会議の概要
午前10時00分 開会
◎鹿島委員長
ただいまから農林水産商工常任委員会を開会したいと思いますが、新年初めてでございますので、改めて、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日の日程は、お手元のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきたいと思います。
今回の常任委員会は、初めに農林水産部及び企業局、次に商工労働部の順で執行部の入替えを行います。
なお、労働委員会については、報告事項がないため出席を求めないこととしていますので、併せて御承知ください。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
本日の会議録署名委員は、浜田委員と福浜委員にお願いいたします。
それでは、報告事項に入ります。
執行部の説明は要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いいたします。
質疑については、説明終了後に一括して行っていただきたいと思います。
なお、報告5、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告については、資料に記載のとおりでありますので、説明は省略いたします。
報告1、食パラダイス・農業生産1千億円推進会議(第2回)の開催結果について、中村農林水産政策課参事の説明を求めます。
●中村農林水産政策課参事
資料の2ページをお願いします。農業関係団体が一体となり、本県農業生産額1,000億円の達成を目指すための母体として今年度設置した食パラダイス・農業生産1千億円推進会議の今年度2回目の場を設けましたので、その開催結果を御報告するものです。
JAグループ各団体、鳥取大学、県市長会、町村会、県という構成メンバーで実施している本推進会議ですが、今週1月16日に開催した2回目の会議では、まず、JAグループの各団体の皆様から、今年度の各産地での主要品目振興としてどのような取組を展開なさったか、さらには、来年度に向けて、生産拡大、国内外への販路開拓、担い手や後継者の確保という観点で、どういった取組を考えておられるかについて伺いました。
特に来年度に向けての主な方針、御意見ですと、まず、JA鳥取いなばの清水組合長からは、果樹のトレーニングファームの八頭での正式な開設に向けて御準備を進めておられるということ、そして、JA鳥取中央の上本組合長からは、家の基盤を引き継ぐ意味での後継者のみならず、広く産地の基盤を耕す方を確保するという意味で、耕すという文字を想定した「耕継者(こうけいしゃ)」という、新規就農者を支援、育成する取組を進めておられるということ、さらに、JA鳥取西部の中西組合長からは、2大主要品目である白ネギ、ブロッコリーのさらなる産地強化、ブランド強化に向けた取組を強化するということで、JAの遊休施設の作業場の改修や、食農教育、SNSでの情報発信といったことを取組強化として進めていくというお話を伺いました。また、大山乳業農協の小前組合長や鳥取県畜産農協の木下組合長からは、TMR飼料の供給、あるいは飼料用米、飼料用稲といった自給飼料の増産に関する取組強化といったお話がありました。さらに、販売を担うJA全農とっとりの尾﨑本部長からは、輸出における課題を解決しながら、生産者の所得につながって、かつ安定的な輸出を目指すということに加えて、農業生産を支える体制として、作業の受託を担う農業支援サービス事業体の取組強化といったお話がありました。本推進会議の会長であるJA鳥取県中央会の栗原会長からは、国段階での検討も現在進んでいる適正な価格形成の実現に向けて、消費者の皆さんの理解醸成につながるように生産現場の実態を伝えていくことに努めたいといったお話がありました。
最後に、今回の会議を踏まえた今後の対応についてです。
伺いましたJAグループとしての来年度の様々な取組方針を支援することによって、食パラダイス・農業生産1千億円の実現に近づけるように、来年度、令和6年度予算案への具体的な支援策の反映に向けて検討していく方針です。
◎鹿島委員長
報告2、Jブルークレジットの認証申請について、氏漁業調整課長の説明を求めます。
●氏漁業調整課長
3ページを御覧ください。Jブルークレジットの認証申請について御報告いたします。
本県ではこれまでアラメの藻場造成に取り組んでまいりましたが、令和5年11月に鳥取県の豊かな海を育む協議会を設立し、今月の10日に大山町御来屋地区のアラメ場を先行してJブルークレジットの認証申請を行いました。
このJブルークレジットですが、4ページの【参考】に説明を記載しています。Jブルークレジットとは、令和2年にできた新しい制度で、温室効果ガスの削減効果を排出権として発行して、企業間で取引できるような仕組みとなっています。国交省の認可を受けたジャパンブルーエコノミー技術研究組合、通称JBEと言っていますが、こちらの団体がクレジットの認証、発行、販売、管理を行っています。現在、クレジットの認証の実績としては、1年目の令和2年に1件だったものが、令和3年には4件、令和4年には21件と増加傾向となっています。令和5年度については、12月末現在で13のプロジェクトが認証されています。
3ページに戻っていただきまして、令和5年度申請の概要です。プロジェクトの名前は「萌える海藻!鳥取県の豊かな海を育む大作戦」にしています。申請者は鳥取県の豊かな海を育む協議会で、こちらも4ページに名簿をつけていますが、県、沿海漁協、鳥取県栽培漁業協会、そうしたところをメンバーとしています。アラメの藻場面積は1.5ヘクタール、CO2 の吸収量は年間6.3トンで、こちらは県の栽培漁業センターが大山町御来屋の地先でドローンを飛ばしたり、水中ビデオカメラ、あるいは一部潜水による調査を行い、算出しています。
背景・取組です。まず初めに、なぜアラメに特化してクレジット申請をしたかといいますと、2ポツ目に書いていますが、鳥取県の沿岸ではこれまでアラメの生育は見られていませんでした。ですが、昭和59年頃に栽培漁業センターが、水質浄化や魚介類のすみかになる、あるいはアワビ、サザエのよい餌になることから、アラメの種苗生産の技術開発を開始しています。そうして、栽培漁業センターと漁業者と共に現在まで40年間にわたりアラメの移植活動に取り組んできたということです。その結果、県内に広い海域でアラメ場が形成されたといった形の筋書、シナリオで申請を行っています。
今回は大山町の御来屋地区だけだったのですが、令和6年度の春には県全域の調査を実施する予定になっており、クレジット認証量の拡大を図っていこうと考えています。
最後に、今後の予定ですが、1月23日には審査認証委員会による審査があり、年度内に認証、発行となります。認証されると、クレジットの公募も開始予定となります。クレジットが認証された場合ですが、本県としては、県内企業を中心に販売を呼びかけてまいりたいと思っていますし、また、クレジットの販売収益は、藻場造成やウニ駆除等、環境保全活動に役立てていきたいと考えています。
◎鹿島委員長
報告3、県営境港水産物地方卸売市場27年ぶりの豊漁について、山本境港水産事務所長の説明を求めます。
●山本境港水産事務所長
県営境港水産物地方卸売市場27年ぶりの豊漁ということで、明るい話題でしたので御報告させていただきます。
令和5年の水揚げ金額ですが、平成8年以来27年ぶりに245億円を突破しました。水揚げ量も12万トンを突破し、2年連続で10万トンを超えています。
昨年の特徴、幾つかあるのですが、一番主立ったものは、前年に引き続いて主力のまき網漁業が好調で、特に上半期のサバ類が好調で、太平洋側の水揚げが低調だったこともあり、値段も昨年以上の水準でした。括弧書きでサバ類の魚価、対前年比、11月末現在のものがございますが、資料提出後、年間の集計が出ました。年間で集計しますと対前年比で129%の魚価でした。
そういったところもありまして、資料の一番下の真ん中の写真を御覧いただければと思います。年明けの初競りは、通常はマイクスタンド1個でやっているのですが、にぎやかしでいろいろ飾ったり、右側の写真、議会棟にも横断幕で豊漁を掲示しています。
◎鹿島委員長
報告4、食パラダイス鳥取県公式インスタグラムアカウント乗っ取り事案について、藤田食パラダイス推進課長の説明を求めます。
●藤田食パラダイス推進課長
食パラダイス鳥取県公式インスタグラムアカウントの乗っ取り事案につきまして御報告させていただきます。
当課公式インスタグラムが何者かに乗っ取られ、令和6年1月12日金曜日にフォロワーに対して不審のメッセージ、フィッシングメールが送信された事案につきまして御報告させていただきます。
事案が判明した経緯としては、1月11日の木曜日午前10時頃に、委託先の事業者が県の委託事業を行うために公式のインスタグラムにログインし、パソコンの操作を行っていたところ、突然公式インスタグラムが見えなくなった旨の報告がございました。その翌日、外部の方から、フォローしている県の公式インスタグラムから不審なダイレクトメールが来たが、インスタグラムが乗っ取られたのではないかとの指摘を受け、急遽デジタル局と共に確認を行ったところ、1月12日の午後7時頃、乗っ取りが判明しました。
