廃止措置全体工程の見直しや第2段階の具体的な作業計画を策定いたしました。それらについて、国へ変更認可申請をしたいと考えてございます。
 4ページをお願いいたします。こちらは廃止措置の全体的なイメージを示したものとなっております。具体的にはこの後順に説明します。
 5ページをお願いいたします。2ポツの項では、廃止措置に関わる基本方針、全体工程等について御説明します。
 6ページをお願いいたします。廃止措置の基本方針を示しております。これらは第1段階から継続させているもので、一番上の矢印にございますとおり引き続き安全確保を最優先に廃止措置を進めてまいりたいと考えております。
 続きまして、7ページをお願いいたします。こちらは工程の説明になります。島根1号機の廃止措置の計画は、これまで廃止措置の全体の見通しと一番左の第1段階の具体的事項について認可を得ているという状況でございます。次の段階に移行する場合、都度申請が必要で、今回の申請では廃止措置工程全体の工程の見直しに加えまして、赤の枠で囲っております第2段階に行う具体的事項について記載しているものでございます。第2段階では主に燃料の搬出、譲り渡し、汚染状況の調査、放射線管理区域内にあります設備の解体撤去等の作業を行うことにしております。
 続きまして8ページ、今回の変更の内容です。まず1点目が第2段階の延長、2つ目が汚染状況の調査を継続して実施するということ。そして3つ目が第4段階の短縮となっております。
 まず、1点目の第2段階の延長についてですが、こちらは再処理施設の竣工時期の見直し。当初、当社が廃止措置を計画した時点では再処理施設竣工時期が2018年度でございましたけれども、現在その竣工時期が2024年度上期となったことを踏まえまして、今後の使用済燃料の搬出、譲り渡しに要する期間を検討してまいりました。その結果、再処理施設の竣工後順次再処理が進み、計画の再処理量となるまで数年をかけて操業されるなど、一定の当社想定の下に使用済燃料の搬出、譲り渡しが完了できる期間としまして、第2段階の最後を6年延長することにしたものでございます。
 2つ目、汚染状況の調査ですけれども、これまで第1段階の汚染状況調査として施設全体の調査を一通り終えております。今回さらに放射能レベルの高い廃棄物の処理処分の実効性を高めるために、計算評価に加えまして、第3段階に解体撤去を行う原子炉本体を対象に試料を採取することで汚染状況の調査を実施することにしたものでございます。これにより、より適切な解体撤去工法の検討に反映することができ、また解体に従事する放射線業務従事者の被曝低減にも寄与できるものと考えております。
 続きまして3点目、第4段階の短縮についてです。廃止措置をなるべく速やかに完遂させるためにも、延ばすだけではなくて全体期間の短縮も必要と考え、現時点で短縮できるところとしまして、第4段階で行う建物解体につきまして複数の解体工事を同時施工とするなど、安全の確保を大前提に、安全に影響を与えない範囲で現行工程から2年短縮させることとしたものでございます。
 なお、これまで地域の皆様に御説明していた工程が遅れることにつきまして、大変申し訳なく思っております。
 また、使用済燃料が1号機に存在する期間が長くなってしまいますけれども、使用済核燃料の維持管理に必要な施設を適切に管理し、安全確保を第一に廃止措置の新たな工程を着実に進めてまいりたいと考えております。
 次、11ページをお願いいたします。ここからはこれまでの第1段階で実施してきた内容について説明します。
 12ページをお願いいたします。こちらは燃料の搬出・譲り渡しの状況を説明したものです。使用済みの燃料につきましては、再処理施設が竣工しておらず、まだ搬出、譲り渡しのスタートができていない状況ではございますけれども、新燃料92体につきましては全て2018年に燃料加工メーカーへ譲り渡しを完了しております。
 次、13ページをお願いいたします。こちらは汚染状況の調査について整理したものです。上の写真では、機器、配管等の外側から放射線量率を測定している様子が写っております。また、下の写真では建物の床からサンプリングを採取している様子を示しております。この第1段階での汚染状況調査としましては、廃止措置対象施設の物量の調査、それから写真にありますとおり機器、配管や建物コンクリートの汚染状況の調査を行いまして、施設全体の調査は一通り完了している状況でございます。
 次、14ページをお願いいたします。汚染の除去、安全貯蔵についてまとめています。作業員の被曝の低減のために、比較的放射線量の高い原子炉浄化系フィルタスラッジ受タンク、スライドでいいますと右側の下から2番目の赤い矢印で図示されているタンクになります。このタンクの底を水でフラッシングということで洗い流しをして除染しまして、良好な結果が得られているというものでございます。
 続きまして、15ページをお願いいたします。こちらは放射線管理区域外の設備を中心に、その解体撤去の状況となります。こちらも2018年から実施しておりまして、今後も継続して着実に進めてまいるものでございます。
 16ページをお願いいたします。ここからは第2段階で行う具体的事項について説明を進めてまいります。
 17ページをお願いいたします。第2段階からは、管理区域内に設置した原子炉本体周辺設備と呼んでおりますものの解体撤去に着手してまいります。具体的には、建物の断面図に色をつけておりますけれども、薄い緑色で着色された部分が第2段階と第3段階にかけて解体撤去する範囲となっております。このうち第2段階では、右側の背の低いタービンの建物の内部にございますタービンの本体や復水器、それから発電機といったものの解体撤去を行っていく予定としております。
