湖沼利活用調査特別委員会 県内調査の概要報告 |
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1 調査日時 平成18年9月21日(木)
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2 調査会場 ○湖山池 湖山水門(鳥取市賀露) 湖山池漁業協同組合(鳥取市湖山町南) 湖山池公園(鳥取市湖山町南) 吉岡クリーンセンター(鳥取市良田) 水質浄化実験水路(鳥取市金沢) ○東郷池 橋津川水門(湯梨浜町上浅津) アシ(ヨシ)植栽地(湯梨浜町宮内) あやめ池公園(湯梨浜町藤津) 東郷湖漁業協同組合(湯梨浜町上浅津) |
3 調査委員 伊藤委員長、長岡委員、稲田委員、生田委員、前田委員、中尾委員
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4 随行者 鳥取県議会事務局議事調査課 主幹 田中重信、 副主幹 橋本久雄 |
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今回の県内調査は、特別委員会の検討対象となっているもののうち鳥取市にある湖山池、湯梨浜町にある東郷池について農林水産部、県土整備部、生活環境部及び関係団体等から現状や問題点について説明を受けながら現地調査を実施しました。
湖山池については、湖山川河口近くの「水門」、「湖山池漁業協同組合」、湖山池公園の「山王団地のビオトープ」、鳥取市良田の下水処理施設の「吉岡クリーンセンター」及び鳥取市金沢の「水質浄化実験水路」を調査しました。 「水門」では、水門が出来た経緯とその必要性、湖山池の水の用途及び湖山池での漁業について説明を受けました。水門の調節により湖山池の塩分濃度を調整し、現在、塩分導入試験を行っているとのことでありました。湖山池の一番の問題は、湖山池の水を稲作に利用していること、漁業として利用していること、この2つの相反する塩分濃度の水を一緒に使用しようとすることが難しい問題であります。 現在、塩分導入試験を行っているところであり、今後どのような結果が出るか注視していきたいと思います。 「湖山池漁業協同組合」では、現在の湖山池の現状と課題について説明を受けました。以前と比べて漁獲量が激減している状況、捕れた魚も異臭があり商品にならず休漁したこと、シジミの養殖に取り組んでいるがなかなかうまくいかないこと等漁業の厳しい現状を聞きました。湖山池の水が汚れている原因は、下水処理水の流入、農業排水、ヒシの増殖等があげられ、これらを解決する方策が必要であることを感じたところであります。 「山王団地のビオトープ」では、地域の団体ともに水質浄化に取り組んでいる事例の説明を受けました。 「吉岡クリーンセンター」では、現在の汚水処理状況、今後の下水処理計画について説明を受けました。また、この施設の近くの湖山池にはヒシが池一面に繁殖しており、ヒシの湖山池の水質に対する影響がどのようなものなのか疑問をもったところであります。 「水質浄化実験水路」では、水質浄化の試験設備の説明を受けました。
東郷池については、橋津川河口近くの「水門」、湯梨浜町宮内の「ヨシの植栽地」、湯梨浜町藤津の「メダカ遊園池」及び「東郷湖漁業協同組合」を調査しました 。 「水門」では、水門の調整により東郷池の塩分濃度を調整していること、また、過去において塩水を入れると東郷池の水質が悪くなると鳥取大学がシミュレーションしたが、試験的に塩水を入れてみたらシミュレーションとは異なる結果となったことの説明を受けました。現在は、塩分濃度の調整により過去によく採れていたシジミがまた採れるようになり、漁業に活気が出てきたところであるとのことでした。 塩分導入実例の好ましい事例として参考となったものであります。 「ヨシの植栽地」では、水質浄化に役立つヨシを東郷池周辺にもっと増やし、湖を綺麗にしていくことを考えておられる「メダカの会」の方から説明を受けました。現在の状況は、池の中に生えているヨシはほんの一部であり、もっと水と接する池の中に生やす必要があるが、池の護岸が遮っている状況であります。護岸の必要性とヨシの必要性を検討することを感じたところであります。 「メダカ遊園池」では、東郷池に生息しているメダカを通してメダカ保護、東郷池の自然保護についての活動の説明を受けました。 「東郷湖漁業協同組合」では、シジミの生産状況について説明を受けました。過去においてシジミは多く採れていたが、数年前までは採れなくて激減していた。しかし、シジミ育成の改善策がわかり、生産量は年々増加しているとのことであります。東郷池のシジミは、粒も大きく、色も黒くてよく、味も良いと評判であり、今後もシジミ漁には期待しているとのことでした。漁業の復活事例として参考となりました。 東郷池は、湖山池と異なり、池の水を稲作に利用してないため問題点が少ないものであります。 |
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