会議の概要
午前10時00分 開会
◎鹿島委員長
ただいまから農林水産商工常任委員会を開会いたします。
本日の日程はお手元のとおりですので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
今回の常任委員会では、商工労働部及び企業局、農林水産部第1部、農林水産部第2部の順で執行部の入替えを行います。
農林水産部の入替えは、第1部が農林水産政策課、生産振興課、農地・水保全課、畜産振興課、第2部が県産材・林産振興課、水産振興課、漁業調整課、境港水産事務所、販路拡大・輸出促進課、食パラダイス推進課、以上の順に行いますので、あらかじめ御承知ください。
松田委員は欠席の通知が来ていますので、報告させていただきます。
それでは、初めに、会議録署名委員を指名いたします。
本日の会議録署名委員は、浜田委員と前原委員にお願いしたいと思います。
それでは、商工労働部及び企業局に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いします。
質疑等につきましては、説明終了後に一括して行いたいと思います。
初めに、池田商工労働部の総括説明を求めます。
●池田商工労働部長
議案説明資料をお開きください。2ページ、3ページですが、まず、予算関係は、議案第1号、令和5年度一般会計補正予算(第4号)です。商工労働部関係の補正額は1億700万円余で、工業団地に企業の新増設が決定したことに伴う支援、商店街振興等のための施設設備、改修への支援、さらに商工団体の会館整備への支援などをお願いするものです。もう一つは、予算関係以外です。報告第4号、地方独立行政法人鳥取県産業技術センターの業務の実績に関する評価についてです。
詳細は、それぞれ担当課長が御説明申し上げます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
◎鹿島委員長
続いて、関係課長からの説明を求めます。
●田中立地戦略課長
資料の4ページをお願いします。工業団地整備支援事業です。現年分の予算として6,100万円余り、それから債務負担行為として3億7,400万円余りをお願いするものです。
この事業は、企業の投資や立地を促進するため市町村と協調して工業団地を整備する事業で、市町村が行う工事の費用や借入金の償還費用について、市町村の一般財源の負担額の2分の1を県が補助する制度です。当初予算で新規整備1件と起債元金償還7件の予算をお認めいただいていましたが、このたび倉吉市の新たな案件が2件出てきましたので、補正をお願いするものです。
2、主な事業内容に記載している2つの団地ですが、西倉吉は現在、団地内で事業活動を行っている企業、株式会社エースパック様が隣接地での新たな投資の決定を行われたため、倉吉市が用地造成等を行うものです。河北町は、倉吉市が木材市場の跡地を購入し、工場を整備して、現在、西倉吉工業団地に立地し、フィギュアを製造している株式会社グッドスマイルカンパニー様に貸与するものです。これらの団地の整備工事の費用や、整備のために借入れを行う起債の元金償還の費用について、現年分として6,100万円余り、令和6年度から26年度までの間に合計3億7,000円余りの債務負担行為をお願いしたいと考えているものです。
なお、補助対象経費は、整備に要する経費や、元金償還額から賃貸料や購入経費などの特定財源や地方交付税措置額等を除いた市町村の実質負担額となっています。
続いて、12ページをお願いします。先ほど御説明した工業団地整備支援事業の債務負担行為をお願いするものです。
●岩田企業支援課長
5ページをお願いします。地域商業活性化促進支援事業で200万円余をお願いするものです。この事業は、中心市街地の振興などのために、市と協調して商店街などの施設整備や改修に対して支援するものです。3に記載していますが、これまで商店街のアーケード改修などの支援を行ってきています。今回は、2の表に記載のとおり、鳥取市の新鳥取駅前地区商店街振興組合が実施する民藝館通りの空き店舗改修について支援するものです。
背景は、表の上の米印に記載していますが、鳥取市は中心市街地活性化基本計画で民藝の魅力発信や駅前の空き店舗活用を図ることとしています。その方向性に沿う形で、この商店街振興組合が事業主体となって民藝館通りの空き店舗を民藝カフェに改修して、民藝の魅力発信を行いながら商店街の集客力向上、にぎわい創出につなげていくという事業計画を作成して、それが今回、国の補助事業で6月30日に採択されましたので、鳥取市と一緒に支援するものです。
事業費については、(3)に記載しています。総事業費は2,900万円余で、対象事業費の3分の2は国の補助金を活用して、残りの3分の1を県、市、商店街が記載のとおり負担することとしています。
続きまして、6ページをお願いします。鳥取県中小企業団体中央会新会館整備支援事業で4,390万円をお願いするものです。中央会の現在の会館は、2の参考のところに記載していますが、昭和41年建設で老朽化が進んでいます。そのため中央会でこのたび建替えを計画されています。
2、主な事業概要に記載していますが、建替えについては、オンライン協議ができるようなデジタル環境などの強化、また、災害の備えとして浸水対策を強化して、来年秋頃のオープンを予定しています。また、ZEB対応と記載していますが、高効率のエアコンや太陽光発電などで建物の脱炭素化も図っていくということで、ZEB Readyという国の認証基準の取得を目指すとされています。ZEB Readyというのは、(2)の表の下に<ZEB対応部分>と記載しています。そこの1つ目の米印ですが、50%以上のエネルギー消費量の削減に適合した建築物の認証のことです。中央会はそれを取得して、モデル事業として組合員などに周知、啓発を図って、県内の脱炭素化の取組を推進していくこととしています。こういったことから、県としてもその改修経費の一部を支援するものです。
経費については、(2)に記載しています。表の2行目のZEB対応部分が、モデル事例として取り組んでいただくので補助率を2分の1として、上の行のZEB以外の部分が、これまでほかの事例と同様に、補助率10分の1として支援するものです。
なお、この件に関しては、この後の報告事項で報告させていただきますが、9月7日に県と中央会とで連携協定を締結して、この建替えをきっかけとして脱炭素化の推進や経営支援強化を連携して取り組んでいくとしたところです。
続きまして、11ページをお願いします。先ほど説明した中央会の新会館整備に関する事業です。来年度にまたがって事業期間を取る必要がございますので、このたびお願いする4,390万円全額の繰越をお願いするものです。
●金澤産業未来創造課長
それでは、同じ資料の13ページを御覧いただきたいと思います。報告第4号、地方独立行政法人鳥取県産業技術センターの業務の実績に関する評価についてです。
地方独立行政法人法に基づき、鳥取県産業技術センターの令和4年度の業務実績と、平成31年度から令和4年度までの第4期中期目標期間の業務実績について評価をこのたび行いましたので、報告するものです。評価は、5名の有識者から成る外部評価委員の評価案を踏まえて決定したものです。
まず初めに、(1)、令和4年度についての評価です。全体評価としては、4年度に立てた年次計画を上回って業務が進捗していることから、5段階評価のうち上から2番目のAという評価をさせていただいています。ウ、評価の主な内容については、新型コロナ感染症の影響で活動が制限される中においても、オンライン等を駆使しながら精力的に企業訪問、技術相談等の企業ニーズの把握を行ったということ、そのような企業の課題を的確に把握した共同研究等の成果により、県内企業の皆様に多くの技術を移転できたこと、理事長をトップとして組織体制の強化や業務運営の効率化に取り組んでいることなどを評価して、先ほどのA評価にさせてもらったものです。
14ページ、エを御覧いただきたいと思います。この評価については、令和6年度の運営費交付金の予算において反映していきます。
続きまして、(2)、第4期中期目標期間における業務実績に関する評価です。これは先ほど申し上げましたが、平成31年4月から令和5年3月までの第4期中期目標期間の評価結果です。
なお、中期目標期間は令和4年度までですが、令和3年度までの3年間の実績に基づく評価見込みを昨年度行っており、昨年の9月議会においても、評価見込みをAと報告させていただいているところです。このたびは、その見込み評価に残りもう1年間の令和4年度の評価を踏まえながら、第4期の中期目標期間の最終的な全体評価をさせてもらったものです。その結果、5段階のうちA評価とさせていただいたものです。
評価の主な項目については、先ほどの年度とかぶるところがございますが、ウ(ア)を見ていただけたらと思います。下の表を御覧いただけたらと思いますが、設定した企業訪問数、技術移転の数、知的財産の出願件数などの数値目標に対して全て上回る実績を達成していること、あと、先ほどと重複しますが、コロナ禍にあっても企業訪問件数が特に上回っており、産業技術センターの企業のホームドクターとしての役割を十分達成され、支援企業の裾野拡大が進んでいるということ、さらには、センターの研究成果が県内企業に普及、活用していく技術移転という成果も上がっているといったところを特に着目して評価させていただいたところです。
15ページを御覧ください。今後の課題、期待することということで、いろいろと委員も含めて意見をいただいています。県の産業政策と一緒に協調しながら、関係機関と連携を一層強化していただきたいということ、県内企業の技術的課題の解決に向けた入り口となる依頼試験等にしっかり対応していくために、センター職員の人材確保や育成などの体制を強化していただきたい、社会変革に対応した県内企業のイノベーションの取組の支援をしていただきたい等々を求めているところです。