状況としては、これまで当課が公式インスタグラムに投稿してきた全ての記事200件程度が削除され、アカウント名が変更されていました。また、公式インスタグラムの自己紹介文が英文に改ざんされていました。フォロワーに対して、インスタグラム内のアカウントを介し、不審メッセージが一斉送信されていました。数としては、フォロワー数2,994名のうち493アカウントに対して一斉に送信されたものです。また、フォロワー数2,994名がアカウント上でゼロ名に改ざんされていました。
発生原因は、現在、警察と共に確認を行っているところですが、県委託業務の作業中に、インスタグラム内のダイレクトメールによる不正アクセスを介して、フィッシングメール被害に遭ったことによるものと推測されます。現在、委託先の事業者と確認を行っているところです。
これまでの対応としては、不審ダイレクトメールのばらまきを阻止するために、公式インスタグラムを削除しました。念のため、当課がほかに持っている公式SNS、フェイスブックやエックス、ティックトックなどのアカウント、パスワードを変更しました。また、速やかに県デジタル局から県警サイバー犯罪対策課に被害報告を行うとともに、当課からメタ社へインスタグラム内の問題報告サイトから被害報告を行いました。また、今回のキャンペーン当選者などの連絡可能な一部のフォロワーの皆様に対して、経緯説明と謝罪を行いました。加えて、とりネットや公式SNS上に注意喚起やおわびのメッセージを発信しました。
今後の対応としては、引き続きフォロワーへの謝罪と連絡を行います。また、県デジタル局と県警サイバー犯罪対策課と連携し、不正アクセスの実態と不審メッセージの送信数の事実確定を行います。これは493件とほぼ確定ができています。また、セキュリティー対策の徹底をはじめ、確定した事実に応じた再発防止策を講じ、今後、二度とこのようなことが起こらないように、適切な管理に努めたいと思っています。
◎鹿島委員長
報告6、小鹿第一発電所(鳥取県営水力発電所再整備・運営等事業)の公共施設等運営権設定時期の変更について、山根経営企画課長の説明を求めます。
●山根経営企画課長
企業局資料の2ページをお願いします。県営水力発電所再整備・運営等事業において、台風第7号の影響によりリニューアル工事中である小鹿第一発電所の各取水支川に工作物の損傷等が発生し、PFIコンセッション事業者であるM&C鳥取水力発電株式会社から再整備業務期間の完了日の延伸について協議書の提出があり、令和2年6月に議決をいただいた公共施設等運営権の設定内容の一部を変更することについて、令和6年2月議会に付議予定ですので、その概要を御報告します。なお、運営権設定時期の延期については、昨年11月の常任委員会でも御報告させていただいているところです。
設定変更の内容ですが、運営権の存続期間の開始日について、令和6年2月1日を令和6年8月1日に、運営権の存続期間の満了日は、令和26年1月31日を令和26年7月31日に変更する予定です。
変更の手続ですが、変更理由については、小鹿第一発電所への往来に必要な県道が不通となったこと、各取水支川への巡視路の損害によって、施設の詳細な被害状況の調査が難航するなど、M&Cの責めに帰すことができない事由により生じたものと認め、令和6年2月議会に付議する予定です。
見直し後の工程ですが、3月から4月にかけて中津ダムのしゅんせつを行う必要が生じたことから、無水試験、有水試験を5月に延期しており、各取水支川の取水施設について、2月から6月にかけまして復旧工事を行いますので、試運転を7月に延期する工程としています。
企業局への影響については、小鹿第一発電所に係る運営権対価分割金は、運営権設定の延期に伴って受領時期がずれ込みますが、運営権対価の総額に変更はございません。
また、本事業における他の発電所の運営権設定時期については、舂米発電所、小鹿第二発電所は既に設定済みで、日野川第一発電所も、当初の予定どおり令和6年12月1日に設定する見込みです。
◎鹿島委員長
今までの説明について、質疑等はありませんでしょうか。
○尾崎委員
先ほどの乗っ取りのことですが、大変でしたね。それで、今、493名は大体分かっている。あと2,500名ぐらいはどうやって対応されるかということと、再発防止とありますが、具体的にどんなことが考えられるのか。これは、他の課も同じようなことだと思うので、共有されたらいいのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
●藤田食パラダイス推進課長
2,994名のフォロワーの皆様については、アカウントのみが分かっている方もあり、現在、直接的に連絡するすべがない方がいらっしゃいます。12日の午後9時頃にとりネットに注意喚起メッセージを掲載させていただきました。また、報道提供もしており、報道の皆様には本当に感謝申し上げたいのですが、注意喚起の報道をすぐさま7社程度していただきましたので、そのことをもって最大限お伝えできているのではなかろうかと考えています。
再発防止策については、セキュリティー対策の徹底と、今回どのように発生したかという事実の確定、それをもってさらに県でもセキュリティー対策をしっかりしていきたいと思います。
委託事業者の方に対して委託業務を発注する際にも、セキュリティー対策の実施と業務上の責任分担を明確にして万全を期す。委託業者にやっていただく業務の範疇を、ここはしていただかないこと、ここはしていただくことと、はっきり明確にしていきたいと思います。
また、全庁的なセキュリティー対策としては、SNSの運営の所管課である広報課とセキュリティー対策の所管課であるデジタル局が連名で、ソーシャルメディアアカウントの適正な管理についての注意文書を1月17日付で県庁内に発出しています。今後、課長級を対象としたセキュリティー対策の研修もデジタル局で計画されていると伺っていますので、今回の事案を反省材料として、全庁的に対策がなされていくのではと考えます。
○尾崎委員
多分、新聞や、メディアで報道して、気をつけてくださいというような謝罪とか、それしかないだろうなと思います。それを見ていただけたらありがたいなとは思うのですが、再発防止についても、おっしゃったとおり、各課で共有してやっていただけたらと思います。
○福浜委員
ブルーカーボンが前進したのは非常にありがたいというか、喜ばしいことだと思います。その上で、多分、今、ブルーカーボン・クレジットは、自分の知っている範囲で申し訳ないのですが、グリーンカーボンに比べて結構高値で取引されているということで、注目度も上がっているという状況にあると思います。先ほど御説明があったように、御来屋だけではなくて、県内全域にどんどん広げていくことはやはり早急にやっていただきたいなというのが1点と、県内での販売が軸になると思うのですが、例えばセブン-イレブンさんや、住友商事さんとか、大手もブルーカーボン・クレジットにかなり参入されているようです。しかもセブン-イレブンは地元の漁協と協力して、自分たちも一緒になって藻場の再生とかに資金を出しているというようなことも聞いています。ですので、これを軸に、ふるさと納税ではないですが、いかに県外から県内に藻場再生に対しての資金を入れていくかという視点は僕は絶対必要だと思うのですよ。だから地元の漁協だけで頑張るのではなく、やはりそういう大手の力も借りながら、ひいては日本の漁業の再生に向かっていくことがこれからは必要ではないかなと思うのです。そういう中で、先ほどの説明の中では県内を中心にという受け止めをさせていただいたので、それはもちろん大事なのですが、そうではなくて、もう1個、やはり企業版ふるさと納税と同じように県外からも積極的にどんどんアピールしていって、鳥取県から日本の海を塗り替えていくぐらいの意気込みでぜひ当たってほしいと思いますが、見解をお願いします。
●氏漁業調整課長
御意見ありがとうございます。
このクレジットの販売相手、買っていただく購入者の方ですが、基本的には、県内の企業さんが非常に買いたいという御要望等も実は事前にいただいています。ひとまず県内の企業さんに対しては、こういった取組をやっているので、地元への支援という形でひとつ協力いただきたいと、こちらからお知らせをする形でやりたいと思っています。
もう一つ、県外について、先ほどセブン-イレブンさんとかの話もございましたが、やはり大手企業はブルークレジットを今非常に注目されています。なので、これについては、認証が決まりますと、虎ノ門だと思うのですが、交付式が東京であり、そこで短い10分程度のプレゼンを行うようになっていますので、そこで県外にも広く呼びかけていきたいと思っています。
いずれにせよ、今回、1地区だけでやっているのですが、令和5年度6月補正予算で調査費もいただいていますので、令和6年の春には全県の調査を行い、全県のアラメの藻場についてのクレジットの申請をやって、広く広報をかけていきたいと思っています。
○浜崎委員
