平成20年度会議録・活動報告

平成20年12月17日会議録

出席者 委員長
副委員長
委員
福間 裕隆
浜田 妙子
山田 幸夫
米井 悟
市谷 知子
内田 博長
山根 英明
前田 八壽彦
藤井 省三
伊藤 美都夫
小谷 茂
横山 隆義
 欠席者 委員 小玉 正猛
以上 出席委員  12 名
欠席委員   1 名
 

説明のため出席した者
 青木企画部長 林地域づくり支援局長外次長、課長

職務のため出席した者
 議事調査課  岡田主幹  山崎主幹  井嶋副主幹

1 開会  午前11時05分
2 閉会  午後0時19分
3 司会  福間委員長
4 会議録署名委員  前田委員  山田委員
5 付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり


 


午前11時05分 開会

◎福間委員長
 ただいまから中山間地域振興調査特別委員会を開会いたします。
 本日の日程はお手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 なお、本日は当初午後からの開会を予定しておりまして、委員の皆さんにも急遽2時間程度の前倒しになったということをおわび申し上げたいと思いますし、執行部の皆さんにも予定がおありだったと思いますが、まげて11時からの開会ということで御協力いただいたこと、とりわけ総合事務所の所長さんにはかなり窮屈な日程をお願い申し上げまして御参加いただいたこと、お礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 まず、会議録署名委員の指名をいたします。
 本日は、前田委員と山田委員にお願いを申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、これより議題に入ります。
 本日は、鳥取県みんなで取り組む中山間地域振興条例制定後の取り組み状況について、執行部に説明をお願いしております。
 それでは、鳥取県みんなで取り組む中山間地域振興条例制定後の取り組み状況について、まず青木企画部長の総括説明を求めたいと思います。

●青木企画部長
 それでは、最初に私から概括的なことをお話をさせていただきたいと思います。
 さきの議会で鳥取県みんなで取り組む中山間地域振興条例を御制定いただきました。この条例をつくる過程でも、地域のいろんな実情を把握しながらやらせていただいていたところではあるのですけれども、条例にも盛り込んでいただきましたけれども、これから具体的な県の行動指針を作成したり、それから予算も含めた具体的な施策をつくるに当たりまして、より現場の状況をしっかり把握をして、いわばオーダーメードの施策というようなことを目指していこうというようなことで、先般4つ協議会を立ち上げました。本日その御報告も少しさせていただこうというふうに思いますけれども、それぞれの会長に現場の所長さんになっていただきまして、そのメンバーを選ぶところから地域に入り込んでやっていただいているところでございますので、後ほど課長と各所長より御報告を申し上げたいというふうに思います。
 きょうの報告でもございませんけれども、今後そういう地域に密着した施策を組み立てていくという仕事、それからもう一つ我々が問題意識を持っておりますのが、21年度で今の過疎法が期限切れになりますので、これは今も島根県を初めとした多くの悩みを抱えているほかの県とも連携をしているところでありますけれども、恐らくこれが本格化してくるのが来年以降かなというふうに思っておりますので、またこの委員会におきましてもいろいろ御報告もさせていただきながら御協力もお願いしようというふうに思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、課長と所長より御説明申し上げたいと思います。

●谷口移住定住促進課長
 資料の1ページ目をお願いいたします。条例制定後の取り組み状況ということで、会議の開催状況についてまとめさせていただいております。
 条例制定後に、11月7日でございますが、副知事をトップに各部局長と総合事務所長で構成しております第1回の中山間地域振興推進会議を開催させていただきました。
 協議させていただいた内容としましては、推進会議を設置すること、今後の進め方、当初予算に向けての取り組み、重点的に取り組む施策の行動指針の作成について、これらのことにつきまして副知事より各部局が既存の施策を点検して、各総合事務所は地域の実情に応じた施策を出してほしいという指示をいただいております。
 それを受けまして、2番のところでございますが、県下4地域、東部、これは八頭管内も含んでおります。中部、西部、日野の4地区にそれぞれ中山間地域振興協議会を設置していただきまして、第1回の会議を11月28日、西部が一番早うございまして、続いて東部、中部、日野が同時にということで開催されております。
 その会議の中では、各地区の現状、課題、必要な施策等について構成メンバーでありますシンクタンク、大学、住民代表、NPOの方、それに県ということで意見交換をさせていただいております。
 概要については、次の2ページ目のほうに4地域振興協議会分をまとめさせていただいております。詳細は後ほど各総合事務所長さんのほうにお願いしております。
 そして3番目でございますけれども、この第1回の地域振興協議会を受けまして、3番目でございますが中山間地域推進会議幹事会を開催しております。メンバーといたしましては、幹事長を地域づくり支援局長、それから各部局の主管課、それから各総合事務所の県民局長で構成しておりまして、協議させていただいた内容としては、各地区で開催された中山間地域振興協議会の協議結果と今後の予算等の対応について、もう1点は次回の各地区の中山間地域振興協議会の開催ということでございまして、第2回の地域振興協議会を年内に開催すること、またその場で第1回の協議会で得られた協議結果に対する検討状況と行動指針の骨子案を示して意見を伺うこととしております。
 4番目で今後の予定でございますが、今後第2回の各地域での地域振興協議会、幹事会を開催いたしまして、副知事をトップの地域振興推進会議を開催して必要な施策を取りまとめていく、そういう予定にしております。

◎福間委員長
 それでは、今の報告にありました振興協議会、それぞれ東、中、西、日野、4地区の総合事務所長がこの協議会の会長をお務めのようでありますが、きょう実は全員参加をいただくように午後1時からの会議ということで要請をしておりましたが、先ほど申し上げましたように11時からの前倒し開催ということにいたしましたので、今のところ東部総合事務所長さんと日野総合事務所長さん、お二人のようでありますので、東部、日野、このお二方に説明をしていただいて、中部も西部も今こちらに向かっておられますので、もし間に合えばその時点で御報告をいただくということで、当面、東部、日野のお二方ということで進めたいと思いますので、まず東部の所長さんからお願いいたします。