なお、これらの課題については、昨年度実施した見込み評価においても同じようなことを指摘いただいているところで、今年度から始まる第5期の中期目標の中にもそれをしっかりと対応できるような内容を盛り込んでいるところです。参考で、中期目標期間の主な成果を掲げていますので、また見ていただけたらと思っています。
評価結果の取扱いについては、今年から始まった第5期の中期目標期間に、細やかな事業の実施ということでしっかりと反映していきたいと考えているところです。
今申し上げた令和4年度と第4期中期目標期間の評価書はそれぞれ別で添付していますので、後で御確認いただけたらと思っています。
◎鹿島委員長
次に、山根経営企画課長の総括説明を求めます。
●山根経営企画課長
企業局の議案説明資料3ページをお願いします。議案第2号、令和5年度鳥取県営電気事業会計補正予算(第1号)で、補正額は3億2,300万円余です。台風第7号により被災した発電施設の復旧に係る経費について、増額補正をお願いするものです。
詳細は担当課長から御説明します。御審議のほどよろしくお願いします。
◎鹿島委員長
続いて、関係課長からの説明を求めます。
●原工務課長
資料4ページを御覧ください。電気事業会計(発電施設被害復旧費)の継続費としてのお願いです。補正額は、令和8年までの継続費で9億円ということでお願いしています。財源内訳は、起債が5億7,200万円、その他として3億2,800万円です。
当該事業ですが、令和5年の台風第7号の出水により被害が確認された佐治発電所等の水力発電施設の早期復旧を図るためにお願いするものです。
主な事業内容ですが、まず(1)、佐治発電所の被害復旧として8億8,000万円、継続費は令和8年までということでお願いしています。内容は、水車発電機の細密分解点検と各種機器の更新です。こちらの細密分解点検、俗にオーバーホールと申し上げていますが、こちらはもともと令和8年に予定していたものをこのたび実施するということです。あと、土木施設の復旧と発電所の浸水対策、これが今回の原因の一つでございますので、この対策を行いたいと考えています。
次に、中津ダムの流木の撤去です。2,000万円という予定で、令和6年までの継続費で考えています。処理量は、大体150立米を想定しています。
佐治発電所の概要は、以下に記載しているとおりです。被災状況については、先日御報告したとおり、最下層の地下5階、地下37メートルぐらいのところですが、天井近くまで浸水をしたということです。他の階は浸水していませんが、先日言ったとおり地表部から流入した泥水をかぶっていますので、各種機器の交換が必要と考えています。
あと、中津ダムです。こちらは昭和37年10月から運用開始したダムで、発電専用の利水ダムです。流木が流れてきている状況は、以下の写真のとおりです。
5ページ目を御覧ください。こちらは継続費についてです。先ほど御説明した金額の年割り額は記載のとおりです。御確認をお願いします。
◎鹿島委員長
ただいま商工労働部、企業局の説明がございました。
これについて質疑等ありませんでしょうか。
○浜崎委員
4ページ、工業団地整備支援事業です。企業の新増設が決定したということで、大変喜ばしいことと思う。整備に係る経費及び起債の元金償還額を補助するということで、まずこの予算のことなのだけれども、新増設は結構なことだし、県としてそういう予算を措置するのはもちろんやっていかなくてはいけないが、県がやるべきことというのは、結局は考え方として、これが本当に地元の経済効果につながるかどうかというところになると思うのだ。このたびの新増設について補助するということなのだけれども、要は、しっかりと地元の経済効果につながるようにフォローアップをお願いしたいと。予算をつけたからということだけではなくて、当然そうは思っておられないと思うのだけれども、やはり一番大事なのはそこだと思うのだ。これは今までも債務負担行為から、補正前も1億1,900万円、今回の補正で6,100万円ということで、足していくと相当な金額を入れ込んでいる。となれば、地元の経済効果というものはどうなのだということで、予算以外の考え方としてフォローアップというのも、部長を先頭に言うに及ばず当然考えておられると思うのだけれども、あえてそのことを申し上げたいなと思います。
委員長、もう一ついいですか。
◎鹿島委員長
はい。
○浜崎委員
御案内のとおり、世の中は今いろんな業種で人材不足、とにかく人が足らないということです。そういう状況の中で、この新増設に対応できる雇用の確保について、これからしっかり検討していくとか、いろいろ状況はあるかもしれないけれども、もし今の段階で具体的に何か言える話があれば、この深刻な人材不足において新増設に対応できるような雇用の確保という部分、動きがあるのか、考え方を教えていただけたらと思う。以上、2点。
●田中立地戦略課長
まず最初の、しっかりとフォローをということですが、企業さんの事業実施や人材確保の面、そこら辺はしっかりとフォローしていきます。例えば地元の経済界の効果につながるというような部分においては、例えばグッドスマイルカンパニーさんは本日も新聞に出ており、円形劇場で展示会を行うというようなことでしたが、まんが王国や観光など関係部署とも、できる部分は連携しながらやっていきたいと思っています。
2点目の雇用の確保です。当然、国のハローワークだけではなく、県のハローワークも企業さんに寄り添いながら人材確保もやっています。一方で、例えばグッドスマイルカンパニーさんの場合、現在140名いらっしゃるのですが、そのうち30名ぐらいが県外または海外。海外といいましてもヨーロッパや香港、台湾の方もおられます。フィギュアということで県外の若い方が結構興味を持たれることもあり、グッドスマイルカンパニーさんも精力的に県外の大学や専門学校なども回りながら人材確保をやっている中で、移住定住の補助事業は県も市もありますが、そういったところとも組み合わせながらやっている事例もあります。そうしたことで、移住定住も絡めながら、県立ハローワークなどでもしっかりとフォローしていきながら、雇用の確保も最大限しっかりとやっていきたいと思っています。
○浜崎委員
最初の分については、今、田中課長からお話聞きましたが、しっかりやってもらいたいなと。おっしゃったように、特に関係部署との連携は大事なことだと思います。しっかりとお願いをしたい。予算はついているけれども、大事なのはそこの部分、関係部署と連携を取ってしっかりやってもらいたい。せっかくこれだけの数字を出しているわけですから、これがやはり結果的に出ていくということに持っていかないといけないので、あえて申し上げた。今の課長の話を聞くと、私の申し上げたことは十分分かった上での説明だったと思いますので、よろしくお願いします。
人材不足については、そういうことです。フィギュア会社も非常に今、需要というか、そういった会社だとは思うのだけれども、ただ単にそのことだけではなくて、おっしゃったように、やはり移住定住全体という捉え方もぜひ――いろんな関係性がいろんな事案で出てくると思うので、そういった項目をつなげながら、要は雇用がちゃんとしていないとどうにもならないわけで、そこのところをしっかりとお願いをしたいと思います。
●池田商工労働部長
今、浜崎委員がおっしゃったことを心に留めて取り組んでまいりたいと思います。市町村との連携でいえば、もともと企業誘致は、市町村と一緒になってやってきたというこれまでの歴史がございます。当然、団地やインフラの整備、住民の説明、環境配慮や、特に住民と近い、地元のニーズや懸念というのを払拭するには市町村の力は非常に重要だと思っています。県は県で当然、広い視点で県全体の立地環境を見ながら、どういう事業者が必要だということを市町村と一緒になって分析しながら誘致活動に取り組んできています。当然この工業団地の整備の補助金も県が半分出している、まさに応分負担、市町村と一緒になって取り組んでいる一つの証左でもございます。企業のフォローアップを、県、市町一緒になってしっかりとやっていくということです。
人材については、当然、人材確保と人材育成という2つの観点で捉える必要があるのだろうと思っています。確保については、先ほど課長も申し上げた県立ハローワークがございますので、単純に求人登録、求人を出すだけではなくて、当然県全体の中で一定程度の労働移動もございますし、そういうところを見据えながらマッチングしていくことも一つにはあります。あとは誘致で交渉している企業の必要な人材や、どういう働き手が必要なのかということを聞きながら、一つは一緒に高校回りや高専回りということもやらせていただいています。そういう意味で、その場での必要な人材を確保するだけではなく、長期的な育成という観点に立って、将来的な人材も含めた確保、育成政策も図りながらやっていくということも行っています。いずれにしろ、今、人材不足が全体的に非常に厳しいです。単純に補助金とか支援を出せば企業が来てくれるという環境では全くないので、特に中長期的な人材を確保したり育成したりというところをある程度真剣に示しながら、それは粘り強く取り組んでまいりたいとは考えています。
○浜崎委員
今、確保だけではなしに育成ということ、市町村と一緒になって、半分は県がということで部長がまとめ的に言われた。要はこのことについてしっかりと対応を、さっき申し上げたように雇用の確保も、また、本当に地元の経済効果につながるかということも含めて、それはどっちがどっちだろうが、引き続きしっかりと連携を取って、やはりおっしゃるように、確保だけではなしに育成という部分も県でしっかりフォローアップしていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
◎鹿島委員長
そのほかございませんか。
○鳥羽委員
同じ4ページです。人口が減っていく中で、企業誘致、もしくは既存企業の増設が非常に大切だというところは言うまでもないと思いますが、その中で、今回の2分の1補助というのは、素人目から見てもすごくインパクトがある補助金額なのではないかなと思っています。恐らく、プラス県単独の補助というか、そういった制度もあるのかなと思っているのですが、それらを踏まえて、他県の情勢と比べての優位性、競争力はどの程度あるのかというところ、今後、企業誘致を進めていく上でもお聞きしておきたいなと思いまして、質問します。