2ページ、食パラの1千億円推進会議、御案内のとおり、本県の基幹産業は農業なので、10年後の1,000億円達成に向けてということで掲げたと思うのですね。関係者と共に頑張ってもらいたいとは思う。ちなみに、最近までの数字は、私が認識しているのは、一昨年、745億円ぐらいですよね。そうすると、この目標から約250億円差がある。ただ単に数字だけ捉えて1,000億円と言っているのではないと思うが、あまりにも目標との差が大きいことを私は危惧するわけです。ここにもそうそうたる組合がずらっと出ているが、元は組合から、いろいろとそれぞれの部署において計画を立てて、最終的なまとめは県でまとめて数字を出したということだろう。これを素人の私が見て感じるのは、付加価値をつけて高く売ることも当然やっておられると思うが、例えば、就農者を増やす、それからまた裾野を広げていくというようなことを、基本的には省力化だとか効率化というのが大切だとは思うのですけれども、その辺でどう取り組んでいくのか。ただ単にちょうど切りのいい数字だからということではないと思うが、1,000億円に向けてということでいろいろ書いてあるのだけれども、本当に大丈夫かと。やってみなければ分からない部分はもちろんあるのだけれども、目標数値を掲示するに当たって、何となくその辺の中身がどうかなと気になったものですから、お聞きしたということです。
●岡垣農林水産部長
先ほど浜崎委員からもございましたが、令和4年が745億円というのが最新の数字です。確かにおっしゃるとおり、あと250億円をどうするのだという議論があります。10年後に1,000億円を達成しようという、かなり壮大な計画ではございます。我々としては、おっしゃるとおり、まず、担い手、後継者、人を増やすということ、そして販路開拓。今、食パラダイス鳥取ということで、食材だけではなく、調理する飲食店にもやって、そういうところでいろいろ買っていただくことで、鳥取県の産品を売っていくということ。さらに生産拡大ということ。ここにもございますが、例えばJA鳥取いなばさんも米だけではなくて、アスパラガスとか、いろいろと売っていきたいとかやっています。JA鳥取中央さんもスイカ、ナガイモ、ブロッコリーといったところ、そしてJA鳥取西部さんは白ネギ、ブロッコリーといったところを売っているというところです。大山乳業さんも生乳を高く売るということで、いろいろやっていこうと考えています。そういったことで、おっしゃるとおり、付加価値をつけて高く売っていくことと、生産拡大を主として1,000億円を達成していこうと。実際、目標はかなり高いです。10年で250億円増えるのかと言われますと、かなり……。
○浜崎委員
話の途中だけれども、単純に計算していくと、10年間で250億円といったら、割れば1年に25億円だと。平均の数字から言っているが、その目標に向かっていこうと思ったら、あまり上がらないときがあったら、その次の年は、どおんと上げていかなければいけないということです。
話の腰を折ってすみません。どうぞ。そういうことだよな。
●岡垣農林水産部長
例えば令和3年から令和4年で、畜産で大体15億円ぐらいアップして、なおかつ野菜で7億円上がったということで、大体25億円。減ったのもあるのですが、そのぐらいあるのです。 そういったこともあり、決して不可能な数字だとは思っていません。ということで、我々、10年後に鳥取県の基幹産業である農業をいかに守っていくか、進めていくかということで、頑張っていきたいというところです。数字だけではなくて、本当に達成していくのだという心意気でございますので、そこら辺を御理解いただければと。決意表明です。よろしくお願いいたします。
○浜崎委員
部長から決意表明を聞きましたので、ぜひそのような決意で頑張っていただきたいと思う。10年間について、県側の考え方の中身はどんなだと聞いたことにおいて、部長から具体的な話が今多少あった。農協側とその辺のところを、数字を出すのは県が出して、それを農協の話によってということだと思うが、向こうもそれは全部県に出すということも、変な意味ではなくて、目標なり中身のそういった積み上げ、具体的にどういうことなのだというようなところが、なかなかはっきり確定していないところもあるとは思う。けれども、農協をある程度引っ張っていくという部分では、具体的な数値もしっかりとある程度確認できるところはしていって、目標の段階でやはりある程度詰めていくということをしておかないと。今の部長の話を聞いていて、ただ単に目標だけで何をしろということではないとよく分かったのだが、結局はその数値に届くようにやっていくには、その下には農業者がいらっしゃるわけで、県側と実際の組合側と、具体的な数字目標に向かっての細かいすり合わせ、連携という部分でいっても、何せ1,000億円というのが目立っていたので、危惧してお聞きしたということです。何か最後に。
◎鹿島委員長
中村参事は何かありますか。
●中村農林水産政策課参事
漠然と1,000億円と言っていても物事は動いていきませんので、進め方としては、部長が先ほど申し上げたとおりですが、具体的にそれぞれ主要品目の産地において、どこを目指していくかをしっかり議論していただくことをかなり今重視しています。産地のプロジェクトという形で、倉吉のスイカや、弓浜の白ネギでといった県下の主要品目をしっかりもっと伸ばしていくことにつながっていくような取組を、県もJAさんも、そして市町村とも、皆さんとも一体となって進めていく体制の下で、産地で定める具体的な目標に向かっていくことをさらに強化してまいりたいと思っています。来年度に向けて、大本の1千億プランの見直しも考えているところですので、きっちり地域とも、農協さんとも話をしながら進めていきたいと思っています。
●岡垣農林水産部長
すみません。今、中村参事からも私が言おうとしたのは全部言ってもらったので……。
○浜崎委員
産地、品目という話だよな。
●岡垣農林水産部長
はい。委員がおっしゃったとおり、農協さんとも産地プロジェクトという形で具体的にどういう形のものを目指していくか、実際に県、農業者、そして市町村とも話をしながら進めています。具体的な形で進めていますので、取りあえず1,000億円というのは我々にとって頑張るというのはあるのですが、具体的に達成していって積み上げていこうというところでもございます。県としても一緒になってやっていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。
○浜崎委員
期待していますので頑張ってください。
●岡垣農林水産部長
ありがとうございます。
○鳥羽委員
先ほどの目標1,000億円というところ、壮大な目標であると部長もおっしゃっていました。生意気なことを申し上げますけれども、私も少ない年数でしたが民間の営業会社に勤めていて、目標と現実の乖離をいかに埋めるのかについて、民間もいろんな企業があるので濃淡あると思うのですが、少なくとも私が在籍した企業は、言い方は別にして、本当に死ぬ気でその目標を達成するために、知恵を働かせて、仲間と、時には本当に涙するぐらい怒られて進めるのですよね。そのときにやはりこれまで出てこなかった知恵や粘りというのも出てくると思うのです。ですので、民間が、行政がということではなくて、やはり目標を達成するためにどれだけ熱意を持って粘れるかが今後、本県、ひいては日本の地域づくりにかかってくるのではないかなとよく思います。そういった思いを民間も持っているのだと、負けずに行政も頑張るのだというところをぜひ分かっていただければなと思います。すみません。意見です。
●岡垣農林水産部長
鳥羽委員のおっしゃったとおり、我々としても、単純に数字を掲げるだけではなくて、鳥取県の農業をいかに守っていくか、いかに進めていくかという決意を県全体として持っていきたいと思っていますので、ぜひ御協力をよろしくお願いします。
○福浜委員
関連です。大きい話になってしまっているのですが、具体として教えてほしいのが、水産もそうかもしれないですけれども、農業は電化製品等々と比べて市場価格によって左右されるところが非常に大変な中で、契約栽培というのは、市場価格をある程度反映するのかもしれませんが、ある程度定価で買い取っていただけるというメリットがあると思うのですよ。その働きかけはどこがどういう形でやっていて、今どういう成果が上がっているのか。若桜でしたかね、お米をタニタに出していらっしゃると過去に聞いたことがあるのですが、やはり今後、小ロットであっても契約をしっかりと結んでいくことによって、安定的に農業の生産地が収入を得ていくことが後継者育成にとってもすごく大事な要素ではないかなと。そこに対して直接契約、ネット等々での販売というのは直接ですけれども、JAさんはそうではない形ではないですか。その中で、契約にどう重きを置いていらっしゃるのか。つまり出口をもっとしっかりしていかないと、市場価格だけではないと思うのですが、どうしても比率として農業単価、生産単価を上げていくためには、契約でしっかりと売り側の主張を強めていくこともすごく大事なのではないかなと、それがひいては1,000億円につながっていく、出口を広げていくことにつながっていくのではないかなと思うのです。その辺り、やっているのか、課題があるのか、あるいはそういう出口をしっかりとつないでいくという働きかけ、要するに、作るのではなくて売るとところに対して、メインはJAさんなのかもしれませんが、その辺はどう県は見ていらっしゃるのか教えてください。
●山本市場開拓局長