 続きまして、18ページをお願いいたします。放射線管理区域内での設備の解体撤去の方法を説明したものとなっております。第1段階ではなかった作業となります。
 まず、左上の絵にございますけれども、解体の前には放射線量の高い配管に対しまして必要に応じて機器除染ということで除染した上で、放射能レベルの低いものから解体撤去していくことにしております。
 こういった建物の内部で解体撤去を進めてまいりますけれども、さらに汚染レベルが高い場合には、汚染拡大の防止のためにさらに内側の囲い、いわゆるハウスといったものを設置したり、また作業員にはマスク等の防護具を着用してもらって作業を進めることにしております。
 また、解体した後の撤去物は建物内に確保した保管エリアに適切に保管いたします。
 また、汚染レベルをさらに下げるための除染処理で、可能な限り放射性物質として扱う必要のないもの、クリアランス制度対象物として搬出する予定でございます。
 続きまして、20ページは、この作業に伴います周辺環境への影響といいますか放射線管理についてまとめたものとなっております。第2段階の作業では、建物内で粒子状の放射性物質の発生が想定されますけれども、建物や先ほどの空調設備、フィルターですね、そういったものをきちっと維持管理いたしまして、作業に伴いまして周辺環境へ放出することのないように管理してまいります。
 また、表は周辺環境の被曝線量の影響評価をしたもので、一部粒子状の放射性物質がフィルターを通過する過程で評価した結果でございます。年間17マイクロシーベルトといった放射線量と評価しておりまして、国の基準値に比べて十分低いことを確認しております。
 続きまして、21ページをお願いいたします。放射線業務従事者の放射線管理についてまとめたものでございます。放射線業務従事者が受ける放射線被曝線量を可能な限り低く抑えるために、各種の対策、措置を講じてまいります。
 表は第2段階全体の放射線業務従事者の被曝の評価の結果で、延べ積算線量、約3.0人・シーベルトという数値を評価しております。この値は、島根1号機がかつて運転していた当時の被曝線量実績と比べても十分低い値となっております。
 続きまして、24ページをお願いいたします。ここからは固体廃棄物を中心に廃止措置に伴い発生する廃棄物について説明いたします。
 25ページをお願いいたします。廃止措置に伴い発生する固体廃棄物は大きく3つございまして、1つが低レベル放射性廃棄物、2つ目が放射性物質として扱う必要のないもの、いわゆるクリアランス制度対象物、そして3つ目が放射性廃棄物ではないもの、この3つに区分けができます。
 また、低レベルの放射性廃棄物につきましては、その区分に応じましてL1、L2、L3と再区分できるものでございます。
 主な設備の推定汚染分布を建物の断面図に示しておりますけれども、L1と申しますのは左側、原子炉の建物の中の原子炉の中心部にございます炉心支持構造物が該当いたします。L2と申しますのは、その外側にあります原子炉の圧力容器が該当いたします。そしてL3はさらにその外側にあります格納容器ですとか、今回の第2段階で解体を計画している復水器など原子炉周辺施設が該当いたします。
 26ページをお願いいたします。次は固体廃棄物の量について説明いたします。
 円グラフが真ん中にございまして、その中心に発生する総量が約18万トンとありますけれども、そのほとんどが濃い青色の放射性廃棄物ではないものと薄い水色の放射性廃棄物として扱う必要のないもの、クリアランス制度対象物となっております。
 次、27ページをお願いいたします。前のページでお示しした固体廃棄物量の具体的な数値となっております。右から2番目の原子炉本体周辺設備という欄は第2・第3段階で解体撤去するもので、その総量がおよそ1万トンとなっております。ほとんどが放射性物質として扱う必要のないクリアランス制度対象物と評価しております。
 続きまして、30ページをお願いします。廃止措置に伴いまして発生する放射性廃棄物の管理方法について説明いたします。
 第2段階で発生します放射性廃棄物は、運転中と同様、気体、液体、固体、廃棄物の種類、性状に応じて適切に処理を行います。気体、液体の放射性廃棄物の放出に当たりましては、放出管理目標値を設定し、これを超えないように努めてまいります。固体につきましては、第2段階に発生する解体廃棄物のほとんどが放射性物質として扱う必要のないもの相当でございますので、クリアランス制度を活用し放射性廃棄物の低減に努めていきたいと考えております。
 なお、クリアランス制度対象物につきまして現時点で用途を決めたものはございませんけれども、鉄筋等に加工し、当面の間は当社施設等で再利用することを考えております。また、そういった再利用先が決まるまでは、発電所の中できちっと保管するということにしております。
 31ページ、先ほど御説明しましたとおり第2段階に発生する廃棄物は運転中と同様、気体、液体、固体の性状に応じて管理してまいりますけれども、それを図に示したものでございます。
 最後に、島根1号機の廃止措置に当たりましては、これまで同様、安全を最優先に進めてまいる所存でございます。
 以上で説明を終了いたします。ありがとうございました。

