平成20年度会議録・活動報告

平成20年10月10日会議録

出席者 委員長
副委員長
委員
福間 裕隆
浜田 妙子
山田 幸夫
市谷 知子
内田 博長
山根 英明
前田 八壽彦
藤井 省三
伊藤 美都夫
小谷 茂
横山 隆義
 欠席者 委員 米井 悟
小玉 正猛
以上 出席委員  11 名
欠席委員   2 名
 

説明のため出席した者
 青木企画部長 林地域づくり支援局長外次長、課長

職務のため出席した者
 議事調査課  岡田主幹  山崎主幹  井嶋副主幹

1 開会  午後1時52分
2 閉会  午後3時06分
3 司会  福間委員長
4 会議録署名委員  内田委員  市谷委員
5 付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり


 


午後1時52分 開会

◎福間委員長
 ただいまから中山間地域振興調査特別委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 まず最初に、会議録署名委員の指名をいたします。
 本日の会議録署名委員は、内田委員と市谷委員にお願いいたします。
 議題に入ります前に皆さんにごらんをいただきたいと思いますが、お手元に平成20年度中山間地域振興調査特別委員会の県内調査における地元要望等にかかわる条例案での対応方についてということで、皆さんで現地調査をしていただきました。その折に各集落から出された要望をまとめたもの、それについて条例案で該当する条文ということで右肩に書いておりますので、これも見ていただいて、御参照いただくということで見てやってください。一番最後のあたりで、その他の項ぐらいで、また意見交換をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、ただいまより議題に入ります。
 本日は、鳥取県みんなで取り組む中山間地域振興条例に関連して、その目的・ねらい等について執行部に説明をお願いをしておりますので、ただいまから、それをお聞かせいただきたいと思います。
 それでは、議題1、鳥取県みんなで取り組む中山間地域振興条例制定の目的・ねらい、2番目に、条例を踏まえた平成21年度予算編成等今後の取り組みの考え方、議題3、「鳥取県みんなで取り組む中山間地域振興条例」に対する提言(H20.9.9))に係る対応方針について、この3点について、まず青木企画部長の総括説明を求めたいと思います。

●青木企画部長
 本日、みんなで取り組む中山間地域振興条例を議題として取り上げていただきましたけれども、まず最初に、少し御礼も込めてお話をさせていただきたいと思います。
 この条例の策定に当たりましては、私どももいろんな形で市町村の声を聞いたりとか現場の実態とかを調べたりということをさせていただいたつもりではございますけれども、この特別委員会におかれましても現場の調査なども含めて大変御熱心に議論なり調査なりをしていただきました。そして、特に先般は御提言をいただくというようなことにつきまして、この条例を充実させる上では私どもは大変感謝をいたしている次第でございます。まだ成立とはなっておりませんけれども、御可決いただけるということになりましたら、ぜひこの提言の御趣旨を生かして、具体の施策の展開につなげてまいりたいというふうに思ってございます。
 議題の内容につきまして後ほど詳しく担当課長のほうから御説明を申し上げたいと思いますけれども、私どもとしては今後、市町村なり現場の声をもう少しきめ細かく把握をして、施策に生かすための新しい組織をつくることを考えております。イメージといたしましては、東部、中部、西部、日野ぐらいの単位で協議会をつくりまして、そこに市町村なり住民団体の方、大学、NPOの方々、いろんな方々の知恵を集める、そして実態の声を聞いていく、そして、その中から具体の施策を紡ぎ出していく、こういった組織をつくりまして、現場にマッチした施策を展開するように心がけてまいりたいというふうに思っております。また、その中で出てくる声、実態につきましては、中山間地というエリアは一応、条例上は定義をさせていただいておりますけれども、余り中山間地だからということにはこだわらずに、現場の声に柔軟に対応して施策を組み立てていきたいなというふうに思っております。
 また、今回御提言の中でもありましたけれども、行動指針、アクションプランを策定するということをさせていただこうと思っておりますけれども、この作業もやはり、この新しい組織の中で十分実態を把握して、もんでいきながらやっていきたいというふうに思っております。この作業についてはぜひ急いでやりたいというふうに思っておりますけれども、当初予算というのが、やはり施策を考える上では一つの次の節目になるというふうに思ってございます。そういったことからいたしますと、この予算の議論に間に合うように、少し暫定的なものをつくるところからこの行動指針の作成は始めていきたい、こういうふうに思っております。そして、ある程度の取りまとめというのは、少し時間がかかるかもしれませんけれども、先ほどの協議会の中で丁寧にフォローしながら作成に努めていきたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、こういったことを進めていく中で、この特別委員会のほうにも適宜また御報告なりをさせていただきたいというふうに思っておりますので、これまで以上に、いろんな御指摘でありますとか御要請をいただければというふうに思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