●瀧山東部総合事務所長
 東部総合事務所でございます。先ほどございましたけれども、東部地区の中山間地域というのは東部総合事務所の管内と八頭総合事務所の管内、両方合わせた形で協議会の範囲を決めております。今月の1日にこの協議会第1回を開催したところでございます。
 協議会の委員の構成は、そこに書いてございますようなメンバーでございます。特に民間委員の方につきましては、鳥取市は範囲が広うございますので旧郡単位で1名ずつ計4名の方、あとは各町から1名ずつ、あと林業ですとか農業ですとか商工、あるいは教育関係の方にお集まりいただきまして、12人の民間委員の方、男女比も考慮しながら選定させていただいて、24名の委員の方に御議論いただきました。
 この会議ですけれども、まず最初にこの条例の趣旨を説明した後、委員さんから御自分のお考えの中山間地域での現状ですとか課題ですとか、できれば提案的な、こうしたらいいのではないですかというような提案をいただこうということで始めたところでございます。
 特に、県の今やっている施策につきましては、バイアスといいますか、ちょっととらわれることになってはいけませんので、それをあえて説明せずに、各委員さんから今お思いのことを率直な御意見をいただいたところでございます。
 意見の主な内容でございますけれども、これは条例の7条の項目ごとに少しまとめてございます。
 まず、安全・安心な定住環境の確保の関係でございますけれども、やはり交通の便が非常に不便になった。病院ですとか外に出るのがおっくうになる、大変だという御意見。それからブロードバンド化についてもやはりおくれている、やっとついたというようなことで、この情報関係の問題。それから、やはり少子化ですし、若者が出ているということで、幼稚園ですとか廃校の跡を何とか活用できないだろうかと。具体的な御提案というよりも、これらを使って何かできないのでしょうかというような御意見がございました。それから、子供が少なくなっている。これはどこの地域もおっしゃっていらっしゃいました。特に子供の地域での遊びがほとんどできていないような状況になっているというようなお話もございました。逆に、姫鳥線ができるなら、これを活用して今のうちに何かしないといけないのではないですかというような御提案もございました。それと、個人商店というのがその地区の方々が集まられてコミュニティーの場といいますか、サロン状態ということであったのだけれども、だんだいそこら辺が少なくなっている。こういうものをいつまでも残してほしいなというような御意見がございました。まとめ方としては、少し全体的に共通する部分もございますけれども、あえてここで入れさせてもらっています。
 集落の維持等の担い手でございますけれども、加工グループをやっていらっしゃる方、やはり後継者の問題が一番大きな問題、今いろんな生産をやっているけれども、やはり後継者がなくて困っている。1つ飛びますけれども、村の人が都市部に働きに出ていて、若い人たちは育ったら出ていってしまうというような共通のお話でございました。
 逆に、限界集落の中には比較的若者が定住しているところもあるのだと。これはやはりリーダーがいらっしゃって頑張っていらっしゃる。そういう地域はかなり元気なところもありますというお話もございました。
 次のページになりますけれども、4ページになりますけれども、産業振興関係でございますけれども、やはり森林の荒廃ということがかなり大きな話がございました。そのときに、竹で荒らされているけれども竹を逆に活用できる方法はないのかというような御意見や、広葉樹をもっと利用できないかというようなお話もございました。それから、やはり漁業等についても後継者の不足が大きな問題である。それから畜産関係の方からは、特にもっと自分のところの商品をブランド化して価値を高めて、高付加価値化を図るようにしていきたいというようなお話。それから、都市圏へのアピールというのも大切だとおっしゃっていらっしゃいました。
 他地域との交流促進でございますけれども、都市部の子供たちにもっと自然の中で遊んでもらって、特に中山間地域のよさというものを多くの方に知っていただくというのが非常に大切だというようなお話がございました。
 そのほかにも、地域を外だけではなくて地区に住んでいる方にももっと知らせるべきではないかというような、内外にも知ってもらうべきでないかという意見もかなりおっしゃったところでございます。
 これらの意見につきましては、先ほど説明がありましたが、来週第2回を開いて、この寄せられた意見等について、どう取り組んでいくのかということをある程度具体的なものをお示しして御議論いただけたらなと思っているところでございます。その対応について今検討しているところでございます。

◎福間委員長
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして日野地区の状況について、原所長から御説明をお願いいたします。

