令和5年度農林水産商工常任委員会議事録

令和5年8月21日会議録(確定版)

開催概要、資料はこちらです
出席者
(9名)
委員長
副委員長
委員
鹿島 功
鳥羽 喜一
福浜 隆宏
坂野 経三郎
松田 正
前原 茂
尾崎 薫
浜田 一哉
浜崎 晋一
欠席者
(なし)


 

説明のため出席した者
  池田商工労働部長、岡垣農林水産部長、小西企業局長 ほか各局次長、関係職員

職務のため出席した事務局職員
  西村課長補佐  田中(恭)課長補佐  福永主事

 

1 開会   午前9時59分

2 休憩   午前10時54分 / 午前11時36分 / 午前11時58分

3 再開   午前11時01分 / 午前11時28分 / 午前11時59分

4 閉会   午後0時01分

5 司会    鹿島委員長

6 会議録署名委員     松田委員  尾崎委員

7 付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり

会議の概要

午前9時59分 開会

◎鹿島委員長
 ただいまから農林水産商工常任委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきたいと思います。
 今回の常任委員会は、商工労働部及び企業局、農林水産部第1部、農林水産部第2部の順で執行部の入替えを行います。
 第1部が、農林水産政策課、経営支援課、農地・水保全課、水産振興課、林政企画課、第2部が、販路拡大・輸出促進課、食パラダイス推進課、以上の順に行いますので、あらかじめ御承知ください。
 なお、労働委員会については、報告事項がないため出席を求めないことにしていますので、併せて御承知ください。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 本日の会議録署名委員は、松田委員と尾崎委員にお願いしたいと思います。
 次に、執行部職員の紹介であります。
 各部局の職員につきましては、お手元に配付しております幹部名簿をもって紹介に代えさせていただきますので、皆さん、御承知ください。
 それでは、報告事項に入ります。
 執行部の皆様におかれましては、説明は要領よく簡潔にお願いいたします。
 質疑等については、説明終了後に一括して行いたいと思います。
 報告の前に、部長からお話があるそうです。

●池田商工労働部長
 紙は配付していませんが、台風7号による県内事業所の被災状況及び対応状況について少し報告させていただきたいと思います。
 台風7号、14日未明から15日にかけ、そして16日に我々も、商工団体、さらには事業者に直接電話をかけるなど、連絡を取り始めたところです。16日の段階では、盆でしたので、まだ開けていらっしゃらない事業所もかなりありました。
 17日、18日と週末にかけていろいろ取りまして、基本的には、浸水で泥が入ってきた、窓ガラスが壊れた、雨漏り、そういう被害に加えて、具体的な機器、施設、設備の被害がある事業者さんも徐々に把握できるようになりまして、金曜の段階で11事業所、鳥取で6事業所、三朝で5事業所で具体的な被害が明らかになってきたと。その中には、マスコミでも報道されている中井窯さんや、旅館大橋さんも当然含まれています。現時点でも、被害があったことは分かっても、まだ被災の程度や損害額は把握していない事業者さんが多数おられます。これからも出てくるのだろうと思いますので、そこはしっかりと把握してまいりたいと思います。
 個々の被害状況については、それぞれの対策会議で報告させていただくと同時に、金曜日には代表者会議を開いていただき専決予算を説明させていただくことになりました。現時点で取っているものは2つ、1つは、資金繰りの支援をさせていただくということで、台風7号に係る災害特別金融を発動させていただきました。それともう一つは、災害企業の復興に係る補助金制度を設けさせていただくということです。
 従来であれば融資制度が中心になり、令和3年度の豪雨のときも同様のことをさせていただきましたが、一定のコロナや物価高という今厳しい状況の中にある中で、全県的なこういう大きな被害があったということに鑑みて、市町村と協調する形で、利子を最大でゼロにできるような利子補給も組み合わせた資金の制度、そして、復旧、復興と併せて生産性や防災の能力を向上させるようなものにも対応できる補助制度、最大3分の2の200万円まで初動で対応できるような制度を今回設けさせていただくこととなりました。
 既に融資については、窓口で受付を開始していますし、補助金も本日から受付を開始させていただこうと思っていますので、できる限り我々からも声をかけさせていただいたりする形でしっかりと対応させていただこうと思います。

◎鹿島委員長
 それでは、報告1、株式会社ジャパンディスプレイ鳥取工場の動向と対応状況等について、田中立地戦略課長の説明を求めます。

●田中立地戦略課長
 商工労働部の資料の2ページをお願いします。株式会社ジャパンディスプレイが去る8月2日、鳥取工場に関する発表を行いましたので、その概要と対応状況等について御報告させていただきます。
 まず最初に、鳥取工場の概要ですが、資料の一番下をお願いします。現在、鳥取工場は、従業員約500名で、車載用ディスプレー事業の開発や製造の主力拠点となっています。
 1、ジャパンディスプレイの発表概要ですが、背景として、鳥取工場で生産するパネルは、古い世代の中小型パネルであり、大型化が進む中で新規需要は減少傾向にあるため、会社として、競争力強化の一環等として、鳥取工場でのパネル生産は令和7年3月末をもって終了する。生産終了後は、戦略拠点として事業を鳥取工場で継続して、車載の開発、設計、品質保証等の機能を維持し、さらなる拡大、発展に向けた活動を展開する。従業員は雇用を継続し、鳥取の拠点内または他拠点への配置転換等を予定というものでした。
 この発表を受けて、県と地元鳥取市で発表の翌日、8月3日に、情報連絡会議を開催しました。会議には知事と市長が出席して、互いの情報共有とジャパンディスプレイへの速やかな要望の実施、従業員等に対する必要な支援の適宜実施について当面取り組んでいくことを確認しました。
 3、要望概要についてです。8月7日、東京のジャパンディスプレイ本社において、平井知事と深澤市長がジャパンディスプレイのスコット・キャロンCEOに対して直接要望書を手交の上、要望を実施しました。要望書は、次の3ページに添付していますので、御覧になっていただければと思います。
 要望事項は、鳥取工場を引き続き事業活動の拠点として維持していただくこと、従業員や地域の不安解消への配慮と最大限雇用を守っていただくこと、そして土地、建物の利活用について、新たな事業での活用や他社との協業など、将来につながる取組を積極的に進めていただくということでした。この要望を受けましてスコット・キャロンCEOから、要望に応えられるよう最善、最大限の努力をすると回答があったとともに、ジャパンディスプレイ、鳥取県、鳥取市の3者での話合いのパイプをつくることを確認し、今後コミュニケーションを取りながら鳥取工場の発展のために協力していくこととなりました。
 4、今後の対応についてですが、会社側の動きを注視しつつ、3者での話合いを行い、連携しながら、要望させていただいた事項を中心に機動的に対応してまいりたいと考えています。

◎鹿島委員長
 次に、報告2、県内技術・素材を実装したEVの実験走行開始について、足立産業未来創造課参事の説明を求めます。

●足立産業未来創造課参事
 県内技術・素材を実装したEVの実験走行開始式ということで、現在、昨年度から国内外で急速に加速しているEVシフトに対応して、県内自動車サプライヤーの企業さんがいつでも新技術を実装できるEVのプラットフォームを構築したので、以下のとおり7月31日にセレモニーを開始しました。
 これは、県内企業が開発した技術、素材、部材をいつでも実装して、技術評価、自動車メーカーの評価、ユーザー評価を行って県内企業へ還元する仕組みです。そうしたことから、今回、1の写真にございますが、地元の用瀬にあるダイヘングループさんの協力を得て、太陽光と蓄電装置を兼ね備えたEVステーションの無償提供を受けて開始しています。この2台のEVのうち、1台に県内企業の実装をして、それを比較評価するというものです。
 2、EV実装評価プラットフォームの概要ですが、今回、脱炭素技術研究会、120社ある中にエコカーワーキンググループが46社あります。この46社の中で今回の事業を動かしています。この46社の中から各企業が技術開発しているステージがいろいろありまして、できたものから適用して改造してEVを走らせるという事業です。2ポツ目にありますが、このEVステーションを県内製造業や大学等に巡回設置して、事業所の社員とか学生さんのより多くのユーザーに評価していただこうと考えています。
 (1)県内サプライヤーの6社の概要を御覧ください。今回第1ステージとして、NOKのEV用の防振ゴムでやダイヘンさんの非接触充電システム、菊水フォージングさんの軽量化に向けたマグネシウム鍛造の足回りへの適用や、鳥取スター電機さんの最新式のドライブレコーダーのEV適用のデータ取り、伯耆のきのこさんのキノコによるレザーシートの開発、中原商店さんの因州和紙による天井材の開発等を第一弾として技術実装しました。
 (2)本プロジェクトの協力企業の役割を御覧ください。タジマモーターコーポレーションさんは国内で唯一のEV改造メーカーです。このタジマコーポレーションさんの御協力によってEVへの組み込み、実装、改造と、その組み込んだ素材、部材の評価もしていただくようになっています。
 2番目に智頭石油さん。智頭石油さんは、このEVを実際に運用したり、ユーザー評価を得たりする役割です。
ダイヘンさんは、先ほど申し上げたように、今回の事業にEVステーション2基を無償貸与していただくことで協力いただいています。そのほか国の産総研、地元の鳥取県産業技術センターさんでは、各企業が試作、開発したものの指導や部材の評価をしていただくという仕掛けになっています。
 今後の予定としては、このサプライヤー6社に限らず、エコカーワーキンググループは46社あり、各企業さんがそれぞれ今技術開発を行っています。そういったものを随時このEVに導入して評価し、技術的な課題点などをお返しして、市場参入への支援をしてまいりたいと思っています。

