会議の概要
午前10時00分 開会
◎鹿島委員長
ただいまより農林水産商工常任委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
今回の常任委員会は、企業局及び労働委員会、商工労働部第1部、商工労働部第2部、農林水産部第1部、農林水産部第2部、農林水産部第3部の順に執行部の入替えを行います。
商工労働部の入替えは、第1部が商工政策課、立地戦略課、産業未来創造課、企業支援課、通商物流課、第2部が雇用政策課、とっとり働き方改革支援センター、産業人材課、鳥取県立ハローワーク、農林水産部の入替えは、第1部が農林水産政策課、経営支援課、生産振興課、園芸試験場、農地・水保全課、畜産振興課、第2部が林政企画課、県産材・林産振興課、森林づくり推進課、第3部が水産振興課、栽培漁業センター、漁業調整課、境港水産事務所、販路拡大・輸出促進課、食のみやこ推進課の順に行いますので、あらかじめ御了承ください。
会議録署名委員の指名を行いたいと思います。
本日の会議録署名委員は、松田委員と坂野委員にお願いいたします。よろしくお願いします。
それでは、企業局に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いいたします。
質疑等については、説明終了後に一括して行うこととします。
初めに、小西企業局長の総括説明を求めます。
●小西企業局長
企業局の資料をお願いします。2ページです。予算関係ですが、工業用水道事業で補正予算を1件お願いしています。予算関係以外では、県営企業の設置等に関する条例の改正が1件と、報告としまして繰越計算書の関係が3件ございます。
3ページをお願いします。補正予算です。工業用水道事業において、米子市の道路事業に伴い、工業用水の管路を移転する必要がありまして、増額補正をお願いするものです。
詳細につきましては、課長より説明します。御審議のほどよろしくお願いします。
◎鹿島委員長
続いて、関係課長から説明を求めます。
●山根経営企画課長
資料の4ページをお願いします。議案第4号、令和5年度鳥取県営工業用水道事業会計補正予算です。
補正予算の概要ですが、米子市が整備を進める市道安倍三柳線の整備に当たり、日野川工業用水道の境港方面の管路が支障物件になることが判明したので、管路を移転するための概略設計を行うものです。
主な事業内容ですが、移設が必要となる管路は境港市方面へのユーザーへ配水する幹線管路で、長時間の断水を行うことが困難であることから、短時間断水での移転工法等の検討を行うものです。米子市からの補償金を財源として、補正額800万円余を計上しております。
5ページ、6ページにつきましては、財務諸表ですので、改めて御確認をお願いします。
資料の7ページをお願いします。議案第14号、鳥取県営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例です。
提出の理由ですが、電気事業の用に供する発電施設について、公共施設等運営権の設定を受けた選定事業者が当該公共施設等運営権の対象となる発電施設の運営等を適切に行うことができるよう、条例の一部を改正するものです。
概要としては、対象発電施設の運営等に必要があるときは、運営権者は知事の承認を得て対象発電施設の最大出力を変更できるとするもので、もともとコンセッション事業では原則として既存施設と同等以上の機能、能力を再整備業務において確保することとしていましたので、民間の経営能力、技術能力を活用するというコンセッション事業の趣旨を踏まえて、最大出力の変更を可能とするものです。
8ページに新旧対照表をつけていますので、こちらも御確認をいただければと思います。
資料の9ページをお願いします。報告第6号、令和4年度鳥取県営電気事業会計継続費繰越計算書についてです。
2件ございまして、1件目の新幡郷発電所精密分解点検に伴う改修事業については、発電事業を円滑に継続するため、12年間の周期で定期点検を実施しているものです。令和4年度から5年度までの2か年の継続費として、新幡郷発電所の一連の点検、改修を実施しているものです。2件目の加地発電所制御装置更新につきましては、使用機器が老朽化しており、制御装置を更新するものですが、制御装置の製作に1年半程度を要するため、令和3年度から5年度までの3か年の継続費として更新を行っているものです。
次に、10ページをお願いします。報告第7号、令和4年度鳥取県営電気事業会計予算繰越計算書についてです。
こちらも2件ございまして、1件目は、佐治発電所ワサビ谷川取水場災害復旧工事(管理用道路)の繰越です。繰越理由ですが、令和4年12月下旬及び令和5年1月の大雪により、現場周辺に多量の降雪があり、現場への立入り及び施工が困難となるなど不測の日数を要したため、繰越をしたものです。2件目は、小鹿第二発電所取水口低濃度PCB含有塗膜除去・塗装復旧工事の繰越です。繰越理由ですが、本工事は、取水口に設置のゲートに低濃度のPCBを含む塗料が使用されていたことから、その塗膜を除去し、塗装復旧を実施するもので、対象となるゲートが河川に近接しており、大雪に伴う河川の増水によって作業着手が困難になるなど不測の日数を要したため、繰越をしたものです。
最後に、11ページをお願いします。報告第8号、令和4年度鳥取県営工業用水道事業会計継続費繰越計算書についてです。
日野川工業用水道計装設備更新事業については、中央監視装置及び薬品注入制御装置が老朽化しているため、令和4年度から5年度までの2か年の継続費として設備を更新しているものです。
◎鹿島委員長
質疑等はありませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
ないようですので、次に移りたいと思います。
次に、報告事項、労働委員会について、執行部の説明をお願いしたいと思います。
報告1、令和4年度取扱事件等の概要について、太田労働委員会事務局長の説明を求めます。
●太田労働委員会事務局長
労働委員会事務局の報告資料をお願いします。2ページです。労働委員会は労働組合法、労働関係調整法、個別紛争解決促進条例といった法令に基づき、使用者と労働組合、使用者と労働者個人、この間の紛争が生じた場合に、その解決を支援していくことをやっています。公益委員、労側委員、使用者委員の3者構成でその支援を行うというのが大きな特徴となっています。
内容ですけれども、1番と2番が労働組合と使用者との間の紛争を解決する仕組みです。不当労働行為救済申立あるいは労働争議の調整で、そこの組合と使用者との間の紛争を解決する支援を行うということですが、令和4年度はございませんでした。
3番目が個別労働関係紛争のあっせんで、こちらは労働者個人と使用者との紛争を解決する手だてです。こちらは、新規25件、前年度繰越6件を含めて31件のあっせんがございました。詳細は表に掲げているとおりですが、5ページにその取扱事件を計数的に分析したものがございます。案件31件でしたが、その紛争内容は1件について複数あるものもございますので、重複集計です。あっせんにかかった中ではやはり解雇や離職ということが一番多くて18件になっています。処理状況ですが、31件のうち解決に至ったものが20件、取下げが2件、打切りが9件でして、2つ下を見ていただきますと、解決率69%、約7割、これは例年の数値に近いものです。全国的には例年50%程度ということですから、2割上を行っているということです。
4、その個別のあっせんに至る前段ということになるのでしょうか、労働相談もお受けしており、こちらも重複集計で361件です。こちらは、単純な問合せのようなものもありますので、労働条件等が122件、あるいは職場の人間関係が93件、こういったものがあっせんに比べて多くなっている状況です。
6ページにその対応状況や受付の状況を記載していますし、取扱事件数の推移を過去5年間にわたって掲げています。御覧いただければと思います。
◎鹿島委員長
ただいま説明がございました。質疑等はありませんでしょうか。
○尾崎委員
先ほど全国では50%ぐらいが解決で、鳥取県は70%近いと。その理由は何だと思われますか。
もう1点、職場環境が悪いと出ていますよね。主にどういったことが多いのかをお聞かせください。
●太田労働委員会事務局長
解決率が高いということは、大きな要素としては、公労使それぞれの委員の皆様が一生懸命意見の乖離があるところをなるべく埋めようとしていただいているという委員の皆様の御努力が一つあると思います。あとは、鳥取県は現地主義というのをやっています。労働委員会事務局はここにしかないのですが、西部の案件であれば西部に出向いてあっせんを設定したり、そういう皆さんの身近なところでやっていくということも工夫としてやっているところが大きいのかなと思っています。
それから、何でしたか。
○尾崎委員
環境はどんなのがあるのか。
●太田労働委員会事務局長
最近多いのは、少し意識の高まり、あるいは報道の具合というのもあるのかもしれませんが、何か職場でハラスメントに遭ったとか、同僚からいつもちくちくちくちく嫌がらせを受けるのだけれどもといった、労働環境の問題、職場の人間関係が多いと思っています。
○尾崎委員
ハラスメントとなると、双方の言い分があるかもしれませんが、研修といったことも必要になるのかもしれませんね。分かりました。
あと、全国より高いというのは、本当に丁寧ということですね。ありがとうございました。
◎鹿島委員長
ほかにありませんか。
○福浜委員
細かいことを言うとまた差し障りがあるので、ざっくりとした言い方しかできないとは思うのですが、1件相談いただいた事案で、結局アルバイト的な雇用をして、簡単にと言ったら失礼かもしれませんが、切ってしまったと、それによってアルバイト側から訴えが出てきたということがありました。雇用されている側としては、正規雇用や非正規雇用とかいろいろありますが、そういうものとは違って、いわゆるアルバイトという雇用に関して非常に認識が甘いというか、甘いという言い方は失礼なのかもしれませんが、そう感じたところです。雇用主側にアルバイトをするに当たっての契約というか、その辺りの認識が弱いのではないかなとも感じられる節があったのですが、その辺りをどう見ておられるのか。あるいは意識啓発が必要なのではないかと個人的には思ったのですが、いかがでしょうか。
●太田労働委員会事務局長
私どもは紛争解決のための支援機関でして、私どものところに持ち込まれてくる案件というのは、千差万別ではあるのですが、やはり事業主の意識が低いという場合も多々あるとは思っています。そこについては、もちろん持ち込まれた段階で、先ほどの丁寧なあっせんの間、あるいはその前の事前の調査で御指摘なり御助言なりをさせていただくことも当然やりますし、それ以外の部分につきましては、実はこういう状況であるということは、商工労働部の雇用人材局とも年に何回か意見交換なども定期的にやっていますので、そういった中で、雇用人材局で事業主に対する研修や、みなくるとかがセミナーなどをいろいろやってくださっていますので、そういったところに行かせていただいたり、私どもでも、年1回程度ですが、労使関係紛争予防セミナーをやったりしているということです。
○福浜委員
取組については理解しました。ただ、学生などもよくアルバイトをするのですが、もう明日から来なくていいよと急に言われて、泣き寝入り的になっているところもあるのではないかなと今回の相談を契機に思った次第です。つまりアルバイトする側もちゃんと守られているのだよというところに関しての意識啓発はやはり必要なのではないかなと思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。
●太田労働委員会事務局長
アルバイトをする、特に高校生や大学生である方が多いとは思うのですが、そういった方については、実は出前講座を実施しています。多分、後ほど商工労働部で雇用人材局から、みなくるの取組として高校、大学に対する出前講座をやっていますし、私どもも高校に対して出向いていって、アルバイトで働く人のルールはあるのだよということは本当に啓発事業をやっています。そのほか労働局も同じような取組をしていて、そういったことで高校、大学の網をかけて、働く人のルールで皆さんもちゃんと守られているのですよということも御紹介しているところです。
◎鹿島委員長
ほかにございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、その他に移りたいと思います。企業局及び労働委員会に関して、執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
意見がないようです。企業局及び労働委員会につきましては、以上で終わりたいと思います。
休憩に入ります。25分まで。
午前10時21分 休憩
午前10時25分 再開
◎鹿島委員長
それでは、再開いたします。
引き続き、商工労働部第1部に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いいたします。
なお、質疑等につきましては、説明終了後に一括して行うこととします。
初めに、池田商工労働部長の総括説明を求めます。
●池田商工労働部長
まず、先議分です。薄いほうですが、お開きいただきまして、議案第1号、令和5年度一般会計補正予算です。商工労働部関係の補正額は13億円、長引く物価高騰に対して緊急的に対応するため先議をお願いするものです。国の支援制度の対象外となっている特別高圧電力利用事業者への料金高騰支援や売上粗利が減少している県内中小・小規模事業者の前向きな取組への支援を9月末まで延長を行うものです。
もう一つが厚いほうです。お開きいただきまして、2ページ、3ページ、議案第2号、令和5年度一般会計補正予算です。商工労働部関係の補正額は60億7,000万円余です。今回の補正予算は肉づけ予算で、商工労働部では製造品出荷額1兆円等の成長目標の達成に向けて、コロナ禍やエネルギー・原材料価格上昇等による経済の停滞から持続的な成長への足がかりをつけていち早く県内経済を再生するため、はばたく!鳥取県産業未来共創プロジェクトとして、官民連携により戦略的に取り組むこととして、鳥取県産業未来共創条例を制定し、企業の発展、成長を下支えする新たな補助制度の構築や、その財源として活用するための新たな基金を創設します。
その他、主なものとして、宇宙関連産業やコンテンツビジネス創出に向けた取組、スタートアップの創出の促進、小規模事業者の経営力強化、円滑な事業承継実現につなげるための支援、物流の2024年問題への対応、さらに、学生の県内就職、県内定着につなげる取組の強化、県内中小企業人材育成強化の支援、潜在労働力の掘り起こし等々に取り組みたいと考えています。
予算関係以外につきましては、先ほど申し上げた議案第23号、鳥取県産業未来共創条例です。
詳細はそれぞれ担当課長が御説明します。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
◎鹿島委員長
それでは、関係課長からの説明を求めます。先議分と先議分以外に分けて説明いただきたいと思います。
●河野商工政策課長
先議分の冊子、4ページをお開きいただければと思います。物価高騰を乗り越える事業者支援事業で、10億円をお願いするものです。
事業の概要ですが、原材料価格、電気、ガスといったエネルギー価格が今、高止まりしています。中小・小規模事業者の売上げや利益回復に向けた経営の体質強化等、前向きな取組を御支援する事業です。
一番下に、3、事業目標、取組状況という欄がございますが、昨年の9月補正で、コロナ影響長期化、物価高騰といった対策として補助制度を創設させていただきました。その後、12月補正、令和5年度当初予算と順次予算額の増額をお願いして、対策を続けているところです。これまでに2,000件を超える事業者の皆様から本補助金の活用の申出をいただいているところです。
事業内容ですが、2、主な事業の内容欄に記載しています。営利事業を営まれる県内の中小・小規模事業者を対象として、電気料金などの負担を軽減していくための省エネ設備への投資、電子化を進めるための高収益化に向けた取組、その他新たな需要の獲得や事業の多角化といったものの実施のための経費を対象にしているところです。
補助率、限度額ですが、補助要件としては、売上げがコロナ開始後3年間との比較で1割以上減少されている、あるいは、昨年から物価高騰ですが、粗利が1割以上減少された場合に活用が可能となるもので、最大150万円、補助率2分の1での支援です。また、物価高騰によって粗利が3割以上落ちた事業者については、補助率を3分の2にかさ上げした利益回復特別枠も設けています。現在、昨年度予算の繰越や当初予算を活用しながら多くの事業者からの申込みを受け付けていますが、既に累計で2,200件を超えている状況です。現在も問合せは続いています。物価高止まりの中で、体質強化の取組がこの機に進むように対策を継続したいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
●岩田企業支援課長
同じく先議分の5ページ、特別高圧電力料金高騰対策支援事業で3億円をお願いするものです。
電気料金の高騰に対しては、国の2022年度2次補正予算により、低圧電力を利用する家庭や高圧電力を利用する企業向けの支援策が講じられていますが、この事業は、その対象外となっている特別高圧で受電する企業を支援するものです。
事業内容は2の表に記載しています。対象は、特別高圧電力の契約を締結している中小企業で、米印で記載していますが、大規模な商業店舗も特別高圧の契約を行っているところがございますので、そこに入居しているテナントも対象とすることで、支援が行き届くようにと考えています。経費は、4月から9月までの電力使用量に応じて、高圧電力と同様に3.5円、9月分は1.8円の単価として、大型商業店舗は、店舗ごとで契約されていますので、それぞれの店舗を1事業者として、上限額は1企業当たり1,000万円として支援することとしています。
●河野商工政策課長
それでは、先議分以外の6月補正の冊子です。商工政策課から補正予算3件、繰越明許費1件の御説明を申し上げたいと思いますので、よろしくお願いします。
では、4ページ、はばたく!鳥取産業未来共創プロジェクト推進事業100万円余をお願いするものです。
事業の概要です。コロナ影響の長期化や物価高騰等、経済の停滞期が続いてきたところですが、本県経済を再生して速やかに成長軌道へと転換していくために、県内の産業界、大学などの皆様と本県産業の未来に向けて必要な対策を議論する鳥取産業未来共創会議を実施する事業です。あわせて、現在、人手不足という大きな課題も顕在化しており、この後、雇用人材局から御説明しますが、人材確保強化戦略会議を設置し、この2つの会議を軸に戦略を検討していくということを考えています。
3、事業目標・取組状況の欄に記載していますが、令和3年4月、産業振興未来ビジョンを策定しましたけれども、その後、コロナ、円安、エネルギー・原材料高など国際経済変動が続いてまいりました。県としては、コロナや物価高など、直面する課題に対応するような対策を実行してきたところですが、ここに来てコロナ5類化など、日本経済がようやく経済正常化に向けて歩みを開始してきています。その中で、改めて今後の10年後を見据えながら、産業成長に向けた戦略を検討したいというところです。
事業内容につきましては、2、主な事業欄に記載していますが、会議の本部会議は、さきに御説明したとおり、5月18日に始動させていただきました。今後、ワーキンググループとして、県の東部、中部、西部の圏域ごとに若手や女性をはじめとした委員7名程度でワーキンググループを構成して、意見を伺っていきたいと考えています。あわせて、セミナー等も開催しながら取組を展開してまいりたいと思っています。いただいた御意見につきましては、改めて、産業振興未来ビジョンへと反映させていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。
続きまして、5ページ、小規模事業者の経営力強化伴走支援事業2,000万円余をお願いするものです。
事業の概要ですが、コロナによって様々な事業者が影響を受けられているところですけれども、小規模なサービス事業者が色濃い影響を受けられています。ゼロゼロ融資や、先議でお願いした物価高騰対策補助金など、事業の継続、体質強化に向けた取組を支援していますが、この事業では、事業者の経営力自体を強化していくために、商工団体と専門家のチームによる伴走支援を実施したいと考えた事業です。
2、主な事業の内容欄ですが、表中に2つ事業を記載しています。経営力伴走支援事業ですが、事業者が中長期的に事業の経営を行っていくために、当面の対策にとどまらずに本質的な経営の課題に向き合っていく必要があります。そのため、半年程度の間で、商工団体や中小企業診断士といった専門家の方々の力を借りながら、事業者が経営の課題を洗い出しながら中長期的な視点による戦略づくりを進めていく、その伴走支援を行うのに必要な経費となるものです。支援対象事業者は、商工団体から御推薦等をいただきながら、10社から13社程度選定したいと考えているところです。
経営力強化普及拡大セミナーは、幅広く県内小規模事業者等をターゲットとして、事業運営の参考となるようなテーマを設定しながら啓発のセミナーを実施するものです。経営改善に向けた取組の事例なども御紹介しながら、3回程度の開催を考えているところです。
続きまして、6ページ、サプライチェーンCO2 排出量の見える化普及促進事業400万円をお願いするものです。
事業の概要ですが、世の中には様々な製品がございまして、原材料の調達から生産、加工、流通、販売、廃棄まで一連の流れがあります。サプライチェーンというところですが、その全体の工程の中で温室効果ガスがどのぐらい発生するのかを算出して、それを開示していくといった見える化の動きが、今、始まってきています。環境意識の高いヨーロッパでは具体的に顕在化し始めており、今後、国内においてこのような動きが拡大していくことが見込まれるところですので、いち早く県内事業者に対する啓発を進めていきたいというものです。
事業内容は、2に記載しています。サプライチェーン排出量見える化普及啓発事業は国内外における最新の動向を勉強できるセミナーを開催しようとするものです。入門編として、最新動向をまず学習し、今後必要となる取組を認識して、自らの行動へとつなげていただくことを目的としているものです。
続きまして、製品別カーボンフットプリント算出体験事業。3月末に経産省と環境省が主導して、排出量の算出に係るガイドラインを定められました。そういった具体のルール等も参考としながら、実際にモデルなども使いながら、排出量の算出を体験していただくワークショップの開催や、さらに深掘りしていく事業者に対しては、自社の事業の中で二酸化炭素をどのくらい排出しているのかを実際に算出してみる実践型のプログラムを実施したいと考えているところです。将来に向けて、本県の事業者が取り残されることがないよう、逆にいち早く環境対応を進めることによってそれを強みとすることができるようにといった思いを込めて取組を進めてまいりたいと思います。
最後に、52ページ、報告第2号、令和4年度鳥取県一般会計予算繰越明許費繰越計算書をつけています。上から3行目に新型コロナ・円安・物価高騰に立ち向かう事業者支援事業を書いています。昨年の9月補正、12月補正で計上いただきましたが、12月補正で計上した補助金、関連経費8億1,400万円につきまして、令和5年度に繰り越して、補助事業が完了された事業者に対して順次補助金の交付をしていこうというものです。
●田中立地戦略課長
7ページをお願いします。企業立地事業補助金で12億円余りの補正をお願いするものです。
この事業は、令和元年度まであった企業立地等事業助成条例に基づき事業の認定を行った事業者の投資等が完了した後に補助金を交付するもので、現在は新しい認定はしていません。当初予算では、今年度前半に事業完了が予定されているものの予算をお認めいただいていましたが、このたびの補正予算は、年度後半に事業完了する見込みのあるものをお願いするものです。
続きまして、8ページから10ページまで、鳥取県産業未来共創事業です。こちらは既存の事業の組替えや拡充を行う新規事業で、43億7,000万円余りの補正予算、そして8億6,500万円の債務負担行為をお願いするものです。
この事業は、後ほど御説明します鳥取県産業未来共創条例に基づき認定等を行わせていただいた事業の取組に対して補助金で支援する事業であり、その財源等として、新たに産業未来共創基金を創設させていただきたいと考えているものです。