●原日野総合事務所長
 それでは、私のほうから説明させていただきます。
 日野地区の協議会は12月4日に昼から開催をしましたけれども、協議会の委員の構成のところに書いておりますけれども、住民代表の委員16名、専門委員3名、行政委員12名、計31名ということでして、協議会の構成数としては一番数の多い協議会で運営させていただいております。
 第1回目を4日に開催しまして、この4日の協議会のときに出されました御意見をもとに、来年度の当初予算に反映できるような御意見があれば早急にそれを取りまとめて、第2回の会議に提案する。第3回目の会議には、具体的にその政策化された、具体化されたものについて報告をするというような形で、3回の日程を組んで始めたところであります。
 今現在、町から参加していただいております委員の皆さんと運営委員会を設置しておりまして、ここで出された意見を整理をさせていただいて、具体化できるものがあるかどうか、町としても一緒に取り組むものがないかどうか、その検討に入っているというところでございます。具体的には、運営委員会は12月9日に予定をしておりました。第2回は12月25日に予定をしております。第3回は2月末ぐらいに予定をしております。
 重立った意見でございますけれども、条例の中に掲げてあります重点的に取り組む課題という7つの柱が設定してありまして、その課題ごとにそれぞれの委員の皆さんに自分が地域でかかわっておられる主要な事項について自分の御意見でありますとか具体的な要望でありますとか、そうした意見を提出していただいて取りまとめております。
 いろいろ細かなこともたくさん出てまいりましたけれども、大体重立った内容はこういうことかなということで整理をさせていただきました。ただ、時間的に2時間半という短い時間で出席されました全委員の皆さんに発言をしていただきましたので、全般にわたっての内容の意見が出たということではございませんで、ここに上げております安全・安心な定住環境の整備の関係、それから地域づくりの担い手育成の関係、産業振興にかかわる課題、こうしたところに集中的な御意見が出されたということでございます。
 最初に、安全・安心な定住環境の整備についてでありますけれども、日野郡におきましては公共交通機関が縮小されてきておりまして、通学、通院、買い物等々、地域の住民の皆さんの移動の便が非常に減ってきている。特に高齢者の皆さんの日常的な買い物でありますとか通院の関係、こうしたことが非常に各地域で問題が出ておりまして、こうした日常の交通手段をどういうふうに確保していくのかということが一様に出されておりました。特に食料品等の生活物資の調達に支障があるのだと。高齢者がバス停まで出ていく、重たい荷物を持って家に帰るというのもなかなか大変なのだというようなお話もあっておりまして、できたら地域の中で事業者の協力を得て、宅配とかそうした事業を考えてみてもらったらどうかというような御意見も出ておりました。
 どの地域も同じような状況があろうかと思うのですが、特に中山間地域の中で小売店が随分少なくなってまいっておりまして、すぐ近くで物資を購入するということがなかなか難しくなっております。そういう点で、日野郡では地域見守り支援事業というのを県が施策化されましたけれども、そういう中でローソンと提携された地域の事業者が中山間地を移動するバスとか保冷車、そうしたもので販売をしていただいておりますけれども、そうした登録をされる事業者が日野郡では今たくさん出てきていただいておりまして、安達商事さんだけでなしにほかのいろんな地域に宅配される事業者の皆さんが登録をしていただきまして、地域で異変があった場合には早急に役場に連絡していただいて対応するという対策もとっているところでありますが、そうした地域の不安にできるだけ対応できるようなシステムをつくってほしいという要望でございます。
 もう一つは、やはり地域の中で限界集落というような言い方もありますけれども、非常に高齢化が進んで5割以上、あるいは6割というような集落があるわけでありますけれども、こういう集落では集落の機能を維持することがなかなか大変なのだという状況の中で、どういうふうにその地域のコミュニケーションをつくり上げていくか、再生するかという点で、健康増進といいますか、それから介護予防、こうした取り組みとあわせて地域の皆さんの、特に高齢者の顔が見られる日常的な支援システムをつくっていく必要がありはしないかというような御提案がなされているところでございます。
 これとあわせて、集落機能の維持向上を図っていったらどうかという施策の要望が出ておりました。
 地域づくりの担い手育成の関係であります。日野郡の高齢化は想像以上に高い地域でございまして、しかも人口流出に歯どめがかからないという状況であります。住民基本台帳でも、日野郡3町で今1万3,000人を切っております。こうした状況はさらに続くのではないかと危惧をしておりますけれども、そういう中でなかなか地域に若い人たちがいないということから、いろんな地域の中でいろんな思いがあっていろんな取り組みをしたいのだけれども、マンパワーがなかなかないということで、何か取り組んでも継続できるだろうか、うまくいくだろうかという点でなかなか自信が持てない。こうしたことから、まちづくりについて企画立案したり、あるいは具体的な取り組みについて相談をしたりコーディネートをしてくれるような、そうした人材派遣をしてもらって、きっかけづくりをしてもらえないだろうかというような御意見が出ております。
 具体的な例を引かれて、島根県の里山プランナー、中山間支援員の設置とか、そうしたことも具体的に施策として考えてもらいたいという御意見が出されておりました。
 産業振興の関係でありますけれども、日野郡は畜産がある程度盛んでありますけれども、畜産農家の皆さんも非常に高齢化されてまいっておりまして、最近の子牛の販売価格が非常に落ち込んで、30万円ぐらい落ち込んできていて、こういう状況が続くと肥育意欲、生産意欲といいますか、そうしたことにいろいろ影響が出てきているというような御指摘がありまして、こうした販売面についても生産者自身が努力する必要がありますけれども、生産者の活力を向上するように行政のほうからも後押しをしてほしいという御意見もございました。
 具体的に、実際に和牛を飼育されておられますのは男性ではなくて女性の方が多いのです。その女性の人たちが一生懸命飼育されておりますけれども、実際に競りに出すと価格が以前に比べると非常に落ちてきているということから、そういうふうなことであれば手間賃も出ないということで、肥育意欲が減退している、そういう御指摘でございました。
 特産品の直売所が江府町で「みちくさ」というところでやっておられますし、それから日南町、日野町では朝どれ野菜を収穫して岡山とか山陽方面に出荷されておりますけれども、高齢者がほとんどでありまして、非常に意欲を持って取り組んでいただいておりますけれども、やはり年々高齢化が進む中で余り重たい作物はつくれない。ピーマンでありますとか軽い作物、そうしたもので消費ニーズの高いもの、そうしたものをつくっていきたいという御要望があるようでありまして、こうした点での支援、指導をお願いをしたいというお話も出ておりました。
 もう一つは、やはり絶対量が少ないということもありまして、大きなマーケットになかなか出していきづらい。そうしたことから、少量のものでも都会地、消費地とつないで、もう少し販売促進の面で支援をしてもらいたい。こういう御意見があっておりまして、具体的な農産物は農協が集荷をして販売していくというのが一般的な流れになっておりますけれども、絶対量が少ないという中でなかなか市場に出しにくい。そうしたものがあるわけでありますけれども、こうした小さなものを寄せ集めて、都会の消費者に届けていく。そういうシステムが必要ではないかということであります。
 そうした中で、非常に高齢者の皆さんは頑張っておられまして、「みちくさ」あたりでも自分でマーケットの値段を調べてきて自分で値段をつけて販売されておりますけれども、それがほとんど午前中で売り切れるというようなこともあって、非常に熱意を持って取り組んでおられる。こうした取り組みも高齢者の健康を維持するという側面もありまして、ぜひ続けていただきたいと思っておりますけれども、こうした点での支援がやはり必要かなというふうに感じたところでございます。
 日野郡はやはり農業と林業が基幹産業でありまして、こうしたところでどういうふうに生活を成り立たせるかということが大事でありますけれども、米の価格が低くなってきてなかなか収入に見合わないというようなことで、非常に就農者が少なくなってきている。林業の関係でも、国際的な環境は非常によくなりつつあるとは思いますけれども、まだ材木の価格にはね返るという状況になっていなくて、今間伐材を出しても赤字になるということから、なかなか林業を大きく動かしていく、山を動かしていくという点で、この木が動くようになればもっと雇用関係が広がってくると思うのですけれども、なかなかそういうふうに結びついていないという状況がありますので、ここを何とかしてほしいという御意見がございました。
 その中で、建設業が雇用を守って頑張っていただいておりますけれども、やはり公共事業が半分以下になってきておりまして、非常に苦しい経営状態になっております。そういう中で、他分野への進出ということを今一生懸命考えておられる事業者が出ております。例えばブルーベリーへの参入とか、あるいは自然薯とか、あるいはシイタケ等々にいろいろ努力してやっていただいておりますけれども、ここでもやはり新しい分野に進出するときの技術的な指導でありますとか、あるいはつくった後の販路開拓でありますとか、そういうマーケティングにどうつないでいくか、そこら辺の行政の支援をお願いしたいという御意見でございます。
 あと、日野郡には歴史とか文化とか景観とかいろんな資源がございますけれども、こうした資源を有効に活用していく、そうした施策が必要ではないかという御指摘があっております。
 農業と林業と建設業をリンクした、セットにしたような事業の仕掛けというのが何か考えられないのかというような意見がありまして、特に建設業の人が田んぼの中に重機を持ち込んで、自然薯栽培でもそうですし、ブルーベリーでもそうですけれども、そうした建設業が中心になって林業のほうにも進出できないかと、そうした御意見がありまして、全体を通じて、年間を通じて雇用を確保して生活ができる収入を確保する、そういうサイクルができるような仕掛けづくりができないか、こうした御意見がありました。
 その他いろいろ細かな点もございましたけれども、大体重立ったような御意見は以上でございます。