●田中立地戦略課長
現在、6月補正でお認めいただいた未来共創補助金で、県外から来られた企業様や県内企業様が投資する場合の支援をさせていただいていますが、県外から来られた場合は加算としてマックス15%です。これが大体全国平均から上ぐらいです。ただ、鳥取県の特長的なところは、かつての鳥取県や他の県もそうですが、最初に鳥取県に来られるときにかなり高い10%、20%、30%というような補助率はあるのですが、1回県内に立地して2回目に投資する場合が、例えば数%、中にはゼロということがあります。それが鳥取県の場合は、成長分野でしたらマックス25%の補助率で、むしろ県内企業になっていただいたら手厚い補助金となっています。水面下で今いろいろ誘致活動中なのですが、こういったことを話しますと、やはりかなりびっくりされたり、ああ、それはいいですねというような企業様も結構あったりします。いろいろ県によって制度は変わるのですが、鳥取県は、県内企業になったら、長期スパンで高い補助率で何度でも投資をしていただけるところが一番特長的かなと思っています。
○鳥羽委員
それらの鳥取県の企業誘致の補助が他と比べて一目瞭然で強いのだと分かる1枚物の資料みたいなものがもしあれば、企業誘致で使う資料なりなんなり、何でもいいのですが、一度見てみたいなと思いますので、お出しいただければと思います。もちろん、部長もおっしゃいましたが、補助が高いから来るといった簡単な世界ではないことは重々承知していますけれども、ただ、背に腹は代えられない部分であると思いますので、その分かりやすい資料を頂ければと思います。
◎鹿島委員長
それでは、資料をということでございます。
ほかにございませんか。
○福浜委員
5ページです。県の補正としては200万円とそんなに大きくないのですが、総事業費を見ると国が3分の2入れていますが、3,000万円ぐらいになるのかな。これは具体的にどんな空き店舗の活用を考えているのかというところとか、あと、やはり民藝といえば工芸の郷が西郷にできていますが、あそこに最近カフェとかギャラリーができているということもあります。滞留とかを考えると、単体で考えるよりも、このまちなか再生と、やはり西郷地区という中山間地域の結びつきとなると、観光とか交通というところが当然絡んでくるような話になると思うのですが、その2点について、どんなイメージなのか教えていただけますでしょうか。
●岩田企業支援課長
県の補助額200万円というのは、県のスキームというのは工事費、設備を対象にした補助制度でこういった金額になっているのですが、その補助対象外の部分でソフト的なものも含まれていて、そういったものは鳥取市さんが独自に支援したりといったことをしています。
あと、この補助事業ですが、国の補助事業を基本にしています。単体で支援するということではなくて、事業名でもあるように面的地域価値の向上・消費創出事業ということで、その地域全体を、今回であれば民藝を中心に盛り上げて、消費活動につなげていくということです。今回県が補助するのは店舗改修ですが、この事業全体でいけばその店舗だけではなくて、たくみ美術館といったほかのところにも人の流れをつくっていく。あと、構想段階ですが、民藝に興味を持っていただく人が、民藝カフェだけではなくて、例えば中山間地に行っていただいたり紹介したり、物づくり体験もしていただけるというようなことも今考えているところです。
○福浜委員
確かに過去のまちなか、鳥取に限らず米子などもいろいろと県が支援されているデータが載っているのですが、なかなかまちなかの再生が難しい中で、今回は民藝に特化して面的に広げていこうというお考えで、面白いなと思って注目しています。先ほどの話にも共通しますが、少なからず県が支援をしていく限りは、出して終わりではなくて、その後いい展開で、さっき申し上げたように西郷の辺りとの面的な、さらに広がるような連携で滞留を考えていくというところまで、やはり商工労働部としてもフォローアップをぜひよろしくお願いしたいと思います。
●岩田企業支援課長
国の経産局の方もヒアリングで来られたのですが、この事業は、そういったフォローアップのことも重要視されていました。この事業の実施主体はここに書いてあるとおりですが、ほかに関わるところとして、鳥取市の中心市街地の活性化をしている、株式会社まるにわさんや、鳥取大学でも民藝を通じた講義などをされてきた、全国的にまちづくりを支援しているstudio-Lさんといった方にもアドバイスをいただきながらこの事業をやっていくことも考えています。まちづくりですので鳥取市が中心になるかと思いますが、県もしっかりとアフターフォローしていきたいとは思っております。
◎鹿島委員長
そのほかございませんか。
ないようでございます。
次に、報告事項に移ります。
執行部の説明は要領よく簡潔にお願いいたします。
質疑等については、説明終了後に一括して行います。
報告第1、鳥取県東部における県外企業(サテライト拠点)の立地決定について、田中立地戦略課長の説明を求めます。
●田中立地戦略課長
商工労働部の報告事項の資料の2ページをお願いします。このたび2件の県外企業が鳥取市内にサテライト拠点を設置することが決定したので、御報告します。
まず、日野自動車です。日野自動車はトラックやバスなどの製造大手ですが、近年、地域交通分野の課題解決に取り組んでいまして、今年の1月から智頭町の地域交通再編に関わることとなり、7月からは民間企業として初めて乗務員の管理や乗務記録等を代行する遠隔運行管理業務を受託しているところです。このたび鳥取市のSANDBOXにオフィスを設置することとなりました。SANDBOXには今月下旬に入居予定で、当面4名の雇用を予定しており、智頭町で受託している遠隔運行管理業務に加えて、地域住民のニーズに合った地域政策立案のサポートを行う地域交通コンサル業務や、地域の関係者間の協議や許認可手続等を支援する自家用有償申請サポート業務を行う予定で、鳥取の拠点から中国地方に向けて取組を広げていくことにされています。
2、株式会社GEOソリューションズ、西宮の企業です。この企業は様々な用途に応じたドローンの開発や加工を行っておられますが、もともと県内企業と連携していたこともあったため、このたび鳥取市賀露町に新たな拠点を設けることとなったものです。今月下旬に入居予定で、現在のところ3名の雇用を予定しておられます。鳥取の拠点では、一般的なドローンでは対応できない暗い場所や湿度の高い場所、狭い場所などの特殊な環境でも利用できるドローンの開発や加工などを実施する予定で、人材育成により将来的にはドローンの開発拠点として事業を実施していく予定です。
県としては、この2事業者に対して、先駆的な事業に取り組む事業者のオフィス設置等を支援する、とっとり先駆型ラボ誘致・育成補助金、補助率2分の1、上限額200万円で支援する予定です。このたびは小規模なオフィス設置に関する御報告となりましたが、引き続き成長が見込まれる分野の企業の誘致など、積極的に取り組んでまいりたいと考えています。
◎鹿島委員長
報告2、鳥取県中小企業団体中央会と鳥取県による新会館整備及び県内中小企業支援に係る連携協定の締結について、岩田企業支援課長の説明を求めます。
●岩田企業支援課長
3ページをお願いします。鳥取県中小企業団体中央会と鳥取県による新会館整備及び県内中小企業支援に係る連携協定の締結について報告させていただきます。
先ほど補正予算で説明させていただきましたが、今月7日に中央会と鳥取県との間で連携協定を締結しました。背景は、1(3)の2つ目のところです。8月10日に中央会から知事に対して、新会館整備に対する支援要望と、その整備をきっかけとして組合員の支援などについて県と連携強化を図りたいという要望がございました。要望を伺っていく中で、中央会は太陽光発電の設置など脱炭素化を進めようとされていたことから、県も協力して国のZEB認証を取って、連携して県内の脱炭素化の取組を促進していこうとなったものです。
協定の中身については、(4)に記載しています。県は、中央会が行う新会館整備における脱炭素化の取組や、それをモデル事業とした普及啓発の取組、また、人材確保、育成、販路拡大、地域の課題解決の取組を円滑に遂行できるよう支援するものです。
新会館の概要については、2に記載しています。現在と同じ場所に2階建ての建物を建築することとしています。旧会館は現在解体中で、業務は鳥取市の千代水にある鳥取卸センターの2階に一時移転して行っています。脱炭素化を図るための具体の設備については、まだ正式な確定ではございませんが、高効率の空調設備、全熱交換器、LED照明などについて、県の建築関係の担当課も関わりながら進めているところです。スケジュールとしては、本年末に工事着工して、来年の夏の完成、秋のオープンを目指しているところです。
今後の取組、目標です。現在、中央会と具体に関して協議を進めているところですが、脱炭素化について、モデル事例として広くPRしていくこととしています。
実際の協定書については裏面に記載していますので、後ほど御覧いただければと思います。
◎鹿島委員長
報告3、令和5年度鳥取県多文化共生支援ネットワーク会議の開催結果について、報告4、令和5年度鳥取県障がい者雇用推進会議の開催結果について及び報告5、経済団体への障がい者雇用推進の要請について、溝内雇用・働き方政策課障がい者・外国人就労支援室長の説明を求めます。
●溝内雇用・働き方政策課障がい者・外国人就労支援室長
資料の5ページを御覧ください。まず、令和5年度鳥取県多文化共生支援ネットワーク会議の開催について御報告します。
技能実習制度、特定技能制度の有識者会議における見直し状況、また、特定技能2号の分野拡大等について情報共有、意見交換の場を持ち、各機関が連携して多文化共生の実現に取り組んでいくため、ネットワーク会議を8月22日に開催しました。1から4は概要等です。5、会議の意見について御紹介します。