◎安田委員長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について、委員の皆さん、委員外議員の皆様から質疑があればお願いいたします。

○市谷議員
 説明ありがとうございました。
 ちょっと1つずつ、幾つかあるので分けて聞かせていただきます。

◎安田委員長
 なるべくまとめていただきたいと思います。

○市谷議員
 はい。
 まず一つは手続のことについて、説明もあったのですけれども改めて確認したいのです。前回鳥取県から返事をしたのは4段階のうちの1段階だけでしたので、今回は2段階について安全協定に基づいて事前報告、事前了解を求めるものであるということを改めて確認したい。
 次に再処理工場の関係で、2段階の期間が最初6年間だったものが12年間ということで倍になっているというのは、結局六ヶ所村の再処理工場の稼働がずれたからということでいいのでしょうか。
 もともとこの再処理工場というのは、最初は平成9年にできると言っていたものが、結局何回、何年間延期になったのか。さっき2024年上半期にできるという話なのですけれども、本当にできる見通しがあるのかどうか。
 その再処理工場では、使用済核燃料からウランとプルトニウムを取り出すという非常に危険な技術で、未確立だということでなかなか再処理工場ができていないということだと思いますが、その再処理をする工程で高レベルの放射性廃棄物を生み出すことになるのです。再処理工場は動きました、けれどもその過程で高レベルの放射性廃棄物が生み出される。高レベル放射性廃棄物がどんどん増えていくことになると思うのですけれども、その処分はどうするかというのが決まっているのでしょうか。そういうことがないと、幾ら再処理工場ができたとしても非現実的な対応になると思いますので、その点。
 その再処理したウランとプルトニウムでMOX燃料を作るということで、つまり再処理してその後また利用するというのでMOX燃料を作るということをしないと意味がないと思うのですけれども、MOX燃料の工場というのはいつできることになるのでしょうか。そこまでやらないと、2号機のプルサーマル計画は成り立たないと思うのですけれども……。

◎安田委員長
 市谷議員に申し上げます。本日は申し上げたとおり1号機の廃止措置についてのみの質疑となっておりますので。

○市谷議員
 廃止措置に関連するので今聞いております。

◎安田委員長
 御自分の意見は、今日は控えていただきたいと思います。

○市谷議員
 今、質問です。
 ちょっとそこまで、まだありますので一旦ここで答えていただけたらと思います。

◎安田委員長
 恐れ入ります、今のところで答えのみを簡潔にお願いできればと思います。
 あと、六ヶ所の見通しについて、今これとは関係しないと私は思いますので、そこは省いていただいて結構でございます。

○市谷議員
 いや、それがあるから期間が延長になっているわけで、また再延長ということにもなるのかと思いますので、これは必要なことです。関係あります。

◎安田委員長
 いや、別の会社ですからね。

○市谷議員
 いや、それを見越して廃炉の計画を立てているわけでしょう。

◎安田委員長
 しかしながら別の会社ですから、そこに向かって動いているわけですから。

○市谷議員
 いや、そう言いながら何度も……。
 ちょっとそこまで、取りあえず聞いたことに答えていただけたらと思います。

◎安田委員長
 ですので、今のところは省いていただいて結構です。私の判断です。
 では、答弁をお願いいたします。

●長谷川参考人
 まず、手続に関する御質問でございます。おっしゃるとおり、今回の廃止措置計画は、まず2017年に鳥取県様との手続を完了しております。そのときお願いしましたのは、全体工程と第1段階の内容でございます。その理由は、実は国のほうに認可をもらう必要があります。今回も2段階に移るに当たりまして国の認可が必要になりますので、安全協定上の対応をお願いしているところでございます。したがいまして、今回は2段階を中心に鳥取県から御意見をいただきたい。ただ、今御説明したとおり全体も少し変更になっておりますので、そこも含めての手続とお考えいただければと思います。
 確かに第2段階を延長した理由は再処理工場の遅れでございますけれども、委員長のほうから今御指導がございましたので、再処理工場については御回答を控えさせていただきたいと思います。
 そうしますと、残りの高レベルの廃棄物、MOX燃料等も再処理工場に関わることになりますので……。