●谷口移住定住促進課長
 企画部資料の1ページから御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、鳥取県みんなで取り組む中山間地域振興条例制定の目的・ねらいという資料でございます。まずこの条例制定の目的とねらいとして5点ばかり上げております。まず、中山間地域の意義、公益機能、それから、その中山間地域が交流や活動の場というような機能について、県民等との認識の共有ということが1点目にございます。2点目といたしましては、この中山間地域が置かれている厳しい現状を県民とともに問題意識を共有するということが2点目でございます。3点目といたしまして、中山間地域対策というものを県の課題として把握しまして、推進施策の中核となっていただく市町村、それから、いろいろな多様な主体と協働で取り組むと、こういうスタンスを明示するという意味合いがございます。4点目といたしまして、そのさまざまな主体の方々に協働で取り組んでいただくためには、その取り組みの基本的な方向性、それから、そのさまざまな主体のそれぞれの役割について県民で認識を共有していただくということがございます。また、そのような認識を共有していただいて、住民、行政、県民等が協働して取り組む、そういう機運が醸成できるのではないかと考えております。
 この条例の特色といたしましては、基本条例ということで、その取り組みの基本的なスタンスであるとか、基本的な方向性を定めたものでございます。その基本的な方向性、スタンスということで、そこに4点ばかり上げておりますけれども、県としても多様な主体と連携して積極的に取り組むことを明示する。2点目としましては、市町村とか地域の住民、NPOの方々と協働して取り組んでいくということ。3点目としては、やはりその中核となるのは市町村であるということ。そして重点的に取り組む施策ということで、そこに5点ばかり主なものを例示しておりますが、重点的に取り組む分野としては、安全安心な定住環境の確保、例えば生活交通でございますとか、携帯、地デジなどの情報通信環境、それから保健医療サービス、子育て環境、見守り活動というようなことを考えております。また、疲弊していっている集落機能の維持、それから集落運営の担い手、それから農業を初めとして商工業、観光業を含めた産業振興、それから他地域との交流や都市部との共生、そして公益的機能の維持増進ということにしております。
 この重点的に取り組む分野を定めた意味合いといたしましては、これを定めることによって多様な主体が協働して取り組むための必要な施策についての方向性というものが確認できるのではないか、そして共有できるのではないか、そして、事業の中にはハードに加えてソフトが重要ということで考えております。
 はぐっていただきまして、2ページ目をごらんいただけますでしょうか。条例を踏まえた平成21年度予算編成と今後の取り組みの考え方でございますが、まず、この条例に具体性を持たせるといいますか、具体的に進めていくための推進体制といたしまして、市町村に加えまして、住民の方などに入っていただく協議会と、県庁内に関係部局でつくる推進会議を検討しております。
 まず、1点目といたしまして、鳥取県中山間地域振興協議会の設置でございますが、先ほど部長も説明させていただきましたけれども、東、中、西部それから日野の地区ごとに県、市町村、大学、シンクタンク、住民代表、NPO等の方に参加していただいて、この協議会でさまざまな意見交換を通じまして、今後策定しようと考えております行動指針の策定の内容を検討していただくとか施策の推進を図っていきたいと考えております。
 次に県庁内の話でございますけれども、2番目に、鳥取県中山間地域振興推進会議というものを設置いたしまして、県の関係部局で構成いたしまして、平成21年度の当初予算に向けた取り組みについて検討していくと。そしてまた、行動指針の策定についての内容の取りまとめというものもやっていきたいと考えております。
 3番目に、今後の県の施策展開の考え方というところでございますが、(1)としまして、反省も込めてなのですけれども、これまでの取り組みと現状ということで、市町村の政策分野としての認識が強かったのではないかということがございます。そして、農林業の振興、それから生産基盤整備というものが中心であったのではないでしょうか。これは逆に農林水産部以外の他部局の取り組み、協力が十分とは言えなかったのではということも考えております。このような状況から安全安心な生活の確保に新たな課題が発生してきており、そこに例で挙げておりますが、生活交通の確保ですとか情報通信基盤、集落機能の低下、耕作放棄地の増大と。このために住民の安全安心の確保が急務となりまして、県として、この課題を把握しまして施策の中核となります市町村、それから住民や企業、NPOなどの多様な主体と協働で取り組むというスタンスを明示する条例を制定することとしておりました。
 これからの取り組みといたしましては、当面急がれる課題、喫緊の課題としては生活交通、情報通信、集落機能、耕作放棄地などの対策がございまして、これは重点的施策の中でも急がれる分野として支援制度の充実等が必要と考えております。また、機能低下しました集落対策としてでございますけれども、見守り活動とか地域での集落機能の確保、例えば共助の仕組みづくりなどをモデル事業として行うことを考えております。一方、既存事業、現在でもいろいろな中山間対策の事業があるわけでございますけれども、地域づくり、それから中山間の視点での総合的な取り組みを進めていく必要があると考えております。
 そして、この新たな取り組みの進め方としまして3点ばかり上げておりますが、重点的に取り組む施策の行動指針を策定する、そして具体的な取り組みが見えるように公表するとかというようなことを考えていきたいと思っております。また、先ほど推進体制、組織のことで説明させていただきましたけれども、県、市町村、民間団体で構成する協議会を設置することや、庁内に組織横断的な推進体制を設置することを考えております。
 3ページ目でございますけれども、県内の東、中、西部、日野で組織いたします鳥取県中山間地域振興協議会、仮称でございますが、これの概要について、もう少し詳しく説明させていただきたいと思います。
 まず1点目、設置目的といたしましては、これまで中山間条例の検討に当たりまして鳥取県過疎中山間地域対策研究会というものを設けておりまして、全県一本での意見交換を行っていたという状況でございまして、もう少し丁寧に意見交換、協議する場が必要ではないかということで、先ほど申し上げましたように、地区別に協議会を設置することを考えております。
 開催方法といたしましては、東部、中部、西部、日野の地区ごとに開催するということにしておりまして、またテーマによっては複数の地区の協議会で合同で開催したり、また全体で協議を行うというようなことも考えております。
 検討項目といたしましては、まずその地域の現状把握、そしてその地域の実情に応じた施策の検討、そして行動指針の策定などについて検討することとしております。
 構成メンバーにつきましては、まず、県については本庁で私どもの地域づくり支援局、施策の中核ともなります農林水産部、総合事務所、市町村、鳥取大学、とっとり総研というような大学、シンクタンクに参画していただきまして、また住民代表やNPOの方などにも入っていただきたいと考えております。
 検討の進め方の一例として挙げておりますけれども、それぞれの協議会で、それぞれの地域の課題というようなものを抽出していただき、重点的に取り組む施策はどのようなものがいいのかというふうな検討を加えていただくとともに、地域ごとにNPOと企業とかいろいろございましょう、そういうような方々に施策を支えていただく、取り組んでいただく団体などとのマッチングの可能性についても把握していきたいと考えております。そして新たな地域運営の手法とか活性化の方法について検討していただいて、全県的な施策の提言、そして施策の試行というような流れで進めていきたいと考えております。
 共通の検討テーマということで4点ばかり上げておりますけれども、集落単位を超えた新たな地域運営の手法と課題というようなこと、例えば、そこに必要となります人材の育成ですとか、そういう取り組みがコミュニティービジネスになっていけばいいのではないかというようなこと。それから行動指針の策定に向けた検討、それから重点的に取り組む施策などを共通の検討テーマとして考えております。
 次に、4ページ目でございますけれども、中山間地域振興施策の整理表というものをそこにまとめております。これは条例に規定します重点的に取り組む施策、それから現在各部局において取り組んでいる事業を整理したものでございます。左から2番目の欄にゴシック文字で書いてる部分が新たな課題として取り組む必要があると考えている施策として整理しております。
 例えば、1番目の安全安心な定住環境の整備ということで、(1)としてバス等の生活交通というものを上げておりますけれども、これは過疎地におきますNPOなどによる過疎地有償輸送というようなものでございますし、2番目の通信情報の整備のところの地デジ対応では、今、地域が設置されている共聴施設、こういうものに対して支援というものが今後必要となるのではないかというようなことも考えております。その下のほうに、2番目で、集落機能の維持、集落活動の担い手ということにつきましては、やはり地域を支える人材、組織についての施策が必要というふうに考えております。というように5ページ目、6ページ目で整理をさせていただいております。
 次に、7ページ目をごらんください。7ページ目に、この条例に対する特別委員会からいただいた提言に対する対応方針ということでまとめさせていただいております。
 まず、1点目の県の責務についてでございますが、県が責任を持って施策を推進することを明記すること、そして国に対して施策の実施を強力に要請することという御提言に対しまして、対応方針といたしましては県の責務、これは第4条で下のほうに抜粋しておりますけれども、行動指針を作成いたしまして総合的な施策を推進することとしております。また、国に対しても施策の提言をすること等を明記しております。
 2点目の推進体制の整備についてでございますが、施策を総合的に推進するための推進組織を設置する、そしてまたコーディネーターを設置することという御提言に対しまして、推進体制の整備、第9条に規定しておりますけれども、中山間地域の振興に関する施策を総合的に推進するため、県の推進体制の整備に努めるものということで条例に明記しております。それから、先ほども御説明させていただきましたけれども、県庁内に関係部局で組織横断的に取り組んでいくための推進体制の設置についても現在検討しております。また、今現在設置しております過疎中山間地域対策研究会、こちらを発展させまして、市町村に加えて県民とかNPOの方にも参加していただく協議会を圏域ごとに設置することも考えております。そして、コーディネーターの設置についてでございますけれども、総務省のほうからもございましたが、集落支援員制度というような制度の動きも今出ております。この集落支援員制度の活用などを考えながら、また地域や市町村の意見を聞きながらコーディネーターの設置については検討してみたいと考えております。
 次に、8ページをお願いいたします。3点目といたしまして財源の確保、財政上の特段の配慮を持って確保することという御提言をいただいております。それに対する対応方針といたしまして、まず重点的に取り組む分野というものを明示させていただいております。そして、関係部局と取り組みが必要な施策について現在検討を始めたところでございます。また、その際には既存事業についても中山間地域振興の視点での点検をお願いしているところでございます。その中でも特に緊急を要する分野、中核となる事業については重点的に予算化していきたいと考えております。
 4、条例の見直し時期ということで、当初5年での条例の見直しを考えていたわけですけれども、施行後3年を経過した際に条例の見直しという御提言をいただきましたので、3年経過した後に必要な見直しを行うこととしております。
 5点目といたしまして、施策の推進についてということで、アクションプログラムを定めて公表すること、そして県民にわかりやすいシステムとすること。そのアクションプログラムの策定に当たっては、第1次産業の位置づけを明確にして活性化を図っていくことを盛り込むことという御提言をいただいておりまして、その対応方針といたしましては、重点的に取り組む施策に関する行動指針というものを策定することを規定しております。このアクションプログラム、これを行動指針ととらえまして、第7条に規定する重点施策についての具体的な進め方とか、取り組む方向などをまとめまして公表することとしております。その策定に当たりましては、第1次産業の位置づけについても他産業、観光業とか商工業というような産業との連携も含めて盛り込むこととしております。また、施策の成果について県民にわかりやすく公表することにつきましては、これから検討していきたいと考えております。

