会議の概要
午前10時00分 開会
◎西村委員長
ただいまから福祉生活病院常任委員会を開会します。
日程は、お手元の日程のとおりですので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
なお、今回の常任委員会は、福祉保健部、病院局、子ども家庭部、生活環境部の順で、執行部の入替えを行います。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
本日の会議録署名委員は、島谷委員と前田委員にお願いします。
それでは、付議案の予備調査に移ります。
初めに、福祉保健部に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いします。
まず、中西福祉保健部長兼ささえあい福祉局長に総括説明をお願いします。
●中西福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
福祉保健部の議案説明資料予算に関する説明書をお願いします。
まず、先議分から御説明させていただきたいと思います。
資料3ページを御覧いただきますと、先議分としまして、物価高騰に対する緊急的な対応として、生活困窮者、医療・社会福祉・保育施設等への支援事業としまして、15億4,000万円余りを先議でお願いするものです。
詳細については、担当課長から御説明を申し上げます。
もう一つ、11月補正の先議分以外の通常分の資料をお願いします。よろしいでしょうか。
通常分としまして、2ページを御覧いただきますと、議案として2つ提出をしています。
一般会計と補正予算関係の第2号とあと条例関係の第11号です。
まず、予算の関係です。3ページを御覧いただきますと、総括表がついていますが、合計で12億9,000万円余りをお願いしています。これは、国の補正予算を活用しまして、介護、障がい等の職員の処遇改善、負担軽減、社会福祉施設の施設整備、自死対策、新興感染症対策強化などを行いますほか、小児救急電話等の充実を図るものです。
2ページにお戻りいただきますと、議案第11号、鳥取県医療法施行条例の一部改正については、医療法施行規則の一部改正によりまして、病院の従事者に係る基準が見直されたことに伴い、所要の改正を行うものです。
詳細については、担当課長から御説明申し上げますので、よろしくお願いします。
◎西村委員長
続いて、関係課長から、順次説明を求めます。
まず、先議分について、中島参事監兼孤独・孤立対策課長の説明を求めます。
●中島福祉保健部参事監兼孤独・孤立対策課長
資料、先議分4ページをお願いします。生活困窮者灯油等光熱費支援事業です。
補正額は2億250万円をお願いするものです。物価高騰が継続している状況であることから、国の交付金を活用して、生活困窮者に対しまして、生活の自立に向けた支援を行うものです。対象は、市町村が支援対象としている困窮世帯、補助率が2分の1で、1世帯当たり6か月間、10月から3月分ということで1万5,000円としています。
これについては、4月から6月、7月から9月、当初予算、補正予算におきましても支援をしていまして、その継続ということでお願いするものです。
◎西村委員長
次に、福井医療政策課長の説明を求めます。
●福井医療政策課長
資料の5ページをお願いします。医療・社会福祉・保育施設等物価高騰対策支援事業として、13億4,000万円の補正をお願いするものです。
内容ですけれども、国から追加交付されます物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用して、県内の医療機関、社会福祉施設、保育施設等を運営する事業者に対して、応援金を追加支給するものです。
中身は、2の主な事業内容のところです。県内に所在する医療機関、社会福祉施設、保育施設等を運営する事業者に対し、表に掲げるところの(1)から(5)の施設区分、提供するサービス種別等に応じた応援金を支給するものです。基本的には、現行の支援と同様でございますけれども、一部、支給対象であるとか、支給単価を拡充しています。
例えば医療機関のところでございますと、支給対象として、新たに歯科技工士を追加したり、それから、食材料費のところで加算額を少し拡充しています。
◎西村委員長
先議分以外について、中島参事監兼孤独・孤立対策課長の説明を求めます。
●中島福祉保健部参事監兼孤独・孤立対策課長
先議分以外の通常分の4ページを御覧ください。生活困窮者相談支援体制等拡充事業です。
補正額5,700万円をお願いするものです。これについても、国の財源を活用するものです。これについては、物価高騰の影響を受けている生活困窮者支援のため、特例貸付け等の借受人のフォローアップ等を昨年度から行っていますが、自立相談支援機能、相談支援の体制を拡充する市町村に対して支援するものです。体制拡充について4分の3、国が10分の10で支援をするものです。それについては、12名分が拡充されても支援できる金額を確保させていただきたいと思います。
また、社会福祉法人やNPO法人で創意工夫をして困窮者支援を行う事業に対しての支援についても、併せて予算をお願いするものです。これについては、支援ニーズが高まったことによりまして事業量増加ということで、1団体当たり、上限50万円をお願いするものです。4年度12月補正での繰越分ということで、本年度も活用している事業でして、これの継続ということでお願いするものです。
◎西村委員長
次に、中野障がい福祉課長の説明を求めます。
●中野障がい福祉課長
5ページ目を御覧ください。鳥取県社会福祉施設等施設整備事業として、2億2,700万円余りの補正をお願いするものです。
中身は2つありまして、1つ目が(1)の施設整備費補助金、こちらが1億9,500万円余りです。こちらについては、国庫補助金も活用して、施設整備に必要なお金を措置するものです。今回の補正においては、グループホームや多機能施設の創設、また、大規模修繕など5件の支援を予定しています。
また、重度の障がいのある方や強度行動障がいのある方を受け入れる施設においては、単県の上乗せ補助を行っていまして、こちらについて3,100万円余りを計上しています。
先ほどの5件のうち、グループホーム、多機能施設の創設3件がこちらに該当しますので、こちらの支援を行いたいというものです。
続きまして、6ページを御覧ください。障がい福祉職員処遇改善支援事業です。こちらについて1億円を計上しています。
こちらは、国の総合経済対策におきまして、介護・障がいの福祉関係の人材確保について、賃上げに必要な措置を講ずることを踏まえて、経済対策が出されました。こちらに対応するもので、県として補正を計上するものです。
具体的には、職員1名当たり2%相当ということで、月6,000円相当の金額で、6月以降は報酬改定で対応される見通しですので、2月から5月の4か月分を措置したいと考えています。こちらについては、後ほど出てくる介護分野と同じ考え方で設定をしているものです。
続きまして、7ページを御覧ください。鳥取県障がい福祉分野におけるロボット・ICT導入支援事業で、1,500万円を計上しています。
主に3つありまして、1つ目がロボット等導入支援事業補助金で、こちらについては入所施設やグループホームなどにおいて、移動支援ですとか見守り、コミュニケーション支援、排せつ支援などのパワースーツであったり、見守りのICTなどを整備する場合に補助を行うものです。こちらについて、500万円、50万円掛ける10台の想定でいます。
2つ目がICT導入モデル事業補助金で、こちらは全障がい福祉サービスを対象に、主にバックオフィス系の業務で、記録ですとか請求についてICTを使って業務効率化を図ることを支援するものです。こちらについて、1事業者当たり上限100万円で500万円を計上しています。
3つ目が就労系の障がい福祉サービスにおけるICT機器等導入支援事業補助金としまして、こちらは国の補正で新しいメニューが創設をされましたので、県としても設置をしたいと考えています。就労を行う障がいのある方がICTの機器を活用して、就労がしやすくなるように、分かりやすい予約顧客管理システムですとか、簡単にレジ打ちができるシステムですとか、こういうものをして、接客などの選択の幅が広がる形で整備するものを支援したいと考えています。こちらについても500万円を計上しています。
資料は飛びまして、23ページを御覧ください。繰越明許です。今申し上げた社会福祉施設整備事業費、あと処遇改善支援事業費、また、ロボットICT導入支援事業費、こちらについては5年度の補正予算を活用するものですけれども、年度内完了が困難であるため、繰越しをさせていただければと考えています。
◎西村委員長
次に、小椋長寿社会課長の説明を求めます。
●小椋長寿社会課長
資料は8ページからです。
まず、8ページにございますのは、今、中野障がい福祉課長からも説明がありましたロボット・ICT関係の介護分です。補正前1億6,800万円余に対して、2億6,900万円余りの補正をお願いしたいと考えています。
介護ロボット、パワースーツであるとか見守りセンサーとか、そういったものの支援、それから、タブレット端末とかソフトウエアといったICT部分に関する支援ということで、内容は2つに分かれていますが、こういったものに対する補助を行うことを考えています。
続きまして、9ページ、処遇改善に関する補助金です。国において、物価高騰その他、他産業の賃上げに対応した支援を行うということで交付金が措置されますので、それに向けて県の補正を行います。
内容は2つありまして、(1)介護職員処遇改善支援事業で、職員1名当たり6,000円相当という形の賃上げを令和6年2月から5月の4か月間交付することになっています。介護保険制度の改正時期は、通常でしたら4月なのですが、今回については、4月になるか6月になるかということを、今、協議しているということで伺っていますので、6月を想定して、2月から5月の4か月間ということでお願いしたいと考えています。
(2)番、軽費老人ホーム運営費補助事業について、これは単県で措置しておりますので、国の取組とはまた別の仕組みですが、単県で1,000万円をお願いしたいと思っています。こちらについても、介護職員処遇改善支援事業と同程度の処遇改善を行うことで考えています。こちらは、単県ですので、4月以降については来年度予算で措置するということで、2月から3月の2か月分を計上しています。
めくりまして、10ページ、介護保険指定事業者等管理システム改修事業です。介護保険制度では、クラウド上にシステムを置いておりまして、今回、来年4月ないし6月に予定されています介護保険制度改正に向けて、システム改修を行う費用です。
飛びまして、23ページです。ただいま説明したもののうち、ロボット・ICT、それから、介護職員処遇改善については、年度内執行が難しいことが分かっておりますので、明許で繰り越したいと考えています。
◎西村委員長
山﨑健康政策課長の説明を求めます。
●山﨑健康政策課長
11ページを御覧ください。難病対策事業です。
難病等の医療費助成については、前年度の決算見込みベースで当初予算を計上させていただいたものですが、本年度の執行状況から、年度末までの所要見込額を算出して、その不足分の増額補正をお願いするものです。
引き続き、次の12ページをお願いします。みんなで支え合う自死対策総合推進事業です。
本県では精神保健福祉センター内に、自死対策推進センターを設置しておりまして、市町村や関係機関と連携しながら、自死対策を総合的に推進しているところですけれども、新たにこども・若者の自死危機対応チームを設置して、学校、医療を含めた地域との連携体制をさらに充実していきたいというものです。
背景としましては、全国的に見ますと、若者の、小・中・高生の自死者数が過去最多となっている実態がありまして、国がこの6月に、こどもの自殺対策緊急強化プランを発表しています。これを受けまして、このたびの総合経済対策におきましても、地域において、このような対応チームの設置を推奨し、予算を措置することになっておりますし、相談体制の強化についても措置をしています。こうした動きに呼応して、このたび、補正で予算をお願いするものとなっています。
本県の現状としましては、とりわけ30代以下の自死者の数が増加傾向にあるというわけではないのですけれども、ただ、一定数はあることに鑑みまして、この事業について取り組みたいというものです。
具体的には、こちらの中段に書いてございますけれども、鳥取県自死対策推進センターに多職種の専門家で構成するチームを設置して、学校や地域の支援者等では対応が困難な事案について、助言等を行うことを考えています。具体的には、各圏域、東・中・西部に組織して、その案件内容に応じて支援機関、医療機関等に速やかにつなげていくといった機能を持たせたいと考えているものです。
それと、丸の2つ目です。とっとりSNS相談事業の拡充も図りたいと考えています。通常、このSNS相談事業は、月、水、金と第2、第4土曜日で実施しているのですけれども、これに自殺対策強化期間の3月ですとか新学期前後、それから、9月の自殺予防週間、こうした期間に相談日を追加して拡充を図りたいというものです。
◎西村委員長
次に、福井医療政策課長の説明を求めます。
●福井医療政策課長
資料13ページをお願いします。鳥取県小児救急電話24時間相談対応事業としまして、令和6年度から令和8年度までの3年分について、8,910万円の債務負担をお願いするものです。
事業の目的、概要ですが、小児の保護者等の不安軽減、救急車・救急医療機関の適正利用、逼迫回避を図るため、電話相談事業(#8000)を継続実施するとともに、令和6年4月から実施予定の小児医療費の完全無償化を踏まえ、相談受付時間を拡充するというものです。
3の事業目標・取組状況・改善点のポツの下から2番目のところですが、現状としまして、救急搬送者数は増加の一途をたどっておりまして、令和4年は過去最多を更新しているところです。特に、現在、電話相談対応を行っていない日中の搬送件数が、全体の約6割あるという状況です。また、軽症患者の割合が依然として高い、18歳未満では6割以上ということから、小児救急体制の逼迫の懸念が高く、消防関係者や救急医療関係者からさらなる取組の強化を求める声が上がっているところです。
主な事業内容のところです。次期、令和6年から令和8年度までの3年間については、相談受付時間を拡充させていただきたいと考えているところです。
具体的には、現在、平日は夜間のみとなっていますが、これを拡充させていただきまして、拡充後は平日含め24時間365日、電話相談対応ができる体制を整備したいと考えているところです。
続いて、14ページをお願いします。先ほどは#8000、15歳未満の小児に係る電話相談対応ですが、こちらは#7119、おおむね15歳以上の大人の方に係る電話相談を行っているものです。こちらについても、令和6年度から令和8年度までの3年分について、1,980万円の債務負担をお願いしたいと考えています。
こちらも3の事業目標・取組状況・改善点の一番下です。先ほどと同様の状況ですが、大人の方に関しましては、軽症患者の割合が依然として高い、約4割ということです。同様に関係者から取組強化を求める声が上がっているという状況です。
こうしたことから、先ほどの小児と同様に、現在、平日は夜間のみの提供となっておりますけれども、こちらを平日も含めて、24時間365日サービスを提供できる体制を整えたいというものです。
続きまして、資料15ページ、看護補助者処遇改善支援事業としまして、3,000万円の補正をお願いするものです。
こちらについては、事業の目的、概要のところですが、国の経済対策、補正予算で看護補助者の処遇改善を図る補助事業が創設されました。これを活用しまして、看護補助者の処遇改善に取り組む県内の医療機関を支援するものです。
看護補助者、注でつけておりますけれども、看護が提供される場において、看護チームの一員として、看護師の指示の下、看護の専門的判断を要しない看護補助業務を行う者です。看護補助者としての資格というものはありません。
2の主な事業内容のところです。補助額としては、看護補助者1人当たり、月6,000円相当、対象期間については、令和6年2月から5月までの4か月間です。対象職種については、医療機関に勤務する看護補助者ということになります。
調べたところによりますと、県内、大体約1,000人の看護補助者が勤務されている状況です。
資料は飛びまして、23ページをお願いします。繰越明許ですけれども、今、説明を申し上げました看護補助者処遇改善支援事業費ですが、国の補正予算を活用して実施するものであり、年度内の完了が困難であることから、繰越しをさせていただきたいというものです。
続きまして、資料24ページをお願いします。こちらは債務負担ですが、一番上、令和5年度看護職員等充足対策費です。令和6年度から令和10年度までの向こう5年間について、7億3,248万円の債務負担の設定をお願いするものです。
備考で書いておりますけれども、内容としましては、看護職員修学資金、看護職員奨学金、理学療法士等修学資金の貸付けです。2番目と3番目は、先ほど御説明を申し上げたとおりです。あと、一番下、令和5年度鳥取看護専門学校管理運営費です。こちらについては、校舎清掃の委託料としまして、令和6年度から令和8年度までの3年間、419万7,000円の債務負担をお願いするものです。
最後、25ページです。鳥取県医療法施行条例の一部を改正する条例です。
提出理由としまして、医療法施行規則の一部が改正され、病院の従事者に係る基準が見直されたことに伴い、所要の改正を行うもので、具体的には概要のところに書いています。病院が有しなければならない従事者について、病床数が100床以上の病院にあっては、栄養士または管理栄養士を有しなければならないものとするとされたところでして、現行、栄養士ということですので、管理栄養士が追加されたということです。
これも県内の状況を確認しましたら、県内43病院ございますが、100床以上の病院は28病院ございます。全て、既に管理栄養士を配置されているということです。
◎西村委員長
次に、壱岐感染症対策課長の説明を求めます。
●壱岐感染症対策課長
資料は16ページをお願いします。こちらは、新たな事業として、新興感染症対策強化事業、1億円をお願いするものです。
事業の目的、概要のところです。感染症法が改正されまして、平時から新興感染症に備え、また、有事には感染対策を講じた上で、医療提供可能な体制を速やかに構築するために、医療措置協定制度が創設されました。この制度は、令和6年4月1日施行となっています。
この事業では、県と医療措置協定を締結する医療機関が、平時に行う個室病床の整備、多床室の個室化のための可動式パーティションの設置、簡易陰圧装置等の設備整備に要する費用に対して支援しまして、新興感染症の発生に備えて、医療提供体制の強化を図るものです。国の令和5年度補正予算を活用して取り組む事業となります。
事業内容のところです。補助率について、個室病床の整備については、3分の2となっていますが、これは個室病床は、平時から通常医療に使うことがございますので、医療機関側にも一部の負担をいただくことになっています。それ以外については、10分の10の補助になっています。これまでもコロナ対応について、各医療機関に対しての設備整備の補助は行ってきましたが、この事業については、今後、新たな感染症の発生に備えて、また、協定を結ぶ医療機関に対して、補助制度を整えるものとなっています。
23ページをお願いします。ただいまの事業について、年度内完了が困難であるということで、繰越明許費で上げさせていただいています。下から3番目となります。
◎西村委員長
そうしますと、23ページの繰越に関する説明をお願いします。
●中島福祉保健部参事監兼孤独・孤立対策課長
失礼しました。23ページを御覧ください。4ページで御説明しました、生活困窮者相談支援体制等拡充事業について、国の補正予算を活用するため、現在、年度内の執行が困難ということで繰越しをお願いするものです。
●山﨑健康政策課長
同様に、12ページで説明申し上げました、みんなで支え合う自死対策総合推進事業費についても、国の補正予算を活用して実施するものであるため、繰越しを計上しています。
◎西村委員長
執行部の説明は以上です。
これから付議案に対する質疑を行っていただきますが、委員の皆様におかれましては、簡潔な質問と発言前後のマイクのスイッチの切替えをお願いいたします。
それでは、ただいままでの説明について、まず、先議分に関しまして、質疑等はございませんか。
○市谷委員
先議分の5ページです。医療・社会福祉・保育施設等物価高騰対策支援事業です。さっき説明の中で、入院の給食費の食材費の値上げ分も増額になっているというお話や、それから、歯科技工所についてもこのたび新たに支援対象として加わったというお話があったのですけれども、給食食材費については、どれぐらいからどれぐらいの単価で支援が引き上がったのか。あと、高齢者施設のところや障がい児者施設のところでも、新たに支援対象になったところがあるのではないかと思うのですけれども、それがあれば加えて御説明いただきたいと思います。
●福井医療政策課長
まず、食材料費の単価の話です。端的に申し上げれば、現在、行っている食材料費の、これは加算額の一要素として、食材料費の高騰分を入れているのですけれども、そこで見ているものは病床当たり5,000円という金額で見ておりました。今回は、そこを病床当たり6,400円に引き上げているものです。
経緯としましては、もともと食材料費の高騰は当然承知しておりましたので、今、現行の支援では県の試算をして、物価の指数の上がり幅などを調べて、先ほど言った病床当たり5,000円という金額をはじいておりますけれども、このたび、国から、もともと経済対策の中で食材料費の高騰に対する支援について、この国の交付金の中で支援するという方針も出されておりました。それを受けまして、厚労省からの事務連絡で、標準支援単価が示されたということです。この標準支援単価が6,400円ということでして、より高い6,400円の単価を今回採用したことによって、加算額を引き上げたということです。
あと、高齢者のところと障がい者のところですが、追加のところは、高齢者のところではこの表でいうところの上から3つ目の福祉用具貸与・販売事業所、これが追加になっています。
障がい児者の施設のところですが、これは下から2つ目の補装具貸与・販売事業所が追加になっているということです。
○市谷委員
今、医療機関のところの食材費の値上がり分についての支援を、国の交付金、これは財源を充てていますけれども、それを使って引き上げるようにということで国から来ているということで、引き上げたのですが、これは年度内までの一時的なものにとどまると思うのです。これまで、医療機関では、食材費が値上がりしているのですけれども、国からなかなかその補塡のお金が来ないということで、非常に困っておられて、今回はこれで、年度内の分が臨時的に上がるのはいいのですが、来年度以降が今度どうなるのかなというのが心配なのです。だから、来年度以降はどうなるのかを教えていただきたい。それから、この高齢者施設の福祉用具貸与・販売事業所や、それから、障がい児者施設のところでも補装具の販売事業所が、今回、支援の対象に加わったというのは、どういう理由から加わったのだろうかと。加わったのはいいことだと思うのですけれども、何で入ってきたのか教えていただけないでしょうか。
