ブラジル連邦共和国サンパウロ州第二アリアンサ鳥取村が入植から80周年を迎えることを記念し、7月22日に同村自治会館において記念式典が開催されました。同村は、1926年に鳥取県海外協会が土地を購入して移住者を送り込んだ歴史を持つ鳥取ゆかりの地となっています。 この式典に参加するため、藤井副知事を団長とする鳥取県団及び石黒議員を団長とする鳥取県議会団がブラジルを訪問し、第二アリアンサ地域住民をはじめ、ブラジル鳥取県人会、パラグアイ鳥取県人会、ニューヨーク鳥取県人会との交流、意見交換等を行った結果は次のとおりです。 |
1 派遣期間 7月19日(水)~26日(水) 4泊8日(機内3泊) |
2 主な日程 7月19日(水)成田空港からサンパウロへ 7月20日(木)サンパウロ到着。日本移民開拓先没者慰霊碑参拝、 ブラジル日本移民史料館等視察、在サンパウロ日本国総領事館訪問、 ブラジル鳥取県人会との意見交換 7月21日(金)第二アリアンサ鳥取村訪問 (地域住民との交流(野球交流)、意見交換等) 7月22日(土)第二アリアンサ鳥取村入植80周年記念行事参加 (慰霊法要、記念式典、交歓会、農場・日本語学校視察等) 7月23日(日)日本祭「フェスチバル・ド・ジャポン」視察 7月24日(月)パラグアイ鳥取県人会との意見交換 7月25日(火)サンパウロから成田空港へ 7月26日(水)成田空港着
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3 派遣議員 石黒 豊、上村忠史、石村祐輔、内田博長、藤縄喜和
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4 随行者 鳥取県議会事務局 議事調査課 主幹 金涌文男 総務課秘書室 副主幹 田中 稔 |
今回の訪問を通じ、第二アリアンサ鳥取村、サンパウロを拠点としたブラジル鳥取県人会をはじめ、各海外県人会が鳥取県との繋がりをもとに文化の継承や人の繋がり等鋭意活動し、会員同士も相互連携しつつ誇りを持って自己啓発に取り組んでいる様子が窺われ、今後も海外県人会との連携を強化していく必要性が感じられた。 第二アリアンサ鳥取村入植80周年記念式典は、第二アリアンサ住民のみならずサンパウロ等ブラジル国内各地域より約700名の参加者を得て盛大に開催され、同記念式典が日系人全体としての重要な行事と位置づけられている様子が窺われた。訪問団も非常に温かく迎えられた。 同時に、南米各地域の鳥取県人会は会員の高齢化が進んでおり、今後次世代の人材育成など継続的かつ自立した交流へ向けての支援をさらに実施すべきと感じられた。 |
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(1)第二アリアンサ鳥取村入植80周年記念式典(於:同村自治会館等) ○佐藤(さとう)勲(いさお)・第二アリアンサ日系文化体育協会会長、ミランドポリス郡長、同郡議会議長等第二アリアンサ鳥取村の関係者約700名並びに今次訪問団が出席し、慰霊法要に引き続き入植80周年記念式典が開催された。また、入植80周年を記念し新たに自治会館横に新屋根が設置され、除幕式を行った。
○記念式典において、訪問団が持参した入植80周年に際しての片山知事ビデオメッセージが流された。
○入植80周年を記念し、鳥取県団及び鳥取県議会団より、日本語教材購入、自治会館改修等に利用していただくために50万円ずつの寄付を行った。
○交歓会では、日本語学習者や県人会有志により学習成果の発表や日本の郷土芸能の披露が行われ、鳥取の文化が受け継がれているとの強い印象を受けた。
○第二アリアンサ鳥取村には、平成6年度から日本語学校の教師1名を派遣しているため、日本語学校視察、生徒との交流並びに農場視察等を通じ、その活動状況の視察を行った。同村関係者からは、日本語教師派遣制度の継続に対する強い(切実な)要請があった。
○第二アリアンサ鳥取村の方々は、母県である鳥取県の訪問団とふれあうことで感激され、県出身でない方々も鳥取村の住民であるという意識を持っている様子が強く窺われた。