◎福間委員長
 ありがとうございました。
 以上、4人の皆さんに御説明をいただきました。
 ただいままでの説明について、委員の皆さん方から質疑をお受けしたいと思います。
○山根委員
 だれが考えても同じようなことで、若者がいないとか別に目新しいことでもないし、ただ、やはり何だかんだ言っても交通、通信あるいは医療ということが一番問題で、重たいものを持てないとか買い物できないとか移動がしにくいということですから、もう一歩行政などが踏み込んでやって、今、デイサービスとかいろんな福祉施設が送り迎えをするようなものがたくさんあるわけですから、そういうものと困っておられる人とをうまくリンクするとか、あるいは逆にそういうものに買い物でも頼んで、町から買い物してお届けするとかというようなものを構築すればと思うわけですけれども、ただ、そのときに、町村も参画していると書いてあるわけですけれども、町村も参画しているし、あるいは住民代表も出ておるということですけれども、そのあたりの仕分けがやはり町も町政課題ですよ、施政の課題ですよということをもっときちんとしないと、県が前に出過ぎて町が後をついてくるようなことにならないように、やはり町村の責任で何とか、住みにくい方やあるいは過疎にならないような方法というのは町自身の重要課題ですよみたいなことをもうちょっと前に出されたほうが、みんなが共感するではないかというような感じがしているわけです。

●青木企画部長
 協議会には町村も入っていただいて、温度差が全くないわけではないと思いますけれども、この条例の策定過程でずっと打ち合わせもしてきたので意識はかなり高まっていると思いますし、ただ、かなり先端的な大学との連携を一生懸命やっていらっしゃるところとか、少し温度差はあるのかなという気がしますので、ちょっと運営で工夫していきたいと思います。
 交通関係の問題について御指摘がありましたけれども、今、別途過疎バスのほうもどういう助成制度にするかという議論をやっているところでありまして、大きい流れでいいますと、従来の民間バス会社がやっていたバスの路線というのがあって、これがどんどん人口が少なくなってきて撤退するのを何とか食いとめようというようなことで、いろんな国の支援、それから県も支援をするという仕組みでやってきたわけでありますけれども、今、中でいろいろ議論していますと、やはり特に中山間地などは従来の交通施策、民間事業者を中心とした交通施策というところからかなり福祉的な社会政策的な色彩というのが強まってきているなという感じを持っています。NPOの支援などは、議会での御議論などもいただきまして今先行的に始めているところではあるのですけれども、今御指摘のあった福祉との連携とかというのもこれからちょっとこの協議会の中でいろいろ現場のマッチングの可能性なども少しやっていきたいなというふうに思いますので、バスの見直しと現場での使い勝手というようなことを少し念頭に置いて検討を続けていきたいというふうに思います。

○山根委員
 その過疎バス対策ですけれども、いろんな形で国の助成、県の助成とか、町は町なりに苦しんでおられるのですけれども、実態的には本当に皆さんが従来求めておられるような、門先にまで出れば何分か何時間置きに来るというようなことはほとんど望めなくなっているわけです。今の世代の方々は、我々の地域は10キロや15キロ範囲に子供さんがまだ元気に住んでいるということがありますから、買い物とかいろんなこととか、乗せていってくれみたいなことはできていますけれども、本当の意味で困ったことが起きている。日野からもありましたが、買い物一つできないということなのです。だから、そこを郵便局のひまわりさんなどもやると言っておられた地域もありますけれども、そんなこともなくなってしまうというようなこともあります。
 将来性がないというのは、私は気に入らぬのは行政の財政によって投票所までみんな吸収合併してしまうのです。投票所も奥地はみんななくなってしまうということです。いいことは言うけれども、人間の権利である投票所にさえも行けないということなのです。だから部局は違っても、特区にするのか、選管さんだとかそれぞれ町にも相談されて、逆に移動投票所なら移動投票所で2時間なら2時間とか、1時間なら1時間、この村ですよみたいなことまでして、やはり人間の尊厳として、人のいるところには基礎基本のサービスは当然やるのだよみたいなことをしませんと、小学校はなくなる、中学校はなくなる、支所はなくなる、スタンドはなくなる、店はなくなる。しまいには投票所までとられてしまうということになると、本当に幾らいいことを言ったって、そんなところに住めるかみたいな、希望もないし。そのあたりをある程度幅広で考えた条例にして、やはり一人ずつ尊厳があるよということをきちんと示してあげるべきだと思います。意見ですけれども、コメントがあればお願いします。

●青木企画部長
 投票所については以前要望もいただきまして、ことし初めて国要望という形で、例えば巡回するようなイメージですね。ちょっと制度的にはいろいろ厄介な問題があるということは今総務省の選挙担当と私どもの選挙担当とで少し議論をさせていただいているところなのですけれども、ただ、この問題意識というのは少し仲間もふやしていきたいなというふうに思っています。選挙の制度というのは、かなり大きいうねりになって政治の世界でもこれはやらなければいけないというのが出てこないと、総務省さんとしてもなかなか動きづらいというような話も聞いておりますので、問題意識をちょっと広げていくようなこともやっていきたいなというふうに思います。

○前田委員
 選挙の話、ちょっと横道にそれるけれども、島根県の議事録を見たら、島根県も同じことを議会で言っていた。ふやせと。島根県と連携したらどうですか。
 それと、聞いたのだけれども、これは僕らが聞いたのとほとんど一緒なのです。聞かれて、これからどうしようとされるのですか。それをちょっと教えてください。