●福井医療政策課長
食材料費は、このたびは一時的なものではないかと、今後どうなっていくかということですけれども、一応、先ほど申し上げた、厚労省の事務連絡の中でも、診療報酬に見直しに向けた検討ということが言われています。そういうことで、今後は診療報酬の中で来年度以降の対応が行われるものと思っているところです。
それとあと、事業所の追加については、すみません、長寿社会課長と障がい福祉課長からお願いします。
●小椋長寿社会課長
福祉用具貸与については、従来、貸与、販売ですので、店舗メインというイメージの中で、支援対象にしてこなかったのですけれども、福祉用具貸与事業者さんから、きめ細かく御自宅を回っていますので、ぜひというお話がありまして、それではということで、訪問系事業所に準じて支援対象に加えたという経緯です。
○市谷委員
病院の給食食材費のことです。来年の診療報酬に反映されていくということなのですけれども、マスコミ報道で、来年度からの診療報酬の改定は下がるのではないかという話も一方であるのですが、その辺はどうなのですか。つけるといっても、全体総額の報酬が減ってしまったら、今言っていたことが、そうならないと思うのですね。その辺は、見通しはどうですか。
●福井医療政策課長
私の立場で答えにくいところではありますけれども、おっしゃるとおり、財務省側の議論としましては、診療所の経営がとってもいいといったことに着目をされて、そこを引き下げることで全体としてもマイナス改定をしようかという動きがあることは承知しています。
それに対して、日本医師会が大変反発をしている状況もあるということでして、これはどうなるかということは、私からどうだというのはなかなか申し上げにくいところですけれども、年末に向けて、注視をしていきたいと考えているところです。
○市谷委員
注視をするというのもあるのですけれども、やはりきちんと報酬に盛り込むなり、つけていただく方向で、改めて要望していく必要があると思うのですが、その辺はどうでしょうか。
●福井医療政策課長
11月14日だったでしょうか、年末に向けた要望は行っていまして、その中でも診療報酬の物価高騰について、その診療報酬での対応を強く求めている状況です。
◎西村委員長
ほかに、先議分の質疑はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
では、質疑が尽きたようですので、次に、先議分以外に関しまして、質疑はございませんでしょうか。
○広谷委員
7ページの障がい福祉関係のロボットやICT導入の事業です。下のほうの事業の取組状況を見れば、ロボット関係の導入では、令和2年からずっとやってきている中で、令和2年度が7施設、令和3年度が9施設、令和4年度が4施設です。それで、4年度に12月補正して5年度に繰越しもしているという中で、今回の補正で10台想定している。導入を希望している施設はどういう状況なのですか。希望施設はあるのですか。あるのかというのはおかしいけれども、その状況を見ていながらの予算を立てているのですか。
それと、もう一つ、下のほうで、業務の効率化の部分で見れば、令和4年度が1施設ですけれども、予算は5施設想定している。導入を予定している施設が5施設あって、こういう補正予算を組んだのか、その辺りの状況を教えてください。
●中野障がい福祉課長
ありがとうございます。ロボットについては、御指摘のとおり、令和2年度からやっているのですけれども、予算が成立しましたら、事業所に対して申請の希望があるかを聞きます。その際に、こういうものが対象になりますという説明も併せてします。
大体、そのときにその数事業所、10はいかないぐらいの事業所から、大体手が挙がってきて、例えばアシストスーツであったり、あとはお風呂に入れるときの昇降機であったり、あとは離床センサーみたいな見守り系の装置であったり、そういうところの希望が、大体、複数、1桁から2桁ぐらいの事業所からは恒常的に申請が来ているところですので、その辺りの数値を見ながら予算を組んでいるところです。
2つ目のバックオフィス系のICTモデル事業ですが、令和4年度の補正で初めてつくったものです。実際に申請を募集したのが、その12月から1月ぐらいで、年度内にある程度のところまで終わらせることが必要でしたので、そこの準備ができるところで、まずは1事業所というところでした。
西部の事業所ですが、実際に導入をしていまして、そこでの導入効果を、今、図っているところです。その事例とかも含めて、この補正で5事業所ぐらいを想定しているのですが、既に幾つかの事業所から、どういうものに使えるのですかという問合せがございますので、これぐらいの規模の事業所の手は挙がるのではないかという想定でいます。
○広谷委員
もし、今こうやって予算を組んで、一応、業務効率の分では5つの事業所を想定しているのですけれども、仮にまだ、これから導入したいのだという事業所があれば、やはり補正なりで対応をしていくことになるのですか。ロボットに関しても。
●中野障がい福祉課長
そうですね。申請状況の数等を見ながらにはなるのですが、1台1台の額とかも物によって様々ですので、その予算の総額等を見ながら判断ということだと思います。
○広谷委員
そうすると、繰越用ということで、年度内に決まらなかったら、来年度、令和6年度にもということのようなので、何とかそれぞれ希望する事業所に行き渡るような対応をしていただきたいと思います。
◎西村委員長
ほかにございますでしょうか。
○市谷委員
6ページです。障がい福祉施設で働いておられる方の処遇改善の事業です。この月6,000円という額は、あまりに低過ぎると言われています。他産業平均との比較で、大体どれぐらい差があるのか教えていただけないでしょうか。
●中野障がい福祉課長
他産業との賃金の差というところでしょうか。取り方とか、データの様々な違いはあると思うのですが、令和4年度の厚労省が行っている賃金構造基本統計調査というのがありまして、そちらで常用労働者の平均給与月額が示されています。全国でいうと、全産業の平均が34万円に対して、介護職員、これが障がいだけというくくりがなくて、介護職員、医療・福祉施設等の合計になってしまいますが、それで、25万7,000円ほどであると。鳥取県でいいますと、全産業系で28万3,000円に対し、介護職員、医療福祉施設等については24万3,000円ですので、差は月額でいうと4万円とかという単位での数値は一つ見られます。
○市谷委員
4万円も差があるのに、6,000円だけの処遇改善というのは、ないよりはいいですけれども、全産業平均にちゃんと近づけるのだということが、もともとの趣旨としてもあると思うのです。これは国から来たお金ばかりが当たっているのですけれども、あまりにも少な過ぎるので、例えば県として独自に上乗せするとか、そういうことを考えるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
●中野障がい福祉課長
介護も障がいも社会福祉関係については、基本的に国の公定価格での介護報酬や障害福祉サービス等報酬で点数が決まっていまして、それで事業所運営をし、職員の人件費も充てていくというのが、日本全国での考え方と思っています。
ですので、本質的にはその報酬改定の中で、物価高騰ですとか人件費部分は見ていくのが、制度上の本来の形であると思っていますので、基本的にはその報酬改定の中で、そういう人件費分が見られるように、きちんとプラスの報酬改定をしていただきたいというのを県として要望を強めていくことで対応したいと思っています。
また、確かに差があるので、全て埋めることにはなっていないのですけれども、国では、例えば諮問会議で出されているのは、今回の全体の賃上げが3.何%だったのに対して、介護人材系が1.何%の賃上げしかなかったので、せめてというか、その分の差の2%というところで議論がされていたとは承知をしているのですけれども、当然、それだけでいいというわけではないと思いますので、そもそもの報酬改定という部分で引き続き引上げというのを県としては強く要望していきたいと考えています。
○市谷委員
基本は報酬ということで、報酬改定も求めるということですけれども、さっき医療でも言ったのですが、では、この障がい福祉サービスの報酬というのは、改定されて上がる見通しなのでしょうか。それから、今度から報酬で見るということなのですけれども、報酬そのものの全体が下がれば、結局、ここでこの処遇改善分が見られないということになるので、本当に上がるのかなということ。それから、報酬そのものに反映させてしまうと、今度、利用者の利用料にも反映されるのです。障がい福祉のところでは負担上限額があるとか、減免があるとおっしゃるのですけれども、基本1割負担ということなので、利用者に負担が行かない形での報酬の反映のさせ方をする必要があると思うのですが、その辺の見通しだとか、どう考えておられますか。
●中野障がい福祉課長
診療報酬改定と同様、介護と障がいについても、大体、改定率は12月25日頃に出ると思われますが、プラス改定、マイナス改定の見通しというのは、現時点で私では申し上げることは難しいというところで御了承いただければと思います。
利用者負担ということについては障がいに関しては、所得区分ごとに負担上限月額がかなりきめ細かく設定されていまして、負担がない方ですとか、本当に少ない額での負担というところで、もう既に上限に張りついている方がほとんどですので、仮に改定率がプラスで報酬が上がったとしても、利用者負担にはねるということはほぼないと考えています。
○市谷委員
報酬改定については、本当に増えるかどうか見通しは分からないということでした。国に求めておられるということでしたけれども、増額になるように、上がるように、改めて国に求めることが必要かなと思います。あと利用者の負担への反映というのは、負担上限があるということもおっしゃったのですけれども、ただ、そうはいっても1割負担ということの仕組みの中で、絶対に利用者に負担が行かないことも、ぜひ考えていただきたいと思います。要望です。
9ページの介護職員の分です。改めて確認したいのですけれども、これも月6,000円ということで、さっき言ったように、4万円とか差があることになるのか。それから、同じ話ですけれども、報酬が上がるのかどうか。高齢者の方のこの介護関係は、障がい者のように負担上限というのもそうそうは抑えられている状況ではないので、報酬に反映することになると、利用者の負担で、今、介護保険も1割、2割とか3割とかありますから、そういうところに、利用者の負担になっては駄目だと思うのです。そうしないようにするために、県として何か考えておられるのか、その辺を確認させてください。
●小椋長寿社会課長
介護保険サービスの状況ですけれども、まず、処遇改善の関係で、民間の皆さん、全産業との差云々は、先ほど中野課長からありましたとおり、全体介護職員ということでの統計しかございませんので、同じです。
介護報酬全体が上がるのかといったあたりも、同様に年末ぐらいに具体的な数値が上がってくることになっています。国の介護給付費分科会に10月に示された資料ですと、令和4年度の経営状況は入所施設で若干収支差が悪化しているという報告もありましたので、そういったことを鑑みながら、改定がなされるのではないのかと考えています。
あと、利用者の1割負担の関係です。介護保険制度はそれぞれ介護度に応じて区分支給限度額があって、使える上限にして、1割、収入が多い方については2割、3割ということもあるのですが、負担がございます。ですが、その中で、例えば社会福祉法人のところで利用されておられる場合ですと、法人独自の減免があったりとか、あと食費とか居住費も収入に応じて減免があるというような軽減措置が制度の中にありますので、そういった形で収入の少ない方に対して配慮されているというのが、制度スキームです。そういった形での利用になると思っています。
○市谷委員
さっきの障がいと同じですけれども、基本的は、報酬に反映されてしまうし、軽減措置もあるのだけれども、介護保険って結構保険料も高いですし、利用の負担もかなり重いということが実感なのです。報酬に反映させるという、そのさせ方なのですけれども、別建ての加算の報酬にして、そういう本体の利用者負担に行くところの報酬に反映させないというやり方での加算措置みたいなことで対応するという方法もあるのではないかなと思うのです。
だから、そういうこともぜひ提案していただきたいと思うのですけれども、それがどうかということ。それから、軽費老人ホームは、これは国の支援がないので、県が独自に6,000円の処遇改善をすると。来年度は、国が、さっきの話で報酬がどうなるか分からないのですけれども、国の報酬がどうであれ、この軽費老人ホームの運営費は県が独自にやっているものだから、来年度予算で必ず処遇改善をやるということで考えたらいいのか、やってほしいと思うのですが、そこを確認させてください。
●小椋長寿社会課長
報酬改定で増額になった部分等を自己負担に反映させない仕組みですけれども、現在の制度スキームだとなかなか難しいのではないかと感じています。
軽減制度は、65歳以上の方の介護保険料の負担部分等においても、現在、低所得者の方の負担率をさらに減らしていこうという動きもありますし、そういった全体のフレームの中で動かしていくという形、やはりそうせざるを得ないのかなと思っています。
あと、軽費老人ホームの運営費については、今回、介護保険施設の処遇改善に併せて補助、処遇改善の仕組みを追加していきたいと思っています。これは前回は令和4年10月だったと思いますが、9,000円の処遇改善補助金がありまして、その後、加算になっていますけれども、それも軽費老人ホームをそのとき併せて同規模の改善を行って、その改善を継続しています。ですので、当初予算に要求して、議会の御了解を得られましたら、来年度以降も同規模の支援を継続していくことができるのではないかと思っておりますので、よろしくお願いします。
◎西村委員長
ほかにございますか。
○前田委員
12ページのみんなで支え合う自死対策総合推進事業、こちらのこども・若者の自死危機対応チームの創設についてです。先ほど、自死者は増加していないという話がありましたが、この自死未遂とか自傷行為等のハイリスク者、こうした方々の実態をどう把握していらっしゃるのかを聞きたいですし。また、これの予算を計上するに当たって、健康政策課と教育委員会と、調整みたいなものもあったのかなと思うのですけれども、教育委員会のニーズ、教育委員会もチーム学校であるとか、それなりに課題に対して対応してきた経緯があると思うのですが、その辺のやり取りみたいなものが分かれば教えてほしいです。あと、3点目は、教育委員会と連携しと書いてあるのですが、私のイメージでいくと、学校を卒業された方、若者、例えば大学生であるとか、高校を卒業して就職された方だとか、そうした若者が、イメージ的には、こうしたリスクは大きいのではないかなと思うのですけれども、そうした方たちへの対応はこのチームがどう関わってくるのか、そうしたところについてお伺いします。
●山﨑健康政策課長
まず1点目、自殺者数等の数の把握状況です。統計は出ておりませんので、あくまでも相談ベースで、そうした相談があったというものを相談機関である自死対策推進センターですとか、こちらのSNS相談、そうしたもので数字はウオッチしているという状況です。やはり一定数、相談者数、相談件数はある状況です。
2番目の教育委員会とのやり取りの状況ですけれども、こちらは12ページの下のほうに参考として、子どもの悩みサポートチーム支援事業(県教育委員会)という事業を記載しています。教育委員会でも、今回お願いしておりますチームと似た組織を構築しておりまして、子どもの悩みサポートチームを編成しています。ここでは、やはり専門的な知識を持った弁護士とか、そうした方も加わって専門性を持って、自死に限らず、学校のいじめ等も、特にとりわけいじめが中心なのですけれども、こうした事案について専門的な知見から助言をしています。
今回の事業との連携についても、教育委員会での子どもの悩みサポートチーム支援事業でもなお困難な事案、とりわけ地域の医療等に早くつなげたほうがよいのではないかというような事案について、今回の対応チームが、この案件を聞いた場合に、ここで編成する圏域ごとのチームですので、その圏域にある精神関係の医療機関とか、そうしたものに速やかにつなげていくといった機能が担えたらいいのかなと考えています。
3点目の学校に属さない、学校から離れた方が本来のこのチームの対象となるのではということですけれども、それはおっしゃるとおりでして、教育委員会には学校に属している方を対象とした、先ほどの子どもの悩みサポートチームというものがございます。それ以外の部分について、そこを対象のメインとして、この自死危機対応チームが機能できればと考えているところです。
○前田委員
支援のフローチャートの検討であるとか、また、先ほどの学校、医療、地域との連携方法の検討等を、これからやられると思います。ぜひ、今、お話しされたことをしっかりと十分に詰めた上で、スタートしていただきたいと思います。要望です。
◎西村委員長
ほかにございますか。
○市谷委員
今の自死対策の事業です。新しく創設するチームは、今までの支援では対応が困難な事例、事案ということで書いてあるのですけれども、臨時的に設置されるのかなと思うのです。常設して、日常的に対応するということで、何かあったときには対応ということにしないといけないのではないかと思うのですけれども、その辺はどういうことになるのですか。
●山﨑健康政策課長
各圏域ごとにチームを編成とありますが、先ほど申し上げました医療機関の精神科の医師ですとか心理士、精神保健福祉士、それから、弁護士とか、そうした方々を委嘱しておきまして、そうした体制をあらかじめつくっておく。そこに、学校現場ですとか、市町村から非常に難しい事案ですということで相談をいただいたときに、その案件に応じたメンバー構成で個別に対応していくと考えておりますので、常設という意味合いでは、常に機動的に対応できる体制を構築しておくということで考えています。
○市谷委員
メンバーを選んでおいて、何かあったら集まっていただくということなのですけれども、ただ、教育委員会からとか、地域からとか、いろいろ困難事例が寄せられるということですが、ふだんから、状況をみんながお互いに共有していく中でやらないと、困難事例がぱっと来ましたと、では、すぐさまに本当に対応できるのかなというのが心配なのです。やはり日常的に地域とか教育委員会と連携して、協議をしておくということもやっておく必要があると思うのですけれども、それはどうなのかということ。それから、いずれにしても対応しようと思ったら、この東・中・西、どこにその事務局的なものが置かれるのかということもはっきりしておかないといけないと思うのですが、それはどうなるのですか。
●山﨑健康政策課長
いつでも対応できるようにということですが、通常、先ほど申し上げましたとおり、鳥取県自死対策推進センターを精神保健福祉センター内に設置しておりまして、ここがスーパーバイズする形で、市町村にも学校にも助言等を行っている実態が現状もございます。そうした中で、今回、この機能を持たせることで、さらに地域の専門家の方々の知見も活用して対応していきたいというものです。
あと、事務局体制ですけれども、今回、予算をお願いしていますのは、職員を1人置いて、その調整機能を果たすというものです。具体的に精神保健福祉センターですとか、当課にそうした調整要員を置くイメージでいます。
○市谷委員
精神福祉センターは東部なので、中部とか西部は、どこがそういう事務局的なことをやるのか。東・中・西それぞれで対応するということなので、中部、西部にも窓口が要ると思うのですけれども、それはどうですか。
●山﨑健康政策課長
そこは、各保健所とも連携しながらということかと思います。
◎西村委員長
ほかに。
○島谷委員
繰越しの関係です。特に処遇改善関係などは全額繰越しがほとんどだけれども、理由として、国の令和5年度補正予算を活用と全てなっていますよね。昨日、国の補正予算が成立したのだけれども、2月から5月までということは、2月、3月は年度内の処遇改正になるわけで、この理由は何なのか。
●小椋長寿社会課長
長寿社会課で回答します。
2月分から処遇改善を行うということでして、通常2か月遅れで支払いになります。ですので、2月分については、通常、支払いが4月になるため、繰越しが発生するということです。
○島谷委員
分かりました。
◎西村委員長
ほかに質疑はございますでしょうか。
○興治委員
13ページと14ページです。18歳未満の場合は軽症患者の割合が6割以上となっていますし、約4割と記載もあるのですが、大人の場合という意味なのでしょうか。これは消防関係者とか医療関係者、それから、行政機関で搬送対象者を全部搬送するのがいいのか、それとももう少し考える必要があるのかという協議は行われているのでしょうか。行われているのであれば、どのような内容なのでしょうか。
●福井医療政策課長
搬送に関しましては、搬送協議会という組織がありまして、救急医療の関係者であるとか、消防関係者であるとか、そういったところが集まっていただいて、何回か話をする機会がございます。その中で、その搬送事例について、適正な搬送が行われたかと、その症状に照らして受入れの病院側と上手にマッチしていたかどうかとか、そういったことについて議論をする場はございます。
○興治委員
搬送の受入れの是非についての判断といいますか、現在、法律の枠組みは、依頼があれば全て搬送しないといけないとなっているのですか。
●福井医療政策課長
そうです。
○興治委員
そうですか。その在り方というのはどうなのでしょうか。いいことなのでしょうか。その判断の難しさというのはあるのかもしれないのですけれども、でも、これは何十年にもわたって、軽症患者で必要のない患者さんも運び続けて、救急医療の現場に届けていると。必要性もあるのでしょうけれども、ある意味、それが救急医療体制を圧迫してきているということがあるかと思うのです。この在り方について、国できちんとした議論がなされているのでしょうか。
●福井医療政策課長
今、私のほうで国におけるこの辺りの議論の状況は、即答できる材料がないのですけれども、国においても、この電話相談事業を普及させていこうということがありまして、それぞれ小児のところは厚労省、大人については総務省の仕切りで行われておりまして、交付税措置なども入れながら、市町の負担を軽減する形の中で、この電話相談事業の普及を進めておられるということです。
実際、この相談事業の一つの成果として、緊急性が低いというものについては、電話相談を受けられた看護師さん等が症状を聞かれて、これは翌朝でも大丈夫ですよとか、あるいは様子を見れば大丈夫ですよとか、そういった御案内をしているのは全体の3割ぐらいあるということですので、一定の効果はあるのではないかと思っているところです。
