平成19年度会議録・活動報告

平成20年1月21日会議録

出席者 委員長
副委員長
委員
藤縄 喜和
浜崎 晋一
市谷 知子
澤 紀男
伊藤 保
松田 一三
廣江 弌
村田 実
山口 享
横山 隆義 
 
 


以上 出席委員  10 名
欠席委員   0 名
 


説明のため出席した者
  中永教育長、田中福祉保健部長、石田生活環境部長、坂出病院事業管理者
  外次長、課長、関係職員

職務のため出席した事務局職員
  野川主幹  山本主幹  田中副主幹

1 開会  午前10時01分

2 休憩  午前11時21分

3 再開  午前11時25分

4 閉会  午後1時15分

5 司会  藤縄委員長

6 会議録署名委員      村田委員    市谷委員

7 付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり
 


午前10時01分 開会

◎藤縄委員長
 ただいまから教育民生常任委員会を開会させていただきます。
 簡潔に大きな声で説明、質問、答弁をお願いしたいと思います。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 今回の常任委員会は、最初に教育委員会、次に福祉保健部、病院局及び生活環境部の順に行います。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 本日の会議録署名委員は、村田委員と市谷委員にお願いをいたします。
 それではまず初めに、教育委員会の議題に入ります。
 質疑は、説明が終了してから一括して行っていただきます。
 議題(1)平成20年度に向けた主な組織案の概要について、田中教育総務課長の説明を求めます。

●田中教育総務課長
 失礼します。そうしますとお手元に「20年度に向けた主な組織案の概要」という資料がございますが、そちらの方をごらんをいただきたいと思います。
 これは各部局ごとで、組織においてかかわるところの内容をそれぞれの常任委員会で説明させていただくということであります。
 教育委員会関係は8ページにあります。一番最後のページをごらんをいただきたいというふうに思います。さほどその項目が多いわけでございません。(17)というところです。少子化時代に対応する高校教育改革を推進する体制を整備ということで、高等学校課内に「高校改革推進室」を設置いたします。これは平成24年度以降、高校教育改革の新たな実施計画を策定する関係と、現在進めております中高一貫教育校の設置の検討、こういったようなことを進めていこうというものであります。
 (18)の文化に関する業務を知事部局へ移管ということで、教育委員会が所管しておりました県展や文化芸術事業など県民の芸術文化の振興に寄与する施策、こういったものを知事部局に移管します。現在の文化課という名称を「文化財課」に改称し、文化財の保護、保存であるとか地域にある、そういった文化的価値の掘り起こしや情報発信、こういうところに力を注いでいこうというものであります。
 (19)のその他の組織整備の中の下から2つ目の丸であります。現在特別支援学校の管理、指導については、特別支援教育室で行っておりますが、これにつきましても現在教育審議会で議論もしておりますが、特別支援教育の充実を図るということで課の体制に持っていくというものであります。
 一番下の家庭・地域教育課内に生涯学習振興室がございますが、生涯学習の施策が定着をしてきているということで、担当化という形にしまして、家庭や社会、地域の教育の方にもっと力を注いでいくような体制に持っていこうというふうに考えているところでございます。
 一番頭に戻っていただきまして、これは全部局共通の部分であります。頭の2つ目、(2)のところの個別の業務・権限を持たない中間管理層を見直した組織に整備というところの丸の2つ目でございます。本庁各課の総括課長補佐は、大体各課に1名か2名おりますが、その者につきましては部局の主管課など特殊業務を持つ者を除き原則的に廃止をするということで、担当を持たせて「補佐兼主幹」といったような位置づけにするといったような組織の見直しが全庁的に考えられております。

◎藤縄委員長
 続きまして、議題(2)白兎養護学校訪問学級整備に係る鳥取医療センターとの協議経過について、徳田特別支援教育室長の説明を求めます。

●徳田特別支援教育室長
 教育民生常任委員会資料、教育委員会の1ページ目をお開きください。これまで白兎養護学校訪問学級整備につきまして御報告してまいりました。併設型で整備をしていってはどうかという議論をしているところまで御説明してきたかと思いますが、その後の経過状況について御報告いたします。
 そこに地図が載っていると思いますが、ブルーの部分が今回鳥取医療センターの重心病棟が新築される場所です。現在のちょうど玄関の前の駐車場に3階建ての新病棟が建設される予定となっております。
 その横に赤い枠で囲っているところがあると思いますが、今回の白兎養護学校訪問学級を併設するというところで、新病棟の西側にこのようにつける形で今整備を検討しております。だんだんと形が見えてまいったところでございます。
 訪問学級の建物の概要につきましては、最大面積を300平米にするということで今計画を検討中であります。
 構造は、新病棟3階建てに対しまして、私どもの方は子供の状況もかんがみ、平屋建てとします。
 この中の主な部屋といたしましては、授業を主にする多目的教室、それからスヌーズレンという、これは重度の知的障害のある人のために考えられた活動をする部屋でございまして、直接に感覚、要は聴覚だとか視覚だとか皮膚だとか、こういうところへの刺激を通して子供たちに教育していきます。光や音、それから触覚素材、そういうもので刺激をしていきますので、そういうことのできる施設整備が必要かというふうに考えております。また、地図の下の方に赤紫色の部分が今の職員室があるところですが、やはりこうして見ますと遠いところになりますので、この新しい建物の中に職員室も整備したいというふうに考えております。そのほかトイレでありますとか手洗いをする場所というような細々したところが多少つくということで、最大面積は300平米になります。
 スケジュールですが、現在鳥取医療センターは国立病院機構本部に今の状況を申請中でございまして、まだ承認が出ておりません。承認待ちの状況です。今回は鳥取医療センターと一体型ですべて整備をしていこうという考え方でございますので、まだなかなかその概要の詳しいところが見えてまいっておりませんので、予算関係につきましても全体が把握できているわけではございません。今々必要なものは来年度の建築、造成あるいは設計、整備に係る設計部分については急ぎますので、そのあたりが予算要求の対象になるのではないかというふうに現在のところ考えております。
 ごらんいただきまして、施設整備は訪問学級の建物、これは病院側も同じですが、平成22年2月末を予定しております。病院側も私どもも、どちらも平成22年4月から使用したいという計画を持っております。工期は、大体平成21年度で建ててしまおうというような状況になるのかと、今の計画段階では把握しております。
 今まで申し上げましたように、費用の方が明確ではございませんので、ひとまず造成の設計等に係るところを平成20年度当初の予算要求をしていけたらいいかなというふうに思っておりますし、鳥取医療センターと協議を行いながら、わかり次第、必要に応じて順次補正でありますとか平成21年度当初の予算要求をしていきたいというふうに考えております。
 なお、白兎養護学校の訪問学級の保護者等に対する説明会につきましては、2月の上旬をめどに実施していきたいというふうに考えております。

◎藤縄委員長
 続きまして、議題(3)中高一貫校の設置に係るパブリックコメントの実施について、(4)平成21・22年度県立高等学校の学科改編等について及び(5)平成20年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況について、山口参事監兼高等学校課長の説明を求めます。

●山口参事監兼高等学校課長
 それでは、資料の2ページをお開きください。中高一貫校の設置に係るパブリックコメントの実施について、現在の状況を御報告いたします。
 現在県教育審議会におきまして「今後の県立高等学校のあり方」について検討していただいておりますが、その審議事項のうちの一つに「本県における中高一貫教育のあり方」というものがございます。来年度の早い時期に「第一次まとめ(仮称)」という形で審議会から答申をいただく予定になっております。その第一次まとめ(仮称)の参考とするためにパブリックコメントを実施しているところでございます。12月19日から1月21日、きょうまでを募集期間としております。けさの段階で100件のコメントをいただいております。
 以下、1のところにこの中高一貫教育に関するこれまでの検討の経緯というのを上げております。
 まず平成14年に、県企画部の方が事務局を務めました中高一貫教育検討委員会というのがございました。この検討委員会から知事及び教育長に2つの提言が提出されております。その提言の1つ目は、いわゆるスーパーハイスクール鳥取版というものをつくったらどうか。それからもう一つは、ゆとりを持って教育を行うということで、学ぶ喜びとか生きる喜びを感じる中等教育学校をつくったらどうか。この2つの提言がなされております。
 ここには記載しておりませんが、その後県高等学校教育審議会においても審議をされた経過がございます。(2)の鳥取県中高一貫教育検討委員会、これは県教育委員会が事務局を務めたものですが、平成16年度に5回開催しております。検討委員会のまとめでは、教育理念としてハイレベルな学習と体験による人間性の向上によるリーダー育成というような教育理念、あるいは併設型という設置形態、また設置場所は東部と中部へ設置が望ましいというまとめになっております。
 ちょうどその平成16年度に湯梨浜町内に私立の中高一貫校が設置されるというような話がありまして、この湯梨浜中・高等学校は平成18年4月に開校になったわけですが、その動向を見守るということで、この検討委員会のまとめの状態で現在に至っているところです。
 今回県教育審議会の審議事項ということで、今後の県立高等学校の在り方部会の中で、本県における中高一貫教育のあり方について、現在まで4回審議していただいております。
 その審議の経過が右側の3ページの資料1に上げております。例えば設置についてというところの2つ目の丸のところで、「現在、県内には既に私立中高一貫校が2校設置されているが、生徒や保護者の選択肢の拡大を図るためには公立でも設置することが望ましい」といったものとか、あるいは以下に載せております理念とか方向性などについて審議していただいているところでございます。
 その審議していただいている内容につきまして、県民の皆様の御意見をいただくということで、このパブリックコメントを実施しているところでございます。
 そこに上げております教育理念は、審議の結果からまとめましたものでして、日本や世界でリーダーとして活躍できる人材を育成する、学力の一層の伸長を図る、あるいはそれとあわせて体験活動や研究活動、地域の方々の交流を図る、コミュニケーション能力を育成するというようなことです。
 設置する種類は、現在ある県立高校の敷地内に県立中学校を設置する併設型の中高一貫校ということでのいろんな御意見をお伺いします。
 今後の方向性といたしましては、この県教育審議会の答申「第一次まとめ(仮称)」を来年度にいただくこととなっておりますが、それを受けまして来年度中には中高一貫校の設置に向けて具体的な検討に入りたいと考えております。その際、小・中・高校からの意見も聞きながら検討していきたいと考えております。
 次の4ページには資料2ということで、パブリックコメントでの県民の皆さんにお配りしたものを載せております。
 続きまして、5ページ、平成21・22年度県立高等学校の学科改編等についてでございます。
 現在高等学校の学科改編につきましては、これまでの大規模な教育改革、高校の再編成を含めました高校教育改革の流れの定着を図るということで、大規模な再編成を行わず3年ごとの短いスパンで学科改編の計画を作成しているところでございます。
 6ページの方をごらんいただきますと、これは以前にも記述しましたが、郡市別児童生徒数の推移でございます。全県で見ますと現在の中学校3年生、20という卒業年次ですが、そこから0歳まででは6,106人から5,029人まで減るということになり、全県において1,077人の生徒減となる見込みでございます。これは単純計算として40人で割りますと約27学級程度の学級がなくなる、減らさなくてはいけない計算となります。そういうようなことがありまして、生徒減も考えながら学科再編を行っていく必要があるということでございます。
 7ページでございますが、資料2は昨年の4月から5月に中学校2年生の生徒、保護者に対して進路希望についてのアンケート調査をしたものでございます。高校で学びたいとか学ばせたい学科はどこなのかというような意向を調査したものでございまして、普通学科に進みたいという希望が非常に高い。それからずっと見ていただきますと、工業学科には一定の希望がございます。商業学科は生徒も保護者も比較的希望する割合が少ないというようなことがあります。
 続いて、資料3の8ページでございますが、これは平成21年度から平成23年度までの県立高校の在り方に関するパブリックコメントの実施結果でございまして、これは6月8日の本常任委員会において御報告したものでございます。
 5ページにお返りいただきまして、先ほど申し上げましたように3年間の短いスパンで計画を策定しております。今回平成21年から平成23年までの計画をつくるところでございます。現在県教育審議会で平成24年度以降の長期的な県立高校のあり方について審議していただいているところでございまして、その方向性を踏まえた計画にする必要があります。平成24年度以降につながるような平成23年度の計画ということも必要ということで、今回につきましては平成
21、22年度の学科改編について検討していきたいというぐあいに考えております。
 そこの表にありますが、現在(案)としておりますが、平成21年度に鳥取中央育英高校の普通科の学級減として普通コースを1学級減に。これは中部地区の中学卒業者が減少している中で、ほかの地区に比べて普通科の設置比率が高いというようなことで、今回の学級減を考えるところでございます。
 西部地区の米子南高校の商業学科の学級減ということで、これも生徒減への対応と、それから先ほど申し上げましたが、中学生の志望する学科を考慮して行うものでございます。どの小学科を減にするのかについては現在検討中でございます。
 平成22年度は、東部地区の鳥取商業高校の商業学科の学級減については、生徒減への対応とと、中学生の志望傾向を考慮して行いたいと考えております。
 続きまして、9ページ、平成20年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況の12月末現在のものでございます。
 これは厚生労働省のまとめによるものでして、鳥取労働局の集計したものでございます。これらは公共職業安定所または高等学校を通して就職をしている生徒数でございます。
 まず(1)の求職者の状況でございますが、1,340人ということで、実数では減少しておりますが、卒業予定者に占める求職者の割合は0.3ポイント、わずかに増加しているということです。
 2つ目の枠ですが、県内就職の希望者は前年同期に比べまして2.6ポイント減少しております。県外に希望する生徒が少しふえてきているという状況です。
 (2)の求人の状況ですが、県内の求人が91人増加した。県外も増加しておりますので、県内、県外とも求人が増加しております。
 (3)の就職内定者ですが、86.5%ということで、前年同期に比べまして4.0ポイント増加しております。
 一番下に上げておりますが、2の未就職者に対する今後の対応ということで、個別の就職相談あるいは就職支援。それから今までもやってまいりましたが、ハローワークと連携しての求人開拓を継続して努力してまいりたいと考えております。

◎藤縄委員長
 続きまして、議題(6)「不登校・引きこもりの青少年の自立を支える地域づくりフォーラム」の実施結果について、松田家庭・地域教育課長の説明を求めます。

●松田家庭・地域教育課長
 それでは、10ページをお願いいたします。去る1月12日に鳥取県民文化会館の方で当該フォーラムを開催いたしました。
 開催内容といたしましては、実践発表あるいは当事者のインタビューダイアローグや、意見交換あるいは総括講演というふうな内容で実施をいたしました。
 詳しく申し上げますと、実践発表につきましては、ただいま文部科学省の委託事業を活用して事業を実施していただいている、事務局は「NPO子どもセンターぼちぼち」というところですが、県内のそういう不登校の方々を支援されているNPOの方々がネットワークをつくられて、「鳥取発子どもの居場所ネットワーク」という活動をしていただいております。その活動実践を発表していただきました。
 もう1カ所としては、「NPOフリースペースたまりば」という川崎市のNPO法人ですが、公設民営型の施設を指定管理者として受けて、不登校の子供たちを支援しているという、この取組について発表していただいたところです。
 意見交換につきましては、そこに上げております、今はもう十分に自立して活躍していらっしゃる方々に、自分の、当事者としての気持ちを意見交換していただいたということでございました。
 総括講演は、鳥取大学の小林勝年先生にお願いいたしました。
 詳しくは次ページ以降の別紙資料に載せております。
 フォーラムの参加人数ですが、125名ということで、そこに書き上げさせていただきましたとおりさまざまな分野の方々においでいただいたというところでございます。
 フォーラムの成果といたしましては、ネットワークの実践を広く紹介できたということ、あるいは子供たちの自己肯定感を高めて、そういう体験活動をさせることが有効であるというふうな実践発表からそういうことを認識できたというようなことがございました。主な感想といたしましては、そこに掲げておりますとおり当事者とか保護者、学校関係者、地域などの方々が一つの場所に集まっての話し合いの場ができてよかったというふうな御意見でありますとか、なかなか当事者しかわからないと心を閉ざしていたけれども、行政・家庭・地域が連携していこうという取組が見えてよかったというふうな御意見をいただいたところです。
 当課では、このように学校になかなか行けないような子供たちを地域で支えているNPOの方々の取組を支援しながら、子供たちを支援していく活動をしているところでございます。