●瀧山東部総合事務所長
 東部としましては、出された意見に対してこれを解決するような具体的な施策というのを、幾つできるのかちょっとわかりませんけれども今検討しております。
 もう一つ、私どもでいけば12月1日に会議を開催して、次は25日に開こうとしていますけれども、そのときにある程度、粗みたいなものを出させていただけたらと思っております。それについて、次の2回目の会議でいろんな御意見をいただきたいと思っておるところでございます。
 もう一つ、いろんな意見をいただきましたけれども、すぐすぐできないものも多々あります。長期的に対応しなければいけないものや、中期的にも対応しないといけないもの、あるいは21年度、来年度中にいろいろ考えてというようなものもございますので、それらは並行して今後も検討していきたい。次の会議には、当面こういう21年度に向かって我々として考えているようなものはこういうものがございますよ。それから、ほかの意見については中長期的に考えたいというそのような整理をしてお示ししたいと思っておるところでございます。

●原日野総合事務所長
 この協議会の設置の前に、来年度予算の関係で実は日野総合事務所としましても全所挙げてそれぞれの局から具体的な日野郡で喫緊の課題に対する対応策をどうするか、そのための新たな予算要求をどうするかという、そういう検討をしておったわけです。その中で、いわゆる日野郡というのは御存じのように鳥取県の30年先を行く少子高齢化地域だということで言えば、まさに全県のモデルになるようなところなのだと。そこでどういうふうな施策を展開するかということが今いろんな形で影響を与えるのではないかと、そういう職員みんなの思いがありまして、一つの日野モデルというのをつくってみようというようなことで、いろんな意見が出て10本近く今用意をしておりましたけれども、その部分と大体似たような御意見が結構出てまいりまして、そうした御意見をさらに我々がつくっているものに付加をして、予算要求の中で具体化できるものはぜひ具体化していきたいというふうに考えておりますし、それは当面21年度予算要求に向かった話ですけれども、それ以外の課題については当然中期、長期のスパンで考えていかなければなりませんから、引き続いて協議会の皆さんの御意見を聞きながら、具体的な施策をいろいろ知恵を出すのかなというふうに思っております。

○前田委員
 そこで、今こういう雇用情勢でして、一つの僕のアイデアだけれども、雇用の面からいい人が今たくさんおりますね。かわいそうに整理整とんされてしまって、リストラに遭って、技能とか知識のある方も不幸にして就職がなくなってしまって、そういう人たちを雇用してもうかる農業、もうかる林業、あるいは生き生きした村づくりのノウハウを知ったような人を、例えばある集落に1週間のうち3日4日行ってもらう。そういう雇用と組み合わせた刺激策というものを考えられたらどうでしょうかと思います。同じ地域で同じ地域ことを考えていてもいけないから、刺激することも必要だと思うのです。雇用対策の面から、この中山間地域対策を絡めてほしいと思います。これは意見です。

○伊藤委員
 県が中山間地域対策ということでやり出したのは平成に入ってからで、20年です。絶えずぐるぐるぐるぐる回っているわけです。それで進んできて定着したところと、また後から後から同じ限界集落に近づいていくのとの仕分けがきちんとできると僕は思うのです、変化を見れば。恐らくああいう集落というと、この間もこの委員会で行ったときでも、若い者もおって、非常に伸び伸びとといいますか、そういうところもあるし、そうでもない、もうすぐだよというのがあるのです。だから、僕はバスがない、何がないという段階というか、そうなってきた集落と、それからどこかにありました魚を飼って、一軒で8,000万円も所得を上げるような集落、あるいはシイタケあたりをつくって不時栽培で年じゅう供給できるような集落と、やはり長い目で見ると、集落に産業があるか、その近くに雇用の場があるかということのほうがやはり全体としては決め手だと思うのです。その次の次の次の大分いけないようになったところは今度は年寄りだけになってしまって、言ってみればバスがないだとか病院に行けないとかそういう段階になってしまっている。それを引き戻すというのは至難のわざだと思うのです。20年来同じことを繰り返しているのです。これが所管が企画部に行っても農林部に行っても、僕はやはり農だとか林だとかそういうもののほうが職場というか、雇用の場というのはつくりやすいわけだ、逆に山間部というのは。今、前田委員が言われたように農業でもできるはずだし。やはり今までのことをずっと繰り返したらいけないと思うのです。
 それであえて、例えば三朝の奥の中津、去年行きましたが、あれあたりをどうしようかといったって、あそこで生活するという人がおられれば、そのおられる人が何とか生活できるためにはどうしたらいいのかという話があるし、歩いてみると何段階もあると僕は思う。だから総論で話をしていてもこの中山間地域問題というのは、条例ができたといっても、これを持っておったって条例は条例で、これでどうだという話にならない。ですから企画部長、我が県の中山間地というのはどういう仕分けをするのか。今はどういう段階になるのか。恐らく集落ごとによってみんな違うと思うのです。八頭のほうでも本当にびっくりするような集落もあります。そうかといって、中津みたいに怖いような集落もあるし、僕はやはりその辺の仕分けができると対応ができると思うのですけれども、仕分けというのは非常に難しいのだ。本当に怒られる場面もあるかもしれないし、構ってくれるなというところもあるかもしれないし、だけれどもああやってぐるっとこの間2日にわたって歩いてみただけでもいろんな、ここに手を入れればいいのになと思うものやいろんなことがある。僕は次は具体的な段階、支援というのか、方向づけというのか、そういう段階に入ると割にこの問題の成果は出やすいのではないかと思うのですけれども、どうですか。

◎福間委員長
 ちょっと関連で、私のほうからも。結局、地域振興協議会で各地域の課題というのを一応拾われたわけですね。その中で、例えば今前田委員からもあったように県庁を挙げて全県共通課題で統一的対応ができるものもあると思いますし、個別課題で地域特有の課題というのが出てくると思うのです。それを一覧表に全部具体的な地名まで入れて、伊藤委員が言われるように振り分けをして、2ページにありますけれども、全県的な対応をしていく課題、例えば交通政策など、その交通政策でも、NPO法人がやってくれるところとできないところ、今までと同じパターンで国の法律でみたいなことではいけない気がするのだ。鳥取県的なものというのをどうしますかというのを出さないといけないのではないかと思う。できるできないは別として。そういう振り分けをするということと、それの実現に向けてこんなプランをどうしますかといういろんな手法というのを、例えばバスの問題にしたって東部と日野とでは対応が違ってもいいのではないでしょうか。そんなようなことというのを推進会議で一つの方向づけを出されないといけないのではないでしょうか。そういう気がします。
 というのは、財政的な裏づけをどうしますかと。財政上の措置というのはまだ棚上げになっているでしょう。トータルでどうされるのか。前田委員が言われるように、雇用問題も絡めた部分をどうしますかみたいなことをひっくるめた中で、具体的なものを一遍出して来年度の予算措置か何かをしていかれないと、この会議を走らせた以上、該当地域の人というのは行政が事情聞いてくれたということで期待感を持っておられると思う。何をしてくれるのかというのがある。次はどういうスタンスを持ってきて対応してくれるのですかというような期待感があるから、答えも出さないといけないと思う。できるできないは別としてアクションが。
 条例が3年後に見直しになっているでしょう。少なくとも3年ぐらいのスパンで可能性があるものか、あるいは即できるもの、いろんなことを含めてやるということが必要ではないのかという気がしますけれども、今伊藤委員が言われたこと、あるいは前田委員の総合的な雇用対策等もひっくるめたものということで、現状把握したときに推進会議で次どう打って出ますかという基本的な柱も立てられないといけないような気がするのですけれども、そこら辺を含めてどうでしょうか。