◎福間委員長
 ただいまの説明について、皆さんで質疑、御意見はいかがでしょうか。

○市谷委員
 1点確認させていただきたいのですけれども、4ページ、5ページ、6ページのところで、重点的に取り組む施策と今既に各部局が取り組んでいるものということで整理がしてあるのですけれども、今行っている事業も現状をいろいろ調べていく中で発展させていくということでよろしいでしょうか。今あるからいいですよではなくて、今後も発展させていくということでよろしいでしょうか。

●谷口移住定住促進課長
 今ある事業についても、それで十分なのかという点検も加えながら、それから中山間という視点が本当に入っているのかどうかというような視点で点検もしていきたいと思っております。

○山根委員
 国的な、例えば中山間地に当たるものとしては、辺地を直そう、あるいは過疎を直そうというようないろんな制度があるわけですし、本県的にもあるわけです。そういったものが町村までも団体がいろいろ立ち上がっているわけですから、やはりそのあたりはうまく連動して、国制度をもっと強めるとか、特に過疎法等についてはポスト21ということで今いろいろ提言しなければならない時期になっているわけですから、そういうものも視野に入れながら本県だけで萎縮することなく、やはりもっと国に要求することは要求する、あるいは町村に制度的に求めることは求めましょうというようなことも、広い意味で、ある程度自由にできるような形で運用するとか、条例に一々盛り込むことはできないでしょうけれども、そういうセクションもきちんとお考えいただいたほうが連携ができていいのではないかと思っておるところです。何かコメントがあればいいですが、コメントがなければ結構です。

●林地域づくり支援局長
 今おっしゃることにつきましては、まさしくそのとおりだろうと思っておりまして、これまで研究会というものをつくって市町村といろいろ検討してまいりましたときにも、過疎についての問題と、この中山間地条例の問題と両方を1つの研究会で研究してまいりました。要するにポスト過疎法というか、どういう支援が必要か、国にどういうものを求めていく必要があるかというようなことも、そこで研究をしてまいりました。
 おっしゃるように、やはり地元だけでできない問題もございますので、国に求めていくようなものというのは、ちゃんととらえて、そして県の責務として国に要望していくということも入れておりますので、これからもそういうことで取り組まさせていただきたいと思っておるところでございます。

◎福間委員長
 私のほうから、ちょっと教えてください。わかりやすくいくと、今までこの種のプロジェクトみたいなものはいろんなところで何遍もできたことがあると思うのです。構えはできるけれども、実際には国からの補助金がありませんとか、これは町の役割のはずなのでしないみたいな話で、そこに生活している主人公は肩透かしを食ったというようなことが過去何遍もあると思う、この種の問題というのは。条例を定めるわけですから、それがないように、私は、ある意味では最初で最後のぎりぎりの施策実行版にしなければならないのではないかという気がするのです。だから、鳥取県で中山間地域振興対策として、例えば財政措置もざっくり100億円ぐらい見ていますよとか、例えば向こう3年間でも単県で100億円ぐらいやろうと思っているのですぐらいな構えでいかなければ、国の補助金の範疇で、ここは適用内ですけれども、これは適用外で、金がなくて弱っているのですみたいな話は前と同じことの繰り返しになりはしないかという危惧を持っているのです。だから、そういう意味での財政的な裏づけというのが私は非常に重要ではないのかと。そこはどういうぐあいにお考えになっているのか、これが1点。
 中山間地の対応の仕方というのは、まさに千差万別な実態。ここに2人の若手の人がおられて、今は30人の集落をまとめておられる。ここにもうちょっと何かプッシュがあれば頑張れるな、携帯が通じることによって明るくなるな、そういう集落もあれば、率直に言って80歳以上の方が5~6人おられて、このまんま墓に行けるまで穏便にここで暮らせればいい、よそにはとても行けないと、やっぱりこれも中山間地で生活しておられる県民なのです。課題が千差万別なのです。
 ところが、私どもの大きな欠点ですけれども、行政がつくっていく政策とか何かにすると、ややもするとハードルを決めてしまうのです。それで一定程度の物差しをつくって、そこだけを当てはめてしまう嫌いがなきにしもあらずですから、例えば西部なら西部の中でも地域ごとによって千差万別ですから、場所指定というのはほとんどできるわけですから、それをすべてひっくるめて、やっぱり中山間地問題として柔軟な対応をしていくということが必要ではないのかなという気がしますけれども、そこら辺についてのざっくりとしたお考えで結構ですから、お聞かせいただきたい。この2点。