◎藤縄委員長
 議題(7)「社会教育施設等概況調査の結果」について、片山生涯学習振興室長の説明を求めます。

●片山生涯学習振興室長
 それでは、続けて14ページをお願いいたします。社会教育施設の概況調査の結果について御報告いたします。
 この調査ですけれども、現在鳥取県教育審議会の中の生涯学習分科会におきまして、市町村合併後の地域の教育力の現状などを踏まえて、地域づくりの拠点としての公民館などの社会教育施設のあり方について検討いただいているところでございますが、その検討を進めるに当たって分科会の中で、県内の公民館の現状を調査して、その結果などを参考にして具体的な議論を進めたいという意見をいただきまして、今回調査を実施したものでございます。
 調査につきましては、2の調査時期に上げておりますように、昨年の5月から7月にかけて県内の市町村教育委員会が設置しております公民館200館について、調査票を送って回答いただいたものでございます。
 調査内容につきましては、5に上げておりますように公民館の組織ですとか運営体制、事業活動の内容、学習支援状況など公民館に直接伺うものと、あわせて社会教育委員の活動状況など市町村教育委員会に内容を伺うものの2つの調査を行ったところでございます。
 調査の詳細といいますか、まとめましたものにつきましては、別冊で「社会教育施設の概況調査の結果」をお手元にお配りしております。
 主なところでございますが、例えば2ページに1-2というような形でつけております。公民館の職員の配置状況を見ますと、公民館長と公民館主事、その8割が非常勤の職員の方で、館長は平均しますと週12時間程度、公民館主事の方は週30時間程度の勤務となっております。その結果から、例えば週平均いたしますと、公民館には実質的に毎日1人の主事の方と、勤務時間が短いですが、館長さんは半日程度の勤務というような形で成り立っているというのが見えてくると思っております。そのあたりは厳しい財政状況の中でこの少ない人数でどのように効果的あるいは効率的な運営を行うことが大きなかぎになると思いますので、そのようなポイントにつきましても審議会の中で議論していただきながら検討を進めていただきたいというふうに思っているところでございます。
 それともう1点、例えば、少し飛びますけれども、資料4、8ページでございますが、公民館におけるサークル活動の状況を伺ってみました。その結果、公民館で活動されるサークルの半数以上が住民の方が自主的に設立されているというようなこともわかりましたし、あわせて公民館が行いました事業が契機となって設立されたサークルも3割程度あるということがございました。これからの時代、このように住民の方の積極的な活動を維持・発展させていく、支援していくというようなことも公民館の活動あるいは生涯学習の振興という点でも大事ではないかというようなことをこの資料から読み取っているところでございます。
 今後この資料を生涯学習分科会の方に報告いたしまして、公民館を中心とした社会教育施設が地域づくりの拠点としてどのような役割を担っていくことができるのかといったことの具体的な取組方針について御提言などをいただきたいというふうに思っているところでございます。

◎藤縄委員長
 続きまして、議題(8)鳥取県文化財保護審議会への諮問について及び(9)記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財の選択について、平井文化課長の説明を求めます。

●平井文化課長
 それでは、15ページをお願いいたします。鳥取県文化財保護審議会の諮問について御報告いたします。
 先週の金曜日、1月18日に開催いたしました教育委員会におきまして文化財保護審議会に諮問する案件について2点を決定いたしております。
 まず一つ目は、無形民俗文化財の指定であります。これはそこに記載のとおり「賀露神社春季祭礼行事」であります。毎年4月28日、29日に賀露神社を中心に行われる例祭でありますけれども、海上渡御を行う神幸行列が繰り出される大祭と例祭が1年ごとに行われます。
 海上渡御につきましては、そこに右下に写真をつけておりますが、神幸行列の行列参加者が全員賀露大橋のたもとから船に乗りまして、賀露沖まで船神幸を行うことで、航海の安全とか海の幸が多くなることを祈った行事であります。
 そこにもう一つ、「もみ火の神事」、写真をつけておりますが、これは祭礼が行われます4~5日前の日にちを選んで火おこしを行います。これは満20歳になる青年が海水でみそぎをいたしまして、その後、火おこしを行う。この火は、神殿に供えるもちをつくるためのかまどの火に使用します。こういった神事を行っております。このように年齢階梯制とか通過儀礼等色濃く残しているということで文化財に指定しようとするものであります。
 16ページをお願いいたします。二つ目は、天然記念物の指定解除であります。これは境港市にありますゴヨウマツの巨木が、平成19年、昨年松くい虫による被害を受けて枯死したために指定の解除を行おうとするものであります。
 その下の参考ですが、指定案件ではありませんけれども、無形文化財「蒔絵」の保持者の田中正輝さんが昨年11月に亡くなられ、後継者もおられないということで、保持者の認定解除とあわせて「蒔絵」の指定解除の告示を行おうとするものであります。
 17ページをお願いいたします。記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財の選択についてということで、これも同じく先週の金曜日でありますけれども、国の文化審議会の方で選択が行われております。
 これはなかなか聞きなれない言葉なのですが、一番下に米印として書いておりますけれども、重要無形民俗文化財以外の無形民俗文化財で、民俗芸能とか、それから風俗習慣、こういったもののうち重要なものについて国が選択をするものであります。
 今回県関係で指定されますのは「上淀の八朔綱引き」であります。淀江町で行われる行事でありまして、豊作とか無病息災等を祈願する八朔、旧暦の8月1日の行事であります。わらで大蛇をつくりまして、荒神の神木の周辺を回った後、大蛇の頭は石灯籠の上に置かれます。その胴体部分であります綱を道路に出しまして綱引きを行います。直径が15センチぐらい、長さが60メートルにもなる長い綱を上手下手に分かれて引くものであります。
 ちなみにこれまで鳥取県で採択されたものは、今回を含めまして6件であります。このほかには三朝の陣所でありますとか円通寺の人形芝居等がございます。

◎藤縄委員長
 議題(10)美術品の収集について及び(11)郷土作家展「書の宇宙・陶の大地 柴山抱海・山本浩彩」の開催について、三田博物館長の説明を求めます。

●三田博物館長
 それでは、18ページでございます。美術品の収集についてでございます。
 今回はすべて寄贈の申し込みをいただいた作品でして、5人の作家の作品15点につきまして収集したいと考えております。
 まず、伊谷賢蔵さんという洋画家の作品を1点。それから前田直衛さんという日本画家の作品を7点。それから19ページの方ですが、洋画家の真島憲二さんの作品を4点。そして陶芸家の瀬戸浩さんの作品を2点。そして最後に、辻晉堂さん、この方は彫刻家なのですけれども、今回は版画の作品を1点収集したいと考えております。
 これら15点の作品につきましては、すべて昨年12月に行いました収集評価委員会におきまして博物館が収集すべき美術品として適当であるという審査をいただきました。審査済みでございます。
 これらの作品の画像を20、21ページに載せておりますので、ごらんいただければと思います。
 続きまして、22ページ、郷土作家展の開催についてでございます。
 県内で活躍されています郷土作家の方を広く県民の方に知っていただこうということで、「郷土作家展」を平成15年度からやっております。
 今回で5回目に、5年目になるわけですが、今回は書家の柴山抱海さんと陶芸家の山本浩彩さんのお二人の展覧会を郷土作家展として開催したいと考えております。2人のコラボレーションのような形の展覧会になるのかと思いますが、このお二人の初期の作品から現在までの作品のうち代表的な作品を一堂に集めての展覧会に仕上げております。
 1月26日の倉吉博物館を皮切りに米子市美術館、そして鳥取県立博物館というふうに巡回していきます。
 詳しいことは、お手元にこういったチラシもお配りしておりますので、ごらんいただければと思います。

◎藤縄委員長
 続きまして、議題(12)第63回国民体育大会冬季大会スケート競技会・アイスホッケー競技会鳥取県選手団について、加藤スポーツセンター所長の説明を求めます。

●加藤スポーツセンター所長
 第63回国民体育大会冬季大会スケート競技会・アイスホッケー競技会鳥取県選手団について説明いたします。
 会期は、平成20年1月26日土曜日から2月1日金曜日までの期間であります。
 場所は、長野県長野市でスケート競技会が、軽井沢町でアイスホッケー競技会が行われます。
 選手団の人数は、本部役員が7名、監督・トレーナー・選手が23名、合計30名の鳥取県選手団であります。本部役員7名は、そこに書き上げているとおりであります。
 旗手は竹田津彰太さん、鳥取大学の2年生でスケートフィギュアの成年男子に出場いたします。
 監督・選手派遣者数の内訳は、そこに書いてありますようにスケートのフィギュアが5名、アイスホッケーが18名、合計23名であります。
 めくっていただきまして、スケート競技フィギュアとアイスホッケー競技の監督・トレーナー・選手の選手名簿、監督名簿の一覧を出しております。
 なお、1月12日土曜日に鳥取県選手団の結団式を行いました。県民体育館で午前11時から行いまして、鳥取県議会の議員方からも激励の言葉をいただきました。ありがとうございました。

◎藤縄委員長
 それでは、ただいままでの説明について質疑、御意見等はございますでしょうか。

○山口委員
 まず2ページのところでございますが、中高一貫教育の中で20年度の早い時期に答申をいただくというくだりがあるわけですけれども、その中には場所とか規模とか、そういうものについては答申の中に含まれるかどうかですけれども、学級数とか。規模によっては、相当の広さの用地が必要となるわけですが、例えば鳥取西高に併設という形が望ましいと書いてありますが、鳥取西高は今改築予定が出てきているわけで。例えば大体何学級ぐらいの規模にされるかどうか。答申の諮問された内容によると思いますが、望ましい大体中学校の学級数について、スケールがあれば。

●山口参事監兼高等学校課長
 その答申の内容に、例えば具体的な学校名みたいなものが入るかどうかということですが、最終的には、来年ですので、具体的なものはまだ確定しておりませんが、どの学校にしてはというところまでについては答申の中からはいただけないというぐあいに思います。最終的にその概要といいますか、中高一貫校はこういう考え方でこうあるべきだというぐらいで、具体的な学校については教育委員会の方で決めるという格好になると思います。
 その施設につきましても、どの県立高校に併設するかによって経費のことも随分差ができてくる、そういうことも検討材料になると思います。
 学級数ですが、そこまでは具体的にまだありませんが、県外の例を見ますと例えば中学校で2~3学級、高校で6学級とか8学級、そういう形態が多いというぐあいです。

○山口委員
 ちょっとその他に若干かかわりますけれども、来年度の、高校の学級数というのは平成20年度はかなりあるわけですね。それで全体の教員の定数、文部科学省は教員定数を非常勤も含めて。これを含めて増減がどういう形になるのか、来年度について。

●山口参事監兼高等学校課長
 今この学科改編の5ページの表のことをちょっと言われてますが、この20年度と書いてありますのは、例えば鳥取商業高校においては、平成20年度商業学科6学級の状態が平成22年度には商業学科5学級になりますということで、そこでは1学級減るわけでございます。生徒数が減っていきますと国からの標準法定数も同じようにスライドして減っていきます。大きく学級数が減り教員が余るとか足りなくなるとか、そういうことはございません。生徒の増減にスライドして国からの定数も増減をしていくという格好です。

○山口委員
 文部科学省が増員しているのは小学校、中学校対象かな、これは。非常勤を含めて。

●福井教育次長
 主幹教諭というものは、小・中学校に関係するものです。主幹教諭という制度を鳥取県はまだ、今年度はやっていませんので、その定数の増のところには入らないという形になります。基本的には学級数がどんどん減ってきておりますので、やはり本年度に比べて減になるということでございます。

○松田委員
 中高一貫教育に関係して。今、山口委員からはつくる前提でお話があったわけですが、中高一貫教育ということは非常に大事なことで、もっと早くからやるべきであったというふうに、私も思っていたわけです。今検討が続けられていて、いろんな案が出てきているわけですね。現実に私立の中高一貫校ができているわけです、西部にあるし中部もある。そういう私学がある状況の中で本来、公としてもっと早くすべきものが後追いとなり、結局そのことが私立、私学に対して非常に影響を与えるということが、僕は必ず出てくると思うのですね。今の私立の中高一貫教育についてはいろんな問題もありますし、僕自身はそれはいい結果であるとかいい方向に進んでいるとか、必ずしもそうとは思わないわけですけれども、しかし現実に私立の中高一貫校があって、一生懸命やっている。それに対して公の立場で、いわゆる生徒が減少してくる中で、俗な言葉で言えば邪魔する形になる、私学の経営を。そのことにもっと配慮すべきだし、そういった点においての審議会の考察がなされているのか。この資料の中の課題についての部分で、大学受験指導に特化したような進学エリートの育成とはならないように配慮するとか、地域の中学校では生徒減少などの影響が生じることも心配されるから、それについても市町村教育委員会と検討するというあれがあるわけです。ここにやはり私学との連携というか、その辺の思いをいろいろ検討する場があっていいのではないかということを思うのです。
 そういうようなことで、いわゆる場所の問題、先ほど出たわけですけれども、例えば米子東高とか鳥取西高とか鳥取東高に併設した場合は、子供たちの選択肢を広げるというふうに書いてあるわけですけれども、必ずそこに行くことは目に見えている状況です。ということは、必ず現在ある私立の中高一貫校に対して影響を与えるということはもう必須であります。そういった点でどういう今お考えを持っていらっしゃるか、ちょっとそこら辺。

●山口参事監兼高等学校課長
 先ほども申し上げました、そのあたりを考慮に入れながら検討していかなければならないという部分もございます。今回中高一貫校のあり方を検討していただいております在り方部会の委員さんに、県内の私立の中高一貫校の校長先生お二人とも入っていただいておりまして、具体的などの学校にすればよいのかというところの議論ではありませんが、鳥取県に設置するならばどういう方向がいいのかというそういう議論の中にも加わっていただいております。先ほどお話がありましたように、前回の検討委員会でまとめが出た後で湯梨浜中・高校ができたという、少し御説明いたしましたが、全体ではそういうこともあわせてその状況の様子を見ていきたいということで、全く私立を無視してというようなことではございません。
 委員さんの中からも、必ずしも公立の中高一貫校ができると私立の中高一貫校には100%マイナスとなるのかというと、中間一貫校のよさが見えて広まっていくという意味では、相乗効果もあるのではないかというような御意見もあったりしております。