○興治委員
分かりました。
◎西村委員長
ほかに質疑はございますでしょうか。よろしいでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、請願・陳情の予備調査に入ります。
今回の予備調査は、新規分の陳情2件についてであります。
初めに、担当課長から、現状と県の取組状況について聞き取りを行った上で、陳情者の願意の聞き取りや現地調査を行うかどうか検討したいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、まず、陳情5年福祉保健第27号、精神障がい者の障がい種別の違いによる差別の解消を求める陳情について行います。
本件の陳情事項は、現状の社会において、精神障がい者に対して、障がい種別の違いによる差別があることを認識し、速やかに差別状態を解消し、誰もが公平で安心して暮らせる社会の実現を図ることであります。
それでは、担当課長に説明を求めます。
●中野障がい福祉課長
陳情について、現状と県の取組状況を御説明します。
陳情理由の中で、公共交通機関の交通運賃割引と差別の解消というところが触れられておりますので、それに関して現状を御説明します。
4ページです。現状ですけれども、精神障害者保健福祉手帳所持者に係る公共交通機関運賃割引の県内実施状況は、次のとおりです。
県内の鉄道について、JRでは割引は実施されておりません。智頭急行と若桜鉄道は、自社運行路線で割引が実施されています。
バスについて、日本交通と日ノ丸自動車においては、県内の路面バスは全て割引が実施されています。一方で、長距離バスは、一部の区間のみ割引で、共同運行区間や鳥取方面以外の乗り入れがあるものについては、割引は実施されていません。
タクシーに関し、県のハイヤータクシー協会傘下について、各社割引は実施されていません。
身体、療育、精神でそれぞれ3手帳ございますが、それぞれの交通機関の割引状況を表にしたものが、その下に書いてあるものです。例えばJRですと、身体、療育については5割引きとなっていますが、精神手帳については割引がないというところです。
その下の米は、近隣府県の割引の実施状況を記載しています。かいつまみますと、鉄道について、JRは実施が全てありません。私鉄については、それぞれ該当があるというところです。バスについては、以下のような実施状況ですが、長距離バスは鳥取県と同じく、一部区間に限っての実施となっています。タクシーについては、島根県1社、広島県1社のみの実施で、多くが実施していないのは鳥取県と同じ状況です。
その下の米ですが、障がいのある方に対する公共交通機関の運賃割引に関する協力については、国交省から各運輸局などに協力依頼通知が出されて、令和元年から毎年、関連団体に出され、周知をされています。
2つ目に、差別解消法における差別取扱いの禁止について御説明をします。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、障害者差別解消法というものがございます。こちらの第8条において、民間事業者における障害者に対する不当な差別的取扱いの禁止が定められています。これは、障害のある方に対して、正当な理由がなく、障害を理由として財やサービスの提供を拒否するですとか、提供に当たって、場所や時間帯を制限するですとか、障害のない方にはつけないような条件をつける、そういったことで、障害のある方の権利、利益を侵害することを禁止するものです。
具体的な条文は下に記載しておりまして、第8条で、公共交通機関も含めた事業者における不当な差別的取扱いの禁止が定められています。
次のページが県の取組状況です。公共交通機関への働きかけとしまして、令和元年に精神障害者保健福祉手帳所持者の割引実施拡大について、先ほどの各社に対して要請を実施しています。これを受けまして、若桜鉄道が令和3年5月から割引を開始しました。
コロナウイルス拡大の影響などもあり中止していましたが、昨年度中に改めて鉄道3社、バス会社2社、タクシー協会を直接訪問して、要望書を手交し、さらなる検討の要請を行っています。今後も継続的に要請を行いたいと考えています。
差別解消法に関してですが、その内容、不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供というものがございますが、これの県内での理解や実践が浸透していくことが大事ですので、事業所向けのシンポジウムの開催ですとか、SNS、コマーシャルを通じた情報発信を継続的に実施をしています。
また、差別解消のための協議会を毎年開催しており、事例共有、取組の横展開を図っているところです。
また、県独自にあいサポート運動を行っておりまして、差別解消法における合理的配慮の提供というところが趣旨を同じくするものですので、こちらについても広く周知を図っているところです。
◎西村委員長
ただいまの説明について、質疑等はありませんか。
○市谷委員
JRとかタクシーの会社に対して、今まで支援をということで要望をしてこられたという話ですけれども、先ほどの障害者差別解消法で、正当な理由なく、障害を理由として差別してはならないということがあるのですが、JRとかタクシー会社は、なぜ、精神障がい者の方だけこの割引がないとしているのか、その理由は何か聞かれたことがありますか。
●中野障がい福祉課長
何か公式な回答をもらっているわけではありません。ただ、JRについては、鳥取駅というか、山陰支社にお話に行ったのですけれども、やはりJRも6社ですかね、全国で統一的な運用をする必要がありますので、なかなか中国地方だけ、山陰だけという判断は難しいと。全国統一的な取扱いでの判断が必要という話がございました。
タクシーについては、直接の理由ではないとは思うのですけれども、タクシー運転手の成り手も非常に厳しいところがあるということで、割引を検討するのも、検討することは全く否定はしていないのですけれども、そういう、成り手が減っているですとか、あとは経済状況が厳しいという話はありました。
○市谷委員
JRの場合、全国一律でだとか、タクシーの運転手不足とか、タクシーの運転手不足の実態があるかもしれませんけれども、だからといって、精神障がいの方への支援をしない理由にはならないのではないかと思います。JRも全国一律で、ほかの障がいについてはやっているわけですから、全国一律で精神障がいの方も割引支援をすればいいということだと思います。要望もしていただいているということですけれども、向こうがやらないと言っている理由はおかしいのだということを、併せて言っていただく必要もあるのかなと聞いていて思いました。
◎西村委員長
市谷委員、今のは感想でよろしいですか。
○市谷委員
また要望もされるということなので、そういったことも含めて要望していただくということでいいですか。
●中野障がい福祉課長
この公共交通機関運賃割引については、鳥取県だけではなくて、国交省から全国への公共交通機関への要請がそもそもされておりますし、あとは国の質問指示書でも出されていて、閣議決定されている文書でも、一義的には各公共交通機関の判断によるものであるというところでの見解が示されています。ですので、なかなか県としてこうするべしというところを申し上げる立場にはないというか、公共交通機関の判断が一義的にはあるところだと考えているのですけれども、できることはやりたいと考えておりますので、現状を説明して、しっかりと前向きに検討いただきたいということはきっちりと要請をしていきたいと思っています。
○市谷委員
事業者が判断することと言い出したら、この差別解消法の合理的配慮が義務づけられた意味がなくなってしまうと思うのです。この合理的配慮をきちんとすべきだし、きちんと支援しないということは差別解消法に反するのだということを強く言っていただきたいと思います。要望でお願いします。
◎西村委員長
では、要望で。
ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、委員のほうで陳情者からの願意の聞き取りあるいは現地調査の必要性について、御意見を伺いたいと思います。
御意見のある方は挙手をお願いします。
○市谷委員
ぜひとも提出者の願意の聞き取りをしたいと思います。この交通費支援がないということで、いかに移動の自由が保障されていないのかという実態を、私たちはきちんと認識をして、県からも議会からも交通機関に言っていく必要があると思いますので、願意の聞き取りをぜひしていただきたいと思います。
◎西村委員長
ほかの御意見はございますか。よろしいでしょうか。
そうしますと、今、市谷委員から、願意の聞き取りについて、実態の認識をということで御意見がございましたので、多数決で決定をしたいと思います。
聞き取りを行うことに賛成の方は挙手をお願いいたします。(賛成者挙手)
挙手が少数のようですので、本件につきましては、聞き取り及び現地調査は行わないことといたします。
次に、陳情5年福祉保健・生活環境第29号、危険ドラッグの対策に係る意見書の提出等について行います。
本件は、福祉保健部と生活環境部にまたがっておりますので、まずは福祉保健部所管部分について行います。
福祉保健部に係る陳情事項は、1、国に対し、薬物・危険ドラッグの製造・販売の防止について、抜本的対策を求める意見書を提出することであります。
それでは、担当課長に説明を求めます。
●米田医療・保険課長
4ページを御覧ください。現状と県の取組状況を御説明申し上げます。
まず、現状ですが、要望書の発端が、いわゆる大麻グミの関係ですので、今回の大麻グミについての国の対応状況等を説明します。
1番のところです。県外において、大麻類似の合成薬物HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)を含むグミによって、健康被害が相次いで発生しました。
2番目のところです。国は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、いわゆる薬機法に基づいて、東京や大阪の販売店に立入調査を実施しました。このうち、都内の一部店舗で大麻グミが見つかり、検査結果が出るまでの間、販売停止命令を出し、それから、このうち都内の販売店で見つかった製品から、HHCHが検出されたことから、厚生労働省では、この物質を指定薬物として指定するとともに、これに類似した構造をまとめて禁止するという包括指定を現在検討しています。
3番目です。薬機法においては、中枢神経の興奮等の作用を有する蓋然性が高く、かつ人の身体に使用された場合、保健衛生への危害が発生するおそれがあるものを指定薬物として定義して、物質名を特定して規制を行うという方法を取っています。
4番目です。指定薬物及びこれを含有するものは、薬機法において禁止行為を定め、違反した者は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金と定められています。
5番目です。指定薬物と同等以上に、指定薬物となる可能性が高いもの、疑いがあるものについては、その検査を行いなさいという命令を出すとともに、その結果が出るまでの間の販売等を禁止することができるとされています。この期間は、売ることは規制の対象となっていますが、いわゆる所持とか使用は規制の対象になっていません。
6番目です。今回の大麻グミの成分であるHHCHについては、国において、11月21日に専門部会が開催され、指定薬物に追加することが決定されました。11月22日に指定をされ、施行日は12月2日ということで、12月2日以降は、販売等はもちろんのこと、所持、使用も禁止されます。
続きまして、県の取組状況です。
1番です。鳥取県においては、平成26年に、鳥取県薬物の濫用の防止に関する条例を改正しまして、物質名を特定せず、危険薬物、危険ドラッグを広く取り締まることを可能としました。
2番目のところです。危険薬物とは、大麻、覚醒剤等と同等に、興奮等の作用を人の精神に及ぼし、人の健康に対する被害が生ずるおそれがあるもので、人が接種し、吸入するおそれがあるものと定義をしまして、これらの販売等に係る行為及び使用に係る行為全般を禁止しています。鳥取県の条例においては、物質を化学的に特定しなくても、人に害を及ぼすおそれがあるものに対して、売る側、提供する側、及び買う側、使う側も取締りの対象となっているところです。
3番目です。これらの禁止行為を行った者に対しては、行為の中止を命令することとしており、命令に従わない者に対しては、罰則が科されるとなっています。
4番目です。今回の大麻グミについては、この条例上の禁止薬物に該当するものとして、販売等はもちろんのこと、所持、使用も禁止をしています。
5番目です。県内の当該製品の流入及び県民の健康被害につながることがないよう、県ではホームページで注意喚起を行うとともに、インターネット販売業者等に対しても、本県での販売は禁止されていることについて、周知を行っています。
6番目、日頃から行っている違法薬物を含めた、薬物乱用防止の状況です。リーフレットを作成し、中学生に配付をしたり、警察官のOBである薬物対策専門員を配置して、注意喚起等を行っています。活動の状況は表のとおりですので、また、御覧いただければと思います。
5ページの後半部分は、参考の条文ということで、先ほど申し上げました、本県の薬物濫用防止条例の該当部分を掲載しておりますので、また、御参照いただければと思います。
◎西村委員長
ただいまの説明について、質疑等はありませんでしょうか。
○市谷委員
県の制度と国の制度の違いですが、国は結局、物質名を特定して、指定薬物ということで一々指定していかないと規制ができないのだけれども、県は、物質名を特定せず、その性質というか、危険だということであれば規制ができると。県のようにしないと、分かったら手を打つみたいなやり方では、この陳情者が言っているような抜本的な対策ということに、今回の例から言ってもならないのではないかと思うのです。その辺は県としての考えはどうですか。県の条例みたいなやり方で、物質名で特定せずに、その作用によってきちんと規制していくことが、早くに取締りができるのではないかと思いますけれども、どうですか。
●米田医療・保険課長
制度的な仕組みとしては、おっしゃるとおりで、国としては、化学式を特定して指定していくというようなやり方になるので、どうしても後追いみたいな状態にはなるのかなと思います。
なので、素早い対応ということであれば、うちの県のような取組、他県でもうちの後に同じような仕組みを入れた県もあるように聞いておりますので、こういったことはほかの県でも検討の余地はあるのではないかと思います。
○市谷委員
陳情者としては抜本的な対策を国に求めてほしいということが出されているのですけれども、県の条例でやっていることを国に対して求めていくことはありなのかなと思うのですが、どうでしょうかね。
●米田医療・保険課長
考えてみたいと思います。
○興治委員
鳥取県でかなり包括的に指定をして、それを禁止するというやり方、それを国がやる、全国を対象にして国がやるとしていることについて、鳥取県がこれまでやってきた経験からして、国にもそうすることができるのではないか、あるいは少し難しいのではないか、その辺りの鳥取県としての判断はどうでしょうか。
◎西村委員長
これは、部長よろしいですか。
●中西福祉保健部長兼ささえあい福祉局長
意見書の関係ですけれども、前回の知事の定例会見のときに、そもそも国も鳥取県と同じように包括的に規制することを取り入れるべきということを言っておりますので、方向性としてはそのとおりだと思います。意見書として出されるかどうかは、議会の御判断だと思っています。
あと、そもそも鳥取県がこの条例を26年度に改正したときに、やはり同じように全国的に規制しないと、鳥取県だけやっても駄目ではないかという話はたしか議会の附帯意見でもあったと思いまして、国にも求めておりますし、そういった意味合いであり得るかなと思っています。
○興治委員
分かりました。
◎西村委員長
ほかによろしいでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、委員のほうで、陳情者から願意の聞き取りあるいは現地調査の必要性についての御意見を伺いたいと思いますが、何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、報告事項に移ります。
質疑につきましては、説明終了後に行っていただきます。
報告1、県内の認知症の人の行方不明者事例及び「認知症高齢者等行方不明者に係るガイドライン」の改正について、小椋長寿社会課長の説明を求めます。
●小椋長寿社会課長
資料2ページを御覧ください。繰り返し報道等がありましたので、皆さん、御存じだろうと思いますが、8月に米子市にお住まいの若年性認知症の方が行方不明になりまして、現在も見つかっていない状況にございます。御本人は59歳の方で、前頭側頭型認知症という少し珍しいタイプの認知症であると伺っています。
県では、認知症高齢者等行方不明に係るガイドラインを平成28年度に策定しておりまして、市町村あるいは警察と連携しながら、行方不明の方の対応に当たることを定めています。
ですが、今回、若年層認知症の方であったということの中で、通常のルートで定めております通知が順調になされなかったということがございました。それから、御本人さんが、島根県のかなり近い県境辺りに住んでおられる方であったのですが、鳥取県と島根県というところの中で、現在のガイドラインでは、島根県にお知らせするのは3日後ということがございました。
こういったこともありまして、ガイドラインを改正しなければならないということで、10月20日に、ガイドラインの改正のために、認知症高齢者等SOS・サポートネットワーク推進連絡会議を開催しました。この会議体自体は、先ほどお話ししたメンバーの中で、従来から持っています。
そして、書いておりますメンバーの中で、合意事項のところにもありますが、県の危機対策・情報課、それから、障がい・子育ての担当の課もメンバーに入っていただいたということになっています。
合意事項のところを見ていただきますと、認知症高齢者等という書き方に従来なっていたのですが、その等の対象を明確化したということで、認知症の高齢者、65歳未満の若年性認知症の方ということで明記しました。それから、精神・知的障がいのある方、記憶喪失の方ということで、あと、警察からもお話がありまして、18歳に満たない児童も加えてということで、割合広く、トータルな行方不明者に対する対応ガイドラインという整理にさせていただきました。
隣接県に対して、速やかに連絡が行くということと、身元がよく分からないという方を保護したときに照会するだけではなくて、ある程度の捜索をしてほしいということをガイドラインの中に書きまして、他県にお願いするだけではなくて、その反省をして、鳥取県でも他県から同じような話が来たときには、県内である程度の捜索活動を行うことをガイドラインに書かせていただいたということです。
このほか、10月20日の会議の中では、防災無線とかを夜中に鳴らすのは、なかなか難しいよというような意見も市町村からありまして、そういったあたりに対しての方針等、幾つか宿題事項について、また次回、年度内にも開催し、検討していきたいと思っています。
◎西村委員長
報告2、第2回「中山間地域を支える医療人材確保に向けた研究会」の開催結果について、及び報告3、鳥取県と鳥取県災害リハビリテーション支援協会(鳥取JRAT)との協定締結について、福井医療政策課長の説明を求めます。
●福井医療政策課長
資料3ページをお願いします。
第2回「中山間地域を支える医療人材確保に向けた研究会」の開催結果についてです。第1回研究会を8月に行いましたが、そこの議論を踏まえまして、10月31日に次年度に向けた施策の方向性について意見交換を実施しましたので、その概要を報告します。
3のところの当日の主な議論のところです。
まず、医師の確保については、1つ目、地域の医療維持に向けた市町村の取組の推進というテーマで意見交換をしました。具体的には、矢印のところで書いております市町村連携による医師確保の取組であるとか、民間診療所の事業承継等を支援する市町村の取組、そういったところに対して、県として後押しをしてはどうかといったテーマで議論しました。
ここの米のところで、少し書かせていただいていますが、当日、県医師会から、県医師会において、医療機関の間の承継に向けたマッチングを推進するため、10月から医療承継相談窓口を設置したという御報告がなされたことを受けまして、県の町村会から、県医師会によるこういう窓口の設置は大変ありがたいという期待感が示されました。それを受けまして、また、県医師会から、人口減少地域での開業は不安だという医師側の意見もあることから、自治体がそれを支援することも一つの方策ではないかという御意見もあったところです。
2つ目、総合診療医の育成・確保対策の強化についてです。具体的には、矢印で書いております、関係市町と連携した鳥取大学医学部「地域医療学講座」の体制を拡充してはどうかということです。これについては、「地域医療学講座」から、一人でも多くの質の高い総合診療医を育成していきたいという意気込みが語られるとともに、下から3番目のところですが、一人でも多くの総合診療医の確保に向けて、講座もぜひ努力をしてもらいたいという、大学病院からの後押しの意見もあったところです。
3番目に、県派遣医師の義務明け後対策としまして、県ドクターバンクに義務明け後に専門的な研修を行うメニューを創設してはどうかということについて、意見交換をしました。
少し分かりにくいのですけれども、今、県派遣医師が、自治医科大学卒業医師とか鳥取大学の特別養成枠卒業医師ですけれども、9年間の義務があって、中山間地域の医療に貢献しているということです。ただ、その9年が終わりましたら、そういう病院を離れていってしまうということから、中山間地域の医療機関において、引き続き関わってもらうことができないかという御意見が出ていることを受けての対策です。9年間の義務が終わった後に、今度は専門的な研修で、専門性を高めたいという医師側の要望もございますので、例えば10年目のところに、そういう専門の研修をされたい医師がいるといった場合に、引き続き県の職員として、そこの部分についての人件費も県が負担をさせていただきながら、11年目以降のところで、中山間地域の医療へ貢献していただくことを要件化する仕組みをつくってはどうかということです。
こういったことに関しては、町立病院であるとか東部の町村会から、こういう仕組みの中で診療支援にコミットしてくれることを期待したいという声がありましたり、それから、中央病院からも、現在、町立病院から診療支援を求められても派遣できる医師がいない現状の中で、こうした仕組みによって派遣できる医師が増えることを大いに期待したいという御意見もいただいたところです。
病院間連携の仕組みづくりについては、東部公立病院間での医師融通等を図るための連携の枠組みを検討してはどうかということでお話をしました。県町村会から、病院間連携の仕組みづくりも非常に重要であると、関係者との調整をしっかり行っていただきたいという意見をいただいたところです。