●青木企画部長
 その辺をどこまで行動指針とかに書けるかということを今ちょっと考えておったところであります。
 恐らく伊藤委員が言われたように、この集落がこの名前のカテゴリーに入るのだとかというようなことを仕分けすることというのは、これは非常にデリケートなところがありまして難しいわけなのですが、ただ、これがどうということではなくても、我々もおととしぐらいからずっと回って、もうビジネスを起こすとかという段階以前になってしまっているところというのが正直あります。お話を聞いても、移住は考えていないと。だけれども、体が続く限りここでお墓を守っていかないといけないということで、絶対町には出ない、住み続けたいという、そういう方々も正直結構おられましたし、それから先ほど話が出ましたけれども、かなり以前からやっているビジネスとかがうまく回っていて、リーダー役の人もいるというようなそういうところもあります。市町村からお話を聞いても、今、住民協議会とかをつくって一生懸命やっておられる市町村が出てきていますけれども、その協議会自身についても物すごく温度差がある。非常に熱心なリーダー役の人がいるところと、笛吹けどなかなか踊らぬところもあるということでありまして、先ほど委員長が言われたように課題を普遍的な、全県的な課題と個別的な課題というふうに分けるということも何となくある程度できるかなという気はいたします。
 ただ、例えば交通基盤の確保とかとそんな大くくりにしてしまうと一気に見えなくなってしまうものですから、課題をある程度細かく分けるということと、それからその処方せんですね、処方せんというかやり方ですね、解決方法というのが地域によって千差万別というのが正直なところです。だから、県の予算制度とかでどこまで普遍的な制度で対応していけるかというのはちょっと個別に議論してみないとわかりませんけれども、例えば今年度からやっている見守り協定などというのは、我々が発想したときよりも現場でやってみるといろんな応用範囲というのが広がっているなというようなことも実はあっていまして、ぜひ来年度の予算の中では現場に届くような仕組みというのを1個でも2個でも新しいものを出したいなということで今議論しています。
 きょうの御意見もぜひ推進会議のほうで報告をさせてもらって、今後の課題の整理の仕方とかは議論させていただきたいというふうに思います。

◎福間委員長
 もう1点、意見だけとしてとめてください。
 この法律があってこれがあって、この枠内で何ができるか、それでできる中山間地振興ではだめだと僕は思う。例えば今100年に一遍の不況が来ていますよと。一方で、中山間地を特別に振興しないといけないという条例をつくってきたわけだから、逆にいけばそこを最優先にして、そのために邪魔をする法律があれば例えばけ飛ばせぐらいな論でいくぐらいのことにしないと、伊藤委員からも指摘があったように今までと同じことの繰り返しになりますよという懸念があるわけです。そういう意味で、やはり超法規的なことをやって、ぎりぎりのところまでどこまで押し込めるかみたいな発想というのを持ってかからないと、結局条例をつくっても何にもならぬということになりはしないだろうかという気がします。意見として。

○小谷委員
 あなたの言うのもいいけれども、この中山間地域振興条例などというのは、私に言わせれば精神条例のようなものだ。言ったら悪いけれども。どこでどうやってどうするか、具体案まで出て、予算化はということになると、協議会をやっておられてもいずれは大変だと思います。だからそこの中から拾い出すのはもちろん重要な案件かもしれないけれども、今後はその地域にリーダーがあって、県民の皆さんにこれを知らしめて、その方々が本気になってかかってこないと、幾ら行政がこれをやれあれをやれ、あるいは市町村と一緒になって県もこれをやれ、あれをやれと言ったって、地域が生き延びようと、これだけ残していって我々はこういうふうにしたいのだと、むしろ逆提案で出てくるような状況をつくらないと、手を入れたって、部長が言われているようにもうだめだとは言わないけれども、大変な地域もあるわけだ。これを行政で全部助けようと思ったって無理な面もある。地域の方々がどうやって知恵を出して、では何人住んでおられても一丸となって、3人おっても3人で固まってやろうとか、ここを守っていこうとか、むしろ逆提案して、市町村がこういうふうな、県はこういうふうなことまでというぐらいな、むしろ向こうからわき上がってくる意見が重要だと私は思います、ある意味では。そういう状況をつくらないと、県がやったって、伊藤委員が言われたようにまた同じような繰り返しになる。だからその辺のところはよく見きわめて、できる範囲内は条例のもとでやらないといけないけれども、そういう地域から盛り上がるような意見が出てくる、あるいはないかもしれないけれども、そこを探していって、ではどうしますかというような話になって相談相手になるというのも重要ではないかと私は思います。これをやれあれをやれというのは、今の行政でそんなことをやったら前と同じような行政になってしまう。市町村も含めて、県も含めて。これは意見ですけれども。

○市谷委員
 私、本当に条例ができて走り出してよかったなというふうに思っているのですけれども、この出てきている意見の中でも後継者不足ということがやはり出てきていて、私たちもいろいろ地域を訪問させてもらったのですけれども、結局昼間だと若い人に話を直接聞くことがなかなかできなくて、でも若い方がこれからどう定着していくかということは、やはり特別に位置づけてやることが長い目で見たらすごく大事だなというふうに思うのです。昼間にいろいろ意見集約する会議があっても、実際に若い方たちがなかなかそこに参画できなかったりすることもあると思いますので、その意見集約の仕方として若い方を、特に子育て中の方などを位置づけていただけるといいかなというふうに思うのです。
 恐らくそういう行政の方と若い人たちが話し合う中で、自分たちのまちをつくっていこうというような気持ちにも多分なっていくのではないかというふうに思いますので、参加してもらうことにもすごく意味があるというふうに思いますので、ちょっとその辺が位置づけていただけるといいかなというふうに思いますので、意見として。