○松田委員
 わかりました。
 その相乗効果というのは、一見あるように思いますけれども、やはり子供の数が少ないというのが現実にあるわけですね。その中からの選択ということになれば、どうしたってしわ寄せが出てくるというか、そこをメインとして、そういった点を考慮していかなければいけないということが公の立場としてはあると思います。絶えず公は後追いで来ながら私をいじめというか、壊していく。今までがそうである。例えば高校の場合でも定員についてなかなかバランスが直されない。かつて公立が賄い切れなかった部分を私学がいろんな意味で頑張ってきて、結果、人数が少なくなったから公はそのままの定員、あるいは多少減らしていくにしても、それで私学がだんだんと悪くなっていく、そういうような状況もあります。専攻科の場合もそうでありますし、今回もまた中高一貫教育ということもあるし。もっと私学を育てていこうという、教育委員会では、ちょっと立場が違うと言われればそれまでなのだけれども、そういう観点もこれからは本当に必要なのではないかな思うわけです。私学の経営については総務部の方が。(発言する者あり)今は企画部ですか、担当が別なわけですけれども、そういった点での思いやりというか、配慮がどうも県教育委員会においては、その辺がちょっと少ないように感じて。その点をあわせて考えていっていただきたい。
 今の教育の在り方部会には、私学のだれとだれが入っているのですか。

●山口参事監兼高等学校課長
 私学関係では、米子北斗高校の生田校長先生と、それから湯梨浜学園の坂根理事長さん。

○松田委員
 では当事者が2人入っているわけ。

●山口参事監兼高等学校課長
 はい。

◎藤縄委員長
 前段は要望ということでよろしいですね。

○松田委員
 はい。

○市谷委員
 私もちょっと中高一貫の在り方についてですが、私は中学校と高校が連携するということはもちろん大事だとは思いますけれども、これは一つの学校にして、ここでいう日本や世界でリーダーとして活躍するような高い能力を持った人材をつくることを目指すということを、私は公が義務教育の場でそういった一部の子だけのエリートづくりみたいなことをする、これはそういうことになりますよね。だからこのことは、本来なら義務教育というのはすべての子にひとしく学習を、学力を保障しなければならないと一方で言いながら、非常に矛盾するというふうに思いますが、その点について県教育委員会はどういうふうに考えておられるのかということと、リーダー養成というものについて、ここにリーダーを集めればリーダーが育つのだというふうなことについても、教育委員会としてどういうふうに思っておられるのだろうかと思うのです。私は、リーダーというのは、やはり集団の中で、いろんな子供たちがいる中で育成されていくものだし、それにリーダーといってもいろんなリーダーがあると思います。このリーダー観というものはどういうものなのかと思いますので、この点についてどういうふうに思っておられるのかということをちょっと疑問に感じるわけなのです。それで当初議論が企画部からスタートしていて、教育委員会からスタートしていませんので、この点について、ちょっと私は企画部で発案があって、教育委員会に。さっき言いましたが、どういうふうにこれを受けとめておられるのだろうかというのもちょっとお聞きしたいです。
 それで、このことについてしばらく議論されてなかったということになっていると思いますが、ここに来て20年度中には設置に向けての具体的な検討をなされるということは、本当に早急なことだと思いますし、パブリックコメントもきょうまでとられましたが、なかなか意見が集まらなかったのかなとも思って。ちょっと聞いたところによると期限もずらしながら、日をずらされたということですけれども、こんなことでパブリックコメントを締め切ってやっていくというのは非常に危険だなというふうに思います。済みません、いろいろ言いましたけれども、ちょっとこの中高一貫教育を公でやっていくことについての意見をお願いします。

●山口参事監兼高等学校課長
 初めのリーダー観というところですが、仮に新しくできる中高一貫校でなければリーダーは育たないということではない。おっしゃったように、いろんな学校においていろんな人間関係の中でリーダーを育てていくのは、それは間違いないと思います。
 ここのところで審議会の在り方部会の中でも議論が少しありまして、学力エリートをつくるのかというような部分について議論がございまして、結局中高一貫校というのは中学と高校の授業をある程度移動させながら教育内容が弾力的に行える。ここの中にありますが、そういう中で例えば地域に出たりとか、そこで具体的に何かテーマを地域の方からもらって自分たちで考えて取り組んでみるというようなこともできる。他県ではこういうことをやっているところもあります。そういうことでなかなか、中学校3年、高校3年でその間に高校受験が挟まるという少し窮屈なカリキュラムではなくて、6年のスパンで、勉強もそうですけれども、それだけでなく地域に出たりとかいろんな活動をやっていくことなどの中で育っていく部分もあるということです。どちらを選択をされるかというのは生徒、保護者が考えられるという、そういった選択肢を広げていくという意味で、中高一貫校の設置を考えているところでございます。先ほど申し上げましたけれども、審議会の答申を受けて教育委員会として具体的にどうするかということをその次に考えていくこととしております。。
 パブリックコメントにつきましては、今回は約1カ月間ということで、特に延長したということはございません。
 初めに申し上げましたが、大体100件、きょうの朝までですから、100件超えるぐらい、結構ほかの前にやったパブリックコメントに比べたらたくさん御意見をいただいているところです。またその結果につきましては御報告を申し上げます。

○市谷委員
 今、ちょっとお話いただいた中で、どちらを選ぶのかは保護者が考えて選択していただくということですが、公の教育を保護者任せにするというか、選んでもらったらいいですという感覚では、私は困るというふうに思うのです。すべての子供にどれだけ学力を保障するのかということですし、さっき言ったような高校入試があることで中高でのいろいろなことがスムーズに連携できないという事実はあると思うのですが、そうであるならばそれをどう。本当にすべての学校で保障していくのかということが、私は教育委員会としての大切な視点ではないかなというふうに思うのです。行きたかったけれども行けなかった家は、選択できなかった家は、みんなが入れないでしょうから、入れなかった家はごめんなさいね、残念ですねなどということで済ませてはいけないし、そういう選択肢を親や子供たちに迫るということも。これは今審議会が考えて、県民からも意見を集めて、その結果で判断をしていくということでしょうけれども、私は、審議会は審議会で議論はされるのでしょうけれども、教育委員会としての本当にすべての子供たちに学力をつけるという、その視点をしっかり持って対応していただかないといけないなというのが素直な感想です。

◎藤縄委員長
 感想でよろしいですか。

○市谷委員
 感想ですけれども、御意見をいただけたら。

●山口参事監兼高等学校課長
 先ほどおっしゃったことは、すべての学校でそういう努力というのか、中学校も高校も現在やっておりますし、この中高一貫校ができたからといって、そこだけ一点集中をしてあとは何もしないというわけではなくて。例えば高校についてもそれぞれ特色を出しながら力いっぱい教育をしていくというか、生徒の力を伸ばしていくというのは、それは変わらない。中学校も同様に変わらない。

○市谷委員
 そうであるならばどうして中高一貫校をつくるということに。もしすべてのところでするのだったら、そういうすべての学校で学びの保障をするというのであれば、なぜここの1カ所だけつくる必要があるのでしょうか。

●山口参事監兼高等学校課長
 そういうぐあいにいきますと、すべての学校が中等教育学校で中高一貫での6年制の学校になるべきだというぐあいになっていくと思うのですけれども、実際高校はそれぞれの高校の特色がありますし、専門学科というようなものもあります。では、例えばすべての普通科で中高一貫を進めることができるのかというと、生徒数の関係からそういうわけにもいかない。審議会委員さんから、特に保護者の委員さんからは一言で言うと賛成の意見が強く出て、やはり選択肢がふえるということは生徒・保護者にとってもいいことだというような御意見もございましたので、そういう選択肢をつくるということで、すべての学校ではありませんが、まず1校を考えていってはどうかという議論をいただいているところです。

○横山委員
 パブリックコメントですが、課題についてというところの大学受験指導に特化したような進学エリートの育成とならないような配慮が大切という部分について、僕は矛盾していると思います。そもそも中高一貫校をつくるというのは、スーパーエリート、スーパーマンをつくるということですよ。だからそういう面でいうと、リーダーだからそれなりの学校を中高一貫にするのが一番、常識的に言うと米子東高、倉吉東高、鳥取西高、鳥取東高という、そういうところでして、生徒数を多くしないで、何百人もスーパーエリートがいるわけがないから。スーパーエリートとして個性を伸ばすという観点から中高一貫校をつくりたいという話が出てきたのだろうと思うのです。そうするとそのことは大変重要なことだし、だれでも一緒というのではなくて、相当力を入れて、鳥取県を背負ってくれる、日本を背負ってくれる子供をつくるというのは意味がある。だから意味があるからこういう話が出てくるのだと思うのです。そうするとそういうことで、課題についての「特化したような」という、そういう変なことを考えずに、もう徹底的にやるのが一番いいと僕は思います。これについてはそういう話が出てこないので、不思議だなと思うのです。山口高等学校課長に聞きたいのですけれども、中高一貫教育の、これはやはり目標は頂点を目指す話ですか、これは。そういうぐあいに考えているのがどうか。何か中途半端になっている、話を聞いていると。

●山口参事監兼高等学校課長
 3ページの在り方部会の審議のところですが、課題についてのところに上げておりますのは、審議の中でこういった御意見がございましたということです。リーダー養成、リーダーとして活躍できるようなそういう能力を養成していくということがあるのですが、一つは学びもしっかりやりましょうということで大学受験のみ、受験勉強ばかりをやるというわけではないです。当然学力も高めるのですが、先ほど申し上げましたように体験活動も入れながらコミュニケーション能力もつけていく。それをやっていくべきであろうという御意見です。ですからリーダーはリーダーなのだけれども、結果的に大学に合格したらそれでいいというのではなくて、将来、例えば地域であり県であり国でありというようなところで幅広くいろんな分野で活躍をしてくれるというような人材という、そういうイメージが委員さん方の中ではありました。

○横山委員
 だから例えば朝6時から、早朝課外で勉強しなければならないとか、そういう体験がスーパーエリート、スーパースターのつくり方ではないかなと思う。ほかのことだってそうだもの。日本の一流を目指すならば。7時半に起きていては、とてもではないが日本の一流にはなれない。6時前にはもう起きて、6時には練習しているという。勉強だって、例えばきのう、直接名前出してはいけないけれども、そういう先生がおって、7時前には学校に集合して早朝課外をする。そういう先生はすごい指導者だと思う。そういうことも体験として、スーパーマンをつくるための体験として大切なことなのだと僕は思うのです。だからそういうことはいけないという話だったらしない方がいい。朝6時からでも勉強させるというそういうことも含まれている、体験させるという。勉強するのがいけないというような言い方はいけない。だからそこに特化しないということではなく、特化しまくるということでないと世間から取り残されてしまう。予備校からはばかにされる。だからそういうことでないのかなというふうに思う。物すごくたくさんそういう子はいないので、そういう子を絞ってやはり個性を伸ばしてやる。運動会でも同じ出発してゴールも一緒、手つないで入ればなど、そういう話とは違う。

◎藤縄委員長
 山口参事監、特化について簡潔に答弁ください。

●山口参事監兼高等学校課長
 勉強してはいけないというぐあいに否定をしているわけではございません。

○横山委員
 だから決めるなという、ここに書いてあるぐあいに。

●山口参事監兼高等学校課長
 大学受験指導だけにならないようにという意味でございます。当然、勉強はして、プラス、コミュニケーションもつけていく、そういう意味です。

○市谷委員
 公教育でこうやって特化とかということも出ましたけれども、それは差別教育になると思うのですよ。すべての子にひとしく学習を保障しなければならないのに、一部の子を集めて何かエリート像をつくって、そこにその子だけにやって、でもそれがその子たちにとって本当にいいのかということも、私はやはり人間形成というものを考えたときには考えなければいけないし、これは中学校でそういう子を選んでいくわけですね。入学試験は、学力検査はやらない、面接適性検査で決定しますということですが、どうやって、どういう基準で決めて選んでいくのか。小学校6年生の段階で何を見て選ぶのですか。子供たちの可能性は本当に大きいですよ。学んでいく中で変化しますし、6年生の段階で選別して、リーダー養成だと言うけれども、それが本当にリーダー養成になるのかということは本当に私は疑問を感じます。しかもそれを公が決めるという部分について、そういうふうに私は思いますけれども。

○横山委員
 個性というのはどうなのですか。

○市谷委員
 私は、個性は集団の中で、自分を見つけたりはぐくまれるものだと思うので、こういう勉強ができるということで、これはどういうことになるのかわかりませんけれども、そのことだけで個性が伸ばせるものだと私は思わないですけれども。

◎藤縄委員長
 簡潔に。特化ではないと言っておられるのだから、先ほど答弁で。

●山口参事監兼高等学校課長
 入試のこともありました。学力検査しないということで、それはこの段階での選抜ということでテストを作っていただくということで。その生徒の現在と、それから将来。

○松田委員
 僕もちょっと市谷委員とは意見が違うのですけれども、やるのだったらやはり本当の意味のエリートをつくるための中高一貫教育でないとだめだと思う。それは今の現実が、結局今いい高校、いい大学、例えば東大を出て官僚になって、結果、今の官僚のていたらくということ。現実はいろんないい人もいるわけですけれども、そういうやはり日本を指導する本当の意味のエリート、ただ勉強ばかりができるのではない、全人的なエリートをつくっていくということが日本をやはり指導していく上では絶対必要だと思う。そういうことはそれなりに理解できるわけで、余り中途半端な考え方でやっていると、結局虻蜂取らずになってしまうという考え方を私はしています。

○山口委員
 委員長、答申が出てから、今のような質疑をしていくということでは。

◎藤縄委員長
 関連ですか。

○廣江委員
 関連。今いろんな意見が出ていますけれども、このごろ新聞などでも見ると旧制高校、そういうものがやはりあって日本のよさがすごく出てきたので。旧制高校を再現すべきであると希望するというような声が雑誌や新聞にも載るようになって、教育のあり方を考える中ではそういう考え方も出てきている。そういうことで考えたら中高一貫教育というのを私もいいスタイルの一つだと思っていたけれども。確かに旧制高校制みたいなことも考えるのならまた違った考えも出てくるのかなと思います。
 また片方では県や日本のリーダーをつくるということが一つのテーマに上がっていたが、それはさっきからも出ているように、たくさんの人を対象にするのではなく限られた人数でいいという前提で審議をなさっているということになれば。特定の大学受験のため、わかりやすい言葉では東大進学のための学校ではありませんよというようなことを言っておられた。リーダーとは何かということ、どういうリーダーをつくろうとしているかということから考えて。あらゆる職場で働くような人をつくるのだったら、普通科ではなしに専門科でもつくらなければいけないようになる。リーダーというものは、知事や市長ばかりがリーダーではないわけだし、いろんな形のリーダーというのがあるわけだから。そうしたらいろんな職種のことも考えていくというふうになる。一体どこを、何を考えているのかという、その辺をちょっとまとめないと。さっきのいろいろな質問が出てそのことの答弁があったけれども、リーダーとはということとそれをどう育てるのかと、どういったリーダーなのかなどという、そういうことを、そこのところをきちんとしないと。さっきからの質問に対しての答弁が答弁になっていない気がする。
 それは義務教育だって、これはだれもにしなければいけないことだけれども、一部の優秀な、国家や地域を背負うような人をつくることを民間がしてもいいけれども、国がしたって県がしたってこれは決して悪いことではないし、今その点はいろんな報道などを読んでみてもそれを希望する人はたくさんあります。声は上がってきているわけです。それにこたえるためにするのなら、はっきりそういうことをうたって、それをどこまでの範囲のことを考えるのか、国家のリーダーになるのか、地域のリーダーになるのか。そこをちょっと整理してかからないと、これではまとまらない。