◎安田委員長
 それも結構です。

●長谷川参考人
 よろしいですか。では、取りあえず以上でございます。

◎安田委員長
 中国電力さんが答える内容ではないと私は判断します。

○市谷議員
 では続けていいですか。

◎安田委員長
 手短にお願いいたします。

○市谷議員
 再処理工場が延期になってなかなかできないとなった場合に、2号機のプルサーマル計画というのはできるのでしょうか。それを想定して進んでおられると思うので、その点を聞きたいです。
 次に使用済核燃料についてです。搬出、譲り渡しまでは1号機の燃料プールから直接、または2号機の燃料プールを経由して行うとしていたわけですけれども、これがなかなかそうなっていないのではないかと思います。1号機のプール、それから2号機のプールは、この使用済核燃料が出ていかないとどんどん埋まっていくと思うのですけれども、一体その1号機、2号機のプールというのはどれぐらいたまっていて、あと何年もつのか教えてください。
 先ほど、最初にも御説明ありました島根原発2号機を来年8月に再稼働ということなのですけれども、さっきのプルサーマルと同じになるかもしれませんが、使用済核燃料が再処理できないのに再稼働ということになるとプールがいっぱいになってしまうのではないかと思うのです。その点についてはどうなのでしょうか。
 あと、新燃料については2018年9月7日に譲り渡したということですけれども、どちらに譲り渡したのかを教えてください。
 この第2段階で放射線管理区域内の原子炉本体以外の設備の解体撤去に着手するということで、解体撤去を行う前に作業員の被曝低減のため放射線量が高い箇所に対して必要により除染を実施するということなのですが、どの部分を除染するのか。除染した汚染物質の処理はどうなるのかを改めて説明してください。
 固体廃棄物について、放射性廃棄物は汚染状況の調査結果を踏まえ固体廃棄物の推定発生量を見直すということで、その固体廃棄物のクリアランス対象のものとか、L1とか2とか3とかありましたけれども、その量というのはどういう見直しをされたのかお答えください。

◎安田委員長
 市谷議員に申し上げます。簡潔にとお願いしたはずですが、ちょっと質問数が多いのではないでしょうかね。(市谷議員「分かりました」と呼ぶ)一旦切らせていただいてよろしいですか。

○市谷議員
 今、話が固体廃棄物の話なので、すみません。第2段階になるとこの固体廃棄物でクリアランス対応するものが初めて9,980トン出てくる。それから、L3という放射能レベルの低いものが初めて460トン発生するのですけれども、これはいつどこに処分するのか。処分先の見通しがあるのかどうかを教えてください。
 最後にL1、放射能レベルの比較的高い廃棄物の処分に係る規制基準というのは決まっているのでしょうか。

◎安田委員長
 今、市谷議員から多数質問がございました。冒頭のプルサーマル、そして2号機の再稼働すればプールの件、あと新燃料の件、これは本日の議題とはずれていると思いますのでお答えいただかなくても結構です。