●林地域づくり支援局長
 まず、実効のあるものにする必要があるのではないかとおっしゃることは全くそのとおりであろうと思っております。これまでも、実は反省も込めて途中にも申し上げましたけれども、議場でも知事も、県の執行体制で以前副知事をトップにして、そうした会議があったというふうに申し上げたと思いますが、そういう取り組みをしたときがございます。ただ、その後、ちょっと県の業務、市町村の仕事ということで割り切った感もございまして、少し県の取り組みが粗くなったのではないかという反省を持っております。このたびは、やはり県もしっかり行政課題としてとらえて取り組んでいくという姿勢を出したということでございます。
 ただ、そうはいいましても、今、委員長からもお話がありましたように、地域は千差万別、それぞれに事情がございます。そこをよく御存じなのはやはり市町村であり、地域の住民の皆さんでありますので、そうした皆さんと意見交換をして、全県一本だとなかなかそういうことができませんので、地域ごとに4つの協議会をつくって、そこで話をしていきたいと思っております。そこの中で、また御議論があって集落に出かけていこうとか、市町村と一緒になって、そういうようなお話も出てくることもあろうかと思います。そうしたことを踏まえて地域地域でやっていきたい。ただ、やはり県としては、全部に事業実施をやっていくということは難しゅうございますので、ありましたけれども、中にはモデルで取り組むとか、そういうようなものもあると思います。その場合には、そうした取り組みのノウハウだとか、あるいは人のネットワークだとか、そうしたものをほかの地域にも波及できるような仕組みを何とかつくっていきたいというふうに思っております。そういう意味で、それぞれの地域に合ったような施策を展開できるように、市町村と一緒になって取り組んでいくという考え方を持っているところでございます。
 事業の実効性でもう一つ、財政的な裏づけということがございました。一つは、先ほどありました4ページからいろいろな事業をやっております。こういうものをもう一度、中山間という視点で見ていくということが大事だろうと思っております。
 あと、行政だけではなかなかできなくなっている部分もございますので、ここは民間の方だとか企業の方、住民の方が一緒になって、そこが協働ということで出しておりますけれども、そうしたやり方をやっていきたいと思っております。
 あと、幾らの投資額というお話がありましたけれども、やはり県も非常に財政的に苦しいところがありまして、予算予算で考えていくということでございますけれども、ただ、緊急に、喫緊の課題というふうにとらえておりますが、そうしたものについては予算の中で、とにかく重点的に我々のほうとしても取り組んでいきたいという考え方でございます。総額で幾らとか、そういう形のものはまだ、今の財政状況であり、特に鳥取県の場合、県も市町村も交付税なり地財措置によってはすぐにいろんなことが出てまいります。ですから、そういう額というものについてはまだ明確にできる状況ではございませんけれども、ただ、施策としての優先度の問題で、やはり重点的に取り組む課題だというふうにとらえて、予算の中で考えていきたいというふうに思っております。

○藤井委員
 経営を悪化させてはいけないということで、ざっくり100億円と言いましたか、幾らになるかわかりませんけれども、総合開発計画というのが思い浮かぶわけです。そこには4ページ以降の太字で書かれている事業、かなりこれは具体的に見えていますね。どういうものを3年間で国、県、市町村が幾らという金額も配置して出していけば、もぬけの殻になるという心配はなくなるわけで、委員長が言われたことをもう一歩進めて、もう少し細かく具体的に3年間の計画を金額もあわせて通知していく、かつてあった総合開発計画をここにもう一度再現してみられたらどうかなと、これが私の意見ですけれども、今、答弁できる話ではないかもしれませんけれども、ざっくり100億円といったって、それも空手形になる可能性があるわけです。そのあたりをまず金額が想定されて、そして実現できそうなもの、できるもの、そういったものについては、きちんとそういった仕分けをこの条例案の付録として定めておいたほうがいいのではないかというふうに今委員長の発言を聞いて思いました。何か感想でもあれば。

●青木企画部長
 これからよく考えてみたいと思います。僣越ですけれども、私が今お話をお伺いして感じたことを少しお話しさせていただきますと、よく事業費幾らというようなのを役所がやりますとき、余り関係ない事業でもそういうのにひっかけて計上して、額を満たすことに手段が目的化するという悪い癖が私どもにあるのではないかと、自戒を込めて思っております。ですから、そこは、例えばこの条例ができた、そしてどんな施策が打ち出されるのか、行動指針はどういうのが出るのか、それで中山間地にこれから住まう人、それを支えようとする人というのが、やっぱり一緒に取り組もうということで展望が開けるようなことというのは大事だと思っています。ですから、やっぱり先ほど言った協議会などでその辺を少し丁寧に聞いてみて、それで、ある程度見通しが欲しいなとかという意見も出てくるかもしれません。
 先ほど林局長のほうからお金がないという話も申し上げましたけれども、もう一つ、やはり、かつての過疎法の流れの中で、例えば道路、下水道にこれぐらいのお金を投じるという、かなりハードで金額を見せながら施策を打っていくというのをやってまいりましたけれども、昨今は問題意識として、例えば共助の集落の仕組みとかというのは、これはお金を入れたからうまくいくというものでもないような気がしております。むしろ、担い手の人たちを上手にコーディネートして集めて組織化するというような、こういうのはお金でなかなかはかりづらい、あえてはかれば会議費とかというようなことになるのでしょうけれども、例えば、そのネットワークをつくるという金額と、それからハード整備で、やはりそうはいっても最小限の道路修繕とかはしなければいけないというのはあろうかと思っておりまして、その金額とを同じ土俵で議論していくというのが本当に、例えば計画とかをつくるときに住民なり市町村の皆さんのよすがとして役立つかということも、現場で少し話を聞きながら、御指摘のようなことを議論してみたいというふうに思います。