◎鹿島委員長
 報告3、委託先事業者による個人情報の漏洩について、衣川産業人材課長の説明を求めます。

●衣川産業人材課長
 別冊の2ページをお願いします。委託先の事業者から個人情報の漏えいがございましたので、その内容を報告させていただきます。
 県が株式会社インフラトップに委託をして実施しているデジタル専門人材育成・マッチング事業において、同社が保有する本事業の応募者に係るデータファイルの誤った操作によって、応募者1名分の個人情報が漏えいするという事案でした。
 事案判明後、直ちに当該ファイルを削除し、当該応募者に今回の経緯の説明と謝罪を行っています。今後は、同様の事案が起きないよう、再発防止を徹底し、個人情報の適切な管理に努めてまいります。
 具体的な事案の内容ですが、判明した日時は、8月17日木曜日の15時頃です。
 2、事案の概要です。本事業の応募者A氏の履歴書情報をインフラトップの担当者がエクセルファイルに様式を入力する際に、同社が別途行っている職業紹介サービスの利用者B氏のデータファイルをひな形として使用する目的でコピーし、そのコピーしたものにA氏の情報を上書きしてB氏専用のウェブ上の保存ドライブに保存をしたため、このB氏が当該ファイルを閲覧できる状況になっていたというものです。他人のデータが閲覧できることに気づいたB氏が会社に連絡して、判明したということです。
 発生の原因ですが、第三者、今回はB氏ですが、第三者に閲覧権限のあるウェブ上の保存ドライブ内のファイルをコピーする際に、本来は応募者本人のドライブに保存すべきところだったのですが、それを元のドライブに保存して作業してしまっていたということです。この作業を担当者が1人で行い、複数の職員によるチェックもできていなかったことで、この誤った操作を防ぐことができなかったと考えています。
 漏えいした情報です。デジタル専門人材育成・マッチング事業の応募者1名分の履歴書情報1件です。具体的には、氏名、生年月日、年齢、性別、現住所、携帯電話番号、メールアドレス、学歴、職歴、免許、資格となります。
 漏えいした期間、これはB氏が閲覧できる状況になっていた期間になりますが、8月16日の水曜日19時から翌17日木曜日の15時に当該ファイルを削除するまでの期間となっています。
 具体的な被害の状況ですが、今日の朝の時点で被害の報告はございません。
 経緯と対応の状況です。8月9日の10時過ぎにA氏が履歴書情報をウェブ上の応募フォームに入力して会社に提出されています。16日の18時41分、インフラトップの担当者が自社の職業紹介サービスで利用するB氏専用のウェブ上の保存ドライブ内でB氏の履歴ファイルをコピーし、それにA氏の情報を上書きして保存しました。同じ日の23時39分、B氏からインフラトップにLINEによってA氏の書類が閲覧できると連絡が入っています。
 翌日17日の12時に担当者がB氏からのLINEを確認し、調査を開始し、15時に担当者がB氏専用のウェブ上の保存ドライブ内にA氏のファイルを確認し、速やかに削除しています。その後、担当者がA氏に本件の説明のため電話をしましたが、このときは電話を取られませんでしたので、メールでいつ電話をしたらいいかを教えてくださいとお伝えしています。
 18日の10時20分にA氏から返信で14時に電話をお願いしますという連絡があり、その時間に担当者がA氏に対し本件の説明と謝罪を行い、御了承、御理解をいただきました。その後、16時30分に県に対して本件の報告があったという状況です。
 再発防止策についてですが、委託先の事業者に次の再発防止策を徹底するように指示しています。1点目は、個人情報の漏えいに関する防止策の理解を深めることで、今回のこの漏えいの事案を社内で共有することと防止策についての勉強会を実施すること。2点目として、個人情報を取り扱う際に、担当者を限定し、個人情報を取り扱う際には必ず責任者がその担当者に対して取扱いの方法を確認し、誤った作業をしていないことを確認するようにということを指示しています。
 最後になりますが、このたび当事者の方をはじめ皆様に御迷惑と御不安、御心配をおかけしまして、誠に申し訳ございませんでした。再発防止策を徹底して、個人情報の適切な管理に努めてまいる所存です。

◎鹿島委員長
 次、報告4、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告については、資料に記載のとおりですので、説明は省略します。
 報告5、令和5年度第1・四半期各事業実績について、山根経営企画課長の説明を求めます。

●山根経営企画課長
 企業局の報告資料の2ページをお願いします。令和5年度第1・四半期各事業実績について御報告します。
 初めに、電気事業です。
 販売電力量については、第1四半期の全体での実績は目標に対して102.5%、対前年比130.3%と、目標、対前年比とも上回りました。水力発電では、第1四半期の降水量が全県的に平年に比べて多かったことから目標に対して104.1%となり、対前年比でも142.4%と上回っています。風力発電では、第1四半期の平均風速が平年比117%と風況に恵まれたことから、目標に対して101.6%、対前年比でも154.2%と上回っています。太陽光発電では、日照時間はほぼ平年並みでしたが、中国電力ネットワークからの出力制御による停止要請があったことから、目標に対して91.6%、対前年比でも73.6%と下回っています。
 販売電力収入については、第1四半期全体での実績は、太陽光発電が目標発電量を下回ったことから、目標に対して97.6%と下回っていますが、対前年比では109.3%と上回っています。
 発電区分別の販売電力量、販売電力収入は、記載のとおりですので、御確認をお願いします。
 次に、工業用水道事業です。
 日野川工業用水については、新規契約及び増量がございまして、契約数88社、契約水量は3万5,240立米と、前年に比べ1,100立米増加しています。鳥取地区工業用水については、契約数は13社と増減はありませんでしたが、1社の契約水量の増によって契約水量は5,900立米と、前年に比べ300立米の増となっています。
 収入額については、日野川工業用水で240万円余の増、鳥取地区工業用水で110万円余の増となっています。
 最後に、埋立事業です。
 新規売却及び長期貸付け等については、6月の常任委員会でも報告させていただいていますが、旗ヶ崎工業団地において6月21日に株式会社大協ホールディングスに売却したところです。
 収入状況については、一括即納売却が1社7,600万円余、割賦販売が1社880万円余、長期貸付が11社4,200万円余で、第1四半期合計では1億2,700万円余となっているところです。

◎鹿島委員長
 次に、報告6、台風7号による佐治発電所内への浸水について、原工務課長の説明を求めます。

●原工務課長
 企業局の資料の3ページをお願いします。
 8月15日から16日の台風第7号の接近により、佐治発電所内へ雨水等の浸水がございましたので、報告します。
 なお、他の企業局施設の状況については、現在、点検を順次進めているところで、土砂流入のため発電停止中の水力発電施設、横瀬川、私都川がありますが、今後稼働予定ですと書いてあります。実は、横瀬川発電所は、先週の金曜日、復旧し、発電を再開したので、訂正させていただきます。
 まず、浸水の経緯です。8月15日の火曜日、13時21分に屋外施設への雨水等の浸水を検知し、その後、2時過ぎに火災報知設備への浸水による警報に連動して、水力発電機が安全に自動停止しました。夕方の16時ぐらいから河川水が越流を開始して、発電所の敷地内に浸水したことを確認しています。一番下の左側に、その状況写真をお示ししています。茶色い河川水が見てとれるかと思います。
 その後、午後5時過ぎに、遠隔制御用の情報伝送装置に故障が発生して、以降、各機器の状況が把握できない状況となっていましたが、屋外設置にしていたウェブカメラのみは電源が確保できており、その後、16日の16時までは稼働して状況の確認ができています。翌16日は、皆さん御存じのとおり、国道が通行止めで、被災調査ができませんでした。
 現地確認できたのが、2に書いています17日木曜日の午後です。最下層、地下5階は天井近くまで浸水をしたことは確認が取れました。その状況写真を右下に掲載しています。こちらは地下4階の床面から階段を見下ろした写真です。本来、階段がずっとこのまま下に続いていますが、水がある関係で階段が見えないという状況です。
 ちなみに、その右上に佐治発電所の断面図を参考に掲載しています。地上面から地下1階、2階、少し空間を空けて地下3階、地下4階、地下5階という構造になっています。一番最下層、地下5階に水車を設置しており、地下4階の間を空けて地下3階に発電機を設置しています。浸水したのは、水車を設置している地下5階という状況です。この地下5階の天井近くまでということですが、その他、地下1階から地下4階まで、各種機器について泥水をかぶったという状況が確認できています。
 今後の対応です。発電所内への浸水状況の詳細な調査並びに各種機器への影響がどの程度出ているのかを今後調査し、復旧作業に向かいたいと思っています。