看護師・薬剤師の確保についても、看護師の特定行為研修の受講促進に向けた県内研修環境の整備であるとか、病院薬剤師の確保といったことについて、取組の方向性を提示させていただいた上で、当日、意見交換を行ったところです。
4、今後の進め方です。上記の議論を踏まえまして、テーマごとに関係者と調整を行い、来年度当初予算に向けて具体的な施策を検討していきたいと考えています。
資料5ページです。鳥取県と鳥取県災害リハビリテーション支援協会(鳥取JRAT)との協定締結についてということで、11月16日に協会と県との間で協定の締結をしました。
まず、鳥取JRATの概要です。一番下、参考につけています。全国的に、こういうリハビリテーション支援協会は立ち上がっている中で、その一般社団法人日本災害リハビリテーション支援協会の支部組織として、今回、鳥取県の支援協会も立ち上がったということです。
代表者は、錦海リハビリテーション病院の角田院長です。加入団体としては、鳥取県リハビリテーション専門医会であるとか鳥取県理学療法士会、鳥取県作業療法士会等ということになっています。
1の協定の概要のところです。まず1つ、災害発生時に、県からの要請によりまして、鳥取JRATが災害時リハビリテーション支援チームを避難所等へ派遣し、避難所におけるリハビリテーショントリアージや生活不活発病の予防等を行うといったこと、それから、平時から災害時の対応に備えるため、鳥取JRATは県が実施する訓練に参加する。こういったことを協定の中身にしているところです。
あと、メンバー構成であるとかリハビリテーション支援の内容の具体については、資料に記載しているとおりです。
2で、協定により期待される効果です。こういう体制が整備されることによって、災害時の避難所、仮設住宅等における避難所生活の長期化に伴う孤立、生活不活発病の発症、これらに起因する災害関連死を予防し、自立生活の再建を促進するリハビリテーション支援活動の一層の強化が期待されると考えているところです。
◎西村委員長
次に、報告4、令和5年度第2回鳥取県国民健康保険運営協議会の結果について及び報告5、「大麻グミ」に対する本県の対応について、米田医療・保険課長の説明を求めます。
●米田医療・保険課長
資料は6ページをお願いします。
10月20日に、本年度の第2回鳥取県国民健康保険運営協議会を開催しましたので、その概要を御報告申し上げます。
4の概要です。1つは、来年度から始まる鳥取県の国民健康保険の運営方針の素案について、御意見を伺いました。
2つ目は、第2期となる国民健康保険の保健事業実施計画、県のデータヘルス計画の素案について御意見を伺いました。
協議事項のところに記載をしていますが、主な内容として、まず(1)の国民健康保険の運営方針については、表の部分で主な内容を記載しています。第1章としては、今回から法改正があった関係で、期間を6年間とするとともに、中間年において見直しを行うこととしました。
第2章においては、国民健康保険の加入者は、いわゆる団塊の世代が75歳以上となって、国保を抜けて後期高齢に移行するということもあって、減少傾向にあること、それと、1人当たりの医療費が増加傾向にあることなどを記載することとしています。
第3章で、保険料水準の統一に関する部分ですが、現在、市町村で協議中であり、その協議結果を踏まえて内容を記載することにしています。
第7章では、データヘルス計画を運営方針と一体的に定めることとするとともに、市町村と共通の評価指標を記載するという内容となっています。
それに対して、主な意見としては、本県では全ての市町村において、決算補塡目的の法定外繰入れがないということであったが、引き続きその状況が続くようということで、要望がございました。また、保険料水準の統一の時期について御質問がありましたが、現段階では、段階的に統一を進める方向で、市町村と協議中であることを回答しました。
(2)で、国民健康保険保健事業実施結果、データヘルス計画の素案について、御審議をいただきました。
主な内容としては7ページの表です。同じく期間が6年間となること、それから、第4章において、県と全ての市町村において共通の評価指標を記載していくということで、中に記載をしております8つの項目を、全ての市町村と共に記載をして、取組を進めていくと説明しました。
主な意見としては、高齢者の口腔の健康づくりは非常に重要であるので、機会を通じて情報提供していただきたいと御要望がありました。
続きまして、資料8ページ、「大麻グミ」に対する本県の対応についてです。
先ほど、陳情でも説明をしましたので、こちらでは簡単に説明したいと思いますが、1番のところ、県外で確認された健康被害は1番に記載をしているとおりです。
2番、本県の対応です。本県では、先ほども申し上げたとおり、薬物濫用防止条例によって、物質名を特定せず、危険薬物に該当するものを取り締まるということが可能となっています。今回の大麻グミについても、この危険薬物に該当するものとして、製造、販売、所持、使用等が禁止をされておりまして、立入検査、それから、警告、中止命令に従わない者に対する罰則規定の適用が可能となっています。
(2)の対応状況です。1つ目は、健康被害につながることがないよう、県のホームページにおいて、販売業者及び県民へ、規制対象であることを周知を行い、注意喚起を行っています。
2つ目は、インターネットの販売業者に対して申入れを行いました。11月24日にメールにおいて、HHCHを含むと思われる食品をインターネットで販売している業者に、鳥取県においては条例によって、そういったものを販売する行為あるいは所持する行為は禁止をされているということから、法律で規制されていない物質、危険薬物を含む食品等については、鳥取県では販売しないよう申入れを行いました。
3の国の対応状況です。先ほど陳情の際に説明申し上げたとおりですので、省略します。
◎西村委員長
報告6、新型インフルエンザ等対策訓練の実施等について、壱岐感染症対策課長の説明を求めます。
●壱岐感染症対策課長
10ページをお願いします。新型インフルエンザ等対策訓練の実施等についてです。11月9日に、新型インフルエンザ等患者発生時の初動対応を確認するために、海外発生期を想定しまして、国や感染症指定医療機関等と連携した対応訓練を行いました。
訓練については、1(1)、まず、本部の運営訓練についてです。
海外で新型インフルエンザ患者が発生し、政府の対策本部が設置された想定の下、本県としまして、新型インフルエンザ等対策本部を設置し、本部長である知事の下、県内発生に備えた関係部局の準備状況の報告、県民への呼びかけなど、初動対応の確認を行いました。そして、アドバイザーである鳥取大学医学部の景山先生より講評をいただきました。
(2)番です。疑い患者の搬送訓練ということで、この同じ日の午後2時から、県内で新型インフルエンザの感染が疑われる患者が発生し、倉吉保健所が確認したという想定の下で、同保健所が県立厚生病院、こちらは感染症指定医療機関になりますが、こちらへ患者を搬送しまして、感染症病床への入室や検体の採取・梱包等、一連の手順を確認しました。
(3)です。初動対応に係る国と都道府県との緊急連絡会議ということで、国の訓練への参加を行いました。海外での発生という想定の下、新藤大臣が政府対策本部の設置と総理大臣の指示事項を都道府県知事に伝達、各都道府県知事は、相談体制や医療検査体制、個人防護具等の備蓄など、現在の準備状況の報告を行いました。こうした訓練等を平時から行うことに備えて、着実に備えていくことが重要と認識しました。
2番目、現在の県内の感染症の発生動向です。インフルエンザが例年よりも早い流行となっておりまして、10月1日から県内全域にインフルエンザ警報を発令しています。県民の皆様に対して、基本的な感染予防策等の呼びかけを行っています。
こちらのグラフは、1週間前ということが最新になっていますが、昨日、最新の状況を確認しましたところ、インフルエンザについては、定点当たりの患者数が38まで上昇しておりまして、引き続き、感染対策が必要であり、警戒をしているところです。
新型コロナについては、10月中旬以降、患者数は低い水準で推移しています。
その他、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎について、県内全域に警報を発令中です。
◎西村委員長
執行部の説明は以上です。
質疑ですが、たくさんございますでしょうか。何件ぐらいありますか。(発言する者あり)
では、市谷委員。
○市谷委員
2ページのこの行方不明者のガイドラインの名称ですけれども、対象が広がるので、要配慮者とか要支援者の行方不明者とか、名称を変えたほうがいいのではないかなと、そのほうが分かりやすいかなと思いますが、どうでしょうか。それから、3ページの中山間地域の医療人材の確保です。今まで県の医師派遣は、公的な医療機関にしか派遣してもらえなかったのですが、何かマッチングをする機能を持たせたり、それから、ドクターバンクに派遣の義務明けの先生を登録することによって、そういう先生たちが公的医療機関ではないけれども、中山間地域で医師がいないというところに派遣してもらえるという仕組みになるのかどうか教えてほしいです。
5ページの災害リハビリテーションです。これは保健師の人たちと協力して体全体を見ないと、リハビリだけを切り取ってはできないと思うのですけれども、その辺がどうなっているのか。
あと、6ページの国民健康保険です。保険料の統一について、今、どんな議論の状況になっているのか。また、期限を切ってごり押しをするということをしてはならないと思っているのですけれども、その辺がどうかということ。それから、データヘルス計画の目標を設定するのですけれども、医療費適正化ということの項目の中にあるものですから、例えば目標を達成しなかったらペナルティーがあるとか、そういうことにしてはいけないと思うのです。目標達成とペナルティーとの関係がどうなっているのか教えてください。
最後、10ページです。国内での新型インフルの訓練と、それから、海外での新型インフルの訓練を両方されているのですが、課題が何か浮かび上がって、対策を取ることがあるのかないのか、それを確認させてください。
●小椋長寿社会課長
認知症高齢者等SOS・サポートネットワークの認知症高齢者のところの名称を変えたほうがいいのではないかということです。
私たちは、引き続きメインは認知症高齢者ではないかと思っていますが、このSOSネットワーク会議の中で、こういった提案がありましたということを尋ねてみたいと思います。
●福井医療政策課長
自治医科大学卒業医師とか特別要請枠卒業医師は、基本的に中山間地域の公立病院の医師の不足を補う仕組みでして、今回の検討会もやはり実際にそういうところが大変困っているという現状があることから、そこに対する手当て策をまず考えているということです。当面は公立の病院とか診療所に対して、医師を派遣していく仕組みを考えていくのが、まずベースかなと考えています。
そういったことで、仮に充足されてくるということがあったときに、次の段階として、県の派遣医師をどのようなところに派遣をするかというのは、続いての議論かなと思っています。
県の職員を派遣することになると、派遣条例とかにも関わってくるところもございますので、そういった整理も必要かなと考えているところです。
リハビリテーションで保健師との連携等も必要ではないかということでございました。メンバー構成のところですけれども、看護師も一緒に入っていただくことで想定をしています。
●米田医療・保険課長
まず、国民健康保険の保険料の水準の統一の関係です。議論の状況ですが、19市町村の合意をいただくところを目標にやっていますが、それぞれお考えがあるので、そこの調整を行っているところです。
あと、期限があるのかということですが、市町村とは令和3年度に、令和5年度、今年度までにロードマップを作りましょうという合意をしているところなので、それに向けて、今、議論をしているところです。
データヘルスプランで、目標を定めることとペナルティーがあるのかという御質問でございました。この評価指標とか目標を設ける目的は、健康づくりで、健康な体をつくっていただいて、医療にかからないようにしていただくことが目標ですので、ペナルティーはございません。
◎西村委員長
新型インフルの訓練で。
●壱岐感染症対策課長
本部運営訓練ですけれども、景山先生からは、情報収集と、それから、それに基づいた対策が大きなポイントになるだろうと御指摘いただきました。情報収集とかに関しましては、例えば新しい感染症が出てきたときの検査法をまず確立する必要がありますが、そういった国の感染研とかから出てくる検査法が、いつ、どれぐらいの期間で出てるかなどについても、十分、情報収集をしながら対策を考えていくということで、対策については、感染症対策は基本的に共通するものになりますので、コロナの経験をしっかりと生かして対策を取ってくださいとおっしゃっておられました。
また、搬送訓練ですが、このたび、保健所の担当も替わっていたりということもありまして、全保健所が参加しまして、手順を確認することができ、大変よい機会になりました。
引き続き、こういった訓練を積み重ねていきたいと思います。
○市谷委員
国保です。今年度中にロードマップを作る中で、合意してロードマップを作ったとしても、結局、そのことが保険料統一の市町村への押しつけになってはいけないと思うのです。その辺がどうなのか、もう1回確認したいです。それから、中山間地域の医療人材確保の件です。公的機関の医師を確保するのはもちろん必要なのですけれども、結構、田舎の開業医さんがやめてしまって、もう困るとか、何かそういうことに対応しないと、実際のところは中山間地のニーズに応えられないので、そちらは後ですということではいけないと思うのです。だから、並行して対応できる制度をつくるかなと思うのですけれども、そこも確認させてください。
●福井医療政策課長
今、中山間地域の診療所も、おっしゃるとおり、医師が高齢となり、その後を継ぐ方もおられないということで閉院するといったことが中山間地域を中心に今起こっていると。そういったところに関しては、先ほど申し上げたような県の派遣は病院を想定しているのですけれども、やはり地域に身近な医療ということで市町村の役割も期待したいと思っているところです。資料にあるとおり、地域の医療維持に向けた市町村の取組の推進としておりますけれども、当日もその辺りの議論はしておりまして、もしそういう意欲のある市町村があったら、県としても後押し策を検討したいと考えているところです。
◎西村委員長
もう1点。
●米田医療・保険課長
ロードマップが押しつけにならないようにという御意見ですが、ロードマップについての意見は全ての市町村から丁寧に今のところ意見を頂戴しておりまして、それをうちが反映をできるだけしていきたいというやり方で進めていきたいと考えています。
○興治委員
2ページです。新たに精神、知的障がいのある方、記憶喪失の方、児童を追加するということですけれども、これによって過去の事例から対象者がどれくらい増えることになるのでしょうか。
それと隣接県への連絡です。これは例えば鳥取県から島根県庁に連絡をして、島根県庁から各市町村に行くのでしょうか。それとも鳥取県が島根県内の各市町村に直接連絡をするという仕組みになっているのでしょうか。
それと市町村で、行政無線での広報がありますけれども、あれは仕組みとして必ずやるということになっているのでしょうか。今後、児童等を加えた場合に、そういった放送をしてほしくないとかいうことも、これまでもあったかもしれませんけれども、あるように思うのですが、そういった当事者の声というのは反映できる仕組みになっているのでしょうか。
2点目です。さっき市谷委員も言われましたけれども、3ページの医師の確保ということの中の市町村の取組の後押しということで、このポツの2点目です。県の医師会からの意見で自治体による支援も方策の一つということが出ています。北栄町はたしか1医療機関1,500万円の開業支援を用意していると思うのですけれども、それでもなかなか見つからないという状況だと思うのです。この医師会の方の意見は、自治体によってどのような支援が効果的だという意見がもし出ていれば、その中身を教えてください。
●小椋長寿社会課長
まず対象者がどの程度増えるかです。まず認知症の行方不明になる方が年間60名ぐらいではないかと私は思っているのですが、おおむねは滞りなく見つかると。対象者の拡大でどの程度、その数が増えるのかというのは私のほうでは把握しておりません。申し訳ございません、推測も立たないと思っています。
県外市町村への連絡は直接になるのかといったところですが、隣接市町村に対しては、従来のガイドラインでもう既に24時間後にお伝えするという流れになっておりました。ただ、隣接県については72時間でしたので、そこを24時間にしたということです。
行政無線と市町村のそれぞれの地域でどのように周知を図ったり、捜索体制をするかというのは、各市町村で考えられるというのが基本的なところですので、行政無線を使ったり、使わなかったりということはあると思うのですけれども、おおむね使われるのではないかと……(発言する者あり)はい、思っています。その際に御本人の了解ですが、行方不明届、警察に捜索願を出される段階でどのような形で御本人の情報をお伝えしていいかを合意されまして、その合意された範囲内で広報というか、捜索活動をしていきますので、名前とか言ってほしくないということであれば、そういった形で全てのフローが流れていくことになっています。
○興治委員
分かりました。
そうしたら、対象者がどれぐらい増えるかというのは、過去の警察が持っているデータから分かると思うので、県としても把握をしておいてください。
◎西村委員長
医療人材をお願いします。
●福井医療政策課長
先ほど委員が北栄町の例を言われました。北栄町は、新設の場合2,000万円とか承継の場合1,000万円支援をしましょうということですけれども、いずれも施設とか設備の整備に対する支援になっています。最新の情報として私が承知しているのは、お一人が決まったという話は少し伺っているものでして、そういう意味ではそういう施設とか設備整備支援も一定の効果があるのではないかと思っています。
お尋ねの支援ということの中身を何か聞いているかということに関しては、具体的に医師会からこういう支援もということを私は直接伺っていることはございませんが、ここで当日、渡辺県医師会長が言われた発言も基本的には北栄町であるとか、そういう先行されている市町村の取組をイメージされていたことかなと思っています。あと、この医師会自体がこういうマッチングの窓口を整備されたということは、やはりなかなか情報が自分では取りにくいとか、どうしたらいいか分からないということの中で、県医師会としてこういう取組をされたことは一つ医師側の要望を酌み取った、そういう取組ではないかなと思っています。
○福田委員
私も3ページの中山間地域の医療人材のことについて伺います。このメンバーを見ていて思いましたのは、今困っている町の町長も入っておられますけれども、そのコメントを見ると、医師会による医業承継相談窓口の設置は大変ありがたい、1件でもまとまればと期待しているみたいな。何かこれは、県とか医師会に依存していて、第一次医療圏である首長がもっと主体的に関わらないといけない話で、県はバックアップする側であって、私はもっともっと第一次医療圏の首長さんが本当に、これは血眼になって探してくるぐらいなことがないと。今、町民みんな本当に不安がっていますよ。もうこれは本当にスーパー以上に大変な状況で、何というか、せっかくいい会をつくっていただいているわけですから、もっと市、町に主体的に、さっきの北栄の話ではないですけれども、北栄は独自にもうどこよりも先に制度をつくって、小児科をとにかく探さなければいけないということでやられているわけですから、私はやはりもっともっと首長さんに本気になってほしいなと思っていまして、その辺りをお願いしたいと思います。
◎西村委員長
要望ということでよろしいでしょうか。(発言する者あり)
○前田委員
2ページの認知症の関係です。捜索するときに県をまたいで警察が連携していかないといけないのですけれども、例えば警察犬が出動する場合、例えば鳥取県から島根県への警察犬の移動というのはできるかどうかお伺いしたいです。いかがでしょうか。
◎西村委員長
警察犬のことはよろしいですか、分かりますか。(「分かりません」と呼ぶ者あり)はい。
そうしますと、また別途、県警本部に質問をお願いします。
○前田委員
はい。
◎西村委員長
ほかにございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、最後、その他でございますが、福祉保健部に関してのお問合せはございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
なし、意見が尽きたようですので、福祉保健部につきましては以上で終わります。
休憩を取りまして、1時10分でお願いします。
午後0時20分 休憩
午後1時10分 再開
◎西村委員長
再開します。
引き続き、病院局に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いします。
質疑につきましては、説明終了後に一括して行っていただきます。
まず、広瀬病院事業管理者に総括説明を求めます。
●広瀬病院事業管理者
病院局の議案説明資料を御覧ください。2ページをお願いします。病院局からは、議案2件、補正予算と条例改正について、それぞれ1件ずつ提案をしているところです。
3ページを御覧ください。まず、補正予算です。中央病院におきまして当初の予算より医業収益が増加すること、一方で高度医療の提供に伴いまして、費用も増加する見込みであることに伴う補正です。また、中央病院、厚生病院の両病院におきまして機器保守点検等の複数年契約を行うために、債務負担行為を設定しようとするものです。
条例改正については、病院事業の設置等に関する条例の一部改正ですが、認知症の早期発見、早期治療のために新たに認知症ドックを開始すること、加えて、不妊治療の新たな先進医療を開始しようとするために、条例改正を行おうとするものです。
詳細は局長から御説明申し上げますので、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
◎西村委員長
続いて、竹内病院局長兼総務課長に説明を求めます。
●竹内病院局長兼総務課長
引き続き、資料の3ページをお願いします。冒頭、管理者からもございましたけれども、医業収益としまして中央病院における診療単価の増に伴うことということで、病院については、診療報酬であります入院基本料あるいは手術料あるいは注射料等の増に伴う収益が増えているということです。一方、それに対します費用ですけれども、こちらは手術等が増えてまいりますと、手術の材料とかが増えてまいりますし、注射料が増えるということは、その収入に対する医薬品の費用が増えるということですので、そういった費用を計上させていただこうというものです。金額については、収入が12億7,000万円余、支出については5億3,000万円余ということです。