○市谷議員
 新燃料はここに書いてあって、さっき説明があったので、どこにどうするのですかと。譲り渡したとさっき説明がありました。

◎安田委員長
 答弁できますか。長谷川さんでよろしいですか。

●長谷川参考人
 お答えいたします。
 そうすると、MOXは、今回は回答を控えさせていただきます。
 まず、1号から直接と2号経由、この違いを御説明したいと思います。
 基本は1号から直接再処理工場へ運び出したいと思います。2号を経由する理由は、2号を経由すると輸送容器が大きなものを使えます。ちなみに、1号から直接搬出する場合は容器1体につき22本の使用済燃料が入ります。2号を経由する場合は32本の燃料を入れることができます。なぜ1号と2号で違いがあるかというと、使用しますクレーンの耐荷重の関係でございます。ですから、2号に一度移して一気に大型の容器で運ぶ。これも効率的な手段と考えていますけれども、現在決めたものはございません。
 次に、新燃料はどこへ送り返したかということでございます。この新燃料というのは、使わずに結局廃炉にしてしまいましたので新品のまま構内にあったものでございまして、神奈川県横須賀市にございます製造メーカーのグローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパンという会社へ譲り渡しております。一部は茨城県東海村にございます原子燃料工業。タイプが2つございますので、2か所の製造メーカーへ送り返しております。(市谷議員「プールがどれくらい」と呼ぶ)それはこれから言いますから。
 プールのキャパの御質問がございましたので、まずキャパシティー、容量ですけれども、1号が1,140体入ります。2号機が3,518体入ります。そして、今現在1号機は、記載ございますけれども722体の使用済燃料が貯蔵中。2号機につきましては、使用済燃料という意味では1,956体が貯蔵中でございます。
 この先、もし2号が再稼働するとどの程度プールがもつかという御質問もあったと思います。おおむね10年と考えております。
 次は除染の御質問でよろしいでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)除染といいますのは、放射性物質がついております配管、機器等の放射性物質を取り除きまして放射線のレベルを下げる。その結果、被曝が低減できるという作業で、14ページに今日その一例をお示ししております。この図は左の上のほうに原子炉本体がございまして、この辺りの解体作業は第3段階ですから、取りあえず今は周辺の機器として、一例として除染したフィルタスラッジ受タンクに矢印が描いてありますけれども、この除染作業をしました。なぜこの放射線のレベルが上がるかといいますと、この中には原子炉水を浄化するフィルタ剤、具体的に言いますとイオン交換樹脂の粉末の使い終わったものをためております。原子炉水というのはやはり比較的放射線のレベルが高い物質が入っておりますので、当然浄化しますとそのフィルターも放射線のレベルが上がってまいります。このフィルタ剤を既にほかのタンクに移しているのですけれども、その後これから廃炉で解体撤去するときにあらかじめ除染しましたと。これが一つの例でございます。
 先ほど井田が説明しましたけれども、今回は水を使って洗うことによって放射線のレベルを下げて作業員の被曝を低減します。ほかの方法としては、例えば機械的除染といいまして、金属の球をぶち当てて表面を削ったりとか、あるいは化学除染、薬品を使ってそういった放射性物質を取り除くといった手法を使うことがございます。
 出た排水とかにつきましては、1ページにございます。排水ですから液体になります。これは現状、今は運転しておりませんけれども、運転中と同じように適切な処理方法が決まっております。具体的に言うと、液体の場合は同じくイオン交換樹脂を使ったフィルターで放射性物質を取り除いてきれいな水にして再利用する。場合によっては、濃縮といいまして、煮詰めて水蒸気と固形分とに分けて、固形分のほうに放射性物質が残りますので、別々に分けて適切に管理する。こんな手法を使って処理をしております。
 そして推定発生量のところで、27ページを御覧いただくと、取りあえず今回の第2段階ではL3とクリアランス対象物が発生してまいります。推定量の精度を上げたのは実は次の第3段階で発生するL3です。今までは机上計算といいましょうか、配管とか機器の表面の放射線を測定して大体の放射線、放射能の総量を推定していたのですけれども、今回第2期間が延びましたので、実際に解体する前に機器を少しサンプリング採取して、実際の放射能レベルを測ることによってより精度の高い放射能の評価ができますから、作業の際の被曝のより精緻な低減策がつくれると考えております。
 なお、参考ですけれども、放射線レベルの高いエリアの解体をするときは予備の演習をします。モックアップといって、いわゆる普通の模擬装置を造りまして放射線が出ない状態で練習するわけですね。そうすると非常に効率的に解体作業が進みますので、結果被曝も低減できる。こういうことは、解体作業、廃炉に限らず我々通常のメンテナンスでも行っております。
 次は処分先、特にL3の廃棄物が出てきますけれども、処分先は残念ながらまだ国内で決まっておりません。処分方法としてはトレンチといいまして、法的にはもうほとんど土をかけるぐらいのレベルで構いません。ただ、その場所が決まっておりませんので、今後私ども、ほかの電力会社も同じように計24基が廃炉作業をやっておりますので、共同してそういった適切な処分場所を探していこうと。
 同じくL1ですけれども、これも国の規制基準は決まりました。地下70メートルより深いところに埋めるという基準は決まりましたけれども、同じく場所が決まっておりません。特にL1という分類の廃棄物、26ページにもございますけれども、低レベルの廃棄物の中でも例えば私どもの推定で0.1%未満、量は比較的少ないのでやはり集中処分場のほうが適切な効率的な管理ができるのではないか。つまり国内に個々の電力会社が造るのではなくて、というような話も今出ております。

◎安田委員長
 はい。
 まだありますか。

○市谷議員
 さっきお答えいただいたことに加えて。いいですか。

◎安田委員長
 本当にまとめてください。

○市谷議員
 さっき最後に答えていただいたL1で、地表面から70メートル深く埋めてということだけれども場所も決まっていないということ。あわせて、ちょっと読むと、規制が必要な期間が300年から400年間ということで、一体これは誰が管理するのかなと。私ももう死んでいるだろうなと思うし、どうやって管理するのかなというのを教えていただきたい。
 最初に答えは差し控えていただくというようなことになったのですけれども、結局再処理工場についての見通しが立たないのに、せっかく6年延長したとしてもずっとこれはもう26回も延長してきているのですね。また延長になるのではないか、また、できないのではないかと思うと、その見通しが持てないのにこの2段階の計画についてこれでいいですよとはなかなか言い難いかなと思うのです。見通しについてお答えいただけないということであればなかなか同意し難いなと思うのですけれども、この2段階をどう考えるかという上では、そこはやはり答えていただきたい。この再処理工場の稼働というのはずっと何回も延長してきているものですから。