◎藤縄委員長
 よろしいですか、この件につきましては。(「進行」と呼ぶ者あり)
 そのほかございますか。
 それでは、その他についてですけれども、執行部、委員の方で何かございますでしょうか。

○山口委員
 この間の陳情・請願の中で専攻科のことについて。これはもう大学入試もセンター試験が済んだし、大学入試ももう始まります。これは早目に結論を出さないと、ですから予算要求してあるかどうか。来年度に向けて継続をされるなら、来年度の予算で予算要求してあるかしていないか。

●中永教育長
 来年度はあります。廃止の検討は再来年度です。

○山口委員
 今回は何もなしでそのまま。

●中永教育長
 この4月の分ですね、これについては3校ともあるというふうなことで、その予定で予算的にも進んでいます。
 問題はその後の来年の4月どうするかということですので……

○山口委員
 いつごろ決めるのか。

●中永教育長
 さっきありましたようになるべく早い方がいいと思いますので、2月、3月の議会等で御質問いただいたりなどしながら、あるいは皆さんの意見をお聞きしたりなどしながらなるべく早いがいいかなと思っていますけれども。もし2月、3月で十分ではないということになれば5月、6月議会ぐらいになるのかもしれませんが、なるべく早い方がいいのではないかと思っています。

○市谷委員
 全国一斉学力テストの結果についてなのですが、小学校では自分のところの学校の結果と県とか全国の平均と比較したものを出している学校があるようですので、ちょっとその辺を調査して、また後で教えていただけないでしょうか。実際に結果の活用についてそのように聞いたので、また後でいいので、教えてください。

◎藤縄委員長
 今の件は調査できることなのですか。

●福井教育次長
 基本的にはそれは市町村なり、あるいは学校といったものがまとめられたものです。ですから県の方が果たしてそこまで調査をする権限があるかどうかということについて、その協力が得られるかということはまた市町村担当とやるべき必要があると思います。

◎藤縄委員長
 それを含めて後ほどということで。
 執行部の方からその他ございますでしょうか。
 福井次長、よろしいかな、その他。

●福井教育次長
 はい。


◎藤縄委員長
 それでは、意見が尽きたようですので、教育委員会につきましては以上で……(発言する者あり)

●福井教育次長
 大変申しわけございません。その他ということで鳥取県教育自立の会議でございます。鳥取県の教育を何とか充実させたいというところで、当地における大学、そして校長会、教育委員会、三者が協力しながらこういう会を立ち上げております。
 これからの日本の教育と鳥取県の教育ということで、兵庫教育大学の梶田先生から一番新しい学習指導についての御意見をいただくということでございます。
 また、昨年度立ち上げました学生との教育ボランティア活動、そういったことを取り組んできていますので、そういったものについての報告をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

◎藤縄委員長
 それでは、教育委員会につきましては以上で終わります。
 執行部を入れかえさせていただきます。よろしくお願いします。

午前11時21分 休憩
午前11時25分 再開

◎藤縄委員長
 それでは続きまして、福祉保健部及び生活環境部の議題に入ります。
 質疑は、説明が終了してから一括して簡潔に行っていただければと思います。答弁の方も簡潔に切れ味よくお願いしたいと思います。
 まず初めに、議題(1)平成20年度に向けた主な組織案の概要につきましては、別冊の同じ資料ですので、福祉保健部と生活環境部の両方の説明をお願いいたします。

●福田福祉保健課長
 資料、平成20年度に向けた主な組織案の概要につきまして、現在検討している現時点の案でございます。細部は今後調整していくことになりますが、現時点の案です。
 4ページをお願いいたします。福祉保健部の課題は多うございますけれども、そのような大きな課題を取り組むための推進体制として、来年度3本を検討しております。
 まず一つは、子育てに関する組織でございます。(8)子育てに関する支援を担当する総室・チーム制の組織を整備するものでございます。この趣旨は、機動的に動けるようにということと、子育てに関係する事務を緩やかにくくる統括組織をつくるというものでございます。ちなみに商工労働部にもこのような組織がございます。チームの中の「子育て支援総室」の中には「子育て応援チーム」と「保育・幼児教育チーム」、それから「母子保健・児童擁護チーム」という3つの組織、チームで推進する予定になっております。
 もう一つの課題でございますが、(9)子供の発達を支援する体制ということで、障害のある児童、子供さんのライフステージを一貫して支援する組織体制、しかも専門的な体制を強化するために、これは保健、福祉、教育、一貫した支援体制ということで、新たに「子ども発達支援室」というものを障害福祉課の中に設けるものでございます。
 (10)でございますが、高齢者施策を進めるために高齢者にかかわる各種の支援施策の目配りといいますか、総合調整をするために現在の長寿社会課の中に参事を設置しようとするものでございます。
 飛びまして、7ページをお願いいたします。7ページの一番上、(15)でございますが、総合事務所の中の日野でございます。日野総合事務所の福祉保健局の機能で、住民サービスは当然低下しないようにしながらも効率的な組織ということで、西部総合事務所で一括処理できるものにつきましては集約化を検討していきたいということでございます。細部につきましては、精査・調整中でございます。

●池田環境立県推進課長
 そういたしますと6ページの上の方、生活環境部関連でございます。(12)でございます。安全・安心なまちづくりを推進するための組織の整備でございます。これは総務部の人権局人権推進課で現在実施しておられます犯罪被害者支援業務と企画部の交通政策課で実施しておられる交通安全対策業務、この2つの業務をくらしの安心推進課に移管しまして、犯罪のない安心できるまちづくり、犯罪被害者に対する総合相談窓口及び交通安全の推進を一元的に実施するというものでございます。

◎藤縄委員長
 それでは、福祉保健部の説明を求めます。
 議題(13)原油価格の高騰に伴う生活困窮者対策について、福田福祉保健課長の説明を求めます。

●福田福祉保健課長
 福祉保健部資料1ページをお願いします。原油価格高騰に伴う生活困窮者対策についてでございます。
 1の経過でございます。御承知のとおり、国におかれましては、「原油高騰・下請中小企業に関する緊急対策関係閣僚会議」というものが昨年の年末に2回開催されまして、具体的な緊急対策が決定されたところでございます。
 そこの四角の中に囲っておりますが、生活困窮者に対する灯油購入費等の助成を地方公共団体が自主的に行う場合には、その経費について特別交付税で2分の1措置しようということが決定されたところでございます。
 それを受けて検討してきたところでございますが、2の制度の概要に書いております案、これは現在検討しております案で、補正予算要求中の案でございます。簡単に御説明いたしますと、実施主体といたしましては県内全市町村を対象として、助成の対象となる経費は灯油購入費等に係る金品、要するに現金か、あるいは灯油券というような現物の支給に要した経費ということです。補助基準、要するに対象経費は何かといいますと、今年度灯油のアップ額が相当なものでもございますので、アップによる影響額、アップ額のところを計算いたしまして、その部分を支援しようということでございます。対象世帯ですが、今のところ生活保護世帯を対象に制度を考えております。補助率といたしましては、市町村が負担した経費の2分の1を現在考えているところでございます。いずれにしましても現在2月補正予算の要求中の案でございます。
 ちなみに下の丸の市町村の検討状況につきましては1月15日現在を載せておりますが、現時点、21日現在では、対象世帯とか助成の内容につきましてはさまざまでございますが、県内のすべての市町村で実施決定あるいは実施の予定ということになっております。しかもいずれの市町村も生活保護世帯は対象にするというような検討状況でございます。
 そのほかといたしましては、鳥取県の社会福祉協議会でやっております生活福祉資金の貸付制度が活用できますので、これを積極的に活用してもらうよう周知を図っております。

◎藤縄委員長
 議題(14)障害者自立支援法の抜本的見直しに向けた緊急措置について、森田地域生活支援室長の説明を求めます。

●森田地域生活支援室長
 同じ資料の2ページをお願いいたします。障害者自立支援法の抜本的な見直しに向けた緊急措置につきまして御報告させていただきます。
 まず1の経緯でございますけれども、この自立支援法につきましては18年4月に施行されました。その後もいろいろな課題がございまして、18年12月に、改正に伴うきしみ等に丁寧に対応するために特別対策の、これは国の1,200億円を投じられて措置がされましたが、このたび障害者自立支援法の抜本的な見直しに向けて当事者や事業者の置かれている状況を踏まえて、特に必要な事項について緊急的な措置が講じられることになりました。
 その概要でございますけれども、2をごらんいただきたいと思います。まず総額ですが、このたび20年度の予算額に計上されておりますものは130億円ということなのですけれども、特別対策で使いました基金ですとか、それから通年分の事業費をあわせて総額にいたしますと310億円ということになります。
 その事業の内訳でございます。柱としては3本になります。
 その柱については、載せておりますけれども、まず一つは、利用者負担の見直しでございます。これにつきましては、20年7月からの実施になります。事業費といたしましては70億円。これは7月からの実施ですので、通年ベースにいたしますと大体100億円程度の規模の事業費になります。
 この見直しの柱ですけれども、1つ目が利用者負担の軽減でございます。これについては障害者、障害児もですが、低所得の1、2、これは非課税世帯になります。その居宅・通所サービスに係る負担上限をさらに軽減するということで。このさらにということについてですが、特別対策において既に4分の1の軽減策が講じられているところに加えて今回の措置で2分の1程度に軽減するというようなことで、実際の額につきましては、2ページの下の表を見ていただければと思いますけれども、毎月払っていただきます上限額が、低所得者1につきましては1万5,000円程度だったのですが、昨年度特別対策と今回の見直しにより20年7月からは1カ月に1,500円の負担をしていただければサービスが使えるということとなっております。
 (2)ですけれども、今まで所得を算定する際の世帯の考え方ですが、一緒に住んでおります保護者の方ですと御両親等も全部含めて計算しておりましたが、今回は本人を単位とするとなりました。ただし、配偶者がいらっしゃる場合は、配偶者の方の所得も加える形となっております。
 3ページをお願いしたいと思います。(3)ですけれども、これは障害児世帯になりますが、負担軽減の対象世帯を890万円程度の世帯まで拡大するということとしております。これまでは大体年収ベースで600万円程度までということにしておりましたけれども、それを890万円まで広げるということで、かなりの障害児の世帯が対象になってくるのではないかということでございます。
 そこの表につきましては、障害児世帯に関する単価を示させていただいております。
 なお、この特別対策に関する利用者負担ですけれども、21年度以降も実質的に継続する、そのようなことになっております。
 2つ目の柱に移りたいと思います。事業者の経営基盤の強化。これにつきましては20年4月からの実施になります。これにつきましては予算額としましては30億円ですけれども、昨年度の特別対策において増設いたしました基金、これの活用を含めますと180億円ということになります。
 まず(1)につきましては、通所サービスに係る単価の引き上げということで、大体約4%の報酬の単価の引き上げを考えております。
 (2)ですけれども、定員を超えた受け入れのさらなる弾力化ということで、これまで大体1日当たりの定員が120%程度までは利用が可能だったのですけれども、これを150%までは利用できるといったことで弾力化を図っております。
 あわせまして(3)ですけれども、入所サービスの際に入院なり外泊をした場合には、今報酬の体系が日割りで計算しておりますので、報酬減になってくるというような仕組みになっているのですけれども、それに対しまして一定の支援を実施した場合に費用を支払う措置についてさらに拡充していくというようなことを考えております。
 それともう1点、そこの米印で書いておりますけれども、そもそもの報酬の額の見直しにつきましても、これまでは見直しをするということが言われておりましたが、具体的には明記されておりませんでした。それを21年4月に改定を実施するということで明記がされております。
 3ページの(4)ですけれども、基金の使途や事業の実施基準の見直しをするということで、経営基盤の強化を図るようなことを考えております。
 基金の使途につきましては、4ページを開いていただきたいと思いますが、そこにア)からク)まで書いてございます。具体的には説明するのは省略させていただきますが、例えば一般就労を促進するために就労継続事業者へ支援するですとか、それからケアホーム等に重度障害者が入った場合に支援するとか、それからなかなか児童を集めるのが難しいというような児童デイサービスの事業への支援を進めていくというようなことを含めまして、支援体制を強化していこうというようなことを考えております。
 3番目の柱でございます。四角で囲っておりますけれども、グループホーム等の整備促進について。20年度実施になっております。これにつきましては30億円ですけれども、グループホーム等の整備につきましては現在特別対策の基金の中で改修等について支援をするというようなことにしております。あくまでも特別対策自体は時限的なということもあるのですが、今回特別対策でやっていたものについて新たな国のメニューといいますか、施設整備なり設備整備の別の補助事業で措置するというふうな仕組みになっております。
 その結果、括弧で書いておりますけれども、基金事業費の方は実質的に枠が拡大されるといった効果が出てくることになります。
 今申しました3つの柱ですが、(3)のところに書いてございますけれども、市町村、事業所等への周知の徹底を図っていきたいというふうに思っております。あすになりますけれども、市町村、それから事業者に対して説明会を開催していこうというふうに思っております。
 きょうは、資料としまして別冊で「障害者自立支援法の抜本的見直し(報告概要)」というものをつけさせていただいております。これにつきましては、昨年度与党のプロジェクトチームにおきましてこの障害者自立支援法の抜本的な見直しについての検討がなされておりまして、12月7日に報告書というような形でまとめられております。その中には、今後の抜本的な見直しの視点ですとか、具体的に現在の障害者自立支援法について課題がどういうところにあって、どのような見直しをするかというようなことがまとめてあります。それにつきましても参考のためにつけさせていただいておりますので、また後ほどごらんいただければというふうに思います。

◎藤縄委員長
 議題(15)3障害手帳の外観の統合について、吹野障害福祉課長の説明を求めます。

●吹野障害福祉課長
 5ページをお願いします。3障害手帳の外観の統合についてということでございます。
 現在、障害に関します手帳としましては「身体障害者手帳」、知的障害の方の「療育手帳」、精神障害者の方の「精神保健福祉手帳」、以上3種類の手帳があります。
 まず1点目としまして、この手帳の外観を統合したいということで、現在先ほど言いました3種類の手帳というのは、障害の種類ごとに分かれているのですが、これらのカバーについて統一します。障害者手帳カバーの一元化といいますか、3種類の手帳を一つのカバーの中に入れてもらうということにしたいと思っております。
 理由としましては、この手帳で公共交通機関でありますとか大きな施設等の料金の割引等があるのですが、特に精神障害者の方が手帳を提示することに対しての抵抗感を持っておられるということを聞いております。そういった心理的な負担を軽減する上で統合したいということがまず1点でございます。
 2点目としましては、手帳の再交付についてでございます。身体障害者手帳につきましては、現在再交付といいますか、一たん交付しますと更新ということがございません。療育手帳につきましては、表に上げておりますけれども、年齢によって定期的に再交付、再判定の制度がございます。精神保健福祉手帳については2年に1回の認定ということがあります。先ほど言いましたように、手帳を提示することで公共交通機関などにおいてのさまざまな支援があるわけですが、特に身体障害者の手帳につきましては、幼少期に手帳を交付されたら、写真はその当時のままということで、本人確認等が非常に難しいといった声を聞いております。そういう意味から、基本的には10年を経過した時点で写真等の張りかえを含めた再交付を行っていきたいということでございます。ただ、10年といいましたが、御本人さんの希望等でそれよりも早く再交付をお願いしたいということであれば、それに対応していきたいというふうに思っております。
 こういった手帳カバーの統合なり手帳の再交付につきましては、3で上げておりますけれども、ことしの4月1日から実施していきたいということで、関係団体等への周知を現在行っているところでございます。
 あわせまして、事務的な話ですけれども、管理システム自体がそれぞれ別々だったり、療育手帳はシステム等がなかったということで、今回手帳の管理システムを統合したいということと、(2)に上げておりますが、災害時等に「自分は支援してほしい」というようなことなどの御本人さんの同意により、手挙げ方式で、言っていただいたことなどをこの管理システムの中に、こういった情報等を登録できるようにすることもあわせてやっていきたいというふうに考えております。