○藤井委員
 僕の言っていることは十分に理解していただいておると思います。ソフト事業は金銭化できないことは承知していますから。ただ、はっきりしなければならないこと、できること、そういうことについては、やっぱり空洞化させないためにも記録にとどめておく必要があると、こういうふうに僕は思います。数字化できないものはできないということは了解できることなので、それと一緒にして、できません、絶対できませんという話に持ち込んでしまわれたら、またもとのもくあみになってしまうということを心配するわけです。

○内田委員
 前回も代表質問で話しましたが、財政的には厳しいというぐあいに我々も理解をしています。とすれば、今ある既存の制度、市町村の交付金制度等のメニュー枠を広くして、使いやすいものに持っていってNPO等でもやっていけば、中山間を見て回りまして、ある程度、かゆいところに手が届くのではないかという気がするのです。そういうあたりをうまく市町村と調整してやっていけば、そんなに金をかけなくてもできるのではないかという面が多く見られました。
だから、そういうところをきっちりと見ていって、小さいところですけれども、小さいところを少しでも少なくすれば、住みよいところができるのではないかという気がいたしますので、そのあたりはきっちりとやっていただきたいと思います。

●林地域づくり支援局長
 市町村交付金につきましては、本会議の中でも知事からお答えをしたところでございますけれども、今でもかなり市町村のほうには柔軟に使っていただけるようなメニューになっていると思っております。逆に、交付金化することによって、少し県と市町村の間が切れてしまって、市町村がどういう取り組みをされているかということが県のほうで十分把握ができていなくて、県の施策と連携ができていないという部分が逆に出てまいっておりまして、そうしたことも含めて、それから今委員からもお話があったような点も含めて、今あるメニューの中で、もう少しこういうふうに工夫したらいいのではないかというような見直し作業をしているところでございます。また、当初予算に向けて、もう少しいい形になるものを考えたいと思っております。

○伊藤委員
 2ページの今後の県の施策展開の考え方ということで、これまでの取り組みと現状というところで深く反省しながらお尋ねしたいのですけれども、市町村の施策分野としての認識が強く、県の課題としての把握が十分でなかったと。これはかなり異論があるわけです。平成一けた代というのは、県の差し込みが物すごく強かった。日本全体から見ても、鳥取県ほど中山間に金を使った鳥取型と言われるぐらいのことをしたと。ところが10年代になると、知事がかわった影響もあったのかもしれないけれども、自立だとか自主的だとかというあれが強くなって、しかもこれは町村が主役ですよという辺が強くなって、県職員としても、そっちのほうに意識が向いてしまって、ちょっとあぜに上がった嫌いが10年代だったと思う。ここに来て、一緒になって県の課題として考えようという話は非常にありがたい話です。
 それで、私はこの20年の動きをずっと見ていますと、コーディネーターという話はあるのですけれども、今までは恐らく町村と一緒になってやっている主役は生活改良普及員であり、農業改良普及員であり、それぞれに、そこの集落の方々と日夜暮らしをともにしてとまでは言わないですけれども、本当にそこの課題を体で探り出しながら進めてきた経緯があるわけです。それが平成10年代になってしまうと、さっき言ったように県がちょっとあぜに上がった嫌いの中で職員もそういう格好になってしまった。
 私は中山間に行ってよく話をするのですけれども、県もおれらと一緒に集落の活力・活性化について考えてくれるだろうという、そういう姿勢があるとないとでは大違いだと。この辺をはっきりしておかないと、それで、そういう意味では、この案の中にはコーディネーターという格好いい名前はあるのだけれども、一体、県として通り一遍の行政施策に終わってしまいそうな感じがするものだから、主役というのは、そこの集落によってそれぞれが違うわけです。何が今求められるか。ですから、それぞれの集落を熟知したりあれしたりする、そういう指導者とは言わないのかもしれないけれども、その辺をやっぱりかなり念入りに私はやっておかなければ、なかなかこの問題は、2~3年でこうやって変わってしまうという話になると、それがこの間、回ってみたときでも、集落の方々の不満の一つでもあったことも事実ですし、よき理解者であると同時に、一緒になってこれを考えて、一緒になってという、言ってみればそういう生活改良普及員的な、あるいは農業改良普及員的な方々の存在というものの意味は非常に大きいなと思うのですけれども、ちょっとこいつにはそれが見えてこないような感じがするのですけれども、どうでしょう。

○浜田副委員長
 同感なのですけれども、実際に回らせていただいて、その地域の具体的な日々の生活と暮らしがどれだけわかってもらえているかということを皆さんが不満に思っておられるなということを実感しました。それがきちんと町村に届き、そして町村が代弁者になって県に届いているという形が、きちんとパイプがつながっていればいいのですけれども、そこが途絶えてしまっているということも実感いたしました。だから、そこのつなぎ役ということで、それは皆さんが思われて、この提言の中にもコーディネーターを設置することという形で意見を言わせていただいたことになるかと思いますが、やっぱり、さっきお話がありましたように寝食をともにしてに近いぐらいな形でその地域のことがわかり、そして代弁者として、必要な施策にまで手を伸ばすことができるぐらいの人材が今は必要なのだなと。それが活性化していくと、その役は中から出てこられるかもしれませんが、もう疲弊していまっているところは、だれかをその中から選ぼうと思っても選びにくいのです。という現状が余りにも疲弊してしまって。だから、やっぱりそこをあてがってあげる必要があるのではないか。いろんな場所がありますから、それはいろいろですけれども、とりあえずしなければならないところについては、そういう人材が必要だということを実感しましたが、そのあたりで、人材確保ですね、配置というものについて、どんなふうに県独自のスタイルをとろうとしておられるのか、その辺をちょっと教えていただけたらと思います。