まずは右側の9ページの上の主なポイントを御覧ください。この事業の大きなポイントは、研究開発から生産性向上、成長投資までの取組を一体的に支援するというものです。その下の表、左側が現行制度、右側が新事業ですが、真ん中の矢印のところに主なポイントを記載していますので、上から順に御説明します。まずは生産性向上の部分ですが、事業承継、生産性向上を促進するための支援を拡充すること、次に、成長投資への支援ですが、重点分野の再構築と人材確保等への支援を拡充すること、また、先進的なIT企業の立地を促進するための支援を拡充すること、最後に、研究開発を促進するため幅広く支援することがこのたびの事業の主なポイントとなります。また、その下には、再構築する重点分野として、技術革新型産業、未来挑戦型産業、地域密着型産業、国際需要拡大と、それぞれの具体的なイメージの産業分野を記載しています。
また、その下には鳥取県産業未来共創基金を記載していますが、本事業をはじめ、産業振興に資する事業の財源として、基金30億円を創設したいと考えています。
8ページに戻って、2の主な事業内容をお願いします。従来の事業との変更点を簡単に御説明します。
ア、産業未来共創補助金(生産性向上・事業承継の促進)ですが、四角く囲った部分のとおり、事業承継促進型の新設と企業のDX推進補助金の統合等を行いたいと考えています。なお、(4)経営革新型は、先ほど申し上げました重点分野について、限度額を1,500万円と、一般の1,000万円より優遇したいと考えています。
次に、イ、産業未来共創補助金(県内大型投資の促進)、ウ、先端的デジタル活用企業立地促進補助金(IT関連事業者等の立地促進)ですが、それぞれ人材確保・育成支援の拡充を行いたいと考えています。なお、イ(2)に記載している重点分野に取り組む県内事業者は、成長・規模拡大型として、補助率20%、上限額10億円と、一般型の補助率10%、限度額5億円よりも優遇したいと考えています。
最後に、エ、産業未来共創研究開発補助金ですが、こちらは複数に分かれていた研究開発の補助金を統合して、段階に応じた体系的な支援に刷新したいと考えています。
次に、10ページをお願いします。補正額の内訳ですが、基金30億円、産業未来共創補助金3,600万円余、研究開発補助金8,000万円、審議会等の開催経費94万円余り、少し飛んで、(2)、旧制度である産業成長応援補助金につきまして、約12億6,000万円です。そして、(2)の上に記載していますが、債務負担行為として、産業未来共創補助金は令和6年から8年度の3年間、7億500万円、産業未来共創研究開発補助金は令和6年、7年度の2年間、1億6,000万円をお願いするものです。
続きまして、40ページをお願いします。債務負担行為です。この表の一番上と2番目ですが、先ほど御説明した産業未来共創補助金及び産業未来共創研究開発補助金の債務負担行為をそれぞれお願いするものです。
続きまして、41ページをお願いします。議案第23号で、鳥取県産業未来共創条例の新設をお願いしています。これは、現在の産業成長応援条例を引き継ぐ形の新しい補助金、そして、その財源等とさせていただきたいと考えている産業未来共創基金について規定する条例です。
内容につきまして、事業は、従来の生産性向上や大型投資への支援に加えて研究開発も新たに規定していますが、そのほかの事業の認定、補助金の交付、補助金の額、補助を受けた事業者の責務といったあたりは、従前の産業成長応援条例の内容をほぼ踏襲しています。この条例と予算を議決いただきました後は、現行の産業成長応援条例に基づく認定は終了し、速やかにこの新しい補助金に移行したいと考えています。
43ページ以降に条例案をつけています。
最後に、52ページをお願いします。繰越計算書です。令和4年度から5年度への繰越についてですが、下から2番目の産業成長応援補助金の翌年度繰越額5億円は産業成長応援条例に基づき認定した事業者への補助金の5年度への繰越額が確定したことに伴う御報告です。
●金澤産業未来創造課長
11ページにお戻りいただけたらと思います。鳥取砂丘月面化・宇宙産業創出事業で、3,400万円をお願いするものです。
現在、月面環境を想定した鳥取砂丘月面実証フィールドを昨年度から整備しているところです。令和4年度予算でしたが、いろいろな調整があり、少し繰越をさせていただきまして、現在、6月中の完成、7月でのオープンで準備を進めているところです。場所は鳥取市浜坂にございます鳥取大学乾燥地研究センター内に整備しているところです。ここでは、具体的には月面探査等に取り組む国内外の企業や研究機関の皆様が実証実験を行っていただく月面に近い環境、砂場という私ども鳥取県の地域資源を活用したフィールドとして提供させていただこうというところで予定しているものです。この中で、このたび補正予算としてお願いするものについては、この月面フィールドを核として、県内における宇宙産業創出に向けた事業をさらに進めていこうという取組です。
主な事業の1点目、鳥取砂丘月面化プロジェクトの中身を御覧いただけたらと思います。先ほど申し上げたフィールドをより多くの希望者の方に利用促進をしていただこうということで、フィールドの情報発信、実証実験を行う企業の誘致活動、あるいは全国的規模でやっている宇宙産業関連の展示会にも出展しながら、フィールドや、あるいは県内企業で宇宙関連のビジネスでの技術的なものを発信、出展していけたらという事業をお願いするものです。
続いて、(2)衛星データ活用・宇宙産業基盤構築です。一口に宇宙ビジネスと申しましても様々ございまして、この中では、衛星データを活用したビジネスに特化して、県内産業の後押しをしていこうと考えているものです。衛星データ活用のビジネスは年々市場規模を拡大しているところで、私どもとしては、その取組を支援するということです。1点目は、衛星データ活用サービス実証事業で、実際に衛星データを活用するような取組を実践的にやってみて、取り組む企業さんを多く巻き込んでいこうというようなことです。具体的にテーマとして考えているのは、市町村や県庁で、やはりいろいろと地域課題、解決すべき課題がございますので、衛星データの活用はかなり幅広く可能性がございます。そういったことをマッチングさせていきながら、実践的な衛星データ活用の開発への取組をサポートしていきたいと思っているところです。2件程度で600万円を考えています。
続きまして、衛星データ活用人材ということで、これも衛星データを効果的に活用できるような人材を育成するために、そういった講座をこれから連続講座として開設していきたいと思っているところです。
続きまして、宇宙産業・人材育成事業です。これは、全国から鳥取の地において宇宙ビジネスでこんなことができるのではないかというアイデアを募集して、そういうことによって鳥取の宇宙ビジネスに目を向けてもらったり、実際にそのアイデアを基に鳥取で起業をしていきたいというようなことを結びつける一つのきっかけとしてビジネスプランコンテストを令和4年度もやっています。昨年度、一定の成果があったと思っているところですので、今年度も年度後半に向けて、予算をつけていただいて準備していきたいと思っているところです。そのほか、広く全般的な宇宙ビジネスに係る連続講座もまた定期的にやっていきたいと思っているところです。
現在、宇宙ビジネスに参入意欲のあるような企業さんや団体で構成する、とっとり宇宙産業ネットワークを2年前、令和3年11月につくっており、今はどんどんどんどん増えていきまして、90以上になっています。そういった形で皆様のいろんな意欲や技術を結びつけながら、鳥取県発の宇宙ビジネスに結びつけていきたいと思っているところです。
続きまして、12ページを御覧いただけたらと思います。コンテンツビジネス創出「とっとりクリエイターズ・ビレッジ」プロジェクト事業で、1,480万円をお願いするものです。
現在、ゲーム産業をはじめとするコンテンツビジネスも年々世界的に拡大してきているところです。そういった観点から、昨年の7月に本県では鳥取県コンテンツビジネス研究会を設置して、県内でコンテンツビジネスに関わっておられるような専門家の方をメンバーに、様々なコンテンツビジネスの振興に向けた方策等を検討してきたところです。参加メンバーの皆さんからは、今後は、eスポーツあるいは、これから説明しますが、ゲーミフィケーション等に対応したアプリ開発といったデジタルコンテンツ分野を中心に産業振興を図っていくべきだと、そのためには人材育成が一番重要だというような提言をいただいたところです。そういった提言を踏まえて、このたび補正予算として何点かの事業をお願いするものです。
2、主な事業です。1点目、「デジタルコンテンツ中核人材」移住型制作支援事業は、今後ますます飛躍あるいは成長が期待されるコンテンツを制作するようなクリエイター人材を全国的に公募して、県内で生活ができるような拠点を用意させていただき、専門的な、あるいは技術的な知見を有する専門家のサポートを受けたり、あるいは何名か全国公募で集まっていただいたクリエーター同士の切磋琢磨によって創作活動が活発化し、あるいは人材育成を図っていけたらということで事業立てするものです。この事業は、実際にクリエーター育成に実績のあるコンテンツ企業と連携して実施していこうと想定しているところです。また、公募においては、事業は2年間を考えていますが、事業終了後、鳥取県内で引き続き活動する、意欲あるといったことを条件にさせていただくことにしています。これまでにないような新規性のある実験的な取組ですが、この事業を成功に結びつけることにより、本県でのデジタルコンテンツビジネスの中核となるような有望人材に集まっていただき、そのことをきっかけに県内のクリエーターさんとのコラボや発掘といったことが深まることで、さらなるデジタルコンテンツ産業の振興に努めていきたいと考えているところです。
2番目のゲーミフィケーションを活用したビジネス創出事業です。ゲーミフィケーションというのは、いわゆるゲームの中でレベルアップするとか、点数がつくとか、あるいはポイント獲得といった、ゲームに関わりたくなるような気持ちを有効活用しながらビジネスにつなげていく手法で、活発に行われてきているところです。そういった形も県内でのビジネスに導入していくことを支援していきたいということで、そのための研修会を開催していきたいと思っているところです。
3番目ですが、そのほかについても幅広いデジタルコンテンツという分野の中で、当初予算等の既存の予算を活用しながら、県内のクリエーターさんと一緒にコラボしながら人材育成するような取組というのも並行して取り組んでいきたいと考えているところです。
続きまして、13ページを御覧いただけたらと思います。フードテック活用食品開発促進事業で、1,500万円余をお願いするものです。
フードテックという言葉、聞き慣れないかもしれません。これは、最新の科学技術を活用することで、新しい食品の材料や調理の方法を生み出すような食に関する技術のことですが、現在は世界的な人口増加に伴う食料不足、原材料の高騰、あるいは安定供給の確保が難しい等々の食をめぐる様々な諸課題があります。そこで、先ほど申し上げた食に関する科学的技術、フードテックを活用して、これらの課題に対応する新しい加工方法や食品などを開発していくような企業さんを立ち上げていきたいと思っているところです。
主な事業内容です。まず1点目は、そういったフードテックによる食品開発等々に関心のある企業さん、あるいは研究機関等で構成する研究会をこの予算が認めていただけましたら立ち上げて、フードテックは今実際どういう動向があって、可能性があるのかというようなセミナー等を開催し、加えて、その研究会の中で、では鳥取県の今ある資源の中でどういったことに着手するのが一番効果的で素早い対応なのかを具体的に検討していきたいと思っています。そういった中で出てきた具体的な取組の事例について、囲みの下にございますフードテック研究開発・販路開拓事業で、これは地方独立行政法人鳥取県産業技術センター、特に境港にございます食品研究所を核にしながら、具体的な新商品の開発を委託して取り組んでいきたいと思っているところです。この事業を認めていただいて、検討会での議論も当然ございますが、今現在、すぐ着手でき得る可能性ということで、魚介類の未利用、骨や内臓部分、あるいは日本酒を造った後の酒かす、おから等のさらなるアップサイクルに取り組んでいきたいなと考えているところです。
続いて、14ページを御覧いただけたらと思います。県内産業DX生産性向上支援事業として2,210万円余をお願いするものです。県内経済や県内企業の発展に向けては、それぞれの業務変革や生産性向上への取組は必ず必要なものとなってきています。そういった観点で、これまでもデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXを支援してきたところですが、本年度以降においても一層加速していくために、補正予算においてこのたびお願いしようと思っているところです。
2、主な事業を御覧いただけたらと思います。(1)DX導入加速化事業です。これまでもいろいろDX導入支援をしてきましたが、県内企業の皆様はDXへの取組はまだまだ余地がある、もう少し普及、展開していきたいという課題がございまして、そのためにも多く成功事例をつくっていきたいという観点から、このDXの裾野を広げるワークショップ型支援事業に取り組もうということです。イメージとしては、各業種、業態ごとにお集まりいただき、そこで共通する現状課題などをワークショップ型で見いだしながら、専門家の伴走支援もいただき、それぞれ共通する課題に対してふさわしい、最適というか、効果的なDXの導入の在り方はどういうことかを話し合い、見つけ出していく場をつくっていきたいと思っているところです。こういったワークショップで皆さんが共通課題とする中で、同じ業種のほかのところにもモデル事業として展開していけたらと思っています。このワークショップで見いだした課題を基に、実際に各企業がDXを導入する場合は、別途補助事業を御用意していますので、それとの組合せで成功事例を広げていきたいと思っているところです。
(2)製造業スマートファクトリー化推進事業は、あらゆる産業でDXをしていかなくてはいけないという課題の中で、特に県内企業で中核的な物づくり企業に特化した支援事業ということで考えているものです。現在、米子にある産業技術センターに、ロボットを実際に導入したときにどんな効果があるのかを体験していただいたり、あるいは研究や検討をしていただくための施設として、とっとりロボットハブを設けています。それを活用して、昨年度までは物づくり企業さんにとっての生産性向上のためのロボット導入の効果を体験してもらったり、具体的な自社への導入等を支援するような事業を行ってきましたが、このたびのこのスマートファクトリー化推進事業は、製造過程のロボット部分だけではなく、前工程、後工程といいますか、受注、在庫管理、製品の検査、出荷といったもの全体にDXを導入しながら工場全体のDX化、スマートファクトリー化を支援していきたいという意図で要求するものです。まずはDX促進に向けた普及啓発ということで、経営者、生産管理者等々と対象を分けながら、普及に向けた効果的な内容を学ぶセミナーやワークショップをやっていきたいと思っているところです。さらには、スマートファクトリー化を具体的に導入、実装していくための支援として、こちらも鳥取県産業技術センターに委託を考えていますが、人材育成、あるいは各会社に合った専門家の派遣等々の事業を御用意していきたいと思っているところです。
続きまして、15ページです。スタートアップ創出加速化事業で2,160万円をお願いするものです。県内産業や経済の成長に向けては、今ある企業さんの活性化、振興とともに、新たな創業、起業、スタートアップを多く輩出していくことも重要な観点です。そういったことから、起業予備軍の発掘、育成、さらには事業化促進の取組をやっていこうという事業です。
2、主な事業内容で、まずは事業立ち上げ期の支援ということで、2つの事業を上げています。
1点目は、少し中期的な取組になるかもしれませんが、潜在的に起業、創業をしたいという関心のある事業者を発掘していく取組を、県内だけでなく、首都圏とかで鳥取県へ意欲、関心のある方を対象にビジネスプランづくりの研修をやっていきたいと思っているところです。
2点目が、スタートアップ創出促進金融支援事業で、創業時の経営者のリスクを軽減するために、経営者保証を不要とするような新たな制度融資を創設しようとするものです。国においてもこのたび同様の趣旨で、創業に係る資金を借りる場合に信用保証料を上乗せすることによって経営者保証を不要とする制度を創設されたところですので、鳥取県においても同様に県の創業関連の制度融資について、同じように創業時の経営者のリスクを軽減するために、経営者保証を不要とする特別枠を設けようというものです。そこに小さい字ですが、制度融資の概要を書いています。担保、保証人、いずれも徴求しないということと、保証料率は0.8%ということで、国が先ほど申し上げましたように同じような制度を設けましたけれども、国の制度よりも0.2%低い形での制度を運用したいと思っているところです。融資枠は10億円程度を考えています。
続きまして、事業化・拡大期支援ということで、片仮名用語で大変申し訳ございませんが、エクイティブファイナンス活用型中核企業創出・育成事業です。創業間もないようなスタートアップ企業またはベンチャー企業にとっては資金調達が重要な課題です。特に新規性や開発要素の高い事業者にとって資金調達は大きな課題でして、その一つの方法として、エクイティブファイナンス、新株発行等によりベンチャーキャピタル等の投資家から出資を受けるといった資金調達、直接金融は有効だと思っていますが、まだそういった制度を活用できるような企業さん、目が向く企業さんが少ないところですので、そういった投資を活用するような、目を向けるような、学ぶような場所を設けていきたいと思っているところです。
スタートアップ促進加速化補助金で、2つ事業を設けています。スタートアップ間もない企業さんについて、事業化促進型ということで、従来から鳥取県では起業家を育成するようなプログラム、TORIGGERをやっています。その中で選抜された優秀な方への3分の2ということで手厚く補助する事業や、事業拡大型ということで、先ほど言いました投資会社から投資を得られた、事業内容を評価された企業さんに対してさらなる事業拡大に向けた資金が必要な場合に補助をしようという取組を補助事業として設定しようとするものです。
続きまして、16ページです。とっとりバイオフロンティアは、鳥取大学発の染色体工学技術を活用してバイオ産業を創出しようということで、平成23年に県が建てたバイオ施設です。現在、その指定管理を公益財団法人の鳥取県産業振興機構にお願いし、指定管理料を毎年、年度当初にお認めいただいているところです。このたびの補正予算につきましては、施設が建設後10数年たったところで、少し老朽化が見られるということですから、目に見えるところだけでなく、抜本的に外壁の辺りを中心に点検した上で工事をしていこうということで、このたびは外壁の劣化の診断と設計で、800万円余をお願いするものです。
続きまして、17ページです。同じくとっとりバイオフロンティアです。これにつきましては、県の統一ルールですが、指名の指定管理を行っている団体において、前年度の指定管理料が余った場合、それを一定の条件の下に、次年度以降の目的に資するということで、基金に積み立てできるという制度がございます。このたびも、主な事業内容に書いていますが、令和4年度の当初、指定管理料で8,800万円支払いましたが、結果的には様々な事情により1,700万円ほど余ったということです。ただ、この中では、複数年契約で指定管理を受けたところの単年の努力というよりは、もともとの経費節減が予定されたものですので、それを引いた1,200万円余について、新たな基金造成として、補助金として交付しようというものです。実際、指定管理の団体においてはこれを活用して新たな基金や人材育成といった取組をやっていこうと、具体的に計画いただいているところです。
続きまして、40ページは、先ほど説明しました2つの事業、コンテンツの事業やスタートアップの補助金については複数年の事業としていますので債務負担をお願いするものです。
続きまして、一番最後、52ページです。令和4年度から令和5年度の繰越計算書で、先ほど申し上げた鳥取砂丘の月面フィールドがやむを得ず繰越しをすることになり、2月議会でお認めいただいたところですが、このたびは実際にその繰越額が確定したので、その金額を御報告するものです。
◎鹿島委員長
長くなるようですので、ここで暫時休憩いたします。
午前11時10分 休憩
午前11時16分 再開
◎鹿島委員長
再開いたします。
●岩田企業支援課長
18ページをお願いします。今から備える!事業承継準備支援事業で1,700万円余をお願いするものです。
事業承継支援につきましては、一番下の取組状況のところに記載していますが、令和4年度に商工会連合会と連携した取組や民間のプラットフォームを活用してインターネット上で全国の起業希望者とマッチング支援を開始するなど、様々な支援を行ってきています。この事業は、現経営者、後継者などそれぞれの立場の方々に対して、10年先、20年先を見据えて、早い段階から準備をしてもらうといった取組を行う事業です。
2に具体の事業内容を記載しています。(1)は、現経営者に対する取組で、承継しやすい会社に磨き上げていくというものです。具体的には、経営改善のほか、個人の資産と法人の資産の分離や株式の整理、税制面とか事業承継する上で必要となる知識や手続を学んでいくものです。
(2)は、後継候補者を対象としたものです。表の上は、主に親族や従業員の後継候補者を対象として、実際に承継した方の事例を基に企業経営を学ぶもの、また、新たな事業展開をして成長を考えている後継候補者に対しては、アドバンテージコースとして、特別講座を開設して後押ししていこうとするものです。
表の下は、民間プラットフォームを活用した第三者承継支援です。これまで引き渡したい方の情報をオープンにして後継者を探すということをしていましたが、今回は引き継ぎたい方の情報をオープンにしてマッチングを図るというものです。また、サーチファンドなどの民間投資会社とも連携して、新たな事業承継の促進策を検討していこうという事業です。
(3)は、支援者向けのもので、単に採算面など手続面のアドバイスだけではなく、地域の特性や世の中の動きなども踏まえながら、より広い視野で寄り添った支援ができるよう、支援する側もスキルアップを図っていこうという事業です。それぞれ大学なども含めて、関係機関と調整しながら効果的なものとなるように取り組んでいきたいと考えています。
続きまして、19ページをお願いします。地域商業活性化促進支援事業で2,000万円余をお願いするものです。
この事業は、商店街振興組合などが中心市街地の振興のために実施する商店街などの施設の整備、改修に対して市と協調して支援するもので、3に記載していますが、これまで商店街のアーケード改修などの支援を行ってきています。今回は、2の表に記載のとおり、米子市の角盤町商店街振興組合が実施するえる・もーる1番街のアーケードのリニューアルについて、米子市と協調して支援するものです。事業費は、(3)の表に記載しています。総事業費が1億2,500万円、その半分は国の補助金を充当して、残りの半分を県、米子市、商店街がそれぞれ3分の1ずつ負担することとしています。
続きまして、20ページをお願いします。県内事業者連携による生活店舗特別支援事業で5,000万円をお願いするものです。
一番下の取組状況のところに記載していますが、JAの生活店舗の廃止などに伴う買物環境などの生活する側の対策については、地域づくり振興部の買物環境確保推進課を中心に部局横断で対応しているところです。この事業は店舗の廃止により影響を受ける納入業者側の支援策で、効率化の取組などを市町村と協調して支援するものです。
2の表の事業内容です。補助対象はJA生活店舗の廃止などによる影響を受けた1者以上の事業者を含むグループで、そういった方々がコスト削減のために共同配送などに取り組む事業を行う場合にそれに要する経費を支援するものです。補助率は3分の1で、上限額は1,000万円、市町も同程度の支援を行うことを要件としています。
21ページをお願いします。生活店舗対策特別金融支援事業で200万円をお願いするものです。同様に生活店舗の廃止に伴う対策ですが、この事業は資金繰りに係るものです。トスクなど生活店舗の廃止に伴って、今後、テナントなどにも売上減少などの影響が出てくるおそれがありますので、そういった事業者の資金繰りを支援するものです。予算につきましては、当初予算で制度融資の予算をお認めいただいています。その中に地域経済に影響を与える事象が発生した場合にその都度発動する地域経済変動対策資金というのがございまして、それを活用して対応することとしていますが、さらにその資金の利率を市町村と協調して引き下げるために必要となる予算をこのたびお願いするものです。