◎安田委員長
 六ヶ所については、中国電力としての見解のみをお答えください。

●長谷川参考人
 まず、L1は300年から400年間、規制期間ですね。まずは放射性廃棄物の管理の考え方を御説明します。
 25ページを見ていただきますと、今、我が国の法令上は、放射性廃棄物は高レベルと低レベルの2つしかございません。ちなみに高レベルというのは、先ほども御質問ありましたけれども、使用済燃料の再処理の際に発生いたします核分裂生成物を、我が国はガラスに固めて地下に埋設処分します。それ以外のものが全て低レベルの放射性廃棄物でございまして、先ほど御説明したとおりそれぞれの放射線、放射能のレベルに応じて地下の適切な場所に埋設処分します。埋設処分するということは、我々の生活圏、社会から隔離するという発想でございます。つまり、いわゆる無管理状態でも技術的には安全が保てる。したがって、高レベルについては300メートルという非常に深い、なおかつ限られた安定的な地層に処分する。一度ここへ埋めますと数十年間は人が管理しますけれども、それ以降はもう管理不要。これが今の世界的な廃棄物の処分の考え方でございます。無管理でも人間生活には影響がないという考え方から深さを決めております。
 ですから、同じく例えばL3あたりはたしか30年の管理の後はもう無管理状態というのが法令上の方針でございまして、ちょっと乱暴ですけれども、そこに何が埋まっているかを知らなくても人の生活、社会には影響がないという考え方による処分方法でございます。
 L1につきましても、放射能のレベル的にはかなり長い間高いレベルが続きますけれども、恐らくせいぜい100年ぐらいか、ちょっとそこは分かりませんが、同じ思想でその管理後は無管理として設計されております。
 次に、再処理工場の運開時期に対する当社の見立てでございます。おっしゃるとおり第2段階を延長しましたのは青森県六ヶ所村の再処理工場、これは現状2024年上期の運開を見越して、さらにそれに余裕を持たせて、今回6年の延長とさせていただいております。この再処理工場の運開は確かに議員おっしゃるとおりこれまで数回の延長を繰り返しておりますけれども、実はこの工場のフェーズは2つに分かれておりまして、一つは福島の事故以前。ガラス固化体という再処理工場から発生します高レベルの最終廃棄物が、廃棄物とガラスがうまく混じらずにうまく固まらなかったという技術的な問題がございました。しかし、幸いに2011年の福島の事故の直前に全て解決しております。その後なぜ運開に至らないかというのは、今、実は私どもの2号機と同じように新しい規制基準の対応を続けているところでございます。その対応も最終段階で、私どもは2024年にかなりの確度で運開できると考えております。仮に運開したとしても既に再処理待ちの燃料がかなり貯蔵されておりますし、また国内の各電力会社の使用済燃料を順番で処理をするという状況でございますので、かなりの余裕を持たせて計12年と設定しております。

◎安田委員長
 ほかに。

○川部委員
 工程変更内容について聞きます。
 今の延長の話は説明がありましたが、あと2つ、汚染状況の調査の期間変更と第4段階の短縮というのがありました。もう一度この汚染状況の調査の期間変更、そもそも第1段階だけだったのが第2段階も引き続きとなっている理由。第3段階はしなくていいのか。
 第4段階の短縮について、8年を6年に、何か技術的なものか、最初から6年でできるのだったら6年でもよかったのかなと思いながら聞いていたのですが、この辺りの説明をお願いいたします。

●長谷川参考人
 今御質問いただきましたのは、8ページの下2行でございます。
 まず、第2段階も引き続き汚染状況の調査をするのは、延長しましたのでその期間を有効に使おうという思いでございます。先ほども申しましたけれども、これまでは機器の表面の放射線を測ることで放射性廃棄物の発生量、あるいは被曝の評価をしておりましたけれども、期間が延長できましたので直接サンプルを取りましてより精度の高い分析を行いたいと思っております。
 そして第4段階を2年短縮した理由でございます。これは総じて、地域の皆様はなるたけ早く廃炉を仕上げてほしいという御意向が強いと私どもは思っております。そんな中、2017年から1号機の廃止措置を開始しましたけれども、先ほど申し上げました、実は国内では同時期に21基が廃炉を決定しました。それ以前から3基廃止措置をしております。ほかの電力会社もこれからいろんな技術開発をしてまいりますし、見込みとしてそういった新規の技術を採用することによって、第4段階は7ページを見ていただきますともう中はほとんどなくて外枠を解体するという工事でございますので、技術的には2年程度の短縮が可能ではないかと考えたものでございます。

◎安田委員長
 ほかにございますか。

○山川議員
 9月1日の安対協だったり住民説明会でも、青森の再処理工場の建設期間が、福島の事故を受けて基準が厳しくなったので延びましたということで、中国電力も廃止措置計画を変更せざるを得なくなったと言っておられました。
 何点か事実確認させていただきたいのですけれども、2024年上期に再処理工場が建設予定とされているのは中国電力の力が及ぶところではないかもしれないのですが、何度も何度も延長申請されているので、仮にこれが延長される、建設、竣工が延びるのであれば、安全協定6条に基づいて廃止措置計画の重要な変更として意見を求めることができるとありますので、その場合は議会に再度説明されるのでしょうか。まず1点目。
 2点目は、30ページに固体、液体、気体ということで、固体のほうは厳しく書いてあるのですけれども、液体、水、大気は管理、放出します、流すとあります。高レベルの放射性物質は全量を再処理工場でと言っておられまして、低レベルのL1からL3は適地が国内にはないです、処分方法だったり処理方法だったり場所は決まっていないですと。そのために今の時点は燃料プールに保管されていますとおっしゃっていたのですけれども、その燃料プールの水はどうされるのでしょうか。福島の事故と違ってメルトダウンはされていませんが、どういう機種のものが入っていて、これは水としての扱いなのでしょうか、どうなのでしょうか。
 そしてもう1点、26ページにあるクリアランス制度、なるべくリサイクルに回すとあります。しかし、なるべくということは回せないものもあります。それは産廃処分場として処分されるのでしょうか。どうされるのでしょうか。放射性がないものとしての扱いの基準は何でしょうか、何ベクレルなのでしょうか。事実確認で教えてください。