◎鹿島委員長
 それでは、今までの説明について質問等はありませんか。

○福浜委員
 まず、ジャパンディスプレイです。令和7年3月以降は生産を終了して、開発、設計、研究部門だけが残るという形になるようですが、今の従業員500人のうち何人ぐらいが残る感じになりそうなのか。あと、土地、建物は、生産がストップするとどうしても必要ない土地、建物が出てくると思うのですが、その割合は現行に比べてどうなりそうなのか、概要が分からないので、教えてください。
 2点目のEVは、取組自体は非常に面白いし、ぜひともいろいろやっていただきたいのですが、今1つのEVカーの中の部品の大体何%ぐらい県内でカバーされているのかということと、目標数値としてどのぐらいまで持っていきたいというのがあれば教えていただきたい。過去、県庁の駐車場に1人乗りのEVカーがありましたが、結構、何か使われずにそのまま放置されているような現状、これはあくまで自分の認識で、実際と違っていたらごめんなさい。ただ、あまり使われていなかったのではないかな。今後、せっかくこういう実証事業をやってデータを取っていく上で、しっかり使っていただかないと駄目だと思うのですよ。その辺、ちゃんとできているのか。鳥大とかでも使っていただくような形にはなっているのですが、業者にお任せで、結局データが上がってこないということだったら話にならないので、ぜひその辺をしっかりと県で見ていただきたいというのが2点目。
 3点目の台風7号の佐治発電所です。越水が始まる以前から、どうやら地下に水が入っているという現状のように見てとれる報告ですが、なぜそういうことになっていたのか、その辺が分かれば教えていただきたい。

●田中立地戦略課長
 ジャパンディスプレイに関してです。
 2点御質問いただきましたが、まず従業員の方です。従業員の方については、製造ラインに
携わる従業員の120名が県外への拠点に移転するというような一部報道がありましたが、JDI
側に確認したところ、先ほど公表内容が出ていましたけれども、鳥取の拠点内または県外拠点への異動による雇用維持のみが決定しており、具体的なことはこれから検討するということでした。このため、少しでも希望する鳥取で働きたいという方が鳥取に残れるような格好で、先ほど要望でも申し上げましたが、3者でのコミュニケーションの中で一人でも多くの方が鳥取に残れるよう努力してまいりたいと考えています。
 土地、建物の割合ですが、これも現時点では未定です。そういったことも県としても、生産がなくなりましたら土地、建物というのが空くのではないかということもございましたので、この要望時に、ジャパンディスプレイの中での新たな事業での活用や、それから例えば他社に使っていただいたり、他社と何かするといったようなことを積極的にジャパンディスプレイ側からも進めていただきたいと。こういったことも、3者での鳥取市、県、それからジャパンディスプレイでの話合いの中でいろいろと話をしてまいりまして、もし県や市に何か支援すべきことがあるようでしたら、私どもも動いていきたいというようなことは考えていますが、現時点では、どれぐらい空くのかというのは未定です。

●足立産業未来創造課参事
 先ほどのこのEVの何%ぐらいというお話があったのですが、現在、EVの開発状況が進化しており、モーターや電池が小さくなったり軽量化、自動車メーカーさんの技術自体がどんどんどんどん今進化しています。一方で、EVに伴って自動運転といったデバイス系もコンピューティングの世界もどんどんどんどん広がって付加価値を高めるような動きをしています。そのために、なるべく県内企業の参入を支援したいのですが、研究会の中では、今年度これから各自動車メーカーさんの開発現場の方に来ていただいて、どういった新しい分野が広がっていくのかを勉強しながら、県内のサプライヤーが30~40社ありますが、皆さんがそういった要望も結構ありまして、どういったところに新しい機能や部材が入り込めるかというところを勉強しながら、各社が持っている技術を応用させながら、今回、新しく作る試作とかどんどん作っていきたいと思っています。
 今、国の産業技術総合研究所もうちの産業技術センターも県も各企業もそうですが、全貌が分かっていないのが現状です。今、自動車メーカーでさえ全ての車種の技術領域をカバーできていなくて、どんどん日々進化していっていますので、そこら辺をなるべく把握し、県内企業にその技術情報を提供しながら、県内企業のサプライヤーの皆さんが新分野としてどういったところに関わり合いができるのかを模索しながら、できたものを随時搭載して評価していくということを考えています。
 もう一つ、トヨタの1人乗り用のコムスの話がございました。今回の事業は、委員がおっしゃるように、なるべく多くのユーザーさんに乗ってもらわないと意味がございません。今回は、一般ユーザーだとなかなか乗り手が見つからないので、今までの実証実験の経緯を踏まえて、エコカーワーキンググループ46社の中で、結構協力を希望されている製造業の製造企業がありますので、そういったところを工業団地に設置して、例えば200~300人、400人ある企業の皆様に使っていただいて評価していただこうと考えています。
 もう一方で、鳥取市さんから申出があったのですが、鳥取市と連携して、鳥取環境大学に設置して、例えば鳥取環境大学の授業の中で組み込んでいただいて若葉台を1周させるとかという形――普通に貸出しをしてしまうとなかなか借りて乗ってくれないので、今回は、そういった形でユーザーさんに乗っていただいて、若者たちの意見や、そういった製造業に携わっていただいている社員の皆さんに乗っていただいて、より多くのユーザーの評価を得てサプライヤーの皆さんにお返ししたいと考えています。

●原工務課長
 越水前からの浸水があったのではないでしょうかという御質問についてお答えします。
 現地の詳細な調査ができていませんので、まだ流入のルートというのがなかなか確定できておりませんので、推測を交えての御説明になるので、御了承ください。
 まず、佐治発電所ですが、御指摘のとおり、越水が始まったのが16時頃というのはウェブカメラの状態で分かっています。17日の現地調査段階で、泥水をかぶっていたということから、越水した河川水も中に入ったことは確認できます。15日13時21分に検知してというので、実はこれは2回目に検知した関係で、午前中から実は通常業務として対応はしており、そのときは特に濁った水ではなかったことは現地で作業した人からの聞き取りができています。
 なので、こちらからは想像になって申し訳ないのですが、佐治発電所というのは後ろに山が当然あるわけですね。非常に大量の雨が降り、山からの下がり水が敷地内にものすごい勢いで落ちてくることが過去からございました。今までにない降雨量でしたので、推測ですが、その山からの下がり水が非常に多くて敷地内に浸入し、機器にそれが浸水という形で機器の故障をまずは引き起こしたと。その後、河川水が増えてきて、またそれが泥水となって機器にかぶさったというような2段階の被災ではないかと今は想像しています。
 詳細については、すみません、現地の調査等をもう少しした上でやっていきたいと思うのですが、水のルートというのは確定が非常に難しいものです。ですので、対策といっても、なかなか決定的なものが出るかどうか分かりませんが、その辺りをなるべく調査して、今後の被害を防止するというような形で持っていきたいと考えています。

○福浜委員
 3項目について詳細にお答えいただきましたので、大体把握ができました。
 ジャパンディスプレイについては、令和7年以降、いわゆる研究部門を集中的にという形になると思うのですが、できましたら、ほかにも例えば千葉県や石川県に生産拠点がありますけれども、研究部門は鳥取に持ってくるぐらいの勢いで、逆に優秀な人材を持ってくるような働きかけを県からも強力にやっていただきたいなということ。
 EVについては、言われたように、方向性が今の御説明で分かりましたので、県内の部品でとにかく造るのではなくて、いわゆるどんどんどんどんEVの市場に向かって県内技術を高めていって、うまくマッチングを図っていきながら、生産について鳥取県内の企業のブラッシュアップを図っていきたい、そのためのEVの実装というのが分かりましたので、ありがとうございました。
 佐治については、想定外の雨量だったと思うのですが、そもそも山の水が入ってくること自体があり得ない話だと思うので、今後、今回のことを教訓にして対策を図っていただければと思いますので、よろしくお願いします。