まず、技能実習制度、特定技能制度の見直しについては、今、技能実習制度には転籍制限等がございまして、賃金格差で都会に集中しないよう転籍には一定の制限を設けてほしいという意見や、見直しで特定技能にある分野でしか受け入れなくなると困るという意見、また、都会への流出も懸念するというような意見もいただいています。
続いて、特定技能2号の分野拡大について、縫製業とか木工業の企業から、特定技能の分野に加えてほしいというような御要望があるといった意見もいただいています。また、人材不足が顕著になっており、宿泊が特定2号の分野に含まれたことで期待されるといった意見もございました。
その他にも書いていますが、防災に関する情報を外国人の方に適宜発信していくとか、外国人の日本語能力やコミュニケーション力の向上が課題であるといった意見もいただいています。
また、地域部会の開催結果として、7月に中部総合事務所で東・中・西の合同開催をしています。日本語講師の募集や育成の課題、日本語教育体制の構築等についての御意見をいただいています。
今後の予定としては、現在、技能実習制度、特定技能制度は国で見直しがされています。県としては今回の会議の意見等を踏まえて、必要なものについては国に要望を行いながら、また、ネットワークとしては、情報を共有して言葉やコミュニケーションを含めた外国人との共生社会の実現に向けた環境整備等の課題について、引き続き連携して対応していくこととしています。
下には、令和4年10月ですが、外国人労働者の人数を載せています。
6ページを御覧ください。令和5年度鳥取県障がい者雇用推進会議です。県内の障がい者雇用の状況及び課題を共有し、必要な支援策等について協議するため、本会議を8月23日に開催しました。
5、会議での主な発言です。まず労働局からは、障がい者の就労、職場定着に向けた取組として、障がい者の法定雇用率が来年4月には2.3から2.5%に引き上げられることに伴い、影響を受ける見込みの企業へ各ハローワークが出向いて、法の周知、雇用確保の相談に応じていることが報告されました。
また、障がい者雇用の推進のための今後の取組として、商工団体等から御意見をいただきました。まず、企業に取組があっても、デジタル化の進展で、バックオフィス、総務や会計などの、言わば後方支援、間接業務的な業務が縮小しており、マッチングがうまくいかずに雇用できない状況がある、デジタル化時代の障がい者雇用の在り方を検討する必要があるといった意見。また、同じくデジタルですが、デジタル関係など在宅でもできる業務が増えると思うので、こうした分野の職業訓練やリスキリングを進めてほしいといった意見。また、建設事業者などからは、障がい者を雇用したいが障がい者がいないといったお声、就職率は6割程度ですが、そことのギャップを感じるといった意見がありました。また、障がい者雇用のミスマッチを防止するために、就職前の職場実習やトライアル雇用の活用も大切であるといった意見もありました。その他、障がい者の様子をしっかり把握している企業であれば職場定着につながる印象がある、ジョブコーチをもっと活用してもらう仕組みも必要であるといった意見もいただいています。
今後の予定です。昨年度作成した障がい者雇用のためのガイドブックを基に、企業様等への障がい者雇用の普及を図りながら、また、企業の受入体制の整備を図っていきたいと考えています。
次に、ジョブコーチですが、職場定着にはジョブコーチの果たす役割は一定の効果がございますので、養成研修を秋にまた開催して、県内でのジョブコーチ支援の体制の充実を図りたいと考えています。
続きまして、7ページを御覧ください。9月の障がい者雇用支援月間に合わせて、知事、鳥取労働局長、県教育長から経済4団体に対して障がい者雇用推進の要請活動を行いました。要請活動の日程等は9月8日、要請先等は4団体です。要請のポイントは、そこに書いてあるとおりです。
また、今年度は、本要請と併せて事業者団体や県出資法人に対しても、関係部局を通じて障がい者雇用の推進について依頼させていただいているところです。
3に、現在取り組んでいる障がい者雇用と職場定着に向けた県の取組を記載しています。9月が障がい者雇用支援月間ということで、企業トップセミナーで、企業経営者等に障がい者雇用への理解を推進していただくための講演をしています。あと、(2)以降、ガイドブック、動画の作成、ジョブコーチの養成の研修、障がい者雇用アドバイザーによる企業の訪問等をしています。
◎鹿島委員長
報告6、「持続発展的なリモートワーカー育成等に関する協定」の締結について、岸本産業人材課未来創造人材室長の説明を求めます。
●岸本産業人材課未来創造人材室長
資料の8ページを御覧ください。「持続発展的なリモートワーカー育成等に関する協定」の締結について報告します。
令和5年度新規事業として取り組んでいる、とっとりリモートワーカー育成・実践事業で行うリモートワーカー育成プログラムを基盤に、今後、地域経済を支えていく幅広いデジタル人材の育成や就労支援など、本事業の展開を目指すために、リモートワーカー育成プログラムを提供してくださる企業、団体と、このほど協定を締結しました。今回、このプログラムの募集に当たり、定員50名に対して県民の方185名の応募を頂戴したことから、県民のリモートワーカーという働き方やデジタルスキル習得への関心や意欲を確認し、デジタルスキルの習得、就労支援を進めていくことに一定の手応えが得られたので、9月からの受講開始を機に、このタイミングで協定を締結した次第です。
資料の参考欄を御覧ください。とっとりリモートワーカー育成・実践事業について、概要を改めて御説明します。本事業は、デジタルスキルを活用して高単価で働くことが可能な県内リモートワーカーの育成、その後の就労の支援、育成したリモートワーカーへのアウトソーシングによる県内企業の業務効率化等の推進を図ることを目的としています。
(1)リモートワーカーの育成についてです。受講者は、この表にある3つの育成プログラムのうち1つを選ばれて、そのプログラムで設けられているデジタルスキルや、今後IT人材として働くためのビジネススキル等をオンラインで学ばれます。こうしたスキルの習得後、プログラム提供企業の指導の下に受講者数名のチームで実際に業務に従事し、報酬を得ながらスキル習得、就労を目指します。
なお、今回この各プログラムの提供企業、団体は、これらのプログラムを他県や県内で自社のサービスとして既に運営されていて、多くの育成実績を上げておられます。本県のこの事業は、こうした各社で実施されているプログラムを一つの大きな枠に束ねて、受講者御自身が挑戦したいものを3つから選べるようにしていること、育成プラスその先の仕事につなげるために、リモートワーカーを活用する県内企業の掘り起こしを行うこと、プログラム提供先でもある県内のNPO法人が本事業全体の運営事務局を担われ、県内での継続的な運営も可能となっていることが大きな特徴です。
(2)取組経過等に記載のとおりですが、6月から8月に受講者募集をしたところ、定員50名に対して185名の応募をいただきました。プログラム提供先による選考によって合格水準にある方々55名をこのほど受講者として、9月から各プログラムが順次スタートしています。これから年内までデジタルスキルの習得をしてもらいます。年明けからは、その習熟度に応じた受講者のチームを編成して、複数名で各プログラムの提供先のクライアントさんから発注された実際の業務に従事されて、学んだことを実践し、経験を積んでいただきます。その後、年度末までお一人お一人の受講者さんの意向、フリーで自分で仕事をするとか、別の会社に就職するとか、いろんな方向がありますが、受講者の意向に沿って就労支援をしていきます。
なお、今回受講に至らなかった皆様には、プログラム提供企業が自社で展開している講座や、鳥取市が実施しているリモートワークの講座をお知らせしており、プログラムは違いますが、意欲ある県民の皆さんにデジタルスキル習得に取り組んでもらえるよう御案内しています。
では、上に戻りまして、締結式の概要について御説明します。9月15日に県庁特別会議室で、リモートワーカー育成プログラム提供団体、企業の代表者に集合してもらいまして、地域のデジタル技術人材の育成、就労支援、県内産業の活性化を目的とした協定を締結しました。協定書は、右の9ページに掲載しているとおりです。地域でのデジタルスキルの習得、リスキリングの推進、多様な働き方への理解の推進など、本リモートワーカー育成事業を起点として、取組の発展に協力していく趣旨の協定内容です。これを踏まえて、今後は、構想段階ではございますが、育成人数やコースの拡充、育成したリモートワーカーへの安定的な業務の提供、働き方に関するセミナーの開催等について、関係機関や受講者の声を伺いながら、協定締結先とも相談しながら実施していきたいと考えています。
◎鹿島委員長
報告7、小鹿第二発電所の再整備工事完了に伴う運営開始について、山根経営企画課長の説明を求めます。
●山根経営企画課長
企業局資料の2ページをお願いします。令和5年8月に鳥取県営水力発電所再整備運営等事業における小鹿第二発電所の再整備工事が完了し、PFI法第19条第1項の規定に基づき、
M&C鳥取水力発電株式会社に対して令和5年9月1日付で当該発電所の公共施設等運営権を設定しましたので、その概要を御報告します。
公営施設等運営権を設定した施設の名称は小鹿第二発電所で、三朝町三朝に立地しており、最大出力が5,500キロワットの発電所です。運営権者はM&C鳥取水力発電株式会社で、小鹿第二発電所に係る運営維持業務を行います。同社は、令和2年9月から既に舂米発電所で運営権設定による運営維持業務を行っていますが、舂米発電所は再整備工事を直営で行いましたので、PFI・コンセッション方式の再整備発電所としては小鹿第二発電所が初めての事例となります。運営権の存続期間は令和5年9月1日から令和25年8月31日までの20年間で、オプションで最長令和52年3月31日までの延長を可能としています。