出口を意識しながら生産、販売をしていくのは非常に重要な視点だと思っています。市場開拓局でも、主には首都圏や関西圏で有名レストランのシェフや量販店とかと食材の勉強会をやっており、シェフに県内の食材を紹介して知っていただいたり、量販店等に対しては商談会を行っています。農協が参加される場合もありますし、直接販売を行っている農業者さんや企業が参加される場合もあり、その商談が結びついている例もたくさんございまして、そういう場を提供しているというのが実態です。農協単位というよりも、小規模の農業者さんでも直接販売をされている農業者さんでは、首都圏の有名シェフに気に入っていただいて、直接取引をされているような若い農業者さんもおられます。そういった機会をたくさんつくり、出口を結びつけながら、生産の拡大にも寄与できるようにしっかり場をつくってまいりたいと考えています。
●岡垣農林水産部長
今、国で農業基本法の改正が進んでいます。いろいろ新聞でも出ていますが、適正価格の形成を基本法の中に大きくうたおうと進んでいます。国全体としてもやはり適正価格――農業者だけが市場価格で推移するのではなくて、実際にかかった経費等もオンできるような形で進む流れもございます。そういった流れも注視しながら、県としても、何とか適正価格が進み農業生産が進む、農業者がもうかるような形を進めていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。
◎鹿島委員長
今の話の回答がありましたが、特に市場開拓局長の話と、参事の話を含めて、現場、作るほうと売るほうが別々な話になっているというのが現状で、農協の組合長さん方が組合の計画を立てて、こうやってやるよという中身が局長に伝わって、どう作って、これだけ作ったのはこちらに売っていくのだという熱意が、ばらばらになっていると、結果的には産地の値段が決まっているようで、もうお預けみたいな話になりかねない。今、それぞればらばらな話に聞こえたのですが、やはり連携したところが欲しい。その辺、大事なところだと思いますので、農林水産部長の一番の大変なところだと思いますが、値段を農家が決定できるぐらいの、人任せの、国任せになるかもしれませんが、それでも鳥取県独自なものが欲しいので、ひとつしっかりとお願いしたいと思いますが、そこらを一言。
●岡垣農林水産部長
確かに農産物は、実際に農家が作った経費は全く考えず市場価格で決まるところもあるというのは実際、事実です。それに対してやはり農業者も不満があるのも委員長がおっしゃるとおりだと思います。そういうことがないような形――国の農業基本法の改正というところと、やはり我々としても、先ほど山本局長からもございました、非常に手がかかった農産物をレストランで使うために高く買っていただくというような取組をすることで、少しでも鳥取県産の農産物が高く買っていただけるように、我々も努力していきたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
○前原委員
私、白ネギにずっと携わって、販売もやってきたのです。西部のネギは生産量が非常に多くて、平成の1桁のときはかなり多かったと思うのですが、かなり減ってしまって、生産者も減ってしまったという形で、市場も大分絞ってしまって、多分、東京には送っていない。一時、最盛期は東京まで春ネギは送っていました。量も減って、輸送費等を考えながら、やめようということになったのです。量が増えてしまうと逆に値崩れが起きてしまうこともあって、痛しかゆしだったので、東京はやめようということになり、関西、中国方面というか、九州という形だったのですが、今は逆に生産者が減ってきているので、何とか生産量を増やそうという形だと思います。
最近の報道などでもあるのですが、米子市と普及所と農協が絡んで、新規就農者の塾をやるという。これはいいことだなと思うのです。そういった形で現場ではいろんな工夫をされていて、今までにないような動きが見えてきたことは喜ばしいことだなと思うのですが、もっともっと夢が持てるような形で1,000億円達成に対する具体的なプランというか、そういうものをやはり県民の皆さんにお伝えする必要があるのではないかなと思っています。PRが足らないのかなと思いますし、25億円を年々重ねていかなければいけないということですので、先ほど鳥羽副委員長からもありましたが、もう少し熱を出してPRをしていただきたい。生産者もそれを求めていると思いますし、新規就農者も県の姿勢によって、では頑張ってみようかなとか、挑戦してみようかなという気持ちになると思います。逆に言うとこれだけ環境が整ったときはないと思いますので、ぜひともその辺に力を入れていただきたいなと思っています。これは意見ですので、別に答弁の必要はございません。
○松田委員
関連して、1千億円達成プランですが、2018年に策定で、2021年に改定されたということです。計画を見ると2025年には900億円が目標ですが、今の感じだと非常に厳しい状況だと思います。今、説明の中で、来年度改定ということですね。今、前原委員からもあったのですが、やはりそういった部分をつまびらかに県民に対して示していく必要がもっとあるのではないかと思います。
あわせて、委員会でもこの中身については改選後に議論していないと思いますので、その辺も含めて、委員長、またお取り計らいをいただいて、説明があってもいいかと思います。根本の部分になりますので、お願いしたいと思います。
PRの部分等々ございますが、非常に高い。たしか本会議で畜産に軸足が寄り過ぎではないかみたいな意見を言ったことがあるような気がします。ただ、今、畜産の軸足は、プラス50億円が多過ぎるというか、見込みが甘いのではないかというようなお話をさせてもらったのです。畜産がその部分は目立つのですが、やはり根っこの部分はそのほかの農産物の生産をいかに広げていくかということだと思いますので、その辺、しっかり頑張っていただきたいと思います。何かあればお願いします。
●岡垣農林水産部長
おっしゃるとおり、来年度見直しということですが、2025年に900億円というところを1回目標として立てさせていただきました。そのときはたしか松田委員長だったと思うのですが、言い訳をさせていただきますと、コロナ等もございまして、若干伸びが落ちてしまったところもございました。ただ、そうはいいましても、やはり鳥取県の基幹産業である農業をいかに進めていくか、先ほど鹿島委員長、鳥羽委員、浜崎委員、そして前原委員、福浜委員等、いろいろ意見をいただきました。そういった形で何とか進めていきたいと思っています。
また、1千億円達成プランの勉強会等、お話をする機会をいただいて、いろいろとお話ししたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
◎鹿島委員長
今、いい話が出ました。1千億円達成プランの仕切り直しということで、また計画が具体的に出て、こういうことだという方向性を委員会にもお知らせいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
そのほかございませんか。
それでは、その他です。農林水産部及び企業局に関して、執行部、委員の方で何かございませんか。
ないようでございます。農林水産部及び企業局につきましては、以上で終わりたいと思います。
暫時休憩したいと思います。再開は11時にしたいと思います。
午前10時53分 休憩
午前11時00分 再開
◎鹿島委員長
再開したいと思います。
引き続き商工労働部について行います。
執行部の説明は要領よく簡潔にお願いしたいと思います。
質疑につきましても説明終了後に一括して行っていただきたいと思います。
それでは、報告7、鳥取県産業振興未来ビジョン改訂に向けた検討状況について及び報告8、ダイハツ工業の不正行為の影響に係る情報連絡会議の開催について、河野商工政策課長の説明を求めます。
●河野商工政策課長
商工労働部の常任委員会資料の2ページをお願いできればと思います。鳥取県産業振興未来ビジョンの改訂に向けた検討状況ということで、令和3年4月に策定した鳥取県産業振興未来ビジョンですが、現在、改訂作業を進めており、その検討状況の御報告をさせていただくものです。
産業振興未来ビジョンの枠組みについては、四角囲みの中に簡単に記載していますが、コロナを克服し、経済、産業の再生と持続的な発展を実現するため、県内GDP2兆円、製造品出荷額1兆円等の達成を目標にして作成しています。
このたびのビジョンの改訂に向けた考え方ですが、このビジョンは令和3年度からの10年間を期間としており、コロナ影響の長期化のほかにも国際対立を要因とした国際変動等も続いています。さらには人手不足、物流2024年問題など、策定時に対応を十分に盛り込めていない課題も生じてきています。これらの変化について、今回、ビジョンに盛り込む等の改訂をさせていただくことを考えているところです。
続きまして、検討の経過です。5月の常任委員会で御報告申し上げましたが、5月に産学官連携の「はばたく!鳥取産業未来共創会議」を立ち上げました。その後に県内で御活躍されている若手や女性の経営層といった方を中心としたメンバーでワーキンググループを構成させていただいて、現場の声を確認してまいりました。ウに記載していますが、11月末にはワーキンググループメンバーが6名、鳥取大学から2名の参加をいただき、拡大会議というような格好で意見交換を重ねてきているところです。