◎鹿島委員長
 ほかにございませんか。

○浜崎委員
 まず、先ほど説明があったジャパンディスプレイです。改めて、こういう状況になったということで、いつもながら知事はじめ執行部の皆さん、素早い対応だなと思っています。感謝を申し上げたいと思います。
 ただ、言ってみれば、今回の鳥取のジャパンディスプレイの事案は、時代の流れという要素もあると思います。ですから、やむを得ない部分も多くあるのだとは思うのだけれども、総論的な話を申し上げます。改めて従業員の雇用について、今回のジャパンディスプレイの資料に戦略拠点として事業継続ということが書いてあるわけですから、従業員の雇用の不安の対応等もしっかりやってもらわないといけないのだけれども、先ほど言いましたように、今後、事業の戦略拠点としての活動を本当の意味で展開できるように、こういう状況ですから今まで以上に余計に同社の動きをウオッチしていただいて、随時適切な対応をお願いしたいと。新たな事業戦略とおっしゃっているということですが、こういう流れの中で、やはりここはしっかり踏みとどまらないといけない、その辺は今の課長の説明でも十分感じられたのだけれども、改めてそのことを申し上げておきたい。
 それについてコメントがいただければということと、それから台風7号、佐治の発電所だけれども、これはたしか運転開始から40年ぐらいがたっているだろうか。(「はい」と呼ぶ者あり)そうでしょう。だから老朽化は当然進んでいると思う。
 皆さんも御案内のとおりだと思うのだけれども、この間、国連のグテーレス事務総長の地球沸騰化の時代に入ったという発言があって、私はこの言葉を非常に重く受け止めている。そういう発言もあったということからすれば、今後、想定外の災害がまた出てくる可能性は頻発化することが想定されるわけで、改めて各施設を点検して、県民の安全・安心という部分でしっかり維持できるように図っていただきたいというのが佐治の発電所の話。
 以上の2点をお願いしたいと思います。
 
●池田商工労働部長
 ジャパンディスプレイの件についてお答えします。
 時代の流れの中で、戦略拠点としてしっかり残していくということです。ジャパンディスプレイのこれまでの設備投資等々に関しても、我々もどちらかというとできる限り戦略的に働きかけてきた部分もございまして、そもそもスマホ、パネル、車載と様々な分野があるのですが、スマホやパソコンのパネルといった部分については、中国はじめ海外での多大な投資で、やはりコストメリット等がなくなってくる中で、なかなか厳しい状態が続いています。
 これまでジャパンディスプレイはいろいろ拠点を持っていたのですが、かなり縮小してきたり、茂原はスマホが強いですし、石川もそうです。そんな中で鳥取という拠点については、特にこれからの成長分野でもある車載に力点を入れ、そちらの投資に振り向けるような形で働きかけてきたということがございます。
 ですので、これまでもいわゆる車載の本社機能、営業、企画、技術関係の部門といったものを鳥取に固めていただくような形をずっと取ってきたと。それが今この時代に至って、物を造っていく製造という部分は、ジャパンディスプレイに言わせるとアセットライトという言い方をしています。できる限り絞りながら、戦略的な技術を使って海外の企業や国内の企業とも連携しながらやっていくという、どちらかというと自社の持っている技術をうまく使っていく方向には今後動いていくのだろうなと思っています。
 その中では、戦略的な車載の技術機能を鳥取に持ってきたところが生きてくる部分もあると思いますので、ここは我々もしっかり離さないように、まだまだ令和7年3月ということなので、正直もう少し時間があるかなと思っています。その中で、会社とホットラインを組んで、県内に残っていただき、県内の優秀な人材を使っていただけるようなことがどういう形でできるかは、鳥取市とも連携しながらしっかり働きかけていくということを我々はやっていきたいなと思っています。

●小西企業局長
 発電所の点検の件です。実はこの佐治については、何年か前にもすごい大水が出て企業局の発電所の管理道などもやられて、復旧に当たっていたところですが、多分直したばかりでまた崩れているのだろうなと思っています。今回の大雨も何十年に一度と言われていますが、もう何十年も来ないだろうという考えではなく、何年か後にはまた同じようなものが来るかもしれないということを想定して、対策、復旧に当たりたいと思いますし、ほかの施設の老朽化も進んでいますので、改めて点検して、必要であれば、工業用水も含めて対策を講じていきたいと考えています。

○浜崎委員
 今のジャパンディスプレイの話だけれども、説明があったことはお聞きしました。先ほど言われたように、この自社の技術というのは、鳥取県の資産、県民の立場から踏まえても大事な資産になっていくと。令和7年3月までとあったのだけれども、ある意味でいったら、ここからスタートということで、その新たな事業戦略という位置づけからも、あるものを大事に保っていくと同時に、ここからのスタートと私が申し上げたのは、これからという部分で先ほど説明いただいたわけだが、しっかりやっていただきたいと思います。
 今の流れからして大変な状況だということは十分分かるのだけれども、そうは言ってもあるものをどう継続させていくかということからいっても、取りあえず令和7年3月までという中で、新しい動きというか、考え方の下でここからスタートしていただいて、ひいては、この令和7年3月時点で、また新しい値打ちなり、そういったものが、結局は県民に返ってくるわけですから、そこのところをしっかりと対応してもらいたいということを改めてもう一遍お願いをしておきます。
 小西企業局長からの話だけれども、何十年、鳥取も災害というのはなかった。今回の台風でも、いつもだったら、皆さんも御案内のとおり、台風というのは大体鳥取は避けるのである。ところが、今回は、NHKのニュース、ほかのニュースを見ていても直撃のような状況で、台風の進路に完全に当たったということです。
 そういうことからすると、今のやはり気象条件、温暖化という流れの中で、先ほど局長もおっしゃったように、またあるかもということは当然考えられる。先ほど言いましたように、今まであまり台風の線で鳥取が当たることはほとんどなかった。けれども、先ほど小西さんが言われたように、これからはまたあるかもということがありますし、それと、やはり何といっても老朽化している現状を踏まえて、今まで以上に、災害が来なくてもそこのところを改めて今回のことを受けてしっかりチェックしていただきたいということをお願いしておきます。

◎鹿島委員長
 要望でいいですね。

○浜崎委員
 ええ、要望で。部長と目が合ったから、もしコメントがあれば。

●池田商工労働部長
 改めまして、このたび早い段階でジャパンディスプレイ社の幹部と知事、そして深澤市長と意思疎通が図れたのは非常に大きなことだと思っています。その中で、我々担当の部局としても、この社と常に情報交換、意思疎通を図りながら、当然、経営判断に係る部分なのでなかなか出しにくい部分はあろうかと思うのですが、そこは、我々、長い付き合いの中で鳥取工場をはじめ、お話しできるような環境には一定程度あると思っています。我々の希望、従業員さんの声をしっかり反映いただけるような形で何とかいい方向に持っていけるように努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。

○尾崎委員
 私もジャパンディスプレイに関しては同じことをずっと思っているのですが、以前、三洋さんが同じような場所にあって、それからジャパンディスプレイになったと。三洋さんのときも1,500人以上ですか、従業員さんがおられたり、大変だったと思いますが、今回もやはり500人といえばかなりの人数です。しっかりとそこは私たちも応援していきたいので、やっていっていただきたいなとお願いを1つしておきます。
 これは商工労働部さんに言うのがいいのかどうか分かりませんが、災害についてです。佐治、用瀬、安蔵とか見せていただいたのですが、1つ商工労働さんに関わるかなと思うところにおいて、小水力の発電をされている別府の集落は発電機が水没してしまって、知事にも見てもらったとおっしゃっていましたけれども、それが今後1年はもう稼働ができないだろうというようなこともおっしゃっていました。その稼働するまでの間や、発電機の補償、保険もありますが、そういったことがなかなか地元だけではできないことも多いだろうと思います。その辺の支援はどうかなということをお聞きしていますが、いかがでしょうか。

●池田商工労働部長
 今仔細に状況が分からない部分がありますので、しっかり確認させていただきたいと思います。どこが主体でやっておられるかを含めて確認しながら、何が対応できるかをしっかり確認してまいりたいと思います。

○尾崎委員
 よろしくお願いします。

◎鹿島委員長
 ほかにございませんか。
 それでは、商工労働部及び企業局に関して、執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。

●河野商工政策課長
 今日、配付資料で、サプライチェーンのCO2 排出量の見える化・削減の取組というチラシを1枚つけています。6月補正予算でお認めいただいたセミナーをいよいよ9月1日に開催させていただきます。尾崎委員からもカーボンフットプリントという取組で御関心いただいていたものです。
 このたび、国の政府の検討委員会の委員、自動車部品の大手、食品流通の大手といったところから講演を御快諾いただいたものですから、非常に貴重な機会になろうかと思って、今、県内事業者さんに御案内もしています。先ほど議長から国連の話もありましたが、こういったCO2 削減という話は産業部門においても今後かなりの重要なポイントを占めてくるところもありますので、貴重な機会ということで、委員の皆さんで、もしも関心のある企業様がおられましたら御案内いただければ幸いです。