再整備工事については、令和3年9月1日から令和5年8月31日までの工期で、取水口、導水路、発電所及び放水口の改修、更新を行いました。県の関わりですが、運営権者による再整備工事及び運営権設定後の事業運営が円滑かつ適切に遂行されるよう、運営権者の取組について定期的にモニタリングを行ってまいります。
<参考>の3に今後の予定を記載していますが、令和6年2月に小鹿第一発電所、令和6年12月に日野川第一発電所の運営権設定を予定しています。
◎鹿島委員長
ただいま説明がございました。
これにつきまして質疑等ございませんでしょうか。
○福浜委員
まず、商工の2ページ、日野自動車の関係です。これは智頭町で、多分AIか何か使って、地域住民の車を動かす人と、実際その車に乗ってあちこち買物に行ったり病院に行かれたりする方のマッチングをやっていたと思うのですが、そのバックアップをしていくような考え方でよろしいのでしょうか。
●田中立地戦略課長
委員がおっしゃったとおり、もともと1月から智頭町の交通再編に絡まれて、最初にこの地域住民のアンケートを取り、それで移動のルートといったものをAIで解析して、地域に合った地域交通を提案して、実施するということです。これがここに書いている地域交通コンサル業務的なところです。それを1月から関わられて智頭町でされて、7月から遠隔での管理業務を受託するようになったということです。それで、智頭町でこういったことがありましたので、鳥取に本格的にオフィスを設置して、中国地方で広げていくという格好です。
○福浜委員
概要は分かりました。中国地方に限らずどこでもできる話で、日本全国、ここがもしスタートになるのであれば広がっていく可能性のある取組ではないかなと思っていますので、ぜひバックアップをお願いします。
下のもう1個ですが、以前ここのソリューションズの社長とお話ししたときに、ドローンはやはり実験場が欲しいのだと。例えば古い学校の校庭ぐらいのスペースがないとなかなか実験ができないという話だったのです。進出が決まってよかったのですが、そういったバックアップも市や県にお願いしているという話はあったのですが、その辺はうまくいったのでしょうか。
●田中立地戦略課長
GEOソリューションズの実証実験の関係ですが、実は今、適地を探しているところです。まだ見つかってはいないですが、多分今月末ぐらいにオフィスを設置されて、落ち着かれてから本格的に実証場所を交渉されたり、見つけに行くという格好になってくると思います。
○福浜委員
もともと鳥取市内にあった事業所さんとの提携が大きな要因だったのですが、その鳥取市内にある事業所さん、めちゃめちゃでかいドローンを作ってみたりと、かなり特殊な技術を持っていらっしゃって全国的にも希有な存在、そこに目をつけられて進出されたので、まさにこれは化ける可能性があると思うのですよ。既存のしっかりドローンの実験をやっていらっしゃるところ、ほかの小学校の跡地などでやられているところもありますが、これはこれで非常に特化したからこその将来性というところが、知事がよく言うニッチな部分というところも含めて可能性があると思うので、ぜひサポートをお願いしたいと思います。
もう1個いいですか。
◎鹿島委員長
どうぞ。
○福浜委員
障がい者雇用の関係の6ページ。障がい者雇用の中で、例えばB型作業所の話を聞いたのですが、ここにリモートワーク型と書いてあります。県内で、これまで作業所に通ってもらって作業をしていくという形態もあれば、名古屋でかなり積極的にやられているそうですが、B型作業所が障がいのある方をリモートでうまく活用しながら、いろいろ受注先を探してマッチングしていると。まさにこれからの時代はそういう展開もあるのだろうなと考えていくと、この中で言われている今後の取組の中で在宅での取組という部分は、コロナを経験して、できるということが分かったので、別に障がいのある方に限らない話かもしれませんが、非常にポイントになっていく、障がい者にとっても非常に大きな門戸ではないかなと。これまでのように切ったり貼ったりとかというのではなく、パソコンで業務ができていくという、それがまさに作業所や事業所に行かなくてもいい可能性も広がっていくわけで、本当にこれは本腰を入れてやっていただきたいと思うのですが、その辺はどうお考えでしょうか。
●溝内雇用・働き方政策課障がい者・外国人就労支援室長
今、御質問にありましたリモートの関係、テレワークというスタイルになると思うのですが、県内でも米子のタクシー会社さんでも在宅でパソコンを使って業務をされているような事業所もございます。一般の会社でもそうなのでしょうけれども、そういったテレワークの取組は、障がい者雇用の部分でも少しずつ取り組まれているような事業所もございます。そういったところを御紹介していくことなどを通じて、障がい者雇用は必ずしも事業所に来ていただくことだけがやり方ではないのだということで、そういった工夫をしながら障がい者雇用が進むように、また事業所等に働きかけていきたいと思います。
○福浜委員
最後にしますが、今後の予定の中にそういうくだりが全く書いてないので、あえて質問させていただいたというところで。これは事業所もそうですが、人材をつくっていくという観点からすると、学校、要するに教育機関などとの連携も必要だと思うのです。ぜひ教育委員会、県教委などともタッグを組みながら、どう教育カリキュラムを拡充していけばいいのかというところも踏まえて、ぜひ本当に本気でやってください。よろしくお願いします。
●溝内雇用・働き方政策課障がい者・外国人就労支援室長
養護学校ですが、テレワークの関係で少し試験的といいますか、業者さんにテレワークはこんなのだよということで仕組みを知っていただくような機会も設けたところです。教育委員会等とも連携しながら進めてまいりたいと思います。
◎鹿島委員長
ほかにございませんでしょうか。
それでは、ないようでございます。
その他として、次に、商工労働部及び企業局に関して、執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。
○浜田(一)委員
直接県が関係しているかどうか分からないのですが、今の米子バイオマスのことです。火災が起きて爆発が起きて、当初から騒音の問題があったりと、いろいろトラブルが続いているのですが、どうも爆発も1回ではなかった、数回にわたっているというような話も聞いていますし、周辺に住んでいる人は、やはり相当怖い思いをされている人がすごく多いと思うのです。境港にもこうやってまた新たに同様の企業を造るとなると、やはり周辺の企業なども、水産関係を中心として、本当に大丈夫なのかという危惧をされている声もよく聞くのです。今は米子市の市長が操業を止めて原因を徹底的に究明するという話ですが、県としてはどの辺りまで現状について把握されているのか教えてください。
●池田商工労働部長
商工労働部が直接には関わっているわけではないのですが、今、生活環境部が中心にやっています。先日も知事が会見でも申していましたが、基本的には電気事業法の関係、経産省所管ですし、消防法の関係は消防庁の所管になりますので、県も一緒になって、まず実態調査から入って、その原因をしっかり究明した対策を取るようにと国に申し上げるようなことを描きながら進めているとは聞いています。ただ、これほど頻発する原因って一体何なのかと。粉じん爆発の可能性もあるということもありますし、もともとあそこはPKSや木材チップを保管するときに、中に水が含まれると、メタンガスが発生して爆発するような可能性もあるとよく言われる。それで、知事の問題意識としても、これは特定の事業者だけの問題ではなくて、日本各地でも同様の事故は発生しているので、やはりその辺のメカニズムを踏まえた必要な対策というか、規制も視野に入れながら対策を取っていく必要があるのではないかなと。当然、個々の事業者に特定の事情もあるのかもしれませんので、本来、県の権限というのは直接的にはないのですが、米子市自体が一定の協定を結んで進出いただいて事業を実施されているという事情もございますので、そこに一歩、県も踏み込むような形で関わりながら進めていくということを、先日も知事も表明していました。そういう形で進んでいくのだろうなと思っています。
○浜田(一)委員
県としてもいろんな情報を収集することは、やはり米子市のフォローをする上においても大事だと思いますので、ぜひ連携をして原因究明を図っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○前原委員
同じく、米子バイオマスのすぐ近く、500メートルのところに住んでおり、今回、議会でも質問させていただくのですが、これは4回目の事故なのです。粉じん爆発だと言われているのですが、粉じん爆発は多分初めてで、私もそのときに、雷が落ちたのかなと思ったのです。工業団地というか、工業地帯についての規定が県はどうなっているのかが分からなくて、中学校が500メートルしか離れていないところにあるわけです。住宅からも、一番近いところは200メートルか300メートルしかないと思うのです。当初から騒音が問題になっていて、さんざん地域住民の方が抗議を入れたにもかかわらず、なかなか聞き入れてもらえないで、ようやく市が動いてもらって二重サッシという形になったのですが、それも規定があってなかなか騒音が解決できていない状況で、度重なる火災が発生している。なおかつ爆発が発生したということで、私が住んでいる自治会の方はかなり怒っているのです。
この工業団地としての条件というか、あそこはたしか、あのために和田浜工業団地は拡張されていますよね。あの辺のいきさつがよく分からなくて、この辺について、議会質問しようかなと思ったのだけれども、ついでなので聞きたいと思います。お願いします。
●佐々木経済産業振興監