続いて、資料の4ページです。こちらはそれぞれ収入、支出の、いわゆる款項目の詳細になりますので、説明は割愛します。
また、資料の5ページは、補正予算を反映したキャッシュ・フロー計算書になりますので、こちらも説明は割愛します。
続いて、資料の6ページをお願いします。こちらは債務負担行為になります。中央病院、厚生病院を合わせて19件の債務負担行為をお願いするものです。たくさんありますけれども、表の中ほど中央病院のCT、MRI、その下3つの合計4つ、それから厚生病院におきまして、表の一番下から4つ、これらは全て新規になります。それ以外については、現年の債務負担行為といいますか、契約が今年度で終了しますので、新たな債務負担行為をお願いしようというものです。
中央病院のCT、MRI用画像処理診断システムの保守業務委託ですけれども、こちらは新たに機器を購入しましたので、それに伴う保守の債務負担を新規でお願いしようというもの。それから厚生病院の下4つについても、新たな機器等の整備に伴う新たな保守をしようというものに伴います債務負担行為のお願いです。
中央病院の中ほど、夜間補助派遣業務委託については、今年度の6月の補正予算でお認めいただいた予算を、来年度も引き続き継続するための債務負担行為です。
また、その下2つ、調理補助業務委託、それから手術センター補助業務委託については、これから取り組もうという業務ですけれども、来年度も引き続き業務を継続したいということで、新たな債務負担行為をお願いしようというものです。
続いて、資料7ページ、8ページについては、補正予算を反映した予定貸借対照表になりますので、説明は割愛します。
資料の9ページお願いします。鳥取県営病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例です。改正理由ですけれども、鳥取県立中央病院において、認知症に関する検査及び高度生殖補助医療の先進医療を行うための所要の改正を行うものです。
具体的な内容は2に記載しています。まず認知症の関係です。来年4月1日から認知症ドックを新たに運用することを考えておりまして、それに伴う費用を新たに整備するものです。それから、その下、認知症追加検査です。こちらは、今年度から試験的に人間ドックに合わせてMRIを行う場合あるいは脳ドックを受けていただく場合に、オプションとして現在も運用しているところですけれども、来年度からは本格的な実施ということで、こちらも新たな費用を設定させていただくものです。
その下、生殖補助医療に係る使用料です。検査を3つ予定しており、詳細については表、四角囲いの下のほうに掲げております。子宮内膜受容能検査、こちらがいわゆる受精卵の胚が着床に適した時期あるいは時間を調べるという検査です。その下、子宮内細菌叢検査、こちらは子宮内における細菌の環境あるいは子宮内膜への原因菌を調べる検査ということになります。この2つを一緒に同時にやる検査がエンドメトリオ検査です。それぞれについて、使用料の検査を新たに設けようというものです。
(2)施行期日について記載しています。認知症関係については、来年度からの施行を考えておりますので4月1日から、それから生殖補助医療の検査については、既にできる体制は整っておりますので、公布日からの施行を考えています。
10ページ、11ページについては、条例の新旧対照表になりますので、改めて御確認いただければと思います。
説明は簡単ですが、以上で終わらせていただきます。
◎西村委員長
執行部の説明は以上です。
ただいままでの説明について、質疑等はありませんか。
○市谷委員
6ページの債務負担の契約の関係です。中央病院の夜間看護補助者派遣業務委託とか、それから中央病院の調理補助業務委託とか中央病院手術センター補助業務委託は、その職員さんを直雇いしないのかなと。なぜ業務委託になったのか説明いただけないでしょうか。
●竹内病院局長兼総務課長
中央病院で直接雇いができないのかという御質問かと思いますけれども、既に看護補助業務をしていただく方、それから調理をやっていただく方の募集を、会計年度任用職員として募集はしているところですけれども、なかなか応募がなくて、看護助手の方についても不足感があるということで、今なかなか悩んでいるところです。ただ一方で、医師の働き方改革ということも最近言われていますが、職員の負担軽減のために、改めて業務を外に出すことによって早期に職員の負担軽減を図ろうということです。直接雇いはいいのですけれども、なかなか実際、県立中央病院で募集をかけると人が集まらないという問題があります。業務を委託することによって、手を挙げてくれそうな業者の方もいらっしゃいますので、そちらにお願いしようかなということです。
○興治委員
真ん中辺で期間が6年度だけというのが2つあって、中央病院の調理補助業務と手術センターの補助業務ですけれども、これだけは何で単年度になっているのでしょうか。
●竹内病院局長兼総務課長
今この業務については、今年度取り組もうということで段取りをいろいろ進めているところです。それがいいのかどうか、運用そのものが適正なものかどうかという判断をするために、取りあえず1年間だけの来年度の契約で対応して、もし永続的にできるよう、複数年の契約が望ましいということであれば、そちらで考えさせていただこうということで、6年度の短い債務負担行為をお願いしているものです。
○興治委員
分かりました。
○市谷委員
さっき回答をもらいそびれたのかなと思ったのですけれども、調理用の補助とか手術センターの補助についても、病院で募集するけれども、人が集まらないということでこれも委託なのでしょうか。
●竹内病院局長兼総務課長
はい、そういうことになります。募集してもなかなか手を挙げてくださる方が少ないというのが実感として持っています。
◎西村委員長
ほかにございますでしょうか。
○島谷委員
条例改正のイの生殖補助医療です。上の2つは初回、2回、3回、初回、2回とあるのだけれども、エンドメトリオ検査は1回につきとなっている。これは1回で済むということなのだろうか。
●竹内病院局長兼総務課長
すみません、少し説明が不足していたかもしれません。上の2つを一緒にするのがエンドメトリオ検査ということになります。通常、最初にこの検査をする場合には、エンドメトリオ検査をまず1回やって、全体の状況を調べます。必要な治療をして、まだ追加の検査が必要という場合に、それぞれ受容能検査をしたり、それから細菌の叢検査をしたりという段階を送っていきますので、エンドメトリオとしては1回で済むと考えています。(「順番でこうやって見たら、一番最初にやるということだという」と呼ぶ者あり)はい。
○広谷委員
認知症のドックの関係です。認知症のドックが1件について3万4,100円ということで、その下、括弧書きで人間ドックに併せてMRI検査を受けたり、脳ドックを受けた場合に1,870円の追加で認知症の検査ができるということですよね。それで、正確ではないかもしれないけれども、私の認識では人間ドックの費用は大体4万円ぐらいだと思うのです。それでオプションで脳ドックも受けたら、2万円ぐらいでMRIの検査をしてくれるのではないかと思うのだけれども、だから、人間ドックでプラスMRIの脳の検査を受けたら、その追加で1,870円を払えば、併せて認知症の検査もしていただけるということなのですか。
●竹内病院局長兼総務課長
認知症ドックの追加検査というのは、いわゆる人間ドック、それから脳ドックを併せて行う場合に、脳ドックに追加でプラスするものですので、今、委員がおっしゃられたように1,870円を追加で払えば認知症ドックも受けられることになります。
●広瀬病院事業管理者
竹内局長が答えたとおりなのですが、今、委員がおっしゃられたのは人間ドックに脳ドックをプラスというか、MRIをプラスして、さらにということでお尋ねになったと思いますが。(「はい」と呼ぶ者あり)例えば10ページを見ていただくと、脳ドックを単独で受ける場合は3万8,500円なのですね。10ページを見ていただくと実は脳ドックの上にもう一つ人間ドックというのがあるのですが、脳ドックを受けるときには3万8,500円で、それプラス1,870円で認知症ドックに相当するものが受けられますと。その上に人間ドックが4万円だったとすると、4万円に別にまたMRI検査は2万幾らというのがありますので、4万円に2万幾らを足して、さらに1,870円を足したものが恐らく今、委員がおっしゃられたお答えになるのかなと思います。
○広谷委員
脳ドックというのは脳のMRI検査だけではないのですか。
●広瀬病院事業管理者
ええ、MRIも取りますし、ほかにも血液検査とか併せてやるのです。(「ああ、そういうことか」と呼ぶ者あり)それによって脳の、言わば脳に関する疾患のほうの検査をするのが脳ドックでして、こちらは萎縮度とかなんとかというのを別にやるものですから、共通はMRI検査なのですけれども、その先が分かれるので、若干こういう体系が異なってくるということです。
○広谷委員
分かりました。
◎西村委員長
ほかにございませんでしょうか。
○河上委員
引き続いて認知症ドックの件でお伺いしたいと思います。取組としては非常に必要だなと思っているのですけれども、ほかの医療機関でもう既に認知症ドックをやられているところがあったり、その辺の情報をもし御存じだったら教えていただければなと思います。
●竹内病院局長兼総務課長
鳥取県内の状況で申し上げますと、認知症ドックということで実施している例はありません。ホームページを確認すると、ほかの県にある民間病院では取り組まれているところはたくさんあるかと思います。
○河上委員
そういう意味でいいますと、県立中央病院ですので、東部だけということになると思います。当然県でいいますと中部もありますし、西部でもそのような認知症ドックが受けられる仕組みというか、展開していただけると大変ありがたいと思います。
◎西村委員長
要望ということでお願いします。
よろしいでしょうか。
●広瀬病院事業管理者
中部には厚生病院、興治委員がいらっしゃいますけれども、西部は私どもが病院を持っているわけではないので、そういう要望をいただいたことは県の医療政策ということでもあるので、福祉保健部には私からも訴えたいと思います。
◎西村委員長
それでは、よろしいですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
その他ですが、病院局に対して御意見はございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
意見が尽きたようですので、病院局につきましては以上で終わります。
執行部入替えをします。入替え次第、開始します。
午後1時27分 休憩
午後1時29分 再開
◎西村委員長
再開いたします。
引き続き、子ども家庭部に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクを近づけてお願いします。
質疑につきましては、説明終了後に一括して行います。
まず、中西子ども家庭部長に総括説明をお願いします。
●中西子ども家庭部長
議案説明資料予算に関する説明書の先議分について、3ページをお願いします。物価高騰が長期化していることを受けまして、私立中学校、高等学校、各種学校等に対して補助等を行うことについて、補正をお願いするものです。
続きまして、先議分以外の説明書、3ページをお願いします。私立の認定こども園や幼稚園、保育所、児童養護施設や障がい児施設の処遇改善に係るもの、また、保育施設等の性被害・不適切保育防止のためのカメラの設置等について、4億6,000万円余の補正をお願いするものです。
2ページをお願いします。予算関係以外については、議案としまして、鳥取環境大学定款の一部変更について、また、報告事項で専決処分の報告を1件お願いしています。
詳細については、各課長が行います。どうぞよろしくお願いします。
◎西村委員長
続いて、関係課長から順次説明を求めます。
まず、先議分について、藤田総合教育推進課長の説明を求めます。
●藤田総合教育推進課長
先議分の4ページをお願いします。私立学校等物価高騰対策支援事業として1,500万円をお願いしています。物価高騰が長期化し、厳しい運営環境にある私立学校について臨時的な支援を行うもので、支援対象者は、私立中学校及び私立高等学校へ学校規模、生徒数に応じて物価高騰により増大した光熱費相当を、学校寮を設置している私立高等学校へ1校当たり50万円を、各種学校へ1校当たり10万円、このうち自動車学校にはガソリン等も高騰する中、高性能タイヤへの交換など、経費もかさんでおりますので、1校当たり10万円を加算します。フリースクールへは1校当たり10万円の支援をお願いしています。
◎西村委員長
次に、先議分以外について、遠藤子育て王国課長の説明を求めます。
●遠藤子育て王国課長
資料の4ページをお願いします。子どものための教育・保育給付費県負担金(処遇改善)について説明します。
国経済対策において、令和5年度人事院勧告に伴う国家公務員の給与改定の内容に準じて、令和5年4月まで遡って、保育士、幼稚園教諭の処遇改善が行われることとなったため、処遇改善に必要な経費の一部を負担するものです。対象としましては私立の認定こども園、幼稚園、保育所、公立、私立の地域型保育事業所、施設数は142、約2,400人分を計上しています。
続きまして、5ページをお願いします。幼稚園・保育施設における性被害・不適切保育等防止対策事業について1,200万円をお願いしています。これは、教育・保育施設における子どもの性被害や不適切保育を防止するため、保護者等から確認の依頼があった場合に、不適切な対応がなかったかを検証するための活用を想定して、施設内にカメラを設置したり、子どもが着替える場所の仕切りの導入に必要な経費を補助するもので、補助基準額は1施設当たり10万円を予定しています。備考欄にありますとおり、子育て王国課、家庭支援課、子ども発達支援課がそれぞれ所管する幼稚園や児童養護施設、障がい児施設等の経費を計上しています。
なお、カメラの設置に当たりましては、設置、運用に関する取扱いについて留意事項を定めて示したいと思っておりまして、準備をしています。
続きまして、ページを飛びまして、14ページ、繰越明許費のページをお願いします。一番上はこどもの国管理運営費です。これは、こどもの国のプールの全面改修について入札不調により来年度繰り越して、毎年7月頃オープンですので、それまでの6月までに工事を終了したいと思っています。
2段目は、先ほど説明しました性被害・不適切保育の防止対策事業費について、年度内終了が困難であるため、併せて繰越しをお願いしています。
続きまして、15ページ、債務負担のページです。上2段について子育て王国課の担当になります。来年度の研修について、準備のために債務負担をお願いしています。
◎西村委員長
次に、戸井家庭支援課長の説明を求めます。
●戸井家庭支援課長
資料6ページをお願いします。児童養護施設等入所者支援事業で3,575万2,000円の補正をお願いするものです。児童養護施設等を退所した方への家賃ですとか生活費の無利子貸付けを行うに当たりまして、貸付原資を積み上げるための増額補正です。実際の貸付けは県社会福祉協議会がされておられます。貸付原資の負担割合は国が10分の9、県10分の1でして、国分については平成27年度に1回目の受入れを行っていますが、令和7年度中に原資が残高不足になるということで、2回目の受入れを行うものです。
なお、国からの交付決定が年度末になり、県補助金の交付が令和6年度にずれ込む可能性があることから、補正額の全額繰越しも併せてお願いしているところです。
資料7ページをお願いします。児童措置費で1,400万円の補正をお願いします。児童養護施設等に従事する職員の人件費や施設管理費などを国の単価に基づいて、措置費として負担しています。今般、国の経済対策におきまして職員の処遇改善が行われることとなり、人事院勧告による国家公務員の給与改定に準じて措置費の国単価が引き上げられることから、増額補正を行うものです。処遇改善額は、人事院勧告で示されているのが年収ベースでプラス3%とされているところです。
資料の14ページをお願いします。繰越明許費に関する調査です。上から3番目が当課の事業でして、先ほど御説明しました施設対象者の自立支援資金貸付けに関するものです。3,575万2,000円全額の繰越しを行うものです。
資料15ページをお願いします。債務負担行為、追加分です。一番下の福祉相談センター管理運営費です。庁舎等の清掃業務委託、構内の植栽管理業務委託の複数年契約を締結するための債務負担行為で、令和6年度から令和8年度まで2,626万5,000円の債務負担行為をお願いするものです。
資料16ページをお願いします。同じく債務負担行為の変更分です。一番上の一時保護所費です。倉吉児童相談所の給食調理業務委託の複数年契約を締結するための債務負担行為です。令和6年度から令和8年度まで2,997万3,000円をお願いしています。
資料20ページをお願いします。報告第2号、議会の委任による専決処分の報告についてです。令和5年11月16日に鳥取県医療受給者証の返還等に係る過料に関する条例の一部を改正する条例を専決しましたので、報告するものです。児童福祉法及び難病の患者に対する医療等に関する法律の一部改正に伴い、条例の趣旨に定めた第1条の規定中、引用する法律の条項を改めるものです。詳細については、隣の21ページに前後表がありますので、御参照ください。施行期日は令和6年4月1日としています。
◎西村委員長
次に、松本子ども発達支援課長の説明を求めます。
●松本子ども発達支援課長
8ページを御覧ください。新規事業としまして、障がい福祉職員処遇改善支援事業(障がい児福祉施設)としまして1,100万円を要求するものです。国におきまして、物価高騰等の賃上げに対応した障がい児福祉職員の処遇改善策を実施する方針が打ち出されたことに伴いまして、従業者の処遇改善に取り組む県内の障がい児福祉事業者を支援するものです。補助額は、職員1名当たり月額6,000円相当を予定しています。対象期間は令和6年2月から5月までの4か月間です。6月以降については、障害福祉サービス等報酬改定により対応される見通しです。障がい児福祉現場で働く職員の処遇改善を進め、人材の確保を図ることとしています。
続きまして、9ページ、こちらも新規事業ですけれども、障がい児施設整備事業です。1億3,167万5,000円を補正で要求しています。障がい児施設整備の促進を図るため、国補正予算を活用しまして、施設整備事業を行う事業者に対して助成を行います。このたびは多機能型(放課後等デイサービス、児童発達支援、保育所等訪問支援)を行う事業所の創設1件への支援を予定しています。この事業によりまして、障がい児福祉施設政策を推進できればと考えています。
続きまして、10ページ、障がい児入所給付費等です。2億2,135万4,000円の補正を要求しています。こちらは、児童福祉法に基づきまして、障がい児入所施設等を利用する場合に係る経費の一部を障がい児入所施設等に対して支給していますが、利用者が当初予算時の想定を上回ったことによる増額補正です。詳細については、表に記載しているとおりです。
続きまして、14ページをお願いします。繰越明許費に関する調査です。当課は下から2つ、先ほど御説明しました障がい福祉職員処遇改善支援事業費と障がい児施設整備事業費、こちらは年度内の完了が困難であるため、繰越しを行うものです。
続きまして、16ページをお願いします。債務負担行為の変更分です。こちらも、子ども発達支援課は下から2つございます。総合療育センター費、もう一つ、鳥取療育園費です。こちらについては、総合療育センター費が令和6年度から令和11年度まで、施設警備等の委託等を締結するために5,159万7,000円を新たに設定するものです。鳥取療育園費については、令和6年度から令和8年度まで園内清掃業務委託等を締結するために2,181万9,000円を追加で要求するものです。
◎西村委員長
次に、藤田総合教育推進課長の説明を求めます。
●藤田総合教育推進課長
同じ資料の17ページをお願いします。公立鳥取環境大学定款等の一部を変更することについて、議会の議決を求めるものです。
概要ですが、1つ目は、地方独立行政法人法の一部改正によりまして、公立大学法人の作成する事業年度ごとの計画が廃止されたことに伴い、年度計画に関する事項を削除するもの。また、2つ目は、設立団体である県及び鳥取市が共同で事務を管理、執行する運営協議会の規約についても、協議会が担任する事務のうち、年度計画に関する事務を削除するものです。
詳細は、次のページの表のとおりです。
施行期日は、令和6年4月1日です。
◎西村委員長
執行部の説明は以上です。
ただいまでの説明について、まずは先議分に関しまして質疑等はありませんでしょうか。
○興治委員
すみません、聞き逃したのかもしれないのですけれども、4ページの私立学校に対する物価高騰支援です。2の主な事業の中の(1)の原油高騰対策補助金が定額支援となっているのですけれども、これはどういった単位で幾ら支給されることになるのでしょうか。
●藤田総合教育推進課長
原油高騰、物価高騰によりまして上昇している費用を、実績を基にまず算定をしています。それをベースにしまして、大規模、中規模、小規模の学校規模、それから生徒数によりまして案分して配分をするという形を取っています。
○興治委員
定額支援というのはどういう意味ですか。そういう大中小規模で、生徒数当たり幾らですか。
●藤田総合教育推進課長
はい、さようです。かかった経費に対する2分の1とか10分の1とか、そういった補助率ではなく、上昇した経費を算定しまして、それを学校の規模や生徒数の割合でもって配分をするという形で定額と表記しています。
○興治委員
うん、ごめんなさい。だから、その単価を聞きたいのです。1人当たりの単価とか、それは特にないのですか。
●藤田総合教育推進課長
そうですね、それぞれ学校の規模ごとに単価があるということではなくて学校全体で、中学校が3つ、高校が8つございますけれども、その全体でかかった経費の伸び率から逆算して再配分をしておりますので、単価が明確にお示しできるわけではございません。
○興治委員
すみません、意味がよく分からない。定額と書いてるあるのだから、これは定まった額があると思うのですよね。また後で教えてください。
●藤田総合教育推進課長
承知しました。
◎西村委員長
では、後ほど資料請求でよろしいでしょうか。
○興治委員
はい。
◎西村委員長
先議分についてはよろしいでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)
では、先議分以外に関しまして。
○市谷委員