◎鹿島委員長
 意見も尽きたようです。商工労働部及び企業局につきましては以上で終わりたいと思います。
 暫時休憩したいと思います。


午前10時54分 休憩
午前11時01分 再開

◎鹿島委員長
 再開いたします。
 引き続き農林水産部第1部について行いたいと思います。
 執行部の皆さんにおかれましては、説明は要領よく簡潔にお願いしたいと思います。
 質疑につきましても、説明終了後に一括して行いたいと思います。
 初めに、農林水産部長より挨拶があります。

●岡垣農林水産部長
 先日、8月17日のあの台風7号の被害、農林水産業で大体28億円以上と見込まれているということで、非常に甚大な被害になっています。そうした中で、先日、専決予算、代表者会議で皆さんに予算を認めていただき、本当にありがとうございました。
 農林水産部としましては、迅速な復旧、そして復興へ結びつけるようにいろいろと努力してまいりますので、委員の皆様の御協力、よろしくお願いします。

◎鹿島委員長
 それでは、報告に入りたいと思います。
 報告7、令和5年台風第7号に係る農林水産業被害について、中村農林水産政策課参事の説明を求めます。

●中村農林水産政策課参事
 資料の2ページをお願いします。8月15日に本県に最接近した台風第7号によって、県東中部を中心に生じた農林水産被害の状況と、部長からもございました8月専決予算時の予算等を活用した復旧支援などの対応状況について御報告します。
 まず、被害の概況です。災害から1週間で現在も継続して被害状況を調査しているところですが、8月18日13時時点で把握できた被害として、農作物並びに農業用施設においては、鳥取市、八頭町の果樹園の土砂の崩落あるいは果樹棚の損傷といったこと、中部の市町も含むエリアでの白ネギ、大豆等の冠水や水田への土砂流入のほか、鳥取市では牛舎への土砂流入も生じるなど、被害額としては2億円を想定しているところです。
 また、農地・土地改良施設においては、鳥取市、八頭町、三朝町などで水田ののり面崩壊、農道の崩落、さらには水路の破損等が生じて、20億円を超える被害が想定されるほか、広いエリアで林道等の路肩崩壊が確認され、その被害は6億円以上と見込まれます。農林業被害全体で28億円以上の規模を現在想定している状況です。
 こうした被害を踏まえた対応状況ですが、まずもって早期復旧に向けた対策の準備でして、ハウスや果樹棚の復旧、冠水等の被害を受けた園芸品目の緊急防除、畜舎の消毒や農地、林道の復旧のほか、風評被害を防ぐための対策について、記載の事業のとおり、知事専決で速やかに対応してまいります。
 また、一昨日の8月19日、谷防災担当大臣による被災地の視察が行われ、その際、激甚災害の早期指定や災害査定の迅速化のほか、必要な復旧予算の確保と積極的な財政支援について大臣への要望を実施したところです。
 今後の対応としては、農地・土地改良施設、林道等の復旧に向けて激甚災害の指定を国に要望するとともに、専決予算に加えて、本格復旧に向けての所要経費を9月補正予算で検討する予定としています。
 また、本日、直接的かつ至急の人的支援として、災害応援隊として職員での支援隊を結成しています。被災園の土砂撤去作業などに今日まさに着手しているところです。一日でも早く農家の生活、営農が平常に戻るように復旧に尽力してまいる所存です。

◎鹿島委員長
 次、報告8、鳥取県農作業死亡事故警報の発令と緊急啓発活動の実施について、丸田経営支援課長の説明を求めます。

●丸田経営支援課長
 農作業死亡事故警報の発令と緊急啓発活動の実施について御報告させていただきます。
 8月13日に琴浦町内において農作業死亡事故が発生しました。県、JAグループ、市町村などで構成する鳥取県農作業安全・農機具盗難防止協議会においては、鳥取県農作業死亡事故警報を発令しまして、緊急かつ重点的な啓発活動を全県的に実施し、農作業事故防止対策を進めてまいる所存です。
 まず、事故の概要を御報告させていただきます。
 発生日時が8月13日日曜日、発生場所が琴浦町の梨の果樹園内、事故者の方は琴浦町の70代の男性です。概要についてですが、午後2時20分頃、連絡がつかなくなった事故者の家族が探しに行ったところ、果樹園内に止まっていた乗用農薬散布車、スピードスプレーヤーの隣に倒れているのを発見されて、その場で死亡が確認されました。現場の状況から、スピードスプレーヤーと果樹棚の間に体が挟まれて、胸部圧迫による死亡と推察されました。
 これを受けて、8月18日の午前に、本年度第2回の農作業死亡事故対策会議を開催し、警報等の発令について協議を行っています。その結果、警報の発令日を8月18日金曜日、発令期間を31日までの14日間ということで発令しています。通常、農作業死亡事故の啓発を春と秋に行っているわけですが、その秋の運動が9月1日から10月末です。警報を8月31日まで発令して、切れ目なく秋の農作業安全運動に移行するということで、この期間にしています。
 実施する啓発活動ですが、まず(1)、メディアを活用した広報ということで、テレビやケーブルテレビ等のコマーシャル、ラジオ、LINEやYou Tubeでの広告、啓発チラシの作成と農業者への配布、伝達、市町村段階における防災無線、行政無線、各組織におけるホームページでの周知を実施します。
 また、JA営農指導員、農業委員、改良普及員、農機具メーカーの職員、お店などで農業者への注意を喚起しますし、市町村、県については、公用車にマグネットシートをしまして安全の啓発を行うと。あと、総合事務所、市町村の役場等でのぼりを掲出して注意を喚起することにしています。特に事故発生した琴浦町には活動の強化を強く要請しているところです。
 その下、参考として、農作業安全・農機具盗難防止協議会の概要、これまでの過去の農作業事故の発生状況と、県の支援策として、農作業安全対策事業の概要について載せています。

◎鹿島委員長
 それでは、報告9、第14回中海会議の開催結果について、森田農地・水保全課長の説明を求めます。

●森田農地・水保全課長
 4ページをお願いします。第14回中海会議の開催結果について報告させていただきます。
 先週8月17日に、中海に関する諸問題を協議検討する第14回中海会議が松江市で行われました。出席者は、国交省、農林水産省、鳥取県知事、島根県知事、中海沿岸の米子市長、境港市長、松江市長、安来市長のメンバーで構成される会議です。
 この中で4つの部会等を設置しているわけですが、農林水産部に関係する中海沿岸農地の排水不良並びに中海の利活用について報告させていただきます。
 まず、中海沿岸農地の排水不良については、崎津地区でモデル圃場の約3ヘクタールを整備しているところで、こちらが約97%完了したという報告がされています。排水不良対策を行った農地においては、白ネギなどが作付され、地元からは水はけがよくなったという声をいただいているところです。引き続き残土情報を提供いただくようお願いしたところです。あわせて、彦名地区で約0.7ヘクタールの整備をしていますが、これも昨年度完成したことが報告されたところです。
 続きまして、中海の利活用についてです。
 中海の利活用については、様々な方面から検討されていますが、農林水産部として、水産資源の活用回復について報告させていただいているところです。
 報告の内容は、漁獲量の減や未排水の傾向等についてです。また、水産資源状況の因果関係については、継続してモニタリングを実施するということが報告されています。また、テナガエビやアサリ稚貝が確認されたことから、こういったものが活用できないか、今後検討していくということが報告されたところです。

◎鹿島委員長
 それでは、とっとり出合いの森新エリア(旧鳥取少年自然の家跡地)の整備状況と愛称の決定について、濱江林政企画課長の説明を求めます。

●濱江林政企画課長
 5ページを御覧ください。来年度後半には、旧鳥取少年自然の家跡地をとっとり出合いの森の新エリアとして一体的に管理してまいりますので、その整備状況と愛称の決定について今回御報告させていただきます。
 新エリアの整備概要ですが、整備面積は新エリアの面積が9ヘクタール、既存エリアと合わせて今度85ヘクタールとなります。
 施設概要ですが、6ページに、現在あるとっとり出合いの森の位置図と新エリアの位置図、そして下段に、新たに新エリアで施設整備をやっていくイメージ図を載せています。
 簡単にイメージ図を説明させていただきます。
 機能によって広場の名前をつけています。例えば空の広場では、湖山池を一望できる美しい眺望と絶景ブランコを整備してまいります。光の広場は一番高いところに位置する場所ですが、昔、天体観測棟がございまして、それを解体して展望台として360度見渡せるような場所にしたいと思っています。
 また、森の広場、これは下にある広場ですが、休憩舎、トイレを完備しまして、天然芝スペースの憩いの空間として整備してまいります。またあわせて、天然芝を活用した西日本最大級、全長45メートルぐらいの巨大滑り台も整備する予定です。
 5ページに戻っていただけませんでしょうか。2、新エリアの愛称の決定ですが、地元が実施されたアンケート結果を参考にして、湖山池天空エリアと命名することが決定しました。
 3の今後のスケジュールですが、今月8月から造成工事に着手してまいります。来年3月までにはアクセス道、駐車場、広場整備等を完成させて、来年度春からは、休憩舎、トイレ、展望台、遊具設備等に着手する予定です。また、来年10月には全工事を完了して、11月頃には新エリアをオープンして式典を開催したいという計画です。