これまでの検討会議での主な意見を2ページの下に記載しています。目標の分かりやすいイメージづくりや鳥取県産業のありたい姿を表現すべきではないか、小規模事業者については、小規模のまま、とどまるのではなくて、野心的な売上げを目指していくべきではないかというような力強い御意見もございました。また、成長、拡大を図るためには外からの需要を獲得するか、もしくは商圏の拡大といったものが必要となりますが、そのためにはスムーズな事業承継が一つのキーではないかというような御意見がございました。人材の確保に関しては、働きやすさ、心理的安全性などといった、人を呼び込むための強みを経営者は自らつくるべきだというような御意見をおっしゃっていました。また、人材の育成の部分については、働く意義を感じてくれて働いている社員も多い中で、経営者はそれに応えた環境づくりに取り組まなければ定着にはつながりませんよというようなこと、また、スキルのある人材の確保を目指すけれどもなかなか難しい中で、未経験の人材をいかにリスキリングしていくかといったことが大切だという御意見が改めてございました。鳥取大学からは、本年の4月に「とっとりNEXTイノベーションイニシアティブ」、TNIIという略称ですが、こういった新たな産学協創の組織を立ち上げられたというお話で、県の誘致や新産業創造といった取組にも連携を進めていきたいといった御意見を頂戴したところでした。
3ページをお願いできればと思いますが、これまでのこういった検討状況を踏まえて、ビジョン改訂に向けた方向性を記載しています。計画の期間ですが、コロナ影響の長期化、国際変動による不測の足踏みもございましたので、令和15年度までに見直しをさせていただいて、引き続き県内GDP、製造品出荷額の達成に向けて取り組んでいくと。それに向けて、当面の間、集中的に取り組んでいくテーマとして、次の6点ばかり整理を進めているところです。
まず、喫緊の課題への対応ですが、その中で3点ほど白丸で書いています。初めに、持続可能な経営・労働環境の構築です。物価高騰、そしてゼロゼロ融資の返済が今後本格化していく中で、持続的に経営を行っていくことができる環境づくりを進めていくこと、2点目は、産業・ロジスティクスの生産性向上で、人手不足の中で付加価値を創造していくためには経営の転換が必須である中で、ロジスティクス、物の流れの効率化、最適化、生産性の向上をより一層推進していく必要があるということです。3点目が、人材確保・人への投資の強化で、外国人材など多様な人材の確保、定着に向けて、職場環境の向上を図っていくとともに、企業の収益と労働者の所得向上につながるリスキリングを推進していくことなどを掲げているところです。
続きまして、将来の発展に向けた取組についてで、こちらも3点ばかり掲げています。まず、基盤産業・地場産業の発展・成長です。これまで本県経済を支えてきた産業について、県内経済を一層牽引していくための成長を引き出す取組と、同時に地域を支える小規模事業者の経営力強化を推進していくという点を書いています。続きまして、人・企業を呼び込む産業創造ですが、県内産業に厚みを加えていくとともに、人や企業の呼び込みをしっかりと進めていき、新たな産業の創造、海外需要の獲得などを推進していくということです。最後に、ビジネスによる社会課題解決・企業価値向上を掲げています。地域や社会の課題解決と収益性とを両立させていくビジネスを創出する。また、SDGsや脱炭素の対応を社会コストとしてではなく、企業価値の向上へとつなげていくための取組を推進していこうといった内容となっています。
検討会議でこういった内容で議論を進めてきており、これらのテーマを基に、今後、産業振興の具体の諸施策を立案、展開していくビジョンとしてつくり上げていくというような話を今しているところです。
また、ワーキンググループから、10年後の県内産業の姿といった御意見がありましたが、資料の中で、現在、議論の中であったイメージ案を9点ばかり書かせてもらっています。御覧いただければと思います。
最後に、今後の予定です。このたび御報告したものにこれから肉づけ作業等々を行いながら、今後開催を予定しているはばたく共創会議第2回での御意見も踏まえて成案をまとめさせていただいて、4月をめどにこのビジョンの改定をさせていただくという方向で考えているところです。
続きまして、おめくりいただいて、4ページをお願いできればと思います。ダイハツ工業の不正行為の影響に係る情報連絡会議の開催の話です。連日報道されていますが、ダイハツ工業については、12月20日、車両の認証試験で多数の不正行為が判明したとして、ダイハツが開発した車両の出荷が停止されています。これによって県内事業者への影響が心配されるので、速やかに情報連絡会議を12月26日に開催させていただきました。
その概要の御報告の前に、このたびの事案について、簡単に御説明をさせていただきます。資料の下段、参考の四角囲みのところを見ていただければと思いますが、昨年の4月28日に海外向けの4車種について、内部告発によって不正行為が判明した。これを受けて、5月に第三者委員会が設置されました。その第三者委員会で検証を進めていた中で、12月20日に64車種等の不正が確認されたということで、国の指導も受けて、全てのダイハツ開発車種の出荷が停止されたというところでした。今週の16日には国土交通省の立入検査で新たな不正も14件ほど確認されており、さらに、特に不正が悪質である3車種については、自動車の大量生産で必要となる型式指定を取り消すといった手続行為が開始されました。さらに、こういった状況があり、ダイハツに対しての是正命令、そしてリコールの指導も行われたところでした。
表の欄外、米印で記載していますが、ダイハツは、こういった生産停止によって影響を受ける取引先に対して、個別に補償等を実施する考えを明らかにされているところです。
一番下に国の対応状況とありますが、国土交通省としても、この基準の適合性確認を早急に実施する、そして、その結果については順次公表していく予定と公表されています。
このような状況ですので、今段階において、生産再開の時期などは見通せていない状況になっています。
戻りまして、本県の情報連絡会議の概要ですが、この会議には日本自動車販売協会連合会の鳥取県支部からも御出席いただき、県内事業者への影響などについて、その状況を共有させていただきました。
議事の概要は記載しているとおりですが、ダイハツグループとの1次、2次の取引先が信用調査会社から公表され、本県においても過去の取引先等を含めて20社程度あるという話でした。自販連からは、ダイハツ車両の取扱店舗において不正行為判明後に50件のキャンセルが生じたとの報告がございました。
これらの状況を踏まえて、2に記載していますが、事業者の相談窓口の設置、資金繰り支援策を速やかに実施させていただきました。年末年始も相談窓口等を開けており、県内事業者から融資制度の確認等がございましたが、現時点で資金繰り支援策の活用はございません。また、制度融資を取り扱っている県内の金融機関においても相談窓口を開設していただきました。引き続き、こういった状況を注視しながら、一体となって必要な対応を取ってまいりたいと考えているところです。
◎鹿島委員長
報告9、王子ホールディングス株式会社の木質由来エタノール・糖液のパイロット設備導入に係る協定書調印式の実施について、田中立地戦略課長の説明を求めます。
●田中立地戦略課長
5ページをお願いいたします。このたび王子ホールディングス株式会社が工場立地の自治体と王子製紙米子工場における新たな設備導入に関して協定書の調印式を行いましたので、その概要を御報告します。
まず、調印式についてですが、4、調印式の欄を御覧ください。先月12月22日に米子市内で、王子ホールディングスの磯野社長、米子市の伊木市長、日吉津村の中田村長、平井知事の4者で調印式を行いました。報道等もありましたが、磯野社長は調印式において、米子におけるこの取組は地球温暖化対策の大きな役割を果たす第一歩になると御発言されていました。
2、投資計画概要を御覧ください。このたびの投資は、王子製紙米子工場内に航空機燃料用のSAFの原料等として利用する木質由来のエタノール及びバイオものづくりの原料等として利用する木質由来糖液の量産化に向けたパイロット製造設備を導入するもので、投資額は総額約43億円、雇用は地元採用など研究員を5名程度予定しており、来年、令和7年3月に全面稼働して、量産化に向けた実証実験を行う予定です。県は、この事業に対して、産業未来共創補助金の重点分野として支援する予定です。
6ページに協定書を添付していますので、御覧いただければと思います。
◎鹿島委員長
報告10、ロジスティクス共同宣言「トリロジ」の採択について及び報告11、新たな海外市場へのビジネス展開支援の取組について、清水通商物流課長の説明を求めます。
●清水通商物流課長
7ページを御覧ください。ロジスティクス共同宣言「トリロジ」の採択についてです。
御承知のとおり、物流の2024年問題については、本年4月から働き方改革関連法案、改善基準告示の改正に伴う、ドライバーの時間外規制により、運べないリスクが言われているところです。こういうこともございまして、昨年6月に官民連携でプラットフォームを立ち上げ、ホワイト物流やモーダルシフトについて、ワーキンググループもつくり、聞き取りや意見交換をさせていただいたところです。それらを踏まえて、昨年の12月に共同宣言という形で採択させていただいたところです。