◎藤縄委員長
 続きまして、議題(16)県立岩井長者寮の譲渡に係る再公募の結果について、三好長寿社会課長の説明を求めます。

●三好長寿社会課長兼参事(医療制度改革担当)
 資料6ページをお開きください。県立岩井長者寮の譲渡に係る再公募の結果についてでございます。
 県立岩井長者寮につきましては、今年度末の廃止が決まっているわけですけれども、11月の常任委員会でも御報告をいたしましたように公簿面積と実測面積とが大幅に乖離していたということがございまして、一たん公募をしていたのですが、再公募を実施しておりました。
 基準となる面積が広がりましたので、一番下のところにありますが、最低入札価格、これが
5,800万円ということになりまして、前回よりも700万円程度上昇したところでございます。12月に再公募を実施しましたが、今回も前回のときと同じ企業からのみ応募があり、この応募された方と随意契約の締結に向けた手続を行っております。この方は、4月からは現在の岩井長者寮と同じように軽費老人ホームA型として運営を行うということを考えているということでございます。

◎藤縄委員長
 議題(17)鳥取県DV被害者支援計画の改定について、宮内子ども家庭課長の説明を求めます。

●宮内子ども家庭課長
 7ページをお願いいたします。鳥取県DV被害者支援計画の改定について報告いたします。
 11月26日の常任委員会で報告しましたとおり、県の方では平成16年度に策定しました「鳥取県DV被害者支援計画」について、計画期間が3年経過したということがございます。また法律の改正ですとか、そういうことを踏まえて現在改定作業を進めているところでございますが、改正に伴いましてパブリックコメントを実施しましたので、報告いたします。
 1として書いておりますパブリックコメントの実施状況、(1)の募集期間につきましては、11月20日から12月19日の約1カ月間募集しました。
 (2)周知方法、募集方法については、新聞ですとかホームページに加えまして県内東・中・西部で意見交換会を開催いたしました。全体80名の参加でございました。
 (3)の応募件数については、8名の方から11件の内容の意見がございました。
 主な意見と対応状況について簡単に説明いたします。左側の区分の広報・啓発というところの真ん中を見ていただきたいのですが、意見としましては「加害者がひるむような具体的な対処法を広報した方が効果的ではないか。」、こういう意見がございました。これにつきましては、御意見を踏まえまして加害者に向けての広報について明確に記載しようということにしております。
 続きまして、研修のところの一番上の方に書かれてありますが、「医療従事者は、DVへの認識が低いと二次被害があり得る。」「医療従事者への講習会の開催を望む。」、こういう意見がございました。これにつきましては現在の改正計画に盛り込んでいるところなのですが、この意見を踏まえまして医療機関に限らず、二次被害防止のために特に必要な機関について改めて具体的に記載をいたしました。
 あと対応・体制整備ですとか加害者更生、こういうことについても意見がございましたので、盛り込めれることについては計画に盛り込むことにしております。
 続きまして、8ページをお願いいたします。これらのパブリックコメントを受けまして、最終案としまして2に載せておりますが、DV被害者支援計画(改定版)の概要をまとめておりますので、簡単に説明いたします。
 米印をしておりますのは、パブリックコメントを受けまして見直した案件について書いております。
 基本テーマとして、7つございます。
 1の暴力を許さない社会づくり。これにつきましては主な取組概要ということで3番目の黒ぽつに書いておりますけれども、先ほどのパブリックコメントにもあったのですが、「相談・保護、捜査、裁判等に携わる機関における二次的被害防止のための研修を行う」ことについて記載しております。
 2は、安心して相談できる体制づくり。
 3としまして、安全な保護体制づくり。
 4としまして、被害者の自立支援体制づくり。これにつきましては、主な取組は一応書いてございますけれども、今度特に2点ほど力を入れてつくっております。といいますのは、DV被害者自立のための民間基金の検討をしてみたいというふうに思っておりますし、2つ目の黒ぽつにありますように「乳幼児への発達支援及び学齢児への学習支援」ということにも力を入れたいというふうに考えております。
 5としましては、苦情解決体制づくり。
 6としまして、民間支援団体等支援体制づくり。
 7、一番最後になりますが、DV予防体制づくり。これにつきましては、主な取組内容なのですが、今回のパブリックコメントにありましたように加害者更生のための自助グループの検討、こういうものを盛り込んでいきたいというふうに思っています。一番最後の黒ぽつですが、これからの課題になると思いますけれども、「デートDV等の啓発講座の実施により未然防止に努めたい」ということを計画にのせたいというふうに考えております。

◎藤縄委員長
 続きまして、議題(18)医療機能情報の公表について、大口医療政策課長の説明を求めます。

●大口医療政策課長
 それでは、9ページ、医療機能情報の公表について御報告いたします。
 概要ですけれども、県民が医療機関に関する情報を得て適切に医療機関を選択できるようにするために県が医療機関からの情報を集約して、それを公表するものでございます。これは医療法の改正によりまして義務づけられているところでございます。
 対象医療機関ですけれども、12月末現在で46病院ほか877の医療機関になります。
 (2)の主な医療機能の情報ですけれども、(1)につきましてはこれまでもそれぞれの医療機関で掲示されている基本的事項でございますが、それに加えて(2)の提供サービスに関する事項として専門医の種類ですとか人数、それから手術件数など、それから(3)の医療の実績、結果に関する事項ということで、患者数ですとか平均在院日数等を公表することになっております。
 公表の方法につきましては、インターネットによりまして1月30日に公表する予定でございます。

◎藤縄委員長
 議題(19)後期高齢者医療制度の概要について、岩垣医療指導課長の説明を求めます。

●岩垣医療指導課長
 資料の10ページをお願いいたします。後期高齢者医療制度の概要ということで、20年4月からいよいよスタートいたしますけれども、県内でもこの新制度の該当者約8万5,000人を見込んでおります。
 1の制度の創設ということで、表をまとめておりますが、従来ですと75歳以上の高齢者、それから65歳から74歳の障害者は国民健康保険あるいは被用者保険等に加入しながら老人保健制度に加入していただいておりましたけれども、この20年4月からは別建ての財源になりますこの後期高齢者医療制度へ加入するものでございます。新しい制度は、高齢者の方の保険料が基本的には1割、それから国保、被用者保険の支援金の4割、公費5割の財源で構成するものでございます。
 2の役割分担ということで、広域連合と市町村との役割をまとめております。広域連合の方につきましては、被保険者証の交付、保険料の決定。これは昨年の11月に保険料率等の決定があったものであります。それから市町村の方は、広域連合の方から受け付けます被保険者証の引き渡し、そういうもの、それから相談とかもろもろの窓口業務を行います。保険料の徴収を行うものでございます。
 11ページでございますが、3の広域連合の財政リスクの軽減ということでまとめております。広域連合の財政を安定させるために新しく高齢者医療に係る負担ということで、新しい制度ということで、こちらの方につきましては1件レセプト80万円以上、これにつきまして一定割合を国、県、広域連合で負担するものでございます。それから財政安定化基金、これは貸付の利息、徴収不足によるリスク、そういうものに対して国、県、広域連合各3分の1貸付なりあるいは貸付・交付するものでございます。それから低所得者に係ります保険料軽減分の経費負担ということで、県4分の3、市町村4分の1ということで、これは2年単位の財政運営で行われるものでございます。
 4の制度運営の仕組みということで、保険料の徴収等の図をまとめておりますが、高齢者の保険料につきましては、年額18万円以上の年金受領者の方は原則年金から天引きするものでございます。このことにつきましては保険料と介護保険料を合わせた額が年金額の2分の1を超える場合には天引きの対象外とするものでございます。それからゼロから74歳の方につきましては、各医療保険の被保険者が徴収し、それを社会保険診療報酬支払基金に一たん交付して広域連合の方に交付される、こういう流れになってございます。
 めくっていただきまして、12ページをお願いいたします。5の後期高齢者の医療保険料ということで、そこに取りまとめておりますけれども、鳥取県の場合は昨年の11月におきまして所得割率は100分の7.75ということで、それから平均均等割額が4万1,592円。年間平均保険料は7万1,660円となっております。また、均等割につきましては、所得に応じまして7割、5割、2割の軽減がございますものですから、軽減後の年間平均保険料は2万9,507円となっております。
 6の保険料の軽減措置につきまして、昨年から被用者保険の被扶養者でありました方、一番下にグラフを書いてございます。扶養家族として保険料を払っていない方が後期高齢者医療制度において保険料を払うということになりましたものですから、それに伴います激変緩和の観点から2年間均等割の5割軽減という部分でございます。それから国のプロジェクトということで6カ月間の保険料の凍結、その後6カ月間保険料均等割の9割軽減ということで国の方が対応したものでございます。こちらの方につきましては、19年度国の補正予算の方で提案されてございます。20年4月から20年10月までは保険料なし、20年10月から21年4月は保険料9割軽減になりますので、1割分の保険料、それから21年4月から22年4月につきましては5割軽減ということです。最終的には22年4月からこの軽減措置等がなくなり正規の保険料になるものでございます。
 13ページ、7の患者の窓口負担です。そちらの方につきましては医療機関の窓口で払います自己負担額はこれまでどおりでございます。窓口での負担は1割、現役世代並みの所得のある方につきましては3割、これも従来どおりでございます。
 右の表にまとめておりますけれども、8の高額医療・介護の自己負担限度額ということで、こちらの方も従来どおりでございますが、20年4月から、高額医療・高額介護合算制度における自己負担限度額、これは新しく20年4月から設けられる制度でございます。後期高齢者医療保険、それから介護保険、これを合わせたところで限度額を超えるものにつきましては自己負担するというものでございます。
 ちなみに一番最後のところでございますが、70歳から74歳の高齢者の自己負担につきまして、こちらの方に係りましても2割ということで回答が載っておりましたけれども、こちらの方も
20年度につきましては1年間1割で凍結ということで、今、国の方で19年度の当初予算で対応されているところでございます。

◎藤縄委員長
 続きまして、議題(20)鳥取県がん対策推進計画(案)について、北窓健康政策課長の説明を求めます。

●北窓健康政策課長
 資料の14ページ、15ページをごらんいただきたいと思います。鳥取県がん対策推進計画(案)について御報告させていただきます。
 この計画につきましては、がん対策基本法に基づいて、本県のがん患者に対する医療の提供状況等を踏まえて計画するものでございます。計画期間につきましては、20年4月から25年3月までの5カ年の計画になっております。18年度に「がん対策推進計画検討委員会」を設置いたしまして、現在まで5回の委員会を開催いたしました。その中で原案がまとまりましたので、御報告いたします。
 計画の趣旨でございますが、計画の目的といたしましては、がん患者の罹患率、死亡率を減少させるとともに、苦痛を和らげつつ療養生活の質の向上をさせるということと、あわせてこの計画実現のための県民を初めとした関係団体等の役割を明記いたしております。
 計画の骨子といたしましては、全体目標ということで目標期限10年以内、先ほど5カ年の計画と申し上げましたけれども、全体目標といたしましては20年から29年度までの10カ年の計画としております。10年以内にがんによる死亡者の減少を現在よりも20%減らすということ、そしてすべてのがん患者、家族の方の療養の質の向上というふうなことを目標に上げております。
 一つ下におりていただきまして、分野別施策及び方向性ということで、がん医療から初め7つの分野を上げております。
 詳細につきましては、右のページをごらんいただきたいと思います。この中で、がん医療の中でも放射線療法及び化学療法の推進、それから医療従事者の育成ということ、それから治療の初期段階から緩和ケアを提供できる体制の推進、それから住みなれた家庭や地域で療養できる在宅医療の推進といったがん医療の推進という部分を優先的項目に上げております。がんの予防と早期発見の推進、それからがん登録の推進という4つの項目を重点的に取り組む課題として上げております。
 別冊でお配りしております概要版の方をごらんいただきたいと思いますが、その6ページに先ほど説明しました全体の体系図が書いてございますので、詳細はそちらの方をごらんいただきたいと思います。

◎藤縄委員長
 議題(21)医療制度改革に係る3計画1構想の策定について、三好長寿社会課長、大口医療政策課長、岩垣医療指導課長、北窓健康政策課長より順次説明を求めます。

●三好長寿社会課長兼参事(医療制度改革担当)
 資料の16ページの方をお願いします。医療制度改革に係る3計画1構想の策定についてでございます。
 これは平成18年度に成立しました医療制度改革関連法に基づきまして、県として今年度中に主な計画を策定、それから改定することを予定しております。現在各担当課によって作業を進めておりますが、本日はその全体の概要と個別の計画の進捗状況等につきまして御報告させていただきます。
 まず、私の方から総括的な説明をさせていただきます。
 16ページ、1の目的としてございますように、急速な少子高齢化、経済の低成長など大きな環境変化に対応し、国民皆保険を堅持し、医療制度を持続可能なものとするためにこれらの計画の策定あるいは改定ということを行っていくものでございます。
 その具体的な内容としては、2の全体概要というところなのですけれどもが、現在、我が国あるいは県、市町村の医療給付というのは、急速な少子高齢化のために国民所得の伸びを上回って推移しているということがございまして、国民皆保険を守るということをやりながら持続可能な医療体制というのを構築することが必要となってまいります。
 そのための課題といたしまして、そこにありますように安心・信頼の医療の確保、生活習慣病予防の推進、それから医療費の適正化というこの3つの課題に対応していく必要があるというふうに思っておりまして、それぞれの課題に応じて本年度中に計画の策定、改定ということを行っていただきます。
 また、安心・信頼の医療の確保につきましては、保健医療計画の改定というものがございます。主要項目のところに書いておりますように、今回ポイントといたしましては、がんとか脳卒中といいました疾病別・課題別の医療提供体制を新たに計画の中に盛り込むというふうにしております。
 生活習慣病予防の推進ということにつきましては、これも健康とっとり計画の改定というものを行います。生活習慣病対策を重視するというような観点から基本の計画の再構成というものを行いまして、分野別の健康づくり目標を決定をしてまいります。
 今回初めてですけれども、医療費の適正化という観点からは、医療費適正化計画というものを策定をいたします。主要項目にありますように、健康づくりの達成目標、それから医療の効率的な提供推進に関する達成目標というようなことから、療養病床の数でありますとか平均在院日数というものを定めてまいります。
 その下に地域ケア体制整備構想というものございますが、これは医療費適正化計画にも絡みますが、療養病床の再編成というものが中心でありますので、この方向性というものを示すとともに、それから再編成の推進と同時並行で、高齢者を地域で支える体制というものについてもあわせて策定をしていきたいというふうに思っております。
 17ページに3といたしまして各計画のポイントということで、どういった影響が実際に及んでくるかということでございまして、これは後ほど個々の計画のところにも重複してまいりますので、省略させていただきます。
 今後の進め方でございますが、4のパブリックコメントに書いておりますように、1月下旬以降、順次パブリックコメントを実施していきたいということでございます。現在、各計画につきまして審議会等で検討しているところでございます。本日は、概要をお配りさせていただいているものもございますし、まだそこの段階まで至っていないものもございますが、御意見を賜りながら、パブリックコメントを実施する中で県民の皆さんから幅広く御意見をいただきながら策定していきたいというふうに思っているところでございます。
 引き続きまして個別の計画について担当課長から説明をさせていただきます。