◎鹿島委員長
 次、報告14、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告については、資料に記載のとおりでありますので、説明は省略します。
 今までの説明について、質疑等はありませんでしょうか。

○浜崎委員
 台風7号の農林水産業被害で、改めてお願いということですが、ここにも書いてあるように、28億円以上の規模の見込みということで、すごい被害、これから進んでいくともっとこの数字が増えていくかもしれないという状況です。そういう中で、被害の全容はだんだんと分かってくるだろうと。当初この台風が起きたときも、知事からは、これからしっかり精査をしてということはおっしゃっていましたが、たまたま視察があったものですから、そのときに一緒に行ったときに、そういうお話もありました。そういうことで、全容も見えてきつつあるということですが、ここに出している専決処分の予算をしっかり活用してもらいたい。
 御案内のとおりというか、皆さんもよく分かっておられると思うけれども、風評被害がものすごいのだ。この間もちょうど八頭であるとか気高方面にも行ったのだけれども、かなりの被害で、風評という言い方をしてしまうのも、実際まちなかというよりも、やはり旧郡部でそういう流れがあってということもあるわけです。要はそういう部分からすると、そういった風評被害対策ということを含めてこの専決処分の内容を活用してもらって、しっかりとした取組を改めてお願いしたいということを私から申し上げておきますので、部長からコメントをお願いしたいと思います。

●岡垣農林水産部長
 先ほど浜崎委員からもございました、かなり特に東部と中部と、あと三朝が非常に大きな被害があったということです。
 特に農業被害については、水田に水が行かないと。昨日も実は知事と一緒に被害状況を回ってきたところだったのですが、今、稲に水が必要なときに、ちょうど穂が生える水が必要なときに水が行かないというのは言われました。そういった被害が直ちに直るように簡易的に直していただいて、すぐに我々としても十分な措置ができるような形で支援していくという形でお答えをしていますし、対応していきたいと思っています。そこら辺は、何とか我々としても、鳥取県の農林水産物が風評被害に遭わない、また、実際に被害に遭わないような形で何とか対応していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○浜崎委員
 それで、またいろんな意見がこれからも出てくる、そういったタイミングに入っていると思います。今の状況でもう分かっているということではなくて、こういうことだということで決めてしまわないように、また新たな状況がこれから出てくる部分もあるかもしれませんので、県民の声とかいろいろあるのだけれども、今までの立場からいろいろルートがあると思いますので、そういった情報収集をしっかりと今後も、農林水産部としても、どんどんその辺の状況を、ぜひそこも含めてしっかりとした対応をお願いしたいと思います。

○前原委員
 気にしているところは、先ほどの台風7号の被害で園芸品目がたくさんあって、特に生育中の白ネギや大豆とか、大豆はこれからの収穫だと思うのですが、それからブロッコリーなどもこれは多分殺菌剤を入れないとかなり厳しいのかなと思うのです。あと、軟弱野菜がとても心配で、ハウスの中の軟弱野菜というものも出てくると思うので、時間がかかると思いますけれども、今、調査中だと思いますが、品目別の被害額等が出てくるのかどうかを教えてください。

●岡垣農林水産部長
 実際、様々な品目からこういう被害があるよと、今かなり共済さんがいろいろと調べておられるということで、品目ごとの金額等も出てくると思いますので、また御報告はさせていただきます。よろしくお願いします。

○前原委員
 分かりました。よろしくお願いします。

○福浜委員
 自分は佐治に上ったのですが、河原を含めて、部長がおっしゃった今こそ水田にまだ水が欲しいのに取れない状況のところが複数あるので、本当におっしゃったように、早急に今々欲しいが来ていないところで非常に不安感を抱えていらっしゃる。それから梨の園自体は、多少土砂が入っているところはたくさんありますが、自分のところは大丈夫なのだけれど、誘導路がものすごく損壊していて、特に佐治は、国道でさえああいう状況ですから自分も怖くて林道まで入れなかったです。本当に悲惨だろうなということを考えると、佐治の梨の出荷、東郷に比べると比較的遅い状況なので時間的にはもう少しかかれるのかなと思いつつも、本当に間に合うのだろうかと危惧している人もいらっしゃって、その辺の見通しとかはいかがでしょうか。

●岡垣農林水産部長
 今、福浜委員がおっしゃったところをちょうど見に行きまして、実際、知事も視察されたところもございます。そのときに実際に園主さんとかと話をさせていただきましたが、我々としましても、援農隊を組ませていただきますし、また、JAグループ、いなば農協さんがかなり前向きにいろいろな対応をさせていただくということで、人力の形でするとか、あと、農道はかなり崩れたところも早急に対応するという形で進めていこうという話もさせていただいたところで、早めの対応を考えているところです。
 また、水についても、先ほども申しましたが、農家さんの皆さんもやはり水がないというのは非常に不安に思っておられるということで、自らでも遠くから水を引いたりとかいろいろされています。そういったところも対応ができるような形で我々も援助というか、助言というか、いろいろさせていただきたいと思います。何とか鳥取県の農作物を守っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○福浜委員
 作業死亡事故の件です。前回も同じようなスピードスプレーヤーの事故の報告があったと思うのですが、なかなかゼロにするのは難しいなということを改めて痛感させられました。
 例えば農作業車にステッカーを貼るとか、目線で毎日気をつけようというようなことを自ら目で訴えるような何かできないかなというのを某所で伊藤議員とも話をしたこともあるのですが、もう少し作業される方の視覚に訴えるようなことも必要なのではないかなとも感じたので、一言言わせていただきました。要望で結構です。

◎鹿島委員長
 分かりました。

○浜田(一)委員
 4ページの中海のことについて伺いたい。これは長らく浚渫窪地の問題があって、貧酸素塊ができることによって、生き物というか、魚もそうですが、特にアサリとかサルボウ貝とか、そういった魚介類がもう激減してしまっているという状況があるのですね。これまでもいろんなことを試されてやってきて、浅場造成にしても、島根県側は多少進んでいるかなとは思うのですが、鳥取県側の浅場造成の計画があるのかどうなのか。これは当然莫大な予算となると思うので、国とやはり連携してやらないとなかなか進まないと思うのですが、県側として、今後の水質を改善させるために、まずどういう計画を立てておられるのか、そうした協議をされているのか、伺います。

●寺田水産振興課長
 浅場造成の関係ですが、鳥取県側にも大崎地区に造成しています。ただ、この浅場造成をした周りの外海の底地、底層にはやはり貧酸素水塊が存在しているというところが分かっています。そこの部分は、魚介類が生存できない状況になっています。造成浅場の内部なのですが、こちらも時期的にはやはり貧酸素の影響を受けていることが多いと強く示唆されることが調査等で分かってきています。
 造成浅場ではないのですが、境港市の夕日ヶ丘の辺り、空港の北側になるようなところでアサリの稚貝が発生しているのは発見、確認しています。ただ、そこも、そのままにしておくと貧酸素水の影響を受けて絶滅に近いような状況になってしまうということもございまして、でもせっかく発生している稚貝ですので、これを何とかやっていかなければいけないなとは思っているところです。

○浜田(一)委員
 一時期、やはり貝も復活したのではないかというような時期もあったのですよね。なので、そういう資源が定着するまで禁漁するといった方法を取らないと、せっかく今稚貝があってと言われたけれども、捕れた捕れたといってそうやって捕られてしまうと定着しないと思います。昔、40~50年前と何が違うかというと、御存じだと思いますが、やはり圧倒的に海藻が違ってきているのですよね。アマモの取組をされているといった団体もありますが、浅場を利用したグリーン、緑のそういった海藻を何とか保護するような形で造成することはできないかなと。個人的な見解なので、それがどう波及するかは分かりませんが、ただ、ポイントを絞って国と連携しながら有効な手だてを計画立ててやることがやはり必要だと思いますので、今後そういったことも計画を立てながら、何が有効な手段なのかを県としてもこれから検討していただければと思います。これは要望でいいです。

○尾崎委員
 やはり今回の台風のことですが、農業被害が本当に大きいのだなと。佐治のずっと奥のダムの近くまで行ってみましたが、用瀬から佐治に行くのに、全部迂回路が、あれは夜になると光もないから、路肩が落ちているところもあるし、非常に危ないなという気もしました。
 それで、聞くと、田んぼが全部土砂で埋まっているところは支援とか補償とかどうなるのかなと。もう途方に暮れておられましたし、農業用水が潰れてしまって困るというのがやはり大きな声でした。また後で箇所は言いますが、相談に乗っていってあげられたらと思いますので、よろしくお願いします。要望です。