◎安田委員長
 今、山川議員からもろもろございました。
 最初の質問は、ちょっと仮定の質問になりますので本来ならあまり好ましくないですが、お答えできる範囲でお答えいただければと思います。

●長谷川参考人
 青森の再処理工場の運開の見通しでございます。
 私ども中国電力があまり力の及ばないところではないかというお話でしたけれども、この工場は電力業界、さらには国の総力を挙げて今建設している施設でございまして、当社からも人的な派遣、あるいはそれ以外の費用的なものもございます。したがいまして、今、業界挙げて2024年上期の運開に向けて一丸となって対応しております。今仮定のお話として、仮にこれが延びた場合ということについてはお答えが難しいかと思っております。しかしながら、再三申し上げておりますけれども、今回の第2段階の設定においてはかなりの余裕を持たせて期間を設定しております。
 次に、燃料プールの水の管理の御質問でございます。使用済燃料プールというのは、例えば1号機の場合は1,000トンぐらい水がためてありまして、水深が12メートル程度ございます。この水は基本的には循環させておりまして、常に浄化しています。先ほど言いましたように、イオン交換樹脂を使ったフィルターを使いますと中の放射性物質もイオン交換樹脂が取ってくれますので、極めてきれいな状態で管理されております。核種的にはコバルト60という核種が、非常に少ない、濃度的には実は三朝温泉よりも低いぐらいのレベルで管理されております。非常にきれいな、透明度を維持することで作業もしやすくなる。こんな観点から浄化しており、今も浄化を続けております。したがいまして、系外のほうへ放出するようなことは基本的にはございません。
 次に、クリアランスレベルの廃棄物の御質問でした。まず産業廃棄物として処分する可能性については、これは全くなくはないのですけれども、基本は今日申し上げましたように、施設の中で再利用する。原子力発電所で使っております素材は非常にいいものを使っておりますので、資源の有効利用の観点からも我々このクリアランス制度を有効に活用してまいりたいと思います。
 そしてその基準ですけれども、28ページを御覧ください。これは端的な一つの例として、現実的にはもちろんございませんけれども、一言で言いますと、このクリアランス廃棄物がもし基準を満たして皆さんのお手元のほうで使われたとして、例えば調理器具をこれで作ったら1年間お使いになれます。しかしその被曝が、皆様方が自然界から受けられる被曝の量、日本の場合は2.1ミリシーベルト/年ですけれども、年間この100分の1、つまり全く健康等には影響がないものという基準で設定されたものでございます。
 具体的には、これからクリアランス廃棄物として今手続を進めているものもございますけれども、全て放射性物質、放射能を測ります。そして核種ごとにベクレルの濃度を出しまして、その総和が先ほど言いましたように100分の1をクリアする。こういう基準で国の対応をしております。今対応中ですからまだクリアランス廃棄物は島根原子力発電所にはございませんけれども、先々国の規制基準をクリアすればそういった対応をまた行います。もちろん現実的にどのように使っていくかについては、当然自治体の皆さんにも御相談することになると思います。

◎安田委員長
 ありがとうございます。

○山川議員
 クリアランス制度でなるべくリサイクルすると言われたのですけれども、米子で住民説明会があった際にその再利用する請負業者だったり企業はまだ決まっていないとおっしゃっていました。国では基準が決まって自分たちとしてもやってほしいのだけれども、まだ決まっていない。中国電力の敷地内のベンチとしては利用しているけれどもという話でしたが、数個できたからといって99%、9割以上できていないのを再利用できると言い切るのはどうかと思います。結局その再利用できなかったものはやはり産廃処分場として否定できないとおっしゃったのですけれども、そのことをやはりきちんと言わないといけないと思います。
 そして放射性物質ですが、今まだないので……。

◎安田委員長
 山川委員に申し上げます。御自分の意見は控えていただくようにお願いいたします。

○山川議員
 ないと言われたのですけれども、福島の事故のときも100ベクレルと言ったのが8,000ベクレル、80倍になって。道路工事に使えますよということであったのですけれども、やはりその何ベクレルになったら放射性物質がないものとして扱うということを、まだやっていないのでということではなくて、その基準はこうですよというお答えをいただきたい。よろしくお願いします。