●林地域づくり支援局長
 最初に伊藤委員さんからございましたけれども、平成3~4年ぐらいからこの方、10年弱ぐらいは非常に県も地域の方に出かけていくという体制で実施をしてきたということは、おっしゃるとおりだろうと思っております。反省点を書き込んでいるのは、そういう点を認識した上で書いたものでございます。
 ただ、事情として、最近とその当時と少し違いますのは、私の感じでございますけれども、ハードの整備というものがその当時かなり必要でございまして、まだまだハードが足りない、あるいは地域でも地域の集会施設が足りないとか、そういうような部分もあったように思っております。今日は、そうした当時のハードのところというのは大分できてきたと。今度は新たな生活交通だとか情報だとかという部分での必要性というものが出てまいりましたけれども、ハードというものはある程度できておる。ただ、逆に運営のほう、ソフトの部分で、だれが引っ張っていくのか、あるいは知恵を出していくのか、支えていくのかというところで弱い部分ができてきているというふうに認識をしております。
 平成の最初のころは、どちらかというと県が主導的に引っ張っていった面があったと私は思っておりますけれども、やはり今日を見まして、市町村に頑張っていただくということは、これはやっぱり第一義だろうと思っています。ただ、県も一緒になって取り組んでいくということを今回打ち出させていただいたということでございます。あわせて、県も市町村もそれだけではなかなか細かなところの配慮ができませんし、手当てもできませんので、企業だとか住民団体の皆さん、NPOとかそういうところも一緒になって、県民の皆さんも一緒になって取り組まさせていただきたいと、これが今回の条例の趣旨でございます。
 住民の皆さんや市町村や県が一緒になって取り組むというときに、一つは各集落までという取り組みも当時も何カ所か出て、実際に集落座談会とか意見交換会とかもやっておられます。そうしたことも必要だとは思いますが、まずは各地域で協議会というものをつくって、その地域地域のもう少しきめ細かな意見交換をしながら、そこで情報をとり、そうした地域に必要だと思われるような事業をモデル的に実施をしていく。それをほかの地域にも広げていくということだろうと思っております。それから、県と市町村が一緒にという点では、先ほど申し上げました市町村交付金あたりも、逆にもう少し県も、市町村がやっておられる例えば承水路だとか農道の整備だとか、そうしたものの小さな事業は今市町村交付金の中に入っておるわけです。以前は農水部の単県の予算でそういうものはやっておったわけですが、交付金ということで町村のほうで地域の実情に応じてやってくださいということで、それは非常に有効に使われていると思いますが、一方で、県のほうではどこをやられているのか余り理解ができなくなっているような部分もございますので、そうしたあたりも含めて、県と市町村の連携がもっととれるようにできないかということで、先ほど申し上げましたけれども、交付金のことについても少し検討していきたいというふうに考えているところでございます。
 人の配置の関係でございますけれども、県の職員の配置でどうこうというのは、今はまだちょっとどういう形ができるかというのはわかりませんが、一つは国の考え方なり、あるいはいろんな意見交換の場で出てまいりましたのは、地域を担う人がいない、組織が弱体化しているところがあるということがございまして、単体の集落で難しくなっているところもあるものですから、隣接の集落とかと一緒になって昔の小学校区単位とかで地域運営組織というようなものをつくっていただく。そういうような形にしていきたいという声がありまして、今、県内でもかなりの市町村でそういう取り組みが始まっております。ただ、そのときにおっしゃいますのは、そこの人材のノウハウ、人材育成というものが必要だというふうにおっしゃいますので、そうした人材育成をしていきたい。それから、やはりそうはいっても、専門的なというか、もう少しそこに専念するような人が欲しいということがありまして、それが今回国のほうでも出してまいりましたけれども集落支援員という制度でございます。これは市町村が各地域に置くというような形で交付税措置もするということが出てきておりますので、こうした制度も活用して、地域でアドバイスをしたり企画をしたり、そうしたことができる人を養成し確保していきたい、そこが今思っているところでございます。

○伊藤委員
 林さん、この20年ほどを見ておって、20年前を振り返ってみると、その20年の間に物すごく過疎が進んで、限界集落もいいところというところと、こうやって見ておると、20年前はそれほどでもなかったけれども、今は物すごく活力が出てきたという集落とあります。その中間もいっぱいあるのですけれども、私はその辺を、これとはちょっと別の視点で一回出かけていってというのですか、やっぱりある意味では専門家も含めて分析というのでしょうか、、そういう格好のものがこの条例に味つけをするのではないかと思ったりするのですけれども。何だか人が余り出てこない。だからこの辺や、確かにあるのだが、何か20年前にはもうすぐいけないようになってしまうというような話が、今度行ってみると、何だか若い者も次のあれも、孫までおるではないかというようなのがありますから、やっぱりこの辺は何がそういうふうに至ったのか、あるいは活性化に至った原因は何だろうなという、また違った分析というものを。

●林地域づくり支援局長
 今おっしゃったのは、集落ごとにいろいろなケースがございます。これは当特別委員会でも6月のときに伊藤委員さんからそういうお話がございまして、私どものほうでも、言葉は悪いですけれども、従来のどん詰まり集落という、111山間集落の調査をいたしておりますが、そこの集落の状況を見てみました。そうしましたら、それでも千差万別で、なかなか累計がとれません。例えば、うるおいのある村づくり事業というものを実施をしました。うるおいのある村づくり事業を実施したところがすべていいかというと、そうでもない。ただ、一時期は間違いなくうるおいのある村づくり事業を実施したところは集落が活性化しております。ただ、それが20年の間で最近は、やはり持ちこたえられなくなっている集落もございます。逆に、そういうことに余り取り組んではいないのだけれども、なぜか若い世代が帰ってきているというような集落もございます。そこらあたりをちょっと分析を試みてみたのですが、いい傾向というものがとらえられておりません。まことに申しわけないのですけれども、集落の中の人口の減少率だとか世帯の減少率というものが低いところに何か共通の要素がないかということで拾い出してみようとしましたが、今のところ、ちょっといい結果はもらっておりません。ただ、これから協議会で住民の皆さんとか市町村とかと話をするときに、こういうことも話題にしていきたいと思っております。

○山根委員
 この中で町村等、町村等と書いてある。実態的には県政の中では町村までできないわけですから、町にもしっかり立ち上がってもらう、あるいは地域住民に立ち上がってもらうということでしょうけれども、相当しっかり協議していきませんと、我々の思いと、町村もまた金がないということですから、どっちみち県費で丸抱えということにはならないでしょうから、国があっても県があって、町も一緒になってやらなければならないということですから、そのあたりが町村の財政が非常に疲弊し過ぎてしまって、そこまで目が行くかどうか、本当に経常経費で90%、90何%までみたいな町村もたくさんあるわけですから、政策経費に回るようなことが少なくなっていますから、よほど協議しませんと、県政と比べれば町村財政はもっともっときついものがありまして、こんな絵をかいてもうまく進むだろうかという気もするのですけれども、町村責任ですよ、町村と一緒にやりましょうというところをきちんと押さえてもらわないとこの問題は進みませんね。要望ということで。