◎鹿島委員長
 ほかにありませんか。

○福浜委員
 6ページの林政企画課にお聞きしたいのですが、この西日本最大級の天然芝滑り台、非常に注目しています。ここはいろんな経緯があって、やはり観光地としていろんな人に来てほしいという地元のニーズもあるでしょうし、ぜひこれが定着してほしいなと思うのですが、この芝自体は何を使われるのか。
 例えば高麗芝を使ってしまうと、簡単に剥げてしまってまた修復が大変だみたいなことになったりするので、グリーンバードJとか、ティフトンとかいろんな芝があるので、芝の選定には注意していただきたいなと思うのが1点と、これはスペースを見ると、結構角度が最後まで勾配がついているような感じで、ちゃんと更地に行くまでに止まるならばいいのですが、安全性が大丈夫なのかなというのがこの図では分かりかねるので。例えば冬場にそりでやってしまうと、駐車場まで行ってしまう可能性もあるわけではないですか。その辺の勾配のことも、ちゃんと考えていただいていると思いますけれども、余計なことかもしれませんが、気になるので、言わせてください。
 それと、芝にしてしまうと、結局肥料も結構まくので、ゴルフ場と一緒でイノシシがミミズを掘りにやってくるのですよ。なので、イノシシ対策等々も併せてお願いして、やはりここを認知してもらって、広く県内外の人に親しんでいただけるように、西日本最大級と打つならば、それなりのやはり措置というのはちゃんとつくって維持管理もお願いしたいと思います。

●濱江林政企画課長
 委員の言われるように、芝を何にするかについてはこれから検討してまいります。冬場のそりというのもありますが、今現時点では、そりはしないという方向で地元と調整しているところです。
 あと、天然芝を植えると、肥料でイノシシがやってくるというようなこともございますので、総合的にここの天然芝が西日本最大級で人がたくさん来れるようなものになるようにこれから頑張っていきたいと思います。

○福浜委員
 そりを使わなかったら、段ボールとかビニールか何かで滑るという感じですか。

●濱江林政企画課長
 冬場以外については、夏場には段ボールを使ったりといったものもやっていこうではないかというようなことは今地元と話をして、調整をしているところです。

○福浜委員
 つまり冬場は、もう完全にクローズしてしまってということですね。天然芝滑り台としては使わないという。

●濱江林政企画課長
 冬場については、このアクセス道がある程度雪が降ると閉鎖するという話をさせていただいています。閉鎖するときには、多分冬のそりもできないのでと言わせていただいています。

○福浜委員
 砂丘などでも、いわゆる観光地ではないところの斜面を使って勝手にそりをやっている人が実はいるのですよ。本当に安全性については、その辺しっかりとやっていただいて、えっみたいなことにならないようにぜひお願いしたいということを最後に要望で言わせてください。お答えは結構です。

◎鹿島委員長
 ほかにありませんか。
 農林水産の本当の一番の恵みの農産物が収穫の目の前でこういう事態になっているということですので、農林水産部長につきましては、しっかりと対応していただきますように改めてお願いしたいと思います。
 農林水産部第1部は意見がないようですので、終了させていただきたいと思います。
 それでは、休憩したいと思います。

午前11時36分 休憩
午前11時38分 再開

◎鹿島委員長
 それでは、再開したいと思います。
 引き続き農林水産部第2部について行います。
 執行部の皆さんにおかれましては、説明は要領よく簡潔にお願いしたいと思います。
 質疑等につきましては、説明終了後に一括して行いたいと思います。
 報告11、首都圏アンテナショップの運営事業者について、山本販路拡大・輸出促進課長の説明を求めます。

●山本販路拡大・輸出促進課長
 7ページをお願いします。首都圏アンテナショップの運営事業者についてです。東京本部が岡山県と連携して運営する、令和6年度以降の首都圏アンテナショップとっとり・おかやま新橋館に係る物販及び飲食の運営事業者を7月31日の企画提案審査会で決定しましたので、報告します。
 1及び2で受託予定事業者の概要について、詳細を御確認いただければと思いますが、審査会の結果、最優秀提案者は、1階の物販店舗運営業務を株式会社天満屋さんです。選定理由として、長年にわたる物販店舗の運営実績や、鳥取県、岡山県に店舗を持っており、両県の特産品に関する豊かな知識、ネットワークを持っていることと、安定的な財務基盤を有していることなどとなっています。
 また、2階の飲食店舗運営業務は、引き続きとなりますが、株式会社稲田屋本店です。選定理由としては、都内で複数店舗の長年の運営や、これまで首都圏アンテナショップの受託業務で培ったノウハウ、両県地域の食材、地酒などの知識が豊富で、仕入先との関係を構築されていること、情報発信やフェアなどに前向きなことなどとなっています。
 委託期間は、令和6年4月1日から令和11年3月31日までの5年間となります。
 8ページ、3、今後のスケジュールです。最終提案者との協議の上、10月には委託契約書の締結、東京本部の予算となりますが、通常の運営費及び修繕工事などの必要な経費の当初予算案の提案、改装後、4月末にリニューアルオープンの予定となっています。

◎鹿島委員長
 次、報告12、とっとりスイーツフェスタの開催について及び報告13、もっと地産地消月間の開始について、藤田食パラダイス推進課長の説明を求めます。

●藤田食パラダイス推進課長
 とっとりスイーツフェスタの開催について、9ページをお願いします。食パラダイス鳥取県は、食のみやこで誘客を促進することを目標の一つに掲げていますが、今月から来月にかけて、県産フルーツの魅力を発信し、本県への誘客を図るため、梨を中心とした県産フルーツを使ったスイーツの取扱店舗を一堂に集めたイベントを県内3か所において開催します。
 概要としては、とっとりスイーツフェスタという名称で、中部会場、倉吉未来中心で8月26日、西部会場、米子しんまち天満屋で9月9日、10日、東部会場、丸由百貨店の5階のトットリプレイスにおいて9月23日、24日に開催を予定し、現時点で22店舗の出店事業者様を予定させていただいています。
 関連のイベントとしては、8月8日に伯耆しあわせの郷において、食パラダイス鳥取県の新たなコンテンツとして、東京の老舗高級果物店である京橋千疋屋様と県内の3事業者様が連携し、県内産の梨などを用いたスイーツコンテンツを開発する会議を開催しました。商品コンセプトの検討や、千疋屋様に鳥取県の梨のシャーベットを作っていただき、それを用いたパフェの製作の実践、実食や意見交換などを行っています。
 関連して、今週8月24日には、スイーツフェスタに出店いただく事業者様に御参集いただき、フルーツカッティング技術や高収益のスイーツブランドの開発について県外講師の方をお招きしてセミナーを開催する予定です。
 続きまして、10ページをお願いします。もっと地産地消月間の開始についてです。今年度は9月1日から11月30日までをもっと地産地消月間として、各種キャンペーンやコンテンツの発信を行うことでさらなる地産地消を推進していきます。
 参加スーパーなどでの共通のロゴやポップなどの掲示や、事業者様におかれましては、特設コーナーを設置していただくなど、購入促進のための特典の提供などを行っていただく予定にしており、テレビCMを9月1日から11月30日まで、合計約600回程度放映する予定としています。キャッチコピーは、「もっと 地もっと 食べよっと」ということで予定しており、協力いただける店舗様におかれましては、県産の食材を用いた指定メニューを10%オフであるとか、県内店舗で県産品を御購入いただいた方に自社ポイントをつけていただくなどを予定しています。
 そのほかにも、2(1)以降、様々な地産地消月間中の各種キャンペーンを予定しています。抽選で県産品をプレゼントする、もっと地産地消キャンペーン、食パラダイス鳥取県アンバサダーの各店舗の周遊をしていただくスマホスタンプラリー、アンバサダーの店舗で認知度を向上するために、御来場をされたお客様からSNSで投稿いただくことでプレゼントが当たるキャンペーンを実施、あるいは(4)和牛のふるさと山陰・鳥取和牛キャンペーンとして、9月29日から12月31日まで島根県と連携し、県内の飲食店や宿泊施設で鳥取和牛のメニューを食べると、抽選でプレゼントが当たるといった鳥取和牛のキャンペーンを行う予定です。
 また、県産米の消費拡大として、10月の中旬から11月の下旬には県産米の大盛り・おかわり無料キャンペーンを協力店舗で実施する予定となっています。最後に、とっとりカレー特集として、フリーペーパーで、前回はラーメン特集をしましたが、その第二弾として、県産品を使ったカレーを提供する各店舗の特集記事を掲載する予定としています。