私も直接詳細までは分かりかねるのですが、和田浜工業団地自体は工業専用地域で、一定の騒音とか許される範囲、法律の範囲内で企業さんの立地は可能ですので工業団地が形成されています。5ヘクタール以上の空き用地があったということで、当時、米子市さんが、どちらかといったらその空き用地の早急な解消ということで企業の誘致、その一環としてバイオマス発電所の誘致といいますか、実際その話があったので立地いただいたところです。さっき部長が申し上げたとおり、地元との協定も結んで、事業者はある程度そこについては担保を取った形で建設を進められたということがございます。ですので、法令上の一定のルールの中で立地していることは間違いないのですが、実際運用していく中で一定の基準を超えた、例えば一時的に音が大きくなったり、さっき言った爆発のようなものがあったりということは当然出てきますので、それについては1件1件個別に対応していくことになるのですが、今現在の工業専用地域の工業団地の範囲内での基準は一定満たした上での立地になっていることは確実です。ただ、個々の案件についてはそれぞれに対応していくということはこれから出てきますので、それについては県もしっかりと米子市さんと連携してやっていくことになると思います。
○前原委員
最後にしますが、これは中学校から500メートルぐらいなのですけれども、これって全く問題ないのですか。後づけの工業専用地域になっていますよね。その当時はたしかその面積がなかったものですから、米子市が拡張して県に相談されていると思うのですが、中学校から500メートルというのがどうなのかなとすごく思っています。もし大きな爆発があった場合、たしか千葉県の袖ケ浦でしたっけ、4か月間、火災が消えなかったというのがあったと思うのですが、あのような状態になった場合を想定はされていなかったと思うのです。騒音とかその辺に関してはどうなのかなという疑念が残るのです。
●佐々木経済産業振興監
多分、都市計画区域上の設定を米子市さんがどうされたかということに係ってくると思いますので、それは関係部局とまた話をして、当時の経緯をもう一度調べて御報告させていただきます。
◎鹿島委員長
かなり大きな問題ですので、これはここまでにお願いしたいと思います。
ほかにございませんでしょうか。
意見が尽きたようでございます。商工労働部及び企業局につきましては、以上で終わりたいと思います。
ここで暫時休憩をしたいと思います。11時25分まで休憩したいと思います。
午前11時17分 休憩
午前11時25分 再開
◎鹿島委員長
再開いたします。
引き続き、農林水産部第1部に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いいたします。
なお、質疑等につきましても、説明終了後に一括して行いたいと思います。
それでは、初めに、岡垣農林水産部長に総括説明を求めます。
●岡垣農林水産部長
先日の台風第7号で被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げたいと思います。
さて、先日の台風第7号の大雨被害により、県東部、中部を中心に、9月7日現在で約111億円という農林水産被害となりました。今回の補正はこの農林水産被害対策を中心にしています。
それでは、農林水産部の議案説明資料3ページをお願いします。このたび補正額として110億7,700万円余をお願いするものです。当初予算と合わせて356億700万円となります。事業については、先ほど申し上げたとおり台風第7号の被害関係のものが中心です。この中には、台風第7号でのさらなる被害復旧対策や、今後発生する可能性がございます災害に対する枠予算として13億円余をお願いするものも含まれています。このほか肥料高騰対策として、化学肥料を減じるための取組、漁船リースの追加、主要水産産地における共同利用施設設備、そして、中国による水産物禁輸措置に対応するための県内事業対策がございます。また、損害賠償に係る和解案件1件について報告させていただきます。
個々の事業については担当の局長、課長等から説明しますので、御審議のほどよろしくお願いします。
◎鹿島委員長
続いて、関係課長からの説明を求めます。
●安陪生産振興課長
資料の4ページをお願いします。新規事業の鳥取県みどりの食料システム戦略推進事業(化学肥料低減定着対策)で2,400万円をお願いするものです。
今年の3月に策定した鳥取県みどりの食料システム戦略基本計画において、化学肥料2割低減を推進目標に掲げています。また、肥料価格は、一時期に比べると落ち着いてきているところではございますが、依然高い状況です。化学肥料の低減によって、肥料価格変動の影響を受けにくい生産体制の確立を図っていく必要があるところです。
このたび、国が肥料価格高騰対策として市町村単位などで行う化学肥料低減に向けた、例えば堆肥を活用する上で散布代といったかかり増し経費について2分の1を支援することとなっています。本事業においては、国の助成を差し引いた額の残りの分から3分の1について県で助成するものです。国の事業を活用しながら県で上乗せすることにより、化学肥料の低減に向けた取組を一層進めていければと考えているところです。
●森田農地・水保全課長
資料5ページをお願いします。しっかり守る農林基盤交付金で5,000万円の補正をお願いするものです。
冒頭で部長から話があった台風第7号により被災した農地、土地改良施設等の早期復旧を図るために、国庫補助事業の対象とならないものに要する経費をお願いするものです。台風第7号は、主に鳥取市、八頭町、三朝町といったところの被害金額が大きいということで、これらの復旧を早期に図りたいと考えています。
続きまして、6ページをお願いします。公共事業、耕地災害復旧事業で55億円の補正をお願いするものです。
先ほどの事業と同様に、台風第7号により被災した施設、農地の復旧を行うものです。公共事業の予算説明資料は14ページから16ページに載せていますし、着工地区の概要は20ページに掲載していますので、御覧いただきたいと思います。
17ページから19ページは、先ほどの公共事業の予算説明資料と同じものが綴られていますので、大変申し訳ありませんが、飛ばして御覧いただけたらと思います。
続きまして、7ページをお願いします。こちらも公共事業で、災害激甚化対応復旧特別枠です。補正予算として13億円をお願いするものです。この事業の中にも耕地災害と林道災害と2つの項目にさせていただいていますが、私からは、耕地災害について説明させていただきたいと思います。
これも先ほど冒頭で部長から話がありましたが、今後発生する災害による被害を受けた場合に早期復旧を図るために、耕地災害につきましては8億円の枠予算をお願いするものです。
●福田畜産振興課長
8ページをお願いします。鳥取放牧場災害復旧事業で3,700万円余をお願いするものです。
県内の畜産農家が育成牛等を預託している鳥取放牧場において、台風第7号により発生した放牧場内道路の土砂崩れに対する復旧を行うものです。河合谷牧野2か所、俵原牧野2か所、兵円牧野5か所について、土砂崩れの土砂撤去と土留め工事及び道路復元工事を行い、速やかな復旧により牧場機能の回復を行うものです。
●島﨑中部総合事務所農林局長
資料32ページをお願いします。報告第1号、議会の委任による専決処分の報告についてです。これは、交通事故による損害賠償に係る和解及び損害賠償の額の決定について、8月31日に専決処分がなされたので報告するものです。
和解の相手方は、倉吉市の個人です。和解の要旨として、県側の過失割合を2割とし、県は損害賠償金2万1,617円を相手方に支払うものです。
事故の概要ですが、令和5年5月31日に倉吉市国府地区において、中部総合事務所の職員が公務のため公用車を運転中、道路左側に停車中の和解の相手方所有の小型貨物自動車を避けて右側を通過しようとした際、和解の相手方が開けた同車両の前部右側ドアに接触し、双方の車両が破損したものです。
安全運転の励行については、日頃から注意喚起を行っているところですが、このような事故が発生したことを受けて、改めて職員に安全運転の徹底を周知してまいります。このたびは誠に申し訳ありませんでした。
◎鹿島委員長
それでは、ただいまの説明について質疑等ありませんでしょうか。
次に、農林水産部の報告事項に移りたいと思います。
執行部の説明は要領よく簡潔にお願いしたいと思います。
報告12、一定額以上の工事又は製造の請負契約の締結については、資料に記載のとおりでありますので、説明は省略します。
報告8、令和5年台風第7号に係る農林水産関係被害について、中村農林水産政策課参事の説明を求めます。
●中村農林水産政策課参事
資料の2ページをお願いします。台風第7号によって、県東中部を中心に生じた農林水産関係被害の状況がまとまりましたので、改めて御報告させていただくものです。
最初に、被害の概況です。農作物被害としては、果樹の落果、土砂による埋もれ、樹体の損傷のほか、水田への土砂の流入、さらには大豆や白ネギ等の冠水といった被害が63ヘクタール余りの面積で生じて、被害額は約1億4,000万円となりました。また、農地、土地改良施設関係では広範にわたる被害となり、農地ののり面崩壊、農道の路肩崩壊、水路の閉塞、頭首工の破損といった被害が1,900か所以上で生じて、被害額は約67億円に至りました。林道、林業専用道についてです。165路線で路肩崩壊等によって被害額43億円超となりました。農林水産関係被害額は、冒頭に部長からもございましたように、全体で110億円を超えて、少なくとも過去30年で最大の台風被害額となる状況です。
復旧に向けての対応ですが、第一に、知事専決予算によって、施設園芸ハウス、果樹棚等の復旧対策、生育中の品目の緊急防除、家畜の病気予防支援、また農地、林道等の復旧のほか、風評被害を防ぐための対策等を行ったところです。また、県職員、JA、鳥取市の職員の皆さん共々、被災農園の援農に出向きまして、土砂流入で収穫が困難となった鳥取市佐治町の梨園の土砂撤去等を人力で支援して、無事に今年産の梨を収穫することができたところです。こうした応急復旧の進捗状況、今後の復旧方針は、復旧・復興本部会議において共有、検討して、本格復旧予算を今回9月議会に御提案申し上げるに至っています。