○内田委員
 今いろいろお話を聞いていて、中津のことを思い出しながら、やはりああいう方々、特に独居の方々等、交通の移動手段がないそういう人たちのことを考えてみると、原所長は御存じのとおり江府町の安達商事さんがやっておられますね。この間、安達さんとも話をしてみますと、やはりもうからないというのです。せめて車の購入費に補助金でも入ったらなという、そういう具体的なことも出ているのです。だからこれは県内どこも共通だと思うのです。だから商工会等、また市町村を通じて移動販売のできるような形をして、まず食べ物をそういうところに届けるシステムというものを考えて、その次に今度は移動手段を考えてあげるという、やはりまず食料からではないかという気が特にしましたので、中津に行ってしみじみそういう気持ちになりましたので、そういうことを具体的に盛り込んだらどうなのかと思うのです、移動販売車等をやるとすれば。実際の問題として、もうからないものですからだれも手を挙げないのです。もうかればだれもしますよ。だからそこに補助金を出していくという、そういう方式でとりあえず食の確保をしてあげるのも一つではないかとしみじみ感じました。

○藤井委員
 原所長、建設業の話が出ていましたね。建設業が農業という。見ていますと確かにそういうケースがあるのだけれども、僕は気の毒な気がするのです。やはり建設業は建設業、予算を半分にしておいて、おまえら勝手に好きなことをやれという仕組みが、やはりある程度その業種に合った、長年それをやってきた人たちに対してこういう事情だからというのはわかるのだけれども、そこから先の手当てというのが、今、苦心して農業、林業、建設業が一体となったようなビジネスをと言われましたけれども、まさしくそのとおりだと思います。何か彼らが納得できるようなメニューを探してあげないと、ちょっとひどいなという感じがするのです。
 僕はさっきから何かいい知恵がないかと思ってずっと考えてきましたけれども、具体的なものは浮かんできませんけれども、そこを野放しにしないで新しい方向を、そしてその人たちにふさわしい方法を国も県、市町村行政も探し出してあげてほしいという、そういう感じがしました。
 場合によっては、交付税の復活もありましたし、やはり地方は行政を通していないと生きていけないということは事実なので、そういうものの復活も視野に入れながら、こういう惨めなやり方というのは僕は正しくないと思う。建設業者が裏庭でブルーベリーをつくっているのを見ていると、一体何なのかという感じがしないでもないです。結論にならない話ですけれども、そう思いました。

○伊藤委員
 それに関連して、例えばこの間行ってふっと心配したのは、大災害、地震だとか集中豪雨だとか、そういうときには、そこに重機を持った建設業が実在しておらないと、とてもではないけれども、道が壊れるわけですから、そうするとどうしてもそこに、例えば日南町なら日南町に2つか3つか、何ぼかわからないですけれども、建設業というのが本当に実働していないといけないではないかと思うのです。そうすると、それあたりの方が続けるためには、公共事業を継続的に出す分野があってもいいし、さっき藤井委員が言われたように、僕らも果樹をやっていたけれども、建設業の方がブルーベリーを1つずつとる。建設業者の得意なところは、機械を使った農業なら得意だけれども、こんな話をしておってもとてもではないけれどもできないと思うのです。鉢植えの植物ということでは。仕事がないですから、そこのところでもうけないといけないという理由はあるにしても、そんな簡単に農業――農業は日当が1,500円になってもいい分野があるのですけれども、建設業だったら日当が1,500円というような話はできないでしょう。そうすると、僕はこの間日野に行ったときに考えたのは、ここに土建屋さんというのが何軒あるのかなと。そしてこの土建屋さんにもしものことがあったときには、3つの土建屋さんが必要だとすれば、その土建屋さんがやはりきちっと業で食えるような格好の、片方は公共事業みたいなものを加えないといけないし、もう片方はやはり山の事業をやったり、建設業さんでできる、その力を使って林道をつくったりだとか、あるいはシイタケもあるかもしれませんし、そういう格好の攻め方というのも一つではないかと思って今聞いておりましたけれども。

○藤井委員
 関連で。いいことを言ってもらいましたけれども、やはり建設業者が持っているノウハウを壊さないで新しいものを提供してあげて、そしていざとなれば地域消防団みたいに、かつて持った技術が生きていけるような、そういった仕組みも必要なのかもしれないと思う。
 仮に土木がだめになったら何をするのだろうか。国策で半分にしてしまったというのは、やはりその先をつくってあげないと、これはやはり深刻に考えていきましょう。と思います。


○横山委員
 やはり中山間地は雇用対策とあわせて農業の、例えば今農協というのがあるのだけれども、これは役に立たない。

○小谷委員
 何がそんなことがあるのだ。何を言ってるのだ。農協がつぶれたらみんなつぶれる。大問題だ。

○横山委員
 農家の集合で例えば雇用対策に全力を挙げられるような、今、農業政策でもそういうものが出てきている。遊休農地とかいろんなことが出てきているので、そういうものに雇用する。だから中山間地で一番大切なのは、主役は農業と今ある建設業だけれども、ケース・バイ・ケースで……(「林業を忘れるなよ」と呼ぶ者あり)林業だとかそういうことが、場所によってケース・バイ・ケースだと思うのです。そこでいかにして雇用対策をするか。それに中山間地等の直接支払いやそういうこともあるので、そこを充実させて、そういうことで働いていただけるような施設をつくって、例えば農業団体をつくって、今集落農業とかいろいろあるわけだから、それを育てる。(「国営農場だ」、「コルホーズ」と呼ぶ者あり)そういう施策を考えないと、ケース・バイ・ケースで場所が違ったらいろいろ違うのですけれども、だけれどもその場所で、先ほど伊藤委員が言われたようにここの場所、ここの場所、ここの場所でケースで考えられるのではないか。ここは建設業でこういうものをしてもらうとか、だけれども軸は2つだと思うのです。農林業と建設業。そういう今までと違ったことを抜本的に考えるのがいいかなと思うのですけれども。

○前田委員
 皆さんもしも行っておられないのだったら、行ってみてほしいところがあるのです。島根県の過疎対策を本当に勉強されている島根県中山間地センター。島根県は鳥取県より10年進んでいるのです。島根県は一回経験しておられるのです。赤来町にありますから。私は2回行って勉強しました。非常に勉強になります。本当に研究しておられます。対策もいろんなことをしておられます。ぜひとも行ってみてください。そして施策を考えてください。