環境大学の定款の一部変更です。事業年度ごとの計画をこのたび廃止をするということですけれども、廃止をする理由を教えていただきたい。また、毎年毎年こういう計画でこうでしたということを示すことによって、県民に対して環境大学はどうなっているかということが見える化されると思うのですけれども、もうつくらないことになった場合に全くつくらないのか、毎年毎年、代わりのものを何か示したりするのか、そこを教えていただきたいです。それから、この評価というのが運営費交付金に影響するので、例えば計画をつくらないことによって、運営費交付金が削られるということに誘導されることがないのか教えてください。
●藤田総合教育推進課長
まず、事業年度ごとの計画の廃止理由ですけれども、第13次地方分権一括法によりまして、公立大学法人に義務づけをされておりました年度計画の作成が廃止となりました。これに伴い、公立鳥取環境大学におきましても廃止することを決定したものです。
本年第1回の設置者による運営協議会が8月10日にございましたけれども、その際、法の改正によりまして、毎年度の事業計画の作成、そして作成に伴って評価も行っておりましたが、こちらも廃止になるということで、これを踏まえ、ただ、委員がおっしゃったとおり、点検評価の在り方をどのようにしようかという議論をしました。その際、やはり設置者としてPDCAサイクルをしっかりと回していくこと、そして公立大学法人としてその業務の成果を県民の皆様に、議員、議会にもお示しすることが必要だろうということで、この計画は廃止し、そして毎年度行っておりました評価も廃止はするのだけれども、点検はしっかりと行って、その結果の報告を求め、常任委員会などに対しても御報告する、そういった方向で議論をまとめたことを8月の常任委員会でも御報告したとおりです。
年度計画は廃止になるのですが、6か年間の中期計画を策定します。6か年間の中期計画を策定する中で、1年目、2年目、3年目にどういったことをやるかということを示しておりますので、それに従って点検評価を行っていくことになります。
加えて、この事業評価を、事業計画をつくらない、あるいは年度評価を行わないことによって、運営交付金に何か影響があるということはございませんので、これによりまして交付金が減るという事態はございません。
○市谷委員
計画の廃止で評価ですね。
地方分権一括法でなのでその計画をつくったり、評価もすることもセットになってくるのでしょうけれども、やめるのはなぜなのですか。法律改正でこうなったということなのですけれども、それはなぜ法律改正がされたのかを教えてほしいです。
◎西村委員長
藤田課長、簡潔にお願いします。
●藤田総合教育推進課長
承知しました。
国立大学は先行して令和4年度から実施しているのですが、大学の事務改善、業務を削減すること、そして大学の学びを充実させることを目的にこの毎年度の評価というものが廃止となりました。
◎西村委員長
ほかにございますか。
○市谷委員
4ページの子どものための関係者の処遇改善です。ほかの職種については6,000円とか書いてあるのですけれども、保育関係は額にして幾ら改善されるのか。今日、午前中にはほかの福祉職は全産業平均では4万円、県内では差があるという話だったのですけれども、保育士などの場合はどれぐらい差があるのかということや、それから処遇改善によって保護者の負担が増えることはないのかを確認させてください。
●遠藤子育て王国課長
こちらの処遇改善が人勧に伴うということでベースアップのようなものなので、1人当たり幾らということは人によって違うとこではありますけれども、平均的に計算しますと月5,000円ぐらいというところです。
◎西村委員長
保護者負担については。
●遠藤子育て王国課長
保護者負担については影響ないです。
○市谷委員
今、保育士さんのお給料は平均幾らですか。
●遠藤子育て王国課長
年齢とか勤続年数が一般のほかの職種と違うところがありますけれども、保育士の年間の平均が368万円です。全職種の平均は403万円ということで、これは令和4年度の厚生労働省の資料からです。
○市谷委員
平均ですけれども、処遇改善が5,000円ということで、それからほかの産業との賃金の差も大きいかなと思うのです。これは県としても独自に上乗せしたりして処遇改善をしっかり図っていくことが大事ではないかと思いますけれども、そういうことは検討されなかったかお尋ねしたいです。
5ページです。性被害を防止するためにということで、施設内にカメラを設置するというのは、一体どこに設置するのかなと。子どもたちも映ってしまうということもあります。このカメラをどこに設置して、もしそういう性被害の実態が分かった場合にどういう対応もされるのかも教えていただけないでしょうか。
●遠藤子育て王国課長
まず、処遇改善については県独自は考えておりませんが、国に夏の要望でも行っておりますし、引き続き要望していきたいと思っています。
カメラの設置場所は、各施設において判断されることになると思いますし、施設でまた保護者と話合いをされなければいけないと思います。それでもしあった場合は県に報告いただきまして、必要な調査を行って対応していく予定です。
○前田委員
関連して、5ページのカメラなり間仕切りの関係です。これは厚労省とかからの通達みたいなのがあってこの事業ができたのかといったところ、どういったいきさつでこの事業ができたのかを聞きたいです。2点目は、補助基準額10万円、一般的な感覚からすると安いのではないかなと思っていまして、これ、規模の大きな幼稚園とかになってくるともっと費用がかかるのではないかと思うのです。この10万円の基準額はどう決まったのかというのが2点目で聞きたいです。
3点目は7ページの関係でお聞きします。ここに児童措置費ということで、2の主な事業内容の対象施設等に里親等と書いてあります。勉強不足なのですけれども、この措置費が里親等の方にどれぐらい出ているのか。その金額の算定の仕方を、大まかな考え方で結構ですので、教えていただけたらと思います。
●遠藤子育て王国課長
カメラと間仕切りの設置については国が経済対策と併せて補正で出しましたものに倣って、10万円の基準についても国の基準に倣っています。ただ、県でもカメラの要望というのはこれまでも聞いておりましたので、今回これを使って、金額的に低いかもしれませんけれども、これで希望するところに設置したいと考えています。
●西村家庭支援課児童養護・DV室長
7ページの児童措置費の関係で、里親さんに対する措置費の額ですけれども、いわゆる一般的な養育里親さんに対しては里親手当ということで、子ども1人を委託で受けていただいたら9万7,000円で、子どもの数が1人増えることによってそれが数万円ちょっと加算していくという考え方で設定されています。
◎西村委員長
よろしいでしょうか。
ほかにございますでしょうか。
では、意見が尽きたようですので、請願・陳情に移ります。
請願・陳情の予備調査を行います。今回の予備調査は、新規分の陳情1件についてであります。
初めに、担当課長から現状と県の取組状況について聞き取りを行った上で、陳情者の願意の聞き取りや現地調査を行うかどうか検討したいと思いますが、よろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、陳情5年子ども家庭第30号、子どものために保育士配置基準の引上げ、労働条件改善による保育士の増員及びさらなる賃金引上げを求める意見書の提出について行います。
本件の陳情事項は、国に対して、子どものために保育士配置基準の引上げ、労働条件改善による保育士増員及びさらなる賃金引上げを求める意見書を提出することであります。
それでは、担当課長に説明を求めます。
●遠藤子育て王国課長
陳情資料の4ページをお願いします。現状について説明します。
現行の国の保育士配置基準は長年にわたって見直しが行われておらず、県では独自に平成14年度から1歳児については保育士配置基準を超えて4.5対1、平成25年からは3歳児について15対1を配置する保育所へ助成できるよう制度を設けています。
なお、国において平成27年度には3歳児加配については給付できるようになりましたし、令和5年度には国の制度拡充により、定員121人以上の大きな保育所について、4、5歳児は25対1の配置が可能となっています。また、こども未来戦略方針を踏まえて、こども家庭庁の令和6年度予算概算要求に保育士配置基準の改善、定員にかかわらず1歳児、6対1を5対1に、4、5歳児、30対1を25対1にすることが明記されています。
なお、配置基準自体を見直した場合、保育士の確保ができないなど現場で混乱が生じる可能性があることから、当面は現行の基準を維持しまして、職員を増やせる施設に対して加算する制度となる見込みです。
5ページをお願いします。
処遇改善については国による取組が進められていますが、先ほどもありましたように、依然として保育士と他職種の給与には大きな開きがあります。本年度、県が実施した実態調査においても、保育士不足と配置基準及び処遇改善、業務負担の軽減が大きな課題として上がっていました。このため、保育人材の確保と定着の一層の推進に向けてさらなる処遇改善と配置基準改善を進めるよう、本年6月に地方六団体として国要望をしています。また県では、保育士人材確保に向けて鳥取県保育士・保育所支援センターと連携して、保育のお仕事体験や修学資金貸付け、潜在保育士のマッチング支援、就職奨励金の創設など取組を行っています。また今般、国の経済対策において、令和5年人事院勧告に伴う公定価格引上げによる処遇改善が行われることとなっています。
◎西村委員長
ただいまの説明について、質疑等はありませんでしょうか。
○市谷委員
今説明ありましたように、配置基準の改善とかさらなる処遇改善を国に求めておられるということなのですけれども、今回の国の対応というのは配置基準の改善なのか加算なのか。加算だとしたら配置基準そのものは改善されていないわけですから、やはり国に求めていく必要があると思うのですけれども、その辺を説明していただけないでしょうか。
●遠藤子育て王国課長
国はやはり、保育士不足、全国的にも課題ですので、配置基準を変えてしまうと不足のために違反となってしまうという保育施設があるのも現場が混乱するということで、加算という対応になると思います。引き続き県としましても配置基準の見直しというのは求めていく予定にしています。
○市谷委員
さっき言ったような事情で国は加算でとどめているのですけれども、県はやはり配置基準の改善が必要だというのはどうしてですか。
●遠藤子育て王国課長
今回実態調査におきましても、またほかのあらゆる場面で保育士の負担が重いという声はたくさん聞いておりまして、人材不足もなのですけれども、これから目指す保育士たちが、負担軽減、せめて少し基準がよくなったなと感じながら保育士を目指せるように、両方を一緒に行っていきたいと思っています。
◎西村委員長
ほかにございますでしょうか。よろしいですか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、委員のほうで陳情者からの願意の聞き取り、あるいは現地調査の必要性について、御意見がありますでしょうか。
○市谷委員
さっきの説明の中にもあったのですけれども、保育現場は非常に忙しいし大変な状況で、県が取ったアンケートでも、処遇改善もですし、配置基準の改善を現場から求める声が上がっていますから、今の配置基準では非常に現場が大変なのだということをこの陳情提出者からぜひ意見を聞きたいと思いますので、願意の聞き取りを要望したいと思います。
◎西村委員長
ほかに御意見はございますでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、市谷委員より願意の聞き取りの御意見が出ました。多数決で決定をしたいと思います。
願意の聞き取りを行うことに賛成の方は挙手をお願いいたします。(賛成者挙手)
挙手が少数ですので、本件につきましては、聞き取り及び現地調査を行わないことといたします。
次に、報告事項に移ります。
質疑につきましては、説明終了後に行っていただきます。
報告7、令和5年度第3回子育て王国とっとり会議の開催結果について、遠藤子育て王国課長の説明を求めます。
●遠藤子育て王国課長
資料の2ページをお願いします。
子育て王国とっとり条例に基づき設置している子育て王国とっとり会議について、11月10日に第3回会議を開催しましたので、概要を報告します。
なお、1、開催概要(3)に書いておりますとおり、今回からとっとり若者活躍局より4名を委員に委嘱して、若い方の意見を聞こうと改善しています。
2、議事概要です。(1)シン・子育て王国とっとり計画(仮称)骨子案の審議を行っていただきました。主な意見としまして、全体に対しては、政策決定過程に子ども、若者、保護者の参画が必要不可欠と感じており、そのことが骨子案の冒頭に位置づけられていることに意義を感じる。出会い、婚活の支援に関しましては、婚活支援と言われると若い世代的にはハードルが高い。結婚と子どもを直接結びつけ過ぎるのは怖いと感じ、子どもを望む、望まないはいろいろな考えがあるから、あまり子どもを産みなさいというのが出過ぎないほうがいい。地域における子育て支援、子どもの居場所に関しては、若い人も地域に参加したいと思っているので、こども食堂や放課後児童クラブなど、地域に子どもが関わっていける情報やネットワークを広げていくのがよい。世代間で互いに助け合える関係づくりができれば、地域の魅力が高まっていくと思う。また、安心して子育てできる就労環境については、両親ともに非正規雇用の世帯がいることも考えてほしいという御意見をいただきました。
議事の(2)としまして、幼保連携型認定こども園認可等審議部会の委員について、委員の交代により新たに指名をしています。
また、報告事項としまして、3ページになります。アドボカシーの実施状況について説明を行いました。
3番、今後の予定です。骨子案についてパブリックコメントを実施して、年末に策定予定の国のこども大綱及びこども未来戦略を勘案した計画の素案を第4回の王国会議に、最終案を第5回王国会議に諮る予定です。
参考としまして、子育て王国とっとり会議の概要と委員の構成、また4ページから9ページに会議資料とした骨子案をつけておりますので、また後ほど御覧ください。
◎西村委員長
報告8、平成30年12月に発生した皆成学園入所児童の死亡事案について、松本子ども発達支援課長の説明を求めます。
●中西子ども家庭部長
すみません、このたび入所中の児童が入浴中に亡くなるという事案が起こりました。亡くなられた児童に心からお悔やみを申し上げますとともに、御遺族の皆様に心からおわび申し上げます。
安全で安心して生活する場であるはずの施設で起こったこのたびの事案について、非常に重く受け止めています。この事案をしっかりと振り返って対応をしていきます。
◎西村委員長
それでは、松本子ども発達支援課長の説明を求めます。
●松本子ども発達支援課長
資料10ページをお願いします。
平成30年12月28日に皆成学園入所児童、当時18歳ですけれども、入浴中にてんかん発作を起こしたことによりまして、溺死した事案です。
1、死亡事案当日の状況ですが、まず表の下のところ、米印で書いてございます。皆成学園の入浴サービス提供マニュアルにおきましては、てんかん発作がある児童については目を離さないようになっておりました。そうしておりましたところが、当時、この児童が入所しましてから入浴中のてんかん発作がなく、日中も直近2か月間は発作がなかったことから、11月16日から浴室外の見守り支援に変更していたところです。
そんな中で今回の事案ですが、表のほうです。18時25分、児童が入室のために脱衣所に入室しました。20分後、18時45分、入浴時間が終わっても出てこなかったことから、職員が外から声をかけましたけれども返答がなく、浴室内を確認したところ浴槽内でうつ伏せ、心肺停止の状態の児童を発見したものです。直ちに119番通報するとともに、職員が心臓マッサージ等の蘇生を試みています。並行しまして、19時頃ですけれども、保護者へは厚生病院に搬送されたことを電話で報告をしました。19時15分、厚生病院に到着しまして蘇生措置を試みていただきましたけれども、19時51分、死亡が確認されました。この時点ではまだ保護者の方は病院に到着しておられませんで、20時14分に亡くなられたことを電話でお伝えしまして、21時頃、保護者の方が到着しましてから、その後、22時45分、保護者の方へ皆成学園からの経緯の説明を行っています。
2としまして、死亡事案を非公表とした経緯等をまとめています。
まず、当時、死亡事案の公表について保護者の御意向を確認したところですが、児童が特定されない形での公表についても望まれなかったことから非公表としておりました。
2つ目のポツです。令和5年8月になりまして保護者の方から皆成学園に当時の状況の説明を求める御連絡がありまして、その後、保護者と面談しまして、県として誠実に対応していくことを改めて説明しました。その後、死亡事案への対応について保護者の方と協議を重ねる中で、今回公表することについて了解が得られたものです。
3としまして、再発防止策と現状です。
死亡事案後に関係機関による検討会を1回開催しています。てんかん発作等がある児童の入浴の際には、入浴サービス提供マニュアルを遵守し、順次見回りを実施することを園内で周知、徹底することとしました。
ポツの2つ目ですが、平成31年3月にはてんかんの基本的な対応についてまとめた「てんかんの支援について」を作成しまして、てんかんの発作の基本的事項を職員に周知するとともに、園内研修を毎年実施することとしています。その後の対応としまして矢印を書いてございます。てんかん発作のある児童の入浴の際は、必ず職員が浴室内で見守りを実施することといたしています。あわせまして、主治医の意見を踏まえまして、体調が悪い際にはシャワー浴とする、あるいは入浴を中止するという対応を取っています。
4としまして、今後の対応です。
(1)に掲げてございます、12月7日を予定しております、社会福祉審議会の児童福祉分科会へこの死亡事案を報告します。その中で、当時、関係機関による検討会を開催し、再発防止策を検討してはいますが、第三者による評価を実施しておりませんので、対応が適切だったかどうか等含めまして、検討をしていただきたいと考えています。
(2)保護者との和解交渉です。現在、和解に向けまして保護者と交渉中です。合意でき次第、直近の定例会に和解議案を上程する予定です。
◎西村委員長
報告9、公立大学法人公立鳥取環境大学次期理事長(学長)の任命について及び報告10、各種学校(勝田ヶ丘志学館)設置の認可について、藤田総合教育推進課長の説明を求めます。
●藤田総合教育推進課長
資料11ページをお願いします。
公立鳥取環境大学の江﨑理事長(学長)の任期が令和6年3月末までであることから、学長選考会議で選考を進め、10月26日、設置者に対し、次期理事長(学長)候補者の申出がありました。その申出に基づき、11月10日、運営協議会の知事及び市長の承認によりまして、令和6年4月1日付で任命することを決定しましたので、御報告します。
次期理事長(学長)は、現副学長の小林朋道氏で、詳しい経歴や選考経過、選考理由は次のページからのとおりですが、選考理由としましては、2001年の大学創立から大学とともに歩み、全体をよく把握していること、動物行動学、進化心理学の研究者として優れた実績を備え、本学の顔として知名度が高いこと、地域をフィールドとした学生教育の充実と魅力づくりに強い意欲を示しておられることから、大学の独自性をさらに発揮するため、小林氏の将来構想や意欲、豊かな経験や知名度が高く評価されたとのことです。任期は令和6年4月1日からの4年間、令和10年3月31までです。
続いて、15ページをお願いします。
各種学校(勝田ヶ丘志学館)の設置の認可についてです。特定非営利活動法人勝田ヶ丘志学館から学校教育法に基づく各種学校としての設置認可申請があり、11月21日に私立学校審議会から認可することが適当である旨の答申がありましたので、答申を踏まえ認可しました。
概要ですが、学校名は勝田ヶ丘志学館、所在地は米子市勝田町1番地、米子東高校の同窓会館に、大学進学に向けた学力の向上を目的として平成31年4月に開校し、5年にわたり運営されていましたが、令和6年4月から各種学校となるものです。
経過を申し上げますと、勝田ヶ丘志学館は平成31年4月の開校後、同じ年の10月に各種学校認可申請があり、私立学校審議会において、教員数、教員の拘束時間、施設設備について継続審議しておりましたが、翌1月に申請の取下げがされておりました。その後、このたび改めて10月に各種学校設置認可申請がなされ、令和元年度の議論のありました事項の改善が確認されましたので、私立学校審議会におきまして委員全員の賛成により認可が妥当と承認され、この答申を踏まえて認可しましたことを報告します。
◎西村委員長
執行部の説明は以上です。
ただいままでの説明について、質疑等はありませんでしょうか。
○市谷委員
10ページの皆成学園の児童死亡の事案についてです。事案が発生してから6年近くもたって保護者から当時の状況について説明を求める連絡があったというのはどういうことなのかなと。つまり、対応がよくなかったということなのかなと思って、しかも和解をしなければならないということになっていて、何でこんなことになったのかということ。それから当時マニュアルでてんかん発作がある児童について入浴中は目を離さないようにと書いてある。発作がなかったからなんていうことがあるのですけれども、マニュアルと違う対応をしていて、それについては誰が判断してそうなったのか。それから、何で第三者評価を当時きちんとされなかったのかを教えていただけないでしょうか。
●林皆成学園長
まず、5年たってなぜ今かということですけれども、これについては、病院でも保護者の方には状況を説明しておりましたが、保護者の方から言わせると、まだ当時の状況をよく理解できていなかったということと、死亡でいろいろと混乱されていて、やっと心の整理がついたのかなということで、このたび改めて当時の状況を聞きたいという話の中から和解の話とかも出てまいりまして、今の公表に至る、公表してもいいでしょうかという話をして、それも了解を得て今こうやって表に出てきたということです。
それと、入浴中のマニュアルがあったにもかかわらずというお話です。これについても確かにおっしゃるとおり、てんかん発作のあると書いてあるのでそのとおりにすべきなのですけれども、やはり当時の状況、発生当時に検証を行っている嘱託医も指摘しているのですが、てんかん発作のある児童がハイリスクであるという認識が当時の職員というか園の中にやはり不足していた点があって、委員がさっきもおっしゃったとおり、最近の発作がなかったからというような判断でこういう支援方法の変更を園として判断していたと言わざるを得ないという状況だったと、今考えるとそういう感じです。(「第三者評価」と呼ぶ者あり)第三者評価。(「なぜしなかったか」と呼ぶ者あり)
それも、当時の園長が退職しておりますので状況はよく分からないのですけれども、あまり公表してほしくないという保護者の御意向をあまりにも過度に反応し過ぎて、だから内部だけの検証でとどめたのではないかなという、推測にすぎないのですけれども、多分そうではないかなということしか今お答えできないです。すみません。
○市谷委員