また、被災6日後の8月21日、谷防災担当大臣の視察、今月4日の野中農林水産副大臣の視察を通じて被害の現状をお伝えするとともに、激甚災害の早期指定、災害査定の迅速化のほか、必要な復旧予算の確保と積極的な財政支援について野中農林水産副大臣へ重ねて要望を実施するなど、対応してきたところです。引き続き応急復旧に取り組みながら、災害査定に向けた対応、手続を市町と連携して進めていくことによって、できるだけ速やかに次期作付に向けた基盤の条件が整うよう尽力していきたいと考えています。
◎鹿島委員長
ただいまの説明について質疑等ありませんでしょうか。
○坂野委員
もう1か月以上たつのですよ。この激甚災害の指定の見通しはいつ頃になるのかをお願いします。
●中村農林水産政策課参事
通例、発災からおおむね1~2か月となっていますので、もうしばらく被害状況の報告を上げ、その後、中央防災委員会等での検討を経て状況が固まるかと思っています。
○坂野委員
いろいろ農場なども見せていただいたのですが、白ネギ農家さんなどで例年にない白ネギの生育状況の悪さだというお話も伺いました。根元から白ネギが腐っていたり、雑草に負けているような状況を見せていただいたのですが、これは台風7号の大雨の影響なのかどうか、その辺りは県として把握されているのか、どういう分析をされているのかというのがもしあったら教えていただければありがたいです。
●安陪生産振興課長
個々の圃場の状況によりますので、一概に台風の影響と言えないところはあるのですが、水田圃場で白ネギとか作る場合に、一般的には水に一定程度つかった後に降雨に遭うと病気が出やすいという状況もございます。今年の場合、台風等で水につかった後に、御存じのとおり気温がかなり高い状況ですので、病気が出やすい状況かなと考えています。その辺の状況を含めて、県内の状況も、どちらかといえば高温の影響といったところも確認しているところですが、詳細な分析はこれからかなという状況です。
○坂野委員
最後にします。鳥取市内の農家さんのお話ですと、西部でも同じようなネギの状況の農家さんがあるというようなお話を承りましたので、単に台風第7号の大雨の影響だけではないのだろうなと思っていましたが、先ほどおっしゃったように高温の影響もあるのではないかという御指摘は、まさにそのとおりではなかろうかと思っております。高温に適応、対応し得る品種の改良等をこれからやっていくべきではないかというような質問も伊藤議員がされるようですので、そのときにしっかり御答弁いただければと思います。
◎鹿島委員長
ほかにございませんか。
○浜崎委員
農林水産関係被害の2ページ、国への要望活動というところです。ここに書いてあるように、21日には谷防災大臣、9月4日には野中農林水産副大臣ということですし、それから、8月24日は、部長も御存じのとおり、私も国への要望活動については、ここに写真も出ていますが、知事や鳥取県選出の国会議員と一緒にさせていただいたということです。今、激甚災害の話もあり、それはそれとして大事な話なのだけれども、これだけいろいろと被害状況、概況ということで具体的に書いてある。要は、要望内容に対する国の取組状況、国の動きが具体的に、今の状況で分かる範囲でお知らせいただけたらなと思いますが、どうでしょうか。
●岡垣農林水産部長
浜崎議長も8月24日に一緒に要望いただいたということもございまして、国もこの被害状況は非常に注視されているところです。実際に野中副大臣からは、この被害規模を見る限りは、激甚指定はほぼ、可能性は高いとは思うと。ただ、担当が農林水産省ではなくて内閣府になりますので、若干時間はかかるかもしれないというところもございます。ただ、激甚災害指定を前提とした補助制度や、迅速な査定をいろいろ進めていって、結局はなるべく来年の就農や作付に間に合うような形で、いろいろと進めていきたいということをいただいているところです。我々も国にいろいろお話をしまして、国と一緒になって、来年に間に合うような形で進めていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
○浜崎委員
ここに知事専決なり、被災梨園の援農ということなり、また会議もあったりという流れがあるのだけれども、その都度その都度、状況によって、また改めて国にも、今の状況はこうだけれどもこういう部分がという指摘、話も持っていってもいいのではないかなと思いますので、そこをしっかりとやっていただきたい。何せこれだけの状況が出ているわけで、農業にも非常に影響が深刻です。御存じのように、これは農林水産部だけの話ではないのだけれども、佐治のところは完全に橋が桁ごと飛んでいるからね、あれも現場はすぐ私らも行かせてもらって見た。そういう状況の中で、やはり本県の第一次産業は非常に大きな立ち位置なので、僕らのところは国の動きをしっかりと、交渉も含めてお願いしたいということを改めて申し上げておきたいと思います。
◎鹿島委員長
ほかにございませんか。
ないようでございます。
農林水産部第1部に関してほかに、皆さん、何かございませんでしょうか。
ないようでございますので、農林水産部第1部につきましては以上で終わりたいと思います。
午前11時46分 休憩
午前11時48分 再開
◎鹿島委員長
再開いたします。
引き続き、農林水産部第2部に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いします。
なお、質疑等につきましては、説明終了後に一括して行いたいと思います。
それでは、関係課長からの順次説明を求めます。
●近藤県産材・林産振興課長
議案説明資料の7ページをお願いします。公共事業の新規事業で、災害激甚化対応復旧特別枠として、2の枠内にあるとおり、林道施設災害について、13億円のうち5億円の枠予算の設定をお願いするものです。今後発生するであろう災害にも備えるために、林道施設の早期復旧を図るための枠予算としてのお願いです。
次に、9ページをお願いします。森林作業路網災害復旧対策事業として4,650万円をお願いするものです。台風第7号によって被災した林業専用道や森林作業道について、市町村を通じて復旧作業に要する経費を支援するものです。
次に、10ページをお願いします。林道施設災害復旧事業として40億7,800万円をお願いするものです。台風第7号により被害を受けた林道施設を速やかに復旧するとともに、多量の土砂等が堆積している側溝等のしゅんせつ等を行い、早期に機能回復を図りたいと思います。2の枠内にあるとおり、県営で5億4,300万円、市町村が管理する団体営で35億1,500万円、それから、しゅんせつ等に要する経費として2,000万円という内訳になっています。
16ページには、補正予算説明資料として林道施設災害復旧事業の45億5,800万円、単県林道施設災害復旧事業として2,000万円を記載しています。
21ページをお願いします。ここでは、公共事業着工地区の概要ということで林道の変更分について掲載していますので、御確認をお願いします。
次に、30ページをお願いします。繰越明許に関する調書です。林業費、林道費で合わせまして1億7,300万円の繰越をお願いするものです。
31ページに理由一覧を掲載しています。県営森林環境保全整備林道事業、倉吉市の案件です。入札を行いましたが、当時、業者さんで工事が集中して受注されていまして、入札不調となりました。したがいまして、入札時期を見直す必要が生じたので、年度内の完了が困難となっています。また、県営農山漁村地域整備交付金林道事業は、鳥取市、日野町案件ですが、昨年度からの繰越事業が、構造検討や盛土用地の同意取得に不測の日数を要して、工事完了が遅れています。これに伴い今年度発注する予定の工事が遅れており、年度内完了が困難となっています。これにより繰越をお願いするものです。
●寺田水産振興課長
議案説明資料の11ページをお願いします。漁業就業者確保対策事業です。この事業は、漁業への新規就業者に対して、研修支援及び就業のための漁船取得、漁業活動のための相談員設置といった支援等を様々な角度から行うものです。このたび研修を終え、着業を予定している新規着業者の漁船等の確保のために、漁業経営開始円滑化事業として1,750万円の補正をお願いするものです。
続きまして、資料12ページをお願いします。主要水産産地共同利用施設等整備事業です。この事業は、県内の水産の流通拠点漁港、生産拠点漁港及び産地市場を有する港湾を有する地区を対象として、共同利用施設の整備に要する経費の一部を支援するものです。このたび、産地市場を有する港湾である田後地区の貯氷施設等の整備に対して、1,400万円余りの補正をお願いするものです。現在の田後漁協所有の貯氷施設は、昭和43年に竣工して55年を経過しています。外壁にはクラックが生じ、一部崩落も確認されており、構造体も腐食を起こしているため建替えが必要と判断されています。
●山本販路拡大・輸出促進課長
13ページをお願いします。「食パラダイス鳥取県」輸出多角化等特別強化事業で1,000万円の補正をお願いするものです。中国による禁輸措置の影響を受ける県内事業者が行う販路開拓活動、例えば中国に代わる新たな取引先の確保のための商談や、県内加工体制の強化等、加工設備導入等に係る経費の一部、補助率2分の1で支援するものです。
◎鹿島委員長
ただいままでの説明について質疑等ありませんでしょうか。
○鳥羽委員
最後の13ページ、この県内の水産事業者がどれぐらい被害を受けられているのか、もう数字が出ていますか。
●山本販路拡大・輸出促進課長
実際に中国向けに輸出をされるための施設登録をやっている4事業者ございまして、そのうち中国で一部加工するというような事業者様がいらっしゃいます。実際には既に原料等は中国に送られている状況がございまして、今現在、直接的な損害等は発生していない状況と聞いています。
ただ一方、中国の禁輸措置が長引くということであれば、例えば商社経由で原料を商社に出して、それが間接的に中国に渡るというような商品等については今後影響が出てくるだろうというようなことがございますので、政府等のしっかりとした説明をお願いしながら、中国の禁輸措置の緩和を進めていただければと思っています。
○鳥羽委員
加工業者のことは分かりました。一般の水産業者というのは、鳥取県においては中国に直接的な輸出というのはあまりなかったということなのですか。
