議員の派遣状況(18年度)

中国吉林省訪問団

 鳥取県は、環日本海交流を県の最重要施策に位置づけ、対岸諸国との交流を推進しており、中国吉林省と平成6年に「友好交流に関する覚書」を調印して交流を実施しているところである。このたび、友好関係にある吉林省人民代表大会を表敬し、議会関係者同士での相互理解をさらに深めるとともに、吉林省で開催された「北東アジア地域国際交流・協力地方政府サミット」、「北東アジア政府美術・写真展」、「北東アジア投資貿易博覧会」及び長春市・北京市の経済事情等について調査を行った。
 
1 派遣期間
  8月31日(木)~9月5日(火) 
2 主な日程
  8月31日(木)岡山空港発-(仁川経由)-長春空港着
           吉林省人民代表大会常務委員会遇文書副秘書長主催夕食会
  9月 1日(金)北東アジア地域国際交流・協力地方政府サミット
           北東アジア地方政府美術・写真展 開幕式
           長春ハイテク産業開発区 視察
           北東アジア投資貿易博覧会歓迎会
  9月 2日(土)北東アジア投資貿易博覧会 開幕式
           北東アジア投資貿易博覧会展示館 視察
           吉林省人大常務委員会張恩祥副主任表敬
           吉林省人大常務委員会張恩祥副主任主催昼食会
           偽皇宮視察
           中国共産党吉林省委員会王雲呻書記主催夕食会
           北東アジア投資貿易博覧会「文芸の夕べ」
  9月 3日(日)長春空港発-北京空港着
           北京市計画展覧館 視察
  9月 4日(月)天安門広場・故宮博物院 視察
           クレア北京事務所長との意見交換会(昼食)
           北京空港発-仁川空港着
  9月 5日(火)仁川空港発-米子空港着
3 派遣議員
  初田 勲、米井 悟、 斉木正一、安田優子
4 随行者
  鳥取県議会事務局 副主幹 橋本久雄、副主幹 山根貴徳
  鳥取県文化観光局 交流推進課 国際交流員 胡 敏(フー ミン)
 

地方政府サミット


1 第十一回北東アジア地域国際交流・協力地方政府サミット
○このサミットは、過去十年間の開催で、各国自治体の共通認識や協力体制が出来上がっており、北東アジア地域の共同発展策として、経済・貿易・経済情報・先端技術・大学・青少年・環境などの各分野での交流促進を図ることで合意された。大変内容の濃い、充実した会議であった。
○但し、地方地域間のサミットである故、やはり国家の枠の中での施策となり、地方独自での事業は限定されると考える。その意味では、今後の日本政府の外交努力に期待したい。
○将来に向けての人事交流や文化芸術、科学技術等を通して各国地方間の連携をさらに深めるための場づくり、催しを根気よく続ける必要がある。
○片山知事から提案のあった、鳥インフルエンザの共同研究の実施等、具体的に協力・連携出来るものから具現化していくことが重要と考える。
○第十二回サミットは、来年度鳥取県で開催される予定であり、さらに充実したサミットとなるよう県議会としても協力したい。
 


貿易博覧会

2 第二回中国吉林・北東アジア投資貿易博覧会
○中国商務部が主催する国家級の博覧会であるが、出展スペースに限りがあるためか、鳥取県を含む出展の各国は、吉林省との将来に向けての経済交流のかかわりを持とうという程度の出展であり、あまり力を入れているとは思わなかった。
○鳥取県からは、8企業から出展されており、二十世紀梨、澤井コーヒー、氷温技術を利用して保存した魚などの展示が目を引いた。商談の成約はなかったとのことであるが、中国への可能性を感じた企業関係者の声も聞かれており、今後の県内企業の市場拡大に期待したい。
 


3 長春ハイテク産業開発区
○長春ハイテク産業開発区は、中国の53箇所の開発区の1つに組み込まれ、膨大な規模で急激に発展している。すでに全体で2千社余りが各国から進出しているとのことである。
○この開発区が図們江開発区と連携を強化するとの事であるので、鳥取県の交易の拠点とするため、早急に対処すべきと考える。

 


美術・写真展

4 第八回北東アジア地方政府美術・写真展
○それほど大きな展覧会ではないが、中国が芸術に力を入れていることを感じ、又、各国の美術芸術にも関心を示そうとしている事が伺えた。
○鳥取県からも写真、書道、絵画合わせて20点が出展されており、特に前副知事の沖正さんの「漁村風景」の写真や小穀悦夫さんの「知夫赤壁」の絵を見た時はうれしく、感慨深かった。


 


北京市計画展覧館
5 北京市計画展覧館
○これからの北京の現代化都市計画案が一望できるよう市街地を750分の1で再現した巨大模型が展示されており、建築中の五輪メーンスタジアム、緑色美化や交通改善の状況など、これからの北京の都市計画案が一望できるものであり、大変参考になった。
○今、北京市は、2008年のオリンピック開催に向けて、大工事中であり、その力強さや勢いは目を見張るばかりで、丁度、日本の昭和39年のオリンピック当時以上の意気込みが感じられた。
 

吉林省人大常務委員会張恩祥副主任表敬
 「友好交流に関する覚書」を調印してから12年目を迎えた吉林省を訪問し、本県と吉林省との友好交流をさらに深め、次世代につながる交流を今後も進めていくことをお互いに確認できた。訪問前には、首相の靖国神社参拝の報が伝わり、訪問日程への影響が懸念されたが、人民代表大会関係者の熱烈なる歓迎にその懸念は払拭され、互いの立場や認識を理解し合う絶好の機会となったことは、今回の吉林省訪問の大きな意義であったと感じた。
 また、長春市のハイテク産業開発区を視察し、さらに、財団法人日本国自治体国際化協会(クレア)北京事務所において現地での経済状況を見聞きし、拡大を続ける中国経済の実態を感じることができたことは、中国の経済事情に対する正確な理解、認識のために有効であった。
 現在の日中関係は、「政冷経熱」とも言われており、貿易や投資を中心とした経済関係は益々結びつきを深めており、米国と並んで、中国は日本にとって最大の貿易相手国となっている。
 二十一世紀は中国の時代と言われているが、今回の訪中により、その感を一層強くした。やはり、中国は世界を見つめており、日本にとっては、すべてにおいて大きなライバルであると同時に、大きなチャンスであると捉えて、中国との協力、連携は強化すべきと考える。
 極めて意義深かった今回の訪問を、今後の議会活動に活かしていきたい。
 

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