○山田委員
 関連で、前回、推進体制のところで、場合によっては室とか係ぐらいでも設置をされて、やっぱり責任と指導をきちんと果たされるべきではないかということでしたが、きょうの考え方では横断的な推進体制の設置を検討中だと、こういうことですが、一つ気になるのは、例えば県の場合というのは、もちろん市町村もあるのですけれども、どうしても異動の関係や、やっぱり腰かけ的な懸念というのが一つ出てくるのではないかと。それで、日々地域の皆さんと日常的にかかわってくるのは市町村の自治体の皆さんが主になってくると。こういうことになると、県の役割というのがやっぱり従来どおりのちょっと薄い関係で対応できるのかという心配が一つあるのです。例えばコーディネーターの話も出ましたけれども、これも検討してみたいという表現にとどまっておるようでして、従来どおりでは、今伊藤委員さんの言われるように限界集落とか大変な状態があるわけですから、やっぱり県がここを一歩踏み込むような形で条例の中身に切り込んでいただかないと、特にモデル的な地域などをこれからつくっていこうという考え方を持っておられるでしょう。余計に私はそのことが非常に大切なことではないかと。当然予算の関係も出てくるわけですけれども、一番肝心なのは、ではどういう地域づくり、まちづくりを中山間地域でしていくのかという、そこがぐらつくようなことでは本当の中山間地の対策はできないのではないかということを私は前回思ったものですから、そのことを申し上げたのですけれども、いかがなものでしょうか。

●林地域づくり支援局長
 異動の弊害とかという点については、なかなかこれは難しいところがございますけれども、ただ、やはり県ももちろんそうなのですが、行政の中であれば市町村が一番その地域の実情というのをよく御存じです。なので、やはり市町村と県はよく連携をとってやっていくということが必要だろうなと思います。この形でやっていくべきだと思っております。
 どういう中山間地づくりをしていくかというモデル提示も、これも県としてもモデル提示というか、市町村や地元が取り組みたいと言われるところをモデル指定して支援していくという形をとっていきたいと。県でこういう形がモデルだよというふうに示すのではなくて、地元の方と意見交換をしながら、例えば今年度から始めたのでは、共助の仕組みづくりということで地域で共助の体制をつくってもらえませんか、そういう仕組みを考えてもらえませんかということですが、どういう形でやってくださいというようなことではなくて、市町村が地元と相談をされて、こういうふうなことに取り組んでみたい、こういう組織でやってみたいと言われれば、それがよければ、それに支援をさせていただこうという形をとっていきたいと思います。
 ただ、そこの集落集落がそれぞれ違うのですが、やはりそのやられたことをほかの集落でも使える部分があると思いますので、ぜひともその情報は共有をしていきたいというふうに考えております。

○山田委員
 私も農政問題は細かいことは余りよくわからないのですけれども、結局それが今までできなかったから、恐らく今日の現状があると思うのです。地元の人が頑張ってもらわなければいけない、市町村が頑張ってもらわなければいけない。頑張らなければいけないのですけれども、しかし、なかなかそれができなくて今日のこういう状態があるという前提でこういう特別委員会や振興協議会ができておると思っておるのです。したがって、県の役割というのが改めて大事ではないかということで、その支援体制も従来の発想を変えられて、そういう体制をされなければいけないのではないかというように私は思っているのですけれども、いかがですか。

●青木企画部長
 やはり、ちょっと発想を変えなければいけない時期に来ているのかなという気はしています。それで、先ほど林局長が触れましたけれども、今、市町村は広域で住民団体をつくるというのに非常に熱心に取り組んでいらっしゃって、かなりのエネルギーを使っています。逆に言うと、そこにかなりかかり切りというふうに、我々いろいろ議論をしていると感じていまして、例えば市町村はNPOとかとの連携というのに実は余り上手に入れていないという実態があります。それから、例えばある町村で広域住民団体、旧校区単位ぐらいでつくったところというのを市町村が一生懸命フォローをしようとする。ただ、やっぱり当然ですけれども、市町村を越えたネットワークというのはなかなかつくりづらいのです。だから、このあたりは県として何か手伝える発想の構図というか見えてきているのではないかというふうに思ったりしています。
 昔と違っているのは、例えば携帯もその一環で、ネットとかというのが非常に今急いでいるという面があるのですけれども、この辺がやっぱり、何か新しい使い方というのができないものだろうか。正直言うと、中山間の非常に厳しいところというのは、そういう環境もまだおくれていますし、それから例えばパソコンとかを使いこなすスキルというのも不足しているところというのが多いものですから、口で言うようにはうまくいかないとは思うのですけれども、何か新しい発想の一つの目というのがこのあたりにはないのかなという、これは中山間に限らない、実は地域づくりという大きい課題の中で、今企画部の中で将来ビジョンが終わった後に、そういう地域づくりを少し盛り上げるようなサポートの仕方というのをちょうど今議論しているところでありますので、それとあと、協議会でネットワークとか人材をやっていく上で本当に必要なことはどんなことかというのは、ちょっとまた丹念に聞いてみたいなというふうに思います。また、この委員会でも、ぜひ報告なりをさせていただきたいというふうに思います。

◎福間委員長
 それでは、かなり御意見をちょうだいしましたが、ここら辺で打ち切らせていただいてよろしゅうございますか。(「はい」と呼ぶ者あり)
 それでは、以上、たくさんの御意見をちょうだいしましてありがとうございました。
 次に、その他ですが、執行部、委員の皆さんで何かございませんか。

○市谷委員
 きょう資料でも出していただいているのですけれども、私たちが聞き取りして、その対応が急がれるものについてどうするのかというのが、この条例でいえばここに該当しますということも書かれているのですけれども、ただ、この委員会も2年でしたか、だからもうすぐメンバーが変わったり、この委員会が存続するかどうかもわかりませんので、せめて私たちが聞き取りしたものについての返しやら方向性なりを、残りの任期の間にでもやっていく必要があるのではないかと思いますけれども、もちろん執行部の皆さんとも話し合わないと、私たちだけではできないと思いますけれども。