●山本販路拡大・輸出促進課長
基本的に、中国に輸出する場合は中国政府の施設登録が必要で、その登録をされているのが4社ということです。
◎鹿島委員長
ほかにございませんか。
○浜崎委員
今の13ページです。輸出先転換対策事業も絶対大事なことなのでやっていかないといけないと思う。その中で、思ったのだが、具体的に想定している品目があるか。対中国どうのこうのという話は、それはそれでやらないといけないのだけれども、具体的にこの「食パラダイス鳥取県」輸出多角化等特別強化事業で品目的に想定しているものがあれば、何となく具体的な品目、イメージでもいいけれど、今の段階でそこまではという答えもあるかもしれない、それも寂しいのだが、それが一つ。
もう一つは、中国に代わる輸出先の創出も重要なのだが、改めて、一方では、やはり国内での販路拡大。それと、やはり県内での地産地消もしっかり目を向けて取り組んでいただきたいと。課長、部長も、もう分かっている話だとは思うけれども、この事業の話のときに改めてそれも言っておかないといけない。そこも総合的にしっかり対応して、そのことによってこの特別強化事業も生きてくると思います。それだけということではなくて、これは部長かもしれないけれども、そのことも併せてお願いをしておきたいと思います。以上、2点。
●山本販路拡大・輸出促進課長
品目についは、現在、中国で禁輸されているのが水産物になりますので、水産物以外のものは輸出ができると認識しています。ですから、対象としては水産物と考えています。
●岡垣農林水産部長
今、山本課長からもございましたが、水産の特にアジとかの加工業者がおられますので、そういったところはもしかしたら被害を受けられるかなというところは、まず一つ想定はしているところです。
○浜崎委員
水産物は分かっているのだけれども、やはり今の状況からして、表にはまだ具体的に出せないかもしれないが、そういう部分の認識を持っておられるかなと思って。品目的なものは大事になってくるし、それがまた鳥取県の関係者ということにもつながっていくわけですから、それであえて聞いたということです。
●岡垣農林水産部長
アジというところがあることと、もう一つ、今、浜崎委員からもございました国内の販路拡大というのも確かにおっしゃるとおりです。我々としても、中国が禁輸になって輸出ができない、業者としてはあまりないのですが、やはり鳥取県は漁業が非常に盛んなところです。特に境港を中心として、これからまたカニも出てくるということもあります。そういったものの地産地消をぜひ進めていきたいと思います。高いですが、我々もみんなでカニを食べていきたいと思います。よろしくお願いします。
○浜崎委員
カニもいろいろレベルがあるからね。(笑声)
◎鹿島委員長
ほかにございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
ないようでございます。
それでは、報告事項に移りたいと思います。
執行部の説明は要領よく簡潔にお願いします。
質疑等については、終了後に一括して行いたいと思います。
報告9、漁業権の免許について及び報告10、北陽水産のかにかご漁船の衝突事故について、鈴木水産振興局長の説明を求めます。
●鈴木水産振興局長
3ページを御覧ください。漁業権の存続期間の満了に伴い、9月1日に新たに漁業権を免許しましたので報告します。
海面漁業権の(1)第一種共同漁業は採貝採藻漁業に関するものです。表中、線を引いている箇所が前漁業権からの変更箇所になります。こちらについて、各海区にある漁協に漁業権を免許しました。前回からの変更ですが、海共第6号のテングサは利用予定がないことから除外しました。新規に設定したものは、海共第3号のクロモ、海共第5号のイガイ、海共第8号のアワビ、サザエ、イガイ、カキです。8号は、沖の防波堤が漁業権の区域内まで延伸されたことによるものです。なお、クロモは6月にも漁獲があることから、漁業時期を1か月延長して6月30日までとしています。また、コタマガイですが、これまでハマグリとしていましたが、正式名称のコタマガイに変更しました。
次に、(2)第一種区画漁業権は養殖関係の漁業権になります。第一種区画漁業権は、青谷のワカメ養殖と淀江のノリ養殖について、今後利用する見込みがないことから除外しています。一方、8号になりますが、青谷で同じ場所に魚類の小割り式養殖業を新規に免許しています。また、漁業者の意欲や環境変化に柔軟に対応できるよう、魚種を指定しないこととしました。
4ページを御覧ください。定置漁業です。免許は御来屋支所の1地区のみです。
続きまして、2の内水面漁業権です。定着性の水産物を対象にした第一種共同漁業権と増殖義務のある第五種共同漁業権を、各漁場にある漁協に免許しました。東郷湖のゴカイは、近年利用されていないことから除外するものです。また、湖山池は汽水化後に減少に転じた魚種があったり、湖内環境の変化に対応した増殖法や漁業実態の変化に対応するため、引き続き5年の短期免許としています。参考として漁業権免許までの経過を載せていますので、後ほど御確認ください。
続いて、5ページを御覧ください。有限会社北陽水産のかにかご漁船の衝突事故について報告します。
9月12日火曜日午後1時半頃、新潟県、佐渡島の弾埼灯台から約350キロ北西の日本海で、北海道函館市のイカ釣り漁船、松耀丸と境港市の有限会社北陽水産所有のカニ籠漁船、第三十八やよい丸が衝突したと、海上保安庁本庁宛てに118番通報がありました。
第九管区海上保安部によると、松耀丸は左舷側に破孔があり、午後2時35分頃沈没、また、第三十八やよい丸は船前方に損傷が確認されています。幸いなことに松耀丸の乗員は沈没前に救命いかだを使って脱出し、第三十八やよい丸に移乗し、14日午前1時頃に境港に帰港しています。現在、海上保安部による調査中ですが、再発防止に向け、事故原因をしっかり解明することを期待しています。
◎鹿島委員長
次に、報告11、ベニズワイガニ漁の解禁について、寺田水産振興課長の説明を求めます。
●寺田水産振興課長
資料6ページを御覧ください。ベニズワイガニ漁の解禁について御報告させていただきます。
カニ水揚げ日本一の境港に、今期のベニズワイガニの初水揚げが行われました。9月1日に解禁となったベニズワイガニですが、昨年と同じ9月6日に初水揚げとなりました。今年は2隻の入港で、水揚げ量も昨年と同じ10トンとなっています。金額について、1籠当たりの平均単価が1万3,000円超と、昨年の25%減とはなっていますが、最高値に関しては昨年を1万円ほど上回っています。初水揚げ以降4日連続で水揚げがあり、現在のところ8回の水揚げ、延べ19隻が入港しています。現時点での水揚げ量は、昨年が、しけとか台風の影響が非常に大きかったので、昨年を大きく上回っている状況です。
今後のベニズワイガニのPRですが、10月から境港市内の保育園でカニ集会、年明けにカニ感謝祭等を計画しています。また、10月に4年ぶりに開催となる水産まつりにおいては、ベニズワイガニの振る舞い、食べ方教室といったものが計画されています。
◎鹿島委員長
それでは、報告12、「食パラダイス鳥取県カーニバル」首都圏メディア発表会について、藤田食パラダイス推進課長の説明を求めます。
●藤田食パラダイス推進課長
資料は7ページをお願いします。「食パラダイス鳥取県カーニバル」首都圏メディア発表会について御報告します。
食パラダイス鳥取県の首都圏でのお披露目と、蟹取県ウェルカニキャンペーンが10年目の節目の年を迎えることを記念して、メディア発表会を行いました。日時は今年の8月30日、場所はとっとり・おかやま新橋館、アンテナショップの2階イベントスペースで行いました。
プロモーションの内容ですが、梨をはじめとした県の特産品やウェルカニキャンペーンの紹介のほか、高視聴率で終わったTBSドラマ「VIVANT」に絡めたトークを知事に展開していただき、台風第7号からの復興と鳥取県への誘客について情報発信を行いました。足立梨花さんは母方の祖母が米子市出身ということで御縁のある方ですし、旦那様のTATSUさんは今年の9月17日にとりぎん文化会館梨花ホールで、とっとり手話フェスLIVE2023の総合プロデュースを行っていただきましたが、この御夫妻に食パラダイス鳥取県梨応援大使を委嘱しました。
メディアの露出状況ですが、ウェブニュースが403件、テレビのキー局にもたくさんお越しいただきまして、日本テレビ、フジテレビ、TBSほか全7件のメディア露出がございました。
8ページをお願いします。アンテナショップ2階の飲食スペースであるももてなし家で、食パラダイスのメディア発表会を記念して、期間限定特別メニューを8月30日から9月18日まで提供し、大盛況のうちに幕を閉じました。食パラダイス丼、ANA空輸の新鮮な白イカなどを使ったANA空輸定食、梨の花スイーツ、食パラダイス鳥取県レインボーアイスなどを特別メニューとして提供いただきました。
併催企画の概要ですが、株式会社Jbag様が鳥取県の特産品を販売する食パラダイス鳥取県自動販売機を新たにお作りいただき、9月5日までの間、アンテナショップの2階に設置して、レインボーアイスなどを販売しました。また、JAXAの宇宙食の認定を受けている商品と同じ技術で作られた星空おむすびを、8月30日からチャレンジ商品としてアンテナショップの1階で販売を開始しました。また、ANAのグループ企業の株式会社日本産直空輸様と連携して、首都圏の東急ストアなどでANAの空輸便で輸送した県産品の販売コーナーを今後設置し、新鮮さ、おいしさをアピールする予定です。
◎鹿島委員長
それでは、ただいま説明がございましたが、これにつきまして質疑等はございませんでしょうか。
ないようでございます。
次に、その他に移りたいと思います。
その他ですが、執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。
それでは、意見がないようでございますので、以上をもちまして農林水産商工常任委員会を閉会いたします。
午後0時12分 閉会
|