制度の詳細は、2の表に記載しています。融資枠は10億円、受付期間は12月末まで、利率は通常1.43%としていますが、市町村がさらにその利率を引き下げる場合に、最長3年間、その半分の経費を県が支援するものです。
22ページをお願いします。エネルギー・原材料価格高騰対策特別金融支援事業で600万円をお願いするものです。
この事業も資金繰りに関するものですが、これはエネルギーや原材料価格の高騰対策です。下の取組状況のところに記載していますが、令和3年度以降、原材料価格の高騰などに対する資金繰り支援を継続しています。これまでの実績は66億円を超える状況となっています。今年度もこの地域経済変動対策資金の融資枠を30億円として支援を行っているところですが、影響がまだ長期化することが想定されますので、2に記載のとおり、融資枠を60億円に拡充して、受付期間を12月末まで延長したいと考えています。また、市町村と協調して利率を引き下げることも継続したいと考えており、その利率引下げに要する経費をこのたびお願いするものです。今後も県内中小企業の資金繰りに影響を与える事象が発生した場合は、機動的に対応してまいりたいと考えています。
続きまして、最後の52ページをお願いします。令和4年度事業の繰越明許費繰越計算書です。商業費の2番目の県内事業者向け円安・物価高騰対策緊急支援事業費です。この事業は、組合や任意グループに対して収益力強化やコスト縮減の取組を支援するもので、12月補正で1億円予算措置していますが、年度内の事業完了は困難であることから、全額を繰り越したものです。
●清水通商物流課長
23ページを御覧ください。2024年問題に向けた持続可能な物流機能確立事業4,500万円をお願いするものです。
物流の2024年問題については、来年4月から働き方改革関連法により罰則つきの残業規制がスタートすることから、物流の停滞、あるいはドライバー不足等が生じることが危惧されているところです。本事業では、物流の2024年問題の解決に向けて、持続可能な物流機能構築に向けて啓発事業や物流効率化の取組を支援するものです。
事業内容としては、まず、物流の2024年問題の解決に向けた啓発事業です。これは、県内の事業者様向けに優良事例の紹介や、あるいは県内での事業者さんがやられる優良事例の勉強会により、物流効率化の取組を横展開していくものです。
また、ホワイト物流推進事業として、補助事業ですが、2つメニューを用意しています。まず、ホワイト物流ミニマルチャレンジ補助金です。これは、試験的に物流改善にチャレンジしたいという企業様を応援するもので、初動的なところに対して2分の1、補助限度額50万円を支援するものです。2つ目が、ホワイトな物流環境構築推進補助金です。本事業は、荷主様あるいは物流事業者様が国が推進しているホワイト物流宣言をやることによって、それに基づいて物流効率化の取組等をやる事業様に対して補助を行うものです。補助率2分の1、補助限度額500万円、荷主様と運送事業者様が一緒に協力してやる場合は補助限度額を1,000万円に上限を上げ、燃料サーチャージや運賃の別建て契約を行った場合には補助率を3分の2に引き上げるというものです。
物流の2024年問題については、様々な課題がございますが、啓発事業や個社への支援を通じて、県民の暮らしあるいは産業振興を支える物流機能の維持をしっかりやっていきたいと思っています。
続きまして、24ページです。海外展開牽引企業創出事業で1,700万円余をお願いするものです。
海外需要獲得については、国際経済変動やウクライナ危機、あるいは円安などがある一方で、コロナも緩和になり、海外との往来も緩和されている状況がございます。このような中で、県内企業様が強靱な体制で海外ビジネスを展開し、外需獲得を支援する事業となっています。
一つが海外展開牽引企業創出補助金です。メニューを2つ用意しています。商社育成型とプロジェクト連携型です。商社育成型は、県内の商材をまとめて地域で商社機能を担われるような企業様を応援するものです。補助率3分の2、補助限度額100万円です。また、県内の港湾を利用した場合には、補助限度額も200万円にアップするものです。また、プロジェクト連携型は、県内企業様がプロジェクト的に他の企業様や研究機関と連携して実施する海外展開の取組について応援するものです。補助率3分の2、補助限度額200万円です。
また、セミナーも併せて開催します。海外を販路開拓する商社の取組や、プロジェクト型で海外展開するにはどうしたらいいのかというようなことについてのセミナーです。
こういった取組を通じて、コロナ後の海外需要獲得をしっかり行っていきたいと思っています。
続きまして、25ページです。境港国際物流ハブ機能活性化事業です。
コロナ禍において、国際海上物流についても混乱あるいは海上運賃の高騰という問題が起きました。また、国際経済変動によりサプライチェーンも変化しています。そのような中、昨年1年間かけまして、荷主様や船社さん、あるいは荷役業者様の意見も様々聞きながら、物流活性化ワーキンググループを開催して、皆様の意見を集約し、新たな境港の物流拠点としての機能を高める施策をまとめて本事業に反映したところです。
事業内容は、4つ用意しています。
1つ目が、釜山港との連携強化に向けた協力体制構築事業です。御承知のとおり、境港は外貿コンテナ航路として韓国との釜山港直行の航路がございます。本航路をさらに強化して、釜山港湾公社とも連携してポートセールス等を強化していきたいと考えています。
また、2番目、リーファーコンテナ利用拡大補助金です。県産品の輸出促進の流れを境港の魅力促進に結びつけることにより、物流の高付加価値化やリードタイムの短縮を図り、農産品あるいは水産品を冷蔵でコンテナに積んで輸出することを促進する事業です。コンテナ1TEU当たり2万円を支援するものです。
(3)、境港コンテナ物流ルート転換支援事業補助金です。ほかの港を使われた企業様を境港に新たに引っ張ってくるというところで、先ほど申し上げた韓国との直行航路、あるいは国際フィーダー船を活用してお試しで境港を使ってみようという企業様を応援するものです。
4番目、国際ロジスティクス機能開拓に向けた物流サービス調査検討事業です。様々な物流課題に対応するために、新しいルートや新しい物流サービスが求められてくると思いますが、そういうところについて、物流企業様と連携して新たなサービス提供プラス調査等を実施するものです。
こういうものを通じて、さらにコロナ後に向けて、境港の物流機能を強化していきたいと考えているところです。
続きまして、40ページを御覧ください。先ほど御説明した海外展開牽引企業創出事業補助について、債務負担をお願いするものです。
また、52ページ真ん中のところにございます、繰越について、12月補正でお認めいただいた物価高騰を乗り越える物流効率化対策事業費と円安を契機とした海外展開強化促進事業費につきまして、繰越額が確定したのでお願いするものです。
◎鹿島委員長
ただいまの説明について、質疑等はありませんか。まず、先議、先議以外のものの別、ページ数を言ってから質問していただきますようにお願いします。
○尾崎委員
補正4ページ、はばたく!鳥取産業未来共創会議は、以前、本部会議にも女性が参画できるように努力してくださいと申し上げていますが、それをよろしくお願いします。後で一言お願いします。
あと、6ページ、カーボンフットプリントのところ、これは具体的に取組の企業があるのかなと。頭にあるのであれば、どんな企業か教えていただけたらと思います。1つ企業を聞いていまして、どういった支援をされるのかなと。具体的に教えてください。
もう1点、14ページです。DX導入の加速化を図っていかなくてはならないということで、今まで十分に加速化していないし、鈍かった理由は何だとお考えなのかをお聞かせください。
●河野商工政策課長
はばたく!鳥取産業未来共創会議の本部会議のメンバーもまた工夫を考えながらやらせてもらっていますので、よろしくお願いします。
あと、6ページのCO2 の排出量の話、具体的な企業ですが、委員も御存じかもしれませんけれども、東部のワインを醸造している会社さんがかねてからCO2 の排出量の削減を意識して取り組んでいらっしゃっていまして、実はこの事業の話も少し議論する中で、非常に興味があるということで、ぜひともそれはやってみたいなという話は聞いています。その他にも、今、こういった情勢になっているので、取組を考えていかなければいけないかなというような製造業の方であるとか、少し聞いています。
具体的な支援としては、セミナーということで、これは一般的な話ですが、それ以外については、実際に算出をしてみる。CO2 排出量の算出は、実はすごくいろんな要因がありまして、難しいのですが、そういったところを具体に計算してみるといった体験をしていただく仕組みを今回考えているところです。
●金澤産業未来創造課長
県内産業DX生産性向上支援事業に絡めて、これまでのDXの取組への課題ということで、14ページの事業です。これまでも私ども、個別企業さんの導入を補助金で支援したり、あと、14ページの下に取組状況、改善点と書いていますが、伴走支援を、いろいろな取組はやってきたところです。年1回、その成果事例を発表するような会を設けていたのですが、もう少し多く、幅広く、いろんな機会で、せっかくこの事業を使ってやった成功事例を、要点、その課題、成功したポイントはどうだったのかというのをまとめてやはり広げていかなくてはいけない、モデル事業を広く横展開、普及していかなくてはいけない。そこが年1回では足りなかったのかなと思っていますので、成功事例を今回増やすというのはこの補正でさらにさせていただき、あと、ソフト面で横展開を私どもの課の担当の努力としてやっていきたいと思っています。
○尾崎委員
女性はよろしくお願いしたいと思います。
それで、カーボンフットプリントですが、具体的に例えば講師を呼んで測ってみたいというような企業さんがあったら、言えば支援していただけるということでしょうか。
●河野商工政策課長
今、制度の設計をしているところですが、基本的には、そういった御要望がありましたら、優先して考えていきたいとは思っています。
○尾崎委員
最後ですけれども、例のDXの件、回数が少なかったということもあると思います。ただ、DXとなると、普通、鳥取の企業では結構高齢の方もおられて、ハードルが高いと感じておられる部分もあるのではないかなと思われるので、具体的にこんな簡単なことですよとか、こうすればいいですよということも含めて広報いただけたらと思います。
●金澤産業未来創造課長
おっしゃるとおりで、企業さんの規模や業種といったことについて応じるようなきめ細やかな情報提供をさせていただきたいと思います。
◎鹿島委員長
ほかにございませんでしょうか。
○浜崎委員
4ページ、5ページの辺り、委員長から先議分以外はという話もあったのですが、話の流れで、多少御理解いただきたいことを申し上げておきたいと思います。
これまでコロナ禍ということで、売上げの減は大きいです。それから、物価高騰という波も来て、経営圧迫という4文字に非常にやはり経営者の皆さんが、いわゆる小規模事業者、中小も含めて大変な状況の中で、重ねて県としても、今日もいろいろ手は打ってきて、今までも経済対策を打ってこられたと。事業者側に立ったときに、やはり今年1月頃からゼロゼロ融資の返済が始まっている。冒頭申し上げたように、資金繰りに苦慮しておられる中小・小規模事業者が本当に多いということは目の当たりにさせていただいています。実際にそういう話を皆さんも聞いておられると思うけれども、そういう状況だということをまず確認しておきたいと思います。
取引関係等で恒常的にうまくいかない、価格転嫁ができないということです。そういうことで売上げが戻らないだとか、それから、何といっても御案内のとおり後継者がいないというような背景も影響してくるだろうし、それと、やはりロシアのウクライナ、大変なことがあったということから、燃油、物価高騰の先行きが全く見通せないという状況で、言ってみると会社を畳むということについての選択肢は物すごく多いわけだ。そこのところは皆さんも十分認識をしておられると思う。
そういう状況を踏まえて、総論的に質問させていただくわけだけれども、まだまだ当面はいわゆる延命についての財政支援や相談対応などが当然必要だと感じていますが、改めて、担当部局の実感として、県内の景況感や、廃業や倒産の実態や見通しという部分をそれこそどう見ておられるのか。別の観点かもしれないけれども、さっき見える化という話も聞かせていただいたわけですが、その辺をどう見ておられるか、まずお聞きしたいと思います。
●池田商工労働部長
今の県経済の現況ということでございました。
先ほど浜崎委員から言及のございましたゼロゼロ融資ですが、これはコロナ禍の中で令和2年度から始めて、鳥取県の場合、他県よりも1年長く、令和3年度もやらせていただきました。さらに、その制度自体も国制度よりも少し拡充するような形でやらせていただいたということで、実際、倒産の数や割合などについては、いろいろ調べていますが、やはり少ない。非常に効果は出ている。これは間違いないと思っています。ということで、金融機関や商工団体の皆さんであったり、お聞きしているところはそういうようなところもございますし、先ほど返済も始まるということがございました。国の場合、3年という無利子期間がございましたので、令和5年度から多く出てくる。まさに今そういう問題が顕在化しているところですが、鳥取県の場合、無利子期間を最大5年まで設けているということがございます。特に金融機関に協力をいただきまして、返済を延ばしていただき、一定程度延命させていただくということで、多くの事業者さんは既に返済が始まったり、返済も終わっておられる事業者さんもいらっしゃいますが、最大令和7年ぐらいまで延ばすことができる制度ともに、ニューマネーが必要な方につきましては、5年一括返済の資金を持ってくるという形で当面の資金繰りは何とかしっかりと金融機関の協力も得ながらやってきているというところが実態です。
業況を見ましても、かなりまだら模様のところはございますが、製造業については、一定程度サプライチェーンの混乱も、国際物流の混乱もなくなってきたりと、また、サービス業についても、5類の移行から、目に見えて人出が戻ってきたというところはあると。それは個人消費や生産が伸びてきているという数値の面からも見てとれるのだろうなと思っています。ただし、全国的な展開を見ましても、やはり人手不足倒産や息切れ倒産というものが顕在化してきていると。これは当然、鳥取県にも近い将来には顕在化してくるだろうなと思っています。
また、国全体ではかなり戻ってきたと言いつつも、やはり鳥取県のような中小・小規模事業者が多いところは、そこまで好景気が戻ってきているという実感は我々にとってもまだまだ少ないのだろうなと思っていますし、物流の2024問題や、またインボイスが始まったりと、そういう固有の事例も出てくるのだろうと思っています。
そういう中で、やはり鳥取県においては、先ほど委員もおっしゃったように、一定の延命的というか、コロナ禍の影響、さらに長引く物価の影響にもしっかりと対応していくことを前提に、持続的な事業の展開から何とか成長軌道に戻していくことをしっかり図っていかなくてはいけないかなということで、今回のような様々な提案をさせていただいたところです。小規模事業者のいわゆる黒字化というか、一定程度伴走の支援や事業承継をしっかりと進めたり、それと価格を適正化して賃金アップにしっかりとつなげていく。こういう小規模事業者、中規模事業者に寄り添った形の支援を官民の中で御意見をいただきながら、中長期的な成長に向けてのビジョンを1年かけてしっかりつくっていきたいなと考えています。
○浜崎委員
ありがとうございます。しっかりやってもらいたいと思うのですが、今回、小規模事業者の経営力強化伴走支援事業、2,000万円ほどで、しっかりやっていくとなったときには、この数字もまた見直していかなければいけない状況が出てくるかもしれません。今、資金繰り等の話もあったけれども、当面の資金繰りも今までしっかりやってきたということと、令和7年までというような数字もあったけれども、何せ状況が状況なので、今、部長がいみじくも言われたように、今がちょうどピーク的な状況だと思いますので、ここでできることはしっかりと対応していただきたい。もちろん私が言わなくてもそう感じておられると思いますので、見える化ということも含めて、拡充も含めてしっかりとやっていただきたいと思います。
あわせて、先ほど委員長からは先議分以外はということでしたが、話の流れで申し上げます。お許しいただきたいと思います。コロナ禍で非常に状況は厳しいのだけれども、一部製造業では割合堅調で、いわゆる法人税収の増になったという現実もありますよね。消費税率の引上げや物価高騰の影響もあったのではないかなと私も素人なりに感じるわけですが、要は延命から成長に持っていかないといけないということが当然皆さんの頭の中にもあると思う。今はまだそこまで行かないということですが、そういった先のことを考えたときには、やはり企業のデジタル化や働き方改革ということで、生産性そのものの向上をしっかりと対応していかなければいけないのではと思うのだけれども、名前がいいですよね、産業未来共創事業。県内企業の下支えをしっかりしていただきたいということがもちろんあるのだけれども、そこで思うのは、ここでア、イ、ウ、エと具体的な中身が出ている。ア、イ、ウのあたりは、例えば生産性向上、事業承継等の促進、大型投資の促進、IT関連の立地促進ということは当然分かるのだけれども、エの研究開発や未来投資のあたりは、県としてはそういう部分もしっかりと見定めていかなければいけないのだろうが、要は、今の現実を踏まえたときに、研究開発や未来挑戦というのは活用の見込みが今だと何となく考えられないのですよ。見込みは本当にあるだろうかということと、あわせて、10年後の県内成長目標ということでいけば、それに寄与できる見通しという部分をどう見ておられるのか。やはり現状把握をしておかないと、とにかく県の立場として、政策があって、施策があって、そして具体的に事業等で進めていくというのは当然のことなのだけれども、やはり現実からすると、さっき部長も自ら言われたように、それどころではないわという経営者の方が中小企業、また小規模事業者には多いわけですね。だからそういった意味で、先行き10年後の県内の成長につなげていくのは当然なのだけれども、そのためには、もう一度しっかりと見直しといいますか、見届けもしっかりやっていかなければいけない。成長目標は、見通しをどう見ておられるのかということも併せて聞いた上で、改めて商工労働部の決意というか、その部分をお聞かせ願えたらと思います。
●池田商工労働部長
今後の成長に向けたもくろみというか見通しというようなことでした。
数値的にも令和2年度までのGDPや製造品出荷額はコロナ前に比べて確かに落ち込みました。令和3年度の数値というのは、来年度出てきますけれども、間違いなく横か落ちるかと。そこから戻していくことが必要なのだろうと思います。当然経済のパイをしっかりと広げていくような施策を取っていかなくてはいけない、そのために地場の産業の事業者のいわゆる事業転換、新事業への展開や、海外も含めた需要獲得というところをしっかりとまず進めていく必要があると。今おっしゃった研究開発等のいわゆる産業の芽の部分につきましては、令和3年度に実は産業未来研究会を立ち上げました。今年が3年度目に入るのですが、当時、EV化へのシフトや、または水素、その後、宇宙産業、それからトヨタの生産方式による脱炭素化、そして去年からはコンテンツビジネス、そしてフードテックなど、様々な新たな分野へ興味のある事業者さんに集まっていただきました。当初はお考えがかなり、技術的にもしっかりしていた頃もおありですし、こういうところに参入したいといった願望みたいなところもいらっしゃいました。その中でも向いている方向が一致しているような事業者さんが固まって共同で開発を行っていくというような事業の芽が実際出始めています。まさにそういう事業者さんが使っていただくような、流通革新型や未来挑戦という事業を今回つくらせていただいたところです。当然これまでも医工連携やバイオであったり、そういう新たな事業展開ものも含めて、こういったものでしっかり支援させていただこうと思っています。そして、その研究開発の先に当然成長投資へとつながっていくという形でパイを広げていくというのが一つ。もう一つは、スタートアップのような形で新たな産業を担う、新たなビジネスを起こしていくということも併せてやる。そして、県外から企業誘致を進めて、特に県内事業者と共同で育っていけるような、親和性の高い誘致や、オープンイノベーションみたいな形でビジネスマッチングするということを進めると。こういうものが経済のパイを広げる様々な可能性につながるのだろうと思っていますので、そういうことで官民でお話合いをさせていただきながら、何とか10年後をどういう形で1兆円、2兆円に持っていくかということはしっかりと話し合って、新しいビジョンに反映させてまいりたいと思います。
○浜崎委員
最後に一言。今言われた共同での研究開発、技術革新という部分で、鳥取県の経済においても可能性ということでいけばその方向でしっかりやってもらいたいと思うのだけれども、やはり今の現実の中で、そう取り組んでこられる事業者もあれば、まだまだ今の現実との対比というか、上に口を開けて一生懸命息をしておられるという状況もある。相反する話かもしれませんが、やはり今の鳥取県の事業者がそこで半分くたびれてしまったということになれば、こういった新しい試み、共同で技術革新、研究開発というところもなかなかすぐすぐということになりませんので、その辺の現実を踏まえた上で、さりとて先に向かってということで、二面性という部分はしっかりと商工労働部で見ておいていただきたいということをお願いしたいと思います。
●池田商工労働部長
セーフティーネット的にしっかりと取りこぼしのないように、今、まさに厳しい経営状況にある事業者の皆様にはしっかり手当てを施しながら、一方で、前向きにどんどん新しいことを取り組みたいという成長をしっかり支える。二面を支えながら、新たなビジョンをつくって、県の経済産業の成長につなげてまいりたいと思います。
○浜崎委員
よろしくお願いします。
○浜田(一)委員
私もその辺を聞こうと思ったのですが、全て網羅されました。ただ、そうはいってもGDPを引き上げるのは大変ハードルの高いことだと思っています。県内事業者を大事にしながらも、やはり今、部長が言われたように、外からの企業誘致を、県内生産を上げるような形でというのは非常にいいことだと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
同じく、16ページです。事業そのものは分かるのですが、建築後12年間を経過し、外壁に破損と変形が見られると書いてあります。12年しか経過していないのですが、これは瑕疵があったのかどうなのか、現場をきちっと把握されたのかどうか教えてください。
●金澤産業未来創造課長
16ページのバイオフロンティアの外壁の御質問でした。
10年というところが、外壁の塗り替えとかという一つの目安ではあるのですが、大きくということについては、一般的にはあまり10年では想定されない範囲かなという一方がございます。これは県庁の建築、営繕分野とも相談しながら進めていますので、しっかり調査した上で、原因がどこにあるのか、あるいはそれはどこか負担すべきということがもしあれば、その方法も含めてまた検討していきたいと思います。まずは調査をしっかりさせていただきます。
○浜田(一)委員
当然そうだと思うのですが、10年たってからいきなりひびが入るわけではなくて、ヘアクラックとかは入るにしても、そういう大きな亀裂が入ったり変形があるということは、施工業者にやはりきちっと対応をしてもらうのが筋だと思うのですよ。だから今あるものに別建てで、県が研究の成果を出すためにこういうものが必要だというのは十分理解できるのですが、経年劣化というか、瑕疵があるようなものに県がお金を負担して、それを直してあげてその施設を使いますというのは、なかなか理解しづらい面もあります。この施設は鳥取大学が施主なのですかね。
●金澤産業未来創造課長
これは鳥大の土地を借りて県が建てて、管理委託しているというスキームです。建てたときは県が発注しているところで、先ほど申し上げた、今は十分知識も持ち合わせておりませんが、建築したときには一定程度瑕疵担保の年数というのがございます。その辺の確認もあり軽々に言えませんが、年数が一定程度超えているという前提で、営繕課の意見からして調査を抜本的に県でしたほうがいいのではないかということでしたので、今回も県の建てた、県の中での責任として調査していく形になっています。
