1 調査日時・調査箇所
- 4月21日(火)
- ・鳥取県立中央病院
- 4月22日(水)
- ・鳥取県立厚生病院
2 調査委員
- 藤縄委員長、浜崎副委員長、山口委員、廣江委員、村田委員、松田委員、横山委員、伊藤(保)委員、市谷委員
3 随行者
- 議会事務局議事調査課 田中(稔)主幹、前田(康)副主幹
4 調査内容
- 鳥取県立中央病院
- ・鳥取県立中央病院改革プランについて
- 鳥取県立厚生病院
- ・鳥取県立厚生病院改革プランについて
5 調査報告
今回の県内調査では、平成21年2月23日(月)の教育民生常任委員会において、病院局より「県立病院改革プランについて」の報告があったことを踏まえ、「鳥取県立中央病院」、「鳥取県立厚生病院」それぞれの改革プランについて実地調査を行い、県立病院の現状と課題、今後の方向性について認識を深めた。
「鳥取県立中央病院」では、黒字経営の継続に見られるように、比較的堅実な病院経営が行われているが、県東部圏域では同規模・同機能を有する3つの総合病院が競合関係にあり、3病院の役割分担が課題の1つとされている。この点で、最近では3病院の間で定期的な会合が持たれ、圏域全体での効率的な医療の実現に向けての取り組みが進められている。
また、救命救急センター機能の拡充、地域医療支援病院の認定に向けた動き、周産期医療・小児医療の充実、地域がん診療連携拠点病院の指定など、より広域性・専門性の高い医療の実現のための取り組みが着実に進められている。
さらに、病児・病後児保育や女性職員支援室の開設など、医師・看護師にとって魅力のある病院づくりを進め、看護A体制(患者対看護師=7対1を目指している。
一方、「鳥取県立厚生病院」では、医師・看護師不足による病棟の閉鎖、また改築に伴う資本の集中投下による減価償却も相俟って、経営が圧迫されていることが問題となっており、閉鎖病棟の再開や救命救急センターの運営、地域がん診療連携拠点病院の指定更新、周産期・小児医療の維持等に必要な医師・看護師の確保を通じた医業収入の増が喫緊の課題。
このため、医師・看護師の院外研修への積極的な派遣、各種認定資格の取得支援など臨床研修病院としての機能強化、また院内図書館の設置、院内保育所の整備等、医師・看護師に魅力ある病院づくりに全力を挙げて取り組んでいるところ。
まずは、今年11月見込みの7名の医師確保や看護師の確保が着実になされるかどうか注目したい。
全国各地で、患者の診療科への一極集中による医師の過労やこれに起因する地域医療の崩壊事案が散見される中、鳥取県内の県立病院においても、より広域性・専門性の高い医療の実現、医師・看護師にとって魅力のある病院づくりとその確保が求められている。
鳥取県の場合、両県立病院の地域医療に果たす役割は大きく、病院経営の安定は住民生活の生命線と言っても過言ではない。
県議会としても、地域医療、ひいては住民の生活を守るため、医療政策に積極的に関与する所存ではあるが、医業収入の増加策等、病院経営の取り組みを今後とも大いに注視していきたい。
なお、両病院とも、地域の医療機関との役割分担・連携及びこのことの住民理解を課題の一つに掲げているが、住民理解のためには住民のみなさんを巻き込んだ取り組みが求められていることを申し添えておきたい。