◎福間委員長
 どうですか、現地調査をさせてもらったところで、皆さんから要望や意見をちょうだいしました。今、執行部の皆さんとも、その織り込んだものの対応を検討してもらっていますが、個別対応で出たものについて聞きっ放しになっている部分というのがあります。12月ぐらいまでを目安にもう一遍精査をして、ちょうだいをしたところには、今、条例の中でこういう方向で議論を考えていますよみたいなことをお返しするという方向で事務方とちょっと協議するということでいいでしょうか。今、大ぐくりの返ししかできないかもしれないけれども、聞きっ放しでなしに、やっておるということは返しましょう。

○山根委員
 いいけれども、これは本当に返せるのか。

○市谷委員
 できることとできないことがあるとは思うのですけれども、でも聞きっ放しにならないようにしないと、非常に皆さんも期待をしておられる。

○浜田副委員長
 私もそう思います。どれだけのものが返せるかわからないけれども、お聞きして、今こういう、道半ばかもしれません、100%おこたえするようなことにならないかもしれないけれども、忘れていませんよということだけでもお伝えすることが地域の皆さんにとっては非常に力になっていくということを、忘れ去られた存在だというふうな言葉も聞いたりしましたので、いや、そうではないのだよということをきちっと常にお伝えしておくことが大事かなというふうに思いますので賛成です。

○横山委員
 要望があるのですけれども、ここに出てきたものをみんなするというとすごいことになってしまうと思うけれども、金が完璧に足りない。100億円ぐらいでできるわけがないがと思うわけです。そうすると、財源確保に全力を尽くす、そうすると、そこら辺の地域のいろいろな指導者も人材も確保できるし、だから本当に財源確保に全力を尽くしてください。

○山根委員
 その他の項で申し上げておきますけれども、もともと本県議会としては地球温暖化、あるいは産業振興、あるいは山村振興が重点的な県政の施策ですよということで3つの特別委員会が立ち上がったのですけれども、先般のある会派の代表質問などでは、まだまだそのほかに要ることがいっぱいあるから、こんな形のものをやめてもいいではないかというような論を堂々とやられたわけでありますが、これは議長にしっかり申し入れていただいて、各派の代表者会ででも、もう立ち上がって検討しているのだから、ほかがあるから要る、要らないというようなことが、個人質問ではなしに会派を代表して質問なされるような不見識なことがあると、御破算に、もとへ戻れみたいなことになりますから、この委員の中でも心当たりでずきずきする人もおられましょうから、ぜひともそのあたりは、我々は共有してきちんとさせてもらうということを申し入れをしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

◎福間委員長
 今の話で、2つにまとめさせてもらえませんか。
 そうはいっても12月、年内いっぱいに現地調査をして大きな期待を持ってもらっているところがありますから、県のこの中山間地条例の、もうちょっとその時点での、きょう説明してもらったような内容の紹介も含めて、できないことが圧倒的に多いかもしれないが、一方では中間報告という格好で一応それぞれ個別に受けとめさせてもらっていますということをやっぱりお返しをするということで、次回の特別委員会で一応お配りをしたいと思いますから、委員長の方で事務方とちょっと詰めるということで御了解願えませんか。これが1点。
 今山根委員から出されました、実は特別委員会と所管常任委員会との振り分け、役割、権限、ここのところがちょっと不明確になっている部分が、この委員会に限らず特別委員会と常任委員会のあり方というのが若干不明確なまま走っています。実は、きょう議会運営委員会の中でも若干その協議がなされまして、以後特別委員会と常任委員会の委員長で十分議論をしていくというようなことも含めて、今後、改めて議長も含めて全体的にきちっと交通整理をしなければいけないのではないでしょうかという議論のスタートについたところですから、当面のところは特別委員長と常任委員長とで協議をし、連携を深めながら懸案については協議を進めていくということで、議運としては合意に達しておりますから、その旨御理解を願えませんでしょうか。

○小谷委員
 委員長は、最初、回答の案について県内調査にかかわるだの、もちろん回答することは私も賛成ですけれども、余り地元に期待感を持たせるような回答ではある意味では本当に困ります。私は皆さんの意見に反対とかということではなく独特な意見を持っていますけれども、地域から、集落から熱が上がってこないところに幾ら財政、あるいは行政が支援したって、到底無理だと。農業もそうだと思っています。やる人がきちんとやって、同じ感覚ではなくして、一段上のレベルの志向を持った人たちをすくい上げるというのも重要なことだと思いますから、鳥取県が条例をつくったからすべて救えるかといったらそうでもないし、あるいはそれ以上の、あるいは廃村を目指すというのではないが、幾らやってもできない、なるべくしてなったということもあるし、条件がいろいろ違うと思うから、やはり余り期待感を持つような回答でなしに、できるだけ本当の回答をということです。

◎福間委員長
 さっき申し上げたように、ほとんどできない回答が多いと思います。ただ、受けた内容について、今時点での状況報告はお返しをするというのがマナーではないかということ。ですから事前に皆さんに内容をお配りしたいと思いますから。

○藤井委員
 関連して、林さんがさっき共助のモデルと言われましたね。いろんな地域、いろんなところがそれぞれ特色があって、ここは共助のモデル地域として育てたいとか、そういった発想で物を言われたのだろうかと。とすれば、そういったモデルというものは何種類ぐらいあるのか、考えられておられるのか。今小谷委員が言われたことの一部は、そういうことを暗示しているような気もするのです。この地域はどういった形で育てて活性化させていくのか、共助のモデルと言われたのはそういった発想で言われたのですか。

●林地域づくり支援局長
 共助の仕組みづくり事業ということでして、このテーマでというようなテーマでのことではなくて仕組みです。ただ、集落の方々がもう少し広範囲に、例えば数集落集まって組織をつくろうではないかと。それで自分たちは例えば災害時の支え合いを中心に、そのテーマを中心に地域の人のつながり、輪をつくっていこうとか、あるいは福祉の形でみんなの支え合いをつくっていこうとか、あるいは農産物を外に出していく、あるいは外から人を迎え入れて交流するところで積極的に自分たちの地域を活性化していこうと、そのためにはだれがどういう役割をどういうふうに仕組みをつくっていったらいいのかというようなことを主体的に取り組もうとしておられる地域が県内にも出てきております。そうした共助というもの、お互いにそうした仕組みをつくっていこうと言われるような地域に対して、県としてもそれに経費的な支援、それから人的にも入っていって、一緒になって考えさせていただくというようなことを取り組んでいるということでございます。

◎福間委員長
 それでは、意見もまだまだあるようですけれども、ここら辺で御勘弁をいただいて、以上をもちまして中山間地域振興調査特別委員会を閉会をいたします。御苦労さまでした。



午後3時06分 閉会

 

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