○浜田(一)委員
公共の建築物になると最大でも2年しか瑕疵の期間はないのですよ。なので県が直接使っていない建物でも公共の建築物として県が関わっていたのであれば、そういう建物の異常はきちっと情報を県に提供してもらうような体制というのはやはりつくるべきだと、当たり前のことだと僕は思うのです。よろしくお願いします。
時間が押して申し訳ないのですが、もう1個だけ。25ページの境港の国際物流の件です。いろいろとこれまでも支援をされてきていて、境港にとっては、今、国際フィーダー航路ができてから1年半を超えたぐらいかな、結構安定的な荷物を確保することができてはいるのですが、それでもなおかつ陸送をしてでも神戸に持っていったほうが安いというような声もあるのですよね。けれども、今後、燃油の高騰や、要は物流コストが、陸送が高くなってきたり、あるいは例えば海上でも自動運転のコンテナ船が確立されてきたり、いろんな可能性があると思うのです。そうすると、やはり地の利のアドバンテージを生かした取組はこれからも方向的にこれまで以上にいろんなことが想定されて、いろんな可能性が生まれるのではないかなと思っています。管理組合の仕事かもしれませんが、地元の企業とのマッチングとか、逆に管理組合へそういったことをいち早く確立してくれとか、いろんな相互の連携をこれからも図っていくべきではないかなと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
●清水通商物流課長
やはりコロナで特に日本海側の海上運賃が高騰していました。そういうこともあって、神戸港へ荷物が流れたということもあるのですが、最近、徐々に海上運賃も安定してきていて、やはり近くの港がいいわと、戻りつつあるということもございます。また、委員御指摘のとおり、2024年問題がございまして、このまま安い運賃で神戸に持っていけるのかというのもございます。やはり、国際フィーダーも含めてですけれども、近くの港を使いたいから話を聞かせてよという荷主さんも貿易振興会にあるようですので、そういった方々もしっかり取り組みたいなと思いますし、サプライチェーンの関係で、在庫を抱えておきたいというような企業さんもあります。そこで、近くの港を使って、ではここを基地にしてとか、それは大阪から持っていくよりもこちらがいいとか、事業者さんによっていろいろ物流も変わってきていますので、やはりそこは丁寧に聞いて、境港の利便性、釜山が近い、フィーダーもあるというのもございますので、ある資源をしっかり活用して取り組んでいきたいなと思っています。
◎鹿島委員長
ほかにありませんか。
○福浜委員
今御説明いただいた各課とも、本当に厳しい状況に置かれている中で、新しい取組を出していただいて、まずは敬意を表したいと思います。
その中において、10年後の鳥取のありようを考えたときに、今回、新しい制度といいますか、鳥取県産業未来共創条例をつくられたわけで、考え方をお聞きしたいです。いろんなものをつくっても売れなければ意味がないと言ったら語弊があるかもしれませんが、そういう中において、台湾でやられているTSMC型というのですか、ファウンドリー型と言ったらいいのでしょうか、要するに設計は外に任せておいて、製造だけしっかりやるよというのがまさに半導体のありようで、担うまで今行ってしまっているわけです。鳥取県、特に物づくりには、三洋から以降、物づくり文化がずっと来ている。10年先、どうしていくのかと考えたときに、台湾型というのもありなのではないかなと。決して半導体だけにこだわることではなくて、要するに外のデータをもらってしっかりしたものをつくっていって、中で研究機能を高めていくというようなやり方もあっていいのではないかなと思うのですが、その辺り、今回の事業の中でどう盛り込まれているのか。今後、もしないとすればどうお考えなのか。台湾も中小が非常に多いのですよね。鳥取も中小が多いという中で、どうやって生き残っていくかと考えられたのが台湾の今のありようだと思うのです。10年先を考えていくと、今の鳥取県にとって一つの方向性としてあるのではないかなと前々から思っていまして、この先10年間ということを考えていく中で、どう育んでいかれるのか、お聞かせいただければと思います。
●池田商工労働部長
今、TSMCのお話もいただきました。TSMCの場合、ファウンドリーですので、まさに設計は外がやって、そこに非常に高い技術で物をつくるという、そういうやり方なのだろうと思います。このやり方が日本で本当にできるのかということもあるかと思いますが、例えばこの件でいえば、熊本でTSMCが工場を造りますが、やはりこれを造るためには一定程度の物づくりの技術では全く立ち行かないというか、非常に高度な半導体の人材育成を踏まえた物づくりの技術が要るのだろうと。もともと九州自体が半導体に特化して、かなり昔からやってきたところがあるので、一定程度の半導体の人材を何とか供給できる素地があるのだろうと思っています。それでTSMCの横にソニーが造ったり、または関連の半導体の製造工場が来たりという形で集まってきた、そういうある意味特殊な環境の中で九州は選ばれたのだろうと思います。
翻って鳥取県を見ますと、半導体の製造工場は基本的にゼロなのですね。ただ、半導体を作るための機器の部品を提供したり、そういう特化した企業さんはいらっしゃる。さらにその人材についても、半導体を学ぶカリキュラムを持っている学術機関は当然ない。研究者はいらっしゃるかもしれないと。そういうことで、何が言いたいかというと、やはりそれぞれの地域地域に合った、いろんな特性を踏まえた、今後の製造業、物づくりの在り方というのは考えていくものではないかなと思っています。鳥取も、もともと、多くの事業者さんが三洋電機さんにくっついて三洋さんの仕事をやっておられたのですが、三洋さんが逃げられた後、生き残るために、例えば先ほど申し上げたようなEVシフトや、いろんな形で自分の生き残る道を探されて今に至っているのだろうと思いますし、鳥取県の場合、食品製造業が強いということや、先ほど申し上げた三洋さんから続く電気デバイス系の事業者、さらには素形材関係の事業者さん、それぞれの鳥取県の強みのある事業形態がありますので、そこを何とか生かして、単体ではなく、しかも単なる大企業の下請ではない部分で生き残っていけるような在り方は何かないかなというのはしっかり考えていきたいと思います。多くの方のお知恵もいただきたいと思っていますので、この産業共創の会議の中で若手の経営者さんとかも含めてしっかり意見をいただきながら在り方は考えていきたいと思います。もう一つは、鳥取県の場合、大きな企業を誘致する土地がなかなか今、少なくなっている現状がありますので、そこは市町村ともしっかりと話し合いながら、今後の立地の在り方ということも考えてまいりたいと思います。
○福浜委員
方向性については理解しました。私が申し上げたいのは、半導体に限ったことではなくて、まさに今、部長がおっしゃったように、やり方の一つの方法として、例えば半導体であれば、アメリカから研究者が台湾にも入って、中小の企業の中で研究を一緒にやっていきながら製品を作っていく。半導体を作っていく。それでまた応えていくというような仕組みは決して半導体に限ったものではないのではないかな、鳥取県の中小の中にいわゆる製品を作るであろうところから、かつては三洋だったと思うのですけれども、そうではなくて、国内あるいは海外からそういう人材を持ってきて、一緒になって研究していくというやり方は一つあるのではないかなと思ったもので、提案させていただいた次第です。
その中で、鳥取県西部に何なのだろうと思ったときに、氷温技術、いわゆる冷凍というのは非常に大きなポイントではないかな。これから物を売っていくときに、どうしても冷凍してしまうと、食品関係、例えば細胞が壊れてしまったりというようなものがあります。今後、海外に輸出を考えていくときに、今度はどうやって解凍していくのかという技術は、鳥取県のポテンシャルというか、持っている特性に応じても、非常にこれから注目していくべき分野ではないかなと。その解凍技術について、日本国中から知見を取り寄せるとか、あるいは海外から知見を持ってくるとか、それをうまく融合していきながら、次の10年を考えていくような戦略もあっていいのではないかなと思います。提案型になってしまって申し訳ありませんが、いかがでしょうか。
●池田商工労働部長
そこはしっかりと氷温技術の研究所の所長とも意見交換というか、お話をしてみたいと思います。氷温関係については、昨年度、インダストリーMIX事業といったような事業で、他分野、異業種での氷温技術の活用方法などを関係の企業さんとお話しする機会も昨年設けさせていただきましたし、場合によっては今年のフードテックの研究会の中で、食品開発研究所なども入って、活用の仕方も含めていろいろと議論する余地はあろうかと思いますので、そういうことも含めて所長様ともお話をしてみたいと思います。
○松田委員
簡単にいきますが、肉づけ以外の11ページ、月面の事業のものと13ページの食パラダイスのフードテック活用事業、ともに予算の大半がPR等々に使われるようです。月面が1,690万円、フードテックが1,400万円ということで、何か思ったよりも金額が張るなと思ったもので、この中身を教えてください。
もう1個、12ページ、コンテンツビジネス創出の事業です。1,380万円でクリエーター育成に係る人材ノウハウ等を有する企業との連携ということですが、どちらを想定されているか。以上、お願いします。
●金澤産業未来創造課長
まず、11ページの宇宙産業関連の事業の中身ということだと思います。重複になって申し訳ございませんが、1番の鳥取砂丘月面実証フィールド発信につきましては、そこに書いています。フィールドの整備は令和4年度予算から繰越で別途ございますが、実際にそれを広く周知して、利用いただくためのPR、フィールドの情報発信ということで、何か少し注目を浴びるような、例えば砂丘のフィールドを使ったローバーのレースをするとか、そういうコンテストをやる。今、そういった注目を浴びるような企画が何かできないかなと思っているところです。あとは、宇宙産業展、宇宙関係の全国からの企業や自治体が集まるような大きな場が年に1つ2つございますので、そこに鳥取県ブースを出していく予算ということで、1,690万円ということを考えているところです。PRの部分についてはそういうことです。
13ページのフードテックについては、私の説明が十分でなかったと思うのですが、このたび初めてフードテックに具体的に取り組んでいこうと研究会を立ち上げて、研究会活動費ということで、セミナーや会議費で130万円ほどを上げています。次の1,400万円については、産業技術センターでやりながら、いろんな食品を使いながら、少し具体的に研究開発し、あるいはできた試作を試食会とかをしながら、意見をもらいながら練り込んでいくといった事業を考えているところです。
続きまして、デジタルコンテンツにつきましては、先ほど申し上げましたクリエーター育成にノウハウのある大手ということで、今まだ進行形のところ、個別名としてはなかなか上げにくいところですが、出版とかを含めた幅広くクリエーター、作家等を育成しているような大手の会社と今、できないものかと調整しているところです。
○松田委員
分かりました。PR事業、どちらもですが、適切な執行をお願いしたいと思います。
あと、コンテンツビジネスですが、2~3社思い浮かびました。しっかりとやっていただければと思います。
○坂野委員
先議の5ページの特別高圧をお願いしたいのですが、本来、国がやるべきところを県が国庫支出金を使いながら取り組まれたのは本当にすばらしいことではないかなと私は考えています。
その上で、電気料金が自動的に値下げされるのではなくて、これは申請しないと値下げされないと認識していますが、どのようにしてこういう制度をつくったということを特別高圧電力の契約されているところに周知していこうとされているのか伺います。
●岩田企業支援課長
特別高圧の契約をされている方々は大体リストで分かっています。ただ、分からないところもありますので、一般的には6月予算を認めていただいた後で、ホームページ等で周知、PRするとともに、分かる企業には直接連絡などをして、漏れのないようにしていきたいと考えています。
◎鹿島委員長
ほかにございませんか。
そういたしますと、午後との分担がありますので、請願・陳情の予備調査については引き続きさせていただいて、大変昼が延びますけれども、御了承ください。
それでは、続いて、商工労働部の請願・陳情予備調査を行います。
今回の予備調査は、新規分の陳情1件についてであります。
初めに、担当課長から現状と県の取組状況について聞き取りを行った上で、陳情者の願意の聞き取りや現地調査を行うかどうか検討したいと思います。いかがでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、商工労働第14号、いわゆるトラベルルールの円滑な実施と、利用者保護に係る意見書の提出についてお諮りしたいと思います。
それでは、この説明を求めたいと思います。
●岩田企業支援課長
資料の2ページ、3ページをお願いします。まず、陳情理由について、簡単に御説明いたします。
暗号資産は、通常の現金を送金するのと比較して安価かつ迅速に送金することができますが、マネーロンダリングや不正利用の防止のために、6月から新たに開始されたトラベルルールというものによって送受信できなくなる場合があるなど不便になったので、国に対して利用者目線に立ったトラベルルールの構築を求めてほしいというものです。
これについて、若干補足しながら、国の取組状況も含めて、全体をまとめて説明させていただこうと思います。
まず、暗号資産は、円やドルなどの法定通貨と交換したり、物を買うことができるデジタルの通貨で、現金の代わりに決済手段として利用されたり、株のように投資目的で取引されたりしています。その暗号資産について、マネーロンダリングなどに悪用される危険性があるとして、陳情2ページの中ほどに横文字でFATFと記載されています。ファトフと読みますが、金融活動作業部会という国際的な組織犯罪を取り締まるために設立された機関が各国に対して様々な取組を行うよう勧告を行っています。令和元年にはそのFATFが暗号資産の取引の流れを後追いできるように、暗号資産の移転元の交換事業者が移転先の交換事業者に誰が誰に送ったかというような取引の情報を通知して、双方が情報を共有、保存する必要があると勧告を行っています。この基準がトラベルルールです。
そういった中で、日本の対応状況ですが、4ページをお願いします。まず、1ですが、平成28年の資金決済に関する法律の改正で、暗号資産を取り扱う交換所を登録制にしています。
次に、2ですが、令和3年3月に金融庁は一般社団法人日本暗号資産取引業協会に対してトラベルルールを実施するための体制を整備するよう要請しています。この日本暗号資産取引業協会とは、取引の円滑な実施や利用者の保護などを目的として、平成30年に設立された団体です。その日本暗号資産取引業協会の対応状況については、5ページに飛びますが、令和4年4月に協会の規則を改正して、トラベルルールに対応するよう自主的に準備を行ってきています。
4ページにお戻りいただきまして、3になります。FATFは各国の法制化などの対応状況も調べており、世界的に対応が遅れているとして、各国に対応を求めています。日本に対しても、令和3年8月にトラベルルールなどの法整備の勧告を行っており、それを受けて、国は、令和4年12月に各省庁の関連する法の改正をまとめたFATF勧告対応法という法律を施行しています。
4は、その法改正に伴う施行令の改正です。トラベルルールの通知義務に基づいて通知する事項や適用対象外となる国を定めたものを令和5年6月に施行しています。
以上が日本の現在の取組状況です。
こういった状況で、今、何が問題となっているかといいますと、陳情の2ページにお戻りいただきまして、2行目、3行目に横文字で記載のTRUST、トラストとか、Sygna Hub、シグナハブ、これは情報共有システムの名称ですが、暗号資産の取引はこのいずれかのシステムを使用してやり取りしています。これまでは暗号資産の移転元、移転先に関する情報をやり取りしたり保存したりする必要はなかったので、使うシステムが異なっていても暗号資産を送受信できていたのですが、今回、移転先と移転元が異なるシステムを使っていると、それぞれ互換性がなくてトラベルルールの情報のやり取りができずに暗号資産の送受信ができなくなったということ、また、同一規格内であっても暗号資産の種類によっては送受信できなくなったということです。これに対しては、現在、それぞれの交換事業者などがサイト上で注意喚起を送っている状況です。
そういったことを踏まえて、この陳情の方は、利用者側の立場に立ったトラベルルールの構築をお願いするというものです。
◎鹿島委員長
それでは、ただいまの説明について、質疑等はありませんか。
○尾崎委員
Sygna HubとTRUSTというのはそれぞれ、米国はTRUSTですね。それから、日本などはSygna Hubと。これはどちらかにしてしまおうなどという、そういう協力関係というのはないのですね。お互いがもう別々と。
●岩田企業支援課長
そうですね。今のところはなくて、誤解を恐れずに申し上げますと、例えばパソコンでいけばウィンドウズとマックがございます。これはそれぞれ情報を互換するというのが今ないので難しいのですが、これと同じように、2大勢力ということでSygna HubとTRUSTがございまして、今、それのやり取りができないという状況になっています。
◎鹿島委員長
ほかにありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、委員で陳情者からの願意の聞き取り、現地調査の必要性及び勉強会の必要性について、御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いします。
○松田委員
必要ないと思います。
◎鹿島委員長
必要ないという意見です。
ほかにありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、必要ないということで、終わりたいと思います。
商工労働部第1部につきましては、以上で終わりたいと思います。
これで暫時休憩したいと思います。開会を1時15分にお願いしたい。
午後0時29分 休憩
午後1時15分 再開
◎鹿島委員長
それでは、再開いたします。
引き続き、商工労働部第2部に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いいたします。
なお、質疑等につきましては、説明終了後に一括して行いたいと思います。
それでは、関係課長からの説明を求めます。
●河野雇用政策課長兼とっとり働き方改革支援センター参事
6月補正予算の議案説明資料の26ページをお願いします。人材確保強化戦略事業です。資料に書いてありますとおり、令和4年度有効求人倍率は1.5倍を超えており、県内で人手不足が進んでいます。官民連携で人手不足の解消や人材確保への取組機運を高め、今後必要な施策を検討するため、人材確保強化戦略会議を設置、運営する事業で90万円の増額補正をお願いするものです。
この事業は、午前中、商工政策課より説明のありました、はばたく!鳥取産業未来共創会議と両輪となって、県経済再生と発展、成長を実現しようとするものです。後で報告を差し上げるとおり、6月5日に会議を開催し、人材確保に関する現状や課題を意見交換したところです。
今後の進め方です。特に人手不足が顕著な業種、観光業ですとか飲食業、運輸業等、多数ございますが、そうした業種ごとのワーキンググループ、あるいは労働者、働き手側のワーキンググループ、例えば労働組合や女性、若者、これから労働者となる学生といった方によるワーキンググループを設けて、人手不足の課題や支援ニーズに係る具体的な意見を聴取し、人材確保策を構築、実行してまいりたいと考えています。
続きまして、27ページ、支え愛就労推進事業です。386万円の補正をお願いするものです。
こちらの資料の下に記載していますが、令和5年1月1日に鳥取県孤独・孤立を防ぐ温もりのある支え愛社会づくり条例の制定を踏まえて、就労困難者、例えば中間的就労体験者や障がいのある方の就労の受皿づくりのための支援制度を新設するとともに、就労困難者が他の従業員と共に働く支え愛就労の理解、普及を図るためのセミナーを開催するものです。中間的就労とは、資料の1、米印に記載していますが、様々な事情から直ちに一般就労で働くことが難しい方に対して、本人の状況に応じた職場見学や職業体験、就労体験の機会を提供しながら、就労に向けた段階的支援を行う福祉施策です。
主な事業は2点ございまして、1点目が、事業者への支援です。就労困難者を新たに雇用した際に必要となる施設の改修や備品等の経費を補助率3分の2、備品取得の場合は1名の雇用で100万円、賃借の場合は1名の雇用で月3万円を上限に補助するものです。2点目の事業、セミナーに関しては、支え愛就労をテーマとして年2回程度実施し、既にこうした就労形態に取り組んでいる企業の具体的な事例紹介等を想定しています。
この事業の目的に掲げているとおり、本事業によって、県の福祉施策、雇用施策の連携を図り、就労困難者への就労支援をさらに推進してまいりたいと考えています。
続きまして、28ページをお願いします。価格適正化と賃金アップによる経済の好循環推進事業です。こちらは、産労金官が一体となって価格適正化の取組の機運醸成を図るとともに、賃上げを実現する各種投資や働き方改革に取り組む中小企業を支援することにより、価格適正化や賃上げによる経済の好循環を実現しようとする事業です。1億550万円の増額補正をお願いするものです。
事業は大きく分けて3つございます。
1つ目の事業は、事業者から寄せられる取引価格の適正化や生産性向上への相談に専門家が対応する窓口を設置する事業です。令和4年度、物価高騰対策の専門家相談窓口を置いており、今回の窓口は、これまでの相談窓口以上に企業の経営力向上や価格適正化、従業員の賃上げにつながるような支援を進めたいと考えています。
2つ目の事業は、セミナーや本事業の広報を行う事業です。
3つ目ですが、令和4年9月補正予算で事業化しました賃金アップ環境整備応援補助金の拡充です。この補助金ですが、事業所内で最も低い賃金が鳥取県の最低賃金プラス31円から1,100円の事業者が事業所内で最も低い賃金を一定額引き上げるための計画を策定し、生産性向上等の設備投資を行う事業に補助を行うものです。鳥取県の最低賃金から鳥取県の最低賃金プラス30円までのところについては、国で業務改善助成金という制度が既にございますので、国の助成金の対象にならない事業について、こちらの賃金アップ補助金で補助をするというものです。補助金ですが、対象を規模100人超の事業所にも拡充するとともに、補助上限額を引き上げる。50円以上賃金引上げの場合は200万円から300万円に、100円以上引上げの場合は300万円から500万円にという補助上限額の引上げを行ったり、事業実施期限を令和6年2月末までに延長するなど、事業所内のベースアップを推進するような拡充を考えています。
5月の常任委員会で御報告したとおり、5月18日に価格適正化共同宣言を県内で行っています。今後、価格適正化、賃上げに向けた具体的な取組が進むよう、本事業で支援をしてまいりたいと考えていますので、よろしくお願いします。
続いて、29ページをお願いします。「地域の魅力×インターンシップ」拡大推進事業です。若者の県内就職、県内定着につなげるため、大学生を対象とする就業体験プログラム、インターンシップの充実、マッチングイベントを行う事業で、1,146万円余の増額補正をお願いするものです。
資料の3に書いてあるとおり、令和4年6月、三省合意の改正がございました。この三省合意ですが、厚生労働省、経済産業省、文部科学省が大学生のインターンシップの推進に当たっての基本的な考え方をまとめたものです。その改正によって、今年度、令和5年度より長期休暇期間中に5日間以上実施される等の一定の条件を満たしたインターンシップへの参加学生の情報を企業が採用活動に当たって使えることとなりました。このことによって就職活動の早期化が見込まれるため、低学年からさらに県内企業を知っていただくことが重要になるということがこの事業の提案の背景にございます。
事業の中身は大きく分けて3つあります。
