平成21年度議事録

平成21年8月10日~11日・所管事項に係る県外調査

1 調査日時・箇所・内容

8月10日(月)
○日本理化学工業株式会社(神奈川県川崎市)
  重度障害者多数雇用事業所(障がい者雇用を通じた企業経営の在り方)
8月11日(火)
○北海道上川支庁(北海道旭川市)
  管内の環境保全対策
  二酸化炭素吸収量認証制度
○下川町役場(北海道上川郡下川町)
  環境モデル都市の推進
  バイオマスボイラー設備の導入
  早生樹「ヤナギ」の栽培試験地

2 調査委員

野田委員長、森岡副委員長、斉木委員、横山委員、浜田委員、内田委員、山田委員

3 随行者

鳥取県議会事務局議事調査課 田中主幹、中嶋副主幹

4 調査報告

 今回は、日本理化学工業株式会社、北海道上川支庁、下川町役場を対象に、当委 員会が所管する主要な行政課題について調査活動を行った。

  • 日本理化学工業株式会社は、国の心身障害者多数雇用モデル工場第1号として川崎市内に建設した川崎工場と北海道の美唄工場で、チョーク等文房具を製造し、販売している。
     当社の障害者雇用率は70%以上であり、障害者雇用促進法で義務づけられている企業の障害者雇用率1.8%以上を大きく上回っている。
     これは、経営者の行政に頼らないチャレンジ精神や障害者の能力を最大限に発揮させる経営戦略と工場内でいきいきと一生懸命作業をする従業員の姿や効率よくスムーズに流れているチョークの製造ラインを拝見し、改めて障害者雇用のパイオニア的な企業であると認識した。
     今後、本県において障害者雇用を推進するに当たり、企業が最低賃金以上の給与体系にチャレンジできるような支援体制と障害者の自立できる生活環境(交通手段、住居等)の整備、両面から検討する必要があると感じた。
  • 北海道は平成19年度に「ほっかいどう企業の森林づくり」森林吸収量認証制度を創設している。
     道が企業の森林整備による二酸化炭素吸収量を認証することによって、企業側の宣伝効果(地球温暖化防止の貢献によるイメージアップ、森のネーミングライツ等)も期待され、道内の森林整備を推進する上で、有効な制度(手段)であると認識した。
     北海道は、鳥取県で既に導入されている森林環境保全税に類する税制措置はない。
     森林率が71%の北海道と73%の鳥取県は、それぞれ今年3月に地球温暖化防止に関する条例を制定し、現在、双方とも条例に基づく具体的施策等を検討こともあり、今後も引き続き北海道の環境保全対策を研究していく必要があると感じた。
  • 下川町は、昨年7月に国から「環境モデル都市」に認定され、現在、「環境モデル都市アクションプラン」に沿って、各種取組を行っている。
     町は毎年、予算規模約40億円のうち1億数千万円を森林の育成管理に歳出している。
     今後、林業振興は、地球温暖化対策という観点から、国内外で関心が高まりつつあるカーボンオフセットの取組等を通じた新たな地域経済・環境産業の活性化が期待されると感じた。
     大半が中山間地域である本県は、今年3月に地球温暖化対策条例を制定したところであり、今後、条例に基づく具体的施策を検討する上で、このような実践事例は大いに参考となった。

 以上が調査を終えての所感であるが、調査全般にわたり、各委員から積極的な発言、質問があり、今回の調査は大変充実・有意義な内容と実感している。
 今回調査したこれらの施策や取組については、今後の委員会活動の参考としていきたい。

 

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