平成21年度議事録

平成21年10月28日~30日・所管事項に係る県外調査

1 調査日時・箇所・内容

10月28日(水)
○秋田県教育委員会(秋田県秋田市)
  基礎学力向上の取り組みについて
10月29日(木)
○北海道庁(北海道札幌市)
  市町村への権限委譲と支庁のあり方を見直す取り組みについて
○北海道小樽高等支援学校(北海道札幌市)
  今春開校に至るまでの議論・設立経過等について
10月30日(金)
○株式会社ほくでんアソシエ(北海道札幌市)
  障害者の自立と社会参加を支援する取り組み及び特別支援学校との連携について

2 調査委員

稲田委員長、鉄永委員、前田(八)委員、興治委員、澤委員

3 随行者

鳥取県議会事務局議事調査課 前田(い)主幹、前田(康)副主幹

4 調査報告

 全国学力テストでトップの結果を残した秋田県教育に、何か特効薬があるわけではない。秋田県では、子どもたちの規則正しい生活習慣と学習習慣、きめ細かな授業を行う教師、家庭・地域の協力など、地道な、しかし当たり前のことがしっかりと行われている。
また、秋田県に限らず、県教育委員会と市町村教育委員会との間の敷居が低い、換言すれば教育委員会間の連携が上手くいくほどいい結果を表しているとのこと。上下関係や権威主義ではなく、教育委員会同士が、また教育委員会と学校とが如何に密な協力関係を築くことができるか、ここに鳥取県教育の今後の基礎教育の未来がかかっているように思う。
 教育は、単に事業(予算)のみで変わるものではなく、教員一人ひとり、家庭、地域を構成する一人ひとりの人間力に負うところが非常に大きい。この点を十分に認識すべきである。

 権限委譲と組織のスリム化-各県が抱える悩みはどこも同じ。
 “地域主権”への取り組み進めている北海道にあっても、手上げ式の権限委譲が、特に規模の小さい市町村に対して思うように進んでいないのが実情。
 しかし、権限はやはり住民に最も身近な市町村に委譲が進められていくべきであろう。その意味で、本庁から地方機関への権限委譲を、市町村への権限委譲に向けての過渡的な取り組みと位置付けることは理解できる。
 権限委譲と組織のスリム化は地方主権に向けた土台づくりの作業。今後とも各地の取り組みを注視してまいりたい。

 また、今回、高等特別支援教育と知的障がい者の就労について調査するため、今回、教育サイドと企業サイドの双方から調査を行ったが、意識の相違もみられた。
 「ほくでんアソシエ」のように意識の高い企業になればなるほど、障がい者の就業、生活の安定に向けた取組結果に対して厳しく評価する。一方、教育機関においては、基本的な力を身につけることに腐心。これは極めて大事なことである。しかし、就職率については、教育サイドの努力だけではなかなか成果に結びついていない現状もある。
 確かに、教育機関は職業訓練校ではない。しかし、就職率をどう捉えるか?将来的に予想される労働市場の収縮、各地で障がい者のための企業を立ち上げる動きもある中で、教育、福祉、労働サイドが如何に効果的な連携を構築していくか、専任教師が懸命に取り組まれていることを承知の上で、私たちに突きつけられた課題であることを指摘しておきたい。

 今回調査を行った各分野においては課題も多く、今後、十分に議論を進めていく必要があることを申し添え、所感とさせていただく。

 

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