1つ目は、低学年を対象として、地域の魅力を体感してもらうプログラムを提供する事業です。バスで鳥取に移動していただいて、鳥取の魅力を伝える交流会を行った後に就業体験を行ってもらうツアー型プログラム、2週間以上の長期有償型プログラムに参加する学生に対し、鳥取でのアウトドア等の体験プログラムを提供する。あるいは複数の企業がグループで行う地域の暮らし体験も含めたパッケージ型プログラムの開発支援を行ってまいります。
2つ目の事業ですが、高学年向けに三省合意の改正に対応したインターンシッププログラムを増やすため、企業への伴走支援を行うものです。
3つ目は、学生自らが企業にPRする学生主役のマッチングイベントを行うものです。
こうしたことで早くから県内企業や県内就職への関心を高め、一人でも多くのインターンシップ参加者を増やし、県内就職につなげてまいりたいと考えています。
最後に、ページが飛びますが、52ページをお願いします。令和4年度の繰越明許費繰越計算書です。雇用政策課分は、労働費の1行目の賃金アップ環境整備応援補助金で、一定の賃金アップを行う県内中小事業者が行う生産性向上等を支援するため、令和4年9月補正で事業化し、12月補正で増額補正を行っています。令和4年度から令和5年度に年度をまたがる事業実施に対応するため、令和4年12月補正予算1億円を全額繰り越しましたので、繰越額の確定を報告するものです。
●衣川産業人材課長
30ページをお願いします。「リスキリング推進企業」拡大強化事業で1,500万円をお願いするものです。
人材育成に関する県内企業の声を聞いてみますと、人材育成は必要と感じていても、何から始めていいか分からないとか優先順位が低いなど、なかなか取り組めていないところが多いという状況にあります。そこで、この事業では、県内中小企業の人材育成を強化するため、地域のキャリアコンサルタント団体及び鳥取県情報産業協会と連携して、企業訪問によるアウトリーチ型でリスキリングの支援を行い、あわせて、在職者向けの公共職業訓練を拡充するものです。
2に事業内容を記載しています。3点ございます。
まず、1点目ですが、この4月に山陰両県のキャリアコンサルタントの有資格者による団体が設立されました。そこで、このキャリアコンサルタント団体に企業訪問をしていただき、人材育成に関する企業個々の課題の聞き取りやヒアリングを行い、その課題に沿った支援策の提案や人材育成計画の策定等の伴走支援を行うものです。
2点目ですが、こちらは、鳥取県情報産業協会にデジタルの窓口を設置して、キャリアコンサルタント団体が聞き取りをした企業の人材育成に関する課題のうち、デジタルに関する内容について、情報産業協会の会員企業が支援を行うものです。
3点目ですが、県内中小企業の在職者を対象に、専門的なデジタルスキルがなくても手軽に業務に必要なアプリの制作が可能なツール、いわゆるローコード、ノーコードと呼ばれているものですが、それらのツールの使い方等を学ぶ職業訓練を新たに実施するものです。
続きまして、31ページをお願いします。技能振興事業で131万6,000円の増額をお願いするものです。
この事業は、技能士の技能水準向上や若者に技能の魅力を伝えるなど、関係団体による技能の承継、振興の取組の支援や技能労働者の育成を支援するものです。
事業内容ですが、認定職業訓練校として左官技能者の育成を行っている鳥取県左官高等職業訓練協会の訓練施設について、老朽化により修繕を要する箇所がありますので、その修繕費の一部を支援するため、補助金の増額をお願いするものです。
●北村鳥取県立鳥取ハローワーク所長
資料の32ページをお願いします。県立ハローワーク「キャリアデザインLab(ラボ)」設置事業として、1,014万2,000円をお願いするものです。
人手不足は本県においても深刻な課題と認識しており、県立ハローワークでも新規求職者、新たな労働力の開拓に取り組む必要があると考えているところです。
そこで、この事業ですが、現在働いておられなくて、求職活動も行っていないような方々を潜在的な労働力と見まして、その掘り起こし、そして積極的な活用を図る新たな機能を県立ハローワークに持たせるというものです。
2、事業内容ですが、県立ハローワークの県内3拠点、鳥取、倉吉、米子にキャリアデザインLab(ラボ)という新たな機能を設けて、そこで潜在労働力の掘り起こしや、就労意欲を持っていただくためのキャリア形成支援といったものを行うこととしています。なお、このキャリアデザインLab(ラボ)の運営は、外部委託として、専属のスタッフを配置することとしています。
具体の支援の流れは(1)から(3)に書いています。まず、求職活動に至っていない方たち、今は働いていらっしゃらない専業主婦の方や、一旦リタイアされたようなシニア層の方、あるいは氷河期世代で今は思ったような仕事に就けていないような方たちを想定しています。そうした方たちに例えばSNSや、ウェブサイトのターゲティング広告と言われるようなものの活用、あるいはそうしたターゲット層の方が集まりやすいようなイベントに出向いて、そこで直接働きかけたりすることによって、まずは掘り起こしを行うものです。次に、そうした方が就労に向かっていただくようにキャリアコンサルティングを行いますし、あとは、必要に応じて学び直しのための職業訓練の提案も行っていくこととしています。そして、就労に向けた準備が整ってきた方については、県立ハローワークの就業支援員に引き継ぎ、就職相談、マッチング支援といったものにつなげていくこととしています。
この事業によって、多くの方に本県の労働市場で御活躍いただくとともに、県内企業の人材確保の支援につなげていきたいと考えています。
◎鹿島委員長
ただいままでの説明について、質疑はありませんでしょうか。
○前原委員
県立ハローワークの「キャリアデザインLab(ラボ)」設置事業です。この内容は分かったのですが、事業目標はあるのですけれども、結局、就労までにこぎ着ける人数目標というのは立てているのですか。これを教えてください。
●北村鳥取県立鳥取ハローワーク所長
まず、この事業を組み立てるに当たりまして、そういった潜在労働力の方がどれぐらい県内にいるかを試算しました。令和2年の国勢調査が今の最新のデータですが、そうしたところで非労働力人口を試算しますと、まだまだ県内には7万6,000人ぐらい潜在労働力があると試算をしたところです。ただ、この掘り起こしが一番やはり難しいところなので、初年度は、外に出向いての働きかけや、SNSを使った広告といったものによって、初年度は大体80名ぐらいをこのキャリアデザインLab(ラボ)で支援につなげていきたいと思っています。軌道に乗りましたら、例年100名程度の支援につなげていきたいと課としては試算しています。
◎鹿島委員長
ほかにございませんか。
○浜崎委員
27ページ、新規で支え愛就労推進事業で、当然とてもいいことなのでしっかりやっていただきたいとは思うわけですが、御案内のとおり、共生社会の実現のためにも障がい者就労の推進は不可欠だということを皆さん関係者はよく御存じだと思う。障がい者の自立ということを改めて考えると、やはり当然受入れ側の事業者の理解を促しながら広げていくことが大事だろうと、これは私が言うまでもなく、関係者皆さんがそうお感じになっていると思う。それで、御案内のとおり、来年から障害者差別解消法に基づく合理的配慮が民間企業にも義務化されることになっていますよね。そうなると、障がい者の視点をやはり期待して、これまで以上に障がい者の雇用率向上という部分にもつながっていくとは見るわけですが、そこで、現実問題、障がい者就労のマッチングや、問題はここなのだ。継続的な就労に当たっての企業側の相談対応等々、県として企業に対してどういったサポートを考えているのか、今現在している部分があればしているのか、また今後どう考えているのかということも追随して考えていかないといけないわけですから、その辺のところをお聞きしたいと思うわけです。
●荒田雇用人材局長
障害者差別解消法のお話がございましたが、やはり企業側でも関心は高くなってきていると思います。ただ、障害者差別解消法で合理的配慮の提供義務が来年4月から義務づけとなりますが、雇用の分野に関しては既に平成28年4月から義務になっていまして、採用や働く際の合理的配慮の提供が民間企業は随分前から義務になっています。
ただ、まだ周知が足りていないというところも当然ございまして、今回差別解消法の関係で関心も高まっているところですので、そちらの周知と併せて改めて雇用の分野についても周知を図っていきたいと思っていますし、障がい者雇用の法定雇用率がさらにアップすることがもう決まっています。そこに向けても各業界団体に障がい者雇用の推進、それから雇用の分野においても障がい者差別がないようにしていただくような要請を続けていきたいと思っています。
マッチングだけではなく、定着が必要というお話をいただいたのですが、障がい者雇用の場合に、定着が難しいというところが大きな課題としてこれまでもございました。県としては、障がい者の方に長く働いていただけるように、そのためには職場での理解、受入れ体制の整備が非常に重要だと考えています。
昨年度の事業で障がい者が働きやすい環境づくりをするための検討会みたいなものを設けまして、その中でガイドラインをつくりました。昨年度末にできたのですが、障がい者を受け入れる際のいろんな配慮の仕方や業務の切り出しの仕方といったものを企業の方に分かっていただけるように、チェックリストなども含めて、障がい者が働きやすい職場づくりのガイドラインでしたかね、すみません、正式名称を忘れましたが……(「中身は分かる」と呼ぶ者あり)それを企業の方に活用していただけるように、活用の仕方のセミナーなども行っています。
こうしたことを広げていって、障がい者の方が望まれるような働き方ができるように、それを企業でしっかりと受入れができるような体制を支援していきたいと思っています。
○浜崎委員
今、局長自ら答えられましたので、本当に積極的にしっかりとやっていただきたいと思うのだけれども、さっき局長も言われたように、継続的な就労という部分が、残念ながら障がい者側からもう辞めざるを得ないですとか、辞めるようになってしまうと思いますというようなことを何件も私は聞いているのだ。局長も御存じのように、昔、福祉で御一緒させていただきましたので、そういう部分で私もそれが今も続いているのだけれども、ここなのだ。だから、最初のスタートのときはまだ、それはそれでお互いに努力しているのだし、特に企業側が今言われたようなことをしっかりと理解してもらって受け入れていただいて、スタートするのだけれども、その後だ。入られたのはいいのだけれどもということで、ここにも書いてあるけれども、継続的な就労に向かって、ここが本当に大きなネックになっていますね。
だから、企業側はやはり最終的に数字を求めていかないといけないという背景は当然あるわけだけれども、障がい者側からするとやはり体のこと、また環境のこと、そういう部分で、特に本人もだけれども親御さんも含めて、一生懸命必死になって、言い方は悪いけれども、かじりついてでも頑張らさせないといけないという思いはある。背景がいろんな状況がありますから、そういう部分で、継続的な就労が残念ながらということで報告に来られる方が多いのだ。
そういうところは十分分かっていらっしゃると思いますし、あえて今の現実問題として、そこの取っかかりまでの御苦労は当然分かる。企業側のそこの御配慮も頭が下がる思いなのだけれども、言ってみると勝負は入られてからだ。その後、せっかくそうなったときに、コーディネーターというかね、間に入られた方や、そういった部分での人的な対応というか、そこのところを十分今まで以上に雇用人材局さん、また部長もおられるけれども商工労働部としても、これは大事な共生社会の位置づけということで鳥取県が全国に先駆けて平井知事が共生社会をやったわけですよ。鳥取はすごいなと、そういう部分での一番大事な根幹の一つがこれだと思うのでね、ひとつよろしくお願いをしたいと思いますが、何かありましたら。
●荒田雇用人材局長
障がいのある方にとって、働く場があると、自立ができるということは非常に重要なことだと理解しています。定着を図っていくための職場に入ってからが非常に重要だという御意見をいただきました。まさにそのとおりだと思っておりまして、鳥取県ではジョブコーチの充実を図るという、なかなか他県にはないような支援をさせていただいているところです。現場のジョブコーチセンターを設置したり、社会福祉法人などのジョブコーチの人件費の支援をしたりということでやっていますし、ジョブコーチを養成するための研修を県内で開催して、県内のジョブコーチを増やしていこうという取組も昨年度もやりましたし、今年度も実施する予定にしています。
こうした間をつなぐ方の人材育成も図りまして、しっかりと障がいのある方が職場で生き生きと働いていただけるように、定着できるように、支援を続けていきたいと思います。
○浜崎委員
入られることよりも続けるという、コンティニューということが非常に大きな問題という言い方をするとあれだけれども、障がい者の本人も家族も含めて、そこを何とかという思いはある。そうはいってもやはり健常者と状況がいろいろ違ってくるということで、その辺が環境からしての不都合が入ってみるというようなこともあるみたいです。そこのところを今言われたジョブコーチをしっかりと。やはりまずはそれぞれ障がい者によって状況が違います。そういう部分でね、そこらのところも十分理解はされていると思うのだけれども、実際問題、入ってみてどうなのだ、勝負はそこからになりますので、その辺の視点を今まで以上にひとつ上げていただければとお願いをしておきたいと思います。頑張ってください。よろしくお願いします。一緒になって頑張りましょう。
◎鹿島委員長
要望でいいですね。
○浜崎委員
はい。
◎鹿島委員長
ほかにございませんか。
○松田委員
29ページ、雇用政策課の「地域の魅力×インターンシップ」拡大推進事業です。学生向けの事業で、令和4年度に当てはめると、ふるさと来LOVEとっとりというやつの一部になりますよね。ですから、これでいうと多分学生向け企業見学会等の開催で、これがツアー等で230万円ぐらいですか。これが約倍になって滞在型もするという認識でいいと思うのですが、長期滞在型のこういった事業の受入れはどうされるのかというのが1点。
それと、同じ事業の中で学生の「Uターン就職」応援事業、「学生主役」のマッチングイベントを開催するということですが、これのイメージがあまり湧かないのですけれども、説明を詳しくお願いします。
●河野雇用政策課長兼とっとり働き方改革支援センター参事
29ページの事業で2点御質問をいただきました。先に後から答えさせていただきます。学生の「Uターン就職」応援事業は、例えば県内で企業紹介フェアとかをさせていただいているのですが、それは企業さんがブースを構えて、そこに学生さんがいらっしゃるというイベントです。それとは反対で、学生さんが主役で、学生さんがおられて、そこに企業さんがお話しに来るといった、そういう意味で学生主体というイベントを考えています。これは例えば島根県などでもやられて、全国的にもこういった学生のところに企業がというマッチングイベントが増えているという流れもあり、こういったことを考えています。対面とかオンラインを想定しています。
最初の御質問ですが、長期有償型の受入れということでよろしいでしょうか。これは長期有償型ということで、2週間以上、かつインターンシップは基本的に無償で行うのですが、企業が一定の最低賃金をお支払いしてインターンシップを体験していただくということです。長期有償型自体が以前からやっているプログラムですので、引き続きこういった制度があるということは鳥取インターンシップ事業を通じて働きかけていくということと、そこに単に長期有償型で会社でお仕事をするだけではなくて、週末とかに鳥取でアウトドアや、あるいは、これは書いていないのですが、アウトドアだけでは文化的な活動といったことも含めてやっていただくようなことを今想定しています。
○松田委員
今の長期有償型の部分ですが、そのプラスアルファの部分の受入れというのは誰が責任を持ってやるのかが聞きたかったのですね。
●河野雇用政策課長兼とっとり働き方改革支援センター参事
失礼いたしました。今想定しているのは、県でアウトドア体験プログラムとかを用意しておいて、そこに参加された経費とかを県が支出するといったような形で体験していただくということを考えています。
◎鹿島委員長
ほかにございませんか。
○鳥羽委員
先ほど浜崎委員からもお話があった27ページです。今回の委員会で要望、質問する内容ではないのかもしれませんが、ただ、あえて質問させていただきます。県の採用の中でも障がい者雇用はあるのだと思うのですが、そこの継続率は高いのかどうなのかが非常に不安で。というのも、ある倉吉にお住まいの方から、実際そこに勤められた子どもをお持ちの保護者の方とお話をすることがあったのです。精神病をお持ちの方だったのですが、すぐ辞めて、しかも職場で悪化したという話をお伺いしております。
何が言いたいかといいますと、県としては企業を指導する立場なので、少なくとも県の職員、障がい者雇用の職員の継続率ぐらいはしっかりと高めていただかないと模範にならないと思っていまして、その辺りは把握されているのかどうかを聞かせてください。
●荒田雇用人材局長
すみません、県職員の状況の細かいところまでは承知をしていないですが、雇用率は当然法定雇用率を達成しているということで、定着率ですよね。定着率の状況は、正直なところあまり承知はしていないです。障がいあるなしで違いがあるのかということも含めて、そこは承知していませんので、改めて総務部等からお答えさせていただきたいと思います。
○鳥羽委員
灯台下暗しというところもありますし、しっかりと自分の職員のことができないにもかかわらず指導できるのかというところはすごく思われるのかなと思いますので、ぜひ状況を調べていただければと思います。
◎鹿島委員長
要望でいいですね。
○鳥羽委員
はい。
◎鹿島委員長
ほかにございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、次に報告事項に移ります。
執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いいたします。
質疑等については、説明終了後に一括して行うこととします。
報告2、「人材確保強化戦略会議」の開催結果について及び報告3、令和4年度鳥取県中小企業労働相談所(みなくる)の業務実績について、河野雇用政策課長兼とっとり働き方改革支援センター参事の説明を求めます。
●河野雇用政策課長兼とっとり働き方改革支援センター参事
農林水産商工常任委員会資料を御覧ください。まず1点目の資料2ページ、人材確保強化戦略会議について御報告させていただきます。
官民連携で人材確保への取組機運を高め、10年先を見据えた大きな観点で県経済の再生と発展を人材面からどのように支えていくか議論するため、6月5日月曜日、人材確保強化戦略会議を開催しました。
参画機関にも書いていますが、産業界、労働団体、学術機関、支援機関、行政から計11機関が参加し、人材確保に関する現状や課題を意見交換しました。
出席者からの意見については(4)にまとめていますが、大きく分けますと外国人採用や雇用、あるいは若者県内就職や就職後の定着、賃上げ、移定住、多様な働き方と多岐にわたる御意見をいただいています。
先ほど6月補正予算でも説明申し上げましたが、今後特に人手不足が顕著な業種ごとのワーキンググループや労働者、働き手によるワーキンググループを設けて、人手不足の課題や支援ニーズに係る具体的な意見を聴取し、産業振興未来ビジョンに反映する人材確保策を考えて実行してまいりたいと考えています。
あわせて、人材確保は非常に長期的かつ多面的な課題です。こうした課題についてはプロジェクトを立ち上げて、例えば外国人とか賃上げといったことを挙げていますが、具体的なテーマ別の議論についても進めていきたいなと考えています。
資料2ページの2ですが、会議に併せて、例年実施している経済4団体への新規高卒予定者の県内就職促進に係る要請を実施しています。賃上げや人材育成などによる魅力ある雇用の場の創出、採用計画の早期策定や求人票の早期提出、公正採用の実施等への協力を依頼しています。
続きまして、資料の4ページをお願いします。とっとり働き方改革支援センターの事業で、午前中の労働委員会事務局の報告でも名前が上がっていましたが、令和4年度鳥取県中小企業労働相談所、愛称みなくるの業務実績について御報告します。
一般財団法人鳥取県労働者福祉協議会への委託事業により、県内3か所にみなくるを設置し、専門の相談員6名を配置して労働者、経営者からの労働相談への対応や労働環境の改善に資する事業を実施しています。
1、労働相談については令和4年度3,400件以上の相談に対応しています。これは一人一人の方が複数の項目について相談した場合、それぞれの項目でカウントしていますので、実人数よりは多くなっていることを御承知ください。
実は、コロナ禍では相談件数は減っていたのですが、令和4年度は平成30年度並みに労働相談がございました。相談の内容は、労働契約、退職、賃金といった労働条件に関する相談が最も多くなっています。例えば、本来もらうべき労働条件通知書をもらっていないとか、提示されていた求人条件より賃金が少なかったといった各種の相談に対応しています。
相談の内容によりますが、相談者の企業に対してまずは確認したらどうでしょうといった助言のほかに、内容によっては労働委員会のあっせんや鳥取労働局への相談等につなげている場合もございます。
また、真ん中にございますとおり、夕焼けホットラインということで、5月と10月に平日の開所時間を1時間半延長し、相談にも対応しています。また、みなくるの事務所で労働相談を待つだけではなくて、県立ハローワークやポリテクセンター、あるいは商業施設に出向いての出張相談も行っています。
資料5ページ、労働相談以外の事業としては、経営者や労働者を対象とした労働法令やメンタルヘルスなどをテーマとした労働セミナーの開催、高校や大学等からの依頼を受けて労働法等の研修を行う出前セミナー、働くルールを小冊子、ハンドブックでまとめた「THE社会人」を作成し、県内の高校3年生全員に配布する、あるいは企業の社内研修への講師派遣といったことを行っています。
午前中に少し話題にも上りましたが、アルバイト、正社員といった雇用形態にかかわらず、全ての雇用される方に労働法令は適用されるものです。引き続き労働委員会事務局や労働局等関係機関と連携して、労働問題の未然防止や企業による適切な労務管理の推進を進めてまいりたいと思います。
◎鹿島委員長
ただいまの説明について、質疑等ありませんか。
○福浜委員
午前中にも注文をつけたもので、続けてになります。みなくるとしての取組は非常にいいと思うのですが、なかなか大学生が、高校生もそうかもしれませんが、アルバイトで急に辞めさせられたというのを抱えたまま、みなくるに行けばいいのですけれども、なかなか敷居が高いという学生さんや生徒さんもいるのではないかなと。そんなときに、例えば高校や大学の学生課とか、何かそういう相談に乗ってもらえるようなものがあればいいのですが、どうなのでしょうか。
●河野雇用政策課長兼とっとり働き方改革支援センター参事
まず、高校や大学の学生課等にも「THE社会人」を置かせていただいて、普及啓発を行っていますし、実はアルバイトで急に辞めさせられたという御相談を学生の方からみなくるに寄せられた事例もございますので、一定程度浸透してきていると思います。とはいえ、やはりみなくるの存在がまだまだ知られていないところもあるかと思いますので、引き続き高校、大学もそうですし、ありとあらゆる手段を通じてみなくるの普及啓発、とにかくみなくるに行けば何か次につないでくれたり相談に乗ってもらえるといったことをしっかり普及啓発していきたいなと考えているところです。
◎鹿島委員長
そのほかありますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
次に、その他に移ります。
商工労働部第2部に関しての執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
商工労働部につきましては以上で終わります。
暫時休憩いたします。再開は2時ちょうど。
午後1時57分 休憩
午後2時00分 再開
◎鹿島委員長
それでは、再開したいと思います。
引き続き農林水産業第1部に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いいたします。
なお、質疑等につきましては、説明終了後に一括して行いたいと思います。
初めに、岡垣農林水産部長の総括説明を求めます。
●岡垣農林水産部長
本議会で御審議いただきますのは、6月補正予算1件、予算以外では専決処分の報告1件です。