まず、プラットフォームについての活動内容ですが、メンバー、経済団体の皆様方、運輸関係のトラック、鉄道、船、それぞれの皆様方、そして国の機関の皆様方からのお声もいただき、様々な意見や御要望等をいただいたところです。意見交換等、セミナーも開催させていただいたところです。
ワーキンググループでも様々な意見がございましたが、やはり取引環境の改善についての意見が特に運送事業者さんから大きくいただいているところです。契約打切りが怖くてなかなか価格交渉が切り出せないといった物流の取引環境の改善について注力をしてほしいというような御意見もいただきましたし、燃油高騰でも、やはり経営が多角化している企業さんにおいては、様々な物流のソリューションを使って需要喚起するというようなこともあり、ニーズを取り込んでこられたというようなこともございました。また、モーダルシフトについても、これまで利用されていない方々についても、鉄道や船についての御理解が必要なのではないか、使ってみたいというような御意見もいただいたところです。また、荷主さんから、2024年ということで、日頃からたくさん最近報道もされて、何とかしないといけないのですが、どうしたらいいか分からないみたいなお声もいただいているところでした。
そういった様々な意見を踏まえて、12月19日に先ほど申し上げました皆様方にお集まりいただき、トリロジ宣言、ロジスティクスに関する共同宣言を採択させていただいたところです。
8つの重点項目がございます。
まず、(1)、地域の物流を守るということです。ラストワンマイル、特に中山間等の輸送、貨客混載や荷主連携による枝の物流と幹線輸送を上手に分担するとかということです。
(2)、2024は物流改革のチャンスでもあるということです。どうしてもマイナス面ばかり注目されてしまいますが、事業者の規模拡大や、単なる輸送のみならず、様々な物流のサービスの御提案をすることによって、全体としていい循環を生むようなことも必要ではないのかなということです。
(3)、効率的な運営です。実際、現在も県の補助金等を使ってやっていらっしゃる事業者さんもおられますが、システム導入で、配車や労務管理を一元化することによって、効率的な運営、経営になるということです。
(4)、啓発の強化ですが、これは取引環境の改善や、標準的な運賃の周知といったことを積極的にやりたいと思っているところです。
(5)、持続可能な物流です。先ほど申し上げたとおり、運べないリスク、トラックのドライバーさんが少なくなると、やはりそこは鉄道や船の力を借りないといけないということになりますので、モーダルシフトした新しい輸送方法も考えなければいけないということです。
(6)、輸送事業の強靱化ということで、先ほども申し上げましたが、運送以外の事業への多角化も必要ですし、物流のインフラ整備ということで、倉庫設置や、最後の事業者連携も非常に重要です。やはり荷主さんの御理解をいただきながら運送事業者さんと連携して取り組むとか、あるいは鉄道とトラックを上手に結びつけて目的地まで荷物を届けるといったことが必要ではないかと思っています。
現在、予算編成の時期ですが、これらのことも踏まえて、令和6年度当初予算において必要な予算を今検討しているところで、これからも事業者の皆さん方や関係団体の皆様方と連携を強化してまいりたいと思っているところです。
続きまして、10ページ、新たな海外市場へのビジネス展開支援の取組についてです。
これまで北東アジアや東南アジア地域を中心に海外販路開拓を行ってきたところですが、ヨーロッパやインドなど、新たな市場に向けても県内企業の外需獲得のチャンスがあることが分かりましたので、御報告したいと思います。
まずはヨーロッパですが、ヨーロッパは日本の工芸品に対する関心が高いことが分かってきましたので、越境ECと現地店舗のリアルな販売を組み合わせて、約30社の県内企業さんの工芸品や雑貨の販売プロモーションをやっています。昨年9月には、フィンランドとベルギーのそういったものを扱うセレクトショップや展示会でプロモーションを行ったところです。まさに今週もやっていますが、フランスのパリのセレクトショップにおいて、実際に企業さんもフランスに行き、お面のワークショップや販売イベント等もされておられます。フランス人の方の印象も非常にいいという報告を受けています。
また、県内工芸品に関する越境ECサイトも昨年11月に開設したところです。初めて海外に取り組まれる事業者さんもおられますが、やはり越境ECですと、海外と直接外国語でやり取りするというようなことも特にないですし、渡航もせずに、日本にいながら実際の販売につなげられるということで好評いただいており、消費者へのサイトはもちろんですが、バイヤーさん向けのBtoBの取引拡大のページも作って対応しているところです。その結果、ヨーロッパにおいて販売に結びついたほか、実際に本県を訪問して事業者さんの工房を見てみたいというようなバイヤーさんも発掘できたところです。
今後とも、越境ECの活用とリアルな販促の双方を生かしたハイブリッド型で工芸品、雑貨の欧州での販売拡大に結びつけていきたいと考えているところです。
続きまして、インドです。インドは御承知のとおりグローバルサウスの盟主として注目されている国です。現地の地方政府の皆様方とも面談させていただきましたが、日本の技術、本県の技術にも期待を寄せておられるところです。本年11月に当課の職員がインド最大の経済都市であるムンバイを訪問して、ムンバイ市があるマハラシュトラ州の州政府やインド市政府の方々と面談を行ったところですが、県内企業の廃棄物処理の技術に関心が示され、今後、両地域のマッチングのサポート等を行っていきたいと思っているところです。
また、インド最大のIT都市でもございますベンガルールでは、世界で活躍する日系の企業さんの経営者の皆様方が一堂に会したイベントがあり、そこでも県産の環境分野、そのほか、健康関係の食品といったものをPRしてきたところです。
その結果、アメリカやヨーロッパ、南米等、これまであまり開拓できていなかった地域の引き合いも今いただいているところで、これからも支援してまいりたいと考えているところです。
◎鹿島委員長
今までの説明につきまして、皆さん方で質疑等はありませんでしょうか。
○尾崎委員
7ページのロジスティクス共同宣言は非常に大事な視点かなと、ちゃんとうまくロジスティクスに語呂を合わせられてすごいなと思います。特に私は、(1)ローカリティー、(2)オポチュニティー、(5)サステナビリティーと(8)コーポレーションに注目するのです。(2)に総合物流の育成がありますね。この間、勉強会をさせていただいたときに、若手の運送業者さんが、旅行業者さん、トラベルエージェンシーみたいになりたいと――つまり荷主さんとか、どんな方法で、ここまではトラック、今度は鉄道、それから倉庫はどこだとか、いろんなことを全部自分たちでアレンジする、提供するというようなこともやりたいのだ、実際やっていらっしゃるとお聞きしています。実際に荷主さんもどうやって鉄道を使ったらいいか、どこに倉庫があるのかを全部把握していらっしゃるわけではなくて、中小の方も含めて情報が足りない部分もありましょうし、運転手さんはだんだんといなくなるということもあるでしょう。そういった面では今後そんな取組が非常に大事かなと思うので、その辺を育成するという県の姿勢はどうなのかをお聞かせください。
もう1点だけお願いします。3ページのビジョンも非常に大事ではないかなと思っています。それで、3(4)、10年後の県内産業の姿(イメージ)とありますが、これが全部実現したらすごい県になるなとわくわくするのです。特に1、2、4、6番目、一番最後。売上倍増を果たした小規模事業者が現れている。若手経営者への円滑な事業承継ができている。新たな産業分野を事業の柱とする企業、そして新規上場企業、成長力のあるスタートアップや世界市場に挑戦する多くの企業が現れている。特にここですね。それと働きやすさ日本一の県として多様な人材が活躍できる環境づくりです。こういったことはすばらしい未来で、今後検討されていくとは思いますが、やはり具体的な手法がないといけないなと思うのです。今ピックアップしたようなところで、今、このことがあるぞというようなことがあったら御紹介ください。
●清水通商物流課長
総合物流業は、A地点からB地点へのいわゆる実運送だけではどうしても価格競争になってしまいます。そうなると大きいところが強くなるみたいなところもございまして、やはり地元の企業さんは外部から入ってくる企業さんに対して危機感を非常に持っておられます。地域のことを一番よく分かっているのはやはり地域の物流事業者だということで、そういったかゆいところに手が届くような調達物流から保管、そしてつくったものを出す輸送、最後のところを総合的に捉えることを考えたいと言っておられます。そういったところを育てていく必要があるのですが、そういったことにチャレンジしやすいような環境づくりも非常に大事だと思っていますので、その支援も来年度に向けてしっかり考えていきたいなと考えています。
●河野商工政策課長