公表をするかしないかというのは、ある意味、それはあるのかもしれないのですけれども、ただ、そういう、今聞いたのでは、マニュアルどおりにやらなかったのはてんかんに対する正しい知識がなくて、こういう事態になって子どもの命が失われたということは、そもそもこれは賠償しないといけないぐらいのことだと思うのですよ。これで見ると保護者の方も気持ちが落ち着いてということで今言われたのかもしれないですけれども、今の説明聞いた限りでいくと、当時きちんと謝罪や補償とか、損害賠償をやっていないこと自体、問題があると思うのです。だから、保護者の合意が取れたから公表ですと言われるのですけれども、その当時の県の対応そのもの、起きた後の対応がよくないということ自体をきちんと振り返りしないといけないと思うのですが、どうなのですか。
●林皆成学園長
御指摘のとおりだと思います。私もこの案件に加わって、保護者の方からお話を聞いた瞬間に、なぜここまで賠償の話がなかったのかということを感じたところでして、本当にそこも含めて、この後の社会福祉審議会の御意見も聞きながら対応していこうと思っています。保護者の方には誠意を持って対応しますということをお伝えして、本当に御理解を求めるしかない状況だと思っています。本当に申し訳ございませんでした。
○市谷委員
誠意を持って対応はそうなのですけれども、もう失われた命は戻らないので、これ本当に重大な問題だと思うのですよ。知事もちゃんと謝罪しないといけないと思いますよ。今みたいな委員会の報告は当然ですけれども、公の場所できちんと謝罪されたのですか。今日が初めてなのですか、私全然ニュースとかよく見ていないので。
●中西子ども家庭部長
今日が初めてになります。事務的な県の対応、事務的なといいますか、とにかく県の対応が本当に適切だったかどうかということは、非常にその事実は重く受けておりますので、そこについてもしっかりと、冒頭に言いましたけれども、振り返って改善といいますか、改めるべきところ、これから今後どうしていくということはしっかりと考えていきたいと思います。
◎西村委員長
ほかにございますでしょうか。
○興治委員
今後の対応のところの(1)です。専門部会に報告をして、そして第三者による評価を実施していないため死亡事案への対応について検討するとなっているのですけれども、これはどういう意味なのでしょうか。何か第三者機関も設けて、それで今回の事案について死亡の経過、それからあと5年間の対応の経過が適切であったかどうか、そういったことも含めて第三者による検証を行ってもらうという意味なのでしょうか。どういう意味なのでしょうか。
●松本子ども発達支援課長
こちら児童福祉専門分科会、こちらがある意味、第三者という機関かと思っています。こちらの中でまず事案を報告しまして、当時の対応、あるいはこれまでの対応も含めまして御報告する中で死亡事案の検証をしていただきたいと思っております。その中でさらに専門的な意見が必要となれば、あるいは医師の方に入っていただくですとかそういったことも考えていくことになろうかと思います。まずは児童福祉専門分科会に御報告しまして、まずその対応について御検討いただきたいと考えているところです。
○興治委員
大体分かりました。
それでは、死亡の経過、それからこれまでの経過も含めて、県の対応についてしっかりと第三者機関である専門分科会に報告をして、専門家の意見をいただいて、今後の対応について、それを今度反映させていくことをしっかりとやってください。
○前田委員
てんかんに対する認識不足、これが原因だと学園長からもお話がありましたけれども、この皆成学園の入浴サービス提供マニュアルは組織のマニュアルの一つだと思うのです。これ、てんかんの方はこうした福祉施設だけではなく学校の生活もされていらっしゃるでしょうし、多数存在すると思うのですが、皆成学園の入浴サービス提供マニュアルは、てんかんの患者さんに対する指針みたいなものがあって、それに基づいてつくられているものなのか、それとも皆成学園独自でつくられたものなのか、どうなのでしょうか。
●林皆成学園長
独自にではなくて、多分てんかん患者に対する留意事項というのが全国的にあると思いますので、それを引っ張ってきて入浴マニュアルの中にてんかん患者についてはということで注意書きで入れる形で、ほかにもプールとか危険が伴う、てんかんを管理する場合に危険を伴う行為についての部分を、国なりの指針なりを持ってきてこちらの対応方針なりに盛り込んでいっているというのが実態だと思います。
○前田委員
これ、社会福祉審議会で報告をして第三者評価ということですけれども、これ、ここだけの問題では私はないように感じます。重大事故の背景には、危なかった、こういった重大事には至らないけれども、寸前のところで免れた事案というのも、てんかんの子どもさんたちあるのではないかなと思いましたので、ぜひ幅広に、こういったことがない形での対応をお願いしたいと要望したいと思います。
◎西村委員長
ほかにございますでしょうか。
○市谷委員
確認です。この事案が起きたときに謝罪したのですか。説明と書いてあるのだけれども、謝罪って全然出てこなくて。
それと、こういう行政の対応についてももう一回検証してもらいたいと思うのです。マニュアルはもちろんだし、再発防止もあるけれども、こういう行政の対応の仕方そのものを検証しないと。前にもありましたけれども、まるで隠蔽というか、保護者が公表を望まなかったことを理由にしてきちんと謝罪されていない、公表もされていない、つまり行政の対応が反省もされていないという事態がずっと続いていたことになるので、これは本当に行政の対応の仕方、これも検証していただきたいと思います。
このことをちゃんと記者会見していただいて。この委員会での報告はもちろんですけれども、ちゃんと記者会見で当時どういう対応だったのか、本当にこれ会見していただきたいと思います。
●林皆成学園長
当時謝罪があったかどうかですけれども、お通夜があったところに当方の職員が行きまして、参列されている方と御両親に時系列を説明した上でおわびをしています。
●松本子ども発達支援課長
記者会見の件です。こちらについては、まず社会福祉審議会の児童福祉専門分科会におきまして、死亡事案の対応をしっかり検討いただきまして、その結果を踏まえて記者会見が必要となりましたらその際に記者会見をということで対応させていただきたいと考えています。
○市谷委員
分科会でいろいろ検証しないといけないことは当然あると思いますけれども、まずこういう事案があったと、申し訳なかったということをきちんとまずは記者会見して、その上で分科会でもう二度とこういうことが起きないようにする、それから県としての対応はどうするのだということでしっかり対応したいというところを、今できることをちゃんと会見で言うべきだと思います。どうですか。
●中西子ども家庭部長
改めて検討と言うのは変ですけれども、当初会見をこの時点では考えていなかったのは、推測といいますか、資料を見る限りとかでしか我々も話すことができないので、ここで、常任委員会で公表すること以上には、もう推測でしか話ができないのかなと思い、先ほど担当課長からもそういう説明をしたところです。また改めて内部で検討したいと思います。
◎西村委員長
ほかにございますでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
では、すみません、私から1点。まず大変残念で、しかも5年間の時間がたっておりますので、その当時の職員さんや管理者はおられないということですよね。ですので、まずもちろん第三者委員会でこれから検証はもちろんなのですけれども、今までのお話を聞いておりますと、保護者の方が公表を望まれなかったということでそれで済ませていいのかどうかというのが、私は本当に今日のお話を聞いておりまして大変疑問に感じています。賠償すればよい問題ではないですし、お一人の方の命を失ってしまったことに対して管理責任をどう取られるのかということが、まさに県がやっていることですので、そこをまず真摯に捉えていただきまして、しっかりと検証をしていただきたい。
情報公開なのですけれども、以前も自死の事案もありまして、保護者が非公表を望まれたということですが、結局その5年間、それを理由に全く何も進まなかったと捉えられても仕方がないと思います。ですので、本当にもう二度と起こしてはならないですし、情報公開の在り方についてもこれから検証をしていただいて、例えば個人の特定はもちろんなのですけれども、施設も特定されないで、ただ、県がやっている施設でお一人の命がなくなったことに関して、しかもマニュアルどおりにやっていなかったという落ち度がありますので、そこの情報公開の在り方というのをやはり検証していただきたいですし、きちんとした形で出していただきたいということを私からも要望をします。
中西部長、何かございましたらコメントをお願いします。
●中西子ども家庭部長
その児童に対する浴室内の見守りのやり方を変えたということ自体が本当にそれでよかったのかどうかという点はもちろんのことですけれども、起こった後の行政の対応についてもしっかりと検証をしたいと思います。私自身もなぜという思いもありますので、その点についてもしっかりと検証していきたいと思います。いろいろとありがとうございます。
◎西村委員長
それでは、よろしいでしょうか。
次に、その他でございますが、子ども家庭部に関して、執行部、委員の方で何か御意見ございますでしょうか。
意見が尽きたようですので、子ども家庭部につきましては以上で終わります。
執行部入替えのために、暫時休憩します。
午後2時38分 休憩
午後2時44分 再開
◎西村委員長
再開します。
引き続き、生活環境部に係る付議案の予備調査を行います。
執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクを近づけてお願いします。
質疑につきましては、説明終了後に一括して行っていただきます。
まず、若松生活環境部長に総括説明を求めます。
●若松生活環境部長
生活環境部資料の11月補正予算、まず先議分から御説明申し上げます。3ページを御覧いただきたいと思います。
先議分としまして、そこに記載のLPガス料金並びにクリーニング業の燃油費高騰対策の2事業について、国の総合経済対策の予算案の成立を受けまして重点支援交付金を活用し、6月補正で行った事業と同様の内容について下半期分として行うものです。
続きまして、先議分以外の議案説明資料2ページを御覧いただきたいと思います。
通常分の議案としましては、補正予算案、一般会計並びに天神川流域下水道事業特別会計補正予算、あと予算関係以外としては盛土条例の一部改正、指定管理案件2件です。このうち一般会計の補正予算について3ページを御覧いただきたいと思います。
そこに2事業記載していますが、これが今回、国の補正を受けまして増額補正等を行う公共事業等を4事業計上しています。今回、生活環境部の一般会計での補正予算は、先ほど先議分の2事業と先議分以外の4事業で、全て国補正を受けた補正予算です。その他、債務負担行為で清掃等の業務委託について、次年度以降、複数年契約を行うものについても提案しています。
詳細については、担当課長より説明申し上げます。よろしく御審議をお願いします。
◎西村委員長
続いて、関係課長から説明を求めます。
まず、先議分について、長岡参事監兼脱炭素社会推進課長の説明を求めます。
●長岡生活環境部参事監兼脱炭素社会推進課長
先議分の資料の4ページを御覧いただきたいと思います。
LPガス料金高騰対策支援事業です。国の経済対策におきまして、電気、ガス料金の激変緩和措置の継続は決まったところですけれども、国の支援対象ではないLPガスについて、6月補正に引き続いて追加で契約者の負担軽減を行うものです。前回6月補正で8月、9月の検針分で合計3,000円の支援をしておりますけれども、国の電気、ガスの支援が半額となりましたので、LPガスについても前回の半額である1,500円を支援するものです。
◎西村委員長
次に、田中くらしの安心推進課長の説明を求めます。
●田中くらしの安心推進課長
5ページをお願いします。
クリーニング業燃料費高騰対策事業で545万円の補正をお願いするものです。燃料費について、6月補正でお認めいただきました6か月分について、追加で下期の6か月分の支援をお願いするものです。補助率は2分の1、補助額は下期5万円で、上期分と合わせて最大10万円ということでお願いをしています。
◎西村委員長
森山まちづくり課長の説明を求めます。
●森山まちづくり課長
先議分以外の説明資料の14ページを御覧ください。
繰越明許に関する調書です。一番下の公園施設長寿命化事業費です。公園施設の東郷湖羽合臨海公園の宇野公園において護岸施設の補修工事の実施に当たり、漁協との調整により来年2月の工事着手となり、年度内の工事完成が困難になったもので、繰越しをお願いするものです。
●若松生活環境部長
続けてしまっていいですか、順番が前後してしまいましたけれども。
◎西村委員長
すみません、先議分以外について、私、飛ばしてしまいました。
中尾自然共生課長、説明お願いします。
●中尾自然共生課長
4ページをお願いします。
国補正の国立公園満喫プロジェクト等推進事業で1億500万円の補正をお願いするものです。国立公園満喫プロジェクトの一環としまして、大山夏山登山道の改修を計画的に進めていますが、6合目までの改修は完了しています。国補正を活用しまして、6合目から山頂までの木道を順次整備を進めています。今回の補正では概略図のとおり、6合目から7合目付近の丸太階段の改修と山頂付近の木道の改修を行います。これにより、7合目までの改修は完了します。木道を含めた全体の改修は令和8年度を想定しています。
次に、5ページをお願いします。
国補正の自然公園等魅力向上事業で2億1,000万円の補正をお願いするものです。事業内容ですが、山陰海岸国立公園では鳥取市福部町岩戸の滝ヶ磯に至る中国自然歩道の改修のための測量設計、国定公園の氷ノ山では、老朽化した山頂公衆便所の建て替えと、災害により通行止めとしております仙谷コース登山道の復旧、そして氷ノ越コースの一部改修のための測量設計を、国補正を活用し実施するものです。
では、14ページをお願いします。繰越明許費に関する調書です。
上から1つ目の国立公園満喫プロジェクト等推進事業費と2つ目の自然公園等魅力向上事業費について、先ほど御説明しましたとおり、補正予算を活用し実施するものであり、年度内完了が困難であるため繰越しをお願いするものです。
続いて、15ページをお願いします。債務負担行為に関する調書です。
上から2つ目の自然公園等魅力向上事業ですが、大山周辺の公衆便所5か所と大山山頂避難小屋の管理業務について、複数年契約をすることで事務の効率化を図るものです。令和6年度から7年度までの2か年間の債務負担行為をお願いします。
◎西村委員長
次に、谷口水環境保全課長の説明を求めます。
●谷口水環境保全課長
資料6ページをお願いします。
市町村が行います水道施設の老朽管更新、耐震化等を行う事業について、国の経済対策に伴い2億200万円余を補正するものです。内容としては、米子市ほか4市町における基幹管路の老朽管の更新、鳥取市において避難所等の重要給水施設への配水管の整備、水管橋の耐震事業、そして日南町等において水道施設台帳の電子化を行う事業に要する費用を補助するもので、令和6年度に計画していた事業を前倒しして行います。補助率は3分の1、または4分の1で、いずれも全額国費です。
7ページをお願いします。
こちらも市町村が行う事業ですけれども、農業集落排水事業について国の経済対策に伴い2,200万円余を補正するものです。内容としては、鳥取市ですけれども、鳥取市東郷地区における農業集落排水施設の統廃合を進めておりまして、来年度予定しておりました管路整備を前倒し実施するもので、補助率は2分の1。そして、既存処理施設の機能診断調査や維持管理適正化計画の策定を行う費用を補助するもので、補助率10分の10、財源はいずれも全額国費となります。
続いて、14ページ、繰越明許費に関する調書をお願いします。
上から3段目と4段目が当課の事業です。先ほど説明しましたように、市町が国の補正予算を活用して実施する水道事業、そして農業集落排水事業について年度内の完了が困難ですので、全額繰越しをお願いするものです。
続いて、17ページをお願いします。
天神川流域下水道事業会計の債務負担行為です。流量計遠方監視システム保守点検業務委託と公営企業会計システム保守委託について、令和6年度から5年間の複数年契約を結ぶことで事務の効率化を図ろうというもので、債務負担行為の設定をお願いするものです。
◎西村委員長
森山まちづくり課長の説明を求めます。
●森山まちづくり課長
今度は18ページをお願いします。盛土条例の一部を改正する条例です。
まず、提出理由の説明の前に参考の部分を御覧ください。
(1)規制等の権限のとおり、県と中核市の鳥取市が法の権限を有します。
(2)規制区域の指定ですが、これは後ほどまた報告事項で詳しく説明をします。
(3)鳥取市の対応です。盛土条例の規制水準を維持する県の考え方と同様に、市は法の規制規模を3,000平米から2,000平米に引き下げられますが、法の権限を有するため、法の規制に関する県の条例部分が使用できないため、市が独自に条例を制定する必要があります。これに合わせて県条例の独自規制となる工作物や建設発生土搬出も市が県と同じ条例を制定して、法の盛土と一体的に規制する方針を示されました。
1の提出理由に戻りまして、こうした理由により県条例から鳥取市の区域を適用除外とする条例の改正です。
条例の施行日は、鳥取市議会の閉会日が県議会より2日後の12月22日になりますので、条例の施行日を規則で定めることとしています。
次、20ページをお願いします。公の施設の指定管理者の指定、鳥取県立東郷湖羽合臨海公園、藤津地区、浅津地区及び南谷地区についてです。
東郷湖羽合臨海公園活性化スマイルパートナーズを指定管理者の候補に選定しましたので、地方自治法の規定により本議会の議決をお願いするものです。
21ページを御覧ください。
2の指定管理の期間は、令和6年4月から5年間になります。
指定管理料の総額は、債務負担行為総額5億2,271万円余に対して5億2,250万円になります。
指定の理由については、4の記載のとおり、財団法人と民間企業のJVにより、両者の特徴を生かした運営や事業のサービスが期待できることになります。
公募の経緯ですが、問合せ等は別の企業からもあったのですが、実際に応募がありましたのはこのスマイルパートナーズ1者でした。
22ページ以降に審査結果を記載しておりますので、後ほど御覧ください。
続きまして、25ページをお願いします。公の施設の指定管理の指定、東郷湖羽合臨海公園、引地地区及び長和田地区についてです。
指定管理者の候補としまして、東郷湖羽合臨海公園活性化スマイルパートナーズを選定しましたので、地方自治法の規定により本会議の議決をお願いするものです。
26ページを御覧ください。
指定管理の期間は、令和6年4月から5年間になります。
指定管理料の総額は、債務負担行為5億4,825万円余に対して5億4,800万円です。
選定の理由については、4に記載のとおり、財団法人と民間企業の両者の特徴を生かし、中国庭園を活用したイベント等の様々な取組が提案されており、地域との連携も期待でき、指定管理者として適切と認められることです。
5、公募の経緯ですが、応募者はスマイルパートナーズ1者でした。
27ページ以降に審査結果を掲載しておりますので、後ほど御覧ください。
◎西村委員長
次に、朝倉次長兼環境立県推進課長の説明を求めます。
●朝倉生活環境部次長兼環境立県推進課長
資料15ページをお願いします。債務負担に関する調書の上から1番目、環境汚染等総合対策事業です。本事業は大気汚染の状況を測定する機器の保守点検等に係る委託料について、令和6年度から8年度までの3年間、1,670万円余の債務負担をお願いするものです。
◎西村委員長
次に、郡消費生活センター所長の説明を求めます。
●郡消費生活センター所長
同じく15ページをお願いします。債務負担の追加分です。
表の一番下、3番目、消費生活センター等の清掃委託について、160万円余の債務負担行為をお願いするものです。
◎西村委員長
次に、池山衛生環境研究所長の説明を求めます。
●池山衛生環境研究所長
16ページをお願いします。
衛生環境研究所管理運営費の債務負担としまして、2,200万円余の補正をお願いするものです。内容としましては、庁舎清掃、機械警備、照明制御盤保守点検業務について、令和6年から令和8年度までの複数年契約とするものです。
◎西村委員長
次に、隠樹中部総合事務所環境建築局長兼建築住宅課長の説明を求めます。
●隠樹中部総合事務所環境建築局長兼建築住宅課長
30ページをお願いします。職員による公用車の交通事故について報告します。
8月29日、場所は倉吉市上井町1丁目、ちょうど日本海新聞社と倉吉市体育文化会館の間の道です。こちらの優先道路を直進中に、一時停止をせずに交差点に進入してきた車と接触したもので、双方にけがはなかったものの、双方の車が破損したもので、県側の過失1割、損害賠償金1万2,003円を支払うものです。当該職員への交通安全の指導を徹底するとともに、9月15日には倉吉警察署のお世話になり、職場内での交通安全研修会を開催し、改めて職員への交通安全の徹底、再発等の防止を図ったところです。このたびは誠に申し訳ございませんでした。
◎西村委員長
執行部の説明は以上です。
ただいままでの説明について、まず、先議分に関して質疑等はございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
ないようですので、先議分以外に関して質疑等はございませんでしょうか。
○広谷委員
燕趙園が含まれているほうの指定管理の件です。燕趙園の入園料を2年間無料にするということですけれども、ちなみに年間どれぐらいの入園料があったのか、まずその辺り、幾らぐらい収入があったのかお尋ねします。
●森山まちづくり課長
燕趙園の入園料ですが、近年はコロナでして、コロナ前になりますが、令和元年度時点で5,800万円ございます。その1年前の平成30年で7,000万円余りの入園料収入があります。これがコロナ禍の令和2年、令和3年ですと、令和2年が2,800万円、令和3年が4,600万円となっていますが、令和4年度には5,900万円まで回復しておりまして、令和元年のコロナ前の水準ぐらいまで回復しているところです。
○広谷委員
入場料が五千数百万円、結構な額だと思うのです。この分は2年間収入として丸々上がってこないことになると思うのです。この収入がない分は何で賄う計画ですか。
●森山まちづくり課長
無料化実験は1年間丸々無料化にするわけではありませんで、令和6年度と令和7年度でそれぞれ60日ずつ、夏と冬と開催をします。こういった無料期間におきまして来園者数の増加の傾向を見計らってみたいということで、周りの売店ですとか飲食店ですとかそういったものの売上げでそういった無料化した部分の減収部分を回復できるかどうか、こういったところの傾向も確認したいという実験の内容になっています。
○広谷委員