●大口医療政策課長
 それでは、18ページをごらんいただきたいと思います。鳥取県保健医療計画の改定案について御説明いたします。
 現在の保健医療計画は、19年度で期間が終了いたします。したがいまして、新たに20年4月から25年3月までの5年間の計画を現在策定しているところでございます。
 3の見直しのポイントでございますが、医療に対する安心、信頼の確保を図るために主要事業、4疾病6事業でございますが、これについて必要な医療機能、それを担う医療機関の名称を記載して住民にわかりやすくすることがポイントになります。
 現在の医療計画の構成を変えまして、下の方に書いておりますけれども、右側の新しい医療計画では疾病別、課題別対策に整理することになっております。
 別冊の「鳥取県保健医療計画(概要版)」をごらんいただきたいと思います。
 1枚めくっていただいて、3ページをごらんいただきたいと思いますが、第3章第1節に疾病または事業別対策ということで、4疾病といいますのは、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、そして糖尿病でございます。6事業につきましては、救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児医療、そして在宅医療ということでございます。
 その下に点線枠で囲っておりますが、それぞれの4疾病6事業ごとに現状と課題、対策・目標、医療連携体制のイメージ図、それから医療連携体制において役割を果たす主な医療機関の名称を記載するというふうにしておりまして、現在医療機関の名称のところでございますけれども、医療機関と調整中でありますので、3月までに医療審議会に諮って決定するということとなります。
 4ページからはがん対策についての記載でございます。内容の説明は省略いたしますが、それぞれに専門家による検討会を設けまして検討し、まとめたものでございます。
 最後に、16ページをごらんいただきたいと思います。基準病床数でございます。これについては最終数値ではございませんけれども、(1)療養病床及び一般病床ということで、基準病床数は現在の試算では県の合計で6,154床、これが上限となる見込みでございます。なお、この数値につきましては、政令で定められた計算方法を用いて機械的に算出されるものでございます。今後、療養病床から老健等への転換数を反映いたしまして医療審議会で決定されることになります。
 具体的な計算方法につきましては、その右側に参考資料として添付しておりますので、ごらんいただきたいと思います。

●北窓健康政策課長
 19ページをごらんいただきたいと思います。健康とっとり計画の改定案について御説明いたします。
 この議案につきましては、平成13年に既に計画を策定しておりますが、この計画の終期は平成22年度になっております。今回見直しする計画につきましては、平成20年4月から25年3月までの5カ年の計画となります。
 この計画の見直しのポイントでございます。3のところをごらんいただきたいと思います。3つのポイントがございます。
 1つは、医療制度改革に基づいて生活習慣病予防対策を重点化して取り組むというふうなことで、生活習慣病を減らすための目標を3つ上げております。1つ目は平成20年度から取り組みます特定健診実施率、それから特定保健指導実施率、それからメタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少率というふうな計画を持っております。この3つの目標は、医療費適正化計画にも盛り込むこととなっております。
 2つ目には、健康づくりを文化として地域に定着させるための県民的な取組、県民運動として取り組む、そういう取組を推進するということを盛り込んでおります。
 3つ目ですが、健康づくりの柱を3つ重点的に上げておりまして、運動習慣の定着、よい食習慣の推進、禁煙の推進というふうなものに取り組んでいきたいと考えております。
 この計画の名称でございますけれども、そこには健康とっとり計画というふうに書いてございますが、この名称も見直しをしたいというふうに考えております。昨年6月から健康づくり文化創造という新たな事業を取り組んでおりますが、その取組を反映したような名称に変えたいと考えております。
 具体的な見直し案でございますけれども、4のところをごらんいただきたいと思います。現在左側の方の点線枠の中に2つ、「(1)健康増進」と「(2)生活習慣病対策」がございますが、現在の計画はこれ以外に心のケア、アレルギー対策、歯の健康、寝たきり予防というふうなもの、6つの分野を記載してございます。その中で(1)と(2)を組みかえまします。右側の点線にありますような生活習慣病対策の取組を載せております。がん対策につきましては、先ほど御説明した中で整理をしております。
 詳細につきましては、お手元の方にお配りしておりますけれども、「健康とっとり計画(生活習慣病対策編)の概要」という資料の7ページ、計画の体系図を記載してございますので、こちらの方をごらんいただきたいと思います。

●岩垣医療指導課長
 医療費適正化計画案について。20ページをお願いいたします。
 この医療費適正化計画は、新しい計画でございまして、高齢者の医療の確保に関する法律第9条に基づきましてつくります県の計画でございます。
 計画期間は、平成20年4月から25年3月までの5年間でございます。
 計画の目的としてまとめておりますけれども、特定健診実施率等の目標値を設定、この目標値は5つあります。そちらの方については計画のポイントの方で説明させていただきます。5つの目標を通じて計画して将来的な医療費の適正化を図ることを目指すものでございます。
 ポイントとしまして、この適正化計画は、県の保健医療計画、健康とっとり計画、地域ケア体制整備構想、この2つの計画1構想と密接に関連してまとめるものでございます。
 県民の健康の保持増進に関する施策としましては、先ほど健康とっとり計画の方で御説明いいたしましたとおり特定健診実施率、特定保健指導実施率、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少率ということで、平成24年度の実施率、それぞれ70%、45%、10%という数値をまず目標とするものでございます。
 医療の効率的な提供の推進に関する施策といたしましては、こちらの方は療養病棟の数、それから平均在院日数、この2つを目標値としておりまして、平均在院日数のこれにつきましては全国平均と最短の県、現在これは長野県が最短になっておりますが、この差を縮小することを目指して目標を定めることとしております。

●三好長寿社会課長兼参事(医療制度改革担当)
 最後に、21ページをごらんください。地域ケア体制整備構想の策定についてでございます。
 この構想は、ほかの計画とは違いまして法定計画ではございませんで、厚生労働省の課長通知ということでつくるものでございます。
 これは療養病床の再編成というものを、医療資源の効果的・効率的な活用という観点も推進するわけでございますけれども、それと地域のケア体制の確立というもの、車の両輪のように進めていかなければいけないというふうなことで、その方向性というものを決めるものでございます。
 概要として4でございますが、地域ケア体制として将来的にどういうものとしてあるべきかということを記載する。
 あるいは(2)にありますように、23年度までの介護サービス等の必要量の見込み、それからあとの確保方策ということを記載して、在宅介護あるいは在宅医療、住まいの体制、施設のあり方、こういったものについて記載するものでございます。
 そして(3)といたしまして療養病床の転換の推進ということでございまして、特に鳥取県の場合、現在の状況、医療の必要性が低い患者さんも4割か5割ぐらいいらっしゃることがございますが、地域で生活する高齢者の方の一時入院のニーズといったような地域の実情に応じた役割を果たしていく必要がございます。したがいまして、これは国の方からの、いわゆる参酌標準という形で目標値をこれぐらいに定めなさいというようなことも出ているわけなのですが、それに必ずしもこだわらずに鳥取県の地域のニーズに応じた目標というものを設定をしてまいりまして、今後の転換過程を明らかにするということとしております。現在その目標値といったようなものを検討している最中でございますけれども、これは検討が済みましたら、この場でも概要について報告をしていきたいというように思っております。

◎藤縄委員長
 次に、生活環境部の説明を求めます。
 議題(22)大橋川改修事業に関する環境検討委員会(第8回、第9回)について、池田環境立県推進課長の説明を求めます。

●池田環境立県推進課長
 そういたしますと生活環境部資料1ページをお願いいたします。大橋川改修事業に関する環境検討委員会の第8回及び第9回、これが開催されましたので、その概要を報告いたします。
 2ページに大橋川改修事業の環境調査フローをつけてございます。今回の下の方に黒字で現時点、第8回、第9回というふうに書いてございます。今回御報告します2つの検討委員会は、環境調査報告書の一次取りまとめの前の検討委員会というふうに位置づけております。
 引き続きまして、前のページにお返りいただきたいと思います。
 8回目の環境検討委員会でございます。
 これは昨年の12月25日に開催されました。
 報告内容につきましては、(1)のところに書いてございますが、塩分濃度は上昇する。括弧の中に書いてございますが、塩分濃度は、宍道湖湖心では上層で1.3psu、中海湖心では上層で0.9psu上昇されるというふうに予測されます。1psuというのは、1,000ppmという単位でございまして、下の方に書いてございますが大体海水が34psuということですので、この数値がどの程度の濃度になるのかは想定できるのではないかと思っております。
 あとCOD、総窒素、総燐、植物性プランクトン、DO等については、変化はないまたは小さいと予測されるということで、特に中海においてはCODは0.1ミリグラム/リッターと減少するということで、下方にいい方になるというふうに予測されておられます。
 2つ目の弓ケ浜半島の地下水位への影響ですが、これも小さいというふうに予測されておられます。これは鳥取県の意見に基づき調査実施された結果でございます。この調査につきましては、葭津、彦名の各3地点と米川について地下水位を測定した結果でございます。中海の沿岸部につきましては、中海の水位との関連性が若干あると言われるものの、出水時や高潮時でも中海の水位変動は1センチ未満であると予測されておられますので、水位への影響も非常に小さいではないかというふうに予測されておられます。
 (2)に各委員からの意見は、記載してあるとおりでございます。主な意見を記載しております。
 次に、第9回目の検討委員会でございます。これはことしの1月9日開催されています。
 (1)の報告内容でございますが、大橋川の直接改変、これは中州の除去等をするものでございます。大橋川の中の部分でございますので、鳥取県には影響はほとんどないというふうでございます。当然中州がなくなりますので、そこに生息する植物、動物に影響がありますので、それらにつきましては生育環境を整備して移植する環境保全措置を講じるということでございます。
 各委員からの意見につきましては、そこに主な意見を記載してございます。
 検討結果でございます。これらの各委員からいろいろな意見が出てございます。これを「一次取りまとめ(案)」の修正、これも案の修正を前提ということで、環境検討委員会としては今回の一次取りまとめ(案)を了承するということでございます。
 なお、この一次取りまとめ(案)の修正に当たりましては、各委員からいろいろ意見が出てございます。これらの意見を聞きながら取りまとめていくということでございまして、最終案の決定につきましては委員長に一任するということですので、検討委員会については今回で最後ということとなっております。
 今後の予定でございます。一次取りまとめ、これが今後、各委員さんの意見を聞きながら修正されることとなっております。恐らく3月中には修正されるのではないかなというふうに思っております。この取りまとめが確定いたしましたら、まずは地域住民、地元米子市、境港市の両市へ十分にわかりやすく説明されるよう求めていくことといたしております。
 また、今回の取りまとめ内容、これについて非常に厚いものでございますが、これらにつきまして米子市、境港市の両市の、地元の意見等もよく聞いた上で、また鳥取県環境影響評価審査会の意見も参考にしながら、専門家等の意見も聞きながら県としての考え方をまとめることといたしております。

◎藤縄委員長
 続きまして、議題(23)「鳥取県石綿による健康被害を防止するための緊急措置に関する条例の改正案骨子」についてのパブリックコメント実施結果について、田倉水・大気環境課長の説明を求めます。

●田倉水・大気環境課長
 最初に、御訂正とおわびを申し上げたいと思います。前回委員長の方に石綿の読み方を「せきめん」とお伝え申し上げておりましたけれども、確認いたしましたら通例「いしわた」と読むということでございましたので、訂正とおわびを申し上げます。
 そういたしますと「鳥取県石綿による健康被害を防止するための緊急措置に関する条例の改正案骨子」についてのパブリックコメントの実施結果について御報告申し上げます。
 意見募集期間は、19年11月28日から12月18日の21日間行っております。
 周知方法といたしましては、新聞広告あるいはケーブルテレビ等の報道への資料提供、それから県ホームページ、県庁及び各総合事務所の窓口等で周知しております。それから建設業協会、解体工事業協同組合、建築資材等の関係者の皆様と意見交換を行いました。
 提案件数14件でございます。一般の方からはゼロで、14件すべて先ほど申し上げました建築業界関係の方からの御意見でございます。
 3といたしまして、主な意見、対応状況でございます。
 (1)でまず無届けで工事をしている業者等の無届け工事の防止のためにどういう対応をされるのかという意見がございまして、その部分につきましては、昭和31年から平成元年までに建築されました耐火建築物について事前調査あるいはその使用有無にかかわらず報告を義務づけるという形で対応するということとしておりますし、それからイの方で事前調査の方法の中に図面を盛り込んではどうかという御意見がございました。これにつきましても条例案の方に設計図書等による調査を盛り込んで対応しているところでございます。
 (2)対応が困難なものということで、事前調査は施工業者ではなく建物の所有者に義務づけたらどうかという御意見と、届け出につきまして作業開始の14日前までということとしているわけですが、その報告までの期間を短縮してはどうかという御意見と、それから罰金をもっと厳しくしないといけないのではないかという御意見がございました。これにつきましては他法令におきまして14日前までに届け出るということでありますか、それから事前調査は施工業者でありますとか、罰金につきましては「届出義務違反は10万円」というようなものがございますので、それら他法令等を勘案いたしますとちょっと対応困難かなというふうに考えているところでございます。
 (3)その他でございます。これは条例では対応しておりませんけれども、他の機関との連携を十分図って情報交換されてはどうかという御意見がございました。この御意見につきましては、労働基準監督署並びに建築リサイクル法の届出を受け付けております4市あるいは総合事務所等と連携をして、十分同じ情報をもってチェック体制を図っていくこととしております。
 次は、事前調査結果の報告対象についての質問ということでございます。なぜ吹きつけ石綿だけするのかということでございますが、吹きつけ石綿につきましては著しく飛散性が高く、周辺環境への影響が大きいということで、特に事前調査結果の報告を求めているという回答をしております。
 総合事務所における図面等のチェックについて、本当に図面が見られるのかという御質問がございました。これにつきましても総合事務所の建築担当、建築住宅課の建築技師等と連携を図りましてチェックしていただくこととしているという回答をしているところでございます。
 今後の予定といたしましては、2月議会に条例案を付議、4月に改正条例の公布、10月に施行ということで計画しているところでございます。