10年後の姿は、議論の過程のところもございますけれども、要はビジョンという形で、未来に向かっていく姿をイメージできるものが欲しいというところが意見の中でありました。今のビジョンの中にはそういったところが実はまだなかったので、委員さんと話をしながら、未来に向けた姿ということで、今、羅列していますが、それぞれにやはり基本的な取組、重要な取組もございます。当然、今もやっているところもあります。例えば小規模事業者さんについては、今年度6月補正でも、商工会だけではなくて、伴走型の新たな形を取り組んでやってみたり、新たな産業の成長の柱でいけば、これまでも脱炭素研究会とか、新たな産業の芽を育てるような、事業者が集まって研究を進めていく会をつくって、そういったものに繋げていけ ないかという模索を今やっています。あとは、今年6月に産業未来共創条例をつくり、その中でこういった新たな取組に一体型で支援をしていくようなフレームをつくっており、補助金等も整備させてもらったところですが、そこら辺の肉づけもこれから順次やっていくのかなとは思っています。
働きやすさという話はふわっとしているところもございますが、この辺のところも今、外国人や障がい者の問題、いろいろございますが、そういった方を労働力として持っていくための職場環境をどうするかはまさに今、議論をしているところです。今のところは、その議論も踏まえながら、予算事業としてこれから順次展開をしていきたいというところで、答えになっていないかもしれませんが、こういった未来の姿を実現するための諸施策について、私どもとしてもやっていきたいと考えています。
○尾崎委員
物流に関しては、総合物流というのは鳥取県にぴったりのものではないかなと。小規模さんが多く、しかも大手に対抗していく必要があるということで、きめ細かに動ける、それが特質だと思うので、何が必要か聞いて、そこをしっかりとやっていっていただきたいなと思います。ぜひ応援したいなと思っています。
あと、10年後の未来、やはり夢がないと、こうなろうと思わないとなかなか人間はなりませんので、非常に大事なことだなと思います。具体的にどんなことが必要かはだんだんと分かってくると思いますので、特に最後の多様な人材が働ける職場環境などというのは、福祉とかの連携も必要になると思いますので、その辺もよろしくお願いしたいと思います。
○浜崎委員
7ページ、ロジスティクス共同宣言「トリロジ」です。ワーキンググループで確認した主な意見のところで、荷主に対して契約打切り宣告は、個人でなくても運送業者だったら、おまえのところではなしに、たくさんあるからほかにするわみたいな、平たく言えばそういうことでしょう。打切り宣告があったら怖いので、価格交渉を切り出せないというような話で、そういうことからして、取引環境の改善に注力してほしい(運送事業者)ということだが、この話はよく聞くのです。よく聞くのだけれども、なかなか難しいところもあるし、運送業者も鳥取県においても限られた部分での範囲というか、やはり人は減っていると思う。そういう状況からすると、具体的にどう取り組んでいくかといっても、当事者がいるわけですから、県がそういう状況を全部踏まえられるわけではないということはあるけれども、さりとてなかなかやはり厳しい。全てがということではないけれども、非常に運送業者もたたかれて、たたかれてという部分も、現実に多少はあるみたいで、そういうことからすると、価格交渉が切り出せないということなのだ。さっき言ったように中身の話で具体的にこうだああだというようなことまでは言えないのは分かっているが、具体的にどう取り組んでいくかというか、取り組み方はどうなのでしょうかというところで、そのことが気になってということです。
●池田商工労働部長
今回のロジスティクスの共同宣言ですが、この宣言については、物流危機への問題意識を荷主と運送事業者、全ての関係者が意識を共有して、同じ方向性で進めていこうという、ある意味これは全国にもない画期的なものだと考えています。ある意味待ったなしの課題にしっかりと取り組んでいこうという、まずこれはスタートだと思っています。
基本的には、国でも物流革新のパッケージをつくっているのですが、商慣行の改革、取引価格の適正化、または職場環境の改善や人手不足の対応といった、そういういろんな問題が山積していますので、そもそも一つの自治体だけの取組では解決困難です。ここは国の施策とも歩調を合わせて、大企業中心に進む共同化の取組とも連携しながらやっていくことは必要なのだろうと思っています。
そういう中で、今、来年度の予算に向けて、一つは、こういった宣言の趣旨や内容を行き渡らせるための啓発の強化や、また、今進んでいるいろんな事例が、小さな事例でも好事例があるので、そういうものを横展開させていったりということ。または消費者の皆さんにも意識を持っていただいて、物流の大切さをしっかりとPRするようなことと併せて、当然、荷主と運送事業者の連携を促すことや物流の効率化、モーダルシフトといったことを、今、個々の事業を皆さんの意見を踏まえながら進めていますので、関係者一丸となってこういったことに取り組みたいなと思っています。物流というのは基本、経済の血液と言われているので、単に血液の流れを止めないということだけではなくて、きれいにしていくというような意識でしっかり取り組んでいきたいなと思っています。
○浜崎委員
特にワーキンググループで確認したということからしても、運送業者側からの忌憚のない意見だとは思います。あなたがおっしゃったように、ロジスティクス共同宣言ということで、荷主や運送業者等々、まとまった形で一緒になってということだとは思うのだけれども、現場において、現実問題として、トラックのチャージがあまり少ないと、運送業者としての不満が出てくるというようなことでもいけないわけです。いろんなことがあるとは思いますし、総合的に判断していくという県のスタンスはよく分かるのだけれども、この辺はやはり現場としても一番ポイントになるところかなと思ったのであえて申し上げた。県がどうこうということではなしに、今、あなたがおっしゃったように、国からの流れということもあるのですが、私も鳥取の運送業者になかなか厳しいという話は前に聞いたことがあったもので、それがたまたま出ていたので、気になって話をさせてもらったということです。やはりどこもが現場で頑張っているのだけれども、特に運送業者については、流通が止まるようなことになったらいけないわけですから、そういう意味で、気になって質問したということで、認識を改めて確認しておいていただきたいです。
●池田商工労働部長
当然、運送事業者自身の頑張りも必要なのですが、やはりこの問題というのは、荷主さんや消費者といったところの理解の上で進めていくことが肝要なので、ある意味、県民というか、国民全体となってこの問題を真剣に取り組んでいくことが必要だと思うので、そこをしっかり県としても後押し……。
○浜崎委員
片方というのではなしに、両方がということでしょう。
●池田商工労働部長
ええ。やっていこうと思います。
○浜崎委員
よろしくお願いします。
○坂野委員
4ページですが、中小企業に対する対応をすぐしていただいたのは本当に心から感謝したいというか、すごいなと思います。
それで、思いつきであれなのですけれども、事業者の方も不安だと思うのですが、消費者も不安だと思っていまして、消費者に対してはどういう整理になっているのかを教えていただきたいです。
●河野商工政策課長
どうしても私、事業者の話をしてしまったのですが、今回の問題の消費者対応については、これは特にダイハツグループといいましょうか、ダイハツ、トヨタも非常に重視しており、ダイハツで専用の相談窓口をつくっています。そういったところでしっかり対応しますよと、たしかホームページにも公開しておられます。なおかつ今回、発覚してから調査の期間で、12月まで結構時間があったので、その中で分かったことについては、ダイハツも自主的に検査をされていて、それも第三者機関にも確認しながらやってこられたようです。そのことについても、その結果、あくまで自社の検査にはよるのだけれども、改めて検査をして、消費者に対して直ちに利用を停止いただく状況ではないというようなメッセージも出されています。ただ、もちろんそれでは不安なところもありますし、どうなのかということもあり、例えばダイハツさんとしても取扱店舗とも連携をしながらそういった情報の提供をやっていくという格好になっています。
ただ、今回、リコールという話もございましたが、やはり検査を進める中で、安全性基準の中で2車種ほどまだ確認できなかったものがあり、そちらも自主的に12月末に公表されて、今回、国土交通省からリコールの対象になるのであれば速やかにやりましょうということで、今、速やかにダイハツさんもしていらっしゃいます。消費者、当然車に乗るということで不安があるので、そういったところも国土交通省と連携をしてやっていらっしゃるという状況です。
○坂野委員
大変よく分かりました。ありがとうございました。
○福浜委員
産業振興未来ビジョンです。これは総論的な部分なので、今から言うことは踏み込み過ぎなのかもしれませんが、改訂に至った経緯でいくと、コロナや物価高騰等があったり、あともう1個、円安も一つの大きな要因になるのではないかなと。その中で、円安というと、輸出もありますが、やはりインバウンドを一つ大きな強みとして自分は認識していますし、多分、皆さんそう思っていらっしゃると思うのですよね。そういう中にあって、県内産業の中における観光というところ――観光も裾野がものすごく広く、食にもつながっていきますし、そこの部分をやはりもっと挑戦的にやっていくべきなのではないかなと思っているのです。観光的な要素があまり見えてこないような書きぶりで、実際もともとあった未来ビジョンの中には入っていると思うのですけれども、もう少し強調していってもいいのではないかなという気がしているのですが、いかがでしょうか。逆に円安をチャンスと捉えるというところ。