要は期間限定、年間2か月余りを無料にするということですか。
●森山まちづくり課長
令和6年度に60日ずつ、令和7年度も60日ずつですので、合計4か月ということになります。
●若松生活環境部長
今回の指定管理者から提案された内容についてはそういうことですけれども、将来的にそれをまたどうしていくかということで、当面、次期指定管理期間では最低2か年、こういった事業をやってくださいということで、これは募集をしたところです。また、これ以外に、例えば料金も一律ではなくて、例えば水郷祭とか燕趙園の花火大会のときには別料金を取るとか、あと冬の間は無料にしてどれだけお客さんがほかのところにいくのかとかそういったところも、今回の2か年で動向を見て、次期以降の指定管理の料金設定なりに考えていきたいというもくろみがあっての2か年ということです。
○広谷委員
試行的にやるということで、そういう計画となっているのだからいい方向になればと思っています。
一つ心配するのは、何年か前に行ったとき、建物が木造で、かなり傷んできたと思っているのです。それで、その辺の修復の関係事業は、指定管理者がやるものか、それとも県がやるものか。規模によっていろいろやり方があるのかも分からないけれども、その辺りについてはどういう考え方を持っているのですか。
●若松生活環境部長
施設の修繕といいますか改修については基本的には県が行います。今の施設、特に回廊の部分は、いずれといいますか、10年以内には更新期を迎えることになります。次期指定管理期間にそういった施設といいますか、設備の在り方についても検討していき、今後の燕趙園の在り方を検討していくことがこの5年間の大きなテーマになっているところです。
◎西村委員長
ほかに。
○興治委員
指定管理のところです。向こう5年間の必要経費を計上して選定をされているわけですが、この金額の中には今後の物価高騰分であるとか、あるいは人件費をしっかり上げていく今の社会の風潮に沿って、そういったことがきちんと盛り込まれているのかどうか、その辺りはどうですか。
●森山まちづくり課長
光熱費のような、今高騰しているものについては別途お支払いすることになりますが、人件費等の部分については、また後ほど御説明をさせていただけたらと思います。
○興治委員
では、お願いします。
◎西村委員長
では、後ほど説明資料ということでよろしいですかね。
ほかに質疑はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、質疑が尽きたようですので、請願・陳情の予備調査に入ります。
今回の予備調査は、新規分の陳情1件についてであります。
初めに、担当課長から現状と県の取組状況について聞き取りを行った上で、陳情者の願意の聞き取りや現地調査を行うかどうか検討したいと思いますが、よろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、陳情5年福祉保健・生活環境第29号、危険ドラッグの対策に係る意見書の提出等について行います。
本件は、福祉保健部と生活環境部にまたがっており、福祉保健部所管分については先ほど説明があったところです。
続いて、生活環境部所管部分について行います。
生活環境部に係る陳情事項は、2、薬物・危険ドラッグの製造・販売の防止について、消費生活センターにおいて、子どもたちや一般消費者に対し啓発や教育を実施することを執行部に求めることであります。
それでは、担当課長の説明を求めます。
郡消費生活センター所長の説明をお願いします。
●郡消費生活センター所長
資料7ページ目をお願いします。
薬物・危険ドラッグの製造、販売防止に係る啓発、教育についてですが、いわゆる大麻グミをはじめとする危険ドラッグなど、鳥取県薬物の乱用の防止に関する条例において規定する規制対象薬物については、薬物の乱用防止に係る啓発や監視、指導等を所管している福祉保健部医療・保健課において広く県民の方に向けた啓発や教育、注意喚起を行っています。消費生活センターとしましては、消費者庁からこのたびのいわゆる大麻グミと称するものに係る相談対応について、速やかに最寄りの保健所等へ相談を紹介するよう依頼がありましたので、危険ドラッグや有害な成分が含まれる商品等に関する御相談を受けた場合は、速やかに医療・保健課、または最寄りの保健所を紹介することとしています。
なお、市町村の消費相談窓口にも同様の対応をしていただくように周知を依頼済みです。
◎西村委員長
ただいままでの説明について、質疑等はございますでしょうか。
○市谷委員
消費生活センターとして一般の県民に対して広報したり啓発したりということはしていないのですかね。
●郡消費生活センター所長
今回の大麻グミ等に関しましては、既に医療・保健課で県民向けにホームページ等で周知をしておられますので、消費生活センターとしてはしておりませんが、今回に限らず有害な成分が含まれる商品等に対して消費者向けに注意喚起情報が国等から発出された場合には、消費生活センターでも県のホームページで周知と注意喚起を行っています。
○市谷委員
今回の場合もホームページで注意喚起しているということでいいのですかね。
●郡消費生活センター所長
今回の大麻グミに関しては、消費生活センターとしてはホームページ等での啓発は行っておりません。既に医療・保健課で、条例の趣旨を踏まえた県民向けの啓発をしておられますので、消費生活センターとしては啓発等は行ってはおりません。
○市谷委員
販売の関係での啓発というか、そういうのが、消費生活センターなので、そちらのルートからの啓発も要るのではないかなと思うのですけれども。
●若松生活環境部長
そこは我々も悩むところでして、他県ではこれは実は条例とか違反のものではないのです。ただ、本県におきましてはもう条例違反のものです。危ないから気をつけなさいという段階であれば、法律に規定されていないと、だけれども危ないよと。そういったところであると消費生活センターもちゃんと啓発をする役割は担っていると思っているのですけれども、当該物質についてはもう条例で明らかに違反なものです。だからこれを所持すると罰則が出ると。所持したり販売したりということになると、もうあえて、何といいますか、違法なものを注意してくださいということを消費生活センターがアナウンスするかというところの判断があるのかなと思っているところです。そうしないと、例えば違法なものも全て消費生活センターが、ありとあらゆるものを県民向けに周知するかというとそうではなくて、今こういう、例えば事故が起きる可能性がありますよと、例えばこういうトラブルがありますよ、御注意くださいという、未然に防ぐという意味で注意、啓発することはあろうかと思いますけれども、そこが今我々としては、もう既に福祉サイドで広報、県としては広報しているので、あえて消費生活センターでそこを広報する必要はないのではないかと考えているところです。
○市谷委員
もともとそんなもの売ってはいけないというのがあるのですけれども、併せて広報したほうがいいかなと思います。
◎西村委員長
ほかに質疑はございますでしょうか。よろしいでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、委員のほうで陳情者からの願意の聞き取り、あるいは現地調査の必要性について、御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いいたします。(「なし」と呼ぶ者あり)
それでは、今回につきましては、聞き取り及び現地調査は行わないことといたします。
では、報告事項に移ります。
質疑につきましては、説明終了後に一括して行っていただきます。
報告11、日本ジオパーク委員会におけるユネスコ世界ジオパーク再認定審査の事前確認結果について、古川山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館長の説明を求めます。
●古川山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館長
報告資料の2ページをお願いします。
ユネスコ世界ジオパークの再認定については来年度予定されているところですが、それに先立ちまして先月10月に日本ジオパーク委員会による事前確認が行われました。その結果通知が11月6日付でありましたので報告するものです。
結果通知については、3ページ、4ページにつけておりますので、詳細についてはそちらを御覧願います。その結果通知ですが、総評、評価できる点、今後の課題・改善すべき点という3項目に分けて記載されています。総評については、協議会の構成主体と事務局のジオパークの理念への理解と共有が不十分である。協議会と事務局はジオパーク活動に取り組む人たちをつなぐ役割を果たせていないといった組織に関わる項目と、石の販売を含めました指摘された課題を一部の地域、関係者の問題と捉えずに、ジオパーク全体で議論し解決に向かってほしいとのコメントがございました。
今後の課題・改善すべき点ですが、緊急に着手ないし解決すべき課題、これ来年5月までとされています。これは来年5月から8月までの間に世界再認定の審査が行われることが想定されますので、5月までということになっています。これに関しましては、地質物品の販売に関して具体的な解決策の合意に至らない場合でも問題解決に向けた行動計画を策定し、できる限りの行動を取り続けること。協議会が運営団体として機能し、ジオパーク全体をコーディネートできる事務局運営体制の具体的な改善を行うことが特に示されています。そのほか、できるだけ早く解決すべき課題、中長期的に解決すべき課題として、ネットワーク活動への積極的参加などが上げられています。
今後の対応ですが、石の販売については行動計画を策定し、それに基づいた行動を取ること。運営体制の強化については、組織の法人化に向けて検討を行うことを、来年1月にユネスコにプログレスレポートを提出しますので、そこに記載することといたしています。
なお、法人化の検討については、市町の首長さんを含めた構成県市町の会議を今月20日に行いまして、法人化を検討することということで全会一致で合意を得たところです。
◎西村委員長
次に、報告12、鳥取県環境管理事業センターへの補助金支出に係る住民訴訟の判決について、後藤田循環型社会推進課長の説明を求めます。
●後藤田循環型社会推進課長
5ページをお願いします。
鳥取県環境管理事業センターへの県の公金支出が不当であるとして住民訴訟がございましたが、鳥取地裁の判決がございましたので、その概要を報告します。
概要です。原告は10名の住民の方で、被告が知事です。請求要旨は、センターが周辺整備計画の策定準備事業を行っていますが、その委託のために支出した275万円について、県から受けた公金(補助金)から支出することは違法であることから、県はセンターに対してこれらを請求することという内容。
もう一つが、センターが県から交付金を受け取ったのは不当利得であることから、県はセンターに対し返還義務の履行を命じなければならないという要旨です。
判決は、原告らの請求を棄却するという内容です。
争点と裁判所の判断です。争点は大きく2つに整理をされておりました。争点の1つ目は、補助金交付に関するセンターの不法行為の存否です。こちら、裁判所の判断としては、こちらもポイントが2つあります。1つ目のポイント、(1)と書いてあるところですが、廃棄物の処理施設設置促進条例や設置手続条例の違反が認められないということです。こちら、原告は、対象外の自治会があるのではないかという主張でございましたが、違反は認められないということでした。
ポイントの2つ目が、最終処分場の設置が禁じられた土地にそれを設置するものであるとは認められないことという判断です。こちらは原告としては、開発協定を根拠に主張をされておられたわけですけれども、ここで言う開発協定というのは、産業廃棄物の処分場のお隣、予定地のお隣にあります一般廃棄物の最終処分場に関係した旧淀江町、現米子市と事業者の開発協定です。これについても認められないという判断でして、以上の2つのポイントから違法性や、あるいはそれを前提とした不法行為は認めることができない。よって、県がセンターに対して損害賠償請求権を有しているとは認められないというのが1つ目の争点の裁判所の判断です。
争点の2つ目、補助金交付に関するセンターの不当利得の存否です。こちら、原告が主張する不当利得の具体的な内容は、争点の1番目でございました、違法性と同様の内容でしたので、少なくとも不当利得の成立要件のうち法律上の原因がないことの要件を欠くことになることから、県がセンターに対して返還請求権を有しているとは認められないということで、以上の2つの争点の判断から棄却ということになったものです。
なお、原告側は11月6日付で控訴をしたということです。関係書類、まだ県に届いておりませんが、内容を精査し、適切に対応したいと考えています。
◎西村委員長
次に、報告13、鳥取県犯罪被害者に寄り添う支援のあり方検討会(第3回)の概要について、小寺生活環境部参事の説明を求めます。
●小寺生活環境部参事(くらしの安心推進課)
報告事項6ページを御覧ください。10月16日に第3回目の検討会を開催しましたので、その概要を報告します。
検討内容については、第2回検討会までの意見をまとめた検討案を示して、委員から意見をいただきました。点線で囲った部分が検討案で示した概要となります。組織の体制案として県に犯罪被害者支援に係る総合相談窓口を設置してワンストップで支援を行うといった検討案であったり、新たな機能案ということで、支援のコーディネート、個別事案の支援内容を調整する支援調整会議の設置といった機能を示しました。委員の主な意見としましては、事件直後の混乱期は自覚していない困り事も多くあるので、アウトリーチによる支援は大事であるといったことであったり、市町村の位置づけを明確にして、市町村との連携も検討してほしいという意見をいただきました。
(2)の支援施策の充実については、経済的支援の検討案として、被害直後から必要となる医療費などの費用を支援であったり、日常生活に支障が生じる場合の家事援助の費用を支援であったり、そのほかカウンセリング、法律相談の無料回数の拡充といったことを示しました。委員の主な意見としては、見舞金や医療費等の支援は県が一括して支給する仕組みを再構築すべきであったり、生活再建という意味でファイナンシャルプランナーなどの相談も支援に含めてはどうかという意見をいただきました。
(3)支援対象とする被害者の範囲ということで、経済的支援は過失を含む犯罪による死亡であったり不同意性交の被害者、特殊詐欺被害者を対象とするということを示しました。委員の主な意見としては、過失による被害であっても被る被害の影響には変わりないといった意見であったり、特殊詐欺被害の支援は個別に判断する必要があるのではないかという意見をいただきました。
今後のスケジュールについては、1月に第4回の検討会を開いて、2月に取りまとめを行いたいと思っています。
◎西村委員長
次に、報告14、盛土規制法に基づく規制区域の指定について、森山まちづくり課長の説明を求めます。
●森山まちづくり課長
7ページをお願いします。
盛土規制法に基づく規制区域の指定に当たり、法に基づく基礎調査の結果や盛土アドバイザー、市町村等の意見を踏まえて規制区域の指定案を取りまとめましたので、報告します。
(1)法の概要ですが、法では規制区域内の盛土等が規制されます。規制区域については表のとおり、宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域の2つの区域があり、人家、人口が密集する区域を宅地造成等工事規制区域、残りを特定盛土等規制区域として指定することができます。宅地造成等工事規制区域は、表の許可規模のところを御覧いただきますとおり、特定盛土等規制区域より小規模な盛土から許可が必要になっています。
(2)規制区域の考え方です。規制区域は盛土条例が県内全域を規制していることを踏まえ、鳥取市以外の全域を県が、鳥取市の全域を市が規制することとしています。(1)の宅地造成等工事規制区域の考え方については、DID地区を基本とした区域としています。それ以外のところを(2)の特定盛土等規制区域として区域を指定します。指定日については(3)のとおり、令和6年1月1日、市と同日ということにしています。
今後の予定としましては、令和5年12月に鳥取市が市の条例を制定されます。県はそれに伴って市の区域を県条例から適用除外します。令和6年1月から県と鳥取市において法に基づく盛土の規制が開始されます。
◎西村委員長
報告15、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告については生活環境部資料のとおりであり、説明は省略します。
執行部の説明は以上です。
ただいままでの説明について、質疑等はありませんか。
○市谷委員
5ページの環境管理事業センターの補助金の裁判です。1つ目、この促進条例及び手続条例の違反は認められないことという意味がよく分からないのです。条例が2つあって対象にしているものがそれぞれ違うということから来ているのかなと思うのですけれども、分かるように説明していただけないでしょうか。2つ目の開発協定です。旧淀江町と環境プラントとで協定は交わされていて、目的外使用してはならないという協定になっているのですけれども、それで今は一般廃棄物の最終処分場になっていて、それを目的が違う産廃の処分場にするというのは目的外使用になるのではないかと思うのですが、それに拘束されないと書いてあったり、協定内容の変更に関する約定が設けられているって、それだったら協定内容の変更をしないといけないのではないかと思うのです。違法ではないという説明にしては、これは何かおかしいと思うのです。もう少し説明していただけないですか。
●後藤田循環型社会推進課長
まず最初に御説明する点としましては、これは裁判所の判断を基本そのまま記載をしておりますので、その点をまず御了解をください。
まず、促進条例と手続条例ですけれども、委員も御承知のとおり、手続条例というのは廃棄物処理法の許可申請の前に地元住民への説明等を行う、そして意見を交わして理解を得るという、そういう目的のものでして、その中で説明すべき範囲が決まっているというところでこの条例の内容が確認されたということです。
一方、促進条例については、今ではなくて今後、許可後での話ですけれども、地元に地域振興等の交付金が払うことができるようなそのような条例ですが、それについても一定の範囲というものが決まっておりますので、その範囲外に対して周辺整備の策定準備の交付金、補助金等を支払ったということであれば違法ではないかということで、裁判所でその内容について精査をしたというものです。
2つ目の開発協定については、目的外使用については、まず、先ほども御説明したとおり、この協定というのは旧淀江町、米子市と事業者さんが締結した協定です。この両者の御意向が米子市の市議会で説明がされていますけれども、現時点で基本的に協定の変更は必要ないと。ごめんなさい、その前に、淀江の産業廃棄物の処分場の計画地は、開発協定の用途制限の区域に含まれないということで、これは米子市の議会でもそのような発言がございますので、そのように我々としても理解をしているところです。変更については、先日お電話でもお話ししたとおり、変更が要るかどうかについては協定の当事者である米子市と、それから環境プラント工業さんが御判断すべき内容かなと考えているところです。
○市谷委員
協定の変更に関する約定が設けられている、つまり協定変更すればいいのだという話だと思うのですけれども、それだとアで、これ淀江との協定なのだから米子は関係ないのだという理屈と、このアとイって整合性がないと思うのです。
●後藤田循環型社会推進課長
これも裁判所の判断ですので、私からどうこうという話ではないかもしれませんけれども、アについては基本的に、今先ほども申し上げたとおり、米子市と、それから環境プラントの間の合意であるからということです。イについては、協定の内容は今回の淀江の案件以外にも当然あり得る話でして、何らかの協定の変更が必要なことがあった場合に変更できるという規定がこの協定の中にあるというそういう意味です。
◎西村委員長
ほかに質疑はございますでしょうか。
○広谷委員
山陰海岸ジオパークの関係です。組織の見直しというか体制の見直しは、法人化に向けて自治体が合意したということですけれども、例の岩石の販売に関して、問題解決に向けた行動計画を策定し、できる限りの行動を取り続けることというのは、これ日本ジオパーク委員会がそのように言ったのであって、世界ジオパークネットワークがこれでオーケーだということは言えるのか。その辺が心配なのだけれども、どうでしょう。
●古川山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館長
委員がおっしゃるとおり、これはあくまで日本ジオパーク委員会がこうしたほうがいいのではないかというアドバイスといいますか助言です。実際に審査を受けて結果がどうかというのは、本来基本的には別の話なのですけれども、ただ、我々も日本ジオパーク委員会、あるいは世界ジオパークネットワーク等々に今こういう状況だということで検討状況をお伝えしながらやっておりますので、そうした中で販売事業者と合意に至らないまでもそうした事例を、周囲、周辺エリアに説明する。あるいはジオパークの理念を伝えることでそうしたプロセスが大事だということもお聞きしますので、必ず100%大丈夫とは言えませんが、ある程度はそうした方向でジオパーク委員会の方針に沿った格好で動くということがよろしいのではないかと考えています。
●中村自然共生社会局長
少し補足します。今、館長が申しましたけれども、なかなか一朝一夕に進む話ではないと思っています。解決に向かって努力することが非常に重要だと、日本の委員会は言っています。今度推進協議会の事務局長は、ユネスコ世界ジオパークと面談することになっています。その中で現状を説明しながら、どこまでのレベルを求められるかというところをはっきり探ってくることになっておりますので、いましばらく結論までには時間がかかろうかと思っています。
○広谷委員
再審査が来年6月、7月、半年後ぐらいですよね。だからそれぐらいまでにはある程度具体的な方向性を出さないといけないのではないかと思っていますので、行動を取り続けることだけでそれでいいのであればそれでいいと思うのだけれども、やはりある程度具体的な結論なり方向性を出さないといけないのではないかと思うので、大変だと思うけれどもしっかりその辺りも含めてやっていただきたいなと。
◎西村委員長
ほかに質疑等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
その他ですが、生活環境部に関して、執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
意見が尽きたようですので、以上をもちまして福祉生活病院常任委員会を閉会いたします。
午後3時34分 閉会
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