◎藤縄委員長
 議題(24)鳥取県PCB廃棄物処理計画(案)の概要について、亀井循環型社会推進課長の説明を求めます。

●亀井循環型社会推進課長
 同じく生活環境部資料の4ページをごらんいただきたいと思います。鳥取県PCB廃棄物処理計画(案)の概要について御報告をさせていただきます。
 この計画につきましては、非常に長い名前の法律なのですが、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」、いわゆるPCB特別措置法と言っておりますが、この法律に基づきまして策定するものでございます。
 この計画の策定に当たりましては、この法律に基づく国のPCB処理基本計画というものがございまして、そのものとの整合性を図りつつ関係機関と協調性を図った上で今回取りまとめたものでございます。
 概要でございますけれども、大きく5点に分けております。
 基本的事項といたしまして4つばかり上げております。PCB特別措置法では、このPCB廃棄物の処理は28年7月までということで定められている関係で、計画の期間はこの法律の処理期限と同じにしております。実際の処理、これは後でまた説明しますが、日本環境安全株式会社の北九州事業所というところで処理するということが決まっておりまして、ここの処理というのは27年3月までということとなっております。
 なお、このPCBの廃棄物の処理は、日本環境安全の事業所だけではなくて、自社処理でできるところは自社施設で行うということでございまして、中国管内では現在のところ中国電力が自社の処理施設を持っておられます。自社施設での処理は28年7月までに行うということでございます。
 (2)でございますけれども、県内のPCB廃棄物の処理見込みということでございます。3つに分けて書いてございますが、単位が台で数えるものとキログラムやトンで数えるものとがございますので、こういった整理をさせていただいております。高圧トランス等については約1,000台、廃PCBについては約180キログラムといったところでございます。
 (3)処理体制でございます。PCBの廃棄物は、「PCB廃棄物処理基本計画」、これは国の計画でございますが、この計画に基づきまして全国5カ所で処理をするという計画になっております。この5カ所といいますのは、北九州以外には北海道、東京、愛知県の豊田、それから大阪の5カ所でございまして、先ほど申し上げましたとおり県内分は北九州事業所と、中国電力については広島市内にある自社処理施設で行うということでございます。
 具体な処理体制につきましては、表の1に掲げているとおりでございます。
 なお、PCBにつきましては、微量PCBの混入機器というものもありますが、これの処理につきましては現在国の委員会等で検討されているところでございます。
 5ページをごらんいただきたいと思いますが、(2)の処理体制確保のための方策ということでございます。先ほど申し上げました北九州事業所では、中国、四国、九州、それから沖縄など西日本17県内にあるものを処理するということとなっておりまして、これらの県等で構成する調整会議を持っております。この調整会議において収集運搬とか処分の確保についての調整を図っているところでございますし、今後も調整していくということとしております。
 (3)の鳥取県分の搬入でございますけれども、これは表2をごらんいただきたいと思います。鳥取県内では多量保管事業場が2事業場ございます。大半がこの下の少量保管事業場ということとなっておりまして、21年度、それから23年度、24年度、26年度、この4か年に分けて処理を行うということでございます。
 (4)適正処理の推進方策ということでございますが、特に保管事業者や使用事業者、こちらの方はいろいろやっていただきたいということがございます。保管事業者につきましては、期限内の処分、それから保管届出等がございます。それから使用事業者につきましては、PCB漏えい等の防止であるとか代替品への転換促進、そういったようなことに御協力いただきたいということでございます。ほかのところはちょっと省略をさせていただきます。
 (5)その他でございますが、先ほど申し上げましたとおりPCB混入機器の処理体制、これがまだ現在も国の計画等で明確になっておりません。このことにつきましては今年度全国知事会等を通じて国に要請しておりますし、今後ともそういった要請を続けていきたいと考えております。
 なお、この計画につきましては、今月末を目途に提案といたしまして、保管事業者の皆さんであるとか使用業者の皆さんに対しまして、ホームページや、あるいは県政だよりを通じて啓発をしていきたい。適正な処理が行われるよう啓発活動を進めてまいりたいと考えております。

◎藤縄委員長
 続きまして、議題(25)「全国一斉多重債務者相談ウィーク」鳥取県相談会の結果について、山根消費生活センター所長の説明を求めます。

●山根消費生活センター所長
 6ページをお願いいたします。「全国一斉多重債務者相談ウィーク」鳥取県相談会の結果について御報告いたします。
 12月11日から13日まで3日間、県内3カ所におきまして相談会を実施いたしました。
 結果の概要でございますが、合計で132件の相談を受理しました。地区別、年代別、借金額等につきましては、表のとおりでございます。
 具体的な相談・助言の例でございますが、無職で返済の当てがなく、夜も眠れないといった方につきましては自己破産を助言し、法テラスを御紹介しておりますとか、あるいは生活費のために10年前から借金をしておられ、何年たっても完済しないといった方につきましては、過払金が発生している可能性があるので任意整理を助言して司法書士の受任でつなげていく、そういったような助言等を行っております。
 今後の予定でございますが、今週、あさってからでございますが、23日から3日間、2カ月に1回行っております多重債務等相談会で相談の対応をしてまいりますし、また3月にも3日間開催することにしております。今後も多重債務者の相談対応に努めてまいりたいと思っております。

◎藤縄委員長
 続きまして、議題(26)鳥取県福祉のまちづくり条例の全部改正についてのパブリックコメントの実施状況について及び(27)鳥取県における法改正後の建築確認の現状について、小倉景観まちづくり課長の説明を求めます。

●小倉景観まちづくり課長
 資料の7ページをお願いします。鳥取県福祉のまちづくり条例の全部改正についてのパブリックコメント実施状況について御報告します。
 パブリックコメントを10月26日から12月25日にかけて行いました。その間寄せられました意見、質問合わせまして60件でございます。3に主な意見及び対応の状況について記載しております。
 まず、(1)意見の趣旨を見直し案で反映させるものとしての意見がございました。具体的な整備項目や整備基準について修正や明確化を求める意見でございまして、条例案への反映や、また来年度に策定予定としております施設整備マニュアル、そちらの方にも詳細な理念等を反映させていきたいと考えております。具体的に条例案に反映させたものといたしましては、溝ぶたの構造を具体的な記述に改めるというようなこと、それから各種施設の表現のあり方を修正したこと、それと自動車教習所には点字ブロックは要らないのではないかという意見を対応したものでございます。また、手すりの位置でありますとか誘導ブロックの配置などにつきましては、マニュアルの方に図面を用いて盛り込んでいきたいというように考えております。
 (2)既に条例案、また法に盛り込まれているものについては42件寄せられました。市町村の役割についての意見が2件。面積規模・用途に関する意見が7件。これは面積の大小にかかわらない整備を求める意見、また逆に、基準が厳しいのではないかというような意見がございました。建築物の上乗せ面積の規模を用途に応じて設定しているところでございまして、そういう御説明をしているところでございます。点字ブロック・音声誘導装置に関する質問が6件。既存の建物に関する質問が7件。これは既存建物の改修が必要なのかといった質問や増改築する場合バリアフリー化が必要となる条件についての質問でございまして、増改築が基準、規模以上であれば当然義務化になりますということでございました。
 (3)、今後の検討課題とするものが4件ございました。100平米以下の建築物への義務化。それと視覚障害者への音声案内。これは点字ブロックを設置するところは音声誘導とセットにすべきではないかというような意見でございました。また、車いす使用者の使い勝手の改善。これは飲食店等の固定いすの設置基準をつくってはどうかというような意見でございました。これらにつきましては今後の検討課題としております。
 4の今後の予定でございますけれども、今回のパブリックコメントの意見を踏まえた修正案、条例案を2月議会に付議し、その後6カ月の周知期間をとりまして、10月施行に向けて取り組みたいと考えております。
 続きまして、8ページをお願いいたします。鳥取県における法改正後の建築確認の状況について報告させていただきます。
 昨年6月20日に施行されました改正建築基準法によりまして、全国的に建築確認の長期化が指摘されているところでございまして、本県における現状について御報告いたします。
 1に申請件数の現状について書いております。申請件数の推移でございますけれども、件数は平成13年から毎年3%から10%の範囲内で減少しつつあるのが事実でございます。また、平成19年度を見てみましても、法改正前で駆け込み需要が多くなるだろうと予想される4月から6月にかけても、前年に比べて減少しているということがございます。平成13年から19年における7月から11月の5カ月間の申請件数だけを見てみますと、平成19年度におきましては対前年78.5%と落ち込みが少し大きくなっているのかなと思われます。
 法改正の影響でございますけれども、確かに建築基準法の改正によることも一つの原因ではございますが、景気等による自然減少の影響も大きいのではないのかと考えているところでございます。
 2の審査日数の状況でございます。(1)に日数の現状を書いております。事前審査から本受付して本審査、それから確認済証の交付までの所要日数でございますけれども、構造計算適合性判定を行わないでいい物件、これにつきましては2日程度の増加となっております。また、構造計算適合性判定の対象物件につきましては、37日程度の増加している状況でございます。
 是正の内容を見てみますと、法改正で新たに添付・記載が必要となった事項も確かにございますが、法改正前からつけなければいけない資料がついていなかったりとかといった不備もあるところでございます。
 法改正の影響でございますが、構造計算適合性判定の対象外につきましては顕著な日数増加というのが見られないことから、添付資料等になれてくればより短縮が図られるというふうに考えております。
 また、構造計算適合性判定の対象物件につきましては、法改正によって新たに追加された構造計算のピアチェックの業務でございます、これが審査日数の増加につながっているということでございます。
 ちなみに、6月20日以降今日までに構造計算適合性判定の対象物件は8件申請されているところでございます。
 3といたしまして鳥取県の建築確認業務の円滑化に向けた取組でございますが、これまで講習会が10回行われてきています。内容としては、法改正の内容もさることながら建築確認申請時の留意事項、ここを中心に関係機関の方々に講習会をしているところでございます。
 また、事前審査の実施ということで、法改正後は本申請を出した後では図面の差しかえ等ができません。ですから本申請の前に事前審査という形で補正を行ってきているということについていち早く法改正とともに導入しているところでございます。
 また、昨年の12月25日に特定行政庁とか検査機関とか建築関係団体と一緒になって建築確認円滑化対策協議会というものを設置しております。それぞれの関係者が個々の問題をそれぞれで持っているのではなくて、全部さらけ出して協議会の中でいち早く解決しようといった取組を開始したところです。
 (4)今後の取組でございますが、審査期間の短縮ということで、並行して審査できる範囲を抽出しまして、審査期間をより短縮していきたいというふうに考えております。
 また、建物の規模に応じた審査期間の明確化ということで、一戸建ての住宅でありますとかRC造の建築物でありますとか建築物の規模に応じて標準処理期間を明確化する、それをわかりやすい形で提供していくという取組を始めたいと思っております。

◎藤縄委員長
 続きまして、議題(28)鳥取県被災者住宅再建支援制度の見直しについて、長谷川住宅政策課長の説明を求めます。

●長谷川住宅政策課長
 続きまして、資料の10ページをお願いします。鳥取県被災者住宅再建支援制度の見直しについて御報告させていただきます。
 国の被災者生活再建支援法等が昨年の11月に一部改正、公布されまして、県が要望してまいりました住宅本体への支援が対象となりました。これを受けまして、県制度のあり方について市町村と協議してまいりました。1月15日に、知事並びに市長会推薦の鳥取市長と米子市長、町村会推薦の岩美町長と三朝町長と南部町長に集まっていただきまして運営協議会を開催しまして見直し案の検討を行っていただきました。
 2に改正されました国制度と現行の県制度を比較しております。対象となる自然災害の規模ですが、国制度では全県で100戸以上または市町村単位で10戸以上の住宅の全壊となっておりますが、現行の県制度では全県で10戸以上の住宅の全壊となっております。対象となる被害については、国制度は全壊と大規模半壊のみですが、現行の県制度は全壊、大規模半壊、半壊、一部破損を対象としています。また対象経費については、国制度は使途は不問となっておりますが、現行の県制度では工事費、購入費のみが対象となっております。
 国制度の支給額ですが、表のとおりとなっております。上段の括弧書きは、単数世帯、ひとり暮らし世帯のことですが、単数世帯の支給額でございます。単数世帯は複数世帯の4分の3の支給額となっております。
 3に県制度の見直し案を示しております。対象となる自然災害の規模は、現行の県制度を継続しまして、全県で10戸以上の住宅の全壊としております。
 半壊の補修につきましては補修費を対象とし、支給額は国の制度を参考にしまして複数世帯で100万円として継続することとしております。なお、鳥取県西部地震における1世帯当たりの支給額は、補修については63万円弱となっておりますので、この範囲におさまっております。一部破損につきましては、西部地震の例を見ましても一部破損の1件当たりの金額が少額でして、少額の補修は住宅の所有者の自己管理の範囲ということとし対象外とさせていただきました。
 基金の造成目標額ですけれども、50億円から20億円とします。
 造成期間も25年から13年に短縮になります。平成25年度には積立が完了します。これまでは毎年県が1億円、市町村が1億円の計2億円を積み立てており、今年度末で積立額が14億円となりますが、今後は毎年の積立額を半額の1億円としまして、市町村の負担を軽減してまいります。

◎藤縄委員長
 それではただいままでの説明について質疑がございますでしょうか。

○市谷委員
 ちょっとまとめてお願いします。
 まず福祉保健部の今度の原油高騰の対策についてですけれども、市町村が助成されることを支援するというところが、都道府県単位で全国で何県ぐらいあるかなと思いまして。このことは結構、県としてはよく頑張って取り組んでおられるのではないかと。ちょっと全国の状況を教えてください。
 それと同時に、生活保護世帯を対象にということなのですが、各市町村の状況を見ましても国の制度が生活保護に限らず低所得者世帯にということで対象も広げていますので、市町村では独自ににそうやって取り組んでおられるところもあります。それで生活保護から漏れている生活保護基準以下の方が、国の調査でも生活保護世帯の5倍はいるということで、生活保護世帯を対象にするということはもちろん大切ですけれども、それ以下の収入でしかないという方たちに対してもやはり支援するということが必要ではないかというふうに思いますので、対象を広げるということについて、今のところの御意見を聞かせていただきたいと思います。
 あと5ページの障害手帳のことについてなのですが、再交付の手続を新たに設けるということになっているのですけれども、再交付の手続をすること自体がなかなか大変な点もあるのではと思うのです、障害を持っておられる方なので。どういうふうに更新の手続をされるのかを教えていただきたいということと、再交付する際に再判定するということが書いてありますが、そこで認定されなくなるなどということがあってはいけないと思うのですけれども、そこの辺のちょっと考え方を教えてください。
 10ページの後期高齢者医療制度についてですが、これは保険料の支払いができなかった方たちに対して罰則の規定があるのではないかと思うのですけれども、そのことについて掌握しておられたら教えてください。
 受ける医療内容なのですが、これもちょっと制限をされるということを聞いているのですけれども、今のところどういう制限になろうとしているのかということを教えてください。
 この後期高齢者医療制度の実施に伴って、65歳以上の寝たきりの方が特別医療の対象にもなっているのですが、県がこの間の特別医療制度の改正のときに、65歳以上の方については国保ではなくて後期高齢者医療制度の加入を前提とするということをこの間の条例改正でもやったわけですけれども、実際に国の方は国保でもどちらでも選択していいということになっているので、特別医療との関係で「後期高齢者医療制度に入りなさい」ということにしてしまっているわけなのですが、国はどちらでもいいよといって選択の余地を与えているわけですし。このことで実際に後期高齢者医療制度へ加入した場合、先ほど言いました医療内容の制限ということがもし実施された場合に、国保だったら受けられたものが後期高齢者医療制度に加入しまったがために受けられなくなるものが出てくるということを、ちょっと心配しているのですけれども、その点について説明できれば説明してください。
 15ページのがん対策についてですが、今の子宮がんの検診については、国の方は2年に1回の検診でいいということになっているのですけれども、県の方で独自に毎年やってくださいと推進しておられるというふうに聞いているのですが、乳がん検診については今2年に1回という、偶数年度ですか、ということになっているのですけれども、子宮がんについて県が独自にやっておられるように乳がんについても毎年検診を実施するということとしていただければいいなと思うのです。その点について、この対策に組み込んでいただくことについて検討していただきたいのですけれども、その点についてお示しください。