農林水産部の議案説明資料の3ページを御覧ください。骨格予算でありました当初予算に加えて、これからの鳥取県の農林水産業にとって必要な予算34億円余をお願いするものです。
3ページの下には主な事業を掲げています。10年後に農業生産1,000億円を達成するため、国内外への販路拡大、担い手・後継者の確保、生産拡大を3本柱に据えて事業展開をしてまいります。特にこの議会では、国内外への販路拡大対策ということで「食のみやこ鳥取県」をワンランクステージアップした新たなシンボルとして「食パラダイス鳥取県」を掲げ、進めるための予算、「食パラダイス鳥取県」推進事業や、3本柱の1つでございます担い手・後継者の確保のために果樹産地再興のための事業もお願いするところです。さらに、現在も続いている飼料高、資材高、電気料金高騰、原油高で疲弊している生産者の経営を支援するための様々な事業、さらに本県の大きな目標でございます皆伐再造林150ヘクタールを達成することや森林病害虫対策を進める事業、本県の夏の特産品でございます夏輝の安定供給のための試験、今SDGsで新たに注目されているブルーカーボンに着目した藻場再生、今まで長らく地元とともに柿試験を行ってきた河原試験地を園芸試験場本場に機能移転するに際して、河原試験地を原状復帰する事業をお願いしているところです。
詳細はそれぞれの担当課長が御説明申し上げます。御審議のほどよろしくお願いいたします。
◎鹿島委員長
続いて、関係課長から説明を求めます。
なお、報告第10号、長期継続契約の締結状況については、議案説明資料のとおりであり、特に説明は要しないこととします。
●村上農林水産部次長兼農林水産政策課長
資料4ページをお願いします。職員人件費700万円余の増額をお願いするものです。これは、7月組織改正において食のみやこ推進課を食パラダイス推進課に改編して、職員1名を増員し、事業推進を図ろうとするものです。
続きまして、65ページ、報告第9号です。交通事故に係る損害賠償に係る和解について専決処分を行いましたので、これを報告します。(3)に記載している事故の概要ですが、令和4年6月16日に農林水産部八頭事務所の職員が公用車を運転中、カーブで相手方の貨物自動車と擦れ違う際に接触したものです。
和解の内容は、相手方と県、それぞれの損害額を各自で負担するというもので、県側の車両の修理代として8万949円を支出しています。
改めて交通事故の防止について、部内で徹底してまいりたいと思います。
●中村農林水産政策課参事
5ページをお願いします。食パラダイス・農業生産1千億円推進事業です。34万2,000円の補正をお願いするものです。県農業の推進に関わる農業関係団体、行政機関等が一体となり、農業生産額1,000億円の達成という目標に向かうための新たな体制として食パラダイス・農業生産1千億円推進会議を設置し、会議開催するための経費をお願いするものです。
本推進会議は、5月15日に設立して、初回の会議を開催しました。果樹の振興や人材育成の手法、さらにはブランド化に向けた取組方針等について御意見をいただいたところです。こうした御意見を踏まえて、今後生産拡大、国内外の販路開拓、さらに担い手、後継者の確保を柱として推進施策を検討していくとともに、鳥取県農業生産1千億円達成プランの進捗点検等を行っていく方針です。
●丸田経営支援課長
6ページをお願いします。就農応援交付金強化事業です。新規就農者総合支援事業のうち就農応援交付金強化事業として、就農応援交付金の交付単価の引上げをお願いするものです。
新規就農者総合支援事業の中で実施している新規就農者の経営安定を目的とした支援について、国の経営開始資金等の支給対象にならない新規就農者に対して、本県では平成22年に就農応援交付金を創設し、県独自での支援を行っているところです。現在の就農応援交付金単価は、36か月で1年目が月10万円、2年目が月6万5,000円、3年目が月4万円としていますが、昨今の資材高騰による生産経費増の影響は交付単価が低い生産者ほど大きく、農家収入の大きな減の要因となっており、経営上の不安定要素となっています。そこで、今回2年目、3年目の交付単価を月一律10万円に引き上げて、不安定な就農開始直後の営農の安定を図るものであり、必要な408万円余の増額補正をお願いするものです。
次に、7ページをお願いします。果樹産地新規就農者受入体制モデル事業です。2,380万円余の補正をお願いするものです。
現在、県下では新規就農者等担い手育成確保について、産地における円滑な受入れ体制づくりと産地の維持発展を一体的に進めていますが、園芸作物である果樹においては農地の流動化が非常に難しく、なかなか画一的に進んでいないのが現状です。また、地域性の差も大きく、地域の現状に合わせた柔軟な対応が求められています。
そこで、本事業では八頭町をモデルにして、地域に特徴的な柿と梨の組合せに加え、新甘泉や輝太郎等の新品種、あとジョイント栽培やスマート農業等の新技術を導入したトレーニングファームを研修の場として整備して、あわせて、地域の生産組織や県OB等の地域の人材のスキルを生かした研修から営農開始までの新規就農者へのフォローアップ体制を強化し、面的で効率的な新規就農者の育成確保、定着推進を図るものです。
トレーニングファームと果樹後継者育成センターの設置に向けて、まず産地協議会の活動の中で具体的な協議を進めることとしています。
また、一番下の果樹経営初期安定化資金は果樹の新規就農者が新植のみで営農をスタートする場合、新規就農者の経営安定を目的とした3か年の支援策である国の経営開始資金、あるいは先ほど御説明した就農応援交付金の対象者に対し、就農開始4年目と5年目についても月10万円の支援を独自に追加交付して、ほぼ収入のない未収穫期間の営農継続、安定を強力に推進するものです。
なお、4年目、5年目の支援拡充については現年の交付はありませんので、制度創設をお願いするものです。
次に、58ページをお願いします。繰越明許費の計算書です。表の1行目、担い手確保・経営強化支援事業費の繰越です。これは、令和4年度12月補正で国補正を受けて予算をお認めいただきましたが、年度内完了が困難となったため、繰越をしたものです。
●安陪生産振興課長
8ページをお願いします。新規事業の小麦等供給体制整備支援事業で350万円余をお願いするものです。
本県におきましては、主食用米からの作付転換としまして、適地適作として小麦、大豆といったものの栽培を推進してきています。昨今の不安定な国際情勢の中、輸入依存度の高い小麦等などについて、生産拡大の支援を行うものです。
事業内容ですが、収量・品質向上支援として、品種比較など現場で実証試験等に用いてもらいます支援を行う予定にしています。さらに、生産拡大支援として、前年からの拡大面積に対して10アール当たり5,000円を交付し、生産拡大、定着を図るものです。
続きまして、9ページをお願いします。これも新規事業の米穀生産基盤対策事業で2,600万円をお願いするものです。
本事業は、水稲栽培関連の施設整備に関するものです。1つは、JA全農とっとりが整備する水稲種子の乾燥調製施設、もう一つはJA鳥取いなばが整備するカントリーエレベーターの色彩選別機です。いずれも緊急性が高いことから、事業費の3分の1を支援するものです。これにより、水田農業の維持発展や県オリジナル米の星空舞をはじめとする県産米のブランド化につなげていきたいと考えています。
続きまして、10ページをお願いします。新規事業、「食パラダイス」鳥取県みどりの食料システム戦略推進事業で2,110万円余をお願いするものです。食パラダイスの推進や、今年の3月に市町村と共同で作成した鳥取県みどりの食料システム戦略基本計画に基づく取組を進めるための事業です。
主な事業内容としては、1段目、有機・特別栽培農産物を拡大していく上で課題となる販路の確保を進めるために、生産者と小売店等の橋渡し役となるコーディネーターを設置することや商談会の開催などを考えています。2段目、各種PR活動を通じて消費者の理解促進を図っていくこととしています。加えて、4段目、モデル先進地区の取組支援を計画しています。具体的には、日南町が行われる有機農業実施計画作成などの取組に対して、国庫事業を活用しながら支援していくものです。それから3段目、地域循環型エネルギーシステム構築として、県西部の弓浜砂丘地における営農型太陽光発電施設の導入に向けて取組支援を行うこととしています。
続きまして、58ページをお願します。繰越明許費の計算書で、上から5行目、鳥取梨生産振興事業費から雪害園芸施設等復旧対策事業費までの6事業について、昨年度12月補正と2月補正で承認いただきました繰越について確定したものです。
●八田園芸試験場長
資料11ページを御覧ください。新規事業の柿試験研究の充実強化事業についてです。河原試験地の本場への機能移転に係る3,119万円余の予算をお願いするものです。県育成品種輝太郎の県下全域への技術支援が速やかに行える体制を確保するとともに、試験業務の効率化を図るため、河原試験地の柿試験研究機能を本場に機能移転するための経費となります。
高度な栽培技術を有する研究人材の育成と体制確保ということで、現在の研究員1名体制から複数のスタッフ制に移行することで体制の充実を図るものです。
また、より生産現場に近い栽培条件ということで、平たん地への栽培環境を整え、技術開発を行ってまいります。そして、県中部の利便性のよい場所に試験研究の拠点を移すことで、高度な栽培技術の速やかな普及に努めたいと思います。
主なものですが、河原試験地の施設内にある柿の木の伐採や資材、ハウスなどの撤去について1,619万円余の予算、そして、今現在借りている水田転換圃場の賃貸借契約の解除に伴い、契約書に基づいて柿園を水田圃場に復旧するための整備費用で1,500万円となります。
これまで機能移転に関しては、地域の皆さんに丁寧に説明、そして意見交換を行ってきたところであり、農家の方々についは一定程度の理解も得られてきたと感じています。これから実際に移転する段階に入りますが、様々な課題が出てきた場合について、その都度丁寧にまた説明を進めていきたいと考えています。
今、河原試験地の跡地について、河原柿生産部の若手生産者のお一人の方が継続して栽培をしたいというような御希望を伺っています。スムーズな柿園の継承ができるように、地元の農業改良普及所と協力しながら最大限の支援を行うようにしています。
続きまして、58ページを御覧いただきたいと思います。会計年度の繰越明許費の計算書について説明します。農林水産業費、農業費の一番下にある園芸試験場管理運営費についてです。令和4年度管理運営費の全体の予算が5,349万円余となりますが、その中の野菜圃場の農機具格納庫の屋根修繕について繰越を行うものです。
●森田農地・水保全課長
12ページをお願いします。新規事業、土地改良区支援等事業(農業水利施設省エネルギー化推進対策)で1,500万円の補正をお願いするものです。
この事業は、農業水利施設に係る電力料等エネルギー価格に対応するため、農業水利施設の省エネルギー化対策、コスト縮減対策に取り組む土地改良区等の施設管理者を支援するものです。
事業内容ですが、国庫補助事業として令和4年度に対する令和5年度電気代高騰分の7割を支援。これは令和5年4月から9月分。それから、単県事業として、同じく令和4年度に対する令和5年度電気代高騰分の5割を支援するという形にしています。
続きまして、13ページをお願いします。新規事業、DXを活用した農業水利施設管理推進事業で1,100万円をお願いするものです。
この事業は、農業水利施設の管理体制が脆弱する中において、DXを活用した施設管理システムの構築により農家等による監視体制を支援し、適時、適切な維持管理を推進することを目的として、農業水利施設ストックマネジメントセンターを鳥取県の土地改良事業団体連合会の中に設置する予定のものです。
事業内容は下の表に記述していますが、施設監視支援システムの構築、管理者等の技術向上、理解促進のための研修会、監視結果の評価及びデータベースシステムへの蓄積、システムの維持管理費を計上させていただいています。
続きまして、14ページをお願いします。農業農村整備事業です。6億9,700万円余の補正をお願いするものです。農地の区画拡大や汎用化、国土強靱化のための農業水利施設の長寿命化対策を実施するものです。
今回は、5事業14地区について、国の認証増による増額、または新規着手、あるいは関連事業との連携によって事業に着手するものです。
続きまして、15ページ、農地防災事業です。ため池や頭首工などの土地改良施設の防災・減災対策を実施するものです。
事業内容については、表に記述している5事業10地区につきまして、これも先ほどと同じく国の認証増によるもの、それから同じく認証増による着手、それから新しく団体事業ですが、安全施設整備の新規着手を受けています。
これらの公共事業の予算説明資料については、41ページから43ページに総括表を載せています。それから、先ほどの農業農村整備事業と農地防災事業において、着工地区の概要を44ページに掲載しています。
先ほどの農地防災事業ですが、一番下、1,400万円の債務負担をお願いしています。これについては、56ページに債務負担に関する調書を掲載していますので、御覧いただけたらと思います。
続きまして、58ページ、59ページ、60ページ、61ページをお願いします。繰越計算書になります。58ページの下から4行目、農地費から59ページ、60ページの上から7行目まで、それから61ページの一番下、災害復旧事業費、これらの29事業について、昨年の12月、それから2月議会で承認いただいたものについての額の確定です。
●福田畜産振興課長
16ページを御覧ください。畜産経営緊急救済事業で3億400万円余の補正をお願いするものです。飼料価格高騰の影響を受けている酪農家や畜産農家への対応として、昨年度の補正、当初と支援して、国による追加対策でも不足する経営費に追加支援を行うものです。
主な事業内容として、酪農家については国の追加対策と8月に行われる乳価値上げでもなお不足する経費の一部を支援し、和牛繁殖農家については子牛市場へ子牛を出荷する際の輸送経費の一部を支援するものです。
続いて、17ページをお願いします。「和牛王国とっとり」新時代創造事業で9,500万円余をお願いするものです。鳥取県の和牛は、宮城全共で肉質日本一を獲得し、令和2年からは和子牛の平均価格日本一を2年連続達成しています。その和牛王国鳥取が令和9年に開催される北海道全共に向けてさらなるステージアップをするために、遺伝子分析や体外授精卵といった新技術を活用して新たな種雄牛造成に取り組むものです。
主な事業内容としまして、表の一番上にあります、新たな種雄牛をつくるために従来より精度の高い遺伝子分析を実施し、また県外等から優秀な雌牛を導入することで優秀な種雄牛を確保するものです。
続いて、18ページをお願いします。自給飼料生産確保対策事業5,200万円余をお願いするものです。飼料価格の高騰が続く中、その影響を少なくする自給飼料等の生産体制を強化するものです。
主な事業内容として、豆乳の製造工場から廃棄されている豆乳おからを乳牛の餌として利用するために、酪農家での実証試験や保存のための研究を行い、推進するもの、また表の3行目、4行目の飼料作物の作業を請け負う受託団体や農協に対する収穫機械等の導入支援や飼料米を粉砕してサイレージにする製造工程を省力化するための機械導入を支援するものです。
続いて、56ページをお願いします。債務負担行為ということで、表の一番下にあります中小家畜試験場の管理運営費です。中小家畜試験場のダイオキシン濃度の測定分析を複数年契約するものです。
58ページをお願いします。令和4年度繰越明許費ということで、表の中ほどより下、畜産業費の2つの事業です。畜産クラスター施設整備事業費、翌年度繰越額1,300万円余ということで、半導体不足によって機械導入が遅れ、事業完了が遅れたものです。その下にある畜産クラスター施設整備事業の国補正、翌年度繰越額4億5,500万円余です。大規模施設に係る事業ということで、年度内完了が困難となったということです。
◎鹿島委員長
ただいままでの説明について、質疑等はありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、ないようですので、次に報告事項に移ります。
執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いします。
質疑等については、説明終了後に一括して行うこととします。
なお、報告9、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告については、資料に記載のとおりでありますので、説明は省略いたします。
それでは、鳥取県立農村総合研修所の指定管理者審査要項(案)の概要について、中村農林水産政策課参事の説明を求めます。
●中村農林水産政策課参事
資料の2ページをお願いします。倉吉市大原にございます農村総合研究所の指定管理者審査要項(案)の概要についてです。
このたび、令和6年度から管理運営を行う指定管理者の審査を行うこととしています。審査要項は、施設ごとに設置する審査委員会での審査を踏まえて決定しますが、概要について御説明します。
1、指名団体とその理由です。本研修所は、従来から農協中央会さんに指名指定ということでお願いしており、今回も引き続き中央会さんにお願いしたいと考えています。理由としては、中央会さんが有する各農協への指導、人材育成といった役割が、本研修所の目的である農村指導者等の研修のために利用し農業振興に資することと合致するということをもちまして、県内の農業団体と連携した研修の企画、実施ができる唯一の団体と判断されたものです。
なお、指名指定の継続については、昨年度開催されました指定管理施設運営評価委員会において、現指定期間の中間年までの管理状況評価等を踏まえて、継続が適当と御判断いただいています。
2(1)指定管理者が行う業務の内容についてですが、施設設備の維持管理、施設の利用許可、さらに利用料の徴収等をお願いすることとしており、清掃業務については性能発注を行うこととしています。(2)管理の基準です。開館時間、利用料金等は現行どおりの条件としています。
3、利用料金等の取扱いについては、指定管理者の収入とすることとし、同じく現行どおりです。
4の指定管理料がポイントでして、なしとしています。この点も従来から同様です。もともとの施設の設置の経緯や農村指導に携わる方等の研修施設として中央会さんの組織目的に合致しているという点を踏まえて、従来から金額ゼロで協定締結させていただいているものです。
5の指定期間は、令和6年度から5年間です。
6のスケジュールですが、6月中旬に審査要項を送付して、7月下旬に書類提出を受けた後、8月上旬の審査委員会を経て、最終的には9月議会の議決をいただいた上で10月中旬に指定するというスケジュールで進めたいと考えています。
7の審査方法についてです。外部からの4名の方に農林水産部次長を加えた計5名で構成する審査委員会において、指定管理候補者として適切かどうかを審査いただきます。選定基準については、県の公の施設における指定管理者の指定手続等に関する条例に基づき選定を行うこととしており、審査項目はこちらの表にお示しするとおりです。
◎鹿島委員長
報告5、鳥取県ため池監視システムの運用開始について及び報告6、「とっとり共生の里」の活動協定調印式について、森田農地・水保全課長の説明を求めます。
●森田農地・水保全課長
4ページをお願いします。鳥取県ため池監視システムの運用開始についてです。
決壊等によって下流住民等に影響を及ぼす危険のある防災重点農業ため池、防重ため池といいますが、これらの安全確保及び避難体制の強化を図るために、監視カメラ及び水位センサーを県下4市町25か所に設置して、令和5年4月1日よりシステム運用を開始したところです。
このシステムは、異常気象時等の遠隔監視により、安全確保及び避難体制を図るためのものです。
現在、鳥取県では令和4年度から令和6年度にかけて県が集中的に設置するということで、県内60か所に設置をする予定です。そのうち4年度に25か所を設置し、この4月1日から運用を開始したところです。
監視システムに係る通信料等ですが、県としてもこれらのシステムの運用を、設置を幅広く進めたいということで、市町村と同額の通信料等への補助を行っているところです。
整備状況ですが、先ほど25か所というお話をさせていただきました。その表にありますように25か所の設置を行ったところです。
北栄町については、町内に11か所ございます。それから、琴浦町内に2か所ありますが、受益等については北栄町です。この13か所、北栄町では全て設置されたということです。今年度についは10か所程度を目標に、現在作業を進めているところです。
続きまして、6ページをお願いします。「とっとり共生の里」の活動協定調印式についてです。
中山間地域の農村集落と企業が連携して、農業、農村の活性化につなげるとっとり共生の里について、次の2地区で活動協定の調印式を行いましたので報告します。
まず1、気高町殿地区です。鳥取市の気高町にございます。調印式ですが、令和5年3月8日に行っています。調印者として清水の恵みを守る会、企業としては明治安田生命保険相互会社です。
協定の概要ですが、令和5年4月1日から5年間、協定を締結されています。目的です。農地・農業用施設の保全管理はもとより、ソバの種まきとか加工品づくりといったものに取り組まれると聞いています。
続きまして、楠城地区です。鳥取市の国府町です。調印式は、令和5年5月23日に行っています。調印者として共生の里なわしろ、企業としては鳥取ガス株式会社です。
協定の概要ですが、協定期間は令和5年5月23日から5年間です。活動内容については、農地・農業用施設の保全管理をはじめとして、有害鳥獣捕獲、加工品づくり、集落内の交流施設を活用したイベント等を考えられています。
◎鹿島委員長
ただいままでの説明について、質疑等ありませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
ないようです。
次に、その他に移ります。
農林水産部第1部に関して、執行部、委員の方で何かございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
意見がないようです。
農林水産部第1部につきましては以上で終わります。
暫時休憩したいと思います。それでは、45分まで休憩いたします。
午後2時36分 休憩
午後2時45分 再開
◎鹿島委員長
それでは、再開いたします。
引き続き、農林水産部第2部に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いいたします。
なお、質疑等につきましては、説明終了後に一括して行うこととします。
それでは、関係課長から順次説明を求めます。
なお、報告第10号、長期継続契約の締結状況については、議案説明資料のとおりであり、特に説明は要しないこととします。
●濱江林政企画課長
19ページを御覧ください。とっとり出合いの森管理運営事業1,700万円の増額補正をお願いするものです。
令和6年度末までにとっとり出合いの森と旧少年自然の家跡地の新エリアを統合する予定でして、今あるとっとり出合いの森の園内トイレの改修及び両エリアを結ぶ連絡道の設計を行うものです。
60ページを御覧ください。令和4年度繰越明許費です。4の林業費の最初にございます林業成長産業化地域創出モデル事業費の繰越額ですが、額が確定したので御報告します。
●近藤県産材・林産振興課長
20ページをお願いします。間伐材搬出等事業です。2億3,700万円余の増額補正をお願いするものです。皆伐再造林が進行してきましたが、間伐が必要な森林は多くございまして、間伐材の有効活用を図るために間伐材の搬出に対する支援を行うものです。
事業内容にございますとおり、1立米2,400円定額の支援です。
21ページをお願いします。「木づかいの国とっとり」県産木製品輸出チャレンジ事業で440万円の増額をお願いするものです。皆伐再造林の進行に伴い木材出荷量が増加することを見据えて、海外への販路拡大を図りたいと思っています。
このたびは、台湾において県産製品の展示コーナーを設置するとともに、展示コーナーを活用した商談機会の確保、展示会等への出展等を予定しています。
22ページをお願いします。新規事業、県産材流通イノベーション推進事業で800万円余の増額をお願いするものです。県産材のサプライチェーンを構築するために、川上から川下までをICTで結ぶ木材流通システムなどの開発等を支援していきたいと思います。