◎鹿島委員長
 今までの説明について、質疑等はありませんでしょうか。

○浜崎委員
 アンテナショップです。それこそ、まずこれまでのアンテナショップの長い年月、関係者の皆さんが本日集まりの幹部の皆さん、執行部の皆さん、現場の皆さんを含めて頑張っておられるとは思うのだけれども、これまでのアンテナショップの運営状況をどう分析しておられるかと感じるわけですね。
 いい面があったり、足らない部分もあったり、なかなか具体的に言いにくいかもしれないけれども、そういう部分は絶対あると思うのですよね。あるいは現在の消費者のニーズに合致しているかと、絶えずそういう部分を試行錯誤しながら進めておられるとは思うのですが、今申し上げたように、運営状況でいい面悪い面、また、ニーズもしっかりと合致させているか、それらを踏まえて、今回のこの選定業者は、その辺のところがどのように補完できているかと。一遍に言いますが、それをしっかりとやっていかなければいけないわけですから、このたびの選定業者は、今までの課題点を含めて、その辺を補完できるだろうという認識を持ってやっておられるのではないかと思うのですが、改めてそこのところをお聞きしたいと思います。

●山本販路拡大・輸出促進課長
 これまでの運営につきましては、東京本部が主体となりまして、岡山県と連携をして運営協議会を設けて、それぞれ分析をしている状況です。今年度も含めてですが、前回の運営は、コロナの状況ということもございまして、その部分がようやく回復してきた中で、どう展開をしていくのかというところがあるのかなと思います。前回も御報告をさせていただきましたが、コロナが明けて回復の状況にあるので、そういったところを我々としてもしっかりとしていくというようなところを取り組んでまいりたいと考えておられるということです。
 今回の審査については、運営事業者さんの出された提案の妥当性、実現可能性、成長、具体性、能力、安全、また、関連業務への協力、納付率の点数ということで総合的に判断いただき、審査委員8名の中で点数をつけて評価いただいたということです。
 また、これまでも毎月売上げの状況や入り数だとか、あと天気の状況によってどうかという店長会議を毎回されていて、そういったノウハウを我々鳥取県と岡山県で分析をしていますので、新しい事業者さんでもその辺りは引き継いでいくと、お願いをしていくことになろうかと思います。

○浜崎委員
 コロナが回復したのだけれども、私が今申し上げたのは、本質的に今までの状況がどうだったかと、それをどう捉えているか。なかなか言いにくい部分もあるかもしれないけれども、前に前にこれからしっかりと進めていかなければいけない。店長会議を絶えずやっておられるということだけれども、その中身である。東京のアンテナショップについての今の状況を、コロナが収まったからこれからこれでやっていくのだということはもちろん分かるのだけれども、要は今までの中でやはりしっかりと気にしておかなければならない部分が出てきてはいないだろうかという話です。
 岡山県との連携ということもあるのだけれども、店長会議なら店長会議のときに、そこらのところをしっかりと、改めて問題提起という言い方はあれかもしれないが、絶対ここをこうすればよかったなとか、こういう状況があるとか、それからお客さんからのニーズという部分をやはり踏まえて、頑張っておられるのはよく分かるのでいい話もあると思うけれども、では、そうかといって100%いい話ばかりかというと、そういうわけではないと思う。だから、これからのことを考えると、これからこうやっていくというだけではなくて、改めて今の状況がどうだということをもう一度しっかりと精査して、しっかりそれをやっていただかなければいけないということを改めて申し上げた。今の課長の話だと、そこらのところがもう一つどうかなと思って、あえて僕は申し上げたのですが、どうですか。

●山本販路拡大・輸出促進課長
 その辺り、しっかりこれまでの実績を踏まえまして、運営のところについては、先ほど申し上げましたが、運営協議会で共有をさせていただきながらとは思っています。しっかり東京本部にもその旨を伝えて、これまでの実績を踏まえて反省するところ、よいところを来年度以降の運営事業者に伝えていただくようにお願いをしてまいりたいと思います。

○浜崎委員
 協議会でしっかりやってもらいたいと思いますが、今、課長からも改めてしっかりとやるということがあったので、やっていただきたいと思う。何で私がこういうことを言ったかというと、これは当然企業も入ってくるわけですから、売上げを多く上げるのはもちろん重要なポイントにはなるのだけれども、何でこのアンテナショップができたかという原点から捉えると、アンテナショップの一義的な目的は情報発信機能だと思う。その情報発信機能でいけば、県民の方、また、東京のいろいろそばにあれば近い人も、私の知り合いもそばにあるからよく行くのだみたいな話もある。そういった方々に、改めて、やはり鳥取に住んでみたい、行ってみたい、関わってみたいという人を増やすことが、アンテナショップの存在からすると大事だと思うのである。だから、そういったことを改めてしっかりと踏まえた上でしていただきたい。
 アンテナショップの中身はこうだ、協議会はこうだ、それはそれでいいのだけれども、何でこれをつくったのかということからすると、鳥取のアピールが果たしてどうなのだろう。私が聞かせていただいた状況によると、先ほど近場の人のその辺の反応がもう一つなのだということがあった。今ツールはいろいろと、店長会議、協議会があるのは分かるけれども、何でこれをつくったのだという存在意義からすると、鳥取に対しての思いを皆さんにどんどん広めて、また感じていただくということが一番。売上げは大事である、いろんなやり方というのも大事なのだけれども、アンテナショップの存在ということをやはり改めて確認していただきたいなと。鳥取に対しての理解がどんどん増えていただきたいなという目的でこれをつくっているわけですから、それを改めて申し上げておきたいと思います。何かありましたらお願いします。

●岡垣農林水産部長
 今、浜崎委員がおっしゃった鳥取県の魅力発信、そして鳥取のファンを増やすという本来のアンテナショップの在り方を考えながら、運営等にいろいろと協力していきたいと考えていますので、皆様の御協力のほどをよろしくお願いします。

◎鹿島委員長
 ほかにございますか。

○福浜委員
 今の浜崎委員の御指摘にも連動するのですが、岡山というとフルーツ王国ではないですか、鳥取はスイーツフェスタをやると。やるのはすごくいいと思いますし、どんどんやっていただきたいのですが、例えばアンテナショップで岡山も多分パフェががんがん出てくるのではないかと。
 では、鳥取も負けずにがんがん出すというところで、鳥取もフルーツがおいしいよと売り込んでいくとか、何か単発的にスイーツフェスタをやっても――秋だけではなくて、例えば「とっておき」のイチゴのシーズンとか、スイカがスイーツと言っていいかどうか分かりませんが、夏は大栄西瓜というめちゃめちゃすごいスイカもあるわけで、トータル的に、岡山に負けないようなパフェを作るとかというベースに向かってこのフェスタがあるよとか、やはりそういうものを戦略的に考えていく中で、アンテナショップでどう売っていこうとか、あるいはフェスタをどうしようかとか、秋やったら春、夏やろうやとか、もっともっと店舗に「とっておき」を使ってもらおうやとか、そういう底辺の拡大みたいなところといかにこのフェスタを連動させるかがすごく大事ではないかと思うのです。その辺の戦略がなかなかこれでは見えてこないので、持っていらっしゃると思うのですが、ぜひその辺、先ほどの浜崎委員の御指摘も併せて御検討いただければと申し上げて、要望で終わらせていただきたいと思います。

◎鹿島委員長
 よろしくお願いします。
 ほかにありませんか。
 意見が尽きたようですので、これで終わりたいと思います。
 この後、委員の皆さんには相談したいことがございますので、この場にお残りいただきますようよろしくお願いいたします。
 執行部の皆様は、御退席いただいて結構です。
(執行部退席)
 なお、インターネットの中継は継続しておりますので、発言の際は挙手の上、マイクを御使用ください。
 お残りいただきましたのは、大雨によって急遽延期となった出前県議会、県内調査についてであります。
 詳細について、事務局から説明をさせますので、お手元にある調査資料の日程表を見ていただきますようにお願いします。

●西村議会事務局調査課課長補佐
 時間もありませんので、3点ほど説明します。
 7月に予定していた出前県議会と県内調査ですが、大雨で流れまして、今度9月4日月曜日、1週間後に開催したいということで調整をしてまいりました。
 出席者の都合上、出前県議会と県内調査の順番を入れ替えて、午前中に出前県議会、午後に県内調査、会場は鳥取県農業試験場ということで考えています。
 集合、解散については、公用車で行かれる方と自家用車で現地集合の方に分かれたいと思います。前回のものをペーパーに書いておりますが、変えたい方がいらっしゃいましたら、また後ほど聞かせていただければと思います。

◎鹿島委員長
 9月4日10時に県庁前ということですので、よろしくお願いしたいと思います。
 これについて、何か皆様から。いいですか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、以上をもちまして農林水産商工常任委員会を閉会したいと思います。

午後0時01分 閉会



 

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