●長谷川参考人
 今、島根に置いておりますベンチは島根原子力発電所のクリアランス廃棄物ではございません。他社から造られたものを電力の普及活動の一環として置いております。ですから再三申し上げておりますけれども、島根のほうからは現在クリアランス制度の適用申請をしておりますが、具体的に産業廃棄物として処分に回すということは今考えておりません。これは間違いございません。再利用を優先的に行おうと考えております。
 議員がおっしゃる、核種ごとにベクレルの基準は法令で違いまして、さっき言いましたように福島の第一原子力発電所の残土に含まれているものも、あれは核種が多分セシウムとかはまた違うのですけれども、いずれも適切に測定して法令の中で管理しております。法令外の処分などできるはずがございませんので、そこは御理解いただければと思います。

◎安田委員長
 ありがとうございます。

○河上議員
 本日は御説明ありがとうございました。
 島根原発1号機の廃止措置計画については、我々県議会もしっかりと理解を深めなければいけないところですけれども、当然ですが住民の皆さんの理解度を深めるという動きもされなければいけないという中で、9月8日には境港で、また12日には米子で住民説明会があったと理解しております。住民説明会を経て住民の皆様の理解度はどうだったのか、その辺の結果を教えていただければと思います。

●長谷川参考人
 今の御質問のとおり9月8日と12日、両市で説明を行いました。両日とも恐らく参加者の方は30名程度だったかと思います。私どもの広報が足りない、周知不足かもしれませんけれども、一言で申しますとやはり関心はそれほど高くないのかなと。これは今回に限らず、やはりまだまだかなり御批判はありますけれども、そのほか大勢の方がおいでになるというような状況にはなっていないかと思います。
 しかしながら、いただいた御意見は非常に厳しい御意見が多うございましたので、しっかりと今回の廃炉の計画にも反映してまいります。
 また、当日は廃止措置のみならず今後の2号機の運転等についても御意見をいただいておりますので、十分反映してまいりたいと思います。
 さらなる広報活動として、特に境港市あたりでは公民館のほうへお邪魔して、メンバーを少人数で、やはり膝詰めのような御説明会などもしております。米子市においても公民館の単位でお声がけをしておりますけれども、正直言ってなかなか反応がいま一つというのが実態でございます。私どももやはりこれだけ原子力、電気の問題、国民生活に大きく関わる問題でございますので、今後責任を持って広報活動を展開してまいりたいと思います。

◎安田委員長
 ありがとうございます。
 ほかにございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、意見も尽きたところでございます。この辺りで終わりたいと思います。
 次にその他ですが、参考人の皆さんまたは常任委員会の委員の皆様から何かございませんか。

○市谷議員
 今後の対応について、通常であれば全員協議会で、今までだったらですよ、第1段階のときは全員協議会で説明も聞かせていただいて、それから我々議会側の意見というのも、今日来ていない議員もありますし、そういう意見総意を知事に伝えて知事がどうするか判断されるわけで、そういう議会側のそれぞれの議員がどういう考えを持っているかというのをきちんと知事と話し合うというか、議論する場が必要なのですけれども、今日はこういう説明会なので、今後全員協議会ということで意見集約を図る場を設けていただく必要があると思うのです。(発言する者あり)だけれども、今までの説明は全員協議会だったのですよ。(発言する者あり)だからちょっとその辺がどうなるのかを、今までと違うやり方で今日は説明を受けたのですよ。

◎安田委員長
 今日は私が仕切らせていただいておりますので、常任委員長としての所見を述べさせていただきます。
 明日の常任委員会でも、地元説明会や原子力安全顧問会議での意見など執行部からの報告も予定されております。引き続き当常任委員会としては調査活動を行いたいという認識でございます。(市谷議員「全体はどうなる……」と呼ぶ)ですから、ここは常任委員会です。そこについて私に答える権限はございません。
 意見が尽きたようですので、これで終わります。
 委員の皆様には、御相談がありますのでこの場にお残りください。参考人の皆さん、委員外議員の皆さんは御退席いただいて結構です。ありがとうございました。
(参考人・委員外議員退席)
 再開いたします。お残りいただきましたのは、本件に係る今後の進め方についての御相談であります。
 1号機の廃止措置計画について、第1段階の作業結果を踏まえて第2段階に移行するに当たり、第2段階の作業内容や工程を見直すこととするものであり、安全協定における重要な変更に該当することから、中国電力は県に事前報告されたものであります。
 これに対して県は中国電力に対して意見を述べることとなりますが、今後の見通しとして、原子力安全顧問や地元2市、住民の意見などについて執行部から当常任委員会に報告があるものと思います。それらを踏まえた上で、当常任委員会として執行部に対して意見を述べることとし、県から中国電力に対しての意見の参考としていただくようにしたいと考えますが、この進め方について委員の皆さんの御意見を賜りたいと思います。(発言する者あり)それで出た、出なかった、というのはあまり、それは御意思だと思いますので。よろしいですかね。
 それでは、先ほど申し上げたとおりで進めさせていただこうかと思います。よろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議はないようですので、そのように進めさせていただきます。
 以上をもちまして地域県土警察常任委員会を閉会いたします。

午後2時15分 閉会

 

 

Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000