事業内容です。2にあるとおり、鳥取県デジタル林業コンソーシアム、これは鳥取県森林組合連合会が中心になっている組織ですが、この組織が国の補助事業を活用して行うシステム開発等の支援を行いたいと思っています。あわせて、コンソーシアムの各構成メンバー等がこのシステムを活用していくために、アドバイザーを派遣したり必要な調査等を支援していきたいと思います。加えて、製材加工業者等が行います生産管理、歩留り向上など、技術向上のトライアル支援も行っていきたいと思います。
23ページをお願いします。(公共事業)林道事業です。3億500万円余の増額と、あわせて債務負担行為5,000万円をお願いするものです。この事業は、林内路網の幹線である林道を整備する事業です。
2にございますとおり、県営と団体営それぞれの事業メニューがございますが、国の認証に伴う増額補正です。
この事業については、42ページに補正予算説明資料として2番目で林道事業として記載しています。
また、45ページ、公共事業着工地区の概要ということで、県営10地区、団体営5地区を記載しています。
あわせて、56ページをお願いします。真ん中の県営森林環境保全整備林道事業で5,000万円の債務負担をお願いしているものです。
次に、60ページをお願いします。一般会計繰越明許費の繰越計算書です。これまでの議会で繰越を認めていただいた予算の範囲内で額が確定したので、報告するものです。関係するところは、4の林業費の2番目、低コスト林業機械リース等支援事業費から、4つ下がりまして特用林産生産資材価格高騰支援事業費までの計5事業、それから61ページに参りまして4の林業費、4番目の県営森林環境保全整備林道事業費から、6つ下りまして県営森林環境保全整備事業林道事業費の国補正まで計7事業、それから62ページに参りまして、これは農林水産施設災害復旧費で県営、団体それぞれ2事業について、繰越額が確定していますので報告するものです。
63ページをお願いします。事故繰越の繰越計算書です。4の林業費3事業、それから下の災害復旧費、県営林道施設災害と、それから64ページにございます団体営林道施設災害復旧事業費について、事故繰越となりました。主な理由としては、新型コロナの感染予防も影響していますが、令和3年7月の豪雨災害復旧工事が集中したことにより作業員等の確保が困難になったり、あるいは物流の停滞と資材の納期遅延等によって繰越しとなったもの、あるいは当初設計したとき想定した土質が異なったり地盤位置が異なったりということで、それの対策に所要の時間を要したことで、年度内の完了が困難になったということです。
●小林森林づくり推進課長
24ページをお願いします。森林病害虫防除事業で7,900万円余をお願いするものです。森林を健全な状態に保つことにより、森林の持つ公益的機能、高度発揮を維持することを目的として、松くい虫やナラ枯れなど森林病害虫の駆除及び蔓延防止対策を実施するものです。
主な事業内容ですが、まず、松くい虫被害対策です。春に実施する薬剤散布等の予防に係る経費は、当初予算で措置済みです。今回の補正では、秋以降の駆除に係る経費をお願いするものです。表の3の樹幹注入から6の民間活力による防除、その下の無人機散布検証といったところを今回の補正に上げています。
(2)ナラ枯れ被害対策も同様に、春の防除に係る部分は当初予算で措置済みですので、駆除対策、立木薫蒸や伐倒駆除、被害周辺木の駆除といったことを補正でお願いするものです。
次に、25ページをお願いします。目指せ!皆伐再造林150haプロジェクトで4,700万円余をお願いするものです。多くの人工林が利用期を迎えている一方で、木材需要の拡大や二酸化炭素の排出量削減といった観点から、森林の適正な管理に加えて森林資源の循環利用といったことが社会的に期待を寄せられているところです。このため、皆伐再造林の促進により森林の若返りを図ることとしており、令和7年度の目標、年間150ヘクタールの実現に向けて取り組んでいくものです。
主な事業内容としては、まず1つ目が皆伐再造林の取組促進で、有識者や関係団体等による協議会の開催、ICTやドローン等先進的技術や林業機械の導入といったことの効果調査を行うものです。
2番目に3大課題の解消ということで、これまでの取組の中で皆伐再造林の推進には3つの大きな課題があることが分かりました。1つは苗木生産対策で、しっかり苗を確保するために苗木生産に必要な種子を供給するための採種園の造成やコンテナ苗の生産に係る基盤施設や資機材の整備に取り組むことにしています。それから、2つ目に鳥獣被害対策です。苗を植えても鹿に食べられるという被害が出ていますので、鹿の新たな捕獲の手法、技術の普及等、それから捕獲活動の省力化、低コスト化といったことに取り組んでまいります。また、鹿だけでなくて野ウサギの被害なども見受けられるようになりましたので、野ウサギの対策での実施検証、に取り組んでまいります。それから、林地残材の対策につきましては、当初予算で措置済みです。
もう一つ、(3)取組を加速するための環境整備ということで、スマート林業実践事業、これは航空レーザー測量のデータを活用した路網の三次元設計ソフトの導入を支援してまいります。あと、皆伐材まるごと流通円滑化事業ということで、皆伐材の円滑な集荷を行うために中間土場を整備して、そこに搬入される木材の管理に要する経費を支援するものです。
26ページをお願いします。造林事業3億1,600万円余をお願いするものです。森林を適切に管理することにより森林の持つ公益的機能を高度に発揮させるために、一定の要件を満たす森林整備に対して支援を行うものです。
主な事業内容として3つ上げています。森林環境保全直接支援事業は森林所有者等が森林経営計画等に基づいて行う森林整備を支援するものです。それから、特定森林再生事業は松林を松以外の樹種に植え替える樹種転換等を支援するのが主な内容です。上記2事業の実施に伴う県費上乗せ、この3つをお願いするものです。いずれも国認証に伴う増額補正です。
着工地区の概要については、46ページに各事業の内訳を掲載していますので、御確認をお願いします。
27ページをお願いします。花粉発生源対策促進事業です。1億4,200万円余をお願いするものです。
今や国民病とも言われる花粉症ですが、発生する花粉の量を減らすための取組を行うものです。
事業内容としては、1つ目が発生源除去・少花粉品種への転換で、花粉発生源となっている杉やヒノキ、これらを伐採して、その後に例えば杉やヒノキであっても花粉の少ない品種や広葉樹等他の樹種への植え替えを支援するものです。それからもう一つは花粉対策苗木の供給力の向上で、他県の試験研究機関におきまして種子の発生率の向上に効果があったとされる方法について、本県の採種園での効果を検証するために必要な経費をお願いするものです。
繰越の関係ですが、60ページをお願いします。4の林業費で、60ページの下から4つ目、とっとり環境の森づくり事業費、ここから61ページの上から3つ目、造林事業費までの7件、及び、その林業費の一番下の3つ、治山事業関係の3件、合わせて10件について、繰越額が確定したので御報告します。
◎鹿島委員長
ただいまま説明がございましたので、ここで質疑等ありませんでしょうか。
○松田委員
22ページの県産材流通イノベーション推進事業です。システム開発・実装を行われるということですが、これは具体的にどういう感じでやられるのかをお示しいただけますでしょうか。
●近藤県産材・林産振興課長
これは、林野庁が公募した事業に森林組合連合会が中心となっている鳥取県デジタル林業コンソーシアムという組織が直接補助を受けて行うものですが、このシステム開発については、関係する製材所、木材搬出業者等々、金融機関も含めて入り込んでいまして、例えば森林組合ですと木材の伐採情報や、あるいは原木のストック情報、それから製材ですと製品のストック状況、それらと工務店さん等を一つにつなぐようなシステム開発を目指しておられます。全て国庫の中でやっていけると聞いています。
○松田委員
要は、まさに川上から川下までしっかりと県産材をデジタルを使って把握して、流通させていくということですよね。この中にいわゆるJAS認定とかというところも入ってくるのでしょうか。
●近藤県産材・林産振興課長
現在の検討の中ではJASはまだ入ってきていませんが、県として将来的に何とか検討してほしいという要望としてはお伝えしています。現在明らかに入っているのは、県産材の産地証明をデジタルで行っていくというようなやり方で、工務店さんがこれまで書類で求めていたものがデジタルですぐに瞬時に取得できるという仕組みを構築しようとしています。
○松田委員
JASについては県から要望しているということですね。(「はい、そうです」と呼ぶ者あり)
分かりました。もう一段強く要望されたほうがいいと思います。やはりもはや必要不可欠なものになってきていると思いますので、JAS認定がなければ正味補助金も出ないわけですし、その辺も含めて網羅的にできるように関係団体と折衝、また要請等々をお願いしたいと思います。
◎鹿島委員長
ほかにございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、次に移りたいと思います。
その他です。農林水産部第2部に関しての執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、意見がないようです。農林水産部第2部につきましては、以上で終わりたいと思います。
入替えのため、暫時休憩いたします。
午後3時03分 休憩
午後3時06分 再開
◎鹿島委員長
それでは、執行部がそろわれましたので再開いたします。
引き続き農林水産部第3部に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いいたします。
なお、質疑等につきましては、説明終了後に一括して行うこととします。
それでは、関係課長から順次説明を求めます。
●寺田水産振興課長
28ページをお願いします。漁業就業者確保対策事業について、3,800万円余の要求をするものです。
新規就業者が着業する際に必要となる経費負担の軽減を図る漁業経営開始円滑化事業について、当初予算を上回る申請があったための増額に加え、新たな取組として、漁業の複合化や海業等に取り組むことにより、漁業の経営安定化を目指した漁業就労体制の検討及び漁業の魅力を動画等で発信し、県内外へPRするための経費について増額をお願いするものです。
続きまして、29ページをお願いします。漁業者物価高騰対策事業(がんばる漁業者支援事業)について、390万円余の要求をするものです。この事業では、県内漁業者の漁業経営改善のための漁船改造や機器購入に対して支援することにより、経営能力の向上を図ることを目的としています。
このたびは、物価高騰を背景にして当初予算を上回る申請がございました。そのための増額補正をお願いするものです。
続きまして、30ページをお願いします。主要水産産地共同利用施設等整備事業について、220万円余の要求をするものです。
このたびの補正予算で対応する事業は、淀江地区の燃油供給施設です。事業費は670万円、燃油タンク及び燃油用の流量計のカードリーダーに対して、県3分の1、市6分の1の補助を行います。
続きまして、31ページです。【食パラダイス】売りたい・食べたいとっとりの魚発信プロジェクトについて、550万円余の要求をするものです。
これは、鳥取県産水産物のさらなる消費拡大を目的として昨年制定した四季の県魚、こちらの消費者もしくは小売店へのプロモーションを行う経費、量販店向けの販売促進方法の勉強会に関する経費及び魚食普及強化推進事業の補助金の希望者増加に対する増額をお願いするものです。
続きまして、32ページをお願いします。新規事業の栽培漁業用種苗生産物価高騰対策事業です。
この事業は、種苗生産経費の高騰分の一部を支援することにより、種苗の販売単価の高騰を抑えます。そして、漁業者の負担を軽減することを目的としています。310万円をお願いするものです。
続きまして、33ページをお願いします。こちらも新規事業です。がんばる養殖支援事業について、1,600万円を要求するものです。
こちらは、県内の意欲的な養殖業者の方の生産量増大や経営強化の取組を支援するものとなっています。
続きまして、57ページをお願いします。こちらは、令和4年度の一般会計継続費の繰越計算書についてです。特定漁港漁場整備事業費は境港の市場事業に関するものですが、今年度、令和5年度に逓次繰越しする額が8億4,000万円余上がっています。
●宮永栽培漁業センター所長
34ページを御覧ください。新規事業、夏輝の安定供給に向けたイワガキ増殖場再生試験事業です。619万3,000円をお願いするものです。
イワガキについては、平成25年から平成28年にかけて県内14か所にイワガキ礁を整備しましたが、7か所でイワガキの生育があまりよろしくない状況となっているということです。このため、増殖場として期待ができない状況になっています。
このイワガキの成長が不調だということについて栽培漁業センターで調査したところ、岩の上に設置してあるイワガキ礁で生育が悪くて、どうも岩の上に生息している肉食性巻き貝がイワガキの稚貝を食害することによってうまく機能していないのだろうということが分かってきました。このため、2、主な事業内容にあるように、7か所のうち4地区でイワガキ礁の一部を岩の上から、砂とイワガキとの境目に移設して、要はそういったところは肉食性の巻き貝が少ないので、食害を軽減できるのではないかということで移設試験を行いたいと考えているところです。
この試験がうまくいきまして、いい結果が得られた場合には、国の事業を活用して本格的な移植事業を行っていきたいなと考えているところです。
また、残る3地区については次年度以降、今年度の結果を見ながら移設試験について考えていきたいと考えています。
続きまして、57ページを御覧ください。同じく令和4年度の継続費繰越計算書です。栽培漁業センターについては、栽培漁業センター管理運営費の中で受変電施設の更新を行っているところですが、この翌年度の繰越額が2億3,800万円余となっています。
●氏漁業調整課長
35ページを御覧ください。ブルーカーボンによる鳥取の豊かな藻場再生プロジェクトで1,200万円余をお願いするものです。
全県的な藻場の分布や面積を調査することで、現在アラメの移植等を行っていますが、そういった移植場所の選定や、藻場造成を効率的に進めるとともに、これまで活動によって創設された藻場、特に本県ではアラメの藻場のCO2 吸収量を算定し、ブルーカーボンのクレジット化を進め、将来的には得られた資金を藻場の保全活動等に利用していくような推進体制を新たに構築するといった事業です。
調査の具体的な内容については、中ほどの表にございます。県内5海域において水中ビデオカメラや、あるいは音響機器を用いた現地調査とあわせて人工衛星画像の解析などを活用しながら藻場の種類ごとの分布図を作成するといった事業です。
続きまして、36ページを御覧ください。新規事業、沖合底引き網漁業操業効率向上調査事業で900万円余をお願いするものです。
沖合底引き網に混入します海底ごみ、近年増えてきています。こういったごみにより漁獲物の汚損や、あるいは網が破れたりといった問題が発生しています。そういったことを防止することによって操業の効率化を図り、生産額の増大につなげていくといった事業です。
沖合底引き網の休猟期に当たる6月から8月に、本県沖合の重要漁場になるアカガレイ、ズワイガニの保護育成礁周辺で、沖合底引き網の海底ごみを回収する調査を行います。調査点ごとに海底ごみについて種類や重量を調査しながら、ごみの本県沖合の分布を明らかにしていくといったものです。あわせて、回収したごみは陸上に持ち帰り処分するといった内容となっています。調査については、9月から漁期が始まりますが、そちらの参考としていくこととしています。
61ページを御覧ください。繰越明許費ということで水産業費の関係で3本事業を上げていますので、確認いただければと思います。
●山本販路拡大・輸出促進課長
37ページをお願いします。「食パラダイス鳥取県」お食事クーポン事業1億円をお願いするものです。
こちらは、コロナ禍において飲食店の需要喚起を目的に、お食事クーポン券の発行をしてまいりましたが、引き続き県民皆様で飲食店を応援するという機運の醸成のため、飲食店で販売・利用可能な食パラダイス鳥取県お食事クーポン券を発行するものです。
実施期間は9月から11月の閑散期、販売・利用については感染対策宣言店、補助限度額は1店舗当たり10万円、プレミアム率は10%です。
続きまして、38ページをお願いします。県産牛乳海外販路拡大支援事業で1,000万円をお願いするものです。
こちらは、県産牛乳の海外での販路拡大を図るため、大山乳業協同組合さんと輸出事業者が連携してコンソーシアムを形成し、香港向けの県産牛乳の輸出や販促活動に取り組まれるということから、その経費の一部を支援するものです。
この事業は、県を介して申請する国の畜産物輸出コンソーシアム推進対策事業を活用するため、その受皿となる県の補助事業の補正をお願いするものです。
対象事業につきましては、記載のとおりです。
58ページをお願いします。令和4年度の繰越明許費繰越計算書の上から2段目、新型コロナ安心対策認証店特別応援事業費(第3弾)です。こちらは、精算に係るものということで繰越をお願いするものです。
●藤田食のみやこ推進課長
39ページをお願いします。「食パラダイス鳥取県」推進事業です。食パラダイス鳥取県としての新たなブランド戦略を展開するために必要な経費として1億2,000万円の補正をお願いするものです。
新たに食パラダイス鳥取県アンバサダー認証制度を創設し、各店舗で御使用いただくのぼりなどの資材作成や集客促進のためのキャンペーン開催、また東京のアンテナショップと連携した食パラダイス鳥取県メディア発表会などのPRを行うものです。また、具体的な食の魅力アップの取組として、県外有名フルーツショップと連携し、県産の梨を用いたスイーツの開発やフェスタの開催、県外から有名シェフをお呼びして料理技術などの向上に係るセミナーの開催を行うものです。また、団体向け、個店向けそれぞれに食の磨き上げや多様な食ニーズへの対応にチャレンジいただく際の支援事業を創設するものです。また、首都圏を中心として、
ANA空輸と連携し、鮮度の高い魚介類など県産食材をお届けする新たな取組や、島根県と連携し、和牛のふるさと山陰と銘打ち、首都圏及び県内でのPR活動を展開したいと考えています。
次に、40ページをお願いします。学校や地域と連携した地産地消率向上支援事業で500万円の補正をお願いするものです。給食での県産食材使用率の維持、向上を図るため、市町村や
JAなどが行う県産食材供給の仕組みづくりや地域の食文化継承につながる活動などを支援する事業を創設するものです。
県産食材使用率を維持、向上いただくための具体策を検討するために推進会議を開催いただくとともに、必要な委託費や備品購入費、リース料、試作材料費などの必要な経費について補助する考えです。
次に、58ページをお願いします。令和4年度一般会計繰越明許費繰越計算書の3行目、4行目です。6次化・農商工連携支援事業費並びに「食のみやこ鳥取県」バージョンアップ事業費について、年度内完了が困難となったもの、あるいはバージョンアップ事業費については、2月に交付決定を行った事業について引き続き令和5年度に事業を行う必要があることから繰越を行うものです。
◎鹿島委員長
ただいま説明がありました。
これについて質疑等ありませんでしょうか。
○浜崎委員
39ページです。食パラダイスということで今課長がいろいろ説明されたけれども、これまでの食のみやこという言葉ですよね。お店の方もそうだし、それから作っておられる生産者もそうだし、ましてや我々お客さんとして出していただく鳥取県の人間、県外の人もおられるのかもしれないが、これはそういうことを広げる意味、観光誘客にも軸足を置くという意図もあるのかなと思うのだけれども、一番の大本はいわゆる食べ物ですよね。鳥取で作る部分もあるかもしれませんが、皆さんも御存じのように「食のみやこ鳥取県」の、鳥取で出す鳥取和牛やカニやシロイカであったり、食べることと言葉がどこまで因果関係があるかとなれば説明しにくいけれども、これは食のみやこ、また略して食みやという。何となく今までのイメージで申し上げますが、やはり「みやこ」という言葉は使われているけれども、我々が衣食住の中で一番大切にしている一つである食の部分で、「食のみやこ鳥取」に来たらいろんなおいしいものが食べられるのだよというイメージ、これが「食パラダイス」になったときには、観光というイメージもさっき申し上げたようにあるのかもしれない、広がるのだと私は思うわけです。
食のみやこから食パラダイスにと、言ってみると看板をかけ替えるような印象が私自身はするわけで、皆さんもいろいろ試行錯誤されながらこれを出されたと思う。そうはいうものの、PRということでいえば常に新しい打ち出しというものは必要である。だから否定はあえてしませんが、今言いましたように、みやこからパラダイスに替わるということで、いろんな広い範囲で観光誘客ということも知事も一生懸命だと理解しているわけですが、この軸足をそういう部分で置く意図だろうと思いますので、ぜひ頑張っていただけたらなと思います。けれども、この食のみやこという言葉が惜しいな。よその方がやはり「食のみやこ鳥取県」はということで、鳥取和牛やカニ、イカの好きな人は夏、私は冬のカニは値段があれだから夏のシロイカを食べに来るのだということを言われる方には、値段の問題ではないです、食べてみられたら値段の価値が十分分かりますからという説明もしながら夏も冬も来なさいという話をしているのです。いずれにしても、飲食店などの立場から見たときに、食のみやこ推進サポーターと、今度、食パラダイスアンバサダー登録、何が違うのかということで、これは食の関係者からしたらおいしいものを食べてもらう、店へ来ていただきたい、一生懸命生産する、それで一生懸命な方々ばかりですから、何か観点が、心配する向きが違うのではないかな。もしそうなったときにはまた登録が必要だというような負担感もありはしないだろうか。中身は一緒だと思うのですが、食のみやこ推進サポーターで登録されていった人が今度食パラダイスアンバサダー登録ということで、余計だと言ったらおかしいけれども、本来の食の直接の仕事とは違う部分で、登録が必要ということであれば、また余計に関係者の皆さんに負担をかけはしないだろうかと感じるわけです。
●岡垣農林水産部長
浜崎委員の檄というか、御心配は非常によく分かるということです。やはり今は食のみやこという名前が鳥取県というか、全国的にもある程度知られてきた中で、やはり今、何で食パラダイスなのだと言われるというのは、非常に分かるところであると思います。
実際のところは、前回、前々回の議会でも「食のみやこ」をどうやってバージョンアップするのだという議論がいろいろございました。そうした中で、我々としてもやはりいろいろ考えていかなければいけないといった中で、今回食パラダイス、略して食パラになるのかどうかは置いておいても、これを使ってやはり今までの食のみやことはワンランク違う次の段階に進んでいくのだというある意味、意思表示の一つでもあるということ。そして、実際にアンバサダーとサポーターと違うというのはあるのですが、やはりアンバサダーというのは今までとは違った取組をしていただく形になります。
ただ、だからといって、ではみんな単純にすげ替えるのではなくて、やはり食のみやこというのはまだ残していくのは事実です。食のみやこは全くなしで、みんなこれから食パラダイスだと一気に替えるわけではないということ。やはり併存していく中、食のみやこというのが好きな方もいらっしゃるので、併存してやっていこうと今進めていくというところです。
なかなか分かりにくいとは思うのですが、ただ、ワンランク上に我々としては上がっていきたいというところで、食パラダイスといった形の次のステージをシンボリックな形で進めていくものです。なかなか意に尽くせない、説明も全員協議会と同じく意の尽くせない説明でございましたが、以上です。
○浜崎委員
いや、全員協議会と同じなどとは一つも思いませんが、バージョンアップという言葉をおっしゃいました。確かにバージョンアップしていかないといけないということはあると思います。それは今まで気に入っていただいている、好かれているよさというものは変えずにバージョンアップということで、決してそれが名前だけかなと思ったりする部分もあるのですが、手っ取り早いという言い方でいけば、そういう方法論もあるのだろうとは思います。説明にも入っていたかもしれないけれども、やはり食パラという言い方でいくと、例えばたくさんの人に来ていただきたいという観光的なニュアンスも入ってくると思う。要は食べ物と、食ということでいえば、食のみやこというのはずばりなのですよね。これに関わってこられた農林の関係者、生産者の関係者、また飲食の関係者、我々、いわゆるユーザーも、やはり「食のみやこ鳥取」というのは定着している部分もある。だから今部長が言われた、これはこれで残していくのだとおっしゃった部分は大いにそれをつなげていただきたいとは思うけれども、ではそのときにどうというのは、私たちでは分かりにくい部分があります。県外の方も、「浜崎さん、『食みや』ですから」と略して言ってくれる。それはお肉を頂きながらの話でしたが、「食のみやこ鳥取」という言い方ではなくて「食みや」の鳥取でしょうと、こうやっていただくのは本当に、生産者でも何でもないけれども、鳥取県民の一人としてうれしいなと。