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(2)第二アリアンサ鳥取村地域住民との交流及び意見交換会 ○鳥取県議会がこれまでに第二アリアンサ鳥取村の野球チームに対してグローブ等野球道具の寄付等を通じた交流を行ってきた経緯があり、入植80周年記念祭典の一環として訪問団と第二アリアンサ野球チームとの交流試合を行った。
○試合は13対1と訪問団の完敗であったが、応援を含めて多くの住民が参加し、式典参加だけでは得られない地域住民との密接で温かい非常に充実した真の交流行事となった。
○最後に鳥取県議会チームのユニフォームを記念に贈呈したところ、鳥取の文字の入ったユニフォームを是非ブラジルの大会で使用したいとのコメントがあった。 |
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(3)ブラジル鳥取県人会との意見交換会 ○カトウ会長、本橋(もとはし)副会長らをはじめとする鳥取県人会幹部等約50名の参加を得て意見交換を行った。その際、2008年度に予定されているブラジル移住100周年記念式典への知事、議長をはじめ鳥取県からの訪問団の派遣につき要請があった。 【その他協議項目】 ・県費留学生、技術研修員訪日事業について ・今年度中堅リーダ派遣事業の実施について 等
○昨年、開設10周年を迎えたブラジル・鳥取交流センターを訪問し、視察を行った。日本語教室をはじめ、多種多様な文化教室が開講されており、ブラジル鳥取県人会の重要な活動拠点として活用されていることを改めて認識した。
○40年間で今年度を含め52名の県費留学生が、県内の大学・研究機関に留学しており、これらの人々がブラジル鳥取県人会の中核メンバーを構成し、その活動を支えておられた。 |
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(4)その他 ①在サンパウロ日本国総領事館訪問 西林(にしばやし)万寿夫(ますお)総領事からブラジル国内の情勢及び日系人社会の実情の説明を受けた後、意見交換を行った。ブラジル鳥取県人会としても総領事との良好な関係を有し、連携して日系人社会の活性化に向けた活動が行われている。また、県費留学生、技術研修員事業の継続を支持する発言があった。
②ブラジル日本移民史料館視察 日系移民に関する史料が展示されている施設の見学を行った。その中で昭和初期の鳥取からの移住者の生活の厳しさを十分理解することができた。
③日本移民開拓先没者慰霊碑参拝 開拓先没者慰霊碑に献花するとともに、参拝を行った。
④日本祭「フェスチバル・ド・ジャポン」視察 ブラジル日本都道府県人会連合会が中心となって組織する日本祭実行委員会(カトウ会長が委員長を務める)が主催する日本を題材とした祭りを視察するとともに、訪問団全員が特設ステージに登壇し、藤井副知事、石黒議員が挨拶と県のPRを行った。各県人会毎にブースを設置しており、ブラジル鳥取県人会も郷土料理の提供等を実施していた。
⑤パラグアイ鳥取県人会との意見交換 県議会団としては初めて、パラグアイ共和国イグアス移住地を訪問し、鳥取県人会の方々との交流、意見交換を行った。また、農業協同組合、農場、県人会会員宅等の視察を行った。
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(参考)第二アリアンサ鳥取村の概要 1 世 帯 数 34世帯 約150人(うち鳥取県関係3世帯)
2 代表者等 第二アリアンサ鳥取村日本自治会 会 長 佐藤(さとう) 勲(いさお)(長野県人) 副会長 中尾(なかお)秀隆(ひでたか)(鳥取県人) ブラジル鳥取県人会第二アリアンサ支部 支部長 細田(ほそだ)英夫(ひでお)(鳥取県人)
3 移住経緯 1924年(大正13年)に信濃海外協会がサンパウロ州ミランドポリス郡に5,500町歩(1町歩=1万m2)の土地を購入して移住者を派遣。これに続き、鳥取県海外協会、熊本海外協会、富山県移民協会などが相次いで隣接地に土地を購入し、一大移住地を形成。鳥取県も3,000町歩の土地を購入し移住者を派遣。 なお、「アリアンサ」とはポルトガル語で「共同・同盟」を示す。 |