○山根委員
 そのような意見があれば執行部が行ってみられるのもいいし、そういういいところを紹介されれば、我々自身も行くということをしたほうがいいと思います。
 提言としてですけれども、今も話がありましたように過疎法がいよいよ21年に切れるわけですから、今非常に大事なときですから、次の議会でもこの委員会等でも提言して、国に対してもきちんとした意見書とか、あるいは皆さん政党的な立場が違うのですけれども、超党派でそれなりに国に対しては執行者も要請しますよ、我々も要請もするし、我々もその日々で日常活動の中で政党人とかあるいは政府の役人とかにもそれなりに努力しますということで一つのものになってほしいということを提言しておきたいと思います。

○伊藤委員
 もう一つ、日野所長さん、日南町には建設業は何軒ありますか。

●原日野総合事務所長
 10数社はあると思います。

○伊藤委員
 僕が聞いたのは、日南町で建設業で20人ぐらいの従業員がおられて、建設業だけで仕事がないと。存続させるためには、例えば水田だったら機械を使うあれがあると。それで、例えば米粉用の稲をつくるとか飼料用の稲をつくるとか、そういうことなら、売る売れぬはともかくとして建設業でも十分できるなという話と、もう一つは林道をつくっての話でしょうけれども、シイタケあたりをもうちょっと建設業でもできるシイタケというのがあるはずだという話を実はこの間聞いたのです。ですからそういう具体的な例があると、そこには30人の従業員がいるのですから、それはみんな日野郡の住民の方みたいだったですけれども、僕は建設業と同列にあれするというのはやはり一つの有効な手段なのかなと思ってこの間聞いてきました、その社長さんから。

○前田委員
 それと、島根県中山間地センターはイノシシの研究のメッカですから、一緒にされております。県職員のためのイノシシの研究のセンターであり、中山間地対策の研究センター。だから非常にイノシシには詳しい。だから一緒に。

○浜田副委員長
 このように、委員の皆さんお一人お一人がこの中山間地問題については情熱を持って何とかしないといけないというあかしではないかというふうに思いますが、島根県は鳥取県よりも先に過疎が進んでしまって大変な思いをされて、だからこそやらざるを得なくなって大変な知恵を絞ってこられたわけです。お隣なので、たまたま私は島根県出身なので、前田委員がおっしゃいましたけれどもその対策は随分進んでいます。それから、科学者のノウハウもいっぱい入れ込んでいますし、それから外の力もたくさん入れているし、人材も育成しておられるので、ぜひ勉強し合ってほしいというふうに思います。そうやって動くことが、自分たちが見捨てられていないのだということが実感できる。そのことにお金も注ぎ込まれているのだということが、ああ、あそこへ帰っても大丈夫かなというふうに思わせる。住んでいる人が先の見通しを何となく持てるということにつながっていくのだというふうに思いますので、アクションを起こして、それを地元の今住んでいらっしゃる方に安心と安全が保てるかもということが何となく伝わっていくということが必要で、そこの動きが表へ出てくれば、外からあそこへ入り込む。それから人間性を回復させるためにこれが必要なのだ、それから自然を守るためにはこれが必要なのだということは物すごく情報発信されていて、そういう意味でも外から入ってくる人たちの数が島根県にふえているということがありますので、そこのところをどういうふうに情報提供していくのかということ。どこをポイントに絞ったらいいのか、注ぎ込む力の視点みたいなところが見えてくると取り組みやすいのではないかというふうに思います。

◎福間委員長
 では、企画部長のほうから今後の方針について総括的な答弁といいますか、御発言をお願いします。

●青木企画部長
 今、建設業の話も我々の中で危惧しているのと、非常に共通した問題意識をきょうも受けとめさせていただきました。
 雇用対策が麻生政権で今打ち出されていますが、この具体化というのも私は逆に言うとよく注視をして、中山間地域にとってむしろばねになるようなものというのをよく精査を、この年末年始でかなり明らかになってくるというような情報もありますので、そこはちょっと抜け目なくやりたいなと。これをきっかけに何かいい循環が始まるようなきっかけがつくれれば、どん欲に対応したいというふうに思っています。
 昨年は、どちらかというと我々が従来抜けていたなと思っていた生活機能の共助というところにかなり焦点を当ててやってきまして、ことしから来年にかけてもこれはもちろん続けていこうと思うのですけれども、やはりもう一つの視点としてビジネス、お金が地域で回るということ、きょうもたくさん議論をいただきましたので、今ちょっと追加で現場回りも担当課のほうでやらせていただいているのですけれども、何か新しいビジネスのモデル、きょうも幾つかアイデアもいただきましたけれども、それが何とか物にできるような仕組みというのも何か当初の予算の中で仕組めないかなと。これは引き続き、もう少し時間がありますので追求させていただきたいなと思います。
 いずれにしても、きょうの議論は副知事の会議にもきちんと整理をしてお伝えした上で、また御報告を申し上げたいというふうに思います。ありがとうございました。

◎福間委員長
 その他に入りたいと思いますけれども、執行部、委員の皆さんでございませんか。(なし)
 今の議論の中で2つ提起がありましたけれども、1つは期限切れとなる過疎法を継続するということで、この委員会で2月定例会等に向けて意見書を提出するということで議論したらどうかという提起がありました。私のほうで意見書の素案をつくって皆さんに見てもらうという考え方でよろしゅうございますか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 もう1点は、島根の中山間地センターを私どもも視察をさせてもらったらどうかという御意見もございました。これから雪のシーズンになりますが、赤来町というとどの辺ですか、宍道から入った辺か。

○前田委員
 僕は三次から入りました。三次市から20分。

◎福間委員長
 三次から20分ということは、鳥取からバスで行っても近いですね。では、正月明けにでも計画するということでいいですか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)

○前田委員
 ただ、1泊しないと往復は大変だ。

◎福間委員長
 そこら辺で、なるべく早いうちに日程を検討させてもらうということで、行く方向で日程調整させてもらうということでよろしゅうございますか。(「委員長一任」と呼ぶ者あり)
 それでは、意見が尽きたというよりも山ほど出ましたけれども、以上をもちまして中山間地域振興調査特別委員会を閉会いたします。ありがとうございました。



午後0時19分 閉会

 

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