観光でいくと、県内には水木しげるロードのように大成功を収めた観光地もありますが、それが本当に面的に広がっているかというと、やはり今後、韓国のソウル便復便に続いて、上海、香港とか、あるいは台湾というような新たな結びつきも今後迎えていく中で、いかにインバウンド客を面的に受け止めていくかというところ――要するに、より多くお金を落としていただくということだと思うのですよ。これが産業振興にもつながっていくという要素も多分にあるのではないかなと思っているのですが、その辺りはどう受け止めをされていて、反映されていくお考えなのかお聞かせください。
●池田商工労働部長
観光について、この中では表現できていないですが、もともとのビジョンの中でも観光産業は重要な産業だと捉えて、それについての研究というのも現行の中にも当然ございます。ただ、令和3年4月の時点で、観光、要は宿泊、飲食業も含めて、どちらかというと存亡の危機だというような認識の中で、いかにこの事業を潰さない、守っていくかという観点が色濃く出たというのは当然あったのだろうと思います。以前のビジョンも、何回か改訂しているのですが、最後の部分では観光業をかなり取り上げた形で書き込んでいた経緯もあります。当然、中に書き込むことは想定しているのですが、おっしゃるとおり、観光業は本県の重要な産業でもありますので、今の御意見も踏まえて、そこもしっかりと書き込んでいきたいと思っています。円安や物価高騰という大きな動きもありますが、その後に生成AIがこの1年で大きく動いたり、脱炭素も特に沸騰化というような形でものすごく動いています。ある意味この2~3年の間でも世界の動きは大きく変わっていますので、このビジョンは、3年ぐらいのスパンを置きながら、重点項目はその都度一定程度設定しながらやっていくと。確かにこの中では観光を改めてしっかり打ち出していく部分でもあろうかと思っていますので、そこはよく検討させていただきたいと思います。
○福浜委員
たまたま麒麟のまち圏域でインバウンド客を、プラットフォームをつくって、いろんなニーズに対して、どこにそれを落とし込んでいくかというようなものをこれから立ち上げられるという話も出ています。これが東部だけではなくて、中部、西部でも同じような取組は今後必要になっていくと思います。そうなるといろんな産業というか、事業者がそこに関わっていくというところで、もっと観光を面的に、しっかりと稼げる一つのファクターなのだという要素を捉えた形で認識をより深めていただければなと思いますので、重ねてよろしくお願いします。
○浜崎委員
5ページの王子ホールディングス、木質由来エタノール・糖液のパイロット製造設備を設置することを決定し、これを支援するということで、県の支援が9億円ということです。企業への補助金支出は悪いわけではないと思っていますが、雇用が研究員約5名ということだけではなくて、地域への経済波及効果、一般的に言えば費用対効果というか、今の段階では成果目標ということになると思うのだけれども、今の段階で具体的に言える範囲があれば説明してほしい。経済波及効果という部分はどう見ておられるかなというところで、当然、これは大事な部門だとは思うのですがというところです。
●池田商工労働部長
このたびの設備はあくまでもパイロット設備という位置づけになるのですね。これが順調にいけば、この後に大きな量産化が待っているわけです。SAFは、ジェット燃料の代替となる、燃焼時にCO2 を排出してもカウントされない燃料で、それを食品からでなく、パルプから作る、そこが大きな強みであったりするのです。脱炭素だけではなくて、食料問題にもある意味間接的に寄与できるような、非常に画期的な取組です。
さらにこれは、SAFだけではなくて、例えばバイオプラスチックといったものに転換していく原材料にもなる可能性を秘めたものです。ですので、パイロット設備が今後量産化というときに、王子ホールディングスさんの拠点は各地あるのですが、やはりパイロット設備を置いたという強みは当然あるわけですから、そういう大きなところを鳥取にぜひ呼び込んでいく。社長も、米子がまずは大きな候補になるということはしっかり明言されていますので、そこを我々としても一緒になって支援しながら育てていきたいと思っています。
○浜崎委員
パイロットというのは鳥取だけの話だな。
●池田商工労働部長
ここでしかやっていないです。米子のみです。
○浜崎委員
なるほど。
◎鹿島委員長
いいですね。
○浜崎委員
はい。
◎鹿島委員長
そのほかありませんか。
ないようでございます。商工労働部については以上で終わりたいと思います。
この後、委員の皆さんには御相談したいことがありますので、この場にお残りいただきますように。
執行部の皆さんについては御退席いただいて結構です。
(執行部退席)
進めさせていただきたいと思います。
令和6年度の江原道議会友好交流事業について、前定例会中の代表者会議では、両県道議会の友好交流事業として7月に訪問団を編成して議員派遣することが決定されています。議長を団長として、各常任委員会から1人ずつ派遣すること、また、各常任委員会から相互交流テーマの一つを提案することが決定されました。
つきましては、本委員会の派遣委員1名と江原道議会との相互交流テーマについて協議したいと思います。
参考として、過去の派遣実績と、先日皆さんに意見照会し、御回答いただきましたテーマの案を候補としてまとめた資料を配付いたします。
まず、派遣議員についてですが、委員の皆様、御意見がございましたらお聞かせ願いたいと思います。
○浜田(一)委員
鳥羽副委員長を推薦したいと思います。
◎鹿島委員長
ただいま鳥羽副委員長をということです。
本常任委員会として、鳥羽副委員長を推薦させていただきたいと思います。正式には、議長確認の上、代表者会議に諮って決定となります。いいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
では、鳥羽委員、よろしくお願いいたします。
次、交流テーマについて、委員の皆様の御意見がございましたらお願いしたいと思います。
○鳥羽委員
御推薦ありがとうございます。
テーマ候補ですが、2つありまして、まず1つ目、未来産業グローバル都市に向けた産業クラスター造成についてです。本日の委員会でも御紹介がありましたが、鳥取県産業振興未来ビジョン、ちょうど改訂中というところです。江原道においても未来江原2032を打ち出して、クラスターの造成や企業誘致を進めていますので、お手本にして、どのような取組をしているのかを視察できればというところが1点目。
2点目は、未来主導型農業・農村新モデルについてです。江原道でも本県と同じように鳥取県農業生産1千億円達成プランのようなものを策定されており、大きく内容に違いはないみたいですが、ただ、やはり実際に取り組んでいることや考え方は違うと思いますので、その辺り、つぶさに視察ができればと思っています。
簡単ではございますが、以上2つのテーマです。
◎鹿島委員長
ただいま鳥羽委員から派遣について、2つの大きなテーマでもって勉強したいということがございました。これでここの委員会としての要望ということでいいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○福浜委員
さっきもインバウンドの話をしたのですが、ソウル便が再開されて、9割の搭乗率というところで、順調に今来ているのですが、今後、持続可能にしていく意味でも、いかにこちら側の受入れとして韓国側がどんなものを求めているのかを改めて聞き取りでもしていただけると、何かまた新たな波及効果が生まれるのではないかなと思います。多分、今のソウル便は、割合としては韓国からこちらが多いと思うのですよ。逆に、こちらから韓国というのが、向こう側の要望もあると思うので、その辺り、ソウル便を維持するというよりも、民間レベル、地方レベルでの日韓交流は政府同士とは別にやはり必要だと思うので、その辺を改めて、コロナ明けですので、よろしくお願いしたいと思います。意見として。(「分かりました」と呼ぶ者あり)
◎鹿島委員長
しっかり見て、今後の参考にしていただきますように、よろしくお願いします。
そのほかありますか。
○尾崎委員
農業ですが、日本と同じような状況にあって、非常に苦慮しておられるようです。特に外国人シーズン労働者が江原道で1,700人いるということで、その時期だけとなるとなかなか難しいです。それをどんなふうにやっておられるのかということや、それから、女性の農業人福祉バウチャーというのがあって、それを12万ウォンから20万ウォンに拡大したと。そういった内容はどんなものなのかとか、非常に関心のあるところなので、また後で言いますが、よろしくお願いします。
◎鹿島委員長
この際ですからほかにあったら。いいですか。(「なし」と呼ぶ者あり)
以上をもちまして農林水産商工常任委員会を閉会したいと思います。
午前11時58分 閉会
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