●福田福祉保健課長
 灯油の助成についてのお尋ねが1点ありました。全国の状況についてつぶさに把握しているわけではございませんし、刻々動いておりますが、現時点で把握している限りでいたしますと東北の雪の深いところとか、福島県とか新潟県とかで実施するということを聞いております。ほかにも山梨県とか滋賀県とかでは検討するという状況を聞いております。それから中四国各県におきましては、島根県が実施する方向で検討中だということを聞いております。
 生活保護世帯以外にも対象にしてはどうかということでございます。考え方といたしましては生活困窮者という定義はなかなかございませんので、どこで線を引くかというのは非常に難しいことでございます。そこで私どもが考えておりますのは、市町村が助成されるところに支援するという基本に立ちまして、各市町村によりまして考え方がそれぞれありますが、生活保護世帯は共通なところでございますので、県としてはまずそこを支援したらどうかという考えに立ったものでございます。市町村におきましても全く支援がないわけではございません。国の制度の支援もあるわけでございますので、県としてどこまでやるかということで議論したときに今回の生活保護世帯を対象とするのがいいのではないかということとしております。
 保護基準以下の世帯もあるのではないかという御意見もありましたが、実態としてはそういうこともあろうかと思いますが、このたびの灯油助成費の制度としては生活保護世帯まででよいのではないかという判断に立ったものでございます。

●吹野障害福祉課長
 手帳の関係でございます。もともと療育手帳や精神保健福祉手帳につきましては、定期的に再判定ということの制度はございます。それは変わりありません。身体障害者手帳につきましては、再判定という制度がないものですから、小さいときに、幼少のときに手帳を交付されたときは写真が子供時代のままなので、本人確認等がなかなか難しいということがございます。それから療育手帳につきましても、50歳以降は再判定という手続がないものですから、本人確認をするために。これは本人の希望等によって制度的に10年を経過したら再交付の手続をしようということで、再交付の手続をされないからといって、基本的に不利益を課すことではありません。ですが、ただ写真等が古いままでは本人を確認できないということで、公共交通機関の割引などの軽減等が受けられない場合も出てくるということがございますので。
 周知につきましては、現在各関係団体等で行っていますが、さまざまな機会をとらえて市町村等も含めて行っていきたいというふうに思っております。
 後期高齢者制度の特別医療費の関係についてでございます。特別医療費助成制度の見直しにつきましては、9月議会で条例改正をしていただいたところなのです。考え方としましては特別医療費助成制度というのはさまざまな医療制度によって支援を受けられて、残った自己負担、本人負担部分を支援する制度ということで、できるだけ使える制度はどんどん使ってもらって県内市町村での支援する額を低くしたいというのがもともとの考え方でございます。一定の障害がある方につきましては65歳から74歳であっても後期高齢者医療制度の方に移行することができます。通常ですと自己負担が3割あるいは2割となるが、後期高齢者医療制度に移行されると1割で済む。これは本人負担を軽減しようというもともとの老人医療制度からあったものでございますが、今回の見直しによりまして後期高齢者医療制度に移行されますと自己負担が1割で済むということでありましたので、制度につきまして後期高齢者医療制度に移行した方を助成対象とするよう条例を改正させていただいたところなのですが、条例を改正させていただいた後にさまざまな、保険料でありますとかいろんなものについて後期高齢者医療制度が明らかになってきております。そういった現在の後期高齢者医療制度の状況を踏まえて、市町村と改めて意見交換をしたいというふうには思っております。

●岩垣医療指導課長
 後期高齢者医療制度の中で保険料を支払わない場合に罰則があるのかということでございます。これは現在の老人保健制度ですと保険料を払わなくても罰則的なものはございませんが、今度の後期高齢者医療制度では全額保険料を払わなかった方につきましては、資格証明書が交付されます。そして、病院等にかかったときは、いったん窓口では全額払われて、その後に保険部分相当分を返してもらうという、そういう仕組みが組み入れられることとなっております。ただ、これは現在の国民健康保険、そちらの方にも同制度、同じ内容の仕掛けがございます。やはり現在でも、国保を運用しております市町村等では、保険料の支払いが滞る方、あるいは滞納されている方につきましては、短期被保険者証書とかそういうものを交付しながら十分相手の方とのお話をよくお聞きして、一括支払ということでなければ分割支払とかといったことについても考慮しながら対応していただいているところでございますので、今後ともそちらの方につきましては引き続き国保と同じような対応で説明していきたいと考えております。
 医療費の受ける内容に制限があるのかということでございますけれども、こちらの方につきましても、今中央社会保険医療審議会で議論されておりますが、高齢者医療担当者とか担当医とか、そういうことがいろいろとマスコミや新聞等でも報道されておりますが、基本的には新しい制度といいますか、診療報酬体系ができるのではなく、現在の老人の診療報酬、そういうものをベースにしたものの中で若干、一部が変えられるというふうにお聞きしておりますものですから、受けられる給付に制限がかかるというようなことととらえておりません。ですから従来と同じような内容の給付は受けられる。ですから医療にも低下するということは考えておりません。

●北窓健康政策課長
 乳がん検診を2年に1回のところを毎年度の検診にならないかということと、それを計画に盛り込むことはどうかという御質問だったと思います。乳がん検診につきましては、17年度からマンモグラフィー検診ということで新たな検診の方法を導入して取り組んでいるところです。計画の中では、がんの早期発見という分野にかかわって、がんの死亡者数の減少を目指したがん検診における精度管理、事業評価を行って見直しを行いますというふうなことを盛り込んでおります。ですのでそういう状況を踏まえながら、新たなそういう再度毎年度の検診へというふうなことも考えていくことになるかなと思います。

○伊藤(保)委員
 後期高齢者医療制度についてですが、概略でいいですけれども、これまでの老人保健制度からこの新しい制度に移行した場合、県の持ち出しが、負担が大体幾らぐらいが幾らぐらいになるのか。それから市町村レベルでいいますとどの程度市町村の持ち出しがふえるのか、それとも減るのか。その辺ちょっとお伺いしたいと思います。もしわからなかったら後でいいですけれども。

●岩垣医療指導課長
 現在予算要求しておりますけれども、現在老人保健を県が給付しております金額は約50億円でございます。それが平成20年度、今当初予算要求では60億円を要求ベースにしております。ただ、その中で県費ベースとなりますと、今県が老人保健と国民健康保険に法定部分を負担
しておりますけれども、そちらは両方とも、今度は新しい後期高齢者制度に75歳以上の高齢者が移行する関係の、この算定でいきますと県費ベースで約6億円、県費がふえる。その中には制度の改正に伴う負担増と、それから医療費の伸びに伴う給付増があります。医療費の給付は年々伸びておりますけれども、こちらは何%か見込んでおります。これを両方見込んだところで県費ベースでの、それぞれの制度改正で幾らということで計算しております。

○伊藤(保)委員
 市町村の負担はわからない。

●岩垣医療指導課長
 市町村の方は、実はちょっと数字としては把握しておりませんが、例えば鳥取市さんとかちょっとお聞きしましたら市町村レベルでは余り給付は変わっていないとのことです。といいますのは今回制度改正で65歳から、先ほどの図がございましたけれども、10ページの表の中で65歳から制度間の医療費負担の不均衡調整ということで退職者の方の退職者医療、そちらが国民健康保険にも入ってきます。ですから当然ある程度の高齢者の方の給付等もふえますが、保険料収入が現状よりも少し、見込まれるということがありまして、市町村レベルでは制度的な影響というのは余り変わらないのではないかなということで。ちょっと数字では押さえておりませんけれども、このようにお聞きしております。

◎藤縄委員長
 そのほかございますでしょうか。
 それでは、その他でございますが、福祉保健部、病院局及び生活環境部に関して執行部、委員の皆さんの方で何かございますでしょうか。

○廣江委員
 ゆうべ9時ごろ、テレビのチャンネルを変えていたところ、認知症の問題についてNHKが放送していたし、ほかの民法では認知症になったお父さんや奥さん、刑事の奥さんやお父さんが認知症になって、「殺してくれ、殺してくれ」と言われて殺すといった番組をしていた。ちょうど同じ時間だったので、途中から見たのだけれども。また、きのう私が見ていた雑誌に、認知症の対策が重要になってきたということで、認知症のことをいろんなところに相談に行って、いろんな診療所など2~3か所で診てもらったり、紹介してもらったり。それをやるドクターたちがちゃんと対応してやっていけば、対応の仕方によっては認知症の進度を抑えたりいろんなことができるといったことなど、いろいろなことが載っていた。その中に各県ごとでの認知症と認定するドクターの講習会の実施回数の最高と最低のランキングが出ていて、鳥取県はどちらにも入っていなかったのですが、そういうものを見た後でそのテレビを見たんだけれど。さっき言った刑事の奥さんとかお父さんが認知症になって、「殺してくれ、殺してくれ」と言われて殺す、そういった事件についてやっていたのだけれども。こうなってはもう。本当にこれだけ、徘回とかいろんな行動が出て大変だと思うけれども、入院とか治療、そういうことに行こうということが全然、番組の中でもしないし。もう一方では、行ったところのドクターがちゃんとした検査をしていなかったため判定ができなく認知症が進んでしまった。そういったことで、鳥取県の方では、今そういった体制がどういうふうになって、さっき言ったように一番びりの方と頭の方にはなかったけれども。鳥取県は今どういう状況になって、ちゃんと相談に行ける場所がどのくらいできているのか。それから紹介を受ける側についてどれだけの体制ができているのか。医療関係の方もやってもらわなければいけないけれども、それを利用する県民の方も利用の仕方をちゃんとわかっていないと機能しないので、そういうことがどうなっているのか。きのう、そのテレビを見てぱっと感じたもので。どうなのか、その辺がわかったら教えていただきたいと思います。

●三好長寿社会課長兼参事(医療制度改革担当)
 認知症の認定等のことですが、今、委員から御指摘ありましたのは、国で平成17年度からやっております、認知症の診断とかアドバイス、こういったことができるかかりつけ医を確保していこうということで、県から推薦を受けたお医者さんが国の機関の研修を受けて「サポート医」ということで登録をされて、そのサポート医が各地区の医師会と連携して、かかりつけ医の先生に対する研修などを実施していく。こういう仕組みがございます。鳥取県では、実は各地区医師会さんに大変御協力いただいておりまして、17年度から19年度までで各地区から8人の方がサポート医の研修を受けていただき、その後、県内のかかりつけ医の先生に対する研修会の企画立案ということをやっております。人口に対する派遣人数からすると、かなり充足していると思いますし、地区医師会と連携したこの事業も3年目となっておりますので、かなり現場の先生方の意識も変わってきたというふうな認識を持っております。
 そういったかかりつけ医の方のレベルアップといいましょうか、そういったこともおやりですけれども、今御指摘ありましたが、そこにつなげていくという取組の導入も大切だろうと思っておりまして、これは市町村の方は介護医療事業の中で認知症の早期に、早く気づけば薬物療法なども含めた早期の治療ということで、その後の対応も大分変わってまいり、そういう先ほどの殺してくれということが起きる前に、軽い段階で対応することができますので、県としては実は20年度、そういった早期の発見とか予防とかというところで、もう少し市町村に対する支援を行えないかと、市町村が早期発見したりするといった取組を支援するようなことに対して予算要求していくなど、そういった早期発見、予防の取組を進めていきたいと思っております。

○廣江委員
 個人的にもそれに類するような相談をちょいちょい受けるのだけれども、どこに相談していいのかがわからない人が困って。たまたま出会うと「あなたのところでわかるのではないのか」というようなことを頼まれるので、市町村の仕事だと思うけれども。やはり、いったいどこに相談しに行ったらいいのかということなど、利用の仕方というか、相談する場所ということがわかるような形を、ちょっと市町村にやってもらえるよう、してもらったらいいと思うので。
 それと、今発表があったように、事業計画なども進んでいるけれども。時々東京都の福祉の担当部局に行っていろいろ聞いてみることがあります。数年前からの小児の問題とか、そういうところを。東京都などでも市町村や区によっても違ってますが、小児科や産婦人科の問題などでも非常に積極的に動いている市町村の場合は、それで十分か十分でないかということは別にして、地図がちゃんとあって、小児科の診療所の場所が載っていて、その診療所は夜もやっているとかやっていないとか。また、小児科以外にも、この地域だったら夜もやっている病院はどこにあるとか、あるいは手術やいろんなことでもできるような病院はどこか、というようなことがわかる地図ができている市や区もあって、ちょっと見せてもらったけれども。同じ東京都の中でも市町村の対応に大分格差があるように私は聞いたけれども、やはりそういうことが県内においても各市町村ごとにやっておられるのか。陳情の内容を聞いていてもそうですけれども、皆さんだれもが、市町村の役割を我々県会議員に言ってこられるので。市町村のことなので県に言われても。市町村のことを言ってもらっても、「県の職員にやりなさい」と私たちも言えないし、昔と違って縦から横になったので、県の職員も市町村に向かって指令が出せないので、あなたたちの運動もそちらへ向かって運動してくださいよということが大分ふえてきた。県の方も言いにくい面もあるかもしれないけれども、市町村に対してその辺の指導体制というか、伝達というか、その辺もまたひとつよろしくお願いをしておきたい。

○松田委員
 関連。今おっしゃるとおり、認知症そのものは社会問題であるし、診療点数にも加算されることにもなるので。今の保健医療計画には、認知症対策みたいなものは入るのですか、それとも入らないのですか。

●三好長寿社会課長兼参事(医療制度改革担当)
 まず廣江委員の御指摘なのですけれども、確かに今早期発見、予防の取組の主体的な市町村の取組で、市町村によってそういった格差というものが出てきておりますので、そのようなよいところの取組というのを広げていく試みは、実は18年度から20年度の3年間で西部圏域、特に米子市、境港市を対象としまして「認知症のモデル事業」というものを実施しております。実は今御指摘いただきました、どういったところの資源があるかといったマップづくりというようなところも県がかかわりましてやっております。そういった定期的な取組というものを県内で幅広く取り組んでいきたいというふうに思っております。
 松田委員から御指摘のありました認知症に対する対策なのですけれども、これは医療と介護と両面から関係するのですけれども、計画としては介護保険事業計画、市町村あるいは県で策定する中に入っておりまして、これにつきましては現行でも記載をされておりますが、来年度にまた見直しの時期に当たってまいります。認知症の施策というものもどんどん拡充しておりますから、またそういったことも踏まえ今後の対策というものを検討してみたいと思っております。

◎藤縄委員長
 よろしいですね。(「はい」と呼ぶ者あり)
 それでは、意見が尽きたようですので、福祉保健部、病院局、生活環境部につきましては以上で終わります。
 なお、前回の常任委員会でお諮りいたしました第3回の県外調査につきましては、御連絡したとおりでございまして、川崎市の武病院事業管理者の日程が調整できませんでしたので、持ち越しということにさせていただきたいと思います。
 以上をもちまして……。
 そのほかで。

●岡﨑福祉保健部次長
 発言についてちょっと訂正をさせてください。
 保健医療計画の15ページ、認知症の関係ですけれども、そこに触れていることは触れています。詳しくは介護保険計画の方ということになると思いますが、保健医療計画でも触れています。ちょっと訂正をといいますか、追加の発言です。

◎藤縄委員長
 ここの4番目ですね。

●岡﨑福祉保健部次長
 はい。

◎藤縄委員長
 それでは、これをもちまして教育民生常任委員会を終了させていただきます。お疲れさまでした。


午後1時15分 閉会

 

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