そういうことでね、やはりただ単に名前だけではなくて、イメージが定着しているという部分は、これを全部切ってしまうということではもったいない話だと。確かに食パラダイスという部分も知事の考えもそうなのかもしれませんが、要は鳥取をアピールしていくという観点からということだと思いますけれども、食のものと鳥取をアピールということは違うというところを大事にされて、食みやがあるからこそパラダイスという言葉も出てくるわけですから、そこのところはしっかりと生産者の顔も浮かべながら、飲食店の店主の顔も浮かべながら、ぜひよろしくお願いしたいと。
それはあまり大ごとにしようと思っていないけれども、ただ、鳥取人の思いとしては、やはり何でもかんでも全て鳥取がすばらしいということでもない部分もありますが、それだけで衣食住の中での「食のみやこ鳥取」という部分は大事にしていただきたい。関係者もそういう部分でまた余計に頑張るという可能性もあるのではないかな。パラダイスを否定するわけではないですよ。ということで、私の意見として言わせてもらいます。何かありましたら。
●岡垣農林水産部長
浜崎委員の非常に熱い思いを我々も受け止めながら、食のみやこ、食みやがまた食パラダイスという形でも次にというか、上に行けるような形でいろいろと頑張っていきたいと思います。ぜひ皆様のお力と御協力をいただければと思いますので、よろしくお願いします。
○松田委員
関連で。今、アンバサダー制度とサポーター制度は違うものだと説明があったのですが、今現在、これは店舗と事業者で分かれているのがよく分からないけれども、3,000ちょっとですか、これだけの数の方々がされていて、これをそのまま持っていくのではなくて、新たにアンバサダーとして登録しないといけないということですか。
●藤田食のみやこ推進課長
新たにアンバサダーに登録いただくことをお願いするもので、これから常任委員会提出資料の中でも御説明をするものです。
そのときにもまた改めて説明をさせていただこうと思いますが、現在サポーターになっていただいている方にも新たにアンバサダーへの登録をお願いするものでして、メールアドレスなどがこちらで把握できるものについてはメールで御案内さしあげる、あるいは往復はがきで御案内さしあげるものもございますし、電子申請フォームも御用意していまして、なるべくお手間のない形での新たな申請、登録をお願いするものです。
○松田委員
結局今、いろんな宣材、のぼり、ポップ、ステッカーだとかを山ほど配って、貼ったり掲示されているではないですか。これは捨てろということか。
●藤田食のみやこ推進課長
資源を大事にするという観点から、今はまだ計画段階ではあるのですが、想定としては各総合事務所などの入り口に回収のボックスなどを作ってはどうかと考えています。いずれにしても、資源を大事に再利用するということで計画したいと思っています。
○松田委員
最後にしますが、飲食店なり宿泊施設なりは登録するのに応募するわけではないですか。今までサポーターですと、県内の食材を使っていればいいぐらいだったと思うのですが、アンバサダーの登録、応募する場合、もうワンランクアップしろという話でしたが、何か特別な条件があるのでしょうか。
●藤田食のみやこ推進課長
各店舗にとっての新たなチャレンジをお願いするということで、それはそれぞれの創意工夫を凝らしていただいてチャレンジしていただくということでもって、食パラダイスに向けて一緒に頑張っていただきたいという思いです。
○福浜委員
今の説明でまたよく分からなくなったのですが、では、食のみやこサポーターで何が問題だったのでしょうか。つまり、僕も「食『材』のみやこ」とやゆして質問したことがあったのですが、来てもらってやはり満足していただくというのが食パラとしても食のみやことしても本当にあると思うのですよ。バージョンアップしていくと県が旗を揚げる以上、やはり一定程度のレベルが必要なのではないでしょうか。それを全部民間に丸投げして、新しい取組をしたから食パラはいいですよというのは、何か違うのではないかな。それで本当にレベルが上がっていくのですか。あまりにも無責任が過ぎませんか。それだと納得できないのですが。
食パラに替えて新たな一歩を踏み出していくというのは理解しましたし、知事も全員協議会で言われました。僕も政調・政審でクレームをつけた一人なので、何となく理解はしてきたのですよ。けれども、今の説明だと、事業者に全部任せて、新たな一歩を踏み出せばもうアンバサダーです。いや、アンバサダーとはそんなものではないでしょう。やはり一定レベルのものを求めないと、鳥取県は上がっていかないですよ。これは一回怒りではないですが、それで本当にいいのですか。どうなのですか。もう主催側として信念持ってやってもらわないと、食のみやこの伝統は本当に消えてしまいますよ。何を求めて食パラにするのですか、もう一回説明をお願いします。
●岡垣農林水産部長
まず最初に、藤田課長の説明が上手に伝わってなかったかなと思うのですが、アンバサダーになりますよといったときの一つ上の取組といっても我々も具体的にいろいろ考えていまして、例えばメニューがありますよね。今ですといろいろインバウンドの人たちが来ると。では、例えばメニューの中に中国語を加えるとか、仮にビーガンとかいろいろな方がおられますので、そういったメニューを開発するとか、様々な取組を加える方々をアンバサダーとして一つ上にやっていこうといった形のものを指定していこうということを藤田課長は言いたかったのですが、うまく伝わらなかったということで申し訳なかったです。
だから、例えばメニューも、例えばですが今ある鳥取和牛の様々なメニューをいろいろなところから有名レストランの方々と一緒に学んだりして開発をしたりとか、そういったことも踏まえて、自分たちも一つ上に行こうというところを示すところがあればという話をしたというところですね。
再度繰り返すことになりますが、やはり我々、今、「食のみやこ鳥取県」ということを確かにずっと、浜崎委員もおっしゃいました、かなり定着してきたと私も思います。実際にそうだと思います。ただ、「食パラダイス」というものは、それよりもさらに上に行きたいというのがあります。そのためにはどうするのかというところがあります。言葉だけで何かするものではないですが、やはり言葉というのは魂もあるものです。一つ上に上がるためには何かを変えていこうということで、上の段階のものとして食パラダイスという一つのフレーズというか、キャッチフレーズの中で我々は上を目指していこうという、ある意味そういう一つの思いというか、そういう運動という形の一つだと思っていただければと思っています。
○福浜委員
半分理解しました。
アンバサダーという言葉が持つ意味というのは、やはり食について、これは鳥取県のここどこでこんな形で作られて、こういうものですよ、だからすごいのですよとちゃんと紹介できないと、さっき言われたように、ただハラール対応をしていますとか、ただうちのところは松葉カニを使っていて、これはどうのこうのでいろいろな、県外の知見も取り入れてよりおいしくしていますぐらいでは、アンバサダーと言えないと僕は思うのですよ。言いたいことは、本当に真の意味で「食のみやこ鳥取」というのを打ち出すための食パラであるとするならば、やはり一定レベルちゃんと情報が伝えられるということも含めて何かレベルというのもつくらないと、また同じことの繰り返しになりはしませんかということなのです。それを事業者に新しい取組で、いや、うちはそれは無理だからこれだけやったらいいですで本当に認定していいのですかというところの本質が問いたいのですよ。分かりますか。(岡垣農林水産部長「分かります」と呼ぶ)
だから、部長が言っている説明も先ほど課長がおっしゃった説明も僕は大差ないと思っていて、半分は分かりましたが、その辺どうなのですか。僕はアンバサダーというのは重く考えていただきたいのですが、せっかく、ここまで全部またのぼりから何から作り替えていくのであれば、そこをやはり鳥取県がそれなりの認定という制度をちゃんとつくって、ここまでやってくださるのだったら認定しますよということでレベルが上がっていくものではないのですかと思うのです。サポーター制度はサポーター制度で残すのであれば、これも使ってください、けれども、さらに上のステップを目指して、そこはちゃんと紹介もしますというところまで行くのであれば、アンバサダーとして認めていいのではないかと思います。併用されるのだったら、もったいないからというのではなくて、鳥取県はこれこれメニューがあって、一個でもやってもらったらいいではなくて、サポーターはサポーターでありだと、その上にアンバサダーというのをつくりますと、そこまで皆さん上ってください、それはこういう条件ですというのをつけないと、来てくださった方に対してある面失礼ですよ。アンバサダーと思って行ってみたら何も紹介がなくてもアンバサダーになっているということが、今の説明だったらあり得るではないですか。本当にそれでいいのですかというところが問いたいのです。
●岡垣農林水産部長
実際のところ、今食のみやこサポーターになられている方々というのは非常に鳥取県のことをいろいろ、食材として愛されていて、実際にいろいろ紹介されている方も多いですよね。説明もされます。例えば僕のよく行く焼き肉屋さんは、実際に中国の方もよく来られるのですが、こういう肉はどういう肉かということを中国語なり英語なりでしゃべっていくというところがあるのです。食のみやこというところはあるのですが、ただ、そういう方々の努力を見ていて、やはり我々も、何らかの形でもう一つ上に鳥取県をPRしていきたいというのは一つあります。ただ、委員のおっしゃるようなハードルを上げて、そのハードルをクリアしたものだけを認定したらどうだという言い方だと思うのですが、そのハードルをどこに設定するかというところだと思います。そのハードルの設定についてはまたいろいろと考えてはいきたいとは思いますが、いきなり偏差値の高い大学レベルからスタートするか、そうでないところからスタートするかというのとは違うのだとは思うのです。やはり鳥取県としてはいきなり優秀な大学からスタートと……。
○福浜委員
分かりました。これで最後にしますが、今まさに部長がおっしゃったように、食のみやこでいろいろ努力をしていただいているところもあると。けれども、やはり上げるということは何か下のベースが必要だと僕は思うのですよ。そこが何になるのか分かりませんが、合っているか間違っているか分かりませんけれども、やはり一定のレベルというものは鳥取県から出して、応えていただくという形にしないと、これはここだけクリアしていればいいですみたいなものは違うのではないかなと僕は思います。せっかく食のみやこでそこまで頑張ってくださっている事業者が多いのであれば、そのレベルを合わせていくことも全体の底上げに一つ必要だと思うのですよ。どこに行ってもやはりすごいねと、食パラだねと言ってもらえるようになる、鳥取県に来て、やはり鳥取県に来なくてはいけないわというのが目的だと思うのですよ。では、そのために何が必要なのかともう一回御検討いただければありがたいです。
◎鹿島委員長
いいですね。
ほかにございませんか。
○浜田(一)委員
29ページに漁業者物価高高騰対策事業(がんばる漁業者支援事業)というがんばるシリーズが出ている。これは漁業者と銘打ってあるのですが、各漁港には氷屋さんがあるのですよね。製氷会社の皆さん、電気代が高騰している中でそういった支援をしますよとか、そういう支援体制があるのかどうなのか、そういったことを呼びかけ、声かけはやっているのかどうなのか、聞かせてください。
●寺田水産振興課長
製氷会社に対してのこういった支援というのは、今のところ水産業の中ではないところです。
鳥取県の各浜ですが、ほとんど製氷会社から氷を買っている形です。ほかの県では漁協自体が製氷機を持っていたりとかはするのですが、鳥取県内では製氷施設まで持っている漁協はほぼございませんで、持っているものは貯氷といいまして、冷凍庫を持っているというような状況です。
○浜田(一)委員
実際にもう事業をやめようかなという製氷会社もあるのですよね。やはり漁協は氷がなかったら仕事にならないわけですよ。そうすると、境でも米子でも、鳥取はもう多分あるのでしょうけれども、やはりそういう氷の会社は電気の塊ではないですか。だから、本当にそういったところを水産課としても積極的にどうですかという手を差し伸べるような取組というのが僕は必要だと思うのですよ。これはそういう声があったということで、今回こういうような支援策が出るみたいだから聞いてみるわと言ったのです。事業者を特化する場面が結構多いので、それだけではない、本当に電気に頼っている会社がたくさんあるということを、ああいう会社もあったなということをやはりいま一度理解をしてもらって、そういう支援をぜひしていただきたいなと思いますので、また聞き取りをぜひしてほしいと思います。
◎鹿島委員長
ほかにございませんか。
○鳥羽委員
先ほどの食パラのところです。部長がさっき御答弁されたところで一つだけ気になったのは、食のみやこを残すというお話をされていましたが、どのように残されるのかをお伺いしてもいいですか。
●岡垣農林水産部長
食のみやこという形のものでは、例えばお店さんがその名前を使って我々はやっていきたいと言われたら、それは使っていただいていいということです。そういう意味で残すということで、全く入れ替えるというのではないということです。
○鳥羽委員
いろんなのぼりやポスターというのは残っていくということだと思うのですが、それに食のみやことしてのお金は恐らく多少かかっていくのだと思います。食のパラダイスに替える理由は何なのだろうなと思って今日聞いていたのです。新しいことを打って出るということの、それ自体の大切さであったり、あとは魂という言葉も出ましたが、それが思い切って大胆に打って出ているにもかかわらず残すという選択肢があるというのは、何かヒト・モノ・カネを集中しないといけないこの小さな県にもかかわらずどちらもやっていく非効率さと、思い切ってやっているのか、それとも残すのかみたいな、むずがゆさがあると思うのです。食のパラダイスとして打って出る、グレードアップするのであれば、思い切って食のみやこという言葉はグレードダウンのものとしていかないとと思うのですが、いかがでしょうか。
●岡垣農林水産部長
今の言葉をかみしめて、またいろいろと考えていきたいと思います。よろしくお願いします。
◎鹿島委員長
ほかにございませんか。
○福浜委員
別件で、クレーム的な言葉が入ってきたので、魚食の関係なのですがいいですか。魚食の関係で追加の補正が出ていてよかったなと思うのですが、漁協関係から魚食イベントで教室を開いたときに、蟹取県だからカニを食材にしたときに、高いというところもあって県からストップがかかってしまって、最終的には結局何か気持ちよくやろうという気にならなかったので県の補助金を使わなかったという話を聞きました。確かに単価の問題というのは、そういう魚食普及のイベントでお客さんの単価が高過ぎるというところは県としては公平中立にとか県民のコンセンサスを得るためにとかいろいろ判断指標はあるのだろうなとは思いつつも、やはり蟹取県として売っているところで、例えば松葉ガニは使わないから親ガニぐらいだったらしいですが、親ガニも今、単価も物すごく上がっていますからそう簡単に使える食材ではないのかもしれません。では1人当たり半分に切ったものでやるという手もあるのかもしれませんが、なかなかその辺が現場と県のお考えと乖離があるのかなと危惧したものです。県の事情もよく分かりますが、やはり現場としては気持ちよく魚食をやっているのに、何でそこに対して県から文句を言われないといけないのだみたいな思いもあるのも事実でして、そこでそごが生じないように今後上手に県でも現場の空気感も大事にしながら、目標、目的は一緒ですから一緒になって頑張っていただけたらなと思いますので、よろしくお願いします。何かコメントがあれば。
●岡垣農林水産部長
また詳細についてはいろいろこちらで調べさせていただきたいと思います。またイベント等でやはりお互いに鳥取県を売り出していこうというところの気持ちは同じですので、一緒に頑張っていけるようにまた頑張ってやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
◎鹿島委員長
ほかにありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
では、2点私から。35ページのカキの養殖の話の中で音響というような言葉が出たのですが、これはどういうことなのかという点。それから、台湾に牛乳ということについて、本質的にTPPなどで加工乳云々の安いものを国が輸入しながら反対に出すということはいいことなのですが、それよりももっと10円でも何円でも価格を上げたほうがいいという普通の感覚なのですけれども、その辺の輸出と輸入の明確な考え方をお聞かせ願えたらと思います。
●氏漁業調整課長
35ページの音響の件です。この音響というのは、いわゆる魚群探知機とかソナーといった、音波を出して例えば魚群や海底といったものを調べる機械です。それを活用して海藻を音波で見ていくという技術です。あとは水中ビデオカメラといったものを併用して現場の調査を行うと。そういった形で使っているというものです。
●山本販路拡大・輸出促進課長
香港への牛乳の輸出ということで御質問をいただきました。実は香港の方が鳥取県にいらっしゃったときに、大山乳業の製品を飲まれて非常においしいということで、ぜひとも香港での展開も考えてみてはどうかというような大山乳業さんへの問いかけもございました。今現在、大山乳業さんはアイスクリームを韓国や香港といった地域に輸出していますが、今回新たに生乳もチャレンジするという事業を大山乳業さんで考えておられるということです。
●岡垣農林水産部長
先ほど委員長がおっしゃっていたのは10円でも高く、1円でも高く国内で売れればいいのではないかというところだと思うのですが、今、牛乳の価格が上がることで若干消費が落ちているのも事実です。そうした中で、先ほど山本課長も申し上げましたが、海外で高く牛乳を買ってくれるところがあればそれで販路を拡大する。そして、逆に言えば牛乳の価格も高く売ることができるので、そういうところでチャレンジしてみたいという大山乳業さんの意思がかなり強かったので、今回この事業をやらせていただいたというところです。
◎鹿島委員長
了解しました。
ほかにございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
そういたしますと、次に報告事項に移ります。
執行部の説明は、要領よく簡潔にお願いいたします。
質疑については、説明終了後に一括して行います。
境港クロマグロ初水揚げについて、山本境港水産事務所長の説明を求めます。
●山本境港水産事務所長
資料は7ページを御覧ください。夏の県魚の一つでもありますクロマグロの水揚げが始まりましたので、初水揚げについて報告します。
資料上部の表を御覧ください。初水揚げが5月25日に、境漁港において長崎県所属の第8源福丸により行われました。当日の水揚げ量は60.9トンで、水揚げ本数534本で、平均体重が114キロという大型の個体がたくさん水揚げされました。
この初水揚げのときの初競りに先立ちまして、表の下に写真がございますが、初競り式を行っておりまして、多くのマスコミ、報道機関に取り上げていただいています。
関連しましてPR活動についてですが、境港天然本マグロPR推進協議会によるPR活動を中心に行っています。その中でも、2つ目、6月18日日曜日に、コロナでしばらくお休みしていましたが、4年ぶりに第10回境港まぐろ感謝祭を開催予定にしています。新しくできた市場も一般の方に開放して、中に入っていただけるようにしたりして、さらにただでさえ安い地元のスーパーよりもさらにお安くマグロのお刺身が買えるとお聞きしていますので、お時間がある方には足を運んでいただければと思っています。
最後に、太平洋クロマグロの資源管理の取組ということで、資料の下段になります。今年度の日本海における漁獲枠は1,867トン、前年とほぼ同様ということで、これをもちまして業界からは今漁期の水揚げも昨年度と同じぐらいの量が7月上旬ぐらいまで続くであろうと言われています。
◎鹿島委員長
報告8、食パラダイス鳥取県アンバサダー募集開始について、藤田食のみやこ推進課長の説明を求めます。
●藤田食のみやこ推進課長
資料の8ページをお願いします。食パラダイス鳥取県アンバサダーの募集開始についてです。
アンバサダー登録制度は、「食のみやこ鳥取県」からのステージアップを図るために新たに創設するもので、趣旨に沿って積極的に活動いただける事業者様を登録することとして募集開始しています。
対象とする事業区分ですが、本県産の農林水産物や加工品を取り扱っていただく小売店、飲食店、宿泊施設、農林漁業者、食品製造業者、その他PR活動に積極的に御協力いただける企業、法人、団体等としています。
また、アンバサダーの店頭に飾っていただく、あるいは県内外、海外での県産品の販売促進活動などで用いることとしている新たな目印として食パラダイス鳥取県のロゴマークを、さきに行われた6月1日の知事記者会見時に製作発表させていただいています。鳥取県を象徴する砂丘の風紋をあしらった器にたくさんの県産農林水産物が詰め込まれたロゴデザインとなっています。今後多くの皆様になれ親しんでいただけますよう、当課としても尽力していく所存です。
◎鹿島委員長
次に、これについて質疑ありませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
ないようです。
それでは、農林水産部第3部に関して、執行部、委員の方でその他ありませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
意見がないようです。これで農林水産部につきましては終わりたいと思います。
なお、この後、委員の皆さんは御相談がございますので、お残りいただきますようにお願いいたします。
執行部の皆さんは御退席いただいて結構です。
(執行部退席)
お残りいただきましたのは、今年度第1回目の県内外調査及び出前県議会についてであります。
インターネット中継は継続していますので、発言の際はマイクに向かってお願いしたいと思います。
まず、アンケートを集約した結果等について、事務局から説明をお願いします。
●西村議会事務局調査課課長補佐
先ほど令和5年度農林水産商工常任委員会県内外調査等についてという一枚紙を配らせていただきました。先日お取りしましたアンケート結果に基づきまして結果を御報告します。
まず第1に、テーマの募集ですが、農業関連がほとんどでした。例えば堆肥や有機農業、緑の食料システム、先ほどの話題のものや、若者、女性という元気がある活動や農業大学校といったものが多く見られました。あと、畜産も少しあったところです。
日程について、いただいたアンケートを基に事前に何人か委員の方々にも相談をさせていただきながら、ここしかないのではないかという日程案を示させていただいています。
県外調査につきましては8月8日を移動日、8月9、10日を調査として10日に帰ってくるというのが一つです。
それと、出前県議会、県内調査は1日しか取れず、7月13日木曜日、日帰りというのを一つ案として示させていただいています。
調査テーマについては、これから御相談させていただきながらですが、これまで出てきているような農業関係を中心としたものを主体に、期間が短くて先方さんとの調整がありますが、できる中で取り組んでいきたいなと思っているところです。
◎鹿島委員長
おおむねこの案で今後調整を進めてよいか、御意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、最終的な調整については委員長に一任いただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
異議がないということで、そのようにさせていただきたいと思います。
詳細について、随時事務局から各委員の皆さんにお知らせ、御案内させていただきますので、よろしくお願いします。
以上をもちまして農林水産商工常任委員会を閉会いたします。
